まどか「中二だけど魔法少女になります」(227)

QB「いや……その願いはちょっと」

QB「いやその、なんていうか……さすがにその願いは僕の限界を超えてるかなーって」

まどか「え……? どんな願いでも叶えられるんじゃなかったの?」

QB「ええと、まぁやっぱり限度はあるかなって……」

まどか「私ならどんな未来も変えられるんだよねぇ?」

QB「それは言葉の綾っていうか、その」

まどか「キュゥべえ、嘘ついたの? わたし騙されちゃったの?」

QB「いやあの、もうちょっと現実的な願いがいいかなぁって……」

まどか「現実的(笑) 魔法少女が現実的ってなぁに?」

QB「い、いや……」

QB「けど、さすがに『全知全能にしろ』は無理があるんじゃないかなぁって……」

QB「だ、大体ね、全知全能って……君は神にでもなるつもりかい?」

まどか「おかしなコト言うね、人間なんて支配者になりたいのが相場でしょ?」

まどか「まどろっこしい力なんていいから、私が支配者になって好き勝手弄りたいってだけの簡単な願いだよ」

QB「うわぁ」

まどか「とっても人間らしいかなって」

QB「うん、人間らしいね、黒い意味で」

まどか「はよ叶えて」

QB「い、いやいやいやいや、だからその願いはちょっと無理かなーって……」

まどか「どうして? どんな願いでも叶えられるんでしょ?」

QB「あ、う、うん、そうだけど」

まどか「わたしって凄い逸材とか言ってたよね?」

QB「ま、まあ……」

まどか「なんかわたしが契約しないと、未来が大変になっちゃうんだよねえ?」

QB「そ、そう、だっけ?」

まどか「なら……ここでわたしを逃しちゃったら、まずいんじゃない?」

QB「そ、そうだよぉ! 鹿目まどか、君ならすごい魔法少女になれる!」

まどか「だよね? だからさぁ、願い叶えようよ」

QB「い、いやっ、その……ちょっと世界を支配させろってのは、規模があれかなーって」

まどか「じゃあ……キュゥべえはウソついてたの?」

QB「ええっ!? ほ、ホントだよ! っていうか僕みたいな生き物がいるってだけでなんか不思議って思わないかい?」

まどか「それは夢オチでいいんじゃないかな」

QB「えぇーー……」

まどか「だって叶えられないんでしょ? どんな願いもって言ったのに、選り好みしちゃうんだよね?」

QB「だ、だから限度ってものが」

まどか「まどかショックだなぁ……魔法少女になるの、やめちゃおっかなぁ」チラッ

QB「こ、こっちだってね、願いを叶えたい女の子はたくさんいるんだ、別に君じゃなくたって」

まどか「あれれ? わたしじゃないと未来を変えられないって設定はどうしたの?」

QB「そ、それもウソかも知れないだろ?」

まどか「あ、そう じゃいいや」

QB「へ……?」

QB「いやいやいやいや! 君がすごいのはホントで!」

まどか「どんな願いでも叶えられる?」

QB「もちろんだよ!」

まどか「すごい魔法少女になれる?」

QB「あ、あたりまえさ!」

まどか「全知全能にしてくれる?」

QB「や……それはちょっと」

まどか「ほら!! やっぱりダメなんだ!!」

QB「まず全知全能って願いがあやふやすぎるんだよ!」

まどか「へえ、じゃあ詳しく説明すればいいの?」

QB「そ、そうだね、言ってみてくれるかい?」

QB「(クッ……鹿目まどか、まさか君がこんなにもクレーマーだったなんて)」

QB「(なんとか誤魔化して、無理矢理にでも契約させてやる……)」

まどか「まずね、私はこの世界が消滅しても、上位意識だから生きていけるの」

QB「は?」

まどか「それで、この世界は私にとって玩具みたいなものだから、なんでも出来るの」

QB「……」

まどか「あとねあとね、やっぱり弄った世界で遊びたいから、この世界に降りることも出来るのね」

QB「う、うん」

まどか「そのときに世界が消滅してもちゃんと本体に戻れないといけないしー」

QB「……うん?」

まどか「ま、そうだ、自動全知全能にしよっか」

QB「へ……?」

まどか「私がとくに意識しなくても、全自動で私は守られるし、世界の因果は自動で保たれるしー」

まどか「その上で私の思い通りになるし、あとやっぱりテスト用ってことで複数世界を作れるようにしたいなぁ」

QB「君は最強厨なのかい……?」

まどか「そんな感じで!」

QB「アホか!!」

QB「もうね、エントロピーとか以前の問題だよ!」

QB「今まで色んな魔法少女を見てきたけど、君みたいな魔法少女は特級イレギュラーだよ!」

まどか「ウェヒヒ」

QB「褒めてないよ!!」

QB「いいかい? いくらなんでもそんな願いは無理だ、僕は願いは叶えられるけど神じゃないんだからさぁ」

まどか「えー、どんな願いもって言うから一番叶えたいのを教えたのに」

まどか「その願い、言うの恥ずかしかったんだよ?」

QB「悠長に語ってる君のどこに恥じらいがあったんだろう……」


QB「そうだ、さっきのが一番なら二番目の願いもあるってことだろう?」

QB「それなら叶えられるかも知れない、どんな願いでも言ってみてよ!」

まどか「さっきもそう言って騙したよね?」

QB「へっ……? 騙すつもりはなかったっていうか」

まどか「騙されるのって傷つくんだよね」

QB「だ……大丈夫さ! 物は試しって言うだろ?」

まどか「じゃぁ……『自由に世界を作り替える能力がほしい』」


QB「い、いや……それ、言い方かえただけだよね?」

まどか「全然ちがうよ!」

まどか「私は全知全能じゃないけど、世界を改変する力だけはほしいかなーって」

まどか「そしたらその力で自力で全知全能になるし」

QB「い、いやいやいや! まずは全知全能から離れようよ!」

まどか「ほらやっぱり叶えてくれない」

QB「いやその……やっぱり世界を変えちゃうのは難しいんじゃないかなーって……」

まどか「あーあ、また騙されちゃったなあ、傷ついたなぁ」

まどか「なんとか言ってよぉ、出来損ないのキツネのくせにさぁ」ゲシッ

QB「ひぎぃ!!」

QB「(くそ……鹿目まどかさえ魔女にできれば、僕のノルマも達成できる)」

QB「(そしたら退職してリゾート惑星で老後を送るという計画だったのに)」

QB「(母星には僕の帰りを待つ家族がいるっていうのに……)」


まどか「ねえ叶えてくれるんだよねぇ?」

QB「(おのれ……鹿目まどかの魔力は絶大だ)」

QB「(なんとしても……この物件を転がして、僕は営業王になるんだ!!)」

QB「そ、そうだ! 君は神になりたいんだろう?」

まどか「そうだよ? さっきから言ってるよね?」ゲシッ

QB「ひぎっ……な、なら、人間社会を支配するという意味で神になるってのはどうだい?」

まどか「ああ……政治家に電話すると、わたしの口座にお金が入ってくる錬金術のこと?」

QB「…………そ、そうかな?」

まどか「そういうのは興味ないんだ、わたしってこの世界そのものを支配したいっていうかぁ」

まどか「世界全体を見下してるっていうかぁ、そういうポジションに救いを感じるっていうかぁ」

QB「わけがわからないよ……」

QB「そうだ! さっき君が言ってたじゃないか、君の魔法で神になればいいんじゃないか」

まどか「あはは! さすがキュゥべえだね、それはどんな願いならいいのかな?」

QB「ほ、星を破壊するくらいの力を……手に入れるとか?」

まどか「ぜんぜんわかってないねー、おしおきだよ♪」ゲシッ

QB「ぎゃぼ!」


まどか「ちょっと整理しよっか」

まどか「キュゥべえはわたしの願いを叶えられない」

QB「はい」

まどか「はいじゃないよ? そこはごめんなさいだよね?」

QB「えぇっ? ご、ごめんなさい」

まどか「どうしても、人が神になったり、世界を作り変えたりする願いは叶えられない、と」

QB「おっしゃるとおりです」

まどか「うん、帰っていいよ」

QB「え……いやいやいや! それはちょっと困るかなって!」

まどか「だってわたしの他にも願いを叶えたい女の子はたくさんいるんでしょ?」

QB「い、いや……その、君ほどすごい逸材はいないかなーって」

まどか「でもわたしの願いは叶えられないんだよね?」

QB「いやーちょっと……ど、どんな願いでも、叶えられる……はずなんだけど」

まどか「なのにこの世界はわたしの思い通りになってくれないんだよね?」

QB「そ、そりゃ……そうだろう?」


まどか「じゃー消そう!」

QB「へ?」

まどか「なんかね、そんな世界ならなくなっていいかなって」

QB「……い、いやいやいや」

まどか「もうね、宇宙も含めて、平行世界とかあるんだったらそれも全部まとめてさ、なくなっちゃえばいいよ!」

QB「うっわ! エントロピーを凌駕しすぎてる!! どんだけ滅ぼしたいんだよ!!」

まどか「ねえねえ叶っちゃう? この願い叶っちゃう?」

QB「い、いやだから世界の作りに関するのは僕には無理だって!」

まどか「なーんだ、つまんないの」

QB「君は……頭を冷やした方がいい」

まどか「そうだね、わたしも願いが叶うなんて言われて、テンションが上がってたのかも」

QB「ぼ、僕はいつでも待ってるからね、別の願いが決まったらすぐに呼んでね」


何日か後


QB「鹿目まどか、願いは決まったかい」

まどか「それなんだけどね」

まどか「わたし一人じゃ決められないから、世界に詳しい友達を連れてきたよ!」

ほむら「どうも」

QB「げぇ!! ほむら!!」

ほむら「話は聞かせてもらったわ」

ほむら「なんでも、まどかの願いを叶えられないそうね」

ほむら「(これは新しいパターンね、まさか途方も無い願いのおかげで、契約を阻止出来るなんて)」

QB「だ、だって……神になりたいとか、世界を滅ぼし」

まどか「あははっ、恥ずかしいから言わないでよぉ」ゴスッ

QB「ぐべぉ!」

ほむら「(インキュベーターと敵対するまどかも珍しいパターンだわ……この世界ならいけるかも知れない)」

QB「だ、だから……この個体はいくらでも代わりがあるけど、無駄に消費するのはやめてくれないか」

まどか「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

QB「うわああ!! 僕の個体を食べないで!!」

まどか「発泡スチロールの味だね」

QB「わけがわからないよ!!!」

ほむら「まずは願いを叶えられない理由を明確にすべきね」

QB「君もこの惨状をスルーしないでくれないかい」

ほむら「(グロ展開にも順応してる……仮に魔法少女になっても、このまどかなら魔女化しないのでは……)」

ほむら「(それにこの世界の作りや、願いの制限については私も知らない……興味深いわね)」


ほむら「答えなさい、世界を作り替える願いは何故叶えられないのか」

QB「そ、そんなの当たり前だろう? 僕はあくまで願いを叶えるだけで、神を作るような真似は出来ないよ」

ほむら「その理由を話せと言っているの、明確に答えないと、新しい個体をリロードすることになるわよ」

QB「暁美ほむら、僕にそんな脅しが通用しないことは承知しているだろう?」

まどか「もう死に慣れてるもんね」

QB「…………君のせいだろう」

ほむら「(……ちょっと、引くわ)」

QB「いいかい? 人間の願いというのは、本来ごく現実的なものしか叶えられないんだ」

まどか「好きな男の子の手を治すとか?」

QB「そう! 些細な幸せを叶えてあげるのが僕の役目さ!」

ほむら「そのセリフだけだと、とても可愛らしく聞こえるわね」

QB「だから世界を作り替える願いは、たとえ僕にその力があったとしても叶えられない」

QB「それを願う人間に、それほどの力がないからなんだ」


ほむら「待って、それだと私の願いに矛盾が生じるわ」

QB「…………」

ほむら「この魔法は世界を飛び越えて重複させているのでしょう? 世界に干渉する力ではないかしら」

まどか「わあ! ほむらちゃんすごい! どんな力なの?」

ほむら「後で教えてあげるわ」

QB「確かに、暁美ほむらの願いは世界を改変するほどの力にも見える」

QB「でも違うんだ、君の力は君自身が世界を飛び越えるだけに過ぎない」

QB「世界に影響が及ぶのはその副産物にすぎないのさ」

まどか「ねえねえっ、飛び越えるってどうするの? スポーツ年鑑で一山当てられるっ?」

ほむら「(この世界のまどか……絵の書いたような黒さね、ソウルジェムが濁るわ……)」

QB「世界を直接変える願いは無理だ」

QB「けど、結果的に世界を改変することなら出来る、それが願いであって、奇跡なのさ」キリッ

まどか「だから私を神にして、結果的に世界を改変するって言ってるんだけどなぁ」ドグシャァ

QB「げぼぉおぉ!!!」

ほむら「返り血……ッ!? SAN値が……!」


QB「だ、だから……それは無理だって言ってるじゃないか」

まどか「キュゥべえは願いを選り好みしすぎだよ、ぎゅっぷぃ」

ほむら「(これは夢、これは夢、こんなのまどかじゃない……)」

まどか「キュゥべえの与太話だと、わたしってすごい逸材なんだよね?」

QB「そうだよぉ! 君ならどんな未来だって変えられる!」

まどか「ならさ、わたしだったら世界を改変する願いも叶えられそうじゃない?」

QB「いや、その……」

ほむら「それとも……世界を改変されると都合が悪いのかしら、インキュベーター?」

QB「えええ、あのその……」

ほむら「例えば、この契約には知られたくない裏があるとか」

QB「そ、そーんなことあるわけないじゃないかあー、あはははは!」

QB「(くっ……! 暁美ほむら、やはり契約の阻止が目的なのか)」


まどか「あはは、やっぱり裏があるんだね」

まどか「それについてもあらいざらい吐いてもらおうかなぁ」

まどか「そうだ……こういう時って、脅すのがいいんだよね?」

まどか「ねえねえ……キュゥべえに関する存在を、完全に消しちゃうって願いはどうかなあ……?」

QB「は……?」

まどか「あれ、聞こえなかったあ?」

まどか「だからね、キュゥべえが何者か知らないけど……みんなまとめて消しちゃうって願い、どうかなあって」

QB「へ……え……ええと」

QB「(なんてドス黒い感情エネルギーなんだ……こんな人間は見たこともない……下手すれば、ヤラれるぞ……!)」

QB「いやっ、その……」

ほむら「(ああ……グリーフシードをもってきてよかった)」

まどか「ほら世界は改変してないよ? ちょっと死よりも確実な方法を願ってるだけじゃない」

QB「い……言ってなかったかな! そういうこわーいお願いは、子供の教育によくないからだめなんだよ!」

まどか「あ、そう」ドグシャア

QB「ぐばああ!!!」

ほむら「ひっ……」パタリ

まどか「あはは、ほむらちゃん気絶しちゃった、キュゥべえの抜け殻食べさせたら回復するかな」

QB「むしろショック死するんじゃないかな……」

まどか「そうだ、キュゥべえの願いを増やす願いってどう?」

QB「いやいやいや、それはほら、お決まりのNGだよ!」

まどか「使えないなぁ」

QB「いやその……この物件諦めたい……」


まどか「つまり、世界ぜんぶを変えるんじゃなくて、ほんの少し変えるだけならいいってこと?」

QB「もう、それでいいです」

まどか「へえー」

QB「それでも神だとか、全知全能とかは無理だからね?」

まどか「ウェヒヒッ それよりも面白い願いを思いついちゃったんだよね」

QB「え……」

ほむら「……ん、ここは……」ホムリ

まどか「あ、起きた」

ほむら「まどか……」

ほむら「(私はまどかに連れられて……ああ、そうか、悪い夢を見ていたのね……)」

まどか「えへへ、返り血浴びて失神しちゃうなんて、ほむらちゃんかわいいね」

ほむら「(夢じゃなああああい!)」


ほむら「あれ……まどか、あなたまさか!!」

まどか「あれあれ、わかっちゃう? 中二だけど魔法少女になっちゃった」テヘペロ

ほむら「やっぱり阻止できなかった……!」

QB「暁美ほむら、絶望する必要はないさ」

ほむら「!!?」

QB「まどかは、おそらく僕が最も望んでいない願いを叶えたのだから」

ほむら「あなた、一体どんな魔法を……」

まどか「へへ、それはね……わたしと、わたしの周囲が」

まどか「ギャグになる魔法だよ……」ドヤァ

1.それはとってもおかしいなって

マミ「しまった!!」

まどか「わっ」

さやか「ああ! まどかがマミられた!」


まどか「痛いなぁ」

さやか「ああ! まどかがヘッドレスになった!」

マミ「なんで生きてるの!?」

まどか「んーそういう体質?」

マミ「っていうか顔がないのに声が聞こえるって不思議!!」


さやか「ああ! 魔女がみるみる溶けていく!」

まどか「魔女は犠牲になったのだ」

マミ「すごい……食べられた頭が、魔女を侵食しているのね」

マミ「デタラメだけど、すごくデタラメだけど、とんでもない魔法だわ!!」

QB「……あーあ」

2.もうなにもこわくない

マミ「やだ、ソウルジェムが穢れてるじゃない」

まどか「あ、はじめからこういう色なんです」

マミ「えー……」」

3.奇跡も、魔法も、ないんだよ

杏子「くそ! さやか!! どうして魔女なんかに!!」

さやか「あーなんか、この現実はあたしには合わないかなーって」

杏子「な……なんで喋ってんだよぉ!! 台本と違うだろぉ!!」

まどか「まぁ、ギャグだし?」

杏子「どうなってんだよ……」

4.オチなんて、あるわけない

マミ「行ってしまったわ……円環の理に導かれて」

さやか「尊い犠牲だったね」

マミ「……なんでいるの!!?」

まどか「あー、まだ出番あるし」

マミ「はあ!?」

さやか「退場すると思った? ざんねーんさやかちゃんでした!」

まどか「あ、ちょっとあざとかったから、やっぱ退場で」

さやか「いやだああああああぁぁぁぁ……!!!」

5.こんなの絶対うれしいよ

ほむら「まどかぁっ……」ムギュ

まどか「……っ///」

まどか「ごめん……セリフとんじゃった」


ほむら「まどかぁっ……」ムギュ

まどか「……ぁっ///」

まどか「ごめんね……間をまちがえちゃった」

ほむら「……」


ほむら「まどかぁっ……」ムギュ

まどか「……ん///」

まどか「セリフ飛んじゃった、もう一回お願い」

ほむら「……」


ほむら「まどかぁっ……」ムギュ

QB「…………」

6.最後に残ったオチ

ほむら「それで……」

ほむら「なんやかんやで全員揃ってワルプルギスの夜に挑むわけね?」

QB「……仕方ないだろう、死んだと思ったら生き返るし、魔女化したと思ったら元に戻るし」

QB「まどかがいる限り、この世界はもう正常じゃないからね」

まどか「ウェヒヒ」

QB「それにワルプルギスの夜だって、ギャグになってない保証はない……」

まどか「あ、そうだ」

まどか「めんどいから、ワルプルギスの夜はいなかったってオチにしよう」

QB「は……?」

ほむら「まどかだめ! それオチてないわ!」

まどか「またまたぁ、よくあるでしょ? 最終回なのに結末をやらないギャグとか」

さやか「ギャグアニメなのにギャグをやらないギャグとか?」

まどか「そうそうそんな感じで」

わけがわからないよ

7.わたしの、最高の願い

ほむら「はっ…………また、戻ってしまった」

まどか「残念、戻ってないんだよねぇ」

ほむら「え、ええ!?」


まどか「ほむらちゃんの為にね、ちゃんとオチを考えてきたんだよ?」

ほむら「い、いらないわよ……ギャグテイストにまみれたオチなんて!」

まどか「またまたぁ、ツンデレなんてもう流行らないよ?」

ほむら「ツンでもデレでもないわ!」

まどか「わたしが用意したオチはね?」

ほむら「い、いや……聞きたくない!」


まどか「魔法少女まどか☆マギカ 二期決定」

ほむら「ま、まどか……」ホロリ

まどか「ただしギャグアニメ」

ほむら「いやああああああああ!!!」

QB「……で、鹿目まどか、君は結局何がしたかったんだい?」

まどか「うーん、暇つぶし?」

QB「暇つぶしで因果律をデタラメにしたのかい」

まどか「うん、だってこんな世界どうでもいいもん」

QB「はぁ……まったく、人間は理解できないよ」

もしかして終わったのか

さやか「終わったとおもうじゃん? ざんねーんさやかちゃんでしたー!!」

糞面白いからさっさと書け
それと次からは人が多い時間帯にスレ建てろ

さやか「終わったとおもうじゃん? ざんねーんさやかちゃんでしたー!!」

常識的に考えてつまらないでしょう!?

QB「……で、>>1、君は結局何がしたかったんだい?」

SAN値直葬黒まどかが見れたので良かった

ほむら「とても恐ろしい夢を見てしまったわ」

ほむら「思い出したくもないけど……状況を整理するためにも思考しないと」

ほむら「私は、ギャグ化した世界から、また別の世界へ戻ってきた」

ほむら「この世界が私の知る正しい世界なら、世界はまだ私が転校する前の日」

ほむら「……何も変わりない、何度も見た部屋」

ほむら「……なのに、この違和感はなにかしら」


QB「やあ、やっと来たね、暁美ほむら」

ほむら「……そう、違和感の正体は確かにあるようね」

QB「僕もこのパターンは初めてさ」

続くのかよ

ほむら「つまり、あなたも記憶を持ったままこの世界へ飛ばされたということ?」

QB「それだけなら良かった、元より僕達は異なる時間軸を行き来する存在だからね
   記憶の共有は本来の能力だし、問題ではないのさ」

ほむら「回りくどいわね、結果から言いなさい」

QB「やれやれ、君は冷めすぎてる、もう少し煽りというものを楽しんだらどうだい?」

ほむら「あなたこそ、感情は持ちあわせていないのではなかったかしら」

QB「……いいかい、あの世界の鹿目まどかは完全なイレギュラーだった」

ほむら「そんなのわかっている、あんなのまどかじゃない……まどかは私のSAN値を削ったりしない」

QB「そうじゃない」

QB「あの鹿目まどかは、別の意識に支配されていたと思われる」

ほむら「……回りくどい、端的に言いなさい」

QB「あれは鹿目まどかの身体を借りた別の存在じゃないかと、僕は考えた」

ほむら「そう」

QB「落ち着いているね、だけどその余裕もなくなる」

QB「あのまどか、ややこしいから仮に鹿目と呼ぼうか
   奴の途方もない魔法は周囲の因果律を歪めるには十分な可能性があった」

ほむら「だから、端的に言えと言っているのよ」

QB「……鹿目は君の能力を奪って、僕達のあとを追ってきている」

ほむら「まるで少年漫画のような話ね、めまいがしてきたわ」

QB「僕がこの世界にこれたのも、鹿目の改変によって生まれた時間の溝に落ちてしまったからさ」

ほむら「……それで、このタイミングで私に接触した目的は何かしら」

QB「…………因果律の話はわかるかい?」

ほむら「多少ならばわかるわ」

QB「因果とは、現在の結果から過去を結びつける証拠のような存在さ
   この世界は因果律によって成り立っているといってもいいだろう」

ほむら「……なんだか、先が読めてしまうのだけど」

QB「鹿目は現在の時間で因果をデタラメにした
   その結果、この世界はデタラメになった現実に辻褄を合わせるように、過去すら改変されてしまっている」

QB「もう、わかるだろう?」

ほむら「私に因果律を修復しろとでも言いたいのかしら」

>QB「あのまどか、ややこしいから仮に鹿目と呼ぼうか
まどカスでいいんじゃないかな

QB「異なる世界を体験しただけはあるね、察しが良い」

ほむら「断るわ」

ほむら「あなたの言うように私は何度でも繰り返す
     この世界が壊れ物なら、次の世界のまどかに願いを託すだけよ」

QB「君は人よりも多くを知っている、しかし知っているだけで、知らないこともある」

ほむら「何を当たり前な……」

QB「じゃあ聡明な暁美ほむらに質問だ
   君は今日という日を基点に過去へ遡っている
   そして幾度と無く異なる世界を体験してはいるけど、その世界はどの時点で分岐していると思う?」

ほむら「…………」

QB「そうさ、君は所詮”今”という時間から派生する世界を渡り歩いているにすぎない
   そして改変された世界は、過去にまで及んでいる」

ほむら「ありがとう、おかげで頭痛の種が増えたわ
     でも残念ね、私の魔法ではこれ以上過去には遡れないのよ」

ほむら「あなたの望む因果律の修復は無理ね」

QB「僕をなんだと思っているんだい?」

QB「本当ならあってはいけないことだけど、この際仕方ない
   君の魔法を僕の力で拡張する、それで戻るんだ」

ほむら「仮に、それが出来たとして
     私に何のメリットがあるのかしら」

QB「君は鹿目まどかのために世界を繰り返している
   その鹿目まどかを失った今、君のソウルジェムはじきに穢れる」

QB「それに君も見ただろう?
   デタラメになった世界では、”魔女は生まれない”」

ほむら「そんなの、まだわからないじゃない」

QB「確かに鹿目の改変がどこまで及んでいるかはわからない
   けど魔法少女の存続のためにも、デタラメになった世界を戻すべきじゃないかい?」

ほむら「……」

QB「(こんな世界じゃ感情エネルギーの回収なんてできたもんじゃない
   そもそも僕達の存在すら危ういんだ、何が何でも協力してもらうよ……)」

ほむら「因果律の修復なんて、一体どうするのかしら
     まさか歴史上の史実に基づくように直せとでも言うの?」

QB「それは心配いらない、改変の原点となった時間にさえ行けば
   あとは僕が本来の歴史に書き換えるだけだ」

ほむら「……まどか、いえ鹿目に気付かれたら、私達はどうなるのかしらね」

QB「間違いなく敵対関係になるだろうね
   鹿目は何も考えていないように見えて、改変には基準がある」

QB「それは、魔法のない世界ってことさ」

ほむら「端的に言いなさい」

QB「奴はデタラメな手段で魔女を倒し、奴の周りではソウルジェムは穢れず、魔女化も起こらない
   死人は生き返り、魔女は魔法少女に戻る」

QB「そして魔女の発生も収まり、魔法少女は次第に普通の人間に戻るような世界に改変されていった」

ほむら「(……何かしら、とても良い世界に思えるのだけど)」

QB「……暁美ほむら、君が何を考えているのかよくわかるよ
   僕も魔法のいらない感情エネルギー回収方法があるなら、これほど安定した世界はないと思う」

ほむら「……端的に」

QB「せっかちだなぁ
   いいかい、この世界は僕達の奇跡と彼女たちの魔法によって進化を遂げてきた
   つまり、その歴史が消えつつあるのさ」

QB「せっかちな君のために端的に言えば
   人類の文明レベルが下がっているのさ」

ほむら「そこまで影響が出るものなの?」

QB「今は僅かな変化しかない、けどこのまま行けば、なかったはずの戦争が生まれてしまうだろうね」

ほむら「……」

QB「僕が鹿目の願いを叶えなかった理由、わかったかい?」

QB「本当なら君の願いだって危険な賭けだったのさ」

ほむら「どうもリアリティに欠けるわね」

QB「そう思うなら、君たちが使うインターネットでアメリカの地図を見てみるといいさ」

ほむら「……一日、猶予をもらってもいいかしら
     私も私の視点で集めた情報がほしいわ」

QB「構わないさ、いつでも僕を呼ぶといい」


-学校-

ほむら「(何も変わっていないように見えるわね
     この通学路も、町にも変化はない)」
まどか「ほむらちゃんおはようっ」パタパタ
ほむら「おはよう」
まどか「えへへっ、今日は遅いんだね」
ほむら「え、ええ……少し用事があったものだから」

ドクンッ

ほむら「(……おかしい、何かがおかしい)」

ほむら「あの、まどか? おかしなことを聞くけど、私が転校してきたのはいつだったかしら」

まどか「ふぇっ!? きゅ、きゅうに変なこと言わないでよ
     ほむらちゃんは、私達とずっと一緒だったでしょ?」

ほむら「(…………うそ、私の知っている過去と違う
      私は転校生のはず、まどかとの面識もない、はず……)」

まどか「ほむらちゃん? どうしたの? 変なこと言ったり、立ち止まったり……」
ほむら「な、なんでもないわ、行きましょう」


さやか「どうしたほむらぁ、いつもの不機嫌顔がいつにもまして不機嫌だぞー?」
ほむら「心配いらないわ、体調が悪いだけだから」

ほむら「(美樹さんまでもが私を知っているの……?
      これが改変なの……?)」

まどか「ほむらちゃん、保健室いこ?」
ほむら「へ、平気よ」
まどか「だめだよっ、診てもらうだけでいいからっ」グイグイ
ほむら「う、うわ、ちょ……(なんて力 まどかにこんな力があったの……!?)」


ほむら「まどか、一人で歩けるわ……恥ずかしい」

まどか「ぁ、ごめんね、えへへ……」

ほむら「(まどかのキャラまで変わっている、これはどういうことなの)」

まどか「あれっ、保健室はこっちだよっ?」グイ

ほむら「ひゃっ……(学校の間取りが変わる必要はあるのかしら?)」


-保健室-

まどか「微熱でよかったぁ~、ほむらちゃんって身体弱いからぁ」

ほむら「ごめんなさい、心配かけてしまったわ」

まどか「ううんっ、私教室に戻るけど、ちゃんと休むんだよ?」

ほむら「ええ」


ほむら「(……まどかに頼るのなんて、何周ぶりかしらね
      あの頃のようだわ……)」

ほむら「(暇ね……何か読む物はないかしら
      ん? 保健室に世界地図なんて貼ってあったかしら)」

ほむら「……なっ!」

ほむら「(アメリカの……あのクレーターのようなものは何!?)」

先生「ん? もういいのかい?」

ほむら「大丈夫です、ご迷惑おかけしました」スッ


-ほむホム-

ほむら「インキュベーター、インキュベーターはいるか!」

QB「世界がどうやってるか、わかったかい?」

ほむら「まるでデタラメね
     この世界では、日本は敗戦すらしていないじゃない」

QB「アメリカとの痛み分けで和解したことになっているね」

QB「あの史実は、アメリカの魔法少女が核兵器の開発に一役買っていたのさ
   その歴史が改変されたから、アメリカと日本の軍事力は均衡してしまった」

ほむら「……改変の危険性がよくわかったわ」

QB「それじゃあ! 協力してくれるんだね?」

ほむら「……何を勘違いしているのかしら」

QB「へ……?」

ほむら「改変を元に戻す必要性はあるわ
     ただし、あなたの手は借りないし、あなたの口車にも乗らないわ」

QB「……君には失望したよ、暁美ほむら」

ほむら「その口ぶりも聞き飽きたわね」


-------


ほむら「(歴史の改変を止めたところで意味はないわ
      改変すべきは私を追ってきた鹿目そのもの)」

ほむら「(考えるのよ暁美ほむら……
      鹿目の居場所は魔法少女としての本質でつかむことは出来るわ)」

ほむら「(問題はアレをどう説得するかだわ
      改変したものを再改変させて史実に戻すのだから……あのデタラメな性格から正さないと)」

-まどか部屋-

まどか「ほむらちゃん大丈夫かなぁ、早退してから電話もでてくれないし……」

ガサガサ

まどか「え、何!?」

『たすけて……』

まどか「誰!? 誰が呼んでるの!?」

『あ、やっぱり来ないで』

まどか「どっちなの!?」

『げぼおお!!!』

まどか「も、もうなんなの!?」


-どこか-

鹿目「やっぱり出来損ないのキツネも来てたんだね♪」ドスッ

QB「ぐっ……」

鹿目「あははは、どうしたの? 次の個体が出てこないけど」

鹿目「クスクスッ!! 知ってるよ? 私がインキュベーターの存在を消したもの、もうこの世界に個体はないよねぇ?」

鹿目「困っちゃうんだよねぇ、折角誰も不幸にならない世界を作ったのに
    また変な契約をされたら魔法少女が増えちゃうでしょ?」

QB「君の目的は……なんだ」

鹿目「あはははは! もしかしてわかってないの?」

鹿目「わたしはね……ほむらちゃんを救うために世界を作り変えてるんだよ
    その為には魔法の存在を消すしかないよね?」

鹿目「なのにさぁ、どっかのクズがねぇ、ろくに願いも叶えられないっていうんだから
    こうやって面倒な手を使って改変するしかなかったんだよ」

QB「そうか、世界を改変するために、わざと暁美ほむらに力を使わせたのか」

鹿目「そうだよ? 因果律は証拠が多いほど歴史を捻じ曲げやすいんだからさ
    未来と過去の2つの点を改変すれば、この世界の作りを変えるなんて造作もなかったよ」

鹿目「あーあめんどくさいなあ! もっと簡単にやりたかったなあ!」ガッシボッカ

QB「ぐべああ!!」


ほむら「そこまでよ!」

QB「暁美ほむら……」

ほむら「黙って逃げなさい」ヒソヒソ

QB「すまない……動けそうにない」

ほむら「ふん……まるでぬいぐるみね」


鹿目「あはははははははははは!!!!! ほむらちゃんだああぁ……
    ねえほむらちゃん、この世界は住みやすいでしょ?
    もう誰も絶望しない理想の世界だよ?」

ほむら「まどか……いえ、あなたは一体何者なの」

鹿目「何を言ってるの? わたしだよ?」

ほむら「……(考えるのよ暁美ほむら、普通に戦っても勝ち目はないわ
     だからって、ここでインキュベーターを失うわけにもいかない)」

鹿目「どうして怖い顔するの?
    もう誰も魔女にならないし、ワルプルギスの夜は出る出る詐欺になったんだよ?」

ほむら「それには感謝するわ……けれど、あなたは歴史を変えすぎたわ
     確かに魔法少女はこの世界になかった方が良いかも知れない
     けど、それなしでは成立しない歴史であることも事実なのよ」

鹿目「ちょっとした誤差じゃない……ほむらちゃんは幸せな世界で生きられるんだよ?」

ほむら「まどか……」

鹿目「ほらほむらちゃん、抱きついていいんだよ?」

ほむら「(血みどろのまどかなんか、抱きつきたくないわよ……)」

QB《このままじゃ君まで改変されてしまう……僕が合図をしたら過去に飛ぶんだ
   僕の力で君を改変前の世界線に飛ばす、そこにはまだ正常な僕達がいるはずだ》

鹿目「どうしたの? わたしのこと嫌いになっちゃった?
    そんなわけないよね?
    わたし、さやかちゃんみたいに好きな人のために願いを使ったよ?」

ほむら「……私のまどかを侮辱しないで」

QB「よせ……挑発しちゃいけない」

ほむら「あなたは鹿目まどかじゃない! まどかはそんなこと言わない!!」

鹿目「はは、あはははッ……ほむらちゃんも、わたしのお人形さんにしなくちゃいけないのかな」

ほむら「ぐっ……なんて魔力なの」

QB《今だ!! 飛ぶんだ!!》

ほむら「まどか……必ず戻ってくるわ!」

カチッ

鹿目「逃がさないよ……ッ!」ドグシャア

鹿目「!!!」

ほむら「わ……私!?」


-ほむホム-

ほむら「はっ……ここは……」

ほむら「私のところに間違いない、けれど」

ガチャ

元ほむら「ふぅ……なんとかまどかの契約を阻止出来たわ」スタスタ

ほむら「……(なるほど、QBの力で飛ぶとこうなるのね
     この世界でインキュベーターの力を借りて、あっちの世界を改変すれば良いのね)」

-デパート的な-

ほむら「何周目の世界なのかしら、私の記憶ならインキュベーターは……」

トットットッ

まどか「誰っ? どこにいるのっ?」

元ほむら「くっ……」シュベンシュベン シュベン

QB「わわっ」カサッカサッ

ほむら「今ね」

カチッ

ほむら「インキュベーター……今回だけはあなたの力を借りることになりそうね」抱き

QB「え……へ!? 君は、二人目……?」

ほむら「黙って、逃げるわよ」

カチッ


元ほむら「……ッ!! 消えた……?」

まどか「きのせい、なのかな……もしかして幻聴……?」

-深夜の学校屋上-

ほむら「ここなら暫く無人のはず……」

QB「ありがとう、助かったよ……君たちは双子なのかい?」
ほむら「まぁそんなところよ」
QB「そうかい、今は世界中の因果律がおかしなことになっているからね
   君が二人いたとしても不思議じゃなかったんだけどね」
ほむら「その話、詳しく聞かせてほしいのだけど」


ほむら「まとめるわ
     あなた達は他の世界線で改変が行われているところまでは把握しているのね
     けど、改変された世界線には、あなた達の個体が存在しないから、調べることができないと」
QB「そうなるね」
ほむら「そう……」

QB「で、君は改変された世界から、その世界の僕によって飛ばされてきた暁美ほむらだね」

ほむら「そうよ、こっちのインキュベーターは端的で助かるわね」

QB「……確かに、君の魔力の残り香を追っても、途中で途切れているね」

ほむら「どうすれば信用してもらえるのかしら」

QB「……ソウルジェムを見せてもらえるかい?」

ほむら「…………これよ」

QB「うん……確かに、君は僕と同じインキュベーターと契約しているね」

ほむら「もういいかしら、あなたにソウルジェムを触られると、云われのない痛みを味わいそうで気分が悪くなるわ」

QB「ひどい扱いだね」

ほむら「……ごめんなさい」

QB「いやいや、君の不安もわかるさ、君にとって僕は敵のはずなんだからね
   それで僕に何をしてほしいんだい?」

ほむら「……図々しいのを承知で言うわ
     改変された世界を元に戻して欲しいの」

QB「ふぅ、そんなことだろうと思ったよ
   残念だけどそれは無理だね」

QB「いいかい? 因果律によって乱れた世界は、世界の意思によって正常化される
   つまり僕達が意図して歴史を変えたところで、元に戻る保証はないってことさ」

ほむら「そんなことはわかっているわ
     私はすべてを元に戻す必要性はないと思っている
     デタラメになった世界を、できる限り安定させたいだけよ」

QB「……暁美ほむら、君は結論を急ぎすぎている」

QB「君は改変前の世界を知っているから、改変後の世界をデタラメと言うのだろう?
   でも逆に考えれば、改変後の世界の住人は、改変後の世界こそ真実なのさ」

ほむら「そんな言葉遊びはどうでもいいわ
     どうしても世界を救いたいの」

QB「その救うという行いが正しいとは限らないのさ」

ほむら「……言い方を変えるわ
     私は、私利私欲のために世界を元に書き換えたい」

QB「……暁美ほむら、君は冷静で察しが良い
   僕はその決意が聞きたかった」

QB「いいよ、僕も鹿目まどかを追いかけるのに疲れていた頃だ
   一つ息抜きに協力してあげるよ」

ほむら「……恩に着るわ」

自保

-路地裏-

QB「カジカジ カジカジ ぎゅっぷぃ」

ほむら「まさか、こんなところに楽屋裏があるとはね」

QB「メタメタしい呼び方をしないでくれるかい?
   ここは僕の拠点みたいなものさ、地球人を招くのは君が初めてだ」

ほむら「…………気味悪いわ」

QB「同じ個体がズラッと並ぶのは、君たちの感性で言えば恐怖に近い感情を抱かせるだろうね
   僕達は必要に応じて個体を捨てて、時間を跳躍してここから新しい個体として同じ場所に現れる仕組みさ
   ……何か思うところがあるんじゃないかい?」

ほむら「ええ、あなたがそのようにして次々と現れる様は見てきたわ」

QB「違うよ
   君が持っているその力……それは、本来僕達が使っている時間跳躍さ」

ほむら「…………そう」

QB「あれ、驚かないんだね」

ほむら「魔法には種があるものよ、そしてその仕組はどれもつまらないものだわ」

QB「ふうん、やはり君は人間にしては感情が薄いね」

ほむら「よく言われるわ」

QB「それにしても、どうして君は世界を元に戻したいと思うんだい?
   君は鹿目まどかを救いたかったのだろう?
   なら、魔法のない世界こそ君の望んでいた世界じゃないのかい?」

ほむら「……そうね、その通りだわ」

ほむら「私はまどかの為なら、世界がどうなろうとどうでもいいと思っていたわ
     まどかが途方もない願いを叶えようとして、魔法少女になれなかったときは可能性すら感じた」

QB「なら何故」

ほむら「救いたかったのよ」

ほむら「魔女になってしまうまどかも、私のせいで因果律の一点となってしまうまどかも
     そして、狂ってしまったまどかも」

QB「そうかい」

ほむら「……言ったでしょう、私の私利私欲の為だと」

QB「……どうかな」

ほむら「で、世界を再改変する方法を教えてほしいのだけど」

QB「やり方がないわけじゃない」

ほむら「それを教えてほしいと言っているの」

QB「それを教えるべきか、僕は迷っているんだ」

ほむら「……なんとなく読めてしまったけれど」

QB「察しが良いのも困りものだね」

QB「改変された世界は滅茶苦茶なのだろう? それをひとつひとつ直すなんて気が滅入る話さ
   やれやれ、本来の史実を流しこんで正常化を図るなんて、君のところの僕はどうかしているよ」

QB「いいかい? 改変の特異点は多岐にわたる
   けれど元を返せば常に一つの要因によって因果は乱されている」

ほむら「やはり、まどかなのね」

QB「……そう、その狂った鹿目まどか
   魔法少女になる前に君が阻止すれば、世界はタイムパラドックスを起こして因果律は崩壊し
   元の歴史を保とうとする世界意思が勝る可能性がある」

ほむら「あの世界の過去に戻って、契約を阻止すれば良いのね」

ほむら「もちろん、それだけではないのでしょう?」

QB「そうさ、まどかの過去を阻止したところで、世界を変えるほどの魔法がある限り、未来から過去は変わってしまう」

ほむら「魔法少女、鹿目まどかの撃破」

QB「…………だから言ったのさ、教えるべきか迷っていると」

ほむら「それしか方法がないのでしょう?」

QB「……君は勝てると思っているのかい?
   世界を改変する魔法少女、相手はワルプルギスの夜よりも厄介だ」

ほむら「まどかを狂わせてしまったのも、彼女に絡みつく因果が原因だわ……
     すべて私のせい、私の手で狂って世界から彼女を救うわ」

ほむら「勝てる勝てないではないのよ
     勝たなきゃ、あのまどかは終わりなのよ」

QB「わかった」

QB「暁美ほむら、君にその手段を与える
   ただし僕は同行出来ない、僕達の概念が失われた世界に飛んでしまえば、最悪ぬいぐるみになってしまうからね」

ほむら「それで十分よ」

-回想-

QB『君がこの世界ですべきことは二つ
   大量のグリーフシードを集めること
   そしてこの世界の鹿目まどかが長年使ってきた道具を手に入れることだ』

-魔女空間-

ほむら「……」

使い魔「ひげっひげっ」

ほむら「ヒゲなら間に合っているわ、ワカメ高校に帰りなさい」


シャル「もげもげー」

ほむら「……巴マミを食いちぎったお前も、弱点がわかれば容易いものね」

カチッ

ほむら「こんなにも口を開けてくれるのだもの、C4を埋め込む手間が省けるわ」

カチッ


ほむら「……まだ足りない」

-教室-

ほむら「まどか、個人的なお願いがあるのだけど、話だけでも聞いてくれるかしら」

まどか「ほ、ほむらちゃんっ? あれ……保健室に行ったんじゃ……」

ほむら「そんなことはいいじゃない
     単刀直入に言うわ
     あなたのリボン、よければ私に貸してもらえないかしら」

まどか「わたしのでよかったら……そうだ、これ買ったお店に行く?」

ほむら「いいえ!
     あなたのリボンを貸してほしいの」

まどか「そ、そう? じゃああんまり使ってないの明日持ってくるから」

ほむら「いいえ!!
     あなたが使い古したリボンがいい!」

まどか「う、うぇえ!?
     えと、あのっ……」

ほむら「(どうしよう、とても引いてる)」

まどか「えと、えと……」

ほむら「ごめんなさい、あなたとお近づきになりたくて、変なことを言ってしまったの」

まどか「え、えぇぇ!!?
     えっと、わたし達女の子だし、そそそそのっ」

ほむら「(あ、やっちゃった)」

ほむら「友達としてに決まっているじゃない!」

まどか「あ、そっか……っ!」

ほむら「まったく恥ずかしい子ね」

まどか「はぅぅ……ほむらちゃんがそんなに言うなら
     ほむらちゃんのアクセサリと交換だったらいいよ?」

ほむら「(よしきた……)」

ほむら「ええ! そうしましょう!
     同じリボンで申し訳ないのだけど、私が使っていたリボンで良いかしら
     丁度、今持ってきているし」

まどか「えへへっ、じゃあじゃあ、いま交換しちゃおうよっ」

ほむら「そ、そうね」

ほむら「(な、なんでドキドキしなきゃならないのかしら……)」

まどか「どう、かなぁ……わたし大人っぽい色って似合わないから、つけたことないんだ」

ほむら「そんなことない、似合ってる、かわいい」

まどか「へへっ、お世辞うまいんだから
     ほむらちゃんはやりにくそうだから、わたしがやってあげるね」

ほむら「え、あ、あの」

まどか「動かないでー
     長くて細くて、綺麗な髪……羨ましいなぁ」

ほむら「わ、ぁ……///」ジタジタ

まどか「もー暴れちゃだめー、へへへ」


ほむら「ん……」

まどか「わぁ、ほむらちゃん格好良いからなんでも似合うなー」

ほむら「そんなこと……まどかは可愛いじゃない」


さやか「むむっ、何やら良い雰囲気ですなぁ~?」

まどか「ぅわっ、さやかちゃんっ!?」

さやか「いやぁ、あたしの知らない間にまどかと転校生がこ~んな関係になっちゃうとはねぇぇ」

-魔女空間-

ほむら「……まどかのリボン、大量のグリーフシード
     どれも用意出来たわね」

杏子「おおっと、そんなに戦利品を持ってどこへ行こうと言うんだい?」

ほむら「ああ、槍投げ女」

杏子「人を妖怪みたいな呼び方すんじゃねえよ! つーかよくあたしの武器がわかるね
    なるほどなるほど? 敵視察は完璧ってアピールかい?」

ほむら「悪いけど、あなたと魔法少女ごっこする気はないのよ」

杏子「テメェにはなくてもあたしにはあんのさ
    見逃してほしかったら、そのグリーフシードをすべてよこしな」

ほむら「(まずいわね……あまり砂を使いたくないし)」

杏子「沈黙ってことは、潰されてもいいってことだよなァ!!」

ほむら「めんどくさ」


マミ「ティロ・フィナーレ!!」

杏子「ちくしょう!!」ササッ

杏子「おいマミてめぇ!!」

マミ「悪いけど、わたしの友達に手を出さないでもらえるかしら
   この子はわたしたちの縄張りで魔女を狩っていたのよ?
   何も文句はないでしょう?」

杏子「ったく……うるせぇ野郎だ
    わーったよ、今日のところは勘弁してやる
    次会ったら刈り取るからな」


マミ「危ないところだったわね
   私は巴マミ、あなたと同じ魔法少女よ」

ほむら「(また面倒なのに遭遇したわ……うまいこと切り抜けないと)」

ほむら「どうも、暁美ほむらよ」

マミ「あなた新米? この辺は市の境目だから、気をつけないと魔法少女同士のトラブルになるのよ?」

ほむら「ごめんなさい、うっかりしてたわ」

マミ「ふふ、ねえよかったら私が色々教えてあげましょうか?」

ほむら「(ああもうめんどくさい)」

ほむら「ごめんなさい、早く帰らないと両親に怪しまれてしまうから」

マミ「あらそう? いつでも相談にのるわよ、気軽に声をかけてね」

ほむら「(友達が欲しかったら、素直に仲良くしてと言えばよいのに……恩着せがましいわね)」

ほむら「そうさせてもらうわ、ありがとう、じゃ」

マミ「ん……行ってしまったわ」



-ほむホム-

QB「呆れるよ、一晩で何体の魔女を倒したんだい?」

ほむら「数えてないわよ
     おかげで懐かしい顔にも会ってしまったわ」

QB「……質問してもいいかい?」

ほむら「何かしら」

QB「君は改変者となった鹿目まどかを見捨てて、この改変前の世界でリスタートを切ることもできるんだ
   それもこの世界には既に君がいるのだから、もしかしたらワルプルギスの夜だって倒せてしまうかも知れない」

QB「どうして元の世界に執着するんだい?」

ほむら「……罪滅ぼし、かしら」

ほむら「私は今まで幾度となく世界を犠牲にしてきたわ
     中には魔女となったまどかによって滅ぼされる運命の世界もあった
     そんなことはどうでもいいと思っていたけれど……」

QB「君の中の罪悪感が、その救いを求めているというわけかい?」

ほむら「そんなところよ……言ったでしょう? 私利私欲だと」

QB「ああ、とても人間らしいよ」

QB「そんな君に、感情を持たない僕から送りたい言葉がある」

ほむら「……何よ」

QB「人間とは、エゴでしか人を愛せないのさ
   だが人はそれを愛と思い込んでいる
   君の動機のすべてが私利私欲だとは、僕は思わない」

ほむら「……そう」

QB「君はもう少し自分を出すべきさ……人間と付き合いたいならね」

ほむら「考えておくわ」

QB「さあ、それらを揃えてきたということは、覚悟があるということだ
   今から世界の因果律を修復する方法を教えようじゃないか」

ほむら「……」

QB「まず、君は僕の力で君がいた世界線の過去へ飛ぶ
   そこで狂った鹿目まどかの契約を阻止するんだ」

ほむら「そこにはその世界の私がいるのかしら」

QB「世界を飛ぶのだから、いるだろうね」

ほむら「あまり出会わない方がよさそうね」

QB「それがいい、同一人物が存在すると知られると、因果律がややこしくなるからね」

QB「契約を阻止したら、君はすぐに未来へ飛ぶんだ」

ほむら「……私の力は過去に戻るだけよ」

QB「心配には及ばない、その為に鹿目まどかの思念が宿ったものが必要なのさ
   僕の力で特異点となった鹿目まどかの元へ導く、あとは……」

ほむら「魔法少女、鹿目まどかを倒せばいいのね
     このグリーフシードの山で」

QB「残念ながらそれは違う」

QB「君は魔力だけで勝てると思っていたのかい?
   君の話し通りなら、その魔法少女は周囲の世界を歪めるほどの魔力を持っている
   残念ながら時を止めるだけの君じゃ勝ち目がない」

ほむら「……そうね」

QB「そのグリーフシードはソウルジェムの穢れを貯めこむものだと思ってくれて構わないが、本来の使い道はそうじゃない」

ほむら「端的に言ってほしいわ」

QB「そのグリーフシードを使って、君はワルプルギスの夜を呼び覚ますんだ」

ほむら「なっ……!!」


QB「はじめのワルプルギスの夜は誰が作り出したと思っているんだい?」

QB「僕達さ」

QB「別の世界から集めた憎悪を使って、地球に根付かせたのさ」


ほむら「……そう」

QB「……こんな話をするなんて、僕も人間臭くなったものだ」

ほむら「その皮肉な発言もよっぽど人間臭いわよ」

そんなことより

タイトル:姉「妹ちゃんに拷問されたい」

本文:姉「妹ちゃんに爪を剥がされそれを鼻から食べさせられたい。
妹ちゃんにペンチで全ての歯を麻酔無しでへし折られたい。
親知らずに差し掛かって「あれっ?抜けないなーww」バキバキって言われたい。
折った歯をご飯と一緒に炊きこまれたい。
ヤスリで全身の新皮質剥き出しにされてくすぐられたい。
腕を反対方向にへし折られてそのままセルフセックスさせられたい。」

妹「」


でスレ立ててください><

ほむら「けど、ワルプルギスの夜は出る出る詐欺にされてしまっているのよ、あの世界で呼び出せるの……?」

ほむら「いえ……例え呼び覚ませたとして、その後はどうなるの」

QB「最初に質問だけど、まどかはワルプルギスの夜が自然孵化する概念をギャグ化したのだろう?
   だったら君の意思によって生まれるワルプルギスの夜は、まだ可能性がある」

QB「そして次の質問だけど、僕達の意図によって呼び出された魔女達は、魔女であって魔女ではない
   つまり君たちの言う兵器みたいなものさ、役目がなくなれば自然に消滅する」

ほむら「……信用していいのかしら」

QB「はぁ、信用してと言っても君は信用しないだろうから
   その世界とは関わりのない僕がここで君を騙すメリットの有無を論点にしたいね」

ほむら「…………信じるわ
     ただ、ワルプルギスの夜でさえ、あの鹿目まどかは倒せないと思うのだけど」

QB「少しは僕を信用したらどうだい?」

QB「鹿目まどかの思念、異なる世界の特異点となった彼女の因果を、そのワルプルギスの夜に埋め込むのさ」

ほむら「……まどかは、まどかによって倒すしかない、と」

QB「ただし、それでも可能性の問題でしかない
   成功すると断言はできないね」

ほむら「それ以外に、方法はないのね?」

QB「いや、実はもうひとつあるよ
   それは君がこの世界に住むことさ」

ほむら「元の世界を諦めろと言いたいのね」

QB「そう、ここで世界を観測する一人として、僕と暮らすんだ
   この世界には既に君がいるから、世界の住人としては参加出来ないからね」

ほむら「…………」

QB「どうするんだい」


ほむら「魅力的なお誘いだけど、断るわ
     私は……まどかを、そして世界を救いに行く」

QB「……実は僕も期待しているのさ
   人間の感情が、どんな奇跡を生むのか」

QB「僕はこの世界には行けないけど、君がどんな結末を導くのか楽しみにしているよ」

ほむら「……善処するわ」


QB「さあ、準備に取り掛かろう」

-タワー頂点-

ほむら「…………」

QB「……暁美ほむら、覚悟はいいね」

ほむら「ええ」

QB「……ここは、この世界のワルプルギスが出現する魔力の源の場所だ
   ここなら世界線を飛ぶほどの力も引き出せる」

QB「さあ暁美ほむら、僕の合図で砂時計を反転させるんだ!」

ほむら「……ッ!」スッ

QB「因果律が揺らいだ! 飛ぶんだ!暁美ほむら!!」

ほむら「まどか……っ!」

カチッ



《逃がさないよ……ッ!》


-ほむホム-

ほむら「はっ……!! どうやら、無事飛べたようね……」

ガチャッ

元ほむら「……この世界はいつもと違う気がするわ」

ほむら「(また私がいるのね……これから苦労するとも知らずに)」


-路地裏-

ほむら「やはり、ここが拠点のようね」

QB「いやだなぁ、ここは誰にも教えていなかったのに」

ほむら「教えてもらったのよ、別の世界にインキュベーターに」

QB「……ふうん、それでまた僕を蜂の巣にするのかい?
   僕としては個体を無駄に減らすのは好きじゃないんだけどなぁ」

ほむら「用があって来たのよ
     私の記憶なら……今日、あなたはとても疲れている」

QB「……よくわかるね」

ほむら「それも簡単な契約かと思ったら、とんでもないクレームをつけられて困り果てている」

QB「まるで見てきたかのようだね……」

ほむら「実際に見たのよ」

ほむら「インキュベーター、あの鹿目まどかをよく調べて、鹿目まどか本人ではないはずよ」

QB「やれやれ、何を言いに来たのかと思えば、ついに気が触れたのかい?」

ほむら「私は真剣よ、全知全能を夢見る鹿目まどかは、鹿目まどかではない
     これは未来のあなたが言っていたのよ」

QB「……確かに普通の人間とはずいぶん異なった思想をもっているけど
   僕には鹿目まどか以外には見えないね」

ほむら「とにかく、あの鹿目まどかの願いを叶えてはいけない」

QB「……僕の邪魔をしているのかい?」

ほむら「違うわ、世界を守るためよ
     そのうち、鹿目まどかは、この世界の私を部屋につれてくる
     そしてあなたに言うわ、自分の周囲をギャグにしろと」

QB「…………そんな願い、なんでもない戯言じゃないか」

ほむら「その願いのせいで、未来の因果が改変されて、果てには魔法がない世界になってしまうのよ」

QB「考えられないね」

ほむら「絶対にあいつの途方も無い願いを叶えてはダメ
     インキュベーターの概念すら消されるわよ」

QB「…………確かに、叶える願いは慎重にしないといけないね
   あの鹿目まどか、そしてあの魔力、何が起こるかは僕にも想像がつかないのだから
   ただし……契約はさせる、これは譲れないよ」

-まど部屋-

元ほむら「……ん、ここは……」ホムリ

まどか「あ、起きた」

元ほむら「まどか……」

まどか「えへへ、返り血浴びて失神しちゃうなんて、ほむらちゃんかわいいね」

QB「あ、あの……願いは……?」

まどか「うーん……やっぱりねぇ、どーしよーもない願いしかないなら、魔法少女になるのめんどいかなーって」

QB「あ、はい……もう、それでいいです」


ほむら「良かった……なんとか、まずい契約は阻止出来たようね」



     鹿目「あーあ……何かおかしいと思ったら、やっぱりほむらちゃんなんだ」



ほむら「ッ!!?」サッ

ほむら「(ぅぐっ……直視するだけで、ソウルジェムが真っ黒になりそうな威圧……本当にまどかなの?)」

鹿目「わたしはほむらちゃんのために魔法を使ったのになぁ
    ほむらちゃんがわたしのために何度も何度も繰り返してるっていうから
    そのためにこの狂った世界を変えようとしたのに
    まさか、ほむらちゃんに邪魔されるなんて……ショックだなぁ」

ほむら「くっ……どうして、ここにいるの」

鹿目「ほむらちゃんって、ギャグアニメよくわからないでしょ」

ほむら「生憎、休日は小説くらいしか読まないのよ」

鹿目「ギャグっていうのはね、どんな不条理も成立できる魔法なんだよ
    人が死んだって次の回にはなかったことになってるし
    そもそも一コマ前と話が繋がってる保証もないんだもの」

ほむら「……デタラメね」

鹿目「だからいいんだよお!?
    わたしの魔法ならなんでもできる
    どんな途方もない願いだって叶えられる……」
            カンシャク
ほむら「私には……癇癪を起こして八つ当たりしてる子供にしか見えないわね!」

鹿目「あはははははは!!!
    そうだよ……? わたしの言うこと聞かないから、聞くようにしたの
    どこもおかしくないよね」

ほむら「(どうしたら……ここでグリーフシードを解放するわけにもいかないし……)」

QB《暁美ほむら! 僕だ!》

ほむら《インキュベーター……どうして?》

QB《不穏な気配を感じて、まさかと思って別の個体と同期してみたんだ
   君の魔力の残り香を辿ったら、別の僕とコンタクトがとれた》

ほむら《まったく……どこぞの宇宙人みたいな離れ業をやってのけるのね》

QB《いいかい、そこにいる鹿目まどかは……もう魔女なんだ!》

ほむら「ッ!!」


鹿目「くすくすくすくす……どうしたのほむらちゃん
    そのリボン、わたしのと似てるねえ……ふふ」

QB《鹿目まどかの願いは……周囲をギャグにすることじゃない
   はじめから魔女になることだったんだ!!》

ほむら《うそよ……だって、あなた本人から聞いたのよ?》

QB《魔女になった彼女は他人の記憶すら改変できる》

ほむら「ッ……!」

鹿目「やだなあ……怖い顔ぉ
    もしかしてわたしと戦うの?くすくすくすくすッ!!!」

QB《駄目だ! そこにいる鹿目まどかは、もういくつもの世界を破壊してきた、いわば魔女として熟した個体だ!
   そいつと戦っても勝ち目はない!》

鹿目「ねえほむらちゃん? さっきから誰とテレパシーしてるの?
    封鎖してるから聞こえないんだぁ、寂しいなぁ、寂しいねぇ……」

QB《いいかい、君が持っているリボンが鍵だ
   それで未来へ飛ぶんだ》

ほむら《未来に飛んで、どうなるっていうのよ!!》

QB《鹿目まどかは初めから魔女だったわけじゃない、君が過去に飛んだ後に魔女として覚醒したんだ
   覚醒したばかりの魔女なら、魔法少女の時より少しは隙がある……そこを狙うんだ!!》

鹿目「ねーええぇぇ!!!!!」ギュゥゥゥゥゥン

ほむら「ひッ……!!」サッ

鹿目「つかまえたぁ……」抱き抱き

鹿目「ほむらちゃんの心……見たいなぁ、見せて……?」カッ

ほむら「い、いや……何を……」

QB《まずい! 改変されてしまう!!》


杏子「どおおりゃあああああああああッッ!!!!!!」

鹿目「げはッ……」

杏子「悪いけど話は聞かせてもらったよ!
    魔女狩りなら任せな!」

マミ「キュゥべえに呼ばれて飛んできたわ
   まさか、ワルプルギスの他にも最悪の魔女がいるだなんてね」

ほむら「あなたたち……」

鹿目「ひどいよぉ……わたしたち友達なのになあ……
    ショックだなぁ……傷ついちゃったなぁ」

マミ「な、なに……この魔力……」

QB《今だ! 早く未来へ!!》

ほむら「……」

杏子「さっさと行けェ!!」

鹿目「逃がさないよ……ッ!!」

杏子「どおりゃァァッ!!」ガシィィ

マミ「早く! 今のうちに!!」

ほむら「……どうか、生き残って……!」

カチッ

杏子「生き残ってだってよ」

マミ「ふふ、難しい相談ね……」

鹿目「あーあ……あーあ!!!
    あーーーああぁああぁぁぁあぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

鹿目「むかつくなあ……イライラしちゃうなぁ
    どうして邪魔するの? どうして?
    わたしとほむらちゃんは相思相愛なんだよ?」

杏子「フンッ……相手の気持ちも考えられねえ奴が使う言葉じゃないぜ」

マミ「相手に求めるだけじゃ、友情も愛情も得られないのよ」

鹿目「あはは……そっかあ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「な、なに……」

QB《こんなの……はじめて感じる力だ》

杏子「先手必勝……せりゃアァァッ!!」

ぽんっ

杏子「んなッ……槍がヤリイカにぃぃ!!」

鹿目「と、思うでしょ? 実は槍は槍のまま」

マミ「ま、まさか……」

-タワー-

ほむら「はぁ……はぁ……リボンに任せて飛んできたはいいけれど……」



元まどか「あ、そうだ」

元まどか「めんどいから、ワルプルギスの夜はいなかったってオチにしよう」

QB「ん……?」

元ほむら「まどかだめ! それオチてないわ!」

元まどか「またまたぁ、よくあるでしょ? 最終回なのに結末をやらないギャグとか」

元さやか「ギャグアニメなのにギャグをやらないギャグとか?」



ほむら「あれは……ワルプルギスの夜が消されたときの私達」

QB《無事、この時間軸に来れたようだね
   ここからは僕が君を導こう》

ほむら《……どうすればいいの》

QB《まだ魔女にはなっていない》

元ほむら「……こんなまどか……無理……」

カチッ


ほむら「記憶どおり、ここで私は過去に飛んだのね」

QB《ここから先は……見ない方がいい》

ほむら《え……?》


まどか「ほむらちゃん……? ねえ! ほむらちゃんがいなくなっちゃったよ!!」

マミ「ど、どういうこと? 魔力でも探知できないわ」

杏子「お、おいおい……実はワルプルギスの夜は消えてなくて……」

まどか「う、うそだよ……この世界なら、ぜんぶの障害を取り除いたこの世界なら
     もうほむらちゃんはループしなくていいのに……
     ね、ねえ……キュゥべえ……」

QB「……残念だけど、この世界も彼女の望むものではなかったということだね」

まどか「そんな……うそ、だよ……うそ……うぁ……」

杏子「お、おいお前……! ソウルジェムが……!」

マミ「いけない! はやくグリーフシードを!」

QB「もう無駄さ」

さやか「はあ!? ねえまどか! まどか!!」

QB「鹿目まどかは……生まれ変わったんだ、魔女として」


鹿目「……んぅ~……ショックだなぁ」

マミ「よ、よかった……まだ意識があるのね、いま浄化してあげるわ」

鹿目「わたしだけ傷ついてて可哀想だよね……みんなにも、肩代わりさせなきゃ」

シャル「もぎゃああ」ハフッハフハフッ

マミ「え……」

さやか「う、うわ! マミさんがマミられた!!」

杏子「な、なんだよこいつ!! アンタらが倒したはずだろ!!?」

QB「……全部、鹿目まどかがねじ曲げてきた因果さ、抑えられなくなった因果が結果だけを求めている……」

杏子「どうなってやがるッ!!」サッ

鹿目「わたし、言葉遣い悪い人って好きじゃないんだよね
    それに……あなた、いなくても話は回るでしょ?」

シュカーーーーーンッッッ

杏子「ぁ……ッ……」

さやか「う、うそだよね……ねえ、キュゥべえ!!」

QB「……」

さやか「こ、これは……人形ッ!!」

鹿目「あはははッ! よく考えたら、この出来損ないのキツネがいなかったらよかったんだよねぇ
    存在を消しちゃったよ、あははは!!」

さやか「な、なんて……ことを……」

鹿目「おもしろーい!! さやかちゃんおもしろい!!
    漫画に出てきそうなセリフのオンパレードだよね!!
    なんて……ことを……なんて……ことを……あははははははははははははははッッッ!!!!!!!!」

シュンッ

さやか「ぁ……ッ」

鹿目「痛み消せちゃうさやかちゃんは、身体が真っ二つになっても悲鳴をあげないイイ子でした、まーるっ♪」

ほむら《インキュベーター!!》

QB《大丈夫、別の個体に移動しているさ》

QB《今の鹿目まどかは魔女として覚醒したばかりだ
   自分が作った因果に振り回される弱い魔女にすぎない
   さあ、グリーフシードとそのリボンに魔力を!!》

ほむら「……まどか」

ほむら「この世界のまどかも……私の身勝手な繰り返しで狂ってしまったのね」

ほむら「終わらせる……こんな最低な世界は、私が終わらせる」


ほむら「あれほどまで憎んだお前を、まさか自らの手で創りだすとはね……」

QB《時間がない! はやく!!》

ほむら「来なさい……ワルプルギスの夜!」

ドドドドドドドドドドドド

QB《これは……》

ほむら「これは……違う、ワルプルギスの夜じゃ、ない」

鹿目「……なぁに、この力……」

ほむら「あ、あなたは……」

Uまどか「…………この世界に干渉するのに時間がかかっちゃった……遅れてごめんね」

ほむら「まどか! まどか、なの……?」

Uまどか「うん……ほむらちゃんはまだ知らないけど、もうひとつのわたしの姿だよ」


QB《これは、いったい……》

Uまどか「ほむらちゃんがね、強い魔力で結界を破ってくれたから、この世界に来れたんだ」

Uまどか「待っててね……自分の始末は、自分でつけるッ!」


鹿目「あは、あははははは!!
    まさか同キャラ対戦だなんて……」

Uまどか「……可哀想な私……もう、絶望しなくていいよ」

鹿目「……なるほど、同じ因果の力なんだね……」

Uまどか「……魔法で弱らせないと、ダメか」シュッ

鹿目「ッ! 消えた!!」

Uまどか「いけ…ッ」

シュッ カァァァァァッッッ

ドグシャアアッッ!!

鹿目「ぐぁぁぁッ!!!」

鹿目「いい、いいよ、いいねえこれええ!!
    すごく、すううっごく格好良い展開だよねぇ!」

Uまどか「あなたの心が透けて見える……
      わたしの弱い心……」

Uまどか「いま、浄化してあげるよ」

鹿目「ざぁぁぁんねんでした!! わたしの憎悪は消せやしないッッ!!」

ドスッ

Uまどか「効きません……」

鹿目「クッ……だから全知全能にしろって言ったのに、あのキツネ野郎……」


ほむら《な、なんなの……なにが起こっているの》

QB《わからない……白いまどかは、おそらく世界の概念そのものだ
   神々の争いとでも言うのか……君は一体何を召喚したんだ》

Uまどか「さあ……浄化されて」

QB《魔女の魔力が弱まっている! このまま消してしまえば、他の鹿目まどかも連鎖的に消える!》

ほむら「あれが……まどかなの」

QB《あのまどかは、魔女となった存在を浄化出来るのか……》


鹿目「いやだ、いやだよぉ……せっかく力を手に入れたのに、すべてを自由にする力を……」

Uまどか「……愛なき願いからは、何も生まれない」

鹿目「やだ……ほむらちゃん……ッ」


QB《やった……! 元凶を倒した!》

ほむら「まどか……まどか!」

Uまどか「いま、この世界の因果を元に戻すね
      わたしが迷惑をかけてごめんね……」

ほむら「まどか……」

Uまどか「……ごめんね、一緒にいられたらいいんだけど、わたしには役目があるから」

QB《ともかく……これで因果を修復される、改変された世界は元に戻るんだ
   暁美ほむら、君の勝ちだ》



    鹿目「と、思うじゃん?」



ドグシャアアア

Uまどか「ッ!」ササッ

鹿目「なぁんだ、避けられちゃった、悲しいなぁ」

ほむら「ど、どうして! 倒したはずなのに!」

QB「どうやら、この時間軸の鹿目まどかを倒しても、数多の世界に干渉し尽くした彼女は……
   もう世界の意思として存在している……のか」

ほむら「インキュベーター……!」

QB「こうなったら隠れていても意味がないからね、どこにいても存在を消されるだろうね」


Uまどか「…………あなた、平行世界を取り込んだの」

鹿目「クスクスクスクスクスクスッ!!! そうだけど?
    因果律はあくまで過去と現在を繋ぐだけのヒモでしかないでしょ?
    確実に世界意思として君臨するには……世界のあり方すべてを掌握しないとねぇ」

ほむら「ねえキュゥべえ!どういうことなの!!?」

QB「そ、そんな泣きながら言われても……」

鹿目「そこのギャラリーにも教えてあげるわ」

鹿目「この世界のわたしは、ほむらちゃん……あなたのイレギュラーな力によって
    前世界の意識をもったまま生まれることが出来たの
    おかげでインキュベーターのことも、世界の真理も、無意識のうちに掌握できてた
    わかる? ほら初めの方を思い出してよ、ほむらちゃん」

ほむら「……まさか…………初めからすべて!!」

鹿目「そうだよおおおおおお!!!!!!!アハハハはッッッ!!!!!!!!
    その願いを叶えようと思ったときぃぃ!!
    コイツを倒すための下準備をしてたんだよぉぉ……」

QB「狂ってる……君は本当に人間なのかい」

鹿目「人間かなぁ? 人間かなあぁあぁぁあ!!?!!!?!?!?
    ふしぎだねえ!! いまのわたしはにんげんなのかなああぁ!!」

ほむら「こんなの……まどかじゃない……」

Uまどか「ほむらちゃん、だいじょぶだよ」撫で

ほむら「え……」

Uまどか「わたし、負けないから……」

QB「い、いくら概念となった君でも、あの魔力には勝ち目がない!」

Uまどか「勝てる勝てないじゃないよ
      勝たなきゃ、この世界は終わっちゃう」


鹿目「くすくすくす……世界概念と世界意思かぁ
    どっちが勝つと思うぅうぅぅぅ?」

鹿目「正解はまどかでしたああ!!」

QB「どっちもまどかだあ!?」

ドグシャアアア!!

Uまどか「あぁッ……!!」

QB「なんだ、これ……まるで存在そのものを攻撃されているようだ」

鹿目「うーん惜しいなぁ、あのねキュゥべえ
    わたしね、このホワイトピンクなわたしをね、消そうとしてるんだよ」

Uまどか「ぅ……くっ……!」

ほむら「まどかぁ!」

鹿目「きゃはぁーーんほむらちゃーーん」

ほむら「アンタじゃない!」

Uまどか「ほむらちゃん……あっちの流れに負けないで……」

鹿目「おおーっと、お喋りは反則だよぉ?」ゲシッ

Uまどか「ッ……」サッ


ほむら「なんとか、なんとかならないの?」

QB「今考えてる! あくま世界そのものを取り込んだとしても、世界の作りを丸ごと変えられる力は宿るはずがない
   つまりあのまどかにも、あの魔法にも何か仕掛けがあるんだ」

ほむら「だからそれを教えてって言ってるの!」

QB「待てよ……あの時」

-回想-

杏子「んなッ……槍がヤリイカにぃぃ!!」

鹿目「と、思うでしょ? 実は槍は槍のまま」

マミ「ま、まさか……」

マミ「槍は槍のまま、攻撃をわざと外しているのは……佐倉さん本人だわ」

-回想-

QB「ギャグ……因果……そうだ、この可能性に賭けるしか、勝ち目はない!」

QB《奴の魔法は、相手の記憶を改変することで因果を作り出すんだ
   見た目に惑わされちゃいけないんだ!》

Uまどか「そ、そんなこと、いわれても」

鹿目「ほらほらほらほらッッ! テレパシーはさぁ、わたしが寂しいからやめようよぉ!」

Uまどか「あぁぁ……ッ」


ほむら「記憶の改変?」

QB《佐倉杏子は、自分の槍が変異する擬似記憶を植え付けられた
   その思い込みが因果となって、過去をから現在へ二重改変をしていたんだ》

鹿目「だからァ テレパシーは嫌って言ってるでしょおぉおぉぉ!!!!?!!!?」

ゴグシャアアアア!!!

ほむら「キュゥべえ!!」


QB「……ほらね、今のは失敗だったね……鹿目まどか」

ほむら「どういうこと……?」

QB「感情も、記憶すら、個体に頼らない僕達に……その魔法は通用しない
   暁美ほむらを生かしている理由もソレなんだろう?」

鹿目「……最後まで邪魔ばかりするキツネだなあ…………」

QB「鹿目まどか、君の魔法は他人の記憶を改変して、その思い込みによって周りの因果を歪める……
   いわば幻術みたいなものだ」

鹿目「くすくすくす……だからどうしたの?
    魔法の種がわかったところで、わたしの圧倒的な力の前じゃ勝ち目がない!」

QB「その発言すらブラフなのさ
   君は自分の強さや狂気を振りまくことで、相手の恐怖心を煽って自分を強めているのだろう?」

QB「暁美ほむらを生かしている理由がそれだ
   ここにはもう、世界概念となったまどか、僕、そして暁美ほむらしかいない
   僕とまどかは、もう幻術の類は通用しない」

鹿目「……」

QB「今、君の力を支えているのは、暁美ほむらに植えつけた恐怖心だけさ」

ほむら「え……」

QB「暁美ほむら、君の想像一つで……あいつは倒せるんだ!」

鹿目「違う!! わたしは、ほむらちゃんがホントに好きだから、だから……」

Uまどか「好きなら何をしてもいいわけない!」シュッ

鹿目「ぐぁッ!!」

QB「当たった!」

鹿目「ひどいよ……そうやってみんなしてわたしを虐めるんだ
    こんなにほむらちゃんを愛しているのに……
    ほむらちゃんも、わたしのこと好きなんだよね?」

ほむら「まどか……」

鹿目「ほむらちゃんならわかってくれるよね?
    本当に愛してるのは……わたしの方だって」

ほむら「……あなたを追い詰めてしまったのは、私
     魔女になってしまったあなたを救って、この世界も修復する
     それが私に出来るせめてもの罪滅ぼしよ」

鹿目「う、うそだよ
    だって、ほむらちゃんは、わたしのために、何度も何度も繰り返して」

ほむら「それすらも私の過ち……ごめんなさい、まどか」


鹿目「そんなの……許さないよ」
鹿目「ねえ知ってる? こういうときってね……拷問がいいんだって
    ねえほむらちゃん……?」

ドグシャアア

ほむら「え゛っ……」

デュミナス「過ちと聞いて」

Uまどか「ほむらちゃん!!」

鹿目「残念だったねぇキュゥべえ?
    その読みは当たってたんだけどなぁ……
    今のわたしはね、世界中の因果を消費して魔力に出来るの……勝てる? この私に」

ほむら「お゛ぼッ……」

QB「よかった、まだ意識がある」

Uまどか「やめろォォォ!!」

鹿目「ちゅーうだーんきーっく」

Uまどか「んぐッ……!!」


Uまどか「キュゥべえ……ほむらちゃんを連れて、逃げて」

QB「……」

Uまどか「この子は、色んな時間軸の因果によって成り立ってる……
      きっとどこかに、まだこの子が存在出来る隙があるはず」

QB「そんな、契約も断った、特異点となったまどかも浄化した
   なのにまだ存在していられる理由なんて」

ほむら「私、見たわ……矛盾を」

ほむら「私が、狂った世界から飛ぶときに……もう一人の……」

鹿目「なぁに? 作戦会議? 許せないなぁぁ……わたしは一人ぼっちはいやだなああ!!」

Uまどか「ここはわたしがなんとかするから……! はやく!」


QB「と、とにかくその時間に飛ぶんだ! 僕の力で君の願いを解放する!」

ほむら「あなたとは思えない言葉ね……けど……」カラン

QB「ソウルジェムが……」

ほむら「ごめんなさい」

QB「本当なら干渉しちゃいけないんだけど……仕方ない」

ほむら「これは、グリーフシード……?」

QB「そうさ、完全に空のね……さあ、早くその時間に飛ぶんだ!!」


鹿目「させるかあああああああああああああ!!!!」

Uまどか「くあぁぁぁッッ!! なんと、しても……とめる」

鹿目「へへっ…いいのぉ? あなたが消えちゃったらぁ、折角救った世界も元の魔女に支配される世界に戻っちゃうのにぃぃ」

Uまどか「それでも……わたし、魔法少女だから……ッ!!」

カチッ



>>76

ほむら「うっ……」

ドグシャアア!!!

ほむら「えっ……」

元ほむら「わ……私!?」カチッ シュン


鹿目「ほむらちゃんが、もう一人、って……」

ほむら「ぐ、ぅ……」ポタポタ

鹿目「ご、ごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんね
    その、本当に殴るつもりじゃなくて……ああぁぅ、ほむらちゃん!!」

ほむら「いいのよ……わたしが、素直にあなたに接してあげなかったから……」

鹿目「で、でも、ほら! わたしの力で世界は作り替えたよ? もう誰も苦しまなくて済む世界だよっ?」

ほむら「まどか……私ね、本当は誰かを救おうなんて、無理だってわかってた
     ただ短すぎる青春が悔しくて……そのために、何度も繰り返してたの」

まどか「じゃ、じゃあ、もうほむらちゃんいなくならない? 絶対にループしない?」

ほむら「キュゥべえに言われたの
     あなたは本当のまどかじゃないって
     でも、あなたはまどかなのよね……狂わせてしまったのは、私なのよね」

まどか「違う、違うよ……! 私だってほむらちゃんを助けたくて
     だから私が強くなればいいんだって、私が世界を作り替えて、世界を守るくらいに強くなればいいんだって
     なのに……ほむらちゃん、いなくなっちゃうんだもん……!!」

ほむら「ごめんなさい……」

まどか「謝ったって……許さないもん
     ぜったいぜったい許さないもん」

ほむら「まどか……」


Uまどか「……ほむらちゃんも」

QB「そうさ、彼女のソウルジェムはとっくに……」

Uまどか「二人とも、楽園へ」

QB「ばらばらにしたらまどかが怒りそうだからね」

Uまどか「そうだね……浄化します」

チェーンソー「バラバラと聞いて……」

-楽園-

ほむら「はっ……!」

ほむら「……とても、悪い夢を見たわ」

ほむら「嫌ね、今日から三年生だというのに」

-通学路-

さやか「おっはよー!」バスン
ほむら「痛い……」
さやか「あちゃー、ごめんごめんちょっと強かった?」
ほむら「別に……」ムスッ

まどか「あ、ほむらちゃんさやかちゃーん」
まどか「わわ、上条くんも」

さやか「うおお!? 恭介いつから!?」
恭介「あ、いや、隠れるつもりはなかったんだけど、暁美さんとコントやってたからさ」
さやか「コントじゃないってばーー!」
ほむら「いいえ、新手のコントよ」
さやか「えぇー!」

マミ「あ、いたいた」

まどか「マミさん!?」
マミ「ふふ、今日は時間があるから、ちょっかいを出しに来てみたの」
さやか「おっ、大学生の余裕ってやつですね~?」
マミ「こぉら、大人をからかうんじゃありません」
さやか「いや一歳違うだけじゃないですか」
ほむら「老けるのも早いということね」
マミ「ムカッ」


杏子「ふぅん……あいつら楽しそうじゃんか」
QB「君はいいのかい?」
杏子「ま、私はぶらぶらしてる方が性に合ってんのさ」



QB「すべてがなかった世界……これが君の望みなのかい?」
Uまどか「失われた日常を作っただけだよ」
QB「……やっぱり、人間はよくわからないよ」

Uまどか「どうか、彼女たちに未来を……」


fin

ノーマルエンド4  おめでとう!次はノーコンティニュークリアを目指そう!

★EX出現! 謎の白い液体の正体に迫れ!

……大学生だと?

よみかえすと とりはだが たくさん たつ えすえす です! (小学生並の感想)

ああ、高校か
マミさん胸でかいからなんとなく大学にしちまった
まぁいいや、ティロ・フィナーレ

さあこんな痛々しいスレがあったら叩かれちまう、早く落としてくれ

>>220
私は一向に構わんっ!!

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