ライナー「ベルトルトがホモかもしれない?」(43)

*一気に書ききる。

ライナー「いきなり何を言い出すんだ…」

マルコ「そうだよ、いくらなんでも失礼じゃないか」

ジャン「けどよ、アイツ…昨日、女子の告白断ってやがったんだ」

ライナー「昨日?聞いてないぞ俺は」

ジャン「モブミっているだろ。見ちまったんだよ、あいつが告白するとこ」


コニー「俺も見たぜ。相手はモブコだったけど」

ライナー「あいつ…」

マルコ「まぁ、彼がモテるのはわからなくはないけど…」

ジャン「さらにモブナも断られているらしい。ユミルから聞いた」

マルコ「君のその情報収集力は別のところで生かされないのかい」


ジャン「うるせえ。そこでユミルと話してたんだよ。
 ひょっとしたら、奴はホモなんじゃないかって」

マルコ「…だからってそれは」

ジャン「考えてもみろ、一番疑いのある奴が隣にいるじゃないか」

ライナー「なんで俺を見る」

ジャン「お前のホモ疑惑は今に始まったことじゃないだろ」


ライナー「待て、俺は」

マルコ「クリスタでしょ?ライナーがホモじゃないってことは僕らは知ってるよ」

ライナー「ほっ………ってまてまて、俺はクリスタとは言ってない」

マルコ「違うの?バレバレなんだけど」

ライナー「ぐっ…」


ジャン「こうも振り続けてるとな、女子の中じゃ噂らしいぜ」

マルコ「ひどいこと言うなぁ…」

ライナー「同郷の身としてはなんとかしてやりたいもんだが…」

ジャン「そこで、だ」


ジャン「あいつを監視してみようぜ」

ライナー「監視?」

マルコ「…楽しんでない?」

ジャン「疑いを晴らしてやるんだよ」

マルコ「はぁ…それ、ユミルが絡んでるでしょ」

ジャン「おう。よくわかったな」

マルコ「ここで君を止めても、ユミルは何かするつもりなんだよね。
 具体的に何をするって?」


ジャン「女子をあいつに近づけて反応を見るとか言ってたな。まずは芋女から」

ライナー「なんだそれは」

ジャン「二人きりで掃除をさせるんだと」

マルコ「…それをこっそり監視するの?」

ジャン「ああ。女子と二人きりで何も思わん男はいないだろ」

マルコ「そう思うのは女子の勝手な想像か、君が単純なだけだよ…」

ジャン「んだと、いい子ぶりやがって」


ライナー「しかし…ないだろうが、仮にベルトルトがその気になったらどうするんだ」

ジャン「だからこその監視なんじゃねぇか」

マルコ「はぁ…で、どこで監視することになってるの」

ジャン「確か…」


*馬小屋*

ライナー「……」

ジャン「……」

コニー「……」

マルコ「…君まで来なくてもよかったんだよ、コニー」

コニー「オレだけのけ者にするなよ」

マルコ「はぁ…そしてなんで君までいるの」

クリスタ「え…ユミルに誘われて」

ユミル「お、来たぞ。隠れろっ」


ライナー「…ものすごく無難な会話してるな」

ジャン「…しかもサシャに楽な仕事を譲ってやがる」

クリスタ「ユミルがサボった愚痴を真剣に聞いてるね」

ユミル「あんにゃろぅ…私はサボってねぇ」

コニー「…何も起こりそうにねぇな」

マルコ「まぁそうだよね…」


ユミル「よし、次だ次っ。対人格闘でミカサに頼んである」

ジャン「は、はぁっ!?聞いてないぞ!」

ユミル「寝技をしかけろって言ってある」

ライナー「…それ、死ぬんじゃないか」

ユミル「あ?」


*対人格闘*

ライナー「……」

コニー「うわぁ…」

サシャ「痛そうです…」

ジャン「まぁ…」

マルコ「そうなるよね」

ユミル「ふむ、脈なしと。疑いは増えるばかりだ」

クリスタ「ユミル…楽しんでない?」

ユミル「ないない。次はミーナだ」


ミーナ「じゃーん!やってきました私の出番!」

ユミル「おい、相方は」

ミーナ「くだらないって断られちゃった…」

ユミル「まぁいい。手順は分かってるな?」

ミーナ「廊下でこけて抱きつく!」

ユミル「ドジっこをフルに活用しろよ」

ミーナ「任せてよ!」


ジャン「これは期待できるな」

マルコ「よくミーナも乗ってくれたね…」

ユミル「そりゃぁホモと言えばミーナだろ?」

ライナー「なんだそれは」

ユミル「まぁまぁ…さて、隠れるぞ」

クリスタ「わぁ…なんだかドキドキするなぁ」


サシャ「なんですかアレは」

コニー「演技ってバレバレだな…」

ジャン「でも抱きついてはいるな」

クリスタ「ドキドキ…」

マルコ「でも…」

ライナー「怪我の心配してるだけだな」


コニー「しかもミーナが落とした本とか拾ってやってるな」

サシャ「反応ないですね」

ジャン「むしろミーナが反応してねぇか」

クリスタ「ベルトルトって優しいね」

ライナー「くっ…なぁユミルよ」

ユミル「なんだよ…」


ライナー「お前、人にさせておいて自分は何もやってねぇな?」

ジャン「そういやそうだな」

ユミル「な、なんだよっ」

クリスタ「人にさせてばかりはだめだよっ」

サシャ「出ました、神様スマイル」

コニー「あー、やるしかねぇなこれは」

マルコ「ははは…」


ユミル「わかったよ、やってやるよ…やりゃいいんだろ!」

クリスタ「私も一緒にやろうか?」

ユミル「クリスタは」

ライナー「やらなくていい」

クリスタ「?」

マルコ「…だ、そうだよ」


*食堂*

ジャン「本日大注目の組み合わせだな」

サシャ「なんだかユミルが大人しいです」

コニー「いつも人を使って自分はやらないからな…」

クリスタ「最近は自分でもやるんだよ?」

マルコ「へぇー、クリスタに影響されてるのかな」

ライナー「よし、隠れるぞ」

マルコ「…ライナー、君まで楽しんでどうするの」


ジャン「ユミルは、料理当番か」

マルコ「ベルトルトが食事を受け取りにきたね」

コニー「なんか量多くね?」

サシャ「これは…!私も行きます!たくさん入れてください!」

ライナー「おいこらまてまて」

クリスタ「いい子だから、ね?」

サシャ「私のっ私のっパァァァン!」


ユミル「何の成果も、得られませんでした…」

クリスタ「ユミルは頑張ったよ、うん」

コニー「まぁいいや、食べに行くぞ。腹減ったし…サシャ行こうぜ」

サシャ「はいっ」


ジャン「しっかし、奴は女に興味ねぇのか?」

マルコ「うーん…どうなの?ライナー」

ライナー「ん?」

ユミル「そうだ、最初からお前に聞きゃよかったんだ」

ジャン「あいつ、好きな奴とかいねえのか」


ライナー「あ、ああ…いや、」

ユミル「何隠してやがる」

ライナー「いや…」

ジャン「親友の濡れ衣を晴らすチャンスだぞ」

ライナー「うーむ…」


ライナー「まぁ…多分なんだが、好きな奴は、いる…いや、いた、か」

ユミル「いた…?」

ライナー「同郷のな、幼馴染で…」

ジャン「おい、それって…」

マルコ「マリア脱出の時に…」

ライナー「う、うむ…」


ユミル「…ずっと引きずってんのか?」

ライナー「さぁな…」

マルコ「…ねぇ、その子、もしかして」

ライナー「うん?」

マルコ「金髪で…背が、低かった?」

ライナー「」ギクッ


ジャン「女神か」

クリスタ「女神?」

ユミル「は?マジなのか?」

ライナー「ん…んん?」

ジャン「最低だな、ライナー…知ってて手を出そうとしてるのかよ」

ユミル「糞野郎だな…どっちにしてもやらねえけど」


ライナー「おい、待て、ちょっと、止めろって!」

ジャン「問答ッ!」ゲシッ

ユミル「無用ッ!」ゲシッ

クリスタ「?二人とも何怒ってるの?」

マルコ「えーっと…」


ベルトルト「…何話してるの?そんなところで」

ジャン「ベル…!」ガシッ

ユミル「トルト…!」ガシッ

ベルトルト「え、何…?」

ジャン「お前よぅ…なんかあったら言えよな…」

ユミル「そうだぞ、こんな糞野郎に遠慮なんかしないでよ。…やらねぇけど」

ベルトルト「え、何のこと?」


マルコ「うーん…まぁ」

クリスタ「一件落着?」

ジャン「安心しろ、お前の濡れ衣は晴らす」

ユミル「後は私らに任せろ」

ベルトルト「…なに、これ」


*兵舎--男子寮*

ライナー「…ということでな、お前にホモ疑惑がかかっていたわけだ」

ベルトルト「はぁ…」

ライナー「元々は、俺とお前が夜遅くに二人で外に出かけたのを見た奴がいたらしい」

ベルトルト「それって…」

ライナー「ああ、例の集まりの件だな」

ベルトルト「うーん、困ったね」


ライナー「つうことで、今日はお前一人で行ってくれや」

ベルトルト「それはいいけど…任務がめんどくさいってわけじゃないよね?」

ライナー「それはない。俺とのホモ疑惑が深まってもいいのか?しばらくの間だけだ」

ベルトルト「…わかったよ」


*とある倉庫裏*

アニ「…で、アイツは来ないんだね」

ベルトルト「う、うん」

アニ「はぁ…まぁいい。とりあえず座ってくれない?あんたと話してると首が疲れる」

ベルトルト「あ、ごめん…」

アニ「よっと…」


ベルトルト「君も座るの?」

アニ「悪い?」

ベルトルト「いや…」

アニ「ここだと風除けになる。あんた無駄にでかいから」

ベルトルト「寒いの?大丈夫?」


アニ「湯冷めしたくないんだよ」

ベルトルト「それで、か…なんかいいにおいする」

アニ「…は?」

ベルトルト「いやっ、ごめん、何から話そう」

アニ「…じゃぁ、時間もないし手短に済ますけど…」


*兵舎--女子寮*

ユミル「…ということらしい」

サシャ「そういうことだったのですね…」

ユミル「噂してる奴がいたら言っておいてやってくれ」

ミーナ「了解っ!私に任せてっ」

アニ「…何を任せるんだい」


ユミル「ベルトルさんのホモ疑惑晴らし。未協力のお前さんには関係ないだろ」

ミーナ「あのね…昔、ベルトルトには好きな子がいたんだって」

アニ「…へぇ」

ユミル「おい」

ミーナ「同郷の、背の低い金髪の女の子だったらしいよ。
 あの事件で死んじゃったみたいだけど…」

アニ「…それ、誰の情報」

ミーナ「ライナーだっけ?」

ユミル「チッ…ああそうだよ」


アニ「信憑性は高いってことかい。まぁ私には関係ないね。せいぜい頑張りな」

ミーナ「う、うん…アニ寝ちゃうの?」

アニ「明日も早いからね。おやすみ」

ミーナ「おやすみ…」


アニ「………」

アニ「…同郷の、背の低い金髪………」

アニ「…まさか、ね?」







オワリ。ホモはいないよ!
某所で出されたお題のマルアニはもうちょい待ってね!

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