シンジ「綾波洗脳計画」(177)


この前、父さんから綾波をもらった

もうこの世界にはエヴァなんてない

人類補完計画は失敗に終わり、

気づけばそこは使徒が来る前の世界になっていた

その後父、碇ゲンドウは自殺し

綾波とボクだけが残された

こんなホッコリとした生活もたまにはいいんじゃないかな...

...と、思っていたんだけど

綾波「あなた...誰?」

シンジ「...」

そう、綾波はボクを知らない

そして

綾波「私は...誰?」

自分の事すら分からない

僕にはもう友達と言える人もいない

綾波を除いて...

これからどうしよう...

綾波「私は誰?」

シンジ「君は綾波レイっていうんだ」

綾波「綾波...レイ...」

綾波「...あなたは?」

シンジ「シンジ...碇シンジ」

綾波「碇...シンジ」

綾波「...碇...碇」

ホントどうしよう...

シンジ「ボクと君は一緒に暮らすことになったんだ」

綾波「なぜ?」

シンジ「えっと、父さんにそう言われて」

綾波「父さんってだれ?」

シンジ「ボクの父さんだよ...」

綾波「ボクの父さんって誰?」

なんだか子供を相手にしてるみたいだ...

シンジ「...そういえばお腹空かない?」

綾波「お腹が...空く?」

シンジ「えっと...そのなんていうか...」

綾波「...」ギュルルル

シンジ「うん、空いてるね、ちょっと待ってて」

綾波「...」

なんか初日から疲れる

ちょっと経ちました

シンジ「どうぞ」カタ

綾波「...これは?」

シンジ「み、味噌汁だよ」

綾波「...この白いのは?」

シンジ「お米だよ」

綾波「コメ...」

シンジ「さあ、食べて食べて」

綾波「...」

綾波「...」パク

シンジ「...どう?」

綾波「...どうって何?」

シンジ「...」ドンガラガッシャーン

綾波「...」

シンジ「お、おいしい?」

綾波「...おいしい?」

シンジ「えっと....!」

そうだ...確かあの時

シンジ「ぽかぽか...しない?」

綾波「ぽかぽか?」

そう、きっと...綾波なら、きっと

綾波「...」

綾波「ぽかぽか...」

綾波「...する」

キタ━(゚∀゚)━!

シンジ「綾波、それはおいしいってことなんだ」

綾波「おいしい...」

シンジ「そう、ぽかぽかっていうのはおいしいことなんだ」

綾波「...そう」

綾波「...」パク

綾波「...おいしい」

シンジ「ありがとう」

綾波「...おいしかった」

シンジ「そう?」

綾波「えぇ」

綾波は今日、おいしいを覚えました

これからはいろんなことを教えてあげなくちゃ

と思いながら

綾波との同居生活、初日

おやすみなさい

明日は何を覚えてくれるかな



シンジ「...ん」

シンジ「...朝だ」

シンジ「...ご飯、作らないと」ムク

シンジ「...えっと、昨日の味噌汁が」



ちょっと経ちました

シンジ「...よし、これでいいかな」

綾波「zzz」

シンジ「綾波ー」コンコン

...返事がない

シンジ「綾波、起きてー」コンコン

...部屋には入り難い、女の子だし...

シンジ「まあ長期休暇中だし寝させてあげようかな...?」

シンジ「綾波、ご飯食べてるよ」

綾波「zzz」

シンジ「...いただきます」



AM9:00

綾波「...」ムク

綾波「...」グルルル

綾波「この感覚は...」ガチャ

綾波が起きました

シンジ「あ...お、おはよう綾波」

綾波「えっと、い、碇くん...」

シンジ「な、なに?」

綾波「ご飯...食べたい」

シンジ「え?う、うん分かった」

...綾波さん、すごい寝癖ですよ



シンジ「はい、どうぞ」カタ

綾波「い、碇くん」

シンジ「...なに?」

綾波「い、碇くんが言ってた...あ、あれ...?」

シンジ「あれ?」

綾波「いた、いたた...?」

シンジ「いただきます?」

綾波「いただきます?」

シンジ「あぁ、いただきますのこと?」

綾波「多分」

なんかややこしくなってます

シンジ「食べる前に言うんだよ」

綾波「それをいうとおいしいが増えるの?」

シンジ「え..?」

綾波「い、碇くんは昨日も言ってた」

シンジ「えっと...そんなものかな?」

綾波「そう...」

綾波「...いただきます」

シンジ「どうぞ」

綾波「...」パク

綾波「..おいしい」

シンジ「ありがとう」ニコ

味噌汁がお気に入りに追加されました

シンジ「そういえば綾波」

綾波「...?」

シンジ「服はそれしかないの?」

綾波「..そう」

シンジ「じゃあ、買いに行こう」

綾波「なぜ?」

シンジ「えっと...綾波も僕も困るから」

...お洗濯とか

綾波「買う..?」

シンジ「まあいいや、一緒についてきてよ」

綾波「...」

シンジ「行けばご飯がおいしくなるよ」

綾波「行くわ」

即答でした



服屋に着きました

シンジ「...えっと、一度にたくさん買った方が楽かな」テクテク

綾波「ここは...どこ」

服屋です

シンジ「いいなって思ったものを手にとってみなよ」

綾波「...」

シンジ「こういうのとか」カチャ

綾波「....」

シンジ「こんなのとか」カチャ

綾波「.....」

シンジ「これは...........ないな」カチャ

シンジ「あ、綾波?」

どうやら、いいなというものが分からないようで...

シンジ「た、例えばさ」

綾波「..?」

シンジ「白っぽい服とか似合うんじゃないかな...?」

綾波「...白?」

シンジ「こういうTシャツとか?」カチャ

綾波「じゃあこれでいいわ」

ちょっと適当すぎです

シンジ「えっと、自分で選んでみなよ」アセアセ

綾波「...白」カチャ

シンジ「...それ男物だよ?」

綾波「...白」カチャ

シンジ「寝巻き....」

でも寝間着は必要ですね

綾波「...白」カチャ

綾波「...」

お気に入り発見?

シンジ「ワンピース?」

綾波(...なに、この気持ち)

ナツカシイ?

シンジ「...あ、綾波?」

綾波「なに?」

シンジ「...それ、買おうか」

綾波「...えぇ」



その後も三着くらい買い、帰宅

服選びは少し難航しました



シンジ「ただいま」

綾波「た、ただいま?」

シンジ「うん、おかえり」

綾波「お、おかえ..」

完全にオウム状態

シンジ「おかえり」

綾波「...おかえり」

シンジ「さて、ご飯作るけど何がいい?」

綾波「...味噌汁」

うん、まあそうなりますね

シンジ「...味噌汁+魚でいいかな」



服選びは大変なものです

日を重ねていけば、なんとかなるでしょう

すっかり味噌汁を気に入ってしまいました

お箸のうまい使い方とかも教えなきゃですね

今日の魚の食べ方を見ていて思いました

身をほぐすのは大変です

なんか昨日より疲れたな

明日のためにも寝ておこう

明日は何を覚えてくれるかな



シンジ「zzz」

チュンチュン...

シンジ「...ん」ムク

シンジ「朝だ...」

綾波「zzz」

シンジ「えぇ!?」バサッ!!!!

綾波「ふぁ...」

シンジ「あ、綾波!?」

綾波「...?」

シンジ「と、とりあえず起きようか」アセアセ

シンジ「で、」

綾波「...」

シンジ「綾波のベッドはこっちの部屋にあるわけで」

綾波「...」

シンジ「なんで、ぼ、僕の布団の中に?」

綾波「...それはいけないことなの?」

ええ、変な輩もが湧きますしね

シンジ「...何かあったの?」

綾波「...」

綾波「誰かが呼んでくるの...」

シンジ「...?」

綾波「私の知らない人...」

シンジ「...まさか、夢?」

綾波「...夢ってなに?」

シンジ「そ、そうだったね...」トホホ

シンジ「夢っていうのは寝ている時に見るものなんだ」

綾波「...見るもの?」

シンジ「うん」

綾波「私のは...声だけだった」

シンジ「...ど、どんな声だった?」

綾波「...懐かしい声」

シンジ「...?」

綾波「何かを呟いてた」

シンジ「へ、へぇ...」

綾波「...ユ...」

シンジ「あ、綾波!お腹すいた?あ、朝ご飯食べよう?」

綾波「...」

シンジ「僕もうお腹すいちゃったよ、あはは」カチャ

綾波「.............」

綾波「...えぇ」

シンジ「はい、どうぞ」カタ

綾波「...いただきます」

シンジ「いただきます」パク

今日は綾波がご飯を残した

味噌汁は完食してたけど

綾波は食後、いや、一日中ぼぅっとしていた

まあ僕もだけど

本を読んだり、外を眺めたり

まあ外は雨だったけど

今のところは順調かな?

まだ三日目だけど

明日は何を覚えてくれるかな

>>25

お恥ずかしい

誤字の訂正を

輩もが→輩も



シンジ「ねえ綾波?」

綾波「...?」パクパク

シンジ「今日どこかへ出掛けない?」

綾波「...どこへ?」

シンジ「街にだよ」

綾波「...」

シンジ「もちろん綾波が良いなら、だけど」

綾波「...行くわ」

シンジ「じゃあご飯食べたら準備しよう?」

綾波「えぇ」

さぁて、お出掛けです

大丈夫でしょうか...?


ナゼカツイテイクタクナル

カレノメヲミテイルトスイコマレソウ

イヤナカンジハシナイ

ナツカシクカナシクサビシイ

ウレシイタノシイムネノタカナリ

コノムジュンハナニ

デンシャノトオラナイレールノウエヲアルイテイルヨウナ

そんな感じ

シンジ「綾波?」

綾波「...!」ビク!!!

シンジ「っと...そんなに驚かなくても...」アセアセ

綾波「...ご、ごめ..」

シンジ「...?」

綾波「ごめんな..さ..ぃ.......」

緊張しているのでしょうか?

シンジ「あ、謝んないでよ...大丈夫だよ」

綾波「...」

シンジ「...さ、さあ、行こう綾波!」ギュッ

綾波「...え、えぇ」



バスに乗って駅まで行き、

電車に乗って街へ

第 3 新 東 京 へ

...あれ?

シンジ「...綾波?」ガタンゴトン

綾波「zzz」ガタンゴトン

シンジ「...そろそろ着くよ?」ガタンゴトン

綾波「zzz」ガタンゴトン

シンジ「まあ電車の音って心地いいよね...」ガタン

綾波「zzz」ゴトン

シンジ「綾波」トントン

綾波「...?」

シンジ「着いたよ、降りよう?」

綾波「...えぇ」



シンジ「....」

綾波「....」

シンジ「...暑い」

綾波「....」

シンジ「...どこから行く?」

綾波「...」

シンジ「...綾波?」

綾波「...駄目なの」

シンジ「...え?」

綾波「...」

シンジ「...もしかして、暑いの苦手?」

綾波「そうじゃなk..

シンジ「じゃああそこの和菓子屋さんへ行こうよ」

シンジ「まずは冷たいものでも食べようよ」ギュッ

綾波「だ、駄目っ..

シンジ「...え?」

ゴォッ!!!!

シンジ「...え?」

シンジ「...え?」

シンジ「...公衆電話?」

シンジ「...ここは?」

ゴォッ!

綾波?「...」

シンジ「あ、あやなm..

ゴォッ!!!

シンジ「...はっ!!?」

綾波「...」ギュッ

シンジ「...あ、あれ?」

綾波「駄目なの...」ギュッ

シンジ「...え?」

綾波「もう...」

シンジ「...」

シンジ「...え?」

暫し沈黙

さっきとは違う雑踏

綾波「...お腹が」

シンジ「え?」

綾波「お腹が空いたわ」

シンジ「え...あ、もう12:00か」

シンジ「...ど、どこ行く?」

綾波「...」チラ

シンジ「...あそこ?」

綾波「えぇ」

シンジ「わ、分かった、じゃあ行こうか!」

綾波「ええ」

暫し保留

シンジ「お蕎麦屋さんか...」ガラガラ

いらっしゃい

シンジ「綾波、お蕎麦知ってる?」

綾波「...いいえ」

ですよね...

シンジ「じゃあなんで蕎麦屋に?」

綾波「...味噌汁があったから」

シンジ「...え?」

綾波「あれ」

食品サンプルを指さしていますが...

シンジ「綾波、あれは麺つゆだよ...?」

綾波「...?」

御注文はお決まりで?

シンジ「じゃあざるそばふたつで」

一応...

綾波「...?」

...かしこまりました

シンジ「綾波、ひとつ言っておくけど」

綾波「なに?」

シンジ「...味噌汁じゃないからね?飲んじゃ駄目だよ?」

綾波「...?」

シンジ「...大丈夫かな」

やや不安

...お待ちどうさま、ざるそばふたつ

シンジ「..どうも」

綾波「...」

綾波「碇くん..?」

シンジ「な、何?」

綾波「味噌汁じゃ...ない」

シンジ「」ガタガタッ..

麺つゆです

シンジ「た、食べ方を教えるね...」

綾波「...」

シンジ「まず麺をお箸でつかんで」

シンジ「麺つゆにひたす」

シンジ「で、食べる」ズルズル

綾波「...」

シンジ「さ、やってみて」

綾波「...こう?」

シンジ「うん」

綾波「...」ズルズル

綾波「...」モグモグ

シンジ「どう?」

綾波「...お、おいしい」

シンジ「ぽかぽか?」

綾波「えぇ...」

シンジ「...よかった」

綾波「...」ズルズル

シンジ「じゃ、僕も」ズルズル

綾波「...」パク

どうやらお蕎麦も...

綾波「...!」カチャッ!

気に入ったみたい....え?

綾波「こほっ...こほっ...!」トントン

シンジ「あ、綾波!?」

綾波「い、碇くん...」ウルウル

シンジ「なっ、どうしたの!?」

綾波「ひりひり...する..」

シンジ「ひ、ひりひり?」

シンジ「ぽかぽかじゃなくて....?」チラ

シンジ「ま、まさか...」

シンジ「あ、綾波?」

綾波「...」ゴクゴク

シンジ「...わさび食べたね?」

綾波「...こほっ」

咳で返事?

綾波「...ゎさ..び?」ウルウル

シンジ「綾波、一気に全部食べたんだね...」

綾波「...?」



シンジ「..ふぅーお腹いっぱい」

綾波「...ご、ごちそうさま」

シンジ「ごちそうさまでした」

シンジ「おじさん、お勘定ー」チャリン

まいどどうも!

シンジ「食べた食べた」ガラガラ

綾波「...けぷ」

シンジ「...さて、どうしようかな?」テクテク

綾波「...」ジー

シンジ「ねえ、綾波はどこに行きt......

綾波「...」ジー

シンジ「綾波..?」

...ミャーオ

綾波「...」ジー

シンジ「あ、猫だ」

綾波「あれは?」

シンジ「猫だよ、真っ黒だね」

綾波「...猫」

シンジ(しばらく見ていよう)

綾波「...」テクテク

猫「!?」ダッ!!

逃げられました

綾波「...」

シンジ(やっぱ逃げちゃったか)

綾波「...」テクテク

シンジ「綾波、そこの隙間は流石に通れないと思うよ?」

綾波「...」シュン

猫に興味を示しました

おや、また何かを発見?

綾波「...」ジー

シンジ「どうしたの綾波?」

綾波「...暖かいの」

シンジ「...え?」

綾波「また違ったぽかぽか...」

シンジ「湯気...」

シンジ「綾波、それは温泉だよ」

綾波「...温泉」

シンジ「...あ、さっきの猫だ」

ニャーォゴロゴロ

シンジ「...あはは」

綾波「...」ソー

猫「!?」ダッ!!

綾波「...」

すっかり警戒されています

シンジ「あはは...」

綾波「...」タッ!

シンジ「え!?」

走った!?

シンジ「あ、綾波!待って!」ダッ!!

綾波「...ま、待って」

シンジ「あ、綾波!そっちは!」

ビィービィー!!!!!!!!!

綾波「...あっ」

ファァァァン!!!!!!!!

...

...

...

...

シンジ「...」ギュッ..

綾波「...」ギュッ...

シンジ「はぁはぁ...危なかった」

綾波「...あっ」

ホールド中...

シンジ「あ、綾波駄目だよ、道路に飛び出したら!」バッ!

綾波「ご、ごめんなさぃ...」

シンジ「僕から離れちゃ駄目だよ?」

綾波「...えぇ」

シンジ「...じゃ、行くよ綾波」

綾波「えぇ」ギュッ

シンジ「綾波!?」

綾波「...なに?」

シンジ「外で抱きつかれるのは..ちょっと//」

ていうか歩きにくい

綾波「離れちゃ...駄目なんでしょ?」

シンジ「うん、そういう意味じゃなくてね」

綾波「...?」

シンジ「分かった、じゃあ手を繋いでればいいから」

綾波「...えぇ」ギュ

シンジ(...)

綾波(...さっきのは)

綾波(...ぽかぽか?)

綾波(いいえ...じゃあ...)

綾波(...何?)

そこのカップルさん

シンジ「カップルじゃないですけど...」

お土産、見ていかない?

シンジ「お土産屋さんか...綾波、入ってみる?」

綾波「...」コクリ

いらっしゃい

シンジ「...いろんなものがあるね」

綾波「...」ジー

目が口の三倍以上仕事をしています

シンジ「綾波、次は何を見つけたの?」

綾波「...味噌汁の」

シンジ「お椀だね」

木のお椀の良さが分かるとは渋いじゃないですか

シンジ「...欲しい?」

綾波「...」コクリ

シンジ「じゃ、買おうか」

綾波「...」

ちょっとご機嫌

シンジ「ほかには...あっ」

シンジ「...寄木細工だ」カチャ

シンジ「綾波、ここ、開けてごらん?」

綾波「...?」カパ

ガシャッ

楊枝入れのようです

綾波「...これは?」ユビサシ

シンジ「鳥だよ、楊枝をくわえて取り出してくれるんだ」

綾波「...鳥?」

シンジ「作り物だけどね」

寄木細工

http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E6%9C%A8%E7%B4%B0%E5%B7%A5

綾波「...」クス...

シンジ(笑った...)

綾波「碇くん」

シンジ「なぁに綾波?」

綾波「...これ...欲しい」

シンジ「フフ...いいよ」

まいどあり

シンジ「...」

綾波「...」クス...

シンジ(意外としたなぁ...)

さて...そろそろ

シンジ「綾波、帰ろうか」

晩御飯は何にしようか

味噌汁は欠かさずに

もちろん今日買ったお椀によそって



シンジ「...」ガタンゴトン

綾波「zzz」ガタンゴトン

シンジ「...」ガタンゴトン

綾波「zzz」ガタンゴトン

シンジ「...フフ」

綾波「zzz...」

シンジ「今日も和食かな...」

シンジ「味噌汁に合うのって」

シンジ「それくらいだもんな...」

シンジ「明日は思い切ってカレー...」

シンジ「...」

シンジ「を、綾波に手伝わせよう」

シンジ「...フフ」

明日は何を覚えてくれるんだろう?


























アトモウチョットダカラ



シンジ「ねえ綾波?」

綾波「なに?」

シンジ「朝ご飯食べ終わった直後に言うのもあれだけど...」

シンジ「料理してみない?」

綾波「...料理」

シンジ「綾波、やってみようよ?」

綾波「やり方が分からないわ...」

シンジ「もちろん僕と一緒だよ」

綾波(...なんだか碇くん、嬉しそう)

綾波「...それは」

シンジ「楽しいよ、とっても」

綾波「...じゃ、じゃあ」

綾波「...やるわ」

シンジ(...やった)

シンジ「と、いうことで」

シンジ「綾波にはお買い物に行ってもらいたいと思います」

綾波「お買い物...」

シンジ「もちろん一人で」

綾波「...碇くんは?」

シンジ「家でお留守番するよ」

綾波「...でも」

綾波「この前、碇くんから離れちゃ駄目って..」

シンジ「今日は特別に許可するよ」フフフ

綾波「...」

シンジ「で、これが買い物リスト」ピラ

シンジ「で、これがお財布」トン

シンジ「で、これが念のための携帯電話」カタ

綾波「...」

シンジ「綾波にはこの紙に書いてあるものを買ってきてほしい」

シンジ「買い方は昨日僕のを見ていたから大丈夫だよね」

シンジ「この携帯は多分使わないと思うよ」

綾波「...まって」

シンジ「...?」

綾波「...」

シンジ(考え込んじゃってる...)フフ

シンジ「じゃあ、もう一回ゆっくり言うね?」

綾波「えぇ」



シンジ「...........これでいいかな?」

綾波「大体分かったわ」

シンジ「それと歩いてお店まで行ってね、走っちゃ駄目だよ?」

シンジ(危なっかしいもんなぁ...)

綾波「分かったわ」

シンジ「くれぐれも気を付けてね」

綾波「えぇ」

シンジ「そうだな...最低でも11:00までには帰ってきてね」9:00~

綾波「えぇ」

シンジ「いってらっしゃい、綾波」

綾波「えぇ...碇くん」バタン

シンジ「...」

シンジ「まあ、2時間もかからないよね...?」






~綾波レイ、初めてのおつかい~

綾波「...」

綾波「碇くんの字...」

綾波「にんじん...じゃがいも」

綾波「ルー....ルー?」

綾波「...」

綾波「...」

綾波「スーパーは...」



シンジ「綾波大丈夫かな」ソワソワ

シンジ「リストも全部ひらがなで書いたし...」

シンジ「こっそりお守りも持たせておいたし」

シンジ「あぁでも...」

シンジ「うーん...」

シンジ「....はぁ」

いらっしゃい!

綾波「...」キョロキョロ

はじめましてお嬢ちゃん、今日はこの魚が安いよ

綾波「...」キョロキョロ



綾波「...にんじん」

...八百屋なら通りが一本違うぜ嬢ちゃん

綾波「...?」

八百屋ならそこを曲がって...

綾波「...」

そうしたら通りの右側に...

綾波「...」



シンジ「...」

シンジ「なんでスーパー行かないんだろう...」



綾波「...」テクテク

洗脳は暴力を伴うことだからこれは洗脳とは違うなー

>>79 お望みならば分岐させますが

綾波「...ここね」

いらっしゃい

綾波「にんじん...」

綾波「にんじん...」

綾波「にんじん...」

...通り過ぎてますよ

綾波「にんじん...」

綾波「...にんじん?」

綾波「にんじん...」

お嬢ちゃん、にんじんはここよ?

綾波「え...あっ..」

(変わった子ねぇ...)

綾波「あっ...あり...ありが...」



綾波「...ありがとう」

えっ...えぇ、どうも...



シンジ「...ふぅー」

シンジ「...何時間かかるかな」

心配になってきました



綾波「じゃがいも...」

綾波「いも...いも...」テクテク

綾波「...!」

綾波「....あった」

...えっ

綾波「...やった」フフ

綾波「...」

綾波「次は....」テクテク



シンジ(綾波!!薩摩芋!それ薩摩芋だよ!)

シンジ(確かに『さつまいも』ってひらがなで書いてあるけど!)

シンジ(じゃがとさつまは間違えちゃダメだよ!!)



綾波「次は...たまねぎ」

綾波「...もう大丈夫、碇くんがそばにいなくても...」

綾波「...たまねぎ」

綾波「...!」

綾波「...ない」

綾波「でもここには『たまねぎ』...って」

綾波「...」オロオロ

綾波「...たまねぎ」

綾波「たまねぎ...?」

綾波「...」ウロウロ

探しモノかいな?

綾波「!?」

...おー、たまねぎかぁ?

綾波(...びっくりした)

すまんなぁ、ちょいと訳あって今無いんやぁ

綾波「...」

折角来てくれたのにすまんなぁ

綾波「えっ...ええ」

綾波(...どうしよう)

とりあえずもう買うもんないなら会計するかぁ?
詫びってことでマケとくで?

綾波(...どうしよう)チャリン

はい、確かに
また来なさいな

綾波(....)

綾波「...たまねぎ」



シンジ「ん、出てきた」

シンジ「...」

シンジ「うん、今のところ大丈夫そうだ..」



綾波「...たまねぎ」


綾波「とりあえず...」

memo:〇〇スーパーならポイントカード使えるよ

綾波「碇くんの言う通りにしよう..」

綾波「...」テクテク

綾波「あっ...」

ニャーゴニャーゴ

綾波(...)ソロー

!........

綾波「...」

逃げられました

綾波「...はっ」

11:00までには帰ってきてね

綾波「いけない...」

綾波「碇くんが待ってる」タッタッ..

綾波「...はっ」

走っちゃダメだよ...

綾波「いけない...」

綾波「...」テクテク

綾波「...」

綾波「...ここね」

綾波「碇くんは...」

memo:カレールーとふくじんづけを買ってね...

綾波「カレールー...」

綾波「...これは...何?」

綾波「ふ..くじ..んづけ?」

綾波「...」

メモ熟読中..............................

綾波「...これは...何.........?」

福神漬けは最悪無くてもいいですが...

綾波「!」

memo:本当に困ったら電話してね

綾波「...電話」

綾波「...碇くん」pipipi

綾波「...これでいいのかしら?」prrrrr



シンジ「...まだ頑張れるな」

シンジ「電源切っとこ」pi



綾波「...」

綾波「...どうしよう」

Pipipipipipipi!!!!!!!!!!!

綾波(...ひゃう!?)

綾波「...電話...!」

綾波「碇くんから...!」pi!!!















ヤットミツケタワヨ、ファースト

綾波「...」

綾波「...え?」

gggggggggggggggggggg

シンジ「」ggggggggggg

シンジ「まっ...まずい」ggggggggggg

シンジ「はっ..早すぎる」ggggggggggg

ニガサナイ...ニガサナイワヨ

シンジ「あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!」ggggg

綾波(!?)

シンジ「早くっ...切らないとっ...!!」ggggggggggggg

綾波(今のは..碇くんの声!)

綾波「碇くん!」ダッ

綾波「碇くん!!」

シンジ(!....そうだ、綾波なら)

シンジ「綾波ぃ!!」

綾波「碇くん!!」タッ

シンジ「!?」

シンジ「違う!綾波!どこへ行くんだ!?綾波!!!」

ハヤクモドッテコイ

シンジ「ぐぁああああ!!!」gggggggggggggggg

シンジ「嫌だ...嫌だ!!」

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ






















....なぁんちゃって

フフ

ふふふふふふふっ

あはははははっ!!

あっさりすぎる...あっさりすぎるよ!!

ねえ?

そ  ん  な  と  こ  ろ  から見てないで

さっさと出てきてよ


アスカァ!!!!!!!!!!!!!

アスカ「...」

シンジ「フフフ...」

シンジ「会えて嬉しいよ、アスカ」

アスカ「...いつから分かってたのよ」

シンジ「そんなことどうでもいいから早くどこか行ってよ」

アスカ「またそうやって子供みたいに駄々こねるのね!!」

シンジ「黙っててよ!!!!!!」

アスカ「...っ!?」

シンジ「アスカは人の幸せ壊して楽しいの!?」

アスカ「人聞きが悪いわね!全てアンタのせいでしょ!!」

シンジ「うるさい!だからもう黙っててよ!!!!」

アスカ「こ っ ち の 世 界 をあんなにした張本人のくせして」

シンジ「うるさい...」

アスカ「こっちでファーストとおままごとなんてね...え"ぇ"?」バチン!!!

シンジ「うっ...」ポタポタ

アスカ「フン!どうせ世界が変わったところで、アンタは何にも変わっちゃいない」

シンジ「うるさい...」

アスカ「どうせ同じなら、こっちでちゃんと落とし前をつけなさいよ!!」バチン

シンジ「ぐうっ...」ボタボタ

アスカ「....ほら....何か言ってみなさいよ?ねえ?」

シンジ「....った」

アスカ「.......ハァ?」

シンジ「...終わったって言ったんだよ」

アスカ「だからなんなのよ」

シンジ「アスカってホントバカだよね」

ドゴォ!!

シンジ「ぐふっ....そうやって...暴力しかふるえない...んだ」

ガン!!

シンジ「かはっ...結局もなにも....最初っから自分しか....見てない...」

シンジ「僕らが...箱根に行った時の あ の トラップもアスカのなんでしょ?」

アスカ「ええ、そうよッ!!!」ドゴォ!!!!!

シンジ「がぁっ....!」ボタボタ

アスカ「アンタを連れ戻すため、アイツをなんとかして殺そうと思った」

アスカ「ガードが固すぎて、罠も満足に仕掛けられなかったけどね」

落ちたと思ってた

シンジ「はあ...はあ...終わった?」ゼエゼエ

アスカ「はあ?」

シンジ「もう終わった?」ゼエゼエ

アスカ「頭イカれたの?」

シンジ「スッキリした?」ゼエ

アスカ「...どうやらもっと殴って欲しいようね」

シンジ「そうだね...」

アスカ「...死ね、マゾヒスト」

アスカ「さあ、さっさと帰るわよ」

シンジ「何言ってるのさアスカ」

シンジ「さっさと帰る?どこに?」

アスカ「アンタ...まだ粘るつもり?」


うるさいよ

いなくなっちゃえよ

目の前から消えてよ


アスカ「...え?」

シンジ「ははっ!!さようなら、アスカ!」

シンジ「ふふふ...終わりの世界と新しい世界の間に閉じ込めておくよ」

じゃあね...


惣流・アスカ・ラングレー

アスカ「え...ちょっと...」

シンジ「ほんとにバカだなぁ!アスカって」

アスカ「アンタ...何を...」

シンジ「なんでこんな根暗野郎が...だって?」

シンジ「それはね...」

シンジ「...」



シンジ「やっぱやめた」

アスカ「...」

ggggggggggggggggggggggggg!

ガクン!

シンジ「はぁ...はぁ...」

シンジ「...やった」

シンジ「...やっと消せた」

シンジ「...だいぶ消費しちゃったな」

綾波「碇くん!」

シンジ「あ、綾波!」

綾波「碇くん!」

ギュッ................

シンジ「...あ、綾波?」

綾波「......はっ」

綾波「さ、さっきの悲鳴は一体...」

シンジ「た、大したことないよ」

綾波「嘘..」

シンジ「...」

綾波「分かる...とても、苦しそうな声だっt..」

ギュッ.............................

綾波「あっ...」

シンジ「大丈夫...大丈夫だよ...」

綾波「...そう」

シンジ「うん」

綾波「..........はっ」

シンジ「ん?」

綾波「い、碇くん?」

シンジ「なに?」

綾波「何故ここにいるの?」

シンジ「」

綾波「碇くん?」

シンジ「えっと...」

ヒソヒソ

ザワザワ

シンジ「...!」

がっちりとホールド中

シンジ「ご、ごめん綾波!」バッ

綾波「あっ....」

シンジ「そういえば街中だったっけ...」

シンジ「...ごめん」

綾波「...いい」

シンジ「え?」

綾波「気に...してないわ」

シンジ「そ...そっか」

綾波「...」

シンジ「ねえ綾波」

綾波「何?」

シンジ「...帰ろうか、家に」

綾波「....ええ」


シンジ「..ちょっと待って」

綾波「何?」

シンジ「綾波、買い物袋はどうしたの?」

綾波「」

シンジ「どこかに置いてきちゃった?」

綾波「...」

肯定

シンジ「...しょうがない、探そうか」

綾波「...ごめんなさい」

しばらくして買い物袋は見つかった

その後、綾波と一緒に家に帰った

...が、綾波は家に帰るとすぐ寝てしまった

走り回って疲れたのだろうか

カレーはまた明日、ということになってしまった

まあいいや

どうせ邪魔をするものはもう居なくなったし

明日じっくり教えてあげよう

(暫し沈黙)

さあて

明日も楽しみだなぁ

......

綾波「ん....」

綾波「...朝」

綾波「...」

綾波「...静かだわ」

グゥゥゥゥゥ

綾波「...」

綾波「...お腹すいた」

ガラッ

綾波「碇くん、おはy....

(静寂)

綾波「...」

綾波「...碇くん?」

綾波「まだ、起きていないのね..」

綾波「...!」

起きていない→ご飯できていない→もう耐えられない

綾波「...」

綾波「起こしに行こう」

綾波「...はっ」

(回想)

いい?あまり寝床には入って来ないでね

どうして?

どうしてって...こ、困ることがあるんだよ、いろいろと...

何が?

...うーん

ま、また今度話すよ...

綾波「...」

綾波「とにかく、この中には入れない」

綾波「マンションだから大声も出せない...」

綾波「...」

グゥゥゥゥ

綾波「...お腹すいたわ」

綾波「ごめんなさい、碇くん..」

ガラッ

シンジ「Zzzzzzzz」

綾波「碇くん...やっぱり寝てる」

綾波「い、碇くん...起きて...」

シンジ「あやなみぃ...」

綾波「な、何、碇くん?」

シンジ「zzzz」

綾波(え?)

綾波「碇くん?」

シンジ「あやなみぃ..」

シンジ「...ふふっ」

綾波「!?」

シンジ「zzz」

綾波(どうすれば...)

シンジ「可愛いなぁ...」

綾波「!?」

シンジ「...ふふっ」

綾波「...」

綾波(碇くんがおかしい...)

綾波「揺らしてみよう」

揺らしてみました

シンジ「zzzz」

綾波「...起きない」

綾波「碇くん、碇くん」

グゥゥゥゥ

綾波「うぅ...」

綾波「...そうだ」

綾波「...耳元なら」

ゴソゴソ

綾波「...碇くん」ボソ

シンジ「うーん...」ゴロ

綾波「!?」





(長い沈黙)




.....

綾波「はぁ...はぁ...」

綾波(これは...)

綾波(...ぽかぽか)

綾波(...いえ)

綾波(......熱い)

綾波「...碇くんの息」

シンジ「...んむぅ」

綾波「!?」

シンジ「ぁ....あぁ綾波、おはよう」

綾波「...お、おはっ......」

シンジ「....」

綾波「....」

シンジ「....綾波っ!!??」

綾波「...っ!?」

シンジ「どどど、どうして...!」

綾波「えっと..あの...」

グゥゥゥゥ

シンジ「...」

綾波「...」

シンジ「...あ、うん」

綾波「...」

シンジ「...」

綾波「...」

シンジ「...ごめん」

綾波「...どうして謝るの?」

シンジ「え、あ、いや、寝坊しちゃったから...」

綾波「えぇ...」

シンジ「うん...」

シンジ「待ってて、すぐご飯作るよ」

綾波「えぇ...」

退出

後、一人

綾波「...碇くんの寝顔」

綾波「...碇くんの息づかい」

綾波「碇くんの...」



綾波「...香り」

綾波「...あのかんじは一体」

綾波「懐かしい」

綾波「いいえ」

綾波「じゃあ...何?」

シンジ「綾波、ご飯でk...

ガタガタガタ!!!

シンジ「...た」

シンジ「...何してるの?」

綾波「なっ、なんでもないわ」

シンジ「...うん」

綾波「(いい匂いだった)」

シンジ「え?」

綾波「え?」

シンジ「...食べないの?」

綾波「...食べる」

シンジ「じゃあはやく」

綾波「えぇ」

食卓

シンジ「綾波」

綾波「何?」パクパク

シンジ「昨日作れなかったカレーなんだけど」

シンジ「今日のお昼でいいかな?」

綾波「別にいいわ」

シンジ「じゃあ綾波、一緒に作ろうよ」

綾波「でも、私...」

シンジ「大丈夫、手とり足とり教えるから」

綾波「えぇ」

シンジ(朝ごはんの時に昼ごはんの話ってなんだか変な感じだ)

10:00

シンジ「...ってことで作るよ」

綾波「えぇ」

シンジ「はい、これ」スッ

綾波「これは?」

シンジ「エプロンだよ」

綾波「エプロンって何?」

シンジ「服が汚れたりするのを防ぐものだよ」

綾波「これは...」

シンジ「使い方は、今僕が着ているような感じだよ」

綾波「...」

シンジ「綾波、着てみて」

(五分経過)

綾波「碇くん...助けて...」

シンジ「どうやったらそうなるんだろう...」

シンジ「綾波、よく見ていてね」

綾波「えぇ」

シンジ「首を通して」

綾波「首を通して」

シンジ「紐を両手で持って」

綾波「紐を両手で持って」

シンジ「結ぶ」

綾波「結ぶ...?」

シンジ「ちょうちょ結びで」

綾波「ちょうちょ結び...?」

シンジ「...」

綾波「...」

シンジ「今日は、僕がやってあげるね」

綾波「ごめんなさい...」

シンジ「よおし、できた」

綾波「碇くん、やっぱり私は見てた方が...」

シンジ「大丈夫だって、僕がいるから」

綾波「でも碇くんに迷惑だと思うわ...」

シンジ「僕は綾波と一緒に作りたいんだ」

シンジ「いや、綾波に作って欲しいんだ」

綾波「...そう」

シンジ「うん」

綾波「...分かったわ」

シンジ「じゃあ頑張ろう、一緒に」

綾波「えぇ」

シンジ「じゃあまずじゃがいもの皮むきから」

綾波「えぇ」

シンジ「ピーラー使っていいからね」スッ

綾波「ピーラー?」

シンジ「皮むき器のこと、使い方は..」

(実演)

シンジ「こんな感じ」

綾波「これなら出来そう」

シンジ「一応、手を剥かないように気をつけてね」

綾波「えぇ」シャッ

シンジ「そうそう、いい感じだよ」

綾波「...」シャッシャッ

綾波「これでいい?」スッ

シンジ「あ、ここにまだついてる」

綾波「....じゃあこれで」スッ

シンジ「あ、芽がある」

綾波「芽?」

シンジ「毒だから必ず取ってね」

綾波「えぇ」シャッ

シンジ「よし、じゃあ次は...」

シンジ「これ切って」トン

綾波「これは?」

シンジ「玉ねぎだよ」

シンジ「包丁を使うんだけど...よく見てて」

綾波「えぇ」

シンジ「まず、持ち方はこう」

綾波「...」ギュッ

シンジ「左手で握り拳を作って」

綾波「...こう?」

シンジ「うん」

シンジ「そしてこう」

(実演)

シンジ「手を切らないようにね」

綾波「分かったわ」ストン

シンジ「綾波、もっとこう、引くように」

綾波「こう?」サクサク

シンジ(意外とうまいぞ...)

シンジ「いいよ、その調子」

三十秒後

綾波「碇くん...」

シンジ「どうしたの?」

綾波「これは...涙?泣いているのは...私?」

シンジ「...そうだね」

綾波「碇くん..」グスッ

シンジ「大丈夫、こういうものなんだ」

綾波「...そうなの?」ゴシゴシ

シンジ「あっ、綾波!その手で目をこすったら...!」

綾波「うぐっ......」ヒリヒリ

シンジ(あー...)

綾波「うぅ.....」

シンジ「こ、交代でやろうか?」

綾波「えぇ....」

シンジ「水道で目を洗っておいで」ザクザク

綾波「えぇ...」バシャバシャ

シンジ(ま、いい経験にはなったかな)

シンジ「...」ザクザク

遅筆で申し訳ない

シンジ「じゃあ次はお肉切るよ」

綾波「えぇ」

シンジ「はい、これ」

綾波「...」

シンジ「えっと、切り方は...........こうやって...」

綾波「...」

シンジ(...)

綾波「...」

シンジ(...まずい、調整しないとか)gg

シンジ「大丈夫?綾波?」

綾波「...えぇ、平気よ」

シンジ「もしかして...お肉苦手?」

綾波「...そうかもしれないわ」

シンジ(五分五分だなぁ...)

シンジ「僕がやろうか?」

綾波「いいえ、私がやるわ」ザクザク

シンジ(...)

(暫し省略)

シンジ「綾波、そこの切った具材をお鍋に入れて」

綾波「分かったわ」ザザザザ

シンジ「よおし」

綾波「次はどうするの?」

シンジ「お肉と野菜を炒めて欲しいな」

綾波「炒める?」

シンジ「えっと...熱を加える...かな?」

シンジ「まあ、見様見真似でやってみて」

綾波「えぇ」

綾波「こう..?」コトコト

シンジ「うんうん」

綾波「...」コトコト

シンジ「...」

綾波「碇くん」

シンジ「結構つらいでしょ?」

綾波「腕が痛いわ...」

シンジ「後でマッサージしてあげるよ」

綾波「マッサージ?」

シンジ「ああ、綾波、焦げちゃうよ」

綾波「...!」コトコト

シンジ「...」

シンジ(よし..)

シンジ「ねえ、綾波」

綾波「...もういいの?」

シンジ「あ、いや、そうじゃなくて」

綾波「?」

シンジ「朝、僕の布団で何やってたの?」

綾波「」

シンジ「ああ、綾波、手を止めると焦げちゃうよ」

綾波「え、えぇ....」コトコト

シンジ「で?何してたの?」ニコニコ

綾波「そっ、それは...」

シンジ「また手が止まってるよ?」

綾波「い、碇くん」

シンジ「んー?」ニコニコ

綾波「何故、そんなことを聞くの?」

シンジ「気になるからだよ」ニコニコ

すみません、また夕方に

綾波「別に何もしてないわ」

シンジ「...にしてはほっぺが紅い気がするよ?」

綾波「紅い?」

シンジ「恥ずかしい?」

綾波「...これが、恥ずかしい?」

シンジ「そうかもね」

シンジ「それで、何をやってたの?」

綾波「碇君の匂いを...」

シンジ「匂いを?」ニコニコ

綾波「...」

シンジ「綾波、それが恥ずかしいという気持ちなんだよ」

綾波「そ、そう....」

シンジ「ん、綾波、そろそろルーを入れようか」

綾波「えぇ」


(暫し省略)

綾波「...」コトコト

シンジ「...よし、完成..でいいかな」

綾波「これでやっと終わったのね...」

シンジ「綾波、どう?」

綾波「どう....って?」

シンジ「気持ちは?」

綾波「疲れたわ」

シンジ(やっぱそうなるか)

綾波「あと....」

(小声)

シンジ「!!...そう、良かったよ」

綾波「えぇ」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年02月12日 (水) 00:26:28   ID: VDtQthIZ

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