恒一「赤沢さんが眼帯つけて登校してきた」(116)

ガラッ

赤沢「おはよう」

綾野「うわっ!泉美どうしたのさその目!?眼帯なんてつけちゃって…」

赤沢「うん、ちょっとね」

小椋「なになに?ケガ?」

赤沢「大した事ないわ」チラッチラッ

恒一「……」

赤沢「榊原くんおはよう」

恒一「おはよう、怪我でもしたの?」

赤沢「恋の病に.....ボソ」

恒一「?」

赤沢「なんでもないわ」

恒一「……」

赤沢「ふう。辛いわね、片目が塞がってると。遠近感がつかめないわね~」チラッチラッ

恒一「……」

ガラッ

見崎「…おはよう」

恒一「あっ!おはよう見崎!」

赤沢「……」

中尾「赤沢さん大丈夫?なんなら俺が赤沢さんの右目に」

赤沢「うるさいわね!大したことないって言ってるでしょ!」

中尾「」

ガラッ

勅使河原「うぃーす。お?どうした赤沢?見崎のコスプレか?」

赤沢「ち、違うわよ!バカが伝染るからあっち行きなさいよ!」

勅使河原「お、おお?なんだ?いつにも増してピリピリしてねーか?」ヒソヒソ

望月「きっと片目がつかえなくてイライラしてるんだよ」

赤沢「……」ツカツカ

赤沢「おはよう恒一くん」

恒一「あ…赤沢さんおはよう。どうしたのその目?伊達政宗みたいだね」

赤沢「……」ガーン

赤沢「…ちょっとね。ものもらいになっちゃって」

恒一「ふーん。あ、見崎!こないだ約束したお弁当作ってきたよ!」

見崎「ありがとう」

赤沢「……」ワナワナ

見崎「……」ジー

見崎「それ……」

赤沢「な、なによ」

見崎「その眼帯……どこの?」

赤沢「え?」

見崎「デザインが良い…」

赤沢「…まぁガンターイコナのエクストラファンシーモデルだから当然ね…」

見崎「お洒落…」

勅使河原「眼帯にもお洒落とかあんのか…?」ヒソヒソ

望月「アイウェアってやつだね」

見崎「欲しい」

赤沢「…」ピーン!

赤沢「いいわ。じゃあ見崎さんのと交換でどう?」

見崎「いいの?」

赤沢「いいわよ。はい」

見崎「……」パァァ

赤沢「……」スチャ

赤沢「どうかしら?恒一くん」

恒一「見崎!すごく似合ってるよ!」

見崎「このモデル、ずっと欲しかったから。今日は良いことありそう」

赤沢「……」プルプル

綾野「なになに?眼帯ファッションって流行ってんの?」ヒソヒソ

小椋「さぁ……」

翌日

赤沢「おはよう」

小椋「うわっ!?泉美どうしたの!?両眼に眼帯って……大丈夫!?」

赤沢「平気よ。心配しないで」

綾野「いや、どう見ても平気じゃなさそうなんだけど…。身体中打撲してるっぽいし絶対前見えてないよね?それ…」

赤沢「大丈夫よ。これくらいなんでもないから」チラッチラッ

恒一「」ホケー

赤沢「……」

中尾「赤沢さん!これからは俺を盲導犬として使」

赤沢「うるさいわね!ここまで歩いて来れたんだから大丈夫って言ってるでしょ!」

ガラッ

勅使河原「うぃーす。…ん?ブハハハハハwwwwwな、なんだよ赤沢それwwwwww」プゲラ

赤沢「その声は…勅使河原ね?あんた次笑ったらいないものにするわよ」

綾野(『その声は』ってやっぱ見えてないんじゃん…)

赤沢「……」ツカツカ

赤沢「おはよう、恒一くん」

高林「え?」

赤沢「え?」

高林「いや、ここ、榊原くんじゃなくて僕の席なんだけど」

赤沢「は?誰よあなた」

高林「高林だけど…」

赤沢「チッ…」スタスタ

赤沢「おはよう、恒一くん」

和久井「赤沢さん…榊原くんの席はもう一つ後ろだよ…」

赤沢「……」

綾野「い、泉美!私が手を引いて誘導するからあんまりフラフラ歩かない方がいいって!ね?」

赤沢「ありがとう。じゃあ彩、お願い」

綾野「…」トコトコ

綾野「はい、こういっちゃんの席はここ!」

赤沢「恒一くん、おはよう」

恒一「あ、赤沢さん。おはよう。その目どうしたの?」

赤沢「ちょっと目にアロンアルファが入っちゃって」

恒一「ふうん。なんかビームとか出しそうだね」

赤沢「!!」ガーン

ガラッ

見崎「…おはよう」

ざわっ…

勅使河原「お、おい見崎…お前…眼帯つけてねえじゃねえか!」

恒一「ど、どうしたの?」

見崎「昨日貰った眼帯…汚すのもったいないから家に置いてきたの」

望月「へぇ…見崎さんの左目って変わった色してるんだね」

見崎「ふふ…」

ワイワイガヤガヤ スゲー キレー オモシレー


赤沢「え?何?どんな目なの?気になるわ」フラフラ

赤沢「痛っ!」ガタン

綾野「ちょ、だから歩き回ったら危ないってば!」

放課後

綾野「……あのさぁ泉美。やりたい事はなんとなくわかったけど…そういうことじゃないんじゃないかな」

赤沢「……」

杉浦「私もちょっとどうかと思う」

赤沢「何よ…。じゃあどうすればいいのよ…」

綾野「うーん、だからさぁ、こういっちゃんは別にそういうのが好みってわけじゃないと思うんだよね」

赤沢「……」

杉浦「自分を変えてまで…っていうのは泉美らしくないと思う」

赤沢「仕方ないじゃない!そうでもしないともう追い上げらんないのよ!切羽詰まってるの!わかるでしょう!?」ガタン

綾野「いや、でもさぁ…」

赤沢「私はこうするしかないの!いいわよもう!次の策を講じるだけだから!もう帰るわ!」ダダッ

赤沢「痛い!」ガツン

綾野「だから眼帯は外しなってば!」

http://i.imgur.com/g8xRc.jpg

翌日

ガラッ

赤沢「……」

小椋「おはよう泉美。目はもういいんだ?」

赤沢「……」スタスタ

小椋「あれ?聞こえなかった?おーい泉美ー」

赤沢「…おはよう」ボソ

小椋「うわ、声ちっさ!」

赤沢「…騒がしいのは嫌い」

小椋「え?あ、う、うん…?」

綾野「どうしたの泉美?もしかしてガチ凹み?具合悪い?お腹空いてんの?」

赤沢「……別に普通よ。質問攻めは嫌い」ボソボソ

綾野(……ああ、そういうことね)

中尾「赤沢さん!一体どうしたの?あ、もしかして生r…」

赤沢「……」

中尾「あ、あれ?無視?」

赤沢「……」チラッチラッ

恒一「……」ホケー

ガラッ

勅使河原「うぃーす。…お、赤沢!もう目治ったんか?」

赤沢「……うん」

勅使河原「え?何?聞こえないって。もっとでかい声で喋れよ」

赤沢「…話しかけないで」

勅使河原「…なんだ?今日はやけに大人しくねーか?」ヒソヒソ

望月「きっとウンコでも我慢してるんだよ」

赤沢「……」スッ

赤沢「……」シャシャシャ

綾野(…?ノートに何か描いてる…?)

赤沢「……」フフフ

赤沢「……」ツカツカツカ

赤沢「…おはよう恒一くん」

恒一「ん?ああ、赤沢さん。おはよう」

赤沢「絵……描いてみたの」

ttp://www.imgur.com/lXf4f.jpg

恒一「わぁ。下手だね赤沢さん」

赤沢「…!!」ガーン

ガラッ

見崎「…おはよう」

恒一「あ!見崎!おはよう!…ん?何背負ってるの?」

見崎「キャンパス…。昨日家で絵を描いたから。部活の時に続き描こうと思って」

恒一「へぇ!ちょっと見せてよ!」

見崎「……」コク

ttp://www.imgur.com/HEZI8.jpg

恒一「うわ!?上手い!ていうかこれもう完成してない!?」

見崎「まだね。もっとクオリティあげていかないと」

赤沢「…恒一くん…私のは…」

恒一「え?ああ、デッサンが狂ってるね。ルーミスでも読んで勉強したほうがいいよ」

赤沢「……」

赤沢「……」

見崎「……」

赤沢「……」

見崎「……」

和久井(な、なんだろう……この空間すごく死に近い気がする……)ビクビク

綾野「ほ、ほらほら泉美!早く席について!もう先生きちゃうから!ね!」

赤沢「……」

翌日

ガラッ

赤沢「おはよう」

小椋「おはよう泉美!……って何?どしたの?なんで屈みながら歩いてんの?」

赤沢「そんなことないわ。由美こそ背が伸びたんじゃない?」

小椋「は?なにそれイヤミ?」

赤沢「ふふ……羨ましいわ由美。背が高いっていいわね」チラッチラッ

恒一「……」ホケケー

綾野(……心なしかいつもより胸も小さいような……。サラシ巻いてんのかな……)

ガラッ

勅使河原「うぃーす。…あ?何やってんだ赤沢?空気イスか?下半身鍛えてんの?」

赤沢「違うわよ!…ん?あんた無駄に背伸びたんじゃない?余計鬱陶しいからさっさとどっか行きなさいよ!」

勅使河原「なんなんだアイツ…。最近おかしいぞ?」ヒソヒソ

望月「赤沢さんは元からキの字だよ」

中尾「今日の赤沢さん、なんだか小さくてかわいいな!よしよし!」ナデナデ

赤沢「触らないで」バシッ

中尾「いてっ」

赤沢「……」ツカツカヨタヨタ

赤沢「おはよう、恒一くん」

恒一「ん、おはよう赤沢さん。練習に精がでるね」

赤沢「練習?」

恒一「キャッチャーの練習でしょそれ?がに股って赤沢さんにピッタリだよね」

赤沢「……!」ガーン

ガラッ

見崎「おはよう…」

恒一「おはよう見崎!…あれ?ちょっと背伸びた?」

見崎「昨日キリカが珍しくご馳走用意してくれたから夕飯いっぱい食べたの。成長期なの」

赤沢「……」

放課後

赤沢「どうして……どうしてよ……私には何が足りないの……?」

綾野「泉美に足りないのは頭なんじゃないかな…」

赤沢「そんなはずはないわ。成績はかなり良いほうだし」

綾野「泉美はさぁ、なんでもやりすぎなんだよ」

杉浦「それに方向性も間違ってる。いきなりバカ高いコーヒーごり推ししたり握手握手言ったりっていうのもどうかと思う」

綾野「こう言っちゃなんだけど、こういっちゃんのことは諦めたほうが……」

赤沢「ぷっ!あはは!やだ彩ってば。「こう言っちゃ」と「こういっちゃん」をかけてるのね?」

綾野「ちげーよ」

赤沢「大丈夫よ。今度の対策は完璧だから。さ、今日はもう帰ろう」

杉浦「まぁ泉美のやりたいようにやればいいよ。帰ろっか」

赤沢「うん、ありがとう。……あ、ちょっと彩」

綾野「何?」

赤沢「腰痛くて立てないから家まで肩貸してくれる?」

綾野「……」

翌日

三神「今日は赤沢さんは欠席です」

エー ドヨドヨガヤガヤ タイサクガカリノクセニー ムノウダー

綾野(え?昨日カンペキな対策がどうとか言ってたのに…)

小椋「風邪ですか?」

三神「そうみたいですね」

勅使河原「あいつ最近奇行続きだったからなー。そりゃ身体も壊すよな」

望月「次にどんなバカやるか見たかったんだけどなぁ」

赤沢家

赤沢「げほ!ごほ!」ゴホゴホ

赤沢(ふふふ…恒一くんはきっと困ってる子が好きなんだわ)ヘキシッ

赤沢(高熱で倒れればいてもたってもいられなくなるはずよ)ズビズビ

赤沢(で、お見舞いにきてくれたところでコーヒーをご馳走してあげれば…)チーン!

赤沢「ふ、ふふ…ふふふ…」


ピーンポーン

赤沢「!!」ガバッ

興味沸いたからアニメ見て来ます

>>86
死者は木村

>>87
あああああああああああああああああ

つか死人がいんのか…







楽しみになってきました

赤沢「…」ヨタヨタ

ピーンポーン
ピーンポーン

赤沢「は、はい。今開けます」

赤沢「……」ワクワク

赤沢「はい」ガチャッ

中尾「どうも。お見舞いに来」

赤沢「帰れ」

バタン

中尾「あ、赤沢さん!赤沢さーーーーーん!!」

>>90
ホラーだからね

赤沢(……)

オーイ アカザワサンアケテクレー ドンドン!

赤沢(何よ……)

プリントモッテキタンダー! ドンドン

赤沢(何なのよもう……)

アナタノナカオデスヨー!カンビョウハマカセロー! ドンドン

赤沢(これ以上どうしようもないじゃない!!)

ハワイコナナントカカントカノマセテクレー! ドンドン

赤沢(氷水に浸かってまで風邪引いたのに……恒一くん……)フラフラ

ウッ!?……ム、ムネガクルシイ!

赤沢(あ、どうしようまた熱上がってきた…)

ア、アガガガ… バターン

赤沢(まずい…立って、られ…なく…)ズルズル

シーン…

赤沢(恒一…く、ん…)パタ

赤沢(……ああ、まずいわ……)

赤沢(身体が重くて……腰痛いままだし……立てない……)

赤沢(……)

赤沢(最悪……。これ……災厄かも……。このまま死んじゃうんじゃ……)

赤沢(あ、今サイアクとサイヤクでちょっとかかってた)

赤沢(……)

赤沢()キュ~…

ブブブブ……

ブブブブ………

ブブブブ………

赤沢(……)

赤沢(……携帯の…音…?)

赤沢(……こん、な…時…に…なんなのよ…)

赤沢(勅使河原…だったら…絶対殺してやる……)

ピッ

赤沢「も、もしもし……」ズビッ

恒一『あ、よかった。出た。赤沢さん?榊原だけど』

赤沢「!?」

赤沢「な、何か用?」

恒一『風邪引いたんだって?ちょっと心配だったから。ほら、災厄もあるし…。大丈夫?』

赤沢「……」

恒一『赤沢さん?』

赤沢「……大丈夫に決まってるじゃない。私を誰だと思ってるの?」

恒一『あはは。そうだよね。明日は学校来るの?』

赤沢「もちろん」

恒一『そっか。なら安心だね。じゃ、明日学校で。おやすみ』ピッ

ツーツーツー

赤沢「……」

赤沢「フフ……ほんと……やんなっちゃう……」ズビズビ


翌日、中尾君のお葬式がしめやかに執り行われましたとサ☆


おしまい

木村「中尾くんのかわりはまかせろー」




木村「終わってるじゃないですかやだー

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