多々良「私には今好きな人がいます」(156)

「突然ですが、私には今好きな人がいます。彼の名前は・・・榊原恒一くん。

5月にこのクラスに転入してきた、東京からやってきた男の子です。

彼は・・・容姿が良くて、性格も優しくて、・・・その、はっきり言って一目惚れでした。

だけど・・・そんな男の子にクラスの女子が放って置くはずも無く・・・私が知っている限り、

彼に好意を寄せているのは・・・クラスのリーダー格の赤沢泉美さん、眼帯をしていていつも無口な見崎鳴さん、ムードメーカーの綾野彩ちゃんです。

・・・もしかしたら私が気付いていないだけで、彼に好意を抱いている女子が他にもいるかもしれません。

・・・でも、彼への想いは私だって負けていません。けれど・・・私はまだ榊原くんとまともに会話したことがないのです。

赤沢さんはいつの間にか榊原くんのことを下の名前で呼んでいるし、見崎さんも誰も寄付けないようなオーラを出しているのに、

榊原くんと話している時は、心なしか表情が柔らかいです。そして彩ちゃんは人見知りしない性格もあってか、積極的に榊原くんに話しかけています。

そんな彼女たちを見ていると・・・胸が締め付けられて・・・とても切ない気持ちになります。

そんな折、私が悩んでいるのを察してか、親友の小椋由美ちゃんが私に話しかけてきました。」

小椋「めーぐみっ、どうしたの浮かない顔して?」

多々良「由美・・・、実はね・・・」

小椋「ははぁ~ん、さては恋の悩みね?」

多々良「えぇっ!?私まだ何も言ってないのに・・・」

小椋「あはは、そんなの恵を見ていたらすぐ分かるって!相手は・・・榊原くんだよね?」

多々良「なっ・・なんでそれを!?」

小椋「だって恵ってば、後ろの席にいる彼のことよくチラチラ見ているでしょ。ストレッチをするフリをしながら、腕の隙間から彼を見てたりするし」

多々良「そんなことまで気付いてたの!?」

小椋「えっ・・・本当にしてたんだ!?冗談のつもりだったんだけど・・・(笑)」

多々良「もっ・・・もぉー由美ってば、からかわないでよ・・・(涙)」

小椋「ごめんごめん、恵ってば本当にいじり甲斐があるんだから♪」

多々良「・・・(プイッ)」

小椋「もぉ怒らないでよー?その代わり・・・私も恵の恋、応援するからさ!」

多々良「・・・本当に!?」

小椋「あったりまえじゃん!何せ私たち親友じゃん!」

多々良「由美・・・ありがと//」

小椋「べっ別に・・・// お礼を言うのは榊原くんのハートを射止めてからにしてくれる?」

多々良「・・・(コクッ)」

小椋「そうと決まったら早速明日から行動開始ね! ・・・」

多々良「由美・・・?」

小椋「あっ・・・ごめん。じゃ、明日から気合入れていこう!」

多々良「うんっ(ニコッ)」

小椋「・・・」

―― 翌日 昼休み ――

小椋「めーぐみっ、早速作戦会議しよっか!」

多々良「よ・・・よろしくおねがいします!」

小椋「うむ! ところで恵はさ、私から見るにクラスの中でもトップクラスに美人だと思うんだよね」

多々良「そ・・・そんなことないよ!//」

小椋「・・・そこなんだよねー・・・恵の弱点は」

多々良「え・・・?」

小椋「恵はさ、もっと自分に自信を持つべきだと思うんだよね。だけど恵はどちらかというと控えめなほうだから・・・」

多々良「そ・・・そうだよね」

小椋「うーん・・・。これは実戦経験を積むしかないなー・・・」

多々良「え・・・?」


小椋「(タッタッタッ)さっ・・榊原くん、ちょっと良いかな?」

恒一「どうしたの?小椋さん」

勅使河原「おっ、さてはサカキに愛の告白か、小椋~?」

小椋「・・・(ドスッ)」

勅使河原「ぐおっ・・・!?」

小椋「あっ・・・あのさ、榊原くん。恵・・・多々良さんが榊原くんに話があるんだって!」

多々良「(ちょっ・・・由美!!?)」

勅使河原「おっ、クラスのトップクラスの美人からお誘いかよサカキ!」

恒一「多々良さんが?うん、わかった。伝えてくれてありがとう、小椋さん(ニコッ)」

小椋「うっうん///」

見崎「・・・」

恒一「話って何?多々良さん」

多々良「あっ・・・えとね・・・これは由美が・・・//」

赤沢「・・・(ジトー)」

見崎「・・・(ジトー)」

綾野「・・・(ジー)」

恒一「(・・・何か視線を感じるな汗)多々良さん、もし良かったらこれから屋上で一緒にお昼食べない?」

多々良「えっ?はっ・・はい!(ニコッ)」

恒一「(ドキッ)じ・・じゃあ移動しようか//」

多々良「うっうん//」

小椋「・・・(これで・・・良いんだよね)」

―― 屋上 ――

恒一「うわっ凄いね、そのお弁当!もしかして多々良さんの手作り?」

多々良「うっうん・・・一応//」

恒一「多々良さんって美人なだけじゃなくて料理もできるんだね!・・・あっ」

多々良「あっありがと//」

恒一・多々良「・・・///」

多々良「そっ・・・それ!」

恒一「えっ?」

多々良「あっ・・えと・・そのお弁当って叔母さんが作ってくれてるの?」

恒一「あっ・・これはね、毎朝僕が作ってるんだよ」

多々良「えっ・・榊原くんが!?」

恒一「うっ・・うん。実は僕、中学の時料理研究部に入ってたから」

多々良「そっそうなんだ!」

恒一「あはは、男が料理なんて似合わないよね(苦笑)」

多々良「そっ・・・そんなことないよ!カッコいいと思う!」

恒一「あっありがと//」

恒一「良かったらさ・・・ちょっとおかず交換してみない?」

多々良「えっ?」

恒一「あっ・・嫌なら無理にとは言わないけど」

多々良「あっ・・ううん、そうじゃないの。その・・・私の料理が榊原くんの口に合うか心配で・・・」

恒一「あはは、それは僕も同じだよ(苦笑)じゃあお互い条件は同じってことで(ニコッ)」

多々良「うんっ」

恒一「じゃあ僕は唐揚げを出すから、そっちの煮物と交換しない?」

多々良「わっ分かった」

恒一「・・・この煮物・・・美味しい!中まで味が染み渡ってて・・・こんな料理なら毎日食べたいよ!」

多々良「この唐揚げ・・油加減が絶妙で揚げ具合もばっちりだね!とっても美味しいよ!」

恒一・多々良「・・・///」

赤沢「ちょっとそこのお二人さん、来週の遠足の件で打ち合わせたいことがあるから、早めに切り上げてくれる?」

恒一・多々良「「わっ分かった!」」

赤沢「・・・(何で息がぴったりなのよ・・・)」

――LHR(ロングホームルーム)教室 ――

赤沢「・・・ということで、遠足の際の5人グループを作ってもらいます」


勅使河原「サーカキっ、俺たちはもう決まりだよな!」

恒一「う・・・うん、別にいいよ」

勅使河原「じゃあ残るは3人だな!ヤローばっかり増えるのもなんだし、どうせなら残りは女子にしようぜ!」

恒一「僕はどっちでもいいよ」

見崎「・・・(ピクッ)」

赤沢「・・・(ピクッ)」

綾野「・・・(ピクッ)」


小椋「・・チャンスだよ、恵!」

多々良「・・でも、本当に私なんかと・・・」

綾野「こ~いっちゃん、私もグループに入れてくんない?」

見崎「・・・榊原くん、私と・・・」

赤沢「ちょっと恒一くん、あなた迷子になったりしたらいけないから私がグループに入ってあげるわよ」

小椋「榊原くん、私たちもグループに入れてくれない?」

多々良「あっあの・・・お願いします(モジモジ)」

勅使河原「おいおい、モテモテだなーサカキ。でも入れるのはあと3人だぜ?」

赤沢「そうね、このままじゃ埒があかないわ。じゃあこの中から選んでくれる?恒一くん」


見崎・綾野・小椋・多々良「(ピクッ)」


恒一「こ・・・困ったなぁ。順当にジャンケンとかでいいんじゃない?」

綾野「私もそれがいいと思いまーす!」

見崎「・・・(コクッ)」

勅使河原「それじゃ始めるぞ、じゃーんけーんっほい!」

赤沢・綾野「(グー)」

見崎・小椋・多々良「(パー)」

赤沢「そ・・・そんな」

綾野「ふーんだっ、いいもんね!グループ抜け出してこういっちゃん達のとこに遊びに行っちゃうもん!」

見崎「・・・(ニヤッ)」

小椋「やったね恵!榊原くんと同じ班だよ!」

多々良「うっうん!//」

勅使河原「決まったな。じゃ、当日ヨロシクな!」

恒一「3人ともよろしくね(ニコッ)」

見崎・多々良・小椋「///」

―― 遠足当日 夜見山市立自然公園 ――

恒一「うわー緑がいっぱいだ!凄く綺麗なところだね!」

勅使河原「まっ俺たち夜見山市民にとっては、小学校の頃から遠足の定番なんだけどな」

赤沢「でもいつ来ても良い所よね、心が洗われるっていうか」

勅使河原「そうだな、お前はもっと心を洗ったほうがいいかもな」

赤沢「・・・(ドスッ)」

勅使河原「ぐおっ!?」

恒一「まったく・・・余計なことばかり言うから(苦笑)」

久保寺「では今から班別に分かれて自由時間とします。くれぐれも集合時間は守るように・・・」

生徒「はーい」

勅使河原「じゃあこれから何するよ?」

恒一「とりあえずお昼までこの辺り散策してみない?」

小椋「さんせーい!」

多々良「わっ私も!」

見崎「(コクッ)」

勅使河原「じゃっ、俺が案内してやるよ!」





見崎「・・・おなかすいた」

小椋「そろそろお昼ね、戻りましょうか」

恒一「そうだね」


恒一「うわっ、凄いお弁当だね!多々良さん」

多々良「きょ・・今日は遠足だから・・皆の為に沢山作ってきました!」

恒一「弁当用意しなくても良いってこういうことだったんだね!」

勅使河原「うおっすげー!重箱かよ!こんな美人の料理が食べられるなんて幸せだなー」

恒一「そうだね(ニコッ)」

多々良「そ・・そんな・・私なんか別に・・・」

見崎「・・・(ムスッ)」

小椋「ちょっ見崎さん・・もう食べてるの!?」

見崎「もぐもぐ・・・おいしい」

多々良「よっよかった・・」

恒一「じゃあ僕たちも頂こうか」

勅使河原「おうっ!」

恒一「もぐもぐ・・・うん、美味しいよ!」

多々良「ほ・・本当!?」

恒一「もちろん!これだけの料理作るの大変だったんじゃない?」

多々良「あ・・お母さんにも手伝ってもらったから」

恒一「そうなんだ。それにしても箸が進むなぁ」

多々良「あ・・ありがと//」

小椋「・・・」

恒一「はい、これ。小椋さんの分もつぎ分けておいたよ」

勅使河原「あ、小椋からはちょっと取り辛かったか。よく気付いたなサカキ」

小椋「あっありがと、榊原くん//」

恒一「どういたしまして(ニコッ)」

多々良「・・・」

鳴「もぐもぐ」

勅使河原「ふぅー食った食った!じゃまた遊びに行くか!」

見崎「・・・さる」

恒一「え?あ、猿田くんか」

猿田「サルぞな!ちょっと見てくるぞな!(ダダダッ)」

王子「ちょっと猿田くん!?ちゃんと集合時間までには戻ってきてよ!?」

恒一「へぇ・・この公園、サルも出るんだ」

久保寺「・・・そろそろ集合時間の16時ですね。戻ってきていない人は居ませんか?」

王子「先生、猿田くんがまだ戻ってきてません!」

久保寺「・・・本当ですか!? 誰か猿田くんを見かけた人はいませんか?」

生徒「(困惑の表情)」

久保寺「・・・よわりましたね」

恒一「・・・ちょっと僕見てきます!(ダダダッ)」

多々良「わ・・私も!(ダダダッ)」

久保寺「あっ・・こらっ、待ちなさい!」

赤沢「・・・行っちゃったわね」

小椋「・・・私も行く!」

赤沢「駄目よ、今は久保寺先生と恒一くんたちに任せなさい!」

見崎「・・・私も」

赤沢「あんたは迷いそうだから絶対だめ!!」

見崎「・・・(ムスッ)」

小椋「・・・(ダダダッ)」

恒一・多々良「「猿田くーん!猿田くーん!!」」

猿田「あれ、二人ともどうしたんだぞな?」

恒一「あっ・・こんなところにいたんだ!早く戻らないと、皆心配してるよ?」

猿田「ごめんぞな。サルと仲良くなって遊んでたら時間見るの忘れてたぞな」

サル「ウッキー」

恒一「まったく・・(苦笑)」

多々良「でも見つかって良かったね!さ、戻ろう?」

恒一「うん!」

勅使河原「あ、戻ってきたか」

久保寺「・・よく見つけてきてくれましたね、榊原くん、多々良さん。しかし今後軽率な行動は慎むように」

恒一・多々良・猿田「「「すみませんでした(ぞな)」」」

綾野「・・あれ、由美っちは?」

赤沢「あ・・本当だ、小椋さんがいないわ!」

久保寺「な・・なんだって!?」

久保寺「・・私が探してくるので、皆さんはくれぐれもここから動かないように」

生徒「はーい」

恒一「・・・」

小椋「っつつ・・・まさか足を滑らせちゃうなんて・・・ここ・・どこだろう・・?」

小椋「皆・・まさか私を置いて帰ったりしてないよね・・・?」

小椋「うっ・・・うぅっ・・・(泣)」

恒一「あっ・・小椋さん!こんな所にいたんだ!」

小椋「えっ・・・?さかき・・ばらくん?」

恒一「無事で良かったよ(苦笑) あっ猿田くんも無事見つかったからもう大丈夫だよ!」

小椋「ご・・・ごめんね(シクシク)」

恒一「謝るのは皆と合流してからね。僕もまた謝らないといけないし(苦笑)」

小椋「・・えっ?」

恒一「あはは(苦笑)・・あっ、そんなことより足を怪我してるじゃないか!」

小椋「その・・さっき転んじゃって・・」

恒一「あまり動かさない方が良さそうだね。おぶっていくから乗ってくれる?」

小椋「・・えっ」

恒一「僕なんかじゃ嫌かもしれないけど、早く戻った方が良さそうだからね・・・」

小椋「・・・嫌なんかじゃないよ(ゴニョゴニョ)」

恒一「えっ? さっ、早く乗ってくれる?」

小椋「・・・うん//」

猿田「あ、戻ってきたぞな!!」

勅使河原「やれやれ、今日はとんだ遠足だったな・・」

多々良「(由美・・榊原くんにおぶってもらってる・・・)」

久保寺「・・まったく、榊原くんは。しかしまぁ・・無事に戻ってきてくれたようだし、お咎めは無しにしましょう・・」

恒一・小椋「「す・・・すみません(シュン)」」

猿田「そうぞな!心配したぞなよ?」

王子「君がそれを言うのかい?」

一同「あはは(笑)」

―― あくる日 ――

小椋「・・恵、ちょっと・・・いいかな?」

多々良「・・・何?」

小椋「・・・あのね、実は・・・」

多々良「榊原くんのこと・・・好きになっちゃった?」

小椋「!? ・・・(コクッ)」

多々良「そっか・・・」

小椋「恵・・・本当にごめんなさい!! 私・・恵のこと応援するとか言っておきながら・・・最低だよね」

多々良「・・・」

小椋「だけど・・・私・・・榊原くんのことは諦める」

多々良「・・・えっ?」

小椋「だって・・・親友を裏切ってまで・・・好きな人ともし結ばれても・・・あとで絶対後悔するよ!!」

多々良「・・・顔をあげて、由美。・・・私別に怒ってないよ?」

小椋「・・・えっ? でっ・・でも・・」

多々良「だって・・・好きな人が出来るのは・・・とても自然なことだから・・・」

多々良「だから・・・親友同士で同じ人を好きになったとしても・・・仕方ないと思う」

小椋「恵・・・」

多々良「だから・・気にしないで?(ニコッ)」

小椋「ごめん・・いや・・・ありがと、恵」

多々良「うんっ(ニコッ)でもこれからは親友でありライバルだね(笑)」

小椋「・・・そうだね(笑)」

多々良「でも・・・私、負けないよ?」

小椋「・・・うん、私も・・・負けない!」

多々良「ふふっ・・・これからもよろしくね、由美♪」

小椋「うん!」

―― 7月 3年3組教室 ――

勅使河原「おほんっ。この度、わたくし・・・勅使河原直哉は、2泊3日の海合宿を提案したいと思います!」

綾野「海合宿?」

勅使河原「まぁ合宿って言っても、海行ってただ遊ぶだけなんだけどな」

恒一「へぇー面白そうだね!参加しようかな!」

小椋「うんうん!恵も行くでしょ!?」

多々良「う・・・うん!」

綾野「こういっちゃんが行くなら私も行こっかな~」

赤沢「ち・・ちょっと何勝手に決めてんのよ!」

勅使河原「あれ、赤沢は行かねぇの?」

赤沢「べっ・・別に行かないとは言ってないでしょ!? 」

赤沢「・・そうね、あんた達だけじゃ羽目を外しそうだから監視役として付いて行ってあげるわ!」

勅使河原「素直じゃねぇなぁ・・」

望月「ぼ・・僕も行くよ!」

恒一「見崎はどうする?」

見崎「・・・行きたいけど・・・今度お父さんたちと旅行に行くことになってるの・・・(シュン)」

恒一「・・・そっか、残念だね」

勅使河原「じゃメンバーは、『俺・サカキ・綾野・多々良さん・小椋・赤沢・望月』でいいな?」

恒一「良いと思うよ」

勅使河原「よしっ、じゃあ女子はかわいい水着準備してくるように!」

赤沢「このスケベ!(ゴンッ)」

勅使河原「グオッ・・・」

小椋「ねぇねぇ恵、明日一緒に水着買いに行かない?」

多々良「えっ?学校ので良いんじゃないの・・?」

小椋「はぁ・・・あのね、恵。海だよ?榊原くんに自慢のボディーをアピールするチャンスなんだよ!?」

多々良「ぼ・・・ぼでぃーって//」

小椋「まっ・・別に無理にとは言わないけどね。このまま恵に差を付けて榊原くんを悩殺しちゃうんだから♪」

多々良「そ・・それはダメ!!」

小椋「よっしゃ!じゃあ明日の午前9時に駅前で待ち合わせね♪」

多々良「うん!」

―― 海合宿 1日目 ――

勅使河原「せーの、海だー!!!!」

他メンバー「う・・・うみだー」

勅使河原「何だよお前ら、海だぞ海! もうちょっとテンション上げていこうぜ!!」

赤沢「アンタはテンション上がりすぎなの!」

恒一「ま・・まぁせっかくだし、もう一度やろうか!」

赤沢「恒一くんがそう言うなら・・//」

恒一「せーの!」

メンバー「「「海だー!!!」」」

勅使河原「じゃ俺たちは先に行ってるから、女子は早くかわいい水着に着替えてこいよ?」

赤沢「・・・アンタが言うとセクハラっぽく聞こえるんですけど」





望月「皆・・・遅いね?」

勅使河原「まっ、女子は何かと準備に時間がかかるのさ!」

恒一「そういうものなんだ?」

綾野「こういっちゃーん!!(ダキッ)」

恒一「あっ綾野さん!? む・・胸が当たってるっ//」

綾野「ふっふっふ、当ててるのだよ?」

赤沢「いい加減しなさい!(ゴンッ)」

綾野「ぎゃふんっ・・・」

赤沢「まったく・・・」

勅使河原「おぉー・・・こりゃすげぇ!」

望月「ほ・・・ほんとだ(ドキドキ)」

恒一「に・・・似合ってるよ、二人とも//」

綾野「そ・・・そうかな?//」

赤沢「あ・・ありがと恒一くん// ・・でも勅使河原はあんまり見るな」

勅使河原「ひ・・ひでぇ」

綾野「あと二人ももうすぐ来ると思うよ?」

小椋「ごめーん、お待たせー!」

勅使河原「おぉっこれは・・! ・・その手のタイプに人気がありそうだな」

小椋「どの手のタイプよ・・」

恒一「小椋さん、水着姿とても似合ってるよ(ニコッ)」

小椋「あっ・・ありがと// ほら、恵も早く!」

多々良「は・・・恥ずかしいよやっぱり・・」

小椋「もぉーそりゃっ!」

多々良「キャッ!」

勅使河原「お・・・おぉぉぉ」

望月「・・・これは凄いね」

恒一「・・・」

多々良「さっ・・・榊原くん?」

恒一「はっ・・・ごめん。ちょっと・・・見蕩れてた//」

多々良「///」

小椋「はぁ・・・こりゃ水着対決は恵の勝ちね・・」

赤沢「・・・一体何の勝負よ」

勅使河原「じゃ、皆集まったことだし早速泳ぐか!」

―― 海合宿1日目 夕方 ――

綾野「はぁー遊んだ遊んだ!」

赤沢「さすがに疲れたわね」

小椋「そういえば恵泳げなかったんだったわね・・・」

多々良「・・うん」

恒一「あはは(苦笑)明日も1日遊べるし、良かったら僕が教えてあげるよ」

多々良「ほんと・・!?」

綾野「じ・・・実は私も泳げないの・・・(シュン)」

勅使河原「お前・・・思い切り遠泳してたよな?」

綾野「・・・ちっ」

望月「お腹もすいたことだし、そろそろ旅館に戻ろうか」

―― 旅館 女湯 ――

赤沢「多々良さん・・・やっぱり大きいわね」

多々良「え・・・そんなこと//」

綾野「赤沢っちも結構でかいじゃない」

小椋「・・・」

赤沢「む・・・胸の話はやめましょう」

綾野「そ・・・そうね。ごめんね、由美っち・・・」

小椋「何で私に謝るのよ!!」

―― 旅館 男湯 ――

勅使河原「さて・・・」

恒一・望月「「さて?」」

勅使河原「覗きに行くか!!」

恒一・望月「「はぁっ!?」」

勅使河原「健全な中学生男子たるもの・・・同級生の女子の裸に興味が無いはずは・・・ねぇよな?」

恒一「そ・・・それは・・・//」

勅使河原「だろぉ!?」

望月「僕はどっちかっていうと年上の方が好みかな・・・」

勅使河原「何だよ、望月は年増派か」

望月「三神先生は年増なんかじゃないよ!!」

恒一・勅使河原「・・・」


三神「へっくち」

勅使河原「じゃ・・サカキ隊長、行くか!」

恒一「ぼ・・・僕は」

勅使河原「素直になれよ? この板の向こう側に女の楽園がそこにあるんだぞ・・!?」

恒一「うぅ・・・・・・」

勅使河原「ま、サカキが悩むようなら無理にとは言わねぇよ。俺一人で堪能してくるぜ・・・ぐへへ」

赤沢「男子ー?私たちもう出るから、あんたたちも早くね!」

勅使河原「」

恒一・望月「「・・・どんまい」」





勅使河原「ふぅー食った食った!」

綾野「うまかったぁ!」

恒一「ごちそうさまでした」

勅使河原「じゃ今夜は疲れたし、そろそろお開きにするか!」

赤沢「あら、珍しく気があったわね。アンタのことだからてっきり『これから肝試しに行くぜ!』とか言うと思ったけど」

勅使河原「ま、それは明日だな」

赤沢「やるんかい・・・(汗)」

恒一「じゃ、今日はこの辺で。皆、おやすみ(ニコッ)」

綾野「おやすみこういっちゃん!後で夜這いに行くからね!」

赤沢「絶対阻止するわ・・・」

小椋「おやすみ、榊原くん!」

多々良「おやすみなさい、榊原くん♪」

―― 海合宿 2日目 ――

恒一「そうそう、もっと強く足をバタつかせてみて?」

多々良「う・・・うん。手・・・放さないでね・・?」

恒一「あはは、絶対離さないから大丈夫だよ(ニコッ)」

多々良「うん・・・//」

綾野「ぶーぶー・・・」

赤沢「綾野さん・・・いつまでもふて腐れてたら女が廃るわよ・・・」

小椋「そういう赤沢さんこそ、いつまでそこに居る気・・?」



勅使河原「(ポンポンッ)よし、完成だ!」

望月「ちょっと勅使河原くん!動けないよ!それに胸のところに変な山作らないでよ!!」

―― 海合宿 2日目 夜 ――

勅使河原「じゃ予定通り、これから肝試しをする!」

赤沢「はぁ・・・どうせやらないって言っても無理やりやらせるんでしょ?」

勅使河原「ん?まぁな!」

多々良「・・・私、怖いの苦手」

恒一「じゃあ僕と一緒に行く? 僕、ホラーが大好きだから怖いの全然平気だよ?」

多々良「・・・ホント?///」

綾野「ちょーーーーっと待ったーーーーーー!!私だって怖いの苦手なんだから公平にくじ引きにすべきでしょ!!」

赤沢「わ・・・私は別に怖いの平気だけど・・・でも確かにくじ引きの方が公平よね」

小椋「私もくじ引きが良いと思いまーす!(チラッ)」

多々良「うー・・(由美・・ライバル宣言してから強敵になってる気がする・・・)」

恒一「えっ、5本?」

勅使河原「俺と望月はお化け役だ!で、残った5人で2:3のグループを作ってくれ!」

望月「えぇー・・僕もお化け役なのぉ・・・?」

勅使河原「ったりめぇよ!何せお前は幽霊の白装束が似合いそうだしな!」

望月「それ・・・何て言ったらいいか反応に困るよ・・・」

>>125修正

勅使河原「じゃ、くじ引き5本用意するわ!」

恒一「えっ、5本?」

勅使河原「俺と望月はお化け役だ!で、残った5人で2:3のグループを作ってくれ!」

望月「えぇー・・僕もお化け役なのぉ・・・?」

勅使河原「ったりめぇよ!何せお前は幽霊の白装束が似合いそうだしな!」

望月「それ・・・何て言ったらいいか反応に困るよ・・・」

勅使河原「よし、くじが出来たぜ! 赤いシールが貼ってあるくじが2つあるからそれで決めてくれ!」

恒一「じゃ、僕から引かせてもらうね。・・・赤いシールが貼ってあるよ」

勅使河原「お、いきなり赤が出たか!じゃ次に赤シールのくじが出たらそいつがサカキとペアな!」

赤沢「じゃ次は私が引くわね。・・・」

勅使河原「どうだった? ・・・はい、赤沢はスカな」

赤沢「誰がスカよ!!(ゴンッ)」

綾野「じゃ次は私のばーん! 赤出ろ赤出ろ。・・・」

勅使河原「・・・何か分かりやすいな。綾野はとりあえず赤沢とペアな」

勅使河原「じゃ後二人だし、多々良さんと小椋は同時に引いてもらうか!」

小椋「わ・・分かったわ!」

多々良「う・・・うん!」

勅使河原「せーの!」

小椋「・・・何も貼ってないわ」

多々良「・・・赤いシールだ!」

勅使河原「よし、決まったな!じゃ、俺と望月は仕掛けの準備してくるから」

恒一「よろしくね、多々良さん♪(ニコッ)」

多々良「こっ・・こちらこそ(ニコッ)」

赤沢・綾野・小椋「・・・」

恒一「ところで、開始の合図はどうするの?」

勅使河原「ん?あぁ準備が終わったらサカキと赤沢の携帯に着信送るわ」

恒一「了解!」

プルルルル


恒一「あ、着信が鳴った!それじゃ行こうか、多々良さん!」

多々良「よ、よろしくおねがいします!」


恒一「暗いから足元気をつけてね?」

多々良「う・・うん」

恒一「ん?・・待って、あそこに何かいる・・」

多々良「えぇっ・・・!?(ブルブル)」

落ち武者???「グオァーーーーーー!!!!!サカキーーーーーーー!!!!クワセローーーーーー!!!!!」

多々良「きゃあああああああああああああ!!???」

恒一「ま・・・待って、多々良さん!!!!」

多々良「さ・・・榊原くん・・・!?」

恒一「走ると危ないから・・・終わるまで手を繋いでいよう?」

多々良「さ・・・榊原くん・・・///」

落ち武者???「ウラヤマシーーーーーーーーー!!!!ハゼローーーーーーーーーーー!!!!!」」

恒一「さっ、早く行こう!」

多々良「う・・うん!!」

赤沢「何か今・・・多々良さんの悲鳴が聞こえてこなかった・・・?」

綾野「聞こえた聞こえた!結構凝ってるっぽいね!」

小椋「大丈夫かな・・・二人とも」


恒一「ここまで来れば大丈夫そうだね!」

多々良「はぁっはぁっ・・・うんっ!」

恒一「あっ・・・ごめん。無理やり手を引っ張っちゃって・・・」

多々良「ううん、助けてくれてありがとう(ニコッ)」

恒一「う・・・うん・・・/// あっ・・・あそこにも何かいる!」

白装束の幽霊???「この先の一本杉がゴールだよ。・・・じゃなくて、ゴールです。・・あれ?」

恒一「ありがとう、望月!」

多々良「ありがとう、望月くん♪」

白装束の幽霊???「いえいえ、暗いから気をつけてね!・・・って・・あ・・・(汗)」

恒一「あれが一本杉か!」

多々良「ホントだ・・!」

恒一「ついにゴールだ!やったね、多々良さん(ニコッ)」

多々良「うんっ!えへへ//」

恒一「あっ・・・ごめん」

多々良「えっ?」

恒一「あ、いや、手・・・ずっと繋ぎっぱなしだったから・・・//」

多々良「う・・・うん//」

恒一「それじゃ・・・離すね」

多々良「・・・(ギュッ)」

恒一「多々良・・さん?それじゃ手・・離せないよ・・・?」

多々良「・・・たく・・・ない・・・」

恒一「え・・・?」

多々良「離したくない・・・。・・・帰るときまで・・・手・・・繋いでいてくれる・・・?」

恒一「うっ・・うん・・・//」

―― 海合宿 最終日 ――

勅使河原「いやー、楽しかったな~海!」

望月「そうだね!」

恒一「うん!」

綾野「あーあ、これで中学最後の夏も終わりかー・・」

赤沢「ホントね・・・」

小椋「でも・・・今までで最高の夏だったんじゃない、恵?」

多々良「うん//」

―― 卒業式 ――

勅使河原「とうとう卒業かー。長かったっつーか・・・短かったつーか・・・」

望月「あっという間だったよね・・・」


赤沢「あら?多々良さんと恒一くんは?」

見崎「・・・さっき、二人で校庭裏に行くのを見かけた・・・」

小椋「あれ、放っといて良かったの?見崎さん」

見崎「・・・あなたこそ」

小椋「いやー、もう私の立ち入る隙が無いっていうか、ね・・・」

綾野「ふ・・・まだ諦めるのは早いぜ諸君!結婚するまでは立ち入る隙ありまくりだぜ?」

赤沢「あなた・・一体何考えてるの・・?」

見崎「・・・(ニヤリッ)」

綾野「おや、鳴っちは気付いたようだね・・・ふっふっふ」

小椋「はっ・・・まさか・・・」

赤沢「・・・まさかとは思うけど(ニヤリ))」

赤沢・見崎・綾野・小椋「「「「ハーレム!!!」」」」

―― 校庭裏 桜の木の下 ――

多々良「あなたと過ごしたこの1年間・・・本当に楽しかった」

恒一「僕もだよ。・・・好きだよ、恵」

多々良「私も・・。大好き・・・恒一くん」


チュッ



終わり

ここまでお付き合い頂きありがとうございました!

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