彡(゚)(゚)「メンタルクリニックに行こうかな」 (41)

なんJで落ちたのでこっちに立てちゃうンゴwwwww

彡(゚)(゚)「でもなんか怖いし・・・ワイは自分で心の病気だと思ってるけど」

彡(゚)(゚)「他人から見たら『まだまだ甘いよ』『その程度で病院くんな』って思われそうで・・・」

彡(゚)(゚)「はぁ・・・この自意識過剰!これが既に病気だよな。治したい。でも・・・うーん」

彡(゚)(゚)「インターネットの『うつ病診断』みたいなサイトに毎日いってる。そして診断では『あなたは病院レベルです』ってでる」

彡(゚)(゚)「・・・『あなたは病人です』って言われると、『あなたは大丈夫です』って言われるよりもホッとするのは気のせい」

・・・・・・

彡(゚)(゚)「クリニックに行こうと考え始めてから数ヶ月たった。心の調子は悪化してる」

彡(゚)(゚)「ただ毎日、死ぬことばかり考えている。自殺している様子をリアルに想像していると、心が安らぐのは何故だろう」

彡(゚)(゚)「実際にカッターを手首にあててみたり、コメリで買ったロープを首に巻いて上に引っ張ってみたり・・・」

彡(゚)(゚)「食欲も減ったような気がするし、夜はなかなか寝付けないし、そのくせ早く目覚めるし、オナニーは三日に一回だし・・・」

彡(゚)(゚)「よし、もう行こう。メンタルクリニックへ。お薬をもらえば、夜はぐっすり、昼間はハッピー、人生はパラダイスに戻れるはず」

彡(゚)(゚)「えっと、ネットでメンタルクリニックの所在地を調べて・・・お、近場にあるんやな。って、ああ、ここあの駅の裏にあるあの建物か・・・」

彡(゚)(゚)「クリニックのサイトに飛んで・・・。なかなか感じよさそう。・・・え?予約制?マジで?事前に電話しなくちゃいけないの?怖いんだけど・・・」

彡(゚)(゚)「・・・」

彡(゚)(゚;)「あかん、出そうや」
彡(゚)(゚;)「出かける前にトイレ行っとこうかな」

1分後

彡(^)(^)「トイレ行かんでもおさまってきたわ。」
彡(^)(^)「ほな出かけるで~」

彡(゚)(゚)「・・・電話するのが怖くてまた数週間すぎた。頭のなかで綿密なシミュレーションをしたり」

彡(゚)(゚)「携帯の画面に番号を表示させて、あとは通話ボタンを押すだけ。ってところまでやったんだけど・・・」

彡(゚)(゚)「あぁ何故、何故、電話をかけるのってこんなに怖いんだろう。自分の意志を相手に伝えるのって難しいんだろう」

彡(゚)(゚)「ちゃんと喋るかな、と考えると緊張する。失敗しないかな、と思うと震える」

彡(゚)(゚)「失敗して、相手にバカにされないかな、不気味がられるかな、と想像すると死にたくなる」

彡(゚)(゚)「でも・・・もう・・・クリニックに行くしかないんだ。ええい、電話するしかない

彡(゚)(゚)「シミュレーションや!『お忙しいところ申し訳ございません。わたくし、やきうという者ですが、診断の予約を申込みたいのですが・・・』」
彡(^)(^)「これをすらすら言えばなーんも問題なし!よっしゃ!」

プルルルル

『はい、こちら、なんでもメンタルクリニックです』

彡(゚)(゚)「あ、あの、私、やきうっていうもの、なんですけどぉ、えー、あ!お忙しいとこ、ところすみません!えーっと、」

『はい、ご用件はなんでしょう。予約の申し込みでしょうか?』

彡(゚)(゚)「!!! あ、はいはい!そうですそうです!予約も申し込みを、あの、お願いしたいんですが!」

『はい、わかりました。初診の方でしょうか』

彡(゚)(゚)「しょ・・・しん・・・?」(ってどういう言葉だっけ!)

『こちらで始めて診断を受けられる方でしょうか?』

彡(゚)(゚)「あ、はい・・・そうです・・・はじめてです・・・」(あぁ、終わった・・・)

『ご都合のよろしい日時はございますか』

彡(゚)(゚)「いつでもいいです・・・」

『わかりました。では、今週土曜日の14時にこちらにお越し下さい。保険証を忘れずにお持ちください』

彡(゚)(゚)「はい・・・わかりました・・・」

『それではご来訪をお待ちしております』

彡(゚)(゚)「はい・・・」ガチャ
彡(゚)(゚)「・・・」
彡(゚)(゚)「ああ・・・もう死にたい・・・電話すらまともにできないなんて・・・」

それからやきうのお兄ちゃんは土曜日を迎えるまで、じりじりとした日々を送ったのです。

彡(゚)(゚)「土曜日になった。あぁ、ついにきてしまった・・・。クリニックに行くの、怖いなぁ。なんでだろう」

彡(゚)(゚)「・・・自転車で近くまで行ってみよう。まだ12時だけど」

彡(゚)(゚)「あの犬の散歩してる女、すれ違った学生、停車中の車にいるオッサン。みんながこっちをジロジロ見てる」

彡(゚)(゚)「なんか服装におかしいところあるのかな・・・。鼻毛かな、髪型かな。あぁ、なんだろう。わからないわからない」

彡(゚)(゚)「クリニックに到着した。綺麗な建物だ。おどろおどろしい感じはない。窓が鉄格子だったりもしない」

彡(゚)(゚)「ん?クリニックのすぐ近くに薬局がある・・・」

彡(゚)(゚)「まさか自分がメンタルクリニックの世話になるなんてなぁ・・・。さて、どうしよう」

お兄ちゃんは自転車でクリニックの周辺をうろうろしました。
そのうち、『ここらの人が不審がってるのでは?』という考えにとりつかれて、逃げました。
時計の針は既に14時を越えているのに・・・。

彡(゚)(゚)「やってしまった・・・。キャンセル料を請求されたりするのかな。でも住所は告げてないし。あ、電話番号!」

彡(゚)(゚)「アホか・・・もうダメだろ・・・。はぁ・・・。」

彡(゚)(゚)「・・・今からでも間に合うかな。行っても大丈夫かな。もう自分には、クリニックしかないんだ」

彡(゚)(゚)「クリニックに行かなければ、ずっとこの憂鬱な気分のままなんだ。もう逃れたい、この深く重い、倦怠から」

彡(゚)(゚)「行こう。日が既に暮れかかってるけど、冬が始まる寒々しい風が吹いてるけど、薄暗い空に金星が輝いているけど」

お兄ちゃんはクリニック内のちいさな駐輪場に自転車を停めると、少しだけ深呼吸を繰り返してから、
入口の扉へと歩みました。その肩と膝がふるえていたのは、冬の寒さのせいでしょうか。

彡(゚)(゚)「扉の向こうは、静かな待合室でした」

彡(゚)(゚)「あれが受付か・・・。おばさん、いやお姉さんが二人、黙々となにかの書類に記入をしている」

彡(゚)(゚)「あ、あのー、すみません。わたし、予約してたやきうというものなんですが」

(´・ω・`)「はい?あぁ、やきうさんですか。・・・予約の時間は14時だと伝えられてませんでしたか」

彡(゚)(゚)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの、すみません・・・・・・・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「えーっと、では保険証をこちらに・・・。はい、ではこちらの用紙に、住所などのご記入をお願いします」

彡(゚)(゚)「はい」(診察券を発行するために必要なあれかな)

カキカキ

(´・ω・`)「・・・はい、ありがとうございます。では、名前をお呼びするまでの間、こちらにも記入をお願いします」

彡(゚)(゚)「・・・?はい、分かりました」

彡(゚)(゚)「とりあえず席に座ろうと、あたりを見渡すと、壁にそってソファーが並んでる」

彡(゚)(゚)「ソファーには何人かの患者さん(という言い方は適切だろうか)がいて、みんな、じっと沈黙している」

彡(゚)(゚)「・・・こういう言い方はあれだが、みんな、普通に見える。普通の病院の普通の患者のように」

彡(゚)(゚)「メンタルクリニック、心療内科、精神病院。そういう場所にいる人々は、奇声をあげていて、拘束具で身体を縛られていて・・・みたいなイメージがあったが」

彡(゚)(゚)「スーツを着たサラリーマン。主婦っぽい女性。中学生ぐらいの男の子と彼の手を握る母親らしき中年女性。大学生っぽい青年」

彡(゚)(゚)「彼ら彼女らに、精神病という言葉から想起されるありきたりな負のイメージは全くない。ただみんな揃って静かで会話が一切ないという点を除けば」

彡(゚)(゚)「精神の病には歪んだ偏見がおおく付き纏っているという。自分にもその偏見が備わっていたのだろう。ほんの一端を垣間見ただけで出せる結論ではないが」

彡(゚)(゚)「端っこのほうのソファーに空席があったので、そこに腰掛ける。先ほど渡された紙を見てみることにする。ボールペンもついでにもらったし」

彡(゚)(゚)「なんだろこの紙・・・こ、これは・・・!」

以下のような設問がいくつか書かれていた。

・この2週間、ほぼ1日じゅう憂うつ。しかも毎日。
・この2週間、ほぼ一日中何もしたくないし、何も面白くない。
・この2週間、眠れない。
・この2週間、ほとんど毎日、動作や会話の速度が遅い。 
・この2週間、ほとんど毎日、疲れやすい。または気力がわかない。
・生きていてもしょうがないという気持ちがある。
・自殺念慮の気持ちがある。
などなど

彡(゚)(゚)「こんな奴をネットで見たぞ・・・!ていうか毎日、こういう質問ばかりに答えてる!ネットで!」

彡(゚)(゚)「ふむ・・・正直に答えるか。あるいは、多少は大袈裟に答えるか」

彡(゚)(゚)「・・・正直が一番」

カキカキ

彡(゚)(゚)「書き終わると、することがないので、ぼんやりしていた。待合室には雑誌などが置いてあったが、読む気がしない」

彡(゚)(゚)「どうにも最近、文章が読めない。集中できないのだ。本も読む気がしないし、漫画でも読むのが億劫だ。雑誌も厳しい」

彡(゚)(゚)「ただ面倒なだけなのか、理解力や記憶力といったものが落ちたのか、年なのか。憂鬱になる」

彡(゚)(゚)「ちなみに置いてあった雑誌で目についたのは『週間新潮』『週間文春』である。心が病んでる時には読んでいい雑誌ではないだろう」

彡(゚)(゚)「ふいに誰かの名前が呼ばれて、近くに座ってた主婦っぽい女性が立ち上がった。受付の隣にある扉を開けると、なかに消えた」

彡(゚)(゚)「あの扉の向こうには何があるんだろう、と考え始めると、にわかに緊張してきた。逃げ出したい気持ちが、むんむんと湧き上がる」

彡(゚)(゚)「自分はちゃんと診断を受けることができるだろうか。お医者さんに自分の窮状を伝えることができるだろうか」

彡(゚)(゚)「伝えたいと思ってることをちゃんと伝えることができるだろうか。お薬をもらえるだろうか。お医者さんにバカにされないだろうか」

彡(゚)(゚)「いやまぁ、相手はメンタルのプロフェッショナルなのだから、きっとバカにしたりはしないだろう。少なくとも表面上は。心の中まではわからん」

彡(゚)(゚)「・・・他人の心のなかを勝手に想像して、勝手にふくらませて、勝手に落ち込んで、勝手に怒ったりするのは、悪い癖だよなぁ」

彡(゚)(゚)「さっきの女性が戻ってきた。5分か10分ぐらいかかっただろうか。さっきと同じ場所に戻ると、静かに俯いている」

彡(゚)(゚)「・・・」

彡(゚)(゚)「ぼんやりと緊張していると、ついに自分の名前が呼ばれた。『はい』とボソボソと答えて、受付にいく」

彡(゚)(゚)「書き込んだ用紙を渡した。一瞬、『自分の気持ちを書き込んだ紙を人に渡すのが恥ずかしい』と思ったが、ぜんぶ遅い」

彡(゚)(゚)「『あの扉をあけて、一番奥の部屋にどうぞ』と言われて、従う。けっこう厚くて重い扉の向こうは・・・明るい、通路だった」

彡(゚)(゚)「左には受付さんたちのいる部屋に通じる扉。右側には閉じられた、なんの用途に使うのか不明ないくつかの部屋」

彡(゚)(゚)「通路は短く、すぐに奥まで辿り着く。大きめの扉があって、プラスチックのプレートには『診察室』とある」

彡(゚)(゚)「心臓の鼓動はいまや五月蝿いぐらいに激しく速く、あぁ、今にも破裂しそう。いっそ爆発してしまえばいいのに」

彡(゚)(゚)「扉の取っ手に掴もうとして、まずノックすべきかな、でも・・・と悩んでから、結局、扉をコンコンと叩いた」

彡(゚)(゚)「すぐに中から男性の、穏やかで柔らかい『どうぞ』という声が聞こえた。緊張がちょっとだけ、解けるのを感じた」

彡(゚)(゚)「扉を恐る恐る開けると、中に入った」

彡(゚)(゚)「診察室は、なんだかやけに広かった。色は全体的に白っぽく、真ん中に机がでんと据えられている。机の上は書類やら何やらが整然と置いてある」

彡(゚)(゚)「お医者さんは50代ぐらいの中年の男性で、小柄で優しそうな風貌で、こちらをホッとさせる」

彡(゚)(゚)「『お座りください』と言われて、椅子に腰掛ける。なんとなく『面接にきたみたいだ』と思った」

(´・ω・`)「はじめまして。原住民といいます。どうぞよろしくお願いします」

彡(゚)(゚)「え、あ、はい!よろしくお願いします!」

(´・ω・`)「最近、寒いですねぇ」

彡(゚)(゚)「え、そう、そうです、ね・・・」

(´・ω・`)「どうか緊張なさらず。リラックスして、お話してください」

彡(゚)(゚)「わ、わかりました。ありがとうございます」

 お医者さんはすっとバインダーを手にもちました。お兄ちゃんは気づきました。
それはさっき、待合室でお兄ちゃんが書き込んだ用紙だということに。

(´・ω・`)「最近、眠れませんか?」から、お兄ちゃんの診察が始まりました。
何度かの質問と、お兄ちゃんの受け答え。時間はまったりと進んで行きました。
お医者さんは時折、てもとの書類(たぶんカルテ)に何かを書き込んでいます。

そして診察の結果。
(´・ω・`)「あなたはうつ病のようだ。でも完全にうつ病というわけじゃなくて・・・
      その一歩手前、というべきですか。とりあえず処方箋を書きますので、薬を受け取ってください。
      睡眠導入剤と抗うつ剤と、あと下剤も一緒に。
      なぜ下剤かと言いますと、処方する抗うつ剤を摂取すると、人によっては通じが悪くなってしまうんですよ」
      一週間分だすので、また来週、こちらに来るようにお願いしますね。
      え。なぜ一週間分ですって?それはですね、患者さんの中にはまとめて薬を飲んでしまう方が稀にいらして、
      それでええ、病院に担ぎ込まれてしまったり。それでまずは一週間分で様子を見て・・・」

お兄ちゃんには恥じらいがありました。
人に自分の心の中身を、ぜんぶ晒したくない、晒してバカにされたくないという気持ちが。
この期に及んでさえ、そういう気持ちを捨て去ることができなかったのです。
そのせいで、ありのままを、思うがままを、伝えられたとは自分でも思えませんでした。
ちゃんと自分自身を伝えることができなければ、お医者さんだって診断できないだろうに。
「ありがとうございました・・・」と扉をあけて、待合室へと続く通路を進む中、お兄ちゃんは「あぁ、やっぱダメだ」と思いました。

彡(゚)(゚)「さっきと同じソファーに座って、身を沈めていると、自然と頭が俯いていくのがわかった」

彡(゚)(゚)「ただ心の中には、後悔と羞恥と、上手く喋れなかったという無能感がある」

彡(゚)(゚)「しかし念願のお薬をゲットできた!という達成感もある。お薬を飲めば、少なくとも事態はいくらか改善するはず」

彡(゚)(゚)「薬は希望なのだ。暗い人生を打破する。脳みそに幸福をもたらす」

彡(゚)(゚)「いつの間にか窓の外は黒色に染まりつつある。もう冬で、今は月がのぼる時間だ。月は人を狂わせるという。狂いたいなぁ」

彡(゚)(゚)「自分の名前が呼ばれた。のろのろと立ち上がると、受付にいく。保険証を返してもらい、ピカピカの診察券をもらう」

彡(゚)(゚)「ドキドキの診察料の時間である。気になるお値段は・・・3200円!」

彡(゚)(゚)「初診だからこんなもんかな・・・。領収書と処方箋を受け取る。あれ?薬は?と思ってると」

(´・ω・`)「すぐ隣に薬局がありますので、そこで受け取ってください」

彡(゚)(゚)「無知ですみません。自分は何も知らないんです。人のことも、世の中のことも、あまつさえ自分のことも」

彡(゚)(゚)「待合室を通って出入り口につく。そっと振り返ると、みんな、やっぱり静かだ」

彡(゚)(゚)「静かだけれど、彼らのなかにも自らを焦がす、苦悩と苦難の炎が燃え盛っているのだろうか。本当は叫び出したいのだろうか」

彡(゚)(゚)「人や世界に訴えたいのだろうか。己の気持ちを。静かに見えるのは、必死に押さえ込んでいるからだおるか。あまりにも痛切な、心の慟哭を」

彡(゚)(゚)「扉の外は冬の夕暮れ。ひゅっと辻斬りのように風が身体を撫でていった。寒い。冷たい。自転車でさっと薬局を目指す」

彡(゚)(゚)「その『ジェイ薬局』に入ると、暖かな空気が身を包んだ。『いらっしゃいませ』という店員の声。カウンターに向かう」

彡(゚)(゚)「カウンターの向こうには3人の男女がいる。一人がやってきたので、『お願いします』と処方箋を手渡す。店員は処方箋をさっと読んだ」

彡(゚)(゚)「『それではご用意致しますので、お待ちください』と薬の準備をはじめる。自分は隅っこにあったソファーに座る」

彡(゚)(゚)「するとそのあまりの柔らかさにびっくりする。腰を下ろした途端、そのまま地面にお尻をぶつけるんじゃないか、というぐらいの柔らかさ!」

彡(゚)(゚)「なんだこれは・・・と感動しながら周囲をキョロキョロと見渡す。パンフレットやポスターがけっこうある」

彡(゚)(゚)「『命を大事にしよう』『お悩みはありませんか?』『当サークルで心の悩みを打ち明けましょう』みたいなパンフレットやポスターが」

彡(゚)(゚)「なぜか心が重くなったのでじっと座ってることにした・・・。10分ぐらい経過しただろうか。『お待たせしました』との声が」

はよはよ~

彡(゚)(゚)「カウンターに行くと、店員さんが『それでは説明させて頂きます』と薬をひとつひとつ手にとりはじめた」

彡(゚)(゚)「あとで知った話がだ、この説明を断ると料金が安くなるらしい。説明も何かしらの業務にあたるのだろう、金銭が発生する」

彡(゚)(゚)「この時の自分はもちろん何も知らなかったので、ぼけーと聞いた」

(´・ω・`)「こちらはアモキサンカプセルです。抗うつ剤で、一日に何回・・・一回で50mgていど・・・」

(´・ω・`)「こちらはレキソタンです。睡眠導入剤で、お眠りになられる前に・・・」

(´・ω・`)「こちらは下剤です」

(´・ω・`)「こちらは用法などを記した紙です。一緒にいれておきますね」

彡(゚)(゚)「説明が終わると、無地のビニール袋にクスリなどを入れていく。それからドキドキの精算タイム。気になるお値段は・・・2500円!」

彡(゚)(゚)「診察料と合わせると軽く5000円か。けっこう金かかるなぁ」

彡(゚)(゚)「『ありがとうございました』の声を背中に聞きながら薬局をでる。んーっと身体を伸ばしてから、自転車にまたがる。世界はもう夜に侵略されてしまっている」

彡(゚)(゚)「・・・何事もそうだが、終わってしまうと『なんだぁこんなもんか』と呆気なく感じる。あんなにメンタルクリニックに行くのにびびってたのが嘘みたいだ」

彡(゚)(゚)「恐れずに、数ヶ月前の時点でここに来ていればよかったんだろうなぁと思う。『あの時とっととああしていればなぁ』という後悔ばかりだ、この人生」

彡(゚)(゚)「それじゃ、帰ろうか。自分の家に」

 お兄ちゃんが漕ぐ自転車は夜の闇に紛れて、やがて見えなくなりました。
お兄ちゃんはこれから何度もメンタルクリニックに通います。
仕事で残業してるときにアモキサンカプセルを飲んで頭がふわふわになって失敗してしまったり、
『レキソタン飲んでも全然ねむれねーよ!使えねーな睡眠導入剤!』と騒いだり、
クリニックでロールシャッハテストを受けたり、薬を増やされたり、気づけば一週間ぐらいウンコしてないことに気づいて焦ったり、
『クスリを飲んでも人生は何も変わらないんじゃ・・・』と気づいたりと、結局、何も変わらない、
どうでもいい、何の価値もない、憂鬱なダメ人間の生活を送ることになります。
とっとと死ねばいいのにね。終わり。

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