鳴上「Another?」(399)

花村「聞いたことね?ちょい前にやってた深夜アニメ」

鳴上「アニメは見ないからな」

花村「俺もそーだったんだけどさ、実際見てみると面白れーんだわ、これが」

鳴上「…へぇ」

花村「ヒロインの鳴ちゃんもめっちゃかわいいんだぜ」

鳴上「でもアニメだろ?」

花村「マジでかわいいからおまえも見てみ!」

鳴上「…陽介」

花村「お?見る気んなったか!俺ブルーレイ持ってっから貸すぜ!」

鳴上「女の子紹介しようか?」

花村「ハァ!?」

鳴上「向こうの高校で何人かアテがある」

花村「なんでそーなんだよ!?」

鳴上「親友が現実逃避してる姿は見ていられない」

花村「逃避じゃねー!アニメは逃避じゃねー!」

鳴上「そうなのか」

花村「アニメ馬鹿にすんな!女の子は後でお願いします!」

鳴上「あ、ああ…」

里中「花村、あんた大声でアニメがどーとか恥ずかしくないわけ?」

花村「げぇ!?里中!」

里中「別に人の趣味をとやかく言うつもりはないけど、声を大にして言うことじゃなくない?」

天城「千枝!」

里中「ん?」

天城「花村君も色々事情があると思うんだ」チラッ

花村「……?」

天城「ご、ごめんね!邪魔しちゃって…取り込み中だったよね…」

花村「あの、天城さん?」

天城「でも、鳴上君を穢れた道に誘い込むのはやめてほしいな」

花村「穢れって何!?」

里中「さっきから何言ってんのさー」

天城「ううん、なんでもないの!とにかく行こ!」

里中「ちょ、雪子ー?もー、なんなのー?」

天城「またね!」

花村「……」

鳴上「変な勘違いさせちゃったかな」

花村「誰のせいだよ」

鳴上「おまえだろ」

花村「……やっぱし?」

>なんだかんだで花村にブルーレイを押し付けられた

>せっかくなので見てみよう…

菜々子「お兄ちゃんそれなーに?」

鳴上「陽介からアニメのブルーレイを借りたんだ」

菜々子「ラブリーン!?」

鳴上「アナザーっていうアニメだよ。菜々子は知ってる?」

菜々子「……分かんない」

鳴上「なら一緒に見てみようか」

菜々子「うん!!」

花村「んで、どうだったよ?」

鳴上「菜々子がかわいかった」

花村「いや、アナザーの感想聞いてんだけど」

鳴上「怖いって言って、しがみついて離れなかったんだ」

花村「あー、菜々子ちゃんと一緒に見たのか」

鳴上「昨日は一緒に寝たよ」

花村「そりゃよかったな、お兄ちゃん。で、肝心の感想は?」

鳴上「菜々子に夢中で覚えてない」

花村「コレだよ!」

花村「おまえちゃんと見ろよ。いい加減怒るぞ」

鳴上「菜々子がかわいかったから」

花村「鳴ちゃんのがかいいだろ!」

鳴上「あんな電波女かわいくない」

花村「見てんじゃねーか!」

エビ「うっさいわね、喧嘩ならよそでやりなさいよ」

鳴上「……」

花村「……」

エビ「何?なんか文句あるわけ?」

鳴上「俺は赤沢さんがいいと思う」

花村「赤沢さんもいいな」

エビ「……あかざわ?だ、誰よそれ」

鳴上「鳴もかわいかった」

花村「おまえなら分かってくれると思ったぜ、相棒」

鳴上「向こうの静かな所で語ろう」

花村「ああ」

エビ「は?な、なんなの?何で無視すんのよー!!」

>菜々子は友達の家にお泊り、堂島は今日は帰れないと言っていた

>一人ですることもないので、暇だ…

鳴上「(アナザーでも見るか)」

鳴上「……」(アナザー鑑賞中)

鳴上「(俺だったらここでペルソナを出してカカッと……)」

鳴上「(なんて、アニメの世界に入れるわけでもないのにな)」

鳴上「待てよ?テレビの中に入れるってことはひょっとしたら…)」

>ゆっくりと(画面の中の)赤沢さんに手を伸ばす…

>手がテレビに吸い込まれた

鳴上「引っ張られてる…!」

鳴上「うわぁ!!」

見崎「…上君…鳴上君?」

鳴上「う、ん?」

見崎「気分悪いの?」

鳴上「め、鳴!?」

見崎「なに?」

鳴上「(本当にアニメの世界に入れた、のか…?)」

桜木「……っ!」

鳴上「(あれは桜木だったか。たしか最初の犠牲者……!)」

桜木「さ、さよなら!」タタッ

鳴上「行くな!」ダッ

桜木「…あっ」ヨロッ

鳴上「くっ!(間に合わない!!)」

鳴上「ペルソナッ!!」カッ

桜木「きゃっ!?」ドサッ

イザナギ「……」

桜木「……」ポカーン

鳴上「大丈夫か!?」

鳴上「怪我はないみたいだな」

桜木「あ、はい…」

鳴上「どうした?」

イザナギ「……」

桜木「……」ジー

鳴上「ああ、これは俺のペルソナだ。超能力みたいなものさ」

桜木「都会の人はすごいんですね」

鳴上「そうでもない」

桜木「……」

桜木「た、助けれくれてありがとうございました」ペコッ

鳴上「気にするな」

桜木「…でも」

鳴上「それより、病院に行くんだろ?」

桜木「そうだ、お母さん!」

鳴上「付き合うよ」

桜木「…え?」

鳴上「お母さんもだけど、桜木のことも心配だからな」

桜木「……あ」ドキッ

そして始まる番町無双
冷静に考えたらアナザーのキャラ知識がアニメしかなかった

夏合宿始まるまでの犠牲者早見表みてーなのない?

――後日

赤沢「鳴上君、ちょっといいかしら?」

鳴上「なんだ?」

赤沢「教室じゃ話しにくいから、屋上に行きましょう」

鳴上「分かった」

赤沢「……」

鳴上「屋上は定番だよな」

赤沢「…?」

赤沢「まず何から話せばいいのかしら…」

鳴上「愛の告白じゃないのか?」

赤沢「…は?」

鳴上「てっきり告白されるのかと思った」

赤沢「…ふふ」

鳴上「?」

赤沢「面白い人ね。彼女が好きになるのも分かった気がする」

鳴上「何のことだ?」

赤沢「気にしないで。話を戻すわね。たぶん信じられないでしょうけど、黙って最後まで聞いて」

鳴上「……」

赤沢「呪われた3年3組の話……」

赤沢「……と、いうわけ。信じられないでしょうけど、これは本当の話」

鳴上「(アニメの通りだ)」

赤沢「…驚かないんだ」

鳴上「肝がすわってるからな」

赤沢「自分で言うことじゃないでしょう?」

鳴上「たしかに」

赤沢「でもそっちのほうが話は進めやすい、か…」

鳴上「ホレれるなよ」

赤沢「…ホレないわよ」

赤沢「私が対策係なのはさっき話したわね」

鳴上「ああ」

赤沢「…実はね、あなたを対策係りにして欲しいって言われたの」

鳴上「俺が?」

赤沢「桜木さんからね」

赤沢「聞いたわよ。階段で転げ落ちそうになったところを助けたんですって?」

鳴上「そういえば…」

赤沢「随分と熱心に勧められたわ。鳴上君のおかげで自分もお母さんも助かったって」

鳴上「……」

赤沢「正直私は反対だった…」

鳴上「だった?」

赤沢「頼りないと思ってたけど、あなたなら……」

鳴上「……」

赤沢「対策係り、お願いできるかしら?」

鳴上「任せろ」

赤沢「二つ返事か。頼もしいわね」

鳴上「(アニメ通りなら、先回りして災厄を防げるはずだ)」

赤沢「……」

鳴上「どうした?」

赤沢「大したことじゃないのだけど…」

鳴上「?」

赤沢「鳴上君と話していると不思議と落ち着く」

鳴上「そうか?」

赤沢「それに鳴上君ってクラスの男子と違って大人っぽいと思う。ほんとに中学生かときどき疑いたくなるわ」

鳴上「(実際高校生だからな…)」

赤沢「ごめんなさい、変なこと言って。気を悪くしたのなら謝るわ」

鳴上「別にいいさ。気にしてないよ」ニコッ

赤沢「……っ」

鳴上「雨が振りそうだな。そろそろ戻ろう」

赤沢「そ、そうね…」

――また後日

鳴上「(ここらへん、かな?)」

綾野「お、こんなとこで会うなんて奇遇だね!ゆー君もサボリかな?」

鳴上「綾野に会いにきたんだ」

綾野「え?私?」

鳴上「ああ」

綾野「あれ!?もしかして私ナンパされてる!?」

鳴上「(……この後どうなるんだっけ)」

綾野「まいったなー!ナンパされるなんて思いもしなかったよー!」

鳴上「(心臓麻痺?いや、それはまた別…)」

綾野「でも恋は突然にって言うしね!うん、暇だから付き合うよ!」グイ

鳴上「え?あ!」

綾野「ほら、早く早く!」

鳴上「いや、ちょっと!」

綾野「女の子を待たせるのはマナー違反だぞ~」グイグイ





>ガシャーン!!

 「なんだ!?」

 「…トラックに積んであった硝子板が割れた音だったみたいっす」

 「みたいっす、じゃねーだろ!あれほどしっかり固定しておけっつたろーが!」

 「すんません……」

 「誰もいなかったからよかったものの、もし誰かいたら怪我じゃすまなかったぞ!?」

 「すんませんっす…」

 「だいたいてめーは……」クドクド



綾野「お腹空いたね~。ケーキとか食べたくない?」

鳴上「いいんじゃないか?」

綾野「じゃ、行こ♪」グイ

鳴上「(何か忘れているような…)」

――またまた後日

勅使河原「飯にしよーぜー、鳴上ー」

鳴上「(勅使河原は陽介に近しいものを感じる)」

勅使河原「俺の顔になんか付いてるか?」

鳴上「なんでもない」

望月「お昼ご飯食べるの?僕もまぜてよ」

勅使河原「おー、まざれまざれ」

望月「何処で食べる?教室?」

鳴上「天気もいいし、屋上もいいんじゃないか」

勅使河原「屋上にサンセー!」

望月「じゃあ屋上にしようか」

望月「ん~!気持ちいいね。屋上にきて正解だったかも」

勅使河原「マジで!?」

鳴上「マジだ」

望月「どうしたの?」

勅使河原「こいつ弁当自分で作ってんだってよ!信じらんねー!」

鳴上「おかしいか?」

勅使河原「いただき!」バッ

鳴上「あ…」

勅使河原「このからあげめっちゃうめぇぞ!?」

望月「……」ジー

鳴上「望月も一つどうだ?」

望月「あ、うん…ありがとう…」

望月「味がよくしみこんでて、とってもジューシー…」

望月「すごくおしいよ!」

鳴上「口に合ってよかった」

勅使河原「なぁ!後一個!後一個だけくれ!」

鳴上「しょうがないな」

勅使河原「やりぃ!」

望月「僕もいいかな?」

鳴上「勿論だ」

望月「ありがとう、鳴上君!」

>PiPiPi!

>電話だ。一体誰からだろう…?

鳴上「ごめん、電話だ」

勅使河原「おかまいなく~」モグモグ

鳴上「もしもし?」

水野『鳴上君?今電話平気かな?』

鳴上「誰だ?」

水野『えぇ!?私だよ!わーたーし!』

鳴上「……詐欺?」

水野『詐欺じゃないよ!水野早苗!』

頼む番長
可愛いナース水野さんをなんとか助けてくれ

鳴上「(水野…?エレベーターの落下で死ぬ看護士か)」

水野『ちょっと気になることが……だけど…』

>電波が悪いのか、時折ノイズが混じる

水野『あれ?もしもーし、鳴上君聞こえてるー?』

鳴上「エレベーターに乗るな!」

水野『え?何?』

鳴上「落ちるぞ!!」

水野『エレベーターが……したの…?』

鳴上「乗るな!!」

水野『!』

>ツー…ツー…

>電話は切れてしまった

水野「ありゃ、切れちゃった…」

水野「エレベーターに乗るなって言ってたけど、なんでだろ?」

水野「……」

水野「エレベーター…エレベーターケーブルが切れる、とか?」

水野「な、ないない!」

水野「(きっと、ちょっと意地悪して怖がらせたかっただけだよ)」

水野「(そうだよね、鳴上君…)」

がんばれ言霊使い…

水野「……ん、エレベーターはなんともないね」

水野「あ、少し時間過ぎちゃった。急いで戻らないと」ポチッ

>ガクン!

水野「きゃっ!?」

>…ギギ

水野「う、嘘……」

>ガクン!

水野「ひっ!嘘嘘嘘!!」

水野「だ、誰か…誰かたすけて…!」

水野「……鳴上君、助けてよぉ!」

鳴上「水野さん!!」

水野「!?」

トラエスト!トラエスト!

水野「鳴上君!?」ガバッ

警察「目が覚めましたか。体の具合はどうです?」

水野「…あの、どちら様でしょう」

警察「申し遅れました。私、こういうものです」

水野「(刑事さん?)」

警察「先日の事故について調べておりまして、お話をお聞きしたいのですが」

水野「事故?」

警察「覚えてないんですか?あなたの乗ったエレベーターのケーブルが切れて……」

赤沢「切れたにも関わらず、なぜか途中で止まったんですって」

鳴上「へぇ…」

赤沢「そして、ドアを無理矢理こじ開けて助け出したのがあなた」

鳴上「……」

赤沢「これはどういうこと?」

鳴上「水野さんはああ見えて重いから」

赤沢「真面目に聞く気がないということね。なら…」

鳴上「聞く。聞くから、落ち着こう。落ち着け!」

赤沢「直前に水野さんから電話が?」

鳴上「ああ」

赤沢「でも、なぜ彼女がエレベーターに閉じ込められていると分かったの?」

鳴上「…電話でエレベーターに乗るって言ってたんだ」

赤沢「……」

鳴上「それで、なんとなく嫌な予感がした」

赤沢「予感的中じゃない。予知能力でもあるのかしら?」

鳴上「偶然さ。エレベーターが途中で止まったのも、不幸中の幸いだった」

赤沢「……」

鳴上「(本当はペルソナでエレベーターを支えたんだけど)」

>PiPiPi!

>まただ……

鳴上「……」

赤沢「出なくていいの?」

鳴上「出たくない」

赤沢「最近よく鳴ってるわね、鳴上君の携帯」

鳴上「……」

赤沢「モテる男はつらいわね」クスッ

>着信……

>……水野

やったあああああ水野さん助かった勝つる

水野さんでエビの爪痕が疼いてるww

鳴上「…?」

>花壇の側に見崎がいる

>花でも見ているのだろうか…

鳴上「ちょっとごめん…」

赤沢「待ちなさい」

鳴上「なんだ?」

赤沢「対策係りになったときに説明したでしょう?」

鳴上「……」

赤沢「彼女はいないモノなの。これはクラスで決めたことよ」

鳴上「災厄はもう起きてる」

赤沢「……っ!」

鳴上「そもそも、いないモノなんて効果がないんじゃないか?」

赤沢「なら、どうしろってのよ!?」

鳴上「だから俺がきたんだ」

赤沢「大した自信じゃない。あなた一人で災厄を止められると?」

鳴上「俺一人じゃ無理かもしれない」

赤沢「でしょうね」

鳴上「でも赤沢がいる」ガシッ

赤沢「!!」

鳴上「クラスのみんなで協力すればきっと…」

赤沢「…理想論よ」

鳴上「自信はある」

赤沢「……だ、だからなんなのよ」

鳴上「ホレるなよ?」

赤沢「……」

鳴上「否定しないのか?」

赤沢「ば、馬鹿!」

鳴上「また明日」タタッ

赤沢「……ばか」

転校そうそうに赤沢コミュLv6ぐらいだと…

中尾「グギギ」

鳴上「鳴!」

見崎「……」

>見崎はこちらを見ようともしない

鳴上「何してるんだ?」

見崎「鳴上君、対策係りになったんでしょ?」

鳴上「ああ」

見崎「なら、私がどういう立場か分かってるよね」

鳴上「勿論」

見崎「じゃあ、どうして?なぜ私に話しかけるの?」

鳴上「鳴とは一度話してみたかったんだ」

見崎「……そう」

見崎「変わってるね」

鳴上「赤沢にも言われた」

見崎「……」

鳴上「もう暗くなる。早く家に帰ったほうがいい」

見崎「うん」

鳴上「送っていくよ」

見崎「……」フルフル

鳴上「遠慮するな」ナデナデ

見崎「…やめて」

鳴上「ごめん。妹がいるから、ついクセで」

見崎「妹いるんだ」

鳴上「ああ。まだ小学生だけど」

見崎「私って子供っぽいかな」

鳴上「小学生よりは大人っぽい」

見崎「……褒めてない」

鳴上「そうか?」

見崎「……」

鳴上「帰り道、気をつけて帰れよ」

見崎「……」

鳴上「それじゃ…」

見崎「待って」

鳴上「…?」

見崎「妹の話、もっと聞かせて…」

>見崎と二人で下校した

勅使河原「最近鳴上のやつ付き合いわりーよなー」

望月「そうだね」

勅使河原「…あいつとしょっちゅういるし」

望月「……」

勅使河原「対策係り的にどーなんだよ、あれ」

赤沢「……」

勅使河原「赤沢?」

赤沢「鳴上君は、いないモノ対策が間違っていると主張しているの」

勅使河原「でも今までそうしてきたんだろ?」

赤沢「ええ」

望月「現に、対策を講じてるおかげで災厄は起きてないよね」

勅使河原「つまり、いないモノ対策がうまくいってるってことだ」

赤沢「災厄は起きてる…」

勅使河原「起きてねーだろ?実際俺らのクラスは誰一人欠けてないぜ」

赤沢「防がれてるからね」

望月「どういうこと?」

赤沢「どういうわけか、鳴上君が災厄を防いでいるみたいなの」

勅使河原「……冗談じゃねーみたいだな」

望月「でもどうやって…」

赤沢「さぁ?予知能力でもあるんじゃないかしら」

勅使河原「別世界からきたヒーローってか?漫画かっての」

望月「あ、あはは…」

勅使河原「本人に聞くのが一番はえーな。鳴上ー!」

望月「て、勅使河原君!」

鳴上「なんだ?」

勅使河原「赤沢が一緒に飯食いたいってさー」

赤沢「は、はぁ!?」

鳴上「悪い、鳴と一緒に食べる約束してるんだ」

勅使河原「そ、そうか…」

鳴上「ごめんな、赤沢」

赤沢「私は別に……」

鳴上「明日は大丈夫だから」

赤沢「そ、そう…」

鳴上「屋上で一緒に食べよう」

赤沢「……うん」

鳴上「それじゃ」

赤沢「またね」

勅使河原「……」

望月「……」

赤沢「な、何?」

勅使河原「鳴上イケメンだしなぁ、しょうがねーか」

望月「うん」

赤沢「言いたいことがあるならハッキリ言え!」ポカッ

勅使河原「ってぇ!!」

――放課後

望月「高林君はこの話どう思う?」

高林「いいんじゃないかな。いないモノ対策は間違ってるって新しい考えだと思うよ」

望月「でも、合ってるとも限らないし…」

高林「正しいとも言えないよね」

望月「……それは」

鳴上「二人とも、これから帰りか?」

望月「!」

高林「そうだよ。鳴上君も?」

鳴上「ああ」

高林「なら丁度いい。一緒に帰らない?」

鳴上「いいぞ」

望月「……」

たかばや死ェ

高林「…僕は鳴上君の考えに賛成だよ」

望月「高林君…」

高林「いないモノなんて間違ってる。見崎さん一人が不幸になるなんておかしいよ」

鳴上「…俺もそう思う」

高林「鳴上君の言う通り、クラスみんなの力を合わせれば……っ!」

望月「た、高林君!?」

高林「ぐ…あぁ…!」ガクガク

鳴上「心臓病か!」

望月「き、きっとそうだ!ど、どようしよ、鳴上君!」

鳴上「落ち着け」

望月「落ち着ける状況じゃないよ!」

鳴上「救急車を頼む」

望月「きゅ、救急車だね!」タタッ

鳴上「(徒歩で呼びに行くのか…)」

高林「……」

鳴上「(心臓が止まった!?)」

鳴上「こういうときは……」

鳴上「(人工呼吸!)」

>……

>しかし、高林は息をふきかえさない

鳴上「落ち着け、他に方法があるはず」

鳴上「何か……」

鳴上「!」

鳴上「…試してみる価値はある。むしろ、もうそれしか方法がない」

鳴上「イザナギ!」カッ

ジオハメ!!

鳴上「ジオ!」カッ

高林「……」

鳴上「もう一度!」

高林「……」

鳴上「もう一度!!」

高林「…………」

鳴上「戻って来い、高林ぃ!!!」

高林「っはぁ!!」

>高林が息をふきかえした!

高林「ぼ、くは…」

鳴上「心臓病で倒れたんだ」

高林「……あぁ」

鳴上「立てるか?」

高林「…くっ」ヨロッ

鳴上「無理はするな」

高林「鳴上君が助けくれたの?」

鳴上「まぁな」

高林「…ありがとう、鳴上く……」

>意識を失ってしまったようだ

>まだ油断は出来ない。急いで病院に連れてゆこう

流石は生き字引
素人には適切な処置とは思えん

望月「鳴上君!!」

鳴上「落ち着け」

望月「高林君は!?」

鳴上「だいぶ落ち着いたよ」

望月「…よかったぁ」

鳴上「油断するのはまだ早い。…救急車は?」

望月「よ、呼んできたよ!もうくると思う!」

>遠くからサイレンの音が聞こえる……

――後日

望月「でね、お医者様が言うには鳴上君の適切な処置のおかげで助かったんだって!」

勅使河原「やるじゃねーか、転校生」

望月「すごいよね!」

勅使河原「なんでおまえが嬉しそうなんだよ」

望月「そ、そう?」

勅使河原「まさかおまえ……」

望月「?」

鳴上「何の話だ?」

望月「鳴上君!」

勅使河原「(赤沢のみならず、望月まで…)」

鳴上「これから昼食にするんだけど、よかったら二人もどうだ?」

望月「うん、いいよ!」

鳴上「赤沢もいいだろ?」

赤沢「…え?まぁ、いいけど」

望月「……赤沢さんも一緒なんだ」

赤沢「問題でも?」

望月「別に…」

鳴上「…?」

勅使河原「わりぃ、俺用事あるから遠慮しとくわ」

鳴上「そうか」

勅使河原「(こんな空気で飯なんか食えるかよ…)」

赤沢「ところで何処で食べるの?」

鳴上「そうだな…」

望月「僕は鳴上君が食べたい所でいいよ」

赤沢「……っ」

鳴上「じゃあ屋上にしよう」

望月「うん」ニコッ

久保寺「赤沢さん、丁度いいところに」

赤沢「はい?」

久保寺「お話したいことがあるのですが、今お時間よろしいですか?」

赤沢「……」チラッ

鳴上「話が終わるまで待つさ」

赤沢「…いいわ、先に食べてて頂戴。それで先生、話ってなんですか?」

久保寺「ここではなんなので、職員室まで行きましょう」

赤沢「はい」スタスタ

望月「…行っちゃった」

鳴上「仕方ない、先に食べてるか」

望月「……」

鳴上「……」

>望月はもくもくと弁当を食べている

望月「……」チラッ

鳴上「俺の顔に何かついてる?」

望月「う、ううん!何もついてないよ!」

>どうも様子がおかしい

>これも災厄の前触れだろうか…

鳴上「具合でも悪いのか?悩みがあるなら相談に乗るぞ」

望月「鳴上君は優しいんだね…」

>望月は儚げに微笑んでいる

鳴上「望月は大切な友達だからな」

望月「……」

望月「僕、鳴上君に謝らなくちゃいけないことがある」

鳴上「……」

望月「僕ね、鳴上君のことが死者なんじゃないかって思ってた」

望月「でも話してみたら、すごく気さくだし、料理もうまいし…」

望月「気がついたら、鳴上君と一緒にいることが楽しかった」

鳴上「俺も望月と話すのは楽しい」

望月「それから高林君の件」

鳴上「……」

望月「僕は驚いて取り乱してたけど、鳴上君は冷静に対処してたよね」

鳴上「救急車を呼んでくれたじゃないか」

望月「あれは、鳴上君が指示を出してくれたおかげだよ」

望月「そして思ったんだ。この人が死者なわけない。それどころか災厄を止めてくれるんじゃないかって」

>望月の頬はほのかに赤い…

赤沢「(用事を済ませて屋上まできてみたら…)」

望月「……」

鳴上「……」

赤沢「(この雰囲気は何?なんで無言で見つめ合ってるの!?)」

赤沢「(鳴上君…ひょっとして男色…?)」

赤沢「あ、ありえないわ…」

見崎「先客がいたみたいね」

赤沢「ひゃっ!?」

赤沢「み、見崎さん!?どうしてここに?」

見崎「話しかけいいの?」

赤沢「……あ」

見崎「意外とドジなんだ、赤沢さん」

赤沢「い、今はクラスメイトも見てないからいいのよ」

見崎「そう」

赤沢「……」

見崎「屋上は普段人がいないから」

赤沢「…?」

見崎「一人でご飯を食べるにはもってこいなの」

赤沢「……」

腐カザーさん自重…
するべきは番長ですね

>やはり男の方が締まりがいい……

見崎「鳴上君たちとご飯食べないの?」

赤沢「……」

見崎「私は別の場所で食べることにする」

赤沢「ま、待ちなさい」

見崎「?」

赤沢「せっかくだから、一緒にお昼どう…?」

見崎「いい。迷惑かけたくないし」

赤沢「屋上なら人もこないから平気よ」

見崎「……」

赤沢「あなた、鳴上君と特に仲がいいじゃない」

見崎「そう見える?」

赤沢「何言ってるのよ。いつも楽しそうに話してるくせに」

見崎「……楽しそう?」

見崎「楽しい…楽しい……そうかもしれない…」

赤沢「鳴上君が名前で呼んでるのはあなたくらいよ」

見崎「…ふーん」

赤沢「な、何?」

見崎「嫉妬?」

赤沢「ち、ちが…!」

見崎「冗談。ご飯誘ってくれてありがとう。でも別の場所で食べる」スタスタ

赤沢「見崎さん!」

見崎「あ、これは独り言なんだけど…」

赤沢「……」

見崎「赤沢さんの悲鳴、女の子っぽくてかわいかった」

赤沢「っ!」

でーん でーででっでーでーででっでーでーででっでっでーでーでーでーででーでーでででーでーでーでーでーでーでーでーでっ
でーん でーででっでーでーででっでーでーででっでーでーでーでーでーででーでー でででーでーででででー
でーでーででーっ

星一徹

>保守しておこう……

――とあるお昼休みの廊下

桜木「な、鳴上君!」

鳴上「?」

桜木「き、きき奇遇ですね!」

鳴上「そうだな」

桜木「……」モジモジ

>桜木は落ち着きがない

鳴上「用がないなら行くぞ」

桜木「ま、待って!!」ガシッ

鳴上「!」

桜木「ご、ごめんなさい…」パッ

鳴上「悩み事か?」

桜木「……」

鳴上「俺でよければ力になる」ガシッ

桜木「…あぅ」

>桜木の顔は赤い

>体調が悪いのかもしれない

鳴上「体調が悪いのなら保健室に行こう」グイ

桜木「ち、違うんです!そうじゃなくて…」

鳴上「…?」

桜木「お礼を言いたかったんです」

鳴上「お礼?」

桜木「階段で助けてくれたじゃないですか」

鳴上「そのことか」

桜木「本当にありがとうございました。お陰でお母さんも…」

鳴上「気にするな」

桜木「そ、それでですね…明日のお休みなんですけど…」

鳴上「……」

桜木「一緒にお、お、お茶でも…なんて思ったり…」

桜木「あくまでお礼の一環として!下心はありませんよ!?」

鳴上「……」

桜木「……ちょ、ちょっとあります」

>助けてもらったお礼として、ご馳走したい
  と、いうことだろうか…

>完二から強い締まりを感じる……

桜木「とてもいい雰囲気の喫茶店なんです。コーヒーがすごくおいしくて」

桜木「…赤沢さんから教えてもらったお店なのですけど」

鳴上「お茶じゃないのか?」

桜木「あ、コーヒーでした。あはは…」

鳴上「……」

桜木「……」

鳴上「たまにはコーヒーも悪くないな」

桜木「!」

鳴上「明日、楽しみしてるよ」ニコッ

桜木「はい!私も楽しみにしています!」

>桜木はとても嬉しそうにかけていった

このままじゃ奥手ザーさんがCHAOSに寄ってしまう

鳴上「(……堂島さん淹れてくれたコーヒーもうまかったな)」

鳴上「……」

綾野「ゆー君!」ギュッ

鳴上「うわっ!」

綾野「へへ、だーれだ!」

鳴上「綾野だろ」

綾野「正解!褒美として明日私とデートする権利をあげるよー」

鳴上「…は?」

綾野「嬉しいくせに~」ウリウリ

鳴上「明日は用事が…」

綾野「デートコースはゆー君に任せるから」

鳴上「だから…」

綾野「この前話した喫茶店覚えてる?あそこに集合ね!」

綾野「忘れちゃだめだよー?」タタッ

鳴上「綾野!」

>綾野は去って行った

鳴上「(……後で断ればいいか)」

>PiPiPi!

鳴上「もしもし」ガチャ

鳴上「水野さん?」

鳴上「…明日?明日は予定がある」

鳴上「喫茶店?へぇ…コーヒーが…」

鳴上「いや、待ってくれ。明日は…!」

>一方的に約束を取り付けられ、電話は切れた

鳴上「……」

鳴上「(以前にも同じようなことがあった気がする…)」

赤沢「鳴上君」

鳴上「!」

赤沢「探してたのよ。対策係りのことで話があるの」

鳴上「そ、そうか(それなら今日中に終わりそうだな)」

赤沢「でも今日は家の事情があって」

鳴上「何!?」

赤沢「っ!」ビクッ

鳴上「悪い。それで?」

赤沢「え?ああ、だから放課後は都合が悪いから無理なんだけど、明日なら大丈夫なの」

鳴上「……」

赤沢「前に話した喫茶店覚えてる?イケヤって言うんだけど、そこで話し合いましょう」

鳴上「対策係りの話か」

赤沢「え、ええ、そうよ」

鳴上「中尾や杉浦も来るのか?」

赤沢「あの二人は都合が悪いって断られたの」

鳴上「……」

赤沢「ほ、本当よ?」

鳴上「何も言ってない」

赤沢「…っ!」

>対策係りの仕事となると断りづらい

>桜木との約束を断って、こっちを優先するべきだろうか…

見崎「何してるの」

てっしーの所にいこう(提案)

鳴上「鳴…」

見崎「デートのお誘い?」

赤沢「違うわ!対策係りのことで鳴上君に話があるの!」

見崎「そうなの、悠?」

鳴上「ああ」

>見崎に事情を説明した

見崎「そうなんだ。明日は私も予定がないの」

赤沢「!」

見崎「話を聞いていたら、私もコーヒーが飲みたくなってきちゃったな」チラッ

赤沢「だ、ダメよ!」

見崎「どうして?ただコーヒーを飲みに行くだけよ」

赤沢「……」

>心なしか空気が重い……

あれ?鳴ちゃんちょっと柔らかい性格に改造されてね?
何した番長

見崎「悠はどう思う?」

鳴上「いいんじゃないか」

見崎「そう」チラッ

赤沢「(さっきからこれ見よがしに鳴上君の名前を!わ、私だって…!)」

赤沢「ゆ、悠君は私と用事があるの!」

見崎「私はコーヒーが目当てなのだけど。赤沢さんは話し合いじゃなくて、悠が目当てなの?」

赤沢「~~っ!!」

>そういえばまだ昼食を食べいなかった

>早くしないとお昼休みが終わってしまう…

赤沢「対策係りの仕事だと言ってるでしょう!」

見崎「そう?」

>二人はなおも言い争いを続けている

>……そっとしておこう

あるあるネタだよな

――翌日

鳴上「……」

鳴上「(何も断る必要なんてなかったんだ。集合場所は喫茶店なんだし)」

鳴上「(みんなで談笑しながらコーヒーを飲もう)」

鳴上「(それがいい)」

鳴上「…?」

鳴上「あそこにいるのは……」

やだ……番長イケメン……

――喫茶店「イケヤ」

桜木「……」ドキドキ

桜木「(鳴上君遅いなぁ。もう約束の時間は過ぎてるのに…)」

桜木「それにしても…」チラッ

赤沢「……」

綾野「~♪」

水野「(今日はアレしてコレして、ご飯食べた後は…うふふ♪)」

桜木「(知り合いがやけに多い……)」

桜木「(たまたまだよね?)」

>カランカラン…

 「いらっしゃいませ~」

桜木「(き、きた!鳴上君!)」

赤沢「…!」バッ

綾野「ゆー君遅いよ~」

水野「(鳴上君!)」

見崎「……」

赤沢「み、見崎さん!?」

見崎「あなたたち彼氏いないの?」

勅使河原「……」

鳴上「元気がないな」

勅使河原「…鳴上か」

鳴上「これからイケヤに行くんだ。勅使河原もどうだ?」

勅使河原「俺はやめとくよ…」

>勅使河原は落ち込んでいる

>何かあったのだろうか…

鳴上「失恋か」

勅使河原「そんなんじゃねーよ」

鳴上「……」

勅使河原「……」

勅使河原「…見崎のことなんだけどさ」

鳴上「……」

勅使河原「見崎をいないモノとして扱うことはやめになったろ?」

鳴上「ああ」

勅使河原「みんな最初は戸惑ってたけど、おまえが説き伏せて納得してくれた」

鳴上「対策係りで正式に決まったことだから」

勅使河原「……鳴上はいないモノなんて間違ってるって考えなんだろ」

鳴上「そうだ」

勅使河原「俺は…そうは思えねーんだ……」

勅使河原「いないモノ対策おかげで災厄は起きてねーんじゃねーか?今やめたら…」

>勅使河原は怯えている

勅使河原「見崎のことはかわいそうだとは思うぜ!?でもよ!命がかかってんだ!」

勅使河原「クラスメイト一人を無視するだけでみんなが助かるなら、見崎だって分かってくれる!」

勅使河原「そうだよ!見崎だって納得していないモノになったんだ!」

鳴上「……勅使河原」グッ

勅使河原「やっぱりいないモノ対策はやめるべきじゃ……っつ!!」

>勅使河原を殴り飛ばした!

勅使河原「な、鳴上…?」

鳴上「あ、つい」

勅使河原「ついで殴るなよ!」

鳴上「少しは落ち着いたろ?」

勅使河原「……っ」

鳴上「言いたいことがあるなら言えばいい」

鳴上「俺はちゃん最後までと聞くよ。立てるか?」スッ

勅使河原「あ、ああ…」

鳴上「いきなり殴って悪かったな」

勅使河原「俺も取り乱して悪かった」

鳴上「……」

勅使河原「……」

てっしー家族でも亡くなったのか?
と思ったけど違ったでござる

勅使河原「…くく」

鳴上「……?」

勅使河原「ははは!なんだよ、この空気!」

>勅使河原は笑い出した

勅使河原「はぁー、笑った笑った」

勅使河原「さっきまでウジウジ悩んでた自分が馬鹿らしいくなってきたぜ」

鳴上「そうだな」

勅使河原「それにすっきりしたよ。お前のおかげだ、鳴上」

鳴上「溜めすぎはよくない」

勅使河原「ちげーねぇ!はは!」

――喫茶店「イケヤ」前

>何やら店内から不穏な空気を感じる…

勅使河原「どーした、鳴上?」

鳴上「……」

勅使河原「中でみんな待ってるんだろ?」

鳴上「腹具合が……」

勅使河原「おいおい、マジかよ。病院行くか?」

鳴上「俺は大丈夫だ。勅使河原は俺がいけなくなったことを伝えてくれ」

勅使河原「いいのかー?俺がみんなお持ち帰りしちまうぜー?」

鳴上「出来るならな」

勅使河原「この勅使河原直哉を甘くみんなよ?いくぜー!!」

>勅使河原は勇み足でイケヤに入っていった

鳴上「……勅使河原…いい奴だった」

勅使河原「おーっす!」カランカラン

赤沢「……」ギロッ

水野「…っち!」

綾野「……」

見崎「勅使河原君」

勅使河原「見崎…」

見崎「みんな悠を待って殺気だってるの」

勅使河原「そうか…(来れなくなったって言いづれー!)」

見崎「もしかして勅使河原君も悠を?」

勅使河原「実は鳴上に伝言を頼まれて…」

綾野「ゆー君から!?」ガバッ

水野「あなたじゃないでしょう?きっと私よ」

綾野「年増は黙っててよ!」

水野「なんですってぇ!?」

赤沢「で、彼はなんて?」

勅使河原「体調が悪ぃから来れないって…」

赤沢「ふぅ、そんなことだろうと思ったわ。今日はこれないそうよ、桜木さん」

桜木「鳴上君鳴上君鳴上君……」ブツブツ

赤沢「聞いてない、か…」

見崎「デート、すっぽかされちゃったね」

赤沢「あなたもでしょ」

見崎「私はコーヒーを飲みにきただけだもの」

赤沢「そのわりに朝からずっといるみたいだけど?」

見崎「その言葉そっくり返すわ」

赤沢「……」

見崎「……」

勅使河原「(役目は果たしたよな?もう帰ってもいいよな!?)」

鳴上「…くしゅん!」

鳴上「(少し冷えてきたか)」

鳴上「(そろそろ戻ろう)」

鳴上「……ん?」

鳴上「(気のせいか…)」

鳴上「……」スタスタ

望月「(鳴上君!鳴上君!)」ニタニタ

対策係って口実を忘れてますよ赤沢さん

多々良さんのかわらしいお口に僕のマーラ様をねじ込みたい

――後日

鳴上「……」

鳴上「(ここしばらく災厄らしい災厄は起きていない)」

鳴上「(この後は災厄の防ぎ方がわかって、赤沢たちと夜見山の外へ行くんだったか)」

鳴上「3年3組の災厄…」

鳴上「どうせなら、災厄そのものをなくしたい」

見崎「災厄そのもの?」

鳴上「…聞いてたのか」

見崎「ごめんなさい。なんだか声をかけづらかったから」

鳴上「気にしてないよ」

見崎「災厄をなくすって言ってたけど、そんなこと出来るの?」

鳴上「……」

見崎「…鳴上君になら出来るんじゃない?」

鳴上「…え?」

見崎「今までにない答えにたどり着ける。そんな気がするの」

鳴上「……」

見崎「私はそう思う」

鳴上「ありがとう、鳴」

見崎「私も協力する」

鳴上「ああ」

見崎「…頑張って」タタッ

保守ほしゅ埋めてくんじゃない保守間隔が本気さを感じさせる

鳴上「(俺になら出来る、か…)」

鳴上「災厄をなくすことが出来たら元の世界にも帰れるのだろうか…」

鳴上「……」

榊原「帰れるさ」

>気がつけば、傍らに見知らぬ少年が佇んでいた

>何処かで見たことがあるような気がする…

なんか話広がってきたー

鳴上「おまえは…?」

榊原「本来、君がいる立場にいるはずだった者さ」

鳴上「……榊原」

榊原「そう。中身は違うけどね」

鳴上「どういうことだ」

榊原「意外と鈍いんだな。君がなくしたがっている災厄が僕だってことだよ」

鳴上「!」

榊原「実態はないから、今はこの人間の体を借りているんだ」

>榊原?は不気味に微笑んでいる…

榊原「正直、この閉じられた世界で延々と1998年繰り返すのは飽き飽きしていたんだ」

榊原「そこへひょんなことから君が迷いこんできた。これは面白そうなことになると思ったよ」

鳴上「……」

榊原「僕は急いで記憶の改竄を行った。転校生は榊原じゃなく、君ということにした」

やってやれ
あらゆる神に喧嘩売る会社の男

榊原「君は期待以上の働きで僕を楽しませてくれたよ。感謝する」

鳴上「おまえを楽しませるためじゃない」

榊原「まぁ落ち着いて。話を戻そうじゃないか」

鳴上「……」

榊原「君は災厄をなくしたいんだったね?」

鳴上「そうだ」

榊原「そして君はこうも思っている。現実に帰りたいと」

榊原「鳴上君、僕は消えたくはないんだよ。だから取引をしよう」

鳴上「何?」

榊原「君を現実世界に帰してあげる。そのかわり僕たちのことは放っておいてくれないか?」

鳴上「……」

榊原「所詮この世界は作り物。小さな小さな箱庭世界」

榊原「時が過ぎれば終わりを迎えるんだ。今さら君が足掻く必要はないと思わない?」

榊原「彼らに愛着がわいたのなら、この世界に残るのもいい」

鳴上「……」

榊原「その代わり、永遠に僕といたちごっこを続けるハメになるけどね」クスッ

榊原「この世界のことは忘れて、現実に帰るか…」

榊原「それともこの世界に残り続けるのか…答えは二つに一つだ」

榊原「明日の0時まで考える時間をあげよう」

鳴上「……」

榊原「…よく考えることだね」

>榊原?は溶けるように消えてしまった

鳴上「(全て忘れて現実に帰るか、残り続けるか…)」

鳴上「(深く関わってしまった以上、3年3組のみんなを忘れて帰ることなんて出来ない)」

鳴上「(…かといって、現実を捨てて残り続けることも)」

鳴上「……」

鳴上「(今までにない答え)」

鳴上「俺は……」

――夜見北中学・屋上 0時

鳴上「……」

榊原「ここに来たということは、答えは出たんだね」

鳴上「ああ」

榊原「なら聞かせてもらおうか、君の答えを」

鳴上「俺は…現実に戻る……」

代わりに俺が入ってやるよ

>>352は犠牲となったのだ……
スクリューの犠牲にな……

榊原「そうか。帰るのか」

鳴上「……」

榊原「僕としては寂しくもあるよ。君と過ごした数ヶ月はとても楽しかった」

榊原「本音を言うと、君には残ってほしかったな」

鳴上「そうか」

榊原「ま、今さら言ったところで仕方のないことだ」

榊原「無駄話はここらにしておこう。君は早く帰りたいだろうしね」

鳴上「勘違いするな」

榊原「……」

鳴上「俺が帰るのは、災厄を消したてからだ」

この男は生粋のNeutraだ

榊原「僕を消して、おまけに君も帰る?面白い冗談だ」

鳴上「……」

榊原「どうやら、本気のようだね。言っておくけど、僕はこの世界の神様のようなものだよ?」

榊原「勝てないんじゃないかなぁ…」

鳴上「神様とは一度喧嘩したことがある」

榊原「あはは!君はつくづく面白いやつだな!」

鳴上「……」

榊原「調子に乗るなよ、人間!!」

鳴上「ペルソナ!」カッ

榊原「ペルソナか。面白い力だね…」

榊原「こうかな?ペルソナ!」カッ

鳴上「!?」

>榊原?の傍らには、禍々しい姿のイザナギが佇んでいる

鳴上「そんな…」

榊原「言ったろ?僕はこの世界の神なんだ。この程度で驚いてもらっちゃ困るな!」

>マガツイザナギの凶刃が鳴上を襲う!

鳴上「うわぁ!」

>ガードしきれず、吹き飛ばされた!

榊原「案外弱いんだね。本当に神様と喧嘩したことがあるのかい?」

鳴上「くっ!チェンジ!ルシファー!」カッ

榊原「チェンジ!ルシファー!」カッ

鳴上「なっ!?」

榊原「隙だからけだ!」

鳴上「そ、んな……」バタッ

>鳴上は倒れた…

榊原「もう倒れるなんて、拍子抜けだな。君にはガッカリしたよ」

>……

勅使河原「…ユウ……ユウ!」

鳴上「!」

勅使河原「やっと起きたか。発案者はおまえなんだから居眠りなんてすんなよなー」

鳴上「なんのことだ?」

桜木「夏休みに入ったら、みんなで海に行こうって鳴上君が言い出したんですよ」

赤沢「覚えてないの?」

鳴上「ごめん」

見崎「疲れてるんじゃない?」

鳴上「……」

中尾「脳ヘルニアってる場合じゃねぇ!」ガタッ

望月「鳴上君は寝てていいよ。後は僕たちで決めるからさ」

勅使河原「お、望月男らしー!」

望月「か、からかわないでよ!」

赤沢「無理はよくないわね。望月君の言う通り、残りは私達がやっておくから」

鳴上「すまない…」

勅使河原「気にすんなって!俺ら親友だろ!?」

赤沢「それと、アホの勅使河原は口を閉じていてくれるかしら?」

勅使河原「なんでだよ!?」

見崎「勅使河原君が黙っていたほうが、話進むし」

勅使河原「あんまりだ!」

勅使河原「…おし!だいたい決まったな!」

望月「そうだね。僕、夏休みが楽しみだよ」

桜木「私もです」

赤沢「中学校最後の夏休みですものね…」

見崎「……」

勅使河原「なーにしんみりしてんだよ!」

勅使河原「中学の夏休みはこれで終わりだけど、またこれからも集まりゃいーじゃねーか!」

桜木「…勅使河原君」

赤沢「たまにはいいこと言うじゃない。勅使河原のくせに」

勅使河原「俺たちはこれからもずっとずっと一緒だ!な、ユウ!!」

鳴上「これからも……」

鳴上「…っ!」

>頭がズキリと痛む…

勅使河原「ユウ?具合でも悪いのか?」

赤沢「ちょっと、平気なの?」

桜木「鳴上君…」

望月「大丈夫?」

見崎「…無理しちゃだめ」

鳴上「…みんな」

>皆の優しさが伝わってくる…

>それでも、自分は…

鳴上「俺は、ずっとここにはいられない」

見崎「……」

鳴上「向こうの世界にも俺の大切な仲間がいるんだ。それに、俺は本来ここにいるべき存在じゃない」

望月「……」

鳴上「でも、それでもみんなは俺の大切な……!」

勅使河原「ユウ、分かってるよ」

鳴上「…え?」

赤沢「俺の大切な仲間、でしょ?」

鳴上「…赤沢」

桜木「それは私たちだってそうです」

望月「鳴上君は、僕たち3年3組のクラスメイトだよ!」

見崎「例えどんなことがあっても、それは変わらないし、忘れない」

勅使河原「行ってこい。ふんぞり返って調子ぶっこいてる神様に、きつい一発をお見舞いしてこいよ!」

鳴上「ああ!」

鳴上「……」

榊原「驚いた。まさか立ち上がるなんて思ってもみなかったよ」

鳴上「……」

榊原「さすが神様と喧嘩しただけはあるね」

鳴上「俺はもう倒れない」

榊原「口先だけなら、なんとでも言えるさ!ルシファー!」カッ

鳴上「……」

>絆を真に深めた相手の心が
  力に変わる…

>イザナギは伊邪那岐大神に転生した!

榊原「こ、これは…!?」

鳴上「終わりだ!」カッ!

>真実を射止める、究極の真言が

>あまねく闇を吹き晴らす……

榊原「そんな!こんな力が!たかが人間ごときにぃ!!」

榊原「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

>……

>…………

>……

>気がつけば、東の空が白んでいる

>夜明けは近い…

鳴上「これで災厄は終わったはずだ」

鳴上「全部終わったんだ…」

>瞼が重い…

>意識が遠のく……

 「――」

>聞き覚えのある声がする

>だが頭がぼんやりとして、思い出すことが出来ない

 「――――」

鳴上「(言葉もよく聞き取れない…)」

 「――」

鳴上「……?」

 「お兄ちゃん!!」

鳴上「!」

菜々子「もぉ~、コタツで寝ちゃだめだよ。風邪引いちゃうよ?」

>どうやらアナザーを見ながら寝てしまったらしい

>…今までのことは全て夢だったのだろうか?

鳴上「……」

菜々子「どーしたの?」

鳴上「なんでもないよ。お帰り、菜々子」ナデナデ

菜々子「ただいま、お兄ちゃん!」

水着はよ
って書こうとしたのに菜々子ちゃんの一言で掻き消えてしまった

鳴上「もうお昼か。菜々子はお昼ご飯はもう食べたのか?」

菜々子「まだー」

鳴上「そっか。じゃ今から作るから、待ってろ」

菜々子「菜々子お手伝いするよ!」

鳴上「えらいぞ、菜々子」ナデナデ

菜々子「えへへ~♪」

鳴上「……」チラッ

テレビ「……」

菜々子「早く作ろーよ、お兄ちゃん」グイグイ

鳴上「はいはい」











          ありがとう……鳴上君……








めでたしめでたし!
超疲れた。マジ疲れた



これジュネスのBDは内容かわっちゃうのか?

菜々子一筋だったけど、赤沢さんもいいよね!
多々良さんもいいよね!

つかアナザーSS多すぎだろ
P4SSもっと書けよ。たしかに菜々子は俺の妹だけども

恒一「イザッ……ナギィィィッ!!」

的なタイトルでおなしゃす

このSSまとめへのコメント

1 :  Afghan forces   2015年04月12日 (日) 09:53:41   ID: gbH9fE0b

我は非常に悲しいぞ!、助けてくれはちま

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