メイド「ご主人様を拘束させて頂きます!」 (76)

メイド「最近はそういうものが流行っているそうですわ」

メイド「ふふふ、ご主人様…」

ご主人「ん……」

メイド「おはようございます、ご主人様」

メイド「カーテンを開けさせて頂きますね」シャッ

ご主人「今日は休みだし、もっと遅くまで寝ていたいんだけど」

メイド「駄目です、ご主人様には健康的な生活を送って頂きますから」

ご主人「…分かったよ、おはよう、メイドさん」

ご主人「今日はよく寝れたなあ」

メイド「それは良かったです、ふふ」

ジャラッ

ご主人「……ん?」

ジャラッ

ご主人「何だこりゃ」

メイド「連邦刑執行庁謹製手錠…の、レプリカですよ、ご主人様」

ご主人「よくそんなもの知ってるね…」

ご主人「それで?どうしてメイドさんはそれを知ってるのかな」

メイド「それは勿論…私がかけたからですわ、うふふ」

ご主人「はずして」

メイド「駄目です」

ご主人「外して」

メイド「嫌です…あ、いや、駄目です!」

ご主人「じゃあなんで着けたのさ…理由くらい聞いても良いでしょ」

メイド「休みの日はご主人様に家にいて頂きたいからです」

ご主人「俺、最近週末に家出たこと無いんだけど」

メイド「それでも例外ということはありますわ」

ご主人「そうですか…で、これだと起きられないんだけど」

メイド「…あっ」

ご主人「あっ じゃないよ」

メイド「腰ひもがありますわ!」

ご主人「俺逮捕されるの!?」

ご主人「…まあいいや、腰ひも着けていいから手錠外して」

ご主人「何か家事手伝うよ」

メイド「そんな!ご主人様のお手を煩わせるなんて」

ご主人「たまにはこうしないとメイドさんの有り難さを忘れちゃうし」

メイド「ご主人様…」


メイド「ご主人様、それではまず私がお皿を洗いますので」

ご主人「拭けばいいんだね」

メイド「ご主人様、あの…」

ご主人「流石に中華鍋と皿を同じふきんで拭いたりしないって」

メイド「流石ご主人様、よくご存じですわ」

ご主人「まあ…メイドさんのことはよく見てるし」

メイド「そうですか、ふふ」

メイド「ご主人様がご覧になられているとあればもっと頑張らなければなりませんね」

ご主人「程々でいいよ」

メイド「ふふ、ありがとうございます」

メイド「~♪」ガー

メイド「~♪」ザザー

ご主人「…ねえ、掃除機かける時腰ひも邪魔じゃない?」

メイド「いいえ!ご主人様と離れる事に比べたら」

ご主人「いや、さっきから邪魔になってて凄くいたたまれないんだけど」

メイド「ダメです!ご主人様は私が見張らさせていただきます」

ご主人「ああそう…でもどうして」

メイド「何処のウジ虫にたぶらかされるか分かりませんもの!」

ご主人「ウジ虫も何も出会いすらないんだけど…」

メイド「そろそろ休憩にしましょうか」

ご主人「おお」

メイド「私はお茶菓子を用意いたしますので、ご主人様は紅茶を」

ご主人「メイドさんみたいには上手くできないと思うけど…分かった」コポコポ…

メイド「…♪」トントン

ご主人「なるほど、普段そうやってるのか」

メイド「美味しいお茶菓子をお出しするのもメイドの役目ですわ」

ご主人「大変だね」

メイド「いいえ、ご主人様の為ですもの」

メイド「…でも、その、あの…ご、ご褒美を、頂きたいかと」

ご主人「…俺に出来る事ならね」

ご主人「その前に腰ひも外してよ」

メイド「ダメです!」

ご主人「………」

ご主人「頭を撫でる、ね…」

メイド「はいっ!」ワクワク

ご主人「なんか下に見られてる感じがするとかで嫌がる人もいるらしいけど」

メイド「それは単に触られたくないからではないでしょうか?」

メイド「私は触れられたいです…ご主人様に」

メイド「あっそのっ、今のは深い意味では無くてですね…!」アタフタ

ご主人「まあいいや、じゃあ撫でるぞ…」

ナデナデ

メイド「ふふ…」

メイド「ご主人様の手、暖かいですわ」

ナデナデ

メイド「ん…」

ご主人「…くっつかれると撫でにくいんだけど」

ナデナデ

メイド「こうすると凄く落ち着くのです、お許しを」

メイド「ご主人様、ずっとお側に」

メイド「あら?どうして私の顔を見てくださらないのですか、ご主人様?」

ご主人「…色々あるんだよ」

メイド「うふふ…」



ご主人「で、どうしてメイドさんがいるの」

メイド「監視ですわ!」

ご主人「ああそうなの…」

メイド「ご主人様、今日は如何でしたか?」

ご主人「…良かったよ、メイドさんが働く姿も見れたしね」

メイド「ふふ、それは良かったです」

ご主人「腰ひもが無ければまたやりたいな」

メイド「! そうですか!」ニコニコ

メイド「ああでも迷いますわ…腰ひもが無ければご主人様を私の元に」ボソボソ

ご主人「……おやすみ、メイドさん」

メイド「はい!ご主人様!おやすみなさいませ」

ご主人「………」

メイド「……」ニコニコ

ご主人「………」

メイド「……」ニコニコ

ご主人「あの…そろそろ寝たいんだけど」

メイド「…?」ニコニコ

ご主人「そこに居られると寝れないというか」

メイド「ご主人様が寝付かれるまでお供させていただきますわ」ニコニコ

ご主人「…あらそう」

翌朝

ご主人「んん…」

メイド「おはようございます、ご主人様」

ご主人「あれ、手錠がない」

メイド「お着けになりたいのですか?」

ご主人「そ、そういう訳じゃないけど」

メイド「平日はご主人様には学校がございますから」

ご主人「あ、学校はいいんだ」

メイド「勉強は大切ですよ!」

ご主人「そうですか…」

ご主人「じゃあ行ってきます」

メイド「今日の放課後はどのように?」

ご主人「どうって…いつも通りやる事もないから直帰するけど」

メイド「その言葉、嘘ではございませんね?」

ご主人「ございませんねって正しいの…? 嘘ついてどうするのさ」

メイド「うふふ、行ってらっしゃいませご主人様」

メイド「ご主人様、勝手ながら発信器を着けさせて頂きましたわ…」

メイド「貯めていたお給料はこういう時に使うのです!」

メイド「さて、ご主人様が下校されるまでの時間、家事をしますか…」

メイド「ご主人様のベッド…」

メイド「ああ…まだ朝の温もりが」ゴロゴロ

数字間後

メイド「さて、そろそろご主人様が下校される時間ですわね」

メイド「……」カチャカチャ,ターン

メイド「うん、ばっちり」

メイド「…しかしなぜ斜めにお歩きになっているのでいるのでしょうか」

メイド「…はっ!」

『三角形の二辺を足した長さは残りの一辺より長いんだよ、メイドさん』

メイド「そこまでして早く帰られるなんて…!素敵です、ご主人様!」ジーン


メイド「うふふ」ニコニコ

メイド「紅茶も用意できましたし、後はご主人様の帰りを待つだけですわ」

ガチャッ

ご主人「ただいま、メイドさん」

メイド(ああ、今すぐ飛び付きたい…!)

メイド「お帰りなさいませ、ご主人様!」ニコッ

ご主人「…ん?何だか今日は嬉しそうだね」

メイド「ふふ、ご主人様が私の所へお戻りになるのが嬉しいだけですわ」ニコニコ

ご主人「そりゃここ俺の家だし」

メイド「それはこの家が私とご主人様のものだという事ですか!?」

ご主人「まあ…メイドさん住み込みだし、そうじゃないかな?」

メイド「嬉しいですわ、ご主人様」ニコニコ

ご主人「うーん…」

メイド(ご主人様が携帯を持って悩んでおられる…もしや…害虫じゃないですよね!)

メイド「如何されましたか?」

ご主人「いや…大した事じゃないんだけど」

メイド「ご主人様の悩みは私の悩みですわ」

ご主人「ああ…その、近々うちの高校で文化祭があるんだけどね」

ご主人「クラスの展示、正直出たくない」

メイド「あらあら…」

メイド(ご主人様には悪いですけど、ちょっと安心しました)

ご主人「しかし俺のアドレス何処で知ったんだろうな…面倒くさい」

メイド「途中で帰られては如何ですか?」

ご主人「入り口で生徒が出てかないように教師と生徒会が見張ってるんだよね」

メイド「では、ご学友と回られては?」

ご主人「…いないんだよ」

メイド「…え?」

ご主人「いないんだよ」

メイド「…あらあら」

ご主人「どこかの時間に入らなきゃいけないのか…面倒だな」

メイド「誰でも入れるのですか?」

ご主人「来場するのなら、多分」

メイド「でしたら私がご一緒させて頂きます」

ご主人「それは嬉しいけど、面白くないと思うよ」

メイド「どこか時間を潰すあてはおありですか?」

ご主人「空き教室の一つや二つは見つけてるけど…」

メイド「でしたら!そこでお茶会をしましょう!」

ご主人「お、お茶会ねぇ…」

『当日まで時間がありますので、荷物を少しずつ運び込みましょう』

ご主人「横に使われてない準備室があって良かった」

胸像「」

ご主人「お前とも三年の付き合いになるな…文化祭まで荷物よろしくな」

胸像「」

ご主人「それにしてもメイドさん生き生きしてて楽しそうで…以前に増して可愛かった」

胸像「」

ご主人「今度お前にも紹介するよ」

胸像「」

ご主人「しかし美人だし可愛いぞうちのメイドさんは、料理上手いし」

ご主人「結構休みもあるはずなんだけどあんまり外出してないな…彼氏いるんだろうか」

ご主人「いやでもそれはそれでちょっと寂しいというか…」

胸像「」

ご主人「……馬鹿か、俺」

屋敷

メイド(盗聴機をお着けしたらまさかこんな話を聞くだなんて…)

メイド「可愛いですって!ご主人様が可愛いって!」

戦場太郎ポスター「」

メイド「嬉しい!嬉しいです!」

戦場太郎ポスター「」

メイド「まったく…恋人を作れないのはご主人様のせいですわ!」

メイド「だって…ご主人様がいいんですもの」

戦場太郎ポスター「」

メイド「貴方もそう思いますわよね?」

戦場太郎ポスター「」

メイド「…ごめんなさい、すぐに掃除しますわ」

次の休日

ガシャン

ご主人「…また手錠か」

メイド「はい!」

ご主人「だから何処にも行かないって」

メイド「いいえ!」

ご主人「…どうしてそう思うの?」

メイド「だって、私は駄目なメイドですし、その、可愛くないし、美人じゃないし…料理も上手くないし頭も良くないし…」

ご主人「…嫌味に聞こえるんだけど」

メイド「違います!私は駄目な…」

ご主人「駄目なメイドなのに俺の側に居ようとしてるの?」

メイド「だって…ご主人様は、こんな私でも受け入れてくれたから…」

ご主人「雇ったのは俺の親なんだけどね…」

ご主人「どうしてそんなに卑下するのさ」

メイド「だって、私なんか…」

ご主人「それ以上言ったら怒る」

メイド「…えっ」

ご主人「メイドさんを侮辱しないでくれ」

ご主人「例えメイドさん本人であってもね」

ご主人「メイドさんは俺の…好きな人だから」

メイド「えへへ…ご主人様、好きだって」

ご主人「失言だな…」

メイド「ひどい!ご主人様、私を弄ぶのですね!」ヨヨヨ

ご主人「そんなわけないだろ!」

メイド「!」ビクッ

メイド「えっ、そ、そのっ…それって…えへへ…」

ご主人「…これ以上何か言うと失言を増やしそうな気がする」

メイド「ご主人様…ご主人様…」スリスリ

ご主人「分かったよ、好きだよメイドさん」

メイド「ふふ、私もです」ニコニコ

ご主人「じゃあ手錠は…」

メイド「まだ駄目です!」

メイド「考えたらご主人様、今ベッドから動けない訳ですよね…このまま何をしても無抵抗と…」

ご主人「あの…メイドさん?」

メイド「ご主人様、一緒にお昼寝をしましょう」

ご主人「」

ご主人(柔らかかったりいい匂いだったりいろいろヤバかった)

メイド「明日は文化祭ですね!」

ご主人「色々持ち込んでおいたぞ」

メイド「うふふ、平日にご主人様と一緒にいられるなんて素敵ですわ」

メイド「ご主人様のクラスに出なければいけない時間はいつですか?」

ご主人「誰もやりたがらない朝一番にしておいた、終わればあとは暇かな」

メイド「分かりました、その後に向かいますわ」

ご主人「オハヨウ」

クラスメイト「アッ,オハヨッス」

ご主人「オレコノジカッシフトナッス」

クラスメイト「ソッスカ,ヨロシッス」

『只今より文化祭を…』

ご主人「ハジマッタミタッスネ」

クラスメイト「ソッスネ」

カランカラン

クラスメイト「ラッシャイッス」

ご主人「オキャクサマイチメッス」

学生「あー!懐かしいな!」

クラスメイト「ああー!お前か!」

ご主人「!?」

クラスメイト「久しぶりじゃん!どうして来たの?」

学生「それがさー卒業アルバム整理してたらさー」

ワイワイガヤガヤ

ご主人(早く終わらないかな…)

メイド(ご主人様と学校、ご主人様と学校…!)


ご主人「アッ,オレアガリヤッス」

クラスメイト「おう」


ガヤガヤ

ご主人「………」

風紀委員「おい、許可がなきゃ文化祭中は外に出れないぞ」

ご主人「あっ人を待ってるだけなんで…」

プルルル…

ご主人『はい、もしもし』

メイド『ご主人様、教室使用を咎められると面倒なので時間をずらしましょう』

ご主人『なるほど…場所は分かる?』

メイド『はい、C校舎の四階ですよね』

ご主人『うん、じゃあ先に行っててくれ』

メイド『ふふ、こういうのってなんだかワクワクしませんか』

ご主人『…その気持ちは分かる』

メイド「ご主人様、やっと会えたぁ…」

ご主人「ハハ…大袈裟な」

メイド「色んな人に声かけられて大変だったんですよ」

ご主人「メイドさんは美人だからなあ」

メイド「うふふ、美人だなんて…」

メイド「でも私はご主人様一筋ですよ、ご主人様」

ご主人「………」

メイド「あら?どうして私の顔を見てくださらないのですか?ふふふ」

ご主人「…いい加減慣れよう」

ご主人「これが俺が三年間寝食を共にした胸像の田中恭造くんだ」

胸像「」

メイド「あら、初めまして」

胸像「」

ご主人「寡黙な奴さ」

メイド「…ご主人様、悲しくなりませんか?」

ご主人「い、いいでしょ別に!」

メイド「でもご友人が増えると言うことは他の異性とお知り合いになる機会が増えると言うことですよね…だとしたらご主人様にお友達がいらっしゃらないのはゴミ虫が近付かない事にもなって」ブツブツ

ご主人「メイドさん?」

メイド「はっ!す、すみませんつい考え事を」

メイド「さて、何をされますか?ご主人様」

ご主人「パソコンを持ち込むのは大変だったな」

メイド「ソフト持ってきましたよ、ご主人様!」

ご主人「これは…南国のプレジデンテになるゲームじゃないか」

メイド「私とご主人様の国ですわ」

ご主人「…二人で遊べるゲームの方が良かったんじゃない」

メイド「大丈夫です、ボードゲームもありますから!」

ご主人「ああそう…」

メイド「人民が選挙をしろと言っておりますわ」

ご主人「票の水増ししかないな」

メイド「観光資源が足りませんわ」

ご主人「大統領幼少期の家とぼったくりビーチでも作ろうか」

メイド「ソ連とアメリカどちらと同盟するべきでしょうか」

ご主人「ちじょうのらくえんだしソ連で」

メイド「ご主人様…」

ご主人「…毎回俺に聞かないでもいいんじゃないの」

メイド「私とご主人様の国ですわ!そんなの駄目です!」

ご主人「…本来一人でやるもんだよな、そのゲーム」

メイド「国中にアパートが溢れた上に労働プロパガンダ放送のお陰で国民総スタハノフ状態ですわ!ご主人様」

ご主人「オブロモフにならないうちに終わって良かったね」

メイド「どうしてそんな後ろ向きな事言うんですか!ご主人様のお名前をつけた首都も、私の名前の観光都市もかなりの規模ですよ!」

ご主人「それ、けっこう恥ずかしくないか…」

メイド「ご主人様、ご主人様と私の国がこんなに大きく育ちました、ふふふ」

ご主人「…今度は動揺しないぞ」

メイド「えー」

ご主人「そろそろ紅茶を飲もうか、喉が渇いた」

メイド「はい、ご主人様!」トクトク

ご主人「…ふう、暖かいな」

メイド「それでは私も失礼します」トクトク

メイド「…はーっ」

メイド「…ご主人様」

ご主人「どうしたの?」

メイド「寒いです、寒いので寄りかかってもいいですよね」

ご主人「ですかじゃなくてですよねなのね…いいよ」

メイド「…んっ」トスッ

ご主人「……」

ご主人「……」ナデナデ

メイド「…ふふ」ギューッ

メイド「ご主人様、暖かいです…」

ご主人「さて、そろそろ…」

メイド「も、申し訳ありません、すっかり寝てしまっていましたわ」

ご主人「可愛かったしいいよ」

メイド「ぅあ…」

ご主人「たまには仕返ししないとね、メイドさん」

メイド「うう…でもすみません、折角持ち込んだゲームを消費しないうちに」

ご主人「それは帰ってからでもできるし、学校にメイドさんと一緒にいるってのもなかなか楽しいし」

メイド「…もしも、私も、ご主人様と一緒に学校に通っていれば…楽しい学園生活を送れたのでしょうか」

ご主人「どうだろう…メイドさんが同級生ってのも想像しづらいし…」

ご主人「まあ、すべてが上手いこと組み合ってこうなったんだから…」

メイド「…無駄では、無かったのですね」ギュッ

メイド「スコーンを焼いてきました」

ご主人「うまい」サクサク

メイド「クッキーも焼いてきました」

ご主人「うまい」サクサク

ご主人「…その、さ、料理も上手いし何でも出来るのにどうして俺なんかに仕えてくれるの?」

メイド「…信用できるのは、ご主人様だけですわ」

ご主人「…学校がらみで何かあったのか…まあ、細かいことは聞かないよ…それで?」

メイド「ご主人様、学校にはどうして通われているのですか」

ご主人「学歴の為かな」

メイド「そ、即答ですか…罵倒されたり暴力を振るわれたりしてもですか?」

ご主人「中学じゃそうだったけど、敷かれたレールの方が好きだったし…」

ご主人「それにどれだけ砲撃や銃撃を受けても前進する部隊みたいで格好いいじゃん」

メイド「格好、いい…?」

ご主人「俺は格好いいし友達はいないけどメイドさんがいる、それでいいよ」

メイド「…ふふ、やはり変わった方ですね、ご主人様は」

ご主人「そうだね、それで理解してくれるのはメイドさんだけだ」

メイド「そうです、ご主人様の事を理解できるのは私だけですわ」

ご主人「あ、いや…家族もそうかな」

メイド「…もう!」

メイド「…それがご主人様にお仕えする理由です」

ご主人「そう…それじゃあこれからもよろしくね、メイドさん」

メイド「こちらこそよろしくお願いしますね、ご主人様!」ニコッ

ご主人「後夜祭は点呼がなくて抜け出せるからいいね」

メイド「学校のイベントを楽しむ気皆無ですね、ご主人様」

ご主人「徹夜で何かのマルチプレイしようか」

メイド「では私がソビエトをやるのでご主人様はイタリアを」

ご主人「俺のバルボが死んじまう前にベルリン落とせるといいな」

メイド「ついでにパリとロンドンにも赤旗を立てましょう!」

ご主人「楽しみになってきた、コンビニ寄って飲み物と菓子を買ってこよう」

メイド「駄目です、健康によくありませんわ!私が何かお夜食を作ります」

ご主人「コーラ飲みたかったんだけどな…まあ仕方ないか」

ご主人「さ、帰ろう」

ご主人「…さて、ゲームをやる前に聞きたいことがある」

メイド「は…はい」

ガシャン



ご主人「この発信器と盗聴機だ」

メイド「ぁ…」

メイド「そのっ…えっと…あのですねっ…」

ご主人「…まったく、俺の事欠片も信用してないじゃないか」

メイド「っあ…ご、ごめんなさっ…ご主人様あっ…うぁぁ…」ポロポロ

ご主人「まあいいよ、これから本当に信頼されるようになるまでだ」

メイド「ああ…っ、えへっ…えへへっ…ありがとうございます…ご主人様…」ポロポロ

ご主人「でも当然罰も必要だなぁ?」

メイド「…はい、甘んじて…受け入れます」

ご主人「とっても重い罪だからな…よし、一生かけて償って貰おう、うん、一生俺に仕えること、これがいいな」

メイド「!」パアァ

メイド「…喜んでお受けいたしますわ、ご主人様」

ご主人「もう手錠も腰ひもも出さなくなったな」

メイド「はい!それと、ご主人様が大学生になった時、他の女性とお遊びになっても構いませんよ」

ご主人「随分寛容になったね…」

メイド「だって私、ご主人様の事信じてますから!手錠や腰ひもなんて必要ありませんわ」

ごめんなさい>>61は数か月後の話です

ご主人「…前に俺の事を拘束しようとしていたのは」

メイド「そ、その…それが、最近流行っている愛の伝えかただと」

ご主人「…冷静にそれはおかしくないか」

メイド「あぅぅ…」

ご主人「…うん、やっぱり俺にはメイドさんしかいないみたいだ」

メイド「…………」

メイド「…ご主人様」

ご主人「どうしたの?」

メイド「大好きですわ、ご主人様!」

ご主人「ただいま」

メイド「お帰りなさいませ、ご主人様」

メイド「紅茶の用意ができておりますわ。その後は…」

ご主人「あの後町を作るのにハマったんだっけ?都市人生デラックスと都市達行動準備中を買ってきたから一緒にやろうか」

メイド「はい、ご主人様!」

ご主人「でも俺がいなくてもいい気がするけどな…」

メイド「ご主人様がいなきゃ駄目です、だって…」

ご主人「…平気で恥ずかしいこと言おうとするね、メイドさん」

メイド「ご主人様、ひとつお願いが」

メイド「抱き締めて…いただけませんか」

ご主人「…恥じらいがなくなってきた気がする」ギュッ

メイド「それもこれも全部ご主人様のせいですわ」ギューッ

ご主人「分かってるよ」ナデナデ

メイド「ふふふ…まだまだ、いえ、ずっと…離しませんわ、ご主人様」

ご主人「それは結構嬉しいな」

メイド「拘束させて頂きますわ、ご主人様」ニコッ


おわり

読んでくれてありがとう終わり
前回書いてから書こう書こうとしているうちに二ヶ月も経ってしまった
出来ればメイド的おしとやかさとか身分差とかそういうの出したい

相変わらずメイドさんものが少なすぎて飢えているのでインターネットssライティングマンとしてはさらにメイドさんものを書いていこうと思う
次は軍オタメイドかな
北鮮軍とかエチオピア軍とかいいよな

メイドさんにはもっと可能性があるよ
メイドさん万歳

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月08日 (日) 02:46:24   ID: uIa1z1wh

ご主人様の趣味が渋すぎる
普通に友達になりたい

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