まどか「あなたと私が夢みた世界」(336)

ほむら「…暁美ほむらです…よろしくお願いします…」

さやか「うわー!あの転校生って美人だね、まどか」

まどか「うん…!」

和子「そして、もう1人転校生がいます」

まどか「…」クスッ

ほむら「……えっ?」

和子「いらっしゃい」

ガラッ

ザワザワ

ほむら「!?」

「みんな…はじめまして!」

「私は―」

ほむら「まど…か…?」

「てぃひひ!」ニコッ

円環の理

まどか「みんな、魔獣退治頑張ってるなぁ」

まどか「…本当は私…ちょっと寂しいけど…」

まどか「でも、みんな頑張ってるんだもん」

まどか「私も頑張らなきゃ!」

まどか「…あれ?この感じは……」

まどか「ほむら…ちゃん?」

まどか「ほむらちゃんのソウルジェムが凄く穢れていくような…?」

まどか「た、助けないと…!」

まどか「ほむらちゃんっ!」

まどか「えと…ほむらちゃんは今…マミさんと杏子ちゃんと一緒にいるよね?」

まどか「どうしたんだろう…?」

まどか「とにかく、急がなきゃ!」

マミ「2人とも、今日もお疲れさま」

杏子「帰って飯にしようぜー?あたし腹減っちまってさぁ」

ほむら「ええ、そうするわ」

マミ「今日の料理当番は…」

ほむら「私よ」ファサッ

杏子「うわっ…今日はほむらかよ」ボソッ

ほむら「杏子、私の料理に文句でもあるのかしら?」

ほむら「何なら、あなたの分は抜きにしてもいいのよ?」

杏子「わーっ!何でもねえって!」

ほむら「そうかしら?」

杏子「うん!あ、あたしは好きだぜ!ほ…ほむらのり、料理…?」

ほむら「そう、なら良いわ」

杏子「あはは…」

マミ「うふふっ」

ほむら「マミ、何かおかしい?」

マミ「ううん、何でもないわよ?」

ほむら「そう」

杏子「あー…ほ、ほむら!その、今日はミスんなよな!」

ほむら「だからあれはミスじゃないわ!ただ…」

ほむら「ただ強く焼きすぎただけよ…」ボソッ

杏子「いや…焼きすぎただけで玉子がダークマターになるわけないじゃんかよ…」

ほむら「だ、ダークマターじゃないわ!玉子焼きよ!」

杏子「いや!だって…なぁ?マミ、あんたもそう思うだろ?」

ほむら「マミ、あれは玉子焼きよね?」

マミ「うーん……た、玉子焼き?…ね、一応…うん、たぶん…おそらくは、きっと…」

ほむら「な、何よそれ…」

杏子「認めた方が楽になるぜ?」

マミ「ふふっ。今日は私も手伝うから、頑張って作りましょう?」

マミ「前回があれでも、今回成功すればいいと思うわ。頑張るわよ!」

ほむら「マミ…ええ、そうね。ありがとう、助かるわ」

マミ「うふふっ」

杏子「まぁ、マミがついてるなら粗末にしなくてすむか」

杏子「ほむら、マミにしっかり教えてもらいなよ」

マミ「佐倉さん、あなたもよ?」

杏子「へっ?」

マミ「ふふっ、佐倉さんの作る玉子焼きは、スクランブルエッグだもの」

ほむら「そうよ、杏子も人のこと言える立場ではないわ」ファサッ

杏子「うっ…でも、ほむらと比べりゃあたしはまだマシだろ?」

ほむら「ダークマターもスクランブルエッグも同じよ」

杏子「いや、全然違うじゃん…」

マミ「ダークマターなのは認めるのね」クスッ

ほむら「あっ…」

杏子「あははっ!」

マミ「うふふっ」

ほむら「も…もう…!」

マミ「さて、じゃあ帰ってお料理の特訓よ」

マミ「玉子焼きも作れない女子は嫌われちゃうぞ?」

杏子「むっ!マミー!自分が料理できるからってー!」

ほむら「そうよ!」

マミ「悔しかったら美味しい料理を作ってみることね」

杏子「ああ、負けてられるか!なぁ、ほむら?」

ほむら「ええ!」

杏子「よーし!へへっ、先にどっちが上達するか勝負しようぜ?」

ほむら「望むところよ」ファサッ

マミ「ふふっ。ほら、帰りましょう?」

杏子「ああ!」

ほむら「ええ!」

まどか「………」

まどか「あはは…相変わらずだなぁ」

まどか「うん、大丈夫…そうだよね?」

まどか「だって、マミさんと杏子ちゃんと仲良くしてるもん」

まどか「ほむらちゃん…良かった」

まどか「…あれ?でも、やっぱりこの感じはほむらちゃんのソウルジェムだよ…?」

まどか「何でだろう?目の前にいる、ほむらちゃんは元気そうなのに…」

まどか「あっ…まさか、これって……」

まどか「うん…そうだよ、絶対そうだよ…!」

まどか「このほむらちゃんじゃなくて、別の…」

まどか「別の世界で、ほむらちゃんはまだ…」

>>1>>4より後の話?だよな?

まどか「……私にできるか分からないけど、やってみなきゃ」

まどか「ほむらちゃんは私の為に何度も何度も頑張ってくれたんだもん」

まどか「今度は私の番だよ…待っててね」

まどか「だからお願い…届いて!」

まどか「ほむらちゃん!」

カッ

病院

ほむら「………」パチッ

ほむら「また…まどかを救えなかった…」

ほむら「もうこれで…何度目なのかしら?」

ほむら「私は本当にまどかを救えるの…?」


ほむら「まどかぁ…うっ…うぅぅ…」

ほむら「っ…」ゴシゴシ

ほむら「まだ…諦める訳にはいかないわ」

ほむら「……でも…私は…まどかを…?」

ほむら「本当は…不可能なの…?私はまどかを救うことなんて…」

ほむら「そうよ…もう無理なのよ……」

ほむら「できない…できないよ…もう無理だよ…」

ほむら「まどかぁ…」

ほむら「まどか…まどかぁ…ポロポロ

ほむら「うぅっ…うぅぅぅっ……」ジワジワ

ほむら「まどかぁぁぁっ」

パリン

諦めてもうた

まどホーム

まどか「ほむらちゃんっ!?」

まどか「ほむらちゃ…?」ハッ

まどか「…えっ?夢落ち…?」

まどか「はぁ…夢かぁ、良かった」

まどか「…夢?」

まどか「あれ?でも今の私って夢なんて見られるわけないよ…?」

まどか「ここは…私の部屋だよね?なんでここに…?それに体も…?」

まどか「……も、もしかして、今までのことが全部夢だったの?」

まどか「そんなはず…!?」

まどか「むにゃむにゃ…」

んん?

まどか(1)「…え?」

まどか(2)「ん…」ゴロン

まどか(1)「えっ?えっ?……えぇっ?」

まどか(1)「あわわっ!えっ?な…な、なんで?」

まどか(1)「わ、私…!?私が2人いる…の?」

まどか(2)「んっ…」パチッ

まどか(1)「あっ…起きちゃった…」

まどか(2)「ふにゃ……?」ポケー

まどか(1)「あ、あの!えっと……」

まどか(2)「………」ジィー

まどか(1)「て、てぃひひ…」

まどか(2)「えっ?えっ?……えぇっ?」

まどか(2)「あわわっ!えっ?な…な、なんで?」


まどか(2)「わ、わたし…!?わたしが2人いる…の?」

まどか(1)「んっとね?これは…えっと…」

わけがわからないがまどっちは天使

まどか(2)「うーん…」パタッ

まどか(1)「あっ…気を失っちゃった…」

まどか(1)「だ、大丈夫?」ユサユサ

まどか(2)「んん……」

まどか(1)「えっと…えぇっと…ど、どうしよう…」

まどか(1)「どうしてこんなことになっちゃったの?」

まどか(1)「どうして私がここに…」

まどか(1)「…もしかして、あのほむらちゃんの…?」

まどか(1)「私…違う世界に…?」

コンコン

知久「まどか、起きてる?」

まどか(パパ?)

まどか(パパだよっ!懐かしいなぁ)

まどか(パパ…!)

知久「まだ眠ってるのかな?そろそろ起きないと遅刻するよ?」

知久「入るね」

まどか「わわっ?待って!お、起きてる!起きてるよ!」

知久「…?そうかい。おはよう、まどか」

まどか「お、おはよう」

知久「それじゃあママを頼むね」

まどか「う、うん…!」

まどか「ふぅ…んと…これで良かったのかな?」

まどか「今、部屋を見られるのは、ち…ちょっと危ないもん」

まどか「んと…大丈夫…だよね?嘘はついてないし…」

まどか(2)「ん…」

まどか(1)「えっと、ごめんね?今はまだ眠っててよ」

まどか(1)「も、もう1人の私…さん?」

まどか(1)「…よーし!とりあえず、ママを起こしに行かなきゃ」

まどか(1)「なるべく普段通りにしないと、かえっておかしいかも知れないもんね」

タツヤ「マーマーおきてー」

詢子「うーん…」

まどか「ママ…!タツヤ…!」

タツヤ「あっ、ねーちゃ…?」

まどか「…タツヤ、おはよう!」ニコッ

タツヤ「ねーちゃ?」

まどか「ママを起こさなきゃ」

まどか「ママ、起きてー?朝だよ?」

まどか(えへへ、懐かしいな)

まどか「おっきろー!」

詢子「うわぁー!」

まどか「おはよう、ママ!」

詢子「んー…もう朝かぁ」

詢子「おはよう、まど…ん?」

まどか「えへへ」

詢子「………」ジィー

まどか「?…どうしたの?」

詢子「あんた…本当にまどか…か?」

まどか「…え?」

詢子「………」

まどか「な、何言ってるの?私だよ?まどかだよっ!」

詢子「…だよなぁ、あはは!寝ぼけてたわ」

詢子「可愛い娘を間違えるわけないもんな」

まどか「ママ…」

詢子「でも雰囲気が違う気がするんだよねぇ…イメチェンしたから?」

まどか「イメチェン…?」

詢子「うん、それだ!」

詢子「まどか、急にイメチェンなんてして、どうしたのさ?」

まどか「えっ?イメチェンなんて…?」

詢子「さてはイメチェンして驚かせようって魂胆だなぁ?」

詢子「どこで買ったかは知らないけど、そのウィッグとカラーコンタクト」

詢子「結構似合ってるじゃん」

まどか「え…?」

詢子「ま、家の中なら好きにしてもいいけどさ。学校には持っていくなよな」

詢子「和子に没収されるぞ?それに…」

詢子「イメチェンなんてしなくても、普段のまどかだって十分可愛いんだからな」

まどか「え…あ、うん…」

タツヤ「ママ、ねーちゃ…へん」

詢子「おはよう、タツヤ。ま…お姉ちゃんもそう言う年頃なのさ」

タツヤ「んー…」

詢子「じゃ、先に行ってくる。まどかはそのウィッグとカラコン外しときなよ」

まどか「……何のことなんだろう」

タツヤ「ねーちゃ!かみ、ながい!」グイグイ

まどか「ぁいたたたっ」

まどか「え?私の髪…長い、の…?」

タツヤ「ながーい!」

まどか「んと…たしか鏡がここに…あっ?」

まどか「えっ?…わ、私…髪がすっごく長くなってる…!」

まどか「それに目の色も…違う…よね?」

自分の姿知らなかったのか

まどか(知らなかった…私の姿、変わってたんだ…)

まどか(…でも、ちょっと可愛いかも)

まどか「えへへ」

タツヤ「ねーちゃ!へん!でも、かあいい!」

まどか「てぃひひ!ありがと、タツヤ!」

タツヤ「てぃへへ」

まどか「タツヤ、朝ごはん食べに行こう?」

タツヤ「あーい!」

知久「まどか、朝ごはんの準備…おや?」

知久「まどか、それは一体…?」

まどか「あっ、パパ。えっとね?これは…」

詢子「ん?まどか、まだ外してなかったのか?」

まどか「えぇっと…う、うん!もうちょっとだけ…ね?」

知久「何時の間にそんなものを…うん、似合ってるね」

まどか「えへへ、ありがと!」

知久「でも、学校には付けていかないこと。わかってるね?」

まどか「あ、はい!わかってます…!てぃひひ!」

知久「うん、それじゃあ朝ごはんにしようか」

知久「タツヤもおいで」

タツヤ「ごはーん」

まどか「……ふふっ」

まどか(ママ、パパ、タツヤ…懐かしいよ)

まどか(また、こうやって会えただなんて)

まどか(…やっぱり、ここはあの世界とは別の…)

まどか(まだ、ほむらちゃんが頑張ってる世界…なのかな?)

まどか(私、なんとかこの世界に来れたんだ…!)

まどか(…概念じゃなくて、体もちゃんとあるもん)

まどか(うん!頑張らなきゃ!)

詢子「まどか、早く食べないと遅刻するぞ?」

タツヤ「ねーちゃ!」

知久「ほら、まどか。朝ごはんだよ」

まどか「…うんっ!」

まどか「えへへ、いただきます!」

まどか「はむっ」

まどか「…おいしい」

まどか「おいしいよっ…!」

知久「コーヒー、おかわりは?」

詢子「んー、今日はまだ時間あるし…うん、おかわり頼むわ」

知久「りょうかい」

タツヤ「みるくー」

詢子「ふふっ、タツヤもたくさん食べて大きくならないとな」ナデナデ

タツヤ「あーい」

知久「あはは。はい、ミルクとコーヒー」

まどか「えへへ……」ジィー

まどか(パパもママもタツヤも…みんな…みんな、生きてるんだよね)

まどか(こうしてみんな一緒にいるんだよね…?)

まどか(私は……)

まどか(私…そっか、嬉しいんだ)

まどか(本当はこんなことしてていいか分かんないけど…でも…)

まどか(久しぶりにみんなと会えて…すごく…嬉しいの)

まどか(パパが作ってくれた、ごはんもすっごく…すっごくおいしい…)

まどか「…ぐすっ……」

詢子「ま、まどか?」

タツヤ「ねーちゃ、ないてる?」

知久「ま、不味かった…かな?」

まどか「ううん…違うの…すっごくおいしい」

まどか「生きてると、パパのごはんがこんなにおいしいの…!」

詢子「まどか…?」

まどか(ダメだな…私、神様になったのに…)

まどか(みんなを見守らなきゃいけないのに…でも、私…)

まどか(うれしい…!)

まどか「っ……」ゴシゴシ

まどか「えへへ…!」ニコッ

詢子「…ふふ、何があったかは聞かないけどさ」

詢子「まどかは」

まどか(2)「わわわっ!遅刻しちゃうよぉー!」

詢子「えっ?」

知久「な…?」

タツヤ「ねーちゃ!」

まどか(1)「あっ…」

まどか(2)「もぉ!何で起こしてくれなかったの?」

まどか(2)「わたし、学校…」

知久「え?…こ、これは…?えっ?」

詢子「……?」

まどか(2)「………え?」

まどか(1)「あ…えと…」

まどか(1)(わ、忘れてた…どうしよ…どうしよ…)

詢子「まどか…が…」

知久「2人……?」

タツヤ「んー、ねーちゃふえた!」

まどか(2)「な…なん…なの…?なんで…?」

まどか(2)「なんで…わたしが…ここにいるの…?」

まどか(1)「えっと…えぇっと…」

まどか(2)「ゆ、夢じゃなかったの…?」

知久「まどか…?なんで…?」

詢子「ど…どうなってるのさ?お、落ち着け……!」

まどか(2)「ひっ…あ…うぅっ…」ガクガク

詢子「…あっちのまどかは何時も通りのまどかだ…でも」

まどか(1)「あ、あのっ!その…?えっと…んっと…」アタフタ

詢子「こっちのまどかは色々と…髪と目…そして雰囲気が少し違う」

詢子「…だけど」

まどか(1)「ど、どうしよ…どうしよ…えぇっと…!」

詢子「違うのはそこだけ…やっぱり、まどかだよ」

詢子「間違えるわけない…まどかは娘なんだ」

詢子「私の大切な…!」

詢子「で、でも…じゃあ…これは…?」

まどか(1)「そのっ…えと!私は…」

まどか(2)「パパぁ…怖いよぉ…」

知久「まどか…」

まどか(2)「パパ…!」ギュッ

まどか(1)「あっ…」

知久「…君は…ううん、君もまどか…だよね?」

まどか(1)「……うん、私は…まどか、だよ」

まどか(1)(でも…本物は…私じゃない…のかな?)

知久「でも、これは…疑いたくはないし、そのつもりもないけど…」

知久「これじゃ、説明がつかないよ…わからない…」

知久「僕は夢を見て…いるのか…?」

まどか(1)「パパ…」

まどか(2)「パパぁ…」

詢子「……この状況で落ち着けってのには流石に無理あるよなぁ」

詢子「ありえないじゃん…こんなの…」

詢子「夢…?それとも…?」

まどか(1)「ママ…えっと、私…」

タツヤ「ねーちゃ!」タタッ

まどか(2)「タツヤ…」

タツヤ「こっち、ねーちゃ!」

まどか(2)「…うん、そうだよ」

まどか(1)「あっ……」

まどか(1)(そ、そうだよね…あっちの私がこの世界の私なんだもん)

まどか(1)(私は…偽者…なのかな?)

タツヤ「ねーちゃ」タタッ

まどか(1)「えっ?」

タツヤ「こっちも、ねーちゃ!」

まどか(1)「……!」

まどか(1)「タツヤぁ…」

タツヤ「てぃへへ」

まどか(2)「…えっと……」

詢子「ふっ……とりあえずは難しいことは抜き…ってとこがいいかな」

詢子「うん、まどかはまどかだ」

知久「…そうだね、正直…理解は出来ないけど、でも」

知久「目の前にいるのは、2人ともまどか」

知久「2人とも僕の大切な娘だよ、これは事実かな」

詢子「うんうん、間違いない。事実さ、本当だよ」

まどか(1)「パパぁ…ママぁ…」

タツヤ「ねーちゃ、なかないで」

まどか(1)「…えへへ、ありがとう。タツヤ」

まどか(2)「………」

まどか(2)(何で…?)

詢子「んー、まぁとりあえずは…さ。コーヒーでも飲んで落ち着こっか」

知久「うん、ひとまずは落ち着かないとね」

知久「ほら、まどか…えっと、2人とも座って?」

まどか(1)「うん…!」

まどか(2)「………」

知久「まどか、どうしたんだい?」

まどか(2)「……おかしいよ…」

まどか(1)「っ…」

まどか(2)「こんなの絶対おかしいよ!」

知久「まどか…」

まどか(2)「なんで…どうして、みんな…そんなに平気でいられるの?」

詢子「……」

まどか(2)「だって、わたしが2人いるんだよ?おかしいよっ…!」

まどか(2)「わたしが、まどかなのに…」

まどか(1)「うぅ……」

詢子「…まどか、そう言いたくなる気持ちはよくわかるさ」

詢子「私だって、平気でいられるわけじゃないよ」

詢子「でも、まどかはまどかなんだ」

まどか(2)「でもっ…でもぉっ…!」

詢子「じゃあまどかは、こっちのまどかは偽者だって?」

詢子「それともふたご?そっくりさん?誰かの変装?」

詢子「まどかはそう思うわけ?」

まどか(1)「ママ…」

まどか(2)「そ、それは…」

詢子「…ま、私にだって何が正解かはわからない。でもな?」

詢子「こっちのまどかも、私の大事な娘のまどか。ってことだけはわかるさ」

まどか(1)「ママぁ…!」

知久「僕もそう思うよ。少なくとも偽者じゃないことは確かだ」

知久「ちょっと…外見は違うけど、中身は間違いなくまどかだよ」

まどか(1)「パパぁ…!」

知久「まどかじゃない別の誰かだと思うよりは、まどかが2人いるって思った方が納得もできるしね」

まどか(2)「………」

知久「まどか、わかってくれるよね?」

まどか(2)「……うん」

知久「ありがとう、まどか」

まどか(1)「あ、あのっ!私…」

まどか(1)「私…は…」

詢子「ん?ちょっと待て!もうこんな時間じゃんか」

詢子「正直、会社に行く状況じゃないけど…休むわけにもいかないもんな」

詢子「それはそれ、これはこれ…か。まぁ仕方ないよな…はぁ…」

詢子「ごめん!今日は絶対に早く帰ってくるから、夜に5人で話し合いってことでさ」

知久「…うん、わかったよ。いってらっしゃい。気を付けてね」

詢子「ごめんな、まどか…行ってくる!」

タツヤ「てってらっちゃーい!」

まどか(1)「い、いってらっしゃい…!」

まどか(2)「……いってらっしゃい」

知久「……はは、今日はすごいねぇ」

まどか(1)「てぃひひ…」

知久「えー…まどか、今日は学校休もうか」

知久「僕も未だに何がなんだか分からないけど、まどかはもっと大変だろう?」

まどか(2)「……うん、そうするね」

知久「学校には僕から電話しておくよ、風邪ってことで」

まどか(2)「わたしは…えと…さやかちゃんに電話してくるね」

まどか(1)「えっ…と……」

タツヤ「ねーちゃ、あそぼ!」

まどか(1)「タツヤ…うん、そうしよっか」

知久「ははっ、まどか。タツヤをよろしくね」

まどか(1)「うん…!」

まどルーム

さやか『留守電かと思った?残念!さやかちゃんでーす』

まどか「あっ、もしもし。さやかちゃん?」

さやか『うん。どったの、まどか?もうすぐ学校だよ?』

まどか「あの…ちょっと風邪ひいちゃったみたいで…」

さやか『えっ?大丈夫なの?』

まどか「うん、大丈夫…かな?でも…」

さやか『…そっか。うん、わかったよ。今日は学校行けない感じ?』

まどか「うん、ごめんね?」

さやか『りょーかい!今日は仁美と2人で行くね』

さやか『あっ、放課後にお見舞い行ってもいーい?』

まどか「えっ?あっ…だ、ダメ…かな?」

さやか『えー?なんで?』

まどか「んと…移しちゃったら悪いし、今日はちょっと…」

さやか『そっかぁ。んー…わかった、んじゃお大事にね!』

まどか「うん、ありがとう」

さやか『うんうん!早く元気になってねー』

まどか「………」

さやか『ん?まどか?』

まどか「さやかちゃん…あのね?もしも…もしもだよ?」

さやか『うん?』

まどか「その…朝、目が覚めて、わたしがもう1人いたら…ど、どうする?」

さやか『えー?あははっ!なにそれぇ?』

まどか「もっ、もしもの話だよっ」

さやか『んー…まどかが2人に増えたらってこと?』

まどか「う、うん…」

さやか『まぁ…楽しい、かな?』

まどか「えっ?た、楽しい?」

さやか『うん!すっごく楽しいかも!』

まどか「えっ?怖かったり…しないの?」

さやか『んー?怖いわけないじゃん!あたしは、まどかが2人だろうが100人だろうが大丈夫だよ?』

さやか『むしろ嬉しいかもねぇー』

まどか「なんで…?」

さやか『だって、まどかはまどかじゃん』

まどか「……!」

さやか『そりゃさ?偽者とかだったら話は違ってくるよ?』

さやか『でも、本物のまどかなんでしょ?なら嬉しいに決まってるじゃん!』

まどか「そっ…か…うん、そうなんだね」

さやか『まぁ、そんなの有り得ない話だけどさ』

さやか『実際にそんなのあったら、すっごくワクワクしちゃいますねー、あたし!』

まどか「…うぇひひ。うん、ありがと、さやかちゃん!」

さやか『えっ?うん』

まどか「あっ、でも…100人はちょっと…」

さやか『わからんぞぉ?まどか100人に囲まれて暮らしたいとか思ってる人もいるかもしれんぞー?』

まどか「うぇひひ!いないよぉー」

さやか『あははっ!ま、100人は言い過ぎかぁ』

まどか「うん、言い過ぎ…えへへ」

さやか『でも、2人ならドンとこーい!って感じ?』

まどか「……うん、ありがとう。わたし、決めることがてきたよ」

さやか『へっ?何を?』

まどか「ううん、こっちの話…かな?とにかく、さやかちゃん…ありがと!」

さやか『んー?よくわかんないけど…まっ、お大事にね?』

さやか『変なこと考えてないで寝なさいよー?』

さやか『さやか隊長の命令であーる』

まどか「えへへ。はい、りょうかいです。さやか隊長」

さやか『うむ!よろしー!』

まどか「うぇひひ、じゃあそろそろ切るね?」

さやか『うん、明日はまた3人で行こうね』

まどか「うん!またね、さやかちゃん」

さやか『またねー、ばいばーい』

まどか「ばいばい」

ピッ

まどか「…そっか、そうだよね」

まどか「あの人も、わたし…わたしと同じなんだよね」

ガチャッ

まどか(2)「?」

まどか(1)「てぃひひ…えっと、お話…いいかな?」

まどか(2)「………」

まどか(1)「あっ、その…無理にとは言わないんだけどね?」

まどか(2)「……ううん、いいよ」

まどか(2)「わたしも、あなたとお話したいなって…そう思ってたから」

まどか(1)「そっか、よかったぁ。ありがと」

まどか(2)「ううん、いいの。…あなたは、その…」

まどか(2)「わ、わたし…だし」

まどか(1)「…うん、そうだね。あなたは私で、私はあなた」

まどか(1)「私もあなたも、鹿目まどかだもんね」

まどか(2)「…えへへ、なんだか不思議な気持ちだなぁ」

まどか(2)「今でも、まだわたしは夢を見てるんじゃないかなって思うんだ」

まどか(2)「でも…いたた!」ムニッ

まどか(2)「うん、やっぱり痛いもん」

まどか(1)「あっ、じゃあ私も…いたた!」ムニッ

まどか(1)「えへへ。うん、やっぱり痛いもん」

まどか(2)「もー!真似しないでよ?」

まどか(1)「えー?真似してないよ?」

まどか(1)「私はただ…」

まどか(2)「うぇひひ!」

まどか(1)「えっ?な、何かおかしかったかな?」

まどか(2)「あっ、ごめんね?ただ…やっぱり、あなたはわたしなんだなぁーって」

まどか(2)「そう思えたから」

まどか(1)「…そっか、てぃひひ」

まどか(2)「でも、最初はすっごく怖かったんだよ?」

まどか(1)「う、うん…だよね…驚かせちゃってごめんね?」

まどか(2)「わたしが2人だなんて、今でも信じられないもん」

まどか(1)「あはは…そ、そう思うよね?」

まどか(2)「でも、さやかちゃんとお話して、少しは落ち着けたかな」

まどか(2)「あなたはわたし…まどかはまどか、なんだよね」

まどか(2)「…夢でも偽者さんでもないんだよね?」

まどか(1)「…うん、そうだよ…!」

まどか(2)「……ねぇ、あなたは何処か別のところから来たの?」

まどか(1)「……うん。えっと、今からお話してもいいかな?」

まどか(2)「お願いするね?あっ…でも、難しい話はちょっと…」

まどか(1)「大丈夫、私も難しい話は苦手だし」

まどか(2)「そっか、だってわたしだもんね」

まどか(1)「うん、だから心配しなくても大丈夫だよ?」

まどか(2)「うぇひひ!」

まどか(1)「てぃひひ!」

まどか(2)「じゃあ、お話して?」

まどか(1)「うん!えーと…何処から話せばいいのかな?」

まどか(2)「どこから来たの?」

まどか(1)「んっとね?こことは違う、別の世界から来た…のかな」

まどか(2)「別の世界から…ど、どうやって?」

まどか(1)「えーと…祈り?魔法…かなぁ」

まどか(2)「えっ?魔法が使えるの?」

まどか(1)「うん、その…私、魔法少女だし」

まどか(2)「ま、まほうしょうじょ…?」

まどか(1)「あはは…うん、魔法少女だよ」

まどか(2)「え?えーっ?魔法少女って…そんなの有り得るのかなぁ?」

まどか(1)「や、やっぱり最初はそう思うよね…」

まどか(2)「あっ、でも…わたしが2人いるんだから、魔法少女がいても不思議じゃないのかな?」

まどか(2)「うーん…どうなんだろう?」

まどか(1)「うーん…どう説明すればいいのかな?」

まどか(2)「そうだ、変身だよ!変身してくれれば分かるかも!」

まどか(1)「そうだ、変身だよ!変身すれば分かってくれるかも!」

まどか(2)「あっ」

まどか(1)「あっ」

まどか(2)「えへへ、やっぱりわたしなんだね」

まどか(1)「えへへ、うん!」

まどか(2)「じゃあ変身してくれるの?」

まどか(1)「うん、見ててね?」

まどか(1)「……!」カッ

まどか(2)「わわわっ?」

まどか(1)「えーと、これが私の魔法少女姿だよ?」

まどか(2)「わぁ…!ほ、ほんとに変身したよ!」

まどか(2)「す、すごいなぁー…!」

まどか(1)「えへへ、何だか照れるかも」

まどか(2)「じゃあ、魔法を使ってこの世界に来たの?」

まどか(1)「うん、自分でもほんとにできるかは分からなかったんだけどね?」

まどか(1)「でも、こうして無事…?に、この世界に来られたのかな」

まどか(2)「そうなんだぁ…あっ、他にも魔法少女はいるの?」

まどか(1)「……うん、魔法少女はたくさんいるよ」

まどか(2)「えっ?ほんとう?」

まどか(1)「うん……」

まどか(2)「ねぇ、わたしの他に誰か知ってる魔法少女っているのかな?」

まどか(1)「……いるよ、大切な友だち…」

まどか(2)「え…大切な友だち……?」

まどか(1)「………」

まどか(2)「…も、もしかして…さやか…ちゃん…?」

まどか(1)「……うん」

まどか(2)「そうだったんだ…あ、それってこの世界のさやかちゃんじゃない…よね?」

まどか(1)「…うん、こっちの世界は大丈夫」

まどか(2)「へぇー、でも何だか凄いね!」

まどか(2)「わたしもさやかちゃんも、魔法少女になれる世界があるんだ」

まどか(1)「……うん」

まどか(2)「ねっ!魔法少女になったら、何でもできるの?」

まどか(2)「例えば…その、誰かの役にたくさん立てるとか!」

まどか(1)「…うん、そうだね。できるよ……」

まどか(2)「じゃあ…!」

まどか(1)「………」

まどか(2)「あっ…ご、ごめんね?言いたくなかった…かな?」

まどか(1)「…ううん、大丈夫だよ」

まどか(2)「えと、その…あなたは魔法少女で、魔法を使ってこの世界に来た」

まどか(2)「これが分かれば、わたしが2人いるのも納得できるかな…?」

まどか(2)「…うん、そうだね。わかったよ、お話してくれてありがと」

まどか(1)「…えへへ、ごめんね?分かりにくかったよね?」

まどか(2)「ううん、大丈夫だよ」

まどか(2)「でも、最後にいいかな?」

まどか(1)「うん、いいよ」

まどか(2)「あなたは、何のためにこの世界に来たの?」

まどか(1)「…大切な友だちも助けるため、かな」

まどか(2)「さやかちゃんを?」

まどか(1)「うん、そうだね。さやかちゃんも助けたいよ」

まどか(1)「さやかちゃんは…まだ…早すぎたんだもん」

まどか(1)「できるなら、もっと別な形の…」

まどか(2)「えっ…と…?」

まどか(1)「それに、他にも大切な友だちがいるの」

まどか(1)「だから私は、さやかちゃんを、ほむらちゃんを…」

まどか(2)「ほむらちゃん?」

まどか(1)「みんなを守りたい!みんなを助けたいの!」

まどか(1)「だから私はここに来たんだ…!」

まどか(2)「……そうなんだ、魔法少女って…大変なんだね」

まどか(1)「仕方ないよ…こればっかりは、魔法少女にならないと分からないから」

まどか(1)「でも、私は後悔なんてしてないよ…!」

まどか(1)「だって、みんなを助けることができるかもしれないんだもん」

まどか(1)「だから…頑張らなきゃ」

まどか(2)「その…他人事見たいに聞こえるかも知れないけど」

まどか(2)「頑張って…!」

まどか(1)「…えへへ、ありがとう」

まどか(2)「うん…ごめんなさい、調子に乗っちゃって」

まどか(1)「ううん、いいの。私は大丈夫だから」

まどか(2)「…ねぇ、魔法少女はみんな、あなたみたいにこの世界に来られるの?」

まどか(1)「…ううん、違う…かな?」

まどか(1)「私も違う世界に来たのは初めてなんだ」

まどか(2)「じゃあ、普通ならできないの?」

まどか(1)「うん、魔法少女にもよるけど普通ならできない…かな」

まどか(1)「でも中には…何度も何度も繰り返して…」

まどか(1)「ほむらちゃんっ……」

まどか(2)「………」

まどか(1)「あ…ご、ごめんね?何でもないよ」

まどか(2)「その、ほむらちゃんって子を助けに来たんだね」

まどか(1)「えっ?わかるの…?」

まどか(2)「うん、なんとなく…なんだけどね?」

まどか(2)「あなたと話を聞いて…わたし、わかったんだ」

まどか(2)「ほむらちゃんって子が、さやかちゃんと同じくらい」

まどか(2)「あなたにとって、すごく大切な友だちなんだなって」

まどか(2)「んと、よくんないけど…一週間したら助けに?」

まどか(1)「うん、そのつもりだよ」

まどか(2)「そっかぁ…頑張ってね!」

まどか(2)「…わたしなのに、他人事みたいでごめんなさい」

まどか(1)「大丈夫だよ、あなたは有りの侭の鹿目まどかでいればいいの」

まどか(1)「あなたは、家族を友だちを大切にしてくれれば、それだけでいいの」

まどか(1)「それが一番だから」

まどか(2)「うん…!」

まどか(1)「ふふっ」

まどか(2)「…ね、あなたの世界のパパやママ、タツヤはどうしたの?」

まどか(2)「あなたがこっちの世界に来てて心配じゃないのかな?」

まどか(1)「………大丈夫」

まどか(2)「でもっ…」

まどか(1)「……パパもママも…私のことは忘れちゃったから」

まどか(2)「えっ?」

まどか(1)「仕方…ないよ…私はもう、人間じゃないから」

まどか(2)「えっ?えっ?どういうこと?あなたは人間じゃないの?」

まどか(2)「魔法少女は人間じゃないの?」

まどか(1)「っ…」

まどか(2)「えっと…」

まどか(1)「…ううん、魔法少女は人間だよ…!」

まどか(2)「あっ、そうなんだ!良かった…」

まどか(2)「あれ?でもそれじゃあ何であなたは…?」

まどか(1)「私…概念、なんだ」

まどか(2)「え?が、概念…?」

まどか(1)「…うん」

まどか(2)「概念って、えっと…んっと…その…えぇっと」

まどか(2)「と、とにかく!概念には見えないよ?」

まどか(2)「体もあるし、こうしてお話できてるもん!」

まどか(1)「…うん、私も驚いてるんだ」

まどか(1)「こうして誰かとお話したのも久しぶりだし」

まどか(1)「パパのごはんを食べたのもすっごく久しぶりだったんだ」

まどか(1)「えへへ、パパの料理ってとっても美味しいよね!

まどか(2)「………」

まどか(1)「あれっ?どうしたの?」

まどか(2)「ぐすっ…うっ…うぅっ…」

まどか(1)「わわっ?えっ?あの…えぇっと…ご、ごめんね?」

まどか(1)「わ、私…何か嫌なこと言っちゃったかな?」

まどか(2)「…ううん、違うの……」

まどか(1)「でもっ…」

まどか(2)「あなたがいなくなった事…」

まどか(2)「あなたが存在した事…誰も覚えてないの?」

まどか(1)「………」

まどか(2)「…酷すぎるよ」

まどか(2)「あなたは、みんなの為にずっと独りぼっちで頑張ってるのに」

まどか(2)「誰にも気づいて貰えないなんて…寂しすぎるよ…」

まどか(1)「……ううん、違うよ」

まどか(2)「なんでっ?」

まどか(1)「これは、私が望んだことだから…!」

まどか(1)「それに私のこと、覚えていてくれる人もいるから」

まどか(1)「だから、私は頑張れるの」

まどか(2)「……なら、さ」

まどか(2)「この世界のパパ、ママ、タツヤ…それにさやかちゃんや仁美ちゃん」

まどか(2)「みんなと…この世界では仲良くしようよ!」

まどか(1)「…!」

まどか(2)「あなたは概念かもしれない…この世界の人間じゃないかもしれない…」

まどか(2)「けどっ…あなたは、わたしなの!」

まどか(2)「鹿目まどかなのっ!だから…だからっ、あなたはみんなと一緒に…ね?」

まどか(1)「……えへへ、ありがとう…!」

まどか(1)「うん…恥ずかしいけど、またパパやママに甘えたい」

まどか(1)「さやかちゃんや仁美ちゃんと遊びたいっ」

まどか(1)「ほむらちゃんと会いたい…!マミさんや杏子ちゃんとも会いたい…!」

まどか(1)「またみんなと会いたいよっ!」

まどか(2)「うん、そして…」

まどか(2)「わたし、あなたの力になりたい…あなたを助けたいの!」

まどか(2)「だから…わたしとも仲良くしてくれたら、それはとっても嬉しいなって」

まどか(2)「そう想うから…」スッ

まどか(1)「…うんっ!」ギュッ

まどか(2)「えへへ、わたし鹿目まどか」

まどか(2)「よろしくね、鹿目まどかさん!」

まどか(1)「うん!私も鹿目まどか」

まどか(1)「よろしくね、鹿目まどかさん!」

まどか(1)「てぃひひ!」

まどか(2)「うぇひひ!」



詢子「なるほどねぇ…」

知久「別の世界から来た魔法少女で、しかも概念…か」

まどか(1)「信じてくれるの…?」

詢子「まぁ、話だけだったら信じるのは難しいかもしれないよなぁ」

知久「うん、あまりにも現実味がないから…でも」

詢子「うん、実際に魔法少女に変身した上にさ、まどかは嘘をつく子じゃないからね」

詢子「それに、まどかが2人いた時点でいろいろ覚悟はしてたしさ」

知久「ははっ、そうだね。まどかが2人の時点で現実味なんてなかったんだ」

知久「もちろん、まどかが嘘なんてつくわけないのも分かってるよ」

まどか(1)「なら…」

詢子「うん、私もパパもまどかのこと信じるに決まってるだろ?」

知久「まどか、本当のことを話してくれてありがとう」

まどか(1)「ママ…!パパ…!」

まどか(2)「ね?絶対に信じてくれるって言ったでしょ?」

まどか(1)「うんっ…!」

タツヤ「うー、ねーちゃは、ねーちゃ!」

知久「うん、タツヤの言う通りだね」

知久「例え、別の世界から来たとしても、人間じゃなくて概念だったとしても」

知久「まどかはまどかだよ。僕たちの大切な娘、宝物なんだ」

まどか(1)「パパぁ…!」

詢子「まどか…」ギュッ

まどか(1)「あっ、ママ…」

詢子「…まどか、頑張ったな…たった一人で…」

詢子「でも、どんな姿になっても、何処に行っても…まどかは私達の娘だ」

詢子「まどか…私はまどかのママだ、好きなだけ甘えていいんだぞ…?」

まどか(1)「ママ…」

まどか(2)「うん、いいんだよ」

詢子「ほらっ…まどか…!」

まどか(1)「ママ…ぐすっ…ママぁ…!」

詢子「まどかっ!」

まどか(1)「うぅっ…寂しかったよぉ…会いたかった…うぅ…」

詢子「まどか…」ナデナデ

知久「まどかは人間だよ、概念じゃ泣くことも喜ぶこともできないからね」

知久「まどか…頑張ったね」

まどか(1)「パパ…パパぁ…!」

知久「今夜はまどかの好物のクリームシチューだよ、いっぱい食べようね」

まどか(1)「うんっ…!」

タツヤ「ねーちゃ!」

まどか(1)「タツヤぁ…!」

まどか(2)「よかった…よかったよぉ…」

数分後

まどか(1)「えへへ、ありがとう。もう大丈夫だよ」

詢子「うん、でも何時でも頼ってくれていいんだからな?」

詢子「娘は親に甘えるのが仕事なんだぞ?」

まどか(1)「えへへっ、うん!」

知久「よーし、それじゃ晩ごはんにしようか」

まどか(2)「あっ、わたし準備してくるね!」

知久「うん、よろしくね」

まどか(1)「待って、私も手伝うよ!」

まどか(2)「わたし一人で大丈夫だよ?あなたはみんなと…」

まどか(1)「ううん、久しぶりにお手伝いもしたいの!」

まどか(2)「そっか、じゃあ2人でやろう?」

まどか(1)「うんっ!」

まどか(2)「えへへ!」

まどか(1)「えへへ!」

ノーマルまどかが「わたし」
円環まどかが「私」

タツヤ「ねーちゃ、なかよし!」

詢子「ふふっ、こうして見るとまるで姉妹だね」

知久「うん、ふたごだったらこうなっていたのかな?」

知久「そうだ…呼び名はどうする?」

詢子「そんなの決まってるじゃん、2人とも『まどか』だよ」

知久「うん、やっぱりそうだよね」

詢子「ややこしいかも知れないけどさ、2人ともまどかなんだ。それに名付け親は私達でしょ?」

詢子「自分が付けた名前を変えるなんて絶対できないよ」

知久「ああ、『まどか』だもんね」

知久「僕たちの宝物だよ、本当に」

詢子「うん…!」

まどか(1)「準備できたよっ」

まどか(2)「食べようよー」

知久「はは、まどかが呼んでるよ」

詢子「うん、5人で食べよっか。タツヤ、おいで」

タツヤ「あーい!」

まどか(2)「えへへ、準備できたね?」

まどか(1)「うん、それじゃあ…」

鹿目一家「いただきます」

まどか(1)「はむっ…」

知久「どう?」

まどか(1)「おいしい…!おいしいよ、パパ!」

まどか(2)「パパのクリームシチューは世界一だよね」

まどか(1)「うんっ…!」

知久「そっか、よかった。いっぱいあるから、おかわりしてね」


まどか(1)「うん!」

まどか(2)「えへへ、おいしいね」

まどか(1)「えへへ、おいしいよ」

まどか(2)「うぇひひ!」

まどか(1)「てぃひひ!」

数時間後

まどか(2)「久々のお風呂、気持ちよかったでしょ?」

まどか(1)「うん!それに楽しかったね」

まどか(2)「えへへ」

詢子「すっかり仲良くなったよなぁ、2人で一緒にお風呂なんてさ」

まどか(2)「わたし同士だから恥ずかしくないもん、ねー?」

まどか(1)「ねー!」

詢子「あははっ、そっか。それは良かった」

まどか(1)「えへへ」

詢子「うーん…学校はどうするんだ?」

まどか(1)「あっ、それは…」

まどか(2)「ねえ、お姉ちゃんは神様なんでしょ?」

まどか(1)「う、うん…一応…神様…なのかな?」

まどか(1)「で、でもっ!そんな大したものじゃないよ?」

まどか(2)「えー?そうかなぁ?」

まどか(1)「そうだよぉ」

詢子「ふふっ、まぁ…さ。神様だろうが概念だろうが」

詢子「まどかはまどかで良いじゃんか」

まどか(1)「…うん!」

まどか(2)「それもそうだね…でも、神様だったならさ」

まどか(2)「なにかこう…願えば学校に行けるんじゃないかな?」

まどか(1)「願えば?」

まどか(2)「うん、お姉ちゃんが『学校に通えますように』って祈るの」

まどか(2)「そしたら、この世界に来られたように出来るんじゃないかな?」

まどか(1)「うーん…そんなに都合よくできるかわからないけど、やってみるね?」

まどか(2)「うん」

まどか(1)「………!」

まどか(1)「あはは…一応祈ってみたけど、どうかな?」

詢子「ん?電話…和子からか」ピッ

詢子「えっ?転校生が急に?うん…うん…」

詢子「そっか、頑張りなよ!んじゃ」

まどか(2)「先生になにかあったの?」

詢子「まどか…すごいなぁ…」

まどか(1)「えっ?」

詢子「来週、転校生が2人来るんだとさ」

詢子「しかも2人目は急に決まったんだとさ」

まどか(1)「えっ?なら…」

まどか(1)「えっ?なら…」

まどか(2)「ほらっ!言ったでしょ?お姉ちゃんが祈ればできるって!」

まどか(1)「う、うん…!」

詢子「いやぁ…やっぱ神様…なのか?」

詢子「娘が神様なんて実感ないわぁ」

まどか(1)「わ、私だって…」

詢子「あはは、冗談だよ。それよりも気になってたんだけどさ」

詢子「何で『お姉ちゃん』なんだ?」

まどか(2)「あ、それはね?ほら…2人の時なら『あなた』で通じるけど」

まどか(2)「人がたくさんいるとややこしいでしょ?だから2人の呼び名を決めたの」

まどか(1)「私は『まどかちゃん』」

まどか(2)「わたしは『お姉ちゃん』って呼ぶことに決めたんだ」

詢子「へぇ…でも『お姉ちゃん』なのは何でさ?」

まどか(2)「えへへ、あのね?実は昔…タツヤが生まれた後かな」

まどか(2)「わたしにも」お姉ちゃんが欲しいな…って思ったことがあってね 」

まどか(1)「私もそんな時期があったから分かるの」

まどか(1)「それに、まどかちゃんも私だもん」

まどか(2)「うん、だから思いきって、もう一人のわたしを『お姉ちゃん』って呼ぼうって決めたんだよ」

まどか(1)「そして私は『まどかちゃん』…えへへ、姉妹ごっこかな?」

詢子「そっか、まどかが決めたならそれで良いよ」

詢子「んじゃ、そろそろ寝な。明日は学校休んじゃダメだからな」

まどか(2)「はい、わかってます…えへへ」

詢子「んで、そっちのまどかは念のため転校に備えときなよ?」

まどか(1)「はーい」

まどか(2)「それじゃ、寝よっか?」

まどか(1)「うんっ」

詢子「あっ、布団は…」

まどか(2)「大丈夫、2人でベッドで寝るから!」

まどか(1)「だから大丈夫だよ」

詢子「…ふふっ、ほんと仲良しだなぁ」

詢子「わかった、風邪引かないように寝るんだぞ?おやすみ」

まどか(1)「おやすみなさーい」

まどか(2)「おやすみなさーい」

まどルーム

まどか(2)「えへへ、やっぱり少し狭いね」

まどか(1)「ご、ごめんね?」

まどか(2)「ううん、いいの。それに…」

まどか(2)「こっちの方があったかいから」ギュッ

まどか(1)「あっ…」

まどか(2)「えへへ、おやすみなさい」

まどか(1)「…うん、おやすみなさい…!」

まどか(1)「えへへっ」

まどか(1)「みんな、今までありがとう」

まどか(1)「私、この世界に来て…みんなに会うことができて」

まどか(1)「ほんとに…ほんとに良かったって思ってるんだ」

まどか(1)「お別れしちゃうのは…寂しいけど…でも」

まどか(1)「でもっ!私はみんなと…みんなの側にいるから!」

まどか(1)「何時までも、何処までも…ずっと、ずっと…!」

まどか(1)「だから…」

まどルーム

まどか(2)「待ってっ!」

まどか(2)「お別れなんて嫌だよっ!行かない…で…?」ハッ

まどか(2)「…えっ?夢落ち…?」

まどか(2)「はぁ…夢かぁ、良かった」

まどか(2)「…夢?」

まどか(1)「むにゃむにゃ…」

学校でなんて名乗るんだろう

まどか(2)「あっ…えへへ、こっちは夢じゃないんだ…良かった」

まどか(1)「ん……」ゴロン

まどか(2)「うぇひひ、気持ち良さそうに眠ってるなぁ」

まどか(2)「ベッドで眠るのも…久しぶりだったんだよね」

まどか(2)「わたし…」ナデナデ

まどか(1)「んー…」

まどか(2)「ふふっ、でも起こさなきゃ」

まどか(2)「おっきろー!」

まどか(1)「わわわっ?」

まどか(2)「うぇひひ!」

まどか(1)「ふにゃ……?」

まどか(2)「えへへ、おはよう。良い朝だよ」

まどか(1)「えっ?あっ…えへへ、おはよう」

まどか(2)「よく眠れた?」

まどか(1)「うん、おかげさまで…てぃひひ」

まどか(2)「そっか、良かった」

まどか(2)「わたしは学校に行くけど、あたなは今日何するの?」

まどか(1)「今日はね?ほむらちゃんをちょっとだけ見に行こうと思うんだ」

まどか(2)「ほむらちゃんを…そっか、頑張ってね」

まどか(1)「うん!…と言っても、見るだけなんだけどね」

まどか(2)「それでもだよ、頑張って」

まどか(1)「えへへ、ありがと。じゃあ朝ごはん食べよっか」

まどか(2)「うんっ」

数時間後 病院

まどか「たしか…この部屋だよね?」

まどか「ほむらちゃん、いるのかな…?」

ほむら「もう少しで退院…かぁ」

ほむら「見滝原中学校…わたし、大丈夫なのかな?」

ほむら「お友だちできるかな…?できると良いな…」

ほむら「でも…わたし…」

ほむら「はぁ…」

まどか「ほむらちゃん…」

まどか(やっぱり、今の時間だとまだ魔法少女になってないんだね)

>>170
まどかのお姉さんのまどかみです

まどか(これが本当の…有りの侭のほむらちゃんなんだ)

まどか(こんなにか弱い子が、私の為に…何度も…)

まどか(ほむらちゃん…ごめんなさい、そして…ありがとう)

まどか(今度は私がほむらちゃんを助けてみせるからね)

まどか(もう、ほむらちゃんに辛い想いをさせたくないから…!)

まどか(…ほむらちゃんと同じ日に転校できるはずだよね)

まどか(今度は…私の番だよ)

数日後 病院

ほむら「………」パチッ

ほむら「また…まどかを救えなかった…」

ほむら「もうこれで…何度目なのかしら?」

ほむら「私は本当にまどかを救えるの…?」

ほむら「まどかぁ…うっ…うぅぅ…」

ほむら「っ…」ゴシゴシ

ほむら「まだ…諦める訳にはいかないわ」

ほむら「絶対に…!」

ほむら「………」

ほむら「まどか…」

数日後 学校

さやか「ねー?まどか、今日転校生が来るってほんと?」

まどか「うん、それに2人もだよ」

さやか「えー?2人も?なんでまどかが知ってるの?」

まどか「うぇひひ、内緒だよっ」

さやか「むー!けちっ」

まどか「ほらっ、先生が来るよ」

和子「はい、今日は皆さんに嬉しいお知らせがあります」

和子「心して聞くように!」

まどか(もう一人のわたしと、ほむらちゃんだね)

和子「今日からこのクラスに転校生がやってきます」

さやか「うわ、マジだった」

まどか「ほら、言ったでしょ?」

さやか「う、うん…!」

和子「暁美さん?いらっしゃい」

ほむら「………」スタスタ

まどか(あの子が…ほむらちゃん…!)

ほむら(この光景…何度目のかしら?)

ほむら(……わからない)

ほむら(もう私は…とっくに迷子に……)

和子「暁美さん、自己紹介いってみよう!」

ほむら「…暁美ほむらです…よろしくお願いします…」

さやか「うわー!あの転校生って美人だね、まどか」

まどか「うん…!」

まどか(ほむらちゃん…もう一人のわたしの、大切な友だち…!)

ほむら(私は…何時までこれを繰り返すのかしら…?)

ほむら(まどかを救う日まで?それとも…)

ほむら(まどかぁ…)

ほむら「…」ジッ

まどか「…!」

まどか(ほむらちゃん…)

まどか「えへへ」ニコッ

ほむら「!」

ほむら(まどか…笑って…?)

和子「そして、もう1人転校生がいます」

さやか「わわっ!これもマジだったよ!」

まどか「…」クスッ

まどか(次はもう一人のわたしだよ)

ほむら「……えっ?」

ほむら(今まではそんなことなかったのに…何で?)

和子「いらっしゃい」

ガラッ

まどか(1)「えへへ」テクテケ

ザワザワ

ほむら「!?」

ほむら(な…!?)

さやか「えっ?ちょっ…!えぇっ!?」

まどか(1)「みんな…はじめまして!」


まどか(1)「私は環理まどかです!」

か…環理

ほむら「まど…か…?」

ほむら(どう言うこと…?だってまどかは彼処に…)

まどか(2)「うぇひひ!」ニコッ

まどか(1)「てぃひひ!」ニコッ

さやか「えっ?ええーっ!?あの転校生、まどかにそっくりじゃん!」

さやか「しかも名前まで同じだし?えっ?なにこれ?奇跡?魔法?」

和子「ふふっ、みんなが驚くのも無理ないわよね?私だって驚いたんだもの」

さやか「いや、驚くとかそう言うレベルじゃ…!」

和子「環理さんは、鹿目さんの遠い親戚なの」

和子「親戚でも、容姿や名前まで一緒だと、奇跡みたいよね」

さやか「そ、そうなの?まどか…?」

まどか(2)「うん、そうだよ。お姉ちゃんはわたしの親戚なの」

さやか「えぇ…親戚と言うより、ふたごじゃん…」

まどか(2)「うぇひひ、そうかもね」

ほむら「まどか…?」

ほむら(信じられない…こんなことが…?)

まどか(1)「えへへ」ニコッ

まどか(1)(ほむらちゃん…!)

ほむら「……!」

和子「みんな、暁美さんと環理さん。2人の転校生と仲良くしましょうね」

休み時間

ほむら「………」

ほむら(環理まどか…まどかの、鹿目まどかの親戚…?)

ほむら(本当に…?でも、まどかが2人いるとは思えないし)

ほむら(本当に唯のそっくりな親戚なのかしら?)

「ねぇねぇ!環理さん!」

「私達とお話しようよ!」

まどか(1)「みんな、ごめんね?私、暁美さんにお話があるの」

ほむら「…!」

まどか(1)「暁美ほむらちゃん…だよね?お話があるの」

ほむら「…環理まどか……」

まどか(1)「ついて来てくれないかな?」

ほむら「……わかったわ」

まどか(1)「えへへ、ありがとう」

ほむら(まどか…)

さやか「ちょっと、まどかー!聞いてないよ?」

さやか「あんた、あんなにそっくりな親戚いたの?違うのは名字と髪と目くらいじゃん!」

まどか(2)「うぇひひ、隠しててごめんね?」

さやか「もしかして、この前の電話ってこのことだったの?」

まどか(2)「うん、そうかな」

仁美「環理さん、本当にまどかさんと瓜二つですわね」

さやか「実はもう一人のまどかなんじゃないの?」

まどか(2)「えっ?」

さやかって鋭いわ

さやか「ドッデスキャンサーみたいな?」

仁美「…ドッペルゲンガーですわ、さやかさん」

さやか「え?あー…まぁ何だっていいじゃん!」

まどか(2)「あはは…さやかちゃん」

仁美「うふふ」

さやか「も、もう!いいじゃん名前なんて別にさ!」

さやか「意味が伝わればそれでいいの!」

まどか「うぇひひ、そうだね」

さやか「それよりも…よーし!そっくりな転校生にも聞いてみよう!」

「環理さんなら、さっき暁美さんと出掛けたよ?」

さやか「なにー?美人の転校生め、抜け駆けは許さんぞぉ!」

さやか「行くよ!まどか!仁美!」

仁美「私は遠慮しておきますわ」

まどか(2)「わたしも…ちょっと…」

まどか(2)(邪魔したくないし…)

さやか「いーや!行くの!ほらっ、立って!」ガシッ

まどか(2)「えっ?」

さやか「しゅっぱーつ!」

まどか(2)「わわっ?離してよ、さやかちゃーん!」

仁美「あらあら」クスッ

ほむら「…環理まどか、何処までつれて行く気?」

ほむら「私は鹿目まどかにようがあるの」

まどか「……私ね?家族や友だちのこと大切だと思ってるよ」

ほむら「……えっ?」

まどか「パパもママもタツヤも…さやかちゃんも仁美ちゃんも」

ほむら(まどか…?)

まどか「それに、マミさんや杏子ちゃんだって」

ほむら「!?……な、なぜ…あなたが彼女たちを…?」

ほむら(まさか…?)

まどか「そして…ほむらちゃん。あなたも…!」

ほむら「!」

まどか「みんな…みんな大好きだもん!」

ほむら「まど…か…?」

ほむら「まどか…?まどかなの?」

まどか「うん、そうだよ。私は鹿目まどか」

ほむら「!!」

まどか「ほむらちゃん、やっと会えたね…!」

ほむら「まどか…私が分かるの?私のこと覚えていてくれたの?」

まどか「そうだよ、忘れるわけないよ。だって…」

まどか「ほむらちゃんは私の最高の友だちだから…!」

ほむら「まどかぁ…!」

まどか「ほむらちゃん」ギュッ

ほむら「まどか…っ!」ギュッ

まどか「…私ね別の世界から来たんだよ」

ほむら「え…?」

まどか「今度は、私がほむらちゃんを助ける番なの」

ほむら「まどか…?」

まどか「ごめんね…ほむらちゃん…私が『バカな私を助けて』なんて…」


ほむら「…!」

まどか「ほむらちゃんに、私が呪いかけちゃって…」

まどか「そのせいで…ほむらちゃんはずっと…何度も何度も…」

ほむら「まどか…」

まどか「ほむらちゃん…ごめんなさい…」

ほむら「…ううん、違うわ。まどか…あれは呪いなんかじゃない」

ほむら「あのまどかと交わした約束があったから、私はずっと頑張ることができた」

ほむら「あれは、私の道標…希望だから…!」

まどか「ほむらちゃん…ありがとう…ごめんね」

ほむら「ううん、いいの…それに、あなたは私を覚えていてくれた」

ほむら「これだけで私は戦えるわ…!」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「まどか…!」

まどか「えへへ」

ほむら「……でも、どうしてあなたがここに?」

ほむら「別の世界から来たって…一体…」

まどか「…実はね、私…もう魔法少女なんだ」

ほむら「…そうよね」

まどか「ごめんね、ほむらちゃんがせっかく頑張ってくれたのに」

まどか「私、契約しちゃって…」

ほむら「…いえ、良いわ。仕方のないことよ」

まどか「んと…もうすぐ授業始まるから、後になるけど…」

まどか「大事なお話があるの…聞いてくれる?」

ほむら「ええ、もちろんよ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん…!」

ほむら「まどか…!」

さやか「ひゃー…あの2人、抱き合って何言ってるんだろ?」

まどか(2)「とっても大切なお話だと思うよ」

さやか「うーん…そうなのかなぁ」

まどか(2)「もう教室に帰ろう?授業始まっちゃうよ?」

さやか「ん、りょーかい!」

まどか(2)「…良かった、ちゃんとお話できたんだ」

さやか「へっ?何か言った?」

まどか(2)「ううん、何でもないよ」

昼休み

まどか(1)「ほむらちゃん、屋上でいいかな?」

ほむら「ええ、わかったわ」

さやか「ちょっと待ったぁー!」

まどか(1)「あっ、さやかちゃん…」

ほむら「美樹さやか…」

さやか「へっ?なんで2人とも、あたしのこと知ってんの?」

まどか(1)「えっ?いやっ…それは…」

ほむら「……」

さやか「ん?まさか…まさかっ!」

まどか(1)「あっ…」

まどか(1)(せっかく、さやかちゃんと会えたのに…どうしよ…)

まどか(1)(さやかちゃんも助けたいのに…)

さやか「さやかちゃんの美貌は他所の学校まで広まっていたのかー!?」

まどか(1)「え?あー…んっと…」

ほむら「はぁ…」

さやか「もー!突っ込んでよぉー」

まどか(1)「てぃひひ…ごめんね?」

まどか(1)(さやかちゃん…!)

まどか(2)「さやかちゃんことは、わたしがお話したの」

まどか(2)「ねっ?お姉ちゃん!」

まどか(1)「うん、まどかちゃん」

さやか「あっ、まどか…」

さやか「そっか、まどかがまどかにあたしのことを…」

さやか「って!ややこしくない?」

さやか「しかも、まどかが『まどかちゃん』って呼んでるよ」

さやか「うーん…ややこしー…」

さやか「あっ、そう言えばあたし転校生のこと、ナチュナルに『まどか』って言ってるね」

さやか「いやぁ…あまりにもまどかと瓜二つだからさ、何だか初対面な気がしなくってさ」

さやか「えーと…」

仁美「さやかさん」チョンチョン

さやか「ん?」

仁美「ふふ、困っていますわ」


まどか(1)「てぃひひ…」

まどか(2)「うぇひひ…」

ほむら「はぁ…」

さやか「あー、ごめん!1人で喋りすぎたかも」

まどか(1)「ううん、大丈夫だよ」

さやか「えへへ、ありがと。あたしは美樹さやか!」

さやか「よろしくね!環理まどかさん!暁美ほむらさん!」

仁美「私は志筑仁美です、よろしくお願いします」

まどか(1)「うんっ!よろしくね、さやかちゃん!仁美ちゃん!」

ほむら「……よろしく」

まどか(1)「てぃひひ!」

まどか(2)「うぇひひ!」

ほむら「!」

ほむら(まどか…!)

まどか(2)「わたし、鹿目まどか。よろしくね、ほむらちゃん…!」

ほむら「ええ、よろしく…!」

ほむら(そうよ、こっちのまどかなのよね)

ほむら(まどかが2人…)

ほむら「まどか…!」

さやか「でさ!一緒にお弁当食べようよ!」

さやか「今から屋上に行くんでしょ?あたし達も行っていいよね?」

仁美「宜しかったらで良いのですが…」

まどか(1)「うん、大丈夫だよ。ほむらちゃん、いいよね?」

ほむら「ええ、ただ…」

まどか(1)「うん、お話だよね?それも大丈夫だよ」

ほむら「そう、なら良いわ」

まどか(2)「えへへ、それじゃあ屋上に行こう?」

まどか(1)「うんっ」

さやか「行こっ!」

屋上

まどか(1)「みんなは先に食べてて?私はほむらちゃんとお話があるから」

まどか(2)「うん」

さやか「待っとくね」

仁美「私たちもお話していますね」

まどか(1)「ありがと。ほむらちゃん、行こっ?」

ほむら「ええ」

まどか(2)(頑張って…!)

さやか「それにしても、あの転校生ズ妙に仲良くない?」

さやか「まるで昔から仲良かったみたいだよねぇ」

さやか「初対面じゃないみたい…それに、まどか似の転校生も初めて会ったとは思えないんだよね」

さやか「…まっ、それはまどかと似てるからか!」

まどか(2)「…うん、そうだね」

さやか「休み時間なんてさ、2人で抱き合ってたんだからね?」

仁美「まあ!それは本当ですの?」

さやか「う、うん」

仁美「いけませんわ!女性同士でそんな…!」

さやか「あはは、仁美…」

まどか(2)「あはは…」

まどか(2)(でも、仕方ないよ…だって、もう1人のわたしと、ほむらちゃんは…)


まどか(2)(今度は上手く行くといいな…)

まどか(2)(ううん、上手く行くよ!)

まどか(1)「ここなら大丈夫かな」

ほむら「ええ。それで、話って何?」

まどか(1)「…ほむらちゃんにお願いがあるの」

ほむら「お願い…?私に?」

まどか(1)「うん…!」

ほむら「わかったわ、何でも話して?」

ほむら「まどかの為なら、私は…!」

まどか(1)「…ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「そのお願いは?」

まどか(1)「…ほむらちゃん、私…もうほむらちゃんに傷付いて欲しくないの」

ほむら「えっ?」

まどか(1)「ほむらちゃん…もう1人で戦うのはやめて?」

ほむら「っ…!」

まどか(1)「…今まで、ほむらちゃんがしてきた事を否定してるわけじゃないの」

まどか(1)「今まで…ずっとほむらちゃんがしてくれた事が今の私になって」

まどか(1)「…やっと、知ることができたんだ」

ほむら「まどか…」

まどか(1)「だからこそ、ほむらちゃんにこれ以上傷付いて欲しくないの」

まどか(1)「ほむらちゃん…もうボロボロだよ…?」

まどか(1)「私なんかの為にずっと頑張って…」

まどか(1)「こんなこと、ほむらちゃんに言っちゃいけないのかも知れないけど…」

まどか(1)「…私は、ほむらちゃんに笑顔でいてほしいんだ」

ほむら「笑顔…?」

まどか(1)「うん、ほむらちゃんが皆と一緒に笑えるような…」

まどか(1)「そんな優しい毎日をほむらちゃんにおくって欲しいの」

ほむら「……でも、私は魔法少女よ」

ほむら「私に救いなんて…ないわ」

まどか(1)「ほむらちゃん…」

ほむら「…でも私は、まどかを救うことができれば…それが…」

ほむら「それだけが私の救いになるわ。だから私は戦い続ける」

ほむら「まどかの為なら、例え死んでも構わない」

まどか(1)「ほむら…ちゃん…」

ほむら「…まどか、あなたが私の事を心配してくれるのは嬉しいわ」

ほむら「それに、私を覚えていてくれた…!」

ほむら「私はそれだけで十分よ。ありがとう、まどか」

ほむら「…私は今度こそまどかを…向こうにいる、もう1人のあなたを救ってみせる」

ほむら「絶対にまどかを契約させないわ」

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「だから私は大丈夫よ、まどか」

ほむら「それに…あなたと会えてよかった」

まどか「……ほむらちゃん、今度は私も一緒に戦うよ」

ほむら「えっ?」

まどか「ほむらちゃん1人じゃ…ワルプルギスは…」

ほむら「………」

まどか「でも、みんなと力を会わせれば絶対勝てるよ!」

まどか「マミさんや杏子ちゃんだっているんだよ?」

まどか「だから…!」

ほむら「……まどか、あなたは何処まで知っているの?」

まどか「えっ?」

ほむら「…私のしてきたこと全部…なの?」

まどか「…うん」

ほむら「なら分かるはずよ!私たちは協力なんてできない…!」

ほむら「ただ…悲しみを生むだけよ…」

まどか「そんな…」

ほむら「私はもう…あなたの泣くところを見たくないわ」

ほむら「佐倉杏子はともかく、巴マミは…」

ほむら「彼女とは…」

まどか「そんなことないよ!マミさんだって本当は…!」

まどか「みんな、仲良くしたいはずだよ!同じ魔法少女なんだよ?」

ほむら「…でも……」

まどか「……ほむらちゃん、私の話…まだ全部してなかったよね?」

ほむら「…ええ」

まどか「私、全部話すね?信じてくれる…かな?」

ほむら「大丈夫よ、信じるわ」

まどか「ほむらちゃん、私はね―」

一方

さやか「あの2人話長いなぁ…」

仁美「まだ時間はありますし」


まどか「ゆっくり待っとこうよ、さやかちゃん」

さやか「うん、そうだねぇ…あっ、そうだ!」

さやか「まどかはさ、まどかそっくりの転校生のこと『お姉ちゃん』って呼んでるじゃん」

まどか「うん、それがどうかしたの?」

さやか「ほらぁ、あたしが転校生のこと『まどか』って呼んだら、あんたと被るでしょ?」

さやか「だから何て呼ぼっかなーってさ」

仁美「私は暫くは環理さん…かしら」

さやか「うーん、『環理さん』はあたしには合わないよね…」


さやか「だからって『環理』もあれだし…『まどかちゃん』も分かりにくいもんねぇ」

まどか「さやかちゃんの好きに呼べば良いと思うよ」

さやか「わかってるけどさぁ…んー…まどか…まど…まど…」

さやか「まどっち!」

さやか「まどっち…うん、これだ!」

まどか「ま、まどっち…?」

さやか「えへへ、結構良いネーミングじゃない?」

仁美「ふふ、そうですわね」

さやか「でしょ?まどっちまどまど!ってねー」

まどか「うぇひひ。もぉ、何それ?」

さやか「あははっ」

さやか「あ、美人の方は普通に『ほむら』でいいよね?」

まどか「うん、ほむらちゃんとも仲良くしたいね」

仁美「ええ、少し不思議な雰囲気の方ですが…それでも」

さやか「それでも仲良くするのが一番だよねー!」

まどか「うんっ!そうだよね!」

まどか(そうだよ…みんなと仲良くできるはずだよ…!)

まどか(絶対に…!)

一方

ほむら「………!」

まどか「だから…私は…」

ほむら「そん…な…?何よそれ!死ぬよりも…もっと…」

ほむら「もっと酷いじゃない…そんなの…!」

まどか「ううん、これで良かったの」

ほむら「まどか…あなたは優しすぎる…もう少し自分を大切にして!」

まどか「うん、わかってるよ」

ほむら「なら…!」

まどか「だから、もう一人の私にはみんなと一緒にいて欲しいの」

まどか「パパ、ママ、タツヤ…さやかちゃんや仁美ちゃん」

まどか「そして、ほむらちゃん」

ほむら「…!」

まどか「もう一人の私とほむらちゃん、それにさやかちゃん」

まどか「そしてマミさんと杏子ちゃん」

まどか「みんなが毎日仲良くくれせる用に頑張りたいの」

まどか「…私も、できれば…さやかちゃんに魔法少女にはなってほしくないんだ」

まどか「ほむらちゃんとマミさん、杏子ちゃんは魔法少女だけど」

まどか「魔法少女だって、みんなと同じ人間だもん」

まどか「だから、みんなと同じように暮らして欲しいの…!」

ほむら「まどか…でも、私達は…」

まどか「…うん、魔法少女は戦い続けなきゃいけないのはわかってるよ?」

まどか「だから、ほむらちゃんにはマミさんや杏子ちゃんと仲良くして貰いたいの!」

まどか「3人で協力すれば、きっと大丈夫だよっ!」

ほむら「………」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「ふふっ…」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「…ええ、そうね。たしかに、それが一番よ」

ほむら「それが私にできるかは分からない…でも、やってみせるわ」

ほむら「まどか、あなたの想いは無駄にしない。私が守ってみせる…!」

まどか「…ありがとう、ほむらちゃん…!」

ほむら「いいえ、礼を言うのは私の方よ」

ほむら「まどか、ありがとう」

まどか「ううん、そんな!じゃあ、マミさんや杏子ちゃんと…?」

ほむら「ええ、最善を尽くしてみるわ」

まどか「ほむらちゃんっ…!」

ほむら「ふふ、あなたのおかげで目が覚めたわ」

ほむら「本当は私…心の何処かで諦めていたから…」

ほむら「でも、もう大丈夫よ。もう絶対に諦めたりはしないわ」

まどか「うん…頑張ろうね、ほむらちゃん!」

ほむら「ええ!」

まどか「えへへ、それじゃあお弁当食べよう?みんな待ってるよ」

ほむら「ふふっ、そうね」

まどか(2)「あっ、帰ってきたよ」

まどか(1)「みんな、待たせちゃってごめんね?」

ほむら「ごめんなさい」

さやか「いいよー、ほむらとまどっちだからね!」

まどか(1)「えっ?ま、まどっち?」

まどか(2)「うぇひひ、お姉ちゃんのあだ名なんだって」

さやか「そうそう!まどっちまどまど!」

まどか(1)「てぃひひ…」

ほむら「…ふふっ」

仁美「うふふ」

まどか(2)「うぇひひ!」

まどか(2)「ほらっ、食べようよ!」

まどか(1)「うんっ!」

そして

まどか「もうすぐ、ワルプルギスが来るね…!」

ほむら「ええ…!」

マミ「でも大丈夫…負けるもんですか」

杏子「ああ、さっさとぶっ潰して飯にしようぜ」

まどか「みんな…!」

まどか(あれから、私とほむらちゃんの2人でマミさんと話し合ったんだ)

まどか(一緒に戦ってください。って言ったらマミさん大喜びしちゃって…てぃひひ)

まどか(でも、一番喜んでたのは…実はほむらちゃんなんだよ?)

まどか(本人は気付いてないみたいだけど…私、すぐにわかったよ?)

まどか(だって、ほむらちゃん…すっごく嬉しそうだったもん)

まどか(そして、杏子ちゃんも仲間になってくれたんだよ?)

まどか(それも喜んで仲間になってくれたんだ)

まどか(ほむらちゃんと一緒で、杏子ちゃんも…やっぱり…)

まどか(それに杏子ちゃん、本当はすっごく優しい女の子だもんね)

まどか(これなら、きっと3人ともずっと仲良くしていられるよ…!)

まどか(……本当はワルプルギスは私1人で止められる思うけど)

まどか(3人が仲良くなるためにも、私はサポートするんだ)

まどか(私が止めるんじゃなくて、3人に止めてもらいたいから…!)

まどか(きっと…ううん、絶対に3人なら大丈夫だよ!)

一方

まどか「あれ?さやかちゃん、上条くんは?」

さやか「ちょっと休憩、あんまり音だしちゃいけないし」

まどか「そっか、ふふっ」

さやか「実はね?オリジナルの曲作ってるんだー!」

さやか「何時かまどかにも聴かせてあげるね?」

まどか「うんっ!楽しみにしてるね?」

まどか(さやかちゃんは今、上条くんの代わりにバイオリンを始めたの)

まどか(2人に何があったのかは聞けないけど、もう一人のわたしとほむらちゃんがアドバイスしたらしいんだ)

まどか(そして…さやかちゃんは魔法少女のことをまだ知らないんの)

まどか(さやかちゃんには、ちょっと悪いけど…さやかちゃんを巻き込まない為に、ずっと内緒にしてたから)

まどか(キュゥべえも知らないんだよ?)

まどか(だって、もう一人のわたしと、ほむらちゃんがずっと見守ってくれてたから)

まどか(…私もまだ…キュゥべえって子を見たことがないの)

まどか(わたしとさやかちゃんが魔法少女にならないのが、もう一人のわたしとほむらちゃんの願い)

まどか(何もできないのは悔しいけど…わたしがしなきゃいけないのは、みんなを信じることだから)

まどか(だから、信じるの…みんなを…!)

さやか「それにしても凄い荒れてるね。よく分かんないけど、まどっち達は別の場所に避難してるんだっけ?」

まどか「…うん」

さやか「うーん…他にも色々置いてきぼりくらった気がするけど…まどかと仁美…そして恭介がいるし」

さやか「これで…良かったのかな」

まどか「さやかちゃん…」

仁美「今のさやかさんは素敵だと思います」

さやか「……仁美」

仁美「上条くんの傍らでバイオリンの練習をしているさやかさんの姿を見て」

仁美「…私、諦めがつきましたから」

さやか「へっ?なんのこと?」

仁美「…ふふ、いえ!何でもありませんわ!」

仁美「でも、上条くんを大切にしないとダメですわよ?」

さやか「…うん、それは大丈夫だよ」

さやか「あたしが恭介の腕になるって、約束したから…!」

仁美「…はい、そうですわね」

まどか「…上条くんの腕になる?」

さやか「あっ」

仁美「ふふっ、それがさやかさんの告白なのですね!」

さやか「わわわわわっ///」

まどか「そうなんだ…うん、カッコいいよ!さやかちゃん!」

さやか「えっ?あっ?えぇっと///」

さやか「あはは…///」

まどか「さやかちゃん…!」

さやか「…うん。…あたし、今すっごく幸せだよ…!」

さやか「これも、まどかや仁美が応援してくれたおかげだよ」

さやか「まどか、仁美…ありがとう」

仁美「……いえ、そんな」

まどか「さやかちゃんが頑張ったからだよ!」

さやか「…それでもだよ、ありがとう。まどか、仁美…!」

仁美「ふふっ、幸せになってくださいね」

まどか「さやかちゃんなら絶対になれるよ!」

さやか「……えへへ。うん!幸せになっちゃいますからね!あたし!」

まどか「うぇひひ!」

まどか(もう一人のわたし…わたしやさやかちゃんは大丈夫だよ)

まどか(後はあなた達が無事にいけば…!)

まどか(頑張って!)

ワルプルギスの夜「アハハハハハ!!!アハハハハハ!!!」

まどか「みんな!気を付けて!」

ほむら「私が時間を止めるわ、その間に…!」

マミ「ええ!ふふっ、暁美さんの統計通りの動きね、牽制なら任せて!」

杏子「切り込み隊長はあたしに任せなっ!」

ほむら「今度こそ!」

まどか「みんな…!」

まどか(そうだよ!3人が力を合わせれば、きっとワルプルギスにだって…!)

まどか(絶対に負けやしないから…!勝てるから!)

まどか(だから…)

まどか(頑張って!)

数時間後

ほむら「はぁっ…はぁっ…」

マミ「…っ……」

杏子「………へへっ、あらしらを甘くみんなよ」

マミ「……ええ…私たちの…勝ちよ…!」

ほむら「…やっ…た……」

まどか「みんな…!」

まどか(凄いよ…!私がの力がなくてもワルプルギスを…!)

まどか「ほむらちゃん!マミさん!杏子ちゃん!」

ほむら「まどか…!」

マミ「ふふっ、鹿目さん…私たち、合格かしら?」

まどか「えっ?」

杏子「まどか、あたし達を試してたんだろ?3人で戦えるかさ」

まどか「……わかってたの?」

マミ「ええ、これでも一応先輩なのよ?わかったわ、鹿目さんの考えがね」

杏子「ったくさぁ…よりにもよって最強の魔女で試すなんてよ」

杏子「けっこー厳しい神様だな、まどかってさ」

まどか「あはは…」

マミ「うふふっ。でもそのおかげで、私たちは強くなれたわ」

マミ「一人一人はもちろん、私たちの結束がね」

ほむら「マミ…!」

杏子「まどか、あんたがいなきゃ…あたし達が今こうして3人でいることはなかったろうね」

杏子「みんなバラバラでさ…ワルプルギスや他の魔女に殺られてたかもしれないんだ」

杏子「そうでなくても、昔と変わらない生活を繰り返してさ」

杏子「いつかくだまっちまうんだ…」

杏子「でも、まどか。あんたのおかげで…あたしらはこやって此処にいるんだ」

杏子「……ありがと…な」

まどか「杏子ちゃん…!」

マミ「うふふ。鹿目さん…本当にありがとう」

マミ「もう何も怖くない…!」

マミ「だって、私にはこんな素敵な仲間が…お友だちがいるんだから」

まどか「マミさん…!」

マミ「絶対に負けるもんですか!最期までみんなと一緒に…」

マミ「ね?佐倉さん、暁美さん?」

杏子「ああ、そうさ…負けてたまるか」

杏子「あたしはマミ達と生きるってきめたんだ」

ほむら「マミ…!杏子…!」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「まどか…結局、私はいつもあなたに助けてもらってばっかりね」

まどか「ううん、そんな」

ほむら「まどか、本当にありがとう…あなたに出会えて本当に…本当に良かった!」

まどか「えへへ、私もだよ!」

ほむら「まどか…!」

まどか「……これで、私の役目は終わりかな」

ほむら「えっ…?」

まどか「てぃひひ!」ニコッ

ほむら「まど…か…?」

マミ「そう…もういってしまうのね」

まどか「…はい」

ほむら「そんな…?まだ、あなたと話したいことはいっぱいあるのよ…!」

ほむら「これから私とまどかと…2人のまどかと!マミ達と一緒に…!」

杏子「ほむら…まどか……」

まどか「ありがとう、嬉しいな」

ほむら「まどか…」

まどか「でも、私の祈りは…願いは叶ったから」

まどか「ほむらちゃんも、マミさんも、杏子ちゃんも無事でいてくれて」

まどか「仲良くしてくれて、そしてさやかちゃんも自分で願いを叶えて…」

まどか「そして、わたしも生きてるんだよ」

ほむら「…まどか……」

まどか「みんな…みんな生きてて!仲良く暮らせるの…!」

まどか「これは…私の願いでもあるけど、ほむらちゃん…」

まどか「あなたも望んだ時間軸じゃないのかな?」

ほむら「それは…そうだけど…」

まどか「えへへ。ほむらちゃん、これはね?」

まどか「あなたと私が夢みた世界」

まどか「なんだよ」ニコッ

マミ「鹿目さん…」

杏子「まどか…」

ほむら「………」

まどか「えへへ」

ほむら「違う…違うわ!」

ほむら「少しだけ違う…でも、すごく違う!」

ほむら「だって、まどか…あなたがいないじゃない…!」

まどか「…私はいなくても、もう1人の私がいるよ」

ほむら「あの子はあの子よ!でも…あなたはあなたよっ!」


まどか「うん…そうだね。でもね?もう1人の私も鹿目まどかなんだよ?」

ほむら「それは…でも!あなたはあなただから…!」

まどか「うん、だからもう1人の私も私なの」

ほむら「まどか…?」

まどか「えへへ」

ほむら「わけわかんないよ…なんで…」

まどか「私は私。まどかはまどか」

まどか「今は2人になっちゃってるけど、本当は1人の人間なんだよ」

まどか「それに、私…概念だし!てぃひひ!」

ほむら「概念だなんて…そんな…」

まどか「だから…ほむらちゃん、私はいなくなっても、さよならじゃないの」

まどか「私はみんなの側にずっとよ…それに、もう1人の私だっているんだからさ」

ほむら「まどかっ…」

まどか「だからね?さよならじゃないんだよ?」

まどか「ただ、この私の姿が見えなくなるだけ…それだけなの」

ほむら「……まどか…私、私はっ…」

まどか「………」

マミ「…暁美さん」

ほむら「マミ…あなたも!あなたも何か言ってよ!」

ほむら「杏子も…!」

杏子「…ほむら」

マミ「暁美さん、よしましょう…?」

ほむら「なんでっ…?」

杏子「…まどかをよく見なよ」

ほむら「えっ…?」

まどか「えへへ」ポロポロ

ほむら「まどか…」

マミ「鹿目さんだって辛いのよ…でも、鹿目さんは今も戦っているの」

マミ「辛いのは私も同じ…佐倉さんだってそうだわ」

杏子「ああ、でも…まどかの覚悟はそれよりも大きいんだ」

杏子「だから、あたしらはさっ…!まどかを笑顔で見送ってやるんだ…!」

杏子「それが友だちってもんだろ?」

マミ「ええ、そうね…笑顔で…笑って見送るの」

ほむら「笑顔で…」

マミ「暁美さん…わかってくれる?」

ほむら「………うん」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「…そうね、お別れじゃないんだもんね」

まどか「うんっ…!」

ほむら「まどか…私も…私の想いもあなたの側にいるから…!」

まどか「えへへ、ありがとう。ほむらちゃん!」

マミ「…もう時間はないの?」

まどか「…はい、もう行かなきゃ」

杏子「みんなと…まどかと最後に会わなくていいのかよ?」

まどか「…時間がないから」

キュゥべえ「それなら大丈夫だよ」

ほむら「!?」

マミ「キュゥべえ…?」

杏子「何しに来やがった…!」

キュゥべえ「やれやれ、せっかくみんなを連れてきたのに。僕は招かれざる客ってわけかい?」

ほむら「みんなを連れてきた…?」

まどか(2)「わたしっ…!」

詢子「まどか!」

知久「まどか!」

タツヤ「ねーちゃ!」

まどか「みんな…?」

キュゥべえ「君を、もう1人の鹿目まどかだと認識できている人間を連れてきたよ」

マミ「キュゥべえ…!」

ほむら「…でも、何故あなたが…?」

キュゥべえ「僕にも訳がわからないよ」

キュゥべえ「まさか僕が、まどかの最後に立ち会わせたいだなんて思うなんてね」

キュゥべえ「僕にそんな感情を持たせることができるのは…1人しかいないんじゃないかな?」

杏子「…まどかか?」

まどか(1)「私…が…」

キュゥべえ「君が無意識の打ちに祈った願いが、僕を変えたのかな」

キュゥべえ「ほんと、困ったことをしてくれるね。鹿目まどか」

まどか(1)「……そうだったんだ」

詢子「まどか…」

知久「もう…行くんだね」

タツヤ「ねーちゃ…?」

まどか「うん…でも、これで良かったの」

詢子「そうか…まどかが決めた事だ、口出しはしないさ」

詢子「でもこれだけは覚えておくんだぞ」

知久「まどかは例え概念でも、神様でも僕たちの大切な娘」

知久「僕たちの宝物なんだ…!」

詢子「それはまどかが何処に行っても同じさ、まどかはずっとずっと」

詢子「私達の娘なんだからな…!」

タツヤ「ねーちゃ!」

まどか(1)「パパ…ママ…タツヤ…!」

まどか(1)「うんっ…!私も、何処に行ってもパパとママの娘で、タツヤのお姉ちゃんだよ!」

まどか(2)「あの…お姉ちゃん…ううん、わたしっ…!」

まどか(1)「…私……」

まどか(2)「わたしっ、あなたに…何もしてあげられなかったけど…」

まどか(2)「でもっ、わたしは…あなたの…!」

まどか(1)「うん、わかってるよ。あなたは私だから」

まどか(2)「うんっ…!」

まどか(1)「えへへ!」

まどか(2)「えへへ!」

キュゥべえ「わけがわからないよ、まどかは何の話をしているんだい?」

マミ「きっと、鹿目さん同士…言葉にしなくても心が通じているのよ」

杏子「ああ、以心伝心…だな」

キュゥべえ「そうかい…君たち人間は興味深いね」

まどか(1)「後はあなたに任せてもいいかな?」

まどか(2)「うんっ!あなたの分もわたし…頑張るからっ!」

まどか(1)「ありがと、てぃひひ!」

まどか(2)「こちらこそ、うぇひひ!」

ほむら「まどか…」

まどか(2)「ほむらちゃん、わたし…分かることができたよ!」

ほむら「えっ?」

まどか(1)「私の知ってること、ちゃんと伝わったみたい」

ほむら「な…じゃ、じゃあ…あなたも…私のことが…?」

まどか(2)「うん、今さらだけど…わかったんだ」

まどか(2)「ほむらちゃん…!」

ほむら「まどか…!」

まどか(1)「えへへ、言ったでしょ?私は私だって」

キュゥべえ「よくわからないけど…凄いこと…なのかな」

マミ「ううん、鹿目さんは鹿目さん…ただ、それだけのことよ」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

杏子「いいんだよ、分からなくても伝わることはあるんだ」

マミ「…名残惜しいけど、もう時間…よね?」

まどか(1)「はい…」

まどか(1)「私のことを知ってくれてる、みんなと最後に会えて本当に良かったよ」

ほむら「うん…みんな…?」

杏子「ま、待てっ!さやかは…さやかってやつはどうした?」

杏子「聞いたぞ?さやかはまどかの親友なんだろ?なのに…!」

まどか(1)「それは…」

まどか(2)「さやかちゃんには、わたし達の本当のことを話してないから」

まどか(2)「だから…悲しませたくなかったし…」

まどか(1)「うん…」

杏子「な…そんな…いいのかよ?」

マミ「…美樹さん」

ほむら「今からじゃ間に合わないの?」

まどか(1)「……うん」

ほむら「そんな…」

さやか「~♪」

恭介「うん、上手だ…さやかは天才だね」

さやか「ううん、そんな。恭介が…恭介が教えてくれたからだよ」

さやか「だから、あたし…えへへ!」

恭介「でも凄いよ、もうオリジナルを弾けるようになるなんて」

さやか「ふふっ、頑張ったから…それに、早く聴かせたい相手もいるし」

恭介「…うん、そうだね」

さやか「えへへ」

恭介「あはは、早く聴かせてあげたいね」

さやか「うん、あたし……っ!?」

恭介「さやか?」

さやか「な…なに…頭が…痛い…痛いよっ…」

恭介「さやか?大丈夫?だ、誰か!」

仁美「さやかさん?どうなさいましたの?」

恭介「志筑さん…さやかが!」

さやか「うぁぁっ…ま…どか…?」

仁美「…!」

さやか「まど…か…」スッ

恭介「えっ?さやか?」

さやか「まどか…?まどかが…?」

仁美「さやかさん…」

さやか「…ごめん。恭介、仁美。…あたし、行かなきゃ!」

恭介「えっ?何を言って…?」

さやか「まどかっ!」タタッ

恭介「さやか…!」

仁美「…行かせてあげましょう」

仁美「あのさやかさんの目は…」

恭介「…さやか」

まどか(1)「みんな、今までありがとう」

まどか(1)「私、この世界に来て…みんなに会うことができて」

まどか(1)「ほんとに…ほんとに良かったって思ってるんだ」

まどか(1)「お別れしちゃうのは…寂しいけど…でも」

まどか(1)「でもっ!私はみんなと…みんなの側にいるから!」

まどか(1)「何時までも、何処までも…ずっと、ずっと…!」

まどか(1)「だから…」

さやか「待ってっ!」

まどか(1)「えっ?」

まどか(2)「さやか…ちゃん…」

さやか「はぁ…はぁ…良かった、間に合った…」

ほむら「さやか…どうしてここが?」

さやか「えへへ…抜け駆けは許さんぞぉ!」

さやか「まどか、親友を置いてお別れなんてけしからぁん!」

まどか(1)「えっ…さやかちゃん…私がわかるの…?」

さやか「うん!『まどか』でしょ!」

まどか(1)「さやかちゃん…!」

さやか「ごめん、こんなに遅くなっちゃって…」

さやか「最後にさ、約束してた曲…まどかに聞かせてあげたいんだ」

まどか(2)「曲って…あの時言ってた?」

さやか「うん、ほんとはもっと上手くなってから聞かせたかったんだけどね」

さやか「その分、全身全霊…精一杯のさやかちゃんが、弾いちゃいますからね!」

まどか(1)「さやかちゃんっ…!」

さやか「えへへ、聞いてね…コネクト」

さやか「~♪」

まどか(1)(さやかちゃん…私の親友…!)

ほむら「まどか…!」

まどか(1)(ほむらちゃん…私の最高の友だち…!)

マミ「…うふふっ」グスッ

杏子「さよならなんて言わないぞ…また会うんだからな」

まどか(1)(マミさん…杏子ちゃん…大切な仲間、友だち…!)

キュゥべえ「お別れだね、鹿目まどか」

まどか(1)(キュゥべえ…たくさん悲しいことはあったけど)

まどか(1)(その分たくさん嬉しいこともあったよ…それもキュゥべえがいたからなのかな)

詢子「まどか、何時でも待ってるからな」

知久「美味しいクリームシチュー用意してまってるからね」

タツヤ「ねーちゃ!」

まどか(1)(ママ、パパ、タツヤ…大切な家族)

まどか(1)(そして…)

まどか(2)「…ぐすっ…えへへ」ゴシゴシ

まどか(1)(私…!)

まどか(1)(みんな…みんな私の大切な存在…!)

まどか(1)(私のまわりには、こんなにたくさん大切なものでいっぱいだったんだよね…!)

まどか(1)(私…ひとりぼっちじゃないもん)

まどか(1)(私…幸せだよ…!)

まどか(1)(だって世界がこんなにも優しいんだよ)

まどか(1)(悲しくなんかないよ)

まどか(1)(だから…)

スゥゥ

まどか(1)「…ぐすっ…えへへ」

ほむら「まどかっ!?」

まどか(2)「わたしっ!」

まどか(1)「みんな…私は、みんなの側に何時もいるから…!」

まどか(1)「何時でも何処でもまた会えるから…!」

まどか(1)「だから、みんな…」

まどか(1)「またね!」

まどか(1)「えへへ!」ニコッ

ねえ、見てるかな?

あれから色んな事があったんだよ?

えへへ、教えてあげるね?

ほむら「何をしているの?」

まどか「日記を書いてるんだよ」

ほむら「日記…ふふっ、そっか…まどかに見せるんだもんね」

まどか「うんっ!」

えっと…何から書こうかな?

うん、まずね?さやかちゃんのことから書くね。

さやかちゃんはあれからも、上條くんとバイオリンの練習をしてるんだよ。

上條くんが作曲して、さやかちゃんが演奏するの。

あっ、仁美ちゃんも最近一緒に練習してるんだよ。

3人の音楽は本当に凄いって思うんだ。

今度、あなたにも聞いてほしいなぁ。なんて、えへへ。

次はマミさんと杏子ちゃんだね。

杏子ちゃんはマミさんと一緒に生活してるんだ。

マミさんが勉強も教えてるんだけど、杏子ちゃん頭良いんだよ?

わたしとさやかちゃん、何時杏子ちゃんに抜かれるかドキドキしてるの。

えへへ、わたしもちゃんと勉強しなきゃいけないよね?

今、ほむらちゃんに教えてもらってるんだ。

あっ、そうそう。マミさんは杏子ちゃんとほむらちゃんにお料理も教えてるんだよ?

ほむら「ま、まどか!ダークマターは恥ずかしいから書かないで!」

まどか「うぇひひ!わかってるよ」

最近、ほむらちゃんのお料理を食べるのが楽しみなんだ。

ほむらちゃんのクリームシチュー、何時かあなも食べに来てね。

最初は暗黒物質しか作れなかったほむらちゃんだけど、今は上手だから

ほむら「ちょっと、まどか…」

まどか「えへへ、ダークマターじゃないよ?」

ほむら「そうだけど…はぁ、わかったわ」

そして最後はほむらちゃん。

今もほむらちゃんと一緒にいるけど、今だけじゃないの。

ずっとずっと一緒にいるんだよ?

だってほむらちゃんは本当に最高の友だちだもん!えへへ!

ほむら「まどか…!」

まどか「えへへ、ほんとだもん」

ほむら「ふふっ、うん…!」

だから、今わたし達は幸せだよ。

みんな毎日がすっごく楽しいの。

魔女は・・・まだいるけど、でもほむらちゃんとマミさんと杏子ちゃん。

この3人は何にでも負けないんだから。

だから、わたしも応援にいけるんだ。

まだ・・・魔女や魔法少女はいるけど、わたし達なりの答えを見つけたんだ。

絶望が魔女を生むなら、わたし達は希望を生むって。

さいごまで、ずっと、ずっとね。

そして、本当に毎日が楽しいの。これが優しい世界なのかな?

うん、そうだよね。

これが、あなたとわたしが夢みた世界なんだよね。

ほむら「ええ…本当にね、昔の私もこんな世界を夢みていたのかも知れないわ」

まどか「わたしもだよ、だってすっごく嬉しいもん」

ほむら「うん…!」

まどか「えへへ!」

ほむら「さて、まどか。そろそろお昼にしましょう?」

まどか「うん!」

まどか「あっ、でもこれだけは書かせて?」

まどか「んと…」カキカキ

ほむら「何を書いたの?」

まどか「えへへ、これだよ」

わたしが大好きなわたしへ 。
ありがとう。まどか

ほむら「まどか…ふふっ。大好きだものね。もちろん私も大好きよ」

まどか「うんっ!」

ほむら「じゃあお昼にしましょう、今日はクリームシチューよ」

まどか「ほんと?やったぁ!」

ほむら「ふふっ」

まどか「えへへ」

私が大好きな私へ。

ありがとう。まどか

おわり

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