ルイズ「嘘…こんな…」 (321)


最初に注意書きをさせていただきます。
本作品はゼロの使い魔のSSとなっております。
ゼロの使い魔は未完ですので、どうなるのかわからない設定がいくつかございます。
ですので、本作品は非常にあいまいな世界観になっておりますので、多少の矛盾はお目をつぶっていただけたらと存じます。
更新は毎週日曜+αでできたらなと思いますので、みなさんどうかよろしくお願いいたします。では、始めます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1352018140

ここはハルケギニアにある小国トリステイン。
その西に位置する、ド・オルニエール。
三十アルパン(地球で言うところの10km^2)ほどの小さな領地であり、年に二千エキューほどの収入があるその土地には、つい最近より一人の若い領主と数人のこれまた若い女性たちが暮らしていた。
その領主であるサイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ・ド・オルニエールこと平賀才人は、その領地にあるお屋敷のとある一室に、鍵をかけて立てこもっていた。
「…まだかな」
才人はその瞳に期待の色を浮かべつつ、誰かを待っている様子である。
上の階層ではみな寝静まっている様子で、物音ひとつ聞こえてこない。
「…ほんと、背徳感でいっぱいだよ。こないだ決めたことなのに…。」

そう呟く才人の顔からは、その言葉通りの罪悪感がうかがい知れる。しかし同時に、それ以上の期待も併せ持っていた。
「…でもほんとおそいなあ。いっそこっちから迎えに」
そう言って立ち上がりかけたときである。部屋に置いてある鏡が光り、その中からとある人物が現れた。
「お待たせいたしました。公務が思った以上に多くて……」
心底悪いと思っているような顔をしながらそう話すその人は、ハルケギニアに住む者なら誰でもその名前を聞けば多少なりとも敬服するような人物である。
「いえいえ、こっちも今来たところですんで……」
「いえ、そのようにおっしゃらなくても結構ですわ。約束の時間を30分も過ぎていますから…」
そういいながら微笑むその表情からは、艶めかしさ以上の物以外は感じ取れない。
「それでは…何かお詫びが必要だわ。」
「いえいえ、そんなお詫びだなんて!」
「いえ、一国の女王たるもの、必ずけじめはつけなくてはなりません。」
一国の女王。
そう名乗るこの女性は、自らの寝巻であるローブをはだけてこう言った。
「お詫びに…この体を、好きに蹂躙してくださいまし、サイト殿…。」
「……謹んでお受けいたします、アンリエッタ女王陛下。」
こうして、二人の夜は始まった……

「お、相棒。眠そうだね、こんな時間にどこいってたんでい。」
訝しみながら、才人の愛用する日本刀に身をやつしたデルフリンガーが才人に尋ねる。
「別に……、ちょっと調べもの。」
「まったく、相棒は釣れないねえ。なにを調べてたんでい?」
「お、おれの世界のことだよ。こないだのエルフのところで貰ってきたやつを調べてたんだ。」
「そうかい。でもそんな調べものをしてたようにゃ見えねえな。まるでどこかで運動でもしてきたような…」
「…デルフ」
「なんでい?」
「剣にはわからないことが世の中にはいっぱいあんだよ。それとルイズたちには内緒な。」
「そうかい、そりゃおでれーた。相棒は流石だねえ。……でも」
「なんだ?」
「ほどほどにしとくんだな。」
それだけ言うとデルフリンガーは剣のくせにぐーぐー寝始めた。おれも寝るかと才人もベッドに入り、そのまま寝息を立て始めた。

「ふわーぁ」
「む、副隊長ともあろうものが訓練中に欠伸とは……けしからーん!そこになおれい、この水精霊騎士団隊長、ギーシュ・ド・グラモンさまが制裁を下してやろう。」
「わわ!こっちに向かって砂投げんじゃねえバカギーシュ!!」
今日は騎士団の訓練日であったため、トリステイン魔法学校の学生であるギーシュたちは彼らが好き勝手できる土地であるド・オルニエールでぎゃあぎゃあと訓練と名のついた遊びをやらかしていた。隊長の制裁にも関わらず眠そうな才人に、マリコルヌが容赦のない質問を浴びせ始める。
「副隊長どのはどうせここでルイズたちと一晩中あんなことやこんなことをしてたんだろう!」
「してねえよ!!」
「いーや。サイトのことだ、どうせルイズを半裸にして「ああレモンちゃん!!君のここの果汁を搾ってあげよう!」とか何とか言ってそれにルイズが「ああサイトわたしのサイト!!搾って!わたしのジュースを楽しんで!!」みたいなこと言って!それでルイズだけじゃ飽き足らずメイドやちびっこやエルフやドラゴンにも……!!」

うおおお!と自らの妄想にもだえ苦しむぽっちゃりさんに、才人やギーシュは憐みの視線をおくっていたが、あまりに見かねて
「……こほん。マリコルヌ、きみは少し妄想にも貴族としての気品をもたせたほうが……」
とギーシュが声をかけると、マリコルヌはギーシュのほうを睨みながらこう言うのであった。
「いいよなギーシュは、モンモランシーの香水をきっと毎晩のように頭から被っているんだ!ああいまいましい。サイトの国の言葉で言うなら“リアジュー”と言うんだろう?ああなんて禍々しい響きなんだ!!リアジューなんて、この風上のマリコルヌが成敗してくれる!!」
ぐぬぬぬ、とトライアングルスペルであるはずの呪文を詠唱し始めるマリコルヌ。彼はドットメイジであるはずなので全員がその呪文を彼が唱えることに何の脅威も感じなかったが、あれよあれよという間に詠唱は進み、全員が“ヤバい”と思い始めたと同時に彼は
「…くたばれリアジュー」
という言葉、もとい呪詛とともにその杖を振りおろし、かつてのタバサのものかと思うほどの強力な氷の魔法が少年たち(特に才人やギーシュたち「リアジュー」目がけて)を襲った。

「…まったく、なにやってんのかしら」
「ほんと、男の子っていくつになっても元気ですよねー…」
ルイズとシエスタは、お屋敷のバルコニーから彼らがぎゃあぎゃあと遊んでいるのを見ながら優雅にティータイムを楽しんでいた。片田舎の平民の出であるシエスタにしてみれば、このような時間を送るということは普通の人なら一生かかっても成し遂げられることのない幸福なのであるが…
「…ミス・ヴァリエール」
そのような幸福を微塵も感じさせないような神妙たる面持で、シエスタはルイズにある質問を投げかけた。
「最近のサイトさん、少し様子がおかしくありませんか?」
「あいつが?いつも通り嬉しそうな顔してバカやってるじゃないの。」
「いえ、あなたも気づいているはずです。最近朝でもとても眠そうですし…」
それに、と間をおいて、シエスタはとんでもない言葉を発した。
「最近わたしが夜にサイトさんの部屋に行っても、デルフリンガーさんしかいないんですよ?」

ぶっと紅茶を吐き出すルイズ。
「あああ、あんたって人は、とととトイレだなんて言ってそそそそんなことしてたのね。」
「別にいいじゃありませんか!ここだけの話、ミス・タバサだってよく抜け出してますよ。ティファニア嬢は、すやすや寝てるみたいですけど……。」
あんのちびっこめ、わたしといろいろ被るのよ……少しいろいろ小さかったりきつかったりするからってななななめてるんだわ、それとあのメロンよ。なんであんなに大きくなるのかしら。よよ、余裕かましてんじゃないわよ、なんてことを考えながら震えるルイズ。もっとも、彼女だって才人のところまで行ってキスをせがんだりしているのだが。
そんな彼女を眺めていたシエスタだったが、やはり真剣な顔つきになると、
「ご存じじゃないんですか?……サイトさんの居場所。」
そうルイズに尋ねた。
「……そうね」

確かにルイズにも思い当たる節はありすぎるほどあった。
彼女が夜に彼の部屋へ夜這い(彼女は違うと言い張る。)へ出かけても、今までならきちんと部屋で寝ていたりソファに座っていたりしてすぐにみつかったのだが、最近は彼が部屋中どこを探しても見当たらず、デルフリンガーに尋ねても「知らねえな」以外の答えが返ってくることもなく、仕方なしに自らの寝床へ帰っていくことも多かったのだ。
問題はこのことをこのシスターにも報告すべきかということなのだが……
何かを決心したかのような顔を一瞬見せたかと思うと、一転して微笑みながらシエスタのほうへと向き直った。
「あんたの考えすぎじゃないの?わたしが行くときは、サイトは必ずいてくれるもの。」

「そうですか……って!!やっぱりミス・ヴァリエールもサイトさんに夜這いを仕掛けてたんですね!!公爵家ともあろうお方がなんとはしたない……」
「夜這いじゃないわ!ていうか、公爵家がだめならガリア王家のタバサはどうなんのよ。」
「それはそれ、これはこれです!最近ミス・ヴァリエールがやたらとお手洗いが近いなあと思っていたら………これからミス・ヴァリエールがお手洗いへ行くときはわたしたちも同行させていただきます!」
「そそそ、そんなこと許されるわけないじゃないの!!」
そこまで言うと、歯をむき出しにしてシエスタに襲い掛かるルイズ。
シエスタもその美しい顔をひどくゆがませながらルイズと取っ組み合いのけんかを開始した。
このようなところをエレオノールにみられようものなら、ルイズとシエスタはそろってフルマラソンを五周するほどの肉体的負担をかけられかねないが、幸い今日はアカデミーのほうへエレオノールが出かけているために気兼ねなく過ごせたのだ。
解き放たれし彼女たちはお互いが貴族で平民であることも忘れ、いつ終わるともしれない女の戦いへと身を投じたのであった

「最近サイトの様子がおかしい?」
こくん。とうなずくタバサ。その瞳になにやら凄まじいものを感じ、キュルケはぽりぽりと頭を掻いた。
「まああんたがそういうならそうなんでしょうけど……。ねえジャン、どう思う?」
「うーん、サイトくんがねえ……きっとまた何か見つけたのかな?エルフのところから帰ってきたばかりだし……」
「それだったらジャンに報告があるんじゃない?サイトが返ってきてからあなたにはなんの報告もないじゃない。」
「それだけ荷が重いものなのかもしれん……。それかすごい発明品が見つかったのか!?ああ、サイトくんや、早く来ておくれ!いや、こちらからド・オルニエールに赴いて……」
ああでもないこうでもないと自らの世界に浸り始めるコルベールを無視し、キュルケはタバサへと向き直った。

「確かにジャンの言うとおり、何かを研究している可能性も少なくはないわ。」
でも、とキュルケは間を置き、何かの確認を取るかのようにタバサを見つめる。
タバサがこくりとうなずくのを見届けると、キュルケはその口を開いた。
「あなたの知らないところで彼が誰かと逢瀬をしている可能性もなくはないってことよ。…その相手はわからないけど。ルイズかもしれないし、あのメイドかもしれない。ひょっとするとエレオノールさまかも知れないわ。…まあその可能性は限りなく低いでしょうけどね。」
「わたしは」
「ん?」
「やっぱり間違えられただけ?」
うぐ、と一瞬言葉に詰まるキュルケ。それを感じ取り、タバサは今にもその瞳に涙でも溜め込みそうな顔になる。

キュルケがなにか言おうとした瞬間、今までフォン・ツェルプストーの庭でおとなしく寝ていたはずのシルフィードが、ばーん!とキュルケの部屋の扉を開けた。
「元気出すのねお姉さま!あんなやつ、ちょーっとお姉さまがそのミリョクを出せばイチコロなのね!!きゅいきゅいきゅい!」
「でも」
「きゅい?」
「わたしは間違えられた。」
「そんなのあのちび桃が発情して自分の使い魔に手を出したりしてるからなのね!!お姉さまだってもうタマゴを生む頃なんだからあんなのに負けずにどどーんとやってやるのね!」
きゅいきゅい!と騒ぎまくる韻竜を眺めてため息をついたキュルケは、タバサに向かって笑いながらこう言った。

「でも確かにサイトはドがつくくらいのスケベよ。もし彼の気持ちが今よそへ行っていたとしても、きっとタバサがちょっと魅力をだせば一発だと思うわ。ねえ、ジャン?」
「人前で首筋に指を這わせるのはやめたまえ。」
「あら、人前でなければ構わないのね?」
「そ、そういう問題じゃなくてだね。あ、こら、なにを。」
カチャカチャとコルベールの何かを外そうとするキュルケ。こうなったキュルケにもはやなにも期待できないことを過去の経験からよく知るタバサは、シルフィードに乗ってこの場を後にしようとした。
「タバサ」
今まさにタバサが窓の外に出したシルフィードに飛び乗ろうかというときに、キュルケが声をかける。
「……なに?」
「また困ったことがあればここにいらっしゃいな。相談には乗ってあげるし、協力もするわ。」
「……ありがとう。」
「どういたしまして、だってわたしは」
ふぁさ。と髪をかき分けて、キュルケはこう言った。
「あなたの親友のキュルケであり、ラ・ヴァリエール家の宿敵、キュルケ・フォン・ツェルプストーでもあるもの。」

本日分は以上となります。
地の分形式にしてしまいましたが難しいですね……。台本形式にすればよかったか。
しかし見返してみるとかなり読みづらいですね、なにか案があればまたお申し付けください。できれば反映していきたいと思います。
それでは、また来週来ますね。

ちょっと読みにくいから書いたら一行一行改稿入れて読みやすくしてほしいかな
あと長くなるなら二回に分けるといいかも

やべえ原作の雰囲気出ててめっちゃ面白いです
続き期待

どうも、>>1です。
レスほんとうにありがとうございます。
ティファニアのセリフがなかなかむずかしいですね……いえ、それはさておき。
すみません!>>1にエロ注意の文字を入れるのを忘れていました……。
とはいえつたない描写しかできませんが。
それともうひとつ、日曜日と言っていたんですが、毎週土曜日に変更したいと思います。
なにとぞ、ご了承いただきますようお願い申し上げます。
>>19
ご意見ありがとうございます。さっそく次回投下分から反映させていただきたいと思います。
>>20
ありがとうございます!不安だったんですが、なんとか邪魔にならない地の分みたいでよかったです。

おお、見事に人がいませんね…
まあいいや。投下開始します。
行間開けるのにすこし時間とりますからご了承ください。

タバサが韻竜に乗って行ったあと、残されたキュルケとコルベールは、先ほどのやり取りが嘘であったかの様な真剣な顔つきで対峙していた。

「…もちろん研究じゃないことはわかっているわよね、ジャン?」

「ああ…。実は彼がエルフのもとから帰ってきたときにわたしのもとにいくつかの機械を持ってきてね。それはまたあのエンジンとは違う仕組みだったのでわたしも興奮していたんだ…。あ、その仕組みというのはなにやら雷の力を小さな箱の中に閉じ込めて、一定の力で出力するんだよ。これまでならあののーとぱそこんと同じなんだが、それがまたすごい。エンジンとくみあわせてあのガソリンの減りを……」

「ジャン、それは後で聞かせてもらうわ。」

自分の世界へと入りかけたコルベールをキュルケが制止した。

彼は話の腰を折られて一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに立ち直ると、

「…というわけで、信じたくはないがサイトくんが誰かとの逢引を夜に行っているのは間違いではないようだ。」

「そうよね……。で、その肝心のお相手なんだけど…どう思う、ジャン?」

ううむ、と首をひねるコルベール。彼はもとよりあまりこのような色恋沙汰に明るくはないのだ。しかし、そんな彼でさえひとつだけ確信を持って言えることがあった。

「これだけは言えるが。」

「言ってみて、ジャン。」

「逢引の相手はミス・ヴァリエールではないだろう。」

「……どうしてそう思うの?」

「彼女はもはや彼の恋人であると周りに認識されているからだ。彼だってわざわざ疑われるような真似をしなくたって、彼女とはなんだってできるだろう。」

「そうね、ジャンにしては上出来だわ。……となるとあのシスターやティファニアが怪しいってことになるけど、どうなの、ジャン?」

「いや、その線もないな。だってミス・タバサが夜に彼の部屋へ出かけたとき、シエスタくんやティファニア嬢はぐうぐう寝ていたんだろう?」

「そうよね……となると相手は……」

「こっそり誰か知り合いとどこかで会っているのか、それとも……」

そこまで聞いて、にやり。とキュルケが笑う。しかしその表情には、どこか友を心配するような色もうかがえる。

「例の公爵家より高貴な女性……ってとこかしらね?」

「ううむ、サイトくん……」

「……ほんと、どこを目指しているのかしらね。あの伝説の使い魔は。」

「ふぁ……む。」
ティファニアが起きたのは、その日の正午を回ってすぐだった。
彼女が森で生活していたときは、子供たちよりも早く起きて世話をしなくてはならなかったために早起きだったのだが、最近はまだサハラへ行っていたときの疲れが抜けていないのか、このような時間に起床してくることも珍しくはなくなっていた。
しかし、それでもティファニアは根っからの真面目さんらしく、自らがこのような時間に起きたことを察すると顔を青くして、
「いけない、こんな時間に起きちゃうなんて……。いけない、サイトに迷惑をかけてしまうかもしれない。」
そんなことを言いながらあたふたと着替えを始めるティファニア。彼女が寝巻にしているゆったりとしたエルフの服装を脱ぎ捨てて下着をつけようとするが、焦ってどうにもうまくいかない。そもそも彼女はそのようなきっちりとした服装に慣れてはいないのだ。
ショーツまではなんとか身に付けた彼女がブラジャーをつけようと奮闘するが、なにせサイズがあまりあっていないのと、寝起きで頭が混乱しているのも相まってなかなかホックが止められないようだ。
彼女が試行錯誤するたびに、そのけしからん禁断の果実がぐにぐにと苦しそうに形をゆがめながら締め付けられたり解放されたりを繰り返している。
ついに手も足も出なくなってしまったティファニアは、その判断力を失ってしまい、とんでもない魔物を召還してしまう。
「サイトぉー!!助けてよー!」
ちょうど休憩に入っていたために水精霊騎士隊の隊員たちと室内でお茶を飲んでいた才人は、ティファニアが自室で叫んでいることに気付くとあわててティファニアのもとへと向かった。

「ふぁ……む。」

ティファニアが起きたのは、その日の正午を回ってすぐだった。

彼女が森で生活していたときは、子供たちよりも早く起きて世話をしなくてはならなかったために早起きだったのだが、最近はまだサハラへ行っていたときの疲れが抜けていないのか、このような時間に起床してくることも珍しくはなくなっていた。

しかし、それでもティファニアは根っからの真面目さんらしく、自らがこのような時間に起きたことを察すると顔を青くして、

「いけない、こんな時間に起きちゃうなんて……。いけない、サイトに迷惑をかけてしまうかもしれない。」

そんなことを言いながらあたふたと着替えを始めるティファニア。彼女が寝巻にしているゆったりとしたエルフの服装を脱ぎ捨てて下着をつけようとするが、焦ってどうにもうまくいかない。そもそも彼女はそのようなきっちりとした服装に慣れてはいないのだ。

ショーツまではなんとか身に付けた彼女がブラジャーをつけようと奮闘するが、なにせサイズがあまりあっていないのと、寝起きで頭が混乱しているのも相まってなかなかホックが止められないようだ。

彼女が試行錯誤するたびに、そのけしからん禁断の果実がぐにぐにと苦しそうに形をゆがめながら締め付けられたり解放されたりを繰り返している。

ついに手も足も出なくなってしまったティファニアは、その判断力を失ってしまい、とんでもない魔物を召還してしまう。

「サイトぉー!!助けてよー!」

ちょうど休憩に入っていたために水精霊騎士隊の隊員たちと室内でお茶を飲んでいた才人は、ティファニアが自室で叫んでいることに気付くとあわててティファニアのもとへと向かった。


すみません、行間入れ忘れました。
>>27は無視でお願いします。

「テファ!!だいじょう……ぶ……」

「ああサイト!よかった、はやくこれを止めるのをてつだってよ!」

才人は目の前の光景を理解するために必死で頭を回転させていた。

え、なんなのなにこのけしからんメロンちゃん。レモンちゃんもいいけどメロンちゃんもいいなあ……ちゅうかどうしてテファがこんなかっこしてんのおかしくないかああ誘ってんだなそうなんだな据え膳食わぬはなんとやらだしああメロンちゃんいただきまーす!!

そこまで思考を巡らせたとき、後ろのほうからどたどたと足音が聞こえるのを聞いた才人は、とっさに部屋の鍵を閉めて立てこもり、これからやってくるであろう災厄からティファニアを隠すことにした。

「おいこらサイトぉ!!今度はメロンちゃんとなにやってんだよボケ!!このマリコルヌさまも混ぜやがれぇ!!」

「こほん、君にはルイズがいるだろう?だからその果実をこちらに引き渡すんだ!!これは命令だぞ!!」

「うっせえ屑貴族ども。あと壊れるからドアに体当たりしてんじゃねえよ!!」

必死にドアを抑える才人を見て、ひうぅ。と小さな声を上げるティファニア。

「あの……下着……つけるの……」

「できれば自分でやって!?あと妙なぽっちゃりとかメガネとかがやってくるかもしんねえからさっさと服も着てくれぇぇぇ!!」

「う……うん、わかった。ごめんね、サイト。」

「いいえこちらこそ結構なお手前で!!」

ぶしゅう!と噴水のように鼻血を吹き出す才人を見て、このまま血を出し続けると倒れちゃうんじゃないかなぁ……。なんて心配しながらもゆっくりと服を着ていくティファニア。

彼女が服を着終わるのと、すっかり貧血気味の才人が限界を迎えて弾き飛ばされるのとはほぼ同時だった。

「うおおお!!終わってる!もう着替えが終わっちまってるじゃねえか!!」

ぶひいいい!!と怒りの声をあげるマリコルヌ。はあ……、とその血走らせた目に落胆の色を浮かべるレイナールやギムリ、ギーシュら水精霊騎士隊の面々にティファニアはすっかりおびえてしまい、小さく震えてうずくまってしまった。

「ほほう、服従するとはいい心がけだな。じゃあさっそくそのスカートちゃんを……」

そういって手をわきわきさせながらティファニアににじり寄っていくマリコルヌ。ひっ、と小さく声を上げて瞳に涙を溜め始めるティファニア。満身創痍ながら、ティファニアが襲われかけている事態を見て急いで駆け寄る才人。

それぞれの面々が動き出した瞬間、

「いいい、いったい人の寝室で何をやっているのかしらここここの使い魔とバカ貴族たちは。」

虚無が襲来した。

始祖ブリミルでもこれほどの魔力はなかったんじゃなかろうかと思わせるようなオーラを放ちながら、虚無の担い手の一人、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが、その顔を怒りに震わせながらそこに立っていた。

その殺気を直接あてられ、さしものマリコルヌでさえ恐怖のあまり失神。もとよりビビりまくっていたティファニアなどは、ルイズが入ってきた瞬間に、ひうぅ……という小さなかわいらしい悲鳴とともに意識を遠いアルビオンの森の中へとさまよわせていた。

「……えっと、その。」

なにごとか弁解しようとしていたギーシュであったが、ルイズに人睨みされて黙ってしまう。

おかげで彼女の殺気は彼女の使い魔ただ一人へと集中することになってしまった。

「……サイト」

すべてを包み込むかのような大らかな笑みで才人へ笑いかけるルイズ。しかし目が笑っていないことはだれの目から見ても明らかだった。

「はい、お呼びでしょうかご主人様。」

「あなた、わたしのことを好きといったわね?」

「はい、もちろんですご主人様。」

「わたしを一生守るとも……」

「はい。」

「……で、これはどういうことがあったのかしら?」

「ティファニア嬢が慣れない衣服の着用に困っていらした様でしたので。彼女の使い魔でもあるワタクシめがお手伝い申し上げようかと。」

「……サイト?」

「はい、なんでございましょう。」

「それはこの主人であるわたしの許可なしに行ってよいことなのかしら?」

「めっそうもございません。」

「……覚悟はできてるわよね?」

「……はい、ご主人様。」

そこまでいうとルイズは、ふう……。と一息ついた。才人が、俺も一息つこうかと考えた瞬間、ルイズの殺気や魔力など、あらゆるものが最大に達したかと思うと

「つつつ使い魔の二重契約なんてきいたことないわよ、この犬!!!」

という、おそらくは今までずっと言うのを堪えてきたのであろう文句とともに、エルフなど赤子にも思えるような痛烈な蹴りが才人の切ない部分を襲撃した。

意識を完璧に吹き飛ばされて倒れてしまってはだけた才人の胸には、伝説の使い魔の最後の一人、神の心臓…リーヴスラシルであることを示すルーンが、しっかりと刻まれていた。

「う……ん……。」

「あ、よかった。起きたんだね。」

才人が次に目を覚ました時、そこには先ほどまでぎゃあぎゃあ遊んでいたはずの水精霊騎士隊の面々も、鬼の形相で才人を見下ろしていたルイズもおらず、ただ純粋に才人のことを心配していることが伝わってくるような眼差しでこちらを見つめるティファニアだけが、才人に寄り添うような形で座っていた。

「サイト、ずっと起きないんだもの。心配しちゃった。もうすぐ夜ご飯だよ。」

「そうか…。ところでテファ、みんなは?」

「なんかこの近くに小さな小屋を建てたらしくてそこに泊まるみたい。さっき帰っていっちゃった。」

「領主の許可なく小屋を建てるなよ……ったく。まあいいけどさ。」

「また明日遊びに来るって。」

「来なくていいよ……。」

そういってため息をつく才人とは反対に、ティファニアはにこにこしながら才人を見つめている。

先ほどまで震えていたはずの少女がにこにこ笑っていることに違和感を覚えた才人は、その理由を本人に尋ねてみることにした。

「どうしてそんなに笑ってるんだ?」

「いやね、サイトには楽しいお友達がいて、見てるだけで楽しいなって。」

「楽しいもんか。あの変態どもに付き合ってると疲れて仕方がない。」

ふふ、と笑うティファニア。才人はなぜか恥ずかしくなり、

「な、なにがおかしいんだよ。」

「だって、あの人たちと話してたり、あの人たちのこと話したりしてるときのサイトの顔、どこかにこにこしてるんだもん。よっぽど好きなんだね、お友達のこと。」

ここまで言われたところで、才人は完璧に赤面してしまった。

確かに彼らとはなんだかんだで長い付き合いだし、才人と彼らは戦友であり、親友と言っても差支えのない関係であるとは考えていたが、改めて人に指摘されるとどうも照れくさいものらしく、照れた才人は赤面したままそっぽを向いてしまう。

それもにこにこと見守っていたティファニアであったが、突然その表情を曇らせると、沈んだ声でこう言った。

「……でもね、同時に寂しくもあるの。わたし、サイトとはお友達だけど、あんな風に本当のお友達があまりいないから……。」

いかにも悲しそうな声で語り始めたティファニアに、才人もそっぽを向くのをやめて向き直る。

「わたし、ハーフエルフでしょ。だからみんな少しわたしとは距離があるの。ううん、みんながいじわるしてるんじゃないよ。でも、わたしにはわかっちゃうの…。みんな無理してわたしと一緒にいてくれてるのかな……って。」

そう語るティファニアの瞳からは、確かな望郷の念がうかがい知れた。彼女が子供たちとともにアルビオンの森の中で暮らしていた時間———。彼女にとって、それはどれほどの輝きを放っていたのだろうか。

そのかけがえのない時間を奪ったのは、自分たちの勝手な行動だったのではないか———

才人はそう考えずにはいられなかった。

才人がそんなふうに自らを責め始めたのを感じ取ったのか、ティファニアはあわてて笑顔を作った。

「あ、サイトが悪いんじゃないよ!サイトはわたしのためを思って連れ出してきてくれたんだもん。わたしは、サイトにとても感謝してる。だってサイトは、わたしにいろいろなものを見せてくれた。いろいろわたしのために戦ってくれたし、わたしの使い魔としてわたしを守ってくれたんだもん。」

「テファ……。」

気が付くと、才人はティファニアをしっかりと抱きしめていた。

「サイト……?」

突然の才人の行動に驚いたティファニアは、才人の腕のなかでもぞもぞと動いた。しかし才人はそれを意に介することもなく、一層抱きしめる力を強くして言った。

「俺、お前を守るから。寂しいときは一緒にいてやる悲しいときは泣きついてきてくれてもいい。ずっと、いつでもテファのそばにいてやるから……。」

そこまで聞いて、顔を赤くするティファニア。しかし、また顔を少し曇らせると、

「……でも、サイトにはルイズがいるよ。だからわたしとは……。」

「ちがう、ルイズは関係ないんだ。確かに、俺はルイズの使い魔で、恋人かもしれない。だけどそれと同時に、テファの使い魔でもあるんだよ。使い魔が主人を守らないわけにはいかないよ。」

「……そう、サイトはわたしの使い魔だから、だから一緒にいてくれるんだね。わたしを、ずっと守ってくれるんだね。」

ティファニアは悲しそうにそう言った。

それは違う…。別にテファの使い魔じゃなくたって、俺は……。

そう言おうとした才人だったが、ルイズの顔が頭をよぎり、それを言葉にすることはできずに終わる。

「……ごめん。」

「ううん、いいの。だって、サイトはルイズの恋人だもんね。だから、わたし、いいの、それで……。」

そこまで言うとティファニアは、すっかり力の抜けてしまっている才人の腕をはずし、そっと才人のもとへ戻した。

そして、目尻についた水滴を隠すようにしながら、

「ありがと、サイト。元気でた。さあ、夜ご飯に—————っ。」

ティファニアが言葉にできたのはそこまでだった。ティファニアの様子に耐えることができなくなった才人が、彼女の唇を塞いでいたからである。

ティファニアは突然のことにやはり驚きを隠せなかったが、才人と唇を重ねているうちに、夢のような心地で才人と唇を交わしたあの船の上での出来事が蘇ってくる。

ああ……わたし……。また、サイトと……。

そんなことを考えているうちに、自らの頬を水滴が伝っていることに気づく。

わたし…泣いてる…?それとも、サイトが泣いてるのかな……。もしそうなら慰めてあげないと…。

ティファニアがどのように考えているかなどは全く考えず、自らの奥底からあふれてくる何かを涙として外へ出しながら、才人はティファニアと唇を合わせ続けた。どうやらティファニアも泣いているらしい。

なぜか才人は、それをとても心地よく感じた。

おそらくは、才人もティファニアも、自分がなぜ泣いているのか分かってはいないだろう。

それでも彼らは、その感情の赴くままに唇を重ね続ける。

二人の中で、永遠とも思えるような長い時間が経過していった……。

少し時をさかのぼり、才人が目覚める数分前。

ルイズはシエスタとともに厨房にいた。

「ミス・ヴァリエール、どうしてお皿も満足にだせないんですか。」

皿だしを手伝っていたルイズは、慣れない家事にもたついてしまったことをシエスタに指摘され、ぐう。と小さな声を上げる。

「し、仕方ないじゃないの。こんなの今まではメイドが……。」

「うふふ、サイトさんはわたしみたいな家庭的な女性が好きみたいですよ?さしずめミス・ヴァリエールはわたしたちのペットってとこですね。」

と、自分よりはるかに家庭的なシエスタにバカにされ、何も言い返せないルイズは、いいもん。わたしのことサイトは好きって言ったもん。このバカメイドより、わたしのほうが好かれてるもん。と小さな声でぶつぶつと呟き始めた。

「ほら、ぶつぶつ言ってないで、もうすぐご飯も出来上がるんですから、サイトさんとティファニア嬢をここに呼んできてください。」

まるで自らが主人で、ルイズが召使いであるかのような発言をするシエスタに、ルイズはなにか一言言わずにはいられなかったようで、

「あああ、アンタね。わわわ、わたしが貴族だということをわわわ、忘れてるのかしら。」

と顔を真っ赤にしながら言うと、シエスタは澄ました様子で、

「あら、わたしが女王陛下のご命令でご奉仕しているのはミス・ヴァリエールではなくてサイトさんですわ。ミス・ヴァリエールこそ、サイトさんが貴族と平民を分け隔てすることを嫌っていることを忘れているんじゃないですか?」

と反論する。

これにはルイズも本気でこのメイドの処遇を考えようかと思ったが、彼女にはなにかとお世話になっているし、彼女はアンリエッタから任された才人の召使いであること、才人が平民と貴族の差別を嫌っていることなどを考慮した結果、ルイズはうなだれることしかできなかった。

それを見たシエスタは、

「ほら、ミス・タバサも食卓で待っていますよ。あなたが公爵家だって言うなら彼女は王家です。彼女を待たせないためにも、つべこべ言わずにとっととサイトさんを呼んで来い。」

とルイズを徹底的にこき使うのだった。

「あのバカメイド……いいい、いつかほんとにクビにしてやるんだから。」

シエスタとの論争に完全敗北し、ぶつぶつ文句を言いながら才人を呼びに行くことになったルイズだったが、彼女が腹を立てているのは自分をこき使うシエスタに対してのみであり、才人を呼びに行くことは決していやではなかった。

ほ、ほら、サイトってわたしにメロメロじゃない。だから、ふたりきりで、キキキ、キスとか……。

などと考えながら、貴族としての気品も忘れてニヤニヤと気持ち悪く笑いながら歩いていたが、そのうちに、ティファニアもいることに気づき、はっと真顔に戻り、そしてシエスタへの怒りを振りまいていた顔に舞い戻る。

表情だけ見ると、とても落ち着きのない少女のルイズなのだった。

「サイト、ご飯ができてるわよ。」

才人が寝ている部屋についた彼女は、扉にむかってそう声をかける。

しかし、部屋の中から一向に返事がないことを不審に思った彼女は、そっとその部屋の扉を開いた。

才人は涙を流し続けていた。それに反して彼の心の中は、ティファニアとこうしていられることの幸福感で満たされていた。その感情に身をまかせ、才人はティファニアを求め続ける。

ティファニアも同じような状態になっているらしく、時折、ん……。と幸せそうに小さく声を漏らしつつも、いまだその閉じた瞳からは涙が絶え間なく溢れ出ている。

こちらも、才人の唇を決して放そうとはしない。

そうして二人の時を過ごしてしばらくが経った時、才人は外から誰かに呼びかけられたような気がした。

しかしティファニアはというと、それに気づいていないのか、一向に離れる気配がない。

まあいいか。別に俺の気のせいだろ……。

才人は自らの聴覚器官から送られてきた危険信号を信用せず、おのれの快楽にすべてを支配され、そのまま行為を続けた。

















———そのとき、沈黙が破られた。

扉の開かれる音に思わず目を開いた才人の目に飛び込んできたのは、鬼のような形相で、それに反して今にも泣きそうな瞳でこちらを睨んでいるルイズ。

それを確認すると、才人は金づちかなにかで頭を殴られたような心地になった。

さしものティファニアも物音に気づいたようで、ルイズのほうに目を向けると、まるで悪いことをしてしまった子犬のような表情を浮かべる。

一方のルイズはいうと、自分の恋人が別の女と涙を流しながら熱い口づけを交わしているという光景を前に、情けないやら悔しいやら、とても制御のつかないわけのわからない感情に心を支配され、涙を流すにも流せず、激怒するにもそれもできず、ただただその瞳に悲壮感を、その顔に怒りの色を示したまま動かない。

おそらく、思考が目の前の光景について行けないのであろう。

やがて小さく震えたかと思うと、才人が物置として使っている部屋にばたばたと入って行ってしまう。

部屋を沈黙が支配した。

どちらからともなく、才人とティファニアは互いに顔を見合わせる。

「ど、どうしよう……。わたし、ルイズにひどいことしちゃった。」

「いや、テファは悪くないさ。……悪いのは、俺だ。」

そう言って、才人は天井を見上げた。

とりあえず、今回の投下分は以上となります。
人に来てほしいなー……。
まあ、頑張ります。
それでは、また来週の土曜日に。

こんにちは。
ここまでたくさん来てもらえてうれしいです!
この後の展開についてはノーコメントで。頭の中では出来上がってます。
それでは投下開始といたしましょう。
少し少ないかもです。

その日の夕食は、才人がハルケギニアの地を踏んでから経験したものの中で最悪のものとなった。

才人とティファニアが気まずそうな顔をして食卓にやってきて、彼らを呼びに行ったはずのルイズが一向に戻ってこない。

この事実だけで、色恋沙汰に敏感なシエスタにとっては何があったかを把握するのには十分であったようで、彼女は才人の方をじっと見つめて、

「またやっちゃったんですか、サイトさん。」

と冷ややかに言い放った。

その光景をみたタバサはようやくなにがあったのかを理解したらしく、目に涙を溜めながら食事をとっているし、それを見たシルフィードが、お姉さまを泣かしたのはきっとお前なのね。許さないのねきゅいきゅい。と凄まじいプレッシャーを才人へと放っている。

ルイズとティファニアを除く全員の非難の視線を一身に引き受けながら食事をとることを余儀なくされた才人は、きまり悪そうにパンをかみ始めた。

「……で、今回はなにがあったんですか?」

才人が縮こまっておかずにも手を付けずパンを三つ食べ終えたとき、ついにシエスタが食卓の沈黙を破って才人にそう尋ねた。

才人がティファニアの顔をじっと見つめると、その視線に気づいたティファニアは顔を赤くしてうつむいてしまう。

その光景にシエスタが、はぁ……。とため息をついた。

「確かに、サイトさんは場の雰囲気に流されやすい体質がありますから、仕方ないのかもしれません。でもついこの間それでミス・ヴァリエールを怒らせて失いかけたばかりじゃないですか。あの時もわたし言いましたよね?」

シエスタに超痛いとこをつかれ、才人は小さくぐぅ。と鳴いた。

それからシエスタはティファニアの方を見ると、

「ティファニア嬢もティファニア嬢です。あのとき偉そうにサイトさんのこと非難してたじゃないですか。なのにこんなことをして……恥ずかしくないんですか!」

と言い放つ。ティファニアは耐えかねてごめんなさい……。ごめんなさい……。と泣き出してしまった。

よくよく考えてみれば、ルイズに対して敵意をむき出しにして才人にキスをしまくった経験を持つシエスタが偉そうに言えることでもないのだが、それでもシエスタは彼らに非難の言葉を浴びせ続ける。

「サイトさんもいい加減に学んでください。ミス・ヴァリエールは人一倍プライドが高い分人一倍傷つきやすいんです。わたしは魔法のことはよくわかりませんが、ティファニア嬢の使い魔になったうえに、熱いキスまで見せられたミス・ヴァリエールの気持ちにもなってください!」

そこまで言われて才人は完全にノックアウトされたらしく、

いいんだ俺はどうせダメ人間なんだいいんだいいんだやっぱり中学の卒業文集で秋葉原が似合う人ランキング第4位は伊達じゃなかったんだいいんだいいんだ。

と、シエスタたちにとっては完全に意味不明な自虐の言葉を呟きながら自室へと引っ込もうとした。

しかし、タバサはそんな才人の前に立つと、

「……浮気者。」

と言って才人の頭を思いっきり杖でたたいた。

固い杖で頭をたたかれた才人は本当の意味でノックアウトされ、床に転がった。

その才人をシルフィードがきゅいきゅい!と噛んでいる。

ティファニアがそんな才人を助けようと立ち上がった瞬間、シエスタに睨まれてしまう。

「さっきもそんなのから始まったんですよね?サイトさんはわたしたちでお部屋まで運びますから、あなたは座っててください。そのあとでまたじっくりお話を伺いますので。」

そう言われ、極度のプレッシャーできゅう……。と意識を失うティファニア。アルビオン生まれのハーフエルフは精神的に繊細なのだった。

「ミス・ヴァリエール」

物置部屋に鍵をかけて小さく体育座りをしていたルイズに向かってシエスタが声をかける。

ルイズはだれとも話したくない気分なため、その声には答えない。

「食事、ここに置いときますから、いつでも食べてくださいね。」

ことり。とお盆を置く音が聞こえた。

「……ミス・ヴァリエール」

再びシエスタが声をかける。ルイズは答えない。

そして沈黙が数分続いたのちに、シエスタが言葉を紡ぎ始めた。

「サイトさん、すごく反省してましたよ。……許せったってなかなか難しいのはわかります。わたしだって、ミス・ヴァリエールの立場なら許せません。わたしは魔法はよくわかりませんが、お相手が同じ仲間のはずのティファニア嬢ですのでいろいろと思うところもおありでしょう。」

でも、と言葉を続けるシエスタ。

「わたし、やっぱりサイトさんのことが好きなんです。ミズ・ヴァリエールのことも好きですが、それよりも、ずっと…ずっと……。ですから、あの人の悲しそうな顔見てると……本当に悲しくなるんです。ミス・ヴァリエールのいないときのサイトさんのお顔って、本当に悲しい顔をしているんです。だから……。彼と、もう一度話し合うくらいは……してあげてください。そして、無理に、とは言いませんが……、彼を許してあげてください。」

そう言い残すと、シエスタの足音は遠ざかって行った。ルイズはぎゅ……。とスカートのすそを握りしめた。

「……なによ。」

たしかに、キスも嫌だった。それ以上に、仕方ないこととはいえ、才人が別の人の使い魔になってしまったのも嫌だった。だが、それだけではここまでルイズが怒ることは無かっただろう。

才人はあの性格なので今までもたくさんの女性とキスをしてきたし、才人がゲートをくぐらなければティファニアとルクシャナは危うく死んでしまうところだったと聞いている。

ルイズだって、才人が自分だけの使い魔になる代わりに二人が死んでしまった方がよかったかと聞かれると、もちろん首を横に振るだろう。自分の独占欲一つで左右できるほど、人の命は軽いものではない。

彼女が本当に嫌だったのは、

「才人の恋人」で、「才人の主人」である自分の立場において、本当に重要な方である「才人の恋人」の権利を、自分と同じ「才人の主人」であるティファニアに奪われることだった。

才人はそう簡単には自分を捨てない。

————でも、もし新しく恋人になりそうなのが自分と同じ「ご主人様」だったら?

才人は、拒むことはないのではないだろうか。

そう考えると、表情は怒り狂い、瞳に涙を溜めずにはいられないのであった。

「……どうして、あんたは……っ。」

怒りのままに呟くルイズ。その瞳からは、ぼろぼろと大粒の涙がこぼれていた。

「どうしてあんたは……っ!神の心臓なんかになっちゃったのよ……っ!!」

その言葉は、「神の右手」へは届かない—————

「おい、相棒。起きなよ。相棒ってば。」

才人が目を覚ましたのは、辺りがすっかり闇に染まり、空に二つの月が浮かんでからだった。

ゆっくりと体を起こす才人に、デルフリンガーが声をかける。

「やっちまったねえ相棒。まあ、あのエルフのお嬢ちゃんとはいつかなんかやるとは思っていたが……。」

そう呑気に話すデルフリンガーに才人が情けない声を上げた。

「……俺がわるいんだ。俺の意志が弱いから、いつもルイズを……。」

あああ!と頭を抱える才人に、

「相棒。」

「……なんだよ。」

「もう夜だ。夜は静かにするもんだと相場がきまってるもんだ。」

極めて冷静な剣であった。

才人は声を低くしてデルフリンガーに尋ねた。

「……なあ、俺、どうすればいいんだろうな。」

「その答えは相棒が一番よく知ってるんじゃねーのかい?」

才人は上を仰ぎ見た。そして、かつてデルフリンガーが砕け散る際に才人に放った言葉を思い出していた。

「ひたすら謝る、しかないか……。」

「男には、そんなつれぇときもあるもんさ。」

それから、とデルフリンガーは声を低くして言った。

「この件のほかにも、ピンクの嬢ちゃんに謝らなくちゃいけねぇことがあるんじゃねえのかい?」

才人は、答えなかった。

「……さい………。」

……なに……?

「……きて……さい……う……。」

……聞こえない……サイト?

「……げんに……きてく……い……ふぁに……ょう……。」

サイト……じゃない……?あなたは……。

「起きろっ!!」

しびれを切らしたシエスタがティファニアの頬をはった。

ひっっ。とティファニアは飛び起き、いまいち自分の置かれている状況が理解できないかのようにきょろきょろとあたりを見回している。

ティファニアの目が、目くじらをたててこっちを見ているシエスタに止まると、ティファニアはびっくりして小さく飛び上がった。

「はぁ……。お目覚めですか、ティファニア嬢。」

目に涙をためてこくこくとうなずくティファニア。そのしぐさがかわいらしく、シエスタはいっそうイライラしながらこう言った。

「で、気絶している間に、ミス・ヴァリエールに対する贖罪の言葉は見つかりましたか?」

「……ルイズに?」

寝起きともいえる状況で、まだ意識がはっきりとしないティファニア。

しかし、シエスタの後ろで少し涙目になりながら本を読んでいるタバサを見ると先ほどの出来事を思い出したのか、びくん!と震えてその白い顔をみるみる青くしていく。

「やっと思い出しましたか?」

「や、やだ……わたし……ルイズにとてもかわいそうなことを……。」

「ええ、とても残酷なことです。かわいそうに、ミス・ヴァリエールはとっても傷ついたようで、ぜんぜん物置からでてこられないんですよ。このままひきこもっちゃったらどーするつもりなんですか。」

「うう……。」

シエスタに責められ、さらに体を小さくするティファニア。

なおシエスタが責めようとするが、そこで今まで黙っていたタバサが立ち上がった。

「………。」

「ミス・タバサ?」

「タバサ……?」

このあと彼女がどのような行動に出るか、才人なら。シルフィードならわかったであろう。

しかし、才人は彼の部屋でのびているし、シルフィードは外で竜になって寝ている。

とどのつまり、彼女の行動が予測できる者は、その場には一人もいなかったのだ。

「……らいだー、きっく。」

才人がいつの間にか教えたのであろう地球製の決め台詞と、どごっ。という鈍い音とともに、タバサはティファニアの肩付近に蹴りを加えた。

きゃぁ!とうずくまるティファニアに、タバサはさらにげしげしと攻撃を加える。

「た、タバサ、やめて。」

「お、おやめになってくださいミス・タバサ!」

そんな二人の制止もきかずに蹴りをつづけるタバサ。微ダメージの蹴りを何発も食らい、ティファニアはついに泣き出してしまった。

さすがに見かねたシエスタがタバサを羽交い絞めにするが、ティファニアは、やめて……、やめて……。と泣き続けている。

タバサは肩で息をしながら、そんなティファニアを見下ろして一言、

「……泥棒猫。」

ガリア王家のお嬢さんは、少々嫉妬深いのであった。

「うー……、あー……」

もう寝るか。と思って床についた才人だったが、今日起こったさまざまなことが思い出され、二時間と数十分が経った今でもまだ寝つけてはいなかった。

一時間ほど前までは女性陣の寝室からぎゃあぎゃあと声が聞こえてきていたが、もう寝てしまったのか、屋敷の中はしんと静まり返っている。

「眠れないのかい、相棒。」

「…まあな。」

呑気な声で話しかけてきたデルフリンガーに返事をする才人。眠れないとき、人間はどうも人恋しくなってしまうものである。

かくしてなんだか人と話したくなった才人は、デルフリンガーを手に取っておしゃべりを始めた。

「なあ、デルフ。」

「なんでえ、相棒。かしこまって。」

「……俺、本当に、ルイズに……許してもらえるんだろうか。」

「なんだ、またその話かい。さっきから相棒はその話ばっかじゃねーか。」

「…うっさいな。」

「考えても仕方ねえことだって世の中にはあんだよ。だから、そんなこと考えるぐれえなら、もう寝ろ。」

「……つれないなぁ。」

「それはこっちのセリフさね、相棒。」

そう言ってどちらともなく笑いがこぼれたとき、才人の寝室のドアが控えめにノックされた。

ぎくりと体を震わせる才人。

扉の向こうには、あの少女が待ち受けているんじゃないか……。

なぜこんな気持ちになるのか自分でもわからない。しかしながら、彼の心を支配していたのは紛れもなく恐怖であった。

「……ルイズか?」

震える声でそう尋ねる才人。

別にまずいことなどなにもない。ただ、ごめん。と謝るだけだ—————。

そう頭では分かっているものの、彼の震えは止まらない。

しかし、扉の向こう側から聞こえてきた声は

「ううん、ティファニアだよ。」

ある意味で、才人が今最も会いたくて、そして最も会いたくない人物の声であった。

「入っても、いいかな…。」

そういいながら控えめに扉を開くティファニア。体にはいくつかの痣ができていた。

「い、いいけど……。それよりも、そのアザ……いや、どうしてここに?」

突然やってきたティファニアに対して疑問の絶えない才人。ぱたん。と扉を閉め、困ったような顔でティファニアは言った。

「えへへ……、タバサとシエスタに怒られちゃって。安心して、これ、見た目ほど痛くないから。」

「そ、そういう問題じゃないだろ……。」

「あ、あの人たちなら、怒りつかれたみたいで寝ちゃった。わたしにロープもつけずに。だからわたし、ここに来たんだ。」

「いや、そうじゃない……。あいつら、なんてことを!」

「怒らないでサイト!」

激昂して立ち上がった才人を、ティファニアは悲しそうな表情を浮かべて制止した。

そんなティファニアに、才人は驚いた顔をして思わずまたベッドに腰掛けてしまう

「わたしが、悪いんだもん…。みんなの気持ちも考えないで勝手なことしちゃったから。」

ぺろり。と舌を出すティファニア。しかしその表情にはやはり悲しみのみが浮かんでいる。

だが、本当に怒ってはいないようだった。

才人はなんとなく申し訳ない気分になり、ティファニアの方に向き直ると、

「……ごめんな、俺のせいで、こんな……。」

と、目に涙を浮かべて謝った。そんな才人を見て、ティファニアはあわてて顔の前で手を振る。

「い、いやいや!ほら、ほんとに悪いのわたしだから。ね?頭あげてよサイト。」

それでも決して頭を上げない才人。彼には常に腰の低い日本人的価値観がいまだにしみついているのだった。

頭を上げない才人に困り果てたティファニアは、才人の胸に抱きついて、自らの頭で無理やり才人の頭を押し上げた。

「ね?ね?いいから……もう、謝らなくても……。ほら、わたし大丈夫でしょ?ほらほら。」
そう言ってにこにこと微笑んでみせるティファニア。そこまで聞いて、才人はようやくティファニアは自分に悲しんでほしくはないのだ、と気づく。
「……うん、ごめん。」
そう言って才人はティファニアに笑いかける。
それを聞いたティファニアは、
「もう、またあやまってるよ。」
とほほを膨らませた。

しん……と部屋の中を沈黙が支配した。

ふたりはなんとなくお互いを見つめあい、そしてどちらともなく目を閉じて顔を近づけ始める。

雰囲気の赴くままに唇を合わせようとした二人だったが、お互いの吐息が顔にかかるほどに近づいたところで、二人は同時に顔をそむけた。

「ね?ね?いいから……もう、謝らなくても……。ほら、わたし大丈夫でしょ?ほらほら。」

そう言ってにこにこと微笑んでみせるティファニア。そこまで聞いて、才人はようやくティファニアは自分に悲しんでほしくはないのだ、と気づく。

「……うん、ごめん。」

そう言って才人はティファニアに笑いかける。

それを聞いたティファニアは、

「もう、またあやまってるよ。」

とほほを膨らませた。

しん……と部屋の中を沈黙が支配した。

ふたりはなんとなくお互いを見つめあい、そしてどちらともなく目を閉じて顔を近づけ始める。

雰囲気の赴くままに唇を合わせようとした二人だったが、お互いの吐息が顔にかかるほどに近づいたところで、二人は同時に顔をそむけた。

「や、やだ……わたし……、また……。」

「生きててすみません生きててすみません生きててすみません……」

ふたりはそれぞれの懺悔の言葉をたっぷりと呟き終えると、改まってお互いの方へと向き直る。

「あのな、テファ。」

「あのね、サイト。」

「……先、どうぞ。」

「い、いいの。サイトこそ、どうぞ。」

運悪く同時に話し始めてしまい、お互いが譲り合って話が始まらない—————。

そんなやり取りを七回ほど繰り返した息ぴったりの二人だったが、このままでは埒が明かないことに気づいたのち、どちらが先に話し始めるかをじゃんけんで決定することにしたようだ。

「じ、じゃあいくよ。じゃーんけーん」

「ほい!」

数多の武器の使い手であるガンダールヴの刃を、エルフによる精霊の力が受けとめ、拮抗し……。

そんな攻防が数回続いたのち、

「むー……つぎこそ。」

「じゃーんけーん」

「ぽい!」

虚無の力を、精霊の力が上回った瞬間だった。

虚無を自らの属性とし、エルフとしての精霊の力も併せ持つ聖女……。

彼女の召還した岩石は、ガンダールヴの刃を易々と無効化し、そして破壊する。

早い話が、ティファニアがグーを出して才人がチョキを出したのだ。ここに、勝敗は喫した。

「ささ、どうぞ、ティファニア嬢。」

「ううー……。」

勝った者から話をする。という約束だったために、早く話すようにティファニアを促す才人。

しばらく照れていたティファニアだったが、きっと顔つきを真剣なものに変えると、才人に向かってこう言った。

「わたし、決めたの。サイトを……諦める。」

「……え?」

いきなり自分のことを諦めると言われて面食らう才人であったが、さすがにそれが何を意味するか分からないほど鈍いわけではない。ティファニアの意図を察すると、いっそう真剣な面持ちになってこう言った。

「……そうか。うん、実は、俺もそんな感じのことを言おうと……。」

「……そっか。」

二人の間に、気まずい沈黙が流れた。お互い、瞳に少しずつ涙が溜まっていく。

先にそれがこぼれたのは、才人よりもずっと瞳の大きなティファニアの方だった。

「…ぐすっ……。わたしは、もう、才人からいっぱい勇気をもらったから……。みんなにも迷惑かけて、すっごく怒られて……。でも、もう、いいの。あれだけもらったんだもん。後から来たわたしがこれ以上……ううん、今でももらいすぎだね。でも、そしたらルイズが悲しんじゃうよ……。サイトのくれる勇気は無限じゃない。だからこれ以上、わたしがもらうことは……できないよ。」

そう言ってぽろぽろと涙を流すティファニアを、才人は心底抱きしめたくなった。

ティファニアは性格も最高で、容姿に至っては地球とハルケギニアを合わせてもおそらく彼女の右に出るものはいないというくらい美しい。総合的に考えても、二位以下に圧倒的な差をつけて優勝するであろう。

才人はいつしか、そんなティファニアのことをを愛すようになっていた。

しかし、ルイズはどうなるのだ。生意気で、性格も悪かったけれど、徐々に打ち解け、今では自分のことを心から好いてくれている美少女……。

そして、自分の恋人であり、大好きな人。この二人を天秤にかけることなど、才人はしたくない。そして、結果も見たくなかった。

だから、抱きつきたい衝動を必死にこらえ、涙を流すことしかできない。

「テファ、ごめん……。ごめんな……。」

「…サイト……っ。」

二人はお互いの名前を呼びながら、涙を流し続けた。皆が寝静まっているにもかかわらず、彼らはお互いの名前を呼び続ける。

そんなことをしているうちに、二人の距離はもはや一尺ばかりかというほどに近づいていた。

ティファニアは才人の手をとると、

「ねえ……、これだけ泣いたら、勇気逃げてっちゃった……。」

「……そうか。」

「だから、最後の……。ほんとに最後の勇気……ちょうだい?」

そう言って唇を差し出すティファニア。その姿は美しいという域をはるかに超越し、神々しいという範疇にすらとどまらず、なんと言っていいかわからなくなるくらい、めちゃくちゃに美しかった。

その美しさに我慢が出来なくなった才人は、ついにティファニアに自らを重ねた。

一回離し、お互いの顔を見つめ、また重ね……。

一回一回の接吻に対し、これが最後だと自分に言い聞かせつつ、ふたりは幾度となく影を重ねる。

ついに才人の舌が、ティファニアの中へ侵入した。体をぴくんと動かしたティファニアであったが、自らの舌でそれを包み込んで応じてみせる。

もはや、誰も泣いてはいなかった。ティファニアの言う所謂「勇気」が伝わった結果であろうか。

そうしたまま、一体何分が経過しただろうか。もう才人はティファニアをベッドに押し倒してしまっていた。

才人はティファニアから顔を離すと、

「テファ……、俺……。」

と紅潮した顔で声をかける。

ティファニアは目尻に残っていた涙をぬぐうと、

「うん……。いいよ、だってこれは……最後の、勇気をもらってるんだもん……ね。」

と言って才人の方を見て胸をはだけて見せた。

そこからのティファニアの記憶は、あまり鮮明ではない。

ただ、自分の体についた痣のすべてに才人がキスしてくれたこと。

いざというときに、どうしても怖くてかたくなってしまった自分を、才人がぎゅっと抱きしめてくれたこと。

おかげで、あまり痛くなかったこと。

才人が自分だけを見て、そして自分をひたすらに求めてくれたこと。

それだけははっきりと覚えている。

すっかり泳ぎ疲れたティファニアは、才人の腕のなかで眠りにつこうとしていた。

しかし、行為を反芻しているうちに、とある疑問がふと頭をよぎった。

————サイト、どうしてあそこまでうまかったんだろう?

その疑問について少し考えてみたい気分になったような気もするが、もう夢の中へと旅立ってしまったティファニアは、もはやそのようなことはすっかり忘れてしまっていた。

ここまでが今回の投下分です。
>>75では間違えちゃいました……
それにしても、自分の文章力のなさに嫌気がさしてくる今日この頃です…。
さてさて、ついにテファにアレをぶち込んでしまった才人!いったいこれからどうなってしまうのかー!!
……では、また来週。

こんにちは……>>1です……。

今週は忙しくて全然かけませんでした…。

とりあえず今かけてる分だけでも投下します!すみませんでした!

「嬢ちゃん、相棒、そろそろ起きなよ。朝っぱらから修羅場になっちまうぜ。」

デルフリンガーにそう声をかけられて、二人はほぼ同時に目を覚ました。

辺りはまだ暗く、お世辞にも早朝ではない、深夜と言った方がしっくりとくるような時間である。

「……なんだよデルフ、おどかすなよ。」

「いんや相棒、メイドなんかの人種はかなり早く起きてくるもんなんだよ。ピンクの嬢ちゃんなんかと一緒にしちゃいけねえ——それより、そのぶらぶらしたもんしまいな。おりゃそんなもんは全く見たくねえよ。」

デルフリンガーにそう指摘され、才人は自分のかっこうがあられもない姿だということに気づき、昨夜のことを思い出して顔を赤くした。

うぶなティファニアなどは、布団に頭までもぐってぷるぷると震えている。ちょこんと飛び出たとがった耳は、見たことがないほどに真っ赤になっていた。

「嬢ちゃんもその中で服着な。相棒も。ったく、なにが悲しくて朝っぱらから男の裸なんか間近で見なくちゃなんねぇんだか……。」

いそいそと服を着始める才人。そして足元に落ちているティファニアの衣類に気が付くと、大きなブラジャーとエルフ式のゆったりとした上着、そしてまだ少し湿っているショーツをティファニアの方へ放り投げた。

ティファニアはそれをずるずると布団の中に引きずり込み、もぞもぞと布団の中で着替えているようだ。

二人の着替えが終わり、ティファニアも布団から出てきて、改めてお互いの顔を見た。昨夜のことが思い出され、ふたりは顔を赤くして顔をそむける。

終わり?

「……ど、どうしようかな、これから……。」

「う、うーん……。今寝室に戻ってもシエスタたちが感づいて余計にまずいだろうし……。」

そんなことを顔をそむけあったまま話し合う二人に、デルフリンガーがあきれたような声を出した。

「嬢ちゃんはここにいた方がいいだろ。夜中に目が覚めて相棒のところで夜通し話してたってことにしな。安心しろ、俺が話をあわせてやっからよ。」

「ありがとう、剣さん。」

「ありがとな、デルフ。」

そう言って頭を下げる二人。デルフリンガーはそれを見ると、くっくっくと笑いながら話を続ける。

「いいよ。なんたって、いいもんみせてもらったかんね。」

がーん。と顔が青くなり、そしてかあぁと赤くなり、デルフリンガーのもとへ詰め寄るティファニア。

「ね、ねえ剣さん。その、いいものって……。」

「いんやぁ、六千年生きてきたがこんなのは初めてさね。刀身がちょっと伸びちまったぜ。それにしても相棒、いくら嬢ちゃんが魅力的だからってなにも六回もするこたぁねえんじゃねえの。それに嬢ちゃんも途中から完全に自分から腰を—————っていててて!!じ、嬢ちゃん、そんなに握りしめるんじゃねえって!!相棒のを握ったみたいにやさしく……ああああ!!さ、錆びる!!錆びるから塩をぬりこまないで!た、助けてくれ相棒!」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ愛剣に、才人は冷ややかな視線を送る。

誰だって、自らの性行為を知り合いにみられたらいい気分はしないだろう。いい気分になるのはマリコルヌくらいである。まあ、本能の赴くままにいきなり行為を開始した才人の責任でもあるのだが。

「ふう……ふう……。と、とにかくだな相棒。お前さんたちはこの部屋にメイドがくるまでは静かにしゃべっとくんだ。いいな?それで、奴が来たらこう答えるんだ……。」

怒りながらもデルフリンガーの作戦に耳を傾ける才人。なるほど、ティファニアがたまたま目が覚めたついでにここに来たと言い、自分とデルフリンガーがそれは本当だと話を合わせれば、こんなにいい作戦はないだろう。

やっぱりこの剣すげえ。と感心する才人。ティファニアもデルフリンガーの作戦通りに動くことに決めたようだ。

作戦通りに静かにおしゃべりを開始した二人には聞こえないように、デルフリンガーはぼそっと呟いた。

「……俺は結局、どれだけの人間を欺きゃいいんだろうなぁ。」

ルイズは物置部屋で目を覚ました。

目の前に、寝る前に我慢が出来なくて食べた夕食の入っていた空の食器が並べられているのを見て、昨日の出来事が夢ではなかったことを実感する。

それでいて、ルイズの頭は一晩の間にすっかりと冷えていた。

昨日は怒ってここに閉じこもってしまったが、よくよく考えてみるとそんなに怒るほどのことでもないかと思えてきたのである。

ま、まああの使い魔はスケベだし。すすすスケベだし。まああのお化けかぼちゃにせまられたらキスぐらいしちゃうかも……。いいい、今までだってシエスタにもタバサにも姫様にもしてきてたし。ししししてきてたし。ま、まああいつの好きなのはこのわたしだから、別にいいんじゃないかしら……。

そんなふうに考えながら、ルイズは少々埃っぽい床へと寝ころがった。

「……いない。」

シエスタがはっと目を覚ますと、ある意味で最もここにいて欲しかった人物であるティファニアがいなくなっていた。

あのアマどうせまたサイトさんのとこなんでしょああいまいましいあんな売女のどこがいいのかしらサイトさんああきっとだまされてるんだわあのかぼちゃは凶悪だからきっとそうだわ。

ぶつぶつと恨み言を呟くシエスタだったが、よくよく考えるとそんなことをしている場合ではないことに気が付く。

「あ、こうしちゃいられませんね……ミス・タバサ!起きてください!」

ゆさゆさとタバサを揺さぶるシエスタ。しかしタバサはよほど眠いらしく、ん……としか返さない。

そんなタバサにいらいらしたシエスタであったが、さすがに王族をベットから突き落として起こすわけにもいかず、一人で才人の部屋へ赴くことにした。

シエスタが才人の部屋の前に来てみると、才人の部屋からは話し声が聞こえてきた。

なかなか盛り上がっているのか、笑い声やデルフリンガーの声も聞こえてくる。

そして、聞こえてきた声はやはりというべきか、ティファニアの物であった。

想像通りの展開にあきれながらも、ロマンティックな雰囲気ではないことにほっと胸をなでおろしつつ、シエスタは目の前の扉を勢いよく開けた。

以上です。
>>93
すみません、お腹痛くてピットインしていました。

来週はいつも通り書き上げたいと思います……。申し訳ない。

試験があったんとキングオブキングスがおもろいんがあかんのや!

それではまた来週…。申し訳ありませんでした。

臭いでバレそう
次回も楽しみにしてる

遅くなりました、>>1です。
すみません、今週も先週ほどでないにしろ少なめです。…申し訳ない。
来週もおそらく少なくなります。再来週は通常並みになるかな?ってとこですが。
それでは、投下開始します。

「こらーっ!!ティファニア嬢!!なにやってんですか!!」

才人とティファニアが芝居を始めてから三十分と経たないうちにシエスタが飛び込んできた。

才人は、デルフの言うとおりにこんな早くから芝居始めといてよかった!!と内心胸をなでおろした。

ティファニアははあはあ肩で息をしているシエスタに対し、先ほどデルフリンガーから伝えられた作戦通りのセリフを口に出し始めた。

「ししし、シエスタ!?わ、わたしはあまり寝つけなかったからさっきサイトのところに来てお話を……。」

おどおどと話すしぐさを見せるティファニアに、才人は大したものだと舌を巻いた。

実際は、ティファニアは本当にビビりまくっていただけなのだが、才人はそれをティファニアの演技だと勘違いし、俺も頑張らなくちゃな。なんて見当違いの決意を固める。

「そ、そうなんだよ。ほら、俺もあまり眠れなかったし…。」

そんな決意もむなしく、才人はたどたどしく言葉をつなげることしかできなかった。彼はあまりこの手の演技が得意ではないのだ。

自分の演技のまずさに自分でも気づいたのか、顔を真っ青にしてバレやしないかと小刻みに震えている。

しかしそんな才人の心配に反して、シエスタはあっさりと言った。

「はあ……。そうだったんですか。わかりました。でもティファニア嬢も、あまり寝室を抜け出してサイトさんのとこに来てたら許しませんからね?さあ、帰りましょう。」

てっきり食い下がられるものだと思っていたティファニアは一瞬気の抜けたような顔になり、それからすぐにもとの緊張した顔に戻って

「う、うん。わかった、シエスタ。」

と言った。

才人も、自分の演技がばれなかったことに心底安心し、胸をなでおろした。

「ささ、まだ夜ですよ。わたしは今から仕事がありますけど、ティファニア嬢は寝室に戻って。サイトさんはここでまたお休みになってください。」

シエスタはそういいながらティファニアを部屋の外へと押して行く。

あ、ちょっと。待ってシエスタ…。なんていいながら部屋の外へ退場していくティファニア。そんな姿をぼんやり見ていた才人だったが、ティファニアが部屋から出た瞬間、シエスタの唇が

「……こんなに匂いが充満してたら誰でもわかりますよ。」

と呟いたことを見逃すことはできなかった。

「まさか……な。」

扉がしまって誰もいなくなった部屋でぽつりと呟く才人。

しかしどうすることもできず、仕方なくベッドに戻る。

そのベッドには、まだティファニアの甘い香りが残されていた。

才人が再び目を覚ましたのは、鳥がちゅんちゅんと囀り始めるころだった。

「ふあーあ。」

大きな欠伸をひとつして、服を着替え、食堂へと向かう。

ルイズは、朝食を食べに来てくれるだろうか……。

そんなことを考えながら歩く才人の足取りは、決して軽いものではない。

そして、なんとなく憂鬱な心持のまま、才人は食堂の扉を開けた。

才人が食堂を見回すと、そこにはもうほとんどの人が起きてきていた。

食事が出てくるのを待ちながら眠そうな目で本を読んでいるタバサ。

お姉さま!きゅいきゅい!と言いながらタバサの頭に頬をぐりぐりしているシルフィード。

かちゃかちゃと食器を準備しているシエスタ。

そして……才人の方を見るとぽっと頬を赤く染めるティファニア。

ルイズの姿は、そこにはなかった。

才人は、おはよう。とあいさつをして、小さく息をついて席に腰掛ける。

その食卓に会話はない。が、朝であるためにまだ眠く、頭がぼーっとしているためにあまり苦にはならないのが救いだった。

パンが目の前に並べられたのを見て、才人は手を合わせ、いただきますと呟いてからパンをかみ始める。

そこで才人は、なにやらみんなの視線が自分に集まっているような気配を感じて顔を上げた。

案の定、みんなが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。

訝しく思った才人は、ちょうど隣にいたシエスタに尋ねてみることにした。

「ど、どうした?俺、なんか変なことしたかな。」

「いえ……」

シエスタはそう答えながらも、不思議なものを見るような目を才人へ向けている。

才人がますますわけがわからなくなっていたところに、タバサが疑問の言葉を投げかけた。

「…イタダキマスって、なに。」

才人は愕然とした。

ハルケギニアでは、始祖ブリミルや女王陛下に感謝こそすれ、手をあわせていただきますなんて仏教じみたことはしないのである。

そんなことは一年以上に及ぶハルケギニア生活ですっかり身に着けていたつもりであったが、今日はつい口をついて出てしまったのだ。

それだけ精神が参っていたのかもしれない。

うーん、正直に答えてもいいんだけどここの人たちってみんなブリミル教徒なんだよな……。異端審問なんかにゃかけられないだろうけど、答えても大丈夫かな…。

そんなふうに、失礼なことを考える才人。その凍りついた顔になにかを感じたのか、シエスタが

「きっとサイトさんの国でのならわしなんですよ!今日はみんなでイタダキマスをして食べてみませんか?」

と助け船を出す。

一同がうなづいていただきますを唱えた後、才人はシエスタにこそっと囁いた。

「ありがと、シエスタ。なんて言っていいかわからなかったんだよ。」

「いいんですよ。どうせそんなことだろうと思いました。」

ふふふと笑うシエスタに、才人も思わず目を細める。

しかし、シエスタの次の言葉に表情を凍らせた。

「…それだけお疲れになるようなことをしたんですね、サイトさん?」

シエスタの貼り付けた笑顔が逆に怖い。深夜のシエスタの唇の動きを思いだし、才人は背筋にますます寒いものを覚えた。

「えっ………と……。」

才人がかろうじてそこまで喉から声を絞り出した時、がちゃ。と扉の開く音が聞こえた。

助かった……。と思って扉の方を振り返ると、そこには

「寝心地最悪。ベッドで寝なかったのなんていつ振りかしら。公爵家の娘の名が泣いちゃうわよ、まったく。」

———————いつも通りの表情を浮かべたルイズが立っていた。

突然の復活に、みんなルイズの方を驚いた表情で見つめる。

ティファニアだけが、その目に涙を溜めていた。

ルイズはバカみたいに口を開けている才人の方へつかつかと歩いてくると、その鼻先に指を突き立てた。

「……今回だけ、だからね。」

そういって才人を睨みつけるルイズに、才人はマジ泣きしながら床に平伏した。

「ありがとうございます、ご主人様。」

そんな姿の才人を見て、ルイズはにやりと口角をつり上げる。

「…ああ、痛い。体中が痛いわ。きっと誰かのせいで床に寝たからね。一体誰のせいかしら。」

「私めのせいでございます。」

「…犬はご主人様をそんな目に合わせてもいいほど偉いのかしら?」

「滅相もございません。」

「…なら、その罪を償ってしかるべきよね?」

「まったくをもってその通りかと。」

「いいわ、罰を与えます。」

そこまで受け答えをしてルイズは、そうね……。と考えているしぐさを見せる。その一挙手一投足が、才人にはとても愛しく思われた。

よし。と呟き、ルイズは急に顔を真っ赤にして言った。

「きききき、キスしなさい。」

「…はい?」

「ごごご、ご主人様にキスしなさいって言ってんのよ。はやく!」

「あの、ここで…でございますか?」

「そうよ!」

ルイズはきっと部屋中を睨みつけた。

「こここ、ここにいるみんながあんたに手出ししないように、あんたはわたしの犬だってことを見せつけるの。だから、はやく。」

きゅーん。と才人の胸が鳴った。そのまま、いただきまーす!とキスをしようと両手を広げた瞬間、横から現れたシエスタに切ない部分を蹴られてしまう。

「ぐう」

「ななな、なにすんのよバカメイド!!」

「朝から破廉恥なことをするのをやめてください。痴女・ヴァリエール。」

痴女という、最高にうれしくない称号を賜ったルイズは、怒りのあまり小刻みに震えながら、

「ああああ、あんたね。だだだ、誰に向かってくくく口をきいているのかしら。」

「痴女です。痴女痴女痴女……」

「黙りなさいこの売女。」

「誰が売女ですかこのくそ痴女。」

口論の末、二人は歯をむき出しにしてキャットファイトを開始した。

それを薄れゆく意識の中で確認し、シエスタがあの怖いシエスタじゃなくなったことにほっとして、薄れゆくままに意識を手放そうとする才人。

…完全に意識を手放す直前に、今にも泣きそうな顔をしたティファニアが見えたような気がした。

「だーかーらー…。相棒の言ってたことは本当なんだって。信じてくれって。」

「いーや、信じません。どうせサイトさんに頼まれて黙ってるんでしょう。」

「そんなめんどくせえことしねえよ…。」

朝食の後、才人が騎士隊の訓練に出かけ、ルイズとタバサがそれに付いていき、シルフィードは外に、ティファニアが部屋に戻ったのを見計らって、シエスタはデルフリンガーに詰め寄った。

サイトさん、絶対ティファニア嬢と……。女の勘がそう告げていたのである。

しかしデルフリンガーはなかなか口を割ろうとしない。

「じゃあどうしてこの部屋は変なにおいがするんですか!サイトさんの言ったとおりだとすればこの部屋がこんな栗の花みたいなにおいがするわけないじゃないですか!」

「そ、それは……」

勝った。とシエスタは思った。しかし、デルフリンガーは重々しく言った。

「…自分で慰めてたのさ。…相棒には俺が言ったってことばらすんじゃねえぞ?」

そう返されて、シエスタは何も言えなくなってしまう。たしかに匂いのことに関してはそれで十分説明がつくのだ。

シエスタは少し考えて、

「…じゃあ、このメスの匂いはなんなんですか。むせ返るような、このメス特有の……。」

「あ、それは説明できねえな。すまねえ相棒。」

「詳しく説明しろや屑鉄。」

一介のメイドが伝説の使い魔の武器を上回った瞬間であった。

シエスタは、今度こそ勝った。とばかりにデルフリンガーを質問攻めにしていく。

(すまねえ、相棒……。)

デルフリンガーの思いは、ド・オルニエールの空へ消えていった————。

以上になります。
意外とありましたね……。
あと>>102は絶対に許さない。絶対にだ。
それでは、また来週。

真面目に考えてテファしか天使がいないことに気づいた
他の女はどいつも毒持ちや

こんにちは、>>1です。
今回は本当に少ないです……。ごめんなさい。
それでは開始します。

「副隊長殿、お尋ねしたいことがあります。」

太陽が高く昇り、熱中症にならないため、という口実のもと小屋での休憩の命令を下した才人に、ぽっちゃりさんが話しかけてきた。

ギムリが指揮をとって建てたという小屋は、かなり男臭いもののしっかりと作りこまれていて、休憩という名目には最適というほどの過ごしやすさである。

もっとも、ルイズたちはその男臭さに気分を害して才人の邸宅へ帰って行ったのだが。

そこでお茶を飲んでいた才人は、真顔で話しかけてきたマリコルヌに対し、多少面食らって答えた。

「どうしたんだよマリコルヌ、かしこまっちまって…。」

「恐れながらお尋ねします。」

そこで初めてマリコルヌは悪魔のような笑みを浮かべた。

才人はようやく、このぽっちゃりさんにシリアスなどほとんど存在しないことを思いだす。

「ティファニア嬢とはどこまでヤったんだよこの腐れヤリチン野郎。」

昨夜の出来事を思いだし、ぎくり。と一瞬視線を泳がせた才人。

そんな才人を、マリコルヌは見逃さない。

「おらおら。お前はやっぱりそうだ。ああルイズ!俺にはお前だけだよルイズ!かわいいよルイズ!ああレモンちゃんレモンちゃん!!なんて言っていながらこの間は女王様に手をだし、そして今回はエルフだ。一体そのどこに誠実さがあるんだよ。」

ひとたび人の弱みを握れば大いに調子に乗るマリコルヌであった。

そんなマリコルヌに責められ、才人は言葉に詰まってしまう。

そんなところに、水精霊騎士隊が誇る第二の低脳、ギーシュ・ド・グラモンが降臨した。

「サイト……。きみはついにあの兵器できみの兵器をどうにかしてしまったのかね。く、詳しく光景を教えるのが副隊長としての務めと思うわけだが?」

「そうだヤリチン。てめえだけいい思いしてんじゃねーよ。」

変態ふたりに責められ、なす術もなく才人は陥落した。

「…ぜ、絶対ルイズに言わない?シエスタとかタバサとかシルフィとかテファとかキュルケとか女王様とかにも?」

「言わないよ。」

「ふむ、約束しよう。」

才人の言葉にうなずくマリコルヌとギーシュ。いささか信頼にかける二人だったが、ある意味ではルイズの怖さを一番知っている二人でもある。

そんな二人を信頼し、才人はぽつりぽつりと昨夜の出来事を話し始めた。

「……まずテファとキスをしたのがルイズにばれてしまって…。」

「今まできみは彼女とキスをしたことがなかったのか?」

「いや、そんなことは……一回だけ、サハラに行った時に。」

「ふむ、やっぱり僕がルイズに語った予想は正しかったわけだ!で、ルイズはそれを見てサイトをゆるしてくれたのかい?」

「う、うん、今日の朝に……。」

「朝?ということはきみは……。」

「……。」

才人の様子からすべてを悟ったギーシュは、感心したかのような顔をして、

「なるほど、ルイズを怒らせたその夜にもうあの兵器をぐにんぐにんしたのか。きみも流石だな……。」

と才人の肩に手を置いた。

うなだれる才人に、鼻息を荒くしたマリコルヌが詰め寄った。

「で、どうだったんだい?」

「なにがだよ?」

「ティファニア嬢のあの最終兵器と壺にきまっているだろう!」

それを聞いてギーシュも鼻息を荒くする。

「ふ、ふむ。それは僕としても興味があるな。サイト、きみはそれを僕らに報告する義務がある!」

もうどうにでもなれ。そんなふうに考えた才人は、とことんこの変態に付き合ってやることにした。

「…よかったよ。」

「よかったで済まされるわけがないだろう!きっとすごいんだろうなあ……。あの二つの火竜山脈はきっと触ると手全体をむにっと包み込むんだ。そしてそれにきみの杖を挟まれようものなら最後、すべてを吸い尽くしてしまうんだろう。そして極めつけはあの壺だ。彼女の体つきから言ってそれはきっと素晴らしいものなんだろう。彼女という白いキャンパスにまず赤い絵の具が入り、そして白い……」

これ以上は、いけない。そんな妄想をぐへへぐへへと繰り広げるマリコルヌ。

想像通りの行動を行うぽっちゃりさんに軽く引いた才人は、ふと顔を上げてみることにした。するとそこには、

「…はやくしてくれないかサイト。その情報はわが水精霊騎士隊の未来にかかわるんだ。」

「ふむ。確かに女王様をお守りするうえで非常に必要になるな。実務担当の僕がしっかりと管理しなくては……。」

「きみ、一度話し始めたものをそう勿体付けるものではないよ。そもそも英雄というものは色を好むものなんだよ。わがグラモン家でも……。」

ギーシュとマリコルヌしかいないと思っていたのだが、いつの間にかギムリ、レイナール以下水精霊騎士隊全員の顔が並んでいた。

あるものは鼻息を荒くし、あるものは下のなにかを押さえ、なんというか、男の子の空間が出来上がっていたのである。

「お前らいつから聞いてたんだよ!!」

そう怒鳴った才人に、全員を代表してレイナールが答えた。

「きみがティファニア嬢にキスをしたと言い始めたところから……。」

「最初からじゃねえか…。」

がっくりとうなだれる才人。そんな才人を申し訳なさそうに見つめてから、ギーシュはこほんと咳払いをして

「で、詳しい心地と具合を教えてほしいのだが?」

「もう好きにしてくれ……。」

かくして、才人がティファニアにしっぽりとしてしまったという事実は、水精霊騎士隊における常識とまでに成り上がったのであった。

以上です。
最近>>127とおんなじように思えてきました。
でもルクシャナもいいよね!
まだよくわからないのでこのSSには出せませんが……。
あとカトレア姉さまもすばらしいかと。
あとアン様は悪女だと思うの。
それでは、また。

(゚д゚ )乙 これは乙じゃなくてポニーテールなんたらかんたら

それはそうと、細かいようだが地の文で文節変わる時は一文字空けるのと
セリフの」(カギ括弧閉じ)の直前に。(句点)は付けないで欲しいよ
ごめんね、だけど期待してるんだから!

>>136
エレオノール嬢ディスってるのか?


       /                  \
     /  /             \     ヽ
    /イ  /     !           \    ',
 .   i!./! /     !    \.       \.   !
    / .| !    ! ∧ !    ヽ   \   \ |
    ! | |    |__| \|\.    !   _,! \ ヽ !
    | | /!∧  _|_`ト、  \ ,斗七´___!  ヽ\八

    | V i| ヽr个弋ふト ヽ ∨, ィ埒リ 个 、 |   \

   /    |  | \  ´¨´ >=く  ´~  !ィ´  !    \
 /    /|  ∨ハ ` ‐‐'´  i  `ー‐ 个 \ |\    \
/   /  |    ヘ、    _ __,    /    ∨  \    \
   /   /     | > 、_     r</     |    \    \
  /   /      |—へ__r=くr┴‐|     \    \.    \

 厶-—;/       |::_,/_:|::::!:::|::::::::::|       \_   ヽ    )
./   /       /´:::/::弋」_ノ!:::::::::|        \ \  |   /
  /       /::/::::::::::::/  |::::::::∧         \ \  /!
./       /::::::/:::::::::::::::::|  |:::::::::::::\         \ ∨  |

すみません、>>1です……。
今週も想像以上に忙しくて時間が取れませんでした。
今書いていますのでしばしお待ちを。
>>137
わかりました。
文節というのはなんでしょうか……。

>>141
マリコルヌはあっちいってて!

文章の基本ルール
http://lightnovel-writing.com/teaching_page/teaching_page5.html

このサイトで分かりやすく説明してるよ
これから書く別のSSやラノベにも応用利くから覚えておいて損は無いよ

筆がすすまない……。

とりあえず、できた分だけ。

本当にすみません……。

>>143
ありがとうございます!参考にします…。

「ただいまー」

「おかえりなさい、サイトさん」

水精霊騎士隊の面々に小屋でこってりと絞られた才人を出迎えたのは、いやにニコニコ顔のシエスタだった。

なにかいいことあったのかな?なんて考えながら、才人は部屋へと足を進める。

「あの、夕食の前にお部屋へ行ってもかまいませんか?」

「ああ、かまわな……」

シエスタに声をかけられ、後ろを振り返った才人が見たものは……。

「ふふ、お話がありますから」

かつて、日本の大江山で源頼光がある獣を退治した。

酒盛りを行い、眠りこけたところをその首を切り落としたという。

その獣の名は酒呑童子。日本にて鬼と呼ばれる妖怪である。才人もその絵を東京で見たことがあった。まだ小さかった彼は、その得体のしれない恐ろしさに泣き出してしまったことがある。

その恐ろしさが現在の彼の眼前に存在した。

なんというか、泣きそうになるくらいの恐ろしいオーラがシエスタから放たれている。

「あの……、シエスタサン?」

「なんですかサイトさん?」

「お、お話というのは……」

「最近、物騒ですね……」

「へ?」

「ええ、最近ほんとに物騒。サイトさんみたいな使い魔とか、ミス・ヴァリエールみたいなメイジならともかく、わたしみたいな平民には恐ろしくって大変だわ。そう思いません?」

いきなりの問いかけに何のことかわからず、才人はなんと答えていいかわからない。

「は、はあ……うん、そうだね」

「いえ、ほんとうに。サイトさんでも危ない相手もいるんでしょう?たとえば……」

「えーと……」

「エルフとか」

終わった。と才人は思った。

いやね、なんか話の流れが妙だなーとは思ったんだよ?でもまさかそこからその話につなげてくるとは思わないじゃん。ちゅうか実際おもわなかったし。つまり何が言いたいかっていうとデルフめ喋りやがったなこの野郎。

心の中でのやり場のない怒りをすべてインテリジェンスソードへと向ける才人。

自らの行動が不埒だったなどとは思わないようだ。

そんな才人をシエスタはにこにこと見つめている。

「あの……、シエスタさん?」

「はい、なんでしょう?」

「そのお話、辞退させていただくわけには……」

「なら、私の代わりにミス・ヴァリエールがお話しさせていただくことになると思いますが」

「お話しましょうかシエスタさん」

「いい心がけですね」

どうしよう。いや、マジで。

才人の動揺は、一筋の汗となって彼の額にしっかりと刻み込まれた。

以上です。
さいきん本当に申し訳ない……。
明日たっぷりと書きたいと思います。ので、来週はきっちりと投下できるかと。
それでは、また。

すみません!年賀状書いてたらおそくなりました……。
投下開始します

 才人が部屋に入ってすぐに行ったことは

「おいこらデルフ! どうしてシエスタに言っちゃったんだよ!」

デルフリンガーを責めることだった。自分と一緒に入ってきたシエスタには目もくれず、才人はデルフリンガーを思いっきり握りしめる。

「いてて!! しょうがねえじゃねえか……。相棒は刀身に塩を塗られそうになる恐ろしさを知らねえからそんなことが言えるんでい」

と、デルフリンガーは泣きそうな声を上げる。

そこで、今まで無視されていたシエスタが動いた。

「サイトさん? デルフさんとお話するんじゃなくて、わ た し と お話しませんか?」

「……はい」

口をへの字に曲げて返事をする才人。解放されたデルフリンガーは、ほっと息をついた。

「で、どういうことなんです?」

シエスタにそう質問され、才人はきょとんとその顔を見つめた。デルフに全部聞いてたんじゃないのか? なんて疑問が彼の頭を飛び交う。

「あの、デルフに」

「ええ。サイトさんの口から直接伺いたいので」

もはや逃げ道は断たれた。才人はしぶしぶ腹を割って話し始める。

「……で、眠れなかったとこにテファが来て」

「ほう」

「そいで痣がかわいそうだったもので泣いたりしてたらいい雰囲気になって」

「ほう」

「それでそのまま……その……」

「ほうほう……で?」

で? で? と才人に詰め寄るシエスタ。これ以上報告すべきことがないと思っている才人は、間抜けな顔をして言った。

才人だって思春期の男の子であり、何を聞かれているのかはわかっていた。しかし、その直感を信じるのがどうも怖く、あえてとぼけてシエスタに聞き返す。

しかし帰ってきた答えは恐ろしくシンプルだった。

「ティファニア嬢の具合ですよ。いわゆるハメ心地ってやつ」

「おおお、女の子がそんなこと言っちゃ……」

「誰のせいだ、誰の」

「……すみません」

戦乙女には。ヨルガンムントには。先住魔法には立ち向かっていった伝説の使い魔でも、このメイドに対しては少しも逆らうことができないのであった。

そんなかわいそうな使い魔は、凶悪なメイドの凶悪な力によって泣く泣くティファニアの”具合”とやらを語らされる。

「……その、入り口がきつくて、その、血が出て、その」

「ふーん。血が出るってことは森の中のエルフのくせに純潔を守ってたわけですね」

ひでえ! と思ったが口には出さない。出せない。出せば自分とティファニアに被害が及ぶことは明白である。心の中でティファニアに詫びつつ、才人はさらに”具合”について語った。

「その、奥まで入れるとですね、その、きゅうきゅう締め付けてきて、その、ワタクシそのなんですかいわゆる、その、もう辛抱たまらんというかですねその」

「だしちゃいましたか」

「だしちゃいました」

「何回ですか?」

「六回です」

「どくどくっと?」

「どくどくっと」

「六回ですか?」

「六回です」

「どくどくっと?」

「どくどくっと」

ここまで聞いてシエスタは、はぁ。とため息をついた。

「サイトさん」

「ハイ、ナンデショウシエスタサマ」

「……命中してたらどうするおつもりなんですか?」

そうシエスタに聞かれて、才人はさっと血の気が引いていくのを感じた。

「……どうしよう」

「なにも考えてなかったんですか!」

シエスタは心底呆れたような声をだした。才人は小さな声で、すみません……。すみません……。と呪文のように呟いている。

しばらく呆れたような顔をしていたシエスタだったが、さっと笑顔をつくり、才人に歩み寄ると

「……なら、もう何人としてもかわりませんよね?」

才人をぎゅっと抱きしめた。

突然のシエスタの行動に、才人はびっくりして

「シ……エスタ…?」

と、シエスタに呼びかける。

シエスタの耳の後ろからはふわりと甘い香りが漂ってきて、それが才人の脳を痺れさせた。

「一人妊娠させても二人妊娠させても同じです。ミス・ヴァリエールが怒ることに変わりないでしょう?」

「で、でも……」

そんなことはない。全然そんなことは無い……のだが、シエスタに抱きつかれ、ティファニアほどではない大きな胸をぐいぐいとおしつけられた才人に、正常な判断を求めるのは少し酷だった。

「シエスタ……」

「はい、サイトさん」

才人はシエスタの腕から顔を抜け出すと、彼女の顔をじっとみつめた。

シエスタの目は潤んでおり、顔は真っ赤である。第三者の視点からみれば、才人の顔もシエスタのそれとそう大差ないことに気が付くだろう。

シエスタがうるんだ瞳を閉じて、口を前につきだした。

「サイトさん……」

「シ、シエスタ、俺」

「いいんです、わかってます……。でも、あまり女の子に、恥をかかせないで……」

そこまで聞いて、才人は我慢ができなくなった。

シエスタの顔に自らの顔を近づけ、そして






「…………………ごめん」



「…え?」

才人は、もうシエスタの様子に辛抱ができないところまで参ってしまっていた。

しかし、キスをしようと顔をシエスタに近づけた瞬間、彼の頭にひとりの女の子の顔がよぎったのである。

いつも怒っていて、いつもバカにしてきて、いつも股間を蹴ってきて。

ピンクの頭をして、たまにわけのわからない行動をして。

いつも守って、守られて。

才人がすっかり参ってしまった女の子。

ルイズを裏切ってしまったことに対しての罪悪感……、そして、ルイズを二度と裏切らないでおこうと決心した自らの心。

これらが、才人に、シエスタとキスをすることを許さなかった。

「俺、ルイズをもう裏切れないんだ。……今までも何回も裏切って、そのたびに後悔して。…でも、もうそんな後悔は、しない。したくないんだよ」

「…嘘、うそ…ですよね?」

「……ごめん」

寸前に才人に拒絶されたシエスタは、すっかり混乱してしまって、自分の中の感情が処理できない。

あたまを掻きながら、泣きそうな表情で言葉を紡いでいく。

「どうして……、ティファニア嬢には、キス、したじゃないですか。セックスまで、したじゃないですか。ミス・ヴァリエールにだって、まだ、してないのに。どうして、ティファニア嬢はよくて、わたしは……」

「……ごめん。でも、決めたんだ」

「嘘、嘘ですよ。きっと、ティファニア嬢には」

「テファとはもうなんでもない。そもそもそういう約束だったし、それにそんな約束じゃなかったとしても、もうしない。ルイズ以外、誰とも」

「……じゃあ、わたしは」

「……ほんとに、ごめん」

「…………」

シエスタはすっかり落ち込んでしまった。

シエスタにしてみれば、自分が処女をささげようと思っていた相手に、自分とは絶対に交わらないと宣言されたのだ。これでショックを受けない女の子はいないだろう。

うつむいてしまってなにも言わないシエスタ。才人は慰めようと思ったが、才人が浮気をしないと決めた以上、謝罪の言葉以外の言葉も見当たらない。

これ以上俺がここにいても、シエスタを傷つけるだけだ——————

そう思い、才人は部屋をあとにしようとする。

扉の向こうからシエスタのすすり泣く声が聞こえたのは、才人が部屋の扉を閉めた後になってからだった。

「…恨むぜ、相棒」

「うるせえ、そもそもお前が話したのがいけねえんだろ」

夜。気丈にもいつも通りに振舞ったシエスタのおかげで和やかな雰囲気のまま終わった夕食を終えて部屋へと戻って来た才人に、デルフリンガーが不満をぶつけはじめる。

「それは謝るぜ。でもなにも俺をこの部屋に置いてくことねえじゃねえか。おめえ、失恋ですすり泣く女と一緒にいなきゃいけない剣の気持ちがわかるか?」

「あいにく、俺は剣じゃないからな」

「剣じゃなくても、槍でも、馬でも、人でもいい」

「わからないね」

「なんて相棒でえ」

「相棒に不満があるのか?」

「……あまり剣をいじめるもんじゃねえ」

そこまで言ったところで、デルフリンガーは完全にへそを曲げたらしく、不機嫌そうに口を閉ざした。が、すぐにまた調子のいい声に戻って才人に話しかけてくる。

「ところで相棒」

「なんだよ?」

「どうして急にピンクの嬢ちゃんに気を使い始めたんでい。今まで相棒はその下半身の赴くままに生きてきてたじゃねえか」

「…だめか?」

「いや、そういうわけじゃねえけどよ。なんかこう、気持ち悪いじゃねえか」

デルフリンガーはそう言ってさも気持ち悪そうに刀身を震わせた。

「……気づいたんだよ」

「なにに?」

「ルイズは、俺を好いてる」

「そうだね」

「俺も、ルイズを好いてる」

「ふむ」

「これでなにが不満があるんだ?過不足ない絶好の幸せじゃないか」

「そうだけどおめ、今までは……」

「浮気してたって言うんだろ?」

「いや……。そうか、そうだなあ。でもそんなにすぐ心境ってのは変わるもんかね」

「デルフ、お前も有機物になればわかるかもな」

「そんなもんかね」

「そんなもんだよ」

デルフリンガーはあまり腑に落ちないようで、ふうん、と返事をした。

すこしの間沈黙が流れ、そして

「……さて」

「お、どこいくんでい」

急に立ち上がった才人に、デルフリンガーが声をかけた。

「どこでもいいだろ」

「いや、いけねえな」

デルフリンガーは、小さくつぶやく。

「また破壊されるのはごめんだね」

才人の耳にそれが届いたのか、届いてなかったのかはわからない。が、才人は扉の前まで行くと、はっきりとデルフリンガーへと告げた。

「けじめを、つけてくる」

ここまでになります。
今年ハードディスクが死んで住所録が飛んでしまったからここまで……。
くそっ
と、ここで来週のお知らせです。
年末年始はいろいろと忙しいので、投下が水曜日ごろになるとおもわれますのであしからず。
そしてこの二週間は分量が少なくなる見通しです……申し訳ない
さてさて、物語の方はいよいよあの人が登場します。
ロイヤルな誘惑に、才人は打ち勝つことができるか!!乞うご期待!!
……かけるかな、ぼく。

こんにちは、>>1です。
予定通り来ましたよ。
それでは投下します

「おそかったですね」

夏の地下室は、蒸し暑い。

固定化の呪文がかかっているとはいえ、影響があるのは家具だけで、温度をごまかすことはできないらしく、ド・オルニエールにつくられた隠し部屋の中は、日本ですごした熱帯夜を彷彿とさせる。

その部屋の中でベットの上に腰掛けて才人を待っていた人物———————

アンリエッタは、その肌にうっすら汗をかきながら才人にそう話しかけた。

彼女の汗で張り付いた下着がローブから垣間見え、言いようもないほどの妖艶さを放っている。

才人はその姿に生唾を飲みながらも、できるだけ彼女を見ないようにしながら言った。

「姫さま、お話があります」

アンリエッタはその様子になにかを感じ取ったのか、妖艶な笑みを一段階パワーアップさせると

「どうなさいました、あなたらしくありませんね」

と才人に尋ねる。

才人は暫く俯いていたが、決心したような顔をすると、アンリエッタの顔をじっと見据えて言った。

「もう、おわりにしましょう」

才人は、アンリエッタの顔をじっと見つめながら考えていた。

————この人は、この後なんて言ってくるんだろう?

そのようなことを仰られないで、と泣きついてくるのだろうか。それとも、どうしてそんなことを……。と理由を尋ねてくるのだろうか。

……どちらにしても、突然のことだから驚くんだろうな。

そんなふうに、ちくりと心を痛めた。

しかし、アンリエッタの返答は意外なものだった。

「そうですか」

そう、いかにも才人が別れを切り出すのをわかっていたかのような口調で言ったのである。

予想外の展開に才人が面食らっていると、アンリエッタはこう続けた。

「なにか、あったのでしょうね……。よろしければ、なにがあったのか、このわたくしに話してはいただけませんか?」

女王であるアンリエッタにそういわれて、才人はぽつりぽつりと話し始めた。

ティファニアとキスをしたこと。

それをルイズに見られたこと。

寝室にティファニアが来たこと。

ティファニアが泣いていたこと。

ティファニアと、交わったこと。

これ以上、ルイズを裏切らないと決めたこと。

アンリエッタは、静かに聞いていた。ティファニアと交わってしまったことを才人が話した時にはすこし眉をひそめたがそれだけで、才人の話が終わるまで、うん。うん。と、うなずきながら聞いていた。

才人が話し終えてアンリエッタの方を見ると、彼女もまた、才人の方をじっと見つめている。

そして、才人の頬に手を伸ばすと、ぎゅっとつねりながら言った。

「ついに、わたくし以外となさったんですね。ひどいわ。ここ二、三日、わたくしがいろいろと公務で忙しかったときに、そんな……」

「ふみまひぇん、はんひえっはひゃま」

もう……。と才人の頬をつねりながらアンリエッタはため息をついた。

「では、わたくしを愛してくださったのは嘘だったというの?」

「ほ、ほんにゃこほ……」

アンリエッタが才人の頬を離し、才人はやっと言葉が満足に話せるようになる。

そして、改めて言った。

「確かに、俺は姫さまのことを愛しています。でも……、もう、ルイズを裏切りたくはないんです」

それを聞いて、アンリエッタは少し俯いて憂うような目をした。

その姿は、国中の美女を集めても足りないほどに美しく、妖艶であった。

「わがままな殿方ね……。わたくしの初めてを、奪っておきながら」

「そ、それは……」

才人は、サハラから帰ってきた次の日の夜、ルネが届けてくれたアンリエッタの呼び出しの手紙にしたがってこの地下室に入り、初めての女性を抱いた日を思い出していた。

かつてのアルビオンの皇太子であったウェールズと恋仲にあったアンリエッタのことだから、てっきりもうその純潔を彼にささげていたと才人は思っていた。

しかし、彼女は清らかであった。

万が一子供ができたら、風評被害どころでは済まされない。しかも両方とも王家であるため、二つの国の跡取りが同時にできたとあっては、最悪の場合紛争に発展する可能性さえ孕んでいる。ゆえに、一回もそのような行為はしなかったのだとアンリエッタは語った。

二人の行為によって生み出された深紅の薔薇は、まるでふたりを祝福してくれているように艶やかであった。

俺はつくづくなんという大事をやらかしてしまったんだ……。

そんなふうに思いながら、才人は必死にアンリエッタにかける言葉を探していた。

何も言わない才人に、アンリエッタは、ほっ、と息をついて

「何も、言ってはくださらないのね」

と言って立ち上がった。

王宮の自室へ帰ろうとするアンリエッタを見て、才人はあわてて声をかける。

「ま、待ってくれ!」

アンリエッタの歩みが止まる。才人はさらに言葉を続けた。

「確かに、俺の行動は、姫さまを裏切ってしまったかもしれない……。でも、あのときの……、あのとき、姫さまを愛した気持ちは、嘘なんかじゃないんだ……。あの時は、本当に、姫さまを……」

アンリエッタはくるりと回れ右をすると、再度ベットに腰掛け、才人の手を取って言った。

「では……、今は、愛してはいただけないのですか?」

「それ、は……」

わずかに才人の瞳が揺らいだ。アンリエッタはそれを見逃さず、さらに畳み掛ける。

「わたくしは……、あなたを、お慕い申し上げておりますわ。今までよりも、ずっと。そして、これからも」

そんな言葉に才人の決意が大いに揺らぐ。そして、アンリエッタは、ついにローブの胸元をすこしはだけて

「今日もあなたに愛していただけると思って、わたくしの体は熱を帯びているのです……。この火照った体を、どうか冷ましてはいただけないでしょうか……?」

そして、潤んだ目を閉じた。その姿は、シエスタにも、もちろんルイズやタバサにも、そして……ティファニアにもない、すさまじい妖艶さを放っていた。

美しさでは、ティファニアとそう大差ないかもしれない。しかしながら、魔性の魅力としては、アンリエッタの方がはるかに勝っている。

いけないとわかっていながらも手を出してしまう禁断の果実……それが、アンリエッタであった。

そんな妖艶さにあてられた才人は、もはや完璧に参ってしまった。

もはや彼の決意など、一枚の紙屑ほどの抑止力も残ってはいない。

「アンリエッタ様……」

「さま、なんていりません。アンリエッタと……お呼びになって?」

「アンリエッタ……っ!」

ふたりの影が、重なった。

才人は夢中でアンリエッタの口の中を貪った。ほかのことなど彼の頭にはない。ただ一心不乱に、目の前の果実を手に入れることだけを考えていた。

アンリエッタも、負けじと才人の口の中に舌を入れて応じる。もはやそこに女王の顔はない。

一人の女として、ひたすらに才人を求め続けた。

 ティファニアは、困惑していた。

「サイト、いない……」

すぐに自室に引っ込んでしまった才人と話をしようと、みんなが寝静まった寝室をひそかに抜け出して才人の部屋までやってきたのだ。

しかし、才人はどこかへ行ってしまってそこにはいなかった。

「どうしようかな、みつかったら怒られちゃうし……」

そんなティファニアの目に、ふとデルフリンガーの姿が映った。デルフリンガーは、見つかった。とばかりにぎくりと体を震わせる。

「ねえ、剣さん」

「なんだい、お嬢ちゃん。相棒ならいねえよ」

素知らぬ声で答えるデルフリンガー。そんな彼に、ティファニアは質問を浴びせる。

「どこへ行ったか知らない?」

「知らねえな」

「うそ、知ってるでしょ」

「知らねえって……」

むむむ……、多分知ってるのに……。とほほを膨らませるティファニア。

「相棒、どこに行ってるのかわからねえときがあんだよ。剣も連れて行かずに、どこほっつき歩いてんだか」

言った後でデルフリンガーは、しまった。と思った。これでは、才人が家の中、もしくは気心の知れた所へ行っているのが丸わかりだからだ。それも、少し前から。複数回。

いつになくするどいティファニアは、デルフリンガーの言ったことから推理を始める。

「剣さんを連れて行かずに……、いつも……」

と、ここでひとつの事件がティファニアの頭をよぎった。

才人の行動に、ルイズが悲しんで屋敷を出て行った事件。

あれは確か、家の中で才人が浮気したのがいけなかったんだっけ。

そして、相手は……

「女王様と! 地下室で!」

そう言って、ティファニアは部屋を飛び出して行く。

デルフリンガーは、あーあ。とこれからの才人の行く末を案じた。

地下室についたティファニアは、壁の隙間の突起を探して押してみた。

………しかし何も起こらない。というか、突起が中に入っていかない。

「あれー……?」

何度も押してみるティファニア。しかし何度やっても結果は同じだった。

それもそのはず、一回目の密会の後にアンリエッタが、またバレては困るから、と魔法をかけなおし、突起のうえにある突起を回しながら出ないと突起が中に入っていかないような仕組みに作り替えたのである。

そんなことを知る由もないティファニアは、えいえいと何回も突起に挑戦する。

しかし、もちろん結果は同じだった。

「こないだサイトがルイズに開け方を公開させられてたのに……。ひょっとして、もう使わないから壊しちゃったのかな?」

ティファニアは、地下室で考え込んでしまった。

地下室についたティファニアは、壁の隙間の突起を探して押してみた。

………しかし何も起こらない。というか、突起が中に入っていかない。

「あれー……?」

何度も押してみるティファニア。しかし何度やっても結果は同じだった。

それもそのはず、一回目の密会の後にアンリエッタが、またバレては困るから、と魔法をかけなおし、突起のうえにある突起を回しながらでないと突起が中に入っていかないような仕組みに作り替えたのである。

そんなことを知る由もないティファニアは、えいえいと何回も突起に挑戦する。

しかし、もちろん結果は同じだった。

「こないだサイトがルイズに開け方を公開させられてたのに……。ひょっとして、もう使わないから壊しちゃったのかな?」

ティファニアは、地下室で考え込んでしまった。

>>190はミスです。すみません……。

さて、今回の投下分は以上になります
少なかったかな……

さてさて、ルイズちゃんを裏切っちゃったよ才人くん。
テファは気づいているようで、シエスタルイズタバサはぐーぐー眠ってる。
どーなる才人!?

……タバサが出せない。
モンモン出したい……

ロイヤルビッチだから仕方ないね

>>193
やんのか?あ?

ぎりぎりまにあった……。
帰省してたんであまり書いてませんすみません!
それでは投下します

「……んっ」

才人の口は一通りアンリエッタの口内を貪り終えると、その狙いを首筋へ、そして耳、また首筋、そして乳房……といったふうに、徐々に下へ下へと移動させていく。

その動きは荒削りではあったが、アンリエッタの体を完全に知り尽くしている———そんな錯覚を与えるほど、アンリエッタの切ないところをピンポイントで刺激していた。

「ああ、ああ……サ、サイト…さ…」

「アンリエッタ……」

アンリエッタが切ない声をあげる度に、才人も彼女の名前を呼んで応じた。

そして時たま口での愛撫をやめてその手によるものに変え、彼女の耳元に口を寄せて呟くのだった。

「すき。すきすき、アンリエッタ、だいすき」

それだけでアンリエッタの体は、まるでエルフの薬でも飲んだかのように一気にのぼせてしまい、才人の愛撫による快感を何倍にも押し上げていく。

“このへんはルイズと変わらないな”

そんなふうに思ったが、才人はその思考を一瞬でやめてアンリエッタのことのみを考えることにした。

罪悪感に、胸がちくりと痛み……もう、自分が戻ってこれないような予感がしたからであった。

「んん……っ、ああっ!」

才人はアンリエッタの大きな乳房の頂に舌を這わせながら、右手で最も大切なところに触れた。

くちゅ……。という音がして、才人の指がずるりと二つの丘の間を通り抜ける。

「ふ…くく……っ、サ……イト……っ」

才人の指が丘の間をずるりずるりと通過するたびに、アンリエッタは切ない声をあげた。

その度に才人は乳房の頂を甘噛みして答える。

「……んんん……っ…んうっ!!」

才人の指が丘の上部の小突起……、クリトリスに触れた瞬間、アンリエッタの声が一際大きくなった。

そんなアンリエッタの顔を見て、才人は自らの下半身をアンリエッタの顔の位置ほどに持っていき、同時に自らの顔をアンリエッタの恥丘に寄せる。

ぴちゃぴちゃと、お互いがお互いの性器を口で愛撫する音のみが地下室を支配した。

たまにどちらかの喉からくぐもった声が聞こえるものの、相手の性器を愛撫することのみに集中しているために、部屋の中は極めて静かである。

……一体どれだけの時間が経過したであろうか。どちらともなく性器から口を離し、才人が体を180度回転させてアンリエッタの口に口をつける。互いの唾液と体液が二人の口内で混ざり合い、淫らな蜜を作り出す。

その蜜は、二人の頭に甘露な響きを奏でさせた。

「アンリエッタ……、も、もう……」

上気した顔でそうアンリエッタに問いかける才人。そんな顔を見てアンリエッタはくすくすと笑い、

「はい。……もう、わたくしも我慢ができません。わたくしの中に……サイトのおっきいの、ちょうだい?」

才人はアンリエッタの唇に自らの唇を重ね、そしてアンリエッタの股を開かせた。

潤んだ目でシーツを掴んで脚を開いている姿は、もはや王宮で見るアンリエッタの面影を一片も感じさせない。

種付けされるのを今か今かと待ちわびている、一人の女の姿がそこにあった。

「……っく」

才人が腰を前に突き出すと、アンリエッタの肉壺はずぶずぶと深く才人の肉棒を咥えこんでいく。

才人の陰茎が彼女の膣を開いていく度、アンリエッタは切なそうな声をあげた。

「んぐうっ……!」

才人の陰茎が、こつん。と壁に到達する。

ギーシュたちとの猥談の中で、それが子宮口であることを伝え聞いていた才人は、慌てて陰茎を少し引いた。女性はここを付かれると痛いというのも聞いていたからだ。

そんな才人の様子に気づいたアンリエッタは、目尻に涙を浮かべながらも微笑みを浮かべて才人に言った。

「別に……っ、構いませんよ……。わたくし、サイトを、奥まで感じたいですから……っ」

「アンリエッタ……っ」

もう、いけない。

すき、すき。と、うわ言のように呟きながら、才人はアンリエッタの膣をただひたすらに突いた。

そのぷちぷちとした感触は、充血しきった才人の陰茎を楽しませる。

「……っく、…はぁああんっ……!」

アンリエッタも、才人にずんずんと突かれ、性感とともに胸の中が満たされていくのを感じていた。

「ルイズ……、ごめんなさ……っ……でも、きもち……ぃっ」

小さな声で、幼馴染に懺悔の言葉を捧げる。そんな矢先、アンリエッタの中で才人のものがびくびくと脈打っているのを感じた。

「アンリエッタ……っ、俺、もう……っ」

腰を激しく打ちつけながら才人が自らの射精が近いことを告げる。

「んっ……、構いませ……、あんっ…!わたくしの、中で……っっっ!!」

アンリエッタの中で幾度となく才人のものが脈動し、その度にポンプのように液体が注がれていくのを感じた。

「はあ……はあ……」

部屋の中は二人の荒い息で満たされていた。

「はあ……はあ……、サ、サイト殿……」

アンリエッタがそう言って目をつぶって唇を尖らせる。

「はあ……ふう……、姫さま……、愛しています」

愛の言葉を告げて、才人もそれに応じた。

 行為の後しばらく経っても荒い息をついていた二人だったが、先に呼吸を整えたアンリエッタが頬を少し膨らませて才人に言った。

「……早すぎです、あなたは」

直球過ぎるダメ出しに才人は思わずむせてしまう。

ごほごほと咳を続ける才人の背中をさすりながら、アンリエッタはさらなる追撃を開始した。

「わたくし、今回は幸せの絶頂にはいたれませんでしたわ。……まったく、あと少しというところで出してしまわれるんだもの。あなたがいくら技術を磨いたとしても、行使する時間が短いのでは意味がございませんわ」

「げほ、げほ……っ、そ、それは姫さまの中があまりにも……」

「存じませんわ、そのようなこと……。次からもっと忍耐力をつけてくださいな」

ぐさりぐさりと才人の男の心に突き刺さるコメントを投げつけてくるアンリエッタ。

“は、はやいのは仕方ないだろ……。姫さまの具合がよすぎるんだよ!”

そんな風に心の中で悪態をついていると、先ほどの行為が思い出され、才人のとある一点に血が集まり始める。

仕返しだとばかりにアンリエッタを押し倒そうとする才人だったが、アンリエッタは慣れた様子でするりと才人の腕の間から抜け出して立ち上がり、そして

「さて、そろそろおいとまいたしますわ。……女王という身分がにくいわ。だって、愛する男性との行為の後の余韻さえ楽しむ時間がないんですもの」

と言って才人に軽い接吻を施して、

「では、また明後日、この部屋で」

と言い残し、鏡の中から帰って行ってしまった。

一人取り残された才人は、少しの間あっけにとられていたが、やがて立ち上がると

「くそ……、悶々して眠れないじゃないか」

と呟きながら部屋の外へと歩いていく。

部屋の中には、行為の影響で乱れたベッドと、そのシーツにしみこんだ二人の体液のみが残された。

以上です。
エロシーンなんて書いたことないよ……。
先に言っておきますが、アンリエッタとの行為のシーン以外書くつもりはありませんのでそのつもりで。
当初からその予定でしたので……。

さてさて、地下室から出て行った才人くん。
いや待て!その外にはあの人がっ!!!!
次回乞うご期待!

セックスなんてするのはロイヤルビッチ様しかいないもんね

>>213
アン様侮辱すんな!!

>>212
そういう大事なことはもっと早く書きやがれ! 他キャラにも期待しちゃうだろ常考!

>>216
え……、そんなにテファのが見たいの?

タバサは初潮まだだから出し放題だよってきゅいきゅいが言ってた

アニエスはこういう方面をどう考えてるんだろ?

>>217
テファも含めた全ヒロインだよ常考!

日付かわったあああああ………。
すみませんすみません、筆が進まなくて……。
それでは投下します。

「……え?」

地下室で座り込んでいたティファニアは、隠し扉から出てきた人物をみて呆然とせずにはいられなかった。

「テ、テファ……。なんでここに……」

ティファニアが探し求めていた人物……。才人その人が、いきなり現れたからである。

ティファニアを驚かせると同時に、それは一つの仮説を真実へと近づける一つの出来事でもあった。

「サイト……」

きまり悪そうにしている才人の表情を見ると、先ほどの仮説がさらに真実味を帯びてくる。

“でも、そんなの信じたくないよ”

そう思いながら俯くティファニアだったが、意を決したようにきっと才人の方に顔を上げると、

「サイト、陛下と会ってたんでしょ?」

「い、いや……。掃除をしてたんだよ」

「うそ! だったらとおせんぼしてないでお部屋に入らせて。掃除してたんでしょ? だったら綺麗なはずだよ」

「それは……」

歯切れの悪い返事をする才人に、ティファニアはさらに詰め寄って

「どうしてみせられないの? ……ほんとは掃除なんかじゃなくって、陛下にあってたんでしょ?」

と問いかけた。






————才人の首が、縦方向に振られた。

その瞬間、地下室に乾いた音が響いた。あらゆる感情が頂点に達したティファニアが、才人の頬を張ったのである。

「う、裏切り者っ!! サイトなんてしらないっ!!」

ティファニアは涙を流しながらそう叫ぶと、地下室から走って出て行ってしまった。

「……はは、ははは」

一人残された才人は、自嘲の意味のみを込めて笑うと、ぽつりと呟いた。

「……本当にどーしようもねえな。俺って」

 ティファニアは、寝室に帰るなり、布団にくるまってしくしくと泣き始めた。

 ルイズたちはすっかり熟睡していたが、ティファニアがあまりに布団を引っ張るものだから、端っこに寝ていたシエスタが目を覚ますと、

「ティファニア嬢……? どうしたんですかぁ?」

と、寝ぼけ眼でティファニアの方に目を向ける。しかし、ティファニアがえっぐえっぐとしゃくりあげているのを見て、眉間にしわを寄せてティファニアに尋ねた。

「……本当にどうしたんですか? どこか痛いんですか?」

「えぐっ……、うぐっ……。し、しゃいとがぁ……っ」

「サイトさんがどうしたんですか!? ま、まさか後ろの方で……。おしりに、おしりに無理やりですか!?」

ティファニアの口から突然飛び出した才人の名前を聞いて、シエスタはすっかり混乱してしまい、普通なら絶対に女の子が連呼してはいけないような言葉を連呼してしまう。

そしてその声があまりにもやかましいので、まさに寝た子を起こすような事態を誘発してしまった。

「なによ……、うるさいわね……。もう夜中よ……」

「……夜」

 この二人はティファニアと才人の間に起こったことを知らない。

 シエスタがあわててお茶を濁して二人を眠りにつかせようとしたが、二人が起きたのはあまりにもタイミングが悪すぎた。

「ぐすっ…。サイトが……、サイトが女王陛下と……! わたし、もう……どうして……っ、サイトは、わたしと……っ!」

 才人。女王陛下。わたし。

 その三つの単語によって、ルイズとタバサの眠そうな瞳は大きく見開かれ、シエスタはあまりのショックに卒倒しそうになってしまった。

「……ティファニア、詳しく話して。ね?」

 ルイズはティファニアにそう告げ、ティファニアが小さく頷いたのを確認した後、シエスタの方を向いて

「あんたもなんか知ってるわね。……話しなさい」

 と低い声で言った。ルイズの小さな体から放たれている尋常ならざるオーラに、シエスタは

「は、はい……。すべてお話しします」

 と言わざるを得なかった。

“どうして……”

 ルイズの心の中で、様々な想いが一気に氾濫する。

 その中でも、ある一つの想いがルイズの頭を支配した。

“わたしにキスしたのに、どうしてなの……? サイト……”

 ティファニアの行為とアンリエッタの行為をティファニアが話し終わると同時に、ルイズの中に溜め込まれていた様々な想いが関を切ったかのように涙となってルイズの外へと放出された。

「ううう……っ、ぐずっ……。うええええ……!!! どうして……っ!? どうしてわたしじゃいけないのよぉ……。わたしだけって言ったじゃない……っ。すきって、言ったじゃない……っ」

「ルイズ……」

 見ていられなくなったティファニアが、ルイズの頭に手を伸ばした。

 しかし、ルイズはその手を払いのけると、心の底からの憎しみを込めた目でティファニアを睨みつける。

 そして、何かを言おうとするも、あまりにもいろいろな想いがありすぎて言葉すらでないらしく、ぷるぷると震えて俯きながら涙を流し続けた。
 
 暫くの間、室内は沈黙が続いた。たまに、ルイズやティファニアがしゃくりあげる声が聞こえるのみである。

「……あ、ミス・ヴァリエール! どこへ……っ!!」

 その驚きの声で沈黙を破ったのはシエスタであった。というのも、ルイズが突然立ち上がり、部屋の外へ駈け出して行ったからである。

 シエスタはルイズを引き留めようとするも、先ほどからのルイズの表情を考えると引き留めることはできずに、行き場を失った腕がすとんとベッドの上に落ちてしまった。

 ルイズがいなくなり、しゃくりあげる者がティファニアだけになった部屋で、シエスタが呟いた。

「ミス・ヴァリエール……。必ず、戻ってきてくださいね」

 それを聞いて、タバサが

「戻ってこなかったら、どうするの」

 と尋ねる。シエスタはそれの問いかけににこりともせずに答えた。

「大丈夫ですよ。……何度だって、あの人は帰ってくるんです。サイトさんがいるかぎり」

 そして、先ほどのつぶやきよりもさらに小さな声で、「そう、何度でも……ね」と呟いた。

 その瞳には、なんらかの強い意志が宿っていた。

以上になります……。ってすくない!!


もうしわけない……。
明日と明後日で書き溜めないと……。

>>220
シルフィ「お姉さまもタマゴを産んでたのね! この前初めて生んだみたいで、真っ赤でおっきな女のところに病気かもしれないって泣きながら」

タバサ「それ以上の発言は許さない」ゲシゲシ

シルフィ「いたた!! いたいのね!! やめてなのね!!」

>>223
アニエス「はあはあ姫さま姫さまそのおすがたもおかわいらしい麗しいすばらしいああこらサイトこらサイトうらやまけしからんぞその場所かわれわたしに変われわたしは近衛だなにお前も近衛かならしかたないでもわたしははあはあ姫さま姫さまひめs」

>>225
オスマン「わしらでよければ」
マリコルヌ「オッケーです!!」


もうエロシーンについては……そうだな。これから考えます。
あと、今回はアン様なにもしてないからな!!ビッチとか性女とか言うなよ!!
それでは、また

たばさちゃん息してない!疎外感!

>>240
タバサと長門の書き換えができないの

>>238
いつもいつも少ないって…お前は何時になったら満足な文字数書けるようになるんだ?
仕事なんて皆忙しいんだし、春になったってどうせ眠くて書けないとか言い訳するに違いないよ

こんにちは、>>1です

>>242
すみません……、慢心してました。
これからは頑張って書くので見ててください!

それでは投下開始です。

 部屋を飛び出していったルイズは、そのまま才人の屋敷の外へと飛び出していた。

 その瞳からはとめどなく涙が溢れ、可憐な喉からは小さな嗚咽の声を漏らしている。

“なんで……?”

 馬小屋に向かって走りながら、ルイズは思い出していた。

 一ヶ月ほど前……。才人がアンリエッタと、やはり密会をしていた時のことを。

 自らが身を引こうとして、結局自分から才人のもとへ戻って行った日のことを。

 あの時は、キスだけだった。それなのに、今は……。

“信じられない”

 自分がその幸福を手に入れるために、何回勇気を振り絞ったか。そして、何回周りに邪魔され、何回才人に気づかれずに終わり……。

 結局、ルイズは才人の初めてにはなれなかった。

 以前に才人がアンリエッタと密会していたとき……、いずれはそうなるのではないか、という不安はあった。

 しかし、あの後、才人は自分に謝ってくれて……、好きだと言ってくれて。

 才人の初めては、自分の初めてであり、才人の成長とともに、自分も成長して、二人で生きていく……。

 そんなふうに考えるようになっていたのだ。

 まるで、その胸の奥に隠された不安を幸福で塗りつぶそうとするかのように。

 それなのに。

 その幸福は、一瞬にして不幸へと変貌した。

 新しい友人と思っていたティファニアに裏切られた。 

 幼馴染のアンリエッタに、またも裏切られた。

 恋人の才人に、またも……。

 そう考えると、やはり涙は止まらなかった。

 どんどんとルイズの心を涙の雫が伝っていき、それでも心が洗われることはなく、より一層の曇りを呼び寄せるのみである。

「うっ…ううう。……さっ……サイっ……トの、ばかっ……」

 嗚咽の中で言葉となって出てくるのは、才人への恨み言のみであった。

 もう、絶対に裏切らないだろうと信じていたのに。

 ルイズの心の支えとなっていたそんな心情はとうに崩れてしまい、崩れたものがルイズの心へと重くのしかかる。

 もはや、ルイズの心はぼろぼろであった。
 

「ち………さま……」

 そんなぼろぼろのルイズの心には、一人の女性の顔が浮かんでいた。

 無能で、どうしようもなくて。家族からもバカにされ続けていた毎日……。

 そんな頃、かならずルイズをだきしめ、守ってくれたとある一人の女性。

「ちいねえさま……」

 ルイズの下の姉、カトレアのことを、思い浮かべていた。

“もう”

 ルイズは頭に言葉を浮かべる。

 もはや考えることなどできない。自分の意志とは関係なく無意識に浮かんでいく言葉の羅列。

“もうわたしには、ちいねえさましか……”

 その言葉に誘われるように才人の馬にまたがり、鞭をふるう。

 馬が高い声でいなないて、猛スピードで屋敷を離れていく。

 “ちいねえさま……。今、行きます。わたしを……”

 ルイズを乗せた馬は、夜明けのまだほど遠い、双月の浮かぶ夜の闇の中へと消えて行った。
 

「全く……。びっくりしたよ! おそいと思って屋敷まで来てみればきみが伸びてるんだものな!」

 そう言ってギーシュが笑い、それを聞いた才人が力なく苦笑いを浮かべる。

 ギムリの建てた小屋には、才人とギーシュの他にはマリコルヌとレイナールのみが残っていた。

 というのも、長い夏休み期間にあったトリステイン魔法学院もあと一週間足らずで新学期を迎えるために、ほとんどの騎士隊員たちはその準備のために学生寮へと戻っていたのである。

 レイナールは準備をあらかじめ終わらせていたし、ギーシュとマリコルヌは学院のことなど最初から頭にないので小屋で寝泊まりを続けていたが……。

「で、どうしてあの家にメイドの姿しか見えないか説明してもらおうか。そしてきみが伸びていた理由も」

 ギーシュが真剣な顔になって才人に尋ねる。

 才人は昨夜のことをぽつりぽつりと話し始めた。

 ある女の人と逢瀬をして、帰ってくるところをティファニアに見られたこと。

 ティファニアがそれと自分の取った行動をルイズたちに話したらしいこと。

 そしてルイズは昨夜のうちにいなくなり、タバサは才人にさんざん魔法を浴びせた後にシルフィードと共にフォン・ツェルプストーへ向かったらしいこと。

 ただでさえ満身創痍なところをシエスタとティファニアに泣きながら殴打されて意識を失ってしまったこと。

 シエスタはなんとか才人に奉仕しているが、ティファニアが完全に引きこもって出てこないこと。

 最後まで話し終わったとき、才人の目には涙が浮かんでいた。

 それを聞いたギーシュがぽりぽりと頭を掻く。

「なんというか、ほんとに、きみという男は……」

 顔には苦笑いを浮かべ、あきれたような声を出して、やさしく才人の肩をたたいた。

「その女の人というのは、この間の高貴な人と同じ人なんだろう?」

 レイナールが才人に尋ねると、才人は力なくうなずいた。ギーシュの頭に一つの疑問が浮かぶ。

“ルイズが大好きなはずのサイトに二回も浮気をさせるなんて、その高貴な人とは一体どのような人なんだろう?”

 ルイズよりも高貴で、魅力的で、ティファニアでもシエスタでもタバサでもない……。

 そして、サイトはかたくなに口をつぐんでその名を語ろうとはしない……。

 そこまで考えたとき、ギーシュの脳裏に一人の女性が浮かんだ。

 そもそもこのトリステインにおいて、ラ・ヴァリエール公爵家よりも高貴な家など数えるほどしかない。グラモン家だってトリステインではそう右に出るものはいないが、公爵家であり実績も伝統も持ち合わせているラ・ヴァリエールにはやはり及ばない。

 まさか……。いや、そんなはず……。

 ギーシュのシャツの下を嫌な汗が流れる。ふとレイナールの方に目を向けると、どうやら彼も同じ解に行きついたらしく、ギーシュの方にちらりと苦い視線をよこしてみせる。

「おうおうおう、てめぇはレモンちゃんにメロンちゃんまで手に入れておきながらまだ足りねえってのか。てめえみてえなろくでなし、お天道さまが許してもこの風の妖精マリコルヌさまがゆるしちゃおけねえなあおい」

 マリコルヌのそんな声で、ギーシュは視線を才人の方へ戻した。

 確かに才人の相手は、あのいとやんごとないお方かもしれない。
 
 …はっきり言って、その辺を根掘り葉掘り聞いて茶化したい。

 しかし、友人の自分が今しなければならないことはそれではない。一刻も早く、才人をもとの幸せな生活に戻すのが自分にできる最善の策だ。

 よし、今は何も知らないふりをしてこの哀れな友人に手を貸して、彼と別れなければならないときに、いっぱい話をしてやろう。

 そんなふうに考えをまとめたギーシュが、貴族らしからぬ、憎しみのこもった饅頭のような顔で才人を踏みつけているマリコルヌを止めに入ろうとした。そのとき、

「おうおう、陛下の×××はどうだったんだ? おう。水か? 水が出たのか?」

 やはり風の妖精は格が違った。

 まさに今、自分がいい感じにまとめた考えを彼によって一瞬にして完膚なきまでに打ちのめされたギーシュは、軽い眩暈にふらついた後マリコルヌに向かって叫んだ。

「ききき、きみはどうして!!! おいこらデブ!! なんで僕とレイナールが必死になって触れないようにしていたところにずかずかと土足で上がりこむんだね!! だいたい、きみは……」

 ギーシュはそこまで叫ぶとまた眩暈を覚えたたようで、どてーんっ! と派手な音を立てて床に転がった。

 マリコルヌはそんなギーシュを蔑みのこもった目で見据えながら言った。

「今までの状況から考えたらそれぐらい豚でもわかるっつの。あと男にデブ言われても腹立つだけだ、せめて豚にしてくれ」

 まったく飽きのこないぽっちゃりさんであった。

 そのやりとりの間、ずっと下を向いてされるがままになっていた才人を見ていられなくなったレイナールが、才人に対して声をかける。

「まあ、相手が誰であれ。きみはルイズをどう探すつもりなんだ? 手がかり、ひとつもないんだろう?」

 その言葉がさらに才人の心にちくりと来たようで、才人は胸を押さえてしくしく泣き始めた。ルイズ……、ルイズ……。と呟きながら泣いているさまに、さしものマリコルヌも憐みを覚えたようで

「また女王陛下に頼んで探してもらったらどうだい? まだそんなに日も経ってないんだし……」

 と助言をした。それを聞いたレイナールが首を横に振る。

「そんなに何回も何回も同じ人間をさがせるもんか。そんなことしたら女王陛下の立場がわるくなってしまうよ」

「うーん、そうなると……」

「とりあえず、メイドとティファニア嬢をこちらに引き込むのがいいんじゃないか?」

 先ほどまで倒れていたギーシュがよろよろと立ち上がって言った。

 なるほど、味方は多いに越したことは無いだろう。それに万が一失敗しても、特に被害はない。

 マリコルヌとレイナールがうなずいたのを確認すると、ギーシュは才人の腕を引っ張った。

「ほら、行くぞ。きみがそんなんでどうするんだね」

 才人は生気の感じられない目でギーシュたちを順々に眺めていき、そして尋ねた。

「お前たちは……、まだこんな俺の味方をしてくれるのか? 誓ったことも守れない、こんな……」

 その声にギーシュが照れくさそうに答えた。

「当り前だろう!! 僕らは友人じゃあなかったのかね。それに、きみは副隊長として……、いや、それ以上に僕たちの命を助けてくれた。だから今度は、僕たちが恩返しをする番だ」

 レイナールもあきれたような顔をして言う。

「きみがそんなままだと、騎士隊はもうおしまいだ。だからきみには元気になってもらわないと困るだろう?」

そしてマリコルヌが才人を蹴りながら言った。

「大体お前がどうしようもない変態だってことくらいわかってるんだよ。ぼくなんて比べものにならないぜ! ……だから、そんなやつをほっとけないんだよ。何をしでかすかわからないからな」

 それを聞いた才人は、また泣き始めた。しかし、今度の涙は先ほどのものとは意味合いが異なっていた。

「ほら、ぼやぼやしてるとルイズが国外にでるかもしれないぞ。急ごう」

 そう言ってギーシュが才人を引っ張ると、才人はぽつりとつぶやいた。

「……ありがとう」

 それを聞かなかったふりをして、ギーシュたちは、先ほどより少しだけ元気を取り戻した才人と共に屋敷へと向かった。

以上になります。
余談ですが、わたしは以前ハルヒSSも多数書いておりまして、その時からキョンと古泉が普通に友人やってるSSを書きたいと思っていました。
てなわけで今回は友情パートです。
ギーシュとマリコルヌだけにすればよかったかな……。

さてさて、次回は
シエスタたちを味方につけようともくろむ才人くんたち。
シエスタはそれに耳をかさず、ティファニアはただ泣くばかり。
さて、どーなってしまうのか!!

次かその次くらいからモンモンを出す予定です。
モンモン好きの方々、お楽しみに!

ロイヤルビッチだから具合はいいよね

>>261
IDがJCのくせに生意気な

すみません、>>1です。
ほんっとうにすみません!!
この間お叱りを受けたばかりなのに今週は全く時間が取れなくて……。
今必死で書いてます、12時は過ぎるかも。
でも投下は明日の朝までには行いますのでご了承願います。

好きな時に書いてくれればいいのよ

>>267
ありがとうございます。でも、自分で決めたことですので……。

さて、書きあがりました。
本気ですれば意外と時間ってかからないんですね。
それでは、投下します。

「結局、またサイトは女王陛下に靡いちゃったってわけ?」

 キュルケがあきれたような声でそういうと、タバサは目に涙を少し溜めてこくりと頷いた。

 普段なら、キュルケはタバサをここまで傷つけた才人を決して許しはしないだろう。ただちに屋敷に走って行って火をつけるだろうが……。

 今回の場合、色恋沙汰ということもあり、才人の気持ちを考えると素直に怒れない。

 というか、あまりにも呆れてものを言う気にもならないのである。

「公爵家の娘とガリアの女王様、それにハーフエルフやメイドまで侍らせておきながらトリステインの女王と浮気……ねえ」

 タバサに聞こえるとまた泣いてしまうので、聞こえないように口の中で呟くキュルケ。

 過去に自分が誘惑していたことなど思いだし、懐かしくてふと笑いが漏れてしまう。

「……なにがおかしいの」

 キュルケはその言葉になにか寒さを感じてタバサの方に目を向けると、タバサが目に涙をためてこちらを睨んでいるではないか。

 その背後からはゴゴゴゴ……。という擬音語が適任と思えるくらい恐ろしく冷たいオーラが噴出している。キュルケは慌てて話題を変えた。

「そういえば、ルイズはどこへいったの? どうせまたお屋敷飛び出しちゃったんでしょう?」

 タバサはその問いかけに対し、知らない。と答えるように首をかしげた。キュルケはそれに首をすくめて答えると、持ち前の女の勘をフル活用して考察を始めた。

“今回はおそらく……、灯台下暗し。ルイズは誰か親しい人の所にいるわね”

 その根拠は、前回のルイズの行動にあった。

 前回ルイズがお屋敷を飛び出した時、ルイズはガリアの孤島にある修道院へ逃げ込んだと言っていた。しかし、才人たちに伝えなくてはならないことを見つけ、“虚無”でむりやり海を越えたのだとか。

 おそらくその一件で、自分だけの力ではどれだけの距離を挟んでも最終的に才人の所へ戻ることになるということは実感しただろう。

 となれば、自分だけの力でなく、他人の力を借りられて才人から距離を置くことができる場所……、つまり親しい人間のいる場所に潜んでいると考えられる。なるほど、辺境の地でもなければ、才人たちと顔を合わせることなく情報を伝えることだって可能である。

 そのように考えて、キュルケは自らの仮説がかなり核心に近いものであろうことを悟った。

“となると……、あとはだれの保護下にいるかだけど”

 普通なら王宮も考えられるだろうが、今回の件ではそれは考えられない。そもそもの元凶ともいえる存在が、王宮で寝泊まりしているのだから。

 となると、あと考えられるのは、トリステイン魔法学院か、フォン・ツェルプストーのようなルイズの友人の家の領地か、それとも……。

「ラ・ヴァリエール……か」

 実際のところ、親しい友人の少ないルイズが他人の領地に潜り込むことなど考えにくい。

 フォン・ツェルプストーとラ・ヴァリエールとの対立は、ルイズとキュルケとの関係とは関係なくいまだ根強く残っているし、モンモランシ家のようなところは金がないので公爵家の娘を匿うことなどできないであろう。

 タバサのいないガリアにでも入ろうものなら、王宮の衛士たちにつまみ出されてしまう。 

 魔法学院に帰っている可能性は、とも思ったが、そもそもあそこに帰ったところでどうしようもなく、隠れる場所もないし意味もない。

 となると、ラ・ヴァリエールに潜んでいる可能性が極めて高いのである。

 あそこになら、厳しくて強いカリーヌもいるし、ルイズの味方のカトレアや、娘を想う父親であるラ・ヴァリエール公もいる。

 そう考えると、もしルイズがラ・ヴァリエールに逃げ込んだのだとすれば……。

「連れ戻すのは容易じゃないわね……」

 そう小さくつぶやいて、キュルケは目の前にいる小さな親友、タバサの肩の向こうへ遠い視線を送った。その方向に、ド・オルニエールがある。

“ま、その時が来たら手伝ってあげるわ。……ダーリン”

 視線の向こうで狼狽しているであろう友人に対し、心の中からそっと言葉を贈った。

「おかえりなさい、浮気者のサイトさん。と、ギーシュさんにマリコルヌさんに……誰ですか?」

 シエスタが後ろから険悪なオーラを噴出しながら才人にそう声をかける。

 浮気者、という単語が聞こえたところで、せっかく自分の足で歩くことができかけてきた才人の足ががくんと折れて、卑屈な呟きと共に床に崩れ落ちる。

「サ、サイト!? しっかりしたまえ! まったく、きみも後悔するなら初めからしなければ……。いや、すまん! きみを責めるつもりは毛頭ないんだ! だからその“でしゅ”をやめたまえ!」

 ギーシュがあわてて才人に近寄るも、才人はその卑屈なつぶやきを止めない。

 その様子を見て、シエスタがにっこりと笑いながら言った。

「ギーシュさんもその浮気者の肩を持つんですね。浮気者同士仲良くといったところでしょうか。あと、こっそり学院のメイドに手を出すのやめた方がいいですよ。あなたの送ったポエムが次の日伝言板でさらされたりしてますので」

 自身の不逞をこのような形で暴露されたうえに知らなかったショッキングな事実を知らされたギーシュは、「う、うわあああああ!!!」という断末魔をあげて才人の横へ崩れ落ちてしまった。これで、“でしゅ”状態の人間が二人。

 と、先ほどシエスタに名前を忘れられたことが地味にショックだったらしいレイナールが、少し震えながら言った。

「サ、サササ、サイトを許してやってくれないか。こう見えてサイトもかなり反省しているんだ。だから……」

 シエスタは、引き続きにっこりとほほ笑んだまま言った。

「誰ですか?」

 その言葉に、レイナールはびくんびくんと震えながら叫んだ。

「ふふふふ、不届きなっ!! 無礼なっ!! ここ、このレイナールに向かって……っ!!」

「あら。はじめまして、レイナールさん」

「今までちょくちょく会ってるだろおおおおおおおがああああああああ!!!!!!」

 そう叫んだレイナールは、めまいを覚えて床に崩れ落ちた。そしてまたもやぶつぶつと呟き始めた。

 これで三人。

 最後に残ったのは、魅惑のぽっちゃり、マリコルヌであった。

 彼は自らの身がクリーンであることを誰よりも一番よく知っている。そして、印象も薄くない。

 決してメイドに言い負かされることはあるまいと、大いに胸を張ってシエスタに言った。

「あのねきみ、そもそもサイトはだね」

「人語をしゃべるな豚」

「ぶひいいいいいいいいい!!!!」

 マリコルヌ改め豚はそう叫ぶと、ふごっふごっと言いながら床を四つん這いで歩き始めた。

 普通に気持ち悪いので、シエスタが幼き頃にタルブの村で習得した必殺の蹴りを腹に叩き込むと、ふごっ! と鳴いて動かなくなった。

 才人たちは全滅した。……ように思われたのだが。

 今までどす黒いオーラを噴出していたシエスタが、心底面白いものを見たかのようにくすくすと笑い始めた。

 おぞましいオーラが消えたのを感じてか、ギーシュとレイナール、そして才人が顔をあげると、シエスタは才人の方を向いて言った。

「お仕置きはここまでです。……お帰りなさい、サイトさん。今、その傷の手当てをしますね」

 その言葉を聞いて、才人はその表情をぱっと明るくさせた。

「シエスタ……!」

「いいんですよ。わたし。二番目でも、三番目でも。……サイトさんのそばにいられたら、それで」

 シエスタがその言葉を最後まで言い終わるか言い終わらないかのうちに、才人はさっと立ち上がり、シエスタを抱きしめた。

「ごめん、シエスタ。……ありがとう」

 そう言って、才人はぐすぐすと泣き始める。それを見たギーシュが、才人のもとへ行ってばんばんと才人の肩をたたいた。

「よかったな、サイト! いやはや……、それにしても、きみは幸せ者だな! これ以上の奉仕者なんてそういるもんじゃないぞ。慕われているし、とっさに嘘をつくような機転もきく! うちの実家にも欲しいくらいだ!」

 そう言ってはっはっはっと豪快に笑った。それを聞いて、シエスタの服に顔をうずめて泣いていた才人も顔を少し上げて照れくさそうにはにかんだ。

「あのー……」

 男の友情に水を差すように、シエスタがギーシュに問いかける。

「なんだね?」

「わたし、嘘なんかつきましたっけ」

「うん? ついたじゃないか! ほら、ぼくのポエムがどうとか、レイナールの名前がどうとか」

「ああ!」

 シエスタは、ぽん。と自分の握りこぶしで自分の手のひらをたたいてさらに続けた。

「あれを嘘だと思っちゃったんですね。お気の毒ですが、すべてほんとです。わたしもいくつか読ませていただきましたし、レイナールさんの名前はほんとに忘れてました」

 今度は断末魔をあげる暇すら与えられなかった。

 ギーシュは音もなく床に崩れ落ち、レイナールは先ほど上げた顔を再び床につける羽目になった。マリコルヌはというと、よほど蹴りが強かったのか、いまだ失神したままである。

「サイトさん……」

 泣くのを止めてようやくシエスタから離れた才人に、シエスタが神妙な面持ちで話しかけた。

「どうしたんだ?」

 それにつられて、神妙な顔つきになってしまう才人。そんな才人の様子を確認した後、シエスタはさらに言葉を続ける。

「ティファニア嬢を、説得しに来たんですよね……」

「……ああ」

 才人が頷いたのを見て、シエスタは小さなため息をついて、少し俯いた後、決心したかのように才人に言った。

「彼女は、サイトさんに浮気されてとても傷ついています。わたしと二人のときでさえ外に出てこないほどに……」

「……」

「ですから、これ以上、ティファニア嬢を傷つけないであげてください。……無責任だと思われるかもしれませんが、わたしが彼女がもうサイトさんと会いたくないって言うんだったら、それ以上もう何もいうべきではないと思います。それも、彼女が選択したことですから……」

「……わかった」

 才人がそう答えたのを聞いて、シエスタは、自分が頼んだにもかかわらず、少し表情を曇らせた。

 しかし、才人の次の言葉を聞いて、その表情を再び明るくさせた。

「それでも俺は、テファを必ず取り戻す。……何年かかっても、必ず」

「また、みんなで笑えるように」

以上です。
最後才人がなんかいいことっぽいこと言ってますが、よく考えると全然いいことじゃありません。
そもそもこいつが種まいて禍の種をまいたようなもんだし

ギーシュたちはマジでいいやつです。
自分もこんな友人が欲しいですね。
あー、あとキュルケも好きです。というか、この話の登場人物はリッシュモンと灰色卿(名前忘れた)以外嫌いな人はいません。

さて、モンモンですが、もう少し先になりそうです。
まあ、名前は出てきたので約束は果たしたということで。
また本格的に出てくる予定です。

さてさて、シエスタを味方に付けた才人たち。
これから向かうはティファニア嬢。
彼女の心の鍵をアンロックすることはできるのかーっ!?

さむい……。それではまた。

相変わらず原作の雰囲気出てていいね
ただ種を撒いたのはサイトだけど、撒かせたのはロイヤルビッチの具合が良すぎたからだよね

すみません……、>>1です。
ほんとうに、すみません
今週はバカみたいにいろんな病気にかかってしまって……。
もう、自己嫌悪がやばいです

というわけで、今回は本編と、それとは無関係な閑話休題を入れたいと思います。
すみません

「テファー、ちょっと出てきてくれないかー」

 才人は部屋の扉越しにティファニアに声をかけた。しかし、部屋からは物音ひとつ聞こえず、一体どうしたものかとシエスタの方を見遣った。

「朝からずっとそうなんですよ。ご飯をおいても食べにも来ないんです……」

 シエスタの言葉通り、ティファニアのこもっている部屋の扉のそばにすっかり冷めてしまったスープとパンが置かれている。

 このままでは埒が明かないと感じたギーシュが言った。

「まったく……、扉を破ればいいじゃないか。ここには男手が四人分もあるんだぞ? 大体こんな木の扉くらい、きみひとりが体当たりしても壊せるんじゃないのかね」

 才人はその言葉に対し、首を横に振る。

「そんなテファの意志を無視するようなことはできない。……誰だって、そんなことされたくないだろ? テファが開けてもいいって言うまで、この扉は開けられないよ」

 才人の言葉に、マリコルヌが大きくうなずく。

「そりゃそうだよ。ギーシュ、きみが自涜を行っているときに、モンモンにその扉を無理やり開けられていい気が……あ、するね。ぼくとしたことが、これは例としては不適切だ! そうだな……、じゃあ」

「空気を読みたまえ! 今はきみの妄想を語っていい時間じゃない」

 マリコルヌのあまりに空気を読まない発言にレイナールが制止をかける。

 さしものぽっちゃりさんも重い空気を感じ取ってか、素直にその口を閉ざした。

「でも、このまま放っておくのも問題じゃないかな。食事をとりにきてないということは、彼女の生存確認ができていないことと同義だ。最悪の場合……」

 レイナールの発言に、才人が声を荒げる。

「縁起でもないこと言うな! テファは、そんなこと……っ」

「ぼくは可能性を提示しただけだよ。彼女の行動が一切確認できない以上、その可能性は捨てきれないだろう?」

「そうだけど……」

 二人の間を険悪なムードが流れ始めた。と、その時

「あのー…」

 ふたりのやり取りを聞いていたシエスタが横やりを入れた。

「どうした、シエスタ?」

「わたし、貴族じゃないんで魔法とかはよくわかりませんけど…。サイトさんって、ティファニア嬢の使い魔なんですよね? だったら、その、使い魔だってしるしが消えているか確認したらいいんじゃないでしょうか」

 シエスタの的を射た指摘に、才人とレイナールは顔を見合わせた。

 こほん、と咳をしてレイナールが言った。

「……と、いうわけだ。サイト、脱ぎたまえ」

 レイナールの態度に、なんだか納得いかないような顔をした才人だったが、急いで着ているシャツを脱いだ。

「……あるな」

 胸に刻まれたルーンを確認して、才人が呟く。これで、ティファニアの生存は確認された。

「さて、これでティファニア嬢がこの中で死んでないことは確認できたね。では、本題のほうだが……」

 ギーシュが才人の方を見据えた。

「どうやって、ティファニア嬢を連れ出すつもりなんだ? 方法がないなら、やはり……」

「ギーシュさん」

 シエスタがギーシュの方を心配そうな眼差しで見つめる。

「だって、仕方ないだろう? ちゃんと話せばきっとわかってくれるさ。後々のことを考えると、ぼくはそれが一番だと思うよ。話をつけなくてはならないのは、彼女一人ではないのだから」

「それにしたって、あまりにも彼女のことを考えてなさすぎではないですか? 彼女の気持ちは……」

「それじゃあ、一体どんな方法があるって言うんだい?」

「それは……」

 シエスタが言葉を詰まらせたのを見て、ギーシュは才人の肩に手を置いた。

「なあサイト、きみの言い分も確かにもっともだと思う。理想としては、彼女が自ら開けてくれるのまで待つのが一番だろう。……でも、今できることで最善のことはだね」

「ギーシュ」

 そうまくしたてたギーシュに、才人が微笑みを浮かべて声をかけた。微笑んだ口元と、その悲しそうな瞳を見て、ギーシュは肯定と受け取り話を進めた。

「よし、じゃあまずはマリコルヌの風の魔法でドアに対して強風を当てよう。それでだめならきみが……」

「ギーシュ」

 才人が再びギーシュの言葉を遮る。

 怪訝な顔をしたギーシュに、才人はゆっくりと首を振った。

「やっぱり、俺に扉を破ることはできない」

「きみはまだそんなことを言っているのか!! 考えてもみたまえ、現状では」

「ギーシュ」

 才人からの三度目の語りかけに、ギーシュはしぶしぶといったかたちで口を閉ざした。

「確かに、お前の言うとおりかもしれない。無理やり入って、話をすれば、テファはわかってくれるかもしれない。……でも、それは結果論だ。現状では、テファの気持ちを完全に裏切ることになる。そんなこと、俺には絶対にできない」

「……じゃあ、きみはどうするつもりなんだね? 今のままじゃ、いつ出てくるかもわからないんだぞ」

 その問いかけに、才人はいとも簡単に答えた。

「待つよ」

「ま、待つって言ったって……、きみは正気か? 本当にいつになるかわからないんだぞ! 何時間か、何日か……」

「それでも、俺は待つ」

 そう言い放った才人に対し、ギーシュは呆れたように肩をすくめた。

「全く……。きみはどうしてそんなに強情なんだい? そういえば、ぼくのワルキューレに向かってきたときもそうだったな。泣いているルイズをよそに、何度も何度も立ち向かってきたが……」

「うるさいな。……それに、さっきシエスタとも約束したしな。テファが会いたくないって言うんだったら、もう何も言わないって。でも、話し合わないとわからなんいだろう? だから俺は待つんだ。テファが話し合いたいって思うときまで。そのときまで、ずっと」

 その瞳に確かな決意を浮かべて、才人はきっぱりと言い切った。

以上です。
文章がへたくそ過ぎてつらい……。
以下、閑話休題です


ギーシュ「はあはあ、モンモンモンモンモンモン……」シュッシュッ

ギーシュ「モンモンモンモン……」シュッシュッ

ギーシュ「モンモン……」シュッシュッ

ギーシュ「……」シュッシュッ

ギーシュ「モンモンのことを考えると悶々するな! がっはっはっは!!」

ギーシュ「……」

ギーシュ「モンモンモンモンモンモンモンモン……」シュッシュッ

アニエス「……」キョロキョロ

アニエス「女王陛下はいない……。今のうちに」ガラッ

アニエス「女王陛下の下着」ハアハアハアハア

アニエス「女王陛下の生理用品」ハアハアハアハア

アニエス「女王陛下の机」ハアハアハアハア

アニエス「女王陛下の部屋の床」ハアハアハアハア

アニエス「やほーい!! 今日はアニエス祭りじゃーい!!  わっしょいわっしょい」

ガタン

アニエス「!!」

アンリエッタ「……なにをなさっているのですか?」

アニエス「……」

アニエス「女王陛下に近づく危険な虫の影がないか調査しておりました!!」

アンリエッタ「ありきたりですけど。あなたが最も危険ですわ」

くっだらねえ……
以上になります。
今週は本当にかつてない不調だったもので……すみません
あと>>286は放課後屋上な
それでは、また

すいません、うとうとしてしまいました……。
今から投下します。

 頭に毛布をのせて、ティファニアはベッドに寝ころんでいた。

 廊下の外からは、シエスタの声や、少年たちの声……そして、才人の声が聞こえてくる。

「……サイト」

 小さな声で、そう呟くティファニア。その瞬間、彼女の瞳から涙があふれ出てきた。

 ほんの二日前、ティファニアは才人と初めて関係をもった。

 それは彼女にとって忘れられない、夢のような一夜であった。

 初めて出会った同年代の男の子で、初めての友達になった男の子。そして、もう一人の自分の友達の女の子と恋人だった男の子。……初めて、好きかもしれないと思った男の子。

 才人はルイズの恋人であり、ティファニアの恋人ではない。決して手に入らないと思っていた。好きだったけど、彼が本当に好きなのは自分ではないから。だから、お友達のままでいよう……、そう思い続けてきた。

 ところが、サハラにとらえられているうちに、ルイズだけの使い魔だった才人はティファニアの使い魔にもなった。

 ひょっとすると、自分のものにできるかもしれない……。

 そう思ったことは一度ではなかった。そして、そう思うたびに、心の中では自己嫌悪の嵐が吹き荒れた。

 そんなとき、自分の部屋に才人がやってきてくれた。

 その登場の仕方は決して格好いいものではなかったけれど、なんの偶然か、ふたりっきりになるというおまけつきで。

 ティファニアの心は、もう自制ができないほどにぼろぼろであった。

 そんな状況であったから、ティファニアは才人に唇を近づけられたとき、何もすることができなかったのである。

 あの時、実は才人の唇はティファニアの唇のすこし手前で停止していた。

 才人も相当にティファニアに参っていたはずだが、深層心理でのためらいが現れていたということなのであろうか。

 唇と唇の少しの隙間……、その最後の砦を崩したのは、他でもないティファニアであった。

 彼女はぬくもりを欲すると同時に、純粋な欲望として、才人を欲していた。その代わりにルイズが悲しむであろうと思っても、それがなんの効力も果たさないほどに。

 そしてそのままルイズを悲しませ……、彼女が今の自分のように引きこもっているのをいいことに、ティファニアは才人の寝室を訪れた。

 このような夜這いとも取れる行動を自ら行うほど、あの時のティファニアは、自らの欲望に忠実になっていた。

 そして、才人と関係をもった。才人が初めて愛する女は自分なのだという優越感と共に。

 才人の精を受け止めている間中、ティファニアは何とも言えない充足感に包まれていたのである。

 自分ではない、自分の友達の女の子にばかり心を奪われていると思っていた才人が、欲望の赴くままに自分の体を貪っている……。

 その事実は、ティファニアにとってなんとも心地のいいものだったのである。

 もちろん、ルイズに対する罪悪感もなかったわけではない。しかしながら、その罪悪感はそのまま彼女の優越感へもシフトしていた。彼女の心の中は、まるで天にも昇るような心地であった。

 しかし、どんな夢も一夜限りで覚めてしまう。

 ティファニアの夢も、例外ではなかった。

 才人はアンリエッタのもとへ行き、そして、慣れた雰囲気で戻ってきた。

 中でのやりとりはティファニアにはわからないが、なにをしていたかということぐらいはわかった。

 魔法による新たな細工まで施してあったということであるから、恐らくは数週間……、少なくとも、自分が才人と関係をもつ遥か前から、才人はアンリエッタと関係を持っていたに相違なかった。

 夢は一瞬で悪夢へと姿を変え、現実はティファニアの心に重くのしかかる。

 本来ならば、才人の恋人であるルイズの目を出し抜いて才人と関係を持ったという点では、ティファニアに才人やアンリエッタを責めることができるはずもない。

 才人の精を受けるため、自分で才人の部屋に夜這いを仕掛けたのだから。

 しかしながら、彼女の心はもはやぼろぼろであった。

 度重なる自己嫌悪の末、ようやく夢がかなったと思ったら、その夢もまた悪夢と化してしまったのだから。それも、ルイズではなく、自分と同じような境遇のアンリエッタによって。

「サイト……っ」

 ティファニアが呟く。その心に大きな傷を抱えながら。

 廊下からは、才人たちの足音が遠ざかるような音が聞こえてきていた。いつまでたっても物音ひとつ立てない自分に嫌気がさしたということなのだろうか。

“行かないで”

 ティファニアはのそりと体を起こした。

“わたしの……”

 ティファニアは重い足取りで扉へと歩を進める。そしてドアノブに手をかけた。



「サイト……っ!!」

 ドアノブを、回そうとして。

 頭の中に、ルイズの顔が大きく浮かぶ。

 才人と二人で、本当に楽しそうにしているルイズ。

 記憶を消した時には決して見せなかった笑顔を、才人に惜しげもなく見せているルイズ。

 才人の不貞を知り、一切の感情がなくなってしまった顔のルイズ。

“サイトを奪わないで”

 心の、外側と内側。双方からその言葉が聞こえてくる。その声のあまりの大きさに、ティファニアは思わずドアノブから手を離し、そのまま彼女の尖った耳を押さえた。

“わたしの、サイトを……”

 双方からの声は、耳を塞いでも一向にやむ気配はない。実際にはそのような音は存在しないのだから。その声は、彼女の心を破壊していく。

「いや……っ!」

 ずきり、と胸のあたりが痛み、ティファニアはその胸を手で押さえてうずくまった。

 そうしているうちにも、どんどん痛みは増してくる。治るはずはない。実際にそのような痛みは存在しないのだから。

 それがピークに達したとき、ティファニアはついに気を失ってしまった。

 ティファニアは、気を失う寸前、最後の力をふりしぼり、必死にドアノブへと手を伸ばしていた。

 しかしながらそれもかなわず。ついにぷつりと糸が切れたように、ティファニアは床へと崩れ落ちた。

 目の前にあるはずの扉は、ティファニアからはそれがはるか先にあるかのように感じられた。

以上です。
私的な話ですが、多忙な日々がようやく一区切り付きました。
来週からはボリュームアップ……、できたらいいな。
このあと、心底しょーもない閑話休題を思いついたら投下したいと思います。
とりあえず、別れの挨拶を。
それでは、また。



テファはやっぱりロイヤルビッチのいとこなんだよな

>>317
トリステイン王家を馬鹿にするな!
アンさまを馬鹿にするな!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月11日 (木) 21:10:12   ID: ZQBJfimx

終わったか続きはよ

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