モバP「オイルまみれのシンデレラ」 (73)

アイドルマスターシンデレラガールズ 原田美世誕生日SSです。

短い間ですが、よろしくお願いいたします。

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美世「うーん、直らないなぁ。」カチャカチャ

トコトコ

P「おいーす、美世いるかー?」

美世「あ、Pさん。おはようっ!」

P「おはよう!今日もいい天気だな、いい天気ついでに何処かへ出かけないか?」

美世「うーん、今日はやる事があるからちょっと・・・」

P「やる事?ひょっとして愛車の調子でも悪いのか?」

美世「え!?なんでわかったの?」

P「美世のやる事なんざ、バイクか車かアイドル仲間と遊びに行くのどれかしかないからな!」

美世「もー!!それじゃあまるで男の子みたいじゃない!あたしだって女の子なんだからねっ!」プンスカ

P「わかってるわかってる、可愛い顔が台無しだぞー?」

美世「ふんだ!Pさんなんか知らないっ!」プイ

P「あー、悪かった。謝るから機嫌直してくれ、な?」

美世「むー、しょうがないな~。じゃあ、可愛いって言ってくれたらいいよっ!」

P「美世は可愛い!美世さんマジ乙女!美世より優れた女なんぞ存在しねぇッ!!」

美世「わー!わー!も、もういいから!!」

P「なんだ?まだ言われ足りないのか?」

美世「もう十分だよっ!!」

P「そうか、相変わらず欲がないな~。」

美世「そういう問題じゃないよ・・・」ボソ

P「なんか言ったか?」

美世「ううん、なんでもないよっ!」

P「そうか?で、車の調子が悪いんだっけ?どうしたんだ?」

美世「うん、エンジンの調子がね・・・」

キュルルルル プスン

P「・・・随分、やる気のねぇエンジンだな。」

美世「朝からこんな調子なんだ。」

P「流石の美世でもエンジンじゃ手が出せんだろ、素直に修理に出したらどうだ?」

美世「うん、でもイグニッション辺りが原因かもしれないし、もうちょっと頑張ろうと思って。」

P「目星は付いてるのか?」

美世「大体ね。」

P「で、部品は?」

美世「え?」

P「直すには部品がいるだろ?その部品はどうやって調達するつもりなんだって聞いてるんだよ。」

美世「え!?えーと、バイクで今から・・・」

P「アイドルが都内をそんなもんで走るのは危なくて許可出来るか!俺が連れてってやるから行くぞ!」

美世「え!?でも悪いよ。Pさんお休みでしょ?」

P「寝て過ごすよりよっぽど有意義だ!ほれ、そうと決まれば40秒で支度しな!」

美世「う、うん!ちょっと待ってて!」

タタタ

P「・・・ったく!こんな日に故障とは、ほんとついてねぇよな。」

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美世「お待たせ!・・・あれ?Pさーん!どこー?」キョロキョロ

ブロロン

P「みよー、こっちだー!」

タタタ

美世「あ!Pさん、車で来てたの?」

P「話は後で、とにかく乗れよ。」

美世「うん!」

バタン ブロロロ…

美世「そういえば、Pさん。パーツを売ってる場所、知ってるの?」

P「時々、買い物に行くからな。まぁ、任せておきな!」

美世「うん!それより、なんで車で来てたの?」

P「そりゃ、故障がなければドライブに誘うつもりだったからな。」

美世「じゃあ・・・もし、あたしに予定があったらどうするつもりだったの?」

P「何言ってやがる、担当アイドルのスケジュールは全部把握しているのがプロデューサーだ!美世の予定が空いている事なんぞ、とっくにお見通しよッ!!」

美世「えー!それってストーカーだよ!」

P「失礼なッ!俺はただ職務に忠実なだけだぞ!?」

美世「ほんとにそれだけ?」

P「ああ!」

美世「そっか・・・」

P「何故、落ち込む?」

美世「・・・別に何でもないよ。」

P「何でもないって事はないだろ?」

美世「ほんとに何でもないから!」

P「・・・まぁ、悩みがあれば何でも聞いてやる。あんまり1人で抱え込むなよ?」

美世「うん、ありがとPさん。じゃあ・・・1つ相談に乗ってもらってもいい?」

P「おう!1つと言わずいくらでも来い!」

美世「もし・・・あたしに恋人が出来たらPさんはどうする?」

P「恋人か。そりゃ、1発・・・って、何ィ!?」

美世「わ!大声出さないでよ!」

P「美世!お、お前、ま、まさか、こ、恋人が出来たのか!?」ガクガク

美世「Pさん!前見て運転してよっ!!」

P「おおぅ!!」クルッ

美世「ふぅ。もう、危ないなぁ・・・」

P「で!どうなんだ!?」

美世「も、もしもの話だよっ!」

P「そ、そうだよな!はぁー、心臓が止まるかと思ったぜ・・・」

美世「ご、ごめんね?」

P「でも急にどうしたんだ?まさか、好きな人でも・・・」

美世「ち、違うよ!ただ、その・・・」

P「その?」

美世「あたし、あんまり女の子らしくないかなって思って・・・」

P「さっきの事なら、本当に悪かった。」

美世「そ、そうじゃないよ!ただ、皆と比べると女の子らしくない所が結構あるじゃない?」

P「例えば?」

スレタイがエロい

美世「例えば・・・趣味とか?」

P「まぁ、珍しい趣味だよな、車・バイクいじりってのは。」

美世「め、珍しい?」

P「ああ、最初に会った時はびっくりしたぜ、こんな可愛い子が自動車整備士だなんてな。」

美世「かわっ!?」

P「そうそう、丁度あれは去年の今頃だったなぁ・・・」

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P「あーあ・・・人の気配がない裏道でパンクとはなぁ・・・折角、仕事がうまく行ったっつーのに・・・」

カァーカァー

P「はぁー、スペアタイヤは空気が抜けてるし、レッカー呼ぶなら自腹切れってうちの事務員は言ってるし、八方塞がりじゃねぇか!」

バタ

P「あーあ、ロードサービスに入ってりゃ、こんな事にもならなかったろうに・・・」

ブロロロ キキー

P「ん?」

ガチャ タタタ

美世「だ、大丈夫ですか!?」

ムク

P「ああ、俺は大丈夫だ。」

美世「よかったぁ・・・でも、何があったんですか?」

P「実は、そこの車がパンクしてな。近くに自動車の修理が出来そうなとこを知ってたら教えて欲しいんだが・・・」

美世「ここから、車で10分くらいのところにありますけど・・・ちょっと、見てもいいですか?」

P「別に構わんが・・・」

美世「どれどれ?あ、このくらいなら手持ちの道具で応急処置が出来そう♪」

P「ほ、本当か!?」

美世「はい!ちょっと待っててくださいね。」

カチャカチャ

P「おー!手際がいいな!」

美世「慣れてますから・・・はい、終わりました!」

P「おっしゃ!これで帰れる!ありがとな!」

美世「どういたしまして♪」

P「いやー助かったよ、これは道具代込みの謝礼だ。受け取ってくれ。」

美世「待って下さい!これは応急処置ですから、早いうちに修理工場に持って行きましょう!」

美世「あたしの職場を案内しますから、ついて来てください!」

P「お、おう!って職場!?」

美世「はい!あたし、自動車整備工場で働いてるんです!」

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P「それからパンクを直してもらって、ついでにメンテもしてもらって・・・」

P「そんな姿を見てたら急にティンときて、その勢いでスカウトしたのがアイドルになったきっかけだよな!」

美世「うん、そんな事もあったね。」

P「そうそう。・・・で、何の話だったっけ?」

美世「もう!あたしが女の子らしくないかもって話だよっ!」

P「あのなぁ・・・美世が女の子らしくないって言うなら、世界中の女性の9割は女の子らしくないぞ?」

美世「そ、そんな事・・・」

P「ある、俺が保証する。」

美世「そうかな?」

P「そうだって。だから、あんまり気にするなよ。」

美世「えへへ・・・♪」

P「お、そろそろ到着するぞ。降りる準備しておけよ?」

美世「うん!」

ブロロロ…

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美世「Pさん、あれ取って。」カチャカチャ

P「あいよ。」カチャカチャ

美世「ありがと。」カチャカチャ

P「買い出しから戻ってはや1時間、全然終わる気配がないな。」カチャカチャ

美世「あと、もう少しだよ。あ!それ終わったら、バッテリーも見ておいてくれる?」カチャカチャ

P「へーい!エアコンフィルターも交換時期だった気がするから、ついでにやっとくわ。」カチャカチャ

美世「空気圧もお願ーい!・・・そういえば、エンジンオイルは何時交換したっけ?」カチャカチャ

P「5月下旬位だった気がするから・・・そろそろやっといたほうがいいかもな。」カチャカチャ

美世「じゃあ、あたしがやっとくね。ついでにエンジンエアフィルターも交換しとこっと!」カチャカチャ

カチャカチャ カチャカチャ

美世「・・・ごめんね、Pさん。」カチャカチャ

P「何が?」カチャカチャ

美世「折角のお休みなのに、こんな事に付き合わせちゃって・・・」カチャカチャ

P「別にいいさ。言っただろ?『寝て過ごすよりよっぽど有意義』だって。」カチャカチャ

美世「うん。」カチャカチャ

P「ふぅ、終わった。・・・しっかし、本当に車とかバイクをいじるのが好きなんだな。」

美世「やっぱり、変?」カチャカチャ

P「いや、そうじゃなくてなんて言うか・・・そういう時の美世ってさ、すごく生き生きしてるからそう思っただけだ。深い意味はないから気にするな。」

美世「そっか。でも、そうだったらいいな!」カチャカチャ

P「そういや、美世が車とかバイクいじりが好きになった理由って聞いてなかったよな?よかったら教えてくれよ!」

美世「うーん、お母さんとお父さんみたいになりたかったからかな?」カチャカチャ

P「美世のご両親?」

美世「うん。お母さん達が出会ったのも車のおかげなんだよ?」カチャカチャ

P「ほぉ、そいつは気になる。美世のご両親も含めて、その話を聞かせてくれよ。」

美世「いいよ!」

P「じゃあ、茶菓子とお茶を用意してくる、休憩も兼ねて話しようぜ。」

美世「なら、それまでにあたしの方も終わらせておくね!」カチャカチャ

P「おう!じゃあ、後でな。」

美世「うん!」カチャカチャ

トコトコ

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トコトコ

P「お茶持ってきたぞー!茶菓子は煎餅な。」

美世「わぁ、ありがと!いっただきまーす!」

P「で、美世のご両親はどう言った経緯で出会ったんだ?」

美世「えっとね・・・まず、お母さんの実家が自動車整備工場だったんだ。」パリパリ

P「へー、美世のお母さんも車とかバイクいじりが好きだったのか?」ポリポリ

美世「ううん、むしろ大嫌いだったんだって。」パリパリ

P「まぁ、普通はそうだろうな。」

美世「やっぱり、普通の女の人ってそうなんだ・・・」シュン

P「あくまで一般論だ、それより続きを頼む。」

美世「うん!お母さんが学生の頃にね、家に帰りたくなくてぶらぶらしてた事があったんだ、そしたらね・・・」

P「そしたら、どうした?」

美世「車のエンジントラブルで立ち往生してたお父さんにあったの!」

P「ほほう、続けてくれ。」

美世「目の前で困っていたお父さんを放って置けなくて手伝ったんだけど、全然わからなかったらしくて。結局、実家の工場に持ってったんだって。」ポリポリ

P「ほー、それで?」パリパリ

美世「うん、車は直ってお父さんは凄く喜んでくれたらしいだけど、お母さんは何も出来なかった事が悔しかったらしいの。」

美世「それから車とかバイクについてすっごく勉強するようになったんだって!」

P「それで、2人はどうなったんだ?」

美世「お母さんが進学した自動車の専門学校で先輩後輩として再会して、そのまま卒業と同時に結婚したんだよ!」

P「ふむぅ、なかなかドラマチックな話だな。」ズズズ

美世「でしょ?だから、あたしも車とかバイクに詳しくなればお父さんみたいな男の人と結婚出来ると思って、昔からお父さん達のお手伝いをしてたんだ!そしたら、いつの間にか車とかバイクをいじるのが大好きになってたんだよ。」

P「ほほう、なかなか可愛いらしい動機じゃないか。で、素敵な王子様は見つかったのか?」

美世「ううん、むしろ周りの男の子からは距離を置かれる事が多かったなぁ・・・やっぱりオトコっぽいからかな?」ズズズ

P「そうとも限らないぞ?男の認識では『女で車に詳しい=彼氏がいる』って事になるから、単に話しかけづらかっただけじゃないのか?さらに付け加えるなら、美世はいろんな車に詳しいから、男性経験豊富って思われたんじゃないか?」ポリポリ

美世「そ!?そそそ、そんな事ないっ!!」カァァ

P「美世をよく見てればそのくらいわかるさ、全く本当に馬鹿な奴らだ。」

美世「ほ、ほんとに?・・・でも、馬鹿は失礼じゃない?」

P「むしろ言い足りねぇ位だ。そいつらは先入観だけで物事を捕えた結果、みすみすチャンスを棒に振った訳だし。」ズズズ

P「なにより、上手く行けば美世とワンチャンあったはずだぜ?・・・ああ全く、同じ男として嘆かわしい!」バリバリ

美世「あはは、でも、今はそれで良かったと思うよ?そうでなかったら、Pさんや皆にも会えなかったし。」

P「そう言ってもらえるとありがたい。まぁ、唯一残念な事があるとすれば、素敵な王子様より先にカッコ悪い魔法使いに見つかっちまったってところか?」

美世「残念なんかじゃないよっ!とっても頼りになる魔法使いさんに会えたんだから!」

P「な、なんだか照れるな・・・」

美世「それに、王子様は魔法使いさんが巡り合わせてくれるものでしょ?」

いい話なのにスレタイから読み取れる卑猥さがやばい

>>8
>>17

突っ込まないつもりだったが、流石にその発言は見過ごせん!
言っときますけど、このスレは全年齢対象ですからッ!!(迫真)

P「それもそうだな、灰被りならぬオイル被りのシンデレラさん?」ニヤリ

美世「え?ど、どういう事?」

P「ほら、鏡。」スッ

美世「ん~?・・・あ!」

P「くくく・・・エンジンオイルを交換しようとした時、オイルがはねただろ。しっかり顔にくっついてるぞ?」

美世「もうっ!そうならそうと早く教えてよ!!」

P「あははははっ、悪い悪い!」

美世「もう、Pさんのばかっ!」

P「あははははは!」

美世「・・・ふっ、ふふふ♪」

P「・・・はぁ。さってと、そろそろ休憩終わりにすっか!」

美世「うん!」

--------------------------------

美世「じゃあ、行くよ・・・」

P「おう!」

キュルルルルル キュルルルルル

P「お、さっきとは違う感じだな!」

美世「まだ油断しないでっ!」

P「あいよ!」

キュルルルルル ブォン

美世「やった!」

P「よっしゃ!」

ブォン ブォン

美世「うんっ!噴き上がりも好調っ!Pさん、ちょっとテストランに行って来るっ!」

P「はいよ、さっさと済ませろよ?」

美世「はーい!」

ブロロロ…

P「さってと、そろそろかねぇ?」

ピリリリリ ピリリリリ

P「お!噂をすれば、っと。」

ピッ

P「どうも、俺です。」

ちひろ『プロデューサーさん、頼まれていたドレスの用意が出来ましたので美世ちゃんを連れて来てください。』

P「あい、了解。ついでに風呂の用意も頼みます。」

ちひろ『風呂?はっ・・・!?プロデューサーさん!まさか美世ちゃんに・・・!?』

P「・・・ちひろさん?なんか変な事考えてません?先に言っときますけど、あんたが想像してるような事は絶対にないっすからね。」

ちひろ『それは残念です。それじゃあ用意しておきますから早めに来て下さいね。』

P「頼みます。」

ピッ

ブロロロ…

P「お、帰ってきたな。」

ガチャ バタン

美世「ただいまっ!」

P「おかえり、早速で悪いが事務所に行くぞ。」

美世「え?あたし、今日お休みだよ?」

P「知ってる、だがいつまでもオイルまみれって訳にもいかんだろ?事務所の風呂を使えるようにしてもらってるから行くぞ!」

美世「別にいいよ。家に帰ればお風呂もあるし、オイルまみれなんていつもの事だよ?」

P「普段ならそれでもいいが・・・今日は大事な日だからな、そういう訳にもいかないそ。」

美世「大事な日?・・・今日って、何かあったっけ?」

P「おい!今日は何月何日だっつーの!」

美世「えーと、11月14日だから・・・あっ!」

P「やっと、わかったか・・・」

美世「アンチエイジングの日だ!」

ドンガラガッシャーン

P「・・・違うッ!」

美世「えー!?うーんと・・・うーんと・・・あっ!」

P「今度は大丈夫だよな・・・?」

美世「水戸光圀公が本当の意味で御隠居になった日!」

ズコーン

P「もういい!なんで、マイナーな記念日ばかり出てくるんだよッ!?」

美世「えへへ、ごめんね。正解はあたしの誕生日でしょ?」

P「・・・俺はからかわれてたのか・・・」

美世「たまにはいいよねっ?」

P「ほほぅ?そういう悪い子には、これはあげませーん!」スッ

美世「あー!ひょっとしてプレゼント!?」

P「ま、担当プロデューサーをからかう悪い子には必要ねーよなー?」

美世「ほーしーいー!Pさーん!」ピョンピョン

P「はいはい、後でちゃんと渡すから安心しろ。」

美世「わーい!でも、それ何?」

P「後でのお楽しみだ。ちなみに、美優さんおすすめの店で買って来た。」

美世「・・・ふーん。」

P「ん?どうしたんだ?」

美世「別に?チョイスも美優さん?」

P「いや、俺が選んだぞ?」

美世「・・・そっかー、ふふふ♪」

P「ん?なんか不機嫌になったと思ったら機嫌よくなって・・・何かあったのか?」

美世「べっつに~♪」

P「まぁいいか。さぁ、事務所へ行くぞ!」

美世「うん!」

--------------------------------

P・美「「ただいまー!」」

ちひろ「はい、おかえりなさ・・・って、なんでそんなに汚れているんですか!?それも、プロデューサーさんまで・・・」

P「着替えがいる、って言ったじゃないっすか!」

ちひろ「ここまで汚れてるとは思ってませんでしたよ!なんで、そんな事になったんですか!?」

P「2人で車の修理をしていて、気が付いたらこんな有様ですよ。ハハッ!」

美世「えへへ・・・」

ちひろ「もう!2人して何しているんですかっ!反省しなさいっ!!」

P・美「「はい、ごめんなさい・・・」」

ちひろ「とにかく美世ちゃんはすぐお風呂に入ってきなさい!その間にプロデューサーさんは、この荷物を倉庫まで運んでください!」

P「美世の風呂はともかく、何で俺が荷物運びを?」

ちひろ「それは勿論、大変な仕事を押しつ・・・美世ちゃんの入浴が終わるまでの時間稼ぎですよ。」

P「ちひろさん。今、別の事を言おうとしてなかったか?」

ちひろ「き、気のせいですよ?」

美世「それに、なんで時間稼ぎなんてするの?ここには、Pさんとちひろさんしかいないのに・・・必要なくない?」

ちひろ「そんな事ないわよ?だって、プロデューサーさんを野放しにしていたら、間違いなく覗くじゃないですか。」

P「おい!ふざけんなッ!?」

美世「ちひろさん!Pさんはそんな事しないよっ!」

ちひろ「甘いわ美世ちゃん!プロデューサーという生き物はね、担当アイドルがお風呂に入ってるとわかれば体が勝手にお風呂場の方へ動いてしまうものなのよ!」

美世「そ、そんな事・・・ないと思うよ?」

P「そこは否定しろよッ!」

美世「だって・・・時々、変な事するし・・・」ジトー

P「何だよ!?変な事って!!」

ちひろ「まぁまぁ、さっきはああ言いましたけど、プロデューサーさんも大人ですし大丈夫ですよ!」

P「そもそもの元凶が何言ってやがる!!」

美世「わかりました、でも・・・」チラ

P「覗きゃしねぇよ!!安心して入って来い!!」

美世「・・・やっぱり、あたしは魅力が無いんだ。」シュン

P「どうしろってんだよ!」

ちひろ「あーもうっ!いちゃいちゃしてないで、さっさと動くっ!」

P・美「「は、はい!」」

美世「あ、あたしはお風呂に・・・」バタバタ

P「俺は荷物っと・・・」バタバタ

タタタ

ちひろ「ふぅ、ようやく行きましたか。世話の焼ける子達ですねぇ。」

ちひろ「・・・さーて、お姉さんからちょっと早い誕生日プレゼントといきますか♪」ニヤニヤ

--------------------------------

美世「えーと、大浴場と中浴場、どっちを使えばいいんだろう?」キョロキョロ

ちひろ「美世ちゃーん!」タタタ

美世「あ、ちひろさん!」

ちひろ「ごめんね、言い忘れてたけど中浴場の方を使って頂戴ね。」

美世「わかりました!」

ガチャ バタン

美世「おっふろーおっふろー♪」ヌギヌギ

ガチャ

ちひろ「美世ちゃん、入るわよー?」

美世「きゃっ!ち、ちひろさん!ノックくらいしてよっ!!」

ちひろ「度々ごめんねー、それより服汚れちゃってるでしょ?洗濯するから全部抜いじゃって!」

美世「えぇ!?今からっ!?」

ちひろ「そうよ、とっとと脱ぐ!」グイグイ

美世「ち、ちひろさん!?やめてよ!!」

ちひろ「良いではないか、良いではないかー♪」スポポーン

美世「い、いやぁぁぁぁぁあ!!」

--------------------------------

ちひろ「美世ちゃんの方はこれでOK、後は・・・」

ガチャ

トコトコ

P「ふぃー、何とか片付いた。」

ちひろ「あ!お疲れ様です、プロデューサーさん♪」

P「全くっすよ、休日にどれだけ働かせれば気が済むんですか!」

ちひろ「まぁまぁ、本当にお疲れ様でした。折角ですからお風呂に入ってきたらどうですか?今なら中浴場が空いてますよ?」

P「いいんすか?ここの風呂はアイドル専用でしょう?」

ちひろ「構いませんよ、中浴場はこの後清掃しますので誰も入る予定はありませんし、清掃前に出てくれば大丈夫ですよ!」

P「そうっすか。じゃあ、お言葉に甘えます!」

トコトコ

バタン

ちひろ「ふふふ、ごゆっくり~♪」ニヤニヤ

--------------------------------

P「いやー、1日忙しかったが最後にゆったりできるとはな!」ヌギヌギ

P「しっかし、こんな広い風呂が使い放題とは、アイドルがうらやましい!・・・今度、社長に掛け合ってプロデューサー用の風呂も作ってもらうかね。」ヌギヌギ

ガラ

P「ぬぁー、風呂だ、風呂だー!」

美世「え?・・・P、さん?」

P「み、みよ・・・?」

P・美「「・・・・・・・・・」」

美世「・・・きゃぁぁぁぁぁあ!?」

P「だぁぁぁあ!?」

ガラガラ ピシャーン

P「はぁ・・・はぁ・・・何でここに美世が・・・って、犯人は1人しかいねえッ!!」

P「だが詮索は後回しだ、今はここから出る!上着とズボンを着てれば問題ないだろ!」バババ

P「よし着替え完了!アンド脱出ッ!」ガチャ

ビターン

P「~っ!!いてててて、なんでドアが開かないんだよ!?」

ちひろ「騒がしいですよ、もう少し静かに入ってください!」

P「ちひろさん、そこにいるのか!?」ドン

ちひろ「はぃー?プロデューサーさん、どうかしましたかぁ?」

P「どうかしたってレベルじゃねぇッ!風呂場に美世がいるぞ!どういう事だ!?」

ちひろ「そんなはずありませんよぉ?見間違いじゃないですかぁ?」

P「しらばっくれやがって・・・おい!そんな事はいいから、ちひろさんッ!早くここから出せ!」ドンドン

ちひろ「すみません、どうやらドアが壊れちゃったみたいで・・・開けられないんですよぉ。」

P「んな訳ねぇだろ!」ドンドン

ちひろ「今、修理してますから、もうちょっと待ってて下さいね。」

P「待てるかッ!さては、最初から俺達をここに閉じ込める算段だったんだな!?」ドンドン

ちひろ「何か言いました~?よく聞こえませんね~?」

P「この外道!町長!!ちひろッ!!!」ドンドン

ちひろ「まぁそんな訳なんで、直るまでゆっくりしていってね♪」

P「出来るかッ!!とっとと出せ!!」ドンドン

シーン

P「おい!ちひろさんッ!!」ドンドン

シーン

P「ちひろさん!!・・・はぁ・・・」

ガラ

美世「あのー、Pさん?」ヒョコ

P「おおぅ!?ど、どうした?」

美世「えっと、さっきは大声出してごめんね。」

P「いや、女湯に男がいたんだ、当然の反応だろ?美世はもう上がるのか?」

美世「ううん、Pさんが何でここにいるのか気になって見に来ただけだよ?」

P「そうか。俺はとある事務員にはめられたんだ・・・ったく!あの大魔王め!」ドン

美世「そうなんだ。えっと、それなら・・・」

P「ん?」

美世「もし、Pさんがよかったらだけど・・・」

P「なんだ?」

美世「うん、その・・・一緒に・・・お風呂、入らない///?」カァァ

P「な、何言ってやがる!?俺達は男と女だぞ?アイドルとプロデューサーだぞ!?」

美世「だめ・・・?」

P「い、いや。だから流石にそれはまず・・・」

美世「だめ?」ウルウル

P「・・・わかった、そんな目で俺を見るな。一緒に入るからその目はやめてくれ。」

美世「やったー!さぁ、早く早くっ!」

P「ま、待て!その前にバスタオルか何かを身につけて来い!」

美世「着けてるよ?」

P「あ、本当だ。どこにあったんだ?」

美世「いつものように、サウナルームの前に山積みになってたよ?」

P「・・・元々掃除する予定もなかった、って事か。あの腹黒事務員め・・・」

美世「ささ、早くっ!」

P「はいはい、支度するから中で待ってろ。」

美世「はーい!」

ガラガラ ピシャーン

P「・・・どうしてこんな事になったんだ?だがまぁ、深く考えたら負けなんだろうな。」ヌギヌギ

P「準備完了っと、さて、入るか。」

ガラガラ

美世「あ!Pさん、こっちこっち!」ブンブン

P「なんだなんだ?」

美世「いいから、ここに座ってっ!今からあたしが、お疲れのPさんをメンテしてあげる♪」

美世「もちろん優しく、ね?」ニコッ

P「お、おう、頼んだ。」

--------------------------------

美世「ふんふーん♪」ゴシゴシ

P「メンテって背中を流す事だったのか・・・」

美世「マッサージも後でやってあげるね♪」

P「いや、そういう意味じゃなくて・・・まぁ、いいか。」

美世「~♪」ゴシゴシ

P「しかし、人気アイドルに背中を流してもらう事になるなんてな・・・ファンが聞いたらショック死するぞ?」

美世「バレなきゃ大丈夫だよ。」ゴシゴシ

P「そういう問題じゃ・・・」

美世「それに、あたしがアイドルを続けられるのもPさんのお陰なんだから、いつもの恩返しだよ。」ゴシゴシ

P「そう言ってもらえるのは嬉しいが・・・今日の主賓を働かせるのは正直心苦しいものが・・・」

美世「いーの、いーの♪ずっと前からやりたかった事が出来たんだもん、あたしはむしろ嬉しいよ?」ゴシゴシ

P「そんなもんか?」

美世「そんなもんだよ。」ゴシゴシ

美世「はい、流すよ?」

P「おう。」

ザパー

美世「・・・Pさんって、大きいね。」ペタペタ

P「・・・それって、背中の事だよな?」

美世「それ以外に何かある?」

P「・・・か、肩幅とか?」

美世「同じだよっ!」

P「そ、そうだよな。あはは・・・」

美世「じゃ、じゃあ・・・次は前、かな///?」カァァ

P「結構だッ!!それと、照れるくらいならやるな!!」

美世「でも、男の人は喜ぶって・・・」

P「誰だ!?そんな、ふざけた事を美世に吹き込んだ奴はッ!?」

美世「えっと・・・礼子さんと、レナさんと、早苗さんと・・・」

P「・・・もういい、とりあえず下手人共は、『仁奈とモフモフでお仕事の刑』だな。」ニヤリ

美世「あ!かわいい♪」

P「くっくっくっ・・・結婚前の身で親扱いされる、そんな悲しさと切なさとやるせなさを、骨の髄まで味あわせてくれるわ!」ニヤニヤ

美世「あ、ひどいっ!そんな事するつもりなら、Pさんとはもうお仕事してあげないからねっ!!」

P「・・・それは困る、残念だがこの案はお蔵入りにするか。」

美世「うん♪じゃあ、次はマッサージをするね。タオルひくからちょっと待ってて。」

P「いや、その位・・・」

美世「いいのいいの!」テキパキ

P「・・・もうどっちが祝われる側なのか、わかんねぇなぁ・・・」

美世「はい、そこにうつ伏せになって。」

P「お、おう。」バタ

美世「じゃあいくね。うんしょっ・・・」ギュッギュッ

P「む?これはなかなか・・・」

美世「早苗さんから教わったんだ、気持ちいい?」ギュッギュッ

P「おう・・・」クター

美世「・・・Pさん、いつもありがとね。」ギュッギュッ

P「・・・どうしたんだ?急に改まって。」ウトウト

美世「昨日もお仕事で帰るの遅かったのに、一日中手伝ってもらっちゃったでしょ?」ギュッギュッ

P「・・・好きでやったんだ、気にするなぁ。」ウトウト

美世「そうは言っても疲れたでしょ?」ギュッギュッ

P「・・・なぁにを言うか、俺は全然大丈夫だぁ!」ウトウト

美世「そんな事言って、眠そうにしてるじゃない。無理・・・してたんでしょ?」ギュッギュッ

P「・・・んあこたぁない。眠いのは、美世のマッサージのせいだぁ。」ウトウト

美世「あ、ひどい。そんなの言いがかりだよ。」ギュッギュッ

P「・・・」ウトウト

美世「あれ?Pさん?」

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「ねぇ、Pさーん!ここで寝たら、風邪ひいちゃうよ!」ペシペシ

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「と、とりあえず、予備のタオルをかけてっと。」バサ

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「Pさん、お疲れ様♪」ナデナデ

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「でも、どうしよう・・・ちひろさんに言えば大丈夫かな・・・?」

P「・・・みよ・・・」スゥスゥ

美世「P・・・さん?」

P「・・・みよ・・・WRC・・・とって・・・」スゥスゥ

美世「WRCって・・・Pさんは、夢の中までお仕事してるの・・・?」

P「・・・あぁ・・・これで・・・」スゥスゥ

美世「・・・お願いだから、もっと自分の事も大事にしてよ。」ナデナデ

P「・・・はは・・・嬉しい、か・・・?」スゥスゥ

美世「うん、あたしは幸せだよ?」ナデナデ

P「・・・みよ・・・おれは・・・」スゥスゥ

美世「Pさん?」

P「・・・おれ、は・・・お前、が・・・」スゥスゥ

美世「P、さん?」カァァ

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「・・・寝ちゃった。」ガク

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「Pさんは、ほんとに悪いプロデューサーだね。こんなに・・・こんなにも、あたしをドキドキさせて・・・」ペシペシ

P「・・・・・・うっ・・・」ビクッ

美世「あ、起きちゃった!?」

P「・・・・・・むふぅ・・・」スゥ

美世「ふぅ・・・びっくりした。」

P「・・・みよ・・・」スゥスゥ

美世「もうっ、今度は何の夢?」ナデナデ

P「・・・つぎは・・・たーぼだ・・・」スゥスゥ

美世「ターボ?その前にサスペンションの調整が先だよ?」ナデナデ

P「・・・さすぅ・・・?・・・おれは・・・たーぼが・・・」スゥスゥ

美世「・・・夢の中のあたしも同じ事を言ってるのかな?」ナデナデ

P「・・・はい、よ・・・みよには、かなわ・・・ないなぁ・・・」スゥスゥ

美世「・・・Pさん・・・」ナデナデ

P「・・・ほんと、に・・・くるまが・・・すきだな・・・」スゥスゥ

美世「うん。でもね・・・最近は車やバイクと同じ位、好きな人が出来たんだよ?」ナデナデ

P「・・・・・・そんな、ことだとぉ・・・ふぁん、が・・・しっと・・・しちゃう、ぞぉ・・・?」スゥスゥ

美世「そう、かもね・・・。でも、この気持ちは誰にも止められないよ。」ナデナデ

P「・・・まぁ・・・みよ、が・・・しあ、わせなら・・・いい、かぁ・・・」スゥスゥ

美世「・・・Pさん、あたしね。」ナデナデ

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「・・・あたし、Pさんの事が好き、大好き。」ナデナデ

P「・・・・・・おれも、・・・みよの・・・」スゥスゥ

美世「!」ビクッ

P「・・・くるま・・・すき、だぜ・・・」スゥスゥ

美世「・・・Pさんのばか・・・」ペシペシ

P「ふがっ・・・」

美世「やばっ!」

P「・・・・・・」スゥスゥ

美世「やっぱり、Pさんはずるいよ・・・あたしばっかり、こんなにドキドキさせて・・・」ペシペシ

P「・・・あぁ・・・おーで、・・・また・・・うか、なかったの、かぁ・・・」スゥスゥ

美世「・・・鈍感・・・唐変木・・・えっち・・・意気地なし・・・おおばか・・・」ペシペシ

P「・・・・・・おち、こむな・・・おれが・・・ついてる・・・」スゥスゥ

美世「・・・でも・・・」

P「・・・そうだ・・・・・・がんばれぇ・・・」スゥスゥ

美世「誰よりも優しくて、誰よりも頼りになって、世界で一番カッコいい男の人だよ♪」ナデナデ

P「・・・あぁ・・・うかって・・・よかった、なぁ・・・」スゥスゥ

美世「ほんとに・・・Pさんが、あたしの王子様だったらよかったのにね。」ナデナデ

P「・・・みよ・・・」スゥスゥ

美世「はいはい、今度はなぁに?」ナデナデ

P「・・・かわいい、ぞ・・・?」スゥスゥ

美世「な!?」ベチン

P「あだ!?」パチ

美世「あ!ご、ごめん!!」

P「ん?んーっ!よく寝たっ!」

美世「お、おはよう?」

P「おう、すごく疲れが取れたよ。ありがとな!」

美世「ど、どういたしまし・・・くちゅん!」

P「ちょっと失礼。」ピト

美世「ひゃっ!?き、急に肩を触らないでよっ!」

P「だいぶ体が冷えてるな、どうしてこんな・・・ひょっとして、俺を看ててくれたのか?」

美世「ま、まぁ・・・一応、ね。」

P「そうか・・・悪かったな。」

美世「ううん、それより一緒に温まろっ?」

P「そうだな。」

ザブザブ

P「ぬぁ~、生き返るぅ~!」

美世「ふぅ・・・」

P・美「「・・・・・・・・・」」

チャプチャプ

美世「・・・ねぇ、Pさん?」

P「ん~?」

美世「さっき、夢を見てたみたいだけど・・・何の夢だったの?」

P「な、なんだ急に?」

美世「すごい寝言だったから・・・ねぇ、どんな夢だったの?」

P「・・・仕事の夢だ。」フイ

美世「じゃあ、なんで目をそらすの!」グイ

P「ちょ、美世!その格好で近づくなって!」アタフタ

美世「お~し~え~て~よっ!!」

P「わ、わかった!」

美世「で、何の夢だったの!?」

P「・・・誰にも言うなよ?」

美世「うんうん。」

P「・・・美世とWRCの舞台で仕事する夢だ。」

美世「他にもあるんでしょ?」グニー

P「いふぁい・・・いういう!」ビヨー

美世「で、続きは?」

P「ててて・・・美世と車のメンテする夢も見たんだ、多分、さっきの仕事の続きだと思うんだけどな。」フイ

美世「他には?」ニギニギ

P「な、何もなかったぞ!?」アタフタ

美世「何もないなら、なんで目を逸らすの!?」

P「い、言えるか!!み、美世に・・・その・・・」

美世「あたしに、何したの!?」

P「な、何もしていないッ!!お、俺はもう出るッ!」

ザバッ

美世「あ!Pさん、まだ話は終わってないよ!」

ザバッ

P「後で話してやる!いいから美世はもう少し浸かってろ!同時に出たら怪しまれるだろうが!」

美世「あ、そうだね。」ザブン

P「ふぅ、美世がちょろ・・・素直で助かった。さーて、俺はとっとと出て支度を・・・」ボソボソ

ガラ

P「ん?」

美世「あ・・・」

拓海「え・・・?」

P・美・拓「「「・・・・・・・・・」」」

拓海「~~!?!?」ボフン

P「た、たたたた拓海!?」

美世「た、拓海!?どうしてここに?」

拓海「・・・なんでPと美世がここにいるんだよッ!!」ブルブル

P「ま、待て!これには深い訳が・・・と、とりあえずバスタオルを巻いてだな!?」アタフタ

拓海「お前は・・・いっぺん・・・」ブルブル

P「た、拓海さん!?」

拓海「くたばれぇぇぇぇえええ!!」

ドゴォ

P「ごはぁ!?」

ドサ

美世「Pさん!?Pさーん!!」

--------------------------------

社長「ふむ、つまり千川君の策略で中浴場に閉じ込められた君達は、出れるまで時間を潰そうと2人きりで混浴と洒落込み、その後、入浴しようと入ってきた向井君に運悪く鉢合わせ、殴られた、と。」カキカキ

社長「それで、報告は以上かね?」

ちひろ「はい・・・」

P「はい・・・」ボロ

拓海「こいつの怪我はアタシのせいだ、本当に悪かった。」ペコリ

美世「ごめんなさい・・・」ペコリ

社長「話を聞く限り、君達は被害者だ気にしなくていい。当然お咎めもなしだ、それよりも正装に着替えてきなさい、今夜はパーティーだ。」

美世「パーティー?」

拓海「お前のだよ!」

美世「あ、そっか。」

拓海「じゃあ、アタシ達は行くけど・・・P!しっかり反省しろよ!」

P「はーい・・・」

美世「あの、社長・・・」

社長「・・・彼等には其れ相応の処分を与えるつもりだが、多少手心は加えると約束しよう。」

美世「お願いします、それじゃあ失礼します。」

ガチャ バタン

P・ち「「・・・・・・」」

社長「まず、千川君。」

ちひろ「は、はい!」

社長「そもそも、何故彼等を2人きりにしたのかね?」

ちひろ「最近、美世ちゃんは他のアイドルと比べて自分が劣っていると悩んでいるようでしたので、ここはプロデューサーさんの口から美世ちゃんの魅力を語ってもらい、自信を取り戻してもらおうと・・・」

社長「他に方法はなかったのかね?」

ちひろ「ありません!」

社長「適当な事を言うものではない。時間をかければ手段など幾らでもあるだろう、結果を早く求めすぎるのは君の悪い癖だよ?」

ちひろ「はい・・・」

社長「まぁ、被害者である原田君からの嘆願も考慮し、減給3ヶ月で手を打とう。」

ちひろ「し、社長!?そ、それだけは・・・減給以外なら何でもしますから!!」

社長「ふむ、では今夜のパーティの費用を千川君持ちでいいのであれば「減給でお願いします!」うむ。」

社長「さて、次は君だ。」

P「はい。」

社長「千川君に騙される形となったとは言え、アイドルと混浴とはいかんよ君ィ!断ろうとは思わなかったのかね!?」

P「まぁ、お叱りはごもっともです。ですが、彼女の内面を深く知る2度とない機会だと思った為、あえて承諾しました。」

社長「・・・本当に、それだけかね?」

P「・・・いいえ。」

社長「素直でよろしい、では処分を言い渡そう!」

ちひろ「ちょっと待ってください、プロデューサーも見方によっては被害者ですよ!」

P「ち、ちひろさん・・・」ジーン

ちひろ「それに、プロデューサーまで減給になったら、私は誰にたかればいいんですか!?」

P「おい、ちひろ。感動返せ!」

社長「重要なのは事実だ、彼が『アイドル』原田美世と混浴したという事実がね。」

ちひろ「うっ・・・」

社長「私とて、彼を咎めたくはない。だが、事務所がある程度の規模になってきた以上、どのような理由があれ不正行為は見逃す事はできない。他の社員の示しにならないからね。」

ちひろ「でも・・・」

P「もういいっすよ、ちひろさん。他のプロデューサーが真似たらやばいし、『泣いて馬謖を切る』ってやつっしょ、社長?」

社長「その通りだ。では、改めて君に処分を言い渡す!」

P「・・・」ゴク

社長「君は、減給4ヶ月だ!また、本日の誕生日パーティーへを欠席し、今から明朝にかけて事務所待機を命じる!」

社長「以上!文句があれば承ろう。」

P「ありません!・・・ご恩情、感謝します。」ペコリ

社長「ふむ、もっと重い処分でも良かったのかね?」

P「め、滅相もない!」

社長「では、話は以上だ。千川君は次のイベント予算の件で話があるから少し残ってくれたまえ。」

ちひろ「はい。」

P「じゃあ、俺はこれで失礼します。」

ガチャ バタン

P「ふぅ・・・」

美世「あの、Pさん・・・」

P「み、美世!?ひょっとして、今の話聞いてたか?」

美世「うん・・・」

P「まぁ、あんまり気にするな。今回はたまたま間が悪かっただけの話だからな。」

美世「うん・・・」

P「さぁ、年に一度の大事な日だからさ、行ってきな。」

美世「Pさんがいないのは淋しいよ・・・」

P「そう言ってくれるのは嬉しいが、主賓がいなくちゃ盛り上がらないだろ。さぁ、行った行った!」

美世「・・・」ギュ

P「・・・まったく、困った奴だなぁ。」ナデナデ

美世「・・・・・・」グス

P「あ、そうだ!昼間に話したプレゼントを今、渡しておこう。」

美世「ぷれぜんと?」ゴシゴシ

P「俺はパーティに行けないけどさ、これなら香りが残るから、な。」ゴソゴソ

美世「香り、って香水なの?」

P「ああ、開けてみな。」

美世「うん。」ガサゴソ

美世「わぁ・・・綺麗・・・♪」

P「折角だから付けようか?」

美世「うん、お願い。」

P「えっと、2・3滴つければいいって言ってたな・・・」ペタペタ

美世「ん・・・これ、甘い香りがするね。」

P「香りはきつくないか?店員さんの話では稀に具合の悪くなる人もいるらしいし・・・」

美世「うん、平気みたい。」

P「そうか、じゃあこれは美世の物だ。」

美世「うん。」

P「お誕生日おめでとう、美世。」

美世「・・・ありがとう。行ってくるねっ!」

P「おう!楽しんでこい!」

タタタ

P「さて、仕事仕事。」

--------------------------------

P「はぁ~、めんどくせぇ。けど、ここらで次のイベントの企画が通らないと俺の財布が死ぬからなぁ・・・とりあえず、数打ちゃ当たる戦法で行くしかねぇな!」カタカタ

グゥゥ

P「・・・腹、減ったなぁ。ってもう10時じゃねぇか!そりゃ、腹も減るな。」

P「えっと、たしかこの辺にカップ麺が・・・」ガラ

P「・・・ない。」ポカーン

P「ま、まぁこっちに災害時の避難食が・・・」ガラ

P「・・・何もねぇ・・・」ズーン

P「はぁ、こんな日に食料まで尽きるとは・・・俺の命運もここまでか・・・」グデー

ガチャ

美世「Pさん♪」

P「・・・何もない部屋で、花の匂いがする・・・俺は、死ぬのか・・・?」グゥゥ

トコトコ

美世「Pさん、ただいまっ!」

P「あぁ、美世の幻聴まで聞こえてきた・・・父さん、母さん、独身のまま先立つ不幸をお許しください・・・」グゥゥ

美世「Pさーん?」ペシペシ

P「とうとうお迎えが来たみたいだ。はは、神様も粋な計らいをしやがるぜ・・・お迎えの天使が美世にそっくりだ・・・」グゥゥ

美世「Pさん!起きてよっ!!」ベシベシ

P「あだ!?幻覚じゃない!?」ガバ

美世「おはようっ♪」

P「おう、って美世!ドレスのままこんなとこで何してるんだ!?いや、それより誕生日パーティはどうした!?」

美世「早苗さん達がカラオケ大会を始めちゃったから、こっそり出てきちゃった♪」

P「カラオケ大会、ねぇ。主賓差し置いて何やってんだ、あの人達は・・・?」

美世「まぁまぁ、すっごく楽しかったよ!あたしも歌ってきたし。」

P「まぁ、楽しかったんならいいんだがな。そういや、パーティはどんな感じだったんだ?」

美世「えーと、最初に社長からの挨拶とバースデーソングがあったの!社長の弾き語り、かっこ良かった!」

P「へぇ、社長が弾き語りをするなんて珍しいな。それで?」

美世「その後、みんなでケーキを食べて、お話ししながら食事をしてたんだけど・・・」

P「早苗さんが『カラオケしたーい!』とか言い出したんだな?」

美世「うん。ちひろさんが止めようとはしたんだけどね・・・」

P「まぁ、その状態の早苗さんを止めるのは不可能だからな。しかし、予算に余裕あったのは意外だったな。」

美世「一応用意はしてたんだって。でも、お財布事情が厳しくなるからって、今も電卓とにらめっこしてると思うよ。」

P「ちひろさんも大変だなぁ。まぁ、今回の件はそれでチャラにしてやるか。で、その波乱のカラオケ大会はどうだったんだ?」

美世「うん。トップバッターの早苗さんが、あいさんと『墨東恋物語』を歌って、その後、あいさんは『君は僕の宝物』を歌ってたなぁ。」

P「2人らしい選曲だな。他の連中は?」

美世「凛ちゃんが『fragile』で、卯月ちゃんが『亜麻色の髪の乙女』だったかな?未央ちゃんは『POP MASTER』を歌ってたよ。」

P「・・・未央は置いといて、卯月と凛の選曲に何かしらの意図を感じるのは気のせいか?」

美世「気のせいじゃない?考えすぎだよ。」

P「・・・まぁいいか、俺には関係のない事だし。他には?」

美世「うーんと、あ!美波ちゃんは『らびゅらびゅ』を歌ってたよ、とっても可愛かったっ!」

P「ちくしょう!それは生で見たかった、聴きたかった!」

美世「・・・」プクー

P「ん?どうしたんだよ、そんなふくれっ面なんかになって。」

美世「何でもないっ!Pさんのばかっ!!」プイ

P「何でもない訳ないだろ・・・で、美世は何を歌ったんだ?」

美世「『LOVE SOMEBODY』だよ?」

P「くっ!・・・その場にいなかったのが悔やまれるッ!」

美世「・・・Pさんは、あたしの歌聴きたかった?」

P「もちろんッ!」

美世「じ、じゃあ・・・今度カラオケに連れてってくれる?」

P「いいぞ。今日の件があるから、2人きりという訳には行かないが、近いうちに他の連中も連れて行こうか。」

美世「やったー!」ピョンピョン

P「こらこら、その格好ではしゃぐな。」

美世「あ、そうだね・・・ねぇPさん。このドレス、あたしに似合ってるかな?」

P「こっちのイメージ通りだ。香水の香りもあいまって、いい雰囲気だと思うぞ?」

美世「ほんと?良かった♪スカートってあんまり着ないけど、これからは着るようにしようかなっ?」

P「それがいい、乙女度もぐっとアップだ!」

美世「あ、そうだPさん。この香水の元になっているお花と、その花言葉って知ってる?」

P「いや、知らん。美世は知ってるのか?」

美世「うん、美優さんに聞いたんだけど、イランイランってお花で、花言葉は『乙女の香り』って意味があるんだって。」

P「そ、そうだったのか・・・」

美世「Pさんは、どうしてこの香りを選んだの?」

P「いや、何と無く美世に似合うと思っただけだ、まさかそんな意味があるとは思わなかったぞ。」

美世「・・・イメージ通りじゃなかった?」シュン

P「そんな事はない!この選択をした、あの時の自分を褒めちぎってやりたい位だ!」

美世「えへへ、良かった♪」

P「ははは!流石、俺!」

グゥゥ

P「あ、腹減ってたのすっかり忘れてたぁ・・・」グテー

美世「ふふ♪そうだと思った。そんなガス欠Pさんにガソリン補給だよっ!」

P「食いもん!?」ガバッ

美世「じゃーん、石川名物『ブリ大根』!さっき家から取ってきたんだ。」パカっ

P「・・・」ジュルリ

美世「さぁ、めしあがれ♪」

P「い、いただきますッ!!」

--------------------------------

P「ふぅ、生き返った。ごちそうさん。」

美世「お粗末様でした♪どうだった?」

P「うまかったよ。これなら『嫁アイドル』としても売り出せそうだ。」

美世「そ、そんなの無理だよっ!だって、掃除は下手だし・・・」

P「だが、洗濯は得意なんだろ?」

美世「それは、よくオイルまみれになったりするから自然と得意になっただけだよ?」

P「別に、響子並みの家事スキルを求めてるんじゃないさ。むしろ、その意外と出来るって所がセールスポイントだ!」

美世「・・・それって、あたしが普段女の子らしくないって事じゃないっ!」グニィ

P「いだだ、そんなつもりで言った訳じゃないぞ!?」

美世「じゃあ、どういう事なの!?」

P「今の美世のイメージは、『車やバイクいじりが好きな可愛い女の子』って所だが、そこに家庭的なイメージを匂わせる事で新たなイメージを生み出せると思っただけだ。」

美世「か、かわ!?じゃ、なかった。そうとは知らずに、つねってごめんねPさん。」

P「いいさ、それよりお茶飲みたくないか?なんなら、淹れて・・・」

美世「それなら、あたしが淹れてくるねっ!」

P「いや、流石にそれは・・・」

美世「いいから、いいから♪」

P「・・・わかった、頼む。」

美世「はーい!」

ガチャ バタン

P「さーて、その間に俺は情報収集を済ませておくか。」ドサ

P「えーと、『765プロが生っすかに続く新番組開始!』か、こっちも負けてられねぇな。」ペラ

P「ほう、『ジュピターの3人がドラマで初共演!』か、いいねぇ面白そうだ。」ペラ

P「お!新進気鋭のアイドルグループのリーダーが熱愛発覚だって!?」ペラ

P「相手は・・・マジかよ!?そいつらの担当プロデューサーじゃねぇか!」

P「・・・しかも、この人最近会ったぞ。あの時にはもう付き合ってたって事か・・・」ペラ

P「えーと・・・まぁ、当然2人共、懲戒処分だよな。」ペラ

P「・・・俺も今後やばいかもなぁ。気は進まないが、美世とも付き合い方を改める時なのかもしれん。」ペラ

P「今日の件もあるし・・・次に似たような事を起こせば、まず美世とはおさらばになっちまうからな・・・」ペラ

P「そうなるのは嫌だな。もし、美世と別れる事になるんだったら、いっそ別の仕事を探すのもありかなぁ・・・」ペラ

バン

P「ぬぁ!?」

美世「Pさん・・・やめちゃうの・・・?いなく、なっちゃうの?」グス

P「み、美世?いや・・・その・・・」

タタタ

美世「やだ、やだやだ!やだよっ!!あたし・・・あたしっ・・・!」ギュー

P「お、落ち着け!決定事項じゃない!あくまで可能性だ!!」

美世「可能性でも、やなものはやだ!」ポロポロ

P「ああもう!落ち着け!俺はやめる気も美世の担当から外れる気もさんさら無い!」

美世「・・・ほんと?」グス

P「だが、今日みたいな事があればそうなる可能性もあるって話だ。

美世「うん・・・」

だから、これからはプライベートで会う時間も減らして行こうと・・・」

美世「そんなの、やだよ・・・」ポロポロ

P「・・・アイドルを続けるのってのは難しいんだ。ここはだいぶ緩い方だが、今日みたいな事を何度も許してもらえる程、社長は甘くはない。」

美世「・・・」グス

P「そりゃ、美世と車をいじったり出掛けたりするのは好きだが・・・アイドルを続けられなくなるのは嫌だろ?」

美世「・・・」ギュー

P「美世・・・」

美世「・・・あたし・・・」ギュー

P「ほいほい、どうした?」ポンポン

美世「あたし・・・あたし、Pさんの事が・・・好き、大好きなの!」ギュー

P「・・・・・・!」

美世「Pさんは・・・あたしの事どう思ってるの・・・?」

P「・・・」

美世「やっぱり・・・ただの『アイドル』として見てるの・・・?」

P「・・・」

美世「ねぇ・・・」ギュッ

P「・・・少し、目をつぶっていろ。」

美世「め?」

P「いいから、ほら。」

美世「うん・・・」パチ

P「・・・さて、今ここには俺しかいない訳だから、今から言う事は独り言になる訳だ。」

美世「・・・」

P「俺は、原田美世を『アイドル』ではなく『女性』として愛している。」

美世「・・・!」

P「出来るならば、街中で堂々とデートしたいし、正直、今すぐにでも押し倒したい。」

美世「・・・///」

P「だが・・・それでも俺は、原田美世が『アイドル』として輝く舞台に立つ姿を今は見ていたい・・・」

美世「・・・」

P「だが、美世がそれを望まないと言うのであれば・・・」

美世「Pさん・・・」パチ

P「美世・・・?」

美世「Pさん、あたし・・・アイドル続けるよ。」

P「・・・そうか。」

美世「走って走って、エンジンもボディもボロボロになっても走るのをやめないから・・・」

P「ああ。」

美世「・・・走り切った先にあるゴールで、チェッカーフラグを振って、待っててくれる?」

P「お安い御用だ、ついでに頑張った美世を一般モードにデチューンしてやる。その後は・・・今まで出来なかった話をするか。」

美世「うん、あたしが振られちゃうかもしれないけどねっ!」

P「ばーか、逆だ逆!」

美世「ふふふっ!」

P「あはははは!」

P「・・・あ、そういえば、お茶は?」

美世「えーと、Pさんがブツブツ言ってたのが気になって・・・」モジモジ

P「聞き耳立ててて、淹れてなかった、と。」

美世「い、淹れてくるっ!」

P「慌てなくてもいいからな。」

タタタ

ガチャ バタン

P「ふぅ・・・」

ガチャ

社長「ただいま、諸君。」

P「社長!?まさか今の話を・・・」

社長「む?原田君の声がしたと思ったが、どうやら席を外しているようだ。」キョロキョロ

P「社長、俺は無視っすか?」

社長「そぉい!」ガバ

P「ぬほぉ!?急に視界が真っ暗に!?」

社長「ふむ、どうやらP君も外出しているようだな。いやはや、先程の原田君の告白が彼に聞かれなかったようで良かった良かった。」

P「・・・社長・・・」

社長「さて、私は帰るとしよう。それと、最後にこれだけは言っておかねばなるまい。」

P「・・・?」

社長「・・・私は、真にアイドルの事を想っている人間を、何があっても解雇したりせんよ。」

P「・・・ありがとうございます。」

ガチャ バタン

ガチャ

美世「あれ?誰か来てなかった?」

P「ん?誰もここには来ていないぞ?」

美世「おかしいな、さっき物音がしたと思ったんだけど・・・」

P「気のせいだ、それよりお茶ありがとな。」

美世「どういたしまして♪Pさんはまだお仕事?」

P「いや、事務所待機を命じられて暇だったからやってただけだ。もう疲れたし、これ飲んだら仮眠室で寝る!美世もそろそろ帰りな。」ズズズ

美世「それなら、あたしも行く!」

P「ブフーッ!?」

美世「だ、大丈夫?」ポンポン

P「ケホッケホッ・・・み、美世さん?一体、何をするおつもりで!?」

美世「何って?そんなのもちろん・・・」

P「もちろん?」

美世「大好きなPさんに、特別なメンテをしてあげるに決まってるじゃないっ!」

終わり

おまけ

美世「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。」ナデナデ

P「・・・おい、美世。特別なメンテってのは、まさか膝枕して絵本の読み聞かせをする事じゃないだろうな?」

美世「そうだよ。ひょっとして、あたしの膝枕、嫌だった?」ポンポン

P「それはいい、むしろそれだけでよかったんだがな。普通、特別なメンテって言う位だから、もうちょっと、こう・・・」

美世「・・・Pさん、何を期待してたの?」ジトー

P「いや・・・それは・・・その・・・」アセアセ

美世「もうっ!変な想像しちゃだめだよっ!あたし達はアイドルとプロデューサーなんだから!」

P「ほほぅ、そのプロデューサーに向かって泣きながら告白した奴のセリフとは思えんなぁ。」ニヤニヤ

美世「あ~、そんな事言うなら膝枕してあげないっ!」プイ

P「はいはい、すまんすまん。・・・それより、なんでこんな事をしようと思ったんだ?」

美世「それはね・・・昔、お父さんがヘトヘトになるまで仕事して来た時に、お母さんがしてあげてた事なの。」ポンポン

美世「あたしも好きな人が出来たらやってあげたいなぁって・・・嫌ならやめるよ?」ナデナデ

P「そういう事なら続けてくれ、恥ずかしい以外に不満はない。」

美世「じゃあ続けるね♪お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川で・・・」ナデナデ

本当に終わり

以上で終了です。ここまで読んでくださってありがとうございました。

なんかスレタイがエロいと言割れたのがちょっと意外でした。
ふつうオイルって言ったらエンジンオイルの事じゃありません?

なんにせよ、ここまで読んでくださいまして本当にありがとうございました!!

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