【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第21位【アラフォーマーズ】 (1000)

・京太郎主人公

・安価スレ

・某掲示板ネタ

・本編の数年後。京太郎はプロになってる

・基本ギャグ仕立て時々しんみりシリアス

・でも腹パンとか川落ちとか関係ない

・京太郎は麻雀ガチ勢(ランキング13位)

・でもドラマに出たり(松実宥とゲスト同士共演)、料理番組を持ってたり

・異名は「オカルトスレイヤー」。堅実な技術を持つオールラウンダー。闘牌時は非常に獰猛

・でも上位のオカルト持ちと打つと、ミンチより酷い状態になる

・高校生の頃の恋人は高鴨穏乃。少なくとも玄は知らない

・進学などの関係により、破局している

・大学時代、晴絵に息抜きとして連れていかれた先で鷺森灼と出会い、そして恋仲になる。

・なお、関係は切れている。灼が京太郎をフッた(身を退いた)

・弘世菫、小走やえと同じチーム

・同じ大学(T大)なのは、江崎仁美・辻垣内智葉・弘世菫・小瀬川白望(2年上級生)
 鹿倉胡桃(浪人)・臼沢塞(浪人)・荒川憩(1年上級生)、原村和・新子憧(同級生)

・カリス……ではなく、一とは高校時代に一緒にゲーセン行ったり、夏祭り行ったり、バッセン行く程度の仲

・脚力がヤバイ。女子サッカー日本代表にPK対決で勝利

・オカルトスレイヤーの愛称は、出演ドラマから
 超能力ヒーロー学園ものドラマ。超能力者に対抗する、唯一の魔法使い(物理)

・戦闘スタイルは完全にシャコさん

・大学2年時に、オカルトを暴走させた夢乃マホと対局し、敗北

・カピバラとは死別。死因は……

・男友達はちゃんといるよ

・ムエタイの達人。パルクール(フリーラン)を習得

・バイク大好き。愛車には話しかけたりする

・ちょい熱い高校生→陰りのある大学生→三枚目の社会人、へと進化


   須賀 京太郎 日本

  2X歳 ♂ 高い 標準
 『麻雀ランキング』13位
  M.O.手術 〝昆虫型″
    ━リオック━


※有志の方のありがたいまとめwiki

http://www54.atwiki.jp/ocltslyrkyo/pages/1.html


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384350934

※前スレ
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.2
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.8【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.9【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.10【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.10【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.11【アラフォーマーズ】
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379229833/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.12【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第13位【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第14位【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第15位【アラフォーマーズ】
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380710309/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第16位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第16位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381164915/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第17位【アラフォーマーズ】

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第18位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第18位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382191356/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第19位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第19位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383139434/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第20位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第20位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383752033/)

・安価を出して、安価先の内容を基に、
 そういう「そういう事があった」「そういうトピックのスレッドが立ってる」としてそれに絡めた話を書きます
 例えば安価先が【小鍛治健夜結婚】なら


引用元:【リアルババ抜き】 小鍛治健夜、結婚 【ターンエンド】

1 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
ソースはブログ。すこやんが男の手料理を食べたとかなんとか

2 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
すこやんみたいな干物が手料理をごちそうになる……これは結婚ですなぁ

3 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
やっとすこやんにも春が来たんだね……遅すぎるとしても

4 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
釣りかと思ったらマジだった

5 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
【悲報】ついに人柱がささげられる

6 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
勇者ありがとう。お似合いだよ……どんな人かはしらんけど

7 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
おめでとうすこやん!これで俺も安心できる

8 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
なんだこれは……たまげたなぁ

9 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
しつぼうしました。うえのさんのふぁんになります

10 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
ん、でもこれさ……この背景……スッガが出てる料理番組じゃないか……?

11 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
糸冬 了

12 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
やっぱりそんな都合がいい話がすこやんにあるはずがなかった


・と言う感じで、これならその番組ですこやんで絡んだシーンとか

・開始時の人間関係はフラットです。安価で人間関係が決まります

・安価についても、明示された部分以外にはキュゥべえ理論展開されたり

・いちゃいちゃとかルートとかコンマで闘牌とか今のところ予定はない。今のところ

安価でお題を3つくらい募集
お題については以下

①いつもの掲示板形式
②掲示板によらない京太郎のオフの日の話
③高校・大学時代の話とか、作中で触れられたけどキンクリされた話(淡ラキスケ、やえタッグ)とか


一応のルールとか

【見出し系】
・基本、恋愛&マイナス結果確定系はNG
 状況なら確定系は可。
 例えば、『須賀プロ、○○プロと路上で口論』。
 但し、『須賀プロ、○○プロと路上で口論。その後、暴行』はNG
 同様に『○○プロ、須賀プロと共演。須賀プロを激怒させる』

・状況確定系でも恋愛関係確定はNG
 『恋人の○○と~』は駄目。
 『恋人と噂される○○と~』はギリOK
 あんまり恋人と噂が多いとなんか悪いこと起こるかもね

・順位確定系もアウト
 『須賀京太郎、M.A.R.S.ランキング2位に』みたいのは駄目

・暴行&下衆&鬱&エログロネタはNG
 AVデビューとかいじめ、強姦被害とか自殺とか薬物中毒とか元風俗嬢など。
 不良に絡まれたとかならまあよし

【ファンスレッド系】
・「○○プロ応援スレ」など
・一般人についてはNG

【質問、目撃スレ】
・「スッガと話したけど質問ある?」のような
・恋愛関係確定系はNG(彼女・元彼女など)


これ+同一IDの連続取得については最安価とします
なお、ズレて取得になった場合もこれにカウント

好感度

★7
ハギヨシ:師匠にして友人にして悪友にして戦友。この人抜きじゃ生きていけない
大星淡:やたら絡んでくるアホの子ライバル。麻雀人生をやってもいいよ。おもち柔らかかった。可愛いっちゃ可愛い

★5
弘世菫:菫さんは最高です! 菫さんのおかげで戦えるんです! 菫さんを目標に大学決めました!
宮永照:強大な目標。勝負事では頼りになる人。なんか放っとけない

★4
宮永咲:気のおけない幼馴染み。絶対の目標にして憧憬を覚えさせた存在
辻垣内智葉:姐さん、一生ついてきます! 姐さんがいたからあの大学に……からかうのヤメテ!
小走やえ:やえさん、やえさん! あのさ! やえさん、俺さ……! ねえ、やえさん! あのですね……! わん!

★3
赤土晴絵:師匠! 師匠がいなかったら俺は……
松実宥:なんでも共演。寒がり大変そう。正直おもちあるし結婚したい

★2
松実玄:男として見られてないけど正直結婚したい
亦野誠子:お互い大変っすよねー……今度、海釣り行きましょうよ!
国広一:一さんといると落ち着くんだよなぁ……
片岡優希:いい女になったな
東横桃子:消えても追える
龍門渕透華:すっげえスポンサー
小瀬川白望:シロさん、元気そうでよかったなぁ
原村和:初恋……だったんだ
対木もこ:小動物可愛い
姉帯豊音:大きな小動物可愛い
三尋木咏:流石の火力っすね……三尋木プロは
鶴田姫子:頭おかしいんじゃないですか、あんた
新子憧:高校大学と、本当に世話になった女友達。何年後かで、お互いフリーなら結婚したい
(高鴨穏乃):
夢乃マホ:可愛い可愛い後輩。何かあったら、今度こそは俺が止める

★1
佐々野いちご
瑞原はやり
小鍛治健夜
愛宕洋榎
愛宕絹恵
野依理沙
渋谷尭深
竹井久
染谷まこ
花田煌
加治木ゆみ
新免那岐
福路美穂子
白水哩
江崎仁美
天江衣
薄墨初美
石戸霞
滝見春
狩宿巴

13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎
ベーススタイル:『技術昇華』

攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40
技術:60/60 幸運:10/10 気力:60/60

★麻雀スキル
・『情報(0)』
・『分析(0)』
・『対策(0)』
・『オカルトスレイヤー(10)』
・『最古の害虫(10)』
・『偽・闇を裂く雷神(10)』
・『偽・神眼の拳闘家(10)』
・『偽・悪魔の天敵(10)』
・『偽・天上の荒武者(10)』


☆スキル
>『爽やかな笑顔』
>女性キャラと(ゲーム的には初登場)遭遇時の判定について
>内容や判定に正の補正が加わります

>『プロ並のシュートセンス』
>スポーツや運動関連の判定について
>内容や判定への正の補正が加わります

>『愚行権』
>彼は本当の意味での凡人だ
>運があろうが実力があろうが、とにかく分かりやすい華はない
>因縁めいた偶然なんて存在しない
>物語の補正なんてのは、ない
>だからこそ、普通と違う誰かには、もの珍しく映ったり……
>【……思考が常識離れしている相手の好感度に影響】

>『反響定位』
>舌打ち音の反響により、無視界でも通常通りの活動が可能
>音感関連の判定や『反響定位』が活用可能な判定について
>内容や判定への正の補正が加わります

>『マッハ!!!!!』
>大学時代限度ギリギリまで打ち込んだ古式ムエタイの成果
>立っている人間の肩を足場に走れる、肘でヘルメットを割れる等々……
>タイってスゲー。仏像や象さんに手を出すのはやめよう
>格闘やアクション判定について
>内容や判定に正の補正が加わります

>『舌使いが上手い』
>種を残して食べたサクランボを舌で結べる程度には舌の使い方が上手く、繊細で精密
>味覚を用いた判定や舌を使用する判定について
>内容や判定への正の補正が加わります

その他、ランカーステータス
※安価内容を闘牌系にする際の参考に


?位 「???」 宮永 照
ベーススタイル:『技術昇華+運+オカルト』

攻撃力:30+?/60 防御力:30+?/60 速度:30+?/60
技術:45/60 幸運:30+?/60 気力:60/60

・『照魔鏡(0)』
・『黄金回転の連続和了(0)』
・『黄金回転の連続和了Act.2(10)』
・『連続和了Act.3(10)』
・『連続和了Act.4(10)』
・『神砂嵐(20)』


3位 「赤き腕を持つ帝王」 荒川 憩
ベーススタイル:『技術昇華+オカルト』

攻撃力:45/60 防御力:60/60 速度:35/60 
技術:45/60 幸運:50/60 気力:60/60
※(35+45)/2+50=90 コンマ10以上にて聴牌
※45×(50+45/2)=3240 これをコンマ一桁倍

・『赤き腕を持つ帝王(0)』
・『赤き腕を持つ帝王(10)』


?位「???」 宮永 咲
ベーススタイル:『技術昇華+運+オカルト』

攻撃力:?/60 防御力:?/60 速度:?/60
技術:?/60 幸運:?/60 気力:60/60

・『???』
・『???』
・『???』
・『???』


?位「???」 小走 やえ
ベーススタイル:『技術昇華+運』

攻撃力:?/60 防御力:?/60 速度:?/60
技術:?/60 幸運:?/60 気力:60/60

・『???』
・『???』


9位 「悪魔の天敵」 辻垣内 智葉
ベーススタイル:『技術昇華+運』

攻撃力:40/60 防御力:40/60 速度:60/60
技術:50/60 幸運:40/60 気力:60/60
※(60+50)/2+40=95 コンマ5以上にて聴牌
※40×(40+50/2)=2600 これをコンマ一桁倍

・『悪魔の天敵(15)』
・『神速(0)』



12位「天上の荒武者」 弘世 菫
ベーススタイル:『技術昇華+運』

攻撃力:30/50 防御力:40/50 速度:40/50
技術:50/50 幸運:40/50 気力:60/60
※(40+50)/2+40=85 コンマ15以上にて聴牌
※30×(40+50/2)=1950 これをコンマ一桁倍

・『天上の荒武者(0)』
・『シャープシュート Mk.Ⅱ改 トランジスタ・スライダーICBM(5)』


13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎
ベーススタイル:『技術昇華』

攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40
技術:60/60 幸運:10/10 気力:60/60
※(40+60)/2+10=60 コンマ40以上にて聴牌
※40×(10+60/2)=1600 これをコンマ一桁倍

・『オカルトスレイヤー(10)』
・『最古の害虫(10)』
・『偽・闇を裂く雷神(10)』
・『偽・神眼の拳闘家(10)』
・『偽・悪魔の天敵(10)』
・『偽・天上の荒武者(10)』


44位「蒼い血の死神」 大星淡
ベーススタイル:『オカルト』
攻撃力:20/60 防御力:20/60 速度:30/60
技術:20/60 幸運:60/60 気力:60/60
※(30+20)/2+60=85 コンマ15以上にて聴牌
※20×(60+20/2)=1400 これをコンマ一桁倍

・『蒼い血の死神(0)』
・『蒼い血の死神(5)』

「――愛してるよ」じゃなくて、「――Ich liebe dich」ってちゃんと言わせた方がよかったかもしれない

ありがとう、オチ要員


理由?
たしか前、どっかの掲示板ネタで書いたような書かないような……

さて、もういくつか小ネタいきますか

書いてる間も、小ネタになりそうなのも平行して書いてええからなー


>引用元:安価で悪戯してみるっす


1 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:PeachMMM
安価で色々悪戯するっすよー!

↓2


3 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
知り合い(勿論男)に唐突に背後からソフトタッチ



桃子「背後からソフトタッチ……」

桃子「知り合いの、しかも男っすか……」

桃子「男の知り合いって言うと、イケメンさんくらいしかいないっすよねー」

桃子「ま、安価は絶対なんでいきますけどー」


京太郎「玄さん、俺のことやっぱりなんとも思ってないのか?」

京太郎「凹むよなぁ……」

桃子(っと、イケメンさん発見っす!)

桃子(相変わらず、影薄そーで幸薄そーな顔してるっすねー)

桃子(そういうとこには、親近感とか持ってもいいかなって……)

桃子(だからまあ、イケメンさん相手のソフトタッチとかボディータッチにはあんま抵抗ないっすよ!)

桃子(あの蜘蛛さんとか、執事さんがいない限り……ステルスモモの独壇場っす!)

桃子(まさか普段からエコロケしてますまい!)

桃子(それじゃあ、その形よく滑らかなむしゃぶりつきたい鎖骨からラインが延びてる首筋なんか――)


京太郎「――邪ッッッッッ」


桃子(――ひ、ひぃっ!?)

桃子(なんすか? なんなんすか、今の! あ、あと少し横なら死んでたっすよ!?)

桃子(ほ、本人は打ったことに気付いてないし……ま、正しく空の拳っす)




桃子(こ、腰抜けて……ちょ、ちょっと、あの、その、漏……)

桃子(~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ)

桃子(……)

桃子(……)

桃子(……)

桃子(……ふふ、ふふふ)

桃子(い、イケメンさん……あんたは私を怒らせたっす)

桃子(私の純情を弄んだあんたには……)

桃子(偶々公園で会った『幻の六人目』さんから教えて貰ったステルス技……すべて使うときが来たようっすね)

桃子(絶対に……絶対に……!)

桃子(絶対に、ぎゃふんと言わせてやるから……覚悟するっすよ!)


桃子(さあ、安価の神様――我に力を!)

桃子(復讐スルハ我ニアリっす! こっからは、あんたの恥ずかしい思い出づくりの時間っす!)


 ――尚。

 どちらが恥ずかしい思い出をすることになったかは、言うまでもないだろう。



桃子(もう、安価スレに釣られて逆セクハラは二度としないっす!)


                                          おわりんこ


>どうしてクロチャーって残念なんだろうね(京太郎視点)




京太郎「『玄さん、今度映画に行きませんか』……っと」

京太郎「……」

京太郎「ちげーよ、そうじゃねーよ」




京太郎「『玄さん、今度食事でもどうですか』『女性にも人気な場所です』……っと」

京太郎「……」

京太郎「……だから、なんでそうなるんだよ」




京太郎「『玄さんに会いたいです』……っと」

京太郎「……」

京太郎「いやだから、そういう話じゃないんだけどな」




京太郎「『玄さん、いい加減にして下さい』……っと」

京太郎「……」

京太郎「ごめんなさい、玄さん」




京太郎「……」

京太郎「……もういっそのこと、これ送ってもいいよな」

京太郎「『色々なおもちの話をしましたが、俺は大きなおもちに縁がないです』」

京太郎「『なので、触らせて下さい。我慢限界過ぎて触りたいです』……っと」

京太郎「……」

京太郎「……やっぱ、さすがに不味いよな」

京太郎「『……なーんて』って、送信っと」

京太郎「……あれ、返信早くねーか? 入れ違いか?」

京太郎「……」

京太郎「だから、そういう話してねーだろ! 判れよ!」


>どうしてクロチャーって残念なんだろうね(玄視点)




玄「……あ、京太郎くんからメールだ」

玄「映画かぁ……あ、もしかしてあのおもちの女優さんの映画のことかな?」

玄「『私も気になってました。どんなおもちの動きなんだろうね~』」

玄「『もし見たら、感想教えてね~(ハート)』」




玄「……あ、京太郎くんからメールだ」

玄「えーっと何々? ふむふむ、なるほどなるど……つまり!」

玄「『そこで色々なおもち鑑賞会ってことかな? それは魅力的な提案だね!』」

玄「『でも、お店屋さんだと流石に見付かっちゃうんじゃないかなー』……って、うん、よし」





玄「あ、京太郎くんからメールだ」

玄「ええっ!? わ、私に会いたいって……そ、それは私もだけど」

玄「京太郎くん、おねーちゃんとも知り合いだし……深い意味はないよね?」

玄「で、でも……こんな風に言ってもらえると嬉しいなぁ」

玄「うん、よし! 頑張るよ!」

玄「『私も京太郎くんに早く会いたいな!』」

玄「『色んなおもちのお話を仕入れました。きっと、京太郎くんも満足するんじゃないかな~?』」

玄「まずはやっぱり、共通の話題で盛り上がってからだよね!」




玄「あ、メールだ」

玄「最近、いっぱい京太郎くんとメールできて嬉しいなぁ」

玄「おねーちゃんにはおもちがあるから、きっと……京太郎くんともすぐ仲良くなれるんだろうなぁ……」

玄「おねーちゃんなら……」

玄「……」

玄「……うん、だからこうしてコツコツとメールをして、距離を近付けたいなぁ……って」

玄「えーっと、何々……?」

玄「……」

玄「どうしよう……怒らせちゃったかなぁ」

玄「『ごめんね……やっぱり、おもちの話には無理に付き合わせちゃってたかな?』」

玄「『あんまり、迷惑なメールばかりしちゃってごめんね』」




玄「……嫌われちゃったかな」

玄「嫌われちゃったよね……?」

玄「私、おねーちゃんみたいに女の子っぽくないし……焦って、馬鹿なこと言い出しちゃうし」

玄「女なのに、女の子のおもちに興味あるし」

玄「……京太郎くんはやさしいから、話に付き合ってくれてただけだよね」

玄「……」

玄「……あぅぅ、また、やっちゃったよ」

玄「あ、メールだ」



玄「ふーむ、なるほど、なるほ…………えっ」

玄「さ、触らせて欲しいって……えぇ!?」

玄「ま、まさか京太郎くん……私のことを、そんな風に……?」

玄「……ぁぅ」

玄「……あ。でも、私とは書いてないから――これはやっぱり、おねーちゃんのなのかな?」

玄「……」

玄「だって、大っきいおもちって言ったら……おねーちゃんのだから」

玄「私みたいに、半端なおもちはなんてことないだろうし……なにより、京太郎くんには、嫌われちゃったし」

玄「……」

玄「……うん、二人の間を取り持つことなら、おまかせあれ!」


玄「『そういうことなら、おまかせあれ!』」

玄「『全力で京太郎くんとおねーちゃを応援しちゃうよ!』」

玄「『でも、おねーちゃんはそういうのをいきなりされるってなると泣いちゃうだろうから』」

玄「『ちゃんと、エスコートしてあげてね?』」

玄「……」

玄「……ちょっと、寂しいから」

玄「『おねーちゃんが駄目な間は、私が代わりになってあげちゃったりして……』」

玄「なんて、ちょっと大胆過ぎるかなぁ……?」

流石に眠すぎてなに書いてるのか判らなくなってきたよ


おやすみー

誰か教えてくれ


先輩がマルコスよりランキング上とは思えないんだ……

マルコス

メリット
・超スピード
・超感知能力
・超精密動作性
・かなりの破壊力
・人間殺すのも多分躊躇わない

デメリット
・スタミナ
・特に武術や格闘技・マーシャルアーツはやってない


(モン)ハナの慶次

メリット
・ボクサー由来の反射神経による近接戦闘能力
・破壊力では随一であろうシャコパンチ
・どこかのミンチになった人に比べてかなりの防御力
・恐ろしい視力

デメリット
・これまでぼっちだった
・メンタルがちょっと弱いのでは
・童貞捨てられなさそう(殺人的な意味で)


アレキサンダー先輩

メリット
・中距離からの飛び道具攻撃
・弾数は恐らく変身中なら制限なし
・素手の近接戦闘でもノーマルゴキ相手には十分
・罠技術や潜入などのゲリラ戦を行う技術。優秀な軍人
・お茶目
・理想的な家族

デメリット
・ノーマルゴキから一撃を貰ってしまうという、近接戦闘能力が他のランカーに比べて見劣りする部分
・女子供を殺せない


設定的には強いって判るんですよ、設定的には

戦果も十分あげてるしね。毒なのに


でもさ……うん
ネームドキャラとバグズゴキをやれてないから、どうしても描写的にはさ……うん

せめてね、3人相手でも善戦して、ナイフぶっ殺を紅ちゃんが盾になるかたちで阻まれてとか
そういう、惜しかった死に方にしてくれたら……うん


まあ、「設定的には強くて、その他には勝つんだけど本編では……」ってキャラはあってるっちゃあってるよね。誰かに

これでだいぶランカー決められますわ

今とはまるで違くなってしまった当初の予定では

8位 福路美穂子(長野トップの引き)
15位 原村和(羽ばたかせると手に終えない)

とかだったね


まあ、適当にステ作ったりシャワー浴びてきたりするんで、1930から開始で

原作ってなんだっけ

これで11位とかだったら、先輩頑張ったってなったんだけどな……
せめて異名も先週つけてくれたらな……盛り上がったんだけどな


まあ、切り替えていきましょうかー

こっちのマーズランキングは制圧力基準じゃないからすり合わせ難しい

とりあえずステータスを
未だに出番のない蟹さんの攻撃力を50に修正


3位 「赤き腕を持つ帝王」 荒川 憩
ベーススタイル:『技術昇華+オカルト』

攻撃力:50/60 防御力:60/60 速度:35/60 
技術:45/60 幸運:50/60 気力:60/60
※(35+45)/2+50=90 コンマ10以上にて聴牌
※50×(50+45/2)=3650 これをコンマ一桁倍

・『赤き腕を持つ帝王(0)』
 放銃後に己の運が上昇するという能力を発展させたスタイル。
 己が受けたロン和了をストックし、任意のタイミングでその打点と同じ和了を行う。

・『赤き腕を持つ帝王(10)』
 自切。
 誰か一人のツモ・ロン和了の放銃対象を自分に決定する。
 この際、相手は和了するか否かの選択ができるが、
 和了を選択しない場合、再度聴牌判定を行う。


7位「退くことなき双剣の騎士」 小走 やえ
ベーススタイル:『技術昇華+運』

攻撃力:45/60 防御力:45/60 速度:35/60
技術:55/60 幸運:35/60 気力:60/60
※(35+55)/2+35=80 コンマ20以上で聴牌
※45×(35+55/2)=2835 これをコンマ一桁倍

・『退くことなき双剣の騎士(0)』
・『退くことなき双剣の騎士(10)』



(……何をうだうだやってんだろうな、俺は)


 適度にSAに立ち寄って、息抜きをしている自分がいた。

 余程、彼の地を踏みたくないというのか。躊躇っているというのか。

 何を馬鹿な――と自嘲を溢す。


 こういう重苦しいのは、自分には合っていないのだ。あくまでもいい意味でも悪い意味でも軽い男。

 元来的に自分はそんな性質だろうし、

 また、暗く淀んだ顔をして、近くにいる誰かの顔までも曇らせたくないのだ。見ていて胸が痛くなる。

 最近はちゃんとそんな風に、周囲にまで目を配る余裕が出てきていた。

 自分も、大学や高校とは違う環境へと順応できてきたのだろう。いい傾向だ。


「……と」


 家族で旅行にでも来たのか、それとも遠出をするために遊びに来ていたのか。

 果たしていかなる力学的作用かは知れないが、少女の帽子が吹き上がる風に舞い上がり、枝に囚われてしまった。

 いや、ある意味では木が受け止めてくれたとも言うべきか。

 そこに木がなければ、そのまま風に吹き晒されて遥か目視も叶わぬどこかに飛ばされていた。

 ただ、どちらにしても、


「……ぁ」


 係留ロープの向こうの、枝に掛かっているという状況は、少女の中では失ってしまったと同義だ。

 手を伸ばしても、届く距離ではない。

 みるみるうちに、少女の目に涙が湛えられていき――


「ちょっとこれ、持っててくれるか?」


 自分よりも遥かに上背のある闖入者の声に、はたと少女の震えが止んだ。

 手渡したのは、スマートフォン。

 待機画面いっぱいに、積乱雲を孕んだ午後の空を映すそれは、少女の手には些か大きい。

 え、と呆気にとられた少女が、京太郎を見上げる。


「何者って言いたそうだから先に言っとくけど、俺は魔法使いさ」

「えっと……」

「ま、いい娘で待ってな。直ぐに魔法をかけてやるよ」


 ぽかんと口を開ける少女を背に、軽く足を屈伸させる。

 早く少女の涙を止めなければならないという使命感と、

 単純に、ただ単純に、今時は声かけ事案が多いので、相手が呆然としている内に片を付けなくては、

 その後に通報されて、全く喜ばしくないことになるからだ。

 多少なりともイケメンなら、許してはくれないものだろうか。なんとも世知辛い世の中だ。


 ……。

 だから別に、自分は気障ではない。

 これは、非日常的な言葉で相手を混乱させ、声かけ事案という冤罪から身を守るためである。

 つまり、演技である。演技である。

 自分はスカした気障野郎ではない。ないったらない。

 そうやって伊達男を気取るからなんか冗談っぽくて女性に相手にされないとか、それが却って残念さを生んでいるとか。

 そんな言葉は聞こえない。聞こえない。


「ふッ――」


 両足に力を込めて、跳び上がる。

 バッタは人間大で考えたら、ビル九階分のジャンプをするという言葉があるが――流石にそこまで、馬鹿らしい脚力はない。

 ただ、この程度は十二分。

 地を蹴り係留ロープを跳び越え、帽子を掴みとると同時に、

 慣性で前方へと押し出された足で木の幹を蹴りつけ、帰還。着地の衝撃は身体を畳んで全身で散らす。

 残すのは風と、ちょっと強めに揺れる枝葉のみ。


「ほらよ、笑顔になる魔法――ってな」


 少女の頭に帽子を被せて、目線を合わせてスマートフォンを受けとる。

 万が一でもポケットから零れ落ちたら困りものだから手渡したが、今の分では杞憂だっただろう。

 泣き止まないようなら、何か手品のひとつでも見せねばなるまい。

 なんて思っていたら、未だ驚きを隠せないといった様子で少女は、ありがとうと口を開きかけ――


「まさか、オカルトスレイヤー……?」

「……あー。その、なんつーか……クラスの皆にはナイショだぜ?」


 唇に指を当てて、ウィンクを飛ばしてみる。

 すると何度か躊躇いがちに、おずおずと首を上下させる少女。

 うん、素直でよろしい。


「ありがとう、オカルトスレイヤー!」

(ちょ、声! 声!)


 なんて大声でお礼を言ってくれるもんだから、流石にこれには京太郎も焦った。

 すわ何事かとこちらを振り返る家族連れの視線から逃れるように、そそくさと立ち去る。


 ……まあ、出発の口実ができただけ、よしとしよう。


「……っと、電話?」


 着信元は――松実宥。

 軽くガッツポーズをして、通話ボタンをタッチする。

 さて、一体全体何の用だろうか。まさか、個人的なお願い事だろうか。デートのお誘いだろうか。

 いやあ、でも今殆ど奈良だしな。

 ああいや、そのままハネムーンもいいしともすれば二人連れ立って彼女の実家に結婚の報告でも――。

 いやいや、でも憧と約束してるしな。流石にドタキャンは不味いよな。

 だとしても、二人と同じ日にデートの約束なんて、モテる男は辛いよな。ハハハ。イケメンで辛いわ。


 ……なんて、無理矢理に気分を盛り上げる。

 付き合いが長い憧に露見してしまったのは判る。

 だけれども、玄にまで察されてしまうとはどういうことだ。流石に予想外だ。

 そこまで自分は、判りやすい男ではない筈だ。

 多分。きっと。メイビー。


「はい、もしもし?」

『あ、須賀くん……?』

「そうです、あなたの須賀京太郎です」


 相棒は小走やえってことは変えられないけど、まあ、貞操くらいなら。

 誘ってくれたらいつでもほいほい付いていくけどね。

 ……訂正。

 流石に、そこまで軽くない。硬派なのだ。あっちと同じで硬いのである。

 ……なに言っているんだろう。疲れているのかもしれない。


『ボウリング大会の場所なんだけどね……?』

「あ、スルーっすか」

『え?』

「……なんでもないっす」

『う、うん……』


 まあ、間に受けられても困るものがある。

 この手の冗談を口にしてしまうのは、いつからか習慣になっていた。

 なんでも茶化して、おどけてお茶らけて、煙に巻こうとしている。

 自分でも理由は判らないが、誰かと真面目な話をするのに耐えられない――怖い――のかもしれない。

 あるいはただ単純に、その方がオチも作れてテレビ向きであるというのもあるのだろうか。

 つくづく、ワーキングプアでもワーカーホリックでもなく、職業病かもしれない。


「それで、ボウリング大会がどうかしたんですか?」


 確か、松実宥は参加しなかった筈である。

 その後の、若手麻雀プロの集いには出席する(というより会場が彼女の実家だ)が。

 どちらも龍門渕が主催であるものの、何故だかボウリング大会の参加人数は区切られていた。

 理由を聞いてみたところ――。


 ――あんまり人数が多すぎても、テレビ的に盛り上がらないからですわっ。


 という回答が返ってきた。

 が、実際のところをちゃんと京太郎は知っている。他のプロは、予定が合わなかったのだ。

 なら素直にそう言えばいいのにと、内心苦笑を漏らす。

 あの人も大概格好つけの見栄っ張りである。ただ、彼女なりの矜持や美徳があるので、余人のそれより嫌味ではない。


『うん……。その会場が知り合いの娘のところになるみたいなんだぁ……』

「鷺森、灼」

『知ってるの……?』

「ええ、憧から聞いてますよ」


 やはり――。

 奈良で、吉野で、ボウリングをすると言われた時点で判ってはいた。

 あの場所の他にボウリングをできる所はない。多少、場所を移しでもしない限りは。

 だけれども。

 こうしていざ突き付けられてしまえば、また、判っていても思うところがあるというのが本音。


「どうか、したんですか?」

『えっと……最近会えてなかったから、よろしくって言ってくれたら嬉しいかなぁ……って』


 ――マズった。

 電話を耳に押し当てたまま、空を仰ぐ。

 昔の知り合い。プロになってしまった自分――となれば答えはそれしかあるまい。

 逆に一体、こんな状況で松実宥が何を言うのだろうか。他にあるはずもない。

 いつもならば、容易く察せる事態であるというのに――。


「ああ、了解っす。ついでに松実プロからって、手土産でも持っていきますか?」

『それは、悪いよ……』


 頭が上手く、回らなかった。

 普段なら、ここで何か気の聞いた言い回しをひとつでもして、ちょっと会話を盛り上げられただろう。

 でも、できない。

 そこまで動揺するような事態であるのか。やはり、彼女が昔言ったように、自分は割り切れない男なのか。

 ――どうなのだろう。

 未だに自分は彼女への未練を抱えているのか。高鴨穏乃に抱くそれのように。

 自分はこうも、センチメンタリズムを引きずった感傷的な男なのか。


「ま、判りましたよ。任せておいて下さい」


 自分のせいで誰かを悲しませたくない――。そんな顔をさせたくない――。

 かつての日に、静かに誓った想いが甦ってくるようだ。

 多忙な毎日に、日々積み重なる思い出に押し潰されて、記憶の奥底に埋められたタイムカプセル。

 こうしてオートバイで時間をかけて向かっていくことで、しめやかにカプセルは掘り返されていく。


 この時期というのは、丁度埋めた時期と同じで――。

 これから己が向かう先は、まさに埋めた場所そのものである――。

 だからきっと、こうも自分は揺らいでいた。


 ……別に、そのこと自体を己自身にとやかく言うつもりなどはない。強さもあれば弱さもあるのが人間だ。

 ただそれを、他人に聞かれてしまった――悟られてしまうこの状況が良くない。

 何ともそれは、寂しさを伴った恥ずかしさなのだ。

 誰彼の前でもいい格好をしたいとは思わないが、然りとて皆に己の弱さを晒したいかといえばまた別だ。

 そこに踏み込まれても、困り者ではある。

 偶々、こうして気分が不安定になっているだけで、普段の自分はまるで違う。

 まるで腫れ物を触るように扱われたら、色々と寂しいところであるのだ。


『須賀くん?』

「……なんすか」

『長くて疲れるかもしれないから、気を付けてね……?』


 ああ、ほら。

 余計な気を遣わせてしまったではないか――。


 こういうのは、苦手なのだ。

 他人に変に気を遣わせるのは、どうにも性に合わない。むずむずして、居心地が悪くなる。

 これは気負いとかじゃなくて――。

 単純に、自分自身の性癖であった。相手に余計なことを、させたくはないという。 


「ありがとうございます、松実プロ」

『うん、また後でね……須賀くん』


 電話を打ち切りながら、思う。

 自分は、彼女たち二人をどう思っているのだろうか。

 未だ、未練がましいものを抱いているのか。

 すでに終わっていて、彼女たちは割り切ったというのに。

 会って――、もし会ったら――、どうしたいんだ。


 考えても、答えはついぞ浮かばない。

 なんというか本当に今日は、我ながら弱っちい日である。誰かに見られてなくて本当によかっ

 



『BeHinD yOU』


 ――ファッ!?




 唐突なメールに含まれた添付ファイルに、思わず携帯電話を取り落としそうになった。

 不気味に、画像が踊る。

 いやいやまさかな……メリーさんでもあるまいしと、背後を振り返ってみる。

 いたらマジで、全力の後ろ蹴りを以て完全に破壊する――。


「やっほ……って、うわ、危なっ!?」

「……俺の後ろに立たないで下さいよ。師匠」

「……いや、ゴルゴを弟子にした覚えはないんだけど」


 そこには、頭部スレスレで止められた蹴りに苦笑する、赤土晴絵がいた。

 相当に無礼なことをしてしまった。おまけに、一歩間違えれば殺人罪だ。

 あまり考え込んでナーバスになるのも、どうにかしなければならないだろう。

 今のはいくらなんでも、洒落にならない。


「いや、ちょっとした遊び心だったんだけどな……」

「……本当に、申し訳ないです。師匠にこんなこと、しちまうなんて」

「いやー、うん、好奇心猫を殺すって言うしね。いや……猫ってキャラでもないけどさ」

「そっすね」
 



 両手に清涼飲料水の缶を持ったまま、硬直する晴絵。それでも、腰を抜かさないのは流石だと思った。

 自分が逆の立場――つまり一般人の無防備な頭部に格闘家が蹴りを打ち込むのと同じ割合で、命の危険がある行為をされる――なら、

 間違いなく動揺を隠せまい。

 いや、先ずは防御を試みるだろうが。意識的にも、無意識の内にも。


 ……。

 自分の肉体で換算したら、どのようなものか。

 マイク・タイソンが唐突に殴りかかってくるのが等しいだろうか。彼のパンチの破壊力は、拳銃弾に相当すると聞く。

 ヘビィ級、マジにヤバい。グレートすぎる。

 その腕力を持つ身体能力の相手が、蹴りを打ってくるようなものか。

 足は腕の三倍の力。忍者なら更に三倍の脚力。

 忍者はともかくとして、そんなものを頭部に受けたらまず死ぬ。


 ある程度(京太郎基準)鍛え上げた格闘家の蹴りがどれほど危険かは、賢明な諸兄ならば既に周知であろう。

 コンクリート以上の固さを持つ、木製バットよりも遥かに密度のある、重量は軽く十キロを越える、

 鞭と棒のそれぞれの利点を合わせ持った武器を、思いきり頭部目掛けて振り抜くのである。

 勿論、人間の身体は弱そうで頑丈である。

 仮にそれを受けてしまったとしても、細かい怪我や障害(頚椎捻挫など)に目を瞑れば、殆どは手酷い傷を負わない場合が多い。

 理由としては二つある。

 受ける側の身体のしなやかさと、放つ側の攻撃の鋭さだ。


 で、相手はズブの素人だ。それも運動不足気味の。


 身体に、しなやかさが足りない。

 しなやかさこそが衝撃を上手く分散し、身体を死の危険から守るものだ。

 それがあるから野性動物は強い。

 打撃などで致命傷を負いがたく、一撃で仕留める為には鋭さを持つ攻撃が必要になるのだ――。

 そこに来て、頭部などというしなやかさが疎かな場所だ。

 たとえ直撃で死なずとも、衝撃で倒れた先で頭を強かに打ち付け、

 脳を支える血管が切れるか、頭蓋骨そのものが破損するか、頭部の骨に熱烈なキスを交わした脳味噌が変形するか――。

 とにかく、なにが起きるか判らない。


 であるから故に、


「危なかった……」


 のである。お互いに。


「重ね重ね、本当にすみませんでした……危うく、殺すところだったなんて」

「えっ」

「えっ」

「な、なにそれ……?」

「えっ、いや……判ってますよね?」

「すごく嫌な予感かするけど……一応聞いていい?」

「好奇心猫を殺すって言ってたから、殺されるって判ってたのかと……」

「あ、あはは……あはは、はは」


 あ、判ってなかったらしい。

 ごめんなさい、師匠。あばよ昨日、よろしく勇気。

 宇宙ならぬ小さな惑星――地球――の、小さな島の、一地方の警察のご厄介になってしまうところだった。

 まあ、顔面が潰れることはあっても一撃では中々人は死なないから、大丈夫な筈だ。

 人を殺すには、相手のしなやかさと柔らかさを貫く攻撃の鋭さと、タイミングと方向が重要だ。

 力任せに肘をコンクリートブロックに叩き付けてもどうにもならないのに、

 攻撃が上手く“嵌まれ”ば軽く粉砕――人間なら一撃死させる――ことが可能だが、中々行うのは難い。


 つまり、何が言いたいのか。


 今のでも人は死ななかったのだ。

 死なない可能性もあったのだ。

 ちゃんと、止めたのだ。

 だから、ノーカンである。

 テンカウントまでに立ち上がるのがボクサーで、奇しくも京太郎はムエタイボクサーであるが、

 そもそもノーカンである。ノーカンったら、ノーカンなのだ。


「あー、そんな、気にやむなって……」

「本当に、なんて言ったらいいのか……申し訳ありません」
 



あ、訂正


「重ね重ね、本当にすみませんでした……危うく、殺すところだったなんて」

「えっ」

「えっ」

「な、なにそれ……?」

「えっ、いや……判ってますよね?」

「すごく嫌な予感かするけど……一応聞いていい?」

「好奇心猫を殺すって言ってたから、殺されるって判ってたのかと……」

「あ、あはは……あはは、はは」


 あ、判ってなかったらしい。

 ごめんなさい、師匠。あばよ昨日、よろしく勇気。

 宇宙ならぬ小さな惑星――地球――の、小さな島の、一地方の警察のご厄介になってしまうところだった。

 まあ、顔面が潰れることはあっても一撃では中々人は死なないから、大丈夫な筈だ。

 人を殺すには、相手のしなやかさと柔らかさを貫く攻撃の鋭さと、タイミングと方向が重要だ。

 力任せに肘をコンクリートブロックに叩き付けてもどうにもならないのに、

 攻撃が上手く“嵌まれ”ば軽く粉砕――人間なら一撃死させる――ことが可能だが、中々行うのは難い。


 つまり、何が言いたいのか。


 今のでも人は死ななかったのだ。

 死なない可能性もあったのだ。

 ちゃんと、止めたのだ。

 だから、ノーカンである。

 テンカウントまでに立ち上がるのがボクサーで、奇しくも京太郎はムエタイボクサーであるが、

 そもそもノーカンである。ノーカンったら、ノーカンなのだ。


「あー、そんな、気にやむなって……」

「本当に、なんて言ったらいいのか……申し訳ありません」
 
「北九州なら、日常茶飯事だからさ」


 嘘か本当か判らないおどけかたをする、晴絵。

 こういうとこ、好きだ。この師匠。

すまんち、寝おちしてました

(物理)と違って、タレント雀士の方の技能は人間にできることなので、決して真似しないように
前歯とか一本10万円ぐらい払うことになります故


阿知ポの能力の延長上で小走先輩の技能が無事に決定したのと、
積乱雲が終わったら一度京太郎をイケメンに戻したい旨をお伝えします

なので……

①VS 照・憩・智葉 (好感度上位陣に出番アリ)
②IN国民麻雀大会 VSモブ ~京太郎怒りの日本原産大雀蜂~(時間軸的には①の後)

どっちがいいか、書いといてなー

③敢えてどっちでもないランカー戦(一緒に、面子を3人指定してくれても可)


も、戯れで置いておこうかね
あんまり深くは書かないけど、ちょっと触れます

ちょいとお酒飲みに行ってくるので、始めるとしても夜になりますー

ファッ!?

何この数は……

①やねー

まあ、どっちも書くから安心してほしい


酒入ってるから誤字が増えるかも知れないけど、まあスローペースで寝落ちするまで進めます


「で、どうしたの?」

「……何がですか」

「そんなに、神経質になってる理由」


 ――やはり、判ってしまうか。

 敵わないなと、天を仰ぐ。自分の師匠たちは、皆が皆凄い人だ。

 年齢が上であるとか、経験が豊富だとか……そういう次元の問題ではない。

 純粋に、一個人として優れているのだ。ただ単に、自分が劣っているだけかもしれないが……。

 とにかくこのままでは、一生頭が上がらないだろう。


「……バレます?」

「そこまで長い付き合いじゃないっていっても、生徒みたいな相手のことなら……そりゃね」

「ちっとは成長してると思ったんだけど……やっぱ先生さんには敵わないな」

「成長はしてるだろうけど……ま、こっちも良いところを見せたいからね。生徒くん?」


 お手上げだと、両手のひらを広げて笑う。

 晴絵の差し出した缶を受け取り、プルタブを開く。

 金属の産み出す軽快な声と共に、揮発した炭酸が缶の喉笛を鳴らす。

 ちびりと啜ってみる。夏の匂いが、“聴こえた”気がする――。


「……灼のこと?」

「判りますかね……ま、それしか答えはないでしょうけど」

「そりゃね。私が引き合わせたからさ」


 正確に言うのならば――高鴨穏乃の件も、あるが。


「そう言えば……」

「何?」

「どうして、あのときの俺を灼さんに会わせようと思ったんですか?」


 自分で言うのもどうかと思うが、あのときの自分は色々と怪しすぎた。

 いつ死んでもいいと思っていた。

 むしろ、死にたいとさえも考えていたのだから手に終えないであろう。

 ムエタイを始めたのだって、そこに尽きた。

 危険性が高いから、殺傷能力が高いから、習得の過程で命を落とす機会もあるだろうと――考えていた。

 フリーランについても、同じだ。

 とにかく危険に身を浸し、逆説的に生の実感を得てから、死ぬ算段であったのだ。


 ただ、自分の予想と違っていたのは――。

 死地を望むほど、己自身の生の限界に近付くほど、却って業は冴え渡ったという点にある。

 “死、必すれば則ち生く”などという言葉があるが、死人の方が生者より巧みになるのだから、始末に終えない。

 ――如何にして死ぬか。

 当時の自分にとってそれは、命題であったのだ。まさに命懸けの。

 せめて自分の命を有用に使い潰して、最期に自己満足と欺瞞に満ち溢れた虚無的な幸福感を胸に死にたかった。

 世の中には生きたくても生きられない人間がいると聞くが、

 そんなものを“どうでもいい”と断じてしまえる程度には、自分は空虚な感覚に支配されていた。


「ああ……まあ、ひとつは諦めきった目をしてたから、おかしなことはしでかさないだろうってのかな」

「よくもまあ、そんな不確かな感覚を信じましたね」

「駄目だったら、許されることじゃないけど……首括るつもりはあったかな」

「……重いっすよ、師匠」


 苦笑をしつつ、缶を傾ける。

 ここだけ、あの雲の動きが如く、時間が緩やかに流れているような錯覚を受けた。

 どこかの天気は崩れているかな、なんて考えてみるも答えは返らない。


「まあ、あんなに疲れきった奴に、何もできないだろう……とは思ったのよ」

「……それは、どうして」

「似たようなの、自分も味わったからね。経験則って言うのかな」



 何もかもがどうでもよくなったのは、その後だ。

 驚くほど短期間で、その両方は習熟に至った。細かい部分や精度や練度はともかくとしても、最低限以上に仕上がった。

 あれほど、心を傾けた麻雀に比べて――何なのだ、これは。

 そう、愕然とした。


 同時に、それほどまでに自身の内で消化が早かったものですら、頂きには至れない。

 そう感じてしまったときに、何もかもが徒労に思えた。

 極めつけは、あれほどまでに世話になり、尽くしてくれた――そして憎からず思っていた――新子憧へ、

 あのような感情を発露してしまったこと。

 自分は価値がなく、そして残酷で、救いようのない人間だと確信した。己がまるで信じられなくなった。

 であるが故に、益々、己は生きているべきではないと思ったのだ。


 ――風が鳴り止まなかった。風が。


 耳の奥から聴こえる風の囁きに誘われて、街を歩いた。

 そして、実に自分に都合がよく――お世辞にも上品とは言えない連中に、執拗に纏われている少女を見たとき――。

 ここだ、と思った。

 これこそが自分が望んでいて、誰かの助けにもなり、有用性の証明を土産に死ねる場所。

 きっと、このときの為に自分は居たのだと、静かな使命感と充足感を得た。


「あの子はしっかりしてるけど、気負い易いし、変に何かに憧れてしまうところがある」

「……」

「まあ、それでもいいんだろうけど……この先もそれだと、詰まらないだろうなって思ってさ」

「……俺は、同族嫌悪の相手として適当だった?」

「そんなつもりはないけど、まあ、お互いを反面教師にしてくれたらなー……って」


 だけれども、違った。

 どれほど死を願おうが、死ぬ為に触れた技術がそれを邪魔する。

 止まろうとはせずに、動き続ける。

 従おうとしない身体と、それに促されてしまう精神。


「後はまあ、いい子だからもうちょっと色んな楽しみを覚えて欲しい……ってね」

「……だからって、男遊びはぶっ飛ばしすぎじゃないっすか?」

「ハハ、教師が不純異性交遊を進めてどうするんだって――、……不純じゃないよね?」

「純粋でしたよ。それはもう」


 それでとうとう何も信じられなくなり、何もかもがどうでもよくなった。

 絶望。その一言に尽きた。

 何をしても徒労に終わってしまうのが、自分の人生だと思った。


「灼は、どうだった?」

「やっぱり、大人でした。俺よりも……ずっと」

「でも、大人にしたのは京太郎でしょ?」

「おい、教師ィ!? 言わせねーぞ!」


 風が止まなかった。

 そのまま、胸にある道標たる灯火も、憧憬も、希望も願望も何もかもを――吹き飛ばして。

 後は、蝗の群れに食い尽くされたような、脱け殻の須賀京太郎を残した。

 雷があった。雹があった。巻き込まれた何もかもが、なくなった。

 後はただ、心臓の鼓動に合わせて動くだけの、空?めいた人型でしかなかったのだ。


「ごめんごめん。つい、若さが憎くてね」

「……突っ込み入れにくいボケ、やめて下さいよ」


 そのまま、促されるままに灼と暮らした。

 自分は虚だらけの独活の大木で、ただ流される以上の価値はなかった。

 彼女と出会わなければきっと、ここにはおるまい。

 彼女は恋人であり、そして、恩人であった。

 常に自分は誰かから受け継いでいる。ただひたすらに、貰ってばかりで、勝手に失ってばかりだ。


「……ま、その分じゃ、切れちゃったみたいだね」

「重すぎたのか、フラれちゃいましたね。わりとふつーに」

「あー……。ま、まあ、仕方ないの……か?」

「さあ……」


 受け継いだものを伝えなくてはならない。

 なんて大層な意思ではないが、多少なりとも誰かにそれを還元したいと思い至った。

 元々、誰かの世話を焼くのは好きであった。

 であるが故に教師になりたいと思っていたのである。後輩の指導を通じて、それが自分にあっていると思った。

 そこに、少しでも、自分の経験を生かして欲しい――という思いが加わった。

 間違えてしまった部分を、同じような悩みを抱える人生の後輩を、手助けしたくなったのだ。


「で、自分をフった元カノがいるとこに行くことになるから、そんな風に悶々と考えてるわけ?」

「そうって言やあ、そうっすね」

「ま、あんまり難しく考えなくても……再会して焼けぼっくいに火がつく――なんてのもあるんじゃないの?」

「まさか。……向こうはもう、俺のことはなんとも思っちゃいないでしょう」


文字化けもありえるので念のため

○ 後はただ、心臓の鼓動に合わせて動くだけの、空蝉めいた人型でしかなかったのだ。


「そう? 案外今も、応援してると思うけど」

「そう願っちゃいますけど、それはそれで……なんともこそばゆいような、情けないような気もします」

「どうして?」


 それでもこうして麻雀プロになったのは――。


 麻雀が好きだったから。

 自分も幼馴染みの彼女のように強くなりたかったから。

 大切な友人たちを、独りぼっちにしたくなかったから。

 高鴨穏乃と約束をしたから。

 次こそ、夢乃マホを自分の手で助けたかったから。

 鷺森灼に送り出して貰ったから。


 ――そんな様々な感動や感情や感傷めいた心の働きと、巡り合わせが絡み合っていたから。


「普段を知ってる相手に、テレビでのあれこれを見られる――てーのがひとつ」

「……ああ」

「もうひとつは、麻雀プロというには不甲斐ないことしかできていないから……っすかね」


 そうしてプロになった。プロになれた。

 それについては、小走やえの恩が強い。彼女には本当に世話になっている。

 そういうのを抜きにしても、単純に彼女のことを尊敬していて、同じくらいにその人柄に好意を抱く。

 ……ただ、そういう受け継いだものやお膳立てがあっても。

 プロ一年目の彼是などで、自分は存分に叩きのめされた。一時は退職も考えた。

 背負った期待も約束も、かなぐり捨ててしまいたくなるほど――そこは生易しい世界ではなかったのだ。

 ……これもまた、色々な要因が絡むが。


「確かに、全国ネットであんな目に遭えばね……」

「申し訳なかったっすよ、色んな人に。ま……タレント雀士と化したのもありますけど」

「……今もじゃないの?」

「やめてください。それを言ったらおしまいっすよ」


 やっぱり自分の力など、そんなものか――と思うところもあった。

 どんな感情があろうが、事情があろうが、卓に立ったものには何の関係もない。

 実にシンプルで、唯一絶対のルールが叫ばれる。


 勝つことが、全てだ――と。


 だけどそれは実に自然なことであり、極めて単純なことではあった。

 最初につけられた、大きなマイナスポイントを――ゼロに戻す。その為に邁進した。


 ――負けたままでは、終われない。

 却って集中して麻雀に臨めたのだから、その点に関しては感謝している。

 M.A.R.S.ランキング上位者になれたのも、きっとそのようなものがあったからだ。負けることが、己をより強固にした。

 それでも覚悟なんてのは、いつまでも長くは続かない。

 どうしたって長丁場では、モチベーションが低下する。

 繰り返すルーチンワークに心は疲弊していく。


 堅実に勝って、勝って、勝って、負けて、勝って、勝って、勝って、派手に負けて――。

 スケジュールの忙しさも加わって、三度、心が乾き始めた。

 しかも今度は、ある種気楽であった学生の頃とは違い、自分以外のものも背負わなければならなかった。

 その中での不甲斐ない自分というのは、益々以て情けなさを加速させる。

 ただ、死にたいとは思わなかった。殺してくれとも願わなかった。

 そんな段階は過ぎていた。

 一度やったことを、二度もやるつもりはなかった。

 逃げ出すようなことを考えていては、胸を張ることはできない。

 流石に、失敗を通じて以前よりは、前向きになっていたのだろう。


 でも――どこかで倦んでいた。


 自分一人の敗北が――どれほどまで多くに波及してしまうのか、とか。

 汚名を漱ごうといくら勝利しても、一度ついたイメージは中々に拭えないのだとか。

 ここまでが自分の限度で、これ以上の成長なぞは見込めやしないのだとか。


 色々、あった。


 なるたけは、前向きに考えた。前向きに考えられる程度には成長していた。

 人と関わり、或いはオフを充実させて息抜きした。無意識的にも、ストレスを溜め込まないように努めた。

 でも夜中ふと一人目覚めると、夜の闇に紛れて漠然とした不安感が自分を包み込む。

 そいつが、かつて胸に開かれた傷へと流れ込み、音を鳴らそうとしているのだ。

 ――ひゅう、ひゅう……と。


「でもまあ、なんでもできるタレント雀士だよね」

「やめてくださいよ。俺にだってできないことぐらい、ありますから」

「どんなこと?」

「そうっすね……。恋の病を……治すこと、とか」

「いやー、今日は少し涼しいねー」

「露骨に流した!?」


 そうして迎えた、あのタイトル戦。

 全ての進退を――雀士としての自分を懸けた闘い。

 結果は、言うまでもないだろう。


「でも実際、選り取りみどりでしょ」

「いやいやまさか」

「気が利いて、麻雀も強くて、スポーツマンで、ルックスもイケメン……モテない訳がないよ」

「だったらいいんですけどねー」


 だけれども、感謝している。

 ――悔しい。

 他の誰でもなく、宮永咲にあんなことをやられてしまったからこそ、自分は踏みとどまれた。

 いつしか麻痺して薄れていた感覚が、より強く胸に灯ったのだ。

 大星淡にも、感謝しなければなるまい。

 再戦を誓う彼女のためにも、投げ出さずに続けなければ――と思ったのだから。


「憧と大学は一緒でしょ?」

「そっすね。世話になりましたよ、あいつには」

「で、宥とも番組で共演したり……同じ麻雀プロとして交遊もあるでしょ?」

「ま、多少は」

「玄の実家に泊まりに行って、連絡とってるんじゃないの?」

「そうっすけど……なんで知ってるんですか?」

「本人から」

「……何やってんだよ、あの人」


 後はまあ、単純に――。

 麻雀の持つ楽しみを思い出したのだ。慌ただしい日々に、激しい情動に流されてしまっていたそれを。

 自分は、麻雀が好きだったのだ。麻雀に惹かれたのだ。麻雀に魅せられたのだ。


「これ全部フラグだとするでしょ?」

「あり得ないけど、仮にっすね」

「そこに元カノの灼を加えたとしたら……後は穏乃、憧の親友を入れたら初期阿知賀麻雀部フルコンプじゃない」

「……いやあ、ハハハ。ノーウェイ、ノーウェイ」

「今なら私もセットになってあげるから、お買い得よ」

「俺の愛は全人類規模なんで、ちょっと6人相手には無理ですね」


 思考を打ち切る。

 自分が阿知賀フルコンプなど、そんな馬鹿な話があるものかよ。

 確かに元カノ二人は鷺森灼と高鴨穏乃。阿知賀である。恋人であった。

 だけど残念ながら、袖にされてしまった。

 次に、目下交流のある松実玄であるが、あれは駄目だ。男として見なされていない。

 この時点で既に三人。京太郎と恋愛関係にならない。

 既になってしまったもの――と見なすのなら、下衆な話では二人は消化しているが。

 どのみち、やはり玄がボトルネックである。


「というかね、同じ部活全員姉妹とか……生理的に無理っす」

「そうなの?」

「ビバリーヒルズみたいなノリは勘弁っすよ。それよか俺は、ダイハードです」

「全然ジャンル違うじゃない」

「それぐらい、俺の中では考えにくいってことですよ……別れた後のことを考えると、気まずくてとても」

「あー、ついに別れた後を考える年齢になっちゃったかー」

「俺のせいで友人関係が駄目になるとかは、勘弁ですね。そういう人間関係にいる相手だから、好きになるんですし」


 松実宥は、どんな感じだろうか。

 多分、きっと、悪くは思われてない。抱きつかれたし。話をしてくれるし。

 ただまあ、あの人は体質によるところが大きいであろう。

 それにあの人の中でのライン――「だめ」「普通」「お気に入り」「好き」――というのはどうにも、

 最後の二つの間が偉く離れているか、曖昧である風に思える。

 だから多分、そういう関係になるまでが大変であるか……それとも、なった後が大変だろう。

 故に、非常に残念ながら、須賀京太郎とフラグは立ってない。Q.E.D.


「じゃあ、その辺が後腐れないとしたら?」

「その手の話題で難儀したサークルの話を聞くから、絶対にないって言いたいっすけど……仮にですよね?」

「仮にだね」

「つーと、5股って形になるから……無理ですね。絶対に俺が耐えられない」

「可愛い女の子選り取りみどりだーモテモテだー、とは?」

「遊びならともかく、あの人たち相手にそんなことはしたくないですね」


 新子憧――。

 あの三人の中では恐らくは一番、そういう関係になり得るだろう存在。

 正直、物凄くいい奴ではあるし、きっと結婚生活の方も順風満帆に行くだろう。


「つまり、その程度にはみんなには本気だってこと?」

「みんなって括りはやめて欲しいけど……遊びで済ませたくはなくなるのは確かです」


 早々に子供を作って、二人の為に頑張って稼いでくる――という将来像のには、憧れる(憧だけに)。

 ひょっとして、リアルが充実するから……麻雀も強くなるんじゃないかとも思える。2位くらいに。

 酒の席でのあの絡まれ方を見るに、多分、嫌われてはおるまい。弄られてはいるのが非常に不安だが。

 後は……。
 

「お互いが割りきった関係ってのは?」

「なったら、なるでしょうね。向こうがそれを望んで、状況がそうなったら判りませんよ」

「ほうほう」

「ただまあ、その後は……何かあったら、面倒でしょう」


 スキャンダルとか、養育費とか、税金とか。

 そりゃあ、大学生の時分はその辺りを気にせずに遊びもしたが、今や社会人である。

 それもそれなりに知名度もある。

 ただ、よくある話とは聞くが――どうしてもそれを自分に当て嵌めて考えられないのと、

 また、自分を信じてくれた人間を裏切りたくはなかった。

 ファンという実態の見えない相手ではなく、手の届く範囲にいる――仲間の期待を。どんな形でも。


「面倒って……草食系だねー」

「肉食ですよ? ただ、慎重なだけですけど」

「もっと恋って、シンプルに考えるもんじゃないの?」

「シンプルで失敗すりゃあ、慎重にもなりますよ」


 そういうこの人自身はどうなのだろうか。

 相手が、自分の師匠ということもあり――あまり下世話な想像をしたくない部類に入る。

 ただ、この人もこの人で色々あっただろうし……よほどタイミングが悪くないかぎりは、いい歳した人間なら経験ぐらいあるだろう。

 小鍛治プロ? ……聞こえないな。


「つーか、こんなしょうもないことを聞いてどうするんですか?」

「あー、まあね」

「俺にどんなことを求めてるのか、判りませんよ」



 師匠に恋愛観を質問されるとか、一体どんな拷問なのか。

 男同士で盛り上がるとか、合コンや酒の席はともかくとして――師匠相手である。

 ただ異性ならともかく、師匠だ。

 目上の人とする話題ではないのでは……と思わざるを得ない。プライベートな話なのだ。


「いや……上の空で、考え込んで悪い方に入ってそうだったからさ」

「……」

「ちょっとは気分転換になるかな――と思ったんだけど、駄目?」


 ――。


「……駄目ですね。全然駄目です」

「そっかー、ごめんごめん! 変な話を聞いちゃって、悪かった」

「今、惚れ直しそうになるぐらいには駄目でしたね……師匠の癖に」

「え、ちょっと待って!? というか然り気無く私のこと馬鹿にしてない!?」


 やっぱり、本当に敵わないんだよ。

 この人たちの、こういうところに。


「……さあ、知りません」

「まあいいや……とりあえずもう一回言ってよ。瑞原プロと小鍛治プロに音声送り付けるから」

「命を大事にして下さい! 二重の意味で!」


 なんて悶着があった末に、師弟ともども牌を握れなくなったらどうするのだという結論に至って、終了。

 相手が気の毒というより、藪をつついて人間大のクロカタゾウムシに殺されるのは恐ろしかったのだ。

 間違いなく、血涙を流しながら襲いかかって来るだろう。勘弁してくれ。

 たったひとつの音声が原因で、再起不能者が四人――。

 ちょっと洒落にならない大惨事である。


「それにしてもやっぱり、誰かと話す前と後じゃ大違いだね」

「人は一人じゃ、生きられないってことっすか?」

「というよりも京太郎が、舞台役者気質だってこと」


 どういう意味だろうか。

 軽く首を捻ってみる。


「自分一人じゃなくて、誰かの為だと……誰かに見られてると思うと、張り切っちゃって良くなるタイプ」

「格好つけで、目立ちたがりやってことですか」

「それもあるけど、ただ目立とうとするって言うよりは……自然と動きが良くなって結果目立つ、って方かな」


 国広一にもそう言われたが……。

 そんなもん、なのだろうか。

 自分の中では――ある程度の浮き沈みや意図的に振る舞うときはあっても――それ以外では基本的に、

 大して変わらないものだとは思っているが。


「まあ、それのせいで気負いすぎて悪く入ることもあるかと思ってたけど……大丈夫そうだね」

「師匠にそう言って貰えたら、安心です」

「私の方も、灼とのことがどうなってるか心配だったけど……安心できた」


 それじゃあと、缶を付き合わせて互いに笑いあう。

 なんというか確かに、気分が晴れたのは事実であり――そういう気っ風の良さは、流石赤土晴絵だった。

 傾けて流し込んだ缶を、ゴミ箱に放る。

 スリーポイント。気分がいい。


「それじゃあ師匠、お仕事頑張ってください」

「そっちも、仕事……仕事……ボウリング? 頑張ってね」





  ◇ ◆ ◇


一旦中断でー

後はアラチャー回想と、穏乃との再会で終わりやねん
これにて地雷処理完了になりますね



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 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'       『オカルトなんかに絶対は負けやしない!』の須賀プロと――
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
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       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
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.             ∧__::|::::/::/八::::|\:::::| \:::::|__∧\\
           /イ::::::|:/l:/ ̄`ヽ{  \{´ ̄ }从::|:::|  \\     『にわかは相手にならんよ!』の小走プロの――
.          {::::|:/∧{ /芹うト     /芹うト }:|:::l    }::::}_
          _ノミV ノ{∧ 、V炒      V炒/ 小リ   ノ-=≦}
.          /::::::::::/   {ハ   ̄   '     ̄  /^l/  /≧=-く__
.       {/:::::::::{   ヽ圦    r― v    //  {/-=≦彡'_
.          廴:::::::l            `ニ ´   . ´    \/≧=-く
           `^^′        `ト  __ ィ        辷_ -=≦)
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             //:.:.:{二二二襾二ニニニ/.:.:.:.:|  /   }   ノノ
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          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
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.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{       『これで体験! オカルトスレイヤー!』の時間がやってきたぜ!
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
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京太郎「どーも、須賀やえコンビのミンチの方でーす」

やえ「お、王者の方でーす」

京太郎「どうでもいいけど、須賀やえって語感がいいのか悪いのかわからねー感じだよな」

やえ「……言い出したの、あんただけどね」

京太郎「俺としては小走プロに婿入りして、小走京太郎ってなった方がいいのかなと思ってます」

やえ「まあ、私がブン殴って追い返すけどね」

京太郎「結婚もしてないのに、SMプレイとか早いっすよ?」

やえ「うん、今すぐプレイ始めたろかこの男」

京太郎「小走プロってば、照れ隠しが激し――うごぉ!?」

やえ「その毛根、酸性雨の心配がなくなるまで毟って欲しいの? 『はい』って言っても『YES』って言ってもしてやるけどさ」

京太郎「選択肢、その2択なんですか?」

やえ「いや、『ROGER』と『WILCO』だけね」

京太郎「抜け出す方法が……ない、だと……」

京太郎「ちなみにどちらも無線用語で、ROGERには実は男女のうふんあはんという意味も――おぐぇ!?」

やえ「黙ってろ、残念枠」


やえ「で、どうしてこんなことを教えることになったか……と言えば」

京太郎「正直、どれぐらいの人がオカルトスレイヤーのやってることを理解できてるのか……というか」

京太郎「もっと単純に、『オカルトスレイヤー』を体験して貰おうと思ったわけだ」

やえ「そこで用意したのはこれ……」

やえ「『 咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A Portable 』よ」

京太郎「まあ、咲の世界の麻雀を大体でも知ってもらおうと思ったらこれしかないからな」

やえ「能力者って本当にタチが悪いって実感できるゲームね」

やえ「特に、阿知賀の先方の馬鹿みたいなドラ爆撃、大星淡のダブリー連発、天江衣の一向聴地獄など……」

京太郎「その代わり、宮永プロ等々が弱体化してて、これでチャンピオン?という疑問も付きまとう」

やえ「アップデートで改善されたけどね」

京太郎「あと、この星から貴重なおもちを消したことは絶対に許されない。絶対に」

やえ「代わりに、増量というか可変している奴らも要るけどね」


やえ「ほかにも、『レジェンドはやっぱりレジェンドだったんだ!』『清水谷選手強すぎませんかねぇ……』」

京太郎「対戦相手に選ぶと、何故かよく鳴く江口セーラと面前しかしない新子憧というまるで原作とは違うスタイルも体験できる!」

京太郎「……で、まあ、そんな話はおいといて」

京太郎「今回はみんなに、オカルトスレイヤー状態というのを体験してもらおうと思った」

やえ「ということで、プレイヤーキャラには――」



                    _,.. -- 、__, 、___
              ⌒> ´  ´  ヽ  `ヽ、
                _,.   ´  ,  , 、   | 、 、 ヽ
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                 /イ / /l/  | | | l}从}  |   {
               _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
                 ̄´ {∧ { ○ 从{  ○ }'⌒}、{
                 {从         r-く| \
                     叭   __   八}イ
                   、 └―┘ ィ/∨
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               ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
                {/{////// \∧ r'  ヽ }' {///////
                |l∧////////Ⅵ,〈      | |///////|
                |/∧/////////|l∧     ,l |///////|
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やえ「須賀京太郎を選択。これは決定」

やえ「で、オカルトスレイヤーとしてやっていることのわかりやすさのために――」



                                        __
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                                 /::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::::::::::|::::::ヘ:ヽ
                 ィ        ,.   -――-j::::/::::::/l::::::/:::::::::: /::|::::::::l::::_:λヽ:.    阿知賀のドラゴンロード! 松実玄!
                {:(       /" ̄ ̄ ̄ ̄/::/::::::/::|:::::!__/;イ::/l:::斗!|:{ |:| l:「!i:}
                   \.、      /´      /::/:::::/彡|::´|::///ノ/:::ムリ.lλ|| |j |リ
                       ` `ー――- __ , イ/::/::::/:,. 、::l:::::l伝丁` ム '乏灯ハn /.ハ
                       `二ニ=‐-::::::::::::::::::::/:/:: {⌒゚l :::代ツ     ゞ' ハ::〈イ ヾ {
               , -‐:::二_____:::::::::__//::::::::人___l:::::|""    ` ".::l::::::ヽ_  У`ー-
. __       \、  // ̄  , ィ´:::::::::::::::::::::::::ア::://__  イ l:::::|  ( ̄ア  イ:::|:::::::|入 ̄       `ヽ
_ヽ\マ、      `ー//===テ´:::::::::::::::::::::,、::::>-‐´ ̄ ̄    八 l:::::ト` x _´ .イ .l::::|:::::ⅰ `ト         \
.\`   `>==イ`ー┴' ̄`´ ̄`ー….  ̄ - _  \     |     ヽlλ|/Yヽ_レ、 人/イ::ハ  `  、         }
.r- `  /ミ             ` ー _      - _ \  .|     ヾ「 ̄`r{:.:.:.:.{ { 彡イ::::::ヽ_  ヘ      __ノ
. `  ̄└- _                   ―       ` /        入:.:.:水\__ト |  ̄ ヽ:::::ヾ、  ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ ̄
          アァ―ァ‐‐ァ‐-‐ァ…'ー―‐--   ____/        ー、:.`:./ λ:.:/ :.    }::::::|ヽ.
          //  {::::/_ イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::/ `ヽ、.      ヽ∧/  ´  |     l:j::::| リ
       `ー=ニ二二__::::::::::::イ:::::::::::::::/_r‐く    `       o      丿  ノイ:::ノ
        `ー―一'::::::::::::::/| ̄`>‐  ̄      ヽ、    ィ __    ´   ー‐ '
           ` ー―一「 ̄ ̄:.:/   くヽ         ー一o  /
                マ:.:.:.:.:./    \\       o   r´
                      }:.:.:.:ハ      ー`   -―一 ´ r'ーf
                rー ´:.:.:.ヽ      \    o __ィ  /__:.:|
                 ヽ:.:.:.:.:.:.:/\__      ` 大o  /:.:.:.:`ヽ
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                   {三三三天 ̄ ̄|:.:.:.:.:.:._イト----一 /|
                     ` ̄` <_入    ̄ ̄_ハ|////////|
                          `マ ̄ ̄///ハ.////////|
                           V//////∧///////
                           ∨/////.∧//////’

                              ヽ//////ハ/////.j



                                         ,r==ミ

        __                               〃////〃⌒\
       〃/_ノ  __         ト.、                 {{//人〃///∧ハ〃⌒i!_
     f⌒〈/,'|| ///__ノ      ∨ハ                `¨" {{//,'ノ///,{{//〃//}}
  ,r='ヘ/∧/¨´///             ∨∧                   `Y´/////`¨´{{//〃
  /∧'∧ハ__ノ///〃            廴:\              ___/ノ////////込ン1!
 〃/∧'∧/////{{___             `ト|            ({ ̄ ̄ ̄`////////////  『C-MOON』! 天江衣!
 ||///∧_ノ////// ̄ ̄ ̄}) / ̄ ̄>.、   |:|             ゙ー==ミ_、///////,/
 ||//////////>== ´´<___/  `ヾ、  i!                   }!/////〃
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 .ii////////||              ./ i!i!i i!i! ヽ                〃///,'〃
  ii////////!!      ,.ィニニニ/{iニ={!,{ル広 勾| ||               〃////〃
  .∨//////||     // / iル'::::从≦ゝ圦 r=ヲ,/,リ|\             〃////〃
   ∨/////{{     {{_⊥zz{:::::::::::::} /r‐≧r/ /.⊥_ ヽ           /'//////'
   .∨////∧    /.ィ´  .ゝ‐rr≦ ,ィ.,{rzイ/ { {.  Y ハ           /////,'/
    ∨////∧   {' / /__廴!{ /,∠__/ |{  | ト、_r'/\}、_        ////,/
     ヾ.////∧__! ///>{ { |' /ャ--'^ー}ハ.八! ト、.\ \>:.、___///,/

       \///////∧{/  Ⅵ  r/   /' /\\} ハ Yハ__ヽ\/////,/
        `込ZZ> ´     ヾ,rr' `ー―八≦≧iヽ | } {r‐‐}  `¨¨¨´
                   i´ {:{   /  /:7 く  |//,、  〉


  ――蒼い血の死神! 大星淡!

                                       ¨ ̄ ̄ ̄¨  、
                                    /   _/ ̄} ̄`ー-、
                                 /  ./ /{____:}⌒ _  \                    ト、
                                   /  ./ /└.//-‐ /l \  \                  | \__ノ\___人
                              |  |. /'‐-//  |. / .i-‐''\  \                 !
                              /   .| {.〃⌒ヽ |/〃⌒ヽ |:|   》                |
                              //   ./| |.{i. (^ノ i}  {i (^ノ i}リノ  /          ..        l  ┃     ⊥ +ヵ
                  -‐=ニニ二二二二二二 /   ./:::|::::ヾ 二ノ  ヾゝ.イ|: /                  ___,ノ  ┃    _|ノ |__,
.              /                  /   ./:: ∧::∧  丶 フ   |:|r,人                    ノヽ     ┃    ___
              ((                  //   ./::::/::::\. \┌--‐ /「/^i \                 i:     ┃     i≡|≡i
.              ヽ             /.::/   ./ /:     ‐-┐ヽ. /  {  ヽ\ 二二二ニニ==‐     . .〈.    ┃    Eiヨ
                      /..::::/   /:〈     -==}  i}     }   .}\\         ヽ  . i:    ┃
                     / //   /  :∧:::} : // ̄\/   /  /   \\           ノ    l:     ┃    ―┼
                    / /.::/   /   /∧{ : {.{\.   \/  /     \\      /    .ノ    ┃    /|
                    /    ./|   /     //└-=:\\     /           \\     .     く.     ┃
                 (    (.  |   /     ::/:::∧:::::::〉 \/             ) )   . ..      }.    ┃     ツ
                       ヽ   } / ̄{{__     .// }::: /               //          〈     ┃
                    \ /  :. \..   ´   《∨                  /    .         }:     ┃     ノ‐┬
                       /    .|::.  -===={ }=r‐-==‐-┐                          }:     ┃       ノ
                   ノ     {/\  /   /    / ̄  ‐-                    }:     ┃
               -‐=='´         ∨/ ‐-‐::::::/      /        }                    l     ┃      ┃
             <      i/          ∨///  /      /            |                 〈.    ┃      ┃
                \   i            ∨////  {  /‐-===┐    :|                     }    ┃      ┃
                 \           ∨//    ヽ../     }      :|                   ノ      ┃      ┃
               /\          |-‐  ̄ ̄               |                }       ┃      ┃
               /|::::::::: \__  -===┘                :  ̄ ̄|                               ┃
               /  \:::::::                                |                   -‐、   /7/7/7    ┃
.            /    ,.  `                        |    |                     〈  /,//,//,/     ┃
         /   ,.  `                              |.   |                   ノ O O O     ┃
.      rr/     `                             |.  :|                 )   -―‐┐
.    / {冂./                                 |   |                /イ     ノ
   /  /                                     }   |
.   {{.   {                                      {二二二ヽ_
.    \__〕                                  {_____〕


やえ「――以上三名と同卓してもらうかんな」

京太郎「やっべえ……ミンチにされる未来しか見えねえ……」

やえ「で、結論から先に言ってしまうなら……普通の確率程度にまで、戻せるのよね。これ」

京太郎「もっと正確に言うんなら――大体10戦やれば、3~4回はコンスタントに勝てる程度になる」

京太郎「内訳としては――」



         ´          ` 、
      /              \
.     /   ,   | |   ト、      :.
    /  / /  | | \| \ /  |
    .′ /|../__`八 |  / __.Ⅴ   |    4勝
    |i  / _ \ヽ  / _\  |
    |i   { 〈 厄 ) }  { 〈 厄 )リ  |
.    八   >x 二/   \二vヘ、|
     ,.ヘ_人    v ア     >/´_ヽ
   /  、 > ≧=‐::r‐=:::ト< \/_∧
  ./ 、/ / x<  ._/  /ヽ∧   i
  /  / / ノ   \ ∨ /   } 、}   |


               ,..  / ヽ ´⌒> 、

             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―   3勝
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(

            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/


. (:::\     |::::ヽ
  \::::\  !:::::::::!
   \:::::V::::::/

   . /ゝ┴:< `ヽ    2勝
  ./          ゙、
  |i |大| .ト、|ナ | | i

   〉!○ `` ○イ h i
   i |ゝ、_o__,..!. !  ゙、
  ノ | /iレ/ |ヽ| ゙、  ヽ
 ( ./i L|ニニ!J|   i | l
  ヽ!、 ./___`、|' ノiノiノ

    ` i i゛ ! |'"´



              /  .:.:.:.:.:    ...................  ` .
             ,  .:.:.:.:.:.:.    .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.  \
                /  .:.:.:.:.:.::/  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.  :.ヽ
           .′/ ..:.:.:. /  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:  ヽ::::.
           i::::.| .:.:.:.:.:′ .:.:.:/ .:.:.:.:.:!::.:.:.:.:.:.. ヽ:.:.:. ヽ:.:.ハ:‘.

           | :::|::.. .:. | .:.:.:.:.:′.:.:.:.;:.:.|::.:.:.:.:.:.:.:.:.{:.:.:‘:.:.:.:.::::}::∧
           | .::l:::::::.. | ..:.:.: |::.:.:.:.:/:.:.:!::.:.:.:.:.:.:.i:.:}:.i .::|::|:::::::i::i !
           | ::::::::::::: |、:::::::.|:::::../}:: /}::::...:::::::/::廴__:}_:!:_ノレ}i..|
           | ::::::::::::: |__:::::::|::::/斗/ 匕::::::::/|:/.}ノ}/.}ノ:::::::|:小}  1勝
           | ::::::::::::ノ ::::::::::}::ム孑=ミノ }::/...}.ァチミヽ|:::::::::|' }ノ
           :::::: i:::::}ハ ::: /:《 f!:f:;:(_iノ'............{:::::j:ソノ}:::::::::|

            }::::八:人 i:::::::::|とぅ__:ツ.................`.てつ爪:::::{
             ;::::::: (__){>::::::::|  ///     ,  /// '::::::V:!
        __.′::::::{::`{  }::::::{、u         u 八:::/\
    i´ ̄    /:/{ ::八:::乂∧::::{个 .   rー~ぅ  .イ::.:.::::′ ハ
    |!     // 人 ::::::\:ド. }:. V \>´.__ . < { .|::.:.::::{  / }
    li     /::′  \:::::::: ヽ从 乂 r` 丁 }乂____V} ::::::::}/ |
    |i    /:::::{斗-  . \::::::::ヽ ≧.厶=\_.ノ'≦ ̄} |:::::::::′  {
    |!  /::::::::|    ` \::.:.:.:\   `} )=  《 |::. :./   .′

    |!. /::::::::八       ヽ:.:.:.:.:∨   .爪\   }':.: ∧   ∧



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            |:l|:::: |l:::::::::: l|:::|人:::::::八、__\: : |:::::::::: l|::::::::::: |::::.  10戦やって9戦焼き鳥

            |:l|:::: |l:::::::::: l|斗匕\:: : \    \|:::::::::: l|::::::::::: |!::::.
            |Λ:: |l:::::::::: l|     \:Г _____ノ―-=ミ|].::::::::::|l:::::.
              八 Ⅵl::::::::::八抖芋ぅ  /   /     ヽ:::::::::|!!:::::.
                   |八ハ八Λ////// /_____|. .   \___ノ\::: |||::::::.
                   |: /|::::::::::Λ 。J   \))) |: : : \/     ∨||:::::::.
                  (__) |:::::: /:.込、о  _____  \___ノ.        Ⅶ:::::::::.
              从 |::::::::::::::: 个o。  `⌒′  Jl{: :  .:    V:::::::::::.
                /:/ハ|::::::::::::::::: |l:::::::: ≧ー-<_..ノ八: : . /       V:::::::::::.
             /:/{ |::::::::::::::::: |l:::::::: : /〉}__厂 /: : \/.      --=ミ:.
            {Λ{ |::::::::::::::::: |l:::::::: /,仏{⌒ヽ::::::::::: /:        V    \
.              丿    |::::::::::::::厂 ̄ Λ:|  /:Λ___/!: :       V  . . ハ
               /|:::::::::::/  | ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄ ̄|: :.         V⌒ : : :|



京太郎「……ってな具合になるな」

やえ「まあ、麻雀を普通に打ったときの確率に近くはなるわね」

京太郎「さすがにデータは10戦じゃないけど、1000戦もやってないから本当はもっと代わるかもしれないが――」

京太郎「とりあえず、『能力ではなく場の状況とツモ』という状態に、極めて近くできるんだ」

やえ「まあ、細かい話はおいといて――実際にどうやって戦うのかの話をしようか」



               ,..  / ヽ ´⌒> 、

             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―   『LESSON1』 ベース生物を把握しろ
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(

            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/



京太郎「『敵を知り己を知れば、百戦危うからず』――と孫子の兵法書にも書いてあるな」

やえ「要するに、相手がどんな能力を持っているか理解しろってところね」

京太郎「さて、内訳は――」


 【松実玄】

 1:すべてのドラが集まる(赤ドラ含む)
 2:ドラを捨てると、上記は解除される


 【天江衣】

 1:自身が南家になるとき(海底ツモが巡ってくる)ときに、一向聴地獄が発動
 2:聴牌すると海底牌を自分の和了牌にする


 【大星淡】

 1:他家の配牌を5向聴以下にする
 2:2位以下になると、ダブリーを使用する
 3:ダブリーはカンをすると裏ドラが乗り、カンの後にツモ和了する


京太郎「まあ、大体対戦相手として警戒するのはこんなところかな」

京太郎「他にも、ツモ補正だの何だのがある」

京太郎「で、俺は――」


 【須賀京太郎】

 1:10%の確率で不要牌を引く


京太郎「これだな。うん」


京太郎「俺として特に警戒したのは、大星淡」

京太郎「こいつ、ダブリーの時は基本ロンしかしてなかったはずなのに、いつの間にかツモるようになってる」

京太郎「おまけに、カンをする前にも和了する」

京太郎「ついでに言うと、ダブリーのみではなく他の役が複合する」

京太郎「正直に言って、クソ厄介な奴だ。流石はクトゥルフの末裔だ」

やえ「まあ、ぼやいてもしょうがないわね」

やえ「さて――これを理解してからどうするか?」

やえ「それは、分析ね!」



               ,..  / ヽ ´⌒> 、

             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―   『LESSON2』 相手の能力を分析しろ
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(

            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/



京太郎「さて、この場にいる三人。実は全員支配系のオカルト使いである」

やえ「まあ、それを選んだんだけどさ」

京太郎「大星淡の能力の絶対安全圏――正直これには対処が不可能だ」

京太郎「だって、ほっといても絶対そうなるんだからな」

京太郎「だから、単純なこちら側としての対処法はこうなる」


 1:手を進めやすそうな時と和了しなければならないとき・和了させてはならないとき以外は、なるべく防御を念頭に
 2:副露が可能な役へと決め打ちする


京太郎「こんなところだな……『コイツ単体が相手の場合は』」


京太郎「同じく、天江衣の能力については――こっちは対処がしやすい」

京太郎「海底牌――つまり、4の倍数の牌を天江衣に回さなければいい」


 1:4の倍数の順番となった場合、副露して流す


京太郎「って、なるわけだ……『衣一人を相手にしなければならない場合は』」



京太郎「で、阿知賀のドラゴンロードこと松実玄についての対処方法」

京太郎「和了されると非常に厄介な打点であるので、基本的に和了させちゃいけない」

京太郎「だから対処方法は――」


 1:和了される前に潰す


京太郎「ってなるわけだな。実にシンプルだ」

京太郎「ただし、これらはすべて相手が『そいつ一人であった場合』となる」

京太郎「……俺は君たちに何を体験させたいか、言ったはずだぜ」

京太郎「作中でのオカルトスレイヤーの、疑似体験ってな」

京太郎「だからここからは、オカルトスレイヤーにさせてもらう」



               ,..  / ヽ ´⌒> 、

             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―   『LESSON3』 その場における相手の能力が起こす現象を理解しろ
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(

            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
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  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/



京太郎「まず、大星淡の絶対安全圏。これがこちらにもたらしてくれるメリットはなんだろうか?」

京太郎「そう、淡以外の全員が『5向聴以下になる』ってことだ」

京太郎「つまり、大星淡を除いて全員を公平なスタートに立たせてくれる――ってことだな」

京太郎「これは正直、ありがたいぜ?」

京太郎「ツモ補正なんて難儀なものがあるとしても……運のバラつきが少なくなって、『想定可能』にしてくれるんだからな」


京太郎「次に、阿知賀の松実玄さんがこっちに何をしてくれるのか」

京太郎「ドラなんて不確かなものでの、点数の変化を潰してくれる」

京太郎「裏ドラは変わらず乗る――風に見えるが、とにかく配牌時点での『目指せる打点のバラつき』を低くする」

京太郎「彼女以外は、手役をうまく複合させないと打点が上昇しなくなるんだよ」


京太郎「最後に天江衣の能力がやってくれるもの――それは」

京太郎「『彼女が海底コースにいるときの和了の遅化』だ」

京太郎「どんなツモ補正があろうが、極端にその速度を鈍くさせられる」

京太郎「するとどうだろうか? 一人にやたらと先行されたり、現物や読みの材料が増えるんじゃないか?」

京太郎「直撃を回避する上でこれは、この上なく有効な材料になるな」


京太郎「そして――大星淡の能力と天江衣の能力は、お互いに食い合う」





京太郎「つまり、どっちかの独走を防げるようになるわけだな」

京太郎「……勿論、デメリットもある」

京太郎「『その二人以外は基本的に和了できなくなる』んだよ」

京太郎「普通は、これはまずいって思う。誰だってそー思う。俺もそー思う」

京太郎「だけども、松実玄がこの場にいる限りは――」

京太郎「たとえ和了されても、『絶望的に点数を離されることはなくなるんだ』よ」


京太郎「ここでこれを見て欲しい」



【子の飜と符と点数の関係】

        │   1飜    │   2飜    │   3飜    │   4飜
────┼─────┼─────┼─────┼──────

  20符  │          │  1300    │  2600    │  5200
        │          │ (400・700 ) │(700・1300)│(1300・2600)
────┼─────┼─────┼─────┼──────

  30符  │  1000    │  2000    │  3900    │  7700
        │ (300・500 ) │(500・1000)│(1000・2000)│(2000・3900)
────┼─────┼─────┼─────┼──────

  40符  │  1300    │  2600    │  5200    │
        │ (400・700 ) │(700・1300)│(1300・2600)│
────┼─────┼─────┼─────┤

  50符  │  1600    │  3200    │  6400    │
        │ (400・800 ) │(800・1600)│(1600・3200)│
────┼─────┼─────┼─────┤  満貫

  60符  │  2000    │  3900    │  7700    │
        │(500・1000)│(1000・2000)│(2000・3900)│
────┼─────┼─────┼─────┘

  70符  │  2300    │  4500    │
        │(600・1200)│(1200・2300)│


【親の飜と符と点数の関係】

        │   1飜    │   2飜    │   3飜    │   4飜
────┼─────┼─────┼─────┼──────

  20符  │          │  2000    │  3900    │  7700
        │          │  (700) .  │  (1300)  │  (2600)
────┼─────┼─────┼─────┼──────

  30符  │  1500    │  2900    │  5800    │  11600
        │  (500) .  │  (1000)  │  (2000)  │  (2600)
────┼─────┼─────┼─────┼──────

  40符  │  2000    │  3900    │  7700    │
        │  (700) .  │  (1300)  │  (2600)  │
────┼─────┼─────┼─────┤

  50符  │  2400    │  4800    │  9600    │
        │  (800) .  │  (1600)  │  (3200)  │
────┼─────┼─────┼─────┤  満貫

  60符  │  2900    │  5800    │  11600   .│
        │  (1000)  │  (2000)  │  (3900)  │
────┼─────┼─────┼─────┘

  70符  │  3400    │  6800    │
        │  (1200)  │  (2300)  │


(  )はツモ和了時の支払い




 4~5飜(満貫)  子は8000点、親は12000点

 6~7飜(ハネ満)  子は12000点、親は18000点

 8~10飜(倍満)  子は16000点、親は24000点

 11~12飜(三倍満)  子は24000点、親は36000点

 13飜以上(役満)  子は32000点、親は48000点



京太郎「見たら分かってくれると思うが、基本的に役が上がるほど点数の上昇率ってのはすさまじいことになる」

京太郎「同じくらい……」

京太郎「親と子の点数の開きが、飜が上がるにつれて洒落にならないレベルになっていくだろ?」

京太郎「こいつらを相手にするときに警戒すべきことのトップ3は――」

京太郎「1位が、松実玄の和了」

京太郎「2位が、大星淡のカンの後のダブリー和了」

京太郎「3位が――大星淡のダブリー和了だ」

京太郎「前にも言ったように、こいつはカン前でも基本的に和了してきやがる。本当に厄介だが」

京太郎「しかもこのとき、普通にドラが乗ったり、役牌が暗刻になったりする」

京太郎「……まあ、後者に関しちゃ防げないことだけどよー」

京太郎「前者は、この上なく嫌だ……ってのは分かるよな?」


やえ「ただでさえ和了回数が減らされてるのに、ますます点差が離されて――」

やえ「おまけに相手はそれじゃまだ2位。次の局で親ッパネをツモ」

やえ「そのまま、妨害かけて連荘して点数を離されていく……のは絶望的でしょ?」

京太郎「松実玄がいると――手役を絡ませないと打点が上昇しない」

京太郎「だから、松実玄がいることでこの場の点数はわりと安定した形になる」


京太郎「……つーか、もう、しち面倒くさい『LESSON』はなしでいくぜ?」

京太郎「分かりやすく、この場で起こることを整理すると――」


 ・和了するのが、大星淡と天江衣に寄る
 ・どちらも打点が上昇しないため、極端に点数を離されなくなる


京太郎「これが基本的なことだな」

京太郎「で、ここからの戦闘方法だ」


 ・まっすぐ行ってリーチを懸ける。
 ・副露主体で手早く行く


京太郎「基本的に、まあ、普段打っている麻雀と変わらないんだが――」

京太郎「この場では、この場にあった戦いがある」

京太郎「とりあえず、ひとつ言わせて貰うと――」


京太郎「――『一向聴の邪魔をするな』だ」


やえ「なに噛んでるのよ!」

やえ「正しくは、『一向聴地獄の邪魔をするな』だからね!」

京太郎「失礼、噛みました」

やえ「違う、わざとね」


京太郎「で、なぜ邪魔をしちゃいけないかっつーと、だ」

京太郎「この『一向聴地獄』は――自分が捨てた牌を引いてくるという形で再現されている」

京太郎「つまり、一萬を捨てたら一萬。五萬を捨てたら五萬が来るって形になる」

京太郎「正直これ、相当ストレスがたまると思うが――俺はそうは思わない」

京太郎「だって、『引いて来る牌を予測できる』んだぜ?」

京太郎「俺はこれを、逆に利用させて貰うことにした」


京太郎「敢えて――だ。敢えて、差し出す」


京太郎「たとえば字牌を差し出したとして……山に眠る残りの枚数は分かるか?」

やえ「誰かが持っていないとすれば、3枚」

やえ「3枚あれば……役牌なら、役になるわね?」

京太郎「もうひとつ気づいたことだけど……対戦相手が同じ牌を持っていたときには」

京太郎「基本的に、『同順で合わせ打ちしてくる』」

京太郎「だから、合わせ打ちをされていない限りそれは山に眠っていると言ってよく――」

京太郎「『一向聴地獄』では、その残りを極めて高確率で自分が引くことができる」

京太郎「つまり、字牌の生牌を切った場合、自分でまたそれをツモれる可能性が高くなるわけだな」

京太郎「相手が既に切っているか、同順で切りはしない限りは」


京太郎「だから、基本的な戦術はこうなる」


 ・役牌の生牌を切り出すことで、後の暗刻の種にする


京太郎「要するに、擬似ハーベストタイムっつーのかな」

京太郎「まあ、そんな感じ」

京太郎「……で、今も行ったように自分が切った牌を引いて来やすいこの状況」

京太郎「『意図的に対子を作りやすい』よな?」

京太郎「つまり、よしんば誰かの鳴きなどでズラされてしまったとしても――」

京太郎「その後の、即効の足がかりが作りやすいんだよ」

京太郎「さらにこの場で大星淡との能力がベースとなって起こる現象」

京太郎「確実なる妨害であり、読みの元にも使用できるもの……それは――」



               ,..  / ヽ ´⌒> 、

             /             \
            /      |  }!      \⌒
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           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―  『中張牌の使用禁止』『順子の形成阻害』だ
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(

            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
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             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/


京太郎「例えば五萬を切ったら、こちらに五萬が来やすくなる」

京太郎「2索なら2索、⑥筒なら⑥筒っていった具合に……相手の手牌にそれが入らなくなる」

京太郎「大星淡の能力で、強制的に手牌がバラバラにされているこの状況」

京太郎「誰だってまっすぐ早く行きたいだろうが――敢えてそれをしないことで、ゴールに近づく」

京太郎「差し出したものが、最後にそれを得ることができるんだよ」


京太郎「……で、自分が3枚目を引いてこない場合は」

京太郎「基本的に高確率で、相手の誰かがそれを手牌に入れているって証明にもなる」

京太郎「ま、王牌に眠ってたりもするけど……」

京太郎「ゲームな分、山が最初から決まっている訳じゃない」

京太郎「ドラ表示牌と裏ドラ表示牌に矛盾がなければ、それでオッケーなとこがある」

京太郎「だからこそ、『一向聴地獄』ってのは……『意図的に牌の偏りを生むことができる』装置となって、こっちにも役に立つんだ」

京太郎「ついでに、松実玄のドラゴンロード」

京太郎「赤ドラ4枚。そして、ドラが彼女のところに集まる」

京太郎「で、天江衣以外のやたらと重なった捨て牌ってのは――かなりカウンティングを容易にしてくれる」


京太郎「特に松実玄は赤ドラが絡んでしまう以上……」


  55、345、456、567、555


京太郎「こんな形が求められるだろ?」

京太郎「赤⑤筒は大抵頭として使用。もしくは刻子、あるいはイーペーコーまたはその崩れた形ってなる」

京太郎「あの人の牌については……」


  ドラ
 ■■■ ■5■ ■■■■⑤⑤ ■五■


京太郎「大体がこの形で確定」

京太郎「ここで誰かが4索と6索を落としてたら、あの人は最初から揃っていることを除いて、5索を引かなきゃ聴牌が不可能」

京太郎「役牌がドラの時は、これを利用すれば……」

やえ「決して和了れない状況に追い込めるので、ドラゴンロードはドラ置き場にできるってことよ!」

京太郎「実際そうですけど、その台詞には引きます」


京太郎「……で、俺自身の特性の『無駄ツモ確率10%』」

京太郎「これと『一向聴地獄』を組み合わせると――かなり対子が作りやすくなる」

京太郎「そして、ヤオチュウ牌を引きやすいから……意外とチャンタの方にも向かいやすいんだよ」

京太郎「まあ、一向聴地獄じゃないときは果てしなーく遣りづらい特性だけどな」

京太郎「とりあえず、基本戦術はこうなる」


 ・敢えて生牌を切り出すことで対子や刻子の形成を行う

 ・中張牌を切り出すことで、他人の手作りを妨害する(特に松実玄)

 ・場に出ている重なっている牌から、その牌は誰かの手牌にほぼ含まれていないこと(それ絡みの順子の可能性低)

 ・または、重なっている牌の枚数によってはそれが『誰かの手に含まれていること』を知る


京太郎「まあ、トイトイやチートイが主戦法になるわけだ」

京太郎「引き次第だと、三暗刻まで伸ばせるけどな」

京太郎「他にはタンヤオや役牌のみが攻撃の基本武器って形になってくる」

京太郎「……で、一向聴地獄じゃないとき」

京太郎「このときはトイトイの代わりに、副露可能な三色同順や一気通貫を入れておこう」

京太郎「これは、大星の能力のおかげで……俺がやたらとヤオチュウ対子を貰い、カンチャンを貰うことに由来する」

京太郎「ちなみに、どこぞの奴は『5向聴とかこんな状況いつも過ぎて苦痛でもなんでもない』って言っていた」


京太郎「一向聴地獄中に注意して欲しいのは、『合わせ打ちをしないこと』と『ツモ順意識』」

京太郎「合わせ打ちをすると、その相手と無駄ツモを引き合う形になる」

京太郎「重ねるつもりがない不要牌は、相手が3枚切るまで待ったほうがいい」

京太郎「そこで落としたら、場に4枚出ちまってこれ以上は引かない――ノーペナルティですむからな」

京太郎「ツモ順意識は言うまでもないだろ?」

京太郎「『一向聴地獄』が発動していないときに、これをやってしまって、普通に進めていたのに地獄に叩き落されるのと……」

京太郎「『一向聴地獄』の発動中で、それを見込んで牌を切ってたら急にはしごをはずされる形になるの」

京太郎「どっちも、やっちまった以上のないものでもないからな」


京太郎「鳴いた場合の順番については、『自分が鳴いた相手にその前までの自分のツモを押し付ける』」


京太郎「そう考えてくれたら、立ち回りやすくなるはずだ」

京太郎「やたらめったら鳴きが入ると、どこがどこだから分からなくなっちまうもんな」


やえ「で――これまで、散々いろいろ立ち回り方を教えてきたわけだけど」

やえ「これってあくまでも、マイナスをちょっとだけゼロに近づけるぐらいにしかなってないのよ」

やえ「つまり、これだけを手にして戦っても……基本は負けると思う」

やえ「あくまでも、この場でかろうじて有利に立ち回る方法なんだから」

京太郎「ってことで、ここからが『オカルトスレイヤー』の本題」

京太郎「確か俺は何回か言ったと思うが……ジョセフ・ジョースターの名言があるよな?」

京太郎「分かる奴、覚えている奴はいるか?」


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |    いいか? よーく聞いてくれよ?
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
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    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|   中国の兵法書に「孫子」ってのがあって……こう書かれているぜ?
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /       『勝利というのは、戦う前に全てすでに決定されている』――ってな
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////


京太郎「まず、把握して欲しい」

京太郎「これが基本的な場の条件とこっちの方針だ」


 ・和了をするのは大方が天江衣と大星淡

 ・大星淡のダブリー、特に親の場合には要注意

 ・大星淡は不利状況だとダブリーだスタートするため、連荘しやすい

 ・松実玄に和了されてしまっては、勝負が一撃で決着してしまう

 ・一向聴牌地獄のときはトイトイやチートイを主体

 ・一向聴地獄でないときは三色同順や一気通貫を主体

 ・どちらにしても基本は副露で速度を補っての戦闘となる


京太郎「さて……と」

京太郎「一向聴地獄とそうじゃないのとじゃあ、どっちが和了しやすい?」

京太郎「というか、どっちの打点が高くなるか分かるか?」

ちょい中断でー

なぜこれを始めたかって?
ちょっと息抜きしたかったんだよ

ある漫画家さんが「リアリティ」って言ってたから、やっぱ実際に体験してみないとね
基本的にそこらへんがないと、よー書けんので


んじゃあ、続き始めますか


やえ「言うまでもなく一向聴地獄の方ね」

やえ「まず、『三色同順や一気通貫と違って食い下がりがない』」

やえ「次に、『ほぼ全員の速度が均一化している以上、御し方を判っていれば同等以上の速度が出せる』」

やえ「『更に他人の手を妨害できる』」

やえ「……ってところで、こっちの方がやり易いわ」

京太郎「つまり――『一向聴地獄で稼ぐ』」


京太郎「『一向聴地獄の機会が多い方がいい』ってことになるな」


京太郎「で、この面子に於いてもっとも連荘するであろう人物は――大星淡」

京太郎「天江衣が南家(のツモ)である場合、この一向聴地獄が発生するから……」

京太郎「天江衣は、大星淡の下家であることが望ましいっつーことになるんだ」

京太郎「ここまではいいよな?」

やえ「……まあ」

やえ「だったら、自分が親のときに天江衣が南家になる形がいいんじゃないの……って思うかもしれないけど」

やえ「そうなると、大星淡が親のときに自分は殆ど指を加えてなきゃいけなくなるから」

やえ「あんまりお勧めはしない」

京太郎「他人を使うことはあっても、当てにしちゃダメってことだな」

京太郎「そんな不確かなものに賭ける訳にはいかないだろ?」


京太郎「運以外の全ての要素を埋めきった上で博打をするのが、一番楽しいんだって……」

京太郎「そんなようなことを、どっかの海賊になった元サラリーマンが言ってたしな」

やえ「ま、そんな話はどーでもいいわ」

京太郎「あとは、ネットに弾かれたボールの行方はって――」

やえ「だから、どうでもいいからさっさと先に進めろっつってんの!」


京太郎「さて、じゃあ次だが――」

京太郎「『一向聴地獄』とそうじゃないものって、どっちが打つ機会が多いと思う? 単純な数で考えて」

やえ「さっき、大星が連荘するっつってたわよね」

やえ「って、なんでいつもの番組と違って私が質問がなのよ――」

京太郎「はーい、不正解」

京太郎「大星淡は連荘しやすいが、しないこともあり得る。そんな不確かなものに賭けるのはダメって言ったよな?」

やえ「こ、こいつが解説するから仕方ないとしても……腹立つわね」

京太郎「『一向聴地獄じゃないことの方が多い』」

京太郎「実際サイコロを振ってみるまで判らないにしても、原理的に確実なのはこっちだよな?」

京太郎「つまりは、俺の上家は『俺が叩きやすい牌を流してくれる奴』の方がいい」

京太郎「つまりは――」


やえ「――あの、阿知賀の、ドラ置き場が上家!」


京太郎「俺の台詞ゥ!? しかも、言い方がひでーよ!」


京太郎「……ま、まあ。気をとりなおすとして」

京太郎「さっきも言ったように、ドラの支配者である松実玄さんは手牌が酷く限定される」

京太郎「その特性上、彼女からは――『123』や『789』の三色同順のキー牌が出やすい」

京太郎「これは、俺にとってやり易いんだよ」

京太郎「『五向聴以下』にされる大星の特性上、配牌でヤオチュウ牌が来る確率は高くなる」

京太郎「そして、俺の無駄ヅモ能力は――『捨てた牌』や『繋がりにくい端牌』といった形で現れる」

京太郎「だから、これらに絡むところを落としてくれる玄さんが上家だと、非ッッッ常~~~~~~~~に『やり易い』」


やえ「ついでに、阿知賀の先鋒が上家だと……」

やえ「副露をしたとき、手番を飛ばしやすくなるわね。実に単純に」

やえ「向こうには貢がせるだけ貢がせて、使い潰してやればいいのよ」

やえ「万が一にでもあの、忌々しい、ドラ爆を和了されたら全部計算がご破算になっちゃうしね」

京太郎(やえさんが怖い)


やえ「つまり整理すると――」


 上家:松実玄

 対面:天江衣

 下家:大星淡


やえ「こんな形になるから」


京太郎「俺がやることは――」

京太郎「『大星淡が親のときは一向聴地獄を利用して立ち回る』」

京太郎「『それ以外は鳴きを使った速攻で立ち回る』」

京太郎「要するに、こんなところだな」


京太郎「ついでに言うとダブリーモードのときは、カン前までは出和了しかしないから……」

京太郎「鳴いて大星のツモ回数を増やしても、こっちとしちゃ問題はまるでない訳だな」

京太郎「ダブリーモードじゃないときは、この場での和了率が高い天江衣と潰しあってくれるから、万々歳だしな」

やえ「ドラ置き場は、本当にドラ置き場として有用だけど……忘れちゃダメなことがあるかんな?」

やえ「こっちが、ドラが使えなくなってしまう分――」

やえ「その数牌が封じられてしまう分、その色の全部の順子が使えなくなって――単純な理論的には『一気通貫が作りにくくなる』」

やえ「このことは、よーく覚えとくように」

やえ「片方が埋まるはずないリャンメン待ちとか、一方が来っこないリャンカンチャンとか……」

やえ「手牌構成のときにそこらへんの判断、間違えないようにしなさい」


京太郎「……やえさん、あんまそんな風に言わないでください」

京太郎「いつものやえさんらしく、ないっすよ」

やえ「う……」

やえ「た、確かにちょっと言い過ぎたとは思う」

京太郎「そうっすよ……」

京太郎「口汚い言葉を使えば、やえさんの素晴らしい人間性が損なわれます」

京太郎「やえさんは、格好いい先輩なんですから、やめて下さいよ」

やえ「う……」

やえ「……わ、わかったわよ」

京太郎「それに、玄さんもすっごく気立てが良くて思いやりがあって、いい人で――」

やえ「ん?」



京太郎「――正直俺、結婚したいと思ってます!」


やえ「だからあんたのそういうとこが全く信用できないのよ――!」



京太郎「ひ、酷い目にあった……」

京太郎「ファイナルベント叩き込まれて、ライダースティングくらうことになるなんて……予想外だった」

京太郎「やえさんの照れ隠しを喰らう度に、鍛えててよかったと思うぜ」


京太郎(だけどこれで……)

京太郎(『懐いていた犬が他所に行っちゃって寂しい作戦』は成功かなー?)

京太郎(やれやれ、我ながら実に恐ろしい作戦だぜ……。実にグレートっすよ、こいつぁ……)

京太郎(『私だけに求婚してくる』って安心していたやえさんから、その安心を奪う)

京太郎(人は基本的に競争率が高い方を求めるって性質があるからな)

京太郎(ふふ……我ながら実に完璧な作戦だな。マジに)

京太郎(これでやえさんがもっと、俺の価値に気付いてくれたらいいなぁ~~~~。ルンルン♪)


淡「……」

京太郎「あ、大星か……どうしたんだ、こんなところで」

衣「……」

京太郎「それに衣さんまでいるなんて……こうしてると仲良し家族みたいだな――」


淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

正に自業自得(笑)



淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

淡「イヤーッ!」

京太郎「グワーッ!」

衣「イヤーッ!」

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京太郎「グワーッ!」


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京太郎「せ、せめてアイサツぐらいしろよ……いくらなんでもシツレイだろ?」

京太郎「大星、お前、そういう常識がだな――」


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淡「うっさいバカ! 死んじゃえ!」

衣「衣にも慈悲はないぞ」



京太郎(ひ、酷い目にあった……)

京太郎(だけど俺は、皆に言いたいことがある……)

京太郎(たとえどれだけ、無理に思えたとしても……無謀に思えたとしても……)

京太郎(人間は、魔物には負けはしないんだ……!)

京太郎(足を止めるのは、絶望ではなく“諦観(あきらめ)”……)

京太郎(前に進むのは、希望ではなく意思なんだって――俺は皆に伝えたかった……!)

京太郎(そう、信じて諦めなければ――)


玄「だ、大丈夫……京太郎くん……?」

京太郎「すみません……ちょっと、手を貸して貰ってもいいですか……?」

京太郎「暗くて、寒くて……よく見えないんだ……」

玄「……うん」

玄「これからは、ずっと京太郎くんの傍にいるから……!」

京太郎「……玄さん?」

玄「さっきの告白、嬉しかったよ?」

玄「私、男の人と碌にお付き合いしたことなくて……やる気だけが空回っちゃうこともあって……」

玄「ちょっとお節介焼きで……おもちもおねーちゃんみたいにないけど……」


玄「――こんな不束ものですが、宜しくお願いします」



京太郎(――夢はいつか、きっと叶う!)




                             オカルトスレイヤー 第1部「ネオ2ちゃんねる炎上」 完




















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ちくわ大明神「( ゚д゚)」


         + うそです
   n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E) Y

まあ、やえさんとの番組が選ばれたらこうなりますよと言うのと
息抜きを兼ねた、オカルトスレイヤー疑似体験の仕方という話です

なお、パラレルであって本編には関係ありません


いつかはどっかで、キャップと「切り出し位置からの手牌推測」にも触れたいと思います
そっちはパラレルじゃなく、京太郎の技術はどう成り立ってるかって話ですね

習得すれば実際に使えるよー
というか基本、京太郎の持ってるのは(身体能力含めて)人間にできるものだけやからなー

……現実に役に立つか、どの程度の精度で使えるかはともかくとして

じゃあ、ギャグ力も回復したし、本編に戻ろうか

アラチャーの出番じゃー


「カブト……? カブトー……?」


 カブトを拾って、共同生活数日目。

 相変わらず須賀京太郎という男は、腑抜けていた。

 本当に内臓をどこかに落としてきたのではないかと、正直疑ってしまうレベルに。

 あの日見せた好戦的で獰猛な、危うい表情はどこへやら。

 そんな様子はすっかり成りを潜めて、狼は老犬に逆戻りだ。

 カブトはと言うと、彼に懐いているが……。

 それも、自分に纏わり付く子供の相手を、厭わしいと尻尾で払う老犬の如く、

 彼は煩わしさを顔に出さず、死んだ魚の昼行灯で躱していた。


 ――そいつの相手より、こっちにおいで。


 そう呼びかけてみたって、カブトは聞きもしない。

 猫の癖にまるで犬のように、彼の元を目指すのである。

 しょうもないと思う。

 だってそいつは、今は家主である灼とも碌にコミュニケーションをとらない無礼者である。

 腕によりをかけて作った料理を、ただ黙々と食べやがりますし、

 ちょっと察して手伝って欲しいところでも、退屈そうにそっぽを向いてるし、

 おまけに、今までどうしていたのかとか、昨今の風潮を話しても生返事だ。

 その為にあまり好きではないテレビを見て、話題を集めてるのに――。


 エプロン姿のまま、歩き回る。

 別段深い意味なぞないが、エプロンは新調した。

 本当に別に深い意味はないのだが、体型があまり変化しないからと、騙し騙し作ろって昔のものを使ってきた。

 ただ、さすがに限界が来たらしい。

 いい加減あまりにも薄汚れてしまったので、ちょっとかわいいワンポイントの入った、機能性のあるエプロンを買ってみた。

 本当の本当に真実他意はないが、新しいものを買ったのだ。

 まあ、一応は変人とはいえ同居人がいるのである。

 多少――そう、多少は気を使って清潔そうなものにするべきだったのだ。

 その過程で、機能が十分だから、ちょっと気に入ったデザインのものを買った。


 だというのにあの男は、


「タヌキですか?」


 なんて、罠にかかったタヌキを鍋にでもする――みたいな目付きで、

 心底どうでも良さそうにエプロンを一瞥して、宣わりやがったのである。

 許すまじ。

 それにこれは、アライグマである。その辺、違うのだ。

 洗い物をするのと、アライグマを掛けているのである。

 全く……だというのに……。


(あ、カブト……)


 どこか赤茶けた体色の、カブトの尻尾が見えた。

 ボウリング場の裏手。ゴミ捨て場などがあるところであった。

 にゃーんと可愛らしい声を上げながら、擦り寄っていったその先は――


「……お前、ここには来んなよ。つーか俺に近寄んな」


 ――あの、ふてぶてしいもう一人の同居人、須賀京太郎であった。


 げっ、と咄嗟に顔を引っ込める。

 いや、何故隠れてしまったのだろうか。この家の主は今自分であり、奴はただの居候だ。

 仕事は、できるともできないとも言えない、骨無し野郎。

 気が利かなく、会話を盛り上げようとせず、ぶっきらぼうで、皮肉屋の金髪男だ。

 どこか人を食った態度で、飄々としていて、その癖実態はただのぐうたら野郎。

 はっきりいって、好きになれないタイプである。


(そう、これは観察……観察だから)


 ひょっとしたら奴は、影で灼の悪口を呟いているかもしれない。

 一人っきりになると、人の本質が出るらしい。そう聞く。

 もしかしたらカブトに辛くあたっている、そんな可能性はなきにしもあらじ。

 だから、こうして見付からないように人目を避けている。

 そういう場合も想像された。だから何となく身を隠すのは自然であるのだ。

 自然である。


 ……あいつは一体、何を言うんだろうか。

 いや、別に、気にはなりはしないし……気にしないけど。


「ったく、ちょっと火ィ消すから待ってろな」


 おい、お前吸ってたのか。いつのまに。



 人が知らない間に、たばこなんて吸ってやがりました。

 部屋に匂いが移ったらどうするのだろう――って、ああ、だから外にいるのか。

 全く、変な気を回して……しょうもない奴だ。

 というか、そんなそぶりは全く見せていなかった。隠してたのか、あいつ。


「お前なー、俺よりも灼さんとこ行けよ」


 自分の名前が出たことにドキリとして、声の方向を見やる。

 携帯灰皿に煙草を押し込んで、須賀京太郎がカブトに視線を合わせる。

 さて、何を言うんだろう。ちょっと気になる。

 居候の状態を把握するのだ。そう、人となりが判らなければ危ないからだ。


(な、何を言うの……?)


 ちょっと、覗き込んでないで先を言って欲しい。

 隠れつつも慌ててそちらを向いたので、若干ながらに首が痛い。

 早く続きを言ってくれないものか。


「あの人、寂しがってたぞ? お前が、あんまり懐いてくれないってさ」


 煙草を持っていたのと反対側であろう手で、カブトの喉を掻いぐる。

 そういえば憧が、前に言っていた気がする。

 確か、野良出身の動物は、頭に手のひらを翳される状況を嫌がると。

 野生の世界では、見上げる側に――人間や烏など――の危険を覚えるらしい。

 それを許すのは、相当の信頼の証だとか――。


(別に、寂しがってなんかな……)


 今も顎や頬を擦り付けて、挙げ句、額で頭を触るのを急っつく動作。

 実にあっさりと受け渡された信頼の証だ。

 別に、羨んでなんてない。ないったらない。

駄目だ。眠い

何だかんだ今までのキャラで一番あらたそを頑張って書いているかもしれない
あんまり見ない組み合わせだから、100%中の100%を使いたい


すまんけど、おやすみー

1も部長にお悩み相談したいんじゃー

京水さんはライダーじゃなかったし、オカマライダーは初なんじゃないですかね

テンション上がってきた!


あ、1300頃からあちらを始めますんでよろしゅうにー
あらたそ大明神は今夜にでも

最近憧ちゃんがだいぶアレな扱いになってる気がする
だって悲恋とかNTRとか横恋慕とか不幸とかが似合うんだから仕方ないよね

最近、葛藤は書けても展開としての鬱が書けないので実にどうにかしたいですわ

ちょっと色々済ませてから……まあ、15分後くらいに始めます

前はもちっと色々鬱を書けたんだけど、最近はどうしたもんか……
ま、こっちのスレでは関係ないからなー

それじゃああらたその続き行こうかー



「お前が来てから、あの人もよく笑うようになったよ。ありがとな」


 そこには、普段とは打って変わって柔和な笑みを浮かべる京太郎。

 やはり動物が好きなのか、猫に話しかけている。聞いてるのか聞いていないのか、カブトは足に擦りよっていた。

 それを言うなら、自分の方が笑うようになっているじゃないか。

 少なくとも、自分と一緒のときにはまるでしたことのない、朗らかな笑顔だ。

 あと、然り気無く――実はこっちのことを気にしていたのか。

 素直じゃない奴め。それを少しでも、態度に現せばいいものを。

 まあ、多少は減点を除いてやってもいいかもしれない。今夜は何か、好物でも作ってやろう――。


「初めて会ったとき……あの人仏頂面すぎて、こけしかと思ったもんな」


 ――訂正。やっぱり、あいつが苦手なものにする。

 言うに事欠いて、こけしとは何事だ。年頃の女の子に向かって。

 有罪。

 有罪である。紛うことなき有罪だ。有罪意外の何物でもない。


「お前もそう思うよなー?」


 まだ言うか。

 そんなに死にたいのか。そこまで殺して欲しいのか。この自殺志願者め。

 決定だ。

 夕飯は四十八の処刑メニューのうちのひとつ、バーニング灼定食にしてやる。地獄を楽しむがいい。

 カブトは質問の意味が判らないのか、それともやんわりと否定しているのか、にゃーと鳴いた。

 よし、いい子だ。カブト。


「やっぱりお前もそう思うよなー。かわいい奴め!」


 カブトの額を撫でる手に力が入る。あの、かつて自分の頭にも置かれた男の手だ。

 まあ、そんな手のことはいいとしよう。

 ちょっと待て。

 今、カブトは否定していただろう。否定していた筈である。否定していたに違いない。

 よしんば、同意の色が見てとれても、それはカブトが飼い主を気遣ったに過ぎない。

 それを見抜けずして、何が飼い主か。この駄目男が。



「……でも、あの人は優しい人だよ」


 んん?

 いや、これは一体どういう風の吹き回しだろうか。何が起きたのか。

 というか、そう思っているなら態度に出せ。あんなだらけた姿を見せずに、感謝の言葉を出せばいいのだ。

 全く、本当に素直じゃない奴だ。


「こんな俺なんかに……俺みたいなどうしようもない奴に、わざわざ構ってくれてる」


 ……。

 ……いや、まあ。

 別に優しいとか、須賀京太郎を放って置けないとか、そういう話じゃなくて……。

 こう、同居している以上はある程度コミュニケーションをとるのが普通だからだ。


「だからこそ――俺は、怖い。あの人と親しくなりたくないんだよ。お前にしても、そうだ」


 だからこそ、次にそんな言葉が出たときに……心底驚いた。

 空虚な笑いが零れて、それから、背中が今にも消え入りそうなくらいに小さくなった。

 カブトから、京太郎の手が離れる。

 すっかりとその手のひらを堪能していたカブトは、唐突な事態に寝惚け眼でにゃあと漏らす。

 見上げる形のカブトを前に京太郎は肩を落としていた。


「俺は、誰かを裏切っちまわないか……また、裏切るんじゃないかって怖くて仕方がない」


 俺さ、と京太郎が続ける。

 果たして、彼のそんな告白を――ここで聞いて良いのだろうか。知ってしまって良いのだろうか。

 これは、自分に向けられた言葉ではない。勿論、カブトにだって。

 ただあいつは、独り言を言っているだけだ。

 猫に話しかけるという形で――誰かや何かに己の罪状を打ち明ける――懺悔をしようとしている、だけだった。


(駄目だ)


 それを聞いてはいけない――。

 そう思いつつも、足はその場から離れようとはしなかった。


 猫に対する為に、短く纏めようとしたのだろう。

 しかしそれでもその様子はどこか辿々しく、未だ整理のついていないなにかを、辛うじて言葉に置き換えているようだった。

 誰でもなく自分に――或いはいるかも判らない、神のような“何か”に語りかける。

 猫を通して、その後ろに別の存在を置いている風だった。


「俺さ、初めて……麻雀部に入って、後輩ができたんだよ」


 初めは嬉しそうに。


「そいつはまあ、2つ下だから――初めての後輩って訳でもないけどさ」


 自分の言葉に苦笑して。


「で、そいつ初心者なんだよ。入ったころの俺と同じくらいかな」


 懐かしむように。


「それで――またさ、そいつ、本当に純粋に麻雀が好きって面してるんだ」


 喜びながら。


「ただ、打てるのが楽しいって感じだった。昔の俺みたいっつーか、ありゃ、俺よりもかな」


 やや、恥ずかしそうに。


「だから、あいつの手助けをしてやりたかったんだ。自分が昔、してもらったみたいにさ」


 染み入るような声色で。


「本っ当、素直な奴だった。ちょっぴり抜けてて、元気一杯で、どこか子供っぽい奴で」


 そのときを、思い返しているような。


「先輩、先輩って……俺の後ろをついて回ってた。だから、尚更可愛くてなー」


 手のひらを握りながら、目を閉じる。


「ただ、俺よりも才能はあった。それなのに、先輩そんけーしてますって来てな」


 その手を、何度も握って開きながら。


「だから、それを伸ばしてやろうと思った。他にも、目指せ――脱初心者ってさ」


 段々と、乾いた笑いに変わっていく。


「それが、間違いだった。あいつは初心者だからアイデンティティを保ててた。あいつの能力は伸ばすべきじゃなかった」


 そしてついに、笑いは止んだ。


「そのことに気付いたのは――全部が、終わっちまったあとだ」


 ただ静かに、京太郎が漏らす。


「麻雀自体が好きだった奴が、ただ麻雀で勝つだけになってた。打つこと以外はどうでもいいって、能面みたいな面してた」


 目を閉じた京太郎の声は、震えていた。


「それで――打つときは、変わるんだよ。元にした奴の性格を足して、ごちゃ混ぜにしたみたいに。毎局毎局」


 段々と、声の震えは増していく。


「あのときは、夢乃マホなんて奴はどこにもいなかった。目付きも、何もかもが変わっちまってた。悪夢みたいに」


 その様子を想像してみる。

 多重人格めいた様子で、刻一刻と表情を変化させる可愛い後輩――大切な人物。

 まさに、ホラーだ。そうとしか言いようがないだろう。


「俺さ、止めようとしたんだ……何も判らなかったけど、俺がいるって示して、あいつ自身の記憶から呼び起こしたかった」


 それしか道は思い付かなかったと――京太郎は呟く。


「ああなってからのあいつは負けてないって言うから、それを実現すれば戻ると思った」


 だけどと、京太郎は笑う。


「俺じゃそいつは無理で……蹴散らされた挙げ句に、昆虫の手足をもぐみたいに弄ばれた」


 握っていた手が力を失い――だらりと、垂れる。


「おまけに……笑っちまうよな。最後の最後にさ、あいつ、俺のことを見下してこう言ったんだ」


 だけど京太郎の声は笑っていない。


「『誰だか知りませんけど、しつこいだけでどうしようもなく弱いですね』――って」


 彼は、泣いていた。


「それで……あいつが死んだ……約束したのに、俺が何もできなかったから。いつまでも麻雀を打っていたから」


 この場合のあいつとは、後輩とはまた別の人物であろう。


「俺が出掛けてる間に、死んでた。早ければ間に合ったかもって、獣医は言ってた」


 獣医――ということは、動物か。

 だから、動物は苦手なのか。


「血を吐いて死んでたらしい。俺は、直接見た訳じゃないけどさ……」


 京太郎が、鼻を啜った。


「あんだけずっと一緒にいたのに俺は、最後の最後にいれなかった。俺がいなかったから、だから最期になった」


 たかがペットのことで――と、思っていただろう。

 灼も、カブトと出会う前なら。

 どこかひとつだったらきっと、彼は立ち直れていた。廻り合わせが、悪かったのだろう。


「それから……目のことで病院に行った。なに言われたかは、覚えてない」


 やたらと目を閉じているのは、そういうことか。


「家に帰って……ちょっと寝て、あいつのいたところの整理をしてて、俺はボロ泣きした」


 家族が死んだという実感は、すぐには追い付かないのだ。

 その感覚は、理屈としては判った。

 灼は――遠い昔のこと過ぎて、判らないが。


「そんで気付いたら俺は、牌が握れなくなってた」


 チャラと、ポケットから何かを取り出した。

 よく見ればそれは麻雀牌で、京太郎の手のひらの上で音を立てる。

 それも道理だろう。京太郎の手が、身体が震えてるのだから。


「もう、無理だ……俺は牌が握れない。触るだけで精一杯だ」


 それから、ポケットに牌をしまう。

 その間も彼は、凍えていた。


「だからさ……もう、お前との約束は守れない。俺は、ここが限界なんだ。これ以上は……もう」


 壁に寄りかかって、震える指先でつまみ上げた煙草に火を着ける。


「……俺は、約束も守れない。後輩も、大切な家族も……何もかもどうにもできない。どうにもならない」


 紫煙に紛れて、言葉が宙を漂った。



「そっからはもう……何をやってもどうしようもなかった。色々やらかしたよ、俺」


 煙と言葉が、混ざりあって紛れていく。

 カブトはそれでも、傍にいた。動物は、その手の臭いが苦手である筈なのに。

 動物は群れの中で、弱っているものを見逃さないと聞いた。特に畜獣化された動物はそうだと。

 だから、カブトは彼に対して執拗に寄っていったのだろう。

 この話を聞いて、灼は――。


(それがどうした)


 何も思わなかった。

 というかむしろ、ムカっ腹が立った。なんだこいつと思った。

 なるほど確かに、それは悲惨だっただろう。悲劇だったろう。

 実際彼は不運で、不幸だと思う。それに関しては事実であるので、否定はしまい。

 灼には彼の心の痛みは知り得ない。

 だけれども――。


(それとこれとは別)


 だからって、他人に気を使わなくていいのか。

 自分が不幸なら、それに酔ってる間はなにもしなくてもいいのか。

 他人に迷惑をかけても許されるのか。

 ――いいや、否だ。否である。


(せめて、最低でも、料理の感想ぐらい言え)


 ……これはあくまでも一例であり、本気の本気で、心底そうは思っちゃいない。

 だけど彼の不幸面にムカついたのは事実だ。

 黙って聞くのを取り止めて、そのまま物陰から飛び出した。

 


「……ッ、あ、灼さん!? いつからそこに!?」

「京太郎が店番押し付けて、煙草吹かしてるくらいから」


 決まりが悪そうに、目を反らす京太郎。

 意図せず聞かれてしまったとでも思っているのだろうが――。

 そもそもからして、懺悔なんてのは自分での整理もかねて、他人に聞いて欲しがってる状態だ。

 確かに、秘部だろう。恥部だろう。

 話して心から放しても、誰かに知られたくはないというのは判る。


「ほら、店番やるから。戻って……」


 京太郎が、意外そうに目を向いた。なんだ、その顔は。腹が立つ。

 確かに辛くなれば、誰かに甘えたくもなるだろう。休みたくもなるだろう。

 ただ、甘えるのも休むのも、また前に進む駄目だ。いつまでも不幸という美酒に酔うためではない。

 そんな酒が飲みたいなら、ロシアに行け。そんで凍死しろ。

 別に、すべての人間に前に進めとは言うつもりはないし、戦えとは言わない。そいつの人生だ。


 ただ――酔っ払いは嫌いだ。

 店に来ても騒がしいし、絡んでくるし、ボールを雑に扱う。

 もう一度言おう。

 酔っ払いは嫌いだ。酒に酔おうが、不幸に酔おうが一緒だ。

 そりゃあ、そいつの人生だろうが――そんな奴に迷惑をかけられているのを、灼は許せない。


 ただ、知らぬ仲じゃない。この間の件もある。

 だから、一言だけ言ってやろう。


「おばあちゃんが言ってた……」

「……は?」

「『手の混んだ料理は不味い。どんなに真実を隠そうとしても、隠しきれるもんじゃない』って」


 目を白黒させる彼に、もう一度言う。

 というか、噛んだ。噛んだというか間違えてしまった。

 仕切り直しでもう一回。


「おばあちゃんが言ってた……」

「え、また……?」

「『手の込んだ料理ほど不味い。どんなに真実を隠そうとしても、隠しきれるもんじゃない』って」

「え、いやさっきと違うんじゃ……」

「煩わし……」


 顔を背ける。

 まったく、なんて時代だ。折角おばあちゃんの名言を言えると思ったのに。

 ごめんなさい、おばあちゃん。

 それもこれも、この酔っ払いのせいだ。実に腹立たしい。


「確かに、京太郎は不幸だと思う。よくは知らないけど、不運だと思う」

「……」

「でも、自分じゃどうしたかった。これからどうなりたい。本当の本当は、どう思ってる」

「……それは」


 京太郎が目を伏せた。

 今の彼は、ただ不幸を言い訳にしていた。二度と進まないことの言い訳にしていた。

 でも、やめたいならやめたらいい。そんなことをうだうだ宣わずに、やめたらいい。

 本当にやめるのなら、やめた後に不幸を背負うだろう。

 懺悔をしたがるというのは――赦しを求めるということで。

 つまりはまだ、未練があるということだ。


「私から言うのはこれだけで、後は知った風な口は利かな……」

「……はい」

「ただ、何があっても扱いは変えない。そっちの事情があっても、私は私の道を行く」


 それが嫌なら、考慮してくださいと口に出せ。

 どんな形でもいい。ちゃんと、言葉にして伝えてこい。

 酔いたいなら酔いたいで構わない。ただ、酔っ払いは嫌いってのは変わらない。


 きっと誰だって、色んなものを背負ってる。誰かから受け継いだり、自分自身で誓ったり。

 ある日の赤土晴絵もそうだ。あの日の自分だってそうだ。

 ただそうして受け継がれるものがある。連なっていく道がある。

 ああ、確かに――確かにそれは勝手だろう。

 こっちがどれほど、向けられた視線に緊張することか。期待に応えねばなるまいと思うことか。プレッシャーを感じることか。

 大概のそんなのは、無関係だ。相手の事情なんだから。


 でも――それって、嬉しくないか。

 自分のことを、そんな風に評価している人がいる。それだけで、やる気がでないか。

 勿論、無責任な期待でもあるだろう。それは確かだ。

 それが余計だと思うんなら、降ろしてしまっていい。邪魔な荷物は捨てて、身軽になった方がいい。

 人生、そうも上手くはいかないだろう。

 それは知っている。それもまた真理で、そういう事情だってあるって。


 ただ、灼は嫌いである。非常に格好悪いと思う。

 自分にはそういうところがある。

 かつて、事情もよくは知らず――一線を引いた赤土晴絵に思っていたこともある。

 今は、あのときのように何でもかんでも戦えとは言わない。

 戦うために休むのも、そのまま戦いから退くのも好きにしたらいい。


 ただ、連れられてきたとは言っても――今はうちで働いているのだ。

 三食ちゃんと食べさせて、寝床も用意してる。ちゃんとバイト代も貯めてる。

 だから、あんまり腑抜けてこっちに迷惑をかけるのは許さない。

 嫌なら、電話を貸してやるから赤土晴絵に連絡をとって、帰ればいい。

 それをしないのは――。

 リハビリをしているというのは――。


「……灼さん」

「何……?」

「俺、悔しかったんだ……何もできない自分が情けなくて、悔しかったんだ……」

「そ……」


 つまりはまだ、立ち上がりたいと思っているのだ。こいつは。

 色んなことに押し流されて、気持ちにメスを入れられて、感情を忘れて――その想いを表現する言葉を、忘れていたのだ。

 振り向いてみる。

 少しは、いい目をしてた。酔っ払いじゃ、なくなった。


「じゃ、ゆっくりでも戻してこ……」

「え?」

「京太郎は急ぎすぎだから、転んで痛い目をみると思……」

「それは……」

「まずはひとつの仕事から。働かざるもの、喰うべからず……」


 これでようやく、夕飯の作りがいが出てきたというものだ。

 なんだか、実に気分がいい。


「あ、今日のおゆはんは鍋焼うどん」

「え、いやちょっと……時期的に、おかしいだろ」

「冬にアイス食べたりするし」

「冬にアイスや素麺と、夏に鍋焼うどんは大違いですって」

「夏場に辛いものを食べたり、熱いものを食べたりもする……」

「い、いや……俺はあんまり着替え持ってきてないから汗をかくのは……」

「……。……何だかんだ言って、否定するのは猫舌だから、でしょ」

「う……」

「さっき、人のことをこけしって言ったの、忘れないから。無礼には仕返しも当然……」

「い、いや、あの……あれはな、その」

「嫌なら、今日の食事当番やったらいいと思……」


 まあ、こいつの目が――この分なら。

 多少は認めてやってもいいし、きっと、この生活も楽しくなるだろう。

 晴絵みたいに、打ち負かされても時間をかけて立ち上がろうと言うなら――。

 そういう人間は好ましいし、是非とも応援したくなる。

 だから、リハビリはおまかせあれ。


「じゃあ、俺が作りますよ。作ればいいんだよな!」

「楽しみにしてるから」

「えっ」

「人のことを、日本じゃ二番目だって言った……その腕前に」

「マジかよ……なんでそんなこと、覚えてんだよ」

「さあ……?」


 とりあえず彼の手料理を、楽しみにして置こう――。





「……あ」


 そう言えば。


「カブトの首、寂しいから……なんか付けようと思うんだけど」

「……御守りとか?」


 ああ、こいつ、ペットを喪ってるんだった。さっき言ってたな。

 それについては、心底同情する。

 間に合っていれば死ななかったのかもしれないなんてのは、確かに自分を責めるだろう。無理もない。

 喩えそれが考慮に値しないIFだとしても――傷になることは間違いない。

 何年も共に暮らしていたのならば、相当だ。

 だからそこについて踏み込み、否定することは行わない。それはやってはいけないことだ。


「採用」

「よし。ま、採用されてなくてもつけてたけどな」

「……それが素」

「まあ、わりと素はこんななんだよ。……御守り、どこの神社にする?」


 どこの神社を選ぶにしても、結局御守りに何を求めるかは変わらない。

 安産祈願は――違う。

 ボウリング場の家猫なら、商売繁盛がいいだろう。

 ただ、こいつの望みでいうなら、家内安全・健康祈願だろうか。

 さて、どうしたものか……。

 あんまりいくつも着けるのは、邪魔になるので却下。ダサいし。


「――ちくわ大明神」

「えっ」

「真っさらな奴にちくわ大明神って刺繍して、色んなご利益を込めたらいいと思……」

「刺繍はいいとして……御守りの中身はどうすんだ?」

「さっきの麻雀牌の、拓を取ればいい」


 なるほどと、彼が頷いた。


「ちくわ大明神?」

「そ……ちくわ大明神」

「ご利益は、どうなんだよ」

「家内安全、健康祈願。商売繁盛、悪霊退散、また麻雀ができる……ってとこ」

「ちくわ大明神か」

「ちくわ大明神」



 彼が気に入ってた料理――ちくわ明太子。

 それを言い間違えてちくわ大明神。自分達には多分、これがぴったりだ。

 どうせなら、願えるだけ願ってしまえばいい。

 おばあちゃんが言っていたのだ。二兎を追うものは、二兎とも取れと。


「……でも、ちくわ要素なくないか?」

「一筒の拓なら、ちくわに見えなくもな……」

「ああ、まあ……確かにそうだよな」


 うーむと、彼が麻雀牌を太陽に透かそうとしてみる。

 一筒はちくわと違って穴ではないので、向こう側は透けはしない。当然だが。

 どちらかと言えば、その真円は太陽だ。

 だから尚更、相応しいだろう。お天道さまにはご利益がいっぱいある。


「じゃあ、さっさと作るか!」

「その前に、店番」

「マジかよ……今日の俺、やること多すぎないか……?」

「今までサボってたツケ。ほら、キリキリ動こ……」

「キリキリ働くよ。働くって」


 まあ、他にはボウリングでも教えてやろう。

 丁度いい、息抜きにはなるだろう――。



  ◇ ◆ ◇


……という訳であらたそ過去回想編は以上
あらたそはかわいいもイケメンもこけしもクーデレもツンドラもレジェキチもできる千両役者


流石にもう、あんまりなシリアス長編を書くのは辛いんで、マホ編もこれにて消化しました
その分、ちょっと京太郎の独白が増えて女々しい奴に

大学生時代の京太郎の男らしさは犠牲になったのだ。展開の犠牲にな……

次で穏乃と再会して、地雷処理編は終わりやねん
そうしたらちょっとイケメン成分を補充せにゃなー


なお、省きましたが

ちょっと一緒にいて欲しそうにするカピに「帰ってきたら遊んでやるな」と言って出掛け、
ダンロンの妹様の如く豹変するマホに、血涙流して立ち向かい、
最後にマホに自分の技能で止めを刺されて、『自分の努力をいともたやすく自分より上手く扱われた』ってなり、

そこにママンからコール
カピは血を吐いて死にました。ママンが仕事から帰ったら死んでました
胃に穴が空いてました。早ければ助かったんじゃないかなby獣医

ってなのが、マホ地雷編の流れです

まあ、一番怖かったのは多分もう一人の同卓した娘(モブ)

精神分裂状態の部員と、血涙流してシャガクシャみたいな表情をするOBのイケメンと、
その二人を前にしても頬を赤らめて淡々と打つおっぱいさんだからね

トラウマってレベルじゃねーのは確か


それじゃあ、おやすみー

まあ、のどっちに関しては誇張入ってるけど

あと、殺してくれ……もう寝ぼけ眼でブラウザ使わないよ……殺してくれ……

最終的にハッピーエンドになるんならそれは鬱じゃないってある漫画家が言ってた

まあ正直シリアス色が強くて長いってのは思います
もっと、ジョジョくらいシンプルかつ簡潔で受け入れやすく纏めたいねー
今回は纏めてシリアス地雷を処理したから長くなっちゃったんだけど

じゃあ、始めようかー

マホ暴走&あらたそに拾われるのは大学2年春~夏だから、19歳で大体4~5年前くらいですかね

あー、新道寺スレを建てたいんで佐賀出身の女の子と付き合いたい


「流石にこの辺になると、空気もいいな」


 などと、ヘルメットの中で呟いてみる。

 いっそ外して走りたい衝動にも駆られるが、それでミスって事故ったら嫌なので却下。

 流石に愛車を廃車に変えたくはない。

 別のものを即金で買えるだけの貯蓄はあるが、論外。それとこれとは別問題だ。

 気の赴くままにスロットルを開きたくなるが、我慢。

 自分一人の身体ではなかった。軽々しく、失墜に繋がる行為をしてはならないと肝に命じている。

 せめて気持ちだけは風と一緒に――なんて気障ったらしい独白を浮かべて、身体を倒す。

 この辺りの山。今も彼女は、駆けているのだろうか。


 もう既に、七年は昔のことだ。

 染みったれた気持ちなんて抜きにしたい――のも山々であるが(山だけに)、やはりどうしても忘れられない。

 男というのはこういうのを、どうしても引きずってしまう生物だと聞いた。

 事実、離婚後の男女の自殺比率だか死亡比率なんかは、十倍近くの開きがあるそうだ。

 勿論、男の方が死亡率が高い――。


(引きずってはいるけど、俺は、拘ってはいるのか)


 自分自身に問いかけてみた。答えはない。

 彼女たちとの別れが、自分に影響を及ぼし、果たして生き方を縛っているのか――。

 そう、悪いことはあって欲しくない。

 確かに失恋というのは、別離というのは辛かった。苦しかった。

 だけれども、そのことを思い出して――今もなお、当時と同じ気持ちになるかは別だ。

 流石にこうも時間が経って、そんなに気にしていたらそれは異常だろう。


 それに――。

 別に、悪いことばかりではなかった。

 というかむしろ、彼女たちとの付き合いを通じて得た財産は多い。良い影響の方が大きく、多い。

 それがなければ、今もこうして、空の美しさを楽しめてはおるまい。

 だから、沈み込むのは、それはそれで間違いであろう。



(ま、そんなに簡単にはいかねーんだけどな)


 そうは言っても、一抹の寂しさは残る。

 もっとも、段々と――吉野に近付くにつれて、あれほどまでに濃かったその気持ちは、なりを潜め始めていた。

 案ずるより産むが易しという言葉があるが、実に自分に合っている言葉だ。

 さきほど赤土晴絵にも言われたが、自分は心底、舞台に上がる役者気質なのだろう。

 何を考えていようが、どう思っていようが、その時になったら心は決まる。

 そういう意味では、切り換えが上手いのかもしれない。


 というかこれも、格闘技などの影響か。

 普段いかなることを思っていても、真剣勝負の場でそれが足枷とならぬように、気持ちを変えられる。

 その時には、その時に見あった表情と精神になる。

 この辺りを指して、宮永照は自分を雲――と証したのかもしれない。

 或いは片岡優希ならば、社会人ならそれが当然と笑うだろうか。


(……ま、んなことはいいか)


 これから自分は、新子憧に会う約束だ。

 学生のとき、しばしば彼女を後ろに乗せて遠出をしたり、遊びに行ったり。

 この間再会を済ませたばかりだが、お互い、あのときは時間が余りなかった。

 離れてからの数年を、語り合うにも少なすぎた。

 これが恋人なら、ベッドの中でしっかりと――となるのだろうが、生憎憧とはそういう関係ではない。


(っと、変なこと考えたな。……赤土さんが、あんなことを聞いてくるから)


 新子憧が果たして、自分とそんな関係を望むかという話だ。

 まあ、望まれたなら望まれたで、悪い話じゃない。

 ただ、余りにも親くて、そんな男女の関係を過ぎている――気がする。


(お……いた)


 徐々に回転数とギアを変えつつ、速度を殺す。

 新子憧は、自動車のボンネットに腰掛けながら、手の内側に着けた時計を眺めている。

 これがスポーツカーなら、実に絵になる美人だ。

 いや、今のままでも、十分であるが――。


「よ、悪いな。待たせた」

「ちょっと景色も見たかったから、別にいいわよ?」

「そう言ってくれると、助かる」


 バイザーを上げて、彼女に笑いかけた。

 退屈そうにしていた硬質の美貌が、花が如く綻んだ。

 視線の先に、目を向けてみる。確かにそろそろ夕焼けに向かう空は、実に具合がいい。

 桜の季節のここも好きだが、どうにも人が多い。

 それよりは、こうして静かな風景の方が好ましい。


「んで、どうして車で? 久しぶりに俺のバイクでって、話じゃなかったか?」

「んー、まあね」

「なんなら別に、お前ん家まで迎えに行ってもよかったんだぜ」

「流石に、彼氏でもない男にそこまでしてもらうのはパス」

「だったら、ついでに立候補するか?」

「ついでで始まる関係なんて御免よ、この軽薄男」


 手厳しいなとヘルメットをバイクにかけて、憧の隣に立つ。

 仄かだが、香水の臭いがした。


「んでさ、本当にどうしたんだ?」

「……何が?」

「なんか、悩んでるだろ? さっきの電話のときもそうだし、今もそうだ」

「……」

「こんだけ長い付き合いだから、お前のことなら分かるぜ」


 はぁ、と憧が溜め息を吐いた。

 ただ、心なしかその大きな溜め息には、観念以上の意味合いも含まれている気がした。

 考えてみるが――それについては生憎、思い当たりがない。

 まあ、ある程度相手がどういう状態か把握できると言っても、すべての思考が読める訳ではない。

 もっとも、よしんば読めたとて……それが闘いでもない以上、読もうとも思わないが。


「……しず」

「――っ」

「やっぱり、か」


 憧が、こちらを見据えてきた。

 やけに静かで落ち着いた瞳。無意識的にでも、表情から何かを気取られてしまうのを防いでいる風でもある。

 そのまま黙って、憧の顔を見る。

 この間会ったときよりも、薄化粧になっている気がした。

 それでいい、と思う。元が整っているのだから、変に乗せるよりもこの方が京太郎の好みではある。

 まあ、そんな京太郎側の気持ちが、女性の常識に通じるかは兎も角として。


「――京太郎。しずに、会わない?」



「……どういう意味だよ」

「別に、変な意味はないわよ。ただあたしは――今のあんたの反応を見るに、会った方がいいと思った」


 それだけよ、と憧が言葉を区切る。

 それから、バツが悪かったのかは知らないが……顔を背けてしまう。

 言葉を選びながら、慎重に問い返す。自分自身の気持ちと話し合って。

 一度口から出た言葉は止められない。現実が、言葉に沿ってしまう。それが言霊だ。

 言ってしまえば、自分自身が、ああそうだなと思う。

 聞こえてしまえば、聞いた誰かは、ああそうだなと思う。

 だから、言葉には力がある。


「……穏乃に、何かあったのか?」

「何かあったら、京太郎はどうするの?」

「それは――、それは……」


 どうするのだろうか。

 どうしたいのだろうか。

 何かをしたいと、未だにそう考えているのか。


「……ごめん。事情を知ってるのに、嫌な聞き方をした」

「いや、いいさ。……そうだな。何か、あったらか」

「……」

「その何かにも、よるよな。病気だってんなら当然、見舞いにいく。悪い男に騙されてるってんなら――」

「言うなら……?」

「野暮で、筋違いで、独りよがりかもしれないけど……止めるか、助けるか、良くたいと思う」


 元恋人であるからするとか、元恋人であるからしないとか。

 そういったことを排除しても――敢えて考えないにしても――やっぱり。

 見知った顔の不幸は、見過ごせない。見過ごしたくない。

 責任というのは、便利で、優しくて、きっと残酷な言葉だ。

 だからそれには、触れない。


「……ま、あんたってそういう奴よね」

「騙されてるのか? それとも、なんか不幸があったのか?」

「別に何もないわよ。安心して」

「じゃあ、なんでそんなことを?」

「んーと……ただ、あんたがどういう男か、改めて確認したかっただけ」


 どういうことかと、首を捻ってみるも答えは浮かばない。

 ただ、新子憧は静かに納得した風であった。

×「野暮で、筋違いで、独りよがりかもしれないけど……止めるか、助けるか、良くたいと思う」
○「野暮で、筋違いで、独りよがりかもしれないけど……止めるか、助けるか、良くしたいと思う」

シリアスで憧がいるとやたら煤けたハードボイルドな空気になる


と思ったけど、肝心なとこでかみまみた


「これから色々勝手なこと言うけど、聞いてて」

「……ああ」

「あんたは――まあ、格好いい奴だと思うわ。少なくともあたしはそう思ってる」


 そんな風に思われていたなんて、新鮮だ。

 思わず茶化したり、おどけたり、諧謔を交えてみたくもなるが黙って聞く。

 今は、そんな場面ではなかった。そんな気分でもない。


「何か一途で、明るくて、気が回って、軽そうだけど真面目で、でも堅苦しくない。ちょっと道化っぽく空かすとこあるのはマイナス」


 そういえば、本当に付き合いが長い。

 高校一年生からだから――もう、何年になるか。

 離れていた期間を考えれば、ひょっとしたら、咲と並ぶか。

 色々、あった。本当に色々と。


「覚えてる? あたしが絡まれてたとき、颯爽と助けてくれたの」

「……ああ。鍛えといて、よかったと思ったよ」

「インカレとか……先輩たちが居なくなって、和も顔を出さなくなった部活を二人で引っ張ったわよね」

「あったな……ああ、楽しかった」

「アスレチックに遊びに行って、登ったはいいけど降りられなくなったあたしを助けてくれた」

「……足場になるって、冴えない形だけどな」

「部活とか、授業とかテストとか……大学でもずっと顔を会わせてたわね」

「ああ。大体お前とつるんでたな」

「色々あったわ」

「色々あったな」


 他愛もない日常も、そうでない日々も――。

 きっと、一番両方の須賀京太郎を知っているのは、新子憧であろう。

 そう、きっと。誰よりも。


「だから、その上で改めて言うわよ。京太郎、あんたは格好いいのよ」

「……」

「確かに、あんたには色々あった。追い詰められたときもあった。でもあんたは、立ち上がった」

「……人の手、借りてもか」

「借りたとしても、立ち上がろうと思わなきゃ相手を引きずり倒して終わりよ」

「……」

「だから、その上で言う。あんたの相棒でも先輩でも恋人でもないけど――ファン一号として、言うわよ」


 一旦、憧は言葉を区切った。




「――もっと、格好つけなさいよ! 何がなんでも、格好つけて!」






 はっきりとそう言い放って、新子憧は須賀京太郎の胸に拳を当てた。

 あの日、抉られた場所。

 放たれた自分の武器が胸を穿ち、電撃が迸り、心に火傷を負わせた場所。

 今は癒えては来ていたが、そこに、あの日の憧が掛けた言葉の再来と共に衝撃。


「京太郎がどう思ってるとか、どんな事情があるとか知らないけど、言わせて貰うわ」

「……なんだ」

「元カノとか元カレとかそういうの抜きにして、それでさ」


 強い瞳で、京太郎を見据える憧。


「自分が今どうしてるのか、しずに伝えてきなさい。いけしゃあしゃあと、飄々と、いつもみたいに格好つけて」


 その表情の殆どは、逆光のせいで伺えない。


「さっきの顔からして、まだ引きずってるとこあるでしょ?」


 新子憧が言うなら、きっとそうなのだろう。

 京太郎が憧のことをおおよそ理解できるように、憧も京太郎のことが解る。

 付き合いが長くなると、そうであった。そうなるのだ。


「だから、どんな形になってもいいから……それを解決してよ」


 だから彼女が言うならやはり――自分は、それを、割りきれてない。

 割りきろうとも、思ってなかった。


「あたしは、あんたの……そんな顔を見たくないのよ」


 割りきろうとも、思ってない。それは今もだ。


「頼むから、ファン一号を失望させないでよ」


 あの日より、自分は経験を積んだ。未成年から、公然と酒を飲める歳にもなった。

 でも本当に大人になれたのかは、常々疑問として付き纏う。

 だけど――。

 だけど――ああ。

 だけど――女にここまで背中を押させて、それが出来ないなんてのは……。

 大人である前に、男失格だ。


「ああ、そうだな……。お前の言う通りだ」

「……そうよ」


 赤土晴絵には、舞台に立つ役者気質だと言われた。

 だけども、そんなに大それた理由なんかじゃない。これはそんな、性質云々の話だ。

 情けないのが嫌だ。

 失望されるのが嫌だ。

 格好悪くへらへら笑うなんてのは御免だ。

 そんなのは恥ずかしくて、甘んじるなんて悔しすぎる。


「会ってくるよ、穏乃にさ。……そんで、今の俺のこととか色々伝える」

「そうしなさい。そうしてくれると、あたしも嬉しいから」

「ああ、そうするから」


 言って、バイクに跨がる。

 ヘルメットを再び被って、上げたバイザー。


「悪いけど、俺は行くけど……一人で平気か?」

「ついでに、買い物に行こうと思ってたしね」

「そっか。じゃあ、悪いな」

「ま、門前払いされたら……自棄酒くらいには付き合ってあげるから」

「つまり、どっちに転んでも俺は美味しい訳だな」


 軽口を交わしつつ、バイクの用意を調える。

 唸り声をあげる鉄の馬が、静かに血液を巡らせた。

 そんな速さへの胎動を感じつつ、「ああ、そういえば」と京太郎は口を開いた。


「俺も、お前に思ってることがあるんだけどさ」

「なーに?」

「お前、自分で知ってるかわからねーけど……お前もかなり、格好いい女だぜ」


 じゃあまたと笑い上げて、咆哮と共に駻馬は動き出す。

 疾風を帯びた男の影が、夕日を衣裳に過ぎ去って行く。

 そんな様子を眺めて――。


「……あんたの前だからよ」


 新子憧は、小さく呟いた。



  ◇ ◆ ◇



「よう、今暇か?」

「へっ……あのさ、お客さん。ちょっとそういうのは……」

「……いや、影が薄いとは知ってたけど。マジに凹むぞ、これ」

「あの……どういう……」


 見慣れぬライダージャケットの男に、その店員は目を白黒させていた。

 そんな風に声を掛けてくるなど、性質(たち)の悪い相手だと思われたのか。

 やれやれと、京太郎は息を吐こうとして――止まる。

 それよりも先に、その女性が口を開いたからだ。

 見開いた目の色が変わる。

 当惑から、困惑混じりの驚愕に。そして、それから――。


「うそ、京太郎……?」

「嘘じゃねーよ。ま、こんなイケメンが世界に二人と居るなら話は別だけどな」

「あ、え……」


 そういえば、穏乃と別れたときの自分は、こんなキャラではなかったっけ。

 いや、別に今も普段からそうという訳ではないが……。

 いつの間にか、この手の台詞を言うことへの恥ずかしさがなくなっていた。

 これじゃあ、格好つけ野郎なんて言われても否定できない。

 ……まあ、今だけは。

 今日だけは、精々目一杯格好をつけさせて貰おうか。


「……なんで、ここにいるのさ」

「こっちで仕事があって、その前にここで落ち着こうと休暇とった」

「そっか……」


 答えあぐねるように、穏乃の目線がさ迷う。

 それを眺めつつ、京太郎も辺りを見回した。

 近くに人影はない。客もいないし、ここで話すのもいいかもしれないが――。


「少し、時間取れるか? 色々話したいことがあるんだ」


 思った以上に、言葉はすんなり出た。却って拍子抜けするほど。

 やはり、舞台に上がってしまえば自分はこうなるらしい。

 ここからはあの日の京太郎であり、あの日からの京太郎。

 そして、オカルトスレイヤーとなった自分の時間だ。


 ショータイムだと、心の中で呟いてみた。


 奥に引っ込んでやや置いたのち、高鴨穏乃が顔を出した。

 パーカーに、Tシャツ。パンツルックだった。

 戸惑いがちな視線ではあったが、格好から考えても、店を抜ける許可は得たらしい。


「なんて?」

「思い付かなかったから……ちょっと、憧に呼ばれたって言っといたけど……よかったかな」


 まあ、確かにそれもある種は真実だ。嘘から出た真と言おうか。

 最初はてっきり憧が呼び出してくれているか――と思ったが、よく考えたらそれは駄目だ。

 穏乃と憧の仲に置いてはありえないと思うが、余計な邪推を生むことになる。

 マジックの基礎と一緒。

 それが意味のある行為でないなら、余計な注目を集める場所を作らないのだ。


 そうして、目指す先は決まっていた。穏乃もそれを察したのだろう。

 常識的に考えたら、あまりしようとは思わない――特に坂道が多い場所で――だろうが、身体を寄せて大型の愛車を手押しする。

 穏乃がそれを、物珍しそうに見ていた。

 だけど、声は掛けない。お互いに無言で、目的地へと歩き出す。

 そう――あの日の公園へと。


 お誂え向きに誰もいない。

 高さのある遊具がひとつ減って、代わりによくわからないバネの平均台が導入されていた。

 まだ、この公園は忘れ去られてないのだろう。

 そう思うと無性に嬉しくなるが、そこだけ真新し遊具はどこか場違いだ。

 今の自分達二人のように。


「さて、ここまで着いてきてくれたってことは――話を聞いてくれるってことだろうけど」

「……そうだね」

「その前に……ポニーテールやめたのか?」

「さすがに子供っぽいってさ。憧に言われて……店に立つとき以外は」

「そっか。そっちも似合ってんな。……昔、そう言ってもあんまやってくれなかったのに」

「……ごめん」

「いや、違う。そういう意味じゃないんだよ。ただ、お互い時間が経ったって、言いたかった」


 別に何も、咎めるつもりで言ったんじゃない。

 ただ、捉えようによってはそう聞こえるのも事実ではある。

 別れた男の、フッた男の言葉なら――尚更そうか。

 無理もない。

 自分でそう言ったように、時間が経ってしまったのだ。あれから。

 互いに、相手は変わっていないと思いたい。信じたい。

 だけれども、現実がどうなのかって不安はいつだってある。


「とりあえず――お前に会ったら、これだけは言おうと思ってた」

「……」

「ありがとう。お前の言葉のお陰で俺は――誰かの涙を止められた」


 あの、二人の魔物級の少女――後に聞いたら龍田早苗と九頭竜琉生というらしい――との戦い。

 彼女たちの気持ちを推し量り、だからこそ勝とう/勝たねばと思ったその仕合。

 相手の絶対的な能力に心が挫けそうになったそのときに。

 京太郎を再び立ち上がらせたのはあくる日の、高鴨穏乃の言葉だった。

 日常の波に追い立てられて、遠く忘れてしまっていた言葉。

 それが、すんでのところで京太郎を助けた。

 そして、二人の少女たちを――救った。


「俺はあれから、プロになった。麻雀を続けて、負けても勝てなくても続けて、プロになった」

「……」

「何度も挫けそうになった。腐りそうになった。辛いことも、多かった。プロになる前も、なってからも」

「……」

「ひょっとしてお前は――俺にそこまで求めて約束したんじゃないかもしれない」


 確かに――。

 麻雀を続けて欲しいとは言われこそすれ、プロになってくれと穏乃は言わなかった。

 あの日の自分には、それは馬鹿らしいほど遠すぎる目標だったから。

 だから恐らく、穏乃からしたらここまでなっているのは予想外であったのかもしれない。

 京太郎は麻雀が好きだった。強くなりたかったし、勝ちたかった。

 でもだから、プロになるのとは繋がらない。


「それでも、ありがとう。俺にきっかけをくれて……本当にありがとう」


 勿論、穏乃との約束があったから、それだけではない。

 それだけを理由にできるほど京太郎は強くもないし、弱くもない。

 でも彼女の言葉は、プロ雀士須賀京太郎の土台の、紛れもないひとつであろう。


「俺は今――麻雀を、楽しんでるよ」



 やや置いて、高鴨穏乃は言葉を漏らした。


「……そっか、麻雀楽しんでるんだ」


 嬉しさも、寂しさも、喜びも、安堵も混じった言葉だった。

 彼女は――きっと優しい彼女は、自らが重荷を背負わせてしまったなんて思っているのかもしれない。

 確かに自分は彼女の言葉に縋った。

 彼女の言葉を道標に、たったひとつの道標として歩き出した。

 勝てなくても、負けても……何度それを繰り返しても、麻雀に拘った。

 辛くて苦しくても、折れかけて茨の道に紛れても――自分は進んだ。進もうとした。

 ときには、その約束自体が辛苦となって降りかかった。


 でも――。


 そういうのを全部含めて、自分は麻雀プロになった。プロになることができた。

 多分、ここまで届かせようと、進むことはなかった筈だ。進んでも届かなかった筈だ。

 空の星に手が届いたのは、高鴨穏乃との約束であり、故の夢乃マホへの敗北であり、鷺森灼との邂逅だ。

 きっかけがあって、支えてくれるものがあり、立ち上がる思いがあったからこそ。

 自分はこうして、プロとしてここにいるのだ。


 辛いことも苦しいことも多く、未だにままならないことばかりだけど。

 それでも自分は幸せだった。

 好きになってしまった特異な存在に手を伸ばすことができた。

 憧れであった相手に、喰らいついていられる土俵に並ぶことができた。

 麻雀を通して、素敵な人々と知り合うことができた。

 そんなのを抜きにしても――。


 大好きだった麻雀を、打って生活することができている。


 だから、須賀京太郎は幸せだった。



「それを伝えに来たの? 奈良まで?」

「ああ。テレビでは情けないところを見せちまったし……ひょっとしたら、お前が気にしてるんじゃないかって」

「それは……」

「誰かの涙を止めるなんて言って、俺が泣かせてりゃ世話ないからさ」


 涙目程度と、嬉し泣きはカウントしないで。

 それを言ったら、いよいよどうにもならなくなるので許して欲しい。

 つまりは、心の涙という意味である。


「それと、お礼だな。本当にここまで、ありがとうって……伝えたかった」

「こっちこそ、京太郎みたいなトッププロがそう言ってくれてさ」

「おう」

「私との約束を守ってくれてたって、言ってくれて……嬉しいんだ」

「……おう」

「――ありがとうね、京太郎」


 だからこそ、ここから先は謝らなければならないだろう。

 自分の胸に、彼女の言葉は――出会ってきた少女たちの言葉は、血肉となり同化している。

 それは、今の京太郎を成り立たせる肉体の一部。


 でももう、道標は必要ない。

 ここから先は、自分で進んでいくと決めた。すべてを受けた上で考えた。

 道標は、自分自身の心であり覚悟である。

 その気持ちを胸に――進むべき道を、己の意志で切り開いていく。己の手で。


「俺の今までは、誰かや何かを言い訳にしてたのかもしれない。お前との約束も」

「……京太郎?」

「そういうのはもうやめだ。俺がやりたいことを、俺の責任でやる番だ」


 勿論、約束を捨てるなどとは言わない。

 約束は約束、言葉は言葉。自分の意志は、自分の意志。

 ただ、それに負んぶに抱っこはもうやめだ。杖として頼りすぎて、約束自体を歪めなどはもうしない。


「だから――こっからはオカルトスレイヤーの第2部だ!」


「え? いや、えっ?」


 唐突な変化に、よくも事情が飲み込めていないのだろう。

 高鴨穏乃は、ただただ目をぱちくりぱちくりと閉じたり開いたりを繰り返す。

 まあ、いきなりこんな事を言っても判らんだろう。

 判らんよな。


「どうした、穏乃」

「いや、な、なんだか凄いってのは判ったけどさ……何がなんだか、さっぱりで」

「それだけ判れば、十分だぜ」


 要するにつまり、こっからは……くよくよしないって、それだけだ。

 別にどうするのかは決めていない。まるで未定だ。

 勿論、ぼこぼこにやられりゃあ凹むだろう。

 ままならなければ苦しいとも思うし、どうにもならないって絶望するときもあるだろう。

 ただ、諦めない。腐らない。気負い過ぎない。燻らない。

 こっからは、そんな自分でいく。


「……とりあえずさ」

「あ、急に落ち着いて話すんだ」

「ま、今日だけだとしても……あのときできなかったことをひとつ、やりてーんだ」


 お礼とか、感傷とか、諸々全部含めて――吹き飛ばして。

 そうしてみたいと、やってみたかったことを。できなかったことをひとつ実行する。

 穏乃に、ヘルメットを投げ渡した。

 咄嗟に受け取りはしたものの、「何ゆえ」と首を傾げる彼女に、笑いかける。


「――折角だし、こいつでどっかに行かないか?」


 ひとつ、やってみよう。これが新しいスタートだ。

 穏乃との関係をどうしようとか、これから先をどうするかなんて考えない。

 お互いの未練とか、慕情とか、事情とかも構わない。

 そんな未来なんてきっと――お互いに下手に踏み込みはしないだろう。


「――うん! これ、見たときからずっと気になってたんだよねー!」


 でも。

 そんなのは兎も角としても。

 あのときは出来なかった事をひとつ、ただやってみるのも好いと思えた。


 そしてバイクは気の向くまま、あの日を下ろして走り出した。

 その風で、ブランコが静かに揺れていた。



【新子憧の好感度が上昇しました!】

【松実玄の好感度が上昇しました!】

【鷺森灼の好感度が上昇しました!】

【松実宥の好感度が上昇しました!】

【赤土晴絵の好感度が上昇しました!】

【高鴨穏乃の好感度が上昇しました!】


>須賀京太郎のステータスが更新されました

13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎
ベーススタイル:『技術昇華』

攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40
技術:60/60 幸運:10/10 気力:80/80
※(40+60)/2+15=60 コンマ30以上にて聴牌
※40×(10+60/2)=1600 これをコンマ一桁倍

★麻雀スキル
・『情報(0)』
・『分析(0)』
・『対策(0)』
・『オカルトスレイヤー(10)』
・『最古の害虫(10)』
・『偽・闇を裂く雷神(10)』
・『偽・神眼の拳闘家(10)』
・『偽・悪魔の天敵(10)』
・『偽・天上の荒武者(10)』

>ミスった
>ようは気力が増えたんだ


13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎
ベーススタイル:『技術昇華』

攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40
技術:60/60 幸運:10/10 気力:80/80
※(40+60)/2+10=60 コンマ40以上にて聴牌
※40×(10+60/2)=1600 これをコンマ一桁倍

★麻雀スキル
・『情報(0)』
 事前に、牌譜や映像などを収集する。
 コンマ判定により、収集できる情報量が変化する。
 なお、この技能は闘牌以前にしか使用不可能。

・『分析(0)』
 技術+判定コンマ=100以上にて、対象の分析が完了。この判定は半荘毎に行える

・『対策(0)』
 『分析』済みの相手との闘牌に際し、1名につき技術+5

・『オカルトスレイヤー(10)』
 オカルトという独自の論理を読みとき、それを推理や読み、戦いの足掛かりにする技能。
 分析済みの同卓する面子の能力により、聴牌判定に正の補正を得る。
 この効果はあらゆるオカルトにより無効化されず、変更されない。

・『最古の害虫(10)』
 飛蝗が群生相となるように――卓上の流れが密集し、膠着することにより京太郎の読みは威力を増し、山に及ぶ。
 全員の聴牌判定が一定範囲内の場合発動可能。
 和了判定時、自身の速度を技術で代替して割合を算出し判定を行い、
 自身の和了による打点判定時には、攻撃力を技術で代替する。

・『偽・闇を裂く雷神(10)』
・『偽・神眼の拳闘家(10)』

・『偽・悪魔の天敵(10)』
 聴牌判定差一定以内の相手のツモ・ロン和了を妨害し、その他聴牌者の和了に変更する。

・『偽・天上の荒武者(10)』
 自身のロン和了及びツモ和了時に発動可能。 和了の対象を聴牌判定値一定内から選択する。

>ミスった

・『最古の害虫(10)』
 飛蝗が群生相となるように――卓上の流れが密集し、膠着することにより京太郎の読みは威力を増し、山に及ぶ。
 全員の聴牌判定“コンマ”が一定範囲内の場合発動可能。
 和了判定時、自身の速度を技術で代替して割合を算出し判定を行い、
 自身の和了による打点判定時には、攻撃力を技術で代替する。


まあ、これから先はあんまりにもアレじゃなきゃ(運が常人並み)、ある程度麻雀系の安価も無理なくいきますってことで
一応、一方的なミンチは避けられる模様

好感度

★7
ハギヨシ:師匠にして友人にして悪友にして戦友。この人抜きじゃ生きていけない
大星淡:やたら絡んでくるアホの子ライバル。麻雀人生をやってもいいよ。おもち柔らかかった。可愛いっちゃ可愛い

★5
弘世菫:菫さんは最高です! 菫さんのおかげで戦えるんです! 菫さんを目標に大学決めました!
宮永照:強大な目標。勝負事では頼りになる人。なんか放っとけない

★4
宮永咲:気のおけない幼馴染み。絶対の目標にして憧憬を覚えさせた存在
辻垣内智葉:姐さん、一生ついてきます! 姐さんがいたからあの大学に……からかうのヤメテ!
小走やえ:やえさん、やえさん! あのさ! やえさん、俺さ……! ねえ、やえさん! あのですね……! わん!
赤土晴絵:師匠! 師匠がいなかったら俺は……
松実宥:なんでも共演。寒がり大変そう。正直おもちあるし結婚したい

★3
新子憧:高校大学と、本当に世話になった女友達。いい女。何年後かで、お互いフリーなら結婚したい
松実玄:男として見られてないけど正直結婚したい
高鴨穏乃:元恋人。ありがとう……穏乃、本当にありがとう……


★2
亦野誠子:お互い大変っすよねー……今度、海釣り行きましょうよ!
国広一:一さんといると落ち着くんだよなぁ……
片岡優希:いい女になったな
東横桃子:消えても追える
龍門渕透華:すっげえスポンサー
小瀬川白望:シロさん、元気そうでよかったなぁ
原村和:初恋……だったんだ
対木もこ:小動物可愛い
姉帯豊音:大きな小動物可愛い
三尋木咏:流石の火力っすね……三尋木プロは
鶴田姫子:頭おかしいんじゃないですか、あんた
夢乃マホ:可愛い可愛い後輩。何かあったら、今度こそは俺が止める

★1
佐々野いちご
瑞原はやり
小鍛治健夜
愛宕洋榎
愛宕絹恵
野依理沙
渋谷尭深
竹井久
染谷まこ
花田煌
加治木ゆみ
新免那岐
福路美穂子
白水哩
江崎仁美
天江衣
薄墨初美
石戸霞
滝見春
狩宿巴
(鷺森灼)

押し寄せる怒濤の奈良

オカルトスレイヤーの発動タイミングは半荘ごとの最初でオートやね


それじゃあ綺麗に地雷回収が終わったので、次は闘牌やって、掲示板に戻ります
なお、闘牌については奈良に行く前の出来事なんで……そのあたりを……

おやすみー

どうでもいいけど、アレキサンダー先輩の奥さんって教育学部出身だったよね
いや、どうでもいいけど

中島みゆきの「空と君のあいだに」を聞いてくれたら大体憧の心境に近いんじゃないでしょうかね


ちゃんと、ボウリングはあとあとやるねん
飲み会もやるねん


時系列順だと以下(ちょい修正)

プロローグ
 ↓
天江衣、新人女流王
 ↓
(オカルトスレイヤーKYO)
 ↓
松実宥ふぁんすれっど
 ↓
SUGA'sキッチン
 ↓
大星淡に三倍満直撃
 ↓
熱愛発覚。飯屋で遭遇
 ↓
VS照・透華・玄
 ↓
MOCO's キッチン
 ↓
孤独じゃないグルメ
 ↓
プールに浮かぶ水死体
 ↓
やえさんとタッグフォース
 ↓
突撃、隣の辻垣内組
 ↓
PK勝負
 ↓
写真集発売
 ↓
夏休み麻雀教室
 ↓
インハイ解説
 ↓
ワールドイズマイン/君の知らない物語
 ↓
★(VS照・憩・智葉)
 ↓
人為変態戦士マーズレッド
 ↓
同然だった自分の隣に&彼に同行、女の子
 ↓
須賀プロ執事体験
 ↓
鹿児島、行こう
 ↓
YOU's キッチン
 ↓
ブランコを漕いだ日/積乱雲グラフィティ
 ↓
10/27 愛に気付いてください(咲ちゃん誕生日ネタ)
 ↓
(秋)咲ちゃんファンスレ

間違えたわ。正しくはこうで


写真集発売
 ↓
夏休み麻雀教室
 ↓
ワールドイズマイン/君の知らない物語
 ↓
インハイ解説
 ↓
★VS照・憩・智葉
 ↓
人為変態戦士マーズレッド
 ↓




【VS 宮永照・荒川憩・辻垣内智葉(楽屋編)】



京太郎「……ふう」

京太郎(インハイの解説はまあ、大丈夫そうだな……あの人たちなら)

京太郎(それよりも、俺が気にするのはこっちだぜ)


 手元の紙面に目を落とす。よく調べてあると言う他ない。



 【3位 「赤き腕を持つ帝王」 荒川 憩


  技術と引きに由来する堅牢な防御力と、一定の打点を有する。

  これだけでも十分上位ランカーに通用するレベルであるが、

  更に恐ろしいのはその防御力を突破したその先だ。

  あたかも折れた骨がより太くなって再生するように、彼女の引きは更に強くなり、

  己の受けたに等しいほどの打点の攻撃を組み立て上げて、しばしば点棒状況を回復する和了を見せる。】


 【9位 「悪魔の天敵」 辻垣内 智葉


  他のランカーのように特異な打ち筋を持たないが、鉄火場の微細な感覚を察知し、

  その鋭敏な感覚を元に、他者を利用しつつ立ち回るスタイル。

  ある程度の打点を備えた速度のある攻撃を得意とするが、

  強烈な攻撃力や堅牢な防御力、特殊な牌の偏りを持つ相手には、若干劣勢となる。

  また、毎局全てその神憑り的な速度を発揮できないらしく、スタミナ的な意味での不安が残る。】



京太郎(……よく、調べてあるぜ)

京太郎(で、俺は――)



 【13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎


  基本的にオーソドックスなデジタル打ちではあるが、対戦者を研究し、

  アナログな技術をベースとした論理と分析、推察と駆け引きを以って立ち回るプレイスタイル。

  そんなスタイルが故に、牌の偏りを引き起こす相手とは、却って相性が良いらしい。

  しかしながら、不運というほどではないが上位ランカーと思えぬほどの引きの弱さがあり、

  引きと配牌などの状況によっては、時には何もできずに、無惨に叩き潰されることもある。    】



京太郎(……ま、合ってるよ。知ってるさ、んなのは)

京太郎(余計なお世話だっていいたいけど……悔しいくらい事実だしな)

京太郎(それでもまあ、諦めねーよ)

京太郎(折角できた、二人のちっちゃなファンのためにもな)


京太郎(さて……牌譜の確認も終わったけど、あんまり意味があるかはわからねー)

京太郎(基本的に、皆が皆……形には拘ってないからな)

京太郎(多彩な技を持つか、場に対応していくか……どっちかだ)

京太郎(敢えて言うなら、照さんも憩さんも面前傾向が強い)

京太郎(辻垣内先輩は……半々だな。鳴いたら手牌や進み状況を悟らせちまうが……)

京太郎(あの人は敢えてそれを見せ弾にも使うし、見せ弾と思わせて本気で和了もする)

京太郎(和みたいに、完全に回りを一切ケアしなくても勝てるタイプならそんなものには引っ掛からないが……)

京太郎(つってもさ……)

京太郎(そもそも、ケアをしない完全デジタルで生き残れるほど、この世界は甘くない)

京太郎(何千試合と打てば、やがてはデジタルじみた確率に収斂するのが、本来的な麻雀であるけど……)

京太郎(そんなものに収まらない、絶対的な牌の偏りがある)

京太郎(……絶対的ならそれは、ひとつの論理だ)

京太郎(確率と同じほど確かな論理が確率の枠に収まる訳がないよな)


 例えば、やろうと思えば毎局ダブリーが打てる。

 例えば、嶺上牌を知る。

 例えば、自分の和了を運命付ける。

 例えば、例えば、例えば――――。


京太郎(ただ、だからこそ……確率なんて不確かなものじゃないだけ)

京太郎(俺にも喰らいつく余地があるんだ)

京太郎(……っと)
 
京太郎(メールか。送信相手は――ハギヨシさん!?)

京太郎(やべっ、ハギヨシさんかぁ……ハギヨシだよなぁ……)

京太郎(なんかあったのか?)

京太郎(いや、普通に日常会話だったりも、するかも……)

京太郎(あの人も意外にお茶目だもんなぁ……)

京太郎(……そうだ)

京太郎(電、話、し、て、く、れ、て、も、大、歓、迎、で、す)

京太郎(っと)


京太郎(……)

京太郎(送ってから気付いたけど、これ電話せびってるみたいだよな)

京太郎(やっべ)

京太郎(あー、よく考えろよ、俺)

京太郎(ハギヨシさん、面倒な奴だとか思わないでくれたらいいけど……)

京太郎(……)

京太郎(……まだ、メール届いてないのか? 打ってんのか?)

京太郎(んー、どうなんだ)


ハギヨシ『――もしもし?』

京太郎「あ、はい! もしもし、ハギヨシさんっすか?」

ハギヨシ『私だ』

京太郎「お前だったのか」

ハギヨシ『暇をもて余した』

京太郎「神々の」

ハギヨシ『遊び』

京太郎「……って、なにやってるんスか!?」

ハギヨシ『おお、流石のノリツッコミ。本場の方は違いますね』

京太郎「せやろ? せやろ? いやー、ワイは生まれも育ちも大阪の堺やさかい……」

京太郎「……って、何を言わせるんですか!」

ハギヨシ『いや、ついつい面白くてやってしまいまして……』

ハギヨシ『そいでん、うちんことば嫌いにならんでね』

京太郎「そら、好きって……変なこと言わせんでよ! 嫌か言えんて、知っとーとね!」

ハギヨシ『知っとーとよ! うちも、須賀んこといっちゃん好きっちゃけんね!』


京太郎「……」

ハギヨシ『……』

京太郎「……俺ら、何してるんでしょうか」

ハギヨシ『……流石にやりすぎましたね』

京太郎「正直、大の男二人がやることじゃねーっすよ」

ハギヨシ『本場の人たちに聞かれたら、殺されそうですね』

京太郎「まあ、俺がハギヨシさんを守りますけど」

ハギヨシ『ふふ……では、私が京太郎くんを守りますね』

京太郎「ずっと、一緒ですよ?」

ハギヨシ『ええ』


京太郎「……」

ハギヨシ『……』

京太郎「……普通に気持ち悪いっすね」

ハギヨシ『流石に今のはなしですね。異性に言われるならともかく』

京太郎「ハギヨシさん、実は男装の麗人だったりしませんか?」

ハギヨシ『いえ。そういう京太郎くんも、本名は須賀京子であったりは?』

京太郎「いえ、残念ながら」


京太郎「……で、どうしてこんなやり取りを?」

京太郎「いや、別に特に意味はなくても大歓迎っすけど」

ハギヨシ『……いえ、その、野暮で失礼かと存じ上げますが』

ハギヨシ『透華お嬢様から、本日の対戦カードについて伺いまして……』

ハギヨシ『その、なんと言おうか……』

ハギヨシ『いわゆるひとつのエールとか、緊張を解して欲しいな……と』

京太郎「……」

ハギヨシ『いえ、あの、京太郎くんのことを疑っている訳ではないのですが……こう、なんとなくですね』

ハギヨシ『その……同性の友人というのが、今まで数限られていましたので……なんというか』

ハギヨシ『年甲斐にもなくはしゃぎ過ぎたというか……』


京太郎「……ハギヨシさん」

ハギヨシ『なんでしょうか……?』

京太郎「本当の本当に、男装の麗人だったりしませんかね?」

ハギヨシ『いえ。そのような事実は全くありませんね』

京太郎「残念だなぁ……」

ハギヨシ『それこそ、京太郎くんこそ……我々は歳が離れてるといっても、かけがえない友人です』

ハギヨシ『気軽に、実は須賀京子だったと打ち明けて頂いてもよろしいんですよ?』

京太郎「いえ。そんなオカルトはありえませんね」

ハギヨシ『スレイヤーされちゃいましたか』

京太郎「スレイヤーしちゃいましたね」



ハギヨシ『あと、国広さんから伝言です』

京太郎「お、一さん!」

京太郎「あの人、なんて言ってましたか?」



ハギヨシ『「格好いいところを見せたら……あとでボクが、波紋入りキスをしてあげるよ」』

ハギヨシ『「今なら脱ぎたてのパンティもあげちゃう!」』

ハギヨシ『「まあ、あんまり無理はし過ぎないでね。君でも難しいと思うから」』


ハギヨシ『だ、そうです』

京太郎「……」

京太郎「……いやまあ、冗談ですよね」

ハギヨシ『まあ、いつもの京太郎くんとのじゃれあいではないでしょうか』

ハギヨシ『文章にすると、あまりにアレですが』

京太郎「流石にアレですね」

ハギヨシ『ええ』

京太郎「……まあ、一さんって普通に可愛いですよね? おもちはないけど」

ハギヨシ『整っているとは思います。スタイルが今一つ残念ですが』

京太郎「……で。それで、こう……なんていうか、いつもよりちょっとアレな台詞が飛び出すじゃないですか」

ハギヨシ『飛び出しましたね』

京太郎「……ってなると、逆にフラグだと思えませんか?」

ハギヨシ『ああ、逆に』

京太郎「はい、逆に」


京太郎「で、仮に俺が……あくまで仮に格好いいところを見せるとしますよね」

ハギヨシ『はい』

京太郎「で、そちらに顔を出したら……なんて言われると思います?」

ハギヨシ『……そうですね』

ハギヨシ『「あれ、もしかして本気にしちゃった? らしくないなぁ、京太郎くん」』

ハギヨシ『「それとも、本気でキスしてあげよっか?」』

ハギヨシ『……的な感じですかね?』

京太郎「流石にデレ過ぎてる感じですけど、まあ多分そんな感じっすよね」

ハギヨシ『ええ』

京太郎「で、俺が仮にそこで……本気ですって肩を掴むとするじゃないですか」

ハギヨシ『はい、したとして……』

京太郎「あの人、どうすると思います?」

ハギヨシ『あー……国広さんが、そうなったらどうするか、ですか』

ハギヨシ『多分まず、若干頬を引き攣らせながらまだ余裕ぶろうとしてきたり……或いはからかってきますね』

京太郎「ああ、ありそう」

京太郎「そこで俺が押したら……どうなりますかね」

ハギヨシ『多分、「え? 本気?」とかの冷静な呆れか……。「ボ、ボクと君は、友達じゃ……」みたいに慌てるか』

ハギヨシ『そんなところじゃないでしょうか?』

京太郎「そうなりますよね」


ハギヨシ『……で、なんでこんな話を?』

京太郎「いや、パンティあげちゃうって言われて……そもそもあの人履いてるのかなとか」

京太郎「よく考えたら、あのファッションは本当に痴女痴女しくないか?――とか」

京太郎「あの人羞恥心とかあるのかな。それとも誘い受けなのかな……なんて思って」

ハギヨシ『ああ、なるほど』

ハギヨシ『流石に下の方の下着はつけていますよ。その程度の羞恥心はあるかと』

京太郎「ですよね」

ハギヨシ『ええ』

京太郎「……ハギヨシさん」

ハギヨシ『何でしょうか?』

京太郎「僕っ娘、いいですよね」

ハギヨシ『いい……僕っ娘、いいです』



京太郎「もしも、仮に……あくまでも仮にですよ?」

ハギヨシ『はい、仮にですね。あくまでも、仮に』

京太郎「一さんが、スカートの裾を押さえながら――」


京太郎「本当に、ボクで良かったの……?」


京太郎「なんて言ってきたら、どうしますか? ちょっと震えながら」

ハギヨシ『七孔憤血しますね。間違いなく』

京太郎「まあ、瞬間最大風速的にはおもちを上回りますよね?」

ハギヨシ『そこまで可愛かったら、もう、胸とかどうでもよくなりますね』

京太郎「ですね」

ハギヨシ『……いや、やっぱりアンバランスな肉体で僕っ娘が好きですね』

ハギヨシ『確かに、今のは今ので悶絶すると思いますけど』

京太郎「ズルいっすよ! 俺もそっちの方が好きです!」

ハギヨシ『でもそんなこと言って、国広さんの方が好きなんでしょう?』

京太郎「そ、それは……その……」

京太郎「いや、一さんは一緒にいて楽しいっつーか……悪友的な何かっていうか……」

ハギヨシ『ふふっ』

京太郎「……なんすか?」

ハギヨシ『いや、おもちだ何だって言っても、京太郎くんは結局はその辺りを重要視しない人だなー……と』

京太郎「……本当はもっと縁が欲しいんですけどね」

ハギヨシ『同感ですね』


京太郎「ありがとうございます。だいぶ、リラックスできました」

ハギヨシ『それは何よりです』

京太郎「じゃあ、また」

ハギヨシ『ええ。たまにで良いので、こちらにも顔を出していただけたら幸いです』

京太郎「了解っす!」

ハギヨシ『では……』



すまんち。落ちてた

ハギヨシさんパートは終了やねん
ちゃんと、他の上位陣にも出番はあるでなー

しずと一緒に15~20キロくらい、ゆっくりと走りたい

2000から始めますよーぅ

おまたせー

あ、やっぱり京咲はナンバーワンだと思いました(小並感)


京太郎「……やっぱりハギヨシさんは最高だな」

京太郎「あー」

京太郎「陽介たち元気にしてっかな」

京太郎「また、どっかであいつらと飲みでもしたいところだけど……っと」


 ノックの音に、体を起こして眼鏡を外す。

 ある程度の遮光機能がついた代物で、気休め程度に使用していた。

 今のままの打ち方では、そうプロとしての寿命は長くないだろう。

 眼球を最大まで利用するこの打ち方では、シニアになっても続けるのは殆ど困難と思われた。

 だから、少しでも寿命を伸ばすケアを怠ってはいないのだ。


京太郎「どうぞー」

菫「失礼するぞ」

京太郎「あ、弘世先輩!」

菫「いいから、座ってろ。……これは差し入れだ」

京太郎「ありがとうっす!」

京太郎「あ、お茶いれましょうか?」

菫「いや、これはお前への差し入れだからな……」

京太郎「そんなこと言わずに、一緒に食べませんか? 二人で食べた方がおいしいですよ」

菫「そ、そう――、いや……でもな」

京太郎「ちょっとぐらい、ゆっくり話したいかなーって」

菫「……。……まあ、そこまで言うなら仕方ないな」

菫(……後で踏み台昇降の時間を増やせばいいか)

京太郎「じゃあ、用意しますねー」


菫「……」

京太郎「……」

菫「……」

京太郎「……」

菫「……ん、旨いな」

京太郎「この、卵の黄身って感じが実にいいですね」

菫「中の餡もさっぱりしていて、小豆っぽさを感じさせないな」

京太郎「丁寧に濾してありますね、こりゃあ」

菫「作り手の然り気無い気遣いが感じられるな……そうそう、こういうのでいいんだよ」

京太郎「水っぽさがないのに瑞々しくて、でも薄くはなくて……それでいてしつこすぎない」

菫「本当に丁寧な作りなんだな。ああ、こういう押し付けがましくないのがいい」

京太郎「やっぱり、ひとつの料理は料理ですから」

菫「店で食うなら、また違うんだけどな」

京太郎「あ、注ぎます」

菫「悪いな」

京太郎「……」

菫「……」

京太郎「もうひとつは黄身餡のお菓子ですか」

菫「好きなんだよな、黄身が」

菫「ただ……黄身と黄身が被ってしまったな、これは」

京太郎「ガワが黄身なのと、餡が黄身なのとは別物じゃないですかね」

菫「そうか? それならいいが……」

京太郎「まあ、どっちも美味しそうなんでありがたいっすよ」

菫「ん」


菫「……」

京太郎「……」

菫「……そういうお前は、お茶が残ってるな」

京太郎「ああ、猫舌なんですよ」

菫「……そうか。なんなら、ふーふーしてやってもいいが……?」

京太郎「弘世先輩みたいな美人さんにされたら、今度は顔が熱くなっちゃいますよ」

菫「……ん、あ、ああ。そ、そうか」

京太郎「はい。……つーかそれ、流行ってんスか?」

菫「……相手にふーふーする、って奴がか?」

京太郎「はい。この間……大星の奴にも、んな風にからかわれたんスよね」

菫「ほう」




京太郎「本当、あいつってこっちにちょっかいだしてくるんですよね」

京太郎「それでいて……なんか、微妙に邪険にされてるというか」

菫「そうか?」

菫「アイツはまあ、照以外にはそういうところがあるからな」

菫「というか、あのときの――淡が入った年の心的疲労は凄まじかったな」

菫「片方はぬぼーっとしてるし、もう片方は慇懃無礼であり子供っぽいし」

京太郎「……ああ。お察しします」

菫「すまないな。なんか、押し付ける形になってしまって……」

京太郎「いや、別に構わないっすよ。俺もそういうの、嫌いじゃないですから」

菫「そう言ってくれると、本当に有り難いよ」

菫「……」


菫「……」

菫「……そ、そのだな」

京太郎「はい?」

菫「その……実は照や淡と交際しているとか、そういうのはないよな?」

京太郎「俺が……ですか?」

菫「お前以外に、誰がいるんだ」

京太郎「いやー、どうだろ。ないんじゃないですかね。つーか、ありませんよ」

菫「……そ、そうか。なら良かった」

京太郎「照さんは……まあ、ちょっとこっちに頼ってきてくれてますけど、そういうのじゃありませんでしょうし」

京太郎「大星については、言わずもがなですね」

京太郎「多分、俺と付き合うなんてことになったらアイツ……ショックで入水するんじゃないですか?」

菫「……そこまでか?」

京太郎「多少は話してくれるようになったし、打ち解けましたけど……まだ目の敵みたいな扱いされてますからね」

菫「……そうか」

菫「ハブられてなかったか」

京太郎「?」





京太郎「……あ」

菫「どうした?」

菫「あと、この梅昆布茶旨いな」

京太郎「あざっす」

京太郎「俺も、糖分補給用に和菓子買ってきたんですよね」

菫「そうか……!」

菫「い、いや……これ以上はよくない。よくないぞ」

菫「そうだな。対局の合間に食べるので、丁度いいんじゃないか? それがいい」

京太郎「そっすか……じゃあ、ごま蜜団子は後でにします」

菫「……。『ごま蜜団子』ぉ?」

京太郎「はい、ごま蜜団子です」

菫「……あの、ごま蜜団子か?」

京太郎「あの、ごま蜜団子です」


菫「……」

菫「食べよう、是非」

京太郎「えっ」

京太郎「いや、でも……」

菫「食べよう。是非」

京太郎「あの……」

菫「……」

京太郎(や、やると言ったらやる『スゴ味』がある……ッ)

菫「なあ、折角だし……いいんじゃあないか?」

菫「『今』、『ここで』……いいんじゃあないか? 食べても」

京太郎「アッハイ」


京太郎「いいですか?」

京太郎「奥歯で噛むんですよ? 奥歯で」

菫「ああ」


 『グッチュウンンン――――z____ッ!』。

 『ボド』『ボド』『ボド』。

 そんな音を立てながら、勢いよくごま蜜が吹き出して壁にかかった。


京太郎「うぉぉぉぉおっ!?」

菫「何だこれ!? ンマイなぁぁぁぁぁあ――――ッ」

京太郎「だから奥歯って言ったじゃないですかー!」

菫「もうひとつ……」


 『グッチュゥゥウ――――――z_____ッ』。

 『ビチャ』『ビチャ』『ビチャ』。


京太郎「うわぁぁあ!? だから、ほら、奥歯で噛むんすよ! 奥歯で!」

菫「何だこれはぁぁあ――――ッ!? ンマイなぁぁあああッ!」

京太郎「……」

菫「……」


菫「……」

京太郎「……」

菫「なあ、須賀」

京太郎「はい」

菫「やるの、よく考えたら男女逆じゃないか?」

京太郎「はい」

菫「これじゃあまるで、私が残念な人みたいじゃあないか」

菫「なあ」

京太郎「はい」


京太郎「……」

菫「……」

菫「いやな、確かにやりたくなるんだよ。ごま蜜団子なんだからさ」

京太郎「なりたくなりますよね」

菫「ああ、なるんだよ。なってしまうんだ」

菫「……」

菫「……それはいいとして、だな。それはいいとして、だ」

菫「私だって、女なんだよ」

京太郎「はい」

菫「……お前今、『PAD入りだけどな』とか思ったか?」

京太郎「は……いいえっす」

菫「ん?」

京太郎「いいえっす」

菫「……そうか。なら、いいんだがな……いいんだが」

菫「ちょっとはさ、止めてくれても良かったんじゃあないか?」

菫「然り気無く……それとなく……」

菫「止めてくれても、良かったんじゃあないのか?」

京太郎「はい」

菫「あと……よく考えたら、だな」

菫「これって……凄くごま蜜が勿体ない気がするんだよ。物凄く」

菫「作ってくれた和菓子屋さんに、申し訳なく思う」

京太郎「はい」




菫「……」

菫「……普通に食べようか」

京太郎「はい」

京太郎「あ、ちょっとすみません」

菫「ああ、気にするな」


京太郎(『今、ごま蜜団子食べてます』……っと)

京太郎(……お。早いな)

京太郎(『なにやってるの、君』)

京太郎(……確かに)

京太郎(『こっちはさ、勝てるかなって応援してて仕事が手につかないんだよ』)

京太郎(……これは間違いなくサボりの口実だな)

京太郎(『罰として、今度ボクに買ってくるように』)

京太郎(食べたいんだろうな、一さんも)


菫「メールか?」

京太郎「はい。その人もジョジョが好きな人なんで」

菫「ふうん」

菫「男? 女? 何部が好きだって?」

京太郎「女性ですね。2部が好きな人です」

菫「2部か……いいよな、2部」

京太郎「俺も、2部大好きですね。主人公が格好いいですし」

菫「トリックとか読み合いとか、いよいよジョジョらしいもんな。2部は」

京太郎「はい」

菫「まあ、1部のあの街の……ほら、あれ」

京太郎「ウインドナイツ・ロット」

菫「ウインドナイツ・ロットの、DIO戦の炎のくだりもそれっぽいけどさ」

京太郎「はい」


京太郎「……ちなみに」

菫「なんだ?」

京太郎「俺、リアルで『次にお前は○○と言う』と『まーたまたやらせていただきましたァン!』を」

京太郎「言いましたよ? それも、実にピッタリな場面で」

菫「本当か?」

京太郎「本当です。へっへっへっへっへっ」

菫「くそう」

菫「ズルいな、お前。ズルいぞ」

京太郎「へっへっへっへっへっ」

菫「今、初めてお前のことが嫌いになりそうだよ」

京太郎「……マジっすか?」

菫「ああ、マジな話」


菫「ちなみに私は4部が好きだ」

京太郎「いいっすね、4部。仗助は正にジョセフの息子的で、いい」

菫「ちなみに……照が7部。淡が6部。誠子が3部で、尭深が2部だったな」

京太郎「白糸台、驚きのジョジョ率っすね」

菫「照に貸したら、そっから波及したんだよ。良くも悪くも影響力あるからな、あいつ」

京太郎「やっべえ……実にグレートっすよ、こいつぁ」

京太郎「今ので、全員付き合いたいレベルに至りましたね」

菫「ジョジョだしな」

京太郎「ジョジョなんで」


菫「須賀は、何部が好きなんだ?」

京太郎「ふふ、甘いですね……弘世先輩」

京太郎「どんな部だろうと、ジョジョにはそれぞれその個性にあった適材適所の面白さがある……」

京太郎「1部には1部の……7部には7部の……。それがジョジョを楽しむという事だ」

京太郎「部の好みも同様……好き嫌いの概念は――痛っ」

京太郎「なにするんですか!」

菫「淡も似たようなこと……というか、丸っきりおんなじことを言っていたのを思い出した」

京太郎「……マジすか?」

菫「ああ」

京太郎「あいつと同じ思考って……軽く凹みます」


菫「まあ、いいや」

菫「雑談はこれぐらいにしておくか……影響が出ても困るからな」

京太郎「ちなみに俺の各部のベストバウトは……」

京太郎「『ジョナサンVSディオ』、『シーザーVSワムウ』、『イギーVSペットショップ』、『川尻早人VS吉良吉影』」

京太郎「『ブチャラティVSプロシュート&ペッシ』、『徐倫VSフー・ファイターズ』、『ジョニィ&ジャイロVS大統領』ですね」

菫「だから、雑談はいいって言っているだろう」

京太郎「はい」

菫「話すとな、終わらないんだよ。ジョジョの話は」

京太郎「はい」

菫「本当は三日三晩語り明かしたいところだけどな」

京太郎「はい」


菫「……野暮だと思うし、筋違いだと思う」

菫「きっとお前にとっちゃ判っていることだろうし、こういう風に言われるのも心外だと思うだろう」

菫「でも、お節介でも……チームメイトとして、お前の師匠として言わせて貰う」

京太郎「……はい」

菫「辻垣内智葉は、大学時代の私のコンビ相手だった。丁度、今のお前とやえのように」

菫「特に打合せなどせずとも、アイツは私の弾に合わせてきていた」

菫「生半可な――狙撃が通用すると、思うな」

京太郎「了解っす。肝に命じます」

菫「……ああ。それじゃあな」


菫「須賀」

京太郎「はい」

菫「――差し入れ分の活躍、見せてくれよ」

京太郎「はい!」




尭深「ひくちっ……まもの」

尭深(だれか、噂しているのかな……)

尭深(噂……噂……噂……)


尭深(須賀プロと同卓してからどうにもその様子が気になって仕方がないセーラは然り気無く)

尭深(須賀プロについての情報を然り気無く集めようとするんだけどそうあくまでも然り気無く)

尭深(だけど実はあんまり然り気無くなくて、自分のことを調べていると須賀プロにも伝わってしまう)

尭深(セーラの不可解な行動に須賀プロは、自分の対策をするつもりなのかと警戒をし始めるんだけど)

尭深(警戒をしているということはつまり意識しているということで京太郎くんもセーラのことで頭が一杯になっていく)

尭深(そのときにセーラは須賀プロと懇意にしている男性つまりヨシさん(仮)の噂を聞いてしまい)

尭深(ただの友人以上の関係に見える二人に対し、軽い嫌悪感というか今までの常識を壊される感覚を抱いてしまう)

尭深(セーラの常識では、恋愛というのは異性間のものでしかなく、まさか自分と同性で麻雀プロの須賀プロが)

尭深(そんな社会的に外れた恋愛感覚を持っていることに驚きが隠せず、どこか避ける形になってしまいつつも)

尭深(それでも心のどこかでは高鳴りを感じてしまっていたそんなある日セーラは京太郎の噂を聞いているところを本人に見つかって)

尭深(自分を避けつつも噂を集めると言うセーラの態度に不審なものを感じた京太郎は)

尭深(セーラの腕を掴み上げて、何故自分についてこそこそと探っていたのかと語気強く問いかけるんだけど)

尭深(そんな京太郎の様子に咄嗟にセーラは「こ、ここでは犯さんといて!」と懇願してしまい)

尭深(彼を性的に意識していること、さらには場所さえ違えば犯されても構わないという)

尭深(自分自身のうちに眠っていたこれまでの道徳や常識と異なる価値観を自覚してしまうんだけど)

尭深(一方の京太郎はヨシさん(仮)への片想い中で、実は結ばれておらず、自分の恋愛感に苦悩していて)

尭深(自分を調べていたのはそういうことだったのか、何故バレてしまったと戸惑いと絶望感とやり場のない怒りを抱く)


照「ただいま」

尭深「あ……おかえりなさい」

照「お菓子買ってきたよ」

尭深「あ、お茶入れます……」


照「……これは?」

尭深「あ、淡ちゃんが持ってきました。『テルとたかみ先輩と食べようと思ってー』って」

照「そう」

照「……」

照「……」

尭深(そわそわしてるなぁ……)

尭深(淡ちゃん、美味しそうなお菓子買ってきたもんね)

照「……」

照「……尭深」

照「淡は……?」

尭深「あ、はい」


尭深「あの、さっきまでは待ってたん……ですけど」

尭深「残念だけど、このあと用事があるらしくて……」

尭深「『お菓子は二人で食べてください』って、行っちゃいました」

照「……そう」

照「そういうことは、もっと早く言おうよ」

尭深「……あ、ご、ごめんなさい」

照「別に攻めてる訳じゃないけど……一応ね」

尭深「はい……」


尭深「それにしても、珍しいですね……」

照「何が?」

尭深「淡ちゃん、です」

照「……ああ」

照「でも、あれでいて先輩には気を使っているから……美味しそうなお菓子を私たちだけで食べるくらいは……」

尭深「……いえ、あの、そっちじゃなくて」

照「……」

照「……用事の方?」

尭深「はい……」

尭深「いつもは、試合の直前まで……『テル、テル! テルー!』って、待機室で一緒にいるのに」

尭深「先に……というか、途中で居なくなるなんて……」

照「……」

照「……淡にも、淡の用事があったんじゃないかな」

尭深「はい……」

尭深「だけど……淡ちゃんがいないと、静かですね」

照「……確かに」

照「ただ……」

尭深「“ただ”……?」

照「これはこれで、またお茶がおいしい」

尭深「……ふふっ」


京太郎「よし、そろそろか……」

京太郎(ここまででできることはやったし、あとは実際に打つしかねーな)

京太郎(全員が格上で、技術を磨いた人たち……手牌を読みきれないことの方が多い)

京太郎(皆が皆、ポーカーフェイスっつーのは辛いもんがあるな)

京太郎(生半可なら寧ろ――――って言いたいが、上位ランカーは伊達じゃない)

京太郎(俺の技術が……俺の力が……どこまで、通用するもんか)

京太郎(せめて、ミンチにはならないようにしたいが……どうかね)

京太郎「……ま、行きますか」


 深呼吸をひとつ、牌譜を金庫に入れて施錠。

 他人に見られても困らない――奪われても、それだけでは“ただの牌譜”としてしか使えない。

 須賀京太郎が使うからそれは、“ただの牌譜”以上の意味を持つ。

 多少なりとも、己の“特性(のうりょく)”と組み合わせて――相手の胸元に、電撃のような一撃を加えるため。

 それは、ある。


 軽く、体をリラックスさせるストレッチを。首の筋を伸ばして、余計な撓みを散らす。

 とにかく、フィジカルのコンディションも、思考には影響を及ぼす。

 0.0000001%程度だとしても、不安要因は取り除いておきたかった。

 そして、ドアを開けて――。


淡「……あ」

京太郎「……ん?」


京太郎「……なんで、お前が居るんだよ」

淡「別に……私がどこに居たっていいじゃん」

京太郎「そうだな」

京太郎「……空き巣か?」

淡「……っ!」

淡「するわけない! そんなこと!」

京太郎「うおっ!?」

京太郎「な、なんだよ……ちょっとした冗談だろ? なんで、そんなにムキになってんだよ……」

淡「……普通に、失礼だった」

京太郎「あ、ああ……」

京太郎(なんだこの……手負いの野性動物みたいに緊張してんのは)

京太郎(なーんか、様子がちげーっつうか……最初の頃みたいになってるっていうかさ)

京太郎(なんだ……?)


淡「……ね、これからテルたちと戦うんでしょ?」

京太郎「ああ」

淡「須賀も、運が悪いよね。テルと戦うなんてさー」

淡「あんたじゃ、勝てる訳がないじゃん。あの蜘蛛と蟹もいるし」

京太郎「……」

京太郎「……それをいいに、わざわざ? ここに来たのか?」

淡「別に、ここに通りがかったのは偶々だよ。偶々」

淡「テルの応援しにきてさー」

京太郎「……そうかよ」

京太郎「じゃあ、さっさと照さんとこに――」


淡「――でもさ」

京太郎「あん?」

淡「なんでなんだろ。なんか、変なんだけどさ……」

京太郎「……なんだよ」

淡「いつもみたいに……テルの応援に、力が入らないーっていうか」

京太郎「はぁ……?」



×京太郎「……それをいいに、わざわざ? ここに来たのか?」
○京太郎「……それを言いに、わざわざ? ここに来たのか?」


京太郎「……んなの、俺が知るかよ」

京太郎「関係ねーだろ、俺にはさ」

淡「……う、ん」

淡「……」

京太郎「……はぁ」

京太郎「顔見知りの縁ってことでさ、お前の相談にも乗ってやりたいけどな?」

京太郎「……ま、悪いけど試合前だからさ。俺も気構えてて、気が立ってんだよ」

京太郎「だから、そういう話は余所で……例えば弘世先輩にしてくれ」

京太郎「あの人が頼りになるってさ、お前も知ってるだろ?」

淡「……う、ん」


淡「……」

淡「……」

淡「……」


淡「……ね、須賀」

京太郎「ん、なんだよ?」

淡「――負けんな」

京太郎「は?」

淡「自分でも馬鹿なこと言っちゃってるーって思うし、あんたにそんなことができないーって思ってるんだけど」

淡「それでも、負けんな」

京太郎「は……?」

京太郎「お前が、俺の応援……?」

淡「うっさい。なんか、悪い?」

京太郎「いや、なんていうかさ……予想外すぎて、混乱してる」

淡「それ、私も」



淡「あんたがテルに勝てる訳ないって思うしー」

淡「テル意外がトップになるのも嫌だーって思うけどさ」

淡「……その」

淡「あんたが、ぼろぼろのずんどこのどん底になってるのを見ても……なんかもやもやして、やだ」

京太郎「やだ、って」

淡「やなもんは、嫌なんだから仕方ないじゃん」

淡「自分でもさ……なんだか判らないんだよね、これ」

京太郎「あー」

京太郎「……よくある、『お前を倒すのは俺だ!』的な?」


淡(そうかも)

淡(んー、でも……んむむむむ)

淡(そうなのかな……?)

淡(んむむむむむむむむむ……)

淡(……うゆ)

淡(それで、いっか)

淡(須賀の前に居ると、なんか……落ち着かない感じがするし、苦しくなるから)

淡(それで別にいいよね)


京太郎「で、結局はなんなんだ?」

淡「たぶんそれ。それで、別にいーよ」

京太郎「別にって……」

淡「他に思い付かないんだから、それでいいじゃん」

淡「須賀は、私から奪ってったし……私で腹上死させるーって決めてるし」

京太郎「ぶっ!?」

淡「勝つのは、テルに決まってるけどー」

淡「あんたは、負けんな。私以外に、負けないでよ。私が、あんたを倒すの」

京太郎「へいへい」

淡「須賀」

京太郎「んだよ……」

淡「こっち、見ろ」



京太郎「な……、――うおっ!?」


 頬の両側を、大星淡の手が沿った。

 夏だと言うのにひんやりとした指先と、おおよそ鼻先に近づいた淡の碧眼。

 思わず声を上げかけて、頭が後ろに跳ね上がりそうになった。

 だが、それよりも先に淡の手のひらは後頭部へと回り込んだ。そのまま、固定。

 強制的に頭を下へと向けられ、そこには大写しとなった上目遣いの大星淡。

 不意に、心臓が跳ねるのも無理はない。


京太郎「ちょ、お、おい……! 大星……っ!」

淡「んー、腑抜けてもなければ怯えてもない」

淡「変に悩んでもない……のかな」

淡「これなら、ひょっとしたら……ひょっとするかも?」

京太郎「ば、おい、離せ……!」


京太郎(あ、相手が大星だとしても……クソっ、は、恥ずかしい)

京太郎(というか、こいつ、こうしてると可愛いっていうか……あの胸の柔らかさ思い出すっていうか……)

京太郎(や、やべえ……)

京太郎(化粧しないっつってたから、精々リップクリームぐらいだよな?)

京太郎(なのになんか、ふっくらしてるっていうかやけに目立つっていうか目が行っちまうっていうか――)

京太郎(やばい。こいつ、実は相当可愛いんじゃ……)

京太郎(いや、違う、気の迷いだよなそうだよ可愛いクソっなんなんだ俺は混乱してるのか)


淡(あれ、よく考えたら私相当恥ずかしいことしてるよねー、これさ)

淡(こいつ、よく見たら改めて格好いいし……あのとき私助けてくれたの思い出すし、なんかあのとき変な気持ちになっちゃったし)

淡(ま、不味いよ……不味いよ、テルー)

淡(こいつの肌すべすべだけど目付きとか男らしいし)

淡(なのになんか、冷静っぽいっていうかクール系な顔つきしてるし唇色っぽいし、あ、ベロえっちいし)

淡(やばい。ばか。恥ずかしがらないでよ)

淡(私まで、なんか……恥ずかしくて、へんな気持ちになっちゃうってのにぃ)

淡(……なんか、元気づけっていうか、幸運のちゅーとかしちゃったり……)

淡(だめ。だめ。だめ。あいて、須賀だもん。須賀のばかだから、そんなのなし)

淡(でもなんか、頭ぼーっとして……胸、うるさくて……顔、熱っぽくて……その)

淡(須賀なんて大っ嫌いだけど悪い奴じゃないし、きょーたろーのこと好きになるためにも……)

淡(いいよ……ね?)




 ――――ブッチュゥゥゥウッ。



淡「んもが!?」

淡「あ、美味し……って」

京太郎「……」

淡「なにやってんの、あんた」

京太郎「……持っててよかった、ごま蜜団子」


京太郎(開きかけた口に、ごま蜜団子を詰め込ませて貰った)

京太郎(咄嗟だったから……奥の方まで一杯に、ちゃんと挿入できなかった)

京太郎(だから……蛸墨食らったみてーになった)

京太郎(シャツにかかってないから、まあ、良しとしよう)

京太郎(……しちまって、いいんだろうか?)


淡「顔、凄いことになってるけど……大丈夫?」

京太郎「目には入ってないし、ごま蜜だからな。問題ねーよ」

京太郎「あとは……さっき、勿体ないっつったばっかりだし、ちゃんと蜜を食べれば……」

淡「ふーん」

淡「なら、大丈夫か――って」

淡「………………ん?」


淡「……」

淡「その蜜、私から出た奴だよね」

京太郎「お前の蜜だな」

京太郎「咄嗟で、手前に入れるしかかなったから……まあ吹くわな。こいつう食い物だし」

淡「そっかそっか」

淡「さっき私が食べた、あの美味しいお団子の……」

淡「穴から出た蜜なんだよね?」

京太郎「ああ」

淡「で、須賀がそれを食べて処理するって――」

×京太郎「咄嗟で、手前に入れるしかかなったから……まあ吹くわな。こいつう食い物だし」
○京太郎「咄嗟で、手前に入れるしかかなったから……まあ吹くわな。こういう食い物だし」

失礼、噛みました


菫(おっと、私としたことが……もうひとつ須賀に土産を買っていたのを忘れてた)

菫(まだ、控え室にいるのか?)

菫(まあ、居ないなら置いておけば――)


淡「動かないでよ! もう、舐められないから!」

京太郎「やめろ、バカ、落ち着け!」

淡「だって私の蜜、あんたに吸われるのとか……恥ずかしいでしょ!」

京太郎「お前がやろうとしてることの方がよっぽど恥ずかしいからな! おい!」

淡「うるさい! 私の初めてとったのに! 腹上死させてやる! だから動くな!」

京太郎「おい、バカ、やめろ! おい、飛び付くな! 足絡めるな!」


菫(……)

菫(ああ、きっと見間違いだな。そうに違いない)

菫(これから対局に向かう筈の後輩が、別の後輩と交配しようとしているなんて何かの間違いだ)

菫(酒でも飲んで、忘れよう。それがいい)

菫(それがいいに決まってる。ああ)


【ハギヨシの好感度が上昇しました!】

【弘世菫の好感度が上昇しました!】

【国広一の好感度が上昇しました!】

【宮永照の好感度が上昇しました!】

【渋谷尭深の好感度が上昇しました!】

【大星淡の好感度が上昇しました!】

好感度

★8
ハギヨシ:師匠にして友人にして悪友にして戦友。この人抜きじゃ生きていけない
大星淡:やたら絡んでくるアホの子ライバル。麻雀人生をやってもいいよ。結構可愛い

★6
弘世菫:菫さんは最高です! 菫さんのおかげで戦えるんです! 菫さんを目標に大学決めました!
宮永照:強大な目標。勝負事では頼りになる人。なんか放っとけない

★4
宮永咲:気のおけない幼馴染み。絶対の目標にして憧憬を覚えさせた存在
辻垣内智葉:姐さん、一生ついてきます! 姐さんがいたからあの大学に……からかうのヤメテ!
小走やえ:やえさん、やえさん! あのさ! やえさん、俺さ……! ねえ、やえさん! あのですね……! わん!
赤土晴絵:師匠! 師匠がいなかったら俺は……
松実宥:なんでも共演。寒がり大変そう。正直おもちあるし結婚したい

★3
新子憧:高校大学と、本当に世話になった女友達。いい女。何年後かで、お互いフリーなら結婚したい
松実玄:男として見られてないけど正直結婚したい
高鴨穏乃:元恋人。ありがとう……穏乃、本当にありがとう……
国広一:一さんといると落ち着くんだよなぁ……僕っ娘いいよな

★2
亦野誠子:お互い大変っすよねー……今度、海釣り行きましょうよ!
片岡優希:いい女になったな
東横桃子:消えても追える
龍門渕透華:すっげえスポンサー
小瀬川白望:シロさん、元気そうでよかったなぁ
原村和:初恋……だったんだ
対木もこ:小動物可愛い
姉帯豊音:大きな小動物可愛い
三尋木咏:流石の火力っすね……三尋木プロは
鶴田姫子:頭おかしいんじゃないですか、あんた
夢乃マホ:可愛い可愛い後輩。何かあったら、今度こそは俺が止める
渋谷尭深:大学時代紹介されたし、おもちあるしおしとやかでタイプ……なのになんだか寒気する

★1
佐々野いちご
瑞原はやり
小鍛治健夜
愛宕洋榎
愛宕絹恵
野依理沙
竹井久
染谷まこ
花田煌
加治木ゆみ
新免那岐
福路美穂子
白水哩
江崎仁美
天江衣
薄墨初美
石戸霞
滝見春
狩宿巴
(鷺森灼)

楽屋編はここまで。三枚目の時間やったからなー

闘牌描写は次回行きますゆえー


おやすみー

京太郎が憧から逃げてからすぐ死のうとしまくってたけどシロに排卵させたのっていつなんだ?

誰も結婚してないのはファンタジーだからやねん
あんまり現実感だしても誰得になっちゃうから仕方ないよね


>>901
マホに負けても何度も対局し続けてた
 ↓
途中で帰ってれば間に合ったかもしれないけど粘ったせいでカピ死んだコール
 ↓
もう死にたい。目も疲労で限界
 ↓
部活に顔を出さないで、全力で死にたくてムエタイやパルクールなどなど
 ↓
駄目だ。いくらやっても死ねない。だからってトップにもなれない
 ↓
憧が世話を焼く。シロは静観
 ↓
段々と憧の前では麻雀以外は普通に……
 ↓
憧、選択肢ミス(選んだのは今回と同じような叱咤激励)
 ↓
京太郎、最後のつもりで部活に顔を出す
 ↓
排卵事件
 ↓
もう本当に死ぬしかないじゃない
 ↓
喧嘩&レジェンド

的な

ちょっと次スレ立ててくるというか、40分から始めます故

一応つけるかもしれない解説のアナとプロとか書いといてくれたら

まあ、現状ヒッサとみっぽしかおらんしね
ヒッサ安定かねー

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第22位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第22位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385036684/)


じゃあ、解説するプロを書いて下さいなー

安価するんで

誰が解説するか

↓3 ↓5 ↓7


そっから次、判定安価出します

三尋木咏
宮永咲
戒能良子

それぞれ、(この時点では)32・23・28となっておりまーす


じゃあ、次に判定安価出すんで

判定
1~32:三尋木咏
33~66:宮永咲
67~99:戒能良子
00:すこやん

↓7



良子「オーケー、もう空気とは呼ばせない」


良子さん、そういやこの人まだ出番なかったよ

咲のは、国麻のときの「VSやえ・淡・憩」
今回は、麻雀教室後の「VS照・憩・智葉」だからねー

つまりまだ覚醒オカルトスレイヤーじゃないんだ


戒能良子
1~20:京太郎とおもちに縁があるわけないよね
21~40:直接面識ないけどあらぶるマホを鎮めたのは……
41~70:番組で共演
71~99:何度かお酒をご一緒したり
ゾロ目:あのときの……

↓7

まあ、無難なところやね


お題
・智葉憩照相手に13位の意地を見せつける  ←今これ★

・【栄光の】須賀氏、新作TVドラマにてスタントなしでのバイクアクションを披露【プロ雀士】

・大阪でセーラと漫がやってるローカル火力麻雀番組に京ちゃんとにわか先輩ゲスト出演して
負けたタッグには罰ゲーム有りで勝負

・南の島に漂流

・須賀プロ、ボウリング大会で優勝
(天江衣、宮永咲、宮永照、姉帯豊音、愛宕洋榎、花田煌)

・松実旅館で若手プロの交流会(実際はただの飲み会)

・京太郎怒りの日本原産大雀蜂

・【牌の】小走・須賀両プロがにわか共に送る新作映画評論【…なんだこの人達】

・そうだ、龍門渕、行こう。(メイドフラグ回収)

>>1000なら椿野美幸と神戸を巡る旅番組で共演

・【果たして】スッガ、逃走中に出演【捕まえられるのか】

・ドッキリ~須賀復讐編~


適度に短いので捌いてかんとそろそろ不味いな

えー、切りよく纏めたいからこっち埋めて向こうで始めたいんだけど、

こんお題ん中から次に何を書くか決めてもええかね

ほいさよ


①VS中国班(名有りモブに無双) ~京太郎怒りの日本原産大雀蜂~

②ボウリング、行こう

③罰ゲームアリで勝負しようぜ!(VSセーラ・慢)

④南の島で、逃走中(メンバーを安価)

⑤京太郎「オフだしハギヨシさんと一さんに会える!」(京太郎、マネージャーメイドを手に入れる)

⑥【牌の】小走・須賀両プロがにわか共に送る新作映画評論【…なんだこの人達】

⑦コードマーズ ―反逆の須賀京太郎― (どっきり仕返し)


↓9

>>1000なら昔の照、咲、京太郎の日々

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