あかり「ゆっぴーおはよう!」 結衣「!?」(130)

結衣「あかり、学校行くよー」

京子「まったく、あかりのせいで学校遅れそうだよ」

結衣「……」ギロッ

京子「そ、そんな視線で私を見ないで結衣……」

結衣「お前が30分も遅れたから、こんなギリギリになったんだよ」ムニムニ

京子「ほ、ほっへのばひゃないでー」

結衣「……ったく」

ガチャッ

あかり「お待たせー、おはよう京子ちゃん、ゆっぴー!」

結京「!?」

結京「……」

あかり「ど、どうしたの2人とも」

あかり「あかり変なこと言っちゃったかな?」

結衣「いや、変なことは言ってないと思うけど」

京子「ま、まぁ聞き間違いかもしれないしな」

あかり「そっか、良かったぁ」

あかり「なんか鳩が豆鉄砲を食べたような顔しちゃってたから」

結衣「食べてどうする、くらっただろ」ビシッ

あかり「えへへそうだっけ、ゆっぴーは博識だねっ!」

結京「……」

結衣「……どう思う?」

京子「さあ、ただ呼び方が変わっただけだし」

京子「そこまで気にすることはないんじゃない?」

結衣「かもな、なんか悪い気はしないし」

京子「……」プクー

結衣「どうした京子、妬いてるのか?」

京子「バカ言えー、誰が結衣なんかに」

あかり「2人とも、早く早くー!」

あかり「……」ギュッ

結衣「あ、あかり、腕なんか組んでどうしたの?」

あかり「え、普段からこんな感じだよね?」ギュッ

結衣「ちょ、ちょっと!」

あかり「えへへっ♪」

京子「ちぇー、朝からベタベタしやがって」

京子「おろっ……ねえねえ結衣」

京子「あかりの頭に大きなたんこぶがあるんだけど――」

あかり「朝からゆっぴーとお話しできるなんて幸せだよぉ」ギュッ

結衣「なんか調子狂うな……」

京子「あーもう知るか、勝手にいちゃついてろっ!」

あかり「ばいばーい2人とも、また後でね」

結衣「ああ、またなあかり」

京子「おー」

京子「……」ジトッ

結衣「な、なんだよ京子」

京子「朝からお楽しみでしたね、ゆっぴー」

結衣「や、やめろよその呼び方」

結衣「にしてもあかりのやつどうしたんだろうなぁ」

京子「だから頭にたんこぶあったって言ったじゃん」

結衣「……マジ?」

結衣「お団子が3つに増えたのかと思ったよ」

京子「あはは、確かにそんな感じだったよなー」

結衣「どうりでベタベタしてくるはずだ……」

京子「悪くないって顔してたじゃん、結衣も」

結衣「……まぁ、新鮮だったというか」

京子「……悔しいけどあかり目立ってた」

結衣「京子がかすむくらいだったもんな」

結衣「……また面倒なことになりそうだよ、ほんと」

京子「ていうか、私もきょっぴーって呼べよ」ブツブツ

~お昼~

京子「ていうことが今朝あってさ」

綾乃「ほんとよく頭をうつわね、ごらく部の面々は……」

結衣「……的確なツッコミをありがとう綾乃」

千歳「ふふ、かわいい響きやなぁゆっぴーって」

京子「おーい、ゆっぴーゆっぴー」

結衣「るさいなぁ、さっさと食え!」

綾乃「……っぴー」

綾乃「うふふ、ゆっぴーって可愛いかも」

結衣「……」

結衣「あ、綾乃、いまなにか言った?」

綾乃「ひゃっ!?」

綾乃「な、なにも言ってないわよワイキキビーチ!」

結衣「ぷふっ……げほっげほ!!」

京子「メソメソメソポタミア」

結衣「……」ピタッ

京子「なんで私のでは笑わないんだよ!?」

千歳「あはは、ほんまおもろいなぁ歳納さんたちは」

綾乃「ゆっぴー……うふふ」

結衣「……」パクパク

結衣「京子が頭打った時も大変だったよホント」

京子「いやぁ、面目ないです」

綾乃「普段と真逆の性格になるのかしらね」

千歳「歳納さんはいい子の真面目さんになったんよね」

結衣「あぁ、普段と真逆になるんだなきっと」

京子「むむむ、その言い方は失礼だろうが!!」バンッ

結衣「……そう思われても京子の場合は仕方ないよ」

綾乃「……ええ」

千歳「赤座さんの場合はどういうことなんやろね」

京子「ゆっぴーって呼んで、ベタベタくっ付いて……」

結衣「確かに普段ああやってくっついたりはしないけど」

綾乃「赤座さんも、ずっと船見さんに甘えたかったんじゃないかしら」

千歳「ほんで頭を打ってタガが外れたってとこ?」

結衣「……まぁあかりが甘えて悪い気はしなかったけど」

千歳「うふふ、面白いことになりそうやわー」

京子「……」パクッ

結衣「ふー疲れた、やっと授業終わったよ」

京子「……」ズーン

結衣「なんだよこの世の終わりみたいな顔して」

京子「あのさ、私今日はさ……」

結衣「ど、どうしたの、具合でも悪いのか?」

京子「今日は掃除当番なんだ……」

結衣「あ、そ」

京子「結衣、お願いだから」ウルウル

結衣「あぁ先に行ってるよ、掃除頑張ってくれ」

京子「ぶー、結衣のけちー!」

結衣「こんにちはーっと」

あかり「あ、ゆっぴーおこた温まってるよぉ」

結衣「……あぁ、うん」

結衣「……」

あかり「えへへ」モソモソ

結衣「さり気なく隣に座るのはどうしてかな、あかり」

あかり「細かいこと気にしたらダメだよぉ、ゆっぴー」スリスリ

結衣「わ、分かったくっ付くのはいいから」

結衣「そのゆっぴーって呼ぶの止めようよ、ね?」

あかり「……えぇー」

結衣「じゃあさこうしようか」

結衣「くっ付くのを止めるか、ゆっぴーを止めるか」

あかり「うぅ、あかりにその2つは選べないよぉ……」

結衣「大げさすぎるだろさすがに……」

あかり「でも、さすがにどっちもなんてワガママだよね」

あかり「ゆっぴーって言うのはやめることにするよっ」

結衣「ふふ、いい子だねあかりは」

あかり「えへへ、ありがと結衣ちゃん」スリスリ

結衣「……やっぱりその呼び方が一番落ち着くよ」

結衣(頭を打っても元の良い子な部分は変わってないんだな)

あかり「でもゆっぴーって可愛かったのになぁ」

結衣「そう言えばあかりが考えてくれたんだよね」

あかり「えへへ、結衣ちゃんもアッカリーンって考えてくれたし」

あかり「な、なんか特別な関係って感じがしちゃうよね」スリスリ

結衣「……いや、別に」

あかり「うぅ、そこは冗談でもそうだねって言ってよぉ」

結衣「はいはい、特別な関係だよね、私たちは」

あかり「へっ!?や、ぅ、うん……」モジモジ

結衣「……押しには弱いんだな」

あかり「……」ギュッー

結衣「こらこら、あまりぎゅーってしないの」

あかり「やーだよぉ、ぎゅってしちゃうもんね」ギュッ

結衣「……甘え上手だな、あかりは」ナデナデ

あかり「んっ、結衣ちゃんのナデナデ大好き」

結衣「そっか……あのさ、そのコブ痛くない?」

あかり「うーん、触るとまだヒリヒリするかなぁ」

結衣「そうなんだ、あ、いまハンカチ冷やして来るからね」スクッ

あかり「……ぇへへ、ありがと結衣ちゃん」






結衣「あかり、頭ちょっとこっちに寄せて」

あかり「う、うん……」

結衣「ちょっと冷たいからね、我慢するんだよ」ソッ

あかり「ひゃうっ!」

結衣「……平気?」

あかり「うん、ひんやりして気持ちいいよ」

結衣「……そっか、えらいぞあかり」

あかり「……」ギュッ

結衣「ちょ、ちょっとさすがに正面どうしのハグは……!!」

あかり「……」

結衣「お、おい、聞いてるのかあかり!!」

あかり「……しばらくこのままがいいかな」ギュッ

結衣「……分かったよ、ふだんいい子にしてるご褒美だ」ギュッ

あかり「ぇへへ、ありがと結衣ちゃん」

あかり「本当はね、あかりも結衣ちゃんに甘えたかったんだ」

あかり「でもいつもはそんな勇気なかったんだけど……」

結衣「いまはその勇気があると」

あかり「うん、どうしてかなぁ」ギュッ

結衣「……さぁな、あかりは知らなくていいよきっと」ナデナデ

あかり「ぇへへ、コブもだいぶ引いてきたね」

結衣「……」

結衣「……あかり、普段からもっと甘えてもいいんだよ?」ギュッ

あかり「……ううん、そんなのダメだよ」

あかり「結衣ちゃんの隣には京子ちゃんがずーっといたし」

あかり「あと、ちなつちゃんと結衣ちゃんの仲を応援するって決めちゃったしね」

結衣「……バカだな、あかりはいい子すぎるんだよ」ギュッ

あかり「ぇへへ、そうかなぁ」

あかり「結衣ちゃんにぎゅーってされると心がぽかぽかする」

あかり「結衣ちゃんの匂いを嗅いでると、幸せな気持ちになれるんだ」

結衣「……そっか」ナデナデ

あかり「……もうコブも完全に引きそうだよぉ」

結衣「……あかり、眠かったら寝てもいいんだよ?」

あかり「……」ギュッ

結衣「大丈夫だよ、私はどこにもいかないから」

あかり「……ほんと?」

結衣「ほんとにほんと」ギュッ

結衣「あかりが今日のこと忘れても、私はずーっと覚えてるよ」

結衣「……だから安心して」

あかり「……約束だよ、結衣ちゃん」

結衣「あぁ、約束だ」ナデナデ

あかり「だ、い……す……」

結衣「……」ギュッ

結衣「誰にでも優しくて」

結衣「誰にでも愛想よくいつもニコニコしてて」

結衣「いつもみんなのことを気遣ってくれてて」

結衣「……もっとわがままになっていいんだよ、あかりは」

結衣「それくらいでちょうどいいんだよ、な」ナデナデ

あかり「……んへへ」zzz

結衣「ふふ、どんな笑い方だよ、ばーか」

結衣「……私はどうしたいんだろう、あかり」ギュッ

あかり「……」zzz

ガラッ

京子「はぁ、ぜーんぶ見てたよ」

ちなつ「……」

結衣「わわっ、2人ともいたのかよ!」

ちなつ「どうりであかりちゃんお団子が3つあったんですね」

京子「大きなコブだったよねー、ホント」

結衣「えっ、あの、全部見てたって……」

ちなつ「その言葉の通りですよ、ぜーんぶ見てました」

京子「あかりと正面からハグとかムッツリすぎるだろ……」

結衣「なっ、な、う、うぅぅぅ……」カァー

支援

京子「なんかさ、あかりに悪いことしちゃったなと思って」

結衣「へ?どうしてだよ」

京子「いや、小さいころに結衣を独占しちゃってさ」

京子「……あかりが遠慮しちゃってたんだなと」

結衣「別に京子が気にすることはないだろ」

結衣「甘やかしてた私のせいでもあるんだし」ズズッ

ちなつ「……あ、あのあかりちゃんの件どうするつもりなんですか?」

結衣「特にどうもしないよ、今まで通りの幼なじみには変わらない」

ちなつ「でもあかりちゃんは先輩が大好きって……」

京子「あかりの本当の気持ちしっかり聞いたんでしょ?」

結衣「……」

結衣「……2人は私とあかりを応援してくれるの?」

京子「そりゃあ、あんなイチャラブしてたの見せつけられてたらな」

ちなつ「も、もともと結衣先輩のことは恋愛的な好きではありませんでしたし」

ちなつ「ふ、2人がくっ付いても私は別にって感じです」

結衣「……そっか」

結衣「あはは、なんか自惚れだったみたいだね」

結衣「2人とも私のこと好きだとばっかり思ってたよ」

京子「お、おいおいさすがに自惚れすぎだろ」

ちなつ「そ、そうですよっ、ほんとナルシストっな、んですから」グスッ

結衣「そこまで言われると傷つくなぁ……」

結衣「いまいち好きっていう実感が分からないんだけどさ」

結衣「……あかりといると、みょうに落ち着くというか」

結衣「ぎゅーってしてると、守ってあげなきゃなって思うんだ」

結衣「……不思議な感じがする」

京子「それが好きってことなんじゃないの?」

京子「落ち着くってことは、ずーっと一緒にいたいってことでしょ」

結衣「あぁ、確かにずっと一緒にいたいって思うな」

京子「ならそういうことだと思うけどね」ズズッ

結衣「……そっか、そうだよな」

京子「……そうそう」

ほしゅ

結衣「2人とも、本当にありがと」

結衣「……もしかしたらふられるかもしれないけどさ」

結衣「あかりに自分の気持ちを正直に伝えてみるよ」

京子「ん、そうそう、自分に正直になりなよ」

京子「……私が言えることじゃないけどな、はは」

結衣「へ?」

京子「や、なんでもないよ」

あかり「んぅ……」

京子「ほらほらちなっちゃん、邪魔になっちゃうからさ」

ちなつ「ですねえへへ、2人なら上手くいきますよ」

結衣「……ゴメン、ありがとう」

結衣「……いつまで寝てるんだ、コイツ」ムニムニ

あかり「んみゅむ……」

結衣「あかり、そろそろ起きろよ」

あかり「んー……あれ結衣ちゃんだぁ、おはよう」

結衣「ふふ、寝癖ついてるぞ」クシクシ

あかり「えへへ、ありがとう結衣ちゃん」

結衣「……ふぅ」

結衣「来なかったか……残りは明日チンして食べよう」

ピポピポピポピポピポーン

結衣「!?!?」パアアアアアアアッ

京子『山!』

結衣「川」ガチャ

京子「結衣さんニヤケすぎ……」

結衣「えっそっそんなことないぞ!?」

京子「そんなに嬉しいか。しょうがないなー結衣にゃんは!」ギュ

結衣「おいこら苦しいって……」ニコニコ

京子「ババフェイス卒業だね!」

結衣「まだ覚えてたのか」

ああごめんなさい誤爆しました
やっちまった……

結衣「はい、お茶入ったよ」

あかり「えへへ、ありがとう結衣ちゃん」

結衣「……」

結衣「あ、あのさ、あかりってさ」

あかり「……?」ズズッ

結衣「すっ、好きな人とかいるの?」

あかり「っ!!……けほっけほ……」

あかり「きゅ、急になに言ってるの結衣ちゃん!?」

結衣「あ、もちろん恋愛的な意味合いでね」

あかり「うぅ、好きな人……」

あかり「そっそうだ、結衣ちゃんはいるの?」

結衣「もちろん、私はいるよ」

あかり「あ、そ、そうなんだぁ……」ズズッ

あかり「どんな人なのか教えてもらっていいかな?」

結衣「え、えーっと……」

結衣「その子は誰にでも優しくてね」

結衣「いつもニコニコして、周りに気配りができて……」

結衣「笑顔が素敵で、お裁縫が上手で……」

あかり「京子ちゃん、ちなつちゃん……誰だろ」ブツブツ

結衣「も、もういいだろ、あかりも教えてよ」

あかり「あ、うん……」

あかり「えへへ、クールなのに寂しがり屋さんでね」

あかり「あとねあとね、陸上部に誘われるくらい足が早くて……」

あかり「あかりと同じ中学生なのに、一人暮らししてて」

あかり「オムライスとカレー作るのが上手くて……」

結衣「……」モジモジ

あかり「でもね、なんだかあかりに冷たい気がするんだぁ」

あかり「……幼なじみなのに、2人きりで一緒に遊んだことなくて」

あかり「……はぁ」

結衣「……あー」

結衣「ま、まあ確かに2人きりで遊んだことはないけどさ」

あかり「あかり嫌われてるのかなぁ……」

結衣「そ、そんなワケないだろうが!!」バンッ

あかり「ひっ!」ビクッ

結衣「……わ、私はあかりのことが大好きだよ!」

あかり「えっ!?」

結衣「あ、いっいや、今のはちが……」モフッ

あかり「……ざ、座布団から顔出してよぉ結衣ちゃん!」グイグイ

結衣「……もががが」

あかり「い、いまあかりのこと大好きって言ったよね?」ユサユサ

結衣「……言ってない」

あかり「……」

結衣「……ゴメン、言った」

あかり「べ、べつに謝ることないと思うけど」

あかり「……」ジー

結衣「……」

あかり「えへへ」

結衣「……あーもう」

結衣「あかりの口からも聞きたい」

あかり「へっ!?」

あかり「あ、えーっと、あかりそろそろ塾の時間だから!」

結衣「おいコラ、塾なんてやってないだろ」ガシッ

あかり「だ、だって、そんなの恥ずかしいよぉ!」

結衣「……」ジー

あかり「うぅぅ……」

あかり「あ、あかりも結衣ちゃんのこと大好きだよ」

結衣「……知ってる」ギュッ

あかり「知ってるなら言わせないでよぉ……」

結衣「……やっぱり、落ち着くな」ギュッ

あかり「好きってことは、つまりそういうことだよね」

結衣「ま、まあそういうことかな」

あかり「……えへへ」

結衣「言ったろ、絶対に忘れたりなんかしないって」

あかり「……?」

結衣「あ、いや、もう一人のあかりにさ」

あかり「え、えーっと結衣ちゃん、お熱でも……」ピトッ

結衣「さり気なくおでことおでこくっ付けてるし……」

結衣「……これからは私にもっと甘えていいんだからな」

あかり「うん、たくさん甘えちゃう」ギュッ

結衣「……ふふ」

結衣「そうだ、今日は晩御飯食べていきなよ」

結衣「もちろんオムライスだけどね」

あかり「ほんと?……えへへ、楽しみだよぉ」

結衣「そろそろ寒くなってくるし、帰ろうかあかり」

あかり「うんっ!」


おしまい

京ちな好きな人ごめんなさい
もうゆるゆりのSSは書かないんで勘弁してください
じゃあの

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