セーラ「お前ら何の本読んでるの?」 (102)

千里山女子高校 麻雀部部室

セーラ「お疲れー」ガラガラ

船Q「…………」ペラ

怜「………………ふーむ」ゴロゴロ

竜華「お……おつかれ…セーラ」カアアッ

セーラ「……何してんの?」

船Q「見ての通り、漫画読んどります」

怜「セーラも読む?おもろいで」ペラ

セーラ「何ていう漫画?おもろいなら読む!」

竜華「あ、アカンで!セーラ!」

セーラ「?見してー」ペラ

船Q「『Toloveる』いう漫画です」

怜「なかなかになかなかやでコレは」ペラ

セーラ「……………!」カアアアッ

セーラ「お、お前らなんてもん読んでっ……」パシッ

怜「えー?普通の漫画やん」

セーラ「普通の漫画ちゃうやん!こんなん、エロ漫画やんっ!」

船Q「華の女子高生がエロマンガとか言うたらあきません」

竜華「い、いやでもほら。ウチらには早すぎるって、コレ…」マッカ

船Q「何言うてるんですか。かの週刊少年ジャンプ連載の作品ですよ?」

怜「合法や。合法」ゴロゴロー

竜華「そんなん言うて読み続けるから、泉が帰ってしもたやんか…」

船Q「それはそれ、これはこれや」

セーラ「…」カアアッ

怜「…あ、コレ見て。このコテガワさん、竜華に似とらん?」

竜華「へっ…!…な、なんやそれ!」

怜「女体生クリーム盛りええなあ…竜華やってくれへん?」

竜華「ぜったいやらんわアホ!」

船Q「それにしても…アレですね」

セーラ「な、なんや?」

船Q「…この主人公のリトって、セーラに似とりますね」

セーラ「はっ?!」

怜「ウチも思っとったわー」

船Q「見た目とか髪形もなんですけど」

怜「めっちゃ照れ屋な所とかヘタレなところとかそっくりや」

セーラ「………へ、ヘタレ言うなや」ソワソワ

船Q「ひょっとして、興味出てきました?」

セーラ「んな訳あるかドアホっ!ええから練習するで!」

練習後

船Q「ほな、お疲れ様です」

怜「お疲れー」

セーラ「お、お前ら…この漫画、持って帰れ……や…」カアアッ

船Q「ああ、今日は荷物が多いんで部室において帰ります」

怜「興味あるなら読んで帰ればええやん」ニシシ

セーラ「だ、誰が興味なんかっ!」

船Q「まあ、そういうわけなんで、お疲れ様でーす」

ガラガラ…バタン

セーラ「……………」

セーラ「…別にエロいのが見たいわけやない」

セーラ「俺に似とるっていう主人公が見てみたいだけや」

セーラ「………誰も居らんし、ちょっと読むだけ…なら、大丈夫やろ」

セーラ「…………」ドキドキ

セーラ「っ!」ペラ

3時間後

セーラ「…ぜ、全部読んでしもた……」カアアッ

セーラ「わー…わー、変態みたいやん、俺…」バタバタ

セーラ「こいつ、都合よくコケたりしすぎやろ…」

セーラ「女の子の、は、裸っ……とか…!」カアアッ

セーラ「……帰ろう、変な気分になってきた」スクッ

クラッ

セーラ「(あれ?)」

セーラ「(あれ?)」

セーラ「(あかん、ずっと横になって読んでたから…?立ちくらみ…が……)」

セーラ「(や…ば………頭が真っ白なる…)」

セーラ「(……くっ…)」トサ

―――――――

――――

?「セーラ様、早く起きてください?」

セーラ「(ん………なんや…?)」

?「起きないと……」ゴソゴソ

セーラ「(俺の上で…なんか動いてる?)」

憧「イタズラ…しちゃいますよ?」ボソッ

セーラ「っっ!?」ガバッ

憧「きゃっ!」

セーラ「な、ななな…な、なんでお前ここに…」ガタガタ

憧「?何か問題が?」

セーラ「お、お前、新子憧やないか!なんで俺の部屋に…!?」

憧「?私はアコ・アタラシ・デビルークですよ?」チュッ

セーラ「ひゃあっ!?…な、何してんねんっ!」

憧「朝のセーラ様の汗をいただこうかと…♪」ペロッ

セーラ「んっ…や、へ、変態!」

セーラ「(デビルーク…って、さっき読んでた漫画に出てきた…?)」

セーラ「(………たぶん、あの漫画に影響されて生まれた夢やな)」

セーラ「(にしては感覚がリアルやけど…って)」

憧「♪~」シュルシュル

セーラ「あ、憧っ!お前、何をっ…!」

憧「んー?セーラ様のお着替えをお手伝いいたします♪」

セーラ「自分でできる…か…ら!」ビクン

?「こらー!セーラ!」

セーラ「!?」

憧「あら、シズ。どうしたの?」

穏乃「どうしたのじゃないよ姉上!そのケダモノから早く逃げろっ!」

セーラ「(あれは阿知賀の大将の…高鴨穏乃、やっけ)」

憧「朝から折角楽しい営みをしていたのに……ねえ、セーラ様?」

セーラ「へっ!?」

穏乃「……………」ワナワナ

セーラ「(あれ…憧もこいつも尻尾がある?)」

穏乃「……」ガシッ

セーラ「(!あ、あの漫画の宇宙人役なんか…ってことは)」

憧「ひゃああっ!」ビクン

セーラ「っ!」

憧「んっんっ……ちょ、シズ、やめっ……!」

穏乃「いいから離れろっ!」コシコシ

憧「~~~!いい加減にっ…!」ガシッ

穏乃「ふぁっ」ピクッ

憧「…ふふ、気持ちいい?シズ」サワサワ

穏乃「やっ……あっ……ふああああ!」ビビクン

――

セーラ「…………脱出、完了」

セーラ「にしても……知らん家やな…ここ」

セーラ「これも漫画準拠の言えなんかな?とりあえずリビング探そう」

セーラ「………ここかな…?」ガチャ

竜華「あ、セーラ、おはよー」ホカホカ

船Q『おはようございますであります、セーラ様』

セーラ「―――!」

バタン

竜華「セーラどうしたのー?ドア閉めなくたっていいのに」

セーラ「だ、だってお前っ…!裸やんかっ!」

竜華「それが?いつものことやん」

セーラ「(竜華はコテガワやないんか…やなくて!)」

セーラ「(………朝から身が持たんわ)」カアアッ

?「お兄ちゃん……何してるの?」

セーラ「っ!」バッ

玄「竜華さんがシャワー浴びてるから脱衣所使えないよ?」

セーラ「あ、そ、そうなんか…あ、あはは」ドギマギ

玄「……何、その顔。まさか覗こうと…」ジト

セーラ「ち、ちゃうわ!そんなことするわけないやろっ!」

玄「ホントに―?」ズイッ

セーラ「(ち、近いっ…)」カアアッ

?「まうー!」ドタタタ

玄「きゃっ!」グラッ

セーラ「んむっ!?」ムギュ

セーラ「(こっ…これは、胸?)」モガモガ

玄「っ……お兄ちゃんの…」ビクン

玄「へんたい!」バシーン

セーラ「うわっ!」ゴツン

玄「もう!コローモも大人しくしててって言ったじゃない!」

衣「まうー………」シュン

玄「……あ、ご、ごめんね?お腹すいたのかな?朝ごはんにする?」

衣「!」パアアッ

玄「………それじゃ、お兄ちゃんも身支度済ませたらリビングに来てね」

スタスタ

セーラ「う、頭が割れそう……」ジンジン

リビング 朝食

セーラ「(一旦、さっきの漫画を思い出しながら整理や)」モグモグ

憧「セーラ様…?口元に米粒が…」ヒョイ

穏乃「こら!そういうのは自分にやらせろー!」

竜華「あー、このオムレツおいしいー!玄、ありがとー!」

セーラ「(まず、宇宙人の三姉妹がおって…竜華、憧、穏乃)」

玄「ホントー?竜華さんにそういわれると嬉しいよー!ね!」

衣「まうー!」モシャモシャ

セーラ「(んで、妹が玄で…あのなんか植物の子どもが、天江衣か)」

セーラ「(この世界をどうやったら抜け出せるかわからんけど…)」

セーラ「(とりあえず身を任せて、過ごしてみるか)」

セーラ「(…別にラッキースケベに会いたいわけやない、うん)」

竜華「?セーラ、そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?」

セーラ「!あ、うん!」

彩南高校 教室

セーラ「(俺…ブレザーか)」

セーラ「(共学なんやな…ほんで、竜華は普通に女子の制服)」

セーラ「(……あれ、ひょっとして俺、男って体で話進んでる?)」

?「あの…江口くん」

セーラ「(えええいやいや、でもトイレとかどうしよう…)」ワタワタ

?「江口くん、あの」

セーラ「…!わああ、ご、ごめん!何?」

怜「いや、そんなに慌てへんでも」クスッ

怜「今日は日直江口くんやから、ハイ、学級日誌」

セーラ「あ…おおきに、怜」

怜「………!」カアアッ

セーラ「へ?と、怜、どないした?」

怜「いや…え、江口くん、今私の名前…」

セーラ「(!そ、そうか…確かこのポジションの子は…)」

セーラ「せ、せやった、ごめんな園城寺」タハハ

怜「あっ………うん、全然ええで」シュン

セーラ「(……わ、この怜むっちゃ可愛え、あのセクハラ大魔王とは大違いや)」

セーラ「(…でも、なんでちょっとシュンとしとるんやろ……)」

?「あら、怜にセーラ、朝からイチャイチャしちゃって」

セーラ「!」

怜「ひ、ヒサ……いや、私そんなつもりじゃ」

久「見せつけてくれるわねー」モミモミ

怜「やっ……ちょっと、久、やめてっ……」

久「あれ、ちょっと大きくなってない?」サワサワ

怜「そっ……そんなことっ…!」ビクン

セーラ「(…目のやり場に困るわ)」カアアッ

?「こら!竹井さんっ!」

セーラ「(ま、またなんか来た…!)」

和「教室のど真ん中で…!ハレンチなっ!」

久「えー?いいじゃないちょっとくらい。固いなあ原村さんは」ムニムニ

怜「え、ええから触るのやめっ…!」

和「教室の風紀を乱しておきながら…許せませんっ!」

セーラ「ま、まあまあ…もうホームルーム始まるし、落ち着こうや」

和「……………」ジト

セーラ「へ?な、何?」

和「何でもないです…変態」

セーラ「!?」

キーンコーンカーンコーン

和「……とりあえず、竹井さんも園城寺さんも席について」

久「はいはい。キッツいわねー」トタトタ

怜「…………」トテテ

和「……」ジー

セーラ「……?」

和「」プイッ

セーラ「(な、何か怒らせることしたかな…?)」

竜華「和怒ってたねー、セーラ何かしたん?」

セーラ「!?い、いつからそこに!?」

竜華「初めからいたよ?…あ、先生来たよ!」

江口家 玄関

玄「じゃー、行ってくるねー」

船Q『玄様、今日はコローモ様の面倒はいかがいたしましょう?』

玄「ああ、保健室の先生に預けてくるから大丈夫だよー」

船Q『かしこまりました』

玄「じゃ、行こうね、コローモ♪」

衣「まうー♪」

彩南高校 保健室

霞「ほら、おいで、コローモちゃん」

衣「まーうー!」バフッ

霞「あらあら、相変わらずコローモちゃんは胸が好きなのね」クスクス

衣「まうっ…まう!」モムモム

霞「ふふふ………」

?「あの……石戸先生」

霞「はい?…ああ、どうかしら?体の調子は」

?「大丈夫です……だいぶ安定して動けます」

霞「そう……その仮の肉体では限界もあるから、何かあったらすぐに言うのよ?」

?「はい……」

?「でも、今日は本当に調子がいいので、放課後お散歩に行ってきてもいいですか?」

霞「ええ、その様子なら大丈夫そうね。いいわよ、小蒔ちゃん」

小蒔「やったー!」ピョンピョン

衣「まーうー♪」モフモフ

霞「あらあら、コローモちゃんも喜んでるわね」

彩南高校 体育の時間

セーラ「(……予想はしてたけど…)」

セーラ「(やっぱり男子更衣室か…)」ハア

?「おい、江口セーラ」

セーラ「?……って、お前」

泉「何してんだ?早く着替えろよ。みんな行っちまったぞ?」

セーラ「(何でお前男扱いになってんねん!)」

セーラ「わ、悪い、すぐ着替える」ワタワタ

ズルッ

セーラ「(え!?……いや泉は男扱いだ、何もないはず)」

バタタ

泉「いつつ……」

セーラ「(……あれ、こけたのは俺のはずなのに、なんで泉が俺を……?)」

泉「………!」

クシュン!

セーラ「へっ!?」

宥「セーラくんだー♪」ギュウウ

セーラ「はえ!?(女になった!?)」

宥「セーラくんあったかーい」スリスリ

セーラ「(くしゃみをすると女になるとかそんなキャラおったっけ…!?)」ワタワタ

セーラ「(ちゅーか…お腹に胸の感触が…!)」

ガチャ

和「もう人いませんか?授業が始まる…って」

セーラ「あ……………」

和「は…………」ワナワナ

セーラ「や、ちゃうねん、これはな?」

和「ハレンチなー!」バシーン

セーラ「(やっぱこうなるんかーい!)」ドシャア

放課後

セーラ「(色んな目にあったわ………)」ゲッソリ

竜華「今日も学校疲れたねー♪」

セーラ「(…あんなに足元が覚束ないことってあるんやな……)」

竜華「今日は何のテレビがあったかなー?」

セーラ「(怜の胸、やわらかかった……って何考えてんねん!)」ブンブン

竜華「セーラ?」

セーラ「!あ、ご、ごめん、何!?」

竜華「いや、大した用事や……」

プルルルル!

セーラ「ん?」

竜華「あ、デダイアルに着信……シズからだ」

穏乃『姉上!大変だ!』

竜華「へ?シズどうしたの?」

穏乃『うちのデダイアルが暴走して、ナメール星の生き物がこっちに来ちゃったんだ!』

竜華「えー!大変だ!」

穏乃『名前はナメル=ペロペロ!今姉上の高校に向かってるから何とか食い止めて!』

竜華「うん!わかった!」

セーラ「な、何?」

竜華「なんか来とるらしいから止めるで!」

セーラ「は、はいい!?」

彩南高校 裏庭

ナメル「ぐおおおおお」ウゾウゾ

透華「な、なんですの、これは……モンスター?」

菫「…透華様、お逃げください、ここは私どもが」スチャ

絹恵「お守りします!」

透華「い…いえ、菫と絹恵を置いていくわけには…」

ナメル「ぐぅおおおぉ」ニュルニュル

透華「!?」

ニュルニュル

透華「やっ………か、絡み付いて…!」

菫「と、透華様……くっ」ビクッ

絹恵「(何やこれ……全身が舐められとるみたいや……)」

ナメル「…」ウゾウゾ

透華「……………」ゾワゾワ

菫「ひゃっ………あ」

絹恵「だ、誰か……!」

?「」ヒュン

?「ニュルニュルは嫌いだけど…やるしかないよね」

竜華「あ、居たー!」

セーラ「!あ、あれは…」

咲「カン!」ズバッ

咲「もいっこ…カン!」バシュゥッ

ナメル「ぐお!ぐおあああ!」シュルシュル

絹恵「か、解放された…」

透華「ありがとうございますわ」

菫「………は、ぁ」ビクン

咲「いえ………」

ナメル「ぐおぉぉおぉ…」ズルズル

セーラ「!あ、逃げたっ!おい、竜華!」

竜華「わー、さっすが咲ちゃんは強いなー」ノホホン

セーラ「竜華!のんびりせんと退治せなっ…!くそ、先行くで!」

彩南高校 中庭

小蒔「♪」

怜「あら、小蒔ちゃん、お散歩?」

小蒔「はい!許可が出たので♪」

怜「そうだね、ええ天気やしな」

ナメル「………うぉぉぉぉ」

セーラ「居た!…て、怜!」

怜「へ?江口くん……」

ナメル「ぐおおおお!」ガバァ

怜「!?」

セーラ「くそっ………!」ダダダダ

竜華「……あれ?セーラは?」

穏乃「姉上ー!」

竜華「あ、シズー!」

穏乃「姉上!ナメルは!?」

竜華「それが…見失っちゃって」

穏乃「もう…!」

憧「デダイアルは問題なく修理しました。あとは見つけて戻すだけなんですけど…」

セーラ「りゅうかああああああ!」ダダダダ

竜華「あ、セーラ!」

5分前

怜「きゃっ…!」

小蒔「わ、たしかこれはナメール星の…えいっ!」ビビッ

ナメル「ぐぉぉお………」シュルル

セーラ「(お、あの人もなんか特殊能力使えるんか)よし、二人とも逃げるで……」

犬「…」パタパタ

セーラ「………へ?」

小蒔「………き」

セーラ「おい、ちょっと」

小蒔「きゃああああああ!」ビビビビ

ナメル「ぐ……ぐ、ぐおおおおおおお!」

セーラ「巨大化した!?」

怜「ちょ、これ何!?」

セーラ「………ええい、ごめんな園城寺!」ガバッ

怜「………!」

怜「(……後ろからようわからん生物に追われてる時点で、落ち着いては居られへんけど)」

怜「(江口君にお姫様抱っことか…!)」カアアッ

セーラ「竜華!助けっ………!」

竜華「おっけー♪じゃ、この『ぴょんぴょんワープ君』で……」

セーラ「!(その機械って、確か……!)」

竜華「えーい!」バシュン

ナメル「ぐお?」キョロキョロ

穏乃「獲物を見失って戸惑ってる!この隙に……!」

シュウウウン

竜華「やった!お見事!シズ!」

穏乃「へっへー!すごいでしょ!」

ファサ

憧「……」ヒョイ

憧「それで…この服の中身の人たちはいったいどこに?」

竜華「…………あ」

セーラ「(く、暗い………)」

セーラ「(怜、怜、どこや………?)」ゴソゴソ

ムニュン

セーラ「(?なんかやらかいもんが…)」

セーラ「………」モニュモニュ

怜「………ゃ」

セーラ「!」

怜「……やめてや、江口君」

セーラ「あああもうごめええええん!」

怜「いや、全然、ええんやけど…」

セーラ「(だいぶ暗闇に目が慣れてきた……って)」

怜「………」

セーラ「(は、裸やん……怜!てことは…俺も?)」ペタ

セーラ「!(……お、男の裸になっとる)」

怜「……えっと、恥ずかしいから、見んといて」フイ

セーラ「!ご、ごめん!」プイッ

セーラ「………」ドキドキドキ

怜「………………」バクバク

セーラ「あ、あんな?怜」

怜「!また、名前……」カアアッ

セーラ「あ……いや、ちょっと聞いてほしいんや」

怜「…な、何……?」

セーラ「俺な……ホンマは女なんよ」

怜「………え?」

セーラ「ようわからんけど…パラレルワールドみたいな」

セーラ「元の世界では、俺と怜…親友やって、名前で呼んでてん」

怜「………ご、ごめん、私もようわからん…」

セーラ「…そやろな、ごめん」

怜「その、違う世界から迷い込んできたこと…何で私に?」

セーラ「んー……考えたんやけど」

怜「?」

セーラ「俺、怜と、竜華が、好きやねん。恋愛的に、な」

怜「えっ……!?」

セーラ「元の世界で好きな人の事を…こっちのキャラに重ねてるんやと思う」

怜「(え、江口君が私のこと………?)」ドキドキ

セーラ「向こうの怜にも、竜華にも、そんなこと言われへん」

怜「(は、話してくれてるのに内容が入って来ぉへん…)」バクバク

セーラ「だから……この世界の怜には、伝えとこと思って」ガシッ

怜「ひゃっ」

セーラ「怜…………好きや、愛してる」

怜「え、えぐち、くん…………」

セーラ「……でも、やっぱり俺、竜華も好きで……」

セーラ「どっちが好きとか、決められ、へんねん…」

怜「…………………」

怜「…………『セーラ』」ギュ

セーラ「!?(わ、忘れてた!今裸やん俺ら!)」

セーラ「(ま、まずい………)」

怜「どっちが好きとか…決めんでええんやない?」

セーラ「はぇ……?」

怜「だって、セーラは次代デビルーク王の最有力候補…」ピト

セーラ「な、何言うてるん?怜……」

怜「王が側室を持つことに何の問題もあれへんで?」サワサワ

セーラ「そ、そんな宇宙規模の話してへん…よ」ビクン

怜「我慢せんやったらええねん」

セーラ「な、何か変なスイッチ入ってへん?怜」

怜「…私も、竜華も、憧ちゃんも穏乃ちゃんも玄ちゃんもみんな手に入れればええやん」

セーラ「は、なんで憧とか…」

怜「……そうすれば、セーラ様のハーレムが…」スッ

セーラ「(顔、近っ……!)」

セーラ「(お、俺、どうすればっ……!)」

――――――

――――

千里山女子高校 麻雀部部室

セーラ「……………」ウーンウーン

怜「よう寝とるなぁ………」

竜華「わ、このエロマンガ巻き散らかしてる…セーラ全部読んだんか…」

怜「むっつりやからなセーラは」

竜華「ひょっとして、家帰ってないんやろか…」

セーラ「怜…あかん、って…」グウグウ

竜華「!」

竜華「」グイッ

怜「ちょっと、竜華…」

セーラ「はっ!……ゆ、夢…か」

竜華「セーラ?」

セーラ「!りゅ、竜華…」

セーラ「(あかん、あんな夢みた後で…直視できへん…)」カアアッ

竜華「夢ん中で怜とよろしゅうやっとったみたいやなぁ?」

セーラ「はっ!?」

怜「ええやん、夢の中くらい好きにさせたれば」

竜華「いーや、許さへん!歯ー食いしばりや!」バッ

セーラ「(いや、俺お前も…いやそんな場合やなさそうや)」

セーラ「…………ごめん!」スルッ

竜華「あっ…………」チッ

セーラ「……俺、家帰ってくる!」ダダダ

怜「行ってらー。部活遅刻するって先生に言うとくわー」フリフリ

――

セーラ「………はあ」

セーラ「(俺…竜華と怜の事、好きやったんやな…)」

セーラ「(そんなこと意識すらしてへんやったから…なんかこれから顔合わせづらいわ…)」カアッ

船Q「………あ」

セーラ「あ、ひ、浩子………」

船Q『夢の旅はいかがでありましたか?セーラ様』

セーラ「!?」

おわり

春菜ちゃんは俺の嫁

支援感謝です

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