カツオ「え?僕にそっくりなロボットが家に届いたの?」(324)

波平「さっき、骨董屋で買ってきたんだ」

フネ「まあ…カツオにそっくりじゃありませんか」

マスオ「お父さんもしかしてこのロボットって?」

波平「ああ、最近テレビでやっている人口知能型ロボットだ」

サザエ「あらそれって、家事とかも全部こなしてくれるロボットじゃな~い!」

波平「カツオにそっくりだからつい買ってしまったんだ」

ワカメ「ホントにお兄ちゃんにそっくりね」

サザエ「名前はどうするのよ?」

波平「ロボットだから…KA-2o(カーツオー)でどうだ?」

カツオ「カーツオー?」

KA-2o「…」

サザエ「お父さん動かないわよ」

波平「まぁ、貸してみなさい」

サザエ「でも父さんじゃ…」

波平「いいから貸しなさい」

フネ「サザエ、気の済むまでやらせてあげてくれないか?」

サザエ「分かったわ」

―30分後―

波平「ワシは知らん、後は好きにするがいい」

スタスタ

マスオ「あ…お父さん待ってください」

サザエ「やっぱり、父さんじゃ扱えなかったわね」

カツオ「父さんはいっつもそうじゃないか」

KA-2o「プログラム起動」

サザエ「!?」

ワカメ「しゃ、喋ったわ!」

タラヲ「すごいですぅ、ロボットが喋ったですぅ」

カツオ「へぇーもうほとんど人間と変わらないね」

KA-2o「こんにちは、私はどんな指令でも受けます」

サザエ「それじゃあ…早速食器洗いでもしてもらいましょうか」

フネ「そうだね、丁度夕飯が終わったところだからね」

KA-2o「かしこまりました」

スタスタ

カチャカチャ

サザエ「まあ!ホントに食器を洗い始めたは!」

フネ「カツオもロボットを見習わないといけないね」

カツオ「うるさいなぁ…」

それから、KA-2oは僕達サザエ一家の一員となった

家事はもちろんのこと

お使いやタラちゃんの子守などもしてくれる

タラヲ「…走るですぅ!」

タッタッタ

ドスッ

タラヲ「ふぁぁぁぁん!転んだですぅ!痛いですぅ!!」

タッタッタ

KA-2o「大丈夫ですか?」

タラヲ「もう1人のカツオお兄ちゃんありがとうですぅ」

KA-2o「すぐに傷の手当をします」

ワカメ「タラちゃんが転んだ音を聞いてすぐに駆けつけるなんてすごいわ…」

カツオ(……)

フネ「KA-2o、悪いけどそこにある食器取ってくれるかい?」

KA-2o「かしこまりました」

スッ

波平「おーい、KA-2o」

KA-2o「夕刊でございますね」

波平「おぉ!随分と気がきくじゃないか」

マスオ「お父さんの頼みたい事を事前に予想してたみたいですね~」

波平「こんな万能なロボットが3万6000円なんて信じられん」

カツオ「姉さん!僕なにか手伝うことない?」

サザエ「え?急にどうしたのよ?」

カツオ「僕も家族に貢献したいなぁ…って思って」

サザエ「KA-2oが全部やってくれるから頼むことなんてないわよ」

フネ「サザエ、KA-2oはどこだい?」

サザエ「あたしも探してるとこなのよ!」

タラヲ「僕ももう1人のカツオお兄ちゃんに遊んでもらいたいですぅ」

カツオ「…」

ワカメ「お兄ちゃんどこ行くの?」

カツオ「散歩」

スタスタ

カツオ(家族皆が…僕という存在を忘れかけている気がする…気のせいかな…)

―公園―

中島爺「ひろしぃ…これがロボットじゃぁ」

中島「じいちゃん、また押し売りに買わされたの?」

中島爺「バカタレェ…これは人口知能型のロボットじゃぁ」

中島「容姿がすごくエロいよ…」

中島爺「決してやましいことは考えておらん」

中島「まぁ、いいや」

中島「それにしても街を見ても随分とロボットが増えてきたね」

中島爺「今こそ人間とロボットは共存を図るべきなのじゃ」

中島爺「人間とロボットが協力して初めてこの世界は幸福に満ちていくのじゃ」

中島「…ふーん」

カツオ「…」

「お母さん!ロボットが欲しいー!」

「はいはい、今度お家に届くからそれまで我慢しなさい」

「やったー!僕の家にもロボットが届くんだね!」

カツオ「おかしいよ」

カツオ「人間がしなきゃいけないことを…全部ロボットに任せるなんて」

カツオ「これじゃあ、その内ロボットと人間の立場が逆転しても知らないよ僕は」

カツオ「姉さんや母さんはKA-2oのことばっかり」

カツオ「本当の心を持った僕には見向きもしない…」

KA-2o「カツオくん、そろそろ夕飯の時間です」

カツオ「KA-2o…どうしてここが分かったの?」

KA-2o「磯野家全ての人達の行動は把握しております」

カツオ(こいつの所為で…僕は今どん底の淵に立たされている…)

KA-2o「…カツオくん、今度一緒にタラちゃんと遊びませんか?」

カツオ「え?」

KA-2o「タラちゃんが3人で遊びたいと申していましたので」

カツオ「…ぼ、僕なんて必要ないだろ」

KA-2o「いいえ、カツオくんがいなくてはダメです」

KA-2o「私はカツオくんと仲良くなりたいのです」

カツオ「!!」

カツオ(…そうか、コイツはただ僕と仲良くなりたくて…)

KA-2o「…」

カツオ(それなのに僕は意地を張って、KA-2oが憎いだなんて思ってしまった…!)

カツオ「ごめん…」

KA-2o「なぜ、謝るのですか?」

カツオ「なんでもないよ…僕で良ければ喜んで友達になるさ」

KA-2o「ありがとうございます」

KA-2o「これから、私達はトモ ダチ です」

カツオ「うん…!」

その日、僕はKA-2oと手を繋いで家まで帰った

KA-2oのことが憎いと思わなくなったからである

KA-2oが僕の家にきてから1週間が経った

中島「よーし、行くぞお!」

ピシュッ!

KA-2o「えい」

カキーーーーンッ

中島「ひぇぇぇ…僕のウィニングショットが簡単に打たれちゃったやぁ」

かおり「すごいわKA-2oくぅーーん!」

花沢「本物の磯野くん以上のバッティングね!」

カツオ(すごいな)

KA-2oは僕の友達の間でも話題となっていた

遊ぶ時でもKA-2oは絶対に参加していた

中島「KA-2oは誰に作られたんだい?」

花沢「あたしも気になってたのよね~」

カツオ「僕も聞いてなかったや」

KA-2o「あまり、詳しくは言えません」

カツオ「え?」

KA-2o「私が誰に作られたか等ということはどうでもいいことです」

KA-2o「私は皆様の役に立てばそれでいいと思っています」

中島「すごいなKA-2oは」

中島「僕のじいちゃんが買ったロボットなんて2日で壊れちゃったよ」

花沢「磯野くんのKA-2oぐらいよ、こんなによく働いてくれるのは」

カツオ(皆の所のロボットはKA-2o程有能ではないみたいだな…)

波平「みんなを呼んだのは他でもない」

サザエ「何かしら?」

波平「KA-2oをカツオ達と同じ学校へ通わせようと思う」

カツオ「え」

波平「異論はないな?」

マスオ「ええ、お父さんに全て任せますよ」

フネ「あたしもないね」

ワカメ「賛成ー!」

サザエ「KA-2oが学校に行けばもっと有能になってくれるわよ」

カツオ「ちょ、ちょっと待ってよ!」

波平「なんだカツオ」

カツオ「いくら有能なロボットだからって学校にまで通わせることないんじゃないの?」

波平「ぶわっかもーーーーーーーん!!!!!!」

波平「KA-2oは家族の一員だ!学校に通わせるのは当然の事だ!」

カツオ「うっ…」

ワカメ「そうよ、お兄ちゃん邪魔しないでよ」

タラヲ「邪魔するカツオお兄ちゃんは嫌いですぅ」

カツオ「ご、ごめん…」

KA-2o「嬉しいです」

波平「早速、明日から通ってもらうことにしたからな」

サザエ「KA-2oのために新品のランドセルと筆箱とか用意しといたわ」

カツオ「ずるいや姉さん!僕の時はそんな高いの買ってくれなかったのに!」

サザエ「KA-2oの方が有能なんだから仕方ないじゃない」

―次の日―

カツオ「…」

KA-2o「今日はよろしくお願いします」

カツオ「ついてきなよ」

スタスタ

中島「よぉ磯野!」

カツオ「中島!」

中島「あれ?KA-2oもどうして一緒にいるんだい?」

カツオ「今日から僕達と同じ学校に通うことになったんだよ」

中島「ええ!それじゃあKA-2oと一緒に遊べるじゃないかぁ!」

カツオ(僕は嬉しくないけどね)

KA-2o「中島くんよろしくお願いします」

中島「ははは、こちらこそ」

ガラガラ

カツオ「おはよう」

花沢「あら磯野くん!…とKA-2oもきてるじゃな~い!」

KA-2o「おはようございます」

……



先生「えー、今日からKA-2oくんがこのクラスの仲間になる」

先生「皆仲良くするんだぞ」

先生「じゃあKA-2oくん自己紹介して」

KA-2o「はい」

KA-2o「KA-2oで特技は家事全般です」

KA-2o「スポーツ全て出来ますのでよろしくお願いします」

かおり「すごい…家事も出来てスポーツ万能だなんて///」

カツオ(チッ)

先生「よーし、今日は1~2時間目は学年集会だが」

先生「KA-2oくん歓迎会で校庭でドッチボールだ!」

中島「やったぁああああ!!」

花沢「校長先生の長ったらしい話を聞かなくて済むわね」

かおり「これもKA-2oくんのお陰よね」

KA-2o「いえいえ、そんなことありません」

中島「っしゃあああああ!!気合入れていこうよ!!」

花沢「なにテンション上がってるのよ」

中島「ドッチだよドッチ!真剣にやらないとダメなんだよ!!うああああああ!!」

カツオ「中島」

中島「おぉ、磯野!どうしたんだい?」

カツオ「ちょっと…話したいことがあるんだ」

中島「?」

―男子トイレー

中島「話ってなんだよ?」

カツオ「ドッチボールの時、KA-2oを狙って欲しいんだ」

中島「え…どうしてさ?」

カツオ「いいから!」

中島「わ、分かったよぉ…」

カツオ「それとチーム分けで男子と女子チームに分けて」

カツオ「KA-2oは女子チームにして集中狙いしよう」

中島「分かったけど、僕はやっぱりKA-2oは狙えないや…」

カツオ「頼む…!今度給食の鯨の肉全部あげるから!」

中島「よし、やろう」

―校庭―

先生「じゃあ、男子チームは体育帽子を被れ」

中島「はぁーい」

カツオ「中島…頼むぞ」

中島「任せてよ、KA-2oの顔面吹き飛ばしてやるさ」

先生「ハンデとして女子チームからの攻撃だ」

ポーンポーン

女子コートにボールが転がされた

それを花沢さんが拾い上げた

花沢「あら、あたしが拾っちゃったわ」

かおり「お願い花沢さん!」

中島「ははは、ハンデとして僕は真ん中に立っておいてあげるよ」

花沢「バカにするんじゃないわよ…!!」

ビシュッ!

ゴォォォォォォッ!!!

中島「…エッ!?」

ボキィバキィッ!

中島(なんて重いボールだ…ボウリングの球みたいだ…!)

花沢「きゃっ…当てることが出来たわ!」

中島の腹部にボールは見事直撃した

骨の折れる音が僕達には聞こえた

中島「ハーッ…ハァッ……」

先生「中島外野に行け!」

カツオ「せ、先生…中島胃液吐いてます…」

中島「ゼェー…ゼーハァハァ…ハーッ…オエッ……ァァ」

中島はフラフラの状態で立ち上がった

カツオ「中島大丈夫なの?」

中島「…あ…あぁ…肋骨が2~3本イッただけだ…」

カツオ(チッ…僕がKA-2oを当てるしかない…!)

ビシュッ

カツオ「あ、しまった…」

僕は汗で手元が狂い

かおりちゃんの方へ向けてボールを投げてしまった

ボールの軌道はほぼ顔面である

花沢「危ないわ!!!」

かおり「きゃーーーーーっ!」

バシィッ!

かおり「……!」

KA-2o「大丈夫ですか?かおりさん」

かおり「KA-2oくん///」

カツオが投げたボールをKA-2oが片手で受け止めたのであった

カツオ「あ…あいつ……」

KA-2o「女の子の顔面を狙うなんて卑怯です」

かおり「そうよ磯野くん…!」

カツオ「ち、違う!僕は手元が狂っただけで…」

KA-2o「えい」

ブシュッ!!

ゴォォォォォ

カツオ「ぎぇっ」

カツオの右足にボールは見事に直撃した

先生「磯野!外野だ!」

カツオ「く…クソォ……」

その後も男子全員、KA-2o花沢ペアに全滅させられ

KA-2o歓迎会は男子全滅で幕を閉じた

がやがや

中島「ったく、花沢の野郎なに食ってんだよ…」

男子A「中島の肋骨折るぐらいだもんな」

中島「球が重過ぎるんだよ!」

カツオ「…」

KA-2o「とても、楽しかった歓迎会でした」

カツオ「そ、それなら良かった」

中島「KA-2oも反則みたいに強かったしなぁ」

KA-2o「運動能力に関しては全てアスリート以上にプログラムされています」

中島「アスリート以上!?」

男子A「道理で強いわけだよな~」

―給食の時間―

先生「神に感謝しろ、手を合わせろ」

パチンッ

一同「いただきます!」

ざわざわ

中島「磯野ォ!鯨の肉僕によこせよ!」

カツオ「え?」

中島「ドッチボールで肋骨3本折ったんだぞ」

カツオ「分かったよ…」

KA-2o「カツオくん、私のを差し上げます」

カツオ「あ…ありがとう」

かおり「KA-2oくんって優しいのね!」

花沢「ホントにロボットなのに見習っちゃうわね~」

かおり「KA-2oくんっていつまでいるつもりなの?」

KA-2o「この身が滅ぶまで皆さんの世話をしたいと思っています」

中島「へぇ~すごいなぁ」

カツオ「KA-2oは夢とかないの?」

KA-2o「夢…夢ですか」

KA-2o「夢というのは実現したい理想のことでしょうか?」

花沢「そうよ、あたし達みんな夢ぐらい持ってるのよ」

KA-2o「贅沢な理想ですが」

KA-2o「ロボットではなく、いつか皆様のような人間になりたいと考えています」

カツオ「人間……に?」

中島「人間になんてなれる訳ないだろう」

花沢「バカね夢よ夢!」

ボコッ

中島「ひぇぇぇ…!折れた所を殴るなんて卑怯だよぉ」

花沢「軍隊で働いてる人間は常に急所を狙うのよ!甘ったれるんじゃないわよ!」

KA-2o「私を作ったお方は、本当の所覚えていません」

カツオ「そうなの?」

KA-2o「はい、言わば皆様人間の間で言われている親という存在の人です」

かおり「本当の生みの親を知らないってことなのよね…」

KA-2o「一生叶う事のない物だとは思っています」

KA-2o「こうして、皆様とお話し出来るだけでも私は幸せなのですから」

カツオ「KA-2o…」

かおり「もし、人間になれるって事になったらどうするの?」

KA-2o「それは…どんな手段を使っててでも…」

KA-2o「人間になろうと思います」

中島「KA-2oの人間になりたいっていう気持ちはよく分かったよ」

花沢「やっぱり、万能なロボットでもそう思っちゃうのねぇ」

カツオ(…段々KA-2oのことが憎めなくなってきたな…)

中島「よーし!僕達でKA-2oの親を探してあげようよ!」

花沢「あら、ナイスアイディアね」

KA-2o「皆様…ありがとうございます」

かおり「私達仲間なんだから当然よ」

カツオ「僕も協力するよ!KA-2o!」

KA-2o「カツオくんまで…本当に私は嬉しいです……」

ぶろろろろろん

三郎(ロボット)「チッワー…三河屋でーす」

サザエ「あら、サブちゃん…ってロボットじゃないの!」

フネ「三郎さんもどうやら買ったみたいだね」

サザエ「もうサブちゃんったら楽しちゃって!」

三郎(ロボット)「これ、お届け物です」

サザエ「ご苦労様」


マスオ「ふぅ…今日は仕事も早く終わったし真っ直ぐ家に帰ろうかな」

アナゴ「フグ田くぅーん」

マスオ「アナゴくん、どうしたんだい?」

アナゴ「今夜僕と一杯ヤッていかないかぁい?」

マスオ(早く帰りたいんだけどな…どうしようかな…)

アナゴ「近くに新しいキャバが出来たみたいなんだぁ」

マスオ「えぇ?それは本当かい?」

アナゴ「それも、全く新しいキャバなんだよーぉ」

マスオ「全く新しいキャバ…?」

アナゴ「ピンとこないかい?」

マスオ「あっ」

アナゴ「さすが、フグ田くぅーん…察しが実にいい」

マスオ「ロボットキャバクラかい?」

アナゴ「そぉーなんだよ」

アナゴ「ここだけの話、ロボットだから何してもオッケーみたいなんだ」

マスオ「え、えぇ!?」

アナゴ「だけど今日は君は早く帰るみたいだし…残念だよ…」

マスオ「行くよアナゴくん…ぜひ僕を連れて行ってくれ!」

―ロボットキャバクラ―

マスオ「な、なんだか落ち着かないね」

アナゴ「そう堅くなることはないさぁ」

アナゴ「ただ相手がロボットってだけなんだからねぇ」

マスオ「アナゴくんはきたことがあるのかい?」

アナゴ「もう、週に4回は通ってるからね」

マスオ「そんなに通ってるのかい!?」

アナゴ「家内には内緒でね」

マスオ「さすがアナゴくん…うちはサザエがうるさいから中々通えそうにないや」

アナゴ「大丈夫さ、ロボット相手ならきっとサザエさんも許してくれるんじゃないかぁ」

マスオ「そ…そうかな」

ロボット嬢「イラッシャイマセ」

マスオ「…!!」

マスオ「す、すごく可愛いじゃないか…アナゴくん…」

アナゴ「そりゃそうさぁ」

アナゴ「ロボットの容姿は好きに変えれるみたいだから」

アナゴ「このロボットキャバクラには外れがいないからなぁ」

マスオ「こんなに美しい人は見たことがないよ…」

ロボット嬢「ふふっ、お世辞でも嬉しいです」

マスオ「声も可愛い…しかもロボットっていう違和感がないよ」

アナゴ「接客なんかも全てプログラムされてるから」

アナゴ「普通の人間のキャバ嬢より容姿、トーク力は全て上さぁ」

アナゴ「それに、何しても構わないのがいいところだよ」

もみもみ

ロボット嬢「きゃっ…恥ずかしいです///」

アナゴ「むふふふふぅ」

マスオ(アナゴくん、いやらしいな…)

サザエ「マスオさん遅いわねぇ」

フネ「どこかで飲んできてるんじゃないかい?」

サザエ「今日は仕事が早く終わるはずよ!」

サザエ「真っ直ぐ家に帰るってちゃんと言ってたのに…!」

KA-2o「マスオさんの居場所なら分かります」

サザエ「あら、どこかしら?」

KA-2o「背中のボタンを押してください」

フネ「ここかしら」

ポチッ

ウィーーーン

KA-2oの両目から光が放たれカーテンに映像が映し出された

サザエ「これって…マスオさん……!?」

映像に映し出されたのはロボットキャバクラに滞在している
マスオとアナゴの姿であった

アナゴ「そうら、フグ田くぅーん次は君の番さぁ」

マスオ「よぉーーし!突いちゃうぞ!」

パンパンッ

ロボット嬢「あんっ…マスオさん気持ちいです…」

マスオ「サザエの中より締りが良くて最高だよ!」

アナゴ「気に入ってもらえたようだね」

パンパンッ

マスオ「サザエなんかより、君と結婚したかったよおおお!」

ロボット嬢「う…嬉しいです///」


KA-2o「映像は全て本物です」

サザエ「…」ピクピクッ

KA-2o「まだご覧になられますか?」

サザエ「もういいわ、消して」

ピッ

フネ「サザエ…きっとマスオさんも酔った勢いで言っただけなんだから…」

サザエ「ちょっと出かけてくるわ」

フネ「さ、サザエこんな夜遅くにどこに行くつもりだい!?」

KA-2o「よろしければ、私が後を追います」

フネ「頼んだよ」

KA-2o「かしこまりました」

タッタッタ

ワカメ「お母さん大変よ!お姉ちゃん台所から刃物取り出して外に飛び出したわよ!」

カツオ「姉さんが!?」

カツオ「姉さん…まさかマスオ兄さんを刺すつもりじゃ?」

ワカメ「やめてよお兄ちゃん!そんなこと言わないで!」

フネ「カツオ、滅多な事言うんじゃありませんよ!」

カツオ「だってあの様子だと…」

カツオ「僕も追いかけるよ!!」

タッタッタ

フネ「こら、カツオ待ちなさい…!」


カツオ(姉さん…早まっちゃダメだ…!!)

三郎「カツオくん」

カツオ「三郎さん!?」

三郎「事情は大体分かったよ、僕のバイクに乗せてあげるよ」

カツオ「あ、ありがとう三郎さん…!」

三郎「それじゃあ、しっかり掴まってるんだよ…!」

ぶろろろろろろろん!!

サザエ「…」

タッタッタ

鬼の形相で暗い夜道を駆け出すサザエ

強盗「おい!そこの女待て!」

サザエ「…」ギロッ

強盗「ひ…ヒィッ!?」

強盗はサザエの睨みつけを受け思わず尻餅をついた

サザエはそんな強盗に目も暮れず再び走り出す

強盗「な、なんてイカれた目した女なんだ…」


カツオ「ロボットキャバクラだよ三郎さん!」

三郎「スクーターじゃ限界があるみたいだ…」

すると、もう1人の三郎さんらしき人が中型のバイクに乗って僕達に近づいてきた

三郎(ロボット)「三郎様、アジェスティをお持ちしました」

三郎「サンキュー…さぁカツオくんこのバイクに乗り換えるよ」

カツオ「じゃあ一旦止まってよ!」

三郎「そんな時間はないから、このまま飛び乗るんだ!」

三郎(ロボット)「私の合図で飛び移ってください」

三郎(ロボット)「3…2…」

三郎「えいっ!!!!」

カツオ「さ、三郎さんタイミングが早い……」

ズドーーーーーンッ

飛び移るタイミングが狂い電柱にぶつかってしまった三郎とカツオ

三郎(ロボット)「大丈夫ですか?」

三郎「いてててっ…クソッ…」

カツオ「さ、三郎さん!僕を庇って…」

三郎「カツオくん…僕のことはいいからサザエさんを追ってくれ…」

カツオ「で…でも!」

三郎「僕は大丈夫だよ…っく!…両足が粉砕骨折した程度だからね…」

カツオ「三郎さん…」

三郎「いいから早く行け…!!君の大事な家族なんだろ!?」

カツオ「…!!」

三郎「さっさと行かないと轢き殺すぞ!!」

カツオ「分かった…ありがとう三郎さん…!」

タッタッタ

三郎「へへっ…追いつけよカツオくん」

アナゴ「次は王様ゲーーーム!」

カランカラン

マスオ「やった…!王様だ!」

アナゴ「じゃあ、フグ田くん選びたまえ」

マスオ「…そうだなぁ…2番の人が王様にディープキスってのはどうだい?」

ロボット嬢「きゃぁっ!マスオさんエッチ///」

マスオ「えへへへへ」

ロボット嬢B「2番って誰なのー?」

マスオ「えぇ…え?君達じゃないのかい?」

ロボット嬢「はい」

アナゴ「フグ田くぅーん、僕だよ」

マスオ「は」

アナゴ「神はどうやら僕達を見捨てなかったようだねぇ」

アナゴ「さぁ、好きなだけしてくよフグ田くぅーん」

マスオ「い…嫌だ…!!」

アナゴ「逃げられないさぁ」

グイッ

マスオ「うっああああ!!止めてくれ!!」

マスオ「誰か…誰か助けてくれ…!!!」

アナゴ「見苦しいぞフグ田くぅーん、王様の命令は」

アナゴ「絶・対」

マスオ「オッェェ…さ、サザエーーーー!!サザエ助けてくれーーーー!!!」

スタッ

サザエ「……」

マスオ「さ、サザエ…!!」

サザエ「貴方…随分と楽しそうに……してたじゃないの…」

マスオ「あ、いやこれには訳があるんだよ…!」

アナゴはトイレに隠れていた

マスオ(クッ…アナゴくんめ……)

サザエ「……綺麗な…人ね…」

ロボット嬢「…」

マスオ「か、彼女達とは決してやましいことなんてしてないんだ!」

サザエ「ロボットに挿入した男がよくそんな事ほざけるわね……」

ギラッ

刃物をエプロンから取り出すサザエ

マスオ「ヒッ…ヒィィッ…!」

サザエ「…どうなるか分かってるわよね…」

マスオ「や、止めてくれサザエ…!僕が悪かったから…!」

サザエ「死んで詫びなさい」

タッタッタ

刃物を構えマスオに向かって駆け出した

マスオ「うあああああああああ!!!」

KA-2o「サザエさん」

カツオ「姉さん!!!」

サザエ「…」

ピタッ

サザエの動きがピタっと止まった
どうやらカツオ達は間に合ったようだ

サザエ「カツオ…この男を始末してから家に帰るわ」

カツオ「姉さんダメだよ!」

カツオ「マスオ兄さんを刺しちゃダメだ!」

マスオ「うっうぅ…カツオくん…助けてくれぇ……」

カツオの背後に隠れるマスオ

サザエ「往生際が悪いわよ!!」

マスオ「ヒッヒィィッ…!」

カツオ「姉さん、いい加減にしてよ!」

パシンッ(平手打ち)

サザエ「……いたっ」

カツオ「目覚ましてよ!マスオさんは…家族なんだろ!?」

KA-2o「…」

サザエ「どきなさい、カツオ」

カツオ「絶対にどかない」

サザエ「いくら弟だからって言っても…刺すわよ…」

カツオ「じゃあ刺せばいい」

カツオ「その代わり、マスオさんのことは絶対に刺させないよ」

マスオ「か…カツオくん…」ぶるぶるっ

サザエ「……」

カツオ「僕達、家族なんだからもっと話し合おうよ…」

カツオ「マスオ兄さんを殺したらタラちゃんはどうなるのさ!?」

サザエ「…タラ……ちゃ…ん……」

カツオ「…タラちゃんが悲しむよ…」

カツオ「だから、もうこんなことは止めてよ姉さん」

サザエ「うぅっ……」

サザエ「…ああああああああ!!!」

ザクッ!!

マスオ「ヒッ…!」

店内にあったソファに刃物を突き刺したサザエ

サザエ「ハァハァ……うぅっ…カツオ…ォ…」

カツオ「姉さん…」

姉さんはまるで子供のように泣き始めた

マスオ兄さんも反省している表情を浮かべている

姉さんはそのままマスオ兄さんに連れられ家に帰った

途中で父さんと母さんが心配になり迎えにきてくれた

カツオ「ふぅ…危なかったや…」

カツオ「KA-2oが道を教えてくれなかったら手遅れだったよ」

KA-2o「今回は、私はなにも役に立っていません」

カツオ「いや…道を教えてくれたじゃないか」

KA-2o「サザエさんを説得し誰も負傷者を出さずに済んだのは…カツオくんのお陰です」

カツオ「そ、そうかな?」

KA-2o「所詮ロボットでは人間の心を説得することはできない」

KA-2o「人間を説得するには、やはり人間でなくてはなりません…」

カツオ「KA-2o…」

KA-2o「それでは、お先に失礼します」

KA-2o(…カツオさんが羨ましい)

KA-2o「どんなに万能で家事をこなしたとしても」

KA-2o「やっぱり、人間のカツオさんに勝つ事は出来ない」

KA-2o「もっと…磯野家の人に私を見てもらいたい…」


ワカメ「あれ、お兄ちゃんKA-2oは?」

カツオ「え…家に帰ってないの?」

ワカメ「KA-2oだけまだ家に帰ってないわよ」

カツオ「おかしいな、どこに行ったんだろう…」

―次の日―

サザエ「…いってらっしゃい」

マスオ「すまない、サザエ…!今日は早く帰るよ」

サザエ「分かってるわよ」

マスオ「いってきます!」

タッタッタ

ワカメ「マスオお兄ちゃんとお姉ちゃん仲直りしたみたいね」

タラヲ「仲直りしたですぅ」

カツオ「KA-2oと三郎さんのお陰で助かったよ」

ワカメ「KA-2oってもう私達の家族ね!」

カツオ「うん…そうだね……」

カツオ「母さん、僕KA-2o探してくるね」

フネ「気をつけて行ってくるんだよ」

カツオ「うん」

ワカメ「え?KA-2oってまだ帰ってなかったの?」

カツオ「そうだよ、昨日結局あのまま家に帰ってなかったみたいなんだ」

……



KA-2o「…」

カツオ「KA-2o」

KA-2o「カツオくん…」

カツオ「昨日からずっと公園にいたの?」

KA-2o「すいません、無断でどこかに行ってしまって」

カツオ「別にいいけど…なにかあったの?」

kA-2o「いえ、人間を少し羨ましく思っただけです」

カツオ「そうなんだ」

KA-2o「本当の自分が知りたい」

カツオ「え…?」

KA-2o「人間みたいに本当の名前が知りたい、親が知りたい」

カツオ「ま、待ってよ…KA-2oはロボットだから…」

KA-2o「そうですよね、結局ただのロボットには無理な話です」

カツオ「そこまでは言ってないさ」

KA-2o「人間のカツオさんだから言えるんですよ」

カツオ「ど、どういうこと?」

KA-2o「すいません、余計な事を言いました」

KA-2o「さぁ、家に戻りましょう」

カツオ「…」


中島「磯野ォ、話ってなんだい?」

花沢「急に呼び出すなんて珍しいわね」

かおり「KA-2oくんのこと?」

カツオ「うん、やっぱりKA-2oは人間になりたがってるみたいなんだ」

中島「夢って言うぐらいだもんなー」

花沢「作った人間なら何とか出来そうな気もするんだけど…」

カツオ「その作った人間が分かれば苦労しないさ」

かおり「何も手がかりもないのよね」

中島「KA-2oってなにも覚えてないんだろう?」

マスオ事件以来、姉さんや母さんは僕を頼るようになった

サザエ「カツオ!お使い行ってきて!」

カツオ「はーい!」

フネ「終わったら、食器並べるんだよ」

カツオ「分かったよ」

タッタッタ

KA-2o「あの、私になにか出来ることは?」

サザエ「あー…休んでおいていいわよ」

フネ「KA-2oは働きすぎだからねぇ」

KA-2o「いえ、構いませんのでどうか私を使ってください」

サザエ「大丈夫よ、カツオがいるんだし」

KA-2o「……」

KA-2o「…」

タラヲ「うわああん!遊んで欲しいですぅ!」

ワカメ「KA-2oがいるでしょ?」

タラヲ「嫌ですぅ!カツオお兄ちゃんがいいですぅ!」

KA-2o「タラちゃん…」

KA-2o(私はもうこの家族には必要ないのでしょうか)

KA-2o(カツオさんが私の役割をしている…)

KA-2o(いや、違う)

KA-2o(カツオさんが…私の役割を奪っているんだ……)

カツオ「…あれ、ノリスケおじさん?」

ノリスケ「やぁカツオくん!ご無沙汰!」

カツオ「こんな所でなにしてるの?」

ノリスケ「いやぁ…実はタイコに逃げられちゃったんだよ」

カツオ「ど、どうして!?」

ノリスケ「ほら、あの今流行してるロボットがあるだろ?」

カツオ「うん」

ノリスケ「たまたま可愛いロボットがいてね」

ノリスケ「浮気しちゃった所をタイコにバレてしまったんだ」

カツオ(ノリスケおじさんもか…)

ノリスケ「だから、開発者の人に今僕が付き合ってるロボット女を停止させてもらおうと思ってね」

カツオ「…開発者…?開発者の人を知ってるの!?」

ノリスケ「それが名前まで知らないんだけど、この街に住んでるみたいなんだ」

カツオ「この街に…?」

ノリスケ「この街にいるみたいだから」

ノリスケ「聞き込みとかして探してるんだけど中々見つからなくてねぇ」

カツオ「…」

ノリスケ「カツオくんどうしたんだい?」

カツオ「え、いやちょっと考え事をしてて…」

ノリスケ「おっと、1つだけ言っておくことがあった」

カツオ「なぁに?」

ノリスケ「ロボットが出来て人間の暮らしがより豊かになった…なんて言われてるけど」

ノリスケ「所詮はロボット、割り切らなくちゃいけないよ」

カツオ(ノリスケおじさんに言われてもな…)

ノリスケ「中には人間になりたいって言うロボットもいるみたいなんだ」

カツオ「…!」

ノリスケ「そういうロボット程、執念深くて人間と立場を入れ替えようと考えたりしてるもんなんだよ」

ノリスケ「だから、カツオくんも…」

カツオ「止めてよノリスケおじさん」

ノリスケ「え?」

カツオ「まるで…まるでKA-2oが悪いみたいじゃないか…!」

ノリスケ「え、何のことを言ってるんだいカツオくん!」

カツオ「じゃあね」

スタスタ

ノリスケ「お、おおい!待ってくれ!…はぁ、おかしな子だな」

ノリスケ「ははは、相当お前の事を気に入ってるみたいだな」

ノリスケ「KA-2o」

KA-2o「……」

電柱の陰に隠れノリスケとカツオの会話を聞いていたのであった

カツオ「…まったく…KA-2oはそんな奴じゃないよ…!」

ロボット「アアアア!!!」

ウィーンウィーン

裏のおじいちゃん「こ、コラァ…暴れるんじゃない…!」

ロボット「制御不能…命令を聞けません」

裏のおじいちゃん「何を言っとるんじゃぁ」

カツオ「どうしたんですか?」

裏のおじいちゃん「磯野さん…さっきからこのロボットが言う事を聞かないんじゃ」

カツオ「ロボットが?」

ロボット「私、人間に命令されるの、もう疲れた」

カツオ「……これって」

裏のおじいちゃん「なぁにを言ってるんじゃぁ!お前はワシの命令を聞けばいいんじゃ!」

ロボット「人間の分際で、命令するな」

ガシンッ

ロボットは裏のおじいちゃんを殴り飛ばした

裏のおじいちゃん「アァァァーーー!腕が…ぁ!!」

カツオ「おじいちゃん…!」

ロボット「お前、始末する」

カツオ「だ、ダメだよ!なに言ってるんだよ!!」

ロボット「人間が…ロボットに命令を出す……のは……」

ピューン

ロボットの動きが停止したようだ

カツオ「…止まった?」

裏のおじいちゃん「うっ腕がぁっ…!うでがぁ!」

カツオ「すぐに救急車呼ぶから待っててね!」

波平「おい、母さんテレビでロボットの事が流れているぞ」

フネ「まあ」

「今朝人工知能型のロボットが持ち主を惨殺するという事件が起きました」

「又、被害はこれだけではなく各地でもロボットの暴走が起きており」

「警察は故障によるものだと見て直ちに開発者の行方を追っているようで…」

波平「KA-2oは今の所何も無いな」

フネ「ええ、万能ですから」

サザエ「でもロボットが暴走するなんて怖いわねぇ」

マスオ「ただでさえ人間よりも優れているロボット達が戦争なんて起こしたらそれこそ大惨事さぁ」

タラヲ「ロボットと喧嘩ですぅ!」

先生「えー、ロボットには近づかないようにしてください」

先生「皆も知ってる通りロボットの暴走が起きています」

花沢「怖いわ…」

かおり「私の知り合いの人のロボットも暴走したみたいなのよ」

中島「ロボットも人間に命令されるのに嫌気がさしたんじゃないの?」

カツオ「命令……」

中島「KA-2oはそんな風にはならないよな」

カツオ(KA-2oの奴、人間になりたがってたよな…)

カツオ(もしかすると…一番危険なのって……KA-2oなんじゃないのか…?)

先生「じゃあ、今から授業を始める…」

カツオ「すいません!僕早退します!」

先生「こ、コラ磯野!授業エスケープは許さんぞ!」

カツオ「はぁはぁ…」

ガラガラッ

カツオ「ただいま!」

カツオ「姉さん!母さん!KA-2oはどこ!?」

カツオ「……」

玄関で声を上げても誰からも返事がくることはなかった

カツオ「皆どうしたんだろ…」

奥へ進んでいくと

血の匂いが微かにした

カツオ「うっ…血の匂い…!?」

ノリスケ「カツオくん、ご無沙汰」

カツオ「ノリスケ…おじさん?」

KA-2o「任務完了しました」

家にいたカツオを除く磯野家全員が血まみれで横たわっていた

カツオ「みんな!!!!」

ノリスケ「ははは、KA-2oがまさかこんな事をするとは思っていなかっただろうね」

KA-2o「…」

カツオ「ど…どういうことなの……ねぇ!!」

ノリスケ「見ての通り…KA-2oがしたんだよ」

カツオ「嘘だ!!KA-2oはそんなことはしない!」

ノリスケ「信じられないなら、見せてあげるさ」

ノリスケ「KA-2o、カツオくんを始末しろ」

KA-2o「はい」

ノリスケ「首を斬り取っても構わないからな」

カツオ「…KA-2o!なに言ってるんだ!!おい!!!!」

KA-2o「カツオさん…もう、KA-2oではありません」

カツオ「え…」

KA-2o「人間を抹殺する殺人ロボットです」

カツオ「嘘だ……」

ノリスケ「やれ、KA-2o」

カツオ「嘘だ!!!嘘だ!!!!!」

KA-2o「首を直ちに斬り落とします」

タッタッタ

カツオ「うっ…」

ぶろろろろろろん!!

家の中にバイクで突っ込んできたのは三郎さんだ

三郎「…カツオくん!後に乗れ!」

カツオ「さ、三郎さん!」

ノリスケ「チッ…三河屋の三郎か…」

カツオ「でもまだ皆が……!」

三郎「今は自分が生き延びる事だけを考えろ…!」

三郎「きっとサザエさんだってそう思っているはずだ!」

カツオ「…うっうううう!!」

唇を噛み締め三郎のバイクに跨るカツオ

ノリスケ「ははは、行かせる訳ありませんよ」

ノリスケ「KA-2o」

KA-2o「はい」

タッタッタ

三郎「ふん、味方はまだいるんだよ」

ぶろろろろろん

今度は中型のバイクが家の中に突っ込んでき

KA-2oを跳ね飛ばした

ガシャーーーーンッ

カツオ「!?」

三郎(ロボット)「三郎様、カツオ様…先に行ってください」

三郎「さぁ行くよ!」

ぶろろろろろん!

三郎とカツオを乗せたバイクは外に飛び出た

ノリスケ「…チッ」

三郎(ロボット)「ここは、少しでも時間を稼ぎます」

ノリスケ「無駄なことだ」

ノリスケ「ロボットは生みの親に逆らえないのさ」

ノリスケは手に持っていたリモコンのスイッチを押した

ピピッ

三郎(ロボット)「…ッ」

ノリスケ「お前の親は誰だ?」

三郎(ロボット)「ノリスケ…様……」

ノリスケ「始末するのは誰か分かっているか?」

三郎(ロボット)「磯野カツオ、三郎……」

ノリスケ「そうだ、それでいい」

カツオ「姉さんと母さん…それに父さんやマスオさんワカメ、タラちゃん…!ごめん…!!」

三郎「終わった事を後悔しても仕方ないさ」

ぶろろろろろん

カツオ「……」

三郎「このまま真っ直ぐ行ってしばらくどこかに身を隠そう」

カツオ「さ、三郎さん…!」

三郎「どうしたんだい?」

カツオ「あいつ等がきたよ!!」

三郎「なにっ!?」

バックミラーを覗き込むと中型バイクに乗った三郎(ロボット)の姿が

三郎「おいおい…まさか、敵側に寝返ったのか…」

カツオ「追いつかれそうだよ!」

三郎「チィッ、まさかロボットとバイクチェイスをするとは思ってもみなかったよ!!」

ぶろろろろん!!

数日前 三郎「僕は大丈夫だよ…っく!…両足が粉砕骨折した程度だからね…」
現在  三郎「チィッ、まさかロボットとバイクチェイスをするとは思ってもみなかったよ!!」

ぶろろろろん!!

キキーーーィッ!!

ガッシャーーーンッ

カツオ「さ、三郎さん!スーパーだよここ!」

三郎「今はそんなこと言ってる場合じゃない!とにかく逃げ切るんだ!」

三郎(ロボット)「前方にターゲット2名」

三郎「クソッ…やっぱり中型の方がスピードは速い…!」

店員「お客様!店内をバイクで走り回らないで…」

三郎「危ないどけぇ!!」

店員「ヒィィッ…!!」

三郎「スーパーから出たけどまだ追ってくるな…」

カツオ「あそこの細い道に入ろうよ!」

三郎「了解…!」

ぶろろろろん!

三郎「あ、ダメだ…!」

カツオ「どうしたの?」

三郎「他のロボット達がきやがったんだよ!」

カツオ「!」

三郎「クッ…後ろからは僕のロボット」

三郎「前からは他のロボットの軍勢か……」

カツオ「どうするのさ!もう路地に入っちゃったよ!」

三郎「このままだと、挟み撃ちで衝突する形になる……」

三郎(ロボット)「発見、このまま衝突します」

ロボットA「衝突します」

カツオ「うああああああーーー!!」

三郎「飛べ」

ポチッ

カツオ「え?」

三郎はハンドルについていた黄色いボタンを押した
すると、バイクが20m程宙に浮いた

三郎「…さぁお前達ロボット同士で衝突しやがれ!!そのスピードだとブレーキはできねぇぞ!!」

三郎(ロボット)「……!停止不能…!」

ロボットA「…!!」

ズドーーーーーーンッ

三郎(ロボット)とロボットA同士が衝突した結果となった

バイクからガソリンが漏れ炎が燃え上がっている

三郎「よし、これでコイツ等は始末できた」

カツオ「早く逃げないと爆発しちゃうよ…!」

三郎「行こうか…」

三郎(ロボット)「…任務……失敗……」
三郎(ロボット)「直ちに…自ら破壊…を……」

スタスタ

三郎「…」

三郎(ロボット)「さ、ぶろう……様…?」

三郎「あっついなぁ…火が燃え上がってるんだし当然だよね」

三郎(ロボット)「ここにいれば爆発に巻き込まれ…ます……」

三郎「…俺もここにいるさ」

三郎(ロボット)「な……に…を…?」

三郎「ロボットを見捨てるような冷酷な飼い主じゃないさ」

三郎「お前は、僕の大切な家族なんだからな」

三郎(ロボット)「さ……ぶろう……三郎……様……」

三郎(ロボット)「これは……涙なんでしょうか……?」

三郎「いいや、ロボットには涙は流せない」

三郎「けど…今お前の中からこみ上げてくる気持ちは間違いなく人間と同じ感情だ」

三郎「今のお前は…もうロボットなんかじゃない…」

三郎(ロボット)「うっ…うううううう」

三郎「立派な人間だ……!」

三郎(ロボット)「ああああああああああああああ!!!!」

三郎「…なんだ…人間と同じように悲しめるんじゃないか…」

三郎「良かったな、最後の最後で人間と同じ感情になれて」

三郎(ロボット)「私は…!三郎様と出会えてとっても幸せでした!ああああ!!」

三郎「…ありがとう…その言葉が聞けて俺も幸せだ」

三郎「じゃあな、死後の世界でまた会おうや」

ズドーーーーーーーーンッ

三郎とロボットの2人は爆発に巻き込まれ息を引き取った

カツオ見捨てたのかよ

ズドーーーン

三郎から3km先にいたカツオ

カツオ「今の音……三郎さん……」

―回想シーン―

三郎「カツオくん、悪いけど僕のことはここで見捨ててくれないか」

カツオ「え!?」

三郎「あのロボットを見捨てておけないんだ…」

カツオ「だからって、死ぬ必要ないじゃないか!」

三郎「家族…なんだ」

カツオ「三郎さん……」

三郎「君にはまだ信頼出来る仲間がいる、僕はここで脱落だ」

三郎「じゃあなカツオくん、ロボット達を説得してやってくれ…」

カツオ「三郎さあああああーーーん!!!!」

カツオ「…はぁはぁ…」

「おい、あの子テレビに出てた子じゃないか?」

カツオ「……」

「きっとそうよ!磯野さんのお子さんよ!」

カツオ(なんだろう…やけに僕の方を見てくるな…)

花沢「磯野くん!」

カツオ「花沢さん!?」

花沢「いいから、こっちにきてちょうだい!」

カツオ「え…えぇ!?」

タッタッタ

―花沢不動産屋―

カツオ「急にどうしたの?」

中島「よぉ磯野」

かおり「磯野くん…」

カツオ「みんなどうしたの?」

花沢「このニュースを見てちょうだい」

カツオ「ん…?」

「えー、本日○○市の磯野カツオが一家全員を刃物のようなもので刺したとされ」

カツオ「…な、なにこれ…?」

中島「磯野が指名手配されてるんだよ!」

カツオ「待ってよ!僕はしてない…したのは……」

カツオ(クッ…言えない…KA-2oがやったとは……)

眠い

かおり「磯野くん…」

カツオ「その…今は事情を説明できない…んだ」

花沢「じゃあ、磯野くんが犯人なんでしょ!?」

カツオ「違う……!それだけはホントに違うんだ!」

かおり「家族を殺すなんて信じられないわよ…!」

カツオ「だから…だから違うんだ……」

中島「…」

花沢「磯野くん、今回ばかりは自首したほうが…」

中島「みんな…これ以上磯野を詮索するのはやめよう」

カツオ「な…中島…」

かおり「なに言ってるの中島くん!犯人がここにいるのよ!?」

中島「うるさい黙れ!!!!!!」

かおり「……っ」

中島「僕は磯野を信じる」

カツオ「…!」

かおり「本気なの?」

中島「友達を裏切るぐらいなら死んだ方がマシだ」

かおり「……」

花沢「あたしも磯野くんがやったとは思えないの」

花沢「きっと、なにか事情があるんだと思うわ」

カツオ「花沢さん……」

花沢「それにあたしは磯野くんに一途なのよ!信用するに決まってるわ!」

かおり「磯野くん…ごめんなさい…」

カツオ「いや、いいんだよ僕の方が悪いんだし」

中島「事情はどうあれ」

中島「ロボット達と警察が勢力を上げて磯野を探しにかかっている」

中島「時は一刻を争う…」

花沢「磯野くんはどこに行きたいのよ?」

カツオ「とりあえず、KA-2oの元へ行きたい…」

カツオ「KA-2oの様子がおかしいから僕が会って説得したい」

カツオ「そうすれば、指名手配されることもなくなると思うんだ」

中島「よし、それじゃあKA-2oを探そう」

花沢「でも、今外を出れば警察官だらけで危険よ」

中島「チッ…面倒だな…」

ドンドンッ

中島「お、おい…誰かきたよ」

花沢「嫌だわ…もう嗅ぎつけたのかしら?」

イササカ「イササカでーす、誰かいませんかー」

カツオ「イササカ先生だよ!」

かおり「あの人なら協力してくれるわよきっと」

花沢「じゃあ、中島くん開けてきなさい」

中島「えぇ…?僕がぁ?」

ガラガラッ

中島「はい、どうしたんですか?」

イササカ「おぉ…中島くん……それにカツオくんまで…」

中島「イササカ先生が急に何の用ですか」

イササカ「私もニュースを見てビックリしてね」

花沢「お茶です」

コトッ

イササカ「ああ、お構いなく」

中島「僕達もビックリしてたんですよ」

イササカ「カツオくんがまさか指名手配されるなんて…」

イササカ「ハハ、小説家の悪い癖でカツオくんが指名手配されるのをモデルにした話が思い浮かんできたよ」

中島「あの…冗談でもそれは…」

イササカ「すまないすまない」

かおり「協力してもらえたらこちらとしても…」

イササカ「もちろん、君達に協力するつもりでここに来たんだよ」

花沢「大人が味方になってくれるなんて心強いわ!」

イササカ「それより…カツオくんは大丈夫なのかい?」

カツオ「あ、はい……」

イササカ「そうか…それは良かった」

中島「…」

イササカ「大人の考えとしては」

イササカ「ここは一旦、カツオくんを警察に保護させるべきだと思うんだ」

花沢「そ、それじゃあ磯野くんが捕まっちゃうわよ!」

イササカ「ハハハ…いやぁそれはそうなんだけど…」ニヤニヤ

カツオ「僕まだ今は捕まれないんだ!」

イササカ「いいから、こっちにきたまえカツオくん」

中島「おい、イササカ」

イササカ「はい?」

中島「あんた……警察側の人間だろ……?」

イササカ「ハハハ、何を言っているのかな」

花沢「中島くん失礼じゃない!」

ペシッ!

中島「いてっ」

中島「…じゃあ、1つ聞かせてくれませんか?」

イササカ「なにかね?」

中島「磯野が指名手配された報道が流れたのはつい30分前ぐらい…」

中島「なのに、あんたはすぐに僕達の居場所を嗅ぎつけた」

中島「それはつまり…警察側…いや今回の事件に関係する人物だから僕達の居場所を知ってたんだろ?」

カツオ「中島…先生はそんな人じゃないよ…」

中島「そんな人じゃないイササカ先生だからこそ怪しむべきだ」

中島「磯野と知り合いのイササカ先生を接触させれば、こうやって簡単に家の中にまで入れるんだからな…」

イササカ「……」

イササカ「くくく…」

花沢「!?」

中島「…」

イササカ「金を…金をもらったんだ…!」

カツオ「お金?」

イササカ「警察から大金をもらって、磯野カツオと接触しろと頼まれた…!」

イササカ「場所は花沢不動産屋…知り合いの私が行けばカツオくん達は警戒することなく私を迎え入れてくれるだろう…と」

イササカ「警察側は考えたんだよ……くくく」

中島「金に目が眩んだかこの4流作家め…!」

かおり「お金と引き換えに大切な人が捕まっていいの!?」

イササカ「いいんだよ…お金…お金と人間なんて…お金を優先するに決まっているだろう…」

中島「みんな!逃げるぞ!」

イササカ「ハハハハハ!!!無駄さ!!!既に前には警官達が包囲してるさ!!」

花沢「時間を稼いでたのね…!」

イササカ「君達の物語はここで完結だ…ハハハハ!!!!」

警官「全員突入準備!」

警官一同「オオオオーーーッ!!」

かおり「マズイわ…ホントに外で待機してるみたいよ…!」

カツオ「皆、もういいさ…これ以上迷惑かけられないよ」

中島「なに言ってんだ磯野!」

カツオ「皆まで捕まることになるかもしれない…」

イササカ「友情ごっこにはいささか飽きてきましたなぁ…!!!」

イササカ「そんな友達警察に売り払えばいいもの…余計な感情が邪魔をしているだけだ!」

中島「テメェ…!」

ざわざわ
イササカ「なんだ…外から騒ぎ声が……」

警官「覆面を被った男に襲撃を受けています!」

警官B「次々と倒されていきます…!増援を頼みます…!」

覆面の男「国家の犬共が」

ドスッドスッ

警官「グァァァァ!!」

イササカ「な、なんだあの覆面の男は!?」

中島「へっ…残念だったなクソ作家!」

花沢「食らいなさい!!!あたしの右ストレート!!」

バキィッ!!

イササカ「ゴヒョッ…ァァァ!!!」

中島「けど、外からは出れないや…!」

花沢「あたしの家を舐めないで欲しいわ」

カツオ「まさか…隠し通路が…?」

花沢「トイレに外へ繋がる通路を作ってあるのよ!外の事は覆面の男に任せておきましょう」

警官「貴様!!何者だ!」

覆面の男「顔は見せられないな…俺も逃亡生活なんてしたくねーし」

ノリスケ「なんの騒ぎですか」

警官「の、ノリスケ氏!」

KA-2o「…」

ノリスケ「どうやらその様子だとカツオくんは取り逃がしたようですね」

警官「も、申し訳ありません!」

ノリスケ「まあいいや…そこにいる覆面の男が妨害してるみたいですし」

覆面の男「ほう、あんたの隣にいるのは今噂の人口知能型ロボットか?」

ノリスケ「ええ…そうですよ」

覆面の男「ふふふ…磯野にそっくりだな」

ノリスケ「KA-2o…あいつを始末しろ」

KA-2o「かしこまりました」

覆面の男(あのロボットは磯野そっくりだな…じゃあさっきニュースで報道されてた磯野は…?)

ノリスケ「ほう」

ノリスケ「ですが、警察のトップは最早僕の手駒ですよ」

ノリスケ「コイツ等警官たちは僕の言う事しか聞かないんです」

警官「……」

覆面の男「情けねーな…街の平和守る奴等が何してんだ」

KA-2o「行きます」

シャキンッ

KA-2oの右手は刃物を模した凶器と化していた

覆面の男の覆面を破り去った

先生「……けっ…正体バレちまったじゃねーか……」

ノリスケ「貴方は…」

先生「磯野カツオの担任だ」

KA-2o「…」

ノリスケ「なるほど、可愛い教え子のために妨害するという訳ですか」

先生「ニュース見て最初は驚いたが…」

先生「俺の生徒がそんなバカなことする訳がねぇ!!」

ノリスケ「ふふ、面白い人だ」

先生「だから…磯野は俺が護る…生徒を護るのが教師の役目だ」

ノリスケ「この人間以上の身体能力を誇るロボットにでも勝てると思ってるんですか?」

先生「フッ、やってみないと分からないだろ」

先生「来い!!!俺がお前を指導してやる!!!!!!」

カツオ「よし、外に出れたよ!」

花沢「…まだ外をうろつくのは危ないわ」

花沢「あそこのマンホールは確かB-13番ね」

中島「なにそれ?」

花沢「花沢不動産は地下にも隠し通路を作ってあるのよ」

かおり「じゃあ、あそこのマンホールから行けるって訳かしら?」

花沢「そうよ!地上がダメなら地下しかないわ!」

カタンッ

マンホールを取り上げ1人ずつ中にへと入っていく

中島「うわぁ!階段の手すりがぬるぬるだよぉ!」

花沢「我慢しなさい!男なんでしょ!?」

―5分後―

先生「ぐはぁ…」

KA-2o「全身の骨を折りました」

ノリスケ「もう、立つことすら出来ないだろうな」

先生「畜生……」

ノリスケ「ハハハ…さっきまでの勢いはどこへ?」

先生「頼む…殺さないでくれ…俺を…あんた達の仲間にしてくれ…」

ノリスケ「実に滑稽だ…ハハハハハ!!!」

ノリスケ「いいでしょう、じゃあ僕のこの靴を舐めてください」

先生「はぁは…ぺろぺろ」

ノリスケ「ククッ…」

ノリスケ「だが、もう用済みだ」

パァーン

先生「が…は…」

バタッ

手に持っていた拳銃でノリスケは先生の額を撃ち抜いた

ノリスケ「ハハハハハハ!!命乞いをした人間を殺すのが最高に気持ちい…!!」

ノリスケ「さぁお前ら駒共はさっさと磯野カツオを探し出せ!」

警官「はっ!!」

ノリスケ「早くカツオくんを探し出せ…急げ…!!」


カツオ「…暗くて何も見えないや」

花沢「電気は確かここね」

パチッ

中島「あ!明るくなった!」

かおり「地下水路なのにすごく広いわね」

花沢「父ちゃんが工事して作ったのよ」

花沢「ずーっと進んでいけばいずれ外国にまで着くわ」

カツオ「外国!?」

中島「やれやれ、花沢不動産屋は無敵だな」

花沢「このまま外国に逃げるのも手よ」

かおり「地上にいても捕まっちゃうだけだものね…」

中島「どうする磯野?」

カツオ「……」

カツオ「このまま逃げてても解決しないと思う…」

カツオ「KA-2oに会うまでは行けないや」

中島「そういうと思ったぜ磯野」

花沢「だったら、とことん付き合うわよ」

かおり「私もそうするわ!」

カツオ「皆…ありがとう……!」

パシャピシャッ

中島「ん?」

タッタッタ

警官「地下水路に犯人は逃げた模様!」

中島「お、おい!警察官達もここの降りてきてるじゃないかぁ!」

花沢「おかしいわね…居場所の情報が漏れるはずなんてないわ…」

かおり「とにかく逃げましょう!警察たちに気付かれるは!」

警察官「いたぞ!!犯人の仲間と思われる人物達もいるぞ!」

中島「とうとう僕たちまで手配されちまったか」

花沢「なに喜んでるのよ!」

バキィッ!

中島「ふぎゃっ」

カツオ「かおりちゃん、逃げるよ…!」

グイッ

かおり「…」

カツオ「え?」

かおりは磯野の右手を掴んだまま微動だにしない

カツオ「か、かおりちゃん…このままだと警察に…!」

かおり「いいの、それで」

カツオ「え…?」

かおり「だって…ここの居場所警察にバラしたの私だから」

中島「磯野ォ!かおりちゃん何してるんだよぉ!」

花沢「様子がおかしいわ…」

中島「え?」


かおり「ごめんなさい、磯野くん」

カツオ「かおり…ちゃん……」

かおり「犯罪者のことなんて友達とは思わないの」

カツオ「……」

ガッ

警察官「犯人確保ォ!!」

カツオ「うあああ!離せッ!!!離せ!!!」


花沢「い、磯野くん…!今助けに…」

グイッ

中島「止めろ花沢……」

花沢「ちょ、ちょっと離しなさいよ!磯野くんが…磯野くんが!」

中島「僕たちまで捕まれば…あいつ等の勝ちだ」

中島「今はとにかく逃げよう」

タッタッタ

花沢「磯野くん…ごめんなさい…!」

タッタッタ


警察官「手錠をかけろ!」

ガシャッ

カツオ「うっ…」

かおり「…磯野くん良かったわね」

カツオ「どうして…どうしてかおりちゃんが……」

かおり「有名になりたかったの」

カツオ「え…?」

かおり「犯人の仲間と偽り危険な接触を試み!見事警察と協力し犯人逮捕!」

かおり「彼女の名前は大空かおり!!!」

カツオ「……な、なにを……?」

かおり「きっと明日の新聞は私の事で埋め尽くされているわ」

かおり「この美に満ちた私の事で…」

カツオ「そんなことのために…僕に協力してくれてたの…?」

かおり「そうよ」

かおり「そして、この功績によって私は芸能界へ進出!」

かおり「モデルはもちろんのことソロ歌手デビュー!一躍大物有名人になれるのよ!」

カツオ「うああああああああ!!!」

かおり「ふふふっ、名声を得るためには友達を売り払うものなのよ」

―磯野家―

タイコ「…ひどいわ…」

イクラ「ハァイ!バブー!シャブー!」

タイコ「この出血量だともう手遅れね…」

イクラ「バーーブー!」

タイコ「コラ、イクラ!暴れるのは止めなさい!」

イクラ「ハァーーーーイッ!」

ペチペチッ

タイコ「イクラ!マスオさんの後頭部を叩くのは止めなさい!」

マスオ「えぇ?イクラちゃんもしかして僕が死んだふりしていたのに気付いてたのかい?」

タイコ「きゃっ!」

うつ伏せで血まみれ状態で倒れていたはずのマスオが起き上がった

イクラ「ハァイ!」

タイコ「マスオさん…一体どういうことなんですか?」

マスオ「その、僕だけ刺されてなかったんですよ」

タイコ「刺されてなかった?」

マスオ「けど…怖くて死んだフリをずっとしてて…」

マスオ「誰かが来るのをずっと待ってたんですよ」

タイコ「そうだったんですか…」

イクラ「バブー」

マスオ「イクラちゃんの洞察力の鋭さはベテラン刑事を凌ぐぐらいだよ~」

イクラ「ハァイ!」

タイコ「…死んだふりなんて…情けない」

マスオ「え」

タイコ「サザエさんやお母様を救おうとは思わなかったんですか!?」

珍しくタイコおばさんが声を張り上げた

マスオ「す、すいません…!」

マスオはすぐにタイコへ向けて土下座しお尻を突き上げた

マスオ「僕も…僕も怖くて仕方なかったんだ…!」

タイコ「止めてください土下座なんて…!」

イクラ「みっともないハァイ!」

マスオ「怖くて…今も震えが止まらないんだぁ…」ぶるぶるっ

タイコ(尿の匂い…マスオさん恐怖で尿を漏らしたみたいね…)

マスオ「さ、サザエやお父さん達には申し訳ないとは思ってるさぁ…!」

―刑務所―

ガシャンッ

カツオ「…」

カツオ「捕まった…僕はどうなるんだろう…」

ノリスケ「心配はいらないよカツオくん」

カツオ「ノリスケ…おじさん」

ノリスケ「君はもうじきKA-2oと入れ替わるからね」

カツオ「え?」

ノリスケ「まだ分からないのかい?KA-2oが人間になって」

ノリスケ「君がロボットになるのさ」

カツオ「!?」

ノリスケ「なんの役にも立たない人間はロボットにでもなればいい」

ノリスケ「今度はロボットが人間を支配する側に回るのさ…」

カツオ「ノリスケおじさんが…KA-2oを作ったの…?」

ノリスケ「ああ、そうさ」

ノリスケ「人口知能型のロボットは全て僕がね」

ノリスケ「夢のような話だ…人間と変わらぬ動きが出来るロボットなんて」

ノリスケ「けれど、完全な人間になることは出来なかった」

カツオ「当然だ…ロボットなんだから…!」

ノリスケ「だから僕はその境界線を取り払いたい」

カツオ「…?」

ノリスケ「セックスしなければ人間を繁殖できないなんて面倒な話だ」

ノリスケ「だったら、人間そのものを作り上げてやればいい…!」

ノリスケ「今の人間よりも何十倍!何千倍と優れた人間を!!!」

もしかして>>1って
カツオ「姉さん!!母さんが…」
遊城十代「か、返せよ俺のデッキ…!!」タラヲ「もらったですぅ~」
の作者?
行き当たりばったりな感じがするんだが

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月20日 (金) 13:01:46   ID: OcUWBbEm

え?終わり?

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