ライナー「なあ、アニってあんなに可愛かったか?」(476)



クリスタ「兵士ライナーが好き」アニ「戦士ライナーが好き」
の後日談的な続編的な話

ライアニ他、固定CPあり。注意。


クリスタ「ねえアニ、私ね」

アニ「?」


クリスタ「アルミンと正式にお付き合いすることにしたの」

アニ「え?」



アニ「……そっか、前に告白されたって話してた相手って、あいつだったんだ」

クリスタ「うん。アニには二番目に伝えたいと思ってたんだ。ちなみに一番はユミルね」

アニ「…私が二番目か。なんか嬉しいな。教えてくれてありがとう。それと、おめでとう」

クリスタ「えへへ、ありがとう」


クリスタ「それでね、」

アニ「ん?」


クリスタ「…このこと、ライナーにも報告しようかって思ってるんだけど、どうかな?」

アニ「!」


アニ「どうって…なんで私に聞くの?」

クリスタ「ライナーのことだから、アニに断って動いた方がいいと思って」


アニ「…あんた、あいつとはもう関わらないようにしてるんでしょ?だったら、特別に報告する必要なんてないんじゃないの」


クリスタ「…でも、もしライナーがまだ私のこと好きだと思ってるとしたら、決別する意味で言っておくべきだと思わない?」

アニ「」グサ


アニ「あんたってさ…(可愛い顔して人の心抉りにくるよね…それ私に言う?)」ハア

クリスタ「え?」

アニ「いや、なんでもない。それよりその話について、アルミンはなんて?」

クリスタ「アルミンにはまだ話してない」


アニ「? なんで?」


クリスタ「なんでって…。この話はアニに最初に相談しようと思ってたから…」


アニ「…おもしろくないと思うよ。自分の好きな人に、前に好きだった人の話を自分のいない所でされるなんて」

アニ「まして話してる相手が、そいつを取り合ってた元恋敵なんだから、尚更」


クリスタ「そんな、元恋敵なんて…!私はアニのことを友達だと思ってるのに…」

アニ「そんなのアルミンは知らないでしょ。…私だったら嫌だな」


クリスタ「……そっ、か」シュン


アニ「あんたがちゃんとライナーのこと吹っ切れてて、やましい気持ちがないんなら報告する義理なんかないよ。それとも、けじめをつけておかなきゃならない理由でもあるの?」


アニ「…まだライナーに気持ちがある、とか?」ジト


クリスタ「まさか!本当にもう何とも思ってないよ!そんな気持ちでアルミンに向き合うなんて失礼だし」アセ

アニ「…どうしても報告したいんなら、私じゃなくてアルミンに相談しな。で、もし行くことになったら一緒に行くことだね。できれば、ライナーがベルトルトといる時に」

クリスタ「……」


クリスタ「そうだね、アルミンに話してみる。ありがとう、アニ」

アニ「…うん」




クリスタ「……私、本当にライナーのこと、もう何とも思ってないから、安心してね?」

アニ「なっ…」カア


アニ「…なんでそんなこと…わざわざ」

クリスタ「アニが変な心配しちゃいけないと思って」


クリスタ「だってアニってば、ライナーのこと好きでい続けるって言ってたのに、あの後全然ライナーと一緒にいるところ見かけないんだもん」ムウ


クリスタ「好きでい続けるって、アタックして、振り向かせて、付き合うってことじゃないの?」

アニ「ち、がうよ。私はそういうのが目的なわけじゃ…」


クリスタ「今、ライナーとはどうなってるの?ちゃんと進展してる?」


アニ「……してないよ」


クリスタ「!?」


アニ「むしろ、いつからかわからないけど、……なんか避けられてる気がする」ボソ

クリスタ「ええ!どうして!?」


アニ「さあ、私もわからない。…嫌われたのかもね」フイ

クリスタ「そうなの!?」


アニ「…何もした覚えがないけど、最近は二言三言程度しか会話が成立しないし、私の方を見てくれようともしない」

クリスタ「(一応会ってはいるんだ。…でも…)やっと二人のこと、応援できると思ったのに…」シュン


アニ「まあ、よく考えると、あいつが私のことを好きだって言ったことは最初から一度もないんだよね」

クリスタ「そんな…」


アニ(…キスとか許してくれたのは、私に甘いからだって言ってたし、)

アニ(それにあいつは、告白騒動の時はクリスタのことが好きだった。それって、その時点ではもう私のことは何とも思ってなかったってことだし)


アニ(…私、今あいつにどう思われてるんだろう)ギュ



『わかった、約束するよ』


アニ(…嫌われてしまったんだとしたら、あの約束はどうなるのかな…)


アニ「……はあ」



==



数時間後
夕食後・男子寮


ガチャ


マルコ「あ、おかえり。二人とも」

ベルトルト「うん」

ライナー「おう、ただいま」


ベルトルト「……」


ライナー「…しかし、」

ライナー「まさかクリスタがアルミンと付き合うことになったとはな…」

ベルトルト「意外だったね」


ベルトルト「あれから三ヶ月、クリスタももうライナーのこと、すっかり吹っ切れたんだね」

ライナー「ああ」


ライナー「…本当に、よかった」フッ

ベルトルト「……」


ベルトルト「意外と落ち込んでないんだね。アルミンたちの前では虚勢を張ってただけかと思ってたよ」

ライナー「ああ。まあ俺も自分の中で、クリスタに対する気持ちにはもう決着がついてるからな」

ベルトルト「そうだったんだ」


ライナー「…実はな、今、クリスタとは別に、気になる奴がいてな。そのせいかもしれん」

ベルトルト「!?」


ベルトルト「(一難去ってまた一難、か…アニも大変だ)へえ、そうなんだ。で、その相手って誰?」ハア


ライナー「いや、俺自身そんなに話したことはないし、普段から関わりがある相手でもないから、意外に思われるかもしれんが…」

ベルトルト(…ん?)


ライナー「……ほら、アニっているだろ?なんだか、あいつが気になるんだよな」ボソ


ベルトルト(うわーお)


ベルトルト(やったよ、アニ!ついにこの時が来たんだね!僕も嬉しいよ)

ベルトルト(…あれ?でもアニ、二人っきりになるとライナーはまともに口も利いてくれないって落ち込んでたのにな…。これはどういうことだ?)


ライナー「おい、ベルトルト?なんで黙ってるんだ?何か喋ってくれないと恥ずかしいんだが」

ベルトルト「ああ、ごめんごめん(…とりあえず、本心で話してくれるうちに色々喋ってもらおうか)」


ベルトルト「アニね。かわいい娘だよね、うん。で、ライナーはどうしてアニが好きなの?」


ライナー「以前、夜にあいつが一人で、外で何をするでもなく座っていたことがあってな。その時に色々話したんだ」

ベルトルト「(ああ、僕と殴り合った夜のことかな…?)なるほど、そこで話したのがきっかけなんだね」


ライナー「それと…、そのせいか、夢に出てきたんだ、あいつ」

ベルトルト「ほうほう。どんな?」ニヤ


ライナー「…いや、それに関しては控えさせてくれ」カア

ベルトルト(…ん?)


ライナー「以来、妙に気になるというかな…。それに、あいつを見てると、子供の頃よく一緒にいた女の子を思い出すんだよな」

ベルトルト「前に言ってた初恋の女の子?」

ライナー「ああ、話したことあったか?」

ベルトルト「うん、聞いたことがあるよ。そっか、その娘に重なっちゃったんだ(…じゃ、そろそろ頃合いかな)」


ベルトルト「…あのね、ライナー」

ライナー「お?」


ベルトルト「その女の子、アニだよ」


ライナー「」


ライナー「……」

ライナー「……」


ライナー「……はあぁ…」ガックリ


ライナー「またやっちまったのか俺は…」

ベルトルト「兵士の君は、お喋りで正直者で本当にわかりやすいね。今の、全部本心なんだろ?」ニッコリ


ライナー「」ギク


ライナー「お前…楽しんでないか?」

ベルトルト「ん?何のこと?」ニッコリ


ベルトルト「僕はただ、普段から君を正気に戻す方法を模索してるだけだよ」

ベルトルト「いつぞやの完全兵士化から、せっかくアニが元に戻してくれたんだもん。僕も僕で、日頃から君を元に戻せる言葉を探していかないと」


ライナー「だったらここまで喋る前に呼び掛けることも出来ただろ」

ベルトルト「そういうわけにはいかないよ。おもしろい話が聞けたしね」


ベルトルト「…両想いだったんだね」

ライナー「……っ!」カア


ベルトルト「アニに言ってあげたら喜ぶだろうに」

ライナー「目の前で別の女に告白した男が、今更どの面下げてそんなこと言えるんだよ」

ベルトルト「もういいだけ時間経ったんだし、気にしなくていいと思うけど」


ライナー「それに…再三付き合えないって言ってあるんだ、そうもいかないだろう」

ベルトルト「頑固」

ライナー「何とでも言え」


ベルトルト「…アニが、君に嫌われたんじゃないかって悩んでたよ」

ライナー「…え?」


ベルトルト「好きなのに、アニをわざと避ける理由は何?」

ライナー「……」


ライナー「俺がアニを嫌いだなんてありえない。断じてない」

ライナー「……ただ、だめなんだ、最近。あまりあいつを直視すると」

ベルトルト「どうして?」


ライナー(…触れたくなるんだ)

ライナー(抱きしめて、キスをして、メチャメチャにしてしまいたくなる衝動にかられる)

ライナー(…俺がこんな余裕のない男だなんて知ったらあいつは、幻滅するんだろうな…)



ライナー「なあ、アニってあんなに可愛かったか?」

レスありがとう
一旦ここまでです

エロとか書けるといいな(需要w)
無理かな

おおお…想像以上に需要あって自分でハードル上げた気分だ…
最終的には>>1のモチベ次第ですが前向きに検討します

とりあえず投下再開します


ベルトルト「何言ってるの?アニは元々可愛いよ」

ライナー「お、おう。いや、そうじゃなくてな…」


ベルトルト「でも…そうだね、ライナーに告白してからのアニはなんか…キレイになったというか、女らしくなったというか…」

ライナー「…色っぽくなった」

ベルトルト「そんな感じするよね。アニの中で、何か意識の変化があったのかな」


ライナー「…だからだよ。妙に意識しちまう。今の俺は、あいつといる時は常に理性を保つために全力で劣情と戦っているんだ」

ライナー「ほんの数ヶ月前あいつとしてきたことに、今なら全く耐えられる自信がねえ」カア


ベルトルト「頑固じゃなくてヘタレか」


ライナー「そう思われても仕方ないが、これが最善なんだから問題ないだろう」


ライナー「…だが、まさか俺の自制のためにとっている行動のせいで、またあいつを悩ませちまってるとはな」

ライナー「俺は結局、何度あいつを泣かせることになるんだ…」ハア


ベルトルト「…将来結婚した時に、今の分まで幸せにしてあげればいいんだよ」

ライナー「ああ、もちろんそのつもりでいる」キリッ


ライナー「だから今は耐えて、他人のフリを続けるよ。二人で決めたことだからな」


ベルトルト(…じれったい)ハア


ベルトルト「ねえ、ライナー。ずっと言おうと思ってたんだけど」

ライナー「?」


ベルトルト「恋人のフリがどうこうって時のアニもそうだったけど、二人とも、もう大義名分を言い訳にするのはやめたら?もう少し衝動的に、自分に正直に生きてもいいと思うんだけど」

ライナー「ううむ…そうは言うがなあ…」


ベルトルト「あ、ひょっとして、僕のこと気にしてる?それなら、何度も言ってるけどいらないよ。僕は僕で、付き合ってる人いるし」

ライナー「」


ベルトルト「だから僕は、二人も付き合っちゃえばいいのにっていつも思ってるよ」


ライナー「……ユミル、か?お前の相手って」

ベルトルト「うん、そうだよ(嘘だけどね)」サラリ


ベルトルト(…例の噂、今までさんざんユミルに利用され続けたんだから、今度は僕が利用させてもらってもいいよね。二人のために)


ライナー「お前、今まではあの噂、頑なに否定し続けていたじゃないか。それが、本当は付き合ってたってのか…?」

ベルトルト「アニのことが僕の中で決着がついてからだよ。そんなに前からじゃないんだ」

ライナー「そうか…」


ライナー「何と言うか…まあ、おめでとうだな」

ベルトルト「? 意外だなあ。『壁内の人間とそんな関係になって』って怒鳴られるかと思ったのに」


ライナー「俺は、お前やアニが壁内の誰かと結ばれるなら、こうして祝ってやる気でいるんだぞ?俺だけがしっかりしていればいい話だからな」

ベルトルト「…ライナーって、他人には甘いけど自分には厳しいよね」


ライナー「俺が一人で責任を負って不自由被ってやるから、お前たちは自由にやれって言ってるんだよ」

ベルトルト「…無理しなくていいのに」


ベルトルト(…そんなだから、無意識に自分がありたい姿に縋っちゃうんじゃないか)


ベルトルト「じゃあアニが好きな人と付き合うのは許してあげるべきじゃないか。たまたま相手が君だっただけで」

ライナー「あいつは好きになった相手が悪かったな」

ベルトルト(……やっぱり頑固か。本当じれったい)



ベルトルト「まあいいや。とりあえず、アニについては、ちゃんと誤解解いてあげてね。嫌いになってないことっては伝えてあげなくちゃ可哀相だよ」

ライナー「…ああ…、そのことか。…お前からうまく言ってやってくれないか?」

ベルトルト「いや、僕から言っても説得力がないんだよ。明日言ってあげよう。僕も一緒に行くから」


ライナー「……わかった」


ベルトルト(とか言っておいて、途中で抜けよう…)

ここまで。
ライアニ絡みまで進まない…


ライナーがさっさとアニとくっつかないと3人目の人格が生まれそうだ

>>38-39
三人目ww 紳士ですねわかります。

再開します


翌朝・食堂

ガヤガヤ

ベルトルト「……」モグモグ




ベルトルト『そういえばライナー、さっき言ってた夢って何?』

ライナー『夢?』

ベルトルト『言ってただろ。アニが夢に出てきたって』

ライナー『ああ……』


ライナー『……』

ライナー『言ったな。何であんなこと言ったんだろうな。そんな夢を見た記憶はないんだが…』

ベルトルト『? 兵士の時にはあるのに、戦士に戻ると消える記憶もあるの?』

ライナー『知らん。俺に聞くな』

ベルトルト(自分のことだろ…)ハア




ベルトルト(結局、あれって何だったんだろう…)ムグムグ

ベルトルト(あまりに深刻な異常なら、また色々と対策を考えなきゃいけないんだけど…)チラ


ワイワイ


ライナー「? どうした?神妙な顔して」


ベルトルト「…いや、何でもないよ(兵士の方からは教えてもらえない、戦士の方は記憶にない、じゃあなあ…)」


ユミル「……」カタ

ベルトルト「!」


ユミル「…ここ、空いてるか?」

ベルトルト「ユミル…」


ベルトルト「ああ、うん。どうぞ」ススス

ユミル「…どうも」ストン


ユミル「……」ムグムグ

ベルトルト「……」パク

ライナー「……」


ライナー(なんか気まずい…これは、どう考えても俺が邪魔者だよな)


ライナー「ベルトルト、俺、あっち行くな」ガタ

ベルトルト「え?う、うん」


ユミル「……」モクモク


ライナー「ユミル、ゆっくりしていけよ」ソソクサ

ユミル「おう、ありがとな」ムグ



ベルトルト(ライナー…行っちゃった)


ベルトルト「……」


ベルトルト「ユ、ユミル今日は一人なの?」

ユミル「ああ。クリスタは彼氏と一緒だからな。余った」

ベルトルト「あ…」


ユミル「……」モグモグ

ベルトルト「……」


ベルトルト「寂しい?」

ユミル「…………寂しくなんかねえよ。あいつが幸せなのに、寂しいわけが、あるか」ポツリ


ベルトルト「……」


ベルトルト(ユミルって、)

ベルトルト(他人のために吐く嘘は、すごく上手いのに、……自分のために吐く嘘はこんなに下手くそなんだな…)


ベルトルト「……」ナデナデ

ユミル「!? なんだよ急に。食べずらいだろ」ワシャワシャ


ベルトルト「僕がアニから正式に返事をもらった時、ユミルは僕にこうしてくれたよね」クシャクシャ

ユミル「一緒にするな。私は別に失恋したわけじゃない」

ベルトルト「うん。あの時、僕も同じこと言ったよ」ナデ


ベルトルト「僕の場合は、返事をもらう前からアニの気持ちを知ってたし、心の整理もついてたんだから」


ベルトルト「でも君はやめようとしなかったよね。『私は私のしたいことをしてるだけ、あんたの意思は関係ない』ってさ」

ユミル「……」ワシャワシャ


ベルトルト(あの時こうしてもらえて、僕は少しだけ気が晴れたんだ)


ベルトルト「だから僕も、僕のしたいことをしてるだけなんだよ。ユミルの意思は関係ない」

ベルトルト「…悪いけど、僕の気が済むまでこうされててくれないかな」ナデナデ


ユミル「……っ」クシャクシャ


ユミル「…仕方ないから、付き合ってやる」

ベルトルト「ありがとう、ユミル(…本当に君は)」クス



==



ガヤガヤ


アニ「……」ムグムグ

ライナー「よお」


アニ「!? ライナー!?あ、あんたなんで…(こんな人前で話し掛けてくるなんて何考えてるの?)」ガタタッ

ライナー「はは、何でそんなに慌ててるんだ?」


ライナー「隣、座らせてもらうな」ガタ

アニ「ちょっ、何…」


ライナー「相方が女を優先してな、俺の居場所が無くなっちまったんだ」ヤレヤレ

アニ(あ…こいつ兵士?…道理で無用心な…)


アニ「……」

アニ(……何で来たの。人の気も知らないで。あんた、私が嫌いなんでしょ?…わざわざ自分が嫌う相手の所に来なくたって)ムス


アニ(大体、私だって、兵士のあんたなんか…き、きら…)

アニ「…って、相方ってベルトルト?女といるの…?」キョロ


ライナー「ああ、ほらあそこだ。ユミルと座ってるだろ?あの二人、少し前から付き合ってるそうだ」

アニ「……そうなんだ…噂は聞いてたけど、あれ本当だったんだ…。知らなかった」


アニ(頭撫でてるよあいつ…)

アニ(いいなあ、クリスタといいベルトルトといい…)


アニ(…恋人)チラ


ライナー「? なんだ?」

アニ「! なんでもないっ」


ライナー「まあ、俺ですら昨日初めて知らされたからな。お前は知らなくて当然だろう」

アニ「あ、ああ、うん。そうだね…」アセ


アニ(兵士って、記憶が抜けてはいるけど、ライナー本人は演技でやってるつもりなんだっけ。なら私も適当に話を合わせるべき…?)


ライナー「そういやあ、」

アニ「?」パク


ライナー「前にお前が言ってた幼なじみ…お前の好きな男とやらのことなんだが…」

アニ「!?」ビクッ


アニ「んぐっ…!?」ゲホッ ゲホッ

ライナー「おいおい、大丈夫か?落ち着いて食わないと危ないぞ」サスサス


アニ「はあ、はあ…。いっ…いきなり何なの?そんな話…っ」ケホケホ

ライナー「ここの訓練兵だって言ったよな?それらしい奴は特定できなかったんだが、結局誰なんだ?」


アニ「……もしかして、探したの?」

ライナー「いや、そこまで大々的なことはしてないんだ。男共にそれとなく、お前のことを知ってるか聞いてみただけでな。誰からもめぼしい答えは得られなかったが」


アニ(余計なことを…怪しまれたらどうするつもり?)ハア


アニ「全員に聞いたの?」

ライナー「大方な」

アニ「は!?」


ライナー「お前の好きになりそうな男がわかれば、それっぽい奴だけを当たれたんだが、あいにく検討がつかなかったからな」

アニ(あんただよ…!いや、今のあんたじゃないけど!)

アニ「ライナー、あんたさ…デリカシー無さすぎ」

ライナー「そうか?」

誤字
×検討 →○見当
脳内修正お願いします


アニ「そうだよ…。大体ね、"あんた"にはわからないと思う」

ライナー「あ?何でだよ?」


アニ「何でって…、何でもだよ。"あんた"じゃあいつを絶対に見つけられない」

ライナー「随分な自信だな。ここまで聞いているのに、教えちゃくれないのか?」

アニ「絶っっ対に嫌」

ライナー「やれやれ、手厳しいな」ハハ


アニ「大体どうしてそこまで気にするの?"あんた"には関係ないでしょ」イライラ

ライナー「どうしてって…そりゃあ、お前のことが気になるっていうかな…」

アニ「……っ」ムカッ


アニ「なんで?あんたは、私が嫌いなんでしょ?」

ライナー「は?いや、俺はむしろ…」

アニ「いいよ、わかってるから」フン


アニ「……」

アニ「最近は目も合わせてくれない、まともに口も利いてくれない。久しぶりに話したと思ったら…」

アニ「…こんな状態だし」ジト

ライナー「? 何言って…」


アニ「私だけがこんな気持ちなんて…本当にみじめだね。バカみたい」


ライナー「…あ」ハッ


ライナー「……アニ!違うんだ、あの…!」

アニ「うるさい。周りに変な勘違いされると困るから、もう私に近寄らないで」ガタ

「」グサッ


スタスタ


アニ(……これくらい釘刺しておけば、もう寄って来ないよね)

アニ(…やば。また泣きそう)


ライナー「……」


ライナー「…また、やっちまった…。何をやってるんだ俺は…」ガクッ



ライナー(…しかし、)


『もう私に近寄らないで』


ライナー(おかしくなった俺に効くように言ったんだろうが…結構くるな、あれ)ズーン


==


ベルトルト「あれ?」


ライナー「」ズーン


ベルトルト「ライナー?朝食時間終わっちゃうよ。訓練行かないの?」ユサユサ

ライナー「ベルトルト…」


ライナー「…もうだめだ。アニに愛想尽かされた」ハア

ベルトルト「!? どういうこと?」


ライナー「誤解解くどころか、完全に嫌われちまったみたいだ…」


ベルトルト(あれ?さっきまで兵士じゃなかったっけ?)

ベルトルト「……アニに何したの?」

ここまで

投下再開します。

ここから会話文進行と地の文進行がごちゃ混ぜになっていきます。
苦手な方はご注意下さい。


ライナー「いくらなんでもひどすぎるだろ…。これは嫌われても仕方ねえな。最低だ、俺」

ベルトルト「?」


ライナー「まして、アニは俺に嫌われてると思ってるんだもんな…もう何を言っても取り合ってもらえないだろうな。完全に終わりじゃないか……」ブツブツ

ベルトルト「??」


ライナー「俺だって、あいつのことが好きなだけなのにな…なあ?ベルトルト」

ベルトルト(どうしよう。話が要領を得ない)



==



昼休み時間・兵舎裏




アニ「珍しい時間に呼び出すね。あんた一人?」

ベルトルト「うん」


アニ「そうだ。ライナーから聞いたよ。ユミルと付き合ってるんだってね。おめでとう」

ベルトルト「あ、ああ…あれ聞いちゃったんだ、参ったな」ハハ

ベルトルト「……(二人を刺激する意味でも、しばらく騙しておくか…)」


アニ「…いいな」ポツリ

ベルトルト「……」


ベルトルト「やっぱり、アニの中では、ライナーと恋人になりたいって気持ちはあるんだね」

アニ「ああ、…まあ、あいつには言わないでね」


アニ「将来を約束してくれただけで充分だと思わないと。…いつになるのか、本当に実現するのかもわからないけど」



『だから今は耐えて、他人のフリを続けるよ』



ベルトルト(…どうしてこう、二人とも我慢してしまうんだ。気持ちは同じところにあるのに…)グッ


アニ「それで、話って?」

ベルトルト「ああ。ちょっと早々に聞きたいことがあって」

アニ「何?」


ベルトルト「ライナーがさ、『アニに嫌われた』って朝からえらく落ち込んでるんだけど、何かあったの?」

アニ「……そのことか」ムス


アニ「朝食の時、あんたたちに気を遣って席を離れたとか言って私の所に来たから、」

ベルトルト「うん」


アニ「周りに私たちの関わりが知れたらいけないし、デリカシーのない発言にも腹が立ったから八つ当たりの意味も込めて、兵士の方にもわかるように、私に近寄るなってあえてきつく言ってやったんだ」

ベルトルト「…なるほど」


アニ「きつすぎたかな」

ベルトルト「…うん…、言われた拍子に戦士に戻って、自己嫌悪に陥るくらいにはショックだったみたい」ハハ


アニ「え」


ベルトルト「訓練中もずっと上の空だし、時々泣きそうな顔するし、まるでクリスタを振った直後の嫌われたアピールを思い出すよ」

アニ「……」


アニ「…なんであいつがそんなにショックなんだか。泣きたいのは私の方なのに」

ベルトルト「あ…」



アニ「…嫌われてるのは、私の方なのに」


ベルトルト「アニ!そのことなんだけど…」アセ

アニ「ベルトルト、」

ベルトルト「!」


アニ「…本当のこと、言っていい?」


ベルトルト「え…う、うん。もちろん」

アニ「……私、」


アニ「ライナーに、気持ちを伝える前に戻りたい」


ベルトルト「え!?」


アニ「私の気持ちがあいつにとって、こんなに迷惑なものだったなんて…知りたくなかった」ジワ

ベルトルト「……」


アニ「あいつは責任感が強いから、私たちの関係性に波風を立てないように、私のことを嫌いになっても言えないんだ。私の気持ちを知って、迷惑だと思っても…」ポロポロ


ベルトルト(アニが泣いてる…。ここしばらく、ずっと溜め込んできたんだな…でも、)

ベルトルト「アニ、それは違うよ…!」


アニ「伝えなければ、きっと今でも私を見てくれたのに。話してくれたのに。…笑ってくれたのに…!」グス


ベルトルト「……」


ベルトルト(…辛かったろうな。ライナーがアニを避ける本当の理由を知らないばっかりに…)

ベルトルト(…アニが泣く必要なんかないのに)


ベルトルト(それなのに、いらぬ誤解が誤解を招いて、二人で解決するのが容易じゃないほど拗れてしまったみたいだ…)


アニ「…っごめん。いきなり」グス

ベルトルト「…いいよ。勝手に涙が出てしまうんだよね、わかるよ」

アニ「……っ」ポロポロ


ベルトルト(このまま放っておいたら、二人の関係は破綻してしまうんじゃないのか…?)

ベルトルト(僕が二人を繋いであげないと…!?)


ベルトルト「……」

ベルトルト(…できることなら、もう君が泣くところは見たくなかったな)グッ



==



数十分後


ベルトルト「アニ」

アニ「……っ」グス


ベルトルト「まだ落ち着かない?そろそろ休憩時間も終わるから、行かないと」

アニ「あんたは戻って。…私は…、午後休む」


ベルトルト「えっ!?」


「アニ午後からは大した重要な訓練は入ってないし、問題ないから」

ベルトルト「そうだけど…」


アニ「ほら、こんなに目腫らして、人前に出られないでしょ。…それに、泣いたせいか、なんかクラクラするんだ」フラッ

ベルトルト「軽い脱水かな?それなら、きちんと水分摂って医務室で安静にしていた方がいいね」


ベルトルト「教官には僕から上手く伝えておくよ。体調不良って」

アニ「…うん、お願い」


ベルトルト「……」


ベルトルト「アニ、最後に一つだけ言わせて」

アニ「何?」


ベルトルト「ライナーは、アニを嫌いになんてなってない。むしろ、大好きなんだよ、アニのこと」


アニ「…え」


アニ「えっ?」

ベルトルト「……」クス

ベルトルト「じゃあ、僕行くね」タッ


アニ「待って、それってどういう…」




ベルトルト「……」

スタスタ

ベルトルト(…想像以上に嬉しそうな顔したなあ、アニ)

ベルトルト(あとは、ライナーの方か)


ベルトルト(……二人は頑固で、不器用で、似た者同士だから、きちんと伝え合わなきゃだめなんだ)

ベルトルト(…僕がここまでお膳立てしてやったんだ。あれから先は、自分で伝えてくれよ、ライナー)



==



アニ「……っ」ハア ハア


頭が熱い。

涙として水分を排出して起きた脱水と、泣いた時の過呼吸からくる酸欠から私の頭は熱を持ち、
ひどくボーっとしていた。
泣き慣れていないせいだ。

そして、そこに落とされたベルトルトの最後の爆弾。
余裕のない私の脳みそは、いとも簡単に思考を放棄してしまった。


アニ(どうしよう、立てない…早く、医務室に…)グラグラ

カクッ

ドサッ


アニ「……っ」

私は脱力するように、地面に伏してしまった。
身体に力が入らない。



アニ(………ライナー、)


耳鳴りが始まって、徐々に意識が遠退いていく。


意識を手放す直前、夢か幻か願望か、
大好きなあいつの声が、私の名前を呼ぶのを聞いた気がした。



大好きなあいつの腕に、抱かれた気がした。

ここまで。
おやすみなさい



食堂


ガヤガヤ


ベルトルト「いたいた、ライナー」

ライナー「おお。おかえりベルトルト。どこ行ってたんだ?」


ベルトルト「(兵士か。…ちょうどいい、それなら)ライナーに頼みがあるんだ」

ライナー「ああ。何でも言ってみろ」


ベルトルト「実はね、今兵舎裏で、体調不良を起こしてる子がいるんだ。悪いけど、医務室まで付き添ってあげてくれないかな」

ライナー「何だって?そりゃ大変だ」ガタ


ベルトルト「僕よりライナーの方が力あるだろ?自力で立つのも大変そうだから、支えて歩いてくれないかと思って」

ライナー「わかった。任せろ」

ダッ

ベルトルト「お願いね」ヒラ


ベルトルト「……嘘は言ってないよ。名前を伏せただけで」

ベルトルト「あとは二人でよろしくやって」



==



タタタッ



ライナー「!(倒れてる!?あれは…)」

ライナー「アニ!」


ライナー「…体調不良って、お前だったのか」

アニ「…」グッタリ


ライナー(意識はないが脈も呼吸も正常。だが顔色が悪いな…。動かして平気か?)


ライナー「!」

ライナー(頬や袖が濡れてる…泣いていたのか)


ライナー「……」グッ

ライナー「アニ、お前は俺に近寄るなって言ったよな」


ライナー「…だが悪い。医務室まで、抱えて行くからな」グン








==




数時間後・医務室


アニ「…ん、」スウッ

アニ「…あれ?」


アニ(どこだろう、ここ。暗いけど…医務室?)


アニ(ここまで、どうやって来たんだっけ)ムク

アニ「」


ライナー「……」スー スー

アニ(…何でこいつがここにいるの?…というか、椅子で寝たら身体痛くなるでしょ)


アニ(…起こす?)

アニ「……」


アニ(いや、もう少し……。ごめん、ライナー。許して)

アニ(あんたが目を覚ましたら行くから、それまでは…このまま近くで…)ギシッ


ライナー「ん…?」パチ

アニ「!」


ライナー「……よお、アニ。目が覚めたのか。具合はどうだ?」


アニ「あ…。い、今は平気」

ライナー「そうか。なら良かった」ガタ


ライナー「…あー…いつの間にか、俺も寝ちまったんだな。身体いてー…」パキポキ

アニ「なんであんたがここにいるの?」


ライナー「なんでとはご挨拶だな。俺がお前をここまで運んだんだぞ」ハア


アニ「そうなの?…迷惑掛けたね」

ライナー「気にするなよ。お安いご用だ」フッ


アニ「(こんなに私と口利いてくれるってことは、兵士、なのかな…)訓練は?」

ライナー「今日はもう終わったよ。俺がどれくらい寝ちまってたかわからんが、結構経ってるだろうな」


アニ「そっか(道理で暗いわけだ…)」



アニ「……」

ライナー「……」


アニ「(気まずい…耐えられない)わ、私、そろそろ行こうかな」アセ

ライナー「もう動けるのか?」

アニ「体調は良くなったし、もうここに用は…、…っ」ヨロッ

ライナー「! アニ!」ガシッ


ライナー「…っぶねぇ、大丈夫か?」

アニ「う、うん(…近い)」ドキ



ライナー「……」ジッ

アニ「……っ」ドキドキ


ライナー「…アニ」スッ

アニ「えっ…ちょっ、…っ」








アニ「……っ」


ライナー「……意外だな。抵抗しないなんて」


アニ(今…)

アニ(キス、された?)

続く

レスありがとう

この先の流れに納得がいかなくて下書きから進まなかった
>>1です。
再開します



アニ「……」ポカン

ライナー「茫然自失って顔だな」


アニ(……キスされた…。ライナーの方から…)ドキドキ

アニ(こっこいつ、子供の頃のチューはキスにカウントしないって言ってたから、…こいつの方からキスされたのは、今日が初めてってことになるのかな…)カア


アニ「……なん、で」

ライナー「…すまん、抑え切れなかった。ってこれじゃ暴漢か何かだな…」


アニ「抑え切れなかった…?」

ライナー「ああ」


ライナー「……アニ」



ライナー「お前が、好きだ」


アニ「……」

アニ「……」


アニ「…う、そ」ポツリ

ライナー「嘘なんか吐くか」


チュウ


アニ「…んっ」

ライナー「俺はお前が好きだ。だからずっとこうしたかった。嘘じゃこんなことしねえよ」ギュウッ


アニ「…っ」ドキ


ライナー「何度もすまん。お前は俺を嫌っているようだし、好きな男がいるとも言っていたから、嫌なら全力で抵抗するだろうと思ったんだ」


アニ(…何これ。状況が掴めない。どうして私はこいつからキスされて、今抱きしめられてるの?好きって何?あれ?)グルグル…


ライナー「…黙るなよ。俺を嫌ってるってのは否定してくれないのか?傷付くぜ」

アニ「それは……」

アニ「……」


アニ「…わかんない」

ライナー「あ?」


アニ「私、"あんた"をどう思っていいのか、…わかんないの」

ライナー「……そうか…」


ライナー「振られてるんだな、俺」

アニ「ち、違う!そうじゃなくて!」アセ


アニ「だって…わかんないよ。…顔も声も身体も、喋り方も仕種も全部、何一つ変わらないのに、」

ライナー「…? 何言ってるんだ?」


アニ「"あんた"のすることは全部、あんた自身がしたいと望んでる行動だって言ってたのに、」

ライナー「…おい」


アニ「…それなのに、今の"あんた"の行動は今までとは全く正反対… 「アニ!」グイッ


アニ「っ!?いたっ…」


ドサッ



ライナー「んっ」

チュゥ

アニ「!? ふっ…んっ」



ギシィッ





ライナー「……っ」フウ

アニ「…っぷ、はぁ(舌、入ってきた…びっくりした…)」ハア ハア


ライナー「…意味わかんねえよ」

アニ「え…」


ライナー「余計なこと考えてないで、今くらい、俺のことだけ考えててくれよ…!」

アニ「……っ」グッ



チュウッ


アニ「んんっ…!(また…!)」グッ



アニ(息、が…っ!)



ライナー「…はっ」

アニ「はあっ…、はあ…」


アニ(何これ…。身体が、あつい…)カアァ


ライナー「……」フゥ


ライナー「本当に抵抗しないな。舌噛み切られるか、蹴りでも入って肋骨の二本や三本は折られるんじゃないかと思ってたんだが」

アニ「……だっ、て…」


ライナー「…好きな男にされてる、とでも思ってるんじゃないだろうな」

アニ「…違うってば…」フルフル



アニ(抵抗しないんじゃなくて、できないんだよ)


アニ(こいつは男で私は女。力の差が歴然だし、)


アニ(大声を上げて助けを求めたりしようものなら、こいつが問題になっちゃうし)

アニ(それに私とこいつが一緒にいることが知れて、関係性が疑われるかもしれないって考えたら…)


アニ「……」

アニ(いや、違う。…どっちも言い訳だ)


アニ(本当の、理由は…!)


ライナー「…どう違うんだよ」ムス

アニ「」ハッ


アニ「…あ、ああ。えっと、」アセ

アニ「……ちゃんと、あんたのこと考えてるよ」

ライナー「……っ!」ドキ


ライナー「…わっけわかんねえぞ」フイ


アニ(…あれ、なんか想像以上にすらっと恥ずかしい言葉が出た気がする)


ライナー「……」

アニ「……」


ライナー「…なあアニ、聞いてくれ。俺の一世一代の告白だ」

アニ「な、に?」


ライナー「俺、いつだったか、お前が出てくる夢を見たんだ」

アニ「夢?どんな?」



ライナー「ちょうどここ…医務室で、お前にキスされた夢だ」


アニ「……!」ドクン


ライナー「俺はそっちの椅子に座っていて、お前を膝に乗せて、抱き合ってそのまま……って、やっぱり本人に言うことじゃないな」

アニ「それ…」


アニ(夢じゃない。戦士の方のあんたの記憶だ…)

アニ(あの日、私たちは確かに、ここでキスをした)


アニ(…まさかこんな形ではあれ、戦士の方の記憶を認識してるなんて…!)


ライナー「…お前が気になるようになったのはそれ以来だ」


ライナー「どこにいても、お前だけが妙に際立って見えるようになって、自然と目で追うようになった」

ライナー「見つめていたい、話がしたい、近くにいたい、…隣に行きたい、そして」


ライナー「触れたい」


アニ「!」ドキ

ライナー「と、次第に思うようになった。抱きしめて、キスをして、メチャメチャにしたい……って、人の欲は留まることを知らないな」

アニ「……」


ライナー「…お前とは、そんなに接したことがなかったのにな。いきなりこんなこと言われても困るよな」ハハ

アニ「…っ」ズキン


アニ(…接したこと、あるんだよ)

アニ(他の誰よりも、一緒にいる時間が長いんだよ、私たち)

今日はここまで

アルクリライアニはいいが、この流れでもしベルユミになったら
余り者同士適当にくっ付けとけ感が酷いから心配

>>1の好きなように書けばいいよ
面白いから

外野が出来ることといえば惜しみない期待と乙を送ることだけだ

というわけで乙

>>113>>115
気にしてないから大丈夫だよ、ありがとう
大事な意見だから真摯に受け止めて作品に活かす
>>112
意見ありがとう。参考にするよ

他にレスくれた人もありがとう。
少し長めに投下再開します。


ライナー「…確認だが、お前は俺を嫌ってるわけじゃない…ってことでいいんだよな?」ビクビク


ライナー「…ほら昼間、近寄るなって突き放してきたろ」ボソ

アニ「ああ、それは…」


アニ「…多分、嫌いだったらあんたの心配通り、アバラに蹴り入れてここ飛び出してると思うよ」

ライナー「はは…おっかねえ」


ライナー「……」

ライナー「なあ、お前さ」


ライナー「…前に付き合ってたって奴とは、一度でもヤってるのか?」

アニ「は!?」カアッ


アニ「や、やってないよ!何聞くの!!」アセッ

ライナー「そうか、ならよかった」ホッ


アニ(…なんか腹立つ。相手はあんたなのに)ムカ


アニ「まあ、キスはしたけどね」サラリ

ライナー「」グサッ

ライナー「そ、そうか…」ズーン


アニ(ささやかな仕返し。せいぜい落ち込みな)フン




ライナー「……」


ライナー「じゃあ、俺がお前の初めてになるんだな」


アニ「は?何言っ…」


ソッ

アニ「やっ…!?なっ、何!?」ゾク

ライナー「お、いい反応だな」


アニ「…やっ、どこ触ってんの」


ライナー「嫌なら逃げろよ」

アニ「!?」


ライナー「嫌なら、今、全力で俺を拒絶して逃げろ」

アニ「あんたさっきから何を…」

ライナー「…悪いがあまり余裕がないんだ」

アニ「!」


ライナー「お前がここから動かなければ、…俺は…お前を襲っちまう」

アニ(…本気、だ…)ドクン


ライナー「…一分待つ。決めてくれ」

アニ「ちょっ、」


アニ(…待って、待ってよ。いきなりそんなこと言われても…わかんない)アセ




今、私の上にいて、私を求めているのは、…ライナーだ。
紛れもなく、私が長年想いを寄せてきた、私の好きな人だ。

私がこいつを拒めない本当の理由。

こいつが…私がずっと好きでい続けると誓った相手だから(たとえ私との関係も、私の気持ちも、ここでキスしたことも、結婚の約束をしたことも知らないとしても)。


私にはこいつを拒絶できない。
拒絶する、という選択肢なんてない。


アニ(なら、何も考える必要なんてない。いっそこのまま受け入れてしまったら)


アニ(いいでしょ、相手は好きな人。…ひとつになれるなんて、幸せなことだ)

アニ(…もし私を避けている戦士の方のライナーが私を嫌っていたって、今の状況で問われてるのは私の気持ち。私がこいつを好きなら、本物のこいつの気持ちは関係ない)


アニ(……そうだ、いっそ既成事実を盾に、責任を迫ってしまえば…いや、これはない。悪女じゃないんだから)

アニ(どちらにせよ、今、ここで動かないと…)



何を考えたところで、拒絶できない時点で、答えは決まってるのだけど。

…でも、



『お前は俺を嫌っているようだし、』


『お前とは、そんなに接したことがなかったのにな』



アニ「……っ」ジワ


今のこいつは私を知らない。
こいつが私に好きと言った気持ちは、本物のライナーの気持ちとイコールとは限らない。

私たちの心は、正確には通い合っていない。


それが、



…寂しい。


好きな人の心がここにないだけで、迷いが生じる。

ねえ、ライナー。私、どうしたらいい?


アニ「…うぅ…っ」ポロポロ


ライナー「…泣くくらい嫌なら逃げろって言ってるだろ。俺にどうしろって言うんだよ」

アニ「…っ、ごめっ…」グス


アニ(…泣くな。もう覚悟決めろ。…腹括れ)

アニ(難しいことは考えなくていいの。ただ、私がこいつを好きだから受け入れるだけ。好きな人の、私を求める気持ちに応えるだけ)


アニ「……」グッ



アニ「…………いいよ」


ライナー「!? アニ、お前…」

アニ「何度も言わないからね」


ライナー「ヤケ、じゃねえだろうな。…本当にいいのか?」


アニ「…いいって言ったでしょ(待てないって言ったくせに。…結局は優しいんだね)」ゴシゴシ



アニ「私のこと、…メチャメチャにして」


ライナー「……いいんだな」

アニ「…ん」



さっきまで私の太股を撫でていたライナーの手が、私の服をたくし上げて下着の上から私の胸に触れた。


アニ「っ!」ビクッ

初めての感覚に、反射的に身体が強張る。


アニ「ん…はあ…あっ」ゾク

さらに、首筋から鎖骨にかけて、舌が這わされ、自分でも聞いたことのない声が出た。


アニ「…っ」カタカタ

アニ(…怖がるな。大丈夫、大丈夫。怖くなんかない。私は、こいつが好きなんだから)


振り払うように、ライナーの首に腕を回して顔を引き寄せ、耳元で囁く。


アニ「…ライナー、」ボソ



アニ「すき」



ライナー「!」


ライナー「……」


ライナー「…!!うわっ!!」ガバッ

アニ「!?」



ズササッ



ライナー「……っ」バクバク


アニ「? …ライナー?」ムク


ライナー「……はあー、はあ…あっぶねえ…」ダラダラ


アニ「ど、どうしたの?急に離れたりして…」

ライナー「アニ…」


ライナー「すまん!!」バッ

アニ「!」


ライナー「俺…またどうかしちまってたな。…もう少しで、お前に取り返しのつかないことをしちまうところだった…」ハア ハア

アニ「…ライナー、もしかして…戻っ、たの?」


ライナー「ああ。本っ…当にすまなかった」


アニ「……」

ライナー「……」


アニ「頭、上げてよ」

ライナー「……」スッ


ライナー「…まあ、なんだ。とりあえず、服を直してくれ。…目のやり場に困る」

アニ「…あんたが乱したのに」スッ


ライナー「だから謝ってんじゃねえか。本当に悪かったよ」

アニ「…別に、謝ってほしいわけ、じゃ…っ」

ライナー「?」


アニ「……っ」ポロポロ

ライナー「!?」ギョッ


ライナー「すっ、すまん!泣くほど嫌だったな!なまじお前は優しいばっかりに、嫌だと思っても言えなかったんだよな!なっ!?」オロオロ

アニ「違、う!(言いたいことが多過ぎて…何も言葉が出てこないよ…)」


アニ「…バカ!」グス

ライナー「」グサッ


アニ「……バカ!バカバカバカ!!」

ライナー「」

ライナー「た、確かにそう言われても仕方ないが……~~~!」ガシガシ


ライナー「しかしなあ!」


ライナー「お前だって俺がおかしくなってるってわかってたんだろ!?それなら頼むから自衛してくれ!拒絶しろって再三言ったろ!?」

ライナー「俺はお前のために言ってるんだぞ!?現にこんなことになって…俺があのまま正気に戻らなかったらどうするつもりだったんだ!お前はそれでよかったのか!?」

アニ「…っ!私が、悪いの?」


ライナー「そうは言ってない!これは全面的に俺が悪い!…だから逆ギレだと言われても仕方ないが…ただ、お前にもできることがあったのに、何故それをしなかったんだって話だ」



ライナー「大体な、俺が好き好んでお前にこんなことしようとするわけがないだろ」

アニ「っ!」


ライナー(これは、俺の都合でお前を傷付ける行為なんだぞ…)


ライナー(こうならないために、これまで必死で自制してきたってのに…ああ、クソッ全部台なしだ)


アニ「…そう、だよね」


ライナー「…? アニ?」

アニ「やっぱり。…あんたは、私のことが嫌いなんだもんね」ジワ

ライナー「はっ?俺がいつそんなこと…」


『ちゃんと誤解解いてあげてね』


ライナー「…あっ」


ライナー(そうだ!まだ、俺に嫌われてるって誤解したままなのか!)

ライナー(……というか、今の言い方、完全に誤解増やしただろ!!やべえ!)


アニ「……っ」ポロポロ

ライナー「」オロオロ


アニ「…でも、一つだけ言わせて。恨み言だと思ってくれて構わないから」

ライナー「な、何だ?何でも言ってみろ」アセ


アニ「……」

アニ「…できるわけないでしょ」ボソ


ライナー「あ?」

アニ「あんたがおかしくなっていようがいまいが、あんたの顔で、声で、…身体で、あんなことされて、…拒絶できるわけないでしょ」ポロポロ

ライナー「…っ!」ドキッ


アニ「私の、あんたが好きだって気持ちは、何も変わってないのに…」ゴシ

アニ「…なんでこんなに振り回されなくちゃいけないの…?」


ライナー「あ…」


ライナー「……」

ライナー「…本当に、悪かった」


ライナー「……」ナデ

アニ「……」グス


ライナー「…けどな、アニ。俺も一つ言わせてくれ」

ライナー「俺は、お前のことを嫌いになんてなってない。全部お前の誤解なんだ。信じてくれ」


アニ「……」



『俺はお前が好きだ。だからずっとこうしたかった』


アニ「…さっき言ったことは」

ライナー「……」


ライナー「なんとも情けない伝え方で申し訳ないが、本心だ。間違いない」カア

アニ「……」


アニ「…信じない」

ライナー「!?」


アニ「あんた自身から聞いてないから」

ライナー「あ、ああ…そうだな」


ライナー「あーっ、と…アニ。……お前が、好きだ」

アニ「……」



アニ「…あはっ」クス

ライナー「なんで笑うんだよ」ムス


アニ「だって、さっきと同じ言い方だったから」

ライナー「本心だっつったろ」


ライナー「信じてくれたか?」


アニ「…どうして私を避けるの?」

ライナー「……いつか、お前にこうしちまいそうだと思って、自分を抑えてたんだ」

ライナー「俺がお前をこんな目で見てるなんて知れたら、軽蔑されると思っていたし、」


ライナー「何より、お前を傷付けるのが、怖かったからな」


アニ「…精神的には、こっちの方がかなり抉られたんだけど」

ライナー「全部裏目に出ちまってたな。すまん」


アニ「……」

ライナー「……」


アニ「ねえ、ライナー」

ライナー「なんだ?」


アニ「…それ、本当に私に信じてほしいならさ、」

アニ「……っ」ゴク



アニ「さっきの続き、してよ」



ライナー「」


ライナー「アニ、俺の話聞いてたか?…あの続きをして、痛い想いをするのはお前の方なんだぞ?」

アニ「ちゃんと聞いてたよ。それに、それもわかってるつもり」


ライナー「…どういうことするか、知ってるのか?」

アニ「…話には聞いてる」カア


ライナー(誰だ!うちのかわいいアニにそんなふしだらな知識吹き込んだ奴!いやこの歳で何も知らない方が問題だが!)


アニ「…あんたさ、」

アニ「さっきからずっと、自分の足抓ってるよね」スッ

ライナー「」ギク


アニ「それやめな。傷になるよ」

ライナー「…なってもすぐ治る」フイ


アニ「我慢、してるんでしょ?」

ライナー「……っ、なんとかする」


アニ「言葉より、行動で証明してよ」

ライナー「………っ、駄目だ!」


ライナー「俺たち、まだ付き合ってないんだぞ!?不純だ!」

アニ(…なんか、さっきとは色々真逆なことに…)


ライナー「俺だってなあ、お前との今後については色々考えてるんだよ!」


ライナー「故郷に帰れたら、お前を嫁にする前にまず正式に交際する。そして、結婚を前提に真剣にお付き合いしてますってお前の家族にきちんと挨拶をして、」

ライナー「で!初めては結婚初夜!異論は認めん!」ドン


アニ「……」


アニ「…随分古風な考え方だね。あんたいくつ?」

ライナー「何とでも言え」


アニ「所詮、予定は未定なんだし、少しくらい生き急いでもいいんじゃない?私たち、まだ若いんだからさ」ズイ

ライナー「うっ…、お、お前こそいくつだよ!(上目遣い…。こいつ、俺を籠絡する気か…っ!)」タジ



スッ


ライナー「…っ!?やめろ!どこ触ってんだお前はっ」アセ

アニ「…えっ!?」


アニ「こっ、こんなに…なるの…?」カアァッ


ライナー(自分で触っておいてなんで照れてんだよ!…ああクソ、可愛い!ぶち犯していいかこの可愛い生き物!!)

ライナー(…いやいやいや!駄目だろ!据え膳食わぬはナントカって……あれ?)グルグル


アニ「…さっき、しようって言ったのはあんたの方なんだよ」

ライナー「…それについては謝ったろ」


アニ「あんたが私を好きだってこと、私が信じなくてもいいの?」

ライナー「お前が信じたくないなら仕方ないなっ。残念だが仕方ない。本心なのにな。本っ当に残念だ」


ライナー「……」フイ

ライナー(平常心平常心平常心…)

アニ「……」ムッ


アニ「…ライナー、」

ライナー「お、おう(今度は何だ?)」


アニ「私、明日死ぬかもしれない」

ライナー「!?」


アニ「もちろんあんたが死ぬかもしれない。忘れがちだけど、私たちはそういう生活を送ってる」

ライナー「……ああ」


アニ」明日、私たちのどちらかが死んだらさ、」

アニ「遺された方は…今日何もしなかったことを、一生後悔して生きていくのかな」


ライナー「!!」


アニ「それとも後悔するのは私だけかな。私はまだあんたの言葉を信じてないから…」


グイッ


アニ「っ…!?」


ギュウッ


アニ「えっ…」ドキッ

ライナー「……っ」ググッ


アニ「っ!ライナー、痛いっ」

ライナー「アニ…」



ライナー「お前は……、俺が、今からお前にしようとしていることを、されて、…後悔しないのか?」

アニ「!」ドキ


アニ(震えてる…声も腕も)



アニ「…………うん」ギュッ


アニ「しないよ…」

ライナー「!」


アニ「あんたが、好きだから」


ライナー「……っ」




チュウッ



アニ「…んっ」

ライナー「…アニ、」


ライナー「好きだ」





ドクン

今日はここまで
本番描写はダイジェストで割愛予定



==



結局はアニに言いくるめられてしまったわけだが、俺は別に、アニの誘惑に負けたというわけではない。
決してない。
断じてない。
…と、思いたい。

きっと、昨日のベルトルトの、「大義名分でなく、衝動的に、自分のために生きれば」という言葉を聞いて気持ちが揺れていたのと、
アニの言った、「もしも明日どちらかが死んだら」という、意表を突いた例え話を聞いて怖くなったせいだ
(もちろん、俺の中に、アニとこうなりたいという気持ちがなかったと言えば嘘になるが)。


言い訳はいくらでもできる。が、

いずれにせよ。




…やっちまった。


そもそも、気持ちを伝えるつもりすらなかったことを考えると、ものすごい自己嫌悪感、罪悪感、背徳感に苛まれる。

最終的に俺のストッパーを外しにきたのはアニの方だとはいえ、この体たらくじゃあ責任も何もあったもんじゃない。


しかし、それと同時に…、確かな充足感を感じていたのも、また事実だった。


アニは、俺としている間、俺に手を止めさせるような言葉を一言も発しなかった。


痛い、怖い、恥ずかしい。
言いたいことはたくさんあったはずなのに。

嫌だ、やめて、待って、などの言葉すら、言わなかった。


俺への気遣いのつもりだったんだろうか。

身体は正直に、終始ガッチガチに緊張していたのに。


あいつは嘘が下手だ。

感情を完全に隠しきれずに顔を真っ赤にしたり、俺から顔を背けたり、ぎゅっと目を瞑ったり、
…時には呻いたり、泣き叫んだりしていたことから気持ちはある程度読み取れた。


無理しているのは明らかで、見ていてこちらが辛かった。


……先っぽが挿入っただけでも泣き叫ぶもんだから(本当は、二本目の指を挿れた時から痛がっていたが)、一旦抜いてやった時にまで「何してんの、続けてよ」と宣った時の徹底ぶりにはさすがに目を見張った。


恐るべき執念だ。


こいつは処女。おまけに俺とはこの体格差。

計り知れない激痛に見舞われただろうことは、想像に難くない。


体格差と、身体そのものが行為に慣れていないせいと、緊張で力んでいたせいもあるだろうが、アニの秘部は想像以上に狭く、
締め付けが強すぎて痛いから力を抜くよう言うと、うわ言のようにごめん、ごめんと返ってきた時は、本当にいたたまれない気分になった。


最終的に、先に音を上げたのは俺の方だった。

アニの締め付けの強さに耐えきれず、少しの時間動いただけであっさり果ててしまった。


その時、アニはまだイけていなかったから、かわりに俺は達したばかりの怠い身体を引きずって、
丹念に、丁寧に、執拗なまでに、先ほどまで自身が挿入っていたそこを舐めてやった。


本人は、「私のことはいいから」だとかなんとか言っていたが(この時初めて抵抗の言動をみせた)、こいつがイけなかったのは完全に俺の責任なので無視して続けた。


その間、太股で思いきり頭を挟まれたり、力の入らない両手で押し退けようとされたりしたが、
しばらくすると、ひときわ高い声を上げ、がくがくと身体を震わせて脱力したため、アニも無事達したと判断した。


挿入時に確認したし、シーツにも痕が残っていたからわかっていたが、舐めると少し血の匂いが混ざっていた。

傷にしみるだろうかとも思ったが、ここは俺がしてやりたかったことを優先させてもらった。




そんなこんなで、現在に至る。


俺たちは今、そのまま狭いベッドで横になっているわけだが、

アニは、俺に背を向けたまま動かないため、その表情を窺うことができない。

一方の俺は、今のアニには話し掛けても無視される、後ろから抱き着こうと腕を伸ばしても拒否されるときて、
何をすればいいのかがわからず、とりあえず背中を眺めているだけ。



ライナー(こいつは、こんな小さな身体で、必死に俺を受け止めてくれたんだな…)


目の前の、白くて小さなアニの背中を見て、あらためてそう思わされた。



アニ「……」ムクリ

ライナー「! アニ、」


ライナー「起きるのか?身体大丈夫か?」ムク

アニ「平気、……っ」ヨロ

ライナー「ああほら、無理するな」スッ


アニ「ん…、ごめん」


ライナー「まだ痛むか?…悪いな、優しくしてやれなくて」

アニ「……」



アニ「…………別に。痛くないよ。今も、さっきも」フイ



ライナー「……」


ライナー「…あ?」


アニ「…処女は痛いって聞いてたけど、そんなことないんだね」

ライナー「」


ライナー(…いやいや!んなわけねえだろ!お前さっき泣きながら痛がってたじゃねえか!!)


アニ「全っ然痛くなかった。気持ちよかった」フイ

ライナー(…なんでそこまで強情張るんだよこいつは…っ!)イラ


アニ「むしろこっちこそごめんね。あんたの方こそ、」

アニ「…私じゃ体格合わなくて、気持ちよくなれなかったんじゃ……」


グイッ


アニ「きゃっ!?」ドサッ

ライナー「……」ギシッ


ライナー「…そうか、そんなによかったか。そいつは嬉しいな」

アニ「っ…!」


ライナー「ならもう一回しようぜ。いいよな?」

アニ「……あ、」サアア


ライナー(おお…みるみる顔が青ざめていくな)


ライナー「さっきの今だし、まだ濡れてるよな?このまま挿れるぞ」グイ

アニ「!!」


アニ「い、やっ!待って!!」バッ


アニ「……っ」カタカタ

ライナー「……」ハア

ライナー「ここまでしなきゃ本音を言わんのかお前は」ムス

アニ「…あっ」ハッ


アニ「ごっ、ごめん。今のは、ちがっ…」アセ

ライナー「?」

アニ「いいよ。もう一回して…?」アセアセ


ライナー「いい加減にしろ!」


アニ「!」ビクッ


ライナー「俺に気を遣ってるつもりなのか何なのか知らんが、もういい」

アニ「え…」


ギュッ


アニ「っ!」ビク

ライナー「気構えるな。何もしねえよ。ただこうするだけだ」ナデナデ


アニ「……」


ライナー「アニ、俺に嘘吐くな。こういう関係になったからとかじゃなくて、これは純粋に俺とお前の信用問題だぞ」

ライナー「…頼むから、本当の気持ち隠さないでくれよ。痛かったなら痛かった、怖かったなら怖かったって、言ってくれ」


アニ「……っ」

アニ「……」ギュ

ライナー「……」


アニ「…ライナー」

ライナー「何だ?」


アニ「私、嬉しかったの。あんたとひとつになれて、すごく嬉しかった」

ライナー「…そうか」


ライナー「俺もお前とこうなれて嬉しいよ」ギュ

アニ「本当?」

ライナー「好きだって何度も言ったろ。最後までしたんだから、約束通り信じろよ」


アニ「……どうしよう…。幸せすぎて、死んじゃうかもしれない」

ライナー「それは困るな。俺が嫁にもらうまで生きててもらわねえと」


アニ「……」ギュウッ


アニ「…ねえ、キスして」

ライナー「そんなの、お前が正直に全部白状したらいくらでもしてやる」

アニ「……」


アニ「…………痛かった」ポツリ


ライナー「…だよな」


アニ「痛すぎて、あのまま死ぬかと思った」

ライナー「…なんか、悪かった」


アニ「普通に考えてよ。あんな大きいの、入るわけないでしょ。すごく怖かった」

ライナー「…すまん」


アニ「それでも…そう言ったら、途中でやめちゃうんじゃないかって思ったから、我慢したの。…私が無理矢理誘ったことだし、元々あんた乗り気じゃなかったし」

ライナー「いや、最中にやめろって言われても多分止められなかったぞ」


アニ「……え」


ライナー「むしろ、少しくらい抵抗された方が、煽られてる感じがしてそそられるんだが」

アニ「……」


アニ「…私、何のために我慢したんだろ…」ハア

ライナー「だから正直になれって言うんだよ」


アニ「…だって私、さっきまであんたに嫌われてると思ってたんだよ?…ああなるでしょ」

ライナー「……つくづくすまん」


アニ「…あと、あれ、なんだったの?……最後、舐めてきたのは」カア

ライナー「ああ、あれか。お前にもイってほしかったからな。よかったんだろ?」

アニ「そっ、だけど……」ゴニョゴニョ


ライナー「あればっかりは必死で抵抗してたなお前」ハハ

アニ「だって、本当に恥ずかしかったから…」


ライナー「俺一人だけイクのは、不公平だろ?」

アニ「…別にあんなことされなくても、私、それより前に一回イってたからよかったのに…」


ライナー「……?いつだ?」

アニ「その、指、挿入ってた時に、一度」

ライナー「…まじか」


アニ「気付いてなかったの?」ジト

ライナー「……すまん」

アニ「最低」

ライナー「」


アニ「ごめん、嘘」


ライナー「…どこから嘘だ?」

アニ「最低ってとこだけ。イってたのは本当」

ライナー「そ、そうか」ホッ


アニ「……」

ライナー「……」


アニ「これからは、ちゃんと気持ち伝えるようにするよ」

ライナー「そうしてくれ。俺もできる限りそうするから」


アニ「…ライナー、私、全部正直に言ったよ」

ライナー「よく言えたな」ナデ


アニ「だから、」

ライナー「…ん?ああ、キスだったな」


チュウ


アニ「ん、」



アニ「…ねえ、」

ライナー「何だ?」


アニ「女は、初めては痛いけど、きちんと慣れると痛くないんだって」

ライナー「…そうか」


アニ「だからさ、」

アニ「慣れようよ」


アニ「…慣らしてよ」





アニ「……もう一回、しよ?」

ここまで。
次は書きたい(願望)





==





=




ライナー「挿れるぞ。痛かったら、正直に言えよ?」

アニ「…うん」


ライナー「……」

ライナー「それと、さっきから思ってたんだが、お前ずっとシーツ握り締めてるよな。俺にしがみついてていいぞ?」

アニ「……え…、うん。わかった、そうする」



アニ「ん……、」


アニ「んんっ、…ライナー、」

ライナー「どうした?痛いか?」

アニ「ううん。そうじゃ、なくて…」


アニ「一気に進められると、ちょっと苦しい、かも」

ライナー「…わかった、ゆっくりな?」


アニ「うん…ごめんね」

ライナー「こら、謝るな」


アニ「ん……ぁあっ!」

ライナー「!? なんだ!痛かったか!?」


アニ「…ちが、うの」

ライナー「違うわけがあるか!さっきあれほど…」


アニ「だから!違うって!」

ライナー「あ?何がだよ?」


アニ「……」

アニ(…偶然気持ちいいとこ当たったなんて、言えない…)


アニ「なっ、なんでも、ないから…本当に」


ライナー「……」

ライナー「ここ、かっ?」

アニ「ひぁっ…!」


アニ「……っ」

ライナー「そう睨むなよ。ちょっとふざけただけじゃねえか」

アニ「…バカっ」

ライナー「…はいはい、悪かったよ」






アニ「んっ、…!ぜんぶ…入った?」

ライナー「…ああ、入ったぞ。痛くないか?」


アニ「うん、最初ほどは痛くない」

ライナー「大分緊張ほぐれたみたいだな。全然違う」


ライナー「…アニ、もう少し力抜けるか?」

アニ「ん…やって、みる」


アニ「……うっ、はあ、」

ライナー「深く息吸って、吐く時に力抜くんだ」


アニ「…はああっ…ああ、ふぅっ……」

ライナー「っ、上手だ」


アニ「…痛くない?」

ライナー「俺がか?」


アニ「さっきは、きつくて痛かったって…」

ライナー「ああ、それなら大丈夫だ。さっきは、このまま挿れたら抜けなくなるんじゃないかってくらいきつかったが…」


ライナー「今は…、すげえ気持ちいいよ」

アニ「…そっか。よかった…」


ライナー(これなら、さっきよりずっと持ちそうだ…)


アニ「…でもさ、もし、抜けなくなったら、」

ライナー「ん?」


アニ「ずっと、あんたと繋がっていられるよね」


ライナー「」

ライナー「笑えねえよ」


アニ「私は、それも悪くないと思うんだけど」


ライナー「笑えないが……そういう殺し文句はどこで覚えてくるんだ?」

アニ「え…だって、気持ちは全部正直に言えって…」


ライナー「言った結果がそれか。…さっきからだがデレ全開だな。標準装備のツンはどこに置いてきた」

アニ「…さあ。服と一緒に、脱いじゃったんじゃない?」


ライナー(着脱可能なのかよ)


アニ「ライナー…、キスして」

ライナー「ん、ああ…」


アニ「……んっ、ふあ、んん…っ」

ライナー「…はっ、お前、キス好きだよな」

アニ「……」


アニ「うん、好き。あんた限定でね」


ライナー「は、はは…、まったくお前は…」


アニ「…あっ…!?」


アニ「いっ、今…中でまた大きくなっ…」

ライナー「お前がかわいすぎるからだよ。俺をどうする気だ…」


アニ「えっ、え…?わかんない…」

ライナー「いや、なんでもねえ」




ライナー「…そろそろ、動いていいか?」

アニ「…ん。いいよ」

ライナー「ゆっくり、動くぞ」


ライナー「ふっ、う…っ」

アニ「…んっ」

アニ「う、…あっ、…あ」



アニ「…ぁあ…っ、ライナー、もっと…速く動いて、いいよ…」

ライナー「…はあ、あぁ…っ、ふっ」


アニ「んあっ、は…、あぁ……っ!」


アニ「あっ…、…っ、ライナー、」

アニ「すき、…あっ、す、きぃ……っ!」

ライナー「ああっ、俺も、だ…っ。アニ……っ」


アニ「ずっ、と…だいすき、だっ、たの。…ずっと……あっ…、!」

ライナー「…っ、そう、か、…はっ、嬉しいよ…!」





アニ「あっあっ、ライナー、わたし…もう…っ、」

ライナー「ああ、…イけっ…!」


アニ「はあ、あぁ……んぅっ!」

ライナー「くっ、うぅ…あ゙ぁ…っ」



ライナー「……っっ!はあ、はあ」

アニ「は、あっ…はあ……っ」


アニ「ライナー、うれしい…。…私、すごく幸せ…」

ライナー「ああ、…俺もだ、アニ」

ネット重くて更新が思ったように進まないしちょうどキリいいからここまで。

おやすみなさい




==


夜・屋外


ザッザッ


アニ「……重い?」

ライナー「いや、重い軽いは別にいいんだが…」


ライナー「今度は、立てなくなる前にちゃんと気付こうな」


アニ「…ごめん」


ライナー「謝るなって。お前に無理させたくないから言ってるんだ」


ライナー「…また、さっきみたいに服着ようとしてベッドから落ちたりしたら危ないだろう。次はケガをするかもしれないしな」

アニ「……異様に脚に力が入らないなとは思ってたんだけど…、ごめん、今度からは気をつける」

ライナー「そうしてくれ」


アニ「さすがに四回は、身体がもたなかったみたい」


ライナー「当たり前だ。俺だって怠い」ハア


ライナー「やっぱり最後の一回は余計だったんだよ。俺は無理だって言ったのに、お前があんなことしてまで無理矢理…」

アニ「なっ…、そ、そんなこと言ったら、その前にあんたが襲ってこなかったら私だって…あ、あんなことしなかったよ。あれは仕返しなんだから」


ライナー「仕方ないだろ、お前に煽られたせいでやっちまったんだよ。それに、その仕返しで立てなくなるほどよがってりゃ世話ねえよ」

アニ「は?煽った覚えなんかないよ。あんたが勝手に盛ったの間違いでしょ?私のせいにしないでくれる?」


ライナー「……」

アニ「……」


ライナー「…ぷっ」

アニ「…くすっ」


ライナー「なんか、こんな調子で話すのも久し振りな気がするな」ハハ

アニ「…うん。本当にね」


ライナー「明日の訓練にひびかないといいなあ…お互い」

アニ「私は、今日の午後休んでるし、最悪その延長で休めそうだけどね」


ライナー「そうだ、お前具合悪かったんだもんな。本当に身体大丈夫か?」

アニ「大丈夫だって。でなきゃ、いくら私でも途中で音を上げてる」

ライナー「そ、そうか…」


アニ「……」

アニ「でも、もうしばらくはしない」


ライナー「」


ライナー「ト、トラウマになっちまったか…?」アセ

アニ「えっ?あ、ううん。そんなんじゃなくて」


アニ「……」

アニ「回数を重ねる度に、その、…良くなる、から…このまま続けたら、自分が知らない自分になりそうで…怖い」ボソ


ライナー「……」

アニ「……」


ザッザッ


ライナー「…あのなあ、アニ。言わせてもらうが、」

アニ「え?」


ライナー「そんな一面も引っくるめて、全部お前だろうが」

アニ「!」


ライナー「普段あいつらの前でつんけんしてるのも、スイッチ入ると泣き虫になるのも、…可愛い声でもっともっとってせがんでくるのも、全部お前だよ。最後の一つは、今までお前すら知らなかったってだけだ」


ライナー「…今日、よーくわかったろ。俺たちも結局は、戦士やら兵士やらである前に…一人の男と女だってこと」

ライナー「だから、お前の言う自分の知らない自分ってのも、お前の一部だって受け入れていいんだよ」

アニ「……っ」


ライナー「お前にそれができないなら、俺が受け入れてやるから。心配するな」

ライナー「だから、そんな寂しいこと言うなよ。な?」


アニ「ライナー…」


アニ「……ありがと」ギュ


アニ「また今度、しよ」

ライナー「…ああ」


ライナー「…念を押しておくが、そんな可愛いこと、俺以外の奴の前では絶対言うなよ?」

アニ「言うわけないでしょ。バカ」


==


・水汲み場


ライナー「ここなら座れるな。下ろすぞ」

アニ「うん」ストン




ライナー「ほら水、飲め」ズイ

ライナー「喉渇いてるだろ?」ドカッ


アニ「…ありがと」ゴク

ライナー「……」グビッ


アニ「……そういえば、」


アニ「あんた、結局一回も中で出さなかったよね」

ライナー「ん?ああ」


アニ「…別に、出してよかったのに」

ライナー「そればっかりは駄目だろ。今更かもしれんが、今の俺じゃあ、そんなことしても責任が取れない」


ライナー「子供なんか出来てみろ。二人揃って開拓地行きだぞ。それはまずいだろ」

アニ「…そう、だね」


ライナー「子供作るまではしない。結婚するまでお前を抱かないって言ってたのも、そういうことだ」

ライナー「情けないことに、決意もむなしくあっさり籠絡されちまったけどな」


アニ「…そっか。一時の感情で動いてごめん、見通しが甘かった」

ライナー「気持ちは嬉しいよ、ありがとな」ナデ





アニ「!」ピク

ライナー「? どうした」


アニ「…誰か来た。灯り消して」コソ

ライナー「お前よく気付くな」

フウッ


ライナー「……本当だ。灯り持ってるな」ボソ

アニ「あれは…」


アニ「…クリスタ」


アニ「アルミンの所に行った帰りかな」

ライナー「お前も知ってたのか、あの二人のこと」

アニ「うん。昨日クリスタが教えてくれた」




ライナー「……行ったな。仲良くやってるようだな」

アニ「みたいだね」


ライナー「……」

アニ「……」


ライナー「なあ、アニ。俺たちもそろそろ… 「ライナー、」

ライナー「ん?」


アニ「…クリスタとは、した?」


ライナー「はっ!?」


ライナー「いやいや、するわけないだろ!俺がクリスタと付き合ってたことなんて一度もないんだぞ!?」


アニ「キスは?」

ライナー「してない!」キッパリ

ライナー「…いきなり何を言い出すんだよ」


アニ「だって…完全に兵士になった時、仲良かったから。…デートしたりとか」

ライナー「いや…あの時はだな、」アセ


アニ「一回や二回じゃないんでしょ?私が知らないだけで」

ライナー「う…、いや…」


アニ「…いいなあ…デート」ポソ

ライナー「」


ライナー「……あー、まあ、なんだ」


ライナー「今度、どっか行くか」

アニ「…いいの?」

ライナー「ああ。人目避ければ問題ないだろ」


ライナー「…本当に俺は、お前に甘いな」ガシガシ

アニ「……」


アニ「あんまり甘やかさないでね。どんどんわがままになる」

ライナー「それは子育てのコツか?肝に銘じておくよ。後学のために」シラッ


アニ(…わかってるくせに。本当に私に甘いんだな、こいつ)


アニ「……」


アニ「ねえライナー、今まで思ってたこと、一つ聞いていい?」

ライナー「何だ?何でも言ってみろ」

アニ「……」



アニ「兵士、楽しい?」


ライナー「…!」

今日はここまで


アニ「…全部投げ出したい気持ちは…正直わかるし、別に怒る気も責める気もないんだけどさ。ただ、あいつらといるのは、私やベルトルトといるよりも楽しいのかな、って」

アニ「それだと、少し寂しいなって思って、…本音聞いてみたくなった」


ライナー「……」


アニ「……」チラ


ライナー「……アニ、子供は何人欲しい?」

アニ「? 答えてよ。質問してるのは私だよ。…二人」


ライナー「性別は?」

アニ「……正直に気持ち言えって言ったの、あんたでしょ。教えてよ。…上が女の子で下が男の子」

ライナー「年の差は?」

アニ「多分、私も同じように考えてると思う。だから言っていいよ。…二年くらい」


ライナー「………楽しいよ」

アニ「…!」


ライナー「…お前たちと一緒に、最初からここに生まれたかった、あいつらとこういう形で出会いたかった、と思っちまうくらいには」

アニ「……」


ライナー「…すまん。忘れてくれ」


アニ「……」

アニ「いいよ、大丈夫。私もそう思ってるから」



『アニには二番目に伝えたいと思ってたんだ』

『私はアニのことを友達だと思ってるのに…』



アニ「友達だと思ってくれて嬉しい、って思える相手もできちゃったし」

ライナー「……そうか」

アニ「…うん」


ライナー「……」

アニ「……」


アニ(…私たち、一緒にいない方がいいのかな)

アニ(二人揃ってこんなこと考えてたら、悪い方に悪い方にって、一緒に堕ちていってしまうかもしれない…)グッ


ライナー「なあ、アニ」

ライナー「そろそろ、きちんと話し合って決めないとな」


アニ「何を…?」

ライナー「俺たちが、これからどうするのか。今まで通りの関係でいるか、」


ライナー「……付き合うか」

アニ「っ!」ドキ


ライナー「…ベルトルトやクリスタの件を立て続けに知って、お前にも何か思うところがあるだろ?」


アニ「…わかるの?」

ライナー「俺がそうだからな。なんとなくな」


ライナー「もちろん、将来的に今回の責任はきっちり取るつもりでいる。結婚するって約束してるんだしな」

アニ「うん、それは…わかってる」


ライナー「俺が話したいのは、"今"俺たちの関係をどうするかだ」

アニ「…今……」

ライナー「俺は、どっちでもいいぞ。お前のしたいようにさせてやる」


ライナー「アニ、お前は、どうしたい?」

アニ「……」


アニ(私、は…)

続く

ほしゅ

>>227-228
保守ありがとう嬉しい


アニ「……」

アニ(…いや、たとえ私がどうしたいと思っても、そんなの…)


アニ「……」

ライナー「……」ハア


ライナー「…まあ、そう簡単に答えの出る話じゃ 「もし、」

ライナー「ん?」


アニ「付き合って一緒にいることで、私が、戦士としてのあんたの意識を引き戻すことができるっていうなら、それをメリットに付き合うことができるかもしれない、」

ライナー「!?」


アニ「けど、」


アニ「私の力不足でそれができないなら、前にあんたが言ったように、今まで通り他人のフリを続ける。…それが最善だって、私もわかってるから」


アニ「…あんたは、私にできると思う?」

ライナー「……」


ライナー「お前、俺の話聞いてたか?俺はな…」

アニ「今は私の質問に答えて。でなきゃ私が答えを出せない」

ライナー「」


アニ「私といることで、あんたは戻ることができる?」

ライナー「…それはだな…」


アニ「……」カタカタ

ライナー(…わかんねえよ。そればかりは俺自身にも…)

ライナー「……っ」グッ


ライナー(…悔しいが、答えてやれないな)


アニ「ごめん、意地の悪いこと聞いて。わからないよね。無自覚、なんだもんね」

ライナー「…すまん。って、謝って解決する問題じゃないが」


アニ「……」

ライナー「質問には答えられないが、この際だから、さっきのことも受けてあらためて謝らせてくれ」


アニ「いいよ、そんなの。あんたも好きでそんな風になったわけじゃないんだし、なってしまったものは仕方ないんだから」


ライナー「だが、俺がお前の立場だったら…きっと耐えられない。…俺、本当にお前を傷付けてばかりだな。ごめんな」

アニ「…やめて。もう謝らないで。あんたと同じ今の私じゃ責められないんだから」


ライナー「それでも、辛いよな。苦しいよな。…寂しいよな」ギュウ


アニ「もういいってば!」グイッ


ライナー「!!」

アニ「あんたのせいじゃないのに、そんなに謝られたら…何を恨めばいいのか、怒ればいいのか悲しめばいいのか、…本当にわからなくなる」

ライナー「……」


ライナー「すまん」



ライナー「……」

ライナー「…でもな、アニ」ナデ


ライナー「話を戻すが、俺は、メリットだのデメリットだので判断して決めろとは言ってないだろ。お前の気持ちを聞いているんだぞ」

アニ「…私の気持ちなんて、どうでもいいでしょ。今までずっとそうしてきたんだから」


ライナー「……(こいつも大概頑固だな。ベルトルトいわく俺も頑固らしいし、似た者同士ってことか)」ハア


ライナー」大義名分を言い訳するのをやめろ、か」

アニ「……え?」


ライナー「ベルトルトがな、言うんだよ。俺たち二人とも、戦士としてとか考えないで、もっと衝動的に、自分に正直に生きろ、って」

アニ「……」


アニ「ベルトルトが、そんなこと…?」

ライナー「ああ。だから、口実なんて考えなくていいんだ」ナデ


ライナー「お前が俺と付き合いたいなら付き合おう。そうじゃないなら無理強いはしない。お前自身の、素直な気持ちで選んでくれ」

アニ「……」


アニ「…私自身の…素直な、気持ち」

ライナー「そうだ」


アニ「……」ギュウッ


アニ「わたし…私ね、」

ライナー「ああ」


アニ「あんたに忘れられるの、もう嫌」ポツリ


アニ「クリスタの時みたいに、誰かにとられるのも、嫌。わがままなの」

ライナー「……」


アニ「普通の恋人みたいにデートだってしたいし、手も繋ぎたいし、…はしたないって思われるかもしれないけど、キスも、…さっきみたいなことももっとしたい」


アニ「…だからね、ライナー」


アニ「……」スウッ



アニ「あなたが好きです」


アニ「ずっとずっと、好きでした」



アニ「私と、付き合っ…てください」ボソボソ



アニ「……っ」


ライナー「……」


チュウ

アニ「!? …んっ」


ライナー「…わかった。これから、よろしくな」フッ

アニ「!」


アニ「…うん…っ」ジワ

ライナー「ああほら、泣くな。また目眩起こすぞ」アセ

アニ「…ごめん」ゴシ


ライナー「…長かったな、俺たちここまで」

アニ「うん。順番もめちゃくちゃだしね」


ライナー「はは、たしかにな。最初はキスだったか。お前から告白されて、しばらく間が空いて俺が告白して、ヤってからの付き合おうって話だもんな」

アニ「それでいて、まだ手を繋いで歩いたこともないんだもんね、私たち。…変な話」クス


ライナー「まあ、これから色々できるさ」

アニ「うん。楽しみにしてる」


ライナー「……っ」ドキ


ライナー「しっ、しかし、いきなり敬語になるもんだから、なんかびっくりしたぞ」ハハ

アニ「…別に意味はないけど、形が大事かなって思って」

ライナー「お、おう、そうか」


ライナー「……」

ライナー「周りには隠すだろ?今まで通り」


アニ「うん…ベルトルトにだけ、話す」

ライナー「そうだな」



アニ「…あ、」

ライナー「ん?」


アニ「ライナー、やっぱり…一人だけ、」

アニ「クリスタに、報告していい?」


ライナー「ああ…、そうだな、色々あったしな」

アニ「うん。アルミンとのことも、ユミルの次に教えてくれたし、お返し」


ライナー「あの二人も極力周りには秘密なんだったか。俺たち以外に聞かされてるとしたら、エレンとミカサくらいか?」

アニ「そんなとこだろうね」


ライナー「…まあ、ひけらかしたりしたらアルミンが男連中から血祭りだろうからな。妥当な判断だ」


ライナー「それはさておき、いいぞ。クリスタには言っても」

アニ「わかった」コク



ライナー「しかし、まさか、クリスタから報告受けた次の日に自分たちがこうなるとは、わからないもんだな」

アニ「…本当にね」クス





==



その後、ライナーがベルトルトを呼んで来てくれた。

私が、早いうちに二人揃って報告したいと言ったから。


ベルトルトは嬉しそうに驚いて、泣きそうになりながら、おめでとう、本当によかったね、幸せになってね、と何度も祝福してくれた。

ありがとう。

私たちはきっと、ずっと陰で支え見守ってきてくれた彼には、頭が上がらないだろう。



寮に戻ると、ミーナが私に駆け寄ってきた。

昼からずっと医務室にいた私を心配していたらしい。


色々あって疲れたから、もう休んでしまいたかったけれど、私は今日のうちにクリスタに話すことにした。

クリスタは、ベルトルト同様に祝福してくれた(あいつほど大袈裟ではなかったけど)。


彼女は終始、慈愛に満ちた本当に美しい微笑みを浮かべていて、男子たちが彼女を女神と称する理由が、
…ライナーが好きになった理由が、なんとなくわかった気がした。


このままずっと話していたら根掘り葉掘り聞かれそうな予感がしたから、その後早々に床についた。

そして。


==


翌朝・


ベルトルト「おはよう、アニ」ニコニコ

ライナー「……」


アニ「あ…」

アニ「……っ」フイ


アニ「………お、はよ」ギクシャク

ライナー「お、おう」ギクシャク


アニ「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」


ベルトルト(…なんか、前にもこんなことなかったっけ?)


ベルトルト「だからどうして二人はそう気まずそうにするの」ハア


アニ「べっ、別に気まずいわけじゃ…ない、けど」ゴニョゴニョ

ライナー「そ、そうだ。そんなことはない!」

ベルトルト「……」


ベルトルト「…面倒くさいなあ」ハア

ライナー「本音出てるぞ」


ベルトルト「じゃあアニ、ライナー、あとは二人でごゆっくり… 「ちょっと待て」

ベルトルト「………何?」


ライナー「だ、だから水くさいだろ。そう俺たちと距離を置こうとするなよ。な?」アセ

アニ「そ、そうだよ。これじゃまるで私たちがあんたを仲間外れにしてるみたい」アセアセ

ベルトルト「」


ベルトルト(うわあ…)


ベルトルト「いや、だってねえ。仲睦まじい恋人同士の二人の邪魔をするのは野暮ってもんだからさ」


ライナー「だからそんなのは…」

ベルトルト「あっ、ユミルー!おはよう!」フリフリ


ベルトルト「じゃあね、二人とも!」ダッ

ライナー「おまっ…!」

アニ「ちょっ、ベルトルト…」


タタタッ…


アニ(行っちゃった…)


ライナー「……」

アニ「……」チラ


ライナー「ア、アニ、今日は大丈夫なのか?」ギクシャク

アニ「えっ?だ、大丈夫って何が…?」ギクシャク


ライナー「…いっ、色々だよ。体調とか。…昨日の今日だし?」

アニ「…っ!」ボフンッ


アニ(ちょっと!そんな直球で言わないでよ!)アセアセ


アニ(…あ、やばい。昨日のこと思い出してきた…うわあぁ……っ!)カアアッ


ライナー「おい?アニ?本当に大丈夫か?」ジッ

アニ「!」ドキ


アニ「だっ、大丈夫だよ!おかげさまで!見ての通り、立って歩けてるし」アワアワ

ライナー「おう、そうか」


アニ「そりゃ腰はまだ怠いし顎も少し痛いけど、本当にそれだけで…」

ライナー「ちょっ!お前…」


ライナー「女の子が朝からいきなり何言い出すんだ!!俺はただ、昨日お前がぶっ倒れたのが心配でだな…」アセッ

アニ「!!」


アニ「~~~っ!ま、紛らわしいんだよ聞き方が!バカ!!」ゲシッ

ライナー「いって!蹴ることねえだろ!」

アニ(ああもう!こいつは!本当にっ!)カアッ


ライナー「…ったく。すっかりツンが平常運転じゃねえか」イテテ

アニ「当たり前でしょ。いつまでもデレてばっかなわけないでしょ」ジト


ライナー「(ちょっと惜しいな。すげえ可愛かったのに。…とか言ったらまた怒られそうだが)ま、それだけ悪態つければ大丈夫か」ヤレヤレ


ライナー「…まあ、今日は無理するなよ」ポンポン


アニ「…っ」

アニ「……わかってる」


ライナー「それと、お前に話しておきたいことがある」

アニ「? 何…?」


ライナー「俺もな、兵士化の克服について、努力していきたいと思ってる。どうすればいいのかはわからないが、後悔しないように、できることをしたいからな」

アニ「えっ…」


アニ「そう、なんだ」

ライナー「ああ。…だから、」


ライナー「もしまた俺が、お前に他人のように接するようなことがあったら、…そばにいてくれ」

アニ「!」


ライナー「平手の一発でも見舞ってくれりゃ思い出すだろ、どうせ」

アニ「いいの?私たちのこと、バレるかもしれないよ?」


ライナー「そうなったら仕方ねえよ。お前に辛い想いをさせるくらいなら…俺はなりふり構わず、お前と同郷だ恋人だって声を大にして叫んでやる」


ライナー「俺だって、お前を忘れたくないからな。他力本願で情けないが…頼む」

アニ「……」


アニ「…わかった。頼ってくれてありがとう。嬉しいよ」

アニ「…私があんたを支えるから、二人で、なんとかしていこう」


ライナー「…助かる」フッ



ライナー「頑張るよ。もうお前を泣かせたくないし、幸せにしてやりたいからな」


終了です

ベルユミ対談とか、言及しつつまったく登場しなかったアルクリとか、いくつかおまけの構想があるので、また時間のとれる時に書いていきます。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

初心に帰ろうと思って、これの前の話読んでだら眠くなって最後まで読めなかった

おまけ2編ほど投下します


=

おまけ1
ベルトルト「話がある」



==


夕食時間・食堂

ガヤガヤ



ユミル「ほう、珍しいな」


ユミル「聞こうじゃないか。隣座んな」

ベルトルト「ありがとう」ガタ


ベルトルト「…ユミル、」

ユミル「何だ?」


ベルトルト「付き合ってくれないかな」


ユミル「!?」

ユミル「…なっ!?」ゲホゲホ


ユミル「いきなり何を言い出すんだあんたは…!?」ドキドキ


ベルトルト「いや、正確には僕と恋人として過ごしてほしい、かな」

ユミル「意味変わってねえよ」


ユミル「……」

ユミル(どういう了見だ?こいつアニが好きって話じゃなかったのか?あれ、吹っ切れたんだっけか?)


ユミル(……)

ユミル(まあ、……どうしてもって言うなら…考えないこともない、けど…)カア


ベルトルト「実は夕べ、やっとライナーとアニの両想いが発覚してね」

ユミル「…ん?」


ベルトルト「なんとか上手くいってほしいから、二人が僕に変に気を遣わなくていいように、ユミルに、僕の彼女として振る舞ってほしいんだ」

ユミル「」


ユミル「……あー、そういう」


ベルトルト「それと…ごめん、勝手な話なんだけど、ライナーにもアニにも、僕はユミルと付き合ってるって言ってある」

ユミル「事後承諾かよ!」

ベルトルト「うん、だからごめんって言ってるだろ」


ユミル(外堀埋めて、断らせる気ゼロってわけか…それにしても)


ユミル「あの二人、ようやっとくっつくんだな」


ベルトルト「うん。ライナーが昨日、アニが好きだって認めたからね。時間の問題だと思うよ」

ユミル「ふーん…。ついにあんたも、私と同じく一人寂しくなるわけだ」ニヤ


ベルトルト「…寂しくないって言ったら嘘になるけど、二人が幸せになれると思えば……どうってことないし」フイ

ユミル「……」ジッ


ユミル「そうかよ(嘘の下手な奴…)」

ベルトルト(…今、寂しいって言ったよね。やっぱりユミルも寂しいんだ)


ベルトルト「クリスタの時、君は僕とライナーを引き離すために、僕と付き合ってるって噂を利用しただろ?だから、今度は僕がそれを利用させてもらう。いいよね?」

ユミル「それを本人に頼むのか。律儀な奴だな」


ユミル「…わかったわかった。いいぜ」

ベルトルト「本当?」パアッ


ユミル「ただし条件がある」

ベルトルト「」


ユミル「協力するかわりに、私の言うことを一つ聞いてくれないか」


ベルトルト「……」

ベルトルト「……」


ベルトルト「…いや、何で?」


ユミル「はあ…あのなあベルトルさん」


ユミル「私はあの時、あんたに頼んであの関係でいたわけじゃない。だから、ライナーから引き離されたのは、私を押し切れなかったあんたの力不足が原因だ」

ベルトルト「」


ユミル「それに対して今回はどうだ?あんたは私にお願いする立場で、しかも私にはタダで協力するメリットがない。見返りを求めて当然だと思うけどな?」チラッ

ベルトルト「ええー…」


ベルトルト(ユミルのお願いって何だろう…全然想像がつかないけど。…というか)


ベルトルト「当時の、アニとライナーの暫定的な恋人関係を自然消滅させた後ろめたさとかないの」

ユミル「ないね。まったく。あの時は私も怒ってた」

ベルトルト「」


ユミル「…細かいこと気にするなよ。男なら女のお願いの一つや二つ、叶えてやるくらいの器量を見せてほしいもんだがね」


ユミル「それとも何か?私は、あんたを、惚れた女が他の男と幸せになるのを心から願えるようないい男だと思っていたんだが…買い被り過ぎか?」

ベルトルト「……っ!」


ベルトルト(い、いい男って…前にも言われたよな…)カア

ユミル(お、真っ赤んなった。本当リアクション面白いわ)ニヤニヤ


ユミル「ま、それが聞けないんなら他をあたってくれ。私より可愛い女なんて、この訓練所にはたくさんいるんだからさ」フイ

ベルトルト「えっ、ちょっ、待って!」アセ


ユミル「大体なんで私なんだ?」

ベルトルト「なんでって…。噂が立ってるから自然だとか好都合だとか、前に利用されたからとか、それっぽい理由を付けようと思えば色々付けられるけど…」

ベルトルト「……」


ベルトルト「でも、どれも何か違う気がする。…なんでだろう、付き合うってなった時、何故かユミルしか考えられなかった」


ユミル「……っ!」

ベルトルト「君がいいんだ」


ユミル「お前それって…!」

ベルトルト「?」


ユミル(無自覚で言ってんのか…。質の悪い…)カア


ベルトルト「お、お願いって何?僕にできることならしてあげるからさ。さすがに死ねとか成績下げろとかは無理だけど…」

ユミル「わかってるよ。さすがの私も、そんなひどいことは言わないさ」


ベルトルト「……」

ベルトルト「それなら、いいよ」

ユミル「お」


ベルトルト「ひどいことは言わないってユミルの言葉を信じる」


ユミル「……」

ユミル「そうかそうか」フッ


ユミル「報酬形式でいい。あの二人が上手くいった時に頼みを聞いてくれ」ガタ

ベルトルト「いいの?それで」

ユミル「ああ、条件飲むって約束してくれたからな。私もあんたの言葉を信じるよ」


ユミル「じゃ、よろしく。ダーリン(棒)」ニヤ


ベルトルト「!」ドキ


ユミル「ま、今はせいぜい、私のどこに惚れたって誰かに聞かれた時の適当な理由でも考えておくんだな」フリフリ

ベルトルト「え?う、うん…?」アセ



スタスタ


ユミル「……」

ユミル(まあ、あれだ)


ユミル(あの二人が上手くいったら、お願い権で…私と付き合えって命令してやろう。そうしよう)

ユミル(連れの二人がくっついちまって寂しいってんなら可哀相だもんな、ほっとけないもんな。そうだそうだ。私はなんて優しいんだ)


ユミル(……)

ユミル(…別に私がベルトルさんと付き合いたいとか、そんなんじゃない。ないない)フン




==

おまけ1 おわり


=

おまけ2
アルミン「僕だけが知ってる」


==




アルミン「ねえ、クリスタ」

クリスタ「何?アルミン」


アルミン「僕ね、実は、ここ数ヶ月君と過ごして、気付いたことがあるんだ」

クリスタ「…何?」


アルミン「君が嘘を吐く時の、クセ」


クリスタ「……」

クリスタ「え?えぇっ??」アワアワ


アルミン「自分でも気付いてなかった?まあそりゃそうか。無意識でやるからクセっていうんだもんね」

クリスタ「わ、私、無意識に何してるの?」

アルミン「知りたいの?」


クリスタ「知りたいよ!知らなきゃ困る!教えてアルミン」

アルミン「そこまで言うなら教えてあげようかな。…耳貸して」

クリスタ「うん」


アルミン「君は嘘を吐く時、無意識に視線を逸らすんだ。本当のことを言う時は、いつもは目を見て話すのにね」コソ

クリスタ「…! そ、そうなの!?全然知らなかった…」


アルミン「うん、だから今度からは、嘘を吐く時もきちんと目を見て話した方がいいよ」


クリスタ「…そうなんだ。わかった、そうする。教えてくれてありがとうアルミン」

アルミン「どういたしまして」ニコ

アルミン「……」

アルミン(なんちゃって、嘘だよ)


アルミン(騙してごめんね。本当は、そんなクセなんてないのに。…ちょっとだけ罪悪感)


アルミン(でも、こう言っておけば、君はこの先嘘を吐く時に、意識的に僕の目を見て話すようになるでしょ?)

アルミン(それが、君が嘘を吐いている何よりの証拠になる)


アルミン(僕だけが知ってる、いや、僕が植えつけた君のクセ)

アルミン(これでもう、君は僕に嘘は吐けないね!)




==
おまけ2 おわり

あれ?アルミンさん黒い…
この後はライアニ関連でいくつか書きたい

そろそろ更新できるかなーと思ったタイミングで保守レスをもらえる法則w
保守ついたら投下する人だと思われそうだw

再開



=

おまけ3
ジャン「なあベルトルト、ライナーの彼女って誰なんだ?」


==



僕は思わず固まった。


ジャンの放った一言が、僕を凍りつかせるには十分な破壊力を有していたから。


たいへん酷い顔でフリーズしているらしく、
ぷっと吹き出したユミルが突っ伏して肩を震わせ始めた。



ユミルとクリスタ。

ライナーとアニの関係を知っている二人。


二人のことは秘密してほしい、と頼んではいるけれど、
協力する気があるのかわからないユミルと、お世辞にも隠し事が上手には見えないクリスタのことだ、
何かを口走らないか、少し不安がよぎる。



…それより、今はジャンのこと。

どうしてジャンは、ライナーに恋人がいることを知っているんだろうか。


コニー「へえー。ライナーって彼女いるのかあ」

エレン「そういえばライナーって、最近ふらっとどっか消えるよなーとは思ってたけど、なんだ、女の所行ってんのか」

アルミン「今もいないね」キョロ


ミーナ「なになに?何の話?」



そして、この手の話題に続々とみんなが食いついて、余計に話が広がっていくのを見ると、
みんな思春期だなあと思う。


…だが、この状況は非常にまずい。



マルコ「まだそうと決まったわけじゃないんじゃ…ジャンの思い違いって可能性もあるだろ?」

ジャン「いいや、間違いねえよ。…もう十日前になるかな、夜、用事があって兵舎の廊下を歩いてたら、医務室の方から声が聞こえてきたんだよ」


ジャン「一つはライナー、もう一つはか細い女の高い声…ありゃどう考えても喘ぎ声だ」ボソッ


ベルトルト「」


コニー「うっそまじかよ!!」ガタッ

ミーナ「い、医務室で!?」カア

サシャ「それもう確定じゃないですか!」

ユミル「ぶふっ!!」プルプル


ベルトルト(あっ…十日前って確か…僕が二人から報告された日だ)


ベルトルト(っていうかライナーとアニ、既にそういう関係だったんですか。…まあ付き合ってるんだし、当たり前か…。あとユミル笑いすぎ)


エレン「で、その肝心の相手は誰なんだよ。声を聞いたんなら、わかりそうなもんだろ?」

ジャン「あ?あんな声で判別付くわけねえだろ。わかったらこんなこと聞かねえよバカ」


エレン「んだと!」ガタ

ミカサ「エレン!」

マルコ「おいジャン!一言多いぞ」


ベルトルト(アニは普段から、声のトーンを落として喋ってるから尚更か。特定されなかったのが唯一の救いかな。ここは二人の言い合いに乗じてこのまま話題を逸らして…)



クリスタ「へえ…あの二人……そうなんだあ」ソワソワ


ベルトルト「」


ベルトルト(…クリスタ、頼むから少し黙っててくれないかな!?)ダラダラ


アルミン「……クリスタ、ひょっとして何か知ってる?」

クリスタ「っ!う、ううん。何も知らないよ!」


アルミン「…ふうん…」ジッ

クリスタ「……っ(アニに『内緒にしてね』って言われたんだもん。アルミンにも言わない!言っちゃだめ…)」ダラダラ


アルミン「後で、色々お話しようか」ニッコリ

クリスタ「! うう…」シュン


ベルトルト(あっ…アルミンにはバレたなこれ)


ミーナ「十日前?アニが一日中体調崩して医務室で寝てたのっていつだったっけ…?」

ベルトルト「!」ギクッ


ミーナ「アニの寝てたベッド、もしかしたらライナーと彼女が使ってたのかもしれないのかあ…へえ」ニヤニヤ

ベルトルト(あれ?ミーナの中では日付がズレているみたいだ…助かった!)ホッ



エレン「そもそも、お前がちゃんと耳澄まして聞いておけばよかったんだろ!」

コニー「そうだそうだ!」

ジャン「コニーお前!なんでエレンの肩持つんだよ!」


ジャン「大体なあ、お前らが俺の立場だったらそんなことできんのか!?すげえ気まずくていたたまれない気分になるんだぞ!?」


ベルトルト(……よかった、誰もミーナの話を聞いてなかったみたいだ)ホッ

ユミル「……ぷっ、くく…百面相やめろ……腹いてぇ」プルプル


ベルトルト(ユミルはいつまで笑ってるんだよ!人の顔見て笑うなよ!傷付く!)


エレ・ジャン「ふんっ!」プイ


ジャン「……で、だ」



ジャン「お前なら知ってんだろ?」ビシ


ベルトルト「」

ベルトルト「………え」


エレン「そうだよベルトルト!ライナーの彼女って誰なんだ!?」バッ


ベルトルト「!?(なんでエレンまでそんな乗り気なんだよ!?しかも妙にジャンと気が合ってるし…)」

ベルトルト(まさか、アルミンの件を知って、周りの惚れた腫れた話に関心が芽生えたっていうのか!?あのエレンが!?)


ベルトルト「……っ」ダラダラ


ミカサ「ベルトルト、私からも是非」

サシャ「ほらー、みんなこんなに興味津々なんですよ。早く吐いて下さい」ジリ

コニー「ライナー本人がここにいたら質問攻めにしてやったんだけどな!悪く思うなよベルトルト!」ジリ


ベルトルト「ええ…いや、その……っ」アセ


ベルトルト(ああもう!ライナー、僕はどうすればいいんだ…っ!)


「その辺にしとけお前ら」


一同「!」


ユミル「困ってんじゃねえか、可哀相に」

ベルトルト「ユミル…」


ユミル「そいつ、私のダーリン(棒)だから。そんなにいじめないでやってくれ」

ベルトルト「」


コニー「…ぶっは!まじかよベルトルト!こいつと!?」ゲラゲラ

ジャン「お前らもかよ…」

マルコ「そうだったの?」


ベルトルト「えっと…(なぜか、関係を継続しようって言われたから、僕らはまだ付き合っているのか…)」

ベルトルト「…うん、まあ一応……ってユミル、いきなり何でこんな話…!」


ユミル「何人かは今知ったみたいだな。実はこいつ、このことをライナーに話したの、つい先日なんだってよ。薄情な話だよな」


ユミル「そんな冷めた仲の連中だぜ?なら同じように、ベルトルトも、ライナーから何も聞かされてない可能性だって、あると思わないか?」



シーン


ジャン「…どうなんだよベルトルト。知ってるのか?知らないのか?」ムス

ベルトルト「え…そ、そうだ!知らなかった!ライナーに彼女がいるなんて、今初めて知ったよ!ライナーも隅に置けないね!」アセアセ


ジャン「……」


ベルトルト(…あれ?)


ミカサ「ベルトルト、」

ベルトルト「!」


ミカサ「ごめんなさい」ペコ

サシャ「調子に乗りすぎました…」シュン


ベルトルト「い、いや、気にしないで…(うおぉ助かった!さすがユミル!呼吸するように嘘を吐く女!)」キラキラ

ユミル(…褒められてる気がしないが…貸しにしといてやる)


ベルトルト(よし、この調子でなんとかやり過ごして…)



コニー「…だったら、俺たちで突き止めねえ?」


ベルトルト「」

ベルトルト「……え?」


コニー「今頃、ライナーは彼女といるかもしれないんだろ?なら、今兵舎中探せば、一緒にいるところが見つかるってことじゃねえか」


ジャン「……」

ジャン「コニー、お前…」


ジャン「……たまにはやるな」


ミーナ「そうだ!」

サシャ「その手がありましたか!探しましょう!」

エレン「っしゃあ!行くかみんな!」

ミカサ「エレン、私も」


ベルトルト「……」

ベルトルト(あれ!?)

ユミル(…あっちゃあ、そうなっちまう?)


マルコ「おーいみんな、当人同士のことなんだからほっといてあげなよ。後で本人から聞けばいいだろ?」ハハ


エレン「いいや、思い立ったらすぐ行動しろっていうだろ?だから…」

アルミン「待つんだエレン!」

マルコ「ほら。アルミンからも…」


アルミン「闇雲に動いてはだめだ。手分けしよう」


マルコ「!?」


マルコ「アルミン、なんで…」

アルミン「ごめんマルコ。…ライナーが、クリスタを振ってまで付き合いたいと思った女の子が誰なのか、僕もちょっと気になるんだ。色んな意味で」ニッコリ


マルコ「」

ベルトルト「」


クリスタ「アルミン…」ドキ

ベルトルト(クリスタ、そこときめくところじゃない)


アルミン「何人かずつに分かれて効率良く探せば、そう時間は掛からないはずだ」


コニー「よっしゃあ!さすがアルミンだぜ!」ガシッ

エレン「心強いな!」


マルコ「……」

ジャン「マルコ、そういい子ぶんな。お前も混ざれ」グイ

マルコ「ちょっ、ジャン…」アセ


アルミン「みんな、一度集まって」

一同「おう!」


ベルトルト「……」

ベルトルト「……嘘、だろ」ガク


クリスタ「ど、どうしよう…」


ユミル「いやはや、普段はてんでんばらばらな連中も、こういう時になると一致団結するんだな。予想外だったよ」


ユミル「壁内人類の団結力見たりって感じだなあ、ベルトルさん?」ニヤ

ベルトルト「はあ…」


ベルトルト(意味深に壁内人類って言い回しするのやめてくれよ。…笑えない)

続く
次、年内に来れるかわかんない

ので、よいお年を。



==



ザッザッ


ユミル「アルミンも気が利くもんだ。私とあんたを二人で組ませるとはな」

ベルトルト「僕にとっては好都合だけど…できればクリスタも一緒だったらもっとよかったな。…口封じ的な意味で」


ユミル「あいつは大丈夫だよ。あれでいて口は固いから。さっきみたいに、たまーにうっかりこぼす時もあるが、言わないと決めたことは絶対に口を割らない。頑固だからな」

ベルトルト「…へえ。頑固、ね(そういう意味では、クリスタもある意味ライナーとは通じるものがあるんだな…)」


ユミル「……」ザッザッ

ベルトルト「……」ザッザッ



ユミル「歩みに迷いがないな。見当付いてるのか?あいつらの居場所」

ベルトルト「……」


ベルトルト「…知ってる、ことになるのかな。一応」

ユミル「お、話が早いじゃないか」

ベルトルト「うん。けど…」

ユミル「?」


ユミル「あ、なるほど。今が真っ最中だと、今後あいつら接するのが少し気まずいって問題があるのか。それは行きずらいな」

ベルトルト「ちょっ、言わないでよ!その辺すごく気を遣ってるんだから!」カアッ

ユミル「ぶっ!!そうかそうか!そいつは悪かったな」ケラケラ


ベルトルト(また笑う…)ハア



ザッザッ


ユミル「ライナーの奴、あんたには行き先告げて行くのか?」

ベルトルト「んー…、正確には少し違うけど、大体そんな感じかな」

ユミル「……、」


ユミル「正確には、ね」

ベルトルト「…何その含みのある言い方」

ユミル「…いや、別に?」


ベルトルト「……」


==

屋外・備品倉庫


コンコン

ベルトルト「……」コンコン

ベルトルト「……」


ベルトルト「ライナー、いる?僕だよ」コソ


ベルトルト「いきなりごめんね。…ここにはライナーとアニの二人だけ?他には誰も来てない?」

ベルトルト「そっか、よかった。いや、なんでもない」


ベルトルト「ごめん、入っていいかな」

ベルトルト「わかった、ありがとう」


ベルトルト「……」チラ

ベルトルト(ユミル、来ていいよ)スッ


ユミル「……」コソッ

ユミル(……お、合図だ。ここでアタリか)


タタッ


ベルトルト「見張りありがとう。目撃者は?」ガチャ

ユミル「大丈夫だよ。気配すらなかった。他の連中がここまで辿り着くのは、まだ先だろうな」

ベルトルト「そっか」


パタン


ユミル「よう色男」


ライナー「お、ユミルも一緒なのか。夜の散歩か?」ニッ

ユミル「そんなところだよ」ニヤ

ベルトルト「違うだろ!こんな時にまで変なこと言わないでくれよまったく…」


アニ「……」ムス

ベルトルト「あっ…、と、ごめんねアニ。お邪魔したみたいで…」アセ

アニ「…別に」


ライナー「こら。断じて邪魔じゃないぞベルトルト。だが…本当にどうした?こんな急に」


ベルトルト「ああ、そうだ。大変なんだライナー。君に彼女がいるってことが、みんなに知られてる」

ライ・アニ「!」

ライナー「そうなのか!?」


ベルトルト「うん。先日ジャンが、二人が一緒にいる時の…その、声を聞いたらしくて、『ライナーの彼女って誰なんだ』って僕に」

ライナー「そうか…参ったな」


ライナー「…しかし妙だな、今までこうして会ってた時に、アニが人の気配を察知したことなんてなかったぞ」フム

ライナー「一体いつ…」


ベルトルト「いや、それが…言いにくいんだけど…」

ライナー「ん?」


ユミル「ジャンが聞いたってのが女の喘ぎ声なんだってよ。真っ最中で気付く余裕がなかったってだけだろ」

ライナー「!?」

アニ「!!」


ベルトルト「ちょっ、ユミル!デリカシー!」アセ

ユミル「なんだよ。こういうのは本当のこと言ってやらなきゃだめだろ?幸い、素面の声じゃなかったおかげで、ライナーの彼女は特定されてないんだ。それを伝えるためには、隠していられることじゃないだろ」

ベルトルト「いや、それどころじゃないみたいだけど…」チラ


アニ「ど、どうしよう……ライナー、やだ。私もうしない」

ライナー「!?」


アニ「あ、あんな声聞かれてたなんて…恥ずかしくて嫁に行けない…」カアア

ライナー「いや、俺がもらってやるし」サラリ

アニ「それでも!…兵舎内ではもうしないから!こんな、誰に見聞きされるかわからない場所なんて…」


ライナー「…ん?じゃあ兵舎内じゃなければいいのか?」

アニ「……え…、」


ベルトルト(…なんか今、すごい会話が交わされてるな。二人ともサラっと惚気てくれちゃって)


ベルトルト(まあ、欲望に忠実に生きろって言ったのは僕だし、いいことなんだけどね)ハハ


ユミル「……」チラ

ユミル「……」ナデナデ


ベルトルト「…なんで無言で僕の頭を撫でるの」ワシャワシャ

ユミル「んー?そういう気分だ」

ベルトルト「はは、そう。…ん?」


アニ「……」ジッ

ライナー「……」ジー


ベルトルト「な、何?」


ライナー「いや。お前ら付き合ってんだもんな」

ユミル「まあな」


アニ「仲、いいよね」

ベルトルト「ああ…はは(君たちほどじゃないけど)」


ライナー「ちなみにお前らは……どこまでの仲なんだ?」

ベルトルト「え…」

ユミル「見ての通り、頭を撫でくり回す仲だが」ナデナデ


ベルトルト(なんだそれ。いや、間違ってはいないんだけどさ…)

アニ「…へえ」


アニ「ベルトルトは、ユミルのことが好きなの?」

ベルトルト「えっ」ギク


ユミル「当たり前じゃないか。見ての通り愛し合ってるだろ?」シラッ

ベルトルト「」

ベルトルト(…よくもまあ、こうスラスラと嘘が出てくるもんだ。驚く通り越して感心すらするよ)


ユミル「そういえばアニ。お前って、クリスタよりずっと前から、ライナーのことが好きだったんだって?長い片想いが実ったんだな。よかったじゃないか、おめでとうさん」

アニ「……っ!」

アニ「あ、りがと」フイ


アニ(……なんか、こいつに言われると変な感じ…。ベルトルトの奴、どこまで喋ってるの?)


ユミル「しっかし、あのゴリラがねえ…。いつぞやのクリスタといいお前といい…」

アニ「…何。悪い?」ムス

ユミル「いーや、別にいいんじゃね?好みは人それぞれだし」


ユミル「…けどぶっちゃけ、どこに惚れたのかは興味あるな。どうなんだよ?」コソ

アニ「えっ…!だっ、だからそういうのは…!」カアア

ワイワイ


ベルトルト(なんか、上手い具合に有耶無耶なったみたいだ)

ベルトルト(というか…)クス


ライナー「どうした?ニヤニヤして」

ベルトルト「いや、ユミルとアニが仲良く話してるのが嬉しくて。険悪だった頃を知ってるから」

ライナー「…はは、そうだな」


ライナー「ユミル、」

ユミル「あ?」


ライナー「ベルトルトのことよろしく頼むな」

ユミル「ああ、任せな」フリフリ


ライナー「ベルトルト、時間の許す限りユミルと仲良くな」

ベルトルト「…うん」


ユミル(…時間の許す限り、ねえ)



ユミル「そうだ、話戻すけどよ。お前らの関係、周りにバレそうだから今後会う時は気を付けろよ。バレたくないなら」

ユミル「って、こいつが言いたかったんだそうだ」

ライナー「あ、ああ。ありがとな」


ユミル「ちなみに、なんでこんな急に来たかってーと、今、コニーたちがお前らを見つけるために兵舎中を探し回ってるからだ」


アニ「え!?」

ライナー「そんな大事になってるのか!」


ベルトルト「あ、そう。そうなんだ!」アセ

ベルトルト「だから今日は解散した方がいい。せめてアニだけでも寮に戻った方が…」


ライナー「そうだな。わざわざすまん」アセ

アニ「ありがとうベルトルト」アセ


アニ「それじゃあライナー、私戻る」

ライナー「暗いから気を付けろよ」

アニ「うん」



ガチャ


アルミン「わっ」

アニ「あ」バッタリ


アルミン「あ、ライナー!やっと見つけた」


ベルトルト「」

ライナー「」


クリスタ「あ…、みんな…」アセ



ユミル(……長話が過ぎたか、それともアルミンが私の想定を上回っていたのか…。両方か)

続く




==

十数分後


ゾロゾロ

エレン「おーいアルミン、来たぜ」ガチャ

ミカサ「…」

アルミン「エレン、ミカサも」


エレン「伝令ありがとな。作戦通り、俺たちの班もミーナが伝令に行ってくれたぜ」

アルミン「そっか、わかったよ。あとはジャンたちの班が来れば全員だね」


ライナー(伝令だの班だのって…演習かよ。随分本格的に捜索されてたみたいじゃないか。…楽しそうだな…って違う違うそうじゃない)

アニ(…何人来るの?広まりすぎじゃない?)


アニ(もう嫌だ。晒し者の気分…)

ベルトルト(やばい、アニが涙目だ。ごめんよ、二人とも。僕が上手く立ち回れなかったばっかりに…)

クリスタ(私がもう少しアルミンを足止めできてたら、時間が稼げたのに…)

ユミル(…ま、この辺がこいつらの年貢の納め時なんじゃねーの)ハハ


ライナー「アニ」ボソ

アニ「!」


ライナー「バレちまったもんは仕方ない、諦める。ただ、同郷出身ってことはまだ黙ってろ。お前がベルトルトと関わりがあるってこともな」ボソボソ

アニ(ライナー…)


ライナー「これから何されるのかわからんが、まあ、ひどいことはされねえはずだ。とりあえずお前は何も喋らなくていい。俺がなんとかする」ボソボソ

アニ(…わかった)コク


コニー「なんだなんだ?内緒話かあ?」

サシャ「だめですよ!何やってるんですか二人とも!…これは常に見張ってないといけませんね。そこになおって正座しなさい!」


アニ(はあ…どうしてこんなことに…)

ライナー(なんで正座までさせられるんだよ…)


==

数分後

ガチャ


ジャン「よう、こんな所にいやがったか」

マルコ「やあ。…ごめんね、ライナー」


ミーナ「アニ!?あなただったの!?水くさいじゃない!私にくらい教えてくれてもよかったのにー!」

アニ(大丈夫、知らなかったのはあんただけじゃないから)


コニー「これで全員揃ったなあ」ニヤ

ベルトルト「……っ」


ジャン「じゃ、始めるか。質問タイムだ」

ベルトルト(あああ…)アワアワ




アルミン「僕からでいいの?」

ジャン「ああ。第一発見者のベルトルトとユミル、それにクリスタも質問はないって言うし、お前からだろ」


アルミン「…そっか。ならまず最初に、ライナーの彼女はアニ、ってことで間違いないのかな?」

ライナー「………ああ、間違いない」

オォー

アニ(何の歓声だ…)


サシャ「ふ、二人はいつから付き合ってるんですか?」

ライナー「…先週くらい、か?」

アニ「……」


ミーナ「え!?それって!ジャンが言ってた十日前ってやつ!?」バッ

ライナー「!? そうだな、大体そんなもんだ」

アニ「ちょっ!」アセ


ザワッ


コニー「うお!じゃあジャンの言ったことは本当の本当だったのか!」

エレン「そうなんだな!」

ジャン「だから言ったろーが!つかお前ら疑ってたのかよ!?」


マルコ「つまり…、二人は既にそういう関係だと…」

ライナー「あ」

アニ(…バカ!)カアッ


ベルトルト(ライナー…最中の声聞かれたって言ったのに)


ミカサ「ど、どちらから切り出して、付き合うことに…?」

アニ「…っ!」ドクン


アニ(私、だ。…けど)

アニ(絶対変に思われる。私は普段から人付き合いがなさすぎるのに、私からなんて言ったら…)


ライナー「俺からだ」


アニ(……えっ?)


マルコ「へえ…」

コニー「そうなのかー」


ライナー「いい女だろ?俺が一方的に惚れて、しつこくアタック続けたら最終的に折れてくれたんだよ」

ライナー「な?」


アニ「……」

アニ「…う、ん」コク


ミカサ「…そう」

エレン「やるなあ、ライナー」

サシャ「情熱的ですね!」

ライナー「はは、だろ?」


アニ「……」


アニ(庇ってくれた?)

アニ(それともまさか…また記憶違いを起こしてるんじゃ…)チラ


アルミン「ふうん…ライナーからなんだ。へえ…」

ベルトルト(アルミン…)ハハ


ミーナ「で、でも、付き合った初日からって…、いくらなんでも早すぎなんじゃない…?」

ユミル「そうでもねえよ」

ミーナ「え」


ユミル「私は、付き合っても一向に手を出してこない奴の方が、男としてどうかと思うね」

ユミル「なあ、アルミン?」


アルミン「…っ、どうしてそれを僕に言うのかな」

ユミル「さあ、どうしてだろうな」ニシシ

ミーナ「?」

クリスタ(…っ!ユミルのバカっ!)


ライナー「だってよ、ベルトルト」

ベルトルト(お願い、僕に振らないで)


ジャン「で、……ぶっちゃけどうだったよ?」ボソ

ライナー「どうって…何がだ?」


ジャン「いや、だから、……お前ら、したんだろ?感想とか、色々」


アニ「なっ…!カアッ

ベルトルト「ジャン…!」アセ


ジャン「な、なんだよ!?お前らだって興味あるだろ!?なあ!?」アセ

ベルトルト「」


アルミン「そっ、そんなことないよ!僕はライナーの彼女の正体を突き止めたかった理由をちゃんと言ったはずだ!べっ別に…そんなことまで…」モゴモゴ

マルコ「さ、さすがにそこまで込み入ったことは…プライバシーってものが…あるし…」アセアセ

ミカサ「わわわたしもそんな……」ドキドキ


コニー「なんだ?聞くのか?聞かねえのか?」

サシャ「いや、けど、まあ…興味がないかと聞かれれば…その…」ゴニョゴニョ

クリスタ「…う、うん。ねえ?」ソワソワ


ユミル「なんだお前ら、どいつもこいつもみんな興味津々じゃないか」ケラケラ


一同「」


ライナー「うーむ…」チラ

アニ「……」チラ


ライナー「俺は別に言ってもいいんだが…」

アニ「! ちょっ、やだ!絶対だめ!」

ライナー「…だそうだ」


ライナー「というわけで悪い。ノーコメントだ」

ユミル「ほう。紳士だな」


コニー「ちぇー。なんだよー」ブー

マルコ「まあ、嫌がる相手から無理矢理聞けないだろ」

ミカサ「…仕方ない」



ライナー「わかったら解散しろ解散。これだけの人数で夜の倉庫に忍び込んだなんてわかったら、さすがに問題だぞ」


ジャン「……はあ、しょーがねーな。行くか」

サシャ「はぁい…」

コニー「あれ?もう行くのか?まあいいや」


ライナー「あとお前ら、このこと誰にも言わないでくれよ。頼むから」

ミーナ「ええー、どうして?」


ライナー「わかるだろ?こいつが嫌がるんだよ、そういうの」

アニ「……」


ミーナ「ん、まあ仕方ないか。アニ、後でこっそり聞かせてね!」

アニ「絶対やだよ!」

ミーナ「えへへ。じゃあね。ごゆっくり」



ゾロゾロ

ベルトルト「…意外とみんなあっさり解散するんだね」

ユミル「気が済んだんだろ。こういうのは、探してる時が一番楽しかったりするからな」

ベルトルト「それもそうか」


ユミル「私たちも行こうぜ。さすがにお邪魔しすぎだ」

ベルトルト「そうだね」


クリスタ「……」

ユミル「クリスタ?行かないのか?」


クリスタ「ん…」


クリスタ「アニ」

アニ「?」


クリスタ「あのね、こんなこと聞かれるの、嫌なのはわかってるけど、この機会に聞かせてほしいの」

アニ「どうしたの?あらたまって」


クリスタ「アニは、ライナーとが初めて?」

アニ「(…っ、まだその話か)まあ、そうだけど」


クリスタ「…その、よく、初めては痛いって聞くけど、どうだったのかな、とか。…は、恥ずかしくなかったのかな、とか」ソワソワ

アニ「……」


アニ「そっか、あんたには予定があるんだもんね」


クリスタ「予定っていうか…二人の話聞いて、私も真面目に考えなきゃいけないのかなって思って」


クリスタ「で、でも、言いたくないならいいんだよ?無理には聞かないから」アセ

アニ「…なんだろ、私もそんなに偉そうには言えないけど」


アニ「痛い想いするとしても、恥ずかしいとしても、本当に好きな人が相手なら、…何されても嬉しいって思うんじゃない?」


クリスタ「……」


アニ「いい加減なことしか言えなくて申し訳ないけど」


クリスタ「ううん、そんなことない。…そっか、そうだよね。聞いてみてよかった」


クリスタ「ありがとう。じゃあ私も行くね」

アニ「うん。アルミンと仲良くね」ポソ

クリスタ「!」ドキ


クリスタ「もう!それはお互い様でしょ!」クスクス


エレン「……」

ライナー「エレン?お前は行かないのか?」


エレン「……なあ、ライナー」

ライナー「何だ?」


エレン「彼女って、どうやったらできるんだ?」


ライナー「!?」

ライナー「…珍しい奴が珍しいことを聞くもんだな。何か変なもんでも食ったか?」

エレン「食ってねえよ」


ライナー「お前、彼女がほしいのか」

エレン「いや、今はいらないんだが…」


エレン「この間アルミンから、クリスタと付き合うことになったって言われた時、俺よくわかんないけどむしゃくしゃして、思ってもいないのに『そんな浮ついてていいのかよ』って言っちまってさ」


ライナー(大方、幼なじみを取られたやきもちってとこか…)


エレン「それでアルミンが怒って、言い合いになって、それがだんだんエスカレートして…」


エレン「普段から思ってることなんだろうな、『エレンこそ駆逐駆逐って言うけど、その夢が叶った後はどうするの?その後の人生のことは考えてるの?』って言われたんだ」

エレン「俺は今まで、巨人を駆逐することしか頭になかったから、その後も人生が続くっていう、そんな当たり前のことすら考えたことがなかった。だからその一言に、すごくはっとさせられたんだ」


エレン「…今はまだ、道半ばだから何も考えられない。けど、もしも俺の悲願が叶った後もまだ俺が生きてたら、いつかは俺も父さんと母さんみたいに、誰かと恋愛して、結婚する時がくるのかな、って思ったら…なんか…」

エレン「こ、恋人の作り方くらい、知っとかなきゃまずいかなって」


ライナー「…なるほどな。死に急ぎと揶揄されたお前が…変わったな」フッ


エレン「すっげえ恥ずかしいこと聞いてるってわかってんだけどさ、ライナーなら、笑わずに聞いてくれるだろ?」ガシガシ

ライナー「はは、そうだな」


ライナー「…まあ、俺からお前に言ってやれることは一つだけだ」

エレン「何だよ?」


ライナー「近くに居過ぎて見えない相手こそ、自分にとって大切な人だったりするんだぞ」

エレン「え」


ライナー「お前が悲願を叶えるその時まで、覚えておけ」

エレン「……」


ミカサ「エレン?行かないの?」

エレン「……」


ミカサ「エレン?」

エレン「あ、ああ。今行く」アセ


エレン「悪い、じゃあな」

ライナー「おう。後でな」


バタン


アニ「……」

ライナー「……」

ライナー「嵐が過ぎたみたいだな」ハハ


ライナー(近くに居過ぎて見えない相手、か。それは以前の俺にも言えたことなんだよな…)


グイッ


ライナー「!! いって…!」

アニ「……」ムス


ライナー「無言で耳を引っ張るなよ…」イテテ


アニ「何さ。殴ってくれていいとか言ったのは、あんたでしょ?」


ライナー「…お前、なんて顔してんだ」

アニ「…どんな顔してる?」

ライナー「泣きそうな顔してる」


アニ「……」

アニ「あいつらに囲まれて、また兵士になったかと思った」


ライナー「…え」


アニ「さっき、あんたから切り出して付き合ったって言ったでしょ。…あまりに自然に嘘吐くもんだから…また、私のこと忘れてるんじゃないかって」

ライナー「ああ…」


ライナー「…なんだ、そんなこと考えてたのか」ナデナデ

ライナー「この手の質問責めは、クリスタといた時にされたことがあってな。あの質問は想定内だったから、簡単に対処できただけの話だ」


ライナー「大丈夫だよ。…お前といる時に限っては、きっと大丈夫だから。な?」

アニ「…信じるよ?」


ライナー「ああ。お前とベルトルトだけは信じてくれ」



ライナー「それで、これからどうする?さすがにもう邪魔は入らんぞ?」


アニ「…寮に戻ろうかな。なんか色々と興醒めしたし」

ライナー「………まじか」


アニ「悪い?」

ライナー「いや…」


アニ「じゃあまた明日ね」

ライナー(本当に戻んのかよ)ムス


カチャ


ライナー「アニ」

アニ「え?」


ライナー「俺のこと、好きか?」


アニ「……」


ライナー(デレろ。別れ際なんだ、一回くらいデレろ)


アニ「…何度も言ってるでしょ?まだ言わせる気?」ジロ

ライナー「」


ライナー「お、おう、すまん」


パタン



ライナー「……」

ライナー(やっぱりだめか)ハハ



アニ「……」

アニ(……なんでこんな言い方しかできないんだろう、私)ハア





==
おまけ3 おわり

保守ありがとう
まだいくつか書きます

仲間に彼女ができたくらいでこの騒ぎよう!
こいつらVIPPERだろwww
乙乙!

オマケはもうないんですか?

>>363
書きたいものがまだあるから、もうちょい続けるつもりです。
書きためてないからまだかかりそうだけど


=

おまけ4
ライナー「また、アニのデレが見たい」


==



先日の、一部の同期に交際が発覚した騒動以来、
俺は、アニから行為を拒まれ続ける日々を過ごしていた。

そのうち、気付けば、アニと正式に恋人となってから一ヶ月が経とうとしている。


元々、普段会っている場所が、人気がないとはいえ兵舎内であるせいで、あいつが乗り気になったことはなかったのだが、
例の一件があいつのツンにさらに拍車をかけた形になっているのだった。


最近では、触れようと伸ばした手も、気配だけではたき落とされる。

この時ばかりは、あいつのずば抜けた勘を恨みたくなる。


会おうと言った場所にはきちんと現れるあたり、嫌われているというわけではないようなのだが、
…こうも毎度ツン全開だと、さすがに俺も心が折れそうだ。




話は変わるが、世の中には暗黙の了解、暗黙のルールなるものが存在する。
この訓練兵団104期の中にも、もちろんある。

その中のひとつに、恋愛に関するものがある。


休暇前夜の消灯後、恋人同士の男女が二人で兵舎を抜け出すと、
翌朝、同室の連中は『朝早くどこかへ出掛けた』と、見廻りに訪れる教官たちの目を反らし、そいつらを庇うのだ。

誰が最初に始めたのかはわからないが、
いつしか皆、身体に染み付いたように口裏を合わせるようになっていた。


同期に存在するカップルが一組や二組ではないから、
自然とそういった暗黙のルールが形成されていったんだろう。


聞くと、大体の奴らは市街地へ繰り出して、いかがわしい宿屋で一晩過ごして、共に朝を迎えるとのことだ。


…といった話を、アニに遠回しに伝え、玉砕覚悟で誘ってみた。

朝起きたら、そのままデートでもして帰ればいいだろう、という保険まで掛けて。




…意外なことに、二つ返事で大きく頷かれた。

短いけどここまで
続く。

ついに初デートか…!
保守

>>373
…ごめん、そんな健全な話じゃないんだ

レスありがとう
再開



==




カチャ

アニ「……」ソワッ

アニ(うわ、広いベッド…。当たり前か、そ、そういうことする所なんだもんね)


ライナー「おい、入口で止まってないで早く入れ」

アニ「!! わ、わかってるよ!」


アニ「…ごめん…」シュン

ライナー(随分としおらしいもんだな…)



バタン


アニ「……」

ライナー「……」


アニ「えと…それじゃあ…」チラ

アニ(…どうしよう、前回いっぱいいっぱいだったからな…。どうやって始まったとか、こいつにどう接してたとか…)


アニ「さ、最初は何するんだっけ?ごめん、あんまり覚えてなくて…」


ライナー「…そうかしこまるな。とりあえず、シャワーでも浴びて来い」

アニ「え…でも私、夕食の後に兵舎でお風呂入って、キレイにしてきたよ…?」

ライナー「」


ライナー「(なんだそれかわいい)いや、そういう意味じゃなくて…あれだ。裸になる口実みたいなもんだ」

ライナー「風呂上がりなら夜道歩いて湯冷めもしただろうし、軽く身体温めてこい。それに…」ポン

アニ「!」ビク


ライナー「緊張しすぎだ。温まったら少しリラックスできるだろ」ナデ



アニ(…気付かれてた)


ライナー「わかったら、パッと行って来い。服なんか着て出てくるなよ」

アニ「わかってるよ」


パタン


ライナー「……」

ライナー「…はあ」ボフン


ライナー「なんだ、あいつちゃんとデレられるんじゃないか。不意打ちにドキッとするぜ…」


ライナー(…しかし、こうなってくると、誘った日から今まで自分に都合のいい夢を見てるんじゃないかって気分になるな。いや、現実なのはわかってるんだが…)

ライナー(夢見心地ってやつか)




今日は約束の日。

落ち合う予定だった兵舎の裏門では、俺より先にアニが待っていた。


安定のツンで遅いだの寒いだの文句を言われたが、
俺の記憶に間違いがなければ、確か俺は約束の十五分前には外へ出たはずだ。

一体こいつは、いつから待っていたんだろうか。



道中、いつぞやアニが手を繋いで歩きたいと言っていたのを思い出したから、手を取ってみた。

一瞬身体を強張らせた後、照れたようにおそるおそる握り返された手が、とてもいじらしかった。


些細なことだが、今の俺は、その程度のデレでも十分過ぎるくらい傷心しているらしい。



しかし、今回俺が求めているのはそんなもんじゃない。


初夜の時のような、ツンの面影を微塵も感じさせない、破壊力殺人級のデレである。

ひとつになれて嬉しかった、だとか、
抜けなくなったらずっと繋がっていられる、だとか、
俺限定でキスが好き、などの殺し文句をさらりと言ってのけたあのデレだ。



実は、シャワーに向かわせたのは、あいつに説明した意味はもちろん、
前回あいつ本人が宣った『ツンは服と一緒に脱いだ』なる戯言の真偽を確かめるためでもあったりする
(我ながら馬鹿なことを考えていると思うが)。


そんな下らない手段に頼るほど、俺は、また、アニのデレが見たいと思っているのだ。




==


アニ「…上がったよ」パタン

ライナー「ん、おう」パチン


アニ「何してるの?」

ライナー「ん?見りゃわかるだろ、爪切ってんだよ」パチ


ライナー「本当は寮で整えてくればよかったんだが、単純に忘れてたんだ。お前も切る…か…」ハッ

アニ「いや、私はいいよ」

ライナー「……っ」


アニ「…?ライナー?」

ライナー「あ、いや、なんでもない」アセ


ライナー(タオル一枚って…やべえな)ゴク


ライナー(…って落ち着け落ち着け俺!この前は真っ裸だって見てるんだから!それに、服脱いで上がって来いって言ったのは俺だろ!?)バクバク


アニ「…いつも持ち歩いてるの?爪切りなんて」

ライナー「(うわ、すげえいい匂いがする…)へ、部屋に備え付けてあった。他にも色々あるぞ。石鹸とか歯ブラシとか、あとゴムもな」

アニ「ゴム?」


ライナー「ほらこれ。避妊具って言ったらわかるか?」

アニ「……へえ、これが。…初めて見た」ジッ


ライナー「前回使わなかったもんな。というか、俺が持ってすらいなかった…なんかすまん。最低限のマナーだよな、普通」

アニ「いや、あの時はあれでよかったと思うよ」


ライナー「…そう思ってくれるか?」

アニ「? うん。私を抱く気はないとか言ってたくせに、そんなに用意がよかったら引くし」

ライナー「」


ライナー(デレじゃねえのかよ)


アニ「…あんたも早くシャワー浴びて来なよ」

ライナー「ああ、そうさせてもらうよ…」ズーン


ライナー「寒かったら毛布でも被ってろよ」

アニ「うん」


ライナー「…間違っても寝るなよ?」

アニ「大丈夫だってば。…さっさと行きな」


ライナー(ブレねえなあ…)



パタン



アニ「……」

アニ(行っちゃった)


アニ(…これで、ライナーが戻ってきたら…)ゴク


アニ(……やばい、またドキドキしてきた…。緊張するなって言われても無理だよ。うわあぁ…)ドキドキ




==


ガチャ


ライナー「!? なんでこんな暗いんだ!?」



浴室を出ると、部屋の四方で灯っていたはずの蝋燭が、一つだけを残して全て消えていた。



アニ「……だって、あ、明るいと恥ずかしいから…」

ライナー「…まあいいか。最後の一つも消すか?」


アニ「いや、それだけは点けておく。…真っ暗だと、それはそれで怖いし」

ライナー「ああ、顔見えないと不安って言ったか」

アニ「…ん」コク



ギシ


アニ「!」ビクッ

ライナー「アニ、こっち来い」



俺はベッドの枕元に背を預ける形でアニの隣に腰掛け、自分の膝の上に座るよう促した。



アニ「~~っ、あ、あの…さ、ライナー」アセアセ

ライナー「何してんだ。早く」


アニ「…ぬっ、脱いだ方がいい?」


ライナー「はあ…そのままでもいいから来いよ」

アニ「う、うん…」ギクシャク


ライナー(ガッチガチじゃねえか。相変わらず)


ギシッ


ライナー「お?向かい合わせか」

アニ「え。…逆の方がよかった?」

ライナー「いや、まあいいよ」


ライナー「…アニ、」スッ

アニ「! な、何?」


ライナー「この間の約束、覚えてるよな?」


アニ「え…ご、ごめん、なんだっけ?」アセ


ライナー「俺に嘘は吐かないこと。怖いとか苦しいとか思ったら、ちゃんとその場で素直に言えよ」


アニ「あ…」

ライナー「本音を言ってもらえないってのも、信用されていないみたいで落ち込むんだぞ?」


アニ「…わかってるよ。大丈夫、もうあんなことしない」

ライナー「そうか、ならいい。約束な」ギュ

アニ「!」ドキ


ライナー「だから緊張するな。ほら、楽にしろ」サスサス

アニ「……っ」ギュウッ


ライナー「前にも、こうやって抱き合って話したよな、医務室で。覚えてるか?」

アニ「…当たり前でしょ。私が、あんたに告白した日」

ライナー「ああ」


アニ「夢じゃないよ。本当にあったことだからね」

ライナー「」


ライナー「ああ、はは、悪かったよ」ギュ


ライナー「…そうだよな。全部、現実だ。お前が俺の誘いを受けてくれたことも、…今、俺の腕の中にお前がいることも」

アニ「…うん」



今、俺が感じているアニの感触、体温、重み。

それらは、俺のおかれたこの状況が都合のいい夢なんかではなく、
間違いなく現実であると思い知らせてくれた。




気持ちが満たされていく中、俺たちは、どちらからともなく口付けを交わした。

続く

次はsageで更新しようと思います。
更新できそうになったら一旦ageて告知するので

今日の夜投下します






=


アニを膝に乗せたままキスを続け、身体をなぞっている内に、
アニの身体を隠していたタオルなど、いつの間にか取っ払ってしまっていた。

柔らかな上半身が、直に密着する。



アニ「…んっ。はあ…」


唇を重ねる度にアニの口から漏れ出す声がなんとも艶めかしく、気を抜くと意識を全部持っていかれそうになる。


可愛い。


ライナー「…お前さ」

アニ「…?」


ライナー「キスしてる時、すごく気持ち良さそうな顔するよな」


アニ「…そう?」

ライナー「ああ。キスされるのが好きなんだなって、すぐにわかる」

アニ「……」


アニ「違うよ」

ライナー「あ?」


アニ「するのも、好き」

ライナー「な…んっ…!」


今度はアニが、俺の顔を両手で固定して口付けてきた。

互いの舌を絡め合うディープキス。
思えば、こんな深いキスをこいつからされたのは初めてだ。


唇を離し、満足げに微笑むその顔でさえ妙に色っぽい。

とても可愛い。


ライナー(…ああ、これだよ)

ライナー(俺は、こんなアニが見たかったんだ)



ライナー「…かわいいな」ポツリ


アニ「え…?」


ライナー「俺と二人っきりの時くらい、もっとそんな顔見せてくれりゃあいいのに」

ライナー「俺は、アニのそういうところも好きだぞ?」


アニ「……」

アニ「なんで私だけ」ポソ

ライナー「あ?」


アニ「あんただって…こういう機会じゃないと、かっ、かわいいとか…好き、とか言ってくれないくせに」


アニは口を尖らせて、ぽつりと不満をこぼした。
上目遣いが憎い。


思い返すと、確かにこいつの言う通り、俺もそういった言葉を普段から口にしていない、かもしれない。

が、


ライナー「…頻繁に言えるか、んなこっ恥ずかしいこと。俺は男だぞ」

アニ「こういう時なら、恥ずかしがらずに言えるのにね」


アニ「…わたしも」


アニは俺の首に腕を絡め、俺の首筋のあたりに顔をうずめてきた。


アニ「本当はね、いつも好きって思ってる。でも、口から出るのはかわいくない言葉ばかりで…嫌になるよ」

ライナー「アニ…」


ライナー「わかってるよ、言われなくても」

アニ「本当?」


ライナー「ああ。俺のことが好きだって、いつも顔に書いてあるからな」


こいつのデレなさに心が折れそうだなどと考えていたことは、言わないことにした。

いつも好きって思ってる、という、十分すぎる一言を聞けたから。


アニ「よかった、…こんな態度でいたら、いつか嫌われるんじゃないかって…」

ライナー「有り得ねえな。そんなことでお前を嫌いになれるなら、苦労しねえよ」


どうやら、デフォルトのツンには自覚があったらしい。

言ってから自己嫌悪しているとは、なんとも可愛いもんだと思った。



ライナー「俺もいつも思ってるよ。お前が好きだって」

アニ「……嬉しい」


アニ「…ねえ、ライナー。もっと言って?」

ライナー「あ?ああ、好きだよ」


アニ「もっと」

ライナー「好きだ」

アニ「もっと…もっと言って」

ライナー「」


ライナー「……アニ」

ライナー「お前が好きだ」

アニ「ひゃ…っ!?」


さすがに照れくさくなって、耳元で言って、そのまま耳を舐め回したり甘噛みしたりする。

こういうのは、言葉より身体で示す方が手っ取り早い。


ライナー「…なんだ、耳が弱いのか?」

アニ「そんなところで、しゃべっ…、あっ…」


ライナー「いいな、その声。すげえエロい」

アニ「やっ…息かかってる…っ」


反対の耳も平等に刺激しつつ、腰から上へなぞるように這わせた両手が、二つの乳房に辿り着く。

触れる度に、いちいち新鮮な反応が返ってくるのがいじらしい。



ライナー(ああ、どうしてこいつはこんなにかわいいんだよ…)


唇に何度か触れるだけのキスをして、そのまま首、鎖骨、そして胸へと啄むように唇を這わせていく。

胸を手で揉みながら、先端を舐めたり吸ったりしてやると、何度も高い声が上がる。


可愛い。


アニ「……あっ、男ってさ、」

ライナー「…ん?」


アニ「おっぱい、好きだよね…」


ライナー「ああ、好きだ。……ん?」



"男"?

俺一人を指しているにしては、随分と広い括りじゃないか?


ライナー「それ、俺のことか?それとも…」


アニ「なんか、前に同期の男どもから、ジロジロ変な目で見られたことがあったから…みんなそうなのかなって… 「誰だ」

アニ「……え?」


ライナー「名前言え。お前をエロい目で見た男どもって、誰だ」


アニ「なっ」ビクッ


アニ「なんで、そんなこと聞くの?」

ライナー「いいから。教えろ」


アニ「…聞いてどうする気?」

ライナー「お前には関係ない」


アニ「……っ!」ゾクッ

グッ


アニ「いっ…いたいっ!そんなに強く掴まないで!」

ライナー「っと、すまん」


アニ「……」

アニ「…しっ、知らない。顔も名前も覚えてないくらい、接点のない奴ら」


ライナー「……」

ライナー「…そうか。今後そういうことがあったら、きちんと俺に言えよ」


アニ「……っ」ギュ


アニは俺に抱き着く形で顔を隠してしまい、表情が読めなくなる。


アニ「…ライナー、怒ってる?」

ライナー「なんでだよ。怒ってねえよ」


アニ「……ごめん」

ライナー「だからなんで謝るんだよ」


ライナー「むしろ俺の方こそごめんな。痛かったな」


どうやら、怯えさせてしまったらしい。
安心させてやるように頭を撫でる。


その後、アニの方からしてきた口付けに応えてやりながら、尻や内股の際どいところを撫でると、
アニが、もどかしそうに自分から腰を揺らし始めた。

…可愛い。


ライナー「…腰動いてんな」

アニ「……だって…あんたが、」


ライナー「あ?俺がなんだって?」

アニ「…っ、知らない、バカ」フイ


ライナー「はは。…ここ、触っていいか」

アニ「!」ドキ


アニ「……わ、わざわざことわらなくてもいいよ…」


ライナー「まあ、ことわりを入れた方がいい場合もあるんだよ」

アニ「…何それ」


ライナー("今から触られるんだ"って覚悟してる顔がかわいい、とかな)



繊細な壊れものに触れるように、優しく、そっと"そこ"へ指を伸ばす。


アニ「…あ、んっ」


触れたそこは、既にしっとりと濡れており、淫靡な水音とアニの微かな喘ぎ声が響く。

己を襲う快感に必死に耐えているんだろう、俺の肩を掴むアニの手にぐっと力がこもる。


アニ「……っ、ああ…はあ…」


可愛い。


先程、アニを傷付けないように、と深爪にしておいた指を差し挿れる。
中も十分に潤っており、アニ本人が興奮しているせいか、…熱い。


指を出し入れすればするほど、中を掻き回せば掻き回すほど、愛液はとめどなく溢れ出てくる。


アニ「はっ、はあ、はぁ…あっ…」


呼吸がどんどん荒くなり、アニに絶頂が近いことを悟る。



アニ「あ…あ、ああ…っ!いやっ、ライナー、いやだ!」

ライナー「どうした?何が嫌なんだ?こんなに感じてるのに」


アニ「いや…あ、おかしく、なりそ……」

ライナー「なっていいよ。そんなお前も好きだって言ったろ」


アニ「あ、あっ…でも…っ」

ライナー「アニ、」


声を掛けて、一旦指の動きを止める。

絶頂目前の寸止めに、切なそうな顔を見せるアニ。


アニ「…?」ハア ハア


ライナー「"いや"、じゃない。その感覚は、"気持ちいい"って言うんだ」

アニ「……きもち…い?」

ライナー「ああ、そうだ」


再び、おもむろに指を動かした。


アニ「んっ…あ、はあっ…」


ライナー「ほら。気持ちいいか?」

アニ「ん……っ、うん、きもち、いい…」


ライナー「よく言えたな」

アニ「ひぁっ…っ!ああっ…」


指をもう一本増やし、さらに掻き回す。

高い声が部屋に響き、耐えるアニの爪が、俺の肩に食い込んできた。


可愛い。

…可愛い。



アニ「……あ、ぁああ…っっ!!」


アニ「はあ、はあ…っ」


程なくしてイったらしいアニが、脱力して俺にもたれ掛かってきた。

指を抜く際に、再度微かな声が漏れる。


俺が、愛液がまとわり付いた指を舐め取っていると、アニがなんとも恨めしそうな目でそれを見ていた。



ライナー「? どうした?」

アニ「な、なんでそんなの舐めるの?…汚いとか思わないの?」


ライナー「お前の一部だろう?汚いことがあるか」

アニ「…一部…?」


ライナー「そう、一部。人の身体は七割が水分、つまり、水分も人の身体を構成する物質の一つってことだろう?」

ライナー「だからお前から出る涙も汗も、…これもお前の身体の一部だ。そう考えると興奮するよな」ベロ


アニ「……変態」

ライナー「褒め言葉だよ、どうも」


顔を真っ赤にして俺を睨むアニ。


とても、可愛い。

長いのでここで切る

次回もsageで投下します
明日できればいいな

続く

レスありがとう
再開






ライナー「………なあ、アニ、」


俺は、アニをきつく抱き締めて言った。

声が震えているのが、自分でもわかる。


ライナー「そろそろ、いいか…?」

アニ「!」ドキ



アニ「……うん、いいよ。きて」


初夜よろしく、アニが俺の足の間に手を伸ばしてきた。

その小さな手に、タオル越しに撫でられる。

そんな些細な刺激でさえも、敏感に感じ取ってしまう。


アニ「…ずっと我慢してたんでしょ。…その、さっきから太股に当たってる…」

ライナー「…ああ、まあ、気付くよな」ハハ


もう余裕がないことなど、看破されていた。

そりゃそうだよな。

先程から呼吸も心拍も尋常じゃあないし、
…何より、俺の自身が、アニの中に入りたい入りたいと、その存在を主張し続けているんだから。


ライナー「アニ、タオル取ってくれるか?」

アニ「うん」


アニは意外にも従順に、俺の腰に巻かれたタオルに手を掛けた。

「自分で脱げ」と言われる可能性も考えていたから、少し嬉しくなる。


タオルという遮蔽物を失い、質量を大きく増した俺のそれは、先端を天井に向けた。


アニ「わ……っ、」

ライナー「なに真っ赤になってんだよ。初めて見るわけじゃあるまいし」

アニ「…そうだけど…久々だから、…なんか」


照れて顔を背けるアニ。


…可愛い。



アニ「……」グッ



アニ「…ライナー」

ライナー「…アニ?何して…」

アニ「いいから。動かないで」


覚悟を決めたようにアニは、座っていた俺の膝から腰を浮かせ、
上から自分で俺のそれへ自身の秘所をあてがおうとしていた。

どうやら、このまま挿入を試みるつもりらしい。


ライナー「おい大丈夫か?無茶するなよ?」


アニ「いいの。私がこうしたいの。…だからさせて」

ライナー「」


こんなことを言われては断れない。
自分で挿れたい気持ちはあったが、ここはされるがままになってみることにした。


俺は本当にアニに甘い。



ライナー「あ!ちょっと待て!」

アニ「何?やめないよ?」


ライナー「まだゴム付けてねえ。少し待ってくれ」

アニ「ああ、さっきの…」



俺は枕元にあった避妊具を手に取り、装着する。

俺自身これを付けるのは初めてのため、苦戦するかと思っていたが、意外と時間は掛からなかった。


一部始終を観察するアニの視線が少し気になったくらいだ。



アニ「これでいいの?」


ライナー「ああ。…これで、お前の中でイけるんだ」

アニ「!」



こう言ってやると、アニはなんだか少し照れたような、嬉しそうな表情を浮かべた。

可愛い。




アニ「…じゃあ、いくよ」

ライナー「ああ」



再びアニが、緊張の面持ちで俺に跨がった。

その細い指で触れられると、必要以上に興奮する。


アニ「んっ…」

ライナー「…っ」


互いの結合部が触れ合い、アニによって挿入される。

締め付けられる感覚に、正気が飛びそうだ。


アニ「はっ、ああ…」

ライナー「っ、アニ、本当に無茶するなよ?」


アニ「だい、じょぶ。はあ、…あんたは平気?」

ライナー「ああ。…すごくいいよ」



アニは腰を落とす要領で押し進めていく。

最後は俺に全体重を預ける形で、自分の中に俺を全て呑み込んだ。

いわゆる対面座位の恰好だ。


アニ「はあ、はっ…うぅ…」

ライナー「苦しいか?」


無言で首を横に振るアニ。

その行動とは裏腹に、俺にもたれ掛かったまま動かない。


アニ「へい、き…だからっ」


ようやく発された、か細い声。


ライナー「そんなに苦しんでるのに、平気なわけないだろ。嘘吐くなよ?」

アニ「ちがっ…、ちょっと、休憩…」ハア ハア


そう言われては、疑うわけにもいかない。

こいつの強がりは無意識なんだろうか。



アニ「……ライナー…」


手を伸ばして抱擁を求めてきた小さな身体を、抱き止めてやる。

ライナー「なんだ?」


アニ「やっと…またひとつになれた、ね」


ライナー「!!」


………可愛い。





その瞬間、理性がぶっ飛んだ。


直後俺はアニの腰を強引に掴んで、一心不乱に動かしていた。

喘ぎ声が上がる。


アニ「ぅあっ!あ、ん…うぅっ、ぁあっ!」

ライナー「はっ、はあっ…!アニ…っ、ああ、アニっ!」


アニ「あっ、あ、…っ、ライナー、ぁ、あっ!」


アニ「…すき、」



可愛い。

かわいいかわいいかわいい。


繋がったままアニを正面に押し倒し、正常位に持ち込む。


ドサッ

アニ「……っ、あ…はあっ」


ああ、かわいい。
かわいいな、アニ。


ライナー「……食っちまいてえ」ボソ


アニ「…え」

アニ「やだ、まるで巨人みたい…笑えな…っ」

ライナー「黙れ」


戯言を言うその余裕が憎らしく、問答無用でうなじに噛み付く。


アニ「痛ぅっ…ああ、ライナー…私、駆逐されちゃう、の?」

ライナー「……」

ライナー(…喋るな)

うなじを離れて、減らない口を口で塞いでやった。


アニ「んんっ…」

ライナー「…はっ、駆逐でも討伐でもねえ、捕食だよ。巨人、なんだろ」


アニ「…いいね、あんたに食われるなら、悪くないかも」

ライナー「殺し文句め」


アニ「でも、うなじはやめて。髪上げたら見えちゃう、から…服で隠れるところがいい…」

ライナー「……」


そう言われて、肩に歯を立てると、腕を背中に回された。



それからは何も考えず、無我夢中で腰を振り続けた。

ギリギリまで引き抜いて一気に奥を突く、中を掻き回す、小刻みに動く。

そんなことを不規則に繰り返し、果てるまで快楽を貪る。


軋むベッドの音とアニの喘ぎ声が、耳に心地いい。

全身から吹き出す汗さえも、気持ちがいい。


途中、アニが先にイってしまったが、そんなことすら気に止めてやる余裕はなかった。


何度も名前を呼び、何度も名前を呼ばれる。

何度も好きだと言い、何度も好きと言われる。


一度だけ愛してると言えば、私も、と返ってきた。



ああ、かわいい、かわいい。



==


使用済みのゴムを処理し、俺たちは並んでシーツに身体を預け、見つめ合ったまま荒くなった息を整えていた。


こんな時、こいつは本当にか弱い乙女なんじゃないかと錯覚してしまう。

実際のこいつが、人をひっくり返すわ投げ飛ばすわ耳引っ張るわの、
とんでもないじゃじゃ馬姫であることは、俺が一番わかっているはずなのだが。



ライナー「…すまん。抑え切れなかった」


アニの肩に残った歯型を見て、申し訳ない気分になる。


アニ「ううん、今までずっと我慢してくれてたんだもんね。…私が断り続けてたせいで」

ライナー「いや、それはもういい。気にするな」


アニ「……」

アニ「本当はね、私も、その、もっとこういうことしたいと思ってるの。求められて嬉しいっていつも思ってる」

ライナー「アニ…」


アニ「でもだめなの。初めての日、声聞かれたって知って…恥ずかしくて死にそうだった」


ライナー「まあ、そうだよな」


アニが俺の胸元に顔を寄せてきた。

その小さな頭を持ち上げて、腕に乗せてやる。

腕枕ってやつだ。


アニ「だから、今度からはこういう機会を持つようにしよう?こういう、誰にも見られない、知られない場所で、二人だけで…」

ライナー「…そうだな、お前がそうしたいなら、そうするか。また来よう」

アニ「…うん」フッ



アニ「それから、兵舎の中で会う時は、もう触ってこないで」

ライナー「え」


アニ「あれ以上触られると…私も断れないの。だから、いつもできるだけ触られる前に拒んでるんだよ」

ライナー「」


ライナー「はあぁ…お前それ……」

アニ「?」


ライナー「そんなこと言われたら、俺今後どうすりゃいいんだよ…」

アニ「!? なんで…」


ライナー「本当に嫌ならやめてやらねえとなって思うが、やめてほしいのがそんな可愛い理由だったなんて言われると、逆効果なんだよな」


アニ「ちょっと、本当にやめてよ?また声とか聞かれたりしたら私…」アセ


ライナー「手で口を塞げばいいんじゃねえか?」

アニ「そ、そんなことで抑えられるの…?」


ライナー「試してみるか?」

アニ「きゃっ…!え?今から?ちょ、ちょっと待って… 「待たねえ」


アニ「やっ…、ん…」




=



==


=


浴室


サアァ

ライナー「! …ってぇ」


鏡を見ると、肩から背中にかけて残っている無数の傷跡。

あちこち血が滲んでいるのがわかる。


しがみつかれた時に付いた爪の跡…アニと何度となく交わった証だ。


シャワーが染みるが、この傷だけは、治してしまうのが勿体ないと思った。


ライナー「…はは、だから最初に爪切るかって聞いてやったのに。やれやれ」


幸せな痛みに、自然と笑みがこぼれてしまう。



色々考えた結果、アニがデレる条件の一つはキスなんじゃないかと思った。

一概にそれだけとは言えないが、
思い返すと、初めての時も兵士のままでキス攻めをかました記憶があるし、今回もアニが饒舌になったのはキスをしてからだった気がする。


(ちくしょう、可愛い奴め)



ガチャ


ライナー「アニ。シャワー空いたぞ」

シーン

ライナー「……アニ?」


ベッドを見ると、アニは毛布に包まって小さく寝息を立てていた。


アニ「……」スウ

ライナー「ったく、こいつは」フッ


ライナー「シャワー浴びるなら起きてろって言ったのに…」



俺もベッドに潜り込み、しばらくアニの寝顔を眺めていた。

前髪に触れ、瞳を閉ざす長い睫毛と、呼吸に合わせて上下する毛布を見て、幸せだと思った。





==

=


翌朝

チュンチュン


アニ「……ん?」パチ

ライナー「……」スー スー


アニ(朝だ…)


アニ(私、いつの間に寝ちゃったんだろう…)


目が覚めると、隣にはライナーが寝ていた。

二人とも裸のままベッドに寝転んでいるこの状況に、昨晩のことを思い出してまた一人身悶える。


アニ(朝起きたら隣にいる、ってなんか…し、新婚さんみたい、とか…)カア


私が、ライナーとここへ来ようと思った理由の一つはこれだった。

実は、ちょっと憧れだったり。

夜を共にして、目が覚めたら隣にいる、というこの状況が
(寮生活では、こんな機会はまずないから)。

いざ実現してみると、気恥ずかしくて仕方がないけど。


アニ(どうしよう、幸せだ…)


涙が出そう。


身体が怠くて動くのが億劫だし、滅多にない機会だから、普段見ることのない寝顔をじっと見つめてみる。



アニ「……」

アニ(夕べ…)


『お前をエロい目で見た男どもって、誰だ』


戦慄した。

あの時のライナーの目は、普通じゃなかった。


名前を明かそうものなら、そいつらを殺しかねない、と瞬時に思った。


顔も名前も覚えていないというのは本当だけど、あの言い方で逃れられて本当によかったと思う。


アニ(ちょっと言ってみただけなのに…あんなに怒るとは思わなかった)


…愛されている、と捉えていいものなんだろうか。

少し複雑。



ライナー「……」スー スー


アニ「……」ジッ

アニ(…それにしても起きないな。ぐっすりだ)


てっきりこいつは、誰かが近付くと目を覚ますタイプだと思っていたのに。

昨日、それほど疲れたんだろうか。


思い出してまた顔が熱くなる。

一度だけ"愛してるよ"って言ってくれたな、
私も同じように言って返せればよかったのに、
でも恥ずかしいし、いや、いつかは言ってみたいけど…、などと、色々考えてしまう。


アニ「……」

アニ「……そうだ」


そういえば、起きたらデートに行こうって言ってたくせに、いつまで寝てる気だ。

どうやら、私にはこいつを起こす義務があるようだ。


とはいえ叩き起こすのも少し気が引けるので、悪戯でもして穏やかに起床を促してみることにした。



まずは密着してみる。
すると、


アニ「……ん?なにこれ」


ライナーの胸元に赤い痣がある。

これには見覚えがあった。

かなり前のことになるけど、私もこいつに付けたことがあるから。


アニ(キスマーク。どうして…)



昨日、私は付けた覚えなんてない。

それなのに、どうしてこんなものが付いているんだろう。



アニ(まさか他の誰かの…?)

アニ(嘘でしょ?)

アニ(私が今まで拒んでたせい?)


嫌な考えが巡り始める。



アニ(わ、どうしよう…っ)ジワ


思考の負の連鎖に、自分の意思に関係なく涙が出そうになり、慌ててライナーから背を向けた。


アニ「…っ」グス


ライナー「……アニ」ギュ


アニ「!」

ライナー「なんで泣いてんだ…?」



急に後ろから抱き締められて驚いた。

寝起きのせいか、声が少し掠れている。


アニ「…起きてたの?」

ライナー「いや、今起きた。おはよう」

アニ「…おはよ」


ライナー「怖い夢でも見たか?」

アニ「ううん、違う…」


ライナー「……」

アニ「……」


アニ(だめ、聞けない…)グス


泣くな。お前が泣いてるのは、もう見たくねえんだよ

…だって


ライナー「言いたいことがあるなら、何でも言ってみろ。聞いてやるから」スッ


アニ「! やめてよ!」バッ

ライナー「!?」


突然身体を撫でられて、驚いて突っぱねてしまった。

目を丸くして私を凝視するライナー。


嫌な沈黙が訪れる。


ライナー「…本当にどうした?」

アニ「……」


アニ「ねえ、ライナー」

アニ「…それ、何?」


もう後戻りはできないと悟り、答えを聞きたくないと思いながらも、おそるおそるライナーの胸元を指差した。

声が震えていたかもしれない。



ライナー「なんだ、やっぱり覚えてないのか」ハア


アニ「…え?」


ライナー「寝呆けてたもんな、お前」

アニ「な、何のこと?」


ライナー「夕べシャワーから上がったら、お前が寝ちまっててよ、」


ライナーが、起き上がって私の横に座る。

…ずるい、既に下着を穿いている。



ライナー「俺の後にシャワー浴びるって言ってたのに、あまりにも気持ちよさそうに寝てるもんだから、無理矢理起こすのも可哀相だと思ってな…」


ライナー「静かに起こしてやるために、お前の身体中にキスしてたんだよ」


アニ「!?」


慌てて自分の身体を確認する。


アニ「えっ!?な、何これ!?」


私の身体、少なくとも胸やお腹などの見える範囲には、赤い斑点が点々と残されていた。

起きてから今まで気付かなかったのが不思議な数だ。


服から見えるのを考慮してか、肘先や膝下にはないけれど、
二の腕や内腿(それもかなり際どいところまで)にはもれなく付けられていた。


アニ(こいつ、こっ、こんなところにまで…)


あまりに突然の出来事に、頭が混乱する。


ライナー「鏡を見たらわかると思うが、背中にもたくさん付けてあるからな」

アニ「えっ!?」


ライナー「それに、付いてないからといって、そこにキスしてないとは限らないしな。いやあ、ごちそうさん」ニッ

アニ「!!」


アニ「……私、ここまでされても起きなかったの?」

ライナー「いや、一回だけ起きたよ。『シャワー浴びないのか』って聞いたのに、無言で俺にこれ付けてそのまま寝ちまったんだ」


ライナーは、自分のそれを指して笑う。


アニ「全…っ然覚えてない。嘘じゃない、の?」


ライナー「嘘なんか吐いてどうする。大体、夕べより前からあったら、お前が昨日のうちに気付かないわけがないだろう?」

アニ「あ…そっか」

ライナー「ふあぁ…」


悪びれる様子もなく、眠そうにあくびを噛み殺すライナー。

ひょっとして、こいつが遅起きだったのは、そんなことをしていて私より寝てないからなんじゃないかと思い始めた。


完全に杞憂…そのことに、想像以上に安堵している自分がいる。


ライナー「なんだ?浮気でもされたと思ったのか?」

アニ「…うるさいっ」グス

ライナー「ほら、だから泣くな。お前の涙には滅法弱いんだ俺は」ナデ


ライナー「安心しろ。俺はお前以外の女と寝たことはないし、今後もそんな予定もない」

アニ「わかってるよ、バカ…」


ライナー「まったく。可愛い奴だな、お前は」ハハ



子供をあやすように抱き止められた。

あったかい。



アニ「…こんな身体にされて、これからお風呂はどうすればいいの」

ライナー「そのうち消えるさ。それに、一部にはお前が彼氏持ちだって知られてるんだろ?なら大丈夫だろうよ」


アニ「いや、この間の連中にしか知られてな…ってそういう問題じゃない!こ、こんなところまで付けられてるなんて…」カア


アニ「~~~ああ、もう!!」バッ

ライナー「!? 珍しいな、お前が声荒げるなんて…」


アニ「……」


アニ「ライナー、ちょっと横になりな」

ライナー「は?」


アニ「いいから!」ギシッ

ライナー「うおっ!?」ドサ


ライナー「な、何する気だ!?」


アニ「…仕返し。やられっぱなしじゃ気が済まないの」

ライナー「」



ライナー「……ぷっ、くく」

アニ「何がおかしいの?私は本気だよ」


ライナー「いや、そうじゃなくてな…」クックッ

アニ「?」



ライナー「お前、俺のこと好きすぎだろ」


アニ「!」


アニ「…その言葉、そっくりそのままお返しするよ」


ライナー「はは、参ったな。本当にそうだ」



ライナー「…やれやれ、これじゃあデートは昼までお預けだな」

アニ「言いたいことはそれだけ?」


ライナー「いや、まだある。お前はあるか?」

アニ「(…今なら、言えるかな)…あるよ」


ライナー「…せーので言うか?」

アニ「いいよ。せーの…」





『愛してる』




==
おまけ4 おわり


完結です
ここまでありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom