男「彼女できた」幼馴染「えっ…?」 (108)

幼馴染「な、なんでそんなこと私に言うの?」

男「いやほら、お前には言わなきゃなって」

幼馴染「…」

幼馴染「べ、別にそんなこと報告しなくたっていいんだけど…」

男「いや、だってさ」

男「彼女、お前の妹だし」

幼馴染「えっ!?」

―――――
―――


幼馴染「ただいま…」

妹「あ、おかえりー」

幼馴染「あ、あのさ…妹ちゃん…」

妹「…?」

幼馴染「あの…男がさ、今日変な冗談言ってきてさー」アハハ

妹「冗談?」

幼馴染「うん…なんかね、妹ちゃんと付き合ってるって…あはは、嘘だよね?」

妹「付き合ってるよ?」

幼馴染「えっ…」

幼馴染「な、なんでっ…?」

妹「なんでって…なんで?お姉ちゃんに許可取らなきゃならないの?」

幼馴染「だ、だって…妹ちゃん…知ってるよね、私が男のこと好きなの…」

妹「うん、知ってたよ」

幼馴染「じ、じゃあなんでっ…」

妹「あはっ、なんでだろうねー」クスッ

妹「お姉ちゃんがモタモタしてるからじゃない?」クスクス

幼馴染「ぁ…ぅ…」

幼馴染「ひ、酷いよ…私、妹ちゃんに相談とか…してたのに…」

妹「ありがとね、いっぱいお兄ちゃんの好きなもの教えてくれて」クスッ

幼馴染「っ!」

妹「あはは」

幼馴染「なん…で…ず、ずるいよ…そんなの…」

妹「お姉ちゃんさ、私の気持ち考えたことある?」

幼馴染「えっ…」

妹「私もね、お兄ちゃんのこと好きだったもん」

妹「それなのにお姉ちゃん、相談とかしてくるから」

妹「抜け駆けしちゃった」クスクス

幼馴染「そん…な…」

幼馴染「…」

妹「前から思ってたんだよねー」

妹「お姉ちゃんだけずるいって」

幼馴染「私…が…?」

妹「私より先に生まれただけでさー」

妹「お兄ちゃんと同じ学年で」

妹「お兄ちゃんとずっと一緒だったんだもん」

妹「お姉ちゃんがお兄ちゃんと一緒にいる間」

妹「私だけ蚊帳の外だったんだもん」

幼馴染「わ、私に…言われても…困るよ…」

妹「歳が同じってだけであんなに一緒にいる時間違うんだもん」

妹「私が知らないお兄ちゃんをお姉ちゃんは知ってて…」

妹「ずるい」

幼馴染「ずるく…なんか…」

妹「ずるいよ!それだけでお兄ちゃんの中で私は『仲のいい幼馴染の妹』って…」

妹「そう思われてたんだからっ…!」

妹「私だってちっちゃい頃から遊んだりしてたのにっ…!」

妹「お姉ちゃんのオマケだったんだからっ!」

幼馴染「妹…ちゃん…」

妹「それなのに…私に…相談とかするから…辛かった…」

幼馴染「だ、だって…そんなこと一言も…」

妹「…」

妹「最初は…応援してたよ」

幼馴染「えっ…?」

妹「でもお姉ちゃんが悪いんだ…」

妹「お姉ちゃんがお兄ちゃんのこと…私にいっぱい教えるから…」

妹「お兄ちゃんがいい人だって…お姉ちゃんが言うから…」

妹「興味…出ちゃうじゃん…」

幼馴染「ぁ…」

妹「さっさと付き合えばよかったのに…」

妹「それだったら私だって諦めたよ…?」

妹「でも何時まで経ってもお姉ちゃん、何もしないんだもん」

妹「私も…待てなくなったから…」

幼馴染「私…男に…断られるの…怖くて…」

妹「…そんなんだから取られちゃうんだよ?」

幼馴染「…っ!」

妹「…」

幼馴染「…」

妹「話、それだけでしょ?」

幼馴染「…」

妹「部屋から出てって」

幼馴染「…」グッ

妹「諦めてよ…」

幼馴染「やだ…」

妹「はぁ…」

妹「先週、お姉ちゃん…お兄ちゃんのこと遊びに誘ったでしょ?」

幼馴染「な、なんでっ…知って…!」

妹「で、断られた」

幼馴染「!」ハッ

妹「その時、お兄ちゃんが何してたか教えてあげよっか?」

幼馴染「い、嫌…聞きたく…ない…」

妹「あはっ、私とデートしてたよ?」

幼馴染「っ!」

妹「お姉ちゃんに内緒でね」クスッ

幼馴染「~~~っ!」

妹「もっといいこと教えてあげるね」

幼馴染「やめて…」

妹「その日」

幼馴染「やめてよっ…!」

妹「私、お兄ちゃんとキスもした」

幼馴染「ぅ…ぁ…あぁ…」

幼馴染「…っく…ひぐっ…」ポロッ

妹「…」

幼馴染「ひっく…うぇ…っく…」ポロポロ

妹「泣くなら自分の部屋で泣いてよ」

幼馴染「~っ!嫌いっ…!妹ちゃんなんか大っ嫌いっ…!」バタンッ

妹「…ざまーみろ」ボソッ

―――――

男「おっす、おはよー」ポンッ

幼馴染「!」ビクゥッ

男「ビックリしすぎだろ」アハハ

幼馴染「ぁ…」

幼馴染「ご、ごめんっ…」トテテッ

男「お、おいっ!」

男「なんだぁ…?」キョトン

―――――

男「おーい」

幼馴染「っ!」ビクッ

男「…なんか俺が話しかける度ビクビクしてね?」

幼馴染「そ、そんなことっ…!」

男「あのさ、今日の放課後暇?」

幼馴染「えっ…?」

男「ちょっと買い物行こうぜ」

幼馴染「!」

幼馴染「わ、私で…いいの…?」

男「?」

男「俺から誘ってんだけど?」

幼馴染「そ、そっか…そうだよね…あはは…」

男「なんか今日おかしくないか…?やっぱりやめといた方がいいか?」

幼馴染「い、行くっ!行くよっ…!」

男「お、おう」

―――――
―――


幼馴染「…」トテテ

男「悪いなー、付き合わせて」

幼馴染「べ、別にいいよ…?」

幼馴染「で、でも…彼女できたのに私と買い物とか…」

男「あはは、いいだろ別に、お前の妹じゃん」

幼馴染「…」

男「それにお前じゃないとダメなんだよねー」

幼馴染「!」ドキッ

幼馴染「ほ、ほんと…?」

男「おう!」

幼馴染「そ、それで、何買いに来たの?」

男「そうそう、お前に聞きたくてさ」

幼馴染「う、うん!何でも聞いてっ!」

男「はは、頼もしいなー」

男「じゃあさ」

男「妹ちゃんの好きなものって何かな?」

幼馴染「えっ…」

男「アクセサリーとか、好みどんなのかなーってさ」

幼馴染「…」

男「お前なら知ってるだろ?」

幼馴染「…」

男「…?」

男「幼馴染…?」

幼馴染「…ない」ボソッ

男「えっ?」

幼馴染「知らないっ!」

男「そ、そんなことないだろ?姉妹なんだからさー」

男「ほら、集めてるものとか…」

幼馴染「知らないっ!そんなの知らないっ!」

男「!」ビクッ

幼馴染「知ってても教えてあげないっ…!」

男「お、おい…どうしたんだよ…?」アセッ

ごはーん

幼馴染「そんなの直接聞けばいいじゃんっ!」

男「ちょ、ちょっと…」アセッ

幼馴染「はぁっ…はぁっ…!」

男「…」

男「なぁ…やっぱりどこか体調悪いのか…?」

男「どっか休めるとこ…」スッ

幼馴染「っ!優しく…しないでっ…」パシッ

男「えっ…?」

幼馴染「ぁ…」

男「…」

幼馴染「ゴメン…帰る…」フラッ

男「家まで送って…」

幼馴染「いい…妹ちゃんへのプレゼント考えてなよ…」

男「…」

男「はぁ…なんだよ…」

男「…」

男「…」ピッ

prrrrr

男「あ、ゴメン…今、時間大丈夫?」

男「…うん…いや、無理ならいいんだけど…」

男「来てくれる?…ありがとね…うん、今駅前…じゃ、また」ピッ

男「…」

―――――
―――


妹「おまたせ!お兄ちゃん!」

男「あ、ごめんな…いきなり呼び出して」

妹「それで、何々ー?」

男「ちょっと、幼馴染のこと聞きたくてさ」

妹「…」

男「なんか…アイツ、いつもと違うっていうか…」

男「妹ちゃん、なにか知らない…?」

妹「…」

妹「しらなーい」

男「そっか…」

妹「用事ってそれだけ?」

男「まぁ…そのこと」

妹「…」ムッ

妹「心配?」

男「そりゃそうだよ…あんな幼馴染見たことないから…」

妹「…」

男「あ、あと買い物手伝ってほしくて」

妹「!」

妹「手伝うー」ワーイ

妹「何買うのー?」

男「えっとさ、幼馴染に」

妹「…」ピクッ

男「なんか元気出そうなもの買ってやろうかなって」

妹「へぇ…」

男「妹ちゃんには悪いけど、確認して欲しいなって思って」

妹「…」

妹「まぁ、いいよー」

男「ん、ありがと」

チャラッ

男(あ、コレなんか好きそうだな、アイツ…)

妹「あ、それかわいー」ヒョコッ

男「!」

男「妹ちゃん、幼馴染ってこういうの好きだよね、確か」

妹「…」

妹(あー…確かに)

妹「…」

妹「私的にはこっちのがいいと思うなー」ヒョイッ

男「えっ…あ、そっか…」

アリガトウゴザイマシター

男「ごめんね、わざわざ付き合わせて」

妹「別にいいよー、お兄ちゃんの頼みだもん」

男「ありがと」ナデナデ

妹「へへ…」テレッ

妹「…あ、そうだ!それ渡しておいてあげる!」

男「えっ、自分で渡そうと思ってたけど」

妹「…お姉ちゃん、怒ってなかった?」

男「…あ、わかるんだ?」

妹「なんとなく、ね」

妹「気まずいんじゃないかなーって」

男「…少し…なんか…俺、悪いことしたのかもしれないし…」

妹「だから…お兄ちゃんからだって渡してあげるよー?」

男「…じゃあ…お願いしようかな」

―――――
―――


妹「ただいまー」

妹「…」トテテ

コンコン

妹「入るねー」

幼馴染「…」

妹「あれれー?目、赤いけどどうしたのー?」

幼馴染「…は、入ってこないでっ…!」キッ

妹「こわーい」

妹「それじゃお兄ちゃんも怖がっちゃうね」クスッ

幼馴染「!」

妹「何?ケンカでもしたのかなー?」

幼馴染「か、関係ないでしょっ…!」

妹「あると思うけど…」

幼馴染「…」

妹「お兄ちゃん、心配してたよ?お姉ちゃん、変だったって」

幼馴染「…」

妹「お兄ちゃんに心配かけてたんだー」

妹「サイッテー」

幼馴染「うぅっ…!」

幼馴染「で、出てってよ…」

幼馴染「妹ちゃんの顔、見たくない」フイッ

妹「酷いなぁ…」

妹「あ、そうそう」

妹「お兄ちゃんから渡してほしいものがあるって預かってきたよ」ゴソッ

幼馴染「男…から…?」

妹「はい」スッ

幼馴染「…」

幼馴染「…」ガサッ

幼馴染「ぁ…」

幼馴染「ブレスレット…」

妹「うん」

妹「お姉ちゃんが元気出るようにって…やさしーね、お兄ちゃん」

幼馴染「…」ギュッ

妹「まぁ、私の好きなブランドのものだけどね」クスッ

幼馴染「っ!」

妹「私が選んであげたんだよー?」クスクス

幼馴染「なっ…!」

昼ドラめいてきたな

妹「良かったね、お兄ちゃんからのプレゼント」

幼馴染「~っ!」

幼馴染「私っ、こんなのいらないっ…!」ポイッ

妹「わわっ…」キャッチ

妹「いらないの?」

幼馴染「いらないっ!」

妹「じゃあ、貰っていい?」

幼馴染「…っ!」

幼馴染「い、いいよっ…そんなものっ」

妹「…あーあ、お兄ちゃんかわいそー…結構高かったのに」

幼馴染「~~~っ!あげるから出てって!」

妹「はいはーい」パタン

幼馴染「うぅっ…」

幼馴染「」

幼馴染「・・・っ!」

妹「お姉ちゃんがふられたようだ」

長女「幼馴染は我ら4姉妹の中で最弱!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom