春香「大好きな仲間が、友達が、一人いなくなっちゃったんだよ!」(172)


春香「あなたは---近くにいた人間が、気がつくといなくなってしまった---そんな経験ありますか?」


(レッスン場)

ガタンッ!

春香「ハァ・・・ハァ・・・おはよー!」

千早「春香・・・30秒遅刻よ。」

春香「千早ちゃん、厳しすぎるよー!それに今日は、人身事故で電車遅れちゃったんだ。」

千早「またなの?」

春香「そうなの。最近、多くて困っちゃうんだよね。」

やよい「あの!じんしんじこって電車が脱線しちゃったり、ぶつかっちゃったり、しちゃうんですかっ!?」

伊織「違うわよ。主にその・・・飛び降り自殺のことよ。」

雪歩「ひ、人をひいちゃうなんて、怖すぎですぅー!」

やよい「あぅ・・・」

美希「ハハ、雪歩もやよいもカワイイの。」

伊織「まったく・・・どうせなら人様に迷惑をかけない死に方を選びなさいよね!」

律子「ちょっと、伊織。そういうこといわないの。」

千早「でも、一年で自殺する人は3万人らしいわ。一日で80人以上なんてちょっと考えられないわね」

真「えぇっ?そんなにいるの!?」

雪歩「想像できないよぉ自分からそんなコトしちゃうなんて。」

亜美「もぉ~こんな辛気臭い話してないで早くレッスン始めようよ~」

真美「そうだよ~もうすぐライブなんだからさぁ」

貴音「そうですね。私達はアイドルなのですから、少しでもダンスや歌でそのような方達を減らすことを考えましょう!」

あずさ「あらあら~貴音ちゃんは良いコト言うわね~。」

千早「そうですね・・・話をそらしてしまってごめんなさい。」

春香「懐かしいよね。あの会場。あのライブから私達、売れ出したんだもんね」

美希「てっぺん目指すなのー!・・・だったっけ?」

伊織「私達、竜宮小町はもっと前から売れっ子だったけどね・・・にひひっ!」

律子「私のプロデュースのおかげですけどね。」

真「今はみんな、生すかやったり、いろいろやって売れっ子だけどね!」

美希「みんなハニーのおかげなの!」

千早「そういえば、プロデューサーさん遅いわね。」

春香「どうしたんだろ・・・ってありゃりゃ?響ちゃんも来てない!」

貴音「あら。本当ですね。どうしたのでしょうか?」

あずさ「道に迷っちゃったのかしら?」

真美「あずさお姉ちゃんじゃ、あるまいしー。また動物と喧嘩でもしちゃったんじゃない?」

亜美「ハム蔵~出できてくれー!自分、謝るからさぁ~・・・なぁんて」

春香「相変わらず、物マネがうまいねーとりあえず、わたし、電話かけてみるね。」プルルル…

全員「・・・」

伊織「春香、どう?」

春香「・・・うーん出ない。どうしたんだろう?」

ガタンッ!

P「遅れてすまない!」

全員「プロデューサー!」

P「スマンスマン。電話がいきなり来ちゃって・・・じゃ、レッスン始めるぞ!」

春香「それが、響ちゃんがまだ来てないんです!電話もしたんですけど出なくて・・・」

P「珍しいな・・・わかった。後で俺からも電話してみる。とりあえず今日は、響抜きでやってみよう!」

全員「おぉーっ!!!」

(生すかR収録スタジオ、控え室)

千早「あっ春香。」

春香「千早ちゃん、お疲れ~。」

千早「この前のレッスン以来だから、三日ぶりね」

春香「やっぱり、個々の仕事も多いし中々会えないねー。」

千早「そうね。・・・でも、この前みたいにみんなに会えないからって一人で悩んじゃ嫌よ?」

春香「もぉ~今は、みんなを信じてるから大丈夫だよ。・・・あっでもやっぱり千早分足りてないから今のうちに吸収しておこっ。・・・ギュッ!」

千早「はっ春香!?い…いきなり抱きつかないで・・・//」

ガチャッ!

美希「おっはよーなの!」

春香「あっ美希、お疲れ!」

千早「お疲れさま、美希。」

美希「今、春香が千早さんに抱きついてたの。ミキもしちゃおっかな。・・・ギュッウ…!


千早「も、もう…美希!・・・///」

春香「あははは…。」

美希「そういえば聞いた?響がまだ連絡とれないんだって。」

春香「えっ!?まだなの?私達MC3人以外、収録現場違うから・・・」

美希「今回の響チャレンジを抜きにするからってスタッフみんな大慌てだったの。」

春香「そういえば、わたしも一昨日電話したんだけど、出なかった…。」

千早「仕事を無断で休むなんて我那覇さんらしくないわね。私も電話をかけてみるわ。」プルルル…

千早「あっ!我那覇さん?」

「(おかけになった電話番号は現在、電源が切れているか、電波の…)」ピッ

千早「駄目だったわ・・・」

春香「響ちゃん、どうしたんだろ?」

美希「ひょっとして…死んでたりしてっ!」

春香「ち、ちょっとやめてよ~。」

コンコン!

律子「みんな、集まってるわね!今日の生すかRの事なんだけど・・・」

千早「美希から聞いたわ。響チャレンジを今日は外すって。」

律子「そうなの。とりあえず、新しい台本ね。ちょっと3人には負担が多くなっちゃうかも・・・。」

美希「大丈夫。任せてなの律子・・・さん。」

千早「そうね。今日は我那覇さんの分までがんばりましょう。」

春香「(響ちゃん・・・どうしちゃったんだろう?)」


千早「私は知っていました。人が・・・簡単に消えてしまうことを。そして、今までの日常も壊れてしまうことも。・・・でも・・・でも・・・・・・・・・」


(数日後、収録現場B)

千早「あれ…春香!?」

春香「うそ?千早ちゃん?」

千早「収録現場がたまたま一緒だったなんて、珍しいわね?」

春香「そう…だね。」

千早「?・・・私はもう今日の仕事は終わったのだけど、春香は?」

春香「わたしは後、30分くらいかな…?」

千早「ねえ・・・その、終わったら一緒に、ゆ、夕食行かない?…//」

春香「えっ?待っててくれるの?」

千早「えぇ。その変わり、早く終わらせてきてよね。」

春香「・・・うん!」

(1時間後)

千早「春香、お疲れ様。」

春香「ごめんね千早ちゃん。色々と…失敗しちゃった。」

千早「私はかまわないけど・・・春香が、笑顔が不自然だなんて言われるなんて。私じゃないのに。」

春香「・・・えへへ。」

千早「春香?大丈夫!?」

春香「う、うん!大丈夫、大丈夫!・・・そ、それよりどこ行こっか?」

千早「そうね・・・そういえば、我那覇さんはまだ、行方不明なの?」

春香「そう…みたいだね。」

千早「・・・私、我那覇さんの家、行ってみようかしら…。さすがに心配だわ。ねぇ春・・・」

春香「ち!千早ちゃん!!とりあえず、外へ行こう?ね?」

千早「?え、えぇ・・・。」ガチャッ…スタスタ

春香「それでね…響ちゃんのことなんだけど」

春香「もう、ここにはいないんだ・・・。」

千早「我那覇さん・・・沖縄に帰っちゃったの?」

春香「ううん・・・違うの。もう…もう、ここにはいないの・・・。」ギュゥウ…

千早「えっ!?・・・うそでしょ?えっ?そんな・・・。」

千早「ねぇ・・・何で?何故なの?どうしてなのよ。」

千早「は、春香は何で知っているの?ねぇ…ねぇどうして!!教えて春香!!!」

春香「・・・夕食、どこいこっか?」

千早「・・・・・・ごめんなさい。私・・・そ、それじゃ、そこの回転寿司にしましょう。」

春香「わかった…。」スタスタ…

ガヤガヤ・・・

(いらっしゃいませー。2名様でよろしいでしょうか?カウンターとテーブル席がございますが?)

千早「テーブル席で・・・。」

(承りました。では21番テーブルへご案内いたします。)

春香「千早ちゃん、はい。コップと手ぬぐい。」

千早「…ありがとう。春香はお茶、濃い方がいい?」

春香「えへへ。千早ちゃんにお任せにするよ・・・。」

ガヤガヤ・・・

春香「・・・」

千早「・・・」

春香「…わたしは、イクラにしよっかな?」

千早「じゃあ、私はエビを注文しようかしら・・・」

ガヤガヤ・・・

春香「・・・」

千早「・・・」

春香「スー、あ、熱い!あちち・・・えへへ、お茶で舌、やけどしちゃった・・・。」

千早「・・・我那・・・彼女はなんで?事故?それとも…」

春香「そう・・・自分で。その…浴槽で自分の手首を・・・・・・」

千早「だ、誰かに・・・の・・・・可能性は?」

春香「警察は、その、自分で・・・の方向で捜査してるみたい。」

千早「な、なんで・・・なんで・・・なんでそんなこと・・・・・・!!!」ギュゥゥウ…!!

春香「・・・・・・。」

(パカパーン。21番テーブルにイクラ、一皿がまもなく到着します。お取り忘れのないよう・・・)

千早「・・・春香。私がとるわ。」

春香「はい、千早ちゃん、お醤油。」

千早「ありがとう・・・。」モグモグ…

春香「モグ・・・お味噌汁注文するけどいる?」

千早「じゃあ…私、しじみにするわ…。」

(ご注文、承りました!)

春香「その・・・順番に説明していくね?わたしは、事務所で今日知ったの。」

(回想、事務所)

春香「お疲れ様でーす!」

小鳥「あっ春香ちゃん」

小鳥「・・・わかりました。では、その方向で。やよいちゃんと貴音ちゃんのことはよろしくおねがいします。・・・アイドルのみんなにだけは伝えなきゃ・・・ですよね・・・。では、失礼します。」ガチャ

春香「小鳥さん、お電話はプロデューサーさんですか?」

小鳥「えぇ・・・そうよ。ねぇ・・・春香ちゃん、落ち着いて聞いてね?」

小鳥「その、響ちゃんね?どうやら・・・自殺したらしいの。」

春香「・・・えっ?」

小鳥「・・・」

春香「ちょっと、小鳥さーん。冗談がきついですよ!」

小鳥「・・・・・・」

春香「い、いくら小鳥さんでも、わたし、お、怒っちゃいますよ?」ジワッ…

小鳥「・・・・・・・・・うぅ…」グスン…

春香「響ちゃんが・・・自殺した・・・?」ジワジワ…

小鳥「やっぱり…やっぱり、無理です。プロデューサーさん!女の子に・・・こんな辛いことを伝えるなんて。私、だって・・・泣きたいのに・・・ウゥ…」

春香「ひ、響ちゃ・・・いや・・・そんな・・・うええええぇぇぇーーーーん!!!」

小鳥「お、落ち着いて!春香ちゃん!!・・・ギュッ・・・ねぇ一緒に泣こう…。」

春香「う・・・うぅぅ・・・こ、小鳥さん・・・。」

小鳥「・・・辛いかもしれないけど、よく聞いてね。あのね、昨日ね。響ちゃんの両親とお兄さんが、こっちに来たの。」

春香「・・・シク・・・シク」

小鳥「一週間、連絡が取れないからね。プロデューサーさんが親御さんに伝えたの。」

春香「・・・ヒク・・・」

小鳥「それでね。両親とお兄さんとプロデューサーさん、あとずっと心配してた貴音ちゃんとやよいちゃんで、響ちゃんの家に行ったの。」

小鳥「ドアを開けてみると普段騒がしいはずの動物さん達もグッタリと寝てたんだって・・・」

小鳥「それで・・・部屋の中を捜していると、貴音ちゃんの悲鳴が聞こえたそうなの。」

春香「・・・」シク…

小鳥「慌ててその音へ向かおうとすると貴音ちゃんが再び、やよいは来ないで!と叫んだんだって」

小鳥「すると青白い顔で倒れた貴音ちゃんと浴槽に入っている響ちゃんが・・・」

春香「もう!・・・もう・・・いい・・・です・・・シク」ヒクッ…グスン

(パカパーン。21番テーブルにイカ、一皿がまもなく到着します。お取り忘れのないよう・・・)

春香「・・・それでね。泣き叫ぶお兄さん達を落ち着かせながら、プロデューサーさんが、救急車と警察を呼んだんだって。」

千早「・・・我那覇・・・さん・・・・・・」

春香「・・・」モグ…モグ…

千早「原因は?・・・原因はなんなの?だって我那覇さん…あんなに明るかったのに・・・。」

春香「それがね…わからないみたい。わたしだってまさか、響ちゃんが、こんなことするなんて思わなかったもん!」

千早「・・・」モグ…モグ…

春香「あのね?千早ちゃん・・・。このことは秘密にしなきゃいけないんだって・・・。」

千早「どういうこと?」

春香「お兄さんは、うちの事務所や仕事にすごく怒ってるみたいなの。大事な妹をこんなことにするなんてって・・・」

千早「そんな・・・私達だって・・・!・・・でも、誰かを敵にしなければ割り切れないのかもしれないわね・・・。その気持ちは…私もちょっと、わかるから・・・。」

春香「プロデューサーさん、いろいろ言われたみたい・・・。自分だって悲しみたいのに・・・泣きたいのに・・・。」

春香「それで、お兄さんはこの件を秘密にするよう警察に頼んだらしいよ。事務所としては、体調を崩してしまったため、活動を休止します・・・と発表するみたい。」

千早「・・・・・・これを知っているのは誰なの?」

春香「765プロの全員には真相を伝えるんだって・・・。」

千早「それ以外の人には、嘘をつけって・・・ことね?・・・事務所の体裁、とかもあるのかしら?…酷い話・・・春香、新しいお寿司何か注文する?」

春香「えへへ・・・じゃあ、わたしマグロ。」

千早「私は、サーモンにするわ・・・」ピッ

春香「・・・・・・なんで・・・なんだろうね?」

千早「・・・ねぇ春香?その・・・遺書、はなかったの?」

春香「…なんかね。貴音さんから教えてもらったんだけど、警察の人がそれらしきものを見つけたんだって。」

千早「!なんてかいてあったの?」

春香「詳しいことは、貴音さんも聞けなかったらしいんだけどね。台本の余白のページに書きなぐってあったんだって。」

春香「将来が不安だとか、これでいいのかな…とか?」

千早「じゃあ、原因は仕事ってことなの?確かにこの業界は厳しいけど、我那覇さん、四条さんとの時代劇も成功させていたし、単独MCもやっていたわ。わざわざ、こんな選択肢をとるなんて考えられないわ!」グッ…

春香「わたしだってそう思うよ!第一、響ちゃんが仕事で悩んでたなんて聞いたことないもん。」

千早「他にも原因があったのかも・・・そうでないと私、納得できないわ!」

春香「・・・あとね?その台本には、不思議なことに---ごめんよ、いぬ美---って文字が5回も出てきたり、妙にひらがなが多かったりしたらしいの。かなり錯乱してたっぽい。」

千早「精神的にまいっていたってこと?あの、いつも明るく元気な我那覇さんが?信じられない・・・!」

春香「響ちゃん…に限ってそんなこと・・・でも・・・」

(パカパーン。21番テーブルにマグロ、一皿がまもなく到着します。お取り忘れのないよう・・・)

千早「あ・・・」

春香「はい千早ちゃん、サーモン。・・・どうしたの?」

千早「私、原因知っているかも・・・。」

春香「えぇっ!?」

千早「我那覇さんからは黙っていてほしいって言われたのだけれど・・・。」

千早「確か・・・一か月前ぐらいだと思うわ。夜、部屋で音楽を聴いていたら我那覇さんから電話がかかってきたの。」

春香「!?なんて?」

千早「それが・・・」

響「急に電話してごめんな。千早!べ、別に大したことじゃないんだけど…。」

千早「こんばんは。我那覇さん。どうしたの?」

響「その・・・春香、とかから聞いたんだけどさ~千早ってさ、学校じゃ友達がいないのか?」

千早「えっ!?わざわざ、心配して電話かけてくれたの?・・・ありがとう。最近は、前より学校の子ともしゃべったりしているわよ。昔はたしかに私には必要ないって思っていたのだけれどね。これも、新しい家族のおかげかしら?…//」

響「な、なんくるないさー!自分も東京に来てから一人だったから、ちょっと千早の気持ちもわかるというか・・・」

千早「?そうね・・・でも今は765プロのみんながいるから寂しくないわね。」

響「そ、そうさー。自分、みんながいるから一人ぼっちでも不憫でもなんでもないぞー。」

千早「えぇ・・・そうね?」

響「千早は、インターネットとかするのか?」

千早「えっ?えっと・・・私、機械は苦手だから。」

響「そっか!まぁ、千早が平気そうでよかったさー。またなにかあったら相談に乗るさー!」

千早「うふふ・・・ありがとう。もう、我那覇さん達がいるから大丈夫よ。」

響「じ、自分、完璧だからな!千早は完壁だけど。」

千早「くっ・・・が、我那覇さんっっっ!」

響「はは、じゃ、またな~」ピッ…ツーツー

ガヤガヤ・・・

千早「・・・それでね、私・・・」

春香「・・・・・・シク・・・シク・・・ち、違うの、これは・・・その、ち、千早ちゃんのいじりネタが、お、面白かったから・・・。」シク…グスン…

千早「・・・春香・・・手、出して?・・・ギュッ…そ、それでね。」

千早「私、気になってパソコンで調べてみたのよ。・・・ほら、よく小鳥さん律子が言っているじゃない?テレビに出る人は自分の名前をネットで調べてはいけないって。」

千早「もちろん、称賛な意見もいっぱいあるけど、つい、匿名性によるあらぬ誹謗中傷で傷ついちゃうとか。」

千早「でも、響が電話をくれるなんて珍しかったからつい、パソコンのゴーグルで。」キリッ

春香「・・・・・・グスッ・・・ヒク・・・(千早ちゃんそれ、ゴーグルじゃなくてグーグルだよ・・・笑わせようとしてくれてるのかな・・・?)」

千早「ネットってすごいのね。キーワードを打つとそれに関係ある検索ワードも出てくるのよ。例えば、千早だったら『千早 約束』とか『千早 72』とか・・・くっ…」

千早「それでね。『千早は』ってうつとその後に『俺の嫁』とか『マグロ』ってでてくるのよ。俺の嫁は…嬉しいような恥ずかしいような。マグロはどういう意味かしら?それぐらい大きなアイドルって意味だと嬉しいのだけれど。」

春香「(千早ちゃんそれ違う意味だよ!でも千早ちゃんマグロじゃないよ・・・クールな分、デレた時の威力も高いんだよ!・・・なんて)・・・・・・だから、私の注文したマグロで思い出したんだね。それで??」

千早「『美希は』ってうつと覚醒だったり、『雪歩は』ってうつとかわいいだったりするのだけれど、『響は』ってうつと『ぼっち』とか『不憫』だったの・・・。」

春香「えっ!?」

千早「響は不憫って検索してみると我那覇さんは765プロの中で孤立している。友達がいないなんて吹聴されていたのよ。」

春香「何で??そんなこと一切ないのに・・・。」

千早「生すかの響チャレンジを一人でやっているからそういう見方をしてしまったのかもしれないわね。」

千早「我那覇さん、ひょっとしたらネットでこれを見てしまったのではないかしら。それで自分が事務所の仲間から良く思われてないと勘違いしてしまったのかも・・・。」

春香「・・・そんな・・・でもそれならわたし達に直接・・・」

千早「聞けないわよ・・・みんな、笑顔でそんなことないわよって言うに決まっているじゃない…!」

春香「そっか・・・これも原因の一つ?」

千早「わからない。でも、私への電話は、私の相談ではなくて本当は自分が一人じゃないか聞きたかったのかもしれない・・・私・・・そんな我那覇さんの気持ちも・・・わからず・・・・・・」ジワッ…

春香「ち、千早ちゃん・・・!そんな思いつめないで!!・・・ギュッ…!」

千早「・・・あ、ありがとう。ねぇ春香?その・・・春香は、自分で命を絶つ・・・なんて考えたことある??」

春香「な、ないかな・・・?もし、アイドル続けられなくなっちゃったら・・・もし、わたしの夢が叶わなくなっちゃったら・・・でも、こんなことはしない気がする。ち、千早ちゃんは?」

千早「私もないわ。弟の事故、両親の離婚、歌の消失、色々あったけど考えもしなかったわ。それに・・・私がいなくなったら両親がまた優の時と同じように・・・って思うと絶対無理ね。」

春香「なんでだろうね・・・しちゃう人。」

千早「相当、錯乱していて何もかも見えなくなってしまうのかしら・・・でも、納得できない…納得できないわ・・・」

ガヤガヤ・・・

春香「・・・」

千早「・・・」

春香「・・・帰ろっか。」

千早「・・・そうね。」ピッ!

(・・・ありがとうございました~。)

春香「あれ・・・わたし、回転寿司で何食べたっけ?」スタスタ

千早「マグロと・・・えぇっと…思い出せない」スタスタ

春香「話し…込んじゃったね?」

千早「・・・えぇ。」

春香「わたし、電車乗り継いで帰れるかなぁ・・・」

千早「えっ!?大丈夫?ついていった方がいい?」

春香「それは、さすがに申し訳ないよ・・・。」

千早「じゃあ、ここまでね。」

春香「明日・・・仕事できるかな・・・?」

千早「春香、明日からまたがんばりましょう!春香も他のみんなもモチロン私も、とってもつらいわ…でも私達、プロなのだから…お金を稼がせてもらっている立場なのだから、100%の力を出さないと。」

春香「・・・・・・千早ちゃんは、意外と平気そうだね?」

千早「えっ?それどういう・・・」

春香「わ、わたし!今日、何にも考えられなかった…!楽しみにしてた撮影のお仕事も全然楽しくなかった!!だって、だって響ちゃんが・・・」ポロッ…

千早「は、春香・・・?」

春香「大好きな仲間が、友達が、一人いなくなっちゃったんだよ!死んじゃったんだよ!仕事に集中できるわけないじゃない!!・・・シク・・・千早ちゃんってもっと心が温かい人だと思ってたよ・・・シク、シク・・・わたしは、プロである前に人間なんだからっ!!!」ッ!

千早「ちょっと、落ち着い・・・」

春香「そうだよね…千早ちゃんは、弟さんの事故死で一回経験あるもんね。だから・・・響ちゃんが消えちゃっても平然としてられるんだ!わたしも家族にそういうことがあれば良かったなぁ~それならこんなに辛くなくて済むのにっ!!!」

千早「・・・・・・っ!」

春香「あ・・・あれ・・・わたし、何言ってんの!?…ち、千早ちゃん!ごめんなさい!わたし…わたし…その、ちょっと気が動転してて・・・」

千早「・・・えぇ。わかっているわよ。落ち着いた?」

春香「・・・うん・・・ヒク・・・千早ちゃん、ホントにゴメン…。」

千早「大丈夫、気にしてないから・・・さぁ、涙拭いて。」

春香「ありがと…じゃあ、いくね?」

千早「・・・おやすみなさい。」

(千早家)

ガチャン・・・パチ!

千早「ふぅ・・・やっと帰ってこれた・・・ポロッ・・・やだ。我慢しなきゃ・・・」

ピロリロリーン!

千早「あっ春香からメール。」ピッ

春香「さっきはホントにホントにごめんなさい…千早ちゃんだってツライはずなのに平気で千早ちゃんが傷つくことを言っちゃった…(>人<;)よし!また、明日もがんばるぞ~!(*のヮの*)」

千早「気にしてないから・・・っと。・・・優の時の私もあの人達もこんな感じだったのかしら。」

千早「・・・カーテン閉めないと・・・・・・あ。」

響「こーーらぁーーー!待てぇ、いぬ美ーー!!」

千早「!!!」シャー…

響「逃げたら、分からないぞー!」

響「ちゃーんと訳を言うんだーいぬ美ーー!」

千早「・・・ふふ。」ジワッ…

千早「この景色を見ると、今にも・・・我那覇・・・さん・・・の・・・ポロッ・・・声が・・・・・・聞こえてきそう・・・シク…シク・・・ふふ。・・・あれ…春香のは、我慢できたのに・・・」ヒクッ…

カタッ

千早「ねぇ・・・ねえ・・・優?…お姉ちゃんね・・・また・・・また・・・大切な人を守れなかったの・・・もう・・・ジワッ・・・新しくできたか、ぞくは・・・ポロッポロッ・・・ぜったい…はな、さな、いってぇ・・・うぅぅ・・・きめれら・・・のにぃぃい・・・」

千早「ごめ、ヒクッ・・・ごめ…んね・・・ヒクッ…ゆ、う・・・が、なは…さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!」


美希「ミキね?ミキ的には、キラキラできるなら、めんどくさ~いコトだって、やろうと思ったの!それでね、まわりの仲間もキラキラすればもっとイイって!」

美希「でもね…できることとできないこともあるの。一度、なくしちゃったモノはミキがどー考えてもどーやっても、もう二度と元には戻れないの・・・。なくす前になんとかするしか・・・方法は、ないの・・・。」

(星井家)

美希の母「美希―!起きなさーい!!」

美希「・・・あふぅ…眠いの・・・。」

美希の母「ねぇ?美希。今日、パパは出張でママは同窓会なの。悪いんだけど、夜、お姉ちゃんと二人なんだけどいい?」

美希の姉「ママ~わたし、今日友達の家に泊まるって昨日伝えたじゃ~ん。」

美希の母「あら。そうだったわね。悪いんだけど一人で留守番しててくれる?戸締りはしっかりね?」

美希「わかってるの。あふぅ・・・行ってきますなの~!」…バタン

美希「・・・」…スタスタ

P「美希、スマンが落ち着いて聞いてくれるか?実は・・・響が・・・」

美希「・・・」…スタスタ

美希「・・・こんな日に一人ぼっちなんてサイアク~ってかんじ…」

(レッスン場)

ガタン

美希「・・・おはようなの。」

千早「美希。おはよう」

美希「他のみんなは~?」

千早「萩原さん、真、四条さんはもう来ているわよ。今、ちょっとプロデューサーに呼ばれていて。竜宮の4人は仕事が入っているし、春香と真美が来てないわね・・・あと、高槻さんは、今日はお休みするそうよ。」

美希「・・・!!・・・・・・千早さんも聞いたんだ!」

千早「えぇ…昨日、春香から・・・。おそらく、真と萩原さんは、今、聞かされていると思うわ・・・私は、もう一度同じ話を聞くのが、嫌だったから断ってしまったわ。」

美希「そっか。ミキね?昨日、ずっと考えちゃった・・・ミキ、響に何ができたのかなぁ~って・・・ねぇ、千早さんはどう思う?」

千早「・・・わからないわ…。海にも行ったし、ライブもテレビ番組も一緒にやった。でも…。」

千早「今は、できる限り考えないようにしているわ。でないと・・・その…つらくて。」

美希「ねぇ?千早さん。今日、ミキの家に泊まらない?今日は、家に誰もいなくて…ちょっと寂しいの・・・。」

千早「・・・明日は、生すかの収録もあるし、いいわよ。・・・でも、私も踏ん切りができていないから、うまく美希の相手になれないかもしれないけれど・・・。」

美希「あ、ありがとーなの!千早さん!」

ガタン

春香「おはよーございます…。」

千早「春香、おはよう。だ、大丈夫?」

春香「大丈夫大丈夫!ちょっと、寝不足なだけだから~それに今日はね。一回も転ばずにここまでこれたの。えへへ、すごいでしょー。」

美希「・・・・・・春香…。ねぇ、春香もミキん家くる?」

春香「えっ?どういうこと?」

(・・・・・・)

春香「うん!美希の家行きたい・・・!」

美希「じゃあ、決まりなの!」

ガタ・・・

P「それなら、貴音と雪歩と真も連れて行ってくれないか?」

美希「ハニー!」

P「今、貴音が二人を慰めてる・・・。あの様子じゃ、午前の練習は無理だな。・・・あと、真美も今日は休むと親御さんから連絡があった。」

千早「やっぱり、みんな辛いわよね。・・・春香、昨日はやっぱり私が…」

春香「うぇ!?いやいやいや・・・」

P「?・・・とにかく、昨日はお料理さしすせそのピンチヒッターに伊織をだして、動物探検隊のディレクターに響の活動休止を伝えて・・・あとは、明日の生すかなんだが…。」

美希「どうかしたの?」

P「たぶん、やよい、亜美、真美は明日も無理だ…。貴音は大丈夫そうだが真と雪歩もダメだと番組が進められなくなる・・・。だから、少しでも一緒に居てやってくれないか?」

春香「あの…ぷ、プロデューサーさんは?」

P「俺は、この後警察に行って…響の家族の所に行って…そのあと、活動休止の説明資料を作らなくちゃいけないんだ。すまない・・・!」

春香「そんな・・・わ、わたし達だってツライんですから・・・」

P「わかってる…頼りなくてスマン…」

美希「ハニー・・・。」

春香「わ、わかりました・・・!…プロデューサーさんだってツライですよね。わがまま言ってごめんなさい。」

P「悪いな…じゃあ、午後の仕事は各自がんばってくれ、そのあとは…頼んだぞ!」

ガタンッ!

美希「ハニーのバカなの・・・。」

(夜、星井家)

美希「さぁ入って!入ってなの~!」

5人「失礼しまーす。」

春香「へぇー美希ん家ってこうなってたんだぁ~。」

千早「けっこう、広いのね。」

真「こっちが美希の部屋?」

美希「そうだよー。」

真「いいなぁ…なんか女の子の部屋って感じで…。」

春香「美希~?早速、台所使ってもいい?」

美希「ジャンジャン使ってなの~。」

千早「春香、私も手伝うわ。」

貴音「・・・雪歩。何かをやっていた方が、気が紛れるのでは?」

雪歩「・・・・・・四条さん。うん・・・私も、て、手伝いますぅ・・・。」

(トントントントン・・・)

春香「みんなぁ~できたよー!!」

美希「待ってたの!」

千早「美希と四条さんは・・・。」

貴音「私達は、」

美希「食べるの専門なのー!!」

真「もうー。」

雪歩「・・・。」

6人「・・・いただきまーす!」

雪歩「・・・・・・」

真「・・・」モグモグ

貴音「・・・モグ」

春香「・・・・・・あ、テレビつけよーよ。今日確か、竜宮小町が出るんじゃなかったっけ?」モグモグ

千早「・・・」モグモグ

美希「・・・はい」ピッ!

雪歩「・・・・・・」

貴音「・・・モグ」

美希「あ・・・真クンのCMなの!」モグモグ

春香「・・・」

真「・・・ボクは、もう少し可愛くてもいいと思うんだけどなあ」

雪歩「・・・・・・」

千早「萩原さんも食べましょう?」

雪歩「・・・」プルプル

貴音「雪歩。お昼から何も食べてはいないではありませんか。それでは体が持ちませんよ?」

雪歩「・・・・・・」プルプルプル

春香「この唐揚げね。真が作ったんだよ?」

真「うん!みんなに、雪歩に食べて欲しくて作ったんだ!」

貴音「ハム・・・モグ。真の感情がこもっていてとてもおいしいですよ?」

雪歩「・・・うん・・・ハム・・・!!!・・・しょ、しょ、しょっぱすぎるよ真ちゃーん!!・・・うぅ…」

真「えぇぇ!?ちょっと、こしょうを入れすぎたかな?」

春香「ど、どれどれ・・・モグ・・・!!!!んんん……!」

美希「あははは・・・実に真クンらしいの」

真「あれ…おっかしいなぁ・・・」

千早「ふふ、四条さんもよく食べられましたね?」

貴音「そうですか?」

春香「・・・貴音さんはすごいですよね。その…見ちゃった時も、すぐやよいのことを心配したり。小鳥さんから聞きましたよ。やよいちゃんを慰めながら、彼女の分まで警察の調書を受けたとか。」

貴音「いえ・・・私も気が動転していて何かしていなければ、潰れてしまいそうだったからです。それに、結局、響の家族の方にも、仕事をしている響の様子を伝えることが、できませんでした。」

千早「その…家族の方は怒っているのかしら?」

貴音「えぇ。すぐに家具やペットを送り、早く東京から出ていきたいそうで。」

春香「えっ!?じゃあ、お葬式とかは?」

貴音「・・・身内だけでひっそりと沖縄でやるそうです。」

真「そんな・・・ボク達、お別れもできないの?・・・ちょっと、待ってよ・・・」

千早「やっぱり、私達のこと、恨んでいるのね。大切な娘をこんな目に合わせてしまって」

美希「何で?ミキ達、響に何もしてないよ?」

真「何もしなかったのがいけなかったんだよ・・・。」

千早「えぇ・・・私達は響の異変に気付けなかった・・・。」

雪歩「・・・響ちゃん・・・うぅ・・・うぅ・・・」

美希「でも!台本の白紙には、響のせいしんてき?錯乱があったんでしょ?そんな響、ミキ見てないもん!」

春香「やっぱり、気がおかしくなっちゃう・・・急な、何かが・・・あったのかな?」

貴音「響の家に行った時、動物もそのままでした・・・。もし、響がこれから死を選ぼうとするならば、大切にしているペットをそのままにするとは考えられません。おそらく、突発的に死を選ぼうとしてしまったのではないかと。」

真「その・・・心中・・・とか・・・は?」

千早「我那覇さんの・・・その・・・自殺の仕方・・・から考えれば、それはないと思うわ。」

美希「じゃぁ、響はなんで自分で自分の手首を切ったの?おかしいよ!」

雪歩「・・・うぇ・・・うえぇぇぇん………!!響ちゃぁぁんーーー!」

真「雪歩、お、落ち着いて!ボクまで・・・泣けて・・・きちゃうよ」ジワッ…

美希「ゆ、雪歩・・・ごめんなの・・・でも、ミキ、その、真相しりたくて・・・」

貴音「雪歩、みんな、今回の件はもう皆の一生の傷になるはずです。忘れたくても忘れられないでしょう。でも、私達は生き続けなければなりません・・・。」

貴音「それと同時に私はこの前、私達はアイドルなのですから、歌とダンスで自殺者を減らしましょう・・・なること言いました。」

貴音「でも、あまい考えだったのでしょうね。こんなに近くにいる、こんなに大切な人を救えなかったのですから・・・。私達は、さらに・・・さらにがんばらなくては。」

春香「この前のレッスンですね?そっか。その時には、ひ…響ちゃんはもう・・・グス・・・」

千早「あの時、私達、途中まで響がいないことに気づいてなかったわね・・・。無意識というか、当たり前のように接していたつもりでも、どこかで響を・・・苦しめていたのかしら・・・」ジワ…

雪歩「・・・なんか・・・シク・・・変わっちゃったね・・・シクッ。あんなに楽しみにしてたのに・・・わ、私、・・・もう、ムリ・・・。」

美希「・・・そ、そんなことないよ!絶対ナイッ!ちょうど、この前と同じ会場なんだよ!また、リスタートしようよっ!!」

真「そうだね・・・美希の言うとおり、またがんばらないと・・・グスン」

真「あの時も、大変だったね・・・竜宮小町が、遅刻してさぁ。控え室も大混乱になって・・・。」

真「そういえば、響と喧嘩したったなぁ・・・」

真「響がいきなり、ボクの進行表奪ったせいで・・・水が衣装にこぼれちゃって・・・・・・響ったら・・・ヒドイよ、な・・・シク・・・真がちゃんと、閉めないから悪いって・・・り、りふじん・・・グスッ・・・だよぉお……!!!」

美希「ま、真クン・・・!」

春香「・・・うぅ・・・うぅ・・・」

千早「・・・・・・」ジワジワ…

貴音「・・・一度、落ち着きましょう。…美希?紅茶を入れてもいいですか?」

美希「う・・・ん・・・」

千早「ゴシゴシ…し、四条さん?私も手伝います。」

貴音「いえ・・・千早はみんなのお世話を…。」

千早「は、は・・・い」ジワッ…

春香「(わたしも、わたしもがんばんないと・・・)真・・・雪歩・・・ギュウッ!」

雪歩「は、春香ちゃん・・・!」

貴音「お紅茶の用意ができましたよ。」

美希「貴音…ありがとうなの。・・・ゴクッ・・・ウッ・・・何コレ・・・変な味。」

千早「・・・ゴク・・・ん・・・四条さん、あの・・・何を入れたんです?」

貴音「え?ちょっと多めに砂糖を入れただけですが・・・」

美希「・・・貴音、それ・・・塩なの。」

春香「た・・・貴音さん?もしかして、味、わからなくなっちゃったんですか?」

千早「だから、さっきの唐揚げも・・・」

貴音「だまっていて・・・ごめんなさい。同じ事務所の仲間とはいえ、自分の弱みを見せるには・・・苦手ですから・・・」

雪歩「うぅ・・・」

千早「四条さんだって平気なわけないものね・・・」ギュゥゥッ…!

貴音「でも・・・でも・・・今日だけは、許してください・・・ひ、響の、いけず・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

春香「・・・」

千早「・・・」

美希「なんで、自殺しちゃう人なんているのかなぁ?」

真「・・・生きるのに、疲れちゃったとか・・・」

美希「ミキ、それよくわからないの。生きるのに疲れるとなんで死をえらぶの?他の選択肢はいっぱいあるのに・・・。」

美希「だっておかしくない?死んじゃうと今、食べてるこの味も!見えてる景色も友達も愛する人も!みんな!感じれなくなっちゃうんだよ?」

美希「響は、これからトップアイドルになって!キラキラって輝いて、もっと大勢の人を幸せにするの!それで、響を幸せにできる唯一の人に出会って幸せになるの!こんなところで死んでいいヒトじゃないよ・・・!!」

春香「・・・ジワッ・・・響ちゃん・・・なんとか自殺から救う方法なかったのかな?」

真「無理かもしれないね・・・。誰にだって悩みはあるし、一々注意するなんてできない。完全に後だしジャンケンだよ」

雪歩「・・・どうやって私達は、気持ちを切り替えていけばいいのかなぁ?響ちゃんのことを忘れるなんてムリだし・・・。」

美希「これがドラマとかマンガだったら、実は夢だったのー!とか実は撮影で演技してただけなのーで終わるの・・・。」

千早「最期の瞬間・・・我那覇さんは何を思っていたのかしら。」

貴音「私達と出会わなければ、もっと響の運命は違ったのでしょうか・・・。」

全員「・・・・・・」



春香「千早ちゃんが最初に言ってました。一年で自殺する人は約3万人だって。それぞれ、一人ずつに人生があって、それぞれの結末に対して、家族や友人の悲しい物語や悲痛な叫びがあったと思います。」

春香「何故、人間は自殺してしまうのでしょうか・・・」




おわり

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