響「貴音!今日はポッキーの...」貴音「電池の日です」 (104)

響「で、電池?」

貴音「かれんだぁの日付をご覧ください」

響「えっ...11月11日だけど...」

貴音「そう、十一月十一日です」

響「十一十一...あっ!」

貴音「お分かり頂けましたか?」

響「電池のプラスとマイナスみたいだぞ!」

貴音「そうでしょう?ですから、電池の日なのですよ」

響「へぇー知らなかった......って違うぞ!」

貴音「はて、わたくしが何か間違いを?」

響「いや間違ってないけど!確かに電池の日だけど!そっちじゃなくてさ!」

貴音「ふむ...電池の日の他に何かありましたでしょうか?」

響「うぅ......貴音なら絶対知ってると思ったのに......」

貴音「響、なぜ落ち込んでいるのですか?」

貴音「もしや......わたくしが何か響の心に傷を付けるような事を!」

響「べ、別にそこまで傷付いたって訳じゃ」

貴音「申し訳ありません。どうやらわたくしは響に対して粗相を働いた様ですね」

響「いや、自分はただ貴音とポッキーが食べたかっただけで......」

貴音「これはお詫びをしなくてはいけません」

響「お詫びって、そんな大袈裟な」

貴音「いえ、何であろうと響の心に傷を付けたのですから、お詫びしなくては」

響「じ、じゃあさ...自分とポッ」

貴音「そうです!わたくしのお薦めすぽっとがあるのです!」

響「えっ?」

貴音「お詫びに響をそちらへお連れ致しましょう」

響「い、いやだから自分は貴音と一緒にポッキーが」

貴音「そうとなれば、さぁ行きましょう」

響「えぇー......」

響((いや、でも貴音のお薦めの場所って事は...貴音ともっと近づけるチャンスが...!))

響「じ、自分行くぞ!楽しみさー!」

貴音「ふふっ、響が楽しみにしていてくれてわたくしも嬉しいです」

貴音「さぁ、ここですよ」

響「......」

貴音「響、どうしました?」

響「......あのさ、貴音」

響「ここ......何?」

貴音「日本科学未来館です」

響「いや、そうじゃなくて...何でここに来たんだ?」

貴音「それはもちろん......」

貴音「『電池ふぇすた』の為でございます」

響「うぎゃー!薄々気づいてたけどやっぱりそうだったぞー!」

貴音「おや、分かっていたとは...流石は響ですね」

響「そりゃあ入口に電池のキグルミ着てるヤツが立ってるからな!チラシも配ってるし!」

貴音「あの方は電池くんです。電池ふぇすたの大人気ますこっとなのですよ」

響「確かに小さい子供と一緒に写真撮ってたりしてるけどさ!なんでよりによって電池フェスタなんだ!」

貴音「それはもちろん、わたくしのお薦めの場所だからですよ」

響「もっと他になかったのか!?この際ラーメンでもいいさー!」

貴音「さてと...それでは早速中へ入ってみましょう」

響「あっ!......うぅ、期待した自分がバカだったぞ......」

ガヤガヤ

響「お......おぉ......」

貴音「どうです?凄いでしょう」

響「思ってたよりずっと会場がデカイぞ...それに人もたくさん居るさー」

貴音「ふふっ、心から電池が好きな方々が集まるのですよ」

響「正直ここに来るまではちょっと舐めてたぞ......」

響「ん?......貴音、アレは何?」

貴音「あれは...電池の展示ですね」

響「電池の展示?」

貴音「電池というものは日々進化を続けているのです」

貴音「その歴史を展示と共に振り返ろう、というものですよ」

響「へぇー......」

貴音「例えば、こちらの電池をごらんください」

響「えっ、これ電池なのか?」

貴音「これは今から約200年前に発明された『ぼるた電池』というものです」

貴音「今の電池とは違う見た目ですが...これもれっきとした電池なのですよ」

響「そうなのか...知らなかったぞ」

響「自分はよく見る乾電池とか太陽電池くらいしか知らなかったさー」

貴音「乾電池といえば...乾電池を発明したのは日本人だとご存じですか?」

響「えっ!そうだったのか!?」

貴音「正確には、乾電池自体は昔から元々あったのですが...」

貴音「中身の溶液が漏れやすいなど、問題点が多かったのです」

貴音「その問題点を解決し、今日の乾電池の基礎を作り上げたのが」

貴音「日本人、屋井先蔵殿なのです」

響「凄いぞ...いつも何気なく使ってる乾電池にそんな歴史があったなんて」

貴音「おや、丁度その屋井殿の乾電池も展示されておりますね」

響「うわっ!自分の家にある乾電池とほとんど同じだぞ!」

貴音「いかに当時の屋井殿の発明が精巧だったかがお分かりでしょう」

貴音「それに、その他に展示されている電池も誠に素晴らしいものです」

貴音「皆、わたくし達の歴史を作り上げたの貴重な糧なのですよ」

響「本当に凄いさー!電池ってこんなに奥が深かったんだな!」

貴音「ふふっ、響が喜んでくれるならわたくしも連れてきた甲斐があったというものです」

響「自分、もっと電池の事を知りたいぞ!」

貴音「それでしたら...あちらはどうでしょう?」

IDが変わるのでトリップ

響「あれは...○×クイズ?」

貴音「はい、電池に関連する問題が出題され見事最後まで残りますと景品が貰えます」

響「へぇー...」

貴音「参加してみますか?」

響「えっ?でも自分ここに来るまで電池のことなんて全然知らなかったし......」

貴音「響、大切なのは知識ではありません」

貴音「電池を楽しむ心が大切なのです」

響「貴音......」

響「......」

響「......よし!自分やるぞ!」

貴音「分かりました、それでは共に善を尽くしましょう」

響「うん!」

電池くん「みんなこんにちは!電池くんだよー!」

ワーワー!キャーキャー!

響「アイツ......やっぱり子供からの人気は凄いさー」

電池くん「僕が○×クイズを出すから、みんな頑張ってね!」

ハーイ!

電池くん「それでは第一問!」

電池くん「この写真の電池は単2電池である、○か×か?」

響「あっ、これなら分かるぞ!あれはよく家で見るからな!」

響「確か......単3電池だぞ!」

電池くん「さて、みんな大丈夫かな?」

電池くん「それでは正解発表です!」

響「.........」

電池くん「正解は......×です!」

響「やった!一問目クリアだぞ!」

響「よーし、このまま優勝するさー!」

電池くん「それでは第二問!」

電池くん「電池を冷蔵庫で冷やすと長く使える、○か×か?」

響「えっ?冷やした方が長持ちするって聞いたことがあるぞ」

響「○かな......」

貴音「......」

スッ

響「あっ、貴音は×の方に行ったぞ......」

響「うーん......」

響「自分は○だと思うけど...」

響「よし、ここは......」

響「貴音に付いていくことにするさー」

電池くん「それではみなさん、大丈夫でしょうか?」

響「......」

電池くん「正解は......×です!」

エエーッ!

響「ほっ......助かったぞ」

電池くん「温度の低い場所で保存するのは良いですが、冷蔵庫に入れてしまうと錆の原因になり長く持ちません!」

響「へぇー...」

電池くん「それでは、次の問題です......」

響((そんなこんなで、自分は順調に正解していったさー))

響((さっき貴音が展示と一緒に電池の歴史を教えてくれたからかな))

響((どうしても迷った時は、貴音に付いていっちゃったし......))

響((そして......))

電池くん「さあ、残るは3人だけです!」

響「よし、頑張るさー!」

電池くん「みんな頑張ってね!それでは第九問!」

電池くん「こちらの写真は、最近話題のニキシー管腕時計の太陽電池搭載バージョンです」

電池くん「全てハンドメイドで出来ていて、とてもオシャレでかっこいいね!......さて!」

電池くん「こちらの時計、販売価格は1万ドルである、○か×か?」

響「ちょっ!わかんないぞこんなの!」

響「見るからに手が掛かってそうな時計だし...すごく高そうだぞ」

響「たぶん○......かも」

響「そうだ、貴音は......」

貴音「......」

スッ

響「迷わず×の方へ行ったぞ......」

響「貴音が行ったんだし、なら×なのかな......?」

響「......いや」

響「自分を信じるぞ!ここは○さー!」

電池くん「みんな、大丈夫かな?」

電池くん「それでは、正解発表です!」

響((うぅ......ドキドキするぞ))

電池くん「正解は......」

電池くん「×です!」

響「あっ......」

電池くん「正解は1000ドルだよ!」

電池「ちなみにこの腕時計は製作者のホームページに詳しく載ってるからみんなチェックしてみてね!」

響「ま、間違えちゃったぞ......」

電池くん「おや?×を選んだのはひとりしか居ないですね...ということは!」

電池くん「優勝者はそちらのお嬢さんです!」

ワー!ワー!

貴音「おや、優勝してしまいました」

電池くん「それではお嬢さんには景品としてこちらを差し上げます!」

貴音「これは......?」

響「あっ!ウォークマン!」

電池くん「他のみんなにも参加賞としてコレをプレゼントするよ!」

響「......乾電池2個だぞ」

電池くん「それじゃあみんな、どうもありがとー!またあとでねー!」

ワーワー...キャーキャー......

響「貴音......おめでとう」

貴音「響......」

響「自分、全問正解は出来なかったさー」

響「せっかく貴音が電池の歴史を教えてくれたのに......」

響「それに、最後は自分を信じて」

響「これじゃ、完璧なんかじゃなくてダメダメだぞ」

貴音「......それは違いますよ、響」

>>35
×響「それに、最後は自分を信じて」
○響「それに、最後は自分を信じて間違えちゃったぞ」



響「えっ?」

貴音「最後の問題...響は迷っておりましたね?」

貴音「あのまま響はわたくしについて行くことも出来ました」

貴音「しかし、響は自分自身を信じたのです」

貴音「自分を信じるというのは、とても難しい事」

貴音「ですが、響はそれが出来た」

貴音「たとえその結果が間違ってたとしても......」

貴音「そこには、正解不正解よりも大切なものがあるのですよ」

響「貴音......」

響「......うん」

響「ここに来る前の自分ならここまで正解できなかったさー」

響「たとえ全問正解じゃなくても......」

響「自分は電池についてたくさん知識を身に付けられたって事が分かったぞ」

響「だから、後悔はないさー!」

貴音「ふふっ、それでよいのです」

貴音「最も大切なものは何か」

貴音「それが分かれば、必ず次へと繋がります」

響「うんっ!次来るときは絶対に自分の力で全問正解するぞ!」

貴音「その意気ですよ、響」

響「それにしても......」

貴音「?」

響「まさか景品がウォークマンだなんて、豪華だぞ」

響「自分も欲しかったし、羨ましいさー」

貴音「......」

貴音「......」

貴音「......そういえば」

響「ん?」

貴音「丁度りもこんの電池が切れておりまして...電池が必要だったのです」

貴音「よろしければ、その電池を頂けませんか?」

響「えっ?この参加賞の?」

貴音「はい、よろしいでしょうか?」

響「うん、いいぞ......はい」

貴音「ありがとうございます、それではお返しにこれを」

響「えっ!?」

響「これ、貴音のウォークマンだろ?」

貴音「わたくしはこういう機械には余り詳しくありませんので」

貴音「響に使ってもらった方が、うぉうくまんも嬉しいでしょう」

響「でも、これ電池よりもずっと高いし......」

貴音「良いのです」

貴音「......それに、このうぉうくまん、確かに安くないのかもしれませんが」




貴音「響の喜ぶ顔よりも、高い物はありませんから」




響「っ......!」

響「ううっ......!」

貴音「どうしましたか?顔が赤いですが」

響「そ、そんなこと真顔で言われたら照れるさー!」

貴音「はて、わたくしは本当の事を言ったままですが」

貴音「響の喜ぶ顔はとても輝いていて、それこそ値のつけようが無い......」

響「っ......だからぁ......!」

響「......もうっ!この話はやめるさ、ハイサイ!やめやめ」

響「......ふぅ」

響「貴音、本当に自分が貰っていいのか?」

貴音「はい、響に大切にして欲しいのです」

響「......うん、分かったぞ」

響「自分、大切にするさー」

響「ずっと、ずっと」

響「今日の思い出...自分の宝物だぞ!」

貴音「響......ありがとうございます」

響「だから、これからもよろしくね!貴音!」

貴音「はい...こちらこそ宜しくお願いします」

貴音「わたくしも、この電池を響だと思って大切にします」

響「な、なんか素直に嬉しいと言えないぞ......」

響「で...次はどうするんだ?」

貴音「そうですね......これまでに響は電池について様々な事を学んできました」

響「うん、そうだな」

貴音「ですから、次はその電池を自ら作ってはみませんか?」

響「えっ!電池を作るのか!?」

貴音「はい、手作りの電池です」

響「そ、それって自分でも作れるのかな......」

貴音「大丈夫です、とても簡単に出来ますので」

響「......うん!それなら自分も電池を作ってみたいさー!」

貴音「それでは早速、あちらの手作り電池教室へ行ってみましょう」

響「よーし!ワクワクするさー!」

電池くん「みんな!こんにちは!」

響「ま、またあのキグルミだぞ......」

電池くん「それじゃあ早速手作り電池を作ってみよう!」

電池くん「それじゃあまずみんなに配られた筒を見てみて!」

響「ん......これかな」

電池くん「そのなかに紙が入っているよね!その紙に水を染み込ませてみて!」

響「んしょ...よし、出来たぞ」

電池くん「それじゃあ次は、その筒に、この......」

電池くん「マンガン粉という黒い粉を詰めていこう!」

響「ん、この粉かな......」

貴音「いけません響っ!」

響「えっ?」

貴音「ああ.......」

響「ん?え、えっ?ちょっ!」

響「な、なにコレ!ベットリくっ付いて離れないぞ!」

貴音「その粉に直接素手で触れると、大きく伸びて手にくっ付いてしまいます!」

響「も、もうくっ付いちゃったぞ!」

貴音「あぁ......一度付いてしまうと簡単には落ちないのです」

響「は、早く言って欲しかったさー!」

響「ふぅ......ひどい目にあったぞ」

貴音「今後は手袋を着けて行いましょう」

響「うん、そうだな...それで、粉を詰めてどうするんだ?」

電池くん「それじゃあ次はこのフタをしめてみよう!」

響「ん...このフタ、真ん中に穴があいてるぞ」

電池くん「その穴に炭素棒を入れてみよう!」

響「炭素棒って......これかな」

電池くん「炭素棒は、プラス極からエネルギーを取り出す役目があるんだ!」

響「へぇー......よし、入れたぞ」

響「でもこれ...炭素棒がちょっと飛び出てるさー」

貴音「響、これを使うのです」

響「これって...ハンマー?」

貴音「それを使って炭素棒を叩いて押し込むのです」

響「結構原始的なんだな......よーし」

コンッ コンッ...

響「押し込めた!」

電池くん「それじゃあこのキャップを閉めて、もう一度ハンマーで叩いてね!」

響「よし、これで......」

コンッ コンッ......

響「よし、ちゃんと閉まったぞ」

電池くん「それじゃあ次で仕上げだよ!」

響「えっ!もう仕上げ!?」

貴音「もう少しですよ、頑張りましょう」

電池くん「あそこのデザインコーナーでラベルに好きな絵や文字をかいて、電池に貼り付けよう!」

響「自分で好きなデザインも出来るのか!?」

貴音「はい、世界にひとつしかない、特別な電池が出来るのです」

響「凄いぞ!さっそくデザインするさー!」

響「よーし、何を書こうかなー」

貴音「ではわたくしは、響の似顔絵を描きましょう」

響「ええっ!?自分の?」

貴音「はい、世界にひとつしかない、わたくしだけの電池です」

響「た、貴音......」

響「.........よし!」

響「じゃあ、自分も貴音の似顔絵を描くぞ!」

貴音「おや、よろしいのですか?」

響「うん!世界にひとつしかない、自分だけの電池さー!」

貴音「ふふっ...それは誠に楽しみですね」

響「うん!自分も、貴音の電池が楽しみだぞ!」

響「フンフンフフーン♪」

響「.........よしっ!描けたぞ!」

貴音「わたくしも描けました」

響「それじゃあ、貴音の見てもいいか?」

貴音「はい、響のも見せて貰えますか?」

響「うん!はいどうぞ!」

貴音「これは......誠に素晴らしいですね」

響「えっ、そ、そうかな?」

貴音「はい、まるでもう一人のわたくしが居るかの様です」

響「そ、そこまで言われると照れるぞ......」

響「そうだ、貴音のは?」

貴音「わたくしのは...こちらです」

響「ええっ!?ウマっ!?」

貴音「そうでしょうか?あまり自信は無かったのですが......」

響「いやいやこれ完全に実写だぞ!本当にコレ電池に描いた絵!?」

貴音「そ、そこまで言われますとわたくしも照れてしまいます......」

響「ま、また新たな貴音の一面を知ったぞ......」

電池くん「それじゃあ絶縁リングを上部に乗せて、チューブを被せよう!」

電池くん「そして、ドライヤーで熱を加えて完成だ!」

響「やったー!自分だけのオリジナルの電池の完成だぞ!」

貴音「わたくしも、世界にひとつだけの電池が完成しました」

響「それにしても、本当に電池が作れるなんて!」

貴音「電池というものは子供から大人まで、皆が触れられる歴史の宝なのです」

響「うんっ!自分、今日はここに来て本当に良かったぞ!」

貴音「わたくしもですよ......それでは響」

貴音「最後に、手作り電池を使ってあちらをやってみましょう」

響「あれは......?」

貴音「手作り電池を使って動く車の玩具でれぇすをするのです」

響「ええっ!?そんな事も出来るのか!?」

貴音「はい、出来ますよ」

響「すごいさー!早速自分のオリジナル電池を試せるだなんて!」」

貴音「響の反応は見ていて本当に飽きないですね」

響「うっ......そんな事言われると恥ずかしいぞ」

響「で、でも!本当に凄いと思ってるさー!」

貴音「ふふっ、ありがとうございます」

響「それじゃ、そのレースに行こっか!」

響「おおおおおおおおっ!!!」

響「虎!虎だぞ!」

貴音「『虎の子かぁ』と言いまして、こちらを使ってれぇすをするのです」

響「凄いぞ!これが自分の手作り電池で走るのか!?」

貴音「はい、良い電池程、速く走るのです」

響「よーし!やるぞ!自分、やるぞ!」

貴音「響がとても嬉しそうで、わたくしも嬉しいですよ」

響「うんっ!すっごくワクワクするぞ!」

響「このレースこそ、優勝するさー!」

響「よしっ!準備オッケーだぞ!」

貴音「わたくしも大丈夫です」

響「行くぞトラ雄!よろしくな!」

貴音「トラ雄......?」

響「この虎の子カーの名前さー!虎のトラ雄!」

貴音「面妖な......」

響「よーし!やるぞっ!」

電池くん「本日最後のメインイベント、虎の子レース!」

電池くん「みなさん、準備は出来ましたか?」

電池くん「それでは...よーい、スタート!」

響「よし、行け!トラ雄!」

シャーッ!

電池くん「おおっ、あの虎の子カーは速いです!とても速い!」

響「いいぞトラ雄、その調子だぞ!」

シャーッ!

電池くん「おおっとここで先程の○×クイズのお嬢さんも追い上げてきています!」

貴音「わたくしも、何もせずに負ける訳にはいかないのです」

響「流石は貴音さー!でも今度は自分が優勝だぞ!」

電池くん「さぁ!ふたりの一騎討ちだ!勝つのはどっちだー!?」

響「行け!トラ雄!頑張れ!」

シャーッ!

電池くん「おおっとさらにスピードが加速しました!」

電池くん「速いです!○×クイズのお嬢さんを引き離していきます!

響「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」

ゴォォォォル!

電池くん「今ゴールしました!勝ったのはポニーテールのお嬢さんです!」

響「やったぞトラ雄!優勝だぞ!」

貴音「響...誠に素晴らしい走りでした」

貴音「おめでとうございます」

響「うんっ!ありがとう貴音!」

電池くん「それでは、優勝したお嬢さんにはこちらをプレゼントします!」

響「えっ?何か貰えるのか!?」

電池くん「はい、おめでとうございます!優勝商品の......」

電池くん「電池1年分です!」

ワー!ワー!

響「.........」

電池くん「1日2本使うとしまして、730本の単3電池をプレゼントします!」

響「え、えぇー.........」

電池くん「みんな、今日の電池フェスタはどうでしたか?」

ワー!ワー!

電池くん「ありがとうございます!それでは、これにて閉幕です!」

電池くん「それではみんな、また次回の電池フェスタで合おうねー!」

キャー...ワー......

響「......」

ドサァッ...

響「これ......どうやって持って帰るんだ......?」

貴音「響、わたくしも手伝いましょう」

響「うん...ありがとう...」

バタン

ブロロロロ......

響「はぁ......結局タクシーで帰ってきたぞ」

貴音「これで当分電池には困りませんね」

響「うん...ありがとな、貴音」

響「わざわざ手伝ってくれて」

貴音「構いませんよ、それにもう夜も遅いですから」

響「うん......帰ってくるまでにもう夜中になっちゃったぞ」

響「もう遅いし、泊まっていけばいいさー」

貴音「では、お言葉に甘えましてお世話になります」

響「わざわざ部屋まで運ぶの手伝ってくれたし、これぐらい当然だぞ」

貴音「ありがとうございます」

貴音「......ところで響、ひとつ気になったのですが」

響「えっ?」

貴音「先程から持っております、それは......?」

響「ああ、これ......?」

響「ポッキーだぞ」

貴音「ぽっきぃ......」

響「うん、お菓子」

響「そうだ......これ、貴音にあげる」

貴音「おや、よろしいのですか?」

響「うん、もう日付も変わっちゃったし...自分にはもう必要ないさー」

貴音「日付......?」

貴音「日付が変わったら、何か都合の悪いことがあるのですか?」

響「ううん、なんでもないぞ」

貴音「......」

貴音「では、ありがたく頂戴します」

響「うん、どうぞ」

貴音「.........」

ポリポリ

貴音「.........」

貴音「.........響」

響「ん?」

貴音「わたくしだけでは食べきれません」

響「えっ...貴音が食べきれない?」

貴音「はい、ですからふたりで半分に分けて頂きませんか?」

響「うーん...まあ、いいけど」

貴音「それでは早速...えい」

ズムッ

響「むうっ!な、なにするんだ貴音!」

貴音「響の口にぽっきぃを刺しております」

響「そ、そうじゃなくて!なんでそんなことするのかって聞いてるんだぞ!」

貴音「何故......?決まってるではありませんか」

貴音「ぽっきぃげぇむですよ、響」ニヤァ

響「!!!」

響「た、貴音!なんでその言葉知ってるんだ!」

貴音「わたくしは一度も知らないとはおっしゃっていませんよ?」

響「......だ、騙したのか!貴音」

貴音「響、確かに11月11日は電池の日でもあり、ぽっきぃの日でもあります」

貴音「実際、響は昨日ぽっきぃをわたくしと頂こうとしておりましたが......」

貴音「具体的には何をしようとしたのですか?」

響「な、何って......」

響「貴音と一緒にただポッキーを食べようかなって......」

貴音「それだけですか?」

響「うっ......その」

響「で、できれば......その」

響「貴音とポッキーゲームがしたいなーって思ってたさー......」

貴音「やはり......そうでしたか」

貴音「しかし響、よく考えてみてください」

貴音「11月11日だけで良いのですか?」

響「えっ......?」

貴音「一年に一度だけというのは、余りにも少ないとは思いませんか?」

貴音「わたくしは、毎日でも響とぽっきぃげぇむがしたいというのに......!」

響「うえぇっ!ど、どういう意味さー!」

貴音「言葉通りの意味ですよ」

響「ちょっ、貴音......!」

貴音「えい」

ブスッ

響「むっ!ま、また!」

響「や、やめるひゃー」

貴音「でしたらぽっきぃを口から離せばよいではありませんか」

貴音「2本も加えたままで......涎も垂れておりますよ」

貴音「でも、響は離そうとはしない」

貴音「本当は、響も期待してるのではありませんか?」

響「!!!」

貴音「ふふっ、わたくしの勘はあたるのですよ」

響「た、たふぁね......」

貴音「響、11月11日は電池の日と、ぽっきぃの日でしたが...」

貴音「今日からはわたくしと響のぽっきぃ記念日です」

響「......?」

貴音「今日から毎日、響とこうしてぽっきぃげぇむをするのです」

貴音「来年の、11月10日まで」

響「!!!」

貴音「これで一年間、たっぷり響を味わう事が出来ますね」

響「た、たふぁね......!」

貴音「ふふっ、逃げられはしませんよ?」

貴音「それでは、記念すべき一日目です」パクッ

響「ん、んんー!」

貴音「あ、そうでした」パッ

響「......も、もしかして考え直してくれたのか?」

響「そ、そうだぞ!もっと自分と貴音は...」

響「そ、その健全なお付きあいというか」

貴音「来年の11月12日以降はわたくしと響のぷりっつ記念日になります」

響「ち、ちょっ!」

貴音「それでは、あむっ」

響「んむぁぁぁ!もうポッキー何ていやだぞぉぉぉ!!」

おしまい★

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