【安価】男「"フラグ・ゲッター"……これが、俺の能力」(90)

頭が痛い……!

俺はつい先ほどまで一人さびしく便所飯をしていたはず……

なんだ、一体何が起こったというんだ?なにかが俺の頭の中に響いてくる……!

これは――


?「やっほー!はじめまして!わたしの"マスター様"!」


男「女の、声……?」


?「あれれ~?何もそんな怯えた声出さなくてもいいじゃない!つれないなあ~」


男「う、うるさい!一体何者なんだお前はッ!?」

?「もぅ、わかったよ!説明すればいいんでしょ?説明すれば……」


男「そうだ!さっさとしろ!」


?「はいはい……じゃあ簡単に言うとね」


?「あなたは、あと一ヶ月で死にます!」


男「………あ?」


いきなり何言ってんだこいつ?


?「あなたの能力"フラグ・ゲッター"……どんな物もフラグに変えてしまう力、それは良い物から悪い物まで様々です」


?「心して聞いてね?実は昨日あなたに死亡フラグが立っちゃったんだよ」

?「心当たりないかな?あなたの最近の食生活……揚げ物が多かったでしょ?」


?「だから残念なことにあなたは一ヶ月後に心筋梗塞で突然死する予定です……ちーん」


男「…………」


男「は?」


女の意味不明な言葉に対して俺は金魚のように口をポカーンと開けることしかできなかった

普段の俺なら笑い飛ばしているところだ

だが――


男(言われてみればたしかに最近の食生活……偏ってたよなあ)


俺自身決して心当たりがないわけでもなかった……

?「でもね!そんな暗い顔する必要はないんだよ?まだあなたが助かる方法は残されてるから!」


男「は?」


?「その方法を教えるためにわたしがこうやってあなたの中に現れたんだよ!えっへん!」


男「…………」


自信満々と言った様子の女の声が聞こえてくる

ちょっとうざいが、まあここは一つ黙って聞いてやるとしよう

俺は器の大きい男だからな

?「あなたが助かる方法は一つ!それは周りの人を幸せにしてあげることです!」


男「幸せに……?」


?「そう!あなたの能力は他の人に対しても使うことができるすごい能力!つまり……」


?「あなたがフラグを立てることによって周りの人を幸せにすることができるんだよっ!」


?「人を幸せにすればあなた自身にも幸せが返って来る……そういうシステムなのです!えっへん!」


男「…………」


男「でも、待てよ?」


一つだけ、気になったことがあった

それは――

男「俺の能力"フラグ・ゲッター"によって人の運命を変えることができるなら……」


男「人を幸せにするのとは逆に……人を不幸にさせることもまた可能なんじゃないのか?」


?「…………」


?「それはあなたの頑張り次第といったところだね!」


男「…………」


男「はあ、そうですか……」


これはなかなかややこしいことになってしまった……

面倒くせえ……

?「けど、今みたいに一人で便所飯なんてしてたら……不幸になる一方だよね~」


男「うっ!」


?「もっと人との繋がりを持ちなよ!友達を作りなよ!死にたくないんでしょ?」


男「むむむ……」


悔しいがこいつの言っていることは正論だ

だから――


男「わかったよ……やればいいんだろ?やれば」


?「素直じゃないな~」


とりあえず頑張るしかないだろう

俺がこれから先の人生を生きて行くためには

男「ところでさ……」


?「ん?」


男「お前の名前、なんて言うんだよ?」


?「えへへ!ひょっとしてわたしのこと気になってるのかな~?」


男「違うわボケ!」


?「まあまあ、でもねわたしの名前はね……」


?「ちゃんとしたものは、決まってないの……」


男「え?」

?「わたしはあなたの中に存在する意識だけの存在……だから言ってしまえば名前なんて必要ないんだよ」


?「誰かに名前を呼ばれることなんてこれから先も二度とないだろうからね……」


そう呟いた女の声は少しだけ寂しそうな感じがした……


男「…………」


男「じゃあさ、俺が考えてやるよ……お前の名前」


?「えっ?」


そんな俺の言葉に女は驚いたような声を上げる

だが、俺はそれを気に留めないでそのまま続ける――

男「いいか?耳の穴かっぽじってよく聞いておけよ?お前の名前は……」


息を勢いよく吸い込んだあと俺ははっきりと口にした


こいつの名前は――


1、女

2、妖精

3、お前には名前なんて必要ない

4、自由安価


安価>>12

コギト・エル・ゴスムよりエル

男「お前の名前は……エルだ!」


エル「あ……かわいい でもなんでその名前を?」


男「簡単なことだ 『コギト・エル・ゴスム』という言葉から引っ張ってきた だからエル」


エル「……なに、それ?」


男「日本語に訳すと『我思う故に我あり』という言葉になる 俺の人生の先輩デカルトさんのお言葉だ!どうだ?かっこいいだろ?」


エル「ごめん、聞いたわたしが馬鹿だったよ……」


エルは深い溜め息をついたあとそんなことを言った


男「何故だ?何故わからんっ!」


こいつにはどうしてこのロマンが分からないのか?

俺には理解できなかった……

エル「とりあえずトイレから出よ?というか気持ち悪くないのかな?こんなところでお昼ご飯なんて……」


男「俺だって最初の頃は抵抗があったさ でも慣れたら意外といけるもんだぜ?」


エル「前から思ってたけど……あなたって実は変人?」


男「は?なんでそうなるんだよ」


いきなり失礼なやつだな、こいつは

礼儀を知らないとはまさにこのことだ

エル「どおりで友達がいないワケだよ……」


エルは小声でボソッと囁いた


男「え?」


俺はとっさに聞き返したが――


エル「なんでもないよ」


返ってきたのはそんな言葉だった

なんだよ、気になるじゃねえか……

男「さて、どうするかね?」


トイレから出た後は考え込んだ――


1、次の授業に備えて教室に戻る

2、屋上に行こう

3、意味もなく中庭へ

4、自由安価


安価>>19

4
これからのエルとの会話は、原稿用紙もしくはメモ帳にまとめておく

エル「はい!それでどこに行くか決めたの?」


男「まあ、そう焦んなよ」


言いながら俺はポケットの中からシャーペンとメモ帳を取り出す

エルはそんな俺の様子に呆れたような声を出した……


エル「あれれ?なにやってんのかなあ?あなたは……」


男「あ、気にしないで続けてくれ!こうしてまとめてるだけだから」


エル「……一応聞いておくけど、なんでかな?」


男「お前との会話の中に重要な情報が含まれてるかもしれない だから、忘れないように内容を書き留めておくんだよ」


エル「ず、随分と慎重なんだね……あなたは」


男「決まってんだろ!これは俺の生死に関わる問題だからな!」


エル「はあああああああ……」


なんだろう?

どうしてかエルは深いため息をついた

エル「とりあえずこれからどうするの?早く人との繋がりを探さないとダメだよ?時間は限られてるんだから!」


男「そうだな」


あまりモタモタしてはいられない

とりあえず俺は――


1、教室へ向かう

2、今日は授業をサボろう

3、腹減ったな……

4、自由安価


安価>>23

エル「とりあえずこれからどうするの?早く人との繋がりを探さないとダメだよ?時間は限られてるんだから!」


男「そうだな」


あまりモタモタしてはいられない

とりあえず俺は――


1、教室へ向かう

2、今日は授業をサボろう

3、腹減ったな……

4、自由安価


安価>>23

やべ、連投だお

安価>>25

4
ボランティア団体に就職しよう

男「ボランティア団体に就職しよう!」


エル「おお、ようやくまともな意見g……ってちょい待ち!!ちょい待ち!!」


男「~~~~~~~ッ!!」


エルの声が頭の中でキンキンと響き渡っている

なんだよ、突然大声あげるなよ……

うるせえじゃねえか……


エル「ボランティア活動自体はいいことだよ!うん!」


男「なら、問題ないじゃねえか?」


エル「だけど就職するのはやりすぎじゃないかな~?常識的に考えて……」

男「は、何言ってんだよ?」


男「やるからには本気でやらないとダメだろ?俺は中途半端が嫌いなんだ」


エル「っていうか、あなた学生でしょ!もうちょっと自分の将来のことは真剣に考えなさいっ!」


男「わけわかんねえよ……」


こいつは何が気に入らないってんだよ

俺はこんなにも真剣だってのに……

エル「まあ、ボランティア活動がしたいなら生徒会の人に聞いてみたら?」


エルは不満顔の俺を無視してそんなことを言う


男「生徒会か……」


悪くないな……

もしかしたらボランティア活動の詳しい日程を教えてもらえるかもしれない

色々とゴタゴタが続いたがようやくなんとかなりそうだ

そして、俺たちは生徒会室へ向かうことにした

男「すいませーん」


俺は軽い調子で生徒会のドアをノックする

だが、反応が返って来ることはなかった……


エル「うーん……中に誰もいないのかな?」


男「いや、そうでもないらしいぞ」


ドアノブにを回してみると特にひっかかることもなかった

どうやらカギは開いてるらしい

男「さて、どうするかね?」


俺は――


1、遠慮なく入る

2、もう一度確認

3、自由安価


安価>>31

2

男「すいませーん!」


俺はさっきより大きめの声とともにドアを強めに叩いた

すると――


?「……なんですか?」


少し遅れて上級生と思われる女の先輩が出てきた

その黒色の髪は床に届きそうなほどに長いが、サラサラとしている

どうやら丁寧に手入れをしているようだ

そして――


男「綺麗だ……」


キリッとした鋭い眼光、そして高く整った鼻筋……

間違いなく美人の部類に入りそうな人だ

俺がその先輩をじっくりと観察していると――


エル「コラ!鼻の下伸ばしてる場合じゃないでしょ!」


男「……るせえなあ」


エルが俺をたしなめてくる

やかましい……

?「あの先ほどからお一人で何を……」


男「あ」


気がつけば俺は訝しげな視線を送られていた


男(そういえば他の人にはエルの声は聞こえないんだったな……)


俺としたことがうっかりとしていた

いけないいけない!

これからは気をつけないと……

男「実はちょっと聞きたいことがありまして……」


?「はい、なんでしょう?」


男「えっと……」


1、ボランティア活動のこと

2、生徒会のこと

3、バストのサイズ

4、自由安価


安価>>36

1

男「ボランティア活動の詳しい日程とか……教えていただけませんかね?」


?「ボランティア……活動」


?「…………」


一瞬の間のあと――


?「わかりました、どうぞ入ってください」


女の先輩はドアを開いて俺を生徒会室の中へと入れてくれた

?「どうぞ椅子に腰をかけてお待ちください」


男「ありがとうございます」


そう言って女の先輩は奥の机への方へと歩いて行く

机の上は資料と思われる紙の束でいっぱいに溢れかえっていた


男「うーん……」


そして、手持無沙汰になった俺は生徒会室の中をキョロキョロと見回してみる

コーヒーメーカーと白色のスチールロッカー……

目についたのはそれぐらいか

エル「あの人以外……誰もいないのかな?」


エルがふとそんなことを俺に向かって尋ねてくる


男(そういえば……)


生徒会室の中にはあの女の先輩以外の姿が見当たらなかった

でもまあ、昼休みなのだからそれも普通なのかもしれない

きっと放課後になれば集まるんだろう

俺がそんなことを考えた時――


?「どうぞ、こちらです」


いつの間にか俺の目の前には先輩がいた

その手には一枚の紙がある

?「こちらをご覧になると分かりますが、来月の13日に近所の公園で行う予定です」


男「ほうほう……」


来月の13日かあ……

その日は特に予定は入ってないだろうから問題ないかな?


男「いいですね、それじゃあ……」


そして俺が参加する意思を示そうとしたその時だった――

エル「ちょっと待った!!」


男「うおっ!!」


エルがまたもや大きな声をあげる


男(なんだよ?しつけえな)


エル「いい?今からわたしの質問に答えてね!」


男(は?なんだよ藪から棒に……)


エル「いいから!では第一問、今日は何日ですか?」


有無を言わさずにエルは質問を始めた

どうやら従うしかなさそうだ……

男(えっと、たしか……2日だったよな?)


エル「正解!では第二問、ボランティアの日は何日ですか?」


男(何言ってんだよ馬鹿じゃねえのか?そんなの……)


そして、エルの質問に答えようとした俺だったが――


男「あ!!」


一つの問題点に気がついてしまった……


エル「どうやら気がついたみたいだね」


男「しまった……」


来月の13日、俺は既に死んでるじゃねえか……

エル「あなたがボランティアに参加するのは勝手だよ?」


エル「だけど、それよりも先に死んじゃったら意味ないんじゃないかな?」


男「…………」


俺は黙り込むことしかできなかった

一ヶ月……

それは俺が思ってるよりもずっと短かった

そんな時――


?「あの、何やら顔色が優れない様子ですけど……」


男「え、あ……」


先輩が俺の顔を心配そうな様子で覗き込んでいた

多分今の俺の顔は相当に青ざめているんだろう……

男「大丈夫です、大丈夫ですから……」


俺は両手を忙しなく振って答えた


?「…………」


?「そうですか?」


そんな俺の様子に彼女は一応納得してくれたみたいだ

出来る限り他の人は巻き込みたくない

巻き込んでは、いけない……

これは俺自身の問題なんだから

だが――


エル「いけないな~そんな考え方」


そんな俺にエルは不満そうな声色だった


エル「あなたは人と交わらなきゃいけないんだよ?今からそんな後ろ向きな考え方でどうするのさ!」


男(でも……)


エル「なにもボランティアだけじゃないでしょ?」


エル「もっと色んな視点から物事を見てみなよ!それでも分からないなら、わたしも一緒に考えるから!」


エル「だから諦めちゃダメ、だよ……」


男(エル……)

男(そう、だよな……)


まだやり残したことだってたくさんある

これからやってみたいことだってたくさんある

だから――


男(こんなわけの分からない理由で、死んでたまるかよ!)


俺は生きなくちゃいけない

なによりも俺自身のこれからのために


男「あのっ!」


そして、俺は先輩の方へと向き直った


?「……はい?」


先輩はキョトンとした様子で俺の方を見つめる

だが、俺は気にせずに続ける――

男「…………」


今の俺に出来そうなこと……それは――


1、生徒会の手伝い

2、とりあえず先輩にいい案を考えてもらう

3、考えたが何も思いつかなかった……

4、自由安価


安価>>49

1

男「俺でよかったら生徒会の仕事手伝わせてください!」


?「え?」


男「どんな雑用でもいいんで……お願いします!」


必死の懇願……

そして、俺は深々と頭を下げる


?「あなた……何を?」


先輩の顔は見えないがきっと戸惑っているに違いない

俺自身だって驚いているんだからな

だって――

男「お願いします!」


今までは消極的な生き方しか送って来なかった俺

だが、その裏にはこんなにも行動力が隠されていたとは……

死ぬ気になれば人は嫌でも変わるんだな


男「…………」


?「…………」


その場には少しの間冷たい静寂が訪れる

そして――


?「…………」


?「……それは、認められません」


先輩はそんな言葉を返した


男「え?」


?「よろしいですか?現在のままでも特に業務には差し支えはありません」


?「それにわたくしには生徒会を任されている責任というものがあります」


?「……ですから、軽々しく他の生徒に任せるわけにはいかないのです」


男「でも……」


俺がそれに対して反論しようとしたその時――


男「あ」


予鈴の音が聞こえる

それは昼休み終了の五分前を伝える合図だった……

?「さあ、戻りなさい?遅刻してしまいますよ」


男「…………」


俺は――


1、おとなしく従う

2、諦めない

3、自由安価


安価>>54

まぁまだ最初の方だ
1

男「わかりました」


そして、俺はゆっくりと腰を上げて入り口へと向かう

だが――


男「俺、明日も来ますから」


?「…………」


?「早く、出て行ってください」


俺の背中にはそんな先輩の言葉が突き刺さる

口調こそは冷たいが、どうしてだろう?

俺にはそれがどこか痛々しいようにも聞こえた……

エル「うーん……」


生徒会室から出たあとの俺は駆け足で教室に向かっていた

エルは何故か考え込むような声をあげているがどうしたのだろう?

とりあえず尋ねてみることにしようか


男(どうしたんだよ、なに悩んでんだよ?)


エル「あのね、おかしいと思わない?」


男(おかしい……?)


エル「だってさ、思いだしてよあのゴチャゴチャとした机の上……」


男「え?」


エルに指摘された俺はプリントの山で溢れかえった机を思いだす……

一体それがどうしたというのだろうか?

エル「あのね、わたし、思ったんだ……あの人嘘ついてるんじゃないかなって」


男「……は?」


いきなり何を言いだしてんだよ、こいつは?

それに――


男「あの机とどう関係があるってんだよ 冗談もほどほどにしやがれ」


エル「ひどいな~、もぅ!わたしはいつだって真剣だよっ!それにね!」


エル「考えても見てよ!あんな汚い机の上でまともに作業なんか出来ると思う?」


男「それは……」


どうなんだろう?

頑張れば出来そうな感じはするが……

エル「まあ、絶対とは言いきれないけどその可能性もあるんだってこと忘れないでね?」


男「なるほど」


そして、俺はすかさずメモ帳を取り出し――


・生徒会室の汚い机


忘れないようにそう書き足した


エル「へ、変なところで几帳面だなあ……」


男「いいじゃねえか やっておいて損はないだろ?」


エル「まあ、そうだけど……」


エルはごにょごにょと何やら呟いている

言いたいことがあるならはっきり言えよ

先生「であるからして……」


男「…………」


そして、午後の授業……

5限目は日本史の授業だった

俺はシャーペンの蓋の部分を口に咥えてボーっとしていた


エル「あなたねえ……ノート何も書いてないじゃない……」


男(るせえなあ)


エルがそんな俺に対して説教をかましてくる

はっきり言って余計なお世話だ


男(俺は少しずつ書くより、あとから一気にまとめて書き込む派なんだよ)


だから文句は言わせない

しかし、そんな時だった――

先生「よっこらせ」


男「あ」


おい、ちょっと待て!ふざけんな!

変なタイミングで黒板の文字が消されていく

俺と同じことを考えているやつがいたのだろうか……

周りから怨嗟のうめき声が聞こえる


エル「自業自得……」


男「うっ!」


何も言い返せないのが悔しい……!

だが――


エル「でもさあ、考えようによってはこれもいい機会かも!」


エルはふとそんなことを口にした

エル「せっかくだから誰かにノート見せてもらいなよ!」


男「…………」


俺は――


1、嫌だと言う

2、隣の席の女子に見せてもらう

3、前の席の男子に見せてもらう

4、あとで委員長に見せてもらう

5、自由安価


安価>>62

4

とりあえず今日はここまでです
また明日も来ます

始めるおっおっ

男(委員長に見せてもらおう!)


エル「委員長って……あの頭のネジが一本外れたような子?」


男(失礼だな……まあ、間違ってはいないけど)


だが、その例えは適切だとは言えない……

どちらかというとただお人よしすぎるだけって気がするけどな!


男(おっと!そんなことよりも……)

男(……俺は、寝る!)


エル「あ、ちょっと!!ちょっと!!」


机の上に突っ伏した俺の姿に対してエルがやかましく騒ぎ立てる

だが――


男(おやすみ……)


俺は動じることなく深いまどろみの中へと落ちて行った……

そして授業が終わり、つかの間の休み時間に入る……


男「さて、そろそろ行くとするか」


俺がチラリと委員長の座っている席を眺めてみると――


委員長「ふわぁ……」


大きな口を開けてだらしなくあくびをしている

相変わらず間抜けな顔つきをしているので安心した

ちなみに言っておくとこれは褒め言葉だ

男「さて、どうするかね?」


俺は――


1、ここは普通に頼む

2、背後から脅かしてみる

3、やっぱり頼むのはやめる

4、自由安価


安価>>69

家に帰った

男「よし!」


ここは普通に頼んでみることにしよう!

そして、俺は席を立ちあがり委員長に声をかけようとしたが――


委員長「よいしょっ……」


彼女は学生鞄をかついでさっさと教室を出て行ってしまった……


男「…………」


残されたのはその場に呆然と立ち尽くしている俺の姿……


エル「ちょっと!!委員長帰っちゃったみたいだよ~!どうするの~!?」


男「いや、そんなこと言われても……」


どうしようもねえだろ……

男「さて、どうするかね?」


委員長が家に帰ってしまったので俺は――


1、委員長のあとを追いかける

2、やっぱり他のやつに頼む

3、ノートのことは諦める

4、自由安価


安価>>72

どうせ断られそうだが1

男「追いかけるか」


ノートを見せてもらうだけだからな

あのお人よしの委員長のことだ

人の頼みごとを断るなんてまずあり得ないだろ


エル「あなた、地味にひどいこと言ってないかな~……」


男(は?なに言ってんだよ 俺は褒めてるんだよ)


エル「しかも自覚がないときた……」


男「…………」


まあ、外野がごちゃごちゃとうるさいが無視することにしよう

男「さてと……」


俺は駆け足で委員長の元へと急ぐことにした

しばらくするとすぐにその背中は見えてきた

歩くスピードも性格と同じでのんびりとしているな


男「委員長っ!」


委員長「ふわぁっ!」


俺が軽い調子で肩をポンと叩いてやると委員長はビクッと体を震わせた

まるで小動物みたいだな……

委員長「おとこ……くん?」


委員長は俺のことを上目遣いに見つめてくる

その目はちょっとだけ潤んでた


委員長「うぅぅ、ひどいよぉ……いきなりひどいことするんだもん!びっくりしたよぉ!」


男「ごめん、委員長を見てるとつい……」


委員長「ああ~!おとこくん!ぜったいにわたしのこと馬鹿にしてるぅ!」


男「ははは……」


委員長には、ちょっと刺激が強すぎたかな?

男「ところで、今日は珍しく早退か?」


委員長「う、うん……家の用事でちょっとね」


男「ふーん……」


家の用事か

学校を休まないといけないぐらい大事なことなんだろう

突っ込んだことを聞くのはやめておこうか


委員長「それでどうしたの、なにかわたしに用事?」

男「うん、さっきの日本史のノート取り忘れちゃって……」


委員長「ああ~!ダメですよ~?授業はしっかり聞いておかないと!」


男「うっ!」


俺の授業態度についてしっかりと釘をさしてくる

真面目な性格の委員長らしい……

ここはおとなしく従っておこう


男「わ、わかった……次からはしっかりと聞いておくよ」


委員長「…………」


委員長「うん、よろしいっ」


俺の戸惑ってる顔を見て委員長は楽しそうに笑った

ひょっとしてさっきの仕返しのつもりなのだろうか?

委員長「じゃあ……」


言いながら委員長は鞄の中をごそごそと漁る

そして――


委員長「はい、これ!」


男「え?」


俺の目の前に一冊のノートを差し出してくる……


委員長「いいですか?明日にはちゃんと返してくださいね?」


男「あ」


やっぱり委員長は優しかった

委員長「それじゃあ、わたしはこれで帰るからね」


委員長「あ、それとおとこくん!」


俺に背を向けて歩き出そうとした委員長は思いだしたようにこちらを振り返る

そして――


委員長「6限目は、眠っちゃダメですよ?」


男「…………」


男「お、おう」


やっぱり委員長は真面目だった

エル「それにしても結構仲良くやってるみたいじゃない!感心感心!」


6限目の途中……

エルは上機嫌といった様子で俺に話しかける

だが――


男(いや、そうでもないぜ)


エル「え?」


男(委員長は誰にでも優しいからな……)


もちろん『誰にでも』の中には俺だって含まれている

エル「うーん……そうなのかなあ……」


そんな俺の言葉にどうやらエルは煮え切らない様子だった


男(まあ、今はそんなことよりも……)


ついさっき委員長に言われたように今は授業に集中することにしよう

それからの俺は教科書とにらめっこする作業に戻ることにした

だけど――


男(なんだよ、この見覚えのない文字列は……)


どうやら今までサボってきたツケが回ってきたらしい

俺の頭は既にオーバーヒート寸前だった……

担任「今日のHRはここまで!お前ら寄り道すんなよー!」


赤色ジャージ姿の担任の声とともに生徒は散り散りに散らばって行く

あっという間に放課後がやってきた


部活動に勤しむ者……

教室で友人と駄弁っている者……

そのまま家に帰る者……

それは様々だった

そんな中で俺は――


男「さて、どうするかね?」


1、部活動見学へ行く

2、生徒会室へ行く

3、屋上へ行く

4、まっすぐ帰る

5、自由安価


安価>>84

1

男「部活動見学!」


これはなかなかにいいアイディアじゃないか?

部活だったら人もいっぱい集まるだろうし


エル「でも、あなたって今二年生なんだよね?]


男(なんだよ?なんか言いたいことがあんのかよ)


エル「いい案だと思うよ!でもね……」


エル「入るなら文化部の方がいいと思うな~、わたし」


男「え?」

エル「運動部だったらね!練習や大会とかが多くてついていけなくなるでしょ?」


男「あ」


そうか

考えてみれば確かにそうだよな

だって、こんな中途半端な時期に入部するんだから……


エル「だからね、どうせやるんだったら長続きしそうな方がいいと思うの!」


エル「……まあ、最終的にはあなたが決めることだけどね!」


男「…………」


これは慎重に決める必要があるな

男「むむむ……」


俺が見学するのは――


1、茶華道部

2、軽音楽部

3、エクストリーム同好会

4、陸上部

5、自由安価


安価>>88

パソコン文学(実質ラノベ)部

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