ほむら「鹿目さんとの出会いを…」ドラえもん「人生やり直し機!」(231)

ほむら「え……な、なに?」

QB「話の途中だよ」

ドラえもん「僕はドラえもん、22世紀からやってきたネコ型ロボットだよ」

ドラえもん「ほむらちゃん、君を助けるためにやってきたんだ」

ほむら「22世紀って未来から私を?」

ドラえもん「そう。将来君は就職に困り会社を設立するんだ」

ドラえもん「けれどその会社は倒産、莫大な借金を子供が背負うことになる」

ドラえもん「それで子孫のセワシ君のお年玉が50円になってしまって、その未来を変えるために君に会いに来たんだ」

ほむら「……それ、本当に未来の私がそうなるの?」

ドラえもん「タイムテレビで一緒にほむらちゃんの将来を見てみる?」

ほむら「ううんっ……借金生活なんて見たくないからいい」

ほむら「でも、子孫がいるってことは私もちゃんと結婚して子供ができてるんだ」

ドラえもん「子供は精子バンクに無理言ったみたいで生涯独身だったらしいよ」

ほむら「あ……そ、そう」

ドラえもん「それでほむらちゃんは過去に戻りたいんでしょ、その鹿目さんって子と出会いなおすために」

ほむら「う、うん。できるの?」

ドラえもん「普通にタイムマシンで戻ったら過去の君とぶつかってしまうからね、この道具で」

ほむら「じゃあ、お願いドラえもん」

タイムマシンとかあるだろう…

ドラえもん「ならまずこれを頭につけて……」

QB「ちょ、ちょっと待ってよ。ほむらは僕と契約するんじゃなかったの」

ほむら「そうだけど……」

ドラえもん「戻る時期はどうする?いつでもいいよ」

ほむら「あ、だったら小学生くらいの頃からやり直すことってできる?」

ドラえもん「大丈夫だよ、それじゃあ3年くらい前に合わせて……」

シュンッ


―――


「…というわけでありまして」

ほむら(……あ、あれ)

ほむら(教室?でもみんな私服だし体も……)

先生「では暁美さん、輸出が輸入を上回ることで起きる問題を何と言いますか」

ほむら「え、えっと」

ほむら(そうだ。ここ、私が通ってた小学校だ)

ほむら「貿易摩擦です」

先生「はい、そうですね。サウジアラビアでは……」

ほむら(先生もあの時と同じ担任)

ほむら(私の体も少し小さくなってるかな)

ほむら(私、過去に戻ってきたんだ)

―――放課後、自宅


ほむら(退院してそのまま見滝原だったし)

ほむら(東京の我が家、少し懐かしいな)

ほむら「ただいま」

ほむら母「おかえりなさいほむら、冷蔵庫におやつのケーキがあるザマスよ」

ほむら「ありがとうお母さん」

ドラえもん「僕は先にいただいてるよ」モグモグ

ほむら「ド、ドラえもん!?何でうちに」

ほむら母「今日からうちに泊まることになったザマス、ほむらも仲良くしてほしいザマス」

ドラえもん「元々僕は君の将来を変える目的で来たからね、このほうがいいでしょ」

ほむら「それはそうだけど……」

ほむら「でもよくお母さんが許可したね、うちペットとかも嫌がってるのに」

ドラえもん「このやどり木をほむらちゃんの家の前に置いたんだよ」

ドラえもん「これで僕はほむらちゃんの家に寝泊まりできるし、食事ももらえる」

ドラえもん「それより過去に戻った感じはどう?」

ほむら「体育は不安だけど勉強は大丈夫かな」

ドラえもん「記憶や身体能力は中学2年のときのままだからね。心臓の病気の心配も無いよ」

ドラえもん「これからほむらちゃんが伸ばしたいものを頑張るといい」

ほむら「そうだね、折角過去に戻ったんだもんね」

―――数日後


ほむら「そういえばドラえもんはどうしてあのタイミングでやってきたの」

ドラえもん「ほむらちゃんの人生の転機を調べて選んだのだけど、何か変だった?」

ほむら「あの数時間前に大変なことがあったの」

ほむら「折角未来から来るならあと一日早ければ…」

ドラえもん「なら人生やり直し機の設定を変える?」

ほむら「それも……ちょっと考えちゃうなあ」

ほむら「今の私があの時に戻っても……」

ほむかーちゃんについては確かに何も情報がないがこの語尾はないだろう・・・
まあおもしろいから許す

ほむら「…ちなみにドラえもんはタイムマシンを使って未来から来たの?」

ドラえもん「そうだよ」

ほむら「なら、他に未来から持ってきた道具はある?」

ドラえもん「たくさんあるよ、半分くらいはレンタルだけど」

ほむら「じゃあ、空を飛べるようになる道具とか…」

ドラえもん「はい、タケコプター!」

ほむら「……この小さいプロペラで人が飛べるの?」

ドラえもん「重力を無効化するからね、体の部位に付けても引っ張られる感覚はないよ」

ほむら「えっと……こう?」ギュルルル

ドラえもん「あ、家の中でやっちゃだめ!」

ほむら「え、きゃ!」ビュンッ

ガン!

ドサッ

ドラえもん「天井がへこんだね」

ほむら「いたいよお……」

ドラえもん「こういうのは外でやらなきゃ」

ほむら「うう……他にはどんなのがあるの」

ドラえもん「物を呼び出したり、形を変えたりするのと、遠くに一瞬で移動する道具と……」

ほむら「!その移動する道具今出せる?」

ドラえもん「出せるよ……よっと、どこでもドアー!」

ほむら「これを使って見滝原に行けないかな。私、鹿目さんに会いたい」

ドラえもん「もちろんいけるよ、地球上じゃなくても大丈夫だしね。今すぐ行く?」

ほむら「うんっ」ガチャ


―――見滝原


ドラえもん「ちなみにその子の家はどこにあるの」

ほむら「家は……わからないなあ」

ドラえもん「通っていた小学校は?」

ほむら「それも、ごめん……」

ドラえもん「よし……たずね人ステッキー!」

ドラえもん「鹿目まどかちゃんは……」コトン

ほむら「そっちの方向にいるの?」

ドラえもん「70%の確率でね」

ほむら「え……」


―――


ほむら「結構歩いてるけど、本当にこっちであってるの?」

ドラえもん「僕たちの運が悪くなければいるはずだよ」

ほむら「不安だなあ」

ドラえもん「ほむらちゃんくじ運とか悪そうだしね」

ほむら「む、それどういう意味……あ、あれ!」

ドラえもん「あそこの二人組?」

ほむら「うん、きっとそうだよ!」

タッタッタッ

ほむら「鹿目さん!!」

なんかわからんががんばってほしい

まどか「え?」クルッ

ほむら「やっぱり鹿目さんだよ!面影も残ってる」

まどか「あ、あの……」

さやか「誰その子、転校する前の学校の友達?」

まどか「ううん知らない子……だと思う。どこかであったことありますか?」

ほむら「あ、えっと私……」

ドラえもん「ちょっとほむらちゃん、相手はほむらちゃんとは初対面なんだから」

ほむら「あ……そうだったね」

さやか「うわ!青いタヌキが喋ってる」

おもしろい

ドラえもん「タヌキじゃなくてネコ型ロボット!」

まどか「ロボット?」

ほむら「えと、私たち東京からやってきたんです」

さやか「東京から?観光にでも来たの」

ほむら「そういうのじゃないんだけど……」

ドラえもん「まだここに来たばかりだから友達になってくれる子を探してたんだよ。ね、ほむらちゃん」

ほむら「そ、そうそう」

さやか「なんだ、そんなことならあたしたちがなってあげるよ。いいでしょ、まどか」

まどか「うん、もちろんだよ」

ほむら「さやかちゃんって……もしかして、あなた美樹さん?」

これで2人と仲良くなれれば

さやか「ん、確かにあたしの名字は美樹だけど…なんで知ってるの?」

まどか「そういえば私の名字も知ってた、鹿目さんって」

さやか「ねえ、どうして。会ったとことないよねあたしたち」

ほむら「あぅ……ド、ドラえもん……」

ドラえもん「仕方ないなあ…」


―――


まどか「さやかちゃん22世紀だってよ!未来から来たんだってこのロボット!」

さやか「つまり、知ってたのは将来その子があたしたちと出会うのをタイムマシンで行って見たからってこと?」

ドラえもん「そういうこと」

ほむら(少し本当の事と違ってない?)

ドラえもん(ほむらちゃんまで未来から来たって言ったら、きっと気を使われちゃうからこれで大丈夫)

ドラえもん(それに、過去に戻ってきた理由はまどかちゃんたちには話せないでしょ)

ほむら(うん……)

ドラえもん「ごめんね驚かせちゃって」

さやか「名前知ってたことより未来から来たってことの方が驚くんだけど」

まどか「……」キラキラ

さやか「できればなんか証拠とかない?そういうの漫画とかでしか聞いたことないし」

ドラえもん「だったら僕たちがここに来るのに使ったどこでもドアを、はい」

さやか「なにこのドア」

ドラえもん「どこでもいいから行きたいところを思い浮かべながら開けてみて」

さやか「んーじゃあアメリカで」

ガチャ

さやか「!?」

まどか「ドアの向こうに自由の女神が見えるよ!」

さやか「景色も壁紙じゃない……本物!」

ドラえもん「どう、信じてくれる?」

さやか「う…うん、わかった」

ドラえもん「じゃあ改めて、僕ドラえもん」

ほむら「あ、暁美ほむらです。よろしくお願いします」

さやか「なんか既に知ってるみたいだけど、あたし美樹さやか」

まどか「私、鹿目まどか」

ほむら「美樹さん、見たときと比べてかなり髪が短かったから最初気付かなくて」

さやか「あーこれね、昔はもうちょっと長かったんだけど。ってことはそのうち戻すのかあたし」

まどか「ねえねえ、もっと未来の道具見せてよ」


―――


さやか「ととっ、おお!あたし飛んでる」

まどか「うーん、さやかちゃんみたいにうまくできない」カタカタ…

さやか「タケコプターをつけて自分が飛ぶ姿を想像するだけで大丈夫だよ」

まどか「これ、取れたりしないか心配で気になっちゃって」

ドラえもん「ほむらちゃんもそんな地面スレスレじゃなくてもっと高く飛んだら?」

ほむら「私、やっぱり怖くてこれ以上は……こうして浮いてるだけでいい」

―――


まどか「このプカリクリームを足に塗って……」

さやか「公園の池の上に……」

ほむら「あ、立てた!」

ドラえもん「本当は全身に塗るんだけど、まだ季節じゃないからね」

さやか「お、走れるよ」パシャパシャ

ドラえもん「足以外は塗ってないから気を付けてね」

さやか「でも水の上は揺れるから、おっとと…」

ほむら「美樹さん危ない!」

さやほむ「あっ」

バシャン!

さやかー!www

―――


さやか「いやあ遊んだ遊んだ」

まどか「もう暗くなってきちゃったね」

ドラえもん「そろそろ家に帰らないと」

ほむら「そうだね、お母さんも夕飯用意してるだろうし」

さやか「ああ、二人の家東京なんだっけ」

まどか「……また、会えるよね?」

ドラえもん「もちろん。遠くてもどこでもドアですぐ来れるからね」

ほむら「鹿目さん、美樹さん、また今度」

まどか「……うん、またね」

さやか「バイバイ二人とも」

―――ほむら宅


ほむら母「ほむら、今日はご機嫌ザマスね」

ほむら「そ、そうかな」

ほむら母「何かいいことでもあったんザマスか?」

ほむら「ちょっと、ね」

ほむら母「その調子でお勉強の方も頑張ってほしいザマス」

ほむら「そっちも期待してて」

ほむら母「頼もしくてお母さんもうれしいザマスよ」

―――学校


ほむら「はぁ、はぁ……」

「暁美さん100m走のタイムまた最下位だよ」

ほむら「そう……はぁ…」

「少し座って休む?」

ほむら「そう、する……うっ」クラッ…

「ちょっと暁美さん大丈夫!?」


―――


ほむら「あ、あのさドラえもん」

ドラえもん「ん?」

ほむら「運動神経が良くなる道具ってない?私、入院生活が長かったから……」

ドラえもん「なら、体を鍛えられるものを貸してあげるよ」

ほむら「そういうのじゃなくて、すぐに効果があるのがいい」

ドラえもん「それじゃダメだよ、他のみんなは何も使ってないんだから」

ほむら「でもっ、半年も入院してたの私くらいだし……」

ドラえもん「その前から体育の成績は良くなかったみたいだけど」

ほむら「だ、だって……元々体弱かったし」

ドラえもん「じゃあこれを機に頑張ってみればいいじゃない」

ほむら「………」

ほむぅ……

これはちょっとダメなパターン

甘やかさないドラえもんは善いドラえもん

ほむら「……そんなの無理だよ、みんなとの差は縮まらない」

ほむら「それに私、魔法少女になるのやめてドラえもんと過去に戻ったんだよ?」

ほむら「魔法少女になっていれば運動で困ることなんて無かった」

ドラえもん「ほむらちゃん?」

ほむら「こんなことなら話なんて聞かずにキュゥべえと契約してればよかった」

ほむら「そうすれば体育だって魔力で補えたし鹿目さんたちと一緒に魔女と戦うことができた」

ほむら「私が今苦しんでるのはドラえもんのせいじゃない!!」

ドラえもん「!」

ドラえもん「……はぁ」

ドラえもん「ちょっと出かけてくるよ」

ほむら「……」

―――


ほむら(もう夜になるけど、帰ってこないな……)

ほむら(まあ、そのうち戻ってくるよね)

ほむら母「ほむら、ご飯ザマスよ」

ほむら「今いく、お母さん」


―――翌日


ほむら(結局昨日は帰ってこなかった……)

ほむら(未来に帰っちゃったのかな)

ほむら(お母さんも心配してるのに……)


―――

ほむら(あれから三日)

ほむら(もしかして、もう帰ってこないんじゃ)

ほむら(ドラえもんがどこに行ったか分かるもの、家に何か……!)

ガサゴソ…

ほむら(何もない……)

ほむら(どこにいるのよ……)

ほむら(もう怒ってないから、帰ってきてよ……)

ウィーン

ほむら「!?な、なにこれ穴が……」

ドラえもん「よっと……」

ほむら「ド、ドラえもん!!」

まあめがほむの頃じゃな・・・
鋼鉄メンタルになってからじゃ遅いしな

ドラえもん「思ったより時間がかかっちゃったかな」

ほむら「ど、どこにいってたの!」

ドラえもん「ちょっと未来に買い物にね」

ほむら「買い物って……なんでこんなに遅かったのよ」

ドラえもん「売り切れてて取り寄せてもらったからね」

ドラえもん「このタイムマシンも、他の時代に行ってた分だけ帰る時間がずれるようになってるし」

ほむら「心配……したんだからっ」

ドラえもん「ごめんごめん。でもはい、デンコーセッカ」

ドラえもん「これを飲めば運動の事は大丈夫だよ、効果も強すぎないのを買ったからね」

ほむら「でも、ドラえもんそういうのは駄目だって……」

ドラえもん「元々僕は君の将来を変えに来たからね、堕落的なのはいけないと思ってたんだ」

ドラえもん「でもほむらちゃんも今まで苦労してきたんだし、他の助けが欲しい時もあるよね」

ドラえもん「それにほむらちゃんの事は僕の責任でもあるから。ごめんね、この間はあんなこと言って」

ほむら「私こそ、わがまま言っちゃって……」

ドラえもん「一応人生やり直し機は元の中学2年生の頃に戻ることもできるけど、どうする?」

ほむら「このままでいいよ。鹿目さんたちとの出会い、これ以上なかったことにしたくない」

ほむら「あと……買ってきてくれて悪いけど、その道具もいい」

どらどら?

ドラえもん「使わないの?」

ほむら「ドラえもんが私のために言ってくれてるんだもん。それに、私も自分を変えたいって思っているから」

ドラえもん「じゃ、これは返品するね」

ほむら「ごめんね、折角買ってきてくれたのに」

ドラえもん「いいって、無駄になるならそれで嬉しいよ」

―――見滝原


ドラえもん「やあ、数日ぶり」

ほむら「こんにちは」

まどか「ほむらちゃんたちと会うの待ち遠しかったよ」

さやか「それで、こないだまどかと話したんだけどさ」

さやか「よかったら今日は二人に見滝原を案内したいんだけど……どうかな」

まどか「私たちの事は知ってても場所の事はまだ詳しくないでしょ?」

ほむら「あ……」

ほむら(ドラえもんどうしよう、私見滝原のことは大体…)

ドラえもん(素直にお願いしておけば?友達と一緒に見て回るのも楽しいでしょ)

ほむら(そうだね)

ほむら「じゃあ、お願いします」

さやか「よしっ任されました!」

まどか「早速駅前の方から見に行こうよ」


―――

さやか「まず、こっちが工場街」

まどか「さやかちゃん、いきなりここ案内するのもどうかと思うんだけど」

さやか「まあよく見える位置にあるからさ」



さやか「ここは知ってると思うけど公園ね」

まどか「奥に行くと中学校があるよ」

ほむら(私たちが通ってたあの学校だね)



―――

さやか「そして、ここがショッピングモールだよ」

まどか「結構大きいでしょ」

ほむら(あの時と出てる店が少し違ってる…)

ほむら「随分人がたくさんいますね」

まどか「今日は日曜だからね、いつもはもう少しすいてるよ」

ドラえもん「少し動きづらいね」

さやか「ドラえもんは横幅広いからねえ」

ドラえもん「む、そうじゃなくてビラとか配ってる人がいるってこと」

さやか「まあ稼ぎ時だからね」

ほむら「あそこにもいるね」

杏子「お願いします……お願いしますっ」サッ

まどか「私たちと同じくらいの子がやってるね」

杏子「あ、そこの人たち。よかったらここに来て」パサ

さやか「ん……なにこれ、お店じゃなくて教会?」

杏子「父さんが説法やってるんだ、時間あったら聞きに来てよ」

さやか「こういうのはちょっとなあ。みんなは興味ある?」

まどか「私もあんまり……」

ほむら「……ごめんなさい」

杏子「じゃあ気が向いた時でいいから、少し見てくれるだけでもうれしいよ」

さやか「なら、その時にでも」

杏子「あたし、佐倉杏子。しばらくここにいるから、用があったら何でもあたしに聞いて」

まどか「うん、ありがとう」


―――


ドラえもん「さっきの子、どう思った?」

さやか「少し、やつれてる感じだったね」

まどか「お父さんの話、聞いてくれる人いるのかな」

さやか「いないからわざわざビラ配ってるんでしょ、書いてある場所も結構離れてるし」

ほむら「それ、コピーじゃなくて手書きですよね、かわいい字」

まどか「あの子が書いたのかな?」

さやか「かもしれないね……こう見てると受け取ってくれてる人、ほとんどいないね」

まどか「うん……」

ドラえもん「…さやかちゃん、案内する場所はまだたくさんある?」

さやか「ん、大体終わったからあとはそんなにないよ」

ドラえもん「じゃあ、僕たちがその教会に行ってみない?」

ほむら「私たちが?」

ドラえもん「もし誰も来てくれていなかったら可哀そうでしょ」

まどか「そうだね、私はそれでもいいよ」

さやか「んじゃそうしますか、ほむらもいい?」

ほむら「はい、いいですよ」

―――教会


杏子父「世の中には金で買えないものもあると言われています、しかし……」

さやか(なんかさ)

まどか(やっぱり人が少ないね)

ほむら(寝ている人もいるし、聞いてる人はほとんどいないみたい……)

杏子父「金がなくして何を守ることができるのでしょう」

さやか(あたし、少し飽きてきちゃったな)

まどか(内容が私たちにはちょっと早かったね)

ドラえもん(もうすぐ終わるから、それまではちゃんと聞いていよう)

杏子父「金がなければ金で買えないものまで失ってしまうのです。富を求めることは決して悪いことでは……」


―――

杏子「御清聴ありがとうございましたー」

杏子「今後のために是非とも皆様のご協力を……あっ!」

タッタッタッ…

杏子「アンタたち、来てくれたんだね」

さやか「まあね、時間もあったし」

杏子「そこの着ぐるみも一緒なんだ」

ドラえもん「着ぐるみって、もしかして僕の事?」

ほむら「ドラえもんは着ぐるみじゃなくてロボットだよ」

杏子「ロボット?へえ、機械仕掛けに見えないものあるんだ」

確かに金がないとどうにもならんよなぁ
物々交換の時代でもないし

あんあん!

さやか「ここって普段もこうやって話をしてるの?」

杏子「ああ、人はもっと少ないけどね」

まどか「そう……なんだ」

杏子「でも今日はアンタたちが来てくれた」

杏子「そこで、だ。今教会は寄付を募っていて……」

杏子父「杏子、折角私の話を聞きに来てくれた人に寄付の催促をするんじゃない」

杏子「違うよ父さん。来てくれたからこそやるんだよ」

杏子父「私たちがすべきことは教えを広めることであって、生活のためにやっているのではないんだぞ」

杏子「そんなこと言ったって、今日の晩飯の分だってまだ……」

まどか「あ、あの」

杏子父「ああ、すまないね。今日は来てくれてありがとう、それじゃ」スタスタ…

杏子「……」

ほむら「えっと……少ないですが、これ」

まどか「私も」

さやか「あたしも、はい」

ドラえもん「僕のも、あまりなくてごめんね」

杏子「……ありがと、みんな」

まどか「さっきの晩御飯の分もって、もしかして……」

杏子「ああ、あれね。貯めてる分がないからこれで今日の晩飯を買いに行くんだ」

杏子「ごめん、教会に寄付なんて言っておきながら生活費なんかに使っちゃって」

さやか「それはいいけど、生活そんなに大変なの?」

杏子「まあね、電気代とかも溜まってるし」

ほむら(ドラえもん、なんとかできないかな)

ドラえもん(まかせて)

>>36
じゃあその時間分だけ過去に行けよwwwwwwwww

ドラえもん「杏子ちゃん、晩御飯僕たちが御馳走するからご家族の人とご一緒させてもらっていいかな」

杏子「アンタが?奢ってくれるならこっちは大歓迎だよ」

ドラえもん「じゃあ用意するから家に上がらせてもらってもいい?」

杏子「ああ、構わないよ」


―――杏子自宅


杏子父「君たちはさっき来てくれていた子たちじゃないか」

杏子「あたしたちに晩飯を奢りたいんだってさ」

杏子母「そんなことさせられないわ、それにこの子たちはまだ子供じゃない」

ドラえもん「気にしないでください、僕たちがしたくてやってるんです」

まどか「食材とか買ってきてないけど大丈夫?」

ドラえもん「大丈夫、グルメテーブルかけー!」

さやか「お、それもしかして」

ドラえもん「杏子ちゃん、これに食べたい料理を言ってみてくれる?」

杏子「食べたいもの?そうだな……ハンバーグ!」

パッ

杏子父「テーブルクロスからハンバーグが出てきたぞ!」

モモ「おいしそー」

ドラえもん「ちゃんと食べられるよ」

杏子母「一体どうやったの?手品か何かかしら」

ドラえもん「これは好きな料理を出す道具なんです」

杏子「道具?こんなすごいもの初めて見たぞ」

ドラえもんの口調が女っぽいな
原作だと~しようぜみたいに男っぽかっただろ

さやか「ドラえもんはねえ、22世紀の未来から来たんだよ」

杏子「未来から?どうやってきたのさ、まさかタイムマシンでも使ったのか」

ほむら「その通りだよ。ね、ドラえもん」

ドラえもん「うん」

杏子父「そうか、君は未来から私たちを助けに来てくれたのだね」

杏子母「あなた、きっと神様が私たちの事を見ていて救ってくれたんですよ」

杏子父「君は神の使いだ、そうに違いない」

ドラえもん「そんな大げさな」

杏子「未来から来たのはわかったから早く食べようよ、腹減ったよー」

モモ「あたし、エビフライー」パッ


―――

さやか「お金がかからなくて味もいいって最高だね」

まどか「私、お腹いっぱい」

杏子母「このテーブルかけ、本当にもらっていいの?」

ドラえもん「はい、フエルミラーで出したものですのでぜひ使ってください」

ドラえもん「それと、杏子ちゃんのパパさんにこれを」

杏子父「これは……イヤホンかい?」

ドラえもん「聞きミミって言って、他人の思っていることが聞こえる道具です」

ドラえもん「杏子ちゃんのパパさんは人の心を助ける仕事をしてますよね」

ドラえもん「だから、きっと役に立つかと思いまして」

杏子父「……ああ、大切に使わせてもらうよ。ありがとう」

さやか「それじゃ、そろそろ帰りますかね」

杏子「あたし、玄関まで送っていくよ」

そのアイテムは下手すると破滅に近付くのでは



ほむら「それじゃあ佐倉さん」

杏子「あ、ああ……」

さやか「何しけた顔してるのさ、電話番号交換したんだからいつでも連絡取れるでしょ」

まどか「家もすごく遠いわけじゃないしね」

杏子「……そう、だよな。悪い、湿っぽくなっちゃって」

杏子「でもほむらとドラえもんが東京から来たってのは驚いたよ」

杏子「あのどこでもドアってやつでさ、そのうち東京を案内してよ」

さやか「あ、それあたしも行きたい」

ドラえもん「いいよ、今度みんなで行こうか」

まどか「楽しみだね」

―――ほむら宅


ドラえもん「僕とほむらちゃんが初めて会った時の事だけどさ」

ほむら「うん?」

ドラえもん「ほむらちゃんあの時誰かと話してたみたいだけどあそこに誰かいたの?」

ほむら「誰か?…あ、そっか。ドラえもんには見えないんだね」

ほむら「あの時はキュゥべえと契約するか話してたの」

ドラえもん「九兵衛?どんな人」

ほむら「人じゃないんだけど…白くて四足歩行で、耳のあたりからまた長い耳みたいのが生えてて……」

ドラえもん「……妖怪?」

ほむら「違うよ、説明しづらいなあ」

ドラえもん「あ、いいものがあった。イメージベレー帽―!」

ドラえもん「これをかぶってその九兵衛を思い浮かべてみて」

ほむら「ん……」

モヤモヤ…

ドラえもん「出てきたね、見たことない動物だけど」

ほむら「え、これ本物のキュゥべえ?」

ドラえもん「ほむらちゃんのイメージが映し出されているだけだよ」

ほむら「ふーん、でもこんな感じだよ」

ドラえもん「その動物、普通の人には見えないの?」

ほむら「そうみたい、それで願いをかなえるのと引き換えに魔法少女になる契約をしているんだよ」

ドラえもん「願いを…っていうのはお手伝いでもしてくれるの?」

ほむら「そうじゃなくて、何か不思議な力で普通じゃできないことをやってくれるみたい」

ほむら「それで、かわりに魔法少女として戦う力をもらうの」

ドラえもん「戦うというのは前に話してた魔女ってやつ?」

ほむら「そうだよ。普通の人には見えなくて、おばけとか妖怪みたいな雰囲気なんだけど」

ドラえもん「魔女、かあ……少なくとも僕は知らないなあ」

ほむら「やっぱり未来でもまだ明らかになってないの?」

ドラえもん「対策は何かできるだろうから、いるならそのことが広まってるはずなんだけどなあ」

ほむら「魔法少女の人が見滝原にいるから会いに行ってみる?」

ドラえもん「その人もほむらちゃんの知り合い?」

ほむら「未来の、ね」

―――マミマンション前


ドラえもん「不思議な力っていうのは僕が道具を使ってるのと同じ感じだった?」

ほむら「どちらかというと超能力みたいなのだったかなあ」

ドラえもん「ということは未来人って線はちがうかな」

ほむら「とりあえず、話を聞いてみるといいよ」

ピンポーン

マミ『はい』

ほむら「初めまして、私暁美ほむらっていいます」

マミ『暁美……さん?』

ほむら「とある事情で巴さんの事を知りまして、魔法少女のお話を伺ってもいいですか」

マミ『!…わかりました、そちらに向かいますので下で待っていてください』

ガチャ

ほむら「初めて会った時は家に上がらせてくれたのになあ……」

ドラえもん「少し警戒してる様子だったね」



マミ「お待たせしました」

ほむら「すみませんお忙しい中」

マミ「いいですよ、……あの、暁美さんの隣にいるのは?」

ドラえもん「ネコ型ロボットのドラえもんです」

マミ「ロボット?」

ほむら「ご一緒してもいいですか」

マミ「え、ええ……構いませんよ。立ち話もなんですから、移動しましょうか」

―――ファストフード店内


マミ「そう、22世紀から……」

ドラえもん「魔女や魔法少女について聞きたいんだけどいいかな。何か役に立てるかもしれないし」

マミ「ええ、いいわよ。今はキュゥべえがいないから私が知っている範囲でよければ」


―――


マミ「……とまあこんな所かしら」

ほむら「ドラえもん、何か分かった?」

ドラえもん「……もし秘密道具によるものだとしても、少なくとも22世紀にあるものじゃないね」

ドラえもん「もっと未来か、もしくは地球じゃない星の文明の発明か」

マミ「キュゥべえがいたらもっと詳しい話ができたのだと思うけれど……」

ドラえもん「ちなみにマミちゃんも魔法少女ってことは魔女を倒したりしているの?」

マミ「ええ、もちろん。今日もこれからパトロールの予定よ」

ドラえもん「それ、よければ僕たちも付き合っていいかな」

マミ「あなたたちも?……でもそうね、その方がわかりやすいかしら」

ドラえもん「身を守る道具は揃っているから心配しなくて大丈夫だよ」

ほむら「私も未来で巴さんが戦っている所を見たことあるので慣れてます」

マミ「じゃあ、一緒にパトロールに行きましょうか」


―――

マミには未来の知り合いってことあっさりバラすのな

まみまみ

マミ「暁美さんたちが見た未来の私って何年後?」

ほむら「3年後です、中学3年生の巴さんでした」

マミ「どこか今と変わっている所はあったかしら」

ほむら「そうですね……制服を着ていて、背も少し伸びてて」

ほむら「あと…む、胸が大きくなってました」

マミ「そ、そう……」

ドラえもん「そういえばマミちゃんは僕が未来から来たって事すぐに信じてくれたね」

マミ「キュゥべえと出会って普通では考えられないような体験を沢山しているんですもの」

マミ「時間移動ができる技術があってもおかしくはないわ」

ほむら「じゃあ巴さんにとってのキュゥべえは私にとってのドラえもんみたいなものですね」

マミ「ふふっ、そうね」

マミ「……!この反応、近くに結界があるわ」

ほむら「は、はい」



マミ「この路地裏……これね」

ほむら「あ、本当ですね。浮かび上がってます」

ドラえもん「何かあるの?普通の地面にしか見えないけど」

ほむら「ここに模様があるんだよ」

ドラえもん「模様?ただの灰色のコンクリートだよ」

マミ「魔女や結界の入口は普通の人には見えないのよ、ドラえもんはロボットだから……」

ドラえもん「あ…そっか、ほむらちゃんが言ってたね。よし、人間カメラシャッター!」

ほむら「なんだか嫌な予感のする名前……」

ドラえもん「ほむらちゃんたちには見えるんだよね、だからこのシャッターをほむらちゃんの頭の上に乗せて……」

カシャ

ほむら「ひっ!」ガガガ…

マミ「暁美さんの口から写真が出てきたわ」

ドラえもん「ほむらちゃんが見ているものが撮影されたんだよ」

ドラえもん「どれどれ……あ、本当だ。何か絵みたいなのがあるね」

ほむら「ひ、ひどいよドラえもん!」

ドラえもん「別に痛かったりするわけじゃないでしょ」

ほむら「そうだけど嫌だよこんなの」

マミ「そうよね、女の子には少し恥ずかしいかしら」

ドラえもん「誰かがこれを使ってくれないと僕には状況がわからないんだ。それともマミちゃんがやってくれる?」

マミ「わ、私?」

マミ「……暁美さん、人生は何事も経験よ。若い時の苦労が大人になって役に立つって言うじゃない」

ほむら「……巴さんはこれ、経験しないんですか?」

マミ「私は魔法少女としての経験をしなくちゃならないのよ」

ほむら「……はぁ」ガク

―――


マミ「ふっ」ダダダン!

「ギャァァァ!」

シュゥ…

マミ「そこっ!」ズドン!

ボンッ!

ほむら「……」

カシャ、ガガガ…

ドラえもん「どれも見たことない生き物だなあ」

ドラえもん「自然発生したようにはみえないけど、ロボットとは違うみたいだし……」

ドラえもん「物理的影響を受けているから幻というわけでもない」

ダンダン!バキュン、ドカーン!

ドラえもん「それにマミちゃんの銃を出す構造もよくわからないなあ」

マミ「……さて、親玉の登場ね」

ほむら「!」

カシャ、ガガガ…

ドラえもん「えっと、この大きいのが魔女?」

マミ「ええ、これを倒せば結界はなくなるわ、狙いを定めて……」

ほむら「あの……巴さん」

マミ「どうしたの、集中したいのだけど」

ほむら「いきなりそれ撃つんですか」

マミ「そうだけど、どこか変かしら?」

ほむら「敵を動けないよう拘束してから撃ったほうが…」

マミ「そういうのまだ苦手なのよ、だからいきなり本番」

ドラえもん「あ、ちょっといい?この大きな銃に」シュッ

マミ「それは?」

ドラえもん「これはグレードアップ液っていって、物にかけると一時間の間性能が良くなるんだよ」

マミ「そう、じゃあ威力も上がるかしら」

ドラえもん「ほむらちゃん、マミちゃんの後ろに下がろう」

ほむら「え?…うん」

マミ「……よし、ティロ・フィナーレ!」

カッ―――

―――

マミ「なに……これ」

ほむら「光ったと思ったら魔女が跡形もなく…」

ドラえもん「効果あった?」

マミ「あったなんてもんじゃないわよ…」

ほむら「……グリーフシードごと消し去ってしまいましたね」

マミ「一応まだ予備はあるけれど…」

ドラえもん「グリーフシード?」

マミ「魔女が落とすもので魔力の消費を補うのよ、多分これならドラえもんにも見えるんじゃないかしら」

ドラえもん「あ、僕にも見えるよ」

ほむら「魔力は戦うたびに消費するから結構重要なんだけど、これじゃあ」

ドラえもん「じゃあそれをフエルミラーで増やしてみようか」

マミ「!鏡からグリーフシードが」

ドラえもん「鏡だから模様とかが左右対称になってるけど、どうかな」

マミ「平気よ、ちゃんと魔力を回復で来ているわ」シュゥゥ…

ほむら「これなら魔力に気を遣わなくても大丈夫ですね」

マミ「ええ、他の魔法少女とグリーフシードの取り合いになることもなさそうね」

ドラえもん「一応これだと魔女を倒さなくても魔力を維持できるけど……」

マミ「それとは話が別。魔女を放っておいたら被害が出るわ」

ドラえもん「わかった、でも必要なときはいつでも呼んでね」

マミ「ええ、ありがとう」

ドラえもん「このグレードアップ液も使うときは言ってね」

マミ「そっちは危険だから大事な時だけお願いするわ」



さやか「……あれ?ほむらとドラえもんじゃん、こっち来てたんだ」

ドラえもん「あ、ちょっと野暮用でね」

マミ「暁美さんたちのお友達?」

ほむら「はい、巴さんと同じで未来でも会ってて」

マミ「そう、かっこいいボーイフレンドね」

ほむら「え?あ、あの」

フエルミラーってチートアイテムの一つだよね

マミ「こんにちは。私、6年生の巴マミ」

さやか「あ、どうも。美樹さやかです」

マミ「美樹……さやか、さん?」

さやか「はい」

マミ「えっと……女の子?」

さやか「そうですよ」

マミ「ご、ごめんなさい。私てっきり男の子かと……」

さやか「ああいいですよ、たまに間違えられたりしてますから」

―――マミ宅


QB「おかえりマミ、どこに行っていたんだい」

マミ「キュゥべえがいない時にお客さんが来たのよ、私に魔法少女の事を聞きたいって」

QB「ということは他の魔法少女と会っていたのかい?」

マミ「それがちょっと事情が複雑なんだけど、他の時代から来た人だったの」

QB「他の時代……」

マミ「それで魔女や魔法少女について知ってる範囲で教えたんだけど、やっぱり私も詳しくない所があって」

QB「……」

マミ「今度キュゥべえがその子たちに話をしてもらってもいいかしら」

QB「……いや、それはいらないよ」

マミ「そう?」

QB「マミは自分が知っていることを全て話したんだろう?」

マミ「ええ……」

QB「ならそれで十分だ、僕が教えなきゃいけない事はないよ」

―――ほむら家


ほむら「……過去を変えたいって、誰でも思うかな」

ドラえもん「どうしたの急に?」

ほむら「巴さん、事故で両親がなくなっているでしょ」

ほむら「だから、私たちが過去に行ってそれを防げないかって思ったんだけど……」

ドラえもん「マミちゃんがそれを望んでいるかどうか気になる?」

ほむら「人によっては後ろ向きな願いだと感じるだろうし、辛い出来事を掘り返すことになるから」

ほむら「本当は今日巴さんに話そうと思ったんだけど、怖くて言えなかった……」

ドラえもん「だったらいいものがあるよ、反応テストロボット―!」

ドラえもん「このロボットのボードにマミちゃんの似顔絵を描くと、マミちゃんと実際に話した時の反応をしてくれるんだ」

ほむら「巴さんの顔……」カリカリ

ほむら「……こんな感じかな」

ドラえもん「マミちゃん、少し話があるんだけどいいかな」

ロボ「ええ、なにかしら?」

ほむら「実は……」


―――

ほむほむ

ドラえもん便利すぎるな
そりゃ映画版では充電切らさないと面白くなくなるわ

ほむら「……」

ドラえもん「マミちゃん泣いてたね。頑張ってきたことが無駄になるって」

ほむら「私はただ、巴さんが家族の人と暮らせるように……」

ドラえもん「仕方ないよ、魔法少女になった原因がそれだったんだ」

ドラえもん「マミちゃんみたいに今の自分が否定されるって考え方もあるよ」

ほむら「それだけ巴さんには魔法少女として戦いが大切なことだったのかな」

ドラえもん「人助けができるのを喜んでいたからね、辛いこともあるだろうけど生きがいなんじゃない?」

ほむら「巴さん、今がいいって思ってる……」

ほむら「……私、嫌な願い事しちゃったかな」

ドラえもん「過去に戻ったこと?それなら気にすることないよ」

ほむら「でも……」

ドラえもん「ほむらちゃんにだって大切な物があるでしょ。それがどの時間にあるかってだけの話だよ」

ドラえもん「それに価値観の問題だからね、マミちゃんもいつか過去を変えたいと思うかもしれない」

ほむら「なら、その時は……」

ドラえもん「うん、僕たちが助けてあげよう」



月日は過ぎ……

―――ほむらホーム


杏子「家の中までどこでもドアで迎えに来るってのは最強の送迎だよな」

マミ「確かに靴を履かずに相手のお家に行けるのは不思議な感じね」

まどか「……でも部屋に入るときはノックしてほしかったな」

ほむら「佐倉さんがいきなり開けちゃったから、鹿目さんが着替えてる途中で」

杏子「仕方ないだろ、部屋で待ってるのかと思ったんだからさ」

さやか「けどまどか相変わらず子供っぽいパンツだったね」

まどか「さ、さやかちゃん!」

さやか「まあよくは見えなかったんだけど、この年になってあれはちょっとねえ」

まどか「うぅ……」

まどまど

マミ「ところで美樹さん最近髪を伸ばしているわね」

さやか「ああこれ、前は平気だったんだけど今は短いと気になっちゃって」

杏子「なんだよ、恋でもしたのか?」

さやか「そ、そんなんじゃないってば!」

さやか「ただ、中学入って制服着る時にあの髪型だと似合わないでしょ」

ほむら「私たちももうすぐ卒業だからね」

マミ「鹿目さんと美樹さんは私と同じ中学よね」

まどか「はい、さやかちゃんとは通学路も途中まで同じです」

杏子「あーあ、あたしも同じところに通いたかったなあ。あと数百メートル家がずれてりゃ…」

ほむら「一人暮らしとかはどう?」

杏子「そんな事できる金ないよ、少し信者が来てくれるようにはなったけどあまり余裕はないんだ」

まどか「ほむらちゃんは自宅に近い学校にするの?」

ほむら「ん、まだ…よく決めてなくて……」


―――

どらどら

ドラえもん「見滝原の学校に通えないかって?」

ほむら「無理……かな」

ドラえもん「みんなとはどこでもドアですぐ会えるじゃない」

ほむら「でも学校行ってる時は会えないし、一緒に学校生活送りたいよ」

ドラえもん「うーん、なら……もしもボックスー!」


―――入学式


まどか「まさかほむらちゃんたちがこっちに引っ越してくるなんて思わなかったよ」

さやか「ずいぶん急に決まったんだって?」

ほむら「うん、昨日まで引っ越しの作業で大変だったよ」

さやか「ほむらのお父さん左遷されちゃったって聞いたけど……」

ほむら「……ま、まあね」

―――ほむら新居


さやか「ほむらの引っ越しを記念してカンパーイ!」

まどほむマミ杏「カンパーイ!」

さやか「なんだ新しい家立派な一軒家じゃん、心配して損したよ」

杏子「前の家より大きいよな」

まどか「私の家より広いね」

マミ「これから学校生活が楽しみじゃない?」

ほむら「はい、また一緒に学校生活を送れるのが楽しみです」

マミ「また……?」

ほむら「いっいえ、言い間違いです」

ほむぅ……

ドラえもんの安定感がやばい

ほむほむ

杏子「みんな同じ学校であたしだけ別か……ちぇ、いいよなあんたたちは」

まどか「杏子ちゃんも放課後とかは大丈夫だから会おうよ」

さやか「ねえマミさん、あたしたちも中学生になったんだからあの魔女退治っての一緒にやらせてよ」

マミ「でも、やっぱりあれは危険だし……」

さやか「そりゃ魔法少女っていうのになれば大丈夫だってネコウサギが言ってたけどさ」

ほむら「ネコウサギじゃなくてキュゥべえだよ」

さやか「ならなくたってドラえもんの道具を使えばあたしたちも戦力になるよ」

マミ「でも、キュゥべえもやめておくように言っているのよ」

杏子「ま、所詮あたしたちは興味本位みたいなもんだしな」

まどか「マミさんは命がけで戦ってるみたいだからね」

さやか「だからこそだよ。あたしたちが参戦すればその危険も低くなるでしょ」

ほむら「私も美樹さんに賛成かな。巴さんが危険な目にあっているのを放っておけないよ」

さやか「ほむらはこのことに関してはいつも強気だね、普段は控えめなのに」

ほむら「そ、そう……かな?」

マミ「二人ともありがとう。じゃあ今度また一緒にキュゥべえに会ってみてくれないかしら」

ガチャ

ドラえもん「お菓子持ってきたよ」

ほむら母「引っ越し先にほむらの友達がいるなんて運が良かったザマスね」

まどか「お邪魔しています」

ほむら母「前の家の時のようにくつろいでほしいザマス、それじゃ」バタン

ほむら「でも巴さん、それだとまた契約してくれないと駄目って言われませんか?」

ドラえもん「何の話をしてるの?」

杏子「さやかとほむらがマミさんと一緒にあのバケモノと戦いたいって話」

杏子「まあ、あたしもやってみてもいいけどね」

ほむら「鹿目さんはどう?」

まどか「私は……役に立てるならやりたいって思ってる」

まどか「でも、本当にマミさんみたいに戦えるようになるのか不安で……」

ほむら「ドラえもんはどう思う、私たちが戦うことに」

ドラえもん「やっぱり僕もみんなに危ないことはしてほしくないからね」

ドラえもん「そのキュゥべえと話してみないとはっきりとしたことは言えないなあ」

マミ「キュゥべえドラえもんと会うの嫌がっているものね……」

ほむら「私たちと会うのは平気なのにね」

さやか「将来大物になる予定で未来人に会うと結果がわかっちゃうからやだ、とか」

マミ「そういえば、キュゥべえの将来の夢とか聞いたことないわね」

―――学校


さやか「やっと午前中の授業終わったかあ」

まどか「さやかちゃん寝てなかった?」

さやか「あー少し気絶してたかも」

ほむら「しっかり聞いてないと後で大変だよ」

さやか「わかってるんだけど、どうにも眠気が襲いかかっちゃって」

まどか「ほむらちゃんは勉強得意だよね」

さやか「体育でも結構活躍してるよね、なんか意外だよ」

ほむら「前はすごく苦手だったから何とかしたくてね」

まどか「私もほむらちゃん見習わないとなあ」

さやか「…さて、マミさんと待ち合わせしてるし弁当持って屋上に行こうか」

―――屋上


まどか「自分のお弁当作って髪もセットして……マミさん朝早いの平気なんですか?」

マミ「そうね、そのかわり夜は早く寝ているようにしているし」

まどか「私、パパが作ってくれなかったらお昼パンになっちゃう」

さやか「ほむらはお母さんが作ってくれてるんだっけ」

まどか「ほむらちゃんのお弁当いつも豪華だよね」

ほむら「そうかな?普通だと思うけど」

さやか「いや、普通は三大珍味がお弁当に入ってるなんてありえないって」

マミ「暁美さん、少しでいいから私のおかずと交換しない?」

ほむら「いいですよ」

QB「やあ、杏子がいれば魔法少女候補が勢揃いだね」シュタ

まどか「あ、キュゥべえ」

さやか「この間話したこと認める気になった?」

QB「何度も言うけど魔法少女にならないなら魔女との戦いはさせないよ」

QB「ごく普通の人間である君たちが参加したって役には立たないからね」

さやか「そうかなあ、そんなことないと思うんだけど」

QB「相変わらず契約する気はないのかい?」

さやか「だって叶えたい願いなんてないし、戦う力が欲しいってわけでもないもん」

ほむら「どっちもドラえもんならある程度助けてくれるからね、私も今はあまり気があまり気が進まないかも」

QB「……そうか、なら君たちが契約する気になるまでは僕も会うのを控えよう」

きゅっぷいきゅっぷい

マミ「そんな必要はないと思うけれど……」

QB「魔法少女にならないなら意味がないからね、魔女退治についてはマミから言っておいてよ」シュタッ

ほむら「行っちゃった……」

まどか「なんだか、魔女を倒すよりも魔法少女になってくれる方が大切みたいな感じだね」

さやか「部外者には参加させたくないんじゃないの」

ほむら「魔法少女の技術を生かしたいのかも」

マミ「身体能力や怪我の治りがとても早くなるものね、安全に戦うにはその方がいいのかもしれないわ」

―――冬


杏子「小さい頃はクリスマスの時はプレゼントが楽しみだったよな」

マミ「いつか、私たちもあげる側になるのよね」

さやか「お年玉と同じですね」

まどか「あげるっていえば、この間ママがお歳暮の準備してたよ」

ほむら「どうせなら私たちも家族に何かプレゼントできないかな」

まどか「プレゼント……カーネーション、とか?」

杏子「それ母の日だろ」

さやか「やっぱり中々いいもの思い浮かばないね」

マミ「日頃の感謝をこめてお手伝い、とかでもいいんじゃないかしら」

まどか「でも、折角なら形に残るものが……」

まみまみ

ほむら「あ、そうだ」

まどか「どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「ドラえもんが未来のカタログを持ってたから、それならいいものが見つかるかもしれない」

杏子「お、いいじゃんそれ。あたしも見てみたい」

ほむら「じゃああとで家に来る?」

まどか「ねえ、たまには私の家に来ない?ドラえもんも呼んで一緒に見せてもらおうよ」

マミ「そういえば鹿目さんの家は初めてね」

さやか「あたし以外は行ったことなかったっけ」

ほむら「うん、じゃあそうしよう」

―――まどかハウス


ほむさやマミ杏ドラ「お邪魔します」

詢子「ああ、いらっしゃい。今日は大所帯だね」

まどか「みんな、あがって」

杏子「ほむらの家に負けず劣らず立派じゃん」

マミ「素敵なお家ね」

詢子「んー……」

ドラえもん「……あの、僕の顔に何かついてます?」

詢子「そうじゃないよ、あんたがまどかの言ってた22世紀から来たロボットかい?」

ドラえもん「はい、ドラえもんって言います」

詢子「おお!そうか、話はまどかから聞いてるよ。あの子もこんな素敵な事に出会えたもんだ」

詢子「私も会えてうれしいよ」

ドラえもん「そうですか?ありがとうございます」

まどか「ドラえもん、こっちだよ」

―――まどかルーム


ドラえもん「これが未来デパートのカタログだよ」

マミ「随分厚いのね」

まどか「でもたくさん載ってるよ」

杏子「日用品から秘密道具までそろってるな」

ほむら「値段もすごいのがあるね、500万円って」

ドラえもん「返品はできないからよく考えてから決めてね」

まどか「あ、このブローチ欲しいな」

ドラえもん「だ、だめ!」

どらどら

パッ

さやか「ブローチが出てきたよ」

まどか「え、え?なんで、私まだ買うなんていってないのに」

ドラえもん「……欲しいと思うだけで商品が届けられるシステムなんだ、あとで未来から集金の人がやってくる」

まどか「そ、そんな」

マミ「でもこれ安いじゃない、100円よ」

まどか「あはは……実は安いから欲しいなって思ったんです」

杏子「ならよかったじゃんか、取り返しがつかないものなら大変だぞ」


―――

業者「ありがとうございましたー」ビュン

さやか「大体こんな所かな」

まどか「財布が軽くなったね……」

杏子「それだけいいもん買えたんだからいいよ。マミさんも色々買ったよね」

マミ「自分用にと思ったんだけど、少し買いすぎてしまったかしら」

ほむら「……ねえ、美樹さん」

さやか「ん、どうしたの?」

ほむら「この交通安全お守り、上条君にプレゼントしない?」

さやか「これ?でも多分恭介他のお守り持ってるよ」

ほむら「上条君にはこれが必要な時が来るの」

さやか「……ほむら?」

ほむら「私が折半して出してもいいから」

さやか「……わかった。ほむらの言うことなら信じるよ。お金はいいから」

ほむほむ

―――翌日、学校


ほむら「悩むなあ……」

さやか「ほむらそのカタログ学校に持って来たの?」

ほむら「まだ買えてないものがあるから学校で決めようと思って」

まどか「それ持ってくるの重かったでしょ」

ほむら「うん、腕が疲れちゃった」

仁美「お三方、何を読んでいるんですか」

さやか「ああ仁美、22世紀の通販カタログだよ」

仁美「22世紀!ほむらさんの家に居候しているというロボットのですか!?」

ほむら「……よし、決めた。これ欲しい」パッ

仁美「品物が空中から!」

まどか「初めて見る人の反応ってこういう感じなんだね」

業者「代金受け取りに来ました」

和子「な、なんですかあなたは!部外者は立ち入り禁止ですよ」

さやか「あ、先生授業終わったのにまだいたんだ」

ほむら「おねがいします」

業者「…はい、確かに。ありがとうございました」シュン!

和子「消えた……?」

仁美「素晴らしいですわ!ほむらさん、私にも是非使わせていただけませんか」

ほむら「はい、どうぞ」

ほむら「もう新しいカタログ配布してるらしいから、読み終わったら代わりに捨てておいてもらっていい?」

仁美「はいっ!」バッ…ダダッ

さやか「自分の席で食い入るように見てるなあ」

まどか「仁美ちゃんだったらお金気にしなそうだね」

仁美「これ、ほしいですわ」パッ

業者「代金受け取りに来ましたー」

和子「またあなたですか、警察呼びますよ!」

しえ

―――ほむら家


ドラえもん「ママさん喜んでくれてよかったね」

ほむら「あれで選んでプレゼントした甲斐があったよ」

ドラえもん「ほむらちゃんママさんと仲がいいね」

ほむら「少し厳しいけど、私お母さん好きだよ」

ほむら「……ドラえもん。これ、もらってくれないかな」

ドラえもん「僕に?もらっていいの」

ほむら「そのために買ったんだもん」

ドラえもん「ありがとうほむらちゃん。でも、僕の方は用意してなくて……」

ほむら「いいよ、ドラえもんにはお世話になってるしそのお礼に」

ドラえもん「開けてみるね」

ほむら「ドラえもん普段は服とか着てないからどうかなと思って」

ドラえもん「これは……」

ほむら「腹巻きだよ、ドラえもん足短いからこれで顔以外大体温められるでしょ」

ほむら「それと帽子も考えたんだけど、ドラえもんに合うサイズがなくて…」

ドラえもん「あ……うん……ありがとう」

―――駅前


さやか「と、いうわけでマミさんとドラえもん以外みんな集まったね」

まどか「……さやかちゃん」

杏子「用も言わず呼び出して何がどういうわけなんだ」

ほむら「美樹さんと話して、今日は巴さんを尾行しようと思ったの」

杏子「尾行って……なんか変なことでも考えてるのかよ」

さやか「そうじゃないよ、普通にあたしたちが魔女退治協力したいって言っても聞いてくれないでしょ」

さやか「だからこっそりあとをつけて、マミさんが戦い始めたら参戦して手助けしようってこと」

杏子「んーなんかめんどっちぃなあ」

ほむら「こっそりでも魔女退治を手伝えば巴さんやキュゥべえに認めてもらえるかもしれないでしょ?」

まどか「それ……私もいくの?」

ほむら「よかったら見てるだけでもいいから一緒に来てほしいな」

さやか「こういうのは人数多い方が説得力あるしね」

まどか「ん…わかった、行くよ」

杏子「ちなみにドラえもんはなんで来ないんだ?」

ほむら「暇か聞いたら用事があるって」

ほむら「でもそのかわりスペアポケットを持ってきたからドラえもんの道具は使えるよ」ヒラ

さやか「ドラえもんよく貸してくれたねそんなの」

さやさや

ほむら「……実は内緒で持ってきちゃった」

杏子「んで、ターゲットのマミさんはどこにいるか目星はついているのかい?」

さやか「今はまだ家にいるみたいだからどこでもドアでマミさんの家に向かおうか」

まどか「外でマミさんが出てくるまで待つの?」

ほむら「それだと時間かかるから、これを使って……」

―――マミホーム


まどか(ほんとに私たちマミさんには見えてないのかな)

杏子(堂々と家の中に入ってるけど、この石ころ帽子ってのをかぶっただけだぞ)

ほむら(見えないというより、かぶってない人に認識されなくなるみたい)

マミ「……」ウトウト

さやか(テレビ見ながらうたたねしてるね)

ピンポーン

マミ「!……はい、巴です」

まどか(誰か来たよ)

ドラえもん『あ、マミちゃん?言ってたもの買ってこれたからそっちに行ってもいいかな』

ほむら(なんだ、ドラえもんかあ)



ドラえもん「遅れてごめんね、どこでもドアを出そうと思ったんだけどなぜかポケットに見当たらなくて」

マミ「買ったの見せてもらっていいかしら」

ドラえもん「うん、限定品だったからギリギリだったよ」パカ

マミ「わあ、おいしそうね」

ドラえもん「ちょうど二つ買えたから一緒に食べない?」

マミ「ええ、そうしましょう。22世紀の味楽しみね」

杏子(…ケーキだな)

まどか(おいしそうだね、私も食べたいなあ)

さやか(あたしたちは尾行してるから無理だよ)

まどか(ざんねん……)

ドラえもん「やっぱりキュゥべえはいない?」

マミ「ええ、私も最近は会ってないのよ」

ほむほむ

えぇー……

誤爆



杏子(グリーフシード増やしてドラえもんは帰ったな)

さやか(マミさん出かける準備してるね)

ほむら(私たちもついて行こうよ)


―――繁華街


マミ「……」

ほむら(ソウルジェムを見つめながら歩いてるってことは)

さやか(魔女退治に向かってるね)

ピカッ

マミ「……!」タタタッ…

マミ「……ここね」

まどか(変身して結界の中に入っていったよ)

杏子「んじゃ、この帽子はもういいか」ファサ

さやか「かぶっておいた方が使い魔に見つからなくていいんじゃないの」

杏子「マミさんの流れ弾に当たったら嫌だろ」

ほむら「とりあえず戦いに使えそうなのはこれと……」

まどか「う……この結界の中に入るの?」

ほむら「鹿目さんはここに残る?」

まどか「……ううん、私もいく」

―――結界内


ほむら「じゃあ私が絶対安全傘をもってるから」

さやか「あたしはこの空気砲ね」

杏子「んで熱線銃ってのがあたしか」

まどか「……私の武器、ちっちゃくない?みんなは大きいのにこれ普通の拳銃だよ」

ほむら「でも名前はジャンボガンって言うから威力はすごいよ、きっと」

まどか「そうかなあ……」


―――

ほむ


ジュ…

杏子「この銃一発撃つだけで使い魔が蒸発していくな」

さやか「こっちもいい感じだよ」ドカン!

ほむら「鹿目さんは使わないの?」

まどか「私……銃とか使ったことないから怖くて」

杏子「そりゃあたしたちも一緒だよ」

さやか「マミさん奥の方だよ、行こう」



ほむら「あ、あそこで戦ってる」

マミ「くっ…!」バンバン!!

まどか「あ……」

さやか「マミさん、怪我してる」

ほむら「でも今なら魔女も巴さんと戦っててスキがあるよ」

杏子「よし、あたしたちも加勢しに…」

ボウッ!!

「アアァァ!!」

マミ「だ、誰!!」

まどか「……」

ほむら「ま、魔女の体に穴があいたよ」

さやか「今やったの、まどか?」

マミ「美樹さんたち!?もしかして私の後をついて来たの、来ては駄目だとあれほどっ」

まどか「…っ!!」

ドン!!

「――!!」

シュゥ…

杏子「おい、魔女が……」

ほむら「鹿目さん?」

まどか「……はぁ、怖かった」ペタリ

さやか「やるじゃんまどか」

まどか「…マミさんを助けなきゃって夢中で」

マミ「みんな……」

杏子「マミさんも体大丈夫?」

マミ「……ええ、大した怪我はしてないわ」

ほむら「巴さん、私たち絶対役に立ちますから」

スレタイ見てワロタ
懐かしいな人生やり直し機

マミ「そうね、今日は助けてもらっちゃって……グス」

さやか「マミさん?」

まどか「やっぱりどこか魔女に体を」

マミ「違うの……ごめんなさい、ずっと魔女退治は駄目だって言ってたけど」

マミ「本当はみんなに…助けて……ほしくて」

まどか「なら…」

マミ「………」

マミ「…また、一緒に戦ってくれる?」

ほむら「はい、もちろんです」

―――ほむら宅


ドラえもん「あまり勝手に道具を使ってほしくないんだけどなあ」

ほむら「スペアポケットを持ち出したことは謝るってば」

ドラえもん「それで、マミちゃんと一緒に魔女退治をすることになったの?」

ほむら「一応巴さんは認めてくれたから、あとは魔女退治をしながらキュゥべえを説得しようって」

ドラえもん「そっか、でも魔女退治に行くときは事前に僕にも言ってね。道具の使い方も教えるから」

ほむら「わかってるよ」

ドラえもん「言っておくけど僕だってみんなのことは心配なんだからね」

ほむら「それもわかってる、ありがとドラえもん」

まみまみ

―――春


まどか「始業式長かったね」

さやか「でも2年になっても同じクラスってあたしたち運命みたいのあるんじゃない?」

まどか「来年も同じだったりしてね」

ほむら「……」

さやか「ん、ほむらどうしたの。なんか難しい顔して」

ほむら「……なんでもない」

ほむら(戻ってきたんだ、この時代に)

―――


マミ「ワルプルギスの夜……」

ほむら「未来が変わっていなければ近いうちに見滝原に上陸します」

マミ「……暁美さんは未来でそれを見たのね」

ドラえもん「僕が来たときはもういなくなっていたんだよね」

ほむら「あの時は……自分の命と引き換えに守ってくれた人たちがいたから」

ほむら「……倒さなければ数えきれないほどの死者が出ます。ここも荒野になるだけです」

杏子「おい、そんなにやばい魔女なのかよ」

まどか「それより避難した方が……」

ほむら「大丈夫。みんなで戦えば倒せるよ」

まどか「私たちが……?」

ほむら「うん、私たちなら絶対大丈夫」

さやか「……そう、だよね。マミさん強いしドラえもんの道具も沢山あるしね」

ドラえもん「どうせなら戦いをシミュレーションできる道具も用意しておくよ」

―――


ほむら「それじゃみんなでパトロールに行ってくるね」

ドラえもん「晩御飯までには帰るんだよ」



ほむら「おまたせ」

さやか「お、ほむらも来たか」

まどか「あとは杏子ちゃんだけだね」

タッタッタッ

杏子「遅れて悪い、ホームルーム長引いちまった」

少しは因果変わってるから、みんな魔法少女になったら強いはず

さやか「あれ、杏子髪下ろしたの?」

杏子「ああ、今日は定期テストだったからね」

さやか「テストがあったから髪下ろすってよくわかんないんだけど」

杏子「ま、気にするなよ」

マミ「じゃあ、佐倉さんも来たことだし行きましょうか」


―――

マミ「今日は魔女の反応がないわね」

さやか「このところよく行ってましたからね」

ほむら「もうワルプルギスの夜を倒すのに専念しても大丈夫でしょうか」

QB「結局まどかたちと戦うことにしたのかい、マミ」

マミ「キュゥべえ!」

杏子「!?」

マミ「今までどこに行っていたのよ、ずっと家にもいなかったじゃない」

QB「会う必要がなかったからね」

杏子「ぁ……」

さやか「こっちは用があるって言うのに」

QB「それより約束が違うじゃないか、魔女退治はさせないように言ったはずだよ」

マミ「そのことなんだけど」

マミ「みんな十分に魔女と戦えるのよ、だからそれをキュゥべえに」

杏子「この!!」

ダン!

さやか「杏子!?」

QB「おっと…何をするんだ、いきなり銃で攻撃してくるなんて」

杏子「うるせえ!てめえずっとあたしたちを騙してきやがったんだな!!」

QB「どうしたんだい急に。まあ、でも今はここにいない方がよさそうだね」サッ

杏子「逃げるな!」ダンダン!!

きゅっぷいきゅっぷい

マミ「やめて佐倉さん!どうしてキュゥべえを撃つの」

まどか「そうだよ杏子ちゃん、訳を話し…」

まどか「…あれ、髪で気づかなかったけど杏子ちゃんの耳に付けてるの」

ほむら「前にドラえもんが佐倉さんのお父さんにあげた、心を読む道具……」

杏子「あいつは、マミさんを…人間を……!」

マミ「落ち着いて。私たちにわかるように、ね」

杏子「マミさん……ぐっ」


―――

あんあん?

ほむら「それ、本当?」

さやか「なんか信じられないんだけど」

杏子「ほんとだよ!この道具でキュゥべえが言ってたんだ」

まどか「ねえ、ドラえもん他にも心の声を聴く道具持ってるんじゃない?」

さやか「そうだね、じゃああたしたちも聞けないか言ってみようか」

マミ「……」


―――

テストで使ったのかよ

ドラえもん「それで僕を呼び出したんだね」

まどか「さっきここでキュゥべえに会ったんだけど……」

さやか「もう一度杏子が聞いた心の声をきけないかと思ってさ」

ドラえもん「んー、杏子ちゃんの聞いたのをみんなが聞ければいいんでしょ」

マミ「ええ……」

ドラえもん「なら…タイムホールー!」

ドラえもん「これをキュゥべえがいた時間に設定して…」

マミ「キュゥべえを連れてこさせるの?」

ドラえもん「心の声を聞くだけ。ほむらちゃん、タイムホール越しにキュゥべえ見える?」

ほむら「あ、見えるよ」

ごめん、もうちょっとわかりやすく頼むわ。

ドラえもん「じゃあこのホンネ吸出しポンプをキュゥべえに気付かれないように使って」

ほむら「…終わったよ、ドラえもん」

ドラえもん「じゃあタイムホールを閉じてこのポンプを出して……」

QB『マミは言ったことを守っていないな、これじゃあ完全に予定が狂ってしまうよ』

まどか「キュゥべえの声だ」

ドラえもん「僕にも聞こえるよ」

QB『あれが未来から来たということは、時が経てばあんなのが溢れ返っているということじゃないか』

QB『今でさえあれがいる場所では魔女にするどころか契約すら満足にできていない』

マミ「え……」

さやか「ちょっと、これ……」

杏子「……」

QB『まだエネルギーは足りないから魔法少女は必要だっていうのに』

マミ「あ…あぁ……!」

QB『もっと早くソウルジェムが濁って魔女になる方法を探さないといけないな』

マミ「やめて……やめてっ!!」

カチ

さやか「マミさんっ」

マミ「私……魔女に……!」

ジワ…

まどか「マミさんソウルジェムが!」

マミ「え……?」

ドラえもん「元気の素!マミちゃんこれ飲んで!」

マミ「ん……」ゴク

マミ「……はぁ」

ほむら「巴さん…」

ドラえもん「落ち着いた?」

マミ「……少し、ね」

さやか「あいつ、本当にこんなことを」

ガシャン!!

まどか「な、何!?」

ドラえもん「タイムホールが!」

QB「……まったく、過去に遡って心を読んでしまうとは恐れ入ったよ。これじゃ逃げる意味がない」

ほむら「キュゥべえ!?」

杏子「てめぇ!」

ドラえもん(……ほむらちゃん、この命令銃をキュゥべえに撃って)

ほむら(これ?……わかった)

QB「最終的に宇宙延命のためのエネルギーを得る対価として人間に願いをかなえてきた」、

QB「だけど、どうやらそれが大きすぎたみたいだ」

QB「人類が進化しすぎた結果、自分たちだけで願いを叶えられるようになってしまった」

バン!

QB「!!」

QB「……」

マミ「キュゥべえ……?」

QB「…今まですまなかったね。君たちを利用するのはこれ限りにしよう」

ほむら「キュゥべえが……」

ドラえもん「魔法少女になる契約をやめろって書いた紙を弾丸に込めたんだ」

まどか「じゃあキュゥべえは地球から…」

QB「ああ、僕たちは地球から去るよ。いても意味がないしね」

さやか「でもそのエネルギーっていうのはどうするのさ」

QB「それは他の手段を探すよ。誰かの犠牲が出ない方法でね」

QB「魔女になった子はもちろん、既に魔法少女になって取り返しのつかない状態になっている子もいる」

QB「けれど、せめて魔法少女の子はなんとか元に戻す手段がないかできる限…」

ザシュ!

…バタッ

マミ「!」

ほむら「キュゥべえの、首が……」

QB「…」

キュゥべえ「体を操って無理矢理合意させるなんてひどいじゃないか」

きゅべきゅべ

キュゥべえ「おかげで一つ処分することになってしまった」

さやか「キュゥべえが……もう一匹?」

キュゥべえ「でも他の個体に影響がないのは幸いだった。でなければ本当にもう契約ができなくなる所だったよ」

キュゥべえ「……やはり君の事は放っておくべきではなかったようだ」

ドラえもん「ほむらちゃん、この弾丸使って!」

キュゥべえ「――!」パシッ!

ほむら「きゃ!」

キュゥべえ「僕たちは記憶を共有できるからね、同じ手は食わないよ」

杏子「このやろう!」カチャ

キュゥべえ「僕を殺すなんて意味のない事だよ。それよりもっと他に気にする事があるんじゃないのかい」

杏子「あぁ?」

ほむら「!ドラえもんお腹のポケット!!」

ドラえもん「え?…な、ない!」

ほむ

キュゥべえ「どうやら君はこれがないと未来の機械を使えないようだからね」

杏子「返せ、てめえには必要ないものだろ!」

キュゥべえ「そうはいかないよ、これのせいでエネルギーの回収が滞っているんだ」

キュゥべえ「それに、近いうちにワルプルギスの夜が来るのだろう?」

キュゥべえ「ならそれを迎え入れて少しでも君たちの文明を戻さなければならない」

キュゥべえ「……ああ、それと先に言っておくけれど」

キュゥべえ「ワルプルギスの夜が過ぎ去るまでは契約は受け付けないよ」

シュンッ

まどか「ポケット持って行っちゃう!」

マミ「追いかけるわよ!」

ほむら「四次元ポケットが……」

ドラえもん「ほむらちゃん、すぐに家に戻ろう!」

ほむら「家に?……あっ、スペアポケット!」

ドラえもん「そう、早く!」

ほむほむ

―――ほむら家


ドラえもん「……!」

ほむら「ドラえもん、スペアポケットがない!押し入れの中に入れておいたのに」

ドラえもん「……」

ほむら「……どうしたの、ドラえもん?」

ドラえもん「……タイムマシンが、壊されてる」

ほむら「ええっ!!」


―――

ほむほむ

マミ「結局、キュゥべえは見失ってしまったわ」

まどか「ポケットがないんじゃ私たち……」

さやか「……今の所手元にある道具は、取られる前に出してたホンネ吸出しポンプと聞きミミと」

杏子「あたしが持ってた熱線銃1つと」

ドラえもん「あとは壊れたタイムホールとタイムマシン、弾丸の無い命令銃か」

ほむら「これでワルプルギスの夜と戦うなんて……」

まどか「……まだ決まったわけじゃないよ、その時までに見つけて取り返せばいいんだよ」

ほむら「鹿目さん……」

ドラえもん「僕もタイムマシンが直せないかやってみるよ」

マミ「そうね、まだ諦めるのは早いわ」

QBってここまで自分で暗躍するキャラだっけ?

―――ほむら家


ドラえもん「……やっぱり部品を交換しないといけないな」

ドラえもん「工具だけじゃ難しいか」

ザ、ザサ…

ドラえもん「あれ、聞きミミがなんでこんな所に」

ドラえもん「それに何か音は出てるけど今は僕以外誰も……」

ドラえもん「!音量を最大に」

キュゥべえ「…やあ、聞こえるかい」

ドラえもん「君は…もしやキュゥべえ!?」

きゅっぷい?

QBが本来のポジションなのに他のSSのせいで裏切られた感がやばい

キュゥべえ「どうやら君の体ではこちらから干渉しても直接的には僕が見えないようだね」

キュゥべえ「だから、こうして来て話せるようにしてもらったよ」

ドラえもん「四次元ポケットを返す気にでもなったの」

キュゥべえ「まさか、あれは今後のためにも返さないよ」

ドラえもん「……君は宇宙を救いたいんじゃない、自分たちの不利益を回避したいんだ」

キュゥべえ「否定はしないよ」

キュゥべえ「仮に宇宙に不都合が生じても僕たちに影響のないものなら対策はしなかっただろうしね」

キュゥべえ「もっとも、利益による判断を否定すると言うのなら」

キュゥべえ「それは生きる事をやめてしまうのと大差ないと思うけれど」

ドラえもん「…何をしに来たの」

キュゥべえ「少しばかり君に確認したいことがあったんだよ」

キュゥべえ「…君の持っていた道具に、人間の感情をエネルギーにする道具はあるかい?」

ドラえもん(もしや……)

ドラえもん「……あるよ」

キュゥべえ「なら、そのエネルギーは宇宙の寿命を延ばすのに使えるかい?」

ドラえもん「……」

ドラえもん「使えるよ、だから魔法少女になる必要はない」

キュゥべえ「そうかい、よくわかったよ」

ドラえもん(やった…)

キュゥべえ「君が嘘をつくことできるってことがね」

ドラえもん「!!」

キュゥべえ「君のように生き物じゃなくても感情を持っているなんて人間の文明はそこまで進むんだね」

キュゥべえ「けれども残念ながら僕らのエネルギー変換技術は生き物に対してしかできない」

キュゥべえ「でも興味深い結果がわかってよかったよ、この未来はなくなるかもしれないからね」

ドラえもん「ま、待って!」

キュゥべえ「実はあのポケットの中の道具はもう調べさせてもらったんだ」

キュゥべえ「確かに君の道具には人間の負の心を熱量や動力にする機械があった」

あいかわらずタイムパトロール仕事しねえな

キュゥべえ「だけど、それは僕たちが必要とするエネルギーに遠く及ばないものだったよ」

ドラえもん「今はその技術がないよ……でもいつか必ず」

キュゥべえ「そんな不確実なものに身を委ねなきゃいけない理由がどこにあるんだい?」

ドラえもん「22世紀では簡単に他の星に行けるんだ、人間だって役に立つよ!」

キュゥべえ「負うリスクには到底見合わないよ、それじゃ」

ドラえもん「キュゥべえ?……キュゥべえ!」

―――ワルプルギスの夜上陸前日


まどか「明日……だね」

杏子「ああ……」

さやか「何人かは遠くに避難したけど、まだここにはたくさん人が残ってる」

マミ「そうね、せめて軌道を人のいない方向にずらすことができればいいわね」

マミ「……みんなは逃げてもいいのよ」

ほむら「そんなこと、できるわけ……ないじゃないですか」

まどか「そうですよ、まだ…望みは」

ドラえもん「マミちゃんがここに残るのと一緒だよ」

マミ「そうね……私もせめて最期は魔女にならないようにしなくちゃね」




杏子「なあドラえもん、ちょっといいか?」

ドラえもん「どうしたの杏子ちゃん」

杏子「キュゥべえの事なんだけどさ……」



杏子「……どう、かな」

ドラえもん「多分だけどやってみる価値はあると思うよ」

ドラえもん「ひょっとしたら、それでうまくいくかもしれない」

杏子「……まあ、道具が戻らない事には無理だけどね」

ドラえもん「僕らも全力を尽くそう」

杏子「ああ、そうだな」

あんあん?

―――ワルプルギスの夜、当日


さやか「ほむらの言ってたことによると、その魔女ってかなり大きいんでしたよね」

マミ「ええ、私も噂でしか聞いたとこがないのだけれどね」

さやか「この熱線銃効くかなあ」

マミ「避難……してもいいのよ」

さやか「もう間に合いませんよ。それに前に言ったじゃないですか、マミさんと戦いたいって」

さやか「だからこうして杏子に無理言って武器を借りて来たんです」

マミ「美樹さん……」

さやか「ほむらたちも今頃必死でポケット探してますよ」

さやか「それで、きっと見つけてきてワルプルギスの夜にどでかいのお見舞いしちゃいますって」

マミ「そうね、そうなることを祈りましょう」

マミ「……来るわ!」

―――


杏子「人がいないからどうかと思ったが、相変わらず見つからないな」

まどか「やっぱり闇雲に探しても効果ないよ」

ほむら「ドラえもん、どう?」

ドラえもん「……だめだ、他の道具の部品を代用してもやっぱり動かない」

杏子「くそ…!」

まどか「他に何か方法はないの」

ドラえもん「道具どころか22世紀と連絡を取る手段が何もないんだ」

ドラえもん「これじゃ道具を取り寄せることも助けを呼ぶことも出来ないよ」

ドラえもん「せめてタイム電話さえあればなんとかなるんだけど」

杏子「即興で通信手段を作れないのか」

ドラえもん「さすがにこの時代じゃ無理だよ」

まどか「誰か、他にこの時代に来てる人とかいないかな…」

ほむら「それって、ドラえもんみたいに未来から?」

杏子「だけど、もしいたら少なくともこの大規模なスーパーセルは把握してるよな」

ドラえもん「うん、だから来ているなら魔女が見えなくても何か対処しているよ」

まどか「じゃあ何か、未来から人が来るきっかけに……」

まどか「!!…ほむらちゃん!仁美ちゃんに渡したあのカタログ!!」

ほむら「あ、そうだよ!志筑さんあれを残してるかもしれない」

ここで仁美に渡したカタログが……?

カタログ

とおもったらその通りだった

ドラえもん「カタログって前に一緒に見た奴?」

ほむら「あのカタログ友達にあげたんだよ、だからあれで道具を取り寄せれば!」

杏子「おし、じゃあ避難所に行ってそいつからありかを聞くとするか!」

まどか「あ…でも仁美ちゃん、海外に避難しちゃった……」

杏子「じゃあ携帯にかけるか」

まどか「……仁美ちゃん家族と遠出するときは携帯持たないから」

杏子「はぁ!?それじゃ連絡取れないじゃないか」

ドラえもん「仕方ない、その仁美ちゃんって子の家に行って探してみよう」

―――仁美家


まどか「勝手に入っちゃってよかったのかな」

ドラえもん「緊急事態なんだ、仕方ないよ」

杏子「それに、あれを倒さないとこの家は塵になっちまうしな」

ドラえもん「でも、入れたはいいけれど」

杏子「…見当たらねえ、時間がねえってのに」

まどか「やっぱり、もう捨てちゃったのかな……」

ドラえもん「ほむらちゃんの方はどう」

ほむら「…だめ、見つからない」

杏子「あんなでかいブツなんだ、どこかにありゃすぐに…」

まどか「!」

まどか「……ねぇ」

ドラえもん「どうしたの」

まどか「私……思い出しちゃった」

杏子「思い出したって何をだよ」

まどか「ほむらちゃんがあのカタログをあげた日、私仁美ちゃんと一緒に帰ったんだ……」

まどか「でも仁美ちゃん……カバン以外は何も荷物持ってなかった」

まどか「あの日は持ち帰るものが多かったのに、全部カバンに入りきってた……」

杏子「おい、それじゃあ……」

まどか「仁美ちゃん…あのカタログ学校で捨てちゃったんだよ」

ほむら「そんな……」

杏子「それが入ったゴミが、まだ処分されずにどこかに残ってるってことは」

ドラえもん「これから学校に行って探したら間に合わないよ」

杏子「すぐに見つかるかもしれないだろ、商品が載った切れ端さえあればいいんだ」

ほむら「……」

ほむら(あれ…このノート……)

ほむら(……もしかしたら!)

―――


マミ「ソウルジェム、酷い色ね……もうグリーフシードは残ってないのに」

さやか「こっち銃も撃てなくなっちゃった……」

ワルプルギス「ウフフフフフ…」

マミ「……美樹さん、お願いがあるのだけど」

さやか「ごめんなさい、お断りします」

マミ「あら……残念ね」

マミ「…じゃあこれ、どうしましょうか」

まみぃ……

さやか「……心配しなくても、このままだとガレキに押しつぶされて壊れちゃいますよ」

マミ「そうね、じゃあこのままにしておこうかしら」

さやか「よかったら付き合いますよ、逃げ場なんてないんだし」

マミ「一緒にいてくれる?なら……」

ガチャッ

ドラえもん「マミちゃん!さやかちゃん!」

マミ「ど、ドラえもん!」

ほむら「遅れてごめんなさい」

まどか「二人とも無事?」

さやか「あんたたち遅かったじゃない。もう来ないかと……」

ドラえもん「ごめん、取り戻すのに時間がかかっちゃって」

ほむら「スモールライト!」

ワルプルギス「アハハハ…」

シュルルルル…

さやか「ワルプルギスの夜が……小さくなっていく」

まどか「見て、空が晴れてきたよ」

マミ「力が弱まっているのね」

ほむら「……このくらいでいいかな」

まどか「マミさん、ソウルジェムの具合どうですか」

マミ「あまりよくないわね、大分濁っているわ」

まどか「じゃあこれ、使ってください」

マミ「これ……鹿目さんが魔女退治に使ってるジャンボガンじゃない」

まどか「はい、マミさんがきめちゃってください」

マミ「そう、ならいくわよ!」チャキ

―――


キュゥべえ「……ワルプルギスの夜は消滅したか」

キュゥべえ「地球の文明を壊し未来を変えることが目的だったから」

キュゥべえ「そのズレが生じないよう奪った未来の道具には何もしなかったけれど」

キュゥべえ「やはり何らかの対応はしておくべきだったかな」

杏子「……」

キュゥべえ「さて、僕を探していたみたいだけど…君は魔法少女になりたいというわけでもなさそうだね」

杏子「ああ……あんたたちと縁を切りに来たんだ」

キュゥべえ「一方的に言われても困るよ、こっちにも必要なものがあるんだ」

キュゥべえ「結局、時の流れを止めることはできなかった」

キュゥべえ「だから人間が僕らを必要としなくなる前に魔法少女を増やさないといけない」

キュゥべえ「これから大忙しだ」

杏子「……それは不要だよ」

…ファサ

キュゥべえ「…っ!!?」

ほむん

杏子「忘れろ草にグレードアップ液をかけた。この花の匂いを嗅いだら何もかも忘れる」

杏子「あんたたちは記憶を共有しているんだろ、だからあんたの世界にいる奴すべての記憶が消える」

杏子「自分の事も、宇宙の寿命の事も……な」

キュゥべえ「………」

杏子「宇宙の問題はさ、あたしたち人間に託してよ」

杏子「人間の技術が間に合えば生き延びる、駄目だったらみんなで消滅だ」

杏子「あたしたちだって人類滅亡は嫌に決まってる、だから気付けばきっと死にもの狂いだよ」

キュゥべえ「……ぼく…たちの……ぶん…めい……を……どうし……」

杏子「悪いけどそれはまた作り直してよ、知識はなくなっても既に作ったものは消えてないんだ」

杏子「……多分、それを取り戻すまでには結果が出ているだろうからさ」

―――


ドラえもん「杏子ちゃん」

杏子「ドラえもん、うまくいったよ」

マミ「佐倉さんどこに行っていたの」

杏子「ちょっとキュゥべえと話しててね、もう魔法少女の契約はしないってさ」

さやか「ほんと?」

杏子「ああ、もう魔法少女は増えない」

まどか「…あれ、キュゥべえあそこで寝そべって手足動かしてるけどどうしたんだろ?」

杏子「さあね、歩き方でも覚えようとしてるんじゃないの」

惑星はかいばくだんでもぶちこんでやりゃあいいのに

きゅっぷいきゅっぷい

―――その後


ドラえもん「タイムふろしきをマミちゃんのソウルジェムにかぶせて……」

さやか「そういやさ、どうやって四次元ポケットを取り戻したの」

ほむら「前に志筑さんに未来カタログをあげたでしょ?」

さやか「ああ、あれかあ」

ほむら「それで志筑さんの家に置いてないか行ってみたの」

ほむら「結局カタログは見つからなかったんだけど…」

ほむら「志筑さん、ファッション雑誌をスクラップにして保存してたみたいで」

ほむら「そこにカタログのページが貼ってあったの」

ほむら「それで、取り寄せバッグがあったから…」

さやか「それを買ってポケットを戻したってことね」

ほむら「……50万円もかかっちゃった」

さやか「あちゃー、安くて高い出費だね」

まどか「…ソウルジェムが無くなったよ!」

マミ「じゃあ、私……」

ドラえもん「魔法少女から元に戻ったんだよ」

マミ「あ……」

鹿目←読み方がいつまでたっても覚えられないんだけど

>>206
かもく だよ

さやか「マミさんっ」ダキッ

マミ「み、美樹さん!?」

さやか「離れていた魂が戻っただけでマミさんはマミさんですからね」

杏子「そうだよな、魔法少女じゃなくなってもあたしたちの関係が変わるわけじゃないんだ」

まどか「これからはマミさんもドラえもんの道具で魔女退治ですね」

ほむら「使い方が分からないものがあったら私たちが教えますよ」

マミ「……ええ、ありがとう」

―――ほむら家


マミ「お待ちどう様ー」

ほむら「すごい、おいしそうです」

ドラえもん「マミちゃんは料理が上手だね」

マミ「扱いなれてない高級な食材を使ったから少し不安なんだけど…」

ドラえもん「早速いただこうよ」



マミ「いつもお邪魔しちゃって大丈夫?」

ほむら「全然かまいませんよ、お母さんも歓迎していますし」

ドラえもん「僕もマミちゃんの料理が食べられてうれしいよ」

マミ「それならよかったわ、一人でいるのが少し辛かったから…」

ほむら「泊まるときも部屋は好きに使ってください、ドラえもんもいつもくつろいでいますし」

ドラえもん「そうそう」

マミ「ありがとう。そのうち魔女退治の記念パーティでもやりたいわね」

ドラえもん「そうだね、みんなを呼んでやろうか」

ほむら「でも、まだ魔女退治は続くんですよね」

マミ「…そうね。魔女の事もそうだし、魔法少女も探して元に戻さなくてはいけないわ」

ドラえもん「他にもエネルギー対策とかでまだやることはたくさんあるね」

ほむら「先は長いね……」

ドラえもん「でも22世紀には魔女が発見されていないんだ」

ドラえもん「だから、多分その頃には魔女はほぼいなくなってると思うよ」

マミ「これから頑張らないといけないわね」

ほむら「そういえばドラえもん、道具の方は大丈夫なの?」

ドラえもん「それが、人間がいられないような場所にポケットがあったみたいなんだ」

ドラえもん「タイムマシンの修理も終わったし…」

ドラえもん「明日セワシ君の様子を見に22世紀に行ってくるから、一緒に道具の検査もしてくるよ」

ドラちゃんチート過ぎ

結局ほむらちゃん美人なのに家庭モテなかったのは何が原因なんだ
やっぱりガチレズだからか?

―――22世紀


ドラえもん「セワシ君ただいま。何か変わったことはあった?」

セワシ「ドラえもん見てよ、このお年玉!」

ドラえもん「お、一万円入ってる」

セワシ「おばあちゃんのアパレル会社繁盛したんだよ、今は少し落ち込んでるけど」

セワシ「おばあちゃん自身もデザイナーとして活躍したんだ、時代を先取りしてるって」

ドラえもん「すごいじゃない、ほむらちゃんもそんなすごい人になるんだね」

セワシ「ほむらちゃん…?誰それ」

なん・・・だと・・・?

孫の孫じゃないっけ

ドラえもん「誰って、君の御先祖様」

セワシ「……ドラえもん、僕のおばあちゃんはほむらって人じゃないよ」

ドラえもん「え?だってこの卒業アルバムに写ってる黒い髪の……」ペラ

セワシ「その人じゃなくて、隣にいる仁美おばあちゃんだよ」

ドラえもん「うそ……」

セワシ「ちゃんと助けてあげてる?」

ドラえもん「あ……うんもちろんだよ。今のは軽いジョークだってあはは……」

―――ほむら家


ほむら「最近ドラえもん志筑さんの事よく気にかけてない?」

まどか「もしかしてドラえもん、仁美ちゃんが好きになったの?」

さやか「人間とロボの禁断の愛かあ、でもドラえもんじゃ難しいかな」

ドラえもん「違うってば。仁美ちゃん真面目でしょ」

ドラえもん「だから将来のために何か助けてあげられないかと思ってさ」

まどか「仁美ちゃん、お店開きたいって言ってたね。雑誌もよく読んでるし」

>>85
一番最初ののび太と恐竜だってタイムマシンとどこでもドアの使い方を逆にするだけで太平洋横断なんてしなくてよかったしな

ああ、仁美が生涯独身だったってことは、事故らなかった恭介はさやかと結ばれたのか?

ドラえもん「今の所うまくいきそうだから大きな支援は必要ないけどね」

ほむら「でも私だって一応先行き不安なんでしょ?」

ドラえもん「あーあれね……」

ドラえもん「でもほむらちゃんの事は最優先にするからその事については安心してよ」

ほむら「ん……ならいいや」



おわり

仁美ちゃんだったのかよwwwwwwwwwwwwwwwwww

おつかれ!

おっつ

乙。GJだった

追いついたと思ったら終わってた
仁美と間違えてほむらの所に行っちゃったのかww
わくわくする話だったよ乙!

ドラえもんのチートを再確認したわ
お疲れ様でした

おつ!

乙乙乙

( ゚ω^ )ゝ 乙であります!


ドラえもんがまともなSS久しぶりに見た

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