阿良々木「モバマス?」 八九寺「はい」 (52)

阿良々木「ソーシャルゲームだっけ? アイドルマスターシンデレラガールズ。僕、ああいうやつ詳しくないんだよな」

八九寺「確かに阿良々木さんって携帯電話やスマートフォンを通話とメールでしか使いそうにないですよね」

阿良々木「その通りだよ。妹達は使いこなしてるんだろうけどな、僕にはさっぱりだ」

八九寺「今でこそ電話やメールの相手が少しはいるわけですが、高校3年生になる前はそれすらいなかったんでしょう?」

阿良々木「・・・まあ」

八九寺「携帯電話いらなかったんじゃないです?」

阿良々木「ほっとけ」

阿良々木「で、なんでいきなりソーシャルゲームを僕に勧めるんだよ」

八九寺「八九寺Pですから」

阿良々木「お前のほうがプロデューサーとしては後発だけどな」

八九寺「私は十年以上前から存在しているんですよ?」

阿良々木「それはそうだけれども」

八九寺「ソーシャルゲームという市場にも興味があります」

阿良々木「お前の商魂たくましさは今までも見てきたけれどもお前本当にどんな立場にいるんだよ」

八九寺「だからプロデューサーだと言っているでしょう」

阿良々木「しかし今から参入してどうにかなるものなのか? 今更感があるぞ」

八九寺「逆に考えましょう。他が衰退していく今、どデカいものを一発当てれば大儲けです」

阿良々木「どのタイミングでもどデカいものを当てれば大儲けだろ」

八九寺「細かいことはいいんですよ、面倒くさい人ですね」

阿良々木「しかし一言にソーシャルゲームと言っても色々あるだろ? なんでモバマスなんだよ」

八九寺「阿良々木さんは可愛い女の子が大好きですから。どうしてそんなに可愛い女の子が好きなんですか?」

阿良々木「可愛い女の子が嫌いな男の子なんていません」

八九寺「二代目ではこちらがネタとして使われていたんでしたっけ? 使用料をいただかなければ」

阿良々木「僕らからも多方面に支払わなくちゃならなくなるぞ?」

八九寺「むう・・・仕方がありません。今回は不問にしてあげましょう。不問語(トワズガタリ)です」

阿良々木「同じ作者のネタなら使いまくっていいわけでもない」

八九寺「反則ですか」

阿良々木「販促だな」

八九寺「ところでステマ木さん」

阿良々木「AAが貼られそうでかつ無駄に荒れそうな名前で僕を呼ぶな。僕の名前は阿良々木だ」

八九寺「失礼、噛みました」

阿良々木「違う、わざとだ」

八九寺「かみまみた」

阿良々木「わざとじゃない!?」

八九寺「ステマした」

阿良々木「わざとらしい」

阿良々木「可愛い女の子と言うがな、それはソーシャルゲーム全般に言えるんじゃないのか? どうしてモバマスにこだわる」

八九寺「阿良々木さんは他に気になるものがあるんですか?」

阿良々木「気になるってわけじゃないけれど◯ールフレンド(仮)はよくCMで見たな」

八九寺「うにゃ~、確かにそれも可愛い女の子が多いね」

阿良々木「なにか言ったか?」

八九寺「なんでもありません。ちょっとPopな気分になりました」

阿良々木「よくわからないが」

八九寺「モバマスにこだわる理由はプロデューサーだからだと言ったでしょう」

阿良々木「そういえばそうだったか」

阿良々木「アイドルマスターってもう一つソーシャルゲームあるんじゃなかったか?」

八九寺「ミリオンライブですね、通称グリマス」

阿良々木「そっちじゃ駄目なのか?」

八九寺「駄目です」

阿良々木「駄目なのか・・・」

八九寺「阿良々木ハーレムを作るほどですから、この手の女の子がたくさん出るゲームは得意なんじゃないですか?」

阿良々木「阿良々木ハーレムなんてものは存在しないしゲームと現実は違うものだよ」

八九寺「『モバマスは現実』という言葉もあるそうですが」

阿良々木「嫌な言葉だな」

八九寺「忘れたいですか? 忘れさせてほしいのですか?」

阿良々木「お前は人の記憶を奪えるのか」

八九寺「私に限らず、キスをすれば奪えます」

阿良々木「マジかよ」

八九寺「刀語の王刀『鋸』参照です。でも今はキスをすべきではありませんね」

阿良々木「今は、って・・・」

八九寺「キスシーンはやたらと連発すると一つ一つの印象が薄れますからね。鬼物語における阿良々木さんの罪悪感と同じです」

阿良々木「・・・ちなみにこれはどの時期に会話をしていることになっているんだ?」

八九寺「SSに余計なツッコミは無用です。みんな仲良く生存している時期ということで、まあ私は死んでますけどね! ヨホホホ!」

阿良々木「お前はどこかの海賊船に乗っているガイコツかよ」

阿良々木家

阿良々木「よく考えたら受験生の僕がソーシャルゲームをしている暇なんてないんだよな」

火憐「ソーシャルゲームがなんだって?」

阿良々木「なんでもないよ。お前はなんかやってるのか? それこそ、えーとパ◯ドラだっけ?」

火憐「あー、私はああいうの苦手だ。月火ちゃんは得意だって言ってたかな?」

阿良々木「確かにあいつはパズルゲームが上手そうだ」

火憐「田舎だから同級生もスマートフォンなんて持ってないしなぁ。親のスマートフォンでやってるやつもいるみたいだけど」

月火「もう気が散る! 2人とも何の話をしてるの!?」

火憐「ああ、ちょうどいいところに。月火ちゃんはパ◯ドラやってるんだよな?」

月火「え、・・・うんやってるよ」

阿良々木「月火ちゃん、お前課金していないだろうな?」

月火「してないし! ある意味の縛りプレイみたいなものだよね」

阿良々木「お小遣いの範囲の課金ならまだしも熱くなって家計にまで食い込ませるなよ」

月火「それくらい分かってるってば! 子供扱いしないでよ、パ◯ドラむかつく!」

阿良々木「上手く行かなくなって課金しようとしてただろお前」

月火「むう」

阿良々木「あとプラチナとパ◯ドラはそんなに響きは似ていない」

翌朝、土曜日

阿良々木「なんだかんだでモバマスが気になってきたなぁ・・・」

阿良々木(しかし受験に響いては何の意味もない・・・、逆に言えば影響がなければやってもいいということだ)

阿良々木「むしろストレス発散になってプラスに働く可能性まである!」

忍「いやないじゃろ」

阿良々木「起きていたのか」

忍「お前様が悶々としておるから寝付けんのじゃよ、まあ普段から似たようなものじゃが」

阿良々木「調べてみたらソーシャルゲームって課金しなければ自然回復待ちが基本らしいからさ、息抜き程度にやるには丁度いいってことじゃないかな」

忍「息抜き程度」

阿良々木「そうだ、むしろ長時間プレイは出来ないと言ってもいい」

忍「ほう」

阿良々木「エネルギーが溜まっている分だけ、 無料で遊べちまうんだ!」

忍「お前様よ」

阿良々木「うん?」

忍「始める前から時間をかけてあれこれ調べておったじゃろ。始めてしまえばかかる時間はその比じゃなくなるぞ」

阿良々木「そうだ!羽川に電話しよう!」

忍「元委員長で現実逃避しようとするでない」

阿良々木「いやごめん、割と真面目なんだよ。あいつが僕の教育係なんだからこういうことで困ったらあいつに相談するのが一番だ」

忍「・・・一理あるのがむかつくわい」

阿良々木「羽川さんに電話だ!やったぁ!」

忍「もはや伝統芸じゃな・・・、まあ儂はもう寝る。あんまりテンションを上げると眠れんからな?」

阿良々木「ああ気をつけるよ。おやすみ」

阿良々木(さて落ち着け・・・、よし!)

羽川『はい、お待たせしました。羽川です』

阿良々木「もしもし、僕だ。いきなりで悪いけど、勉強のことというか息抜きについて相談したいんだ」

羽川『息抜き? ゲームか何かでもしようとしているの?』

阿良々木「お前はなんでも知ってるな」

羽川『何でもは知らないわよ。知ってることだけ』

阿良々木「ゲーム、正確にはソーシャルゲームをやりたいんだ」

羽川『ふむふむ。自然回復を待つ必要があるから息抜きにいいかもって考えているんだね』

阿良々木(本当に見透かされているよなぁ・・・、なんだかんだで忍野と張り合うだろこいつ)

羽川『勉強の合間にゲームをするということ自体が正直あんまりおすすめは出来ないんだけれど』

阿良々木「やっぱりそうか・・・」

羽川『ちなみにどれくらいゲームが気になっているの?』

阿良々木「え? あ、ああ。インターネットで色々調べたりしたよ」

羽川『そうやって消費される時間も加味するといっそ早く始めてしまったほうがいいとも考えられるね』

阿良々木「な、なるほど・・・」

羽川『こう言ったら悪いんだけれど、ソーシャルゲームだからね。ゲーム性はそんなに高くないし、受験の追い込みって言われてる期間には飽きが来るかも』

阿良々木「追い込みはまさに秋に来るよな」

羽川『あ、ちょっと戦場ヶ原さん。そっちじゃなくてこっち!・・・ああごめん、聞いてなかった。何?』

阿良々木「い、いやなんでもない。迷ってる時間ももったいないってことでいいんだよな」

羽川『そうだね』

阿良々木「ありがとう。じゃあまたな」

羽川『またね、勉強頑張って』

阿良々木「身近にやっている人間がいれば話を聞きたいところだが、神原は機械に弱いからやってないだろうし千石は携帯電話を持っていない」

阿良々木(結局自分で決めるしかないのか・・・)

阿良々木「パソコンで画像でも見てみるか。えっと、『モバマス アイドル』っと・・・」カチカチッ

月火「検索のときはマウスなんて使わないでエンターキー押せばいいのに」

阿良々木「別にいいだろ。検索はできるんだから」

月火「お兄ちゃん、モバマスやるの?」

阿良々木「まだ分からない」

月火「どうせなら私をアイドルにしてみない?」

阿良々木「お前がアイドルになってブログとかツイッターやったら炎上しそうだよな・・・」

月火「ファイヤーシスターズだけに?」

阿良々木「うるせえよ。ほら行った行った!」

月火「はいはーい」

阿良々木(『モバマス アイドル Sレア』っと・・・)カタカタッターン

阿良々木「おお・・・この感覚気持ちいい・・・」

阿良々木「どの娘もかわいいな・・・。属性はCo(クール)、Cu(キュート)、Pa(パッション)があるのか」

阿良々木(見た目だと高峯のあっていうアイドルが髪を切る前の戦場ヶ原に似ているかな?)

阿良々木(髪を切る前というなら風香ちゃんは羽川を抜けた感じにしたような・・・)

阿良々木「んー悩む・・・」

阿良々木「そもそも無課金で手に入る範囲の見極めも出来ないしコラ画像も相当数あるらしいから画像検索はあてにならないな・・・」

阿良々木「・・・もう始めてしまうか」

阿良々木「って電話? 戦場ヶ原からか、もしもし?」

戦場ヶ原『もしもしおはよう』

阿良々木「おはよう。どうした? 今羽川と一緒なんじゃないのか?」

戦場ヶ原『ええそうよ。わかっているのなら話が早いわ。羽川といちゃつきたいから手短に話すわ』

阿良々木「いちゃつくって・・・」

>>27
× 羽川
◯ 羽川さん

戦場ヶ原『阿良々木君がしようとしているソーシャルゲームは何?』

阿良々木「アイドルマスターシンデレラガールズってやつだよ」

戦場ヶ原『登録は済んでいるの? モ◯ゲーには登録した?』

阿良々木「いや今からしようと思っていたところだよ」

戦場ヶ原『危ないところだったわ。私が招待してあげるから待っていなさい』

阿良々木「危ない・・・?」

戦場ヶ原『いいから私からのメールを待っていなさい。モ◯ゲーに登録してもゲームを始めては駄目よ。登録したら私に電話しなさい』

阿良々木「お、メールが来た。『こよこよLOVE』さんからの招待・・・? いやまああいつなんだろうけど・・・」

阿良々木「このリンクから登録すればいいのか。ユーザー名は・・・『鬼いちゃん』でいいか」

阿良々木「もしもし、登録したぞ」

戦場ヶ原『確認したわ、チャットに私からの勧誘が来るはずだからそこからゲームを始めなさい』

阿良々木「わかった」

戦場ヶ原『じゃあちょっと待ってなさいな』

阿良々木「あいつがモバマスやってたのかよ・・・」

阿良々木「ここから行って・・・、おおこれか。属性もおすすめしてくれるのか、じゃあおすすめのPaでいいや」

阿良々木「おっ、噂のちひろさんだ。最初のガチャは・・・おお雪歩か! 大事にしよう」

阿良々木「ふむチュートリアルか」

阿良々木「本田未央、前川みく。どっちも可愛いな」

阿良々木「あ、やっぱみくにゃんはいいです」

阿良々木「お仕事を進めていく中、各地でアイドルをスカウトしていく感じなのか」

阿良々木「はははっ、お仕事進めてるとスタミナが尽きる前にレベルアップで回復するじゃん!」

阿良々木「とりあえずスタミナに振れば間違いはないか」

阿良々木「あ、スタミナ切れた・・・ドリンクを飲めば回復、っていやいや飲んじゃ駄目だって」

阿良々木「さて、回復するまでの間にマイスタジオってのを確認するか」

阿良々木「ん? 神撃のバ◯ムートとのコラボ? へー、いろいろアイテムが貰えるのか。無課金ならやらない手はないな」

阿良々木「また戦場ヶ原から勧誘が・・・、コラボ先まで招待してくれてるのか。ありがたいな」

阿良々木「よしとりあえずこっちもチュートリアルは・・・ってそろそろ回復してるな。お仕事進めなきゃ」

阿良々木「手に入らないだろうけどフリートレードでSレア+とか覗いてみるか」

阿良々木「あれっ、この辺のカードは僕でもフリートレードで手に入れられるじゃん!」

阿良々木「属性はPaに合わせるべきだよな・・・、となると [トロピカルダンサー]小松伊吹+、[ディアンドルガール]北川真尋+、[小さな英雄]南条光+ ・・・」

阿良々木「ちょっと数字は弱いけど[桜色少女]龍崎薫+がいいかな!」

深夜

阿良々木「そろそろだな」

忍「お前様よ。さっきから何度も起きて一体何をしておるのじゃ」

阿良々木「スタミナと攻コストが溢れちゃうからな。回復したらすぐに使うようにしているんだよ」

忍「面倒くさくないのか・・・?」

阿良々木「これしきで音を上げるかよ」

忍「息抜き程度と言っておったろうが」

阿良々木「今はレベルが低いからこんな感じだけどレベルが上がればスタミナと攻コストの上限も上がるしここまで張りつかなくてよくなるはずだ」

忍「・・・」

数週間後

忍「お前様よ」

阿良々木「ん? どうした忍」

忍「未だに夜中に何度も起きてゲームに興じておるのはどういうことじゃ? 張り付きが不要になるんじゃなかったのか」

阿良々木「それがな、イベントのときにはLPやAPっていうのを使うんだよ」

忍「ほう」

阿良々木「それはレベルに関係なく上限が設定されていて寝ている間に溢れてしまうんだよ」

忍「それで?」

阿良々木「無課金である僕は寝る間も惜しんでイベントをやる義務がある」

忍「アホが」

阿良々木「え?」

忍「受験勉強どころか実生活にダイレクトに影響を受けておるではないか」

阿良々木「そうかなぁ」

忍「儂とのリンク以上の影響力かもしれん」

阿良々木「いや、その・・・」

忍「言い訳は無用じゃ。寝ろ」

阿良々木「吸血鬼体質だから多少の夜更かしは・・・、なんでもありませんおやすみなさい」

さらに数週間後

阿良々木「よっしゃああああああああああああ!! ついに[ちびっこアクマ]赤城みりあ+をお迎えできたぞ!」

阿良々木「[ゆるふわ乙女]高森藍子+に、戦力的には足りない感じだけれど[悩めるお年頃]矢口美羽+、[桜色スマイル]龍崎薫+と市原仁奈+で・・・」

阿良々木「とりあえずフロントはいい感じだ!」

阿良々木「上位報酬だった薫ちゃんと仁奈ちゃんを手に入れるのはまだまだ先になりそうだがいつか必ず・・・!」

阿良々木「運のよさもあったとはいえ、無課金でもここまで集めることは出来るんだな・・・」

阿良々木「明日はガチャの更新か・・・。もしもの場合はプラチナオーディションガチャチケットが溜まってきているしなんとかなるかもしれないしな」

阿良々木「寝るか」

翌朝

火憐「最近兄ちゃんが自分で起きてるから私達の出番がないんだけど」

月火「スマートフォンをずっといじっているけれど何? 戦場ヶ原さんとメールでもしているの? それともLINE?」

阿良々木「メールでもLINEでもないよ」

火憐「いや私も月火ちゃんも兄ちゃんがモバマスに嵌っていて朝もそれをやっていることには気付いているんだけどさ」

阿良々木「問題あるか? 自分で起きるようになったのはプラスだし、課金だってしていないんだから何も問題はないはずだぜ?」

火憐「んー・・・」

月火「しかも戦場ヶ原さんと羽川さんのおかげで勉強の方も別に悪くなっているわけじゃないんだよね、怒るに怒れないじゃない」

阿良々木「つまり怒らなくていいってことだろ」

月火「それが腹立たしいんだよ。プラチナむかつく!」

阿良々木「とりあえずそれを言いたかったんだな」

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