結衣「ネコ耳セット……」(332)

結衣「西垣先生、この箱はどこに置けばいいですか?」

西垣「あぁ、ソイツはそこの戸棚に入れてくれ」

結衣「はい、分かりました」

西垣「いやー悪いな船見、こんな雑用手伝ってもらって」

結衣「いえ、合宿のときに先生にはお世話になりましたし」

結衣「これくらいでしたらどうってことないですよ」

西垣「あぁ松本、お前のほかにも爆友がふえ――」

結衣「すません、それだけはお断りです」

りせ「……」

西垣「はぁ、残念だ」

結衣「当たり前でしょうが」

りせ「……」テキパキ

結衣「会長さん体が小さいのによく働きますね」

りせ「……」

りせ「……」

結衣「だ、ダメだなに言ってるのか全然分からない」

西垣「小さいなんて失礼ね、私脱いだらすごいのよ、だと」

結衣「えっ!?」

りせ「……」ポカポカ

西垣「わはは、すまんすまん、叩かないでくれ松本」

りせ「……」

結衣「あまりからかっちゃダメですよ先生」

西垣「そうか?毎日こんなもんだぞ」

結衣「そ、そうなんですか」

結衣「それで会長はなんて言ったんですか?」

西垣「ああ、船見さんも頑張っているわ、ありがとう」

西垣「でも無理しちゃだめ、休み休みでいいからね、だとさ」

りせ「……」コクコク

結衣「そうですか」

結衣「……優しいんですね、ありがとうございます」

結衣「でも昔から体力には自信あるんです、大丈夫ですよ」ナデナデ

りせ「……!」

結衣「す、すみませんつい頭撫でてしまいました……」

りせ「……」ニコッ

西垣「ふふ、松本のやつまんざらでもなさそうだな」

結衣「……」

りせ「……」ケホッ

結衣「ほこりあまり吸わないようにしないといけませんね」

りせ「……」コクッ

結衣「マスクでもあれば良かったんだけど」ゴソゴソ

結衣「……おやこれは?」

結衣「ね、ネコ耳のカチューシャ、あとしっぽ……」

りせ「……」

結衣「あ、いえ何でもありませんよ、仕事続けましょう」

りせ「……」テキパキ

西垣「よし2人ともお疲れさん、だいぶ綺麗に片付いたよ」

結衣「ふう、疲れた……」

結衣「それじゃ私はごらく部に戻りますね」

りせ「……」

西垣「そうだな、コーヒーと菓子の一つでもでも出さないと失礼か」

結衣「いえいえ、そんなお構いなく」

西垣「いや、職員室にちょうどショートケーキがあったんだ」

西垣「いま持ってくるから待っててくれないか?」

結衣「そうですか、それじゃお言葉に甘えて」

西垣「松本、お前も手伝ってくれ」

りせ「……」

ガラッ バタン

結衣「ショートケーキか……」

結衣「ふふ、京子たちには内緒にしないとな」

結衣「……」

結衣「……」チラッ

結衣「……黒猫を模したのかな、可愛いかも」

結衣「い、いやダメだ、京子ならともかく」

結衣「私が付けるなんてキャラじゃないしな、うん」

結衣「……」チラッ

結衣「……」チラッチラッ

結衣「……」

結衣「……」チラッ

結衣「ああああああ、可愛い……」

結衣「で、でも誰も見てないしな」

結衣「将来ネコ耳付けるのがスタンダードな世界がくるかもしれないし」

結衣「うん、その練習だから」

結衣「そもそもこんなところにネコ耳セットがあるのがいけない」

結衣「付けて下さいと言わんばかりじゃないか」

結衣「……ふふふ」

結衣「カチューシャと、尻尾は先がクリップになってるのか」

結衣「ど、どれどれ……」カチャカチャ

結衣「う、うわぁこれはひどい……」

結衣「……」

結衣「にゃ、にゃーん」

西垣「どうだ松本、船見とは仲良くなれそうか?」

りせ「……」

西垣「ああ、船見ならきっと松本の友達になってくれるさ」

りせ「……」

西垣「ほんとだって、私が今までにウソついたことがあるか?」

りせ「……」コクッ

西垣「ははは、なかなか手厳しいな松本は」

ガラッ

西垣「おーすまん船見、ホラ、イチゴたっぷりのショートケーキだ……」


結衣「にゃ、にゃんだよコレ!?引っ張っても外れにゃい!!!」ジタバタ

結衣「あ……」

西垣「ふ、船見にコスプレの趣味があったとはな……」

りせ「……」

結衣「ち、違いますよ!!」

西垣「いや別に軽蔑しているワケではない」

西垣「そもそもよく似合ってるというか」

りせ「……」ニコニコ

西垣「ホラ松本も、可愛いわ船見さん、だとさ」

結衣「だ、だからこれには深いワケが……」カァー

結衣「こ、このネコ耳カチューシャと尻尾、外れにゃ……ないんですよ」

西垣「おいおい、そんなバカな話があってたまるか」

西垣「なぁ松本?」

りせ「……」フルフル

西垣「む、確かに冗談を言うような人間でもないからな船見は」

西垣「どれどれ、ちょっとこっち来てくれるか、チッチッチー」

結衣「そのチッチッチって言うの止めて下さ――」

西垣「……」グイグイッ

結衣「いだだだだだだ!」

結衣「にゃ、にゃにするんですか!!!」ガリッ

西垣「おおう」

結衣「フーッ、フーッ」

西垣「爪で引っ掻くとはな、まるでネコだよ」

りせ「……」

西垣「ああ大丈夫だ、船見が深爪で良かった」

りせ「……」ナデナデ

結衣「……」

結衣「……にゃーん」スリスリ

西垣「いよいよネコだな」

結衣「……」スリスリ

りせ「……」

西垣「松本、ネコはノドを撫でると喜ぶらしいぞ」

りせ「……」

りせ「……」スッ

結衣「か、会長さんくすぐったいです」

りせ「……」スリスリ

結衣「ふにゃ……」

結衣「……」ペロッ

りせ「!?」

西垣「ほっぺ舐めときたか、いよいよネコだな」

西垣「おーい船見、そろそろ帰ってこい」

結衣「はっ!?」

結衣「す、すみません会長さん……」

りせ「……」フルフル

西垣「ネコと人間の半々っていったところかな」

西垣「とにかく引っ張っても取れないとなると……」

結衣「……」グスッ

りせ「……」

りせ「……」ナデナデ

結衣「会長さん……ありがとう、でも大丈夫ですから」

西垣「ううむ……」

西垣「なあ船見、そのセットはどこで見つけたんだ?」

結衣「ええっと、その木箱に入ってたんです」

西垣「コレか?」

結衣「はい……」

りせ「……」フニフニ

結衣「ひゃっ、し、しっぽ触らないで下さい!!」

りせ「……」ナデナデ

結衣「ぜ、絶対遊ばれてる……」

西垣「おい船見この木箱にこんな紙があったんだが」

結衣「にゃんです?」

西垣「ふむふむ……」

結衣「にゃんて書いてあるんです、西垣先生」カリカリ

西垣「コラコラ、私の白衣で爪はとげないぞ船見」

結衣「す、すみません、体が勝手に……」

りせ「……」クスッ

西垣「どうも直接生きたネコから毛皮をはぎ取って作ったモノみたいだな」

結衣「ひっ……」

西垣「そのせいか知らんがちょっとした呪いが込められてるらしい」

結衣「外れにゃいのはその呪いのせいにゃんでしょうか」

西垣「多分な、ここに一日限定って書いてある」

結衣「ず、ずいぶんと良心的にゃ……な呪いですね」

西垣「恐ろしいのか可愛いか分からん呪いだな」

西垣「でも良かったじゃないか」

結衣「えぇ、このまま外れにゃかったらどうしようかと……」

結衣「そんな禍々しいもの置いておか、な、いで下さいよ」

西垣「すまんすまん、どこかで譲り受けたんだろうな」

西垣「……『な』を『にゃ』って発音してしまうんだな」

結衣「……意識して言わないとそうにゃっちゃいます」

結衣「……また、もうやだ」グスッ

りせ「……」ナデナデ

結衣「うぅ、会長さん」

結衣「ホント一日だけで良かった……」




結衣「こ、こんな姿誰かに見られたらどうしよう……」

西垣「いや、なんというか、なあ松本」

りせ「……」コクッ

西垣「違和感ないくらい似合ってるぞ」

結衣「褒め言葉にゃんですかそれは……」

結衣「とにかく絶対京子には見つからにゃいようにしにゃいと」

結衣「な、な、な、にゃ……」

結衣「うぅぅ、やっぱりうまく発音できない……」グスッ

りせ「……」ギュッ

結衣「尻尾握らにゃいで下さい……」

西垣「確かに歳納に見つかったら面倒なことになりそうだな」

結衣「オモチャにされるのが目に見えますよね……」

りせ「~♪」ナデナデ

結衣「す、すでに会長さんに遊ばれてますし」

西垣「はは、まぁ今日はここでゆっくりしていけばいいさ」

西垣「下校時間が過ぎて人がまばらになったら、私がタクシーで送ってやる」

結衣「……先生って意外と常識あるんですね」ホロリ

西垣「おいおいお言葉だな船見、私ほどの常識人はいないと思うぞ」

結衣「常識人は爆発で理科室吹っ飛ばしません」

りせ「……」コクコク

結衣「でもこんな離れの理科室に、な、んて人なんて来ないでしょうし」

結衣「しばらくゆっくりさせてもらいます」

西垣「あぁ、っとケーキ持ってきたんだ」

西垣「ほら松本、船見」カチャカチャッ

りせ「……」

結衣「すみません、ありがとうございます」

結衣「ふふ、この生クリーム濃厚ですね、スポンジもふかふか」ペロペロ

結衣「……」チロチロッ

西垣「ふ、船見、ネコに戻ってるぞ!手を使え!フォークを使え!」

結衣「はっ!?……す、すみません」モキュモキュ

りせ「……」クスッ

西垣「船見、コーヒーはブラックでも大丈夫か?」

結衣「はいブラックでも大丈夫です」

りせ「……!」

結衣「どうしたんです会長さん、そんな目を丸くして」

西垣「まぁお前らの歳ならブラックを飲める船見のほうが珍しいだろ」コポコポ

西垣「ほら」

結衣「ありがとうございます先生」ズズッ

結衣「あっ、あつ!?」

西垣「……ネコなだけに」

結衣「……ネコ舌になってますね」

結衣「……はぁ」



りせ「……」ナデナデ

結衣「ふふ、くすぐったいですよ」

結衣「このままにゃにごともにゃく終わればいいにゃあ……」

西垣「……なんかお前ら見てると和むな」

ガラッ

京子「やっほー西垣ちゃん、結衣どこにいるか知らない?」

綾乃「西垣先生、この書類にハンコお願いします」

西垣「つ、机の下に隠れろ船見」グイッ

結衣「っ!?」

西垣「やあよく来たな2人とも、とりあえず座ってくれ」

京子「へへへ、会長さんこんにちは」

綾乃「こんにちは松本会長」

りせ「……」ニコッ

綾乃「まったく、歳納京子ったらいきなり生徒会室に来て」

綾乃「船見さんを探すの手伝えだなんて……」

京子「いやーごめんごめん、お詫びに今度プリン食べてあげるからさ」

綾乃「お詫びになってないわよ!」

結衣「……」

結衣「(急に机に押し込まれたからお尻を突き出す感じになってしまった……)」

結衣「(ただの変態じゃないかこれじゃ、でも動けないし……)」

京子「んー結衣ってばどこ行っちゃったんだろ」

綾乃「船見さんもう帰ったんじゃないのかしら」

京子「うーん……」

綾乃「あ、あれ西垣先生コーヒーカップが3つあるのは……」

結衣「!?」

パタパタッ ピコピコ

京子「に、西垣ちゃんいま黒い尻尾みたいなのが動いたんだけど……」

綾乃「ええ、私もはっきり見えたわ」

西垣「お、おいおいどうしたんだよ2人とも、しっかりしてくれよ」

りせ「……」ドキドキ

京子「むう……」

綾乃「怪しい……」

西垣「……」

りせ「……」

京子「西垣ちゃん」

綾乃「松本会長」

京子「どうしてそんな汗だくなの?」

綾乃「ええ、いつも冷静な松本会長まで」

京子「……その机の下になにか隠してるでしょ」

ピコピコッ パタパタ

西垣「まさか、そんなワケないだろ」ギュッ

結衣「ひゃ、ひゃう……」

結衣「(し、しっぽ握られたから声漏れてしまった……)」

京子「いま変な声聞こえたよな綾乃」

綾乃「ええ、しっかり聞こえたわ」

京子「西垣ちゃん、悪いけどその机調べさせて」

西垣「うぐっ……」

西垣「そ、それだけは無理だな」

綾乃「また校長に伝えますよ、そしてPTAにも伝えますよ」

綾乃「七森中の理科室には爆弾魔の先生がいるって」

綾乃「……」ニコッ

西垣「ぐううう……」

ピコピコッ! ピコピコッ! パタパタ! パタパタ!

西垣「すまん、船見……」スッ

西垣「松本もすまん……」

りせ「……」

京子「えへへ、ありがと西垣ちゃん」

綾乃「脅すようなマネしてすみません、でももう爆発はやめたほうがいいですよ」

西垣「スマンそれは無理だ、私のライフワークだからな」

京子「……」

綾乃「……」

ピコピコ パタンパタン 

京子「尻尾だ……」

綾乃「黒猫のしっぽね……」

京子「どこに繋がってるんだろう」

綾乃「じ、地面かしら」

京子「……」ギュッ

綾乃「……触り心地はどう?」

京子「柔らかくて、ふかふかしてるよ、気持ちいいな」

綾乃「つ、つんつんしちゃったり……」ツンッ

パタパタッ ピコピコ パタピコ

京子「なんか触られてこの尻尾喜んでるね」

綾乃「はぁ、なんか病みつきなっちゃうかも……」

京子「さて、正体の解明といきますか」

綾乃「ええ、そうね」

京子「いっせのーで、で机の下見ようよ」

綾乃「きっとなにか生き物がいるんだわ……」

京子「……」ゴクッ

京子「……」

綾乃「……」

京子「いっせーのーでっ!!」

結衣「……」フルフル

京子「ゆ、結衣?」

綾乃「ふ、船見さん四つん這いになんかなってどうしたのよ!?」

京子「あ、あれこの尻尾、結衣のお尻に繋がってる……」

綾乃「……」ギュッ

結衣「あ、綾乃、尻尾は敏感だから……」ビクッ

綾乃「ご、ごめんなさい……」

京子「なーんだ、結衣に尻尾が黒猫のしっぽが生えただけか」

結衣「そうそう、ただそれだけにゃんだよ」

綾乃「うふふ、船見さんったらネコ耳まで生えてるわよ」

結衣「あはは、まいったにゃあ」

結衣「それじゃ私はこれ帰らせてもらおうかにゃ」

京子「……ちょっと待ってよ」ガシッ

綾乃「……」

>>94
9行目訂正 結衣「それじゃ私はこれで帰らせてもらおうかにゃ」


京子「ほ、ほんものなの!?」

綾乃「こ、この尻尾どういう仕組みなのよ……」ギュッ

結衣「だ、だから尻尾握るのダメだってぇ……」

京子「このネコ耳も引っ張っても取れない!!」

結衣「いだだだだだだ」

結衣「もう終わりだ、全部終わりだ……」シクシク

西垣「あーその、今までのいきさつを説明するとだな……」

西垣「……ということなんだ」

京子「うわぁ、結衣踏んだり蹴ったりだな」ナデナデ

綾乃「まさに厄日ね……」スリスリ

結衣「2人とも近づきすぎ」

京子「だってねえ」

綾乃「かわいいもの」

結衣「おい、綾乃までそっちに回ったらツッコミきれにゃいぞ」

綾乃「そのにゃっていうのが自然で可愛いわね」

京子「へへへ、よしよし」

結衣「ノド触るにゃって……」

京子「結衣ーお手!」

結衣「犬じゃねえ!」

綾乃「ね、ねえ船見さん、写真一緒に撮ってくれないかしら」

結衣「いいわけにゃいだろ!」

りせ「……」ギュッ

結衣「だから尻尾はだめにゃんです!」

西垣「ははは、ツッコミが冴えるな船見」

結衣「誰のせいだと思ってるんですか……」

京子「結衣ーあかりとちなっちゃんにも見せに行こうよ」

結衣「えぇ……」

結衣「絶対に嫌だ」

結衣「もう京子と綾乃なんて嫌いだ、ほっといてくれ」

結衣「……」ピーン

京子「あーもうこの尻尾最高に可愛い」

綾乃「うふふ、尻尾が垂直のときは構ってもらって嬉しいってサインらしいみたい」

京子「ほんとに!?」

結衣「うっ……」

京子「普段はそっけないくせにほんとはそんな事考えてたんだ……」

結衣「ち、違う」

綾乃「顔が真っ赤なのはなぜかしら?」

結衣「もうやだ……」

京子「よーし、結衣さっそくごらく部行くぞ!」グイッ

結衣「やだ……」

綾乃「と、歳納京子、ふにゃみさんの写真お願いね……」

結衣「だれがふにゃみさんだ」

京子「おー、何枚でも撮っておくよ」

結衣「撮らせねえよ」

京子「じゃあね3人ともー」グイッ

りせ「……」フリフリ

綾乃「ふふふ、可愛かった」

西垣「船見、すまん……」

京子「……はい、この帽子かぶって」

結衣「え、いつの間にこんなもの」

京子「あとね、できるだけ私が後ろに立って尻尾隠すからね」

結衣「うん」

京子「なんかあまり結衣が他の子にきゃーきゃー言われるのみたくないかな」

京子「ごらく部は別だけど……」

京子「そ、それだけだよ、深い意味はないよ」

結衣「……」ピーン

京子「結衣、尻尾が垂直になってる」

結衣「……うるさい」

結衣「……帽子ありがとにゃ」ポスッ

結衣「……」みょーん

京子「(耳隠しきれてないけど、可愛いから黙っておこう)」

あかり「あの2人がいないと静かだねえ」

ちなつ「正確には京子先輩がいないと、だけどね」

あかり「ふふふ、確かにそうかもね」

ちなつ「結衣先輩遅いなあ、どうしちゃったんだろう」

あかり「そうだねえ」ズズッ

ちなつ「……結衣先輩ってネコ耳似合いそうだと思わない?」

あかり「ず、ずいぶんと唐突だね」

ちなつ「あかりちゃんと京子先輩は犬耳が似合いそう」

あかり「えへへ、わんちゃんかぁ」

あかり「確かに結衣ちゃんって上品な黒猫っぽいもんね」

ちなつ「結衣先輩のネコ耳姿を見れたら……どうなっちゃうかな私」

ちなつ「えへへ」

あかり「まぁ結衣ちゃんに限ってそんな事はしないと思うけど……」

ちなつ「だよねえ……」

ガラッ

あかり「あ、噂をすればなんとやらだよぉ」

ちなつ「結衣先輩、こんにち……」

結衣「や、やあ2人とも」

ちなつ「あれ、帽子なんて被ってどうしたんですか?」

結衣「あーえっとね……」パタパタッ

京子「むふふ動揺が尻尾に表れてるなぁ」

あかり「ゆ、結衣ちゃんこの尻尾なあに?」ギュッ

結衣「っ!」ビクッ

京子「もう帽子もとっちゃえよー」バッ

結衣「あっ……」

ちなつ「……にゃーん」

あかり「ね、ネコ耳だー!」

あかり「えへへ、結衣ちゃん似合ってるよぉ」ナデナデ

結衣「あ、あかりあまり触らないで恥ずかしいから……」

京子「またまた、尻尾は嘘つかないもんなぁ」スリッ

結衣「んぅ、だ、だから尻尾も触るにゃって……」

あかり「あはは、にゃ、ってなりきってるね結衣ちゃん」

ちなつ「……せんぱい」

ちなつ「……ゆいせんぱい」

ちなつ「……ゆいせんぱいがネコ耳付けてる」

結衣「……ち、ちにゃつちゃん?」

ちなつ「……ゆ、結衣先輩」

結衣「にゃ、にゃんだいちにゃつちゃん……」

京子「な、なんだいちなつちゃん……」

ちなつ「と、とってもに可愛いです、よっ」

ちなつ「可愛いなんかじゃ足りない、でも語彙が少なすぎて形容できない……」

結衣「ふふ、ありがとち、な、つちゃん」

結衣「よし、上手く言えたにゃ」パタパタッ

あかり「ね、ねえ結衣ちゃん、その尻尾動いてるんだけど……」

京子「あぁ、これはな実は西垣ちゃんが――」

あかり「生きたネコさんの毛皮剥ぐなんて……こ、怖いよぉ」

ちなつ「確かにエグイですね……」

結衣「まぁそういうことにゃんだ」

結衣「決してコスプレとかが好きってワケじゃにゃいからな」

あかり「……」

あかり「ふふふ」

結衣「……どうしたの、あかり」

あかり「にゃんでもないよぉ、結衣にゃん」

結衣「……あかりの制服で爪といでやろうか?」

あかり「ひいっ!?」

結衣「はは、冗談だよ」

あかり「顔が笑ってないよ、結衣ちゃん!」

結衣「ありゃ、もう日が落ちちゃったか」

京子「ほんとだ、もう下校時間だな」

あかり「……」

ちなつ「……あかりちゃん」

あかり「たぶん考えてる事は同じだね、ちなつちゃん」

京子「もうちょい結衣と遊びたかったなぁ」

結衣「……遊ぶってにゃんだよ」

京子「へへへ、尻尾がピーンとなってる」

結衣「あーもう……」

あかり「ゆ、結衣ちゃん……」

結衣「うん?」

ちなつ「きょ、今日お泊りしに行っていいですか!!」

結衣「えっ……」

結衣「うーん……」

あかり「あ、あのね、結衣ちゃんそんな体だから不便じゃないかと思って」

ちなつ「だから少しでも結衣先輩の力になれれば……」

結衣「ふ、2人とも……」

結衣「ふふ、それじゃお言葉に甘えようかにゃ」ピーン

あかちな「わーい!」

結衣「というわけだから、じゃあにゃ京子」

京子「ちょ、ちょっと待った!!」

京子「私も泊まるに決まってるだろう!」

結衣「……はぁ」ピーン

結衣「まったくしょうがにゃいにゃ、京子は」パタパタ

京子「忙しい尻尾だな」

結衣「ふふ、にゃんだかんだ言ってみんにゃ気を遣ってくれてるんだにゃ」

結衣「……意識しても『な』が上手く言えなくなってきたにゃ」

結衣「はぁ、本当に1日で戻れるんだろうか」

結衣「……」ペタッ

結衣「へえ、しょんぼりすると尻尾もふにゃーってにゃるんだ」

結衣「……みんにゃの事を考えると尻尾がピーンって張る」

結衣「……1人だけじゃきっと不安でしょうがなかっただろうにゃ」

結衣「ふふふ、早く来ないかな」パタパタッ

結衣「よしっ上手く言えた」

ピンポーン!

結衣「やあ、よく来たねみんにゃ」

あかちな「おじゃましまーす」

京子「ぷぷ、みんにゃだって」

ちなつ「それが最高に可愛いんじゃないですかっ!」

あかり「ふふふ、だよねえ」

結衣「一気に騒がしくにゃったにゃ……」

結衣「晩ごはんカレーで大丈夫だったよね」

京子「へへへ、やりい、お腹ペコペコだよ」

あかり「結衣ちゃんよそうの手伝うよ」

ちなつ「あ、私もやりますよ!」

京子「うむ、皆の衆がんばりたまえ」

結衣「アンタも手伝うの」

京子「へーい」

結衣「……」

京子「お、なかなかの味じゃん」

あかり「カレーとオムライスは結衣ちゃんには勝てないよぉ」

ちなつ「……幸せ」グスッ

結衣「良かった、好評みたいだにゃ」

京子「あのさ、どうして結衣はまだ制服きてるの?」

結衣「あぁ、尻尾が引っかかって上手く脱げないんだ」

あかり「そ、そういえば尻尾が生えてるって事は……」

結衣「うん、制服のワンピースに穴が開いちゃったみたいでさ」

結衣「ジャケットの部分は無事だったけど」

京子「ちなみに尻尾はどこから生えてるの?」

結衣「お尻のちょっと上あたりかな」

ちなつ「……うふふ」

結衣「あかり、あとで制服脱ぐの手伝ってくれにゃいか?」

あかり「うん、いいよぉ」

ちなつ「……いいなぁあかりちゃん」

京子「な、なんであかりなんだよ!?」

結衣「いや、にゃんとにゃく」

結衣「な、んと、なく」

結衣「……末期だにゃ、ほんと」

ちなつ「でもホント似合ってますよ結衣先輩」

結衣「にゃんかまじまじと言われると照れちゃうよ」

結衣「……」パタパタッ

結衣「……」ピーン

京子「尻尾のこの一連の動作を喜びの舞と名付けよう」

結衣「……るさい」

結衣「あかり、食べ終わったかにゃ……いや、食べ終わったかな」

あかり「ふふふ、わざわざ言い直さなくてもいいのに」

結衣「ほんと困ったもんだよ」

あかり「あかりは可愛いと思うけどなぁ」

結衣「……」ピーン

あかり「くすくすっ」

結衣「あかりの顔で爪とぐぞ」

あかり「ごめんなさいごめんなさい……」

結衣「ほら脱衣所行くよ」

あかり「うん」

京子「……」

ちなつ「……いいなぁ」

京子「ちなつちゃん、今日なにか持ってきた?」

ちなつ「ふふふ、結衣先輩が喜びそうなとっておきをですね……」

京子「へえ奇遇だな、私もだよ」

京子「これさえあればもうメロメロだろうな~結衣は」

ちなつ「その言い方引っかかりますね、なに持ってきたんです?」

京子「ひ・み・つ」

ちなつ「むむむ、京子先輩のいじわる……」

京子「わっはっは、拗ねてるちなっちゃんも可愛いぞー」

ちなつ「暑苦しいです、私は結衣先輩に抱き着かれたいんです」

京子「もしかしたらそうなるかもね」

ちなつ「えっ?」

京子「んにゃ、なんでもないよ」

結衣「あかり、ありがとにゃ助かったよ」

あかり「ううん、気にしないでよぉ」

京子「あかりー結衣の肌どうだった?」

あかり「ええっと、お餅みたいに真っ白ですべすべ――」

結衣「やかましい」コツン

あかり「えへへ、ごめんね結衣ちゃん」

結衣「京子も変にゃこと聞くにゃって」

京子「わりいわりい、あれジャージとかじゃなくてスカートなんだ」

結衣「こうしないと尻尾が窮屈だからにゃ」パタパタ

ちなつ「相変わらず元気な尻尾ですよね……」

結衣「だね……」

結衣「……ふふ」

京子「……いや、コレが自然なんだろうな」

あかり「……ネコだからね」

ちなつ「段ボールに入って満足げな顔をする結衣先輩……」

結衣「うっ、無意識のうちに段ボールに……」

結衣「は、恥ずかしい……」イソイソ

京子「んー写真に撮れば良かったな」

あかり「な、なかなかシュールな光景だよね」

ちなつ「確かにもう二度と見られないかも……」

結衣「うぅ……」

京子「お尻のちょっと上に尻尾が生えてるって言ったじゃん?」

京子「下着穿いたら付け根が隠れちゃうんじゃない?」

あかり「少し下げてる感じかな、ね結衣ちゃん」

ちなつ「……!?」ガタッ

結衣「まぁそんな感じだ」

京子「あと、嬉しいと尻尾ピーンて立つじゃん?」

結衣「……」

京子「ウエストのゴムを押しのけちゃうじゃん?」

京子「結衣のおしr」

結衣「……作戦変更だあかり」ガンッ

結衣「安物のジャージのお尻の部分を尻尾の直径だけ切るか」

あかり「……あはは」

京子「……」ピクピクッ

あれ自分でもなに書いてるのか分からなくなってきた
スカート穿いてしっぽピーンってなったらどうなるんだろう

>>190
スカート捲れてパンツ丸見え

>>192
なるほど、分かりやすい回答をありがとう

>>188 訂正

京子「お尻のちょっと上に尻尾が生えてるって言ったじゃん?」

京子「下着穿いたら付け根が隠れちゃうんじゃない?」

あかり「少し下げてる感じかな、ね結衣ちゃん」

ちなつ「……!?」ガタッ

結衣「まぁそんな感じだ」

京子「あと、嬉しいと尻尾ピーンて立つじゃん?」

結衣「……」

京子「スカートがどんどん捲れちゃうじゃん?」

京子「結衣のお尻まるみえじゃ――」

結衣「……作戦変更だあかり」ガンッ

結衣「安物のジャージのお尻の部分を尻尾の直径だけ切るか」

あかり「……あはは」

京子「……」ピクピクッ

結衣「ったくもう……」

京子「いや、でも私が気づいたからこそ恥ずかしい思いをしなくて済んだというか」

結衣「……まあにゃ」

ちなつ「き、京子先輩が気づかなければ……」

あかり「ち、ちなつちゃん……」

結衣「そうだ、お風呂湧いてあるから、どんどん入っちゃって」

京子「……ネコってお風呂入るの?」

結衣「そりゃ入るだろ」

結衣「……あれ、なんか乗り気がしないにゃ」

あかり「ネコさんは水が怖いってよく聞くよねぇ」

ちなつ「だね」

結衣「まぁ我慢すればなんとかなるよきっと」

ごめん寝落ちしちゃった、続けます

結衣「私は一お風呂番最後でいいよ、みんにゃ入っておいで」

京子「そいじゃ、一番風呂いただこうかなー」

あかり「うん、ちなつちゃんはあかりと一緒に入ろうよ」

ちなつ「そうだね、その方が早く済むしね」

結衣「ふふ、ほんといい子だにゃ2人とも」パタパタッ

あかり「尻尾を大きくゆっくり振っている時は……?」

ちなつ「機嫌が良くてリラックス、安心しているときだって」ペラッ

あかり「ふふふ、そうなんだぁ」ナデナデ

結衣「ん、ち、ちにゃつちゃんその本は?」

ちなつ「ネコちゃんと仲良くなろうって本です」

ちなつ「お家にあったんで持ってきちゃいました」ニコッ

結衣「完全にネコ扱いだ……」

あかり「あはは……」

結衣「と、とにかくあまり、撫、でるのは禁止だからにゃ」

結衣「……」プイッ

あかり「えぇ……」

ちなつ「残念です……」

結衣「……」ピーン

あかり「すごいすごい、尻尾がピーンと立ってるね」

ちなつ「ええっと、尻尾が垂直のときはかまってほしいのサインみたい」

あかり「えへへ、素直じゃないんだから結衣ちゃんってば」

結衣「……」ゴロンッ

あかり「仰向けに寝ちゃった」

ちなつ「仰向けにねるのはな、なでて欲しいときのポーズだって」

あかちな「……えへへ」

ちなつ「うふふ、素直じゃない先輩も可愛いですよ」

あかり「ゆーいちゃん、いっぱい構ってあげるからね」

結衣「にゃ、にゃんの話だよ……」

ちなつ「耳とか首、背中を優しくなでてあげるととっても喜びます」

ちなつ「撫でるときは大きな声は出さず、優しく小さい声で」

あかり「ふむふむ」

あかり「あかりは耳を撫でるから、ちなつちゃんは首をお願いね」

結衣「だ、だからにゃんで撫でるのを前提としてるんだよ」

あかり「……よしよし」フニフニ

ちなつ「……ノド気持ちいいですか?」スリスリ

結衣「……ふにゃ」

あかり「……可愛いよぉ」フニフニ

ちなつ「……結衣先輩結衣先輩結衣先輩」スリスリ

結衣「んう、くすぐったい」

結衣「そろそろやっ、やめてよ2人とも」トローン

ちなつ「……」

ちなつ「そうですね、結衣先輩が嫌がってることをムリしちゃいけませんね」

あかり「そうだね、ごめんね結衣ちゃん」

結衣「えっ……」

結衣「……」ピーン

ちなつ「……」ニヤッ

ちなつ「あかりちゃん、お風呂空くまでゲームやろうよ」

あかり「えへへそうだね」

ちなつ「結衣先輩、テレビとゲーム借りますね」

結衣「……」ゴローン

あかり「ふふふ」

結衣「……だ、だめ、ゲームはするの禁止」

あかり「そっかぁ、それなら漫画でも読もうかな」

ちなつ「ミラクるん持ってきたんだ、一冊貸してくれる?」

結衣「ま、漫画見るのもダメ!!」

あかり「……」

ちなつ「……」

結衣「うぅ、もっと撫でてくれよ!もっとかまってよ!!」

結衣「2人ともお願いだから……」

あかり「えへへ、しょうがにゃいにゃー」

ちなつ「……はぁはぁ」

結衣「ん、なでなでされるの大好き……」

あかり「そうそう、素直が一番だよぉ結衣ちゃん」ナデナデ

結衣「ノド触られると落ち着く……」

ちなつ「うふふ、可愛いですよ結衣先輩」スリスリ

ちなつ「あ、そうだ結衣先輩にプレゼント持ってきたんです」

結衣「えっ、にゃににゃに?」

あかり「にゃににゃにって、可愛い……」

ちなつ「えへへ、ほらこの首輪です」

結衣「く、首輪……」

ちなつ「黒と白のストライプです、きっと似合いますよ」

あかり「ふふふ、黒猫の結衣ちゃんにはピッタリかもね」

結衣「い、いやコレを付けたら人としてもう終わりな気がする……」

結衣「でもせっかくのちにゃつちゃんのプレゼントだし……」

結衣「……」

結衣「……」カチャッ

ちなつ「はわわわ……」

あかり「結衣ちゃん可愛い……」

結衣「はは、もう明日には完全に四足で歩いてそうだにゃ」

結衣「ちにゃつちゃん、素敵なプレゼントありがとね」

ちなつ「ゆ、結衣先輩……」

ちなつ「もうここで死んでもいいです、わたし」

結衣「い、いや私が困るよ」

あかり「……」ギュッ

結衣「し、尻尾は敏感だからダメだって!」


京子「おーっす2人とも、お待たせ!」

あかり「あ、京子ちゃんだ、お風呂行こうよちなつちゃん」

ちなつ「うぅぅ、名残惜しいですけどまたお風呂上りに遊びましょうね!」

結衣「ふふ、はいはい」

京子「……くふふ」

結衣「……」

京子「ついに人間やめてしまったか結衣にゃん」

結衣「ちにゃつちゃんのプレゼントだからにゃ、無下にはできにゃいよ」

京子「いやでもよーく似合ってるぞその首輪」

結衣「喜んでいいのやら……」

京子「あ、私も結衣にプレゼント持ってきたんだ」

結衣「……!」ピーン

京子「尻尾」

結衣「……るさい」

結衣「べ、別に期待はしてにゃいけどにゃ」スクッ

結衣「ボクシンググローブを贈られたこともあったしにゃ」

結衣「どうせ京子のことだし、変にゃモノにゃんだろ」フリフリ

結衣「……」パタパタッ

京子「ふむふむ、立ったまま尻尾を大きく振るのは興奮状態の表れか」

結衣「……」

京子「もう素直になったらどうだ結衣」

結衣「……」

結衣「……嬉しいよ、プレゼントもらうのは」

結衣「どんなものだろうと嬉しいに決まってるよ」パタパタッ

京子「へへへ、可愛いやつめ」ナデナデ

結衣「……撫でるのやめろ」ピーン

結衣「……もうやだこの尻尾」

京子「ふふふ、結衣こっちおいでー」

結衣「あ、あぁ……」

京子「取り出したのはこのスプレーです」

結衣「これがプレゼントにゃのか?」

結衣「……香水には見えないし」

京子「これを私にしゅっしゅと吹きかけます」シューッ

結衣「お前がかけてどうするん……」

結衣「にゃ、にゃんだ……」

結衣「あたまのなかぽーっとして」

結衣「くらくらする」

結衣「きょーこ、なにそれえ」ギュッ

京子「うはは、マタタビ入りのスプレーだよ結衣にゃん」ナデナデ

結衣「ま、またたび……?」フラッ

京子「おっと危ないな、私がぎゅっとしててあげるから」ギュッ

結衣「んっ……」

結衣「京子のにおい好き……」スンスン

京子「いまどんな感じかな?」

結衣「京子にぎゅっとされへ、体がぽかぽかしてにゃ、頭ふわふわする」ギュッ

京子「ろ、ろれつが回ってないぞ結衣」

結衣「きょうこ、きょうこ……」スリスリ

京子「……うへへ」

結衣「んっ……」スリスリ

京子「ゆ、結衣、大事な部分をスリスリするはさすがに」

結衣「だ、だって、京子の匂いかいでたら……」

結衣「体が熱くなってきて……」ギュッ

結衣「じ、自分の体なのに、勝手に動いちゃって……」

結衣「こ、こわいよ、助けて、京子」ギュッ

京子「……大丈夫だよ、怖くなんかない」

京子「すぐ治まるからね、それまでぎゅっとしててあげるからね」ギュッ

結衣「ん……」チュッ

京子「っ!?」

結衣「……ん……ちゅっ」

京子「ゆ、ゆひ……やっ…舌…ふぁ……」

結衣「ん……」ギュッ

結衣「……」

京子「……」

結衣「……ごめんにゃ」

京子「……い、いやマタタビなんか使った私が悪いんだ」

結衣「……あんな大人のキスまでしちゃったんだ」

結衣「気持ち悪いって自分でも分かるよ」グスッ

結衣「はは、もう京子に嫌われても私は文句言えにゃいな……」

結衣「……」ペターン

京子「尻尾がへたれてる……」

京子「私は悪い気しなかったな、結衣にキスされて」

結衣「……ほんと?」

京子「いや、むしろ……へへへ」

結衣「……たぶんさマタタビのせいだけじゃにゃいと思うんだ」

京子「えっ?」

結衣「……お風呂上がりの京子の匂いがほんと心地よくて」

結衣「ぎゅっとしてると心がぽかぽか温かくなっていってさ」

結衣「にゃ、にゃんか上手く言葉にできないけど」

結衣「……時間が止まってくれたらいいにゃって」

結衣「……そういうこと」

京子「……」

京子「あ、あのさ結衣、手、握っていい?」

結衣「……」ギュッ

京子「……なんか恥ずかしいね」

結衣「……そうだにゃ」

ガラッ

あかり「結衣ちゃーん、お風呂空いたよぉ」

ちなつ「ふふふ、いいお湯でしたよ」

結衣「あ、あぁ今行くよ」

京子「……」

ちなつ「ゆでダコみたいに顔真っ赤ですけど京子先輩」

あかり「ふふふ、墨はきそうだね」

京子「う、うるさいあかりのくせに!」

京子「ちなつちゃん、あかりのお団子でキャッチボールしようぜ!」

ちなつ「い、いやですよ、そもそも外れるんですかソレ」

あかり「……」ニコッ

あかり「ふふふ、結衣ちゃんって本当に寂しがり屋さんなんだね」

ちなつ「うんうん、クールなのに寂しがり屋ってギャップが可愛いよね」

京子「ははは、口ではツンツンなくせに尻尾はパタパタだからなぁ」

京子「ホント可愛いやつ」

京子「にしても西垣ちゃんの理科室って面白そうなモノありそうだなー」

京子「くふふ、明日遊びにいってみよーっと」

あかり「あまり迷惑かけちゃダメだよ京子ちゃん」

ちなつ「そうですよ、ただでさえ迷惑かけてるんだから」

京子「ひどい言われよう……」

ガラッ

結衣「……寒い寒い」

あかり「あ、あれ結衣ちゃんずいぶん早いね」

結衣「いや、にゃんというか、浴槽に入るのが怖くて……」

結衣「シャワーにしておいた」

京子「ネコだからな……」

ちなつ「あぁ……」

あかり「なるほど……」

結衣「そろそろ寝ようか、みんにゃ悪いけど布団は2つしかにゃいからね」

京子「えーじゃあ私結衣と一緒の布団かよ」

結衣「別に嫌にゃら無理するにゃよ」

結衣「……」ヘタッ

京子「くふふ、なーんてな、嫌なんかじゃないよ」

結衣「……」パタパタッ

あかり「……」zzz

ちなつ「……このお団子大きい」zzz

あかり「……うーん」zzz

京子「……」

結衣「んっ、あう、はぁ……」

結衣「コイツ、絶対マタタビ撒いただろ……」

結衣「……」ギュッ

結衣「……こ」

結衣「きょーこ……」スリスリ

結衣「こ、こんなのもう我慢できにゃいよ……」ギュッ

結衣「……す、少しにゃぞるだけ」スッ

結衣「っ!こんなのっ、こ、声漏れるにきまってる……」

結衣「でも、ゆび、とまらな、いよ……」スリスリ

結衣「んっ、京子、京子……」ギュッ

京子「……ふーん」

結衣「……っ」ビクッ

京子「結衣はみんないるのに1人でしちゃう変態さんなんだ」

結衣「きょ、京子違うんだ……」

京子「私ずっと起きてたよ、だって結衣がもぞもぞしてうるさいんだもん」

結衣「き、京子お願いだからみんなには言わにゃいで……」スリスリ

京子「言ってる側から腰動かして、ほんとしょうがないな結衣は」

結衣「うっ、う……」グスッ

京子「手伝ってあげる、どうせしないと気が済まないんでしょ」

結衣「……んっ、ふぁ……」ビクッ

京子「聞いちゃいねえ、ほんと盛ってるな……」

京子「こ、声が漏れないように口は塞いでてあげるからね」

京子「……」チュッ

結衣「んっ………ちゅっ」

結衣「……っ」スリスリ

結衣「ちゅっ……きょ……こ」

京子「……」ナデナデ

結衣「み、耳……だめ……」ビクッ

結衣「んっ、も……むり……ちゅっ」

結衣「っ!……」ビクビクッ

京子「……」チュッ

結衣「っふー、っは、は……!」ギュッ

京子「ちゃんと気持ちよくなれた?」

結衣「んっ……」ギュッ

京子「へへへ、良かった良かった」ナデナデ

結衣「ごめん、京子のパジャマちょっと汚れちゃったかも……」

京子「いいってことよ、明日シャワー浴びれば大丈夫」

結衣「……ごめんにゃ、ほんと」

結衣「……ごめん京子」グスッ

京子「にしし、普段お世話になってるのに比べたら些細なことだよ」ギュッ

京子「おやすみ、結衣」

結衣「ん……」

あかり「ふぁ……」

ちなつ「んふふ、お団子食べ放題……」ハムッ

あかり「きゃ、きゃあ!あ、あかりのお団子かじらないでよぉちなつちゃん!!」ペシペシ

ちなつ「ほえ、おはよーあかりちゃん……」

京子「うるへー……」

結衣「みんな、朝ご飯できてるよ」

結衣「歯磨きしたらご飯食べよう」

あかり「あ、あれ結衣ちゃんネコ耳取れたんだ」

ちなつ「ほ、ほんとだ、良かったですね結衣先輩」

結衣「あぁ、なんか起きたらあっさり取れてた」

京子「ちぇっ、つまらんなー」

結衣「うるさい」

結衣「はあ、それにして災難だったな」

あかり「ふふふ、ネコ耳の結衣ちゃん可愛かったなぁ」

京子「ふいー、シャワーさっぱりした」

京子「結衣もまんざらじゃないって感じだったよな」

結衣「バカ言え、もうごめんだよあんなの」パクッ

京子「ネコになったことで本当のネコ化が防げたのかもな」ズズッ

あかり「どういうこと??」

結衣「……ドアホ」

京子「にしし、いやー面白かったなぁホント」

ちなつ「次はだれが呪われちゃうんでしょうね」

結衣「そんな簡単に呪われたりはしたらたまったもんじゃないよ……」

京子「ははは、だなー」

ちなつ「ふふふ、ですね」

あかり「ネコになったことでネコ化、どういうことなんだろう……」

――後日――

京子「おいーっす西垣ちゃん、遊びにきたよ!」

京子「あれ、誰もいないのかな……?」

京子「……」キョロキョロ

京子「おおう、なんだこの禍々しい木箱は」

京子「犬耳のカチューシャと尻尾……?」

京子「へへへ、なかなか可愛いじゃん」

京子「……」イソイソ

京子「わんわーん♪」

京子「あー空しい、ごらく部戻るか」

京子「……」グイッ

京子「外れない……」

おしまい!

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