佐天「バイツァダストで爆弾にされる能力かぁ……」(706)

仗助「スイッチを押させるなァァァ――――――!!!」

吉良「いいや、限界だ! 押すねッ!! 今だッ!!」

   カチッ

        ドゴォォォォオオオオオオン

―――

吉良「……ふふ」

吉良「はははははは!! やったッ! 発動したぞ!!」

吉良「これで私は、もう奴らと『出会う』事すらなくなった……フフフ、私の完全勝利だ」

吉良「……しかし、ここは何処だ? 一時間前なら私は通勤途中の筈だが……こんな道、杜王町にあったか?」

吉良「……『違う』……ここは、杜王町じゃあないッ!?
   なんだ、何が起こったんだ……私は勝ったんじゃあないのか?」

吉良「クソッ……なんだって言うんだ一体……」

吉良「……ともかく、ここが何処だろうと私が奴らに追われることはあり得ない。
   ひとまず表に出て地図の見られる店でも探すか」

―――

吉良「……見渡す限り、ビル、ビル、ビル、か。杜王町じゃあない事は確かみたいだな。
   じゃあここは何処だ? S市……いや、もっと首都圏に近い場所か」

吉良「……なんだこの街は……本当に『日本』か? 『自律行動をする掃除ロボット』なんて見たこと無いぞ……」

吉良「なんにせよ情報が欲しいな……日本語が通じればいいが」

―――
―――

吉良「学園都市……か。にわかには信じられないな、科学技術が二十年進んでいるというのも、『超能力者』が居るというのも。
   しかし……『超能力者』が表立って集められている都市……マズいな。
   空条承太郎は『スタンド』に関して強い『横』のつながりを持っているようだった……もしかするとそれが、『学園都市』なのかも……」

吉良「奴ら自体は『バイツァ・ダスト』で撒く事が出来たが……奴らは早人の事を知っていた……『私』が『川尻浩作』だという情報を知るのは時間の問題だろう……
   クソッ、忌々しいデカブツ空条承太郎め……」

吉良「しかし『能力者』ばかりを集めているというのは気になる所だな。
   そんなに掃いて捨てるほど居るモンなのか、スタンド使いっていうのは……
   そもそも、ここでいう『能力者』は『スタンド使い』と同じなのか? スタンド使いは『弓矢』でしか増えないんじゃあないのか……?」

吉良「出来る事ならこの『学園都市』にいる『超能力者』というのを見てみたいものだが……」

                  ドゴォォォォオオオオオオオオオン!!!!

吉良「……なるほど、分かりやすくて吐気がするほどの超能力アピールだ」

吉良「関わり合いになりたくはないが情報が無いと今後の動きも決めづらい……野次馬にまぎれて遠巻きに見てみるか」

吉良「……なんだあの知性がまるで感じられない顔の男と馬鹿丸出しな髪飾りの女は。アレが能力者か?
   東方仗助や虹村億泰といい、学生の超能力者ってのは頭が悪そうな風体をするっていう共通点でもあるのか」

犯罪者「炭ッカスになりたくなきゃあそこをどくんだなぁ!!」

初春「じゃじゃじゃ、『ジャッジメント』が、はいそうですかなんてのけるわけないじゃないですか!!」

吉良「……何?」

初春(うぅ……ただ私は、気になってた可愛いお洋服見たかっただけなのに……どうしてこんな事に……こんな事なら教室でお昼ごはん食べてればよかったぁ……)

吉良(ジャッジメント……なんだ、ジャッジメントってのは……
   judgementなら『裁き』って意味だろうが今の髪飾りの台詞から考えるに『チーム名』かなにかか?)

犯罪者「そうか、じゃあ!!俺の能力で燃えろォォオオオ!!!!」

     ゴオオオオオオオオ!!!!!

初春「ひへああああああああああああ!!」

吉良(炎か、厄介な能力だな。しかし今、『スタンドの像』が見えなかった……やはりこの都市の『超能力』は『スタンド』とは別物なのか?
   いや、重ちーのような『群れ』を作るスタンドで、炎に見えるアレの一粒一粒が奴のスタンド像なのかもしれない……
   出来る事ならあっちの髪飾りの能力も見たいところだが……)

初春(ひーん!! 助けて白井さん!!)

犯罪者「ホラホラ! どうしたァァァ――――!!」
                                    ドゴゴゴゴゴゴァァッ!!

吉良「……しかし五月蠅いな、あの馬鹿面男」

初春(これ以上能力を使われたらマズいですよね……街の壊れ具合的にも、私の身の安全的にも……)

吉良(あっちの髪飾りは能力を使わないのか? 涙目になってひんひん鳴きながら逃げ回ってるだけだが……
   ……いや、『使わない』んじゃあなくて『使えない』のか?
   『ジャッジメント』ってのが『無能力者機関』という事なのかもしれないな)

犯罪者「おいそこのスーツ!!!!」

吉良「……ん?」

犯罪者「俺はテメーみてーなスカした奴が大っ嫌いなんだよ!! このうざってージャッジメントの前にテメェを炭ッカスにしてやる!!」

吉良「……」

初春「えええええええええ!!? だ、駄目です!! 一般人に迷惑をかけるのは」

犯罪者「ウルセェェェエエエエエ!! なんならテメェの方から消し炭にしてやってもいいんだぜ、お優しいジャッジメントさんよおお!!」

吉良(……成程、『ジャッジメント』ってのは警察みたいな組織なのか。
   しかしなんだあの馬鹿面、いきなり私の方に喧嘩フッ掛けてくるとは……足りないのは頭のネジか、それとも教育の量か?
   髪飾りの方は『一般人』に手を出されようとしているのに能力を使わないってことは、能力者じゃあないと見るべきだな)

犯罪者「出て来いスーツのジジイ!! それともその場で炭ッカスになりてーかァァ!?」

吉良「……やれやれ、私が出て行けばいいのかな?」

初春「ああ! で、出てきちゃダメです! ダメ!!」

吉良(出なきゃあ燃やされるって言われてるのに『出るな』……遠まわしに『死ね』って言ってるのか、あの馬鹿髪飾り)

吉良(出来れば『キラー・クイーン』を使うのは避けたい……私の『キラー・クイーン』は目立ち過ぎるしな……
   ここで『第一の爆弾』や『第二の爆弾』を使えばこの後馬鹿髪飾りの機関に引っ張られてしまうかもしれない)

吉良「それで、私に何か?」

犯罪者「聞こえなかったか? 俺はテメーみてぇなスカしたヤローが大嫌いなんだよ!!
    そうだなぁ……まず、土下座しろよ」

吉良「……一応聞くが、なんで私が土下座しないといけないのかな?
   私は君に迷惑をかけたかな? 迷惑をかけているのは現在進行形でそちらの方だと思うんだが」

犯罪者「あっあ~、いいのかそんな事言って……『燃やすぞ』?」

吉良「……」

犯罪者「理由が欲しいか? じゃあ、そうだな。『俺の前にスカしたスーツで立ってた罪』だ。
    ほら、さっさと土下座しろォォ――――!!!」

吉良「…………『やめ』だ」

犯罪者「あぁ?」

吉良「見ていて一つ気付いた事があるんだ。君、いつも『右手』を前に出して炎を放っていたね。
   もし右手が使えなかったらどうなるのかな」

犯罪者「テメー、ゴチャゴチャ言ってんじゃッ!!」

           ボキッ!

犯罪者「……へ?」

吉良(『キラー・クイーン』を使わずに切り抜けるのはやめだ。こんなゴミクズみたいな男の言いなりになる義務が何処にある。
   運がいいのか悪いのか、ここは本当に『超能力都市』のようだ……誰も突然現れる炎を見て悲鳴すらあげていないんだからな。
   爆破能力を使わなくても殴ればいい。発火能力(パイロキネシス)があるなら念力(テレキネシス)だって存在するはずだ。
   いざとなればそれで押し通す。疑われたら……その時は、『その時』だ)

犯罪者「なァァァ――――――!?」

吉良「さて、聞かせてもらおうか。どうなるのかな?」

犯罪者「なにしやがんだテメ」

             ボキッ!!

犯罪者「ぐあああああああああああああ、ああ、ええええええええええええ!!?」

吉良「左手を構えるってことは左手でも撃てるのか。それじゃあ両手が折れたらどうするんだ? 口からか、足からか、いや尻から出すってのも面白いかもな」

犯罪者「な、え、なぁッ!? え、嘘、え!?」

初春「あ、あ、ああああ……」

初春(『念動力』使い……しかも腕を折るほどの強度の力をいともたやすく……)

吉良「さて、どうするね? お望みとあらばその馬鹿面が誰の顔か判断できなくなるまでブチ込んでやってもいいが……今日の私は少々機嫌が良くてね」

犯罪者「じゃ、じゃあ、た、た、助けてくれますよね!? ほら、俺もう両腕使えませんし!! なんなら土下座でも何でもしますから!!」

吉良「……」

犯罪者「え、えへへ」

>>1がsage進行しているのはなぜなんだ…
くっ、真意が見えないぜ…

        ボガァッ!!

犯罪者「げぴっ!」

吉良「一撃で許してやる」

犯罪者「そ、そんにゃ……」

吉良「さて、と。これでもう私に用はないかな?」

吉良(……しかし、『学園都市の超能力者』と『スタンド使い』は別種の『超能力』を操っているのか?
   この馬鹿面は能力を使った時私の背後にいた『キラー・クイーン』ではなく、私を見ていた。
   つまり、『スタンドが見える』『スタンド像が存在する』という『スタンド使いの原則』から外れているものが『超能力』であり『超能力者』……
   表に出た甲斐があったな、これが真実なら、大きな収穫だ)

初春「あ、あの!!」

吉良(さて、ここからの問題は『どうやって杜王町に帰るか』……そして『杜王町に帰れないならどうするか』……
   ……考えるべきは後者からだろうな。今この『川尻浩作』の顔で杜王町に帰れば東方仗助達に見つかる可能性が高い)

初春「あの!!!」

吉良「……なんだ」

初春「ひ、え、えっと……ありがとうございました、えっと、でも、あなたほどの実力者なら何も両腕を折らなくても……」

吉良「……私だって不本意ながらやったにすぎない。炭ッカスにはなりたくないからね。
   もっとも、ジャッジメントさんが彼を取り押さえられていれば私も実力行使なんてしなかっただろうが」

初春「うう……」

吉良「それじゃあ私はこれで」

初春「あ、あの」

・ ・ ・ ・ ・ ・

初春「……行っちゃった……」

黒子「ジャッジメントですの! ってあら、もう終わってましたの? 通報を聞いてすぐに駆けつけましたのに。
   ……あら、初春、このお方は?」

初春「えっと、銀行強盗さん……でした」

黒子「あらあらまぁまぁ、両腕とも見事にグチャグチャですわね。初春いつの間にこんな荒業を?
   もしや佐天さん対策で何か格闘技を始めた、とかですの?」

初春「え、いや、えっと……スーツを着た男の人が……」

黒子「……ふむ。その話、詳しく教えていただいてもよろしいかしら?」

―――

吉良「ホテルに泊まるには手持ちが少ないし、かといって野宿は嫌だし……さて、どうしたものかな……」

常盤台生徒A「でさー」

常盤台生徒B「ふんふん」

吉良「……」

吉良「……そう言えば、何か懐が軽いと思ったらいつの間にか『彼女』が居なくなってるじゃないか……成程、イライラするワケだ」

吉良「私の精神的安定のためにも、『彼女』は欲しいなぁ……住む場所が見つかったら、綺麗な『女性』を『デート』に誘うのもいいかもしれない」

吉良「いや、住む場所だけじゃあないな、仕事も探さなきゃあいけない。これからは結構忙しくなるかもしれないな」


――― 二週間後


黒子「行方不明者……ですの?」

固法「そう、ほとんど女性のね」

黒子「はぁー、どうせプチ家出~とかそんなんじゃあありませんの?」

初春「最近流行ってますもんね」

固法「この二週間で中高生五人に大学生三人、教育機関で働く研究者が三人。
   ほとんどが『買い物へ行く』『散歩に行く』なんてちょっと出かける用事で帰ってこないらしいわ」

黒子「……旅行という可能性は?」

固法「財布を持たずに旅行ができるって言うんなら旅行かもね」

初春「……それじゃあ行方不明というより」

固法「蒸発……純和風に言うなら『神隠し』って所かしら?」

黒子「被害者がほとんど女性だなんて、さぞかしいやらしい犯人さんなのでしょうねぇ」

俺はもう『保守しなくてはならない』状況にあるっ!!

吉良(……やはり、高いけど防腐剤を買うべきかな。『臭い』だすのが杜王町に住んでいる時よりも速い……)

吉良「ははは、ごめんよ。そんなにむくれないでくれ。愛してるよ」

吉良(学園都市はM県よりも南にあるし、やはり腐りやすいんだろうなぁ)

美琴「見つけたわよ!!」

上条「あぁ? なんだビリビリ中学生じゃねーか」

美琴「アンタねぇ……あたしには! 御坂美琴って名前があんのよ!!」

吉良「まったく……せっかくの逢引き中だって言うのに空気の読めない奴もいたもんだ。
   あっちに行こう、おいしそうなケーキ屋さんを見つけたんだ。君の……君の名前はなんだったかな?
   まぁいい。君の好きだった苺のショートケーキのおいしいお店だよ……フフフ」

    ドンッ!

上条「のわっ!! だ、大丈夫ですか?」

吉良「ん? ああ、私『達』の方はね……君は?」

上条「ああ、大丈夫です! って来た来た来た来たあああああああ!!!!」

      バチバチバチバチィィィッ!!!

美琴「待てこらああああああああああああ!!!!」

吉良「……騒々しい。だから私はガキが嫌いなんだよ。分かってくれるかな?」

―――

佐天「へー、そんな事件がねぇ」

初春「佐天さんも気を付けてくださいね? 女の子なんですから!」

佐天「しっかし、それって『風紀委員』が動くような事件なの? 聞いた感じじゃあ家出の時期が被っただけのような気もするんだけど」

初春「それがそうでもないんですよ」

佐天「んー? どゆこと?」

初春「『消える』んですよ。この世から。
   本人だけじゃなく、身につけていた物も、一緒にいた人間すらも、あとかたもなく消えるんです」

佐天「……そんだけ強い能力者ならバンクに乗ってるんじゃないの?」

初春「それが無いんですよね、不思議な事に」

佐天「しっかし女だけを狙うなんて大胆な犯行だね……連れてかれちゃった子はどうなるんだろうねぇ~、うーいーはぁるー」

   わしゃわしゃ

初春「…………これは私の勘なんですけど」

佐天「うん?」

   わしゃわしゃ

初春「……消えた人たちは、おそらくもう―――」

―――

吉良「なかなか綺麗なお店だろう。もしまた君と行く機会があったら……ん?」

初春「『消える』んですよ。この世から」

吉良「……あのド派手な髪飾り、あの時のジャッジメントか。
   物騒な話をしているが……」

初春「本人だけじゃなく、身につけていた物も、一緒にいた人間も、あとかたもなく消えるんです」

吉良(……まさか、私の話か? ジャッジメント……どれほどの存在かと思ったが……
   少なくともS市の警察よりは優秀みたいだ。これは少し『彼女探し』の方法を考えなきゃあいけないな)

初春「……消えた人たちは、おそらくもう―――殺されてると思います」

佐天「えぇ!? どうして?」

初春「まず考えられるのが人身売買の線ですけど、これは有り得ない。そういう機関があったらとっくに潰されてますしね。
   個人的な監禁の線もない。十数人を監禁出来るような場所なんてそうそう無いし、被害者に目立った共通点も無い。
   そうなったら、考えられるのは最近能力に目覚めた快楽殺人能力者の犯行としか……」

吉良(へぇ……無能なボンクラかと思ったが、頭のお花畑は飾りじゃないって事か……
   まぁ、『手が綺麗』って共通点がある事にはあるんだがな)

佐天「快楽殺人能力者って……そりゃ怖いわ。能力の情報とかはないの?」

初春「それが全く……さっき言ったみたいにバンクをひっくり返しても該当するような能力が存在しないんですよ」

佐天「ふむふむ、全くわけがわかりませんなぁ」

吉良(バンク? 能力者は『管理』されてるって事か?)

初春「それに……あ」

吉良「ん?」

初春「あなたはこの前の!」

佐天「あら、初春知り合い?」

初春「この前危ない所を助けてもらったおじさんです! 先日はどうも」

吉良「ああ……誰かと思えばあの時のジャッジメントさんか」

初春「この人はですね、もの凄く強い『念動力』使いなんですよ」

吉良(……どうやら上手い事勘違いしてくれてるみたいだな。良かった……
   しばらく挨拶程度のやり取りをしたらケーキを買わずにとっとと帰ろう。『彼女』には悪いが)

佐天「へぇー、大人の超能力者って私初めて見た。ちなみにレベルはどれくらいなんですか?」

吉良「……レベル?」

佐天「へ? やだなぁ、レベルですよ。どれくらいなんですか?」

吉良(レベル……この都市では『超能力者』をレベル別に分類してるのか……
   しかし困ったな……そのレベルってのは五段階なのか、十段階か、さすがに多いだろうが百ってのもあり得る……五段階として低目につけて百段階だったりしたら目も当てられないし……)

吉良「……レベル7だ」

佐天「な、7ッ!? ってソレ神の意志どころか神超えた存在じゃないですか!!」

吉良(しくじった、五段階くらいか!? どうする……どうすればいい……)

初春「やだなぁ佐天さん、からかわれてるんですよ。でも結構なレベルですよね?」

吉良「……3だ」

佐天「なんだ、からかわれてたのか。はぁ……でもいいなぁ、レベル3かぁ……」

吉良「君達は?」

佐天「レベル0ですよ、能力の片鱗も全くなしの無能力者でーす」

初春「私はレベル1の『保温』能力者です」

吉良(レベル0か……いくら能力者を重点的に集めたといってもやはり無能力者もいるんだな。
   気になるのは髪飾り、ウイハルと呼ばれていたか? こいつの保温能力ってのがなんなのかだな)

吉良「レベル0か、それは残念だ。しかし、『保温』能力ってのはどんなもんなんだ?」

初春「あ、まぁ一般的じゃないですもんね。……えっと、魔法瓶みたいなものだと思ってください」

吉良(魔法瓶……想像以上のカス能力だな。成程、一般人を助けられないはずだ)

初春「そうだ! えっと、おじさん!! この前のお礼をさせてください!!」

吉良(……こいつ……なんど私をおじさんと呼べば気が済むんだ……私はまだ三十過ぎたばかりだぞ……)

       _ __                       _
     .'´ , , `ヽ                           ヽ
    | ノソレノノノ}                             、\
   ,.イ l ll(|. ┃| _ヽノし'/                    ヽ\
    'ソ州从i、_ノ  ,ィ ⌒ヾィ,___________ - ─二  ヾ 、
    ,く{¨¨ ̄{__]二..ヲ   ‐--÷÷÷≠≒≠≒≠≒≠二  ④ ) )
   (_ノ }______i_{  ,ゝ、,,ノ(゚~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄─二_彡"
'⌒ ヽ<んムム〉  /`Y'Yヾ`                  ≡= ̄′
.     ,/__/ |__|、       ⌒ヽ                二  ̄ '´
;;;⌒`(___/ {____)   . _、,、,、 ゝ,._  ,、 、。;、゛;,. ,゚'.,;:`:;,.,"ノ´
,,;;;⌒`)⌒)     `~~~'''"''"'"~``゙~`゙`゙`~'''"¨゙'"~~゙;;:'".;'゛

初春「おじさんもこのお店のケーキを食べに来てるんですよね?」

吉良「……いや、私は『彼女』の分のケーキを買おうと思って」

佐天「あらら、残念だったね初春。彼女持ちだってさ」

初春「へ!? え、な、何を、そんなんじゃないですって!!」

佐天「初春ってば顔真っ赤にしちゃって可愛いの~」

初春「うぅ~~~……」

    ポカポカ

佐天「アハハ、ごめんごめん」

吉良(……何をやってるんだこの二人、脳ミソが溶けてるのか? ……しかし)

吉良(この前は気付かなかったが、この初春の指、結構綺麗に手入れしてある……
   最近のバカな若い奴に多い頭の悪そうなネイルアートや『私は馬鹿です』と言って回るようなド派手なマニキュアも着けてない。
   『爪』も綺麗に切りそろえられている……『手荒れ』もしてない……
   細くて、白くて、綺麗な手だ…………今の『彼女』と別れたらコイツに『彼女』になってもらうのも悪くないかもしれないな)

初春「え、えっとですね! お礼といってはなんですけど、ケーキいかがですか?」

吉良「……学生に奢ってもらうほど金銭的に不自由はしてないんだが」

初春「いえいえ! そんなんじゃなくて、純粋にお礼をしたいだけなんです!!」

―――

佐天「いやー、おいしかったねぇ」

初春「ですね。今度は皆で来ましょうか」

吉良「……」

吉良(こいつら……いつまで私について来る気だ……)

初春「そういえば川尻さんは営業とかいいんですか?」

佐天「初春。男の人にはどうしても女の人にプレゼントを贈らなきゃいけない時って言うのがあるのよ」

吉良「……まぁそんな所だ」

初春「あははは、川尻さんの恋人は幸せですね」

吉良(このままじゃあラチがあかないな……とっとと切り上げさせてもらおう)

吉良「じゃあ私はこの辺で……」

佐天「お、ねぇねぇ初春、あれ白井さんじゃない?」

初春「あ、ホントだ! 固法先輩も一緒って言う事は、また何かあったんですかね?
   白井さーん!!」

黒子「あらあら、初春に佐天さん。こんな所でばったり出くわすとは奇遇ですわねぇ。そちらの男性は?」

吉良(……『女』、また『女』か。クソッ、いつまで私に付きまとう気だこいつらッ!!)

上がれっ!

黒子「もしかして援助交際ですの? だとしたら連行させていただきますけど」

初春「やだなぁ~、そんなワケないじゃないですか」

佐天「そうそう! 終始顔真っ赤にして川尻さんを見てた初春はともかく私はそんなの」

初春「さ、佐天さん!」

固法「へぇ……初春さん、年上趣味だったのね」

黒子「初春は頼れる男の人が好きそうですものねぇ」

初春「だから違うんですってばぁ~~!!!」

吉良(ピーチクパーチク五月蠅い奴らだ。女ってのはどうしてこう無駄におしゃべりなんだ。
   ……そんな顔しないでくれ。私は静かな『君』が大好きだよ……ふふ)

固法(……今、あの人笑った? ……いや、そうじゃない。今、あの人、『何処を見て』笑った……?)

初春「川尻さんもなんとか言ってくださいよー!」

吉良「……私はそろそろ帰りたいんだがなぁ」

初春「あ、ご、ごめんなさい!!」

黒子「でしたら私と先輩も見回りがありますので。では参りましょうか、先輩」

固法「え? あ、ああ。そうね」

吉良(見回り……この二人もジャッジメントか?
   いや、それよりも気になるのはあのコノリとか呼ばれていた女……先ほどから私を見ている……
   いやな予感がするな……ここはひとつ探りを入れて見るか)

固法(胸ポケット、いやその奥の内ポケット? 何か隠し持ってるの?)

吉良「見回り、ってことはこの人達もジャッジメントなのかな?」

初春「はい! こっちは私の友達で白井黒子さん、そしてあちらが固法美偉先輩。
   二人ともすごい能力者なんですよ」

吉良「へぇ、若いのに凄いんだな」

黒子「いえいえ、私などまだまだですわ。私のお姉さまなんて学園都市に七人しか居ないレベル5ですのよ!」

吉良「お姉さま、ねぇ。姉妹揃って能力者なんてのも居るのか」

黒子「違いますわ。お姉さまは私のお姉さまであってそういった意味のお姉さまではございませんの。
   もっとも、そういう関係になれるのならばなりたいですけど……むふふ」

吉良(言ってる意味が分からない……イカれてやがるな)

黒子「あぁ、なんだか無性にお姉さまに会いたくなってきましたの!!」

吉良(コイツは放っておいた方がよさそうだな。目下の問題は……)

固法「……」

吉良(……やはりこいつだ)

固法(これは『覗いて』見た方が良さそうね……まぁ恋人の写真かなんかなんでしょうけど)

吉良(……アイツの視線、私じゃない。私のコートの中、『彼女』を『見』ようとしているのか?
   成程超能力都市だ。透視能力を持ってる奴がいたって不思議じゃあない……
   もし本当にこのコノリが透視能力者で、今『彼女』を見られれば、少々厄介だな……)

吉良「感心しないな。断りもなく人のポケットの『中身』を見ようとするなんて」

固法「ッ!?」

佐天「え?」

黒子「ポケットの中身って……」

吉良「おや、違ったかな……『コノリミイ』」

固法(気付かれていた……なんて勘の鋭い人……その上、顔色一つ変えずにその事について触れてきた)

固法「……そんな事『する』わけないじゃないですか」

吉良「……そうか、それならいいんだが」

吉良(今の回答で分かる事は二つ。
   『コノリミイは透視能力を持っている』事……持っていないなら『するわけ』じゃなく『出来るわけ』と言う筈だ……
   そして、『コノリミイはこういった駆け引きには慣れていない』という事……
   いくら予想外の反応を相手が返したからといって、そこで反応を返したらそこで終わりだ……)

吉良(しかしコイツの能力は『脅威』だ。遅かれ早かれ、いや、コイツは早めに『消して』おく必要があるな)

              ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

固法先輩が危ないっ!

吉良「それじゃあ私は帰らしてもらおうかな……これ以上表にいたらこのケーキも腐ってしまう」

初春「あ、はい! じゃあ佐天さん、私たちも帰りましょうか」

黒子「そういう事なら私たちも見回りに戻りましょうか、先輩」

固法「え、ああ。そうね」

   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"

固法(何かを隠してるとかそんな問題じゃない……
   今、私に対して話しかけた川尻って人の目には、静かでほんのわずかだけど、確かに存在していた……犯罪者の目に籠っている、ドス黒い『悪意』が……
   何かの証拠があるわけじゃない。でも、私の『風紀委員』としての勘が言ってる……この男は『黒』!!
   悪いけど、その胸ポケットの奥……見させていただくわ)
                                            ┣"┣"┣"┣"┣"┣"
固法「……ッ!?」

吉良(今……『見た』か。何もせずに大人しく帰っていれば見逃してやらんこともなかったというのに…………やれやれ、その内じゃあなく今すぐに『始末』するしかないじゃないか)

固法(て、手首……この川尻って人、何を!? まさか、例の『連続蒸発事件』に、何か関係が!?)

黒子「それでは私は先に行ってますわね」
                                         ヒュン!

吉良(ほう、瞬間移動か。脳内お花畑の初春飾利の仲間とは思えない優秀な能力だな……)

固法(しまったッ! 私一人じゃあこの男を捕まえられるかどうか……
   初春さんの話じゃあ、この川尻って人は高レベルの『念動力』使い……返り討ちにされる可能性もある……)

吉良(さて、いい感じに黒井……白井? あの『ですの』女も居なくなった)

佐天「よし、そんじゃあ川尻さん。彼女さんに初春愛人化計画についてよろしく言っといてください!」

初春「もう、佐天さん!! そ、それじゃあ川尻さん」

吉良「ああ……じゃあな」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「……」

固法(……どうする、白井さんを呼び戻そうか……ダメ、連絡しようとすればこの男も動く……)

吉良「――――――君は」

固法「……はい?」

吉良「君は見回りに行かなくていいのか?」

固法「あ、ええ。じゃあ、これで……」

吉良「ああ、じゃあ……『また今度』」

     ┣"┣"┣"┣"┣"┣"

固法「……ええ、『また今度』」

                  ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
    ダダダダダダダッ!!

固法(今は時間を稼ぐしかないッ! 時間を稼いで、白井さんと連絡を取って、あの男を捕まえなきゃあ……私も『蒸発』することになるッ!!)

―――

固法「……はぁッ……はぁッ……!! ここなら、追いつかれても……!!」

    ピピポパポピピ

  trrrrrrrrr…… trrrrrrrrrrrr……

固法(お願い、はやく、はやくッ!!)

    カツッ……カツッ……

固法「ッ!?」

  ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「誰に電話をかけてるのか……さっきの『ですの』か、それとも別のジャッジメントのお仲間か……そんな事は知らないが……
   放ってはおけないな……この胸ポケットの秘密を『見た』可能性があるんだから」

  trrrrrrrrr…… trrrrrrrrrrrr……

固法「……もう、追いついて……!?」

          ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「『またあとで』の方が良かったかな、さっきの別れの挨拶は。どう思う、コノリミイ?」

固法「……」

吉良「その反応、どうやらやはり『見て』いたようだな……悪いが……『始末』させてもらう」

固法「……私が、何の考えも無しに、逃げて、たとでも?」

吉良「おや、違うのかな? そんな息を切らすまで走って、慌てて携帯で連絡を取っているからそうなんじゃあないかと思ったが」

固法「『風紀委員』です! 勝手にではありますがポケットの中を見せていただきました。貴方を『連続蒸発事件』の重要参考人として連行させていただきます! 今すぐに無駄な抵抗をやめなさい!!」

吉良「無駄な抵抗はどっちの事かな? 何が君にそんな自信を与えているのかは知らないが……そのなけなしの自信ごとこの場で消えてもらおう」

  trrrrrrrr pi!

黒子{もしもし、白井黒子ですの}

固法「し、白井さんッ!?」

黒子{あら、先輩? 私はもう現場に……}

   シュッ

固法「へっ、石……」

     ドゴォォォォオオオオオオオオオオオオン!!!!

固法「……ッ、あ、ああああ、あああああああああ!!!!」

吉良「やれやれ困った子だ。でも、携帯電話が無ければ助けも呼べないだろう?」

固法「て、手が……手ッ、な、なんで……」

吉良「もっとも、携帯電話があってもそれを使う右手がフッ飛んでしまってはどうしようもない、かな」

そんな…

固法「く、これ、『念動力』じゃあない……血がッ、嘘、うう、なんで……」

吉良「さて、今日はこの後まだやることがあるんだ。さっさと終わらせてもらうぞ」

固法「……ふ、ふふ」

吉良「どうした、気でも触れたか?」

固法「言ったでしょ、私が何の考えも無しに、逃げてると思ったかって。
   バッチリ映ってるわ、今の能力も、貴方の顔も……監視カメラに、ね」

吉良「……ふぅん」

固法「貴方はもう逃げられない、風紀委員が、私の仲間が、必ず、貴方を」

吉良「逆に聞くが」

固法「……捕まえ」

吉良「私が『何の考えも無しに追いかけて来ていた』と思っていたか?」

固法「……え」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「君の言っている『監視カメラ』って言うのは、コレの事だろう?」

    ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

固法「う、嘘……どうして、監視カメラが、貴方の手の中に……!?」

吉良「逃げる奴の考える事なんてそんなもんだろうと思って、君が必死に電話のボタンを押していた時に私の『傍に立つ者』に回収してもらっておいたのさ。
   もっとも、こう説明した所で君も……『居なくなった彼女たち』と同じように、『彼女』を『見る』事すら叶わないんだろうがな」

固法(そんな、有り得ない……『重複能力』!? いや、この際そんな事は関係ない……
   このままじゃ、誰にもこの男の事を伝えられずに、殺されるッ!)

   ダダダダダダッ!!

吉良「……追い詰められての自己防衛本能からか、それとも別の監視カメラに私を映すためか……
   どっちにしろ、深追いすればこっちにも身元がばれる危険が生じるな」

吉良「ここは」

        キュルキュルキュルキュル

吉良「誰にも見えない『コイツ』に任せて私はとっとと帰らせてもらおう」

―――

黒子「先輩! 先輩!?」

黒子「さっきの電話の切れ方は普通じゃない……先輩、何が起こってるんですの!?」

―――

固法「ハァー……ハァー……ぐ、うぅ、逃げ、なきゃ……」

    キュルキュルキュルキュル

固法「へ?」

     キュルキュルキュルキュル

固法「なに……何の音……?」

 コッチヲ見ロォォ~~~……

固法「……何か、居る!?」

     コッチヲ見ロォォォォォヲヲヲヲヲ

固法(や、ヤバい、まさか、これもあの男の……)

    カチッ

固法「逃げ切れな」

        ドゴォォォォ―――――――――ン!!

―――

美琴「クソッ、逃げられた! あのツンツン頭、今度会ったら電撃を」

        ドゴォォォォ―――――――――ン!!

美琴「な、何今の!?」

美琴(大きな音→能力者が暴走!→危険が危ない()状態!)

美琴「……よっしゃああああああ!!!」

美琴「こっちぃ!! ……って、あれ……」

固法「が、ああああ、ぐっ、足が……」

美琴「固法先輩!! 何を……」

固法「ぐ……ここから離れてェェェェ―――――!!!」

美琴「へ?」

      コッチヲ見ロッツッテンダロォォォ!!

  ドゴォォン!!

固法「ぐ、ああ……!!!」

美琴「爆発ッ!? って、固法先輩、腕と足が!!」

    コッチヲ見ロォォォ~~~~

美琴(……何かいるッ!!)

美琴「何が居るかは知らないけど……この爆発の元凶がその『何か』って事は分かるわ!!」

     ビリビリビリビリビリビリビリビリィィィッ!!!

            ドゴォォォオオオン!!

美琴「やった!」

固法しぇんぱい…

    今ノハ人間ジャアネェ~~~! コッチヲ見ロォォォ~~~!!

美琴「まだ居たッ!?」

   バチィッ!!
                   ドカァァン!

美琴「ッどうだ!!」

           グググ、今ノモ違ウゥゥウウウ!!

美琴「まだ居るのッ!? この、さっさと消し飛べぇぇぇ――――!!!」

          ビリビリビリビリビリビリビリビリィィィ―――――!!!!

  ドグォォォオオオオオオオオオオオオオオオン!!

    グググ……

美琴「もしかして、この爆発する『何か』と電撃って相性最悪? ってそれよりも早くしないと固法さんが……
   でもこの喋る『何か』連れて街中に出るわけにもいかない……」

          コッチヲ見ロオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

美琴「こんのおおおおおおおおおおお!!!!」

             ビリビリィッ!!

美琴「見えない爆弾相手に『超電磁砲』や『砂鉄剣』は自滅しに行くようなもんだし……
   ……そうだ、黒子! 黒子ならなんとか出来るかも!」

美琴「えっと、携帯携帯ぃぃ!!」

     グググググ……コッチヲ

美琴「うっさい!!」

   バチバチィッ!!
                   ドゴォン!

美琴「あった! えーっと、黒子黒子……」

    ピピピ
 trrrrrrrr……

黒子{はいお姉さま!}

美琴「今すぐ私の所に来て!!」

黒子{え、えっと……実は今}

美琴「固法先輩が死にそうなのよ!! 早く!!」

黒子{先輩ッ!? 了解しましたわ!!}  ブチッ!

美琴「あンの馬鹿黒子、場所も聞かずに……」

      コッチヲ……

美琴「黙れ!」
                       ドゴォン!

美琴(……爆発がだんだん近づいてきてる……このままじゃあさすがの私もちょっぴり危ないかも)

     コッチヲ見ロォォォ~~~~

美琴「ったく、しつこいッ!!!」

            ビリビリィッ!!
      ドガァァァ―――ン!!

   マダマダァァァァァァ~~~~!!!

美琴(嘘、復活が早い! このままじゃあ爆発の射程内に)

    ヒュンッ!   ガシッ
                       ヒュンッ!

黒子「無事ですの!? お姉さま!!」

美琴「黒子! あんた、どうしてここが……」

黒子「お姉さまの居場所ならばこのGPSで二十四時間いつでも分かるようになっておりますの!! これすなわち、愛の勝利!!」

美琴「それ後で没収ね」

黒子「あぁん、お姉さまのイケズぅ~」

美琴「ともかく今は現状打破! 見えない自動追尾爆弾と固法先輩が先決!!」

黒子「了解ですの!」

黒子「それで、見えない自動追尾爆弾って言うのは?」

    コッチヲ見ロォォォ~~~~~

美琴「今の声がそれ、よッ!!」

           バチバチバチィィ!!
                        ドゴォォン!!
    コッチヲ見ロッテイッテルダロウガァァァァ……

美琴「……と、何度やってもこの通りなのよ。なんとかできない? 黒子」

黒子「まぁ、この手の能力なら私の出番ですわねぇ。お姉さま、もう一度今の爆弾を爆発させてくださいまし」

    ギャリリリリリリィ!!
                  コッチヲ見ロォォヲヲヲヲヲヲ!!!

美琴「行くわよォォォ――――!!!!」

          ドガッシャァァァ――――ン!!
                                  ドガァァァン!!

黒子「さて、位置がつかめればこっちのものですの!」

     コッチヲ……

黒子「好きなだけ爆発を繰り返しなさい」

                      ヒュンッ!!
黒子「ただし、『地下80mで』ですけどね」

触れるのか

>>137
ムカデ屋の親父の時も肩に乗って数秒後に爆発だったし、いいよね

黒子「さて、これで問題1は解決。 それで、お姉さま、固法先輩は……」

美琴「そう!! 重症なのよ!! 早く病院に!!!」

黒子「こ、これは酷い……行きますわよ、お姉さま!!」

      ヒュンッ!!

―――

吉良「……?」

吉良(シアーハートアタックの爆発が止んだ……だけじゃない……シアーハートアタックとの距離が一気に離れたな……瞬間移動……『ですの』か?
   広瀬康一の時のように『身動きが取れない』わけじゃないみたいだが……やれやれ、『左手』を回収しに行かなきゃあいけないな。固法美偉は死んでいるだろうが……『ですの』も要注意か)

吉良「悪いね、今日はあわただしくしちゃって。明日埋め合わせをするから許してくれ」

吉良「ふふふ、君なら分かってくれると思ったよ」

―――

初春「~~♪」

佐天(あれから妙に機嫌がいいのよねぇ~。初春ってばもしかしてホントに川尻さんの事……)

初春「どうです、佐天さん! これ私に似合うと思いますか?」

佐天「私はこっちのくまさんパンツの方が……」

初春「パンツじゃなくて服です!!」

カエル医師「いやぁ、まいったまいった」

美琴(リアルゲコ太!!)

黒子「あの、先輩は……」

カエル医師「なんとか一命は取り留めたよ。 腕も足も繋がるはずだ。
        意識が戻るまではけっこう時間がかかるかもしれないけどね?」

黒子「……良かった……」

カエル医師「しかし、何があったんだい、あれは普通の怪我じゃあないよ?」

黒子「えっと、それは……」

美琴「……見つけた時にはあの状態だったんです」

カエル医師「そうかい。それじゃあ、何か分かった事があったら教えてね?」

黒子「分かりましたわ」

―――

黒子「やっぱり意識は戻ってないみたいですわね」

美琴「そりゃあそうよ、あれだけの怪我だもの」

黒子「ええまったく。生きているのが奇跡としか言いようがない怪我でしたものね」

美琴「間にあって本当に良かった……」

よかった、よかったよぉ…

美琴「にしてもなんだったのかしらあの爆弾……黒子、何か知ってる?」

黒子「いえ、全く……これから一応バンクの情報を確認してみる予定ですけれど、あんな能力見た事も聞いた事もありませんし……」

美琴「まったく新しい能力ねぇ……『陽気な爆弾』でどうかしら?」

黒子「ふんふん、結構いい名前ですわねぇ。でも……能力者は一体何のために固法先輩を……」

美琴「通り魔的な犯行なのか、それとも私怨なのか」

黒子「……もしかすると、『キラークイーン』かも知れませんわね」

美琴「『キラークイーン』?」

黒子「最近世間を騒がせている連続婦女失踪事件の鍵を握っているだろう人物の事です。
   女性ばかりを狙っていることから『殺戮の女王(キラークイーン)』と呼んでいますの」

美琴「……へぇ、そんな奴が……」

黒子「……お姉さま、もしかしてまた『面白そう』とか思ってるんじゃあ……」

美琴「や、やだなぁ、そんなワケないじゃないの!」

黒子「まったく、被害者のうちにはレベル4の被害者も居るんですから、お姉さまも気を付けていただかないと困りますわ」

美琴「レベル4の被害者って……ソートーな能力者じゃないの?」

黒子「ええ、有名な人もちらほら。そんな強い能力を持った女性すらも『失踪』させる……ですから、『殺戮の女王』事件、と」

とある科学の超電磁砲  X話  『殺戮の女王(キラー・クイーン)』


・吉良 吉影
 SHA回収後、新しい『彼女』と付き合い始める。
 SHAの一件から『ですの』(白井黒子)を敵と判断。始末を決意。
 固法の死亡確認をしたいが、今は身を潜めておく。
 初春の手は綺麗だったな………………ふぅ。


・御坂 美琴
 『キラー・クイーン』について今分かっている情報を黒子から聞きだした。

・白井 黒子
 情報交換の後にGPSを没収されビリビリされた。

・初春 飾利
 川尻浩作(吉良)の事がちょっと気になる。

・佐天 涙子
 自分のおもちゃ(初春)を川尻浩作(吉良)に取られた気がしてちょっと癪。
 でも川尻浩作の事が嫌いなわけじゃあない。



  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

乙です!!
次回も期待せざるを得ないっ!!

                   ―――― 固法 美偉 意識不明の重体……
                              しかし再起は可能………………?

話としていったん区切ったら終わることになっていたでござるの巻

吉良「……」

女学生A「でね、どうもその『キラークイーン』がね」
女学生B「へぇ~」

吉良(……流石超能力都市というべきか……事態の把握が早いな。
   とはいえ、容疑者はこの学園に居るほぼすべての能力者。『私』に辿り着ける者は居ない……
   フフフ、この都市、落ち着きはないが……私が暮らして行くのには丁度いいかもしれないな……)

吉良(気になるのは固法美偉……あの場所にあった爆発の後は、手負いの固法美偉を殺すだけにしては『多すぎる』。
   『何が起こった』、あの場所で。
   シアーハートアタックがきちんと殺せているのならいいが……もしもこの都市に『東方仗助』のような回復能力者が居るとしたら……)

女学生B「じゃあ、その『キラークイーン』って」
女学生A「うん」

吉良(……にしても、やはり心安らかな物じゃあないな。誰も真相には辿り着いていないとはいえ、スタンド名を連呼されるっていうのは……)

吉良(もっと別の呼び名を流行らせる必要があるな……どんな名前がいいだろうか。
   ……『女殺し』だと意味合いが違ってくるしなぁ)

     ドン

美琴「あ、ごめんなさい」

吉良「いやいや、こちらこそ」

吉良(……固法美偉については、急を要する。街中で『ですの』や初春飾利たちに会ったら……
   いや、あの三人の誰かと出来れば今日中になんとか『偶然出会って』『それとなく聞き出す』しかないだろう)

続きが気になって寝れなくなるやん…

黒子「お」   ヒュン!
黒子「ね」               ヒュン!
黒子「え」      ヒュン!
黒子「さ」                     ヒュン!
黒子「まぁぁぁぁ~~~~~!!!!」

美琴「ふん!」

     べしっ

黒子「きゃん!!」

美琴「で、どうかした? 黒子」

黒子「あぁ、お姉さまぁ……お姉さまの手痛い歓迎で、黒子何かに目覚めそう……」

美琴「一生眠らせとけ!」

     べしっ

黒子「あいたっ!」

吉良(……ん? ……あそこで馬鹿騒ぎをしているの、『ですの』じゃあないか……
   渡りに船……あの『お姉さま』と呼ばれていた女が居ない方が好ましいが……背に腹は代えられないか)

吉良「おや、君は……」

黒子「あら貴方は……初春の旦那様ではありませんの」

美琴「……え?」

吉良「その節はどうも。黒井……白井?」

黒子「白井黒子ですの! お間違えないよう!」

吉良「ああ、すまない。人の名前を覚えるのは苦手でね」

美琴「ってちょっと待てええええええええええ!!!」

吉良「……五月蠅いな」

黒子「どうかなさいました?」

美琴「いいいいいいい今、う、初春さんのだだだだだ旦那さんって!!」

吉良「冗談に決まっているだろう」

黒子「あら、冗談でしたの? 私はてっきりあの後そういう関係まで進んだのかと」

吉良(……このアマ)

黒子「いやですわ、女子中学生の可愛い可愛い冗談ではございませんの。そんなに怖い目をなさらなくても」

吉良「そっちがこの前話していたレベル5のお姉さまってことで間違いなさそうだね」

黒子「うふふ、私自慢の御坂美琴お姉さまですの!」

美琴「えっと……黒子、この人は?」

黒子「先日初春がお世話になった川尻浩作さん、なんでもレベル3の念動力使いだとか」

吉良(レベルや能力について話した覚えはないが……どうせあの脳内お花畑な初春飾利が漏らしたんだろう。
   まぁ、能力の内容が間違っているから大した問題じゃあないが)

美琴「へぇ……恋人とかそういうのじゃないのね。…………よかった」

吉良「それよりも、君達。『殺戮の女王』について知ってるかい?」

黒子「あら、川尻さんでもご存知でしたのね」

吉良「ご存知も何も、街中で噂になっているからね。いやでも耳に入るさ。
   それより、君達は大丈夫だったかい? 君や『お姉さま』は見るからに無事そうだけど……
   初春飾利や佐天涙子、それに……なんと言ったかな……『固法』だったかな? 彼女も……『殺戮の女王』の被害にあっていなければいいが……」

黒子「ええ、初春と佐天さんは無事ですわよ。なんなら電話で呼び出しましょうか? 初春も喜ぶと思いますし」

吉良「へぇ、そうかい。そいつは良かった……知り合いが被害者になっているっていうのは寝覚めが悪いしね」

黒子「ですが、固法先輩は……」

吉良「……『何か』あったのか。彼女に」

                  ┣"┣"┣"

吉良「……まさか」

黒子「いえ、固法先輩は『殺戮の女王』にやられたかどうかはわかりませんが……昨日、貴方がたと別れたあとで……」

吉良「……そこから先は聞かない事にしよう。知り合いが『酷い目にあった』事なんて話したくないだろうし」

黒子「心遣い、感謝いたしますわ」

美琴「……」

吉良「それじゃあ私はこれで……気を付けるんだよ。固法美偉や他の能力者も襲われている。
   君や『お姉さま』だって女の子なんだからね」

黒子「ええ、分かってますわ。では」

―――

吉良「……フゥ~~~~~……殺せては居ないようだな。ノリが全体的に軽いし……
   だが、『最前線』に復活できるような容体じゃあないみたいだ。
   ……まぁ、様子を見たとしても三日ってところかな。三日以内に入院先を見つけ出して『消す』」

吉良「しかし、歌でも一つ歌いたくなるなぁ、ここまで思い通りに事が進むと。
   ……気になるのは、あの『お姉さま』。人見知りか? 終始不思議そうな顔でこちらを見つめていたが……」

吉良「おバカな『ですの』は放っておいても害はないだろう。アイツはおそらく初春飾利並にお花畑だからな……固法美偉の死と私を繋げようとも思うまい。
   ……しかし『お姉さま』は違う。思い出してみればあの顔は何か勘ぐってるような顔だった気もする……
   『お姉さま』……この際アイツも『始末』しておくか? 『ですの』は悲しむだろうが……そんなの私には関係ないことだ」

                                                                     ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"…
吉良「……ああ、ゴメン。君以外になんて『今は』興味ないよ。フフフ」

>>1のスタンド能力が勝つか
俺の眠気が勝つか勝負だ…

――― 13:20

  カタカタカタカタ

初春「……」

          カタカタカタカタ

初春「……」

  pipipi……pipipi……

     カタカタカタカタ

初春「……」

  pipipi……pipipi……

初春「……あ、電話か!」

  pi!

初春「はい、初春ですが」

佐天{やっほーい、初春ちゃんやーい、あったしだよぉ~ん}

初春「あ、佐天さん! どうかしました?」

佐天{うん、昨日の店もっかいどうかなぁ~? って思ってさ!}

初春「あ、ああ、えっと……ごめんなさい……」

佐天{えぇ~!? なんでぇ~!?}

初春「えっと、固法先輩の件でちょっと気になる事があって……」

佐天{ああ、何か分かったの?}

初春「まだほとんど何も……午前中に仕事を終わらせますから、午後の二時ごろでどうですか?」

佐天{んー? うん、わかった! じゃあ後であのお店でね}

   プツッ

初春「……よし」

    カタカタカタカタ

  ガチャッ

黒子「お疲れ様ですの初春。飲み物、買ってきましたわよ」

初春「あ、ありがとうございます~」

黒子「……進展は?」

初春「進展といえるかどうかはありませんが……二つほど」

午前中じゃねぇ
『もうすぐひと段落つくから』だ

黒子「二つですの?」

初春「『殺戮の女王』事件と『陽気な爆弾』事件、何の関係もなさそうに見えますが……
   実は結構近い位置にいるのかもしれません」

黒子「……それは何故?」

初春「これは仮定でしかありませんが、『殺戮の女王』の能力者の能力の応用が『陽気な爆弾』ではないかと」

                            ドドドドドド

黒子「……そんな事がありえるんですの?」

初春「私自身まったく信じられません」

黒子「へぇ……ではどうして、そんな仮説が?」

初春「まずは監視カメラの映像です。
   監視カメラに映っている固法先輩は『後ろを確認』して『陽気な爆弾』の攻撃を背中に受け、足に受け、御坂さんに発見された。
   この映像、おかしいじゃあないですか。もし、これが『二人分の能力』もしくは『陽気な爆弾が殺戮の女王本来の能力』なら、固法先輩ほどの人なら確認せずに逃げると思うんです」

黒子「それで、『殺戮の女王』が予想外の能力を使ったから動揺を示した、と……
   でも、それだけでは『殺戮の女王』が使った能力だと言うには証拠が足りない気が……」

初春「そこでです!」

     カチカチッ

初春「見てください、この資料」

ういはるが賢く見えるぞ

黒子「これは……カルテと残留品リストですの?」

初春「はい。白井さんの話によると、固法先輩は襲撃される寸前まで携帯電話を使っていたんですよね?」

黒子「ええ。最後の言葉の意味が分からなかったですが……確かにお姉さまが見つける数分前までは携帯電話を使っていましたわ」

初春「でもですね……何処にも無かったんですよ、固法先輩の携帯電話」

黒子「それはどういう……」

初春「言葉通りの意味ですよ。『何処にも』ないんです。
   固法先輩も持ってなかったし、探知能力者が現場の近辺三百mを隈なく探しても見つからなかった……」

黒子「ほうほうそれで?」

初春「そこで、『殺戮の女王』ですよ!」

初春「『殺戮の女王』の能力はおそらく『物体の質量を燃焼させてそれに比例する破壊力の爆弾を作り出す』能力。もっと言うと『爆弾とその付近の物体を消滅させる』ことも可能でしょう。
   固法先輩が電話越しに呟いた『石』っていうのは、殺戮の女王の能力で爆弾になった石が飛んで来ていた。携帯電話が消えたのもこれの爆発のせい。
   『陽気な爆弾』は空中に存在する気体の一部、もしくは特殊なガスを『爆弾』に変えていた。そう考えると」

黒子「その場にいた『殺戮の女王』が同じ爆弾系統の『陽気な爆弾』で固法先輩に攻撃した。
   しかし固法先輩はその関連性に気付けずに動揺し、攻撃を受けてしまった、と。
   成程、スジは通ってますわね」

初春「はい、ただ……」

黒子「それじゃあ私はその情報をもとに一連の事件の目撃証言をもう一度浚い直してきます。では」     ヒュンッ!

初春「あ、あの!! ちょっと、白井さん!?」

あぁ、やっぱアフォっぽいな…
そして俺の眠気が最高潮、後はたの…んだぜ…おまえ…ら…
まとめサイトに載って後で読めますように…

初春「うーん……まだ言ってない事があるんだけどなぁ……」

初春「……」

    カタカタカタカタ

初春(白井さんに伝えられなかった二点目……それは、良い報告じゃない。というよりも、今の仮説を真っ向否定するもの……)

初春(……『殺戮の女王』と『固法先輩を襲った石爆弾』、そして『陽気な爆弾』は確かに似通っている、でも……相違点もある。
   『殺戮の女王』と『固法先輩を襲った石爆弾』は、確かに物質を消滅させている……
   『殺戮の女王』は被害者の女性を消滅させているし、『石爆弾』は携帯を消滅させている……)

         カタカタカタカタ

初春(ただ、『陽気な爆弾』はこのルールが当てはまらない。腕や足を破壊してはいるけど、肉片レベルで言えば『残って』いる……
   そして『陽気な爆弾』は気体を媒介にしてるって白井さんには説明したけど、これじゃあ爆発の規模とか追尾性とかが説明できない……
   それに御坂さんは『陽気な爆弾』は『喋って』『爆発を繰り返した』って言ってた)

   カタカタカタカタ

初春(うーん……『殺戮の女王』、『陽気な爆弾』。おそらく同じ爆発能力が根底にある筈……
   御坂さんみたいに応用の効く能力なのか……それともここに来てまさかの『重複能力』!! ……はありえないか)

初春「……」

    カチカチ

初春(『物を喋らせる+追尾』でもデータベースに該当能力無し……ですよねー。……じゃあもしかして、低レベルの能力者がこの前の『幻想御手』の影響で……
   ……無いか、さすがに)

――― 13:42

美琴「……ん?」

吉良「……」

美琴「あれってさっきの……川尻さんだよね……何やってたんだろ、路地裏なんかで」

・ ・ ・ ・ ・ ・

美琴「私どうもあの人苦手なのよねぇ……なんていうか無機質な感じだし」

美琴「って路地裏? いい大人が? 本当に何を……」

美琴「……」

――― 13:46

美琴「やっぱり何も無い、か。当たり前よね。路地裏なんだし」

美琴「ん? あれ……」

美琴「何か……落ちてる……『指輪』?」

   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「……」

        ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良(……女ってのはどうしてこういらん事に興味を持ちたがるんだろうな……まぁ、そのアホらしい好奇心のおかげで私は『彼女』に困る事が無いんだが。
   そして、思わぬ大物がかかった……十数分ぶりだな、御坂美琴。
   いつもならここで後ろから掴みかかって『口説き文句』の一つでも言う所だけど……お前は特別だ。
   白井黒子から何を吹きこまれているか分からないし……この場で『消え』ろ)

   ┣"    ┣"   ┣"  ┣"┣"  ┣" ┣"   ┣" ┣"  ┣"   ┣"  ┣"

美琴「――――――誰かの、落し物?」

吉良(……よし、拾えッ!)

    アフンアフン  オネエサマーオネエサマー♪

吉良(……なんだ今のは。もしかして携帯の着信メロディなのか? あの『ですの』の声が?
   ………………待てよ、着信メロディか……ふぅん、使えるかもしれないな)

美琴「……はいもしもし」

黒子{お姉さま! 黒子ですの!!}

吉良(……『ですの』……白井黒子か)

美琴「あのねぇ黒子、人の携帯の着メロ勝手に変えるのはやめてってあれほど!!」

黒子{いいですの、お姉さま! 何が落ちてても近寄っちゃあ駄目ですわよ!!}

吉良(……何)

黒子{殺戮の女王は物体を爆弾に変えられます! いいですの!? 絶対に拾い食いとかしちゃあいけませんからね!!}

美琴「拾い食いって……黒子、アンタねぇ!!」

黒子{立ち読みも控えてください! あと子犬や子猫が居ても拾ってきちゃダメですの!! あとあと、スカートの下の短パンは脱いでくださいまし!!}

美琴「一番最後のは関係ないでしょうが!! ったく……ねぇ黒子」

黒子{はい、なんでしょう?}

美琴「ちょっと気になるんだけどさぁ、固法先輩と最後に別れたの……『誰』?」

       ┣"┣"      ┣"   ┣"      ┣"┣"  ┣"     ┣" ┣"
           ┣"   ┣"  ┣" ┣"    ┣"   ┣"     ┣"  ┣"┣"

黒子{最後に別れた人、ですの?}

吉良「……」

美琴「もしかして、それってさ……」

    コッチヲ見ロォォ~~

美琴「ッ!? 『声』、今の声は!!」

黒子{お、お姉さま!?}

美琴「ゴメン黒子!! ちょっと電話切る!!」

黒子{おね}

      プツッ

美琴「こんのおおおおおおおおおおおおお」

    バチバチィィィイイイイイイイ!!!!
                                 ドガァァァン!!

美琴「『陽気な爆弾』……もしかして、いや、この状況なら疑いようがないね……
   『陽気な爆弾』は正体暴かれかけてアセってるその辺の『殺戮の女王』の能力の一部ッ!」

吉良(『名前』を渡させないための苦肉の策……しかし、『キラー・クイーン』の能力については白井黒子も気付いていた……
   もしかしたらこの事についても白井黒子やあいつの上司、ジャッジメントの奴らも気付いてるかもしれないな……クソッ、面倒な事になってきた……!)

吉良(キラー・クイーンが触れているのは御坂美琴の背後にある『彼女』の指輪……殺す事は出来ないだろうが、こっちに気が向いていれば不意打ち程度にはなるかな。
   『彼女の指輪』と『シアーハートアタック』……挟み打ちの形で御坂美琴を始末するッ!
   『お姉さま』を助けに来た『ですの』も始末すれば、私の正体を知る者は、ひとまず消える……)

吉良(指輪の爆発の必中の間合いまで約三歩ってとこか……そこでスイッチを押し、やりそこねたならシアーハートアタック、それでも駄目ならもう一回『第一の爆弾』でトドメだ)

美琴「どりゃああああああああああああああああ!!!!!」

       ビリビリビリビリビリビリビリビリィィ――――!!!
                                   ドガァン!

吉良(成程、電気か……無敵の『第二の爆弾』も、熱が発生する『電撃』とは相性が悪い……こいつは参ったな。
   しかし気付いているかな? シアーハートアタックから距離を取ろうとして、君の位置は少しずつ『指輪』に近付いているんだよ)

    3     2     1      ……

吉良(今だ!!)

        カチッ

        ドゴォォォ―――――ン!!

美琴「ぐぁッ!? ゆ、指輪が……『爆発』したッ!?」

吉良(おや、少し外れたか。……でも)

   キュルキュルキュルキュルキュル……
          コッチヲ見ロォォォヲヲヲヲオオオオオオオ!!!!!

吉良(こいつを避けられるかな?)

美琴「ぐ、ぐうううううううう! こんのおおおおおおおおおおお! 近寄るなああああああああああああ!!!!」

    バチバチバチバチィィィ―――z___!!!

                 ドガァァァン!!

吉良(電撃で対処するスピードも思った以上に素早いが……しかし、もはや抵抗は無意味だ。
   なぜなら君はもう、チェスや将棋でいう『詰み』の形に嵌っているんだからな)

   シュッ!

美琴「……小石ッ!? もしかしてこれも爆だ」

       カチッ

              ドゴォォ――――――ン!!!!

――― 13:47

初春「ああっ!! もうこんな時間!! うぅ~、間に合うかなぁ!?」

初春「あ、いけない、白井さんからもらったオレンジジュース!!」

   ピトォ……

初春「うへー、ぬるくなってる。………………あれ? もしかして……」

   ガタッ
        カタカタカタカタカタカタカタカタ

初春(……映像データで気になってた点……もし今私が考えているのが正解なら『陽気な爆弾』の行動原理が分かる……
   どうやって動いているのかが分からなくても、行動原理が分かれば対処方法が見つかる!!)

    ザザザ……コッチヲ見ロォォ……

初春「スキャン、スキャン!」

    ピ――――!!

初春「やっぱり、思った通り!」

初春「あれ、という事は……」

初春「……見つけちゃった。『陽気な爆弾』の対処方法」

――― 13:48
――― 13:49 カチッ

黒子「……間一髪ですわね。お怪我はありませんか!? お姉さま!!」

美琴「黒子、アンタどうして……」

黒子「むふん、どうですお姉さま? キスしたければ右のほっぺたが空いてますわよ!!」

美琴「……どうしてここが分かったの? 言ってないはずよね、場所」

黒子「愛の力ですの!」

美琴「……へぇ、流石黒子ね。偉いわぁ。なにも使わずに私の位置を探し出せるんだもんね。
   でも個人的には何かを使ってでも確実に助けに来てくれた方が嬉しかったなぁ~~、そりゃもうキスしてあげちゃうくらい」

黒子「キキキキキスゥゥゥ!? おおおおおおお姉さま、じじじじじ実は黒子予備のGPSを使いましたの! これすなわち愛の二冠達成! V2!!!」

美琴「……へぇ、予備のGPSねぇ」

黒子「……あ…………て、テヘッ♪」

美琴「今はお仕置きやめておいてあげる。これが終わったらどうなるか……楽しみねぇ」

黒子「あはぁ……目覚めちゃいます、目覚めちゃいますのぉぉぉおおお!!」

美琴「うっさい!! とりあえずこのお姫様だっこやめなさい!」

吉良(……来てしまったか、白井黒子……コイツは馬鹿だが能力が厄介……
   しかし、これはこれで都合がいい、と捕えるべきなんだろうな。『この状況』で白井黒子と戦える、っていうのは。

吉良(『お姉さま』の寿命が数分延びたが……結果は変わらない。二人揃って消える、ただそれだけだ)

――― 13:50 カチッ

美琴「さて、これで貴方の切り札の『陽気な爆弾』は封殺確定。さっさと出てきたらどう? 川尻浩作さん」

黒子「へ!? か、川尻浩作さんって……初春の!?」

  カツッ……カツッ……

吉良「……やっぱり、風紀委員ってのは頭の中が『春爛漫』なのかな。もう夏真っ盛りだっていうのに何度言っても何度言っても言葉が通じてない。
   ……いや、暑さで腐った脳ミソが煮立ってるのかもしれない。とにかく一度、『脳外科』か『精神科』に行くことをオススメするよ」

   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"

黒子「……嘘」

美琴「私が来る前にここに居て、指輪を用意できたのもアンタ、固法先輩と最後に会ったのもアンタ。それなら犯人はアンタ以外に考えられないもんねぇ」

吉良「やれやれ。大した力技の『推理』だ。
   フゥ~~~~~……それで……私を表に引きずり出してどうするね? この場で高らかに『勝利宣言』でもしてみるかい?」

美琴「さぁて、どうしよっか。とりあえず、固法先輩と同じくらいの傷を負ってもらいましょうか」

吉良「……フフフ」

美琴「あら、なに? 今さら怖気づいたのかしら? 言っとくけど―――」

吉良「例えば、ハブとマングースが戦っていて、マングースは自分より小さなハブの締め付けから逃れてハブを攻略したと思っている。
   戦いの初めにハブに噛みつかれた、という事実を忘れて、だ。わかるかい?」

黒子「……なにが言いたいんですの?」

 ┣"   ┣"  ┣"  ┣"    ┣" ┣"   ┣"  ┣" ┣"     ┣" ┣" ┣"……

                 KQ『……』

           ┣" ┣"    ┣"  ┣"  ┣"     ┣"    ┣"  ┣"┣"   ┣"┣"   ┣"……

吉良「見えないかもしれないが……紹介しておくよ。
   彼女の名前は『キラークイーン』……私を含むこういった能力者は『彼女』のような存在を『スタンド』と呼んでいる」

美琴「……なに言ってるのか、さっぱりわからないんだけど」

吉良「なに、無理に分かろうとしなくてもいいさ。
   だって君達はそれを『理解する前』に、『ここ』で、死ぬんだからね」

美琴「言ってなさい! 黒子、デカイの一発行くわよッ!!」

黒子「お、お姉さま! まさか……いけませんわ! 街中でなんて!!」

吉良「呪うんなら、バカみたいな好奇心と、目の前が見えなくなるほどの『信仰心』を恨むんだな。
    ――――――形はすでに、出来上がっている」

美琴(コインを取り出して、すかさず放つ!! 全開で行くと死んじゃうかもしれないから七割くらいで……)

     ドゴォッ!!

美琴「……ッ!? ぐ、げはァッ!!?」

            ズザザザザァァァ―――ッ!

黒子「お、おねえ……さま?」

美琴「い、今……何が……!?」

吉良「おや、どうかしたかな? 『有り得ない事でも起こった』見たいな顔をして」

美琴(今のは『念動力』!? そんな、まさか三つ目の能力とでも!?)

吉良「なんでもないならこちらから……ッ!? 『キラー・クイーン』ッ!!」

     ガガガガガガガッ!!

吉良「これは……畳針か?」

黒子「……今の今まで、信じられませんでしたわ。初春があれほどなついていた貴方が危険人物だなんて。
   お姉さまの言葉を聞いても、貴方が現れても、信じられませんでした……ですが!」

黒子「今の行動は、私の疑心を払拭するに事足りる行動!
   『風紀委員』ですの!! 川尻浩作さん、貴方を『連続婦女蒸発事件』の重要参考人として連行させていただきます!!」

吉良「……便利なもんだな、瞬間移動ってのは。利用の仕方ひとつで、あやうく『磔』だ」

黒子「お望みとあらば身体の中に瞬間移動させる事も出来ますが、試してみましょうか?」

吉良「いいや、遠慮しておくよ……それより、『まさかこの程度で私を牽制した気になっているのかな』?」

黒子「へ?」

     ドガッ!!

黒子「うぐッ!!」

黒子「…………正真正銘の『念動力』……どうやら、何かの『トリック』を用いたただの攻撃、というわけではなさそうですわね」

吉良「……ああ、確かに君が瞬間移動で飛ばした針の一本は『完璧』に私のズボンと道路を縫い付けて私の動作を制限した。分かっていたよ、それくらい。
   しかし『彼女』にはそんな事関係ない。『彼女』は私と『一心同体』であり、『個々別々』なんだからね」

黒子(そういえば初春も川尻浩作の事を最初、『念動力』使いだと呼んでいましたわね……予備動作無しに今の破壊力なら確かにレベル3は固いんじゃあないかしら?
   しかしこれは一体どういう事……なにが起こっているのかさっぱり……川尻浩作の能力は『物体を爆弾に変える』だけではありませんの!?)

吉良「やれやれ、ようやく大人しくなったか。これに懲りたら不用意に半径2m以内に近付いてこないことだな。
   ……いくら路地裏とはいえあまり目立ちたくはないからね。サクッと終わらせよう」

     バチバチッ!

美琴「こンのぉぉぉ――――……」

吉良「……聞こえなかったかな? 『目立ちたくない』と言ったんだが」

         バチバチバチバチィィィ―――――!!!

美琴「調子に……」

吉良(……『右手』に『コイン』……そういえばさっきも……何をやる気だ? ハッタリか?
   待てよ……御坂美琴の能力は電気を操れる、それにあの構え方……まさかッ!!)

吉良「『キラー・クイーン』!!! 『第一の爆弾』!!」

美琴「乗るなァァァァ――――――――――――!!!!!」

                轟!!

           ドガァァァ――――ン!!

美琴「やった!?」

黒子「お、お姉さま……だから街中でそれの使用は……」

美琴「しょうがないでしょ! あのままじゃ私も黒子も殺されてた!! 正当防衛よ!!」

   ガラガラガシャァァァァ―――――ン

美琴「せいぜい瓦礫の下で反省するのね」

吉良「――――――ああ、そうだな。『反省』はさせてもらうよ……ただしあんな冷たい『瓦礫の下』じゃあなく寝る前に『ベッドの上で』、だけどね」

美琴「なッ……!?」

吉良「今ほど色々な本を読んでいて良かったと思った事はないぞ。
   なんと言ったかな……確か……そうだ、『羅漢銭』だったはずだ。中国武術の一つの」

美琴(避けられた……この距離で!? クソッ、もう一発!)

吉良「忍者は指で弾いた玉や石で人を殺せた、というのが何かの本に書いてあったのを思い出してね……いや、本当に危なかった。
   まさか、『電撃』を利用してコインに『超加速』を与えるなんてな……一瞬気付くのが遅れていたら、君の予想通り私はあの瓦礫の下だっただろう」

美琴「このおおおおおおおおお!!!」

吉良「遅い! しばッ!!」

           メゴシャァアッ!!

私の漢方…

上条さんの無効化能力も誰かに与えられたもんじゃなかったっけ?
全く原理の違うスタンドは消せないんじゃないか。
一方さんも物理演算できないからはね返せないと思われる。

美琴「う、あああああああああああ!!!!!」

吉良「一瞬……『キラークイーン』で壁を伝っていた排水管を破壊して、壁と排水管とを固定していた金具を爆弾に変えて爆発させた。
   その爆発で巻き起こった爆風と、『キラークイーン』の足を使った跳躍で『なんとか』……逃げられた。
   とはいっても『全身無事』ってワケじゃあない。見てくれ、この『左半身』。爆発の余波と君の攻撃でおろしたてのスーツが酷い有様だろう?」

美琴(ハァ!? み、右腕が、いつの間にか、明後日の方向に『折れ』てる……もう、使い物に……っていうか、速いし、重い! まさか本当に、二つの能力を使いこなしてるっていうの!?)

吉良「……しかしマズイな……今の『音』を聞いて誰かが近寄ってくるかもしれない……
   出来ればこの手で『始末』してやりたいが……不用意に近付いて瞬間移動させられたり、電撃を直に喰らわせられたりして時間を稼がれたら大変だしな」

黒子(触れることさえできれば、瞬間移動させられる!!
   ちょっとお腹が死ぬほどズキズキしますけど、演算は出来る! ここは一気に肉薄して)

吉良「……そこで、いい方法を思いついた」

   カツッ……カツッ……

      ヒュンッ!

黒子「上空に吹っ飛んでくださいまし!」

         『コッチヲ見ロォォ~~』

黒子(ッ今の声、『陽気な爆弾』! 私の背後から『陽気な爆弾』の声が……
   しかも今の声の距離、お姉さまが自己防衛のために電撃を使えば爆発に巻き込まれてしまうッ!!)

黒子「お姉さまッ!!」

>>334
それだと右手以外を座標移動できちゃうから、バイツァダストは効かないと思う
キラークイーンで顔面ぶん殴ったり腹抉って内蔵破裂はできると思う

だって吉影さんは静かに暮らしたいだけなんだぞ?
それを脅かしてるんだからざまぁ言われても仕方ないよな。

>>349
黄金錬成? だかなんだかのときは、窒息しろって言われたときに右手で喉押さえて解除してた。
この前例があるんだから、目に指突っ込んで解除しないとボン! じゃないかな。

黒子「……キャタピラの音が、聞こえない…………なにも……何も、『居』ないッ!?」

吉良「フフ、痛みで思考回路が鈍ったか? 『そっち』にはなにも居ないぞ」

黒子「嘘……そんな筈が……」

吉良「それはそうと、『忠告』したよなぁ……半径2m以内に入らないように、と。
   私に触れた状態で手を放置するなんてイケナイ子だ……もう二度といらぬ事が出来ないようにしておいてやろう」

     ザグゥッ!

黒子「へ?……嘘、わたくしの、手、手が、手首から先が!? な、何故、今確かに後ろから!!」

吉良「……その声ってのはもしかして、コイツの事かな?」

    『コッチヲ見ロォォ~~』

黒子「け、携帯電話……!?」

吉良「『お姉さま』の着信メロディを聞いていて思いついたんだ。後々、貴様の足止め程度で役に立てばいいと思っていたが……
   まさかこんなに早く役に立つなんてなぁ、やっぱり最近の私はツいてる。
   貴様がどうせ私自身に『瞬間移動』を掛けようとするだろうと思って、『キラー・クイーン』に携帯を隠してもらってたのさ。その『瞬間』まで、猫草の代わりにね」

黒子(両手首から先が『切断』されてしまった! 念動力の活用……でも、そんな、鋭利な刃物みたいなこと……)

吉良「この綺麗な手は迷惑料として頂いておくよ……そして、君にはこのまま『逃走』出来ないようになってもらおう」

    ボギィ!

黒子「ッ!? ああああああああああああ!!!!」

美琴「黒子!!!」

吉良「足も一本……君の『うざったい瞬間移動』もこれで多少、制限できるだろう。
   さて、それじゃあそろそろ本当に終わりにしようか。やれやれ……どれくらい危険かと思えば。案外大したもんじゃあないんだな、レベル5ってのも。
   それとも……君が群を抜いて『弱い』だけかな?
   私に『触れることすら出来ずに殺される』んだからその辺の『無能力者』と喧嘩しても負けるんじゃあないのか、コイツ」

    キュルキュルキュルキュル

美琴「クッソオオオオオオオオ!!!! ブチかましてやるッ! 最大出力をッ!!」

          バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!

   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

        コッチヲ見ロォォォ~~~~!!!!

吉良「今度は本物だ。忠告しておくが、『その雷はさっさと消した方がいい』。
   それじゃあ、さよならだ。おバカな『ですの』に、よわっちい『お姉さま』」

美琴「ふざけんなァァァァ―――――――――――――!!!!」

黒子「ッ!! お、お姉さま危ないッ!!」

          ヒュンッ!

                コッチヲミロォォォヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!!!!!
美琴「……へ?」

        カチッ                     バゴオオオオオオオオオオン!!!!

「スタンド」って名称は、ジョセフが作ったのに、仗助達もイタリア人達も使ってたのは、なんでなんだぜ

>>376
シンクロニシティ

ヤバい、wktkがとまらない。
しかし川尻浩作の顔のはずなのに、イメージだと登場時の顔なんだよな

―――13:55

美琴「黒子、どうしてッ!? なんで、爆発が……」

黒子「一瞬……聞こえましたの……もの凄い速さで移動する、キャタピラの音が……
   それで、お姉さまが危ないと思って……つい、身体が……」

美琴「ば、バカッ!! 何でそんな事を!!」

         コッチヲ見ロォォォオオオオ!!!!

黒子「お、ねえ、さま……おにげ、ください……」

美琴「………………クソッ」

美琴「覚えておきなさい、黒子。
   可愛い後輩を置いて逃げる事の出来るお姉さまなんて……そんな私なんて、存在しないのよ!」

     コッチヲ……

美琴「離れろォォォ―――――!!!」

        ビリビリビリビリィィ!

                     ドガガァァァン!!

美琴(脳へと送られる痛みの電気信号を弄ってシャットアウト! 右腕は使い物にならないけど、これで少しの間、無理をすれば動く事は出来る。
   でもこれは単なるやせ我慢でしかない、なにか、何か方法を探さなきゃ……!!
   私の身体がいう事を聞かなくなる前にッ! 黒子が出血多量で死ぬ前にッ!! 黒子を連れてこの『陽気な爆弾』から逃げる方法をッ!)

なんで黒子生きてるんだ?

>>388
億泰だって腹をアレだけえぐられててギリギリ生きてたろ。
そういうことだよ。たぶん。

―――

吉良(フゥ~~~~~……思った通り、上手くいったな……
   御坂美琴の話し方や立ち回りから考えて、あそこまでコケにしてやればブチギレないわけがない。
   ブチギレればもうこちらの物だ。ああいうカッとしやすいタイプほどブチギレた時の行動は単調だからな)

――― 14:00

吉良(単純脳筋バカはコケにされれば自分の百パーセントの力で敵を『排除』しようとする。その百パーセントが命取りだ。
   御坂美琴が能力を使う時、彼女はいつも『帯電』していた……百パーセントともなれば相当な熱量の電気が周りにあったんだろうな。
   そこに、キラー・クイーンでシアーハートアタックを投擲。後は熱を探知したシアーハートアタックが突っ込んで爆発するって寸法だ)

吉良(さて、手負いの状態で何処まで逃げられる? 『お姉さま』。言っておくがその路地はずっと奥へ行っても最後は『行き止まり』だ。
   白井黒子の『瞬間移動』があればなんとかなったかも知れないが……あの『ですの』は今頃自分の身を呈して『お姉さま』を守って大怪我を負って動けない。
   あの盲信ぶりはもう『宗教』のレベルだからな……)

吉良「しかし……フフフフフ……こういうのを役得っていうんだろうなぁ……
   切る瞬間に見て分かったが、白井黒子も結構綺麗な手をしている。
   初春飾利に比肩するほどの綺麗な手だ……フフフ……大事にさせてもらうよ……」

――― 14:07

吉良「そろそろ十分か……いやにシアーハートアタックの帰ってくるのが遅いな……爆発は止んでいるが、何かあったか?」

吉良「まぁいい。『超能力者』では『シアーハートアタック』が見えないのはとっくに分かってるんだからな。
   どうせどっかで道草でも食ってるんだろう。まったく、私の能力だとばれなければいいが。
   とりあえず後は固法美偉と初春飾利……それに『川尻浩作』と風紀委員三人組が接点を持っていたことを知っている佐天涙子。
   彼女らを始末すればひとまずは終わりだ」

  「あら、何が終わりなのかしら?」

――― 14:08
――― 14:09 カチッ

  ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"……

吉良「……何?」

          ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"……

  「つーかアンタ、言うに事欠いて私の事を『無能力者』との喧嘩でも負けるなんて言ってくれてたわよね。
   コイツは流石に『温厚』な私でもメチャゆるせんよなぁぁ~~~~~!!」

    バチバチィィッ!


┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!


吉良(……そんな筈はない。居るわけがない。確かに、詰みの一手まで完璧に計算していたというのに……殺せている筈なのにッ!!)


                     ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!


吉良「何故貴様がここにいるッ! 『御坂美琴』!!」

美琴「フン、聞かれたって教えてやるもんですか!」

中学生に追い詰められて「このクソカスどもがァ!!」とか言っちゃう吉影さん超素敵

――― 14:10 カチッ

とある科学の超電磁砲  X話  『陽気な爆弾(シアーハートアタック)』

・吉良 吉影
 御坂美琴が生きているなんてありえない!! どうしてここに居るんだッ!? SHAは!?

・御坂 美琴
 右腕含め数か所骨折。痛みは感じないようにしてるけど限界は近い……
 黒子を担いでるけどそろそろ放置したい。背中でハァハァ五月蠅かったし。
 川尻浩作は『全力で』叩きのめす。

・白井 黒子
 気絶中、失血が酷いので早く治療しないと命にかかわる。
 両手首から先損失、足も骨折してるけど全部応急処置済み。背中に重度のやけど、背骨もヒドい。これじゃあお嫁にいけませんの……お姉さま、黒子をお嫁にもらってくださいまし!
 お姉さまに背負ってもらって申し訳ない、でも嬉しい。
 川尻浩作=『殺戮の女王』と判断。固法先輩の件といい、お姉さまの件といい、メチャ許せません!
 あぁ、でも……薄い制服の生地越しに伝わってくるお姉さまの体温が心地よすぎて…………………ふぅ……
 ジャッジメントですの!(キリッ

・初春 飾利
 『陽気な爆弾』の対処方法を思いついた!

・佐天 涙子
 初春が待ち合わせに遅刻するなんて珍しいなぁ。


  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

御坂「レベル0の無能力者共の料理法くらい心得てるわよw」

佐天「……」

――― 13:58

美琴(ヤバイ……思った以上にガタが来るのが早い……)

   コッチヲ見ロォォォヲヲヲヲヲヲオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

美琴「くッ……黒子無しじゃあ、やっぱり駄目だっていうの!?」

  ギャリリリリリリリリリィィィ!!!!

美琴(私の能力と『陽気な爆弾』の能力はジャンケンで言えばグーとチョキ……
   どっちが強くてどっちが弱いじゃあない、乗り越えられない『壁』が存在している。
   いくら私がどれだけ鍛えようと、グーはチョキには勝てないッ! 『超電磁砲』にとって『陽気な爆弾』は『そういう能力』!)

美琴「だからって、ここで退いちゃあ居られない!!」

        コッチヲ……

   ビリビリビリビリビリィィィィ――――――――!!

                                 ドゴォォン!!

美琴「かといってこのままじゃあジリ貧、五分後か十分後かは分からないけどいずれは押し切られる!
   くぅぅ……何かないの!? グーにチョキで勝つ方法!!」

  「電撃を、弧を描くようにして奥の壁に向かって放って下さいッ!!」

美琴「ッ!?」

  「はやく!!」

熱源を後ろに飛ばすのけ?

グーにチョキはだな
吊ってくる

美琴「く、なんかよく分からないけどくらえええええええええええええええ!!!」

         ビリビリビリビリィィィィッ!!

   クルゥッ!     コッチヲ見ロォォォ……

美琴「え……声が離れて行った!?」

  「さっきの質問……私に当てられたものじゃあないでしょうけど私が答えますね。
   グーにチョキが勝つ方法なんてありませんよ」

美琴「初春さん!」

初春「そのままその場所に合図を出すまで電撃を打ち続けて!」

美琴「了解!!」

初春「でも、グーに勝つのは簡単です。パーを出せばいいだけですから。
   今です! 電撃を止めて!!」

美琴「だ、大丈夫なの!?」

初春「はい! 御坂さんが『チョキ』で、『陽気な爆弾』が『グー』なら、私が『パー』ですから」

     ギャリギャリギャリギャリィィィッッッ!!!

初春「よし、来た!! 予想通り!」

美琴「初春さんの方に、キャタピラの音が向かってる!?」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

    コッチヲ見ロォォォオオオオオオオオオオ!!!!

初春「……」

        ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"


初春「よいしょ」

・ ・ ・ ・ ・ ・

美琴「……あれ、終わり!? う、初春さん、『陽気な爆弾』は!?」

初春「ここですよー」

美琴「ここですよー、って両手を突き出されても……ってまさか……」

    ドコダァ~~~……ドコニイヤガルゥゥゥ~~~~~……

美琴「つ、掴んでるッ!? なんで、え、なにそれ、掴めるの!?」

初春「これで大丈夫……二人とも、無事……じゃあなさそうですね。間にあってよかった」

美琴「ねえ初春さん、まだちょっと良く分からないんだけど……一体なにが起こってるっていうの?」

初春「はい、じゃあ順を追って説明しますね!」

カス能力呼ばわりされた保温が!
流石に禁書勢しぶとすぎると思ったが、この展開は素直に感心

初春「まず『陽気な爆弾』についてですけど、これは『自動追尾』というにはいくつか不可解な点がありました」

美琴「不可解な点?」

初春「まず固法先輩を襲った時、御坂さんが現場に駆け付けると、『陽気な爆弾』は固法先輩ではなく『御坂さん』を襲った。
   そして固法先輩には確実に爆発を喰らわせていたのに、御坂さんには一切爆発を喰らわせることが無かった。
   一見無関係に見えるこの二つが、『陽気な爆弾』の本当の能力だったんです」

美琴「共通点って……あるの?」

初春「はい! 『陽気な爆弾』は『自動追尾』じゃなくて『温度の高いものに突っ込んでいっている』んです。
   映像を見てて気づいたんですけど、『陽気な爆弾』の予想される軌道は御坂さんの放った電撃に『吸い込まれるように』描かれているんですよね。
   おそらく、射程距離内にあるもっとも温度の高い場所に近付いて、一定の温度を超えると爆発するようになっているんです」

美琴「温度……成程、相性が悪いわけだわ。
   私が電気を使えば使うほど私の方に近付いて来るようになってたのね」

初春「最初の固法先輩襲撃事件の時、途中から乱入してきた御坂さんに向かったのは『直前まで走っていた御坂さんの方が体温が高かったから』。
   固法先輩はあの時既に失血が酷く、体温は三十五度を下回っていた。それなら御坂さんを狙うのも頷けます」

美琴「ってちょっと待って! それじゃあ今だって危ないんじゃ……」

初春「そこで、さっきのジャンケンなんですよ」

美琴「……えっと、初春さんが『パー』って話だっけ?」

初春「はい! まさか自分でもこんなにうまくいくと思ってなかったけど……こんな活用法があるなんて夢にも思いませんでした」

初春が「ドコダァー!」ってギュルギュルしてるシアーハートアタック掴んでニコニコしてるの想像してちょっと萌えた。
だれか描いてくんないかな

美琴「あ、そっか。保温能力!」

初春「白井さんも『陽気な爆弾』に触れていたみたいだし、私も触れるんじゃないかなぁって思って……
   まず、私に飛び込んできた『陽気な爆弾』を『低温の膜を取り付けた』手で押さえる。
   そして、魔法瓶の要領で『陽気な爆弾』の周辺に薄い『低温の膜』を貼りつけたんです。
   だからこれ以上『陽気な爆弾』は低温の膜の先に到達することが出来ない。よって爆発する事もない」

美琴「だからジャンケンのパーとグー、ね。本当に助かったわ。でも、どうしてここが分かったの?」

初春「それはですねぇ……じゃじゃーん!」

美琴「……それってもしかして……」

初春「なんでも、御坂さんの位置が分かるGPSだとか。これぞ科学の勝利!」

美琴「……ねぇ、黒子」

黒子「……」  ダラダラダラダラ

美琴「実は起きてるって気付いてないと思った? まぁそんな事はこの際どうでもいいとして……どういうことかしらこれ」

黒子「……これは、その」

美琴「あら黒子、ケガだけじゃなくて汗も酷いわね。 どうする? 本当のことを言ったら……許してあげない事もないけど」

黒子「か、可愛い黒子のお茶目な恋心の暴走パートスリーですの!! テヘッ♪」

                       ビリビリビリビリビリィィ―――――!!

黒子「あみゃあああああああああああああ!!!!」

途中から読んだからよく分からないんだけど
初春たちはどうしてスタンド見えてるの?

>>459
姿は見えないが声が聞こえてるってことで許してくれ
そして黒子は気絶中と言ったが、すまん、ありゃ嘘だ

ジョジョ好きの俺からすればここでも追い詰められる吉良が悲しい・・・
dioか承りが来れていればッ!!

美琴「でも、初春さんがそれを……っていうかなんで私の所まで来たの?」

黒子「ひ、酷い……許してくれるって言ったのに……」

初春「これまでの経緯を順に追って行って、御坂さんへの警戒を強めたまでです」

黒子「まさか、昨日の時点でそこまで読んでたっていうんですの!?」

美琴「昨日?」

黒子「はい。初春がGPS受信装置を貸してほしいと言ったのは昨日、固法先輩の事件が起こった後の現場検証の時でしたの」

初春「だって『殺戮の女王』ほどの犯人が『陽気な爆弾』の目撃者を見逃すなんてするわけないじゃないですか。
   白井さんはいざとなれば瞬間移動で逃げ出す事が出来ますけど、御坂さんの場合はそうもいきませんし」

黒子「ですが、それならそうといっておいてくれればよかったじゃあありませんの!!
   そうすれば黒子がお風呂だろうとトイレだろうと同行してお姉さまを守ったというのに!!!」

初春「ご、ごめんなさい」

美琴「いや、お手柄よ。なんにせよ初春さんが『このタイミング』で来てくれたから……犯人の顔も割れたわけだしね」

初春「会ったんですか、犯人と!?」

美琴「ええ。向こうは私たちを殺したつもりみたいだけど……楽しみだわ……目に物見せてやる……」

   バチバチバチバチバチバチバチバチッ!!

黒子「お、お姉さま、黒子を背負った状態で帯電するのはあひいいいいいいいいいん!!」

だったら空気の温度をそのまま保温したってことで

初春「ともかく! 白井さんの応急処置も済んだことだし、早速犯人追跡と行きましょう!」

黒子「ええ、ジャッジメントの腕の見せ所です……の……」

美琴「……先に救急車ね。それから……反撃開始と行きますか!!!」

――― 14:00

――― 14:10

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良(クソッ、どうする……始末しそこなうとは思っていなかった……
   なんで私がこんなに追い詰められなければならないんだ……今年の私は絶好調のはずじゃあないか……どうして私がここまで……)

    ガリガリガリガリ……

初春「……信じられなかったけど……やっぱり貴方だったんですね……川尻さん」

吉良「……久しぶり、と言っても一日ぶりくらいか……今日はその二人と一緒なんだな……
   出会いといい、昨日といい、今日といい、もしかしたら貴様が……私にとっての『不幸の女神』なのかもしれないな……」

      ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「そうは思わないか? なぁ、初春飾利」

初春「……ジャッジメントです。無駄な抵抗はやめて、大人しく降伏してください」

                    ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良(……シアーハートアタックが帰ってこない以上……私自身がこの場で彼女たちを消すしかない……
   しかし、ここは人通りも多い……あまり手の込んだことをすれば、周辺の奴ら全員私が『殺戮の女王』だと言ってまわるようなもの……
   それに御坂美琴と白井黒子は『第一の爆弾』について知っている。あの能力じゃあ私の『爆弾化』させた物にどうとなりとも対応ができそうだ……)

   ガリガリガリガリ

吉良(チィッ、何故私がここまで絶望しなければならないんだ……)

美琴「気付いてたの?」

初春「……可能性の一つとしては考えられたってだけですけど……」

               ガリガリガリガリ

吉良(絶望……?)

吉良(フフフすっかり忘れていた……なんだ、あるじゃあないか。私にはまだ、切り札が……フフフフフハハハハハハハハハ!!!!
   となるとまずは……『適応』する奴が必要だな……条件にピッタリ『合う』奴がこの学園都市に何人居るか……)

吉良(いや、居る……一人。私の知り合いで、この学園に居る、『無能力者』……!!)

――― 14:12

佐天「うーん、何かあったのか……私がとうとう愛想を尽かされたのか……」

佐天「……とりあえずケーキ頼んどこ。初春の分はぁ~っとぉ」

―――

美琴「さぁ、腹括りなさい。こっからアンタ、地獄を見ることになるんだからねぇ!!!」


吉良(佐天涙子……『条件』にぴったり合う無能力者……
   超能力者が『爆弾』になるかどうかは分からない以上、一か八かの危険を冒す事は出来ない。
   その辺の通行人ですら超能力者である可能性がある以上、探し出すしかない。確実に『無能力者』だと分かっている彼女を……)


吉良(しかし、やはり運命の女神はまだ私を見捨てていなかった……!
   このだだっ広い学園都市に何人いるかわからない無能力者に目処が立っているだけじゃあなく、その知り合いが目の前に居る。
   何処に居るか……なんとか聞き出せないもんかな)


吉良「……今日は佐天涙子とは一緒じゃあないのか」

初春「あ……佐天さんとの待ち合わせ忘れてた……」


吉良(待ち合わせ……今は学生は夏休み、学校関連って事じゃあないだろう。
   自宅での待ち合わせ? 初春飾利の恰好は制服に『風紀委員』って書かれた腕章……どうみても私服じゃあなさそうだ。
   自分の家なら帰ってその場で着替えれば済むだろうが……初春飾利の性格上自分が居ない自宅を待ち合わせ場所にするとは考えられない。
   じゃあ残ってるのは……佐天涙子自身の家か、その辺の店か、公共施設か……)


吉良(公共施設……学生が入れる公共施設と言えば『図書館』『病院』それに『市役所』『博物館』くらいだろうが……『市役所』ってのはまずあり得ない。
   『病院』は固法美偉の見舞いって線もあるが、今までの会話の内容から考えるに佐天涙子はジャッジメントじゃあないみたいだから見舞いする道理もない。
   ……あのパーな頭なら精神科医ってのも考えられるがこの辺りに精神科医は無い……これも無し……)

吉良(佐天涙子の『あの』性格で『図書館』『博物館』もない。公共施設って線もないかな。
   となると佐天涙子の自宅か、その辺の店の二つだな)

吉良(少々面倒だが……カマを掛けるか)


吉良「最近よく思うんだが、なんで女ってのは無駄に金を使いたがるんだろうね。
   待ち合わせの場所一つにしても街角やら『自宅』やらじゃあなく、やれ『喫茶店』だなんだと無い金叩いて騒ぎたがるんだ」

初春「うう、そういえば今月お小遣いがそろそろ厳しいんだった……
   で、でも無駄なんかじゃあないですよ! だって、だって、あのお店のケーキおいしいじゃないですか!!」

吉良「……ケーキ……確かにこの前の喫茶店のショートケーキはおいしかったが、だからと言って昨日の今日で食うものじゃあないだろう」

初春「でもでも! あのお店綺麗だし! かわいい小物とかも……」

美琴「……ほのぼのした会話の最中で悪いけど……そろそろ本題に入りたいの、いいかしら?」

初春「あ、そうだった! ジャッジメントです!! 大人しくしてください!!」


吉良(……こいつら本物の馬鹿だな。少なくとも御坂美琴は私に警戒くらいはするべきだろう。
   しかし……助かった、こいつらが馬鹿で。
   おかげで『佐天涙子』の居場所が『昨日の喫茶店』だと分かった)


吉良(ここから『昨日の喫茶店』まで最短距離で『十分』。
   電撃を出されると面倒だが……この電撃にも射程距離があるのは先の戦いで分かっている。
   一気に射程距離から離れて、キラークイーンの打撃と第一の爆弾を併用しながら逃げ切る!
   そうすれば後は『平穏で静かな生活』が待っているだけだ!)

        ┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「ジャッジメント、か。前回とは違って今回はいやに自信満々だな。
   どうやってシアーハートアタックを切り抜けたのかは知らない。『知らない』……が。
   もう一度聞いてやる、それくらいで私を止められると本気で思ってるのか?」

KQ『……』

   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

初春「……念動力に、爆弾精製能力」

美琴「逆に聞くけど……そんなもんで今の私たちから逃げられるって本気で思ってるの?」

       バチバチバチバチィィッ!

初春(み、御坂さんも、川尻さんも、怖いよぉ……)

吉良「質問に質問で答える、か。まぁいい……答えてやろう。『本気で思っている』からこうやって君達の前に出ているんだよ」

美琴「言ってなさい。逃げた所でアンタの外見はバッチリ覚えてる。その外見を風紀委員にチクればこの学園中から手配されることになるのよ。
   ここでアンタが逃げようと私は絶対にアンタに辿り着いて怒りの鉄槌降してやる」

吉良「いいや、辿り着けないさ。なんせお前らは、『私に辿り着くと死ぬようになる』んだからな」

美琴「へ?」

     シュッ!

美琴(……ッ、爆弾!?)

           ビリビリビリビリィィィ―――――――!!

吉良(残念、そいつはただの小石だ。そして……)

    シュッ!

吉良(コイツが爆弾化した小石。これで始末出来れば万々歳だが、おそらくコイツもあの三人に辿り着く事はない。
   まぁ、コイツの爆煙に紛れて私はここから逃げさせてもらおう)

美琴「って爆弾じゃない!?」

美琴「罠か!! それなら本命は、その後ろ!!」

     バチバチィィッ!!
                  ビシッ

        ドゴォォォ―――――――――ン!!

美琴「……居ない!?」

初春「早く追いましょう!!」

美琴「ええ!! ……しかし、この期に及んで逃げの一手ね。
    とうとうあちらさんも万策尽きたってことかしら?」

初春(……違う。一個目の小石を放った瞬間、川尻さんは『笑って』いた……
   きっとあるんだ。なにか、私たちの想像を絶するような『能力』が……)

初春(なにか見落としていることがある? この関連事件の中で……川尻さんの自信を裏付けるほどの何か……
   この逆境をひっくりかえせるほどの切り札が……?)

初春「……」

美琴「初春さん、川尻浩作の向かう場所になにか心当たりってある?」

初春(被害者の情報……確か、中高生五人に大学生三人、教育機関で働く研究者が三人……あと、昨日追加で一人、固法先輩)

初春(何か引っかかる……中高生人、内男性二人。大学生三人、内男性一人。教育機関の研究者三人、内男性一人。
   被害者がほとんど女性である中でちらほら見える男性。女性同士、男性同士の友好関係は一切なし……)

初春(川尻さんは爆弾を生みだせる、しかも何らかの『起爆スイッチ』のような物と一緒に。
   御坂さんの話と固法先輩の電話から察するに、爆弾に出来る物は小さな石か何か……)

初春(………………指輪、女性、関係、爆弾、相違点、男性、スイッチ、陽気な爆弾、無関係……)

  ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

初春「まさか……」

美琴「……あるの?」

初春(どうして気付かなかったんだろう、被害者は元から関係なんて無かった。ただ、『女性だけを』狙った犯行だったんだ。
   関係性があったのは同性同士じゃあない。同性同士は無関係で……本当に関係があったのは、男性と女性!!
   男性だけは単独の被害者じゃなく女性と同時に失踪していたことから気付くべきだった。
   そして、たぶん川尻さんの『切り札』はそこに存在している!!)

初春「……佐天さんが危ない!!」

やっと追い付いたが、吉良派も禁書派も争いは見苦しいぞ。お互いの良さを受け入れようぜ。
http://imepic.jp/20120308/063700
http://imepic.jp/20120308/064230

美琴「さ、佐天さん!? 今度はまた、なんで……」

初春「川尻さんの狙いが分かりました! 狙いはおそらく、佐天さんです!!」

美琴「へぇ!? い、いきなりなんで!?」

初春「川尻さんの最後の言葉、そしてあの余裕、おそらく川尻さんは私たちを『確実』に殺す『秘策』を持っている。
   それはおそらく、『人間』を爆弾にする能力!!」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

美琴「……なんですって」

初春「被害者の中の男性……おそらく彼らは全員被害者の女性のうちのどなたかと恋愛関係にあった。
   それについては男性の被害者のうち何人かは確認が取れているし、状況証拠から見てもそうだろうと。
   風紀委員は『二人一緒に居たところを襲われた』と見ていたけど、それ自体が間違いだったんです!!」

美琴「それでどうして人間を爆弾に出来るなんて」

初春「近付かざるを得ないからですよ。落し物には近付かない人がいるかもしれないけど、自分の知り合いが倒れていたら近付く。
   それはまさに、狙ったものだけをおびき出す格好の餌になる……川尻さんはおそらく、それを狙ってるんです!」

             ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

美琴「……狙ったものだけをおびき出す餌……」

美琴「…………そんな、フザけた能力……ッ!」

 ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

>>502
二枚目
ナルト初期の綱手がナルトに対してデコピンした時みたいな指だな

>>506
m9(^Д^)の指折られたみたいになってしまった。すまん。

美琴「初春さん、佐天さんはどこ!?」

初春「えっと、この近くに新しく出来たケーキ屋さんで……」

美琴「よっしゃ、あの店ね!」

    バチバチバチバチバチバチィィィィ!!!

美琴(電気で筋肉を刺激ッ! 普段動いてない部分を刺激することによって、運動能力を向上!
   +私の向かう先と足元の磁場を操作して、リニアモーターカーの要領でフル加速ッ!!
   これやると服焦げるし何日間か動けないほどキッツい筋肉痛になるから嫌なんだけど…………)

美琴「位置について、用意!!」


美琴「ドン!!」


   ドシュン!!


初春「え、速ッ!?」

―――

美琴「背に腹は代えられないわよねェェェ――――ッ!!」

これまだ黒子背負ってるの?

>>519
想像してワロタ

吉良「……この先の交差点を曲がるんだったな」

美琴「待てコラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

     ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!

吉良「なんだあの速さはッ!? 想定外だ……クソッ、あのクソカス小娘……『キラー・クイーン』ッ!!」

美琴(……こっちに向き直った。来るッ!!)

吉良「しばッ!!」

美琴「だっしゃあああああああああああああ!!!」

      ドォン!!

吉良「飛んだッ!?」

美琴「念動力だかなんだか知らないけど避ければいいんでしょ!! ……そしてぇぇぇ!!!」

吉良(……マズイ、構えている。あの『コイン』が来る!)

美琴「喰らええええええええええええええええ!!!!」

         ビリビリビリビリビリビリィィィ――――――――!!!!

吉良「『キラー・クイーン』! 叩き落とせッ!」

         ドガアアアアアアアアン!!

SSだし原作自体もその辺曖昧な二つだからそのへんはどうしょうもないな
ジョジョスレに議論はつきものだが

勢いで書きました
反省してます

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

美琴「……言ったでしょ、逃がさないって。キラークイーンさん?」

     ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「……あと少しだというのに……」

           ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

美琴(……さっきの戦闘から考えて、川尻浩作の念動力の射程距離はせいぜい2~3m。近付かれなければ、念動力は警戒しなくてもいい。
   本当に怖いのは『爆弾精製能力』。あの男の一挙手一投足に集中して、爆弾を作らないように見張ってなきゃあいけない……)

吉良(この勝負……一見追いついた御坂美琴に分が有るように思えるが……それは違う。
   周辺全部を巻きこむ勢いで暴れようと、結果として『佐天涙子』に辿り着ければ……私はそれで充分なんだ)

――― 14:18 カチッ

吉良「ここでの戦いを含めて……あと五分ってところかな」

美琴「あら、それは貴方の寿命がって事かしら?」

吉良「さて、どうだろうね」

     ピトォッ!

美琴「……!」


吉良「胸を爆破されたくなければ以下略」

>>539
ただでさえ小さかったのがえぐれちゃう!

吉良「この街……」

吉良「この数週間じっくり観察させてもらったが……いや、実にすばらしい街だ。
   ビルの山でゴミゴミしているように見えるが、自然も多いし、空気も綺麗だし……」

美琴(街燈に触ってるけど……まさか、あれも爆弾に出来るなんて言わないわよね)

吉良「それに何より、能力者が『目立たない』ってのがいい。杜王町と同じくらい理想的な街だと思うよ」

美琴(どうしよう……さっきの音を聞いて人が集まってきてる……あんまり暴れられたら、マズイかも)

吉良「なぁ、そうは思わないか? 御坂美琴」

美琴「さぁね。私にとっていま重要なのは、アンタを押さえつける収容所を探すのが面倒だなってことくらいよ」

吉良「やれやれ、穏やかじゃあないな」

吉良(……あの目……この『街燈』を疑っている目だ……御坂美琴に対しては罠としても使えないだろうな……
   でも、他人が近寄ろうとすればすぐにでもこの街燈をブッ壊すだろう……狙うとすればそこか?)

美琴(あの指輪であそこまで爆発が起こせるってことは……あの街燈みたいにデカイ物を爆発させられたら……
   いや、でも……さっき川尻浩作は、自分の爆発でコートを焦がしていた……つまり、『爆発』の被害は受けるってことだし)

吉良(接触爆弾……私が手を放して次に何かが『触れ』た瞬間、この街燈は爆発する。
   それは無能力者だろうと、能力者だろうと一緒だ。……さて)

吉良「それじゃあ、始めようか」

美琴「そうね、そろそろ私も病院に行きたいし」

ほしゅ

吉良(御坂美琴の能力は厄介だ。単純だが。応用が利く。どう対応するか)

美琴「さすがにさ、街中じゃあ派手に動き回れないのよね。私の能力って。ぶっ放す物も威力や被害を考えなきゃいかない。
   地面を伝わせて能力を使うってのも考えたけど……アンタを気絶させるほどの電流は流せないし、アンタ『程度』の為にこの辺りの電気回線を駄目にするのも癪だし」

      パチィッ!

吉良「だろうね。平穏に暮らしたいだけの私じゃあもてあましそうな能力だしな」

美琴「かといってさっきの超加速使って接近すると今度はアンタの念動力にブン殴られる恐れがある……そこで」

                 バチバチィィッ!!

美琴「アンタとの距離を保ったまま、『再起不能』になってもらう事にしたわ」

吉良「へぇ、どんな風に……」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良(……? 嫌にダルいな…………これじゃあまるで……)

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

美琴「まだ気付かない? まったく、この程度の奴に殺されかけてたなんて」

吉良(ダルいんじゃない……『重い』んだ!! それこそ、身体が『鉛』にでもなったように!!)

美琴「抵抗は無意味よ。アンタが何をしようと、もう『出来あがってる』んだから」

吉良(なんだ……何をされた!? 一体なにが……)

ここにきてエコーズact3フラグ

吉良(落ち着け……考えるんだ……電力を利用して私の身体に異変を起こす方法……
   たぶん、さっきの『コイン』……狙いは『私』じゃあなく、『私にコインを弾かせ、今起こってる何かへの伏線を張る事』だったんだ……
   問題はその何か……しかし、『何か』が分からない事には、対応のしようがない……)

美琴「じゃ、これでどうかしら!」

    トン!

吉良(足踏み……)

       パチ!

吉良(なんだ今のは……弱い電気を流してきた……?)

   ズシィ!

吉良「……グッ!?」

 ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良(今、電流を喰らった瞬間確かに『重く』なった!!
   これ以上電流を流されると、しまいには身動きが取れなくなる……ッ!)

美琴「それじゃあもう一回!」

     トンッ

吉良(何が起こっているかは分からないが、避けておいた方がいいのは確かだ)

          ピョォン

人がいなくなってきたな

いるよ

くだらん「萌え」や「エロ」ではないッッ!
それをはるかに超えた「読み合い」の能力を>>1は持っているんだッッッ!

   グィィィ――――z____!

吉良「な、なにィィ―――!?」
            ・ ・ ・ .・ ・ ・ ・
吉良「じ、地面に『引き寄せられる』ッ!? マズいぞ、これじゃあ……!」

    バチィッ!!
              ズシィッ!

吉良「ぐぅぅぅぅ!! ま、まただ……また『重』く!」

美琴「どう? ここまできてもまださっき見たいに軽快に走って逃げられる?」

吉良(……御坂美琴の能力、電撃、さっきの現象……成程、なんとなくではあるが分かってきたぞ。
   おそらく最初の『コイン』に帯電していた電気で私のコートやら何やらを『磁石』にしたんだ……
   そして地面を伝わせた電気でその『磁石』の磁力を強めた……引き寄せられたのは、あのクソカス小娘が周囲の磁場を操っているから……
   なんて能力だ……事と次第によっちゃあ東方仗助のスタンドと同等以上の脅威だぞ、コイツの能力は……)

吉良「しかしッ!」

   ズダンッ!

美琴「……まだそんなに飛び上がる事が出来るのね」

吉良(キラークイーンの『足』を使えば無理矢理ではあるが移動する事が出来るッ!
   生意気な顔で余裕ブッこいていられるのも今のうちだぞ!!)

美琴「でも……残念でしたぁ~」

          グググ……

全裸になれば吉良の勝ちだな

      グィィィィ――――――――――z__________!!!

            ビダァァンッ!!

吉良「ぐ、ぐあ!!」

美琴「さっきの電撃でアンタの身体はアンタが思っている以上に強い『磁石』になってるのよ。
   どう? 街燈に磔にされた感想は。『磔刑』っていうのかしら? 犯罪者にはお似合いのポーズね」

吉良「ぐ……この、クソカス、小娘が……」

美琴「そ・し・て! これでアンタを完全に拘束できた。さぁ、処刑の時間よ……この状況なら、右手を使わずに『処刑』するなんてワケないわね」

吉良(……やはり、女神は私に微笑んでいるんだろうな。私が引きつけられたのは、『接触爆弾』の街燈ではなくその逆側の街燈……なんとか一発再起不能にはならなくて済んだ……
   しかし、どうする……コート・シャツ・ズボン、全てが『ピッタリ』と街燈に張り付いて離れない……これじゃあ脱いで逃げるってワケにもいかないし。
   爆弾化を解除して別の物を爆弾にするか? 駄目だ……そんな事しても爆弾化させる物が無いし、仮に爆弾化出来てもこの位置じゃあモロバレだ)

    バチバチバチバチィィィィ!!

美琴「動けないアンタに、この距離……外さないわよ」

吉良(……『コイン』、『爆弾化した逆側の街燈』……どうする、この距離であの速さ・威力は何度も防げるもんじゃあないぞ……ッ!)

美琴「いっけええええええええええええええええ!!!!」

吉良(……あったッ! 一つだけ、この状態を切り抜ける方法が!!
   しかし、上手くいくか……いや、やるしかないッ!!)

    ピンッ!
           ズギャァァァァァアアアアアアアアアアアアアンンンン!!!

燃えてきたァーーーッ!

吉良「しばッ!!」

    ボガァッ!
                      ガゴォォン!
吉良「よし、はたき落とした!!」

美琴「まだまだぁぁぁ――――!!」

   ピンッ!

            ドギャアアアアアアアアアアアァァァァァン!

吉良「は、速いッ! さっきよりも、速く……」

美琴「そりゃそうよ。アンタ自身が超強力磁石になってるんですからね。
   コインに磁力を与えれば、コインが引き付けられる力も当然生まれる」

       ズドォォオオォォォォン!!!

吉良「ぐ……がふっ! キラークイーンだけでは、衝撃を消しきれない……ッ!! しかし」

美琴「よっしゃ、命中ッ!! これで右腕の借りは返したわ。それじゃあ!!」
        ・ ・ ・ ・ ・
吉良「……『それじゃあ……』」

  ┣"┣"┣"┣"┣"┣"     ┣"┣"┣"┣"┣"┣"      ┣"┣"┣"┣"┣"┣"
                              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
吉良「君が借りを返し終わったって言うんなら、『私は逃げさせてもらうよ』ッ!」

美琴「なにッ!?」

畜生、F5連打の手が止まらねえ

―――

初春「居た! 御坂さん!!」

   メキメキメキッ……

初春「……この音は」

     バキバキィッ!!

初春「が、街燈が……いきなり根元から傾いたッ!?
    だけじゃない、あれは……」

       グルゥゥ~~~~~~~

初春「傾いた街燈が……根元を軸に回転して、川尻さんが張り付いてる街燈に……後ろから……」

     カチッ!

        ドゴォォォォォ――――――――――――ン!!!!

吉良「ぐぁぁぁああああああ!!!!」

初春「ば、爆発!? あれも爆弾だったの!?」

初春「とにかく周辺住民の避難! そして、出来るだけ早く、佐天さんを保護しないと!」

初春(……御坂さん、信じてますからね……)

吉良(一発目のコインを弾いたのは、身体を守るためじゃあない……街燈を支えるコンクリートを破壊するためだ。
   そして二発目の『コイン』……二発目のコインを『あえて』喰らうことで、逆に利用させてもらったよ。お前の力を……
   読んでいたさ。御坂美琴……お前が速度を上げるために『磁力を帯びた』コインを撃ってくるのは……そして……)

吉良(そのお前の『私を追い詰める』ための『能力』で、『私の逃亡』は完成する! 二発目のコインをあえて喰らうことで先ほどとは比べ物にならない『磁力』が私に蓄えられた。
   それこそ、『向かいで傾いている街燈』をこちらに『引き寄せるほど』なぁ!!)

吉良「……勿論無傷とは言えない……だが、『街頭一本分の壁』!! それだけ衝撃が消せれば充分だ!!
    そして!!」

美琴「ば、爆発!! やっぱり街燈が爆弾になってたのね! ってそれより、川尻浩作は……
   クソッ、爆風で前が……」

    ギュゥゥゥゥ――――――z___________ン!!!

吉良「しばッ!!」

   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"!

美琴(……爆風を使って、直線でコッチに飛んできた!? でも、これならしゃがめば避けられる!! 何が起こったのかは分からないけど……まだ戦おうってするんなら、もう一発ブチかますまで!!)

美琴「ちぇえええりゃああああああああああああああ!!!!」

   バチバチバチバチバチバチバチバチィィィィ――――――――!!!

       ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!

吉良「   か   か   っ   た   な   ア   ホ   が   !」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!!!

だめだ、その台詞は死亡フラグだぞwwwwww

吉良(迎撃の『三発目のコイン』! それこそ私の『逃走経路』だ!!)

     ドガァァァァァ―――――――ン!!!

美琴「命中ゥ!」

吉良(街燈の爆発の余波と三発目のコインのエネルギーを使って、一気に奥の道路までフッ飛ばされ……)

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

     グィィィ――――――z_________……
                                  ビタァァン!!
   ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

美琴「……嘘」

吉良「フフフフフフ……ハハハハハハハハハハハ!!!! やった、成功したぞ!! 幸運の女神は、私に微笑んでいるんだッ!!」

美琴「磁力で道路を走ってた車に張り付いて……しかもあの方向は……マズいッ!!」

―――
吉良「一気に、例の喫茶店まで逃げさせてもらう……」

運転手「な、なんだアンタ! なに人の車に勝手に張り付いてんだよ!!」

吉良「いや、すまない……もう少しだけ同伴させてもらうよ」

運転手「同伴って……」

吉良(……磁力が弱まった。御坂美琴の射程距離を外れたか? ……どうでもいい、このまま突っ込ませてもらう!)

美琴「ッチィッ! 逃がすかァァァァ――――!」

   バチバチバチバチィィ!!

美琴「川尻浩作の磁力を解除! 上手い事車から振り落とされてくれればいいんだけど、望み薄よね。
   もっかいあれで追うしかないッ!!」

   ズダンッ!

―――

吉良「なぁ、運転手さん」

運転手「な、なんだよ」

吉良「先に謝っておくよ。すまない」

運転手「はぁ!? 何を」

吉良「『キラー・クイーン、第一の爆弾』ッ!! タイヤを爆弾に変え……点火ッ!!」

          ドガァァァァ――――――――ン!!

運転手「うわ、何事!? い、いきなりタイヤが……」

   ギャリギャリギャリギャリィィィィィィィ――――――――z___________!!

        ドゴォォォォォ――――ン!!

美琴「……川尻浩作の張り付いてた車が……壁に突っ込んだ」

血塗れの川尻浩作がカエルみたいに車にはっついてるの想像してワロタ。
だが、もう駄目だ。もう寝る。最後に支援して寝る。

――― 14:24

佐天「……おーそーいー……電話にも出ないし……」

        ドゴォォォォォ――――ン!!

佐天「って、うわっ! 何今の音、何事!?」

―――
    ざわ・・
             ざわ・・

佐天「うっわー……壁に車が突き刺さってる……」

佐天「これは酷い……さすがに中の人も……なむなむ」

     カツッ……ズズ……カツッ……ズズ……

佐天「あれ……誰か車の傍から……」

     カツッ……ズズ……カツッ……ズズ……

吉良「……見つけた」

佐天「あ、あれ……川尻さんじゃないですか。大丈夫なんですか!?」

吉良「……心配いらないよ。私は絶好調だからね」

佐天「で、でも、身体中のいたる所から血が……」

美琴「佐天さん!!」

佐天「お、あれ、御坂さんだ! おーい!」

美琴「逃げてええええええええええええええええ!!!!」

  ┣"┣"┣"┣"┣"┣"

佐天「に、逃げ!?」

      ┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「『ミロのヴィーナス』……」

佐天「へ?」

吉良「知っているかい? 『ミロのヴィーナス』……よく美術の教科書なんかに載っているアレだよ」

佐天「え、ええ。そりゃあ、まぁ」

吉良「おかしいと思ったことはないかい? どうしてあんな作品が世間で『最高』クラスの彫刻ともてはやされるのかと。
   あれは作品として『不完全』だ……なんせ、両肩から先がスッパリ無くなっているんだからね」

佐天「えっと……川尻さん、なんでいきなりそんな話を……」

 ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

吉良「世界のボケどもがアレをどれだけ絶賛し、万雷の拍手を送ろうと……私はあれを『美術品』とは認めない」

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吉良「昔、あれを教科書で見た瞬間……無意識のうちに私はあのページを破り捨てていてね……
   不完全だから? ……違う。 美術品とは『美しい』から美術品だから……『ミロのヴィーナス』が美しくないからだ」

吉良「手が無ければ、人は生きて行く事が出来ない。というのにその大切な……人間の生の証ともいえる『手』が無い『ミロのヴィーナス』がどうして美術品と言えるんだ……
   私から言わせれば、あれはその辺の石クズと変わりない……」

 ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

佐天(……これは何? もしかして口説き文句か何かなの?)

吉良「……なぁ、美智子さん……それに、黒子さん」

     ┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

佐天「ッ!? か、川尻さん! そそそそそそれ、それって」

吉良「……ああ、すまない。驚かせてしまったかな。でも、美智子さんの方は知らなくても仕方がないけどこっちは君のよく知る『両手』なんだけどなぁ。
   まぁそれは少し前までの話で、今は私の可愛い可愛い彼女だ。どうだい? あんな石クズとは違って『人間の生』が詰まった……まさに美術作品と呼ぶにふさわしい造形だろう?」

佐天「ま、まさか……川尻さん……」

吉良「おっと、そういえば自己紹介がまだだったね。私の名前は実は川尻浩作じゃあないんだ。
   私の名前は吉良吉影……間違えないようにしてくれよ。『君』が『鍵』なんだから」

――― 14:25 カチッ

初春「御坂さん!!」

美琴「分かってる!!」

続きが待ち遠しいぜ

佐天「吉良、吉影?」

吉良「ここからは誰にも話しちゃあいけない秘密だ。きちんと覚えておいてくれ。
   私の正体は巷で有名な『殺戮の女王』、能力は『物を爆弾に変える』、今までに合計で六十人以上の女性を殺してきた」

初春「佐天さん!」

吉良「おっと、邪魔者が集まってきた。そろそろおしゃべりも終わりにしよう」

吉良「いいか、佐天涙子」

吉良「『絶対に』私の正体を喋るんじゃあないぞ」

吉良「私はもう後には引けない、正体がバレた、能力もバレた、放っておけば死ぬほどに傷も深い、さらに目立ち過ぎた!
   しかし、この窮地は……この『絶望』は、私の精神を大きく、大きく成長させるッ!!」

美琴(寸分でもハズせば佐天さんに当たる、でも打たなきゃ川尻浩作が佐天さんを爆弾に……考えてる暇なんてない)

美琴「ハズさなきゃ良いだけ!! このおおおおおおおお!! 吹っ飛べ川尻浩作ゥゥゥ――――――!!!」

    バチバチバチバチィィィィィ―――――――!!!!

            ズギャアアアアアァァァァ――――z________ン!!!

吉良「いいや、限界だ! 『押す』ねッ!!」

               カチッ!!

                 ドグォォォ―――――z______ン!!

すまん、寝るといったが……ありゃあ嘘だった。支援

――― 14:26

――― 13:26 カチッ




とある科学の超電磁砲  X話  『時間爆弾(バイツァダスト)』

・吉良 吉影
 バイツァダストも発動できたし、深い絶望から立ち直ってハッピー。
 このまま『一時間』をやりすごして御坂美琴、白井黒子、初春飾利、佐天涙子、固法美偉を殺す。
 平穏な生活はすぐそこだフゥハハー!


・佐天 涙子
 吉良吉影の正体を知った状態でバイツァダストを仕掛けられる。








  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

wktk

いい佐天スレの三つのTが必要なんだ……

一つ目は『とにかく奇抜なネタ』

二つ目は『とりあえず投下』

三つ目は、『途中で放り投げる』

いいだろ? 佐天スレの三つのTだ

寝ます、探さないでください
続きは後日

佐天「バイツァダストを打ち破る能力かぁ……」

くらいで建てます

後日の何時だッ!?

>>1を待つ 保守もする
両方やらなくっちゃあいけないのがVIPPERの辛いところだな。

                                 ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()

 i  {              ____           |  ヽ
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト-┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. '´ハ   ,!
. ヽ、    `` 、,__\              /" \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r―--―/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈; . '::. :' |::/   /   ,. "
        `ー 、    \ヽ::. ;:::|/     r'"
     / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ

     | 答 |       保     守        │|
     \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ

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