ベルユミばくち地獄(100)

借金返済の為にギャンブルで一発当てようとするベルユミなこぬるいエロ。

タイトルは某麻雀小説のパロだけど、麻雀描写は多分出て来ないと思う。

良い子のみんなはギャンブルにゃハマっちゃダメだよ!

「賭博唱歌」


ーートロスト区 繁華街ーー


ユミル「金貸してくれ」

ベルトルト「開口一番がそれかよ。挨拶とか無いの?」

ユミル「ちょっとでいいからさぁ」

ベルトルト「何に使うの…って、君が出て来たとこ見れば大体分かるけど」

ユミル「…あとちょっとで負け分取り返せたのに、何であそこで22を引いちまうんだよどチクショー!」

ベルトルト「ブラックジャックか」

ベルトルト「そもそも何でカジノなんかから出て来る訳?第一僕らまだ未成年じゃないか」

ユミル「…人には色々事情ってもんがあるんだよ。で、貸すのか?貸さないのか?」

ベルトルト「いきなり金貸せって言われても…その事情って奴をちょっと聞かせてくれても良いんじゃないの?」

ユミル「………」

ベルトルト「僕だって、切羽詰まってる女の子をあっさり見捨てる程の腐れ外道でもない位には人格は出来ているつもりだよ」

ユミル「話せば長くなるから端的にまとめると、訓練兵団に入る前にちょっぴり気まずいとこから借りた金がえらい事になった」

ベルトルト「何でそんな気まずいとこから借りたんだよ!」

ユミル「仕方無いだろ!?小娘が一人で生きてかなきゃなんなかったんだからよぉ!」

ベルトルト「ユミル…怒らないから正直に教えて。君の借金って一体お幾らなの?」

ユミル「耳貸せ」

ベルトルト「………ちょっとした家が買える額じゃないか!」

ユミル「怒んないって言った癖に…」

ベルトルト「何やったらそこまで借金膨らませられんの!?訓練兵の給金だけじゃ絶対無理じゃないか!」

ユミル「だからカジノで一発逆転を狙ったんだよ!その結果がこのザマだけどな!」

ベルトルト「君バカだろ!?サシャやコニーと違った意味で!」

ユミル「反省なら後から幾らでもする!とりあえず今日中に今月分の利息払わないと私はヤバいんだよ!」

ベルトルト「…ヤバいって、どういう事?」

ユミル「兵士になる前に…泡姫デビューだとよ」

ベルトルト「泡って……えーと、つまり…風俗堕ちって事?」

ベルトルト「…頑張ってユミル。いつか客と嬢として会う日も来るかもね」

ユミル「こんの腐れ外道がぁ!あ、待て!颯爽と踵を返すな!おいこr」

ガラの悪いおっさん「こんな所にいたのか」

胡散臭いおっさん「ぐへへ…もう観念するんだな」

ユミル「ああっ!両肩をがっちり掴まれて逃げられない…あーれー」


「ベルユミばくち地獄」 完

ユミル「…なんて事になったら、ベルトルさんも夢見悪くね?」

ベルトルト「そうやって情に訴えようって作戦かよ」

ユミル「なあなあ、頼むってばよー。私だってまだ兵団でやんなきゃなんねえ事がたくさんあるし、何よりうら若い生娘がどこの馬の骨とも知れぬ輩相手に即尺即ベッドなんてあんまり過ぎる」

ベルトルト「え?ユミルって処女なの?」

ユミル「おう。ピッカピカの未使用品だぜ」

ベルトルト「意外…ライナー達の猥談では君ビッチキャラ確定だったよ」

ユミル「ライナーめ…後で強制割礼の刑にしちゃる」

ベルトルト「そういう言動のせいだって考えた事無いの?あと何でライナーの皮余ってるって知ってるの?」

ユミル「あ、ほんとにそうなんだ。小粋なプチジョークのつもりだったのに」

ベルトルト「はっ…!僕がばらしたって、ライナーには言わないでね」

ユミル「ほうほうなるほど、ライナーのちんこは鎧の巨人か…よーく覚えとくぜ」

ベルトルト「ユミル…目が笑ってないよ?」

ベルトルト「まあ、処女がどうとかはさて置き、君の窮状は分かった」

ユミル「…金、貸してくれんのか?」

ベルトルト「貸すったって、僕も今はそんなに手持ちがある訳じゃないし、第一ユミル、返してくれなさそうだし」

ユミル「ちょいと拝見」

ベルトルト「あ!いつの間に僕の財布を!?おいユミル、勝手に見るなよ!」

ユミル「おー、ベルトルさん結構持ってんじゃねーか。何嘘ついてんだよ」

ベルトルト「給金を、銀行に預ける予定だったんだよ…つかどうやって盗ったんだよ!」

ユミル「昔取った杵柄ってヤツだ」

ベルトルト「君の犯罪歴なんて知りたくなかったよ」

ユミル「……なあベルトルさん」

ベルトルト「…何だよ」

ユミル「貸すのがダメならさあ…その金で、私を買ってくれ」

ベルトルト「はぁ!?」

ユミル「キス以外なら何されても我慢する」

ベルトルト「…………」

ユミル「ベルトルさん、何か探し物か?」

ベルトルト「君が落とした頭のネジを探してる」

ユミル「私は至って正気だぞ」

ベルトルト「正気の女の子は自ら春をひさぐような真似はしません!」

ユミル「そんだけ状況はテンパってるんだよ!それにどうせ処女膜破られるならどこぞの馬の骨よりは多少なりとも知ってる奴の方がなんぼかマシだ!」

ベルトルト「知ってる奴の方がよっぽど気まずいと思うけど」

ユミル「それともアレか?ベルトルさん、私相手に筆下ろしすんのがそんなに嫌か?」

ベルトルト「何故僕を童貞と決めつける…まあ事実だし、そういう事に興味が無いと言ったら嘘になるけど」

ユミル「なら決まりだな。っしゃあ!さっさとハメるか!連れ込み宿行くぞ!」

ベルトルト「ちょっと待てよ!まだ心の準備が…」

ユミル「宿代はベルトルさんが払えよな!」

ベルトルト「あーれー」

本日はここまで。
脳内の引き出しにユミルとフェイ・バレンタインを一緒にしまってたらえらい事になってしまったよアチャー


ーー連れ込み宿ーー


ベルトルト「僕の童貞…奪われちゃった」

ユミル「なかなか良かったぜ……って、んな訳あるかぁ!大人しそうなツラ下げといて何だよこのゴーヤ並みのでけえのはよぉ!」

ベルトルト「仕方無いだろ!?人が持って生まれたもんに文句つけないでくれよ!」

ユミル「童貞奪われただぁ?容赦無しにゴスゴス腰振りやがって!おかげでこっちは流血大惨事だ!」

ベルトルト「ユミル、ほんとに初めてだったんだ…でも普通の処女はいきなり馬乗りになんてならないと思う」

ユミル「何とかして既成事実を作ろうとした努力は認めてくれ」

ベルトルト「世間ではそれ逆レイプって言うんだよ」

ベルトルト「うう…初めては貴族御用達の丘の上のオッサレーなホテルでって決めてたのに」

ユミル「野良犬に噛まれたと思って諦めろ。私もドブに捨てたと思って諦めたから」

ベルトルト「人の事ドブ呼ばわりかよ」

ユミル「ま、これでお互い後ろ暗い仲になった訳だな」

ベルトルト「ところで…僕は幾ら払えば良いんだ?」

ユミル「…こんくらいでオナシャス」

ベルトルト「高っ!」

ユミル「花も恥じらう生娘を水揚げしたんだ。むしろ良心的なお値段だぞ」

ベルトルト「自分で言うなよ…ほら、受け取りなよ」

ユミル「…マジで助かったぜ。ありがとな」

ベルトルト「でもユミルも変な所で律儀だよね」

ユミル「何で?」

ベルトルト「わざわざ本番やらなくても、僕がシャワー浴びてる間に金だけ奪ってとんずらこくとか色々手はあったんじゃないの?」

ユミル「はは…んな事したら次に繋げらんねえじゃねえか」

ベルトルト「え?」

ユミル「これからも時々私を買え。札束で頬叩かれようがとんでもねえ変態プレイを強要されようが我慢するから」

ベルトルト「そんな趣味は無いから…ってやだよ!もう貫通は済んだなら心置きなく風呂に沈めよ!」

ユミル「ところがどっこいそうはいかねえんだな」

ユミル「私にはなあ…この訓練兵団でやらなきゃなんねえ事があるんだ。風俗堕ちなんてしたら、せっかく今まで頑張ってきたのがそれこそ水の泡だ」

ベルトルト「…まあ、気持ちは分からなくもないけど」

ユミル「とりあえず今月は首の皮一枚で繋がったけどよ…このままでは私は遅かれ早かれ馬の骨相手に泡踊りさせられる羽目になってしまう」

ベルトルト「だから僕限定で泡踊りしようって肚か……僕に拒否権は無いの?」

ユミル「無い。もし拒否ったら教官達に、ベルトルさんに落花狼藉の所業を振る舞われたって訴える」

ベルトルト「……逆、だ」

ユミル「あとクリスタにライナーの皮の事バラす。ライナーにはベルトルさん情報だってバラす」

ベルトルト「やめてユミル!マジで僕殺される!」

ユミル「小粋なプチジョークはさて置き、とにかく私には金が必要だ」

ベルトルト「確かに」

ユミル「私の給金のほとんどは返済に充てている状態だが、今は利息分を払うので精一杯だ。元金を減らさないと、私はいつまで経っても蟻地獄から抜け出せない」

ベルトルト「…そこで僕から巻き上げた金も足すのか」

ユミル「ちげーよ。ベルトルさんからの金は…より良い方法で増やさせて貰う」

ベルトルト「…まさか」

ユミル「ベルトルさん、ギャンブルの経験はございますか?」

ベルトルト「ダメ!それダメ!バッドエンドしか思いつかない!」

ユミル「手っ取り早く借金返済する為にはなあ、ガツンと一発当てるしかねえんだよ!」

ベルトルト「…とんでもない事になっちゃった」

ユミル「まあまあ、悪いようにはしねーから私に任せとけって」

ベルトルト「それ悪いようにする奴のセリフだよ!」

ユミル「何にせよ博打を打つにゃタネ銭が必要だからな。さっきも言ったけど、ベルトルさんは私を買って好きにしろ。ただしキスだけはお断りだ」

ベルトルト「昔気質の娼婦みたいな事言うんだね…さっきまで処女だった癖に」

ユミル「キスは惚れた奴とだけするもんだ」

ベルトルト「はっ…お互い最後の砦位は守ろうって事か」

ユミル「まあ、私もベルトルさんみたいなクソつまんねえ空気野郎にゃ絶対惚れる事は無いから安心しな…賭けてもいいぜ?」

ベルトルト「僕だって、君みたいな腐れビッチなんかに惚れる訳無いさ…賭けたっていいよ?」

ユミル「…賭けになんねえな」


「賭博唱歌」 終

とりあえず本日はここまで。
これ以上汚れたシチュエーションのベルユミは無いと思いたい。

今の所は糖度ゼロのゴーヤ並みの展開だが、一応徐々に糖度を増して行く予定です。

あと、ギャンブル描写はあまり詳しい訳ではないから多少のアラは許してくれと先に謝っとくね。

子種?はっと汁?な、何の事かなあ…

ちょびっと投下します。
あの世界観に似つかわしくない賭け事が出て来ても、生温い目線で許してください。

「赤と黒のブルース」


ーー男子寮ーー


あの後、ユミルはすぐに着替えて宿を後にした。

僕が渡した金は素直に返済に充てたのだろうか。

まさかこいつを元手に倍に増やそうとか考えて…うん、あり得る。彼女ならやりかねない。

それにしても…こんな形で童貞卒業してしまうとは思いもよらなかった。

既成事実を作ろうと焦ってたとは言え、拙い前戯もそこそこに馬乗りになってねじ込もうとしたユミルには正直かなり引いた。

でも根元まで収まってしまえば快楽の虜になってしまったのは僕の方で、苦痛に顔を歪めるユミルに気を遣う余裕なんて全く無かった。

こんな最悪な初体験でもまた僕に買われようとするあたり、余程切羽詰まってるんだろうな。

次はもうちょっと、気持ち良くさせたげられないかな…ってナニ考えてんだ僕は!

何が悲しゅうて必死こいて訓練に耐えて得た金を借金まみれの腐れビッチに貢がなきゃならないんだ!

そもそも僕にだってやらなきゃならない事があるんだから、こんな事に心掻き乱されてどうするんだよ。

…でも、初めて触れた女の子の身体が、相手がユミルだって事を差し引いてもとても柔らかくていい匂いがして……気持ち良かったのも事実だ。


………通帳の残高、幾らあったっけ?

ライナー「ベルトルト…さっきからやたらゴロゴロローリングしてるかと思ったら急に預金通帳なんて取り出して…」

ライナーの怪訝そうな表情を見て、ようやく僕は我に返った。

ベルトルト「あ、いや別に…ライナーこそ何やってんの?凄い荷物広がってんだけど」

ライナー「ちょっと私物を整理してたんだが…ここに来て一年も経つと結構増えるもんだな」

ベルトルト「僕はそうでもないよ」

ライナー「お前は本当に最低限しか物持たねえもんなあ」

ライナーの言う通り、僕の私物は他の同期生と比べてかなり少ない方だ。

別に吝嗇という訳ではない。元々物欲が無いだけだ。

それと…僕がここに居たという痕跡を、極力残したくないからでもある。

ライナー「あ、でも本はやたらと読んでるよな」

ベルトルト「それだってほとんど図書室から借りた物だよ」

ライナー「ふーん…だったら、その通帳にゃかーなーり貯まってんだろな」

私物を整理し終えたライナーが、僕の手元を覗き込んで来た。

ライナー「お、何だよこの残高!十代の預金額じゃねえぞこりゃ」

ベルトルト「やだなあもう…見ないでよ」

ライナー「なあなあ…悪いけど、ちょっと俺に貸してくれねえかな?クリスタに紅茶の旨い店があるって誘われてんだけど、今月ピンチでな」

ベルトルト「ライナー…こないだ給金貰ったばかりじゃないか」

ライナー「いやー、クリスタに花を贈ったらあっと言う間に無くなっちまってな」

ベルトルト「食堂に飾られてたあのパチンコ屋の開店祝いみたいなでっかい花輪は君の仕業だったのか」

ライナー「ちょっとした手違いだったんだよ!」

ベルトルト「しかも何アレずらっと五つくらい並んでたよね…匿名で贈られてたから、どんなストーカーだって皆噂してたよ」

ライナー「胡蝶蘭を贈るつもりだったのに…花屋の野郎が勘違いしやがったんだよ」

時間切れなのでここまで。
しばらくこのまま苦しょっぺえ路線を貫いていきます。

小島麻由美だっけか。同名の曲好きだ

ーー教室ーー


クリスタ「ベルトルトっていつも本読んでるよね」

ユミル「あぁ?何だよ急に」

クリスタ「うん…ほら、あそこにいるでしょ?一人でさみしくないのかなーってね」

ユミル「アイツが好きでそうやってんだから、別に良いんじゃねえの?」

コニー「おい次はオレが引く番だぞ……っしゃあ!あーがりっと!」

ユミル「くっそー、クリスタが話しかけるからツキが逃げちまったじゃねえか」

コニー「コレでユミルが四連敗だな!」

ユミル「…もう一回だ。今度こそ、叩きのめしてやんぜ」

コニー「お?クリスタ、どこ行くんだ?」

クリスタ「ちょっと疲れちゃったから、メンバー交代しよっか?」

ユミル「誰とだよ……って、アイツかよ」

クリスタ「ベルトルト…ちょっと良いかな?」

本から顔を上げると、そこには輝くような女神の笑顔があった。

ベルトルト「ん?」

クリスタ「今ね、ユミル達とトランプしてるんだけど…良かったらベルトルトも一緒にどう?」

ベルトルト「トランプか…」

こういった日常に巻き込まれるのを避ける意味もあって、普段から本を読んで過ごしてるんだけど…

ユミル「クリスタ、そんな奴ほっとけよ!そろそろカード配るぞ」

ベルトルト「じゃあ、ちょっとだけ」

たまにはお付き合いするのも悪くないかな。

コニー「ベルトルトが入ってくるなんて珍しいな」

ベルトルト「うん、今は何やってたの?」

ユミル「ババ抜きだ。ベルトルさんは、ずーっと何読んでるんだ?」

ユミルが華麗なリフル・シャッフルを披露しながら僕に話しかけてきた。

ベルトルト「今読んでたのはね『賭博者』っていう、ルーレットにハマって身を滅ぼしていく人々を生々しーく描いた作品なんだ」

ユミル「…ふーん」

ベルトルト「作者自身も博打にのめり込んだ人生を送ったらしいけど、こういうの読むとつくづく博打って恐ろしいって思うね」

僕なりに精一杯の皮肉を込めたつもりだが、当のユミルはあっさりとこう答えただけだった。

ユミル「裏を返せばそんだけ魅力があるって事なんじゃねえの…さあ、始めっか」


ーー
ーーー

ベルトルト「ユミル…コレで何連敗?」

コニー「ベルトルトが入る前から数えたら、七連敗だ」

クリスタ「まるでジョーカーがユミルにくっ付いて離れてくれないみたいね」

ユミル「そう…私はジョーカーに愛された女…って、んな訳あるかぁ!」

ほんの数回のプレイで確信した。

ユミルは、呆れる程ババ抜きが弱い。

僕の所へも何度かジョーカーが回ってきたが、いつも最終的には何故かユミルの手に渡ってしまう。

ジョーカーに愛されてるってのも、強ち冗談ではないのかもしれない。

こんなヒキ弱な子に僕の金をほいほいと払って、本当に大丈夫なんだろうか?

…ちょっと、この先が不安になってきた。

ユミル「やっぱ何も賭けないゲームにゃ本気出せねえな」

クリスタ「もーユミルったら、またそんな事言い出して」

コニー「オレはもうユミル相手にゃ賭けねえぞ」

ん?

何だか風向きが変わってきたような。

ユミル「なあなあベルトルさん」

ベルトルト「…何?」

ユミル「私と一遍、サシで勝負してみないか?」

正面に座ってるユミルが、僕へ挑戦的な笑みを送ってきた。

クリスタ「あ、ダメよユミル!ベルトルトが知らないからって!」

ベルトルト「どういう事?」

コニー「ユミルはなあ…何かを賭けてる時だけは、マジで強いぞ。悪い事は言わねえから止めとけ」

ユミル「怖気付いたか?そうだよなー、クソ真面目なベルトルさんはギャンブルなんておっかなくて出来ねえよなあ」

ベルトルト「……何で勝負する?」

ユミル「その気になったか…じゃあ、ポーカーでもやってみっか」

コニー「あーあ、オレ達は止めたからな」

ユミルの実力がどんなものかはまだ分からないが、ここは敢えてユミルの挑発に乗ってみる事にした。

ベルトルト「ところで、何を賭けようか?」

ユミル「そうだな…いきなり現金ってのもアレだし、とりあえず今夜の夕食のパンでどうだ?」

ベルトルト「良いだろう。じゃあ、お手柔らかに頼むよ」

…勝負は呆気なく決まった。

ユミル「じゃ、後でパン寄越しな」

ベルトルト「 」

ユミル「…今度は別のモノで勝負させて貰うかな」

クリスタ「…だから止めたのに」

ユミル「クリスタ、同情してパン分けたりなんかすんじゃねえぞ」

呆然とする僕を尻目に、手早くトランプをしまいながらユミルは勝ち誇った笑みを浮かべていた。

ベルトルト「はは…完敗だよ。参ったね」

コニー「まあそう気を落とすなって。ユミルと勝負した奴は大抵こうなるんだからな」

僕の手札も決して悪くはなかった。

それ以上にユミルの方が強かった、それだけだ。

それにしても…僕の役がクイーンとキングのフルハウスだったのに対し、ユミルが出したのがエースのフォーカードだなんて、出来過ぎもいいとこだ。

…上手く出来過ぎている。

まさか。

慌ててユミルの去った方向へ顔を向けたが、ユミルは既に悠々とその場を去った後だった。

クリスタ「…じゃあ、私達もそろそろ行くね。午後の訓練始まっちゃうし」

コニー「あ、ああそうだな…ベルトルト、先に行ってるからな」

余程僕の顔は強張っていたのだろう。

気まずそうな顔で、二人は小走りで駆けて行った。

ベルトルト「…完全に、やられたな」

ーー食堂ーー


珍しく、ユミルは一人で夕食を食べていた。

ユミル「自分からパン届けに来るなんて、随分と殊勝な心掛けだな」

ベルトルト「まあね。ところでクリスタは?」

ユミル「お前の相棒に掻っ攫われちまった」

ユミルが顎をしゃくって指した先には、和やかな雰囲気を漂わせながら過ごすライナーとクリスタがいた。

ベルトルト「邪魔しちゃ悪そうだな…僕もここに座るね」

ユミル「隣かよ…まあ、いいけど。さっさとパン寄越せ」

パンを奪おうと腕を伸ばしてきたユミルよりも素早く、僕はパンを取りあげた。

むっとした顔をしながら何度かパン強奪を試みるが、それを僕はことごとくかわして見せた。

ユミル「……何の嫌がらせだよ」

ベルトルト「イカサマするような子にあげるパンはありません」

そう言い放ち、僕は大口開けてパンにかぶりついた。

ユミル「…やっぱ分かったか」

悪戯がばれた時みたいに、ユミルは肩をすくめてみせた。

ベルトルト「僕のもユミルのも、手札が良過ぎた。君がカードを配る時に細工したのか」

ユミル「ババ抜きの時、ベルトルさんすんげえ引いてたからな。こんなヒキ弱な奴に金渡して大丈夫かって顔してた」

ベルトルト「…やっぱ分かったか」

ユミル「でも、勝ちは勝ちだ。こいつは私のもんだ」

ベルトルト「あ!」

一瞬の隙に、ユミルは僕が半分齧ったパンを奪い取り、更なる大口でかぶりついた。

ベルトルト「結局食っちゃうのか…喉に詰まらせないでね」

ユミル「……あー、食った食った…ところでさ」

急にユミルが声のトーンを落としてきた。

ユミル「後で、別の場所で会わねえか?……実は、ちょっと物入りでさ」

……そういや明日は休暇日だったな。

ユミルの奴、またカジノかどっかで勝負を挑むつもりなのか。

ベルトルト「…やだって言っても、無駄だよね?」

ユミル「良く分かってんじゃねえか…兵舎裏に倉庫があんだろ?鍵開けとくから、消灯後に来い」

言いたいだけ言ってから、ユミルは僕の返事を聞こうともせず、さっさとクリスタ回収の旅へと赴いた。

ベルトルト「…どうしよう」

行くか行かないかではなく、財布の中身を僕は必死に思い出していた。

物欲は無いけれど、性欲は人並みにはあるからなあ。

本日はここまで。
久々の投下でまだ感覚を取り戻せんのう。

遅ればせながら>>47

小島麻由美も良いけれど、今回の元ネタは…鶴田浩二なんだ……完全に平成生まれ置いてけぼりなんだ……

ところで、今回のSSでユミルとベルトルトにスロットを打たせたいのだが、自分はバリバリの4号機世代なんで今の機種はどうも分からん…
開き直って4号機(裏モノ)でも打たせちまうかな。

ーー消灯後 倉庫ーー



倉庫には頑丈に施錠されていたはずなのに、重い扉はあっさりと開いた。

ユミル「遅かったじゃねえか…あまり女を待たせるもんじゃねえぞ」

少し埃っぽい室内に雑然と並べられた木箱の上にユミルは座っていた。

ベルトルト「こっちだって、皆が寝てから抜け出すの大変なんだってば…ところで、ここの鍵はどうやって開けたの?」

ユミル「コレ」

ベルトルト「ヘアピンって…君ピッキングまで出来るの?」

ユミル「結構手先が器用なもんでな」

ベルトルト「また一つ、君の犯罪歴を知ってしまった」

ユミル「ベルトルさんにも教えてやっか?色々と便利だぞ」

…使命を果たす上でちょっと役立ちそうな気もするけれど、今は別の用件が先だ。

立ったままなのもなんなので、僕はユミルの隣へ腰を下ろした。

ベルトルト「…返済は順調?」

ユミル「…この分だと、あと二、三回転生すれば完済だな」

ベルトルト「それ全然ダメって事じゃないか!?」

ユミル「だよなー…あーあ、今すぐ超大型巨人来て壁ぶっ壊してくんねーかな…そうなりゃどさくさに紛れて借金チャラになっかも」

ベルトルト「……無理じゃないかな?あと二年位は待たないと」

ユミル「何だよその具体的な数字」

ベルトルト「別に。根拠なんて無いよ。無いったら」

ユミル「………」

ベルトルト「ユミルって、普段はどんなギャンブルやってるの?」

ユミル「ん?ベルトルさんも興味湧いてきたか?」

ベルトルト「興味と言うより…どういう賭け方したらそこまで借金膨らませられるのかと思って」

ユミル「ルーレットとブラックジャック、バカラは基本として…パチスロ、麻雀、大小、こいこい、一通りは嗜むぞ」

ベルトルト「壁内って意外と娯楽がいっぱいなんだね」

ユミル「民草のガス抜きって意味では必要悪なのかもな」

ユミル「でも、一番ヤバいのは手本引きだな」

ベルトルト「なにその危険な響き」

ユミル「別名『博打の最終駅』…アレのせいで、私の借金は馬車一台分から一気に家一件分になった」

ベルトルト「うひゃぁ」

ユミル「ベルトルさんもやってみないか?…シビれるぞぉ?」

ベルトルト「やだよ!つか何でそんなきっつい博打ばっかり打つの?ヒキ弱な癖に」

ユミル「確かに、私は基本的に運が良い方ではない」

ユミル「子供の頃からそうだった」

ユミル「トーストを焼けば必ずバターを塗った面を下に向けて落っことすし、タンスの角に足の小指をぶつけるなんてしょっちゅうだ」

ベルトルト「それただの粗忽者だよ」

ユミル「集団で遊んでいる所に乱入してきた野良犬は必ず私を追い回したし、お砂場遊びをすれば毎回猫ちゃんの落とし物を掘っくり返してしまう」

ベルトルト「うわぁユミルえーんがちょ」

ユミル「それ子供の頃散々言われたから止めろ」

ベルトルト「図らずもユミルのトラウマを呼び起こしてしまった…ごめんね」

ユミル「言い出したのは私だから許す」

ユミル「最大の不運は…これは流石に言えねえな」

ベルトルト「そこんとこはぼかすんだ」

ユミル「でもな、いつまでも悪い事は続かない。不運であればあるほどその後にゃ良い事がある」

ユミル「例えば、クリスタに出会えた事。あと…ベルトルさんという金ヅルを得た事」

ベルトルト「僕の事しゃあしゃあと金ヅル呼ばわりしやがったな」

ユミル「まあ、金のためにパンツ脱ぐ羽目にはなっちまったけど、それでも不特定多数相手にするよりはマシだ」

ベルトルト「どんだけ前向き思考なんだ……で、そろそろパンツ脱いでもいい頃だと思うけど?」

ユミル「金、持ってきたか?」

ベルトルト「あ、ああ…こないだよりは少ないけど」

取り出した財布を僕の手から素早く奪うと、ユミルは中から数枚の札を抜き取った。

ユミル「んー、こんくらいあれば一勝負イケるかな」

ベルトルト「そういえばさ、前に渡したお金はどうしたの?」

僕の素朴な疑問に対し、ユミルは薄い唇の端を吊り上げて答えた。

ユミル「おう、ちゃんと返済したぜ…ちょこっと増やしてからな」

ベルトルト「…やっぱあの後カジノ行ったんだ」

ユミル「私が身体張って得た金だ。どう使おうと私の勝手だろ?」

ベルトルト「…強姦同然に僕を押し倒して、だけどね」

ズボンのポケットへ札をしまったタイミングを見計らって、僕はユミルの身体を引き寄せた。

ユミル「まあ、最初はそうだったかもしんねえけどな」

僕の首筋へ、ユミルの細い腕が回された。

ユミル「一回は事故みたいなもんだったって言い訳出来るけど、今は違う」

耳元で囁かれ、熱い吐息がかかる。

ユミル「ベルトルさんは、私を買うためにここに来た…そんなにヤりたかったか?」

ベルトルト「君のその狡猾な性格は好きじゃない。むしろ苦手な部類だよ」

ベルトルト「でも、その身体は金払ってでも一発お願いしたいレベルだ」

服の上から軽く掴むと、下着を着けていない柔らかな塊は僕の手の中で
ふわりと弾んだ。

ユミル「っ…男の心と下半身は別の生き物だって、本当だったんだな」

ベルトルト「君も大概運が悪いよね。僕みたいな男に買われちゃってさ」

ユミル「はは…その分、明日は大勝ち出来るかもな」

ベルトルト「………」

ユミル「………っ」

ベルトルト「…ユミル、顔赤いよ」

ユミル「初めてよりも二回目の方が緊張するっつのも変な話だな」

ベルトルト「あの時はろくに触れなかったし、勢いだけで終わったからね」

ユミル「……んっ、だ、から…あんま見るな触るな息するな」

ベルトルト「何この初々しい反応…でも息位はさせて。死ぬから」

ユミル「ベルトルさんは…緊張、してねえのか?」

ベルトルト「僕だって、今にも鼻血と耳血と目血が噴き出そうな位にドキドキしてる」

ユミル「その割にゃ顔に出ないのな」

ベルトルト「顔には出ないけど、こっちはこんな事に」

ユミル「……改めて見ると引くわー」

ベルトルト「でもこないだはちゃんと全部入ったよ」

ユミル「ツバと出血で何とか、だったけどな」

ベルトルト「……あんなにスプラッタしといてもカジノに行くんだもんなあ」

ユミル「…痛っ」

ベルトルト「あ、ごめん」

ユミル「悪いな…まだ慣れてないし、そもそも好きでもない相手にそんなぐっちょぐちょにゃなんねえっつの」

ベルトルト「身体は正直なんだろうけど、流石にその言い草は傷つく」

ユミル「じゃあベルトルさんは私の事好きか?」

ベルトルト「全然」

ユミル「だよな」

ベルトルト「ですよね」

ユミル「やっぱアレ使うか」

ベルトルト「アレ?」

ユミル「ペ○ローション」テッテレー

ベルトルト「初々しい反応の後とは思えないろくでもないひみつ道具が出てきたよ」

ユミル「知り合いの泡姫から分けて貰った。あいつら数こなさねーとなんないからコレ使うんだとよ」

ベルトルト「どこでそんなドス黒い人脈作ったの?」

ユミル「鉄火場には色んな人間が集まるんだよ」

ベルトルト「で、このでろんでろんの液体をどうするの?」

ユミル「こいつをちょいと中に仕込んで滑りを良くする」

ベルトルト「そこまでして僕を金ヅルにしようってのか…いっそ感心するよ」

ユミル「他にも色々使い途はあるらしいけど、そいつは追々な…まずはローション無しでもヤれる位まで慣れようぜ」

ベルトルト「…借金返し終わるより先に風俗嬢のテクが身につきそうだね」

ユミル「だとしたら正に本末転倒だな……っ!」

ベルトルト「 …うわ何コレ!……ヤバい、あっという間に出そ」

ユミル「なら良かった…早く、イってくれ……あ、っ」

ベルトルト「うん…そう、するね」

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