ナルト「最近始めたってばよ。」
ネジ「……。」
ナルト「ネジも入信しろってばよ。」
ネジ「あいにくだが……オレは日向分家として宗家のヒナタ様をお守りするのが使命だ。」
ナルト「分家とか宗家とか、そんなの関係ねぇーってばよ。」
ネジ「?」
ナルト「同じ宗教を信じれば全てが救われるんだってばよ。」
ネジ「……何を言っているのかサッパリだが、オレでなくてもリーを誘えばいいだろう。」
ナルト「もう誘ったってばよ。」
ネジ「何……?」
ロックリー「聞いて下さいよネジ!ナルト君は凄いんですよ!」
ネジ「リー!?」
ロックリー「考えてもみて下さい!ナルト君は身体に九尾が入れられているというハンデをもろともせずに里からの信頼を得たんです!」
ネジ「しかしリー……お前も術を使えないハンデを背負ってこれまで生きてきたんだろう?」
ロックリー「ナルト君の出生を聞いた時、僕の心は打ち拉がれましたよ!」
ロックリー「術の使えない僕の悩みなんて、ほんのちっぽけなものなんだったなんて!」
ネジ「リー、おまえは……」
ロックリー「ナルト君を信じましょうよ!ネジ!」
ナルト「ネジ、信じれば全てが救われるんだってばよ。」
――ナルトは左手を差し出した!
ネジ「……断る。」
ロックリー「な……何故です!?」
ネジ「そいつは落ちこぼれの立場から分家であるオレの苦しみを分かち合おうとしたが……」
ネジ「結局は火影というエリート中のエリートの血を引く立場だった……」
ロックリー「ネジ……」
ネジ「分家の元に生まれた苦しみなど、誰にも分かち合えはしないんだ……」
ロックリー「……」
ナルト「……」
ネジ「帰ってくれ、そして二度と押し付けがましい真似はするな!!」
―――――バタン!
ロックリー「ああ、ネジ!待ってくださいよ!」
ナルト「待つってばよぉ!」
ロックリー「……勧誘、失敗ですね。」
ナルト「……」
ロックリー「ネジ、怒ってしまいましたね……」
ナルト「ネジってばオレの勧誘を断りやがったってばよ……」
ロックリー「仕方ないですよ、ネジは元々頭の固い人ですから。」
ナルト「屈辱だってばよぉ……絶対にゆるさねぇってばよぉ……!」
ロックリー「ナ……ナルト君……?」
ナルト「……こっちにも考えがあるってばよ。」
ロックリー「考えとは一体何です……?」
ナルト「明日はぜってぇー入信してもらうってばよ。」
―翌日―
ネジ「今日も良い天気だ……」
ガイ「ネジ……お前ってやつは……!」
ネジ「ガイ先生、一体何の用で……」
ガイ「ふんっ!」ボコォ!
ネジ「うぐっ……!?」
ガイ「お前は、何て事をしてくれたんだ……!」
ネジ「オ、オレが一体何をしたというんだ……!?」
ガイ「昨晩は食い逃げ、盗み、痴漢、色々と派手にやらかしたそうだなぁ……」
ネジ「オレが……食い逃げだと……!?」
ネジ「何をバカな事を!オレは何もやっていない!」
ガイ「おとなしくしろォ!」ボコォ!
ネジ「うぐっ……!?」
ナルト「ネジ、観念するってばよ。」
ネジ「ナルト、まさかお前が……!」
ナルト「ネジ、あんたは四代目の息子であるオレの境遇を妬みながらも……」
ナルト「オレと自分を重ねて、夢の行き先を見届けたがってたのは知ってるってばよ。」
ネジ「な、何を言っている……!?」
ナルト「わかるってばよ……。」
ネジ「くっ……こんな拘束、八卦掌回天で……!」
ナルト「シカマル!」
シカマル「おう!影真似の術!」
ネジ「シカマル、まさかお前まで……!?」
シカマル「何言ってるんだ!この里で入信していないのはアンタ一人だけだぜ!」
ネジ「!?」
ヒナタ「ネジ兄さん、入信して下さい……!」
ネジ「ヒナタ様……!?」
ヒナタ「日向のつまらない戒律に縛られるくらいなら、ナルト君を信じてほしい……!」
ネジ「し、しかしヒナタ様……それでは日向一族は!」
ガイ「黙って聞け!」ボコォ!
ネジ「うぐっ……!?」
ヒナタ「兄さん……言うとおりにしないなら、兄さんの額の呪印を使わせて貰います。」
ネジ「額の力を……!?」
ネジ「おのれ、卑怯だぞナルト!」
ナルト「ネジ……お前ってば、こんな卑劣なことできねーだろ……」
ネジ「くっ……!」
ナルト「だがオレはできる。」
ネジ「何が言いたい……!」
ナルト「オレは凄い。」
ネジ「ふ、ふざけるな……!」
ナルト「信じれば全てが救われるんだってばよ。」
――ナルトは左手を差し出した!
ネジ「……断る!」
ナルト「そうか……」
シカマル「ヒナタ!急いでお線香を焚くんだ!」
ヒナタ「ええ!」シュボ…
ネジ「い、一体何をするつもりだ……!?」
ナルト「腕がもがれりゃ蹴り殺す、足がもがれりゃ噛み殺す」
シカマル・ヒナタ「腕がもがれりゃ蹴り殺す、足がもがれりゃ噛み殺す」
ナルト「首がもがれりゃ睨み返す、目がもがれりゃ呪い殺す」
シカマル・ヒナタ「首がもがれりゃ睨み返す、目がもがれりゃ呪い殺す」
ネジ「な、何を訳のわからない事を言っている!?」
ガイ「おとなしくしろォ!」ボコォ!
ネジ「うぐっ……!?」
ガイ「ナルト君はなぁ……お前の中にいる悪い気を清めようとしてくださっているんだぞ!それをお前ってやつはァ……!」
ネジ「お、オレに悪い気など無い……はなせ!」
カカシ「ネジくん、ナルトの一件……ちょっと考え直しちゃくれないか……?」
ネジ「あ、あんたは……!?」
カカシ「ナルトにはね、不思議な力があるんですよ。」
ネジ「ふざけた事を……!」
ナルト「しゃーねえ……サスケの兄ちゃん!出番だってばよ!」
イタチ「万華鏡写輪眼!」カッ!
ネジ「!?」
ナルト「ネジ、しっかりするってばよ。」
ネジ「こ――これは一体……!?」
イタチ「今から72時間、お前にナルトの教えを説く。」
ネジ「何だと!?」
イタチ「御身九尾乃器也我里謀反二処海豚乃助分合即鳴門す。」
ネジ「里の皆が……ナルトの元に集まっていく……!?」
イタチ「我下忍三位一体也案山子乃元架橋即鳴門す。」
ネジ「リー、テンテン、駄目だ!ナルトの方へ行っては……!」
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やっかいすぎる