春香「響ちゃん!明日って暇?」(134)

響「あっ、えっと…」

春香「あ、ひょっとして…いぬ美ちゃんたちのお世話?」

響「あ…う、うん。実はそうなんだ!」

春香「そっか…残念だな。じゃあ今度のオフは絶対一緒に遊ぼうね!」

響「あ、ああ!また誘ってね!」





またやってしまったぞ…本当は一緒に行きたい…事務所のみんなと仲良くなりたいのに…

自分、我那覇響。沖縄出身のアイドルさー。

こっちに来てから日は浅いけど、プロデューサーのおかげでそれなりに売れっ子なんだ。

まあ、自分完璧だからな!トップアイドルなんてあっという間だぞ!



……とは言うものの…

春香「みんなー。響ちゃんダメだって。」

真「ちえー、残念だなー。」

雪歩「しょうがないよ…いぬ美ちゃんたちのお世話があるんだから…」


そう。完璧な自分の悩み。それは、みんなの輪にイマイチ入れないことなんだ…

別に、いじめられてるわけじゃないぞ。765プロのみんなは本当にいい人達だもの。

沖縄から来たばっかりの時もみんな温かく迎えてくれたんだ。

春香「私、天海春香!よろしくね!えっと…響ちゃん。って呼んでもいいのかな?」

響「うん!沖縄でもそう呼ばれてたし、なんなら呼び捨てでも構わないぞ!」

真「じゃあ、僕は響って呼ばせてもらうね!よろしくね!響!」

真美「あだ名は…響だから…」

亜美「ひびきん。なんてdo-dai?」

真美「それいい!じゃあひびきんに決定ね!」

あずさ「困ったことがあったら何でも言ってね~」

伊織「あずさじゃ頼りにならないわよ。特別にこの伊織ちゃんが面倒みてあげるわ。にひひっ♪」

やよい「この子、いぬ美ちゃんって言うんですかー?かわいいですー?」

―――――

そう…こんな感じでみんな優しく迎えてくれたんだ。

それから少しして

春香「ねえ、響ちゃん。明日のオフって暇かな?」

響「うん。特にやることはないぞ。」

春香「よかった!じゃあ、明日私達と東京観光に行かない?」

響「東京観光?」

真「そうそう。響、こっちに来てからスケジュールぎっちりであんまり外に出る暇がなかったでしょ?」

美希「だから、ミキ達がこっちの方を案内してあげるの!」

千早「まあ、全員というわけにはいかなくて、このメンバーだけだけど。」

雪歩「も、もし無理なら…また違う日にするけど…」

響「みんな…ありがとう!自分嬉しいぞ!」

春香「よかった!じゃあ明日の10時に新宿駅に集合ね!」

次の日

響「おっはよー!」

「「おはよー!」」

響「ごめんね。みんな、待たせちゃったみたいだな。」

春香「ううん。私達もたった今集まったばっかりだよ。」

美希「あふぅ…眠いの…」

真「ほら、美希。起きてってば!」

響「アハハ。自分、今日はすっごく楽しみなんだ!よろしくね!」

雪歩「えへへ、半分は私達も楽しみなんだよ。」

千早「そうね。こうして改めて観光するのも新鮮だわ。」

春香「よーし!それでは出発ー!」

「「おー!」」

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http://beebee2see.appspot.com/i/azuYi-v0BQw.jpg

>>12
やめろよ…やめろよ!

響(へへへ…楽しみだな…。沖縄では電車に乗ることなんかなかったからちょっと新鮮さー。)



ピピーガコン

響「!?あれ?なんで?」

千早「どうしたの、我那覇さん?」

響「なんか、通れなくって…おかしいな…」

真「もう一回タッチしてみたら?」

響「う、うん…」 ピッ


響「やっぱり開かないぞ…この前はちゃんと乗れたのに…」

響「プロデューサーからこのカードがあればどこでも行けるって言われてたのに…」

春香「…響ちゃん。もしかして、チャージが切れてるんじゃない?」

響「チャージ?」

春香「ほら、そこの小さな画面。」

響「…?残額がありませんって出てるぞ。」

春香「カードの中に入ってるお金がなくなっちゃったんだよ。」

真「券売機のとこでお金を入れてくればまた使えるようになるよ。」

響「そ、そうなのか…?じゃ、じゃあちょっと行ってくるね。」

雪歩「あっ。待って響ちゃん!一緒に行こうか?」

響「ううん。大丈夫!みんなもう通った後だから。自分一人でも大丈夫さー!」

美希「じゃあ、ここで待ってるの。」

響「券売機、券売機っと…」





響「うう…東京はなんでこんなに人が多いんだ?向こうが全く見えないぞ…」





響「えーっと…ごちゃごちゃしてて、どこに何があるのかわかんない…」

響「うう…やっと見つけたけど…チャージ?ってどうやるんだ?」

響「プロデューサーにもらったカードをそのまま使っていただけだからよくわかんないぞ…」

響「雪歩について来てもらえばよかったかなあ…」





「どうしたの?」ニコッ

響「あ…」

「ひょっとして切符の買い方がわかんない?」

響「あ、いえ…チャージってどうすればいいか…」

「ああ、チャージね。ちょっとSuica貸して?」

響「スイカ?スイカなんて持ってませんけど…」

「あはは。君おもしろいねえ。電車にのる時のカードのことだよ」

響「え?あ、は、はい!これ、です…///」

「これをここに入れて…はい、お金入れて。」

響「は、はい。」

「はい。オッケー☆こんだけいれたら都内ならどこでも大丈夫だよ。」

響「どうもありがとうございます。」

「いや~。最初はわかんないよね。こういうの。もしかして地方の人?」

響「沖縄です。」

「マジで?俺鹿児島なんだよ!なんか近いね~。これって運命ってやつ?」

響「あはは…そうかもしれませんね。それじゃ、失礼します。」




「あ、待って待って!」

響「?」

「どこに行くのか知らないけどさ。大丈夫?一人で行ける?」

響「え、はい。平気です。」

「いや~。君みたいな可愛い子が一人でいたら変な人に絡まれるかもよ?」

響「か、可愛いって…」

「そうだ。俺が一緒についてってあげるよ。今日は暇だからさ。楽しいとこいっぱい連れてってあげるよ。」

響「えっと…自分。友だちと来てるから…」

「自分のこと自分って言うの?かわいいな~!友だちと来てるならなんで一人で切符買ってるのさ~?」

響(ひょっとしてナンパってやつか?困ったぞ。)

響「あの、本当に友だちと一緒なんで。失礼します。」

「ちょ、待ってよ~。これも運命☆ってやつじゃない?君みたいな可愛い子初めて見たよ!ね!メアドだけでも教えてよ!」

響「しつこいぞ!友だちと一緒なんだってば!」

「怒んないでよ~。あ、そういえば君さ、アイドルの我那覇響ちゃんに似てるよね~!」


響「!」

「よく言われるでしょ?もしかして本人だったりして~!」



響「べ、別人です…」

響(まずいぞ…この人をみんなのところに連れて行ったら大変なことになりそうさー。)

「な~んてね!あ、待ってよ~。」


響(とりあえずみんなから引き離さないと…)スタスタ

春香「響ちゃん遅いね…」

美希「あふぅ。待ちくたびれたの…」

雪歩「な、何かあったんじゃ…」

真「僕、見てこようか?」

千早「待って真。バラバラにならないほうがいいわ。誰か、我那覇さんの電話番号は知らない?」

春香「私、昨日聞いておいた!かけてみるね…」
prrrrrrrr・・・




「待ってよ~」

響(しつこいぞ…まだついてくる…)カッカッカッ

春香「だめだ…響ちゃん出ないよ…」

千早「困ったわね…」









それから、ようやくナンパ男を撒いたけど…

自分がどこにいるのか全くわからなくて…

春香に連絡をとりながら、みんなとやっと再開できたのは2時間後だったんだ…

響「みんな…ごめんなさい…」

春香「あはは…気にしないでいいよ。こうやって会えたんだし。」

真「そうだよ!さあ、気を取り直して出発しよう!」

美希「うー…ミキ、お腹が空いたの。」

雪歩「み、美希ちゃん…もうすぐご飯だから…」

千早「そうよ。向こうについたら食べられるから我慢して。」

春香「うんうん!ガイドブックですっごくおいしいお店調べといたから期待しといて!」






響「グウゥ~」

「「・・・」」

響「あ、ご、ごめん!今のはその…!」

ちょっと酒作ってくる

真「な、なんだか僕、おなかすいちゃったなー!」

雪歩「じ、実は私もおなかペコペコなんですぅ!」

春香「そ、そうだね!今からお店に行っても行列するからここで食べちゃおっか?」

千早「私はなんでも構わないわ。」






響「え…みんな…ごめん…その、気にしないで。」

美希「ううん!ミキ達もおなか減ったからすぐに食べたいの!行こ?」

それから、みんなでご飯を食べた。

本当は有名なお店で食べるみたいだったけど…

自分のせいでファーストフードになってしまったんだ。

それでもみんなずっと笑顔だった。






自分にこんなに気を遣ってくれて。本当にいい人たちさー

それなのに…

真「どう?春香?電話つながった?」

春香「ううん…なんだか電波が通じない場所にいるみたいで…」













自分、目的地でも人ごみに流されて迷子になってしまったんだ…

うがーーーー!東京はなんだってこんなに人ばかりなんだ!

美希「こうなったら手分けして探すしかないの。」

千早「そうね。じゃあお互い携帯で連絡をとりつつ探しましょう。」

雪歩「は、はいぃ!」









ごちゃごちゃした街並みで…どこにいるのかもわからないぞ…

どうしよう…携帯の電池も残り少いし…

春香「いた?」

雪歩「だめですぅ…」

美希「ミキも全然なの…」

真「響、大丈夫かな…そういえば千早は?」



春香「あっ、あそこにいるよ。」

美希「見て!響もいるの!」

響「ううう…いい加減泣きたくなってきたぞ…あれ?」トボトボ


道路の向こうにいるのは…千早だ!


響「おーい!こっちだぞ!千早ー!」




千早「我那覇さん?」



よかった。早く合流しなきゃ。これ以上迷惑かけられない。

そう思って慌てて道路を渡ろうとしたら。

キキーーーーーーーーッ!!

千早「我那覇さんっ!!」

響「うわあっ!」




「バカヤロー!なにやってんだ!」

響「ご、ごめんなさい…」ドキドキ








危ない危ない…千早と合流することで頭がいっぱいだったぞ…

響「へへ…失敗失敗…あれ?千早?顔が真っ青だぞ…」

千早「……」ガタガタ

響「千早?どうしたんだ?千早!?」






千早「…はっ…」

千早「我那覇さん!何やってるの!」

響「へ?」

千早「危ないでしょう!事故にでもあったら取り返しが付かないのよ!」

響「あ、うん…ごめん、なさい…」

千早「ごめんで済むことじゃないわよ!あなたまで事故にあったら。私は…!」

響「千早…?どうしたの?確かに自分が悪かったけど…」

美希「響!大丈夫?急に飛び出したら危ないの!」

雪歩「よかった~。心配したよ、響ちゃん。」

真「無事でよかったよ。響。」

春香「響ちゃん?大丈夫だった?」

響「あ、ああ…うん。みんな、ごめん…」

真「ううん。とにかく無事でよかったよ!」

響「でも、時間…」

雪歩「平気だよ。今から急いでいけば間に合うから。」



千早「…」

春香「…千早ちゃん?」

それから…千早とはその後ずっと変な感じで…

みんなも気にしてるのか、あんまり盛り上がらなかった。

それに自分が迷子になったせいで、大した観光もできないまま、すぐに夕方になってしまった。

春香「ねえねえ、みんな。もしよかったらこの後カラオケ行かない?」

美希「賛成なの!ミキ、千早さんの歌聴きたいの!」

千早「えっ…ええ…そうね…私は別にかまわないわ…」

雪歩「私もあと少しなら平気ですぅ。」

真「決まりだね!響も大丈夫だよね?」


響「あっ、自分いぬ美達のご飯があるから…」




春香「あ…そうなんだ。じゃ、じゃあ今日は解散にする?」

真「そ、そうだね!明日も仕事あるし…」






あ、しまった!つい…

うう…微妙な空気になってしまったぞ…

美希「ぶぅ。ミキはカラオケ行きたかったな。」

雪歩「み、美希ちゃん…」

響「あ、いや。違うぞ!ごめん!みんなはカラオケ行ってきてよ!自分は大丈夫だからさ!」

春香「そ、そう…?でも…」

千早「しょうがないわ。今日はこれで帰りましょ。」

春香「千早ちゃん…」

春香「じゃ、じゃあ、今日はここまでね!みんな!お疲れ様!」






お疲れ様…春香は特に何も考えてないだろうけど…
今日は自分のせいでみんなを疲れさせただけだったさー…

そんなことがあって。みんなに対してなんとなく遠慮してしまう自分がいるんだ。


さっき誘われた時だって本当は春香達と遊びたかったんだ。


でも…自分空気よめないし、東京に慣れてないし、また迷惑かけたらって思うと…

酒作ってくる

ブロロロロ

P「…なあ響?どうしたんだ?」

響「え!?どうしたんだって?」

P「お前、最近元気がないじゃないか。」

響「…別にそんなことないぞ…」

P「そうか?ならいいんだが…。」



響(こんなこと、プロデューサーに相談しても仕方がないもん…)



P「…なあ響。俺はそんなに頼りないか?」

響「え?」

P「俺もさ、地方出身でさ。こっちに来たときは色々悩んだもんだよ。」

P「友だちもいないしさ、田舎とは全然環境も違うし…」

P「でもバイト先の店長がいい人でさ。色々相談にのってもらったよ。まるで親父みたいでさ…」

P「だから…俺も…お前にとってそんな風になれればっていうか…」

響「…」

P「まあ、俺は親父って年ではないけどさ!兄貴ぐらいならっていうか…」

P「ハハハ…なんてな…やっぱ、ちがう、よな…」


響「…」


クスッ




響「ありがと…プロデューサー。」

P「響?」

響にひどい事したら許さないぞ>>1


P「そうか―――」

響「うん…みんな良くしてくれるから尚更辛くって…」

P「いや、しかしな。うーん…」

響「ううん。ごめんね。プロデューサー。変なこと言って。話したらちょっとスッキリしたから大丈夫。」

P「おいおい。ちょっと待てって。そうだな…例えばうちで一番人当たりがいいのは春香だ。」

響「うん」

P「だとしたら、春香から何か参考にできないかな。」

響「春香からか…春香は…いつも明るくて、優しいぞ。」

>>49
その辺は任せてくれて構わない。しかし響ボッチものってやりつくした感があるのかね

P「そうだな。でもそれはお前も一緒だろ?…うーん、ほら、春香がよくお菓子を作ってるだろ?あれなんてどうだ?」

響「ああ、それでよくみんなでお茶を飲んだりするぞ。」

P「それだよ。響も何かお菓子でも用意してそれをきっかけに話したらいいんじゃないか?」

響「それ、いい!自分もサーターアンダギーとかよく作ってたぞ!」

P「うんうん。いいじゃないか。響ならきっかけさえつかめば仲良くなるのなんてすぐだよ。俺が保証する。」

響「プロデューサー…ありがとね!」

へへ…プロデューサーってやっぱり頼りになるんだな。

最初はにーにみたいなちょっとえっちい人かと思ってたけど…

みんなから人気があるのもわかる気がするな…

プロデューサーがにーにかぁ…うーん。にーにと言うよりはもっと…



わわわ!何考えてるんだ自分。今はプロデューサーのアドバイスを実行しないと!

次の日


ふぁぁ…早起きしたから結構眠いぞ…

でもでも、みんなの喜ぶ顔を思えばなんくるないさー!

この自分特製のサーターアンダギーは沖縄で友だちや家族にも評判だったんだ。

絶対においしいって言ってくれるはずさー

春香『もしもしっ?響ちゃん、明日って暇?』

響「うん、自分暇だぞ!」

春香『あははははっ!だよねっ!』

ガチャッツーツーツー

ジュワー
響「よーし!完成さー!」

響「う~ん?ちょっと作りすぎたかな…?」

響「まあ、たくさんいるんだしこれくらいは大丈夫だよね!」

ポワンポワン―――――

美希『響!これすっごくおいしいの!』

やよい『すごいです!これ、番組で紹介してもいいですかー?』

真美『あー!亜美!真美の分とんないでよー!』

千早『我那覇さんって料理が上手なのね。尊敬するわ。』

伊織『ちょっと!うちのパティシエに匹敵するわよ!』

P『うまいぞ響!また作ってくれよ!』

―――――ポワンポワン



響「へへへ…みんなの喜ぶ顔が楽しみだぞ…」

響「ふぁ…ちょっと眠い…。でもでも、早く事務所に行くぞ!」

>>56
それを期待してスレ開いた奴もおるんやろな

響「はいさーい!…ってまだ誰も居ないのか。」

小鳥「響ちゃん。おはよう。」

響「おはよう。ピヨ子。みんなは?」

小鳥「う~ん。今日はみんなバラバラね。ちょこちょこ事務所に帰ってくるみたいだけど…」

響「そっか…そうなのか…」




できれば揚げたてのうちに食べて欲しかったけど…

うーん、ちょっと予定が狂ってしまったぞ…

これ…ソファのところに置いておけばいいかな?

春香もそうやって置いてることがあるし。

みんな勝手に取って食べるよね。

それで、これおいしいね!誰が作ったんだろう、ってなって…

自分が作ったんだぞ!って言って…



そうしたら…

>>58
これは年末に見たから響を幸せにしてくれ

ガチャ
P「お、響。早いな!」

響「プロデューサー。おはよう!」

P「ああ、いきなりですまないんだが、ちょっとスケジュールの変更があってな。今すぐに出よう!」

響「えっ?」

P「お前が早く来てくれてよかったよ。さあ、行くぞ!」

響「わ!ちょっと待ってよプロデューサー!」

ふう…なんだかんだでもうこんな時間さー…

でもでも、今日は事務所に帰るのが楽しみだぞ。

みんな、自分の作ったサーターアンダギー、食べてくれたかな…

もしかして、偶然誰かがいて、一緒に食べられるかも。



響「たっだいまー!」


あれ、誰もいない…ピヨ子もいないなんて…全く、無用心にも程があるぞ。

それよりも、どうなってるかな?







響「えっ…なんで…」


ひとつも…減ってない…

響「…どうして…どうして…?」



ひょっとして誰も来なかった?


一瞬そう思ったけど、すぐにそんなわけない事に気づいた。









響「これ…春香のだ…」






自分のサーターアンダギーの隣には可愛い箱に入ったドーナツがあって。

春香の似顔絵の入った「みんなで食べてね☆」ってカードがついてる。

ドーナツは…ほとんどなくなってる…

ガチャ
春香「ただいま戻りましたー!」


響「…」

春香「あれ?響ちゃんも今戻ってきたとこ?」

響「…春香。」








春香「響ちゃん?どうしたの?   …あ。」


春香がテーブルの上を見て全てを悟ったみたいだ。

春香「あ、あのね、響ちゃん。違うの、これは…」

春香、何困った顔してるんだ?だって、そんなの…当たり前だぞ…

自分の作ったサーターアンダギーはビニール袋にただ入れただけ。

春香のドーナツは可愛い箱に入ってて、しかも食べやすいように一つずつ紙に包まれている。

自分のビニール袋には油がギトギト光ってて…袋に手を入れたらきっとベタベタになっちゃう。

そんなのがテーブルに無造作に置いてあるだけ…

こんなの…誰も食べないのは当たり前だぞ…




自分だって2つ並んでたらきっと春香の方を食べるに決まってるさー…



だって、そんなこと、気づかなかったんだ。

沖縄では作ってすぐに食べてもらってたし。近所に配るのだって、そのまま渡してたし…




それに、プロデューサーが朝いきなり連れてくから…

そうだぞ、プロデューサーが全部…悪いんだ…







…違うよ。悪いのは自分。空気がよめなくて、気配りできない自分…

さるさん平気か?こわいペースだ

春香「ご、ごめんね響ちゃん!私、これ見てすぐに響ちゃんのだなって気がついて!」

春香「ほ、ほら、沖縄のお菓子でしょ?これ。」

春香「それで、なんか嬉しくなっちゃって、響ちゃんのと一緒にみんなが食べてくれたらいいなって思ったから…」

響「ううん。春香は何も悪くないよ…自分が悪いんだから…」






春香「…あ!私これ一個もらってもいい?」

響「春香…」

春香「モグモグ…わあ!おいし~!」

春香「私サーターアンダギーって初めて食べたけど、こんなにおいしいんだね!」

春香「今度作り方教えてよ!あ、一緒に作ろっか!その時は響ちゃんちに行ってもいい?」

春香「響ちゃん…?響ちゃん?」



響「うっ…グスッ……ぅえ…」

>>69
さるさんってどのくらいでなるの?もし早いならペース落とす。
もしくはレスしてくれるとうれしい

春香が食べてるのを見たらなんだか涙が出てきたぞ…

そんな、冷めたサーターアンダギーがおいしいわけない。

でも春香はおいしいおいしいって言って食べてくれて…

なんだか自分が情けなくて…みじめで…












もうやだ…私…沖縄に帰りたいよ…






春香「響ちゃん…えっと…その…」オロオロ





















貴音「響、これは食べてもよろしいのですか?」

春香「貴音さん!?」
響「貴音!?」

もうなんだかわかんなくなって…メソメソ泣いてたら…

…いつの間にか貴音がそばにいたんだ。




響「ふぇ…?た、食べるって…?」

貴音「この丸く、甘き芳香を放つ菓子のことです。」

春香「え、えっと…サーターアンダギーっていうんですよ。」

貴音「さぁたぁあんだぎぃ…なんとも不思議な名前です。」パク

響「え?貴音…?」



貴音「ふむ。素朴ですが、なかなか味わい深きものですね…」モグモグ





呆気に取られている自分たちの前で貴音は次々と自分の作ったサーターアンダギーを食べていったんだ。




響「…」

響「ちょ、ちょっとストップ!」

貴音「?…もしや、食べ過ぎてしまったのでしょうか。だとしたら、誠に申し訳なく…」

響「そ、そうじゃなくて…その…温め直してから食べたほうがおいしいから…」

春香「響ちゃん…。あ、じゃあ私、レンジでチンしてくるね!」

そういって春香は貴音からサーターアンダギーの袋を取り上げて、給湯室の方に行った。

手持ち無沙汰だったのか、貴音は春香のカードを見て少し笑って、ドーナツを食べていたけど…


春香「わあ~!本当だ!さっきよりずっとおいしいね!」

貴音「確かに。これは美味。」

響「へへ…自分の特製なんだ。」

春香「もしかして、何か特別な作り方があるの?」

響「う、うん!我が家の秘密なんだけど、春香には教えてあげるね!」

春香「本当!えへへ。嬉しいな。じゃあ今度一緒に作ろうよ!」

響「春香…」



貴音「響…大変美味でした。また、作ってくれますか?」

響「貴音…うん!今度は大皿いっぱいに作ってやるぞ!それにまだまだ色んな味があるのさー!」

貴音「なんと。ふふ。それはまこと、楽しみです。」

どうしよう。自分。今、メチャクチャ嬉しいぞ。



こんなに温かい気持ちになったの沖縄から出て来て初めてだ。




うう…なんか、また涙が出てきそうだ…

酒作ってくる

それから、プロデューサーとピヨ子が戻ってきて、みんなに夕飯をご馳走してくれたんだ。

貴音の希望でラーメンになったけど…貴音はあれだけ食べたのによく食べられるぞ…

それで、プロデューサーにおごってもらったことは3人だけの秘密って約束したんだ。

「なんか、秘密って友だちになったみたいで嬉しい」  って言ったら、春香が






春香「響ちゃん。私達もうとっくに友だちじゃない!」







って言ってくれたんだ。

――――数日後

あずさ「おいしいわ~。もうひとつ…と言いたいとこだけどこれ以上はよくないわね~。」

亜美「あずさお姉ちゃん。食べないならもらうよん!」

律子「こら、亜美。あんたももうやめなさい。」

真美「律ちゃ~ん。固いこと言いなさんなって!律ちゃんだって結構食べてるじゃ~ん」

雪歩「沖縄のお菓子だけど、日本茶にもよくあいますぅ!」

やよい「これだけの材料でこーんなに美味しく出来るんですか?お得です―!」

あれから、春香を自分の家に招待して一緒にサーターアンダギーを作ったんだ。

ラッピング用の箱は100円ショップで買えるってことも教えてもらったぞ。

それで、今度はちゃんとみんなに、食べてください、って言ってすすめたんだ。








真「ごめんね響…この前は食べていいのかどうかわからなくて…」

美希「ミキも…何も書いてないから、いつも通り春香のだけとったの。」

小鳥「私も一声かけられたらよかったんだけど…ドタバタしてて、ごめんなさい…」

響「う、ううん…自分も悪かったし…なんくるないさー。」

貴音「響、よかったですね…」

響「うん!」

―――――――春香「響ちゃん!明日暇?」

響「あっ、と…」

春香「いぬ美ちゃんたちのお世話?」

響「あ…う、うん。ごめん…」










春香「そっか。それなら…」



春香「わっ!わわわ!そっちに行ったらだめだよ~!」

雪歩「ひいぃっ!春香ちゃん!リードを離さないで~~~!」

真「雪歩ー!逃げたら余計に追いかけてくるよー!」



貴音「ふふふ…そうですか…私も鶏肉は好みです…」

亜美「お姫ちんヘビ似合い過ぎでしょ…」

真美「てゆーか、会話してるし…」



あずさ「あらあら~オウ助くん、どこに行くのかしら~?」

律子「あずささん!ついていったらダメですよ!」


やよい「ウサ江さん!その草、おいしいんですかー?ひょっとしたら人間も食べられるのかな…」



美希「zzz…」ワニと一緒に昼寝中

響「みんなすごく楽しそうだぞ!伊織!ありがとうな!」

伊織「まったく…困ったことがあったらこの伊織ちゃんに相談しなさいって言ったでしょ!」

響「でも、まさか伊織の家を開放してくれるなんて思わなかったぞ。」

伊織「この位朝飯前だわ。ま、その…いつでも来てくれていいのよ。」

響「伊織…」

伊織「な、なによ。」

響「いや、伊織って本当はすごく優しいんだな!」


伊織「は?な、何言ってんのよ!/// ちょ、ちょっとやよい!そんな草食べられないわよ!」タタタ



響「へへへ。伊織ってば真っ赤だったぞ。」



千早「我那覇さん。」

響「ん?どうしたんだ千早?」

千早「その…私…ずっと謝りたくて…」

響「え?」

千早「あの、前にみんなで出かけた時に…私のせいで変な雰囲気になってしまって…」

響「べ、別に千早のせいじゃないぞ!あれは自分が…」

千早「そう言ってくれると嬉しいけど…でも、ごめんなさい。」

響「あ、じ、自分こそごめん。なんか、すごく心配かけちゃって。」

千早「ううん、そうじゃないの、それだけじゃないの…」

響「千早?」



千早「あの、私ね………その……昔……」





千早「……小さい頃、のこと。なん…だけど…」



響「千早」



千早「私…おt」





響「千早!」


千早「え?」


響「もういいぞ。自分全然気にしてないし。それに…そんな辛そうな千早。見たくないさー。」



千早「我那覇さん…」



響「…その話。千早が言えるようになるまで待つぞ。だって自分たちはこれからも一緒にいるんだからな!」



千早「…そうね。ありがとう、我那覇さん。これからもよろしくね。」

響「うん!よろしくな!」

prrrrrrrrrrr
響「あ、ごめん!ちょっと電話だぞ。」

着信は…おかーからだ。そういえば最近電話してなかったな…


響「はい。」

「響?あんた最近連絡なかったけど元気なの?ちゃんと食べてる?」

うん。平気。ちゃんと食べてるよ。

それに自分、友だちもできたんだ。とても素敵な友達。

それも一人や二人じゃないぞ。たーーっくさんできたんだ。



「東京は怖い人もたくさんいるって言うし…あんた大丈夫なの?」



大丈夫だよ。何があっても、みんながいるから大丈夫。

だから、今は胸をはってこう言えるんだ。




響「なんくるないさー!」


~終わり~

終わりです。こんなおっさんのオナニーに付き合ってくれてありがとう。
見てくれた人、レスくれた人ありがとう。
いつも思ってるけど、レスしてくれるとホンマに嬉しいで。

貴音とはいつ知り合ったんだ

>>110
最初の自己紹介の時にいたことにしてくれ。
最後のお母さんの言葉は沖縄弁に各自変換よろしく

この時間ならあんま人おらへんわな…
今回はおっさんの旅行記話すわ。




理不尽な毎日…非人間的な対応を要求される日常…

おっちゃんは疲れた心を癒しに沖縄に行ったんや。

そしたらそこの民宿に天使がおったんや。

天使は地上にもいるもんなんやな。

その長い黒髪をなびかせた天使は我那覇響ちゃん言うんや。

なんでも知り合いの民宿を手伝っとるらしい。

おっちゃんとひびきんはすぐにフォーリンラブしてしまったんや。

毎日ひびきんは色んな所を案内してくれた。

ダイビングもしたし、市場にも行ったなあ…

おっちゃんが夕飯のおかずを褒めるとひびきんが顔真っ赤にして恥ずかしがるんや。

ウブやなあ。はての浜の白砂のような純粋さやで。

夜は浜辺を散歩したり花火をしたなあ。

ある日ひびきんと散歩しとるとスコールにあってしまったんや。

ずぶ濡れになった二人はガジュマルの大木の下で雨宿りするんや。

濡れてスケスケになったひびきんのタンクトップに視線は釘付けや。

ワシの視線に気づいたひびきんは恥ずかしそうに目を背ける。

ほんで二人はそのまま…その、キッスをするわけやな。

こっちが舌をねじ込むとおずおずと舌を絡めるひびきん。

タンクトップをめくりあげてパイオツを揉むと

押し殺した声で「ふぁっ…」とか「ひぅっ…」とか言いよる。

もう辛抱たまらんで、おっちゃんのムスコを取り出すと、

小さくビクッとするひびきん。かわいいで。

ガジュマルに背をあずけて、片足を持ち上げて、立ったまま挿入や。

「どや?気持ちええか?」

「わかんないよ…こういうの…初めてだもん。」

いつもとは違う女らしい言葉におっちゃんもう大興奮。

そのまんまちっちゃなひびきんを担ぎ上げて駅弁ファックや。

電車が通ってなくても駅弁は可能やで。出発進行や。

「あっ!…ひっ!…うあっ!…やぁ…!」

土砂降りの雨の中、獣のようにまぐわうおっちゃんたちを見とるんはキジムナーだけや。




帰り道、ひびきんは「いたかったぞ…」ってひょこひょこ歩きながら手をつないでくるんや。

それからは毎日毎日ひびきんと愛し合うんや。

海で、山で、ビーチで、宿で、グスクで、万座毛で、首里城で。

ほんでもいつかは別れの日がやってくる。

「私…!いつか東京に行くから!東京に行って…それで…!」


…涙の別れを体験して、人は大人になるんや。



少女は夏を越えたら女になる。いつかまた会おうな。ひびきん。

それからしばらくして、おっちゃんとひびきんは新宿の雑踏の中で再会するんや。

それが、ささやかな、おっちゃんの、夢や。

なんか長くなってしまったな。堪忍な。
ほんでもひびきん好きなおっちゃんとしては鬼畜攻めが出来んかったんや。ゆるしてや。

前回のSSが不評すぎてイライラしてひびきんをいじめたくなってしまったんや。堪忍な。

>>127
前回ってどんなのだったっけ

>>131
おっさん「おいしそうな生レバー♪じゅるるん♪」
ってやつや
その前は雪歩「春になったら」ってやつや

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