シンジ「アスカにプレゼント」(46)

アスカ「なによ、プレゼントって」

シンジ「アスカ、もうすぐ誕生日だろ?」

アスカ「ええ。でも来月よ」

シンジ「勿論、知ってるよ。でも、誕生日当日に渡せるか分からないから、先にアスカに渡そうと思って」

アスカ「ふうん。ま、まあ、くれるんなら貰ってあげてもいいけど」

シンジ「じゃあ持ってくるから、アスカは目を閉じててよ」

アスカ「分かったわよ。と、閉じてればいいわけね?」

シンジ「うん」

アスカ「……」

アスカ「閉じたわよー」パチッ

シンジ「……」ゴソゴソ

アスカ「ねえ、まだぁ?」

シンジ「ん…も、もう少し待ってよ」

アスカ「は、早くしなさいよね」

ガサガサ

シンジ「いいよ、アスカ。目を開けてみて」

アスカ「え、ええ」




カヲル「ムッー!!」

アスカ「!」

シンジ「アスカずっと欲しがってたから、色々頑張って買って(拉致して)きた」

アスカ「…そりゃあ、欲しかったけど…」

シンジ「あ、あれ、あんまり嬉しそうじゃないけど…アスカ?」

アスカ「そういうんじゃないけど。……これ、高かったんじゃないの?」

シンジ「ああ、それは気にする必要ないから」

アスカ「気にするなって言われても」

シンジ「僕がプレゼントしたかっただけだから、もらってよ」

アスカ「じゃ、じゃあ遠慮なく…」

シンジ「うん。あっ、頭に被せてる包装紙(ズタ袋)取ってみてよ、アスカ」

アスカ「う…うん…」

●ヲル「……」

アスカ「……」

シンジ「ほら早く」

アスカ「き、緊張するわね」オソル オソル

シンジ「……」ワクワク

シュルッ

カヲル「ぷはっ!」

アスカ「ほ、本物だ…」

シンジ「もちろん!」

アスカ「シンジ、ありがとう」

シンジ「どう致しまして」

アスカ「アタシ、大事するから」

シンジ「うん」

カヲル「……???」キョロキョロ

アスカ「あ、でも、このカヲル…なんか落ち着きがないわね」

シンジ「きっと急に環境が変わってビックリしてるんじゃないかな」

アスカ「そ、そうね」

シンジ「大丈夫だよ。そのうち慣れるだろうから」

アスカ「そうなの? そういうもんなの? アタシ、生き物飼った事ないから、良くわかんないのよね」

シンジ「それじゃあ僕、今度本屋さんで飼い方の本でも探してくるよ」

シンジ「一応、リードとかも買ってきたんだけど…要る?」

アスカ「どうしようかな」

シンジ「最初のうちは逃げないように使った方がいいよ?…少しかわいそうだけど」

アスカ「そうね…急に走りだして事故に遭うかもしれないし」

シンジ「あと餌のことなんだけど」

アスカ「…?」

シンジ「ご主人が作らないと駄目なんだって。これはアスカも知ってるでしょ?」

アスカ「それぐらいは知ってるけど。アタシでも餌の用意ぐらい頑張ればどうにかなるわよね?」

シンジ「アスカなら大丈夫だよ」

アスカ「でも料理かぁ…」

シンジ「アスカって、料理だけは、ほんと苦手だよね」

アスカ「まあ…ね」

シンジ「大丈夫だよ。料理は愛情、って言うくらいだから。アスカが愛情を込めて作れば、カヲルも喜んでくれると思うよ?」

アスカ「え、ええ。だと、いいんだけど」

シンジ「大丈夫、大丈夫」

アスカ「……」チラッ

カヲル「?」

アスカ「じゃあ早速、エサ…食事の用意を」

シンジ「そうだね。…ふふっ」

アスカ「? な、なによ、なにが可笑しいのよ」

シンジ「ううん。言い直したのが、アスカらしいって思っただけだよ」

アスカ「う、うるさいわねぇ」

アスカ「やっと出来た!」

シンジ「お疲れ様、アスカ」

アスカ「つ、疲れたぁ…」

シンジ「あはは。肩に力が入りすぎだよ」

アスカ「うっさいわねぇ…それに笑いすぎよ」

シンジ「うっ、ごめん」

アスカ「アタシが頑張って作ったのに」

シンジ「ごめん」

アスカ「ふん」

シンジ「……」

アスカ「でもまあ」

シンジ「ん?」

アスカ「作ってる最中の要所要所のアドバイスには、感謝しとくわ」

シンジ「うん。僕が役に立てたのなら、良かったよ」

アスカ「……」ジー…

シンジ「? なにアスカ」

アスカ「べ、別にっ…」フイッ…

シンジ「そう? じゃあ、食事にしようか」

アスカ「そ、そうね。…でも、ミサトは待たないの?」

シンジ「ああ…ミサトさん、今日は遅くなる、って言ってたから僕ら3人で先に食べようよ」

アスカ「そうなの?」

シンジ「うん。だからさ、アスカの手料理が冷めない内にさ…」

アスカ「…そうね。先に食べましょうか」

シンジ「じゃあ僕、カヲル呼んでくるから」

アスカ「ええ、お願い」

シンジ「うん」



シンジ「カヲルー!?」

カヲル「!?」

シンジ「食事の用意が出来たからさ、リビングへ行こうか」

カヲル「……」

シンジ「カヲル?」

カヲル「……」

シンジ「カ・ヲ・ル」

カヲル「!」ビク!

シンジ「……」ジロ

カヲル「っ…」ビクビク

シンジ「行くよ」

カヲル「……」コク コク

シンジ「アスカ、カヲル連れてきた」

アスカ「あ、うん」

カヲル「……」ショボン

アスカ「ん? カヲル、なんかしょんぼりしてない?」

シンジ「え? そ、そんなこと無いと思うけど」

アスカ「そう? ならいいんだけどさ」

シンジ「……」

カヲル「……」

アスカ「…ほ、ほら早く、座りなさいよ」

シンジ「あ、うん、そうだね。…カヲルはアスカの横に」

アスカ・カヲル「!」

アスカ「ななな、なに言ってんのよっ ///」

シンジ「その方が、アスカもいいでしょ?」

アスカ「…う」

シンジ「ほら、カヲル。そこの椅子に座って」

カヲル「……」

シンジ「ほらアスカ、椅子ひいてあげなよ」

アスカ「あ、うん」

ギィ…

カヲル「……」ニコッ

アスカ「! あうぅ…///」

シンジ「…それじゃあ僕も座ろうかな…ほらアスカも」

アスカ「え、ええ…」チラッ

カヲル「……」ニコ ニコ

アスカ「うっ… ///」


シンジ「うん。今日の食卓は華やかだね」

アスカ「な、なによ、華やかって」

シンジ「だってさ、綺麗な人が二人もいるからさ」

アスカ「綺麗って…それに二人って…」

シンジ「勿論、アスカとカヲルの事だよ」

カヲル「!」

アスカ「な、なに言ってんのよバカシンジっ」

シンジ「え、でも…正直に思った事を言っただけだけど」

アスカ「なっ… ///」

カヲル「///」

シンジ「二人が並んでると、絵になるよ」

アスカ「バ、バッカじゃないっ ///」

シンジ「バカとか…そんな言い方は良くないよ、アスカ。カヲルに悪影響だよ?」

アスカ「…うっ…そ、そうね。そうかもしれないわね」

シンジ「そうだよ」

アスカ「んー…分かったわよ、気をつければいいんでしょ」

シンジ「その方がいいよ。まぁアスカがご主人様だから、僕が口を挟む事じゃ無いのかもしれないけど…」

アスカ「……」

シンジ「えっと…それじゃあ食べようか」

アスカ「あっ、うん。それじゃあ…いただきます」

シンジ「いただきます」

カヲル「……」ペコッ

アスカ「よしっ、食べるわよ」

シンジ「……」

アスカ「ん?…なによシンジ」

シンジ「いや、アスカ…食べさせてあげないと」

アスカ「食べさせてあげないと、って…アタシが?」

シンジ「それはそうだよ。…アスカが、ご主人様なんだから」

アスカ「うっ…そりゃそうだけど」

シンジ「カヲルも喜ぶと思うから、してあげなよ? ね、カヲル?」

カヲル「……?」

アスカ「なんかキョトンとしてない? それほど嬉しそうじゃないように見えるけど」

シンジ「そんなこと無いよ。そうだよね、カヲル」チラッ

カヲル「…!」

カヲル「……」コクコク!!

シンジ「ね?」

アスカ「むぅ…」

シンジ「……」

アスカ「食べさせる…か」

シンジ「うん。…あげなよ」

アスカ「…ま、まあいいけど」

シンジ「だったら、早く早く」

アスカ「なぁんで、アンタが嬉しそうにしてんのよ」

シンジ「え、そうかな。そんなことは無いと思うけど」

アスカ「なぁんか、怪しいわね」

シンジ「僕はただアスカに、早くカヲルと仲良くなって貰いたいだけだよ」

アスカ「……」

シンジ「信じてよ」

アスカ「……まあいいわ。食べさせてあげればいいんでしょ? 食べさせてあげればっ」

シンジ「そうそう」

アスカ「んじゃあカヲル」

カヲル「?」

アスカ「ぅ ///」

アスカ「まずは、ご、ご飯から…」


アスカ「ア、アーン」

シンジ「なにしてるの、アスカ」

アスカ「へ? 見てわかんないわけ? アーンよアーン。食べさせてあげようとしてんじゃない、アンタが言ったのよ」

シンジ「ガッカリだよアスカ」

アスカ「…え」

シンジ「いーい? アスカ。食べさせるっていったら、そうじゃないよね」

アスカ「アンタなに言ってんの。だからアタシは、こうして…」

シンジ「無粋だよ」

アスカ「は?」

シンジ「いやだから。箸は無粋だって言ってるんだよ。無粋の上に邪道だよ」

アスカ「や、意味わかんない」

シンジ「そうじゃないでしょアスカ」

アスカ「……そ、それじゃあ、どうすりゃいいのよ」

シンジ「わかんない? わからないかぁ…まぁアスカだからしょうがないけど」

アスカ「喧嘩売ってんのアンタ」

シンジ「ストップ。カヲルに悪影響だよ」

アスカ「…ちょっ」

シンジ「駄目だよ暴力は。それにカヲルにも、悪影響だから。カヲルに悪影響は良くないよ」

アスカ「……」

シンジ「それでは、食べさせ方について説明させてもらうけど…いいよね」

アスカ「……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「…………もういいわよ。アンタの好きにすれば」

シンジ「どうして呆れ顔で僕の事見るの」

アスカ「悪かったわね…顔に出てしまって」

シンジ「今回は大目にみるよ。でも、今度からは気を付けてよね」

アスカ「……」イラッ

シンジ「ではまずは、固形物からだね」

アスカ「固形物?」

シンジ「うん。そうだな例えば、ご飯からにしようか」

アスカ「ああ、箸は駄目だとか言ってたわね。なに? スプーンとか使えってぇーの?」

シンジ「違う違う」

アスカ「それじゃあどうやって…手で?」

シンジ「それも違うよ」

アスカ「?」

シンジ「顔」

アスカ「は?」

シンジ「アスカの顔にご飯」

アスカ「は?」

シンジ「だから、アスカの顔にご飯」

アスカ「なによそれ」

シンジ「アスカ」

アスカ「なによ」

シンジ「バカなの?」

アスカ「なっ!?」

シンジ「アスカ、ここまで言っても分からないの?」

アスカ「分かる訳ないでしょ。今の説明で分かるヤツの方がおかしいわよ、そんなの」

シンジ「……つけるの」

アスカ「……」

シンジ「アスカの顔にご飯つけて、それをカヲルに食べさせる。どう? 分かった?」

アスカ「」


――

アスカ「…」

シンジ「ん。いい感じに顔中ベトベトだね」

アスカ「……」

シンジ「んー…あれ? アスカ?」

アスカ「…」

シンジ「駄目だ…気絶してる」

カヲル「……」

シンジ「これから、オカズとか味噌汁も飲ませないといけないのに…」

アスカ「……」

シンジ「しょうがないなぁ…今日は僕が手伝ってあげるか」


シンジ「じゃあまずは、このコロッケから…」

シンジ「こうして、アスカのシャツを捲って…」

アスカ「…ぅ」

シンジ「うん。ちょうどいいところに窪みがある。このオヘソのとこに…っと」

アスカ「…う」

シンジ「いい具合の温度に冷めてるコロッケを…」ピト

アスカ「!?」ピク

シンジ「オン・ザ・アスカ」

カヲル「…」

シンジ「さあ召し上がれっカヲル!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月24日 (月) 04:39:30   ID: iaGNml6w

・・・

2 :  SS好きの774さん   2015年03月21日 (土) 02:54:36   ID: CR4JgeHA

えっと……うん………

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