ベルトルト「サシャのお誕生日大作戦」(58)

ベルサシャで高校生パロ。

104期生に年の差なし設定。


―夏休み前の終業式の後―

ガヤガヤワイワイ

サシャ「皆さん聞いて下さい!」

ナンダナンダ
サシャカ、ナンダ
ザワザワ

サシャ「一週間後は私の誕生日なんです!」

クラスメイト達「「「「……」」」」

ソウナノカ
フーン
ザワザワ


クリスタ「そうなの?おめでとうサシャ」

サシャ「えへへ、ありがとうございます~」

ユミル「わざわざ自己申告するなんてお前らしいな」

サシャ「ちゃんと言っとかないとみんな準備できないじゃないですか」

コニー「なんのだよ?」

サシャ「私への誕生日プレゼントです!食べ物大歓迎!お弁当を分けてくれるだけでも結構です♡♡」

ユミル「」

コニー「」

クラスメイト達「「「「」」」」


サシャ「もちろん事前に下さっても構いませんよ♡今から受け付けますので!!」

クラスメイト達「「「「」」」」」

コニー「こ、こんなあからさまにプレゼント要求されたのは初めてだぜ…」

ユミル「上に同じ」

クリスタ「じゃ、じゃあ、とりあえずポッキー食べる?」

サシャ「わあ、クリスタ、ありがとうございます!!」

ユミル「おい、そりゃ、私と休み時間お喋りする時用の菓子じゃねえのか?」

クリスタ「だ、だって…」


ユミル「サシャ、お前にやるのはその中の一本だけだ!箱ごと取るな!」

サシャ「らめれす、ほう、わらひのれす」ポリポリ

ユミル「いつの間に開けてんだあ!」ガー!

ワーワーギャーギャー



ライナー「相変わらずだなサシャは」

ライナー「食い物への執着が並みじゃない」


アニ「入学式の蒸かし芋事件以来ずっとあんな調子だからね…。私はもう慣れた」

アニ「それより来週がサシャの誕生日だなんて初耳だよ。高校は補講があるからサシャにはラッキーだったね」

ライナー「はは。ベルトルト、お前彼氏なんだから、もうプレゼントの一つや二つ用意してるんだろう?」

ベルトルト「…らない」

ライナー・アニ「え?」

ベルトルト「僕、サシャの誕生日なんて知らなかった…」

ライナー「え、だってお前らつきあい始めて2ヶ月ちょっとだろう」

アニ「その間に誕生日の話とか一度もしなかったのかい?」

ベルトルト「……」コクリ


ライナー「……」

アニ「…ねえ、あんたらって本当につきあってんの?」

ベルトルト「!?」

ライナー「アニ?」

アニ「だってカップルらしいことちっともしてやしないじゃないか?」

アニ「行き帰りもベルトルトは私達と一緒だし、お昼だって私達と食べてる」

アニ「ベルトルトとサシャが話してるとこも見たことないよ」

ライナー「そういえば…」

アニ「………」

ベルトルト「えっ…え…」オロオロ


ライナー「まさか脳内彼女なのか?」

ベルトルト「ち、違うよ。ひどいなあライナー」

ベルトルト「席が隣だから、授業中にときどき喋ってるよ」

アニ「どんなことを?」

ベルトルト「「飴食べる?」とか「ラムネいる?」とか…」カアア///

ライナー「………」

アニ「…それあんた、たかられてるだけじゃないのかい?」

ベルトルト「なんてことを言うんだよ。アニはサシャのあの笑顔を見たことないから、そんなことが言えるんだ」


ベルトルト回想1

ベルトルト「サシャ、飴食べる?」

サシャ「わあっいただきます!」

サシャ コロコロ ニコニコ

ベルトルト(美味しそうに食べるなあ///)


ベルトルト回想2

ベルトルト「ラムネいる?」

サシャ「もちろんです。ありがとうございます!」

サシャ パクッパリパリパリ ニコニコニコ

ベルトルト(可愛いなあ…///)


ベルトルト「あんなに無邪気な笑顔を見せてくれるのは、つきあってるからだよね///」

ライナー・アニ「やっぱりたかられてるだけじゃないか」

ベルトルト「違うよ、本当につきあってるよ!」

ベルトルト「だって僕、ちゃんと告白したし、OKの返事ももらったもの!」

ライナー「そういえば、そういういきさつを聞いたことはなかったな」

アニ「私も聞いておきたい」

アニ(サシャがベルトルトの脳内彼女じゃないかどうか確かめたい)

ベルトルト「ちょ、ちょっと照れるけどいいよ」カア///

ベルトルト「あれは僕達が入学して数日後のこと…」


ベルトルト回想↓

ベルトルト(しまった。今日は持ち物検査があるのに、うっかり飴を持って来てしまった)

ベルトルト(ひい、ふう、みい…6個もある。検査までに食べ終えられるかなあ)

ベルトルト「ライナーもアニもちょうど教室にいないや。困ったな…」

ベルトルト(僕一人じゃ先生が来るまでに食べきれない)

ベルトルト(捨てるのももったいないし、どうしよう…)

ベルトルト(……)チラリ

サシャ 「~~♪」


ベルトルト(隣の席のポニーテールの女の子…まだ話しかけたことはない)

ベルトルト(僕なんかがいきなり「飴あげる」なんて言って警戒されないかな?嫌がられないかな?)

ベルトルト(どうしよう…)

サシャ「~~♪」

ベルトルト(入学してから、僕は幼馴染であるライナーとアニ以外の友達ができていない)

ベルトルト(きっとこういう時こそ友達を作るチャンスなんだ。ライナーもいつも言ってるじゃないか、勇気を出せって…)

ベルトルト「あ、あの…」ドキドキ

サシャ「~~♪」


ベルトルト「あ、あの……っ」ドキドキ

サシャ「~♪…ん?」

サシャ「私ですか?何か御用ですか?」

ベルトルト「あ、あのっ…あ、甘い物とか好きですか?」

ベルトルト(あ、「飴いらない?」だけ訊けばいいのに、断られるのが怖くて、思わず遠回しに訊いてしまった!)

サシャ「甘い物も辛い物もすっぱい物も大好きですよ!なんですか?何か下さるんですか?」キラキラ

ベルトルト「!(ど、どうして僕の言いたいことが分かったんだろう)」ドキン///


ベルトルト「う、うん。良かったらこの飴、何個か食べてくれないかな?」ドキドキ

サシャ「わあっ、ありがとうございます!じゃあ、全部いただきます!!」

ベルトルト「え、あ、あの、この後すぐのホームルームで持ち物検査があるらしいから…」ゴニョゴニョ

サシャ「そうなんですか?それは大変です。私が全部食べてあげます!」ガッ

ベルトルト「!(なんて頼もしい女の子なんだ…///)」

サシャ「ではいただきますね」コロコロ・・・ガリッコリッ

回想終わり↑


ベルトルト「…それで彼女は、本当に先生が来るまでに飴を全部食べてくれたんだ。優しいよね///」

アニ「……」

ライナー「あ、ああ…」

アニ・ライナー(それはただ食い意地が張ってるだけじゃないか…)

ベルトルト「その時から彼女が気になり始めて…よく見たら顔も可愛いし…」

ライナー「乳もあるしな」

ベルトルト カアアア////


アニ「……」机の下でライナーの足をフミツケッ

ライナー「うがっ、………っ!」

アニ「それからどうやってつきあうまでになったんだい?」

ベルトルト「う、うん」

ライナー「アニ、ギブギブ」

アニ「ふん」

ベルトルト「それから僕なりに毎日がんばってみたんだ」


ベルトルト回想1

ベルトルト「サシャ、飴食べる?」

サシャ「わあっいただきます!」

サシャ コロコロ ニコニコ

ベルトルト(美味しそうに食べるなあ///)


ベルトルト回想2

ベルトルト「ラムネいる?」

サシャ「もちろんです。ありがとうございます!」

サシャ パクッパリパリパリ ニコニコニコ

ベルトルト(可愛いなあ…///)


ライナー「なぜ、さっきと全く同じ回想なんだ?」

ベルトルト「え、気になるんだったら、「飴」「ラムネ」を「ガム」にでも「チョコ」にでも置き換えてくれたらいいんだけど」

アニ「……」

ベルトルト「毎日、そんな感じだったから///」

ライナー・アニ(それはただの餌付けだろ)


アニ「まああんたなりのアプローチだったんだろう…。それで?」

ベルトルト「それでなんだかいい感じだったから、5月に入ったころ、思い切って告白してみたんだ」

ライナー(やっと)

アニ(話が核心に入った)

ベルトルト「サシャに「放課後屋上へ来て下さい」って書いた紙を授業中に渡して…」

今回はここまで。


回想↓

―屋上―

ベルトルト「呼び出した僕の方が遅れてごめん」

サシャ「いいですよ。どうしたんですか?」

ベルトルト ゴクリ///

ベルトルト「え、ええっと…///」

サシャ「?」

ベルトルト(僕がんばれ!台本を書いて、昨夜までさんざん練習したじゃないか!)

ベルトルト「あの、呼び出した段階でどういう話が大体察しがついてると思うんだけど…」


ベルトルト「よ、よかったら僕とつきあって下さい!」

サシャ「え」

ベルトルト(や、やった。言えたあ…!)ドキドキドキ////

サシャ「わ、私とですか?」

ベルトルト「う、うん」ドキドキドキ///

サシャ「そんなこと言われたの初めてですけど…」

ベルトルト ドキドキドキドキ///


サシャ「…これからも毎日おやつくれますか?」

ベルトルト「!い、いいよ。なんなら、僕の分もあげるよ!」

サシャ「本当ですか!?//// わーい、だったらベルトルトとつきあいます!」

ベルトルト「ほ、本当にいいの?////」

サシャ「はい!これからよろしくお願いしますね!」ギュウ

ベルトルト「!(わ、わあ、両手を握られちゃった…!////)」

ベルトルト「う、うん。こちらこそよろしく////」

サシャ ニコ

ベルトルト「え、えへへ…////」

↑回想終わり


ベルトルト「それから毎日おやつをあげる仲に…///」

ライナー・アニ(飼育係と変わりないな)

アニ「…まあでも、一応、つきあうって了承はしてくれてんだね。安心したよ」

ベルトルト「も、もちろん。ぼ、僕が彼氏でサシャが彼女…////だよ」

ライナー「他に彼氏彼女っぽいことはしてないのか?」

ベルトルト「う、うん…何もしてないかな」

ライナー「……」

アニ「……」

ライナー「お前…」


アニ「それじゃ、中学男子レベルじゃないか!」

ベルトルト「だ、だって、一緒に帰ろうだなんてとても誘えないよ////」

ライナー「告白までしといて何を言ってるんだ?」

ベルトルト「告白で勇気を使い果たしてしまったんだ…」

アニ「これから先どうやって生きていくつもりなんだい」

アニ「というか、それって本当に彼氏で彼女なのかい?ただ一方的に菓子をやってるだけじゃ、つきあってるとは言えないね」

ベルトルト「そ、そんな…」ガーン

ライナー「すまんベルトルト。お前をかばう言葉が見つからない」

ベルトルト「ライナーまで!?」ガガーン


ライナー「まあそんなんじゃ、彼女の誕生日も知らないのは無理もないな」

ベルトルト「うう…」シクシク

アニ「だけど幸いさっきの発言でサシャの誕生日が分かった。しかも準備期間は一週間もある」

ベルトルト「え?」

ライナー「そうだな!ここはひとつ彼氏らしく誕生日を祝って、二人の仲をステップアップさせちゃどうだ?」

ベルトルト「えええ?そ、そんなの無理だよう」

ベルトルト「僕、女の子が喜ぶ誕生日なんて全然分からないよ」オロオロ


アニ「私の誕生日を毎年祝ってくれてるじゃないか」

ベルトルト「あ、そ、そうか」

アニ「それの応用でいいんだよ」

ベルトルト「じゃあ、ぬいぐるみでもあげようかな」

ライナー「いいんじゃないか」

アニ「待って。それは私の趣味だ。プレゼントは、サシャが欲しい物じゃないとダメだろう」

ベルトルト「え、サ、サシャの欲しい物?サシャはなんでも美味しそうに食べてくれるからなあ」


アニ「食べ物限定でなくともいいだろう。本とか小物とか、それこそぬいぐるみでもいい」

ベルトルト「え、で、でも、サシャが食べ物以外で好きな物なんて知らないよ」

アニ「彼氏なんだから、それくらい訊けばいいじゃないか」

ベルトルト「え、ええっ…///」

ベルトルト「それじゃ僕がサシャの誕生日を祝ってあげるって知られちゃうじゃないか///」

アニ「あんたあの子のなんなの?」

ライナー「彼氏が彼女の誕生日を祝ってやるなんて普通だぞ」

ベルトルト「で、でも、僕なんかが…」


アニ「あんたは一応、あいつに告ってOKもらったんだろう?自信持ちな」

ベルトルト「だって、おやつをあげるだけの仲だし…」

ライナー「自覚はあったんだな」

ライナー「まあ、極秘に進めて、誕生日に驚かすっていう手もあるな」

ベルトルト「そ、それだよ。そうするよ」

アニ「当日逃げんじゃないよ」

ベルトルト「う……」


ライナー「じゃあ、週末にプレゼントを買いにいけばいいな」ガタン

アニ「準備期間が一週間もあって良かったね」ガタン

ベルトルト「ま、待って。僕一人じゃとてもサシャが喜ぶようなプレゼントなんて思い付かないよ」

ベルトルト「二人も一緒に考えてよ」

ライナー「それくらい一人で…と言いたいところだが、お前もサシャの好みの小物を知らないんだったな」ウーン

アニ「…ちなみに何をあげるつもりなの?」

ベルトルト「え、そ、そうだなあ。僕のお小遣いにも限りがあるから、できれば二千円以内くらいのものかな」


アニ「…二千円で全く何も買えないわけじゃないけど、もう少し出せないのかい」

ベルトルト「でも、僕のお小遣いが月に五千円でしょ」

ベルトルト「サシャのおやつを買うのに百円×約20日で残り三千円」

ベルトルト「ライナーと交代で買ってる別マガは今月僕の番だったから、これで残り二千五百円。これがギリギリラインだよ」

アニ「……」

ライナー(結構貢いでるんだな…)


アニ「あんた料理得意じゃないか。ケーキ焼いてあげれば?」

ライナー「そうだな。手作りの弁当なんかもいいんじゃないか?」

ベルトルト「え、僕の作る物なんて普通だから、あんまり喜んでくれないんじゃないかなあ…」

アニ「あんたの料理の味は私達が保証するよ」

ライナー「それに彼氏彼女の関係なら、手作り品は喜ばれるプレゼント上位に入る」

ベルトルト「アニ…ライナー…」


ベルトルト「わ、分かった。僕がんばってメニューを考えるよ!」

ライナー「そうだ、その意気だ!」

アニ「残りはプレゼントだね。何がいいか…」

ライナー「そうだ。一緒に出かけて、サシャが気になるものを観察してみればいいんじゃないか?」

ベルトルト「!?」

アニ「そうだね。訊くのが嫌ならそれが最も確実だろう」

ライナー「さりげなく雑貨屋や本屋に寄って…」

アニ「サシャの視線の先を盗み見る」


ベルトルト「だ、だめだよ、そんなことできないよ!」

アニ「はあ?」

ライナー「どうしてだ」

ベルトルト「そ、それって「デート」だろう?」

ベルトルト「デートに誘うなんて真似、僕にはとてもできないよ…!」

ベルトルト「しかもそれって二人きりで会うってことだろう?き、緊張しちゃってダメだよ…!」

アニ・ライナー「」

ライナー「何を言ってるんだ、お前はサシャの彼氏だろう!」


ベルトルト「む、無理だよう~」

アニ「告白までしといて何言ってるんだい!」

ベルトルト「告白だけでも心臓が口から飛び出そうだったのにそれ以上は不可能だよ~」ウウ

アニ「なっさけないね。知ってたけど!」

ベルトルト「うう…」ビクビク

ライナー「仕方ない。俺達も少し手伝ってやるかアニ」

アニ「え?」

ベルトルト「?」グス

今回はここまで。


ライナー「ようするに、①デートに誘う②二人きりという状態が緊張する、問題点はこの2点だろう?」

ライナー「なら、アニと俺とで助けてやろうじゃないか」

ライナー「ここに一枚で二人まで入れる映画の券がある。これで、俺達三人に加えて、サシャを誘ってやればいいじゃないか?」

アニ「!」

ベルトルト「ライナーそんな…そんな大事な物を提供してくれるなんて…」

ライナー「いや、元手はタダだ。親戚がくれたものなんだ」


ベルトルト「でも、ライナーだって誘いたい子くらいいるだろう?」

ベルトルト「それを我慢して僕に協力してくれるなんて…うう、ライナーいつもありがとう」ウッウッ

ライナー「何を言っている。俺とお前の仲じゃないか」

ライナー(俺にクリスタを誘う勇気はまだないしな…)

ライナー「これで②の、二人きり、という問題は解消されるだろ」

アニ「…それだってベルトルトがサシャを誘えないなら意味ないじゃないか」

ライナー「そこでお前の出番だ」

アニ「わ、私?」


ライナー「お前がサシャを誘ってやればいいだろう。同性なら別に勇気なんていらないし、ベルトルトも助かるだろう?」

ベルトルト「そ、そうしてくれれば助かるよ、アニ!」

アニ「………」

アニ「あんた達は女心ってものが全く分かってないね」

ライナー「な…?」

ベルトルト「えっ…?」

アニ「まず、彼氏参加のイベントに、彼氏以外の奴に誘われて喜ぶ女がいるかい?しかも、そんなつもりは全くないけれど、私は普段彼氏と、彼女より仲良くしてる女だよ」

ベルトルト「あっ…」

ライナー「……」


アニ「ベルトルトの話が本当なら、これが二人の初デートになるんだろ。それに彼氏の友達、しかも女が着いてくるなんて迷惑な話じゃないか」

ベルトルト「そ、そんなことないよ」

アニ「あんたはそうでも女はそうは思わないんだよ」

ベルトルト「ふえっ…」

ライナー「…確かにそうだな」

アニ「最期。…私とサシャは今まで一言も口を訊いたことがない。そんな相手に話しかけるのは私にだって勇気がいるよ」

アニ「ベルトルトが楽する代わりにそんなことをするなんてごめんだね」

ベルトルト「うう…」


ライナー「うーん、アニが言うことはいちいちもっともだ」

ベルトルト「そ、そんなあ…今さら一人で誘うなんて無理だよお…」

アニ「じゃあもう、やめれば?あんたがサシャに「彼氏のくせに誕生日も祝ってくれない人」と思われるだけだ」

ベルトルト「う、うう…」

ライナー「よし、分かった」

ライナー「じゃあこうしよう。①誘うのはベルトルト②ただし映画には俺とアニも参加してやる。でどうだ?」

アニ「ええ?」

ベルトルト「えっライナー…」


ライナー「まず①。確かにアニが誘うのは変な話だな。よって、ここまではベルトルトが責任を持ってこなす」

ライナー「②だが、俺は数回ほどサシャと話したことがある。「彼氏と仲のいい女友達」に嫉妬するような奴には到底見えなかった。断られたら諦めればいいんだし、とりあえず誘ってみるだけでもいいじゃないか?」

アニ「えっ、そんな…(万一の場合、憎まれるのは女の私じゃないか)」

ベルトルト「デ、デートには二人がついてきてくれるんだね…。じゃあ、誘うだけなら………」ブホッ

ベルトルト「と、とてもできないよ…!」

ライナー・アニ「」

アニ「そこまでは私も世話しないよ!?」


ライナー「そうだ、そのくらいは自分でしろ。ベルトルト!」

ベルトルト「だ、だって、「一緒に映画へ行こう」だなんて…は、恥ずかしくて言えないよお~」ウエエ

アニ「…いいんだね」

ベルトルト「え?」グスグス

アニ「サシャに「彼氏らしいこと全然してくれないんですね。さようなら」って言われてもいいんだね?」

ベルトルト「!?」

ベルトルト「そ、そんな、そんなこと…」ブルブルブル

ライナー「おい、あまり脅かすのは」


アニ「私なら、自分から好きになった男ならまだしも、告白してそれっきりなんて男はお断りだね。だってそれってつきあってるって言えるのかい?」

ベルトルト「……!」

ライナー(確かにそうだろう。ベルトルトがんばれ…!)

アニ「今のあんたはサシャのおやつ係だ。彼氏でもなんでもない、ただの金ズルだ」

ベルトルト「か、金ズ…」

ベルトルト ガーン

ライナー(悔しいだろうが、それが今のお前の現状だベルトルト。自覚して、そこから抜け出す努力をするんだ!)


ベルトルト「た、確かにそうだ。今の僕はサシャのおやつ係。とても彼氏とは言えない…!」

アニ(よし、ちゃんと現実を受け入れたね)

ベルトルト「そ、そんなのは嫌だ。ちゃんとした彼氏になりたい。そ、それに、もう少しサシャと仲良くなりたい…///」

ライナー(よし、あと一歩!)

ベルトルト「分かったよ、アニ、ライナー。ぼ、僕、サシャを映画に誘うよ!」

アニ「よく言った」

ライナー「男だなベルトルト!」

ベルトルト「え、えへへ…」

ベルトルト「そうと決まれば…!」

アニ・ライナー「ああ!(サシャはまだ教室に残ってる(よ)ぞ!)」


ベルトルト「早く家に帰って、サシャを誘う練習をしよう。ついでに料理のメニューも考えよう」

アニ・ライナー「え」

ベルトルト「二人も手伝ってくれるよね!」

アニ「あ、ああ…」

ライナー(ま、まあ、一歩進んだことだし、よしとするか)

続きがなかなか書けないので、ある程度書き溜められたらまた来る。

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