アニ「悪魔の嘲笑」(169)


*バレ・捏造・妄想・地の文多め、その他色々あり。ゆっくりsage更新、転載禁止。
 ちょっと黒いベルアニ。あわない方はそっ閉じ推奨。


訓練兵団に入団して、2年が経過した。

馴れ合いの兵士ごっこに興じるほど馬鹿になれなかった私は
必要最低限の会話以外、こちらから話しかけることはしない。
話しかけられたら答えるだけ。それ以上の関係になろうとは思えない。

ただ、黒髪のおさげの少女はお節介で、一人でいる私によく話しかけにくる。
私は一人がいいのに。一人の方が気が楽なのに。
そう断っても、何度も話しかけにくる。

だからだ、仲が良いと勘違いされるのは。迷惑な話だ。


そんな彼女が、立体機動の訓練で怪我をした。
全治3週間の軽い骨折らしいが、命が助かって良かったと医師は言う。

怪我をした原因は装置の確認ミスだ。
訓練中に装置が故障して、木に体をぶつけた。それだけでも怪我を伴うが、
幸いなことにアンカーの片方は木に刺さったままだったため
地上にたたきつけられることはなかった。

医務室に運ばれた彼女に、着替えを持っていってやってくれと
教官からの指示がなければ、そのまま部屋に戻って早めに就寝出来ただろうに。

…迷惑な話だ。


アニ「あんたらも気をつけなよ」

月明かりの下で久しぶりの"報告"を終えた後、私はそう言い放つ。

遅れた理由は、今日も医務室に届け物をしていたからだ。
誰が怪我をしたかだなんて話は、訓練兵の間では半日もせず広まる。
明日はわが身かもしれない、ということなのだろう。

ライナー「ああ。怪我してもすぐ治っちまうからな」

打撲系の怪我ならまだしも、切り傷はまずい。
傷跡が消えてしまうばかりか、蒸気を発しながら治る様は普通ではない。
それが人ではないモノとして認識されてしまうから、私たちは怪我をしないよう
細心の注意を払う必要がある。


ベルトルト「…にしても、よく死ななかったね」

アニ「腕の骨折と打撲で済んだんだって。悪運の強い子だ」

明日から座学には復帰する、遅れた分を取り戻すと息巻いていた。
ならば着替えを持ってくる必要もなくなるねと言えば
風呂が入りにくいから手伝ってと厚かましいお願いをしてくる。

ライナー「まぁ気をつけるにこしたことはないな」

アニ「特にあんたはね」

図体がでかいから、と後に付け加える。
なんで俺なんだ、でかいってならこいつもだろうと言う彼だが
あんたが医務室にいられちゃ暑苦しいんだよと軽く蹴りを入れる。


いつも通りのやり取りだ。他愛もない話をして、小突いて別れる。

この時間に部屋を抜け出るのも私には珍しい話ではない。
あの息苦しい部屋にいるくらいなら、点呼時間まで外に出て
暇を潰した方がどれだけ楽か。

しかし一人で時間を潰すのは、さすがに毎日だとネタが尽きて暇になる。
こうして仲間だけで集まって話していると、
いつもより早く時間が経ってしまうのは仕方ないといえよう。

脛を蹴られて痛がる彼を笑っていると、視線に気づいて顔を上げた。

アニ「なに?」

ベルトルト「…何でも。先に戻るね」


普段から何を考えているのか分からない奴。
任務遂行の仲間として最後に加わったのがこいつだった。
誰よりもでかいくせにいつも人の目を気にして、おどおどしている。

他の2人も思ったのだろう。こんな奴が仲間になって大丈夫なのかと。
だから連れてきた大人がその場を離れた際に、2人は彼に「見せてみろ」と言ったのだ。

無闇に力を使っちゃいけない、怒られるからと拒否をする彼に
見せないなら仲間として認めないと詰め寄った。
私も足手まといなら必要ないと思っていたし、そんな2人を止めはしなかった。

…まさか60m級になるとは思わなかったから。


噂でしか聞いたことのない、超大型。
自分達とはまるで違うその姿に、正直3人とも腰を抜かした。

騒動に気づいた大人達が戻ってきて、慌てて姿を見せた彼はひどく憔悴していた。
生み出した質量が多ければ多い程、体にかかる負担は大きい。
単純に高さだけを計算すると、彼の1回は私の4回以上に相当する。
1日に4回も巨人になろうものなら、当時の私なら
貧血と疲れで立っているのすらやっとだったろう。

フラフラになりながらも、彼は謝っていた。ごめんなさい、ごめんなさい、と。

そんな彼を見て、2人は自分達が彼に頼んだのだと大人に言った。
彼は悪くないのだと。自分達が無理を言ったのだと。
仕方がないから、私も頼んだと言った。

彼は驚いていた。何かと聞いたら、首を横に何度も振った。


推測に過ぎないが、彼の血は貴重だ。
だから最後まで隠されていて、私達に彼を守るように大人は命じた。

そしてその力を使いこなせるよう、彼は様々な"教育"を受けてきたことだろう。
強すぎる力を抑える為に、意思を殺すように。
そう、初めてあった時、彼は感情に乏しかった。

そんな彼が笑うようになったのは、2人がよく絡んで相手をしていたから。
彼曰く、同年代の人間に会うのがはじめてなのだとか。

私も同年代の人間とは縁のない生活を送ってきた。
父親の理想の為に武術を教えこまれていたのだから。


アニ「…ねぇ」

ライナー「ん?」

アニ「あいつ、何かあったの」

姿が見えなくなってから尋ねる。
見下ろす黒い瞳は、まるで初めて会った時のような…いや、
あの時よりもさらに深みが増していたような気がする。

ライナー「いや…何もないと思うが。疲れてんじゃないか」

アニ「…そう」

夜で暗いせいだからだろうか?
明日、明るい時間帯に確認しよう。
杞憂であれば良いし、何かあったのなら聞き出せば良い。

明日といえば、休んでいた分を教えて欲しいと言われていたのだった。
本当に、迷惑な話だ。


…開幕から妄想全開。続きは明日早く帰れたら。
内容が内容だけに投下するのにドキドキするチキンだ。

子供の頃の話は完全妄想ですが、今後の展開の為にこの設定でいってみる。
他のパターンも考えたんだけど…別の話で使おう。
なお、「悪魔の微笑」の方を読んでる方がいましたら
ネタが被る部分が出てきても全くの別物としてお付き合いください。


微笑の方を好きと言ってくれてありがとう…
でも今回は胸糞悪い話になるかもしれん。
微笑好きな人は アニ「もし私に何かあったら」で
チラッと後日談らしいものがあったりするよ。

嫉妬ルトって知っとると?………すまん。
期待されるとプレッシャーで死にそうになるから
こっそり見守っておいてください。

あと…名前欄に1と書いてる人が多いので俺もそうしてみるぞ。


対人格闘訓練の時間は、つまらないことこの上ない。
技術のなさを指摘する気にもなれず、一人でサボって
教官に注意を受けるのも面倒くさい。

図体のでかいアイツを宙に舞わしてからは
私と組もうと考える者はよほどの物好きか、それこそ
死に急ぎ野郎くらいのものだった。


物好きから声をかけられる前に、辺りを見渡す。
同期の中で一番背が高いくせに、探すのは骨が折れる。

…いた。最近はアイツと一緒に行動をしていないようだ。
理由は分かる。アイツの近くには彼が苦手な人物がいるからだ。
直接的ではないにしろ、母親を殺したが故に彼のことを憎む人間が。

彼がそうしたことを知るわけはないのだが
それでも、そのことが原因で死に急いでしまっているのだから
傍にいるのは苦痛以外の何物でもないだろう。


少し困った顔をして、頼まれたのか小さな少女に格闘術を教える彼は
いつもと変わらないように見える。

…ただの思い過ごしか。

「よっ。暇なら付き合えよ」

アニ「…教えてください、の間違いじゃないのかい」

声をかけながら視界を遮る目の前の人物に、呆れながら答える。


エレン「今日という今日は負けねえ。勝負だ、アニ!」

アニ「…ったく。少しは自分の技量を自覚したらどうなんだい」

アイツと一緒に最初に宙を舞ってからというものの
私の格闘技術を盗もうと、こうして何度か挑戦を受けている。

蹴り技はなんとか様になってきたものの、極め技に関しては
まだまだ覚えはじめたばかりで話にならない。

だが…。

脇を締めて腕を目の高さでピタリと静止させると
真剣な目をして、エレンもまた構える。

いいだろう、今日は新しい極め技で負かしてあげようじゃないか。


しょぼくれるエレンを尻目に、技を極める際に少し土のついた服を手で払う。

エレン「畜生…今のなんだよ…」

アニ「蹴りを覚えたくらいで調子に乗るんじゃないよ。
   このくらい、あんたと違って…」

あいつらなら対処できる、と言おうとしてやめた。

ここに来る前に、今はいない仲間のリーダーだった男に
背の低さで馬鹿にされた時、思いっきり蹴り上げたことを思い出す。

なんだそれ、すっげぇな!と瞳を輝かせる3人に技を教えてやったのは
もうはるか昔の記憶に思えた。

アニ「…私は小さい頃から教えこまれてるんだからさ」


ちらりと横目で先ほど見つめていた場所を確認する。

成績上位で、対人格闘もそれなりの技量があり
物腰は柔らかく丁寧に教える彼に教えを請う者は
私と違って多く存在する。

ふと、そんな彼と視線があった。

ほんの一瞬。されど、その瞳は吸い込まれるように深い色をしていて…

エレン「うーん、そんな小さいうちから格闘術教えるなんて、
    お前の親父さんって……アニ?」

アニ「…あ、あぁ」

エレン「どうかしたのか?」

アニ「何でも。うちはお母さんがいなかったからね」

エレン「ああ…それで、か」


アニ「なに?」

エレン「親父さんは、アニに強く生きて欲しかったんじゃないのか」

アニ「……」

エレン「なんだよ」

アニ「…あんたに何が分かるってんだい」

エレン「お、おいっ」


分かり合えるはずなどない。
私達がやったことを知ったなら、こいつらはどういう反応をするだろう。

その前に知られてはならない。深入りは禁物だ。

呼び止めるエレンを放って、教官に見つからないように
新しい相手を探すフリをして時間を潰すことにした。

…今日はココまで。ゆっくり更新ですまない。


微笑の前の話かな?

>>26 微笑とは時期が同じだけど話としては別物です。

これはちょっと黒いベルアニ。甘い話を期待してる方はそっ閉じしてください。
…では少ないですが続き投下。


あれから数日。

視界の隅に彼を確認しながら様子を見守るが、やはり何かあったのだろう。
時々、目を伏せて考える仕草をしている。

約束した次の集まりまではまだ期間がある。
アイツが何も知らない、気づいていないのなら、
珍しく相談も何もしていないということだ。

となると、アイツには話せない内容なのだろうか。


ミーナ「…聞いてる?アニ」

アニ「聞いてるよ。固めた腕が痒いんだろ」

ミーナ「そう!この痒み、アニにも分かって欲しいなぁ」

アニ「…私はそんなヘマはしないから」

ミーナ「もぅ。なんとかならないかなぁ、これ」

アニ「さて、私はもう行くよ。次は立体機動訓練だからね」

ミーナ「点検しっかりしてよ?」

アニ「…あんたじゃあるまいし」


一緒に行動する人間がいないと準備に手間取らないのか
一人で装置の点検を終えた頃、ようやく彼が倉庫に入ってきた。

アニ「ちょっといい?」

ベルトルト「…な、何?」

アニ「今日の訓練は誰かとペアらしいけど、決まってるの」

ベルトルト「まだ…決まってない、けど」

アニ「じゃあ一緒に組んでよ。ミーナが怪我してて相手がいないんだ。
   それに、一度成績上位のあんたとやってみたかった」


嘘ではない。これまでは関係がバレないように接触をしていなかったが
上位同士で全く組まないというのもおかしな話というもの。

周囲に人がいるのを確認した上で、話しかけている。

ベルトルト「…いいけど、その、」

アニ「よろしく」

何か言いたげな様子だったが、ヒラヒラと手を振って後にした。


…今日10体目の模型のうなじを削ぎ落とす。

腕に差があるとはいえ、ミーナとはよく組む仲だから連携はうまく取れていた。
他の上位陣と組んだこともあるが、ここまで短時間で10体を討伐するのは初めてだった。

アニ(…やるじゃないか)

私の後に続いてうなじを削いだ後、木にアンカーを指して
器用に長身を静止させながら、ブレードで次の方向を指し示す。

訓練を始める直前の打ち合わせで、いつもどう行動しているのかを問うた。
私は相手がミーナであれ誰であれ、初撃をすることが多いと伝えると
とりあえずいつも通りにしてくれたら合わせると答えた。
…まぁ、彼が先を行くことは想像できなかったけれど。


次の模型をどのルートで探すかの方向転換は
いつもなら追いついてきた相手を待つ間に、周囲を確認して次を決めていた。

たまたま一緒に組んで本気で飛ばすことができたのは、アイツかジャンか。
それでも斬撃を交えると、私より先を飛ぶ人はいない。ミカサとは…組んだことがない。
2人と組んだ時は、方向を示すのは彼らが担当していた。
女に指示されるのが嫌だったのだろう。

彼の力量を見るために、飛ばして1体目を削いだ後の時間を計ろうとしたが
その必要はなかったらしい。本気で飛ばせる3人目として認識したところで
次の方向をどうしたものかと声をかけたら「あっちに見えた」と答えた。

周囲を警戒しながら行動するのは、私とて得意なのだが。
視線の高さも、立体機動を用いれば同じはずだ。


「高いとこ、慣れてるから…」

眉をひそめる私に、彼は遠慮がちに言った。憎いが納得した。
背の高さでこいつに勝てるとは思えない。人の時も、巨人の時も。

見えた時はブレードで方向を示してと伝え、その後から伝えられた方向には
必ず模型が存在した。最短距離で模型と模型の間を飛んでいるのだから、
自然と討伐スピードも速くなる。

お互い声を発しないまま目線でやり取りを続け、ひたすら飛び続ける。
最終地点に到着した時は、どこか清々しい気持ちさえした。


アニ「お疲れ」

ベルトルト「お疲れさま」

他の訓練兵が確認できないところを見ると、到着は一番手だったようだ。
単身行動の時はこの光景も何度か見たものだったが、誰かと行動を共にすると
そういうわけにはいかない。

アニ「なるほどね、マルコが褒めるわけだよ」

ベルトルト「マルコが…?」

アニ「あんたは何でもそつなくこなすけど、立体機動の時は特にそうだってね」


根っからの指揮官と仲間内で言われるマルコだが、
自分を含め、訓練兵のそれぞれの特徴をよく捕らえているのだろう。

たまたま一緒になって訓練を終えた後、君は前衛向きだねと言われたのだ。
勝手に分析されたのがつまらなくて、他の奴らの印象も聞いてみた。

大体は私の印象と変わりはしなかったが、前衛と後衛、一人だけどっちか分からないと。
それが彼のことだった。斬撃の深さや身軽さから、前衛をさせてもうまくいくし
サポート役をやらせても、どんな人とも合わせることができると。

人の動きをよく観察していて、相手に気づかれないように気配りもできる。
僕はそこまで技術がないから、彼のように器用なのは羨ましいよ…と。


それは、私から見れば違った感想になる。
観察眼も、気づかれない気配りも、全ては任務の為に身につけたもので
そこに主体性があれば良い兵士になれたのだろうが、彼には必要ではない。

確かに、同等の技量を持っていたとしても
私が人をサポートすることは、まずない。
それができるのは彼の性格でもあるのだろうが…。


アニ「でも、ほんとに見えたの?」

ベルトルト「半々、かな…模型じゃなくても、設置音や、振動で鳥が飛び立つ姿とか」

呆れた。普段から周りのことに神経質になりすぎ、脅えすぎだと
注意をしていたのだが、こんなところで能力を開花させなくても。

アニ「それ、他の奴らにも言ってるの」

ベルトルト「言えるわけないじゃない…」

アニ「だろうね。言わないほうがいい」


他の訓練兵が到着し始める。
アイツは死に急ぎ野郎と組んでいたようだった。

アニ「まぁ」

ベルトルト「?」

アニ「何かあったなら言いな。一人で考えこまずに」

不意にそう言われ、呆然としていたが
アイツらに視線を滑らせると、今日誘った意図も伝わったのだろう。
彼はありがとうと小さく微笑んだ。

…あれ、なんか全然黒くない。いや、まぁこれからなんだ…。

sageて書いてるのにたまに上がるこの仕様は何なんだろう…

ごめん、俺が馬鹿だからなんだけど、
あいつ→ライナー
彼→ベルトルト
ってかんじでいいのかな?
エレンは関係ないんだろうけどどうしても混ざって混乱する

>>42 あってますよー。というか気づいてくれてありがとう。
アイツ=ライナー
彼=ベルトルト
他は名前…で書いていこうとは思ってます。

期待が多いとドキドキして死ぬ。
…少し投下。


ベルトルト「でもすごいよ、あそこから直角に近い方向転換だもの」

アニ「あんたと違って体が小さいからね。負荷が少ないのさ」

週に2回、訓練所に届く食材の荷降ろしと内容の確認。
当番の中では比較的重労働の作業だが、ここには男女など関係ない。

アニ「しかしほんとにまぬけだね」

ベルトルト「何が?」

アニ「ジャンとマルコ。コニーから貰った菓子が原因なんだろ?」

ベルトルト「ああ…うん」


本来ならジャンとマルコ、そして私が当番だった。
だが、昨日の晩にコニーが部屋に菓子を持ち込み、
それを部屋内の人間で分けて食べたところ…
今朝からトイレが大渋滞、というわけだ。
いつ買った菓子を食べたのだか。

アニ「あんたは食べなかったの」

ベルトルト「お菓子、あまり好きじゃないし…」

アニ「アイツは?」

ベルトルト「彼は教官に呼び出されてていなかったんだ」

ということで、当番の代わりに彼が来て
部屋の人間はアイツが看病しているのだそうだ。


アニ「おかげで気まずい環境にならなくてよかったけど」

ベルトルト「気まずい?」

アニ「ジャンとは馬が合わない」

ベルトルト「馬面だけに?」

まさかこいつが冗談なんて言うとは思わなかったから、盛大に吹いた。
彼もつられて一緒に笑っている。こんな風に一緒に笑うのは、いつぶりだろう。

アニ「ああ、次にジャンに会ったら笑ってしまうじゃないか」

ベルトルト「僕も。この後戻ったら危ないよ」

他愛もない会話。他に誰もいない食料庫だからこそできる。
サシャ辺りが忍び込んでいてもおかしくはないが
今週は私が当番だと知っているから、それはしないだろう。


アニ「でも、代わりに行くって…何か言われなかった?」

ベルトルト「…どうして」

アニ「その…私が、いるから」

自分の周りからの評価は承知している。
冷たい、感情のない女。それでいて大男を宙に舞わす怪力女。
ミカサとは違って、特に仲の良い仲間がいるわけでもない。

それは自分が望んでそういう状況にしているのだから
周りがなんと言おうが関係ないのだが…。

ベルトルト「…別に。この前の立体機動訓練で一緒に行動してるし」

確かに2人での行動は初めてではない。でも、彼の表情からするに
それが理由で「大丈夫」と答えたのだろう。


アニ「まぁいいよ。にしても、あんたとやった方がアイツより成績が伸びそうだ」

ベルトルト「…ライナーと?」

アニ「うん。アイツとやると初撃の奪い合いになるんだ」

ベルトルト「…そう」

少し顔色が曇る。
やはり、アイツと何かあったんじゃなかろうか。


アニ「…何かあったの?」

ベルトルト「ううん。…それ、持つよ。重いし」

アニ「ったく。ここは男女関係ないって言ってるだろ」

ベルトルト「でも…」

アニ「私を女扱いするのは、あんたと…マルコと、アルミンくらいだね」

ベルトルト「…アルミンも?」

アニ「ああ。けど私の方が強いから、気を使ってくれるだけさ」


食料庫までは業者と一緒に運ぶことになっているが
そこからの確認と、指定位置への移動が当番の仕事。
木箱に指をかけ、力をこめる。

…重い。中身は芋となんだったか。

すっと長い指が伸びる。力を入れた指先が軽くなり、
木箱がしなって音を上げながら宙に浮く。
顔を上げると彼が微笑みながら見下ろしていた。

君はそっちをお願い、と葉物野菜の入った箱を目線で示す。
そんな気遣いなんかいらないのに。


重たい木箱を全て片付けて、最後に残った
缶に入った調味料を棚の一番上の段に入れていく彼。
私では届かない位置にあるが、足元にある踏み台を使えば届くだろう。

箱の中にある缶を手に、踏み台に足を置いた、その時…

ミシッ…

ベルトルト「危ないっ」

アニ「え…」


視界がゆっくり後方に流れていく。足元がおぼつかない。
踏み台が壊れ、後ろに倒れていくのだと把握しながら
缶の中身がここでは貴重な調味料だと思うと手放すわけにもいかず…
背中を丸め、受身を取ろうとしたのだが。

視界が止まる。心配そうに彼が覗き込んでいる。


ベルトルト「…怪我は」

アニ「ない」

彼はほっと息をついたと思うと、顔を逸らした。
ああ、抱きとめられたんだ。

アニ「……」

ベルトルト「……」

気まずいよ。そういやって心臓高鳴らせられると。

アニ「…ありがと。これ、腐ってたんだね」

踏み台の足部分。木がぼろぼろに脆くなって、折れて破片となり散らばっている。


預けていた体重を戻して立ち上がり、離れたついでに缶を握りなおす。
それを彼に手渡すと、棚の一番上の段に置いてくれた。

アニ「…なんか手間かけさせちまったね。お礼に何かするよ」

ベルトルト「…来週、また立体機動訓練でペアがあるから。一緒に組んで貰っていい?」

アニ「そんなのでいいの?」

ベルトルト「うん。できたら、ミーナが回復するまで」

アニ「いいよ。じゃぁそれで」


食料庫を閉める彼からカギを受け取ろうとしたが
教官室に用があるから、ついでに返しておくと言われてしまう。

手伝って貰ってる身分なのにそこまでさせては
私の評判がさらに落ちると伝えると、
じゃぁと渋々カギを手のひらに置いてくれた。

用があるなら一緒に来るかと聞いたが、後で行くと返ってきた。
きっと、用なんてなかったのだろう。


カギを握り締めて、彼と別れる。
角を曲がって、息を吐く。

押し殺せ、感情を。流されるな。いつもの冷徹な私に戻れ。

他に誰もいないところで彼らと会った後、
こうして目を瞑り暗示をかけるようになったのはいつからだろう。

…そして、今日はいつもより時間がかかる気がした。

…本日はココまで。書くのに躊躇、投下に躊躇で進まないんだ。
頭の中では出来上がってるから完結はさせる。俺は約束を守る。

楽しみと言われると罪悪感で辛い。本当に甘い話にはならない。
…投下開始。


…男子寮。

ライナー「機嫌よさそうだな」

ベルトルト「そう?」

ライナー「今日もお前ら1位だったな。固定組んだんだって?」

ベルトルト「ミーナが回復するまでね」

ライナー「このまま固定組んじまえよ」

ベルトルト「…それ本気で言ってる?」


ライナー「まぁ俺もお前とやったほうが成績は伸びるし、ずっとは困るんだがな。
     おっと、エレンには内緒だぞ」

ベルトルト「……」

ライナー「ん?どうした」

ベルトルト「なんでも。来週からミーナ復帰するから、一緒に… 「邪魔するぜ」

エレン「なぁライナー、来週なんだけどもっかい組んでくれねえか?
    もう少しで何か掴めそうなんだよ」

ライナー「あー…」


ベルトルト「…教えてあげなよ」

ライナー「…すまん。また今度頼むわ」

ベルトルト「ん。僕寝るから…」

ライナー「よし。エレン、下行くぞ」

ベルトルト「……………」


物好きの相手をするのも、暇つぶしには丁度良い。
しかし暇つぶしにならない場合は、ただの時間の無駄だ。
…例えば、相手が上の空だったら。

アニ「いい加減にしなよ。やる気ないんなら絞めるよ」

努力も極度まで行き着くと、ただの死に急ぎ。
だからこそそんなあだ名がついてしまうエレンを投げ飛ばす。

エレン「…わりぃ。考え事してた」

アニ「ハッ、いいご身分だね。そんな状態で私に挑むなんて」

エレン「……」


アニ「頭冷やして 「アルミンが」

エレン「アルミンが、オレが隠したんじゃないかって。
    確かに、最後に借りたのはオレだけど…」

アニ「…喧嘩でもしたの」

エレン「座学のレポート借りたんだ。今日中に提出のやつ。
    昨日あいつの棚に戻したのに、なくなってて…」

頭を抱えているのは、親友に疑われたことへの悔しさからか。

体力のないアルミンにとって、座学は唯一輝けるところ。
だからこそ誰よりも力を入れるし、その結果が失われたとなれば
頭に血が上って思いもよらないことを口にした、ということは
少し考えればわかることだろうに。


アニ「違うなら一緒に探せばいいじゃないか。
   案外、アルミンの置き忘れかもしれないだろ」

エレン「…お前は信じてくれるのか?」

アニ「あんたがアルミンの恨み買って得することなんて何もない。
   疑うならアルミンに恨みがあるか、仲違いさせて
   あんたを困らせようとしてる連中か、どっちかなんじゃないの」

エレン「オレを…?」

アニ「喧嘩っ早いあんたのことだ。
   恨みの1つや2つくらい思い当たるんじゃないかい」

エレン「……」

アニ「何にせよ、事情は分かった。今日のところは見逃してやるけど
   私にやられて怪我でもしたって、早めにあがればいいんじゃないか」

エレン「! …あぁ、ありがとな、アニ!」


満面の笑顔を浮かべながら走り去るエレンは
その昔、まだ何も知らなかった頃の幼き自分達のようで
見ていられなくて背を向ける。

今日もまた相手を探すフリをして時間を潰すことにするかと考えながら
ふと、辺りを見回した。

…いない?

目に入るのは、横から刺すような視線を浴びながら
小さな少女に教えるアイツだけだった。

…どこだ。どこにいる?

見渡しても見つけられない。誰よりも見つけやすいはずなのに。
仕方なく、少女が友人に連れられていったところを
見計らい、声をかけることにした。


アニ「ねぇ、あいつは?」

ライナー「ん?なんだアニか」

アニ「ベルトルトは?いないの?」

ライナー「なんだ、対人格闘でも固定組んだのか?」

アニ「…は?」


立体機動訓練で固定を組んだことでさえ、
小さな噂になることは覚悟していた。
ただそれが、ミーナが復帰するまでということは
皆がいる前であえて約束した内容なのだし、噂になっても問題ないはずだ。

それに効率重視の私が、短期で成績を残すためだというのも
結果が証明している。ほんの1,2週間の固定くらい、誰も疑わないはずだ。
ましてや、コイツなら真意もわかるだろうに。

…何故、そんなことを聞く?


ライナー「今日はあいつ休みだぞ。今朝から青い顔して部屋で寝込んでいやがる」

アニ「寝込んでって…大丈夫なの」

ライナー「本人が1日寝れば治るって言ってんだから大丈夫だろ。なんだ、心配なのか?」

アニ「当たり前だろ。あんたこそ何やってんだ」

ライナー「幼馴染だからって甘やかしすぎるのもアレだろうに…」

アニ「…そうじゃなくて」

ライナー「やけに突っかかるな。さてはお前…」


にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべている。

…違う。こんな顔、アイツはしない。

瞬間、一つの答えが頭を過ぎった。まさか、そんなわけない。
でも現に、目の前の男は、私の知る男ではない。

彼の横顔が頭に浮かぶ。目を伏せ、どこか苦痛に歪んで、考えこむ、その姿が。

そんな、まさか、いや、でも、

ライナー「てかお前らそんなに親しかったか?」

アニ「…る、な」


ライナー「あ?」

アニ「それ以上、喋る、な、」

ライナー「…なんだ、どうした。大丈夫か?」

アニ「っ!近寄るな!」

ライナ「お、おい!」


なんてことだ。よりによって、アイツが、こんなことになるなんて。

唇を噛み締める。その痛みだけでは叫びだしたい衝動を
抑えるのが難しかったが、どうにか教官に気分が悪いとだけ伝え、
早退を願い出る。

よほど蒼白していたのだろう。本当に体調が優れないのを心配し、
誰か人をつけると言われたが、一人で帰れると答え
逃げるように寮に向かった。


寮の裏手に回りこみ、木に隠れて手をつくと
胃のムカつきが耐えられなくて、吐いた。

何度も何度も。目からは涙が溢れ、口からは胃液と
消化できなかった僅かな食料が全て吐き出される。
体中の水分が、全て外に出てしまいそうだ。


苦しい。助けて。

どうすればいい?

どうすればいいの?

誰か、誰か…


崩れ落ちるかのようにその場に座り込む。
意識が白けて遠のいていくのを
ただぼんやりと、他人事のように眺めていた。

本日ココまで。
好きなキャラの辛い場面を書くのは、俺まで辛い。

なおアルミンはエレンと仲直りして、
教官に期限延ばしてもらったそうだから安心してくれ。


苦しむ男の首元をさすっていると、震えが徐々に小さくなっていった。
思い出してくれているのか、単に調子が戻ってきただけなのか。

もし記憶が戻らないまま治ってしまったら
この手で、二人で楽にさせてあげよう。…そう、彼と約束をした。

震えが止まる。結果が怖くて、目を、耳を塞ぎたくなる。
彼は、恐る恐る声をかけた。


「…ライナー?」

「…俺は、何をしていた」

「ライナー…」

「俺は…お前らを、ここまで追い詰めたのか」

「………」

「はは…まいったな、なんて糞野郎だ」


涙が溢れる。

ごめんなさい、ごめんなさい。

二人で挟むように泣きつく。
まるで父親を求める子供のように。

大きな腕で、私達を抱きしめる。

お前達のやったことは、戦士として正しいことだ。
謝る必要はない、悪いのは俺なのだからと私達の肩を叩く。

違うんだ、そうじゃないんだと訴えるが

お前らの気持ちを、俺が知らないとでも?
馬鹿にするなよ、何年お前らの兄貴をやってると思っているんだ。

…そう言って、にやりと笑った。


ますます涙が止まらなくなって泣きつくと
お前が泣くなんて、よほど辛い思いをさせたんだなと
頭を大きな手で優しく叩かれた。

…本当に、アンタはいつだって優しい男だ。

久しぶりに3人で笑った。泣き笑いに近いものだったが
それでも、3人で互いのひどい顔を笑いあった。

…はぁ。お前らよくこんな話に付き合ってくれるもんだな。
残業予定がなくなったもんで書いてしまった。
妙な書き方をしてるせいでライナーに「彼」が使えなくて悩んだ。明日に続く…


本来の自分を取り戻してからも、アイツは時々不安定なことがあるようだった。
しかし普段の私達の関係を変えるわけにはいかない。
彼の瞳を見る限り、不安定ながらも今は落ち着いているのだろう。

就寝前の夜の散歩。これも変わらない日課として続いた。
また一人で時間を潰す日が増えるのは仕方ないと思っていたが
倉庫裏に行くと、彼は壁を背に座っていた。

アイツの近くにいなくていいのかと聞いたが
完全に忘れると今度こそお前らに殺されるからなと笑われたそうだ。


隣に座り、肩を寄せ合って話をする。

今日の立体機動訓練でも、ジャンはサシャとコニーに獲物を奪われたとか
エレンが対人格闘で極め技の一つを覚えたとか。
…アイツは、懲りずに小さな少女を追いかけている、だとか。

他愛もない話をする。


そろそろ戻る時間になった時、話が続かなくなって無言になった。

これまでは…ここで、いつも泣きあって、抱き合って。
キスをして、時々、求め合った。

思い返せば、お互いの気持ちを話したことはなかった。
彼の気持ちは分かっている。でも、私はどうなのだろう。

考えていると、彼は私を柔らかく抱きしめた。
相変わらず心臓は高鳴っていて、体は熱い。


君が嫌じゃなければ、これからもこうして話をさせて欲しい。
嫌じゃなければ、こうして抱きしめさせて欲しい。

そして嫌じゃなければ…

………

こうして、キスをさせて欲しい。


彼の背中に腕を回す。

…反則だよ、嫌だなんて言えないじゃないか。

就寝前の夜の散歩は、求め合うことはなくなったけれど
少しだけ、心が満たされる気がした。

ほんの、少しだけ。

数日後には解散式。その翌日は、作戦実行日だったのだから。


トロスト区の壁を破った彼と合流する。

5年ぶりのその行為に、彼は少し青い顔をしていた。
やはり彼の巨人化は体に負担が大きいのだろうか。

「危うくエレンに殺されるところだったよ」

彼は小さく笑っていた。ありったけの憎しみをこめて睨まれたのだと。
いつ彼に殺されるのかと夢に見ることもあったが、
僕らの運命は、意外とエレンという歯車でまわされているのかもしれないね、と。

エレンの憎しみは、104期生の心を大きく動かしてきた。
大きな流れに逆らう原動力となっている私達への憎しみは、なんて強い感情なのだろう。


「僕達…訓練兵…34班、
 …、ミーナ・カロライナー、エレン・イェーガー、
 以上5名は自分の使命を全うし…壮絶な戦死を遂げました…!」

死とは呆気ない。

悪運強く生き残っても、こうして終わってしまうものなのだから。

憎しみを糧に生きていたのに、目的を達することなく
本当に死に急いでしまったのだから。

横目で彼を見る。
相変わらずの無表情で、何を考えているのか分からないが
きっと、内心ではほっとしていることだろう。

…そんなことより。

コイツは今、戦士か、兵士か。


「そいつは心外だな…」

ジャンに発破をかけられてそう答えるこの男は、今、どっちだ。

…どちらでも良い。今はコイツに従おう。
どちらにせよ、ここで巨人化するわけにはいかないし
ローゼを破るのは、今の彼には体力的にも無理がある。

駆け出したアイツを見つめながら、振り返らずに一言呟く。

…行こう。

アイツの背中を追いかける。今はまだ、その時ではない。


………

ジャン「おい、大丈夫か」

小さくうずくまり口元を押さえる彼に、
ジャンは親友の行為を真似て声をかける。

大丈夫、ちょっと気分が悪いだけと答える彼に
水でもいるかと心配するジャンには悪いが…
彼はきっと、笑いを堪えているに違いない。


…世界は無情だ。こんな近くにいて気づかないなんて。

化け物と罵られることにも、恨まれることにも慣れ
人の死にすら心を動かされることもなくなり
命を奪うことすら、今の私にはくだらないことのように思える。

絶望に捕らわれた空間で、私達は、ようやく希望を見出した。
くだらない世界が終わる、解放される、そんな未来を夢見た。

ジャン「…何笑っていやがる」

アニ「だって、可笑しいじゃないか。誰よりも巨人を憎み、
   誰よりも駆逐してやると吼えていたエレンが、巨人だったんだ」

ジャン「お前…」

アニ「あんたも笑いなよ。いつも笑っていたじゃないか、
   駆逐脳の死に急ぎ野郎、って」


諸行無常、という言葉がある。今は無き東の国の言葉だ。
この世に存在する全てのものは、常に移り変わり、
永久不変ではないという意味らしい。

一つのことに執着して生きる人々は、特殊な人間と言えるのかもしれない。

帰れなくなった故郷に帰る、それがアイツの理由で

生きる為に任務を遂行すること、それが彼の理由で

…私は、父親の理想に逆らえないまま、流されるように生きていた。けれど、

アイツは帰るべき故郷を、彼は誰の為かを見失いつつあり

私は私で、流され続けてきた。


何も知らないでいたかった。

私達は、この人類となんら変わらなかった。

人類は皆、流されて生きている。

普通の人間でいたかった。

そうやって、流されるような弱いヤツでも

人間だと思われたいだけ…

人間だと、思いたいだけ…


私達は戦士に成り損ねた。

でも、何故…

何故、あんたらは最後まで信じようとする。

何を証明する?何を話し合うことができる?

たとえ人間だと願いたいと思ったところで

私は、私は……

「もう一度ズタズタに削いでやる、女型の巨人」

そう、私は人ではないのだから。


「アハッ、アハハハハハハハッ!」

何を夢見たのだろう。

私達は、もはや人ではないというのに。

許される存在でもないというのに

ただ、あんたらにとって、私はどんな風に映っただろう。

同じ人として映ってくれただろうか。

ほんの一時でも良いから…

良い人で、いられただろうか。


でも…

分かっている。私達は、分かり合えない。

はじめよう、私が賭けたのはここからだから。

…今日は俺の妄想が冴えている。そこでちょこっと妄想解説。
ライナーの帰るべき故郷はともかく。
ベルトルトは自分の為ではなく、"一緒に帰る"ことに固執するようになり
アニは最初から流され続けているという設定だ。つまり3人とも戦士ではない。
それでも戦士としての責任を果たすと言えるライナーはカックイイ。

なんだかとても真面目な話になってきているが、次回で締めようか。
この話は黒いベルアニであるということを忘れてはならない。

ではまた明日…なんだが、明日出かけるんだ。なんかこの流れ前回もあったな…
土曜の超深夜、もしくは日曜夜には終わらせる。たぶん。

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