まどか「クールになりたいほむらちゃん」 (28)

杏子「なんだって?」

ほむら「だから、クールじゃなくなりたいの」

マミ「どういうことかしら?」

ほむら「私って、クールキャラじゃない?」

マミ・杏子「(いや、どう考えてもクールではないと思う……)」

ほむら「それもこれも、まどかを契約させないた……目標が達せられた今、元に戻したいの」

杏子「もとって、どんな感じだったんだ?」

ほむら「その……言うのは、すこし恥ずかしいわ……」

マミ「(どこがクールなのかしらね、可愛いい)」

マミ「正直に言うわね、ほむらさん」

ほむら「なにかしら?」

マミ「あなた、ぜんぜんクールじゃないわよ?」

ほむら「……え?」

杏子「そうだなー、どっちかというと愛らしいとか、可愛いって感じだな」

ほむら「そんな……とんだ道化じゃない……」

杏子「そういや、ほむらのほうからずっといい匂いがしてるんだよな」

ほむら「ふふっ、さすが杏子ね。じつはいつもご馳走になってばかりでは悪いと思って、クッキーを焼いてきたわ!」フフン

杏子「マジかよ!」

マミ「(ますますクールじゃないわね)」

マミ「それじゃ、紅茶を入れ直すわね。ほむらさんのクッキーを食べながら飲みましょう?」

杏子「やりぃ!」

ほむら「クールになりたいわ」

杏子「なんでだよ? なりたくなかったんだから、このままでいいじゃん」

ほむら「私は中途半端は嫌いなの。やるならばとことん、よ」

マミ「あ、このクッキー美味しいわね」モグモグ

ほむら「ふふっ、当然よ。小麦粉からこだわったもの」

杏子「たしかに妥協は許さねーな」モグモグ

マミ「後で作り方教えていただけるかしら?」

ほむら「もちろん構わないわ」

杏子「でも、クールとはかけ離れてるよな。クッキー作りだなんて」

ほむら「えっ?」

マミ「(そうなのかしらって表情のほむらさん、可愛い)」

杏子「まぁ、ほむらが悩んでるんだ知恵くらい貸してやるよ」

マミ「ええ、ほむらさんの力になれるなら、私も嬉しいわ」

ほむら「……ありがとう」ボソッ

マミ「(小声でお礼を言うほむらさんかわいい)」

杏子「とりあえず私がクールっぽい感じの行動をメモに書いてやるから、やってみろよ」

マミ「私は、そうね……カッコイイ技名集と名乗りをしたためたノートを------」

ほむら「あ、それはいいわ。恥ずかしいから」

マミ「ひどい!」

ほむら「クールぽい趣味、その一、読書」

ほむら「……クールなのかしら? とりあえず、読みましょうか」

ほむら「」ベラッ

ほむら「」ペラッ

ほむら「」ペラッ

ほむら「」ウルウル

まどか「ほむらちゃん、何見てるの?」

ほむら「ああ、まどか、これなんだけど……」

まどか「あー! 私もこの恋愛小説読んだよ! 切ないよね!」

ほむら「ええ、少し涙腺が緩んでしまったわ」

さやか「(あいかわらずほむらは可愛いなー)」

ほむら「クールぽい趣味、その二、自習」

ほむら「……クールというよりはただ真面目なだけじゃないかしら……」

ほむら「とりあえず授業の予習をしておきましょうか」

ほむら「」カキカキ

ほむら「」カキカキ

ほむら「」カキカキ

まどか「ほむらちゃん、お勉強?」

ほむら「ええ、予習は大事ですもの」

まどか「あ、ほむらちゃんの消しゴムっていい匂いするね!」

ほむら「ええ、イチゴの香りよ。気に入ってるの」ニコニコ

さやか「(ほむらは乙女だなぁ)」

ほむら「クールぽい趣味、その三、音楽鑑賞」

ほむら「いよいよどこら辺がクールなのかがわからなくなってきたわね。物静かなのがクールということかしら」

ほむら「とりあえず前にかったCDでも聴きましょう」

ほむら「」シャカシャカ

ほむら「」シャカシャカ

ほむら「」シャカシャカ

まどか「ほーむらちゃん! 何を聴いてるの?」ヒョイ

ほむら「あっ……この前に買ったCDをiPodに入れてきたの」

まどか「きゃりーぱみゅぱみゅだね!」

ほむら「ええ、なんだか楽しくなるから好きなの」

さやか「(あのCD聴いてるんだ……)」

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ほむら「クールな趣味、その四、朝食はサンドイッチ」

ほむら「これは完全に杏子の主観よね」

ほむら「今日はお弁当作ってないから、購買で買うことにしましょう」

ほむら「なんで中学に購買があるのかはわからないけれど、相変わらずの人ね」

ほむら「」ガヤガヤ

ほむら「」ガヤガヤ

ほむら「」ガヤガヤ

さやか「あれ、ほむら? つったって何してるの?」

ほむら「人が履けなくて進めないの」

さやか「だめだね、ほむら。こういうのは勝ち取るものなのだよー、何が欲しいの?」

ほむら「サンドイッチが食べたいのだけれど……」

さやか「よし、このさやかちゃんにまっかせなさーい!」

ほむら「(かっこいい……!)」

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はやくしろ!

ほむら「」モグモグ

さやか「ほむらは随分おとなしく食べるのね。食事中のおしゃべりも楽しいよ?」

ほむら「お行儀が悪いわ」

さやか「へ、変なところで礼儀正しいんだね……」

ほむら「」モグモグ

まどか「もう、二人していなくなるなんてひどいよ! 探したんだよ?」

ほむら「! さぁ、まどか、私の隣へどうぞ!」イソイソ

さやか「こらこら、行儀はどうしたー?」

まどか「えへへ、お邪魔するね!」

さやか「まったく、イチャイチャと見せつけてくれちゃって……」

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