P「伊織がヤンデレ化してこわい…」(716)

律子「すみませんプロデューサー殿、練習に付き合ってもらったりなんかして…。……3人がどうしてもって…」

P「いや、俺も勉強になるし、これくらい構わないよ」

 律子が取ってきた仕事。
 それは来年度から始まる深夜枠のドラマ、『ヤンデレ☆3姉妹』の主役3姉妹を、竜宮小町が担当することだった。

P「えっと、まずは長女の役をあずささん。元レディースの頭だけどいまは大人しくて、同居することになった隣人の主人公にベタ甘。けど怒らせると恐い…か」

あずさ「ん~、“レディースのように怒る”演技ってどうするのかしら…?」

P「次女の役を伊織。主人公の同級生で幼なじみの、実質的なメインヒロイン。昔から主人公のことが好きすぎて、現在はストーカー気味。でも普段は主人公にツンケンしちゃう…か」

伊織「……こんな情緒不安定な役できるのかしら…」

P「最後に、三女の役を亜美。病弱寝たきりの小柄な子で、昔から遊びに来ては優しくしてくれた主人公のことが好き。上2人がアレすぎて寂しい生活をしてきたからか、同居することになった主人公にしょっちゅう甘えてくる…のか」

亜美「いや→! 病弱寝たきりとかわかんないッスね→!」

P「………」

律子「………」

P「前途多難だな」

律子「逃げないでください」

正直キャラクターについてそんなに深くは知らないので、だるかオナしゃすッス
ワークしながら律子END妄想してますので

設定まっさらな状態からで良いなら…

オナシャス


最初にプロデュースしたのは伊織だった…


伊織「こんにちは、水瀬伊織ですぅ」

P「こんにちは!(とても可愛い子だな)」


プロデュースするとき、俺はそう思っていたが…


伊織「ちょっとっ!この馬鹿プロデューサーっ!」

伊織「私が飲みたいのはぶどうジュースじゃないわよっ!」

伊織「今のレッスン全然わからないわよっ!」

P「す、スマンっ!」


彼女は猫を被っていて、1日を待たずして牙を剥いたのだった


しかし、次第に彼女の扱いにも慣れ…


P「お疲れ伊織、ハイこれ」

伊織「あっ、オレンジジュースね。あんたにしては気が効くじゃない」

P「今日のライブお疲れ、小さい規模とは言え疲れただろ?」

伊織「この水瀬伊織にかかれば、どうってこと無いわよっ、にひひっ♪」


彼女も俺に心開くようになってくれた…


伊織「はい、アンタの分」

P「こ、これはオレンジジュース?」

伊織「プロデューサーも今日は疲れたでしょ?」

P「い、伊織…ありがとう!わざわざ俺のためにっ!」ジーン

伊織「ちょっ、何泣いてるのよ」

伊織「べ、別にたいしたことじゃないでしょっ」


口ではこういってるが、彼女なりの表現だと…思ってる


そんな俺に転機は突然訪れた


P「へ?別のアイドルも掛け持ち?」

社長「うむ、今も伊織君で忙しいのは分かっている」

社長「しかし、人手不足で他のアイドルにプロデューサーを回す事ができないのだ」

P(もっと雇いましょうよ…)

社長「すまないが、彼女…高槻やよい君も一緒にプロデュースして欲しい」

P「は、はぁ…」


新しく、アイドルを受け持つことになったのだ


|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o④o
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' ④ <コトッ



| ミ  ピャッ!
|    ④


やよい「高槻やよいです、よろしくお願いしますっ!」

P「よろしく、今日から俺は君のプロデューサーだ」

やよい「うっうー!私、早くアイドルになるように頑張りますっ!」

P「あはは、一応今日からアイドルだけどね」


P(おっと、突然のことだったから伊織に言い忘れてた)

P(後で伊織にも言っておかなきゃな)


伊織「ふーん、あなたもアイドルになったのね」

やよい「はいっ、高槻やよいですっ!」

伊織「水瀬伊織よ、よろしくね」

伊織(………)

伊織「プロデューサー、アンタやよいの担当になったの?」

P「いや、伊織と掛け持ちでプロデュースすることになったんだ」

伊織「そうなの…」



伊織「ま、当然よねっ!」


伊織「ほらやよいっ、一緒にレッスンよ!」

やよい「はいっ!うっうー、頑張りますっ!」

伊織「プロデューサーも、もたもたしてないでよねっ」

P「元気だなぁ…お前ら…」


やよい「プロデューサー、大丈夫ですか?」

P「いや慣れてるから、平気平気」

伊織「まったく…ほらタオル」

P「ありがとう、すまないな」

伊織「いつものことでしょ、一々気にしないのっ」



伊織「プロデューサー、今日の予定は?」

P「伊織は午前はレッスンで…午後は休みだ」

伊織「あら、珍しいわね…?」

P「ああ、そして午前中も途中までは見てやれるんだが…」

伊織「何か予定?」

P「途中からは、やよいの仕事が午後まで入ってるんだ」

伊織「そうなの…やよいも人気が出てきたもの、仕様がないわよ」


伊織「せっかく早上がりなんだし、午後はゆっくりさせてもらうわ」


伊織「途中まで一緒にレッスンしましょ、やよい」

やよい「はいっ!」



P「そろそろ時間だ…やよい、行こうか」

伊織「やよい、頑張ってきなさいよ?」

やよい「はいっ!私、お仕事頑張りますっ!」

P「伊織はどうする?もうあがるか?」

伊織「…まだやっていくわ」

P「そうか、あまり無茶するなよ」

伊織「プロデューサーに言われなくても、分かってるわよ」

P「それもそうだよな…伊織、お疲れ様」ガチャ

バタン


伊織「………」


伊織「…お疲れ様、プロデューサー」


ガチャ

P「ただいま戻りましたー」

小鳥「あら、プロデューサーさん、お疲れ様でした」

小鳥「やよいちゃんはお家ですか?」

P「はい、やよいの仕事も終わったので、送ってから戻ってきました」

小鳥「ところで、伊織ちゃんは?」

P「え…今日は午前のレッスンで終わりですけど」

小鳥「そう、ですよね?」

P「え、何か問題が?」

小鳥「いえ、こちらに一度も戻ってきてないから…」

P「直接帰ったんですかね?」


P「連絡入れてみます」

部屋一面にPの写真!

ホンッ ホンッホンッホンッ!

さー盛り上がってきましたー


プルルルル プルルルル プルルルル

伊織「………」ピッ

伊織「もしもし、どうしたの?」

P「もしもし、今何処にいるんだ?」

伊織「…もう家よ、午後はゆっくりしてるって行ったじゃない」

P「そうなのか?765プロに戻ってないようだったから心配になってな」

伊織「悪いけど直接帰らせてもらったわ」

P「そうか、わかったよ」

伊織「用はそれだけ?」

P「おう、わざわざすまなかったな…おつかれ」

伊織「はいはい、お疲れ様」ピッ


レッスン場


伊織「………」

伊織「ハァハァ…」

伊織(流石に、心配掛けさせるわけにも行かないわよね)

伊織(やよいも人気が出てきたから…)

伊織(少しでもアイツへの負担を減らさなきゃ…!)

伊織「でもっ…」




伊織「うまく…いかないわね」


P「帰ってたみたいです」

小鳥「そうなんだ、よかった」

小鳥「荷物も置いてあるから驚いちゃった」

P「いやいや、忘れ物ですよそれっ」

P「もっと早くに行ってくれれば…」


P「でも、荷物のことも行ってなかったし…大丈夫なのかな」



伊織「おはよう、プロデューサー…ふぅ」

P「おはよう伊織、最近疲れてないか?」

伊織「そ、そんなこと無いわよっ?」

P「いやいや…絶対疲れてるって」

伊織「何を根拠に言ってるのよっ」

P「俺が今まで、どのくらいそばで見てきたと思っているんだ?」

伊織(っ!)

伊織「…そ、そうね、少し疲れてるわ」

P「だろ?あまり無理するなよ?」

伊織「ふ、ふんっ!アンタに言われなくたって分かってるわよ」


P「それなら良いが…もうやよいのプロデュースもあるから細かくは見られないぞ?」


伊織「そのくらい知ってるわよっ!!!」

P「うおっ!?」

伊織(!)

P「そこまで怒鳴らなくても良いだろ…?」

伊織「…っ!」タッタッタッタ



P「ど、どうしたんだ?」

P「…いや待てっ!朝から仕事入ってるぞっ!?」タッタッタ


P「本当に、すみませんでしたっ!」

伊織「………」

記者「いえいえ、最近人気ですからね水瀬伊織ちゃん」

記者「なかなかお時間が取れないのも分かりますよ」

P「いや、あらかじめ時間を調整していたのに…こちらのミスです」

P「(ホラッ、伊織も謝って?)」

伊織「…すみませんでした」

記者「気にしないでくださいよ、それよりもインタビュー、始めましょうか?」

P「はいっ、よろしくおねがいしますっ」



P「話の分かる人でよかったぁ」

P「運が悪ければその場で評価崩しちゃってたからな」

P「でも今度からは、気をつけような?」


伊織「……ご…なさぃ」


P「ん、どうした伊織?」

伊織「ごめん…なさいっ!」ポロポロ


P「い、伊織っ!?」


ここまで泣いた伊織を見たのは初めてだった


伊織「…私、プロデュ…サーに…っ!」

伊織「迷惑…かけない…よう…に…」

伊織「頑張…ったのにっ…!」

P「伊織…」

伊織「私の…ぁいても…できな…いから…っ」

P「だ、大丈夫だよ伊織」

P「俺は伊織のプロデューサーじゃないかっ!」

P「だから、迷惑かけても良いんだぞ?」


伊織「そしたらっ!…やよいが…っ!」


P「そうか…やよいをプロデュースする時間のことを…」

伊織「やよいも…っ!プロデュースしなくちゃ…いけないのに…っ!」

ナデナデ

P「ありがとう伊織…」

伊織「ふぁ…」


P「ありがとう…!」


P「プロデューサーなのに、アイドルに負担かけていたなんて」ナデナデ

P「恥ずかしいな…俺」ナデナデ

伊織「そんな…そんなこと…ない」

P「安心してくれ伊織、しっかりお前も見るからな?」

伊織「うぅ…」


ギュ

伊織「うぁっ…!」


P「…よしよし」ポンポン

いおりん…(´;ω;`)ぶわぁ



ガチャ

やよい「おはようございまーすっ!」

P「おはようやよい、今日も元気だね」

やよい「えへへ、私元気がとりえですからっ!」

やよい「ところでプロデューサー」

P「ん?どうしたやよい?」

やよい「なんで伊織ちゃんを、抱っこしてるんですかー?」

伊織「…っ!?」

バッ

伊織「は、離れなさいよ変態、ど変態っ!」

P「お、俺のせいなのかっ?」



いつしか伊織は、二人だけになると甘えてくるようになった…


伊織「プロデューサーっ♪」

P「ど、どうしたんだ伊織?」

伊織「呼んでみただけっ」


伊織「プロデューサー?」

P「どうした伊織」

伊織「私今日、仕事頑張ったでしょ?」

P「そうだな、上出来だったよ」

伊織「じゃあ頭撫でてぇ…?」

P(…今までの伊織は嘘だったのか?)


普段は凛としているのだが、二人になるとすぐに溶けたようになってしまう…



そんな時期もあったのだが、二人は更に活躍するようになって遂に…


P「竜宮小町?」

律子「はい、私が今後プロデュースする3人のアイドルユニットです」

P「3人も?」

律子「はい、私が企画書を出してその提案が採用されましたっ」

P「すごいじゃないか律子っ!」

律子「これからは同じ事務所ですが、よきライバルとして切磋琢磨しましょうね、プロデューサー殿」


そのメンバーの中に、伊織がいると言うことはそのときに初めて知った…


やよい「伊織ちゃん、すごいですねっ」

P「…あぁ、すごいな」

伊織「この伊織ちゃんがリーダーをして、他の二人を引っ張らなきゃね、にひひっ♪」

P「伊織…俺聞かされてなかったんだけど?」

伊織「サプライズよ、驚いた?」

P「…驚きすぎて、本当かどうか今も分からないよ」

伊織「まぁこれでアンタへの負担はなくなるでしょうね」


伊織(その分、甘えて…)



竜宮小町は、律子とメンバーの頑張りであっという間に有名になり…


伊織「ねぇプロデューサー」

P「なんだ伊織?」

伊織「私の活躍見てくれた?」

P「あぁ、しっかりと事務所のテレビで見ていたから」

伊織「直接見に来て欲しかったのにぃ」

P「こっちもやよいの仕事があるからな」

伊織「むぅ…」


伊織がこうしている時間も…


伊織「プロデューサーっ♪」ガチャ

シーン


日に日に、少なくなっていくのだった…


プルルルル プルルルル ピッ

P「もしもし伊織、どうした?」

伊織「ねぇプロデューサー?今何処にいるの?」

P「今か?やよいの家にいるよ」

伊織「やよいの?」

P「やよいがご馳走してくれるって言うからな」

伊織(やよいの…家に…)

P「え?今、伊織が電話掛けてきてくれたんだよ」

P「誘う?分かった…伊織もやよいの家分かるだろ、今から来ないか?」

伊織「…私はまだ竜宮小町の仕事が残ってるからっ」

P「ん?そうなのか…俺に用事があったのか?」



伊織「…アンタも仕事頑張ってるか、確認しただけよ」


P「あはは、さっきまでは頑張っていたけどな」

伊織「そうなの…」

P「ん?伊織はまだ仕事があるって」

P「じゃあやよい、代わるか?」

伊織「!…いいわよ、もう行かなきゃ行けないから切るわねっ」

P「そうか?」

伊織「うん…じゃあねプロデューサー」

P「おう、仕事…頑張れよ」

ピッ ツーツーツー



伊織「……ヒック…」



伊織「プロデューサー…ヒック…うぅ…」



双方のオフの日・仕事時間は、見事に重なり合い、伊織と会う時間は無くなってしまった


P「3通と、5件…か」

P(今日も伊織からメールと着信が着てる…)ピッ

プルルルル ピッ

伊織「もしもしっ、プロデューサー?」

P「お疲れ伊織…今、大丈夫か?」

伊織「もちろんよっ!」

P「仕事中で出られなくてごめんな?」

伊織「ううん、寂しいけど…忙しいんだもの、仕方ないわよ…」

P「そ、そうだっ!1週間後、俺はオフなんだが…時間は取れないか?」

伊織「ホントっ!?」



P「ああ、近いのはその日くらいしか、余裕はなさそうだからなぁ」

伊織「あっ…でも…」

P「仕事か?」

伊織「…うん」

P「そうか…本当に忙しいんだな」

伊織「そうね…このあとも」

イオリー! ジュンビハ デキター?

P「律子の声…もう次の仕事か?」

伊織「うん…ばいばいプロデューサー…」

P「ああ、頑張れよ」

ピッ

伊織「いや…辛い…」


バタン


P「もしもし、お疲れ様です小鳥さん」

小鳥「ぷ、プロデューサーさんっ!」

P「な、何ですか急に」



小鳥「伊織ちゃんがっ!」



P「…え?」


病院


P「あ、小鳥さんっ!」タッタッタ

小鳥「プロデューサーさん、こっちですっ」

P「伊織は今…」

小鳥「今はもう、個室に移されました…こっちです」



ガチャ

P「伊織…!」

律子「しー、静かにしてください」

P「す、スマン…伊織は?」

伊織「スゥ…スゥ…」

律子「今は寝ています」


P「な、何があったんだ?」

律子「分かりません」

P「ど、どういうことなんだ?」

律子「音がして部屋に入ったら、もう伊織は倒れていました」

P「何かの病気なのか?」

小鳥「いいえ…過労だそうです」

律子「最近はずっと働き詰めでしたからね…」

P「でも、あずささんや…亜美でも頑張ってるじゃないか?」


律子「肉体的疲労だけなら、皆同じですけど…」

P「それだけじゃないのか?」

律子「精神的にも疲労がたまっているそうです…」

律子「伊織は、竜宮小町のリーダーですから」

律子「二人以上にプレッシャーがあったんだと思います」

P「………」


P「ところで、他の二人はどうしたんだ?」

律子「現場で待機させています…私もすぐに戻らなくちゃいけなくて」

P「そうか、それじゃあ俺は無いからここにいるよ」

律子「はい、お願いします…それでは失礼します」

ガチャ バタン

伊織「スゥ…スゥ…」

小鳥「よく眠ってますね、伊織ちゃん」

P「…そうですね」

小鳥「プロデューサーは、私達より心配ですよね」

P「ずっと見てきましたからね…」

P「こんなことになるのも初めてですし」

小鳥「そうですね…やっぱり、リーダーって負担が大きいのね」

P「………」

P「そうかもしれませんね」


ガチャ

高木「遅れてすまなかったっ」

小鳥「社長、こちらです」

伊織「スゥ…スゥ…」

高木「…眠っているようだね」

小鳥「はい、今は休んでいます」

高木「そうか、それと…しばらく席をはずしてくれないかね?」

小鳥「はい…では、私も先に765プロに戻っていますね」

P「お疲れ様でした、小鳥さん」

小鳥「はい、それでは…」

ガチャ バタン


P「俺に何か用事でしょうか?」

高木「そうだな、やはり彼女のプロデューサーである君なら」

高木「何か原因が分かるのではないかとね」

P「…過労で倒れたそうですけど?」

高木「伊織君は君がプロデュースしている間、倒れたことは一度も無かった」

P「そうですね」

高木「もちろん、新しい環境で…そしてチームメイトができて」

高木「そのリーダーとなった彼女には、他の二人以上に負担はかかるだろう」

高木「だが、私は一人でいるときのほうが…プレッシャーと言うものは大きいと思うのだよ」


P「………」


高木「仲間と言うのは、お互い支えあっていくものだからね」

高木「それとは逆に、一人のときは全て一人で抱え込まなくてはいけない」

P「…はい」

高木「分かち合う仲間は、そこにはいないのだ…」

高木「だから…というわけではないが、プロデューサーである君が」


高木「彼女の不安や喜びを、分かち合ってきたのではないのかね?」

P「…!」


高木「まぁ、私が勝手に思っているだけのことだ」

高木「今回起こったことは、別に君や律子君に問題があったわけでも無い」

高木「だが、できれば彼女のそばに…少しいてやってはくれないか?」

P「…え?」

高木「安心したまえ、彼女が回復する間やよい君は、こちらで切り盛りしよう」



P「…わかりました、お願いします」


高木「おっと…話し込んでしまったようだねぇ」

高木「私はこれで失礼するよ、君」

高木「よろしく頼んだぞ」ガチャ

P「はいっ!」

バタン


P「そうか…竜宮小町に行っても」


P「俺が伊織の支えになってたの…かな」

伊織「スゥ…スゥ…」



伊織「ん…んぅ?」

P「起きたか、伊織?」

伊織「…プロデューサー?」

P「ああ、大丈夫か?」

ギュ

伊織「にひひっ…ホントにプロデューサーだぁ」


P「あぁ、俺だよ」


P(声に覇気がないな…)


P「伊織、倒れたんだよ…知ってるか?」

伊織「うん…プロデューサーと電話して…」


伊織「切ったら悲しくて、苦しくなって…」

伊織「そしたら…プロデューサーが来てくれた」

P(やっぱり、依存してるの…かな?)

P「今はまだ休んでろよ」

P「オレンジジュース、買って来ようか?」


伊織「うん…お願い」



ガチャ

P「ほら、買って来たよ…」

伊織「ありがと…プロデューサー」

プスッ チュー

P「うまいか?」

伊織「うん…うん…」チューチュー

ポタポタ

P「伊織?」





伊織「プロデューサー…美味しい…美味しい…」チューチュー



P「そうか…おかわりが欲しかったら言ってくれよ?」


ポタポタ


伊織「うん…うんっ…」チューー




その後、伊織が泣き止み眠りについたのは、面会時間終了ぎりぎりだった…

ヘタにくだらないもん書かなくてよかった 超 絶 支 援 ! ! ! ! ! ! ! ! !










ヤンデレCD的には雪歩もヤンデレになれるのだろうか



俺は毎日、朝から晩まで…それこそおはようからおやすみまで、伊織をプロデュースすることになった



ガチャ

P「伊織、今日も来たぞー?」

伊織「プロデューサーっ!」

P「お、今日はもう起きてたんだな」

伊織「あ、アンタは遅いのよっ」

P「悪い悪い、お詫びにオレンジジュースを買ってきたよ」

伊織「…ホントに?ありがとう、プロデューサー!」

P「あはは、お店で買ってきたちょっとお高い奴だからな」

伊織「………」コクコクコク



しかし過労でずっと入院しているわけにもいかず、いよいよ退院も間近となった


ガチャ

P「おはよう伊織」

伊織「おはよう、プロデューサー」

P「もうすぐ退院できるぞ、やったな?」

伊織「…えぇ、そうね…」

P「?…元気が無いけどどうした?」

伊織「そんなこと…ないわよ」

P「のどが渇いたのか、オレンジジュース買って来ようか?」

伊織「えっ?」

P「行ってくるよ」

伊織「いやっ」ガシッ

P「え?」

伊織「の、のど渇いてないから…ここにいて」

P「………水、飲むか?」

伊織「……………ぅん」



退院が近づくにつれて、伊織は一緒にいる時間を増やしたがるようになった…


P「伊織、もう時間だからっ!なっ?」

ギュー

伊織「いやっ!まだ一緒にいてよっ!」

P「で、でも規則だからっ」



伊織「行かないで…行かないでよ…」ポロポロ

P(………)

P「…ちょっと待ってて、伊織」



退院前日、とうとう病院に断りをいれ、一緒にいることになった


P「伊織、寝なくても大丈夫なのか?」

伊織「…寝たくないの」

P「明日退院できるんだから、少しは体調休めておいたほうが良いよ」

伊織「寝たらプロデューサーが…行っちゃうから」

P(………)

伊織「ねぇ、プロデューサー」

P「どうした伊織?」

伊織「手…握ってて」スッ


P「…あぁ」


ギュ


伊織「にひひっ…これでもう…逃げられないわよ…?」

P「そうだな」

伊織「…行かないでね?」

P「行かないから、安心して寝るんだ…伊織」

伊織「いーやっ、にひひっ」

P「伊織…!」



伊織「…昔はいつも一緒だったのにね」


P「………」

伊織「仕事のときも…」

伊織「たまにオフのときも…つき合わせて」

P「そうだ…ったな」

伊織「アンタが覚えて無くても…私は覚えてるわよ…?」

伊織「…竜宮小町に入れば…プロデューサーも疲れないし」

P「…っ!」


伊織「…楽になるって…思ってたのよ」


伊織「でも…全然違った…」

伊織「やよい一人に専念する分…やよいの仕事は増えて…」

伊織「竜宮小町も…律子の考えどおり…有名になったわ…」ギュー

ポタポタ ポタポタ


P「………」



伊織「甘えたかった…もっと甘えたかったのっ!」


伊織「どんなに有名になっても…」

伊織「プロデューサーが近くにいなきゃ…いや…」


P「…伊織」

P「昔は、一人でずっと頑張ってこられただろ?」

伊織「それはぁ…プロデューサーがぁ…」

P「もちろん、俺もいたよ……あぁ、二人だったな」

P「初めてのライブでも、まるで緊張しなかったじゃないか」


P「あいさつ回りやコンサートやテレビ出演」

P「どんなときでも、頑張ってこられたじゃないか」

伊織「…うん」

P「そのときは、俺がプロデュースしていたけど」

P「今のプロデューサーは、律子だ」

P「そして、あずささんや亜美もいる…」

P「困ったときは一緒に悩んで、嬉しかったら一緒に喜べるだろ?」

P「それが3人と共感できるんだ…すごいよそれは」

伊織「………」


P「だからさ」


P「もう伊織は一人でもないし俺がいなくても大丈夫だろ?」


伊織「………」


P「伊織…?」


伊織「………」

P「ははは、寝ちゃったか…」スルッ


P「俺はもう行くな?」ガチャ


P「おやすみ、伊織…」

バタン



伊織「………ぃゃ」

このいおりんになんら不満は無い。


支援だ。



P「zzz…」

プルルルル プルルルル

P「んぁ…?」

プルルルル プルルルル ピッ


P「ふぁぁ…もしもし?」

伊織「プロデューサー?」

P「んー?伊織かー?」



伊織「あったり…にひひっ…」



P「…え?伊織っ!?」

伊織「他に誰がいるって言うのよ?」

P「ど、どうしたんだ?急に電話なんてっ?」


伊織「今…病院の前にいるの…こられない?」

P「わ、分かったっ!すぐに行くからっ!」



伊織「まってるわよっ♪」ピッ


P(でも何で病院の前なんだ?)

P(そんなの看護師が許可するはず無いだろう)

P「でも今は、伊織が待ってると信じて…行かなくちゃ」



病院前


P「伊織は…」

伊織「………」

P「いたいた、伊織ー!」


伊織「ちょっと、遅いじゃないのっ!」


P「夜中にいきなり電話掛けてくるからだよっ」

伊織「そうよねぇ、どっかの誰かさんは、もうとっくに私をおいて帰っちゃったわよねー」

P「うっ…」

P「い、伊織もぐっすり寝たと思ったからな…」

伊織「『行かないから安心しろ』って言ったのは何処の誰かしら~?」


P「ぐ…そこを突かれると痛いな…」


P(なんだか妙に元気になってないか…?)


伊織「まさか、謝罪のひとつも無いのかしら?」

P「ご、ごめんなさい」

伊織「『すみませんでした、伊織お嬢様』よ」

P「すみませんでした、伊織お嬢様!」

伊織「分かればいいのよ、にひひっ♪」


P(調子が昔と同じだな…)


P「と、ところで伊織?」

伊織「なにかしら?」

P「何で俺呼び出されたんだ?」

P「やっぱり、途中で抜け出したからか…?」


伊織「そうねぇ、それもあるけど」

伊織「私…気がついたことがあるのよ」

P「何に気がついたんだ?」

伊織「一緒にいられる限界についてよ」

P「限界?」


伊織「私は明日退院するわ…」

P「?…そうだな」

伊織「そうするとやっぱり、プロデューサーと会う時間って無くなるのよ」

P「伊織…だから俺は」

伊織「そして入院しているとき…プロデューサーはずっと看病してくれた」

伊織「毎日毎日、私のところに来てくれた…」

P「ああ…そうだな」



伊織「それでも…朝と夜は、プロデューサーがいなかった…」


伊織「欲張りかも知れないけどっ、寂しいのよ…」


P「二人とも仕事をやめて同棲しろってか…?」

伊織「それが素敵なんでしょうけど…そんなにまどろっこしいことはしないわ」

P「そ、そうか…まどろっこしい?」


伊織「プロデューサー、病院って良いわね…」

伊織「皆が心配してくれる、自販機のだけどオレンジジュースもある」

伊織「そして…」ダキィ

ドンッ

P(お、押したお…された?)


伊織「プロデューサーがいてくれる」


キキー


ドンッ


………
……


プ…デュー…ー プロデュー…ー

P(あー、あったかい…)

プロデューサーサン!

P「………んん…」


小鳥「プロデューサーさん!」


P「んぁ…小鳥さん?」



小鳥「うぅ…良かったっ!本当に…!」


P「な、なに泣いて…うぅ…」

小鳥「む、無茶しないでくださいっ!」


P「こ、ここ…は?」



小鳥「病院です」


P「な、なんで…病院に…」

小鳥「二日前…伊織ちゃんの退院前日」

小鳥「プロデューサーさん、交通事故にあったんです」

P「お、俺が…事故?」

小鳥「しかも病院前で…車とぶつかったそうです…」

P「よく…無事だったな俺…」

小鳥「本当にそうですよっ!」



小鳥「打ち所が悪ければ二人とも即死だったんですよっ!?」


P「ふ…たり…?」

P(確か俺は……っ!)

P「い、伊織はっ!…うぅっ…」

小鳥「む、無茶しないでくださいっ!」

小鳥「伊織ちゃんも生きてますからっ!」


P「そ、そう…ですか…」

寝たいのに・・!
明日用事があるのに・・!
寝れない・・・!


P「それで…伊織は何処に…?」

小鳥「プロデューサーさんの隣のベッドですよ」

P「え…?」

小鳥「伊織ちゃんのほうが傷は浅かったようですよ」

小鳥「それでも二人とも大怪我ですけどね…」


小鳥「本当は部屋も別々になるはずだったんですけど…」

小鳥「社長や私…なにより伊織ちゃんがお願いして、一緒にしてもらいました」

P「………」

伊織「ぷ、プロデューサー…」

小鳥「あら、伊織ちゃん…起こしちゃったかしら?」

P「…伊織」

伊織「プロデューサー…こ…」



これからも、一緒よ…にひひっ♪

こういうヤンデレもあるのよ、分かって欲しいのよ
ごめん、ちょっと…休憩

自分、またルート分岐してる不思議…

一旦乙
病んでる側とそのデレ対象の命に関わらないタイプのヤンデレなら好きだな

さて、どのタイプの病みがなういのかな>>220

でもやっぱり俺にはこれしかねえんだ
監禁タイプ


P「…え?伊織っ!?」

伊織「他に誰がいるって言うのよ?」

P「ど、どうしたんだ?急に電話なんてっ?」



伊織「…プロデューサーは、何処に行っちゃったの?」

P「お、俺は…」

伊織「行かないって言ってくれたのにっ!」

P「………お、おちつけ伊織」

今で言う「ヤンデレ」を種類(?)で分けようとすると、

1.心の底から大好き。(無条件に彼に尽くそうとする)

2.貴方を好きな自分が好き。(彼の為に尽くしている自分に酔っている)

おおざっぱにこの2つになる気がする

1は純愛から殉愛までなんでもござれ。
対応・派生が多種多様。

2は最悪種。言うこときかなかったり思い通りにいかないとすぐキレて最後にはnice boat.
1から派生したりもする。


伊織「やっぱり駄目だった…プロデューサーがいなくなったら駄目だった…」

P(じょ、情緒不安定になってるな…)

伊織「ねぇ、プロデューサー…何処にいるのぉ?」

伊織「教えてよ…ヒック…どこぉ…」


P「じ、自分の家だよ伊織」

伊織「…なんでいなく…なっちゃったの?」

P「ご、ごめん…もう伊織が寝てたから…」

伊織「私は、行かないでって…言ったのにぃっ!」


P「わ、分かったから…落ち着け…な?」

伊織「いやっ!プロデューサー、いなくなったら駄目っ!」

伊織「そばにいてよ…うぅ…」

P「と、とりあえず深呼吸、深呼吸」

伊織「プロデューサー…プロデューサー…」



P(は、話を聞いてくれないな)


P「と、ところでこんなに遅くに…電話して大丈夫なのか?」

伊織「グスッ…へ?」

P「いや、病院の中ってそういうのって駄目じゃないの…?」

伊織「個室では…使えるわよ…」

P「そうなのか…」

P「じゃあ、今はベッドで寝ながら話してるのか?」



伊織「違うわ…今、XXXX…」


P「え?」

P(俺の家の近くじゃないか…)


P「い、伊織…?病院はどうした?」

伊織「そんなこと、どうでもいいのっ!」

伊織「プロデューサー…会いに来てぇ」

伊織「今…プロデューサーの家に向かってるよ…?」

P「だ…だろうな…」

伊織「来なくても、迎えに行くからぁ…」



P「わ…分かった、すぐに行くからっ!」



P「まったく…伊織は何を考えているんだ…?」



伊織「ぁ…」

伊織「プロデューサーっ!」

P「…伊織!」

ボフッ

伊織「プロデューサー、プロデューサーっ!」

P「おーよしよし…」ナデナデ


P(って何悠長なことしているんだ俺は)

伊織「どこに行ってたのぉ…行かないでよぅ…」

P「ご、ごめんな伊織…」

伊織「ずっと、会いたかった…寂しかったぁっ!」


P(1日もしないでこれか…)

P(少しでも落ち着かせないと駄目だよな…)

P「よしよし…もう大丈夫だよ、俺はここにいるから…」

伊織「…離れない?」

P「うん、離れない」

伊織「何処にも行かない?」

P「うん、行かない行かない…ずっといる」

ナデナデ

伊織「ほ、ホントにぃ?」

P「ああ、嘘はつかないよ」

伊織「じゃ、じゃあ…私が入院している間にね…家に頼んでおいたの…」

P(?)

P「何をだ?」



伊織「プロデューサーと、私の部屋っ!」


P「お、俺と伊織の部屋っ!?」

伊織「うんっ!だから、そこに行こう…?」

P「ちょ、ちょっと待ってくれ…!」

P(部屋?いきなりすぎて意味が分からない…)

P(家にって、水瀬に…だよな)

P「えと、今から…か?」



伊織「うんっ♪」


P「さ、流石に今からはちょっと…」

伊織「えっ…駄目…なの?」

P「ほ、ホラ…いきなり部屋って言っても…俺にも家はあるし…」

P「女の子と…しかもアイドルと同じ部屋になんて…」

伊織「いやっ!一緒にくるのぉ!!」

P「こ、声が大きいよ伊織っ!」

伊織「来てよ…一緒に来てよっ!」

P(とりあえずこの場をしのごうっ!)

P「よ、よし!行く、行くよ伊織っ!」

伊織「ホントっ!?」

P「あぁ…行こう、伊織」

伊織「うんっ!にひひっ♪」

何か最近は可愛い女の子が(非バトル物で)刃物持って迫ってきたり
プレッシャーとかなんやらで精神的に限界越えて感情的に怒鳴ったりするだけでヤンデレっていわれる気がする


P「そ、それで…?」

伊織「なぁに?プロデューサー」

P「その部屋は…やっぱり伊織の家にあるのか?」

伊織「それなんだけどね…な・い・しょ♪」カチッ


ビリビリビリビリッ!


P「いっ・・・!」


P(いおり…)



ドサッ


P「ん…んあー…?」

ジャラジャラ

P「ん、体が・・・動かない?」

ジャラジャラ

P「…鎖?」

ガチャ

伊織「ご、ごめんなさいっプロデューサーっ!」

ガバッ

伊織「痛かったでしょ?痛かったでしょ?ごめんなさい、ごめんなさいっ!」


P「ど、どういうことなんだ…?」

伊織「プロデューサーっ、プロデューサーっ!」

P「俺…確か伊織にスタンガンで…?」

伊織「そうなの…本当にごめんね?プロデューサー」

P「いや、それはたいしたこと無いから平気だよ…それより」

ジャララ...

P「この鎖は…なんだ?」


伊織「痛い?鎖、痛い?」

P「痛くは無いけど…これじゃあ動けないよ…」

伊織「ごめんなさいっ、はずしてあげられないの…」

P「な、なぜなんだ?」

伊織「鎖をはずしたら…プロデューサーがまたどこかに行っちゃう…」


P「お、俺がどこかに行っちゃう?」

伊織「そんなの耐えられないっ!いやっ!」

ギュー

P「苦しいよ…伊織…っ!」

伊織「!…苦しかった!?ごめんなさい、プロデューサーっ」

P「ゴホッ…ゴホッ…」

伊織「ごめんなさい…痛かった?プロデューサー?」


P「大丈夫…だから…」


P「ところで伊織…これから俺を、どうするつもりなんだ?」


伊織「プロデューサーをどうにかなんて…しないわよ…」

P「な、なら俺をここから出しt」

伊織「それは駄目なのっ!」

P「なっ…」

伊織「ずっと一緒って…居てくれるって…言ったのっ!」

P「そ、それはそうだけど…こういうことじゃないだろ?」

伊織「離れちゃダメぇっ!どこかに行ったらいやぁっ!」

P(これじゃあ、どうすることもできない…)

P「じゃ、じゃあ俺はこれからずっと…」



伊織「ここに居るのぉっ!」



伊織の話では、竜宮小町はまた3人に戻り今も活躍している…

765プロはプロデューサーが一人辞めて、新しいプロデューサーを雇ったらしい

その人は優秀で、前のプロデューサー以上にアイドル達に熱を入れている

やよいは…一時的ではあったが、ショックから立ち直り、新しいプロデューサーにプロデュースしてもらっている



伊織は今日も、俺に色々な話をしてくれる…




―今、何時だろう

真は書いたばかりだし当分無理ですぅ><
束縛って物理的じゃなくて、精神的なものだと思うんだっ
P失明も考えたけど、ヘビーじゃなくても良いと思ったんだぜ

響とか・・見てみたいな(チラッ

それはともかく、お疲れ様
楽しかったよ

ちょっと考えてたEND


P「伊織ぃ…何処に居るんだぁ?」オロオロ

伊織「はいはい、ずっと近くに居るわよっ」

ギュッ

P「伊織…怖い、真っ暗だ……怖い…」

P「手…離さないでくれ…」



伊織「もう、しっかりつかまってなさいプロデューサー?」



目が見えなくなって…伊織が俺の支えになった…

>>292
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら
悪いところがあったら直しますから、何でもしますから捨てないでくださいって小鳥さんに懇願されたい
それを突き放した時の絶望した顔が見たい

>>304
突き放す前に一回「んー・・しょうがないなぁ・・」とかいって期待させたい

響のヤンデレは是非書いてみたいが、いかんせんハードルが高すぎる

彼氏を殺してしまうヤンデレはただのキチガイだと思っていたのは俺だけじゃないようだな

>>326
 「殺したいくらい好き」と「私を好きじゃないなら殺す」は全然違うのに、それを理解してないヤツらがヤンデレを間違った方向へ向かわせた。嘆かわしいでんな……

 逆に「貴方になら殺されてもいいよ」、「貴方が幸せになれるなら、なにをされたって…」の類は切なすぎて大好物でんな……

 ヤンデレは 重いくらいが ちょうどいい

P「響、出発の準備はいいか?」

響「う、うん」

P「今日も結構詰まってるからな、無理せず余裕を持って行こう」

響「了解さー。……」





伊織「……ふん」

美希「ハニー……」

春香「プロデューサーさん……」

響「……あのさ、プロデューサー」

P「ん? どうした?」

響「自分のこと、すっごく大事にしてくれるのは嬉しいし、
  いつも一緒にいてくれてるのにはほんとに感謝してるんだけど……
  
  伊織とか美希とか、春香が寂しそうだぞ……」

P「あぁ、……それはこの間、小鳥さんにも言われたよ」

P「でもな、響。
  お前は765プロで初めてのAランクアイドルになったばっかりで、
  ある意味一番危ない時期なんだよ。
  仕事が、じゃなくて、響の身体が、な」

響「……」

P「もちろん仕事も大事だが、俺はそれ以上に響が大事なんだ。
  アイドルとして頑張ってもらうのに、響自身が疲れちゃったら
  せっかくのチャンスも台無しだろう?」

響「プロデューサー……」

P「だから今は、出来るだけ近くでお前をプロデュースしたいんだ。
  響は頑張り屋だから、知らずに無理してることもあるかもしれない。
  そう言うのに気付くには、やっぱり一緒にいるのが大切だからな」

響「うん……それはわかるぞ。でも……」

P「大丈夫、他のやつもちゃんと解ってくれてるさ」

P「あいつらだってAランクアイドル目指して頑張ってるし、
  俺も全力で応援してる。
  響が仕事の波にうまく乗れるようになったら、
  その時は改めてあいつらと一緒に頑張るさ。
  でも、今はとにかくお前が大事なんだよ」

響「……自分がちゃんとAランクアイドルとして、
  自立できるようになったら、いいんだな?」

P「ん、まぁそうだな」

響「わかった。
  自分、頑張って、早くプロデューサーが
  伊織たちのことも見て上げられるようにするぞ」

P「響は優しいな」

響「そ、そうかな?」

P「きっとみんな上手く行くさ。
  響は何も心配しないでいいからな」ナデナデ

響「……うん、プロデューサー」

響(……違うんだ、プロデューサー。
  自分、全然優しくなんかないんだ。

  ほんとは、プロデューサーをひとりじめするために、
  ずっと頑張ってたんだぞ。

  でも、プロデューサーにいい子だって思われたいから、
  あんなこと言ったんだ。
  自分だけを見ててほしいのに。

  自分……うそつきの、悪い子なんだぞ……)

響「はいさーい!
  今日は東京でも食べられちゃう、すっごく美味しい沖縄料理を教えるぞ!」

司会「響ちゃんは沖縄出身なんだよね?」

響「うん!
  だからちょっと厳しくコメントしちゃおっかな?」

司会「本場の舌はごまかせませんねぇ。
   でも、響ちゃんに認められれば本物の味ってこと!」

響「保証するさー!」

響「まずは、このお店!……」

司会「そこは……」





響(プロデューサー、見ててくれてるかな?
  誉めてくれるかな……また、頭撫でてくれるかな……)

響(……でも、……)





  響が仕事の波にうまく乗れるようになったら、
  その時は改めてあいつらと一緒に頑張るさ。





響(……誉めてほしい。
  完璧な自分をプロデューサーにたくさん見てほしい。
  でも、自分が完璧だったら、プロデューサーはもう自分だけのこと、
  見てくれなくなっちゃうのかな……)

響鬼~~~!!!



妄想力の豊かな女の子のヤンデレっぷりもステキ

P「家族みたい」→家族……結婚したいってこと!?

P「駅まで送るよ」→夜道を2人でデート……2人はもう恋人同士!!

P「体調管理はしっかりとするんだぞ?」→きょ、今日は安全日です…!!

みたいな。

そして妄想がつもり積もった結果、その子の中でPと自分は既に夫婦。
やましいことは何もしてないのに、他のこと話していただけで浮気呼ばわり。

そんなあずささんがみたい。もう別キャラだけど

スタッフ「お疲れさまでーす」

P「お疲れさまでした!」

響「お疲れさまでしたー!」





P「響、今日もすごくよかったぞ。
  ディレクターも店の人も、喜んでくれてた」

響「ほんと?」

P「あぁ。
  この調子なら、トップアイドル定着もすぐだな!」

響「――――自分、完璧だからな!」

P「じゃあ、俺はこれからもう一件だけ営業があるから、
  響は先に事務所に戻っててくれ」

響「うん、わかったぞ」

P「くれぐれも、気を付けてな?」

響「タクシーに乗るのに、気の付けようがないと思うけど」

P「まぁそれもそうだが……」

響「平気だってば。
  プロデューサーも次の仕事に集中しなきゃだぞ!」

P「あぁ」

響「……ちなみに、誰の営業なんだ?」

P「ん、まぁ765プロ全体だが、企画としては伊織の売り込みかな」

響「そっか。……そっか」

P「心配するな、大丈夫だって。
  じゃあ、また明日な」

響「うん、プロデューサー。
  ……いってらっしゃい」

P「おう」





響「……」

タクシーか……

なんかいぬ美に跨って登場→退場する響を妄想してしまった

支援支援

ガチャッ、



伊織「!」

春香「プロデューサーさ……」

美希「ハニー! おかえ、り……」



響「……ただいま。
  プロデューサーは営業に行ったぞ」



伊織「……」

美希「そう……なの」

春香「プロデューサーさん……忙しそうだね……」

伊織「……ま、しょうがないわね。
   今は踏ん張りどころなわけだし」

美希「でも、もうずっとハニーとお仕事できてないの。
   寂しいよ……響が羨ましいの……」

春香「美希、そんなこと言ったら響ちゃんが困っちゃうよ?」

美希「あ……ごめんなの、響」

響「じ、自分は別に……」

伊織「じゃあ……帰ろうかしら」

春香「うん、そうだね」




美希「……ハニー、もうミキたちのこと見てくれないのかな……」




伊織「!……」

春香「……っ」

響「美希……」

春香「そ、そんなことないよ。
   プロデューサーさんはちゃんとみんなのこと考えて……」

伊織「そうよ、アイツのことだもの、いくら忙しくたって……」

美希「でも、でも、……ミキ、怖いの。
   ハニーに見捨てられちゃったらって……
   すっごくハニーに大事にされてる響を見てたら、
   余計にそう思っちゃうの……」

春香「……」

伊織「……」

美希「……」







響「じ、自分は……

  ……そんなこと、ないって、思うぞ。

  今日の営業だって、伊織を売り込むためだって言ってたし」

伊織「そっ、……そうなの?」

響「うん。765プロ全体の営業と、その中で伊織の企画だって、
  プロデューサー言ってた」

春香「ほ、ほらぁ、やっぱり美希の考え過ぎだよ!
   私たちも頑張れってことだよ!」

美希「ハニー……ミキ、明日からもっと頑張るの!」

伊織「わ、私も……!」






響「……」

響「……今は自分のことで精いっぱいだけど、
  自分も、伊織たちのこと、応援してるぞ。
  自分がここまで頑張れたのも、プロデューサーとみんなのおかげだし。

  一緒に、頑張ろ?」

伊織「響……」

春香「響ちゃん……私たちもすぐAランクアイドルになってみせるから!」

美希「ハニーのひとりじめもそこまでなの!」

響「……待ってるぞ、みんな。
  自分も、頑張るからさ」

伊織「響、……ありがと」

春香「響ちゃん、ありがとう!」

美希「悔しいけど、響がAランクアイドルな理由が、
   ちょっとわかった気がするの」









響(……また、うそつき。
  うそつきだぞ、自分……)

響(みんなにはAランクアイドルになんてなってほしくないって、
  そんなこと思ってるんだぞ、自分……
  プロデューサーもみんなも必死になって頑張ってるのに、
  みんなを騙して、自分は、最低のうそつきなんだ……



  自分、プロデューサーに見てもらえる資格なんて、
  ほんとは……そんなの、ないんだぞ……)

響「二時間ドラマ? 自分が?」

P「あぁ。
  主役ってわけじゃないが、ほとんどヒロインだな。
  まだしばらく先の話にはなるが」

響「……」

P「できそうか?」

響「どうかな……演技とかってちゃんとやったことないけど……」

P「おいおい、そうじゃないだろ?」

響「え?」

P「俺の知ってる響なら、多分、ああ言うと思うんだけどな」

響「……あはは、そうだな。うん。
  やるよ。プロデューサー。絶対やりきって見せる。
  自分、完璧だからな!」

P「よく言った!
  そうと決まれば、色々とそれを見越したレッスンを入れなきゃな!」

響「うん!」

響「『好きなんです!
   好きだったんです……あなたのことが』

  『ずっと、言えなかった』

  『私にはあなたしかいないの』」





P「お疲れさん。今のは結構よかったんじゃないか?」

響「うー、やっぱりちょっと恥ずかしいぞ……」





響(……台本なら、言えるのにな……)

あいらいくゆーのーことばならいえーる

P「で、これが今度の台本だな。
  細かい変更はあるかもしれないが、大体最終版と考えていいそうだ」

響「ん。
  ……プロデューサーはもう読んだのか?」

P「あぁ、まぁ、ざっとはな。
  楽しみにしてるよ、ひとりのファンとしても」ナデナデ

響「……自分、頑張るから……」

P「うん、頑張ってくれ」

響(『好きだったんです』、か……
  ……自分、いつからプロデューサーのこと、好きだったんだろ……

  事務所に上手く馴染めなかった自分に、優しくしてくれたから?
  初めてオーディションに受かったとき、思いっきり抱きしめてくれたから?
  自分のこれからのことを、すごく真剣に考えてくれたから?

  ……どれも、ちょっと違う)

響(そうだ……
  伊織。伊織が自分より先にオーディションに受かって、
  それで一日中プロデューサーに誉められてるのを見て、
  それから、自分も、誉めてほしいって、
  伊織より、自分だけを見てほしいって、……
  プロデューサーの全部がほしい、自分の全部をあげたいって、……)

響(でもそれって……ほんとに『好き』ってことなのか……?

  ……。

  ……今は、この仕事に集中しよう。
  上手くできたら、きっと、プロデューサーにいっぱい誉めてもらえる……)

響「『……離して。もう、私に構わないで』」



響(そうだ。プロデューサーは、今は自分を見ててくれてる)



響「『離してよっ! どうせ、……どうせまた、嘘なんでしょ!』」



響(自分だけを見ててくれてる)



響「『……うそつき』」



響(……自分だけの、プロデューサー……)

P「すまん響、明日はどうしても現場に行けないんだ」

響「そうなのか?
  自分は別に平気だけどさ。また営業?」

P「伊織と美希、それから春香のオーディションがあるんだ。
  それぞれバラバラな上に、結構大きなやつでな。
  これが掴めたらデカいんだが」

響「――――おぉ!
  さすが自分をここまで育てた敏腕プロデューサーだな!」

P「ははは、おだててもジュースぐらいしか出ないからな」

響「三人に『応援してる』って、伝えといてほしいぞ」

P「あぁ、わかった。
  ちゃんと伝えておくよ」

響「自分も負けないように頑張らないとなー」

P「監督も、ほかの役者さんも響のことべた褒めしてたから大丈夫だって。
  響に合わせてちょっと脚本を書き換えるぐらいだからな」

響「そうなのか?」

P「近いうちにもっと活躍できるようになるさ」

響「そっか……よし、やるぞー!」

P「その意気だ!
  でもその前に、今の仕事がクランクアップしたら、
  何かお祝いしないとな。どこでも連れてってやるぞ!」

響「ほ、ほんとに?」

P「あぁ、約束だ。だから、最後までしっかりな」

響「うん!」

響「『だ、だからって、こんな……今更、好きだなんて……』」



響(プロデューサー)



響「『ひどい……ひどいです。ずるいですよ、そんなの……』」



響(プロデューサーは、どうして自分に優しくしてくれるんだ?)



響「『私だって!……私、だって……』」



響(こんな、自分なんかに)

響「『……うそつきです』」



響(こんな、うそつきの自分なんか)



響「『でも、これは、ほんとの気持ち』」



響(……ほんとは知ってるのかな。
  知らないふり、してくれてるのかな)



響「『好き、です。好きだったんです』」



響(自分の嫌な、汚いところ……)

響「お疲れさまでした」ペコリ

響(今から事務所に戻ったら、プロデューサーと会えるかな……)



監督「おい我那覇、ちょっと来い」

響「え? あ、はい」





響(な、なんだろ……怒られるのか……?
  プロデューサーに迷惑かかっちゃったらどうしよう……)

響「……キスシーン?」

監督「そうだ。最後の台詞の後にそれを加える。
   確認を取ったら、765の社長はお前に任せると言っていた」

響「……」

監督「俺としては、画の質を上げる最短の方法だと思ってる。
   どうする?」

響「少しだけ……考えさせてください」

監督「なら次の収録までに決めろ」

響「……はい」

響(どうしよう……
  どうしようどうしようどうしよう……

  監督は『お前次第でどこまでも良い画になる』って言ってたけど……
  でも、キス、なんて……まだ、初めても……なのに……

  ……プロデューサーに、相談する?
  プロデューサーなら、きっと何かアドバイスをくれる……
  うん、そうしよう、プロデューサーならきっと……)

  「……、……」

  「……!」



響(? なんか事務所がざわざわしてるな……)



ガチャッ、

春香「あっ、響ちゃんお帰りなさい!」

美希「お疲れさまなの!」

伊織「遅かったわね、響」

P「お、響か!
  ちょうどよかった、今連絡しようと思ってたんだよ」

響「どうしたんだ?」

P「この3人が、めでたくBランクアイドルに昇格したんだ!」

響「――――」

春香「響ちゃんが励ましてくれたおかげだよ!」

美希「響に追いつくまであとちょっとなの!」

伊織「どんどん追い上げていくわよ」

響「そう、なのか。
  はは、やった。やったな、三人とも!」

P「それで、これからささやかな祝賀会でも開こうかと思うんだが、
  響もどうだ? と言うか、春香たちが」

春香「一緒にご飯食べに行こうよ!」

P「って言ってるんだけど」

響「えと……」

P「どうする?」



響「……ごめん、自分ちょっと用事があるんだ」

美希「そうなの?」

伊織「残念ね」

P「ん、じゃあ、気を付けて帰れよ」

響「……うん。ごめんね。
  誘ってくれてありがとう」

春香「今度は一緒に行こうね!」

響「楽しみにしてるよ。
  じゃあ、お先に」




ガチャ、
……バタン。





響「……」

響(今、自分のドラマの相談なんかしたら、なんか嫌だよな。
  せっかくお祝いしようってムードなのに、水差したら……

  プロデューサーも、すごく嬉しそうだったし、
  今、心配掛けたら、ダメ……うん。
  自分は、自分で頑張らなきゃ……みんなにも追い付かれちゃうし……

  ……、……)





響「プロデューサー……」

響(『私はずっと、うそつきのままいます。だから……』

  ……ここで、キス、か……)



バサッ、…



響(プロデューサー、プロデューサー、……
  プロデューサーに、全部話してしまいたい。
  自分が最低のうそつきだってことも、全部ぜんぶばらしちゃいたい。

  苦しいよ、プロデューサー……)

P「え? 今日は観に来てほしくないって?」

響「うん……どうしても、プロデューサーがいると緊張しちゃって」

P「そうか……わかった。
  それなら仕方ないな」

響「わがまま言ってごめんなさい」

P「いや、いいよ。響のしたいようにやってくれ。
  俺も出来る限りの協力はするからさ」

響「……ありがとう、プロデューサー」

P「じゃあ、終わったら迎えにくるからな」

響「うん。自分、頑張ってくるね」

P「あぁ、期待してるぞ」ナデナデ

響「ん……」





響(……止めてほしかった。
  プロデューサーに。キスなんかするな、って。

  そんなの、言わなきゃわかるわけないのに……)

正直日本のドラマのキスシーンはソフトタッチすぎてインパクトも存在意義もないから必要ないよな

少女漫画が原作~とかでストーリーの関係とかあるんだろうけど、

もっとお茶の間が気まずくなるくらいディープでフレンチなキス連発しろ

追いついた
淡いからこそ恋愛ものは萌えると思うよ支援









響(プロデューサーに、もらってほしかったなぁ……)







P「お疲れ、響。
  よくやったな」

響「うん。自分、頑張ったぞ。
  いっぱい、頑張ったぞ」

P「あぁ、あぁ、完璧だった。
  やっぱりお前は完璧だよ。本物のトップアイドルだ」

響「プロデューサー、あのな、自分、……」

P「ん?」

響「……」

P「どうした、何でも言ってくれよ。
  今日ばっかりはどんなことでも聞いてやるぞ?」

響「……いや、いいよ。
  プロデューサーに迷惑掛けたくないし……」

P「今更そんな水臭いこと言うのか?
  俺はお前に迷惑掛けられたらなんて思ったこと、一回もないぞ?」

響「……プロデューサー、優しいもんな」

P「結構厳しくやってきたつもりだったんだけどな」

響「全然だぞ。プロデューサーなんか甘々だ。
  だから、時々、甘えたくなっちゃうんだよ」

P「まぁ、たまにぐらいなら良いぞ。
  美希みたいにべったりなのは困るが」







響(あぁ。ほんとうに、この人は。
  自分の本心を知ったら、どれだけ幻滅するのだろう)

響(知ってもらいたい。
  自分の泥みたいな、暗いところを、全部知ってほしい。
  いままでついた嘘を、ぜんぶ告白して、
  これからつく嘘もぜんぶ吐き出してしまいたい。

  それで、自分なんか、ゴミみたいに捨ててほしいんだ。
  自分なんかプロデューサーには相応しくないって、
  証明してほしいんだ……)

響(……でも、でも、もしかしたら、プロデューサーなら、……

  『こんな自分でもいいよ』って、言ってくれるかもしれない。

  万に一つだけ、こんな自分でも、受け入れてくれるかもしれない。
  もしそうなら、どんなに嬉しいだろう。
  嬉しすぎて、死んじゃうかもしれない。
  考えただけで、泣いちゃいそうだ)

響(言おう。
  自分は、こんなに汚い子です。
  うそばっかりつく、悪い子です。
  プロデューサーに嫌われたくて、また嘘をついています。
  プロデューサーに嫌われたくなくて、こんな嘘をついています。
  言おう。言おう。
  言って、嫌われたら、嘘でしたってことにしよう。
  それで元通り……元通り……)

P「……き、……おい、響!」



響「……え?」



P「どうしたんだ、うわの空になったと思ったら、
  急に泣き出したりして。びっくりしたぞ。
  どこか痛いのか? つらいのか?」

響「……うぅん。大丈夫だぞ、プロデューサー。
  心配させてごめんなさい」グシグシ

P「いや、大丈夫には思えないんだが」

響「ほんとに平気だってば。
  ただ、急に緊張が解けて……そんな感じだよ、うん」

P「……」

響「大丈夫だから。
  ほら、……もう泣いてないぞ?」ニコッ



P「……響、お前の笑った顔は、誰より可愛いと俺は思ってる。
  けど、俺の知ってる響は、そんなつらそうな笑い方はしない」

響「……」

P「頼む。言いたいことがあるなら、言ってくれ。
  俺に出来ることがあるならなんでもする。
  なくても、話だけでも、聞かせてほしい。
  俺に話せない話なら、それでもいい。
  そうだと言ってくれ。
  響、頼むよ。お前の力になりたいんだ。
  お前には、笑っててほしいんだよ」

響(……今のは、プロデューサーが、悪いんだからな。
  そんなに優しくするから、悪いんだから……)



P「なぁ、響? 話してくれないか?」

響「……わかったよ。
  ぜんぶ、正直に話す。ぜんぶ、全部」
P「あぁ、聞かせてくれ」






響「――――自分、アイドルをやめたいんだ」

P「……え?」

響「伊織と、美希と、春香がAランクアイドルになったら、
  自分、アイドルをやめたいんだ。プロデューサー」

P「……」

響「それで、自分はただの女の子になって、
  プロデューサーのお嫁さんになりたい」

響「毎日、プロデューサーのために、ご飯をつくったり、お掃除したり、
  仕事の愚痴をきいたり、一緒に765プロのアイドルが出てるテレビを観たり、
  他にもたくさん、……したいんだ。
  アイドルじゃなくて、お嫁さんになりたい。

  プロデューサーの、お嫁さんになりたい」

響「プロデューサーの特別は、自分じゃなきゃやだ。

  プロデューサーが全部ほしい。
  自分だけを特別に見てほしい。
  プロデューサーに全部あげる。
  自分の特別を、ぜんぶあげる。
  今、自分が持ってるものを、ぜんぶあげる。
  だから、プロデューサーのもぜんぶほしい。
  誰にも渡したくないんだ」

響「いらなくなったら、捨ててくれていい。
  プロデューサーが消えろって言ったら消える。
  プロデューサーが死ねって言ったら死ぬ。
  プロデューサーが、そばにいていいよって言ってくれたら、
  こんな自分だけど、そばにいさせてもらう。

  プロデューサー以外は何もいらない。
  プロデューサーしかいらないよ、自分」

響「今までだって、ずっとプロデューサーの特別になるために頑張ってたんだ。
  それで、誰より早く、誰よりたくさん、
  プロデューサーに誉めてもらいたくて、
  必死になってAランクアイドルになった。
  みんな、真剣にトップアイドルを目指してるのに、
  自分はそんなのどうでもよかった」

響「ほんとはもっとプロデューサーに甘えたかった。
  でも、プロデューサーに迷惑を掛けたくなかった。
  プロデューサーは自分を特別扱いしてくれたけど、
  他の子もやっぱりプロデューサーの特別だった。
  他の子と一緒はやだ。でも、プロデューサーに嫌われるのはもっとやだ。

  だから、いっぱい嘘をついた」

響「みんなも、プロデューサーも、自分のこと信じてくれたのに、
  自分はみんなを騙してたんだ。
  嫌われるのが怖くて、ずっと、真剣にアイドルをやってるふりをしてた。
  プロデューサーがあんなに頑張って自分を応援してくれたのに、
  自分はほんとは、プロデューサーに言ってほしかったんだ。

  『頑張らなくても、響は特別だよ』って」

響「……自分、もう、うそつくの疲れちゃった。
  それに、こんな自分、どうせプロデューサーには相応しくない。
  嫌われて当たり前だもん。
  だから、プロデューサーが困るって知ってて、
  こんな話したんだぞ。

  自分、悪い子だから、
  プロデューサーの気持ちなんか、考えなかったんだ」

響「ごめんなさい、プロデューサー。
  うそつきでごめんなさい。
  わがままでごめんなさい。
  悪い子でごめんなさい。
  嫌な子でごめんなさい。

  ……なのに、大好きでごめんなさい、プロデューサー」



P「……、……」

響「……自分のこと、嫌いになったんなら、何も言わないで。
  もし、自分のこと、お嫁さんにしてくれるなら、何か言って。
  自分、言いたいことはぜんぶ言ったから」

P「……」

響「……」


P「……」



響「……」




P「……」





響「……」

P「……」

響「――――うん。
  よかった。
  何も言ってくれないで」

P「……」

響「だいじょうぶだぞ、プロデューサー。
  ちゃんと、こうなることはわかってたから。
  ずっと前から、わかってたから」

P「……」

響「明日からは、全部元通り。
  今のも全部うそだから。
  なんくるないさー、って」

P「……響、」

響「まだ喋っちゃダメ」

P「……」

響「……」

P「……」

響「……明日からも、プロデューサーが、
  もうお前なんかいらないって言うまでは、
  自分はアイドルだから。
  特別扱いなんて、しなくていいから。
  ……うん。じゃあ、自分、帰るね。



  ばいばい、プロデューサー」

響「……」


響「……」


響「……」


響「……走って来て、後ろから抱き締めてくれないかなー、なんて。
  ドラマみたいにはいかないもんさー」

響「……」


響「……」


響「嫌われたかな。嫌われたよね。
  あぁあ。……最低だ」

響『好きです。
  好き、だったんです』



春香「……」

美希「……」

伊織「……」



P「おい、お前ら、いい加減に帰らないと」

春香「しーっ!
   もうすぐラストシーンなんだから、静かにしてください!」

P「やれやれ……」

P「……確か、ラストシーンは」

伊織「ちょっ、バカっ! やめなさいよっ!」

美希「ネタバレ厳禁なの!」

P「はいはい……」




響『私は、うそつきのままいます。
  だから、……あ……』

春香「……う、わ、ぁ……」





響『……、……』ポロポロ…





美希「き、キスシーン……」

伊織「ちょ、ちょ、ちょっと、あんた!
   これ、これってありなの!?」

P「――――」ガタッ

響『……泣いてる? 私……
  なんでだろう……嬉しいはずなのに……変ですね。
  止まらない……』ポロポロ…





響(……今ごろ、みんなびっくりしてるかなぁ。
  結局、言えなかったもんな。言えるわけないよ。
  好きな人に、その人じゃない人とキスする話なんて。
  それも、それがお仕事で、ファーストキスなんて)

響(……でも、別にいいか。
  もう、嫌われちゃったし。
  あれ以来、すっかり距離取られちゃったし。
  もうすぐ、あの三人がAランクになったら、
  自分なんて、すっかり忘れられるんだ……

  それで、いい。
  このうそつきの自分が、
  プロデューサーにプロデュースしてもらったアイドルの自分なんだもん)

響(だから、自分、こんなうそつきの自分でも、好きになれる。
  プロデューサーに、いらないって言われても、まだ好きでいられる。
  この自分が、プロデューサーと自分の最後の絆なんだもんな。

  ……プロデューサーにあげるつもりだったもの、
  全部、この自分にあげるのも、いいかもね)

響「キスだけは、違う人にあげちゃったけど、後は全部あげるね、自分――――」



~♪
   ~♪
 ~♪



響「――――ひょっとしたら、万が一、なんて、期待してたけど……
  プロデューサーさんから、電話……」

響「こんなことするから、また期待しちゃって、
  嫌な自分になるのになぁ……
  嫌だなぁ……嬉しいなぁ……」ピッ

P『もしもしっ、響かっ?』

響「うん、そうだぞ、プロデューサー」

P『今どこにいる!?』

響「えーと……どこだろう? わかんない。
  海。どこかの海にいるよ。
  オフだったし、ちょっと遠くにおでかけしたんだ」

P『な、何か看板とか無いかっ?
  地名とか、建物の名前とか……』

響「んー、暗くてよくわかんない。
  けどプロデューサー、そんなの聞いて、どうするの?」

P『どうするって……そんなの、迎えに行くに決まってるだろっ!!』

響「迎えに来てくれるんだ。
  でも、いいよ、もう遅いし、迷惑になっちゃう」

P『そんなこと気にするなっ!
  頼むから、場所を教えてくれ、響……!』

響「だって、プロデューサー、迎えに来てくれるだけなんでしょ?」

P『だけ……?』

響「うぅん、なんでもない。
  わがまま言ってごめんなさい。
  心配させてごめんなさい。
  やっぱりプロデューサーは優しいね」

響「そんなに優しくされると、自分、ダメになっちゃうぞ」

P『響……、頼むから、そこがどこかを、言ってくれないか。
  外にいるんだろう? もう寒い。早く帰らないと風邪ひくからさ。
  だから、すぐに迎えに行きたいんだ』

響「……」

P『響……約束したじゃないか。
  ドラマの撮影が終わったら、一緒にどこかに行こうって』

響「……そうだったっけ。
  もう、忘れちゃった」

P『俺は覚えてる。ちゃんと約束したぞ。
  お祝いに、何か食べに行こうって』

響「さすが、プロデューサー。
  スケジュール管理も完璧だな」

P『……響、お願いだ。
  これは俺のお願いなんだよ』

響「……」

P『どうしても、聞いてくれないか?
  今、どこにいるのかを、俺に教えてくれ。
  迎えに行かせてくれ』

響「……プロデューサーのお願いなら、断れないな」

P『響……!』

響「ねぇ、プロデューサー、あのドラマ見た?」

P『あ、あぁ、見てたぞ。
  すごい出来映えだったな』

響「自分のキスシーン、どうだった?
  上手く出来てたと思う?」

P『……』

響「あのシーン、ほんとはNGだったんだ。
  けど、監督がそのまま使ったんだって」

P『……何が、NGだったんだ?』



響「……」

春香「さっきのシーン……響ちゃん、泣いてたよね」

伊織「えぇ……」

美希「あれ、多分演技じゃないよ。
   本物の涙だと思うの」

春香「……響、ひょっとして、あれが初めての……?」

美希「……」

伊織「……そんな……」

春香「だから、プロデューサーさんにも言わずに……」

美希「響……」

伊織「……」

美希「こんなのってないの。
   響は無理やりでもなきゃ、そんなことする性格じゃないよ!」

春香「けど、嫌だったら嫌だって、プロデューサーじゃなくても、
   誰かに言えたはずだよね……?」

伊織「……止めてほしかったんじゃないかしら」

美希「……」

春香「……」

伊織「ほんとは、プロデューサーに止めてほしかった、とか……」

P『……ごめんな、気付いてやれなくて』

響「……」

P『響がずっと悩んでたのに、気付いてやれなくて、ごめんな』

響「……プロデューサーは、悪くないぞ。
  自分が言わなかっただけだから……」

P『言えなかったんだよな?
  言いたくても、怖かったんだよな?』

響「……うん」

P『ごめんな、響。
  ごめん……』

響「もし、キスシーンがあるって知ってたら、
  プロデューサーはどうしてた?」

P『……止めたさ。
  全力で止めたに決まってる』

響「それは、自分がプロデューサーのアイドルだから?」

P『違う。
  響だからだ』

響「……」

P『響、俺は他にもたくさん響に謝らなきゃならないことがある。
  お願いだから、謝らせてくれ。
  会って、謝らせてくれないか』

響「プロデューサーが……?
  そんなの、プロデューサーが謝るようなことなんて……」

P『俺は、響から逃げてた。
  響の本音から逃げてたんだ。
  それを、謝らせてくれくれ』

響「あれは……仕方ないぞ。
  あんなの、気持ち悪いもん……誰だって、逃げるよ……」

P『気持ち悪くなんか無い。
  ただ、響は人より純粋だっただけだ』

響「うそ、うそ。
  プロデューサーのうそつき。
  自分、純粋なんかじゃないぞ。
  汚くて、悪いやつなんだ」

P『違う! 響は汚くない! 悪くない!』

響「プロデューサーはうそつきだぞ……
  自分のことなんか、嫌いなくせに……」

P『嫌いなわけないだろ!
  ……いや、そんな風に思わせてしまったことを、謝りたいんだ』

響「うそ、うそだ……」

P『ほんとだ。
  響、もう一度ゆっくり話そう。
  色んなことを話そう』

響「そんなこと言われたら……
  せっかく、やっと、あきらめられたのに……
  こんなやつだから、仕方無いって、
  やっと、やっと、あきらめられたのに……」

P『今すぐにってわけには行かないが、
  お前が俺のお嫁さんになるって話も、一緒に考えよう。
  響、今すぐ迎えに行くから、たくさん話そう』

響「そんな……そんなのっ……!」ポロポロ…

ザザァァン……
ザザァァン……


P「響……こんなに冷たくなって」ギュッ

響「……プロデューサー……ほんとに来てくれたんだ……」

P「当たり前だろ。
  心配させやがって」

響「ごめんなさい……
  ……やっぱり、嫌いになった? 自分のこと……」

P「バカ。早く来い。
  もう日付替わってるんだぞ」

響「……」ギュッ

P「おい、何やってるんだ?」

響「もうちょっとだけ、このままがいい……」

P「……全く。響は甘えん坊だな」ナデナデ

響「いっぱい誉めて、いっぱい叱って、
  いっぱい厳しくして、いっぱい甘やかしてくれないと、やだぞ……」

P「あぁ、わかってる」

響「……怖いんだ、やっぱり怖い……
  ほんとの気持ちを、プロデューサーに言うのが……
  プロデューサー、自分、うそつきのままでいてもいいかな?」

P「ダメだ。
  俺ももう響には嘘はつかないし、隠し事もしない。
  だから、響も……」



響「……ん……」








響「……うそつきのアイドルじゃなくて、
  ほんとの我那覇響にとっては、これがファーストキスだぞ……プロデューサー」




ザザァァン…
ザザァァン……





【HAPPY END】

HAPPYENDになったのは自分でも意外だった。
BADEND直行かと思ってたんだけどな。

スレタイと関係無いのを長々書いて悪かった。ごめん。
ID:mgtX2W8A0に対するリスペクトと対抗心でやった。今は反省している。
響可愛いよ響。


風呂入ってくる。寒い寒い。



ハッピーエンドと銘打ったということはバッドエンドもあるんですかい?

>>689
クランクアップと同時に三人がAランク昇格
Pとの時間は日に日に減ってゆく
そんな中、伊織に恋愛相談を持ち掛けられた響は、協力を決意

そして伊織がPに告白を敢行したその日、
響は本当の自分を捨てた『アイドル』となり、更なる快進撃を始めるのだった
しかし、彼女の目はまるで……

まぁジャンルとしては『鬱デレ』に近いかな
いわゆる内向きのヤンデレ、大好物。

おやすみ。

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