内閣総理大臣『みなさん、落ち着いてお聴きください』(66)


時は午後1時、突如すべての番組が国内緊急速報へと変わった
あと4日と迫ったクリスマス向け特別番組の司会はらっきょうみたいな顔の日本の長へと変わった
総理「この地球に超特大の隕石が迫っています」

総理「その大きさは直径約100km……太古の生物の大量絶滅の際の大きさが推定10kmであることからとてつもない大きさであることはお分かりいただけると思います」

総理「落下地点は太平洋、それによる津波でおおよそ世界の陸地の85%以上が沈没する計算です」

総理「ですが、ご心配ください」

総理が画面の横に向かって合図すると総理の背後にかかっている大きなスクリーンに何かが映し出された。宇宙服を着た人々だった

総理「彼らは世界のあらゆる分野のスペシャリストであり且つこの問題のために結集した対策チームです。今彼らは月を通過し、隕石に向けて船を進めています」

総理「アメリカ、日本、イギリス、ドイツ、ロシアなどのチームで結成された彼らが必ず隕石の軌道を逸らします。成功確率は計算上99%以上」

総理「更に、万一失敗した時のため、20年前から建設が開始されていた地下シェルターを用意済みです。我が国の国籍を持つ者は全員最低限の生活を送ることができます。そこで世界の気候や波の元に戻る10年を生活できるようにしています」

総理『他国も同じような対策を講じているようです。ご心配ください。どうか混乱しないように』

少年「……だそうだ」

友「はあ?」

少女「……だ、大丈夫だよね」ガタガタ

友「少女こそ大丈夫か?」

少女「……えっ、あ、うん、大丈夫……」ガタガタ

少年「あの総理大臣が絶対大丈夫だって科学的に言ってるみたいだし大丈夫なんじゃないか?」

友「なんか、あまりにも唐突すぎて実感わかねえっつうか……」

少年「(でもまあ、本当はもう絶対助からないけど混乱を招かないように政府があんなこと言ったって可能性も……)」

少年「なあ」

友「どうした?」

少女「なに?」

少年「まあ、大丈夫だとは思うがもし失敗して地下の世界に行くことになるとしたら外はしばらく見られないんだろ?」

友「まあ…そうなるな」

少年「んじゃあ、3人で山、見に行こう」

友「山……?」

少年「そうだ、山だ。富士山見に行こう」

少女「……クスッ」

少女「ふふふふっ、本当に少年君っておもしろいね。昔からずっと。クールなのにいきなり変なこと言ったりして」

友「たしかに……お前ほんとつかみどころないよな」

少年「いいだろ、決まったならすぐ支度して行こう。同じようなこと考えるやつが増えたら交通的にめんどくさいしな」


俺達はみんな幼い頃に親に捨てられた。

孤児院に入った時期が同じで似たような境遇だったからかすぐに打ち解け、気が付いたらずっと一緒になっていた。

それぞれ同じ学校に通い、なんだかんだで同じ進学先を選び続けて今では高校3年生。

これが最後になるかもしれないみんなでの旅行。
俺達だけの修学旅行。

友「ここが静岡かあ……」

少女「結構すぐ着いたね」

少年「新幹線動いてて助かったな。一瞬だった」

友「ほら、さっさと行こうぜふもとに行くんだよな?」

少年「おいおい……山登りするつもりなのか?富士山が見える近くの旅館がとってある」

少女「うわー相変わらず用意周到だねー」

少年「言いだしっぺたるもの完璧に全部こなさなきゃな」

友「どうでもいいから早く行こうぜ!富士山の次はたこ焼きだぞ!大阪行くんだよ」

少年「……なんかそういうことになってるらしいぞ」

少女「まあいいんじゃない?」ニコッ



宇宙空間……地球から遠く月よりさらに先の地点
ドイツ「現在地、地球から……100万キロだ」

日本人男「今日で出発から3日か……地球で政府からこのことが世界に公表されたはずだね」

イギリス「やっぱりそうとう混乱を招いてるんじゃないかしら……心配だわ」

アメリカ「俺達は必ず世界を救い地球に帰る……それだけさ」

日本人女「アメリカさんは本当にアメリカですね」

アメリカ「what?」

日本人女「ふふっ、いいえなんでも」

ロシア「おい、アメリカ。作戦内容の再確認だ」

アメリカ「おっと、そうだな」

中国「何度も聞いたことだからもう十分なんだけどねえ」

オースラリア「まあまあそういわないで、はじめちゃいましょうよっ」

熱い展開キボンヌww
支援

ご心配ください?

アメリカ「作戦を確認する。23時間後に超巨大隕石の一部を破壊し地球から大きく軌道をそらす。俺と男が日本製稼動式多目的機<GUNDAM>で超巨大隕石に接近、次元核爆弾を指定の7箇所ずつに設置する」

ドイツ「俺がもっとも爆破の力が伝達しやすいように計算した7か所だ。しくじるなよな」

アメリカ「まかせておけ。その設置におおよそ20時間ほど費やす。そして設置完了後は速やかにこの船に帰還。ドイツとイギリスは再計算を続けてくれ」

アメリカ「十分に船と隕石の距離をとってから爆破。その後は<GUNDAM>で爆破の破片から船を守る。ロシアと中国の仕事だな」

アメリカ「イギリスロシアの計算で地球との接触が避けられないと判断した場合には再度俺と日本が爆破」

男「それでもダメなら日本のアニメじゃお決まりの船での特攻ってなわけだね」

中国「成功確率は良くて五分五分……地球では99%だとか言ってるらしいがねえ」

アメリカ「俺達は成功させる。必ずだ」

オーストラリア「そうですよっ!成功させればいいんですから!」

アメリカ「オーストラリア、女、成功率を上げるためにも機械類の整備はしっかり頼むぜ?」

女「もちろんです。任せておいてください」

地球……静岡
友「ここか……?」

少女「そうみたいだね。なんかいい雰囲気!」

少年「まあこんな緊急時にちゃんと営業しているところだ。結構値は張ったけどな」

友「ほら、さっさと行こうぜー!」

ガラガラ
友「こんにちわー…」ボソボソ

少年「友。いきなり小声になってんぞ」

少女「予約してた者ですけど」

女将「ようこそいらっしゃいまし…た…」ジー

友「はい?俺?」

女将「あ、失礼しました。すぐご案内しますね」

友「お、お願いします!」

少女「なんだろね?」

少年「さあな。知り合いに似てたとかじゃねえのか」

085室
少年「おお、富士山よく見えるな…」

少女「すごいねえ……」

友「UNOやろうぜ、UNO!地球の危機にUNOやる高校生、かっこいいだろ」

少年「お前……」

少女「あ、あんまりかっこよくは…」

少年「英語上がりアリか?」

少女「あ、やるんだね」



少年「もう一度だ、さっきは途中で致命的なプレイングミスがあった」

友「おう、何度でもやろうじゃねえか」

少女「ずっと二人でビリ争いしてる……ね」

少年「違うぞ、俺は友より2回ビリの回数が少ない」

友「30回やってたった2回だろうが!!」

>>7 すごい誤字った
心配しないでくださいとかご安心くださいに補完しといて


友「いい露店風呂だったぜー」

少年「少女のやつ遅いな」

友「まあ女の子は風呂長いって言うしな」

少年「……」

友「……」

少年「少女の荷物あさったりすんなよな」

友「ばっ!?おま、んなことするわけねえだろ!!」

少年「じゃあ少女のこと嫌いなのか?」

友「は?いやいや、んなわけ」

少年「んじゃあ好きか?」

友「えっ……ああ、えっと」

友「好きだ」

少年「そうか。俺もだ」

友「まあ……お互いわかってたことだよな」

少年「ああ」

少女「ただーい……」

少年『好きか?』

友『えっ……ああ、えっと』

友『好きだ』

少年『そうか。俺もだ』

友『まあ……お互いわかってたことだよな』

少年『ああ』


少女「」

少女「(どどど、ど、どどどうしよう……!?)」

少女「(まさか二人がそんな関係だったなんて……)」

少女「(あわわ、これはえっと……二人っきりにしてあげたほうがいいのかな……)」

少女「(…………)」

少女「?・・・・・・どうしました?」

女将「…!あ、いえいえなんでもないんです。失礼しました……」

>>15
落ち着け
たぶん少女と女将が逆だろ

少女「待ってください。」

女将「あ、はい」

少女「今朝、友君見てましたよね?」

女将「……はい」

少女「知ってるんですか?」

女将「…………うっ」ぼろぼろ

少女「えっ、え。どうしたんですか!?」

女将「黙っててごめんなさい……実は……」

少年「……へえ。そりゃ知らなかったな」

友「ああ。俺の親は俺のことを捨てたわけではないんだ」

友「今はどっかで小さな店構えて借金返してるんだってさ」

少年「もし地球が終わるとしたら親には会ってみたいか?」

友「……」コク

友「色んなこと話したいんだ。お前らと会って、色んな事があって、お前となぐり合って、あいつを好きになって……きっと成長したよ、俺」

少年「じゃあお前の親御さん探すか」

友「……は?」

少年「明日、孤児院に電話して色々調べりゃ見つかるさ」

>>16
分かりにくくてすまん
少女がうがーってなってるときに女将が少女の方を見てて……って感じ

少女「ただいまー」

友「おかえり、遅かったな」

少女「う、うん、ちょ、ちょっと女将さんとお話ししてたんだー」

少年「明日、友の親御さんを探しに行くことにした」

少女「え?え?……えっ!?」

少女「(どうしよ……実は友君のお母さんって)」

少女「(……女将さんだった……なんていきなり言っても信じないだろうし……)」

少年「そういうことだから明日は早いぜ。さっさと寝ちまおう」

少女「(っていうか3人で一緒に寝るんだね。私は眼中に無いから問題なし……か)」

友「まあそういうことらしい……ごめんな」

少女「いや、全然!ね、寝よう!」


友「あの、お世話になりました!」

女将「あ、えっと……また、よろしくお願いいたします……」ジー

少年「さ、とりあえず駅に向かおう」

友「そうだなー」

少女「(どうしよどうしよ……私が言わなきゃだよね!)」

少女「女将さん!」

女将「はいっ!」

少女「……いえ、友君のお母さん!」

一同「「「!!」」」

*回想*
女将「実は……私は、彼の…母なんです」

少女「えっ……お母さん!?」

女将「ええ。じゃああなたが孤児院の人の言ってた少女ちゃんね……」

少女「あ、はい、その、えっと」

女将「これからも友をお願いします。私たちは今更あの子に顔向けできないわ。だからどうかこのことは言わないでください」

少女「友君に何も言わなくていいんですか!?一緒にいたいんじゃないんですか?!」

少年「女将さんが……?」

友「え、ちょ、どういうことだよ……」

女将「…………うっ」ぼろぼろ

友「母さん……なのか?」

女将「……友…っ」

友「母さん……」

女将「……最後に少しでも会えてよかった」

女将「さあ、みんなと一緒に行きなさい」

友「…………でも…」チラ

少年・少女「…………」

>>19
そうか、それはこっちが早合点ですまんかった
期待してる

少年「友、お前はここに残れ」

友「え?」

友「いや、別に……会えたし、別に……」

少年「俺は少女が好きだ。少女も俺が好きだ。俺達の邪魔をしないでくれ」

少女「ええぇ!?!!」

友「……っ!」

少女「(二人は愛し合ってるのに……自分の愛を犠牲にしてまで……少年君すごいよ……)」

女将「でも……」

少年「友のお母さん、友は俺の一番の友達ですよ。本当に。お世話になりました」グイ

少女「きゃっ」//

友「お、おい待……」

少年「…………」

少女「…………えっと」//

少年「…………どうした」

少女「とりあえず手、離して」//

少年「おっと、すまない」

少女「友君本当に置いて行っちゃったね」

少年「これでよかっただろ」

少女「あのさっき私が好」

少年「さて、次はどこに行こうか。予定が狂ってしまったな」

少女「そうだね!!!!」

宇宙空間……地球から200万km地点
男「デカいな……」

アメリカ「まあ直径100キロって話だ」

イギリス「計算結果が出たわ。直径89km……こんなのが落ちたら地球は終わりね。例え地下シェルターがあると言っても大地震にも耐えられるかしら」

ドイツ「さ、今度はお前達の仕事だ」

男「うん、行こう」

アメリカ「必ず成功させる」


女『オペレーターは私たちが務めるわ』

オーストラリア『よろしくおねがいしますー!』

アメリカ「よし、こっちはもう準備できたぜ。男の方はどうだ」

男「こちらもいつでも」

アメリカ「行くぜ、ジャップ!発進!」

男「思ったより寒いね」

アメリカ『まあ宇宙なんて何があるかわかんねえ。俺達は人類で最も遠くにいるんだ。予想外のことなんてこれから何度も起こるだろうよ』

女『では、二機とも超巨大隕石に接近してください』

オーストラリア『いやあ、本当にすごいですね……日本製のGUNDAMは…』

女『GUNDAMには2種類のフォルムがあって、移動用に使う飛行機のようなタイプであるジェットフォルムは最高時速は1万kmまで、隕石での作業を行う人型のタイプであるガンダムフォルムは人間のような高度な作業ができるわ』

アメリカ『……だがこいつぁダメだな』

男「え?何が?」

アメリカ『カッコいいロボットだがビームサーベルもキャノン砲もついちゃいねえ』

男「よしこの辺だね」

アメリカ『まずは一つ目だ』

オースラリア『GUNDAMの右腕についているドリルで正方形の穴を作って爆弾を設置してください』

アメリカ『これか』ピッ

男「……ドリルが冷えすぎて動きが鈍いな。想定してたよりさらに寒いからかな」

アメリカ『大丈夫なんだろうな!?』

女『コクピット右上のオレンジのボタンを押して。本来は機体の性能を一時的に上げることが目的だけれどその熱暴走で多少はマシになるでしょう』

男「うん、行けそうだ」ガガガガ

トトトトランザム?

テレビ東京『見てくださいこのダイヤモンド』

アナウンサー『……とのことで、少しのアクシデントはあったものの無事、第一爆破準備が整ったとのことです。引き続き最新情報が入り次第お送りします』

少年「一応うまくいってるらしいな」

少女「でも都心部ではもう暴動だとかで警察や防衛軍が出動してるんだって」

少年「この辺もいつかそうなるんだろうか……」

少女「…………」

少女「孤児院行く?」

少年「そうだな。先生たちにも会いに行きたい」

少女「じゃあ電車だねーまだ動いてるといいんだけど」



『ふざけんなよー!!なんで動いてないんだよ!』
『次は何分ですか?2時間?』『はやくしろ!!』

『すみません!ただいま人身事故や殺人予告などがありまして、安全が確保するまで東京方面は・・・』

少年「なんだか大変そうだな……」

少女「一応途中までは電車出てるね。そこからはタクシーでも取れば大丈夫じゃないかな?」

少年「そうだな」

少女「ねえ少年君」

少年「どうした?」

少女「人多いしはぐれたらどうなるかわかんないし服掴んでていい?」

少年「……ああ」

少女「……うん」

熱暴走とか心配しか出来ねぇ

少年「こんな田舎行きの電車で立たされるとは……すごいな」

少女「やっぱりみんな里帰りとかする人もいるってことなのかな」

少年「そうなんだろうな」ガタンガタン

少女「きゃっ」

少年「大丈夫か」ギュ

少女「う、ん……大丈夫」//

少年「良かった」

少年「次の駅で降りよう。どうせ終点まで乗っても人がすごいだろうし」

少女「うん、わかった」



『○○を出ますと、▽▽、終点の▽▽に止まります』

少年「行くぞ。手を持ってろ」

少女「(手を持つ??)」

少女「(手つなぐって言わないあたりがすごく少年君だわ)」

12月21日午後3時
少年「タクシーは……あるな、良かった」

少女「こんな時も仕事してえらいね」

少年「『えらい』…?……まあそうだな」


運転手「こんにちわ」

少年「北孤児院まで」

運転手「はいはい」ブロロロ

少女「おねがいしますー」

運転手「君らカップル?」

少女「ち、違います!」ブンブン

運転手「そっかあ」ニヤア

運転手「君らどっから?」

少女「静岡に旅行に行ってたんですよー」

運転手「っへー。富士山見に旅館にねえ。新幹線でかい?」

少女「はいー、新幹線ってすごいですねえ。2時間くらいで静岡行けちゃいましたよお」

少年「…………」

運転手「へえー普段はバイトしてんの?」

少女「はい!飲食店でフロアしてますー」

運転手「ほおーえらいねえ」

少年「(なんでこんなこと聞くんだろうか……)」

少年「(いや、タクシーの運転手なんてこういうものか)」

運転手「…………」ブロロロ

少年「だいぶん山奥に来たな……雪もすごい積もってる」

少女「寒いねー、行き白くなってるよ」ハァースリスリ

運転手「…………」ピタッ

少年「?」

少女「あの、どうかしましたか?」

運転手「あんたら、サイフ置いて降りな」サッ

少年「ナイフっ!?あんた何言ってる!?」

運転手「いや、そうだな。女の子は助けてやるよへへ。そんかわり兄ちゃんは降りな」

少年「(混乱でおかしくなってたか……!)」

少女「い、いきなりどうしたんですか運転手さん……!」ガタガタ

運転手「へへ、国の連中は日本国民はみんな入れるなんて言っちゃいるがそれが本当かわかりゃしねえ…
金を持ってれば入れる可能性はあがるかもしれねえからな……お前らが金持ってるのはわかった。早く降りな」

少年「(こんなところで降りたら近くに家でもない限りは助からないぞ……!)」

少女「少年君…一緒に降りよう」

少年「(降りてもこの寒さじゃ助からない……!)」

運転手「だから、女の子は助けてやるって言ってるだろ?ちょっとはたらいてもらうけどよお」

少年「(くっそ…ナイフさえなけりゃ……)」

12月21日午後3時半
少女「まさかあんな怖い人だったなんて……私がいろいろ話しちゃったから……ごめんね」

少年「いや、お前は何も悪くない。あの駅で降りようと言わなければ……。お前だけでも乗って言っても良かったんだぞ」

少女「だめだよ。あの人の目すごい…その、スケベだったし。それより急いで下ろう?」

少年「……そうだな」




運転手「ぎゃはははは!!!これで幸せな人間が2人も死んだ!!俺はただ送り届けただけ!!!」

運転手「いやあ、楽しいなあ本当に……」

運転手「そういえば例の隕石破壊計画はどうなってるんだ?」ピッ

『ザザ……つい先ほど15時頃、▽▽駅にて刃物を持った男が電車内で暴れ、4人の死者が出ました。その後男は取り押さえられ…ザザ』

ちょっと今日はもうこれなさそうです
また書き貯めて来ます

面白い

地球 日本長野県某雪山 12月21日午後7時
ビュゥウウ
少年「くっ、雪だけじゃなく風まで……!」

少女「……」フラフラ

少年「おい、大丈夫か!」

少女「あ、うん……大丈夫……ほら、頑張って歩こう」

少年「(っても……何も見えないぞ……)」

少年「(これは……本当に死んだかもしれない……くそっ)」

少年「はあっ・・・はあっ・・・頑張れよ・・・」

少女「……」フラフラ

少年「くっそ何も見えな……うわっ」ゴロゴロ

少女「…っ」ゴロゴロ

少年「いてっ……大丈夫か?」

少女「痛っ……」

少年「大丈夫か?立てるか?」

少女「うん、大丈夫…あっ」ガクッ

少年「脚をくじいたのか…掴まれ」

少女「ごめんね……」

少年「もう少し歩こう、どこかせめて風だけでもしのげるところを探そう」

12月21日午後8時
少年「……!あれは…!」

少年「少女!聞こえるか!」

少女「……」ギュ

少年「(握り返すくらいの体力しか残ってないか……)」

少年「小屋だ、あそこに入ろう!一日ならあそこでしのげるかもしれない!」

少女「う……ん…」

ギギギ
少年「誰かいますか?」

少年「いない…な……」

少女「はあ……少年君、ありがとう……」

少年「大丈夫か?くっそ……火でも起こせれば……!」

少女「少年君、お願いがあるの……」

少年「なんだ?言えるか?」

少女「あの…ね、寒い…の……ずっと抱き…しめてて……くれ…ないかな……」

少年「わ、かった」

少年「…………」ギュ

少女「……ありが、とう」

少年「(荷物はほとんどタクシーの運転手に持っていかれてる……)」

少年「(どうすれば……)」

少女「んん……っ」


宇宙空間某所 日本時間12月21日午後11時
アメリカ『よし……』ガシャンッ

男「3つ目の設置が終わった!」

女『次はそこから北に12kmくらいの地点です』

アメリカ『爆弾を設置するために穴を掘るってのはやっぱ得策じゃなかったんじゃないか?掘るのにとてつもなく時間がかかる』

オーストラリア『他の方法も色々あったみたいですけどどれも現実的ではなくて、宇宙空間っていう特殊な状況だとこういう原始的な方法が一番になってくるんだそうですっ…。』

男「なるほど……」

オーストラリア『あのっ、第五回の設置に4時間かかったら7個目はあきらめますですっ』

アメリカ『what?そいつはどういうことだ?』

女『さっきドイツとイギリスの計算で7個目の設置に時間をかけて確実に爆破する際の時間的なディスアドバンテージよりも6個で爆破した後、再度設置して計13個で爆破することによって軌道をそらしかつ最悪の事態に地球の被害を質量と言う意味で減らす方が確実であることがわかったんです』

オーストラリア『もし7個設置するのに20時間以上かかってしまうと二度目の爆破が地球に近づきすぎてできないかもしれないんですっ…』

女『今もこうしている間に着々と地球に迫っています……』

アメリカ『クソッ!』

男「計算班に『ロシアさんと中国さんを爆弾設置に回した場合のリスク』の計算を頼んでください」

オーストラリア『了解しましたっ!』

これからも投下はしていくけど忙しいので気長に待ってくれ
絶対完結させるんで気長に支援よろしく

乙。更新待ってるよ、頑張ってくれ。

地球 日本長野県某雪山
少女「ちょっと元気になったかも」

少年「そうか……本当に良かった」

少女「なんか不思議だね。3人で旅館言って二人でここで泊まって」

少年「ああ……」

サッサッサ

少年「……足跡?」

少年「人かもしれない!少女はここにいてくれ!」タッタッタ

少女「あっ……うん」


ガラララ
少年「誰か居っ……」

??「やあ、どうも……」

少年「……えっと」




少年「なるほど。あんたはただの遭難なのか」

山男「はっは、そうさ。こんな時期だろ?最後に山登りを…と思ったんだがね。途中で足を踏み外してね」

少女「ふふ、わたしたちもです」

少年「まあ……俺たちの場合は少し状況が違うが」

山男「本当に気の毒だったねえ……」

少女「あの、毛布とかご飯とかありがとうございます」

山男「いやいや、いいんだよ。誰かと話せて楽しい。さっきまでの不安と寂しさが吹っ飛んださ」

少女「あと脚の治療も」

山男「あれは山でとれる草の薬だよ。気休めでしかないさ」

少年「いや、本当にありがたい……助かる」



山男「へえ。孤児院に」

少年「先生たちに会いに行こうと」

山男「そうかあ。ここからだと途中の西市では暴動だとかで大変だって聞いてるから気を付けるんだよ」

少女「ありがとうございます」

山男「うんうん」

……

山男「そうだ、君たちは桃太郎の続きを知っているかい?」

少年「桃太郎の……?」

少女「えっ、あのきび団子で強くなって鬼をやっつける…あのですか?」


山男「桃太郎は鬼を退治し、おじいさんやおばあさん、村の人々と仲良く暮らしていた
だがそんなある日」

そんなある日、他の村からやってきた旅の者がやってきてこう告げた
「鬼の子供たちが復讐の太郎退治をしている。次から次へと村を襲っているそうだ」と
そこで桃太郎と犬、猿、雉、そして村の男たちは鬼退治に行くことにした
しかし実際に戦ってみると子供たちは憎しみのせいか非常に強く桃太郎と一行はどんどん数が減っていく
村に残っていた病気の男は桃太郎が負けそうだと聞いて絶望した
そして男は仲間を集めてこう言ったのだ
「村の女たちを襲って村に火をつけよう」
どうせ死ぬのなら好き放題やってやろうじゃないか、と男たちは大暴れ
犯しては殺し、そして最後には村を囲う森の一部に火を灯した
真っ赤な炎の中で男たちの意識が薄れゆく中、最後の最後にこんな声が聞こえた
「鬼を倒したぞ」
村は無くなった


少女「……あんまり桃太郎関係ないような?」

山男「がっはっは!確かにそうだね!」

少年「……あまり気分は良くない話だな」

山男「まあ誰が作ったのかは知らないけれども……」

山男「はやとちりはいけないね!」

少女「ふふ…そうですね」


チュンチュン
12月23日6:00
少年「……ん」

少年「あれ……山男さん…いないのか」

少女「んん…?」

少年「起きたか」

少女「あれ?」

少年「もう行ったらしい……不思議な人だった」

少女「そうだね……」

少年「行こうか」



ガララ
少女「…わあ!」

少年「……どういうことだ?」

少女「すごい……きれい…」

板のような入口を出るとそこには水仙の花と雪による白銀の世界があった

重大なミスを見つけたのでここで訂正とお詫び
かなり最初の方でアメリカが「20時間で設置する」って言ってるけど
時系列的にすでに20時間越えているので無かったことにしといてください

期待

宇宙空間 12/22 4:00
男「四つ目の爆弾……」ガチャ

アメリカ『設置完了だな』

女『二人ともご苦労様です』

オーストラリア『15分間なら余裕がありますっ、少し休んでくださいっ』

男「ふう……これで半日ぶっ続けで宇宙にいるのはやっぱり疲れるね」

アメリカ『そりゃまあ、宇宙空間っつうとてつもなくイレギュラーな環境にいるんだ』

女『どんなに科学技術が進歩しても宇宙文やに関してはあまりにも幼稚なんですよね……』

オーストラリア『これでも隕石の接近がわかった25年前から宇宙の開発はかなり集中して行われたそうなんですけど……』


ピピピ ピピピ
女『はい』

女『はい、わかりました。すぐに繋ぎます』ピッ

イギリス『あー、聞こえるかしら?』

アメリカ『ああ、聞こえるぜ。どうした』

ドイツ『休憩中って話だったらしいが一応、報告しておかなければならないことがあってな』

イギリス『地球側から見て超大型隕石の向こう。つまりは隕石の裏側に無数の浮遊物があるらしいことがわかったのよ』

男「浮遊物……?」

ドイツ『ロシアや中国なんかはエーリアンだのなんだのとか言ってたが』

女『なんなんでしょうか……?』

アメリカ『待て……?確か6つ目の設置場所は』

オーストラリア『隕石の上部……裏側に一番近づきますねっ』

イギリス『そう、しかもこんなにも時間がないでしょ?だから』

ドイツ『ロシアと中国で浮遊物の調査に行ってもらうことにした。ついでに6個目の設置も任せる』

男「大丈夫なんだろうか……もし何かあったりしたら……」

アメリカ『なあに、俺たちの身に何かがあるなんてことは元から覚悟してるはずだろうがよ』

男「…………」

ドイツ『途中でお前たちのところに行くから六つ目の爆弾をよこせ』

男「了解です」



アメリカ『さあ、そろそろ向かうぞ』

男「そうだね」

女『画面に示される赤い点の地点でロシア・中国と合流します』

アメリカ『何はともあれ今回の5つ目には4時間しかかけれないからな、忘れてんなよ』

男「そうだったそうだった。急ごう」ゴォー

アメリカ『お前はなんだと思う?』ゴォー

男「浮遊物…ですか?」

アメリカ『ああ。俺は何かよくないものだと思う。こういう時、イレギュラーはいつも敵になるからな』

男「そうですね……。ただのスペースダストとかであればいいんですが」



・・・・・・


少年「お、国道だ」

少女「ほんとだっ、ここまでよく歩いたぁ……」

少年「国道からならすぐに町に出られるはずだ。もう少し頑張ろう」

少女「うんっ!」


12/22 8:00 長野県某国道
ナイフを持ったタクシードライバーによって雪山で遭難させられることになった少年と少女だったが奇跡的に小屋を見つけ、そこで出会った山男とともになんとか次の朝まで生き延び、ついに町まで降りてくることに成功した



警察官男「ええ、そうなのよ~ごめんなさいね~」

少年「はあ、そうですか」

警察官男「全国どこもかしこも事故事件まみれでこんな田舎でもすぐにはとりあえないのよ~」

少女「じゃあ待とっか」

少年「そうだな。そこのパイプイスで待ってていいですか?」

警察官男「いいわよ~ごめんね~」



少年「隕石の突撃する日、そういえば出たみたいだ」

少女「そうなの?いつ?」

少年「ちょうどテレビやってるぞ」

『12月25日、午後22時頃北方領土東の太平洋に直撃する可能性がある模様です。今もなお宇宙船で~』

少女「クリスマスかあ……」

少年「まったくキリストの誕生日にどういう冗談だろうな」

少女「狙ったみたいだね」

少女「…………大丈夫だよね」

少年「…………」


少年「車さえあれば孤児院まですぐなんだがな」

少女「少年君運転できたっけ?」

少年「この前免許とったばかりだけど」

少女「助手席乗って出かけてみたいな」

少年「いつかかなうさ」

少女「えへへ」

少年「そういえば、遭難してからかなり時間が経ったのに宇宙の状況についての最新情報はあまり無いな」

少女「……うまくいってないのかな?」




『経った今、入ったニュースです』

少年「!」

『格国が十年以上前から国民を守るための対策を行っていたなか、北朝鮮政府は』

少女「宇宙のことではないみたいだね」

『一切対策をとっていなかったらしいことがわかりました。韓国、中国政府をはじめ我が国政府も北朝鮮の難民を受け入れるかどうか、国会で審議が重ねられています』

少年「そんなことしたらますます暴徒が増えてしまう……」

少女「少年君……」ギュゥ

しえn

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