P「劇場版アイドルマスター暗黒タマタマ大追跡」 (227)


☆成田空港☆


北斗「……」

翔太「久しぶり~」

北斗「チャオ☆ 本当に久しぶりだね」

翔太「うんうん、それよりも……例のあれ」

北斗「ああ、ばっちりさ。これのことだろう?」スッ

翔太「おお~~!! これがジャークの珠……!」



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ドドドドドド……


バッ


翔太「あっ! ジャークの珠がっ! 誰だ!」


「あら、だめよう……イケメンさん、こんな所に持ってくるなんてぇ」

「この玉は元々、珠由良属のものなんだから!」


翔太「珠由良族……!!」

北斗「はあ、困った子猫ちゃん達だ。放っておきな。
   今ここで騒ぎを起こすのは不味いだろう?」


翔太「だめだよ! せっかく取ってきたんだから! みんな取り返すよ!」


961プロその他「了解!」



ローズ「ハァ……ハァ……」

ラベンダー「お兄たま、もうちょっと早く走れない!?」

ローズ「そ、そうは言っても……これが、限界……? うぐっ!?」

961「捕まえたぞッ!」

レモン「チッ、オラァ」バキィッ

ラベンダー「レモン!!」

レモン「先に行って!」

ローズ「急ぐわよ!」

ローズ「この珠が奴等、961プロの手に渡ったら世界は終わりよぉぉーーー!」



☆千葉県警 会議室☆


P「えーと、それじゃあ、貴音は一日警察勤務ってことなんだけど」

P「あんまり仕事のこない凶悪犯罪特別分室って所に明後日から一日勤務ってことに」

貴音「なるほど。分かりました……」

貴音「これは……本物の拳銃では」

P「えっ? いやいや、レプリカだろ。そんな本物があるわけが……」


P(ここ大丈夫か?)


警察「それでは明後日からよろしくお願いしますね」

P「はい!」

貴音「畏まりました」

P「それでは失礼します」

貴音「ふふ、一日警察とは……楽しみですね、あなた様」

P「俺は結構心配なんだけどなぁ」

P「さて、じゃあ俺は一旦事務所に戻るけれど、
  貴音はどうする?」


貴音「わたくしは今日は事務所にはもう用事はないので、
   お暇させていただきます」

P「そうか。じゃあ、気をつけて帰れよ~」




警察「もしもし。え? 空港で騒ぎ? 逃走中の犯人の手がかりは?
   イケメンとオカマ? ……なんですかそれは?」

警察「これも凶悪犯罪特別分室に……おっと、明後日から一日警察だったっけ。
    ……まあ、こんな変な事件。 一日で解決するだろうし、任せてもいいか」




☆765プロ☆



テレビ「盗難にあったのは埼玉県北白珠大学の研究所で
     金庫にあった埴輪一体が盗まれました」

律子「あれ? この大学って去年学祭にうちが行ったところじゃないですか?」

テレビ「この埴輪は先頃、埼玉県内の遺跡から発掘されたばかりで
     全身が赤い色で塗られた他に例のないものでした」

テレビ「さらに特徴として、基部、半球状の穴が二つ開いており
     特別な儀式に使用され……」
 
小鳥「やだもしかしてたまたまが取れた痕!? なーんて! あははは」

律子「やだもう、何言って……げっ、何でお酒飲んでるんですか!?」

律子「もうっ!」


――次の日――


☆765プロ付近、河川敷☆


響「まったく、二人のせいでまた律子に怒られたぞ……」

亜美「んっふっふ~、またまたそんなこと言って~」

真美「本当は真美達とイチャイチャできたのが嬉しいんと違いますのん?」


響「うぐ、そ、そんなことないぞ……! な!いぬ美!?」

亜美「いぬ美に聞いたって無駄だよ~」

真美「ま、でも真美たちもひびきんといぬ美の散歩に付き合うって
   逃げられたからこれでお互いがWin-Winだよね!?」

響「別に自分はそんなにウィンじゃないんだけど」

いぬ美「ばうっ」

響「ん? どうしたいぬ美?」


いぬ美「ばうっばうっ」グイッ

響「うわぁあ! いぬ美!? 川の方に言っても何もないぞ!?」

真美「あ、待ってよ~!」

亜美「どこ行くの~~!」


響「どうしたんだよいぬ美~」

いぬ美「ばうっ」

響「ん……? だ、誰か倒れてるぞ!」




亜美「あれ!? ひびきーん? 草が茂っててどこ行ったかわかんないぞ」

真美「何それひびきんの真似!? ひびきんちっこいからね~」

亜美「おっぱいはおっきいのにね」

真美「見失っちゃったよ」

亜美「あ、見てみてー! 綺麗な石ころはっけーーん!」


真美「おお!! すごいすごい!
   やよいっちとかにあげたら超喜びそうだよね!」

亜美「さすがにやよいっちも石じゃ喜ばないでしょー」

真美「お金にならないもんねー」

亜美「じゃあもし喜ばなかったら今度アイスね!」

真美「うあうあ~! ずるいよ! 真美も喜ばないと思うのにー!」


亜美「いえーい! 先に取ったもん勝ち~~!」

真美「こうなったら意地でも喜ばしてみせるかんね!」

亜美「お、やる気ですなぁ~、それじゃあ、もし亜美が負けたら
   真美の分の宿題もやってあげるよ!」

真美「お、言ったなお主!」

亜美「んっふっふ~、武士に二言はないのだよ!」





響「うわあ、どうしたんだろう……」

ローズ「う~~ん……。ああん、よく寝た~」

ローズ「ん? あらやだかわい子ちゃん!」

響「オカマの……お坊さん?」

ローズ「オカマはあってるけど、お坊さんじゃないわよん」


ローズ「あ、でも、新宿でお店開いてるから
     もうちょっと大人になったら遊びにきてねん」

響「お、おう……」

ローズ「どうしたの? こんな所で?」

響「そっちこそどうしたんだぞ」

ローズ「一晩中追いかけっこしてて……
     疲れちゃったからちょっとだけ休もうと
     思ったんだけど思いっきり休んじゃったのよ!」


響「疲れてこんな土手の草むらの中で寝るなんて何考えてんだよ」

響「危ないから気をつけるんだぞ?」

ローズ「まあ意外に優しいのねあなた。オカマじゃなかったら惚れてたわ~」

響「いやそれは勘弁して」

ローズ「んもう、いけずぅ~」


響「……まったく、それじゃあ気をつけるんだぞ」

ローズ「はーーーい!」

ローズ「うふっ、可愛い子だったわねぇ~アイドルにでもなれるんじゃないかしら」

ローズ「ん? ……あれ!? 珠が!!」

ローズ「 珠 が な い !!! 」


響「何やってんだ二人共……」

亜美・真美「あ、聞いてよひびきん!」

響「馬鹿やってないで二人共そろそろ事務所戻るぞ~」

亜美・真美「あーい」

亜美「絶対喜ばないっしょ」


真美「むむ、こうなったら意地でも喜ばしてみせるっしょ!
   この綺麗な石にはきっと魔神とか呼び出す力とかあるんだよ!」

響「何々? その石が魔神?
  自分、そういう設定は好きだけど
  あんまり現実的じゃないかもだからな~」

真美「ひびきんにまで言われてしまった……」

響「にまでってなんだよ!」


☆765プロ☆


亜美「おかえり~!」

P「ただいまだろうが、おかえり」

響「ただいま~」

P「おう、おかえり~」


真美「ねえねえ、やよいっち~!」

P「コラコラ、真美もただいまが先だろうが」

亜美「これ見てこれ!!」


やよい「どうしたの二人共……うわあ!
     すっごい綺麗な石だね!」

やよい「どこで拾ったの?」


P「なんだその石……? 宝石? 
  じゃないけど、見たことないなぁ」

真美「んっふっふ~、実はひびきんが吐き出したのです」

P「お前……生活キツいんだったら言ってくれて構わないんだからな?」

響「違うよ!! 食べる訳ないだろ!!」

亜美「さっきね、河川敷で拾ったの!」


やよい「へぇ~! すごいね、見せて見せて!」

真美「どうどう? 綺麗でしょー?」

やよい「うん、なんか不思議な石だね」

真美「気に入ったならやよいっちにあげてもいいよ?」

やよい「本当に!? いいの!?」

亜美「!?」


やよい「えへへ、実は最近弟達が変わった石とか
    綺麗な石集めるのにハマってて……」

亜美「 !? 」

やよい「お母さん達は邪魔だからって言うんだけど
    見てると結構面白い形のとかいっぱい拾ってくるんだ」

やよい「えへへ、これでみんなに自慢できるかなーって」

P「なんていいお姉ちゃんなんじゃ……おっさんは涙ちょちょぎれるよ、ほんと」

響「なんで号泣してんだよ……」


伊織「一体、何の騒ぎよ……」

P「いやあ、やよいがいい子すぎて俺はもう、もうな!」

伊織「そんなの今に始まったことじゃないでしょうが。
    みんな、プリン買ってきたけど食べる?」

真美「おおーーー! ま、まさか、ゴージャスセレブプリン!?」

伊織「特別に私からの差し入れなんだからねっ」


亜美「さすがいおりん~~! この太もも~~!」

伊織「何よそれ、太っ腹とでも言いたいの!?」

真美「亜美、勝負のこと、忘れてない? 
    アイスじゃなくて、このプリンで許してあげるよ」

亜美「うあうあ~~! それは酷いよ真美ぃ~~!」

P「いおりんの御御足ぺろぺろ~」

伊織「今の発言によりあんたの分は抜きよ」

P「そんなぁ! 摂政なぁぁあ」



真美「んっふっふ~、いやー!! ゴージャスセレブプリンを二個食いだなんて
   贅沢すぎて超やばいっしょ!!」

亜美「真美~、一口ぃ~」

伊織「何やってるのよアンタ達は……」

千早「あら、どうしたの?」

伊織「あ、千早も食べる?」

千早「プリン……? 余分なカロリーは……」


やよい「これ、とっても美味しいですよ!」

千早「そうね、いただくわ」

伊織「そう言えばやよい、今日お父さん達帰ってこないんだっけ?」

やよい「うん、二人共今日は忙しいからお母さんもお父さんもいないんだ」

P「……これで何人目の兄妹なんだろうな」ボソッ


響「そうなのか? やよい一人で大丈夫か? 
  も、もしよかったらだけど、自分が手伝いに行ってもいいぞ!」

千早「」ガタッ

伊織「それなら私も行くわ!!」

千早「あ、あの、あの、あのあの……」

やよい「い、いいんですか!?」


やよい「ありがとうございます! とても助かります!」

亜美「はいはい! 亜美も行きたい!」

真美「……」ポンッ

亜美「……ハッ」

真美「……真美の分の宿題」

亜美「うぅ~、自業自得だよ~、真美だけで楽しんできて~」


伊織「二人共来ればいいじゃない」

真美「チッチッチッ、いおりん。甘いね、甘々のあまちゃんでじぇじぇじぇだよ」

伊織「後半全然関係ないじゃない」

真美「勝負の世界に勝敗はつきもの。っていうか亜美から仕掛けてきた勝負だしね」

伊織「そ、そう……」


やよい「うわあ、じゃあ真美と千早さんが来てくれるのは初めてですね!」

千早「(´;ω;`)」

響「千早がちゃんと人数として数えられていたことに感動して泣いている!?」

P「お前ら行くのはいいけど迷惑かけるなよ」

「「「 はーい 」」」


――同日、夕方――

☆高槻家☆


やよい「ただいま~! みんな~、今日はアイドルのお友達がたくさんだよ!」

「「「 こんにちはー! 」」」

千早「うぅ……」

響「どうした千早」

千早「小さな子ってどう接していいか分からなくて」


響「ふっふっふ、やよいの弟達はやんちゃだから慣れないと大変だぞぉ~?」

真美「おっじゃましまーす!」ドタドタ

長介「また来てくれたのか」

伊織「何よ、悪い? あれからちゃんと手伝いやってるそうじゃない。
   やよい喜んでたわよ」

長介「へへ、まあな」


かすみ「こ、こんにちは」

千早「きゅぅーーーーん」

響「 !? 」

千早「お、お、お名前は!?」

響「千早がやよいで釣られてきたのにかすみに心動かされている……」


やよい「みんな見て、今日、こんな綺麗な石もらったんだー!」

浩太郎「すげえー!」

浩司「みせてみせてー!」

真美「ふっふっふ、、それはこの真美様が見つけたのだぞ!」

やよい「そろそろタイムセールの時間になるからお買い物行かないと」


千早「台所に立つ高槻さんが見れる!?」ガタッ

かすみ「それでね、いつもお姉ちゃんが」

千早「うん、うん、それで!? もっと詳しく! もっと詳しく!」



浩太郎「あ、浩三!」

浩司「離さなくなっちゃったねー」

真美「おやおや、随分気に入ったようですなー」



伊織「まったく、いつ来ても大騒ぎなんだから……」

やよい「響さん、伊織ちゃん、お買い物手伝ってくれます!?」

伊織「ええ、もちろん」

響「千早ー、買い物行くけどどうする?」

千早「わ、私、もう少しかすみちゃんとお話したい!」

響「そ、そう……頑張ってね」



ローズ「あの子だったかしら……」

ラベンダー「もう、しっかり思い出してお兄たま」

ローズ「だって寝起きだったんだもん」


伊織「ん……?」

伊織(気のせいよね……。こんな田舎になんて格好したオカマがいるのよ)


――夜――


タッタッタッ……

ローズ「この家ね、たぶん」

ラベンダー「大丈夫かしら」

ローズ「仕方ないわね。行くわよ」


ローズ「窓は開いてるわ、やだ物騒ねえ、んもう」

レモン「お兄たま、静かに」


ラベンダー「みんな寝静まってるわね」

ローズ「でも拉致があかないわ。起きてもらうしか無いわね」


パチンッ  パッ


伊織「ん……んん? 何?」

響「ま、眩し……ん?」

真美「ムニャムニャ、なに~? ひびきんどうしたの?」


ローズ・ラベンダー・レモン「こんばんは」

伊織・響・真美「ん? ああ、これはどうも、こんばんは」

伊織・響・真美「……え?」


伊織「なっ、何よあんたち!?」

響「うぎゃあああ! ひ、昼間のオカマ!!」

真美「ぎゃあああ! ぎゃああああ!!」


ローズ「しぃー……」

ラベンダー「みんなが起きちゃうでしょう」

浩三「うぅ……ふぇええ」

やよい「んん……どうしたのみん、な゛!?」

長介「ん……? ん? ん゛ん゛ッ!?」

レモン「ほらー、みんな起きちゃったじゃない」


ローズ「あら何この髪の綺麗な子、全然起きないじゃない」

やよい「う、うち、び、貧乏ですよ!? お金ないですよ!?」

ローズ「あーら、誤解しないで頂戴、別に物盗りじゃないわ」

ローズ「あたし達、あなたに用があってきたの」

響「じ、自分!?」

やよい「響さんに!?」


真美「ひびきん、何したの? オカマさんたちと」

伊織「ああ! あんた達まさか夕方この辺にいたオカマ……!」

ローズ「そうよ、オカマよ」



ローズ「 な ん か 文 句 あ る ! ? 」



伊織・真美・響「ないです! ごめんなさい!」


ローズ「もう、それにしても起きないわねこの子~」

伊織「千早っ、何してんの、起きなさい……」

千早「うぅ~ん、高槻さん……いえ、かすみちゃん……
          ああ、でもやっぱり高槻さん……」ガバッ

ローズ「いやん、いきなり抱きつくなんて、ダ・イ・タ・ン~~」

ラベンダー「ちょっとローズお兄たま……」


千早「ん? …………」

千早「……」

千早「ぎゃああああああああああああああああ!!!」

ローズ「さ、みんな起きちゃったから話進めちゃうけれど、
     あなた、珠を出してちょうだい」

響「えっ」

真美「ひびきん……男の子だったの!?」

響「そんなわけないだろう!?」


ローズ「んもうっ、昼間に河原で珠を拾ったんじゃないかしら? あれよあれ」

響「……珠? 自分知らないぞ。ん? もしかして真美が拾った奴じゃ?」

ローズ「丸くて綺麗に光る奴よ~!」

真美「えぇえ!? 真美!?」

ラベンダー「あなたが持ってるの?」


レモン「渡してくれればすぐに引き上げるけれど、
     渡さないと厄介なことになる……わね」

伊織「昼間に何かやってたのはそれのことだったわよね!?」

伊織「ちゃっちゃと渡しちゃいなさい!」

真美「ま、真美持ってない……やよいっちに渡しちゃった……」

ラベンダー「あなたがそうなの?」

やよい「え!?えっと、はい……」


レモン「それで、どこにあるの?」

やよい「えっと、みんなに渡して……真美、あれからどうしてた?」

真美「えーっと……どこやったっけ? 確か長介に渡して」

長介「お、俺知らないよ!」



ローズ「おいとぼけんじゃねえ糞ガキィ!!!」

ラベンダー「舌引っこ抜くぞゴルァ!!」

レモン「ちんちんちょん切ったろかァ!?」

長介「ひぃぃいい!」


長介「た、確か、浩三に渡して……ずっと握ってたから持ってると思うんだけど」

ローズ「浩三……?」

やよい「えっ!? お風呂入る時はもう持ってなかったよ!?」

伊織「茶の間の方じゃないかしら」

ラベンダー「どっち?」

伊織「下の階よ」


ラベンダー「早いところ探しましょう」

ローズ「ベッドかもしれないわ」

響「な、なんか自分たち……」

真美「とんでもないもの拾っちゃった……?」


千早「オッェェエ……!! オェエエ゛ー……!!」


――20分後――

ローズ「だめね、どこを探しても見つからないわ」

やよい「……まさか!」

レモン「ちょっと浩三くん、お腹上にしてくれる」

やよい「は、はい……」

真美「それで分かるの?」

レモン「しぃー」


レモン「……」

レモン「 ! 」

レモン「やっぱりこの子飲み込んじゃってるわ!」


やよい・真美・響「えぇぇ!?」

千早「オ゛ッェェエ……ッ!!」

長介「大丈夫かよ千早姉ちゃん」


…………
……




響「ねえ、これどこまで行くんだ!?」

伊織「ちょっと、行き先くらい教えなさいよ!」


P「……なんで俺までいるんだよ……」

千早「仕方ないじゃないですか。未成年だけでオカマの車に乗るなんてできなくて」

P「確かにそうだし、事情は把握したが……大丈夫なのかこれ」


ローズ「これから行くのは珠由良族、東京支部よ~」

真美「なんか楽しそうな所だね! 秘密基地っぽい感じ!」

ローズ「あら、正解! 楽しい所よ~~!」

P「とりあえず、やよいと浩三くんだけは連れてきたけれどあとは大丈夫なのか?」

伊織「まあ寝かせるだけだから長介ならなんとかしてくれるでしょ」

千早「そうね、かすみちゃんもとてもいい子だし大丈夫よ」

響「そ、そっか」


☆新宿 某店☆


ローズ「本日は当店へようこそいらっしゃいました~~」

響「……」

ローズ「お楽しみショータイムの時間がやってまいりました」

伊織「……」

ローズ「どうぞ最後まで気分悪くされないようお楽しみください」

P「……」



ローズ・ラベンダー・レモン「たまゆら♪ たまゆら♪ たまゆらゆ~ら♪
                   振れば  力が  
               わ  い  て  く  る  ♪   」

ローズ「長男ローズ」

ラベンダー「次男ラベンダー」

レモン「三男レモン」

ローズ・ラベンダー・レモン「珠由良ブラザーズでーす♪」


真美「いよっ! 待ってましたー!」

やよい「あ、あはは……」


――10分後――

ローズ「私達、珠由良族はそれはそれは古~い一族なの……」

ローズ「その昔、私達のご先祖は霊感に優れ
    悪霊を退治しては人々から感謝されていたわ」

ローズ「私達と同じような力を持った珠黄泉族というのがあって
    元々は仲がよかったのだけど……」

ローズ「ある時、その中から霊感が特に強い者が現れたの」


ローズ「彼は禁じられた宝具まん棒を使って
     凄まじい悪の霊力を持った魔神ジャークと
     手を結び世界を支配しようと考えたの」

ローズ「でも珠由良、珠黄泉は協力して戦い
     多くの犠牲を出しながらこの霊能力者を倒し」
 
ローズ「なんとかジャークを埴輪に封じ込めることができたのよ」

ローズ「魔神の魔力は埴輪にはめられていた二つの珠として結晶化し
     二つの珠を珠由良族が
     霊能力者が魔神を操れる棒、まん棒を珠黄泉族が管理することに」


ローズ「ジャークが二度と復活できないよう埴輪は地中深くに埋められたって訳」

響「……ははは」

伊織「めでたしめでたし……ね。 で?」

真美「ああ、それでその埴輪も出てきちゃったってこと?」

ローズ「その通り!」


伊織「げっ、ってことは十中八九盗まれるんじゃ」

ローズ「その通りぃ!! もう盗まれてしまったの!」

やよい「ええ!? ってことは埴輪が盗まれたら次に狙われるのは二つの珠?」

ローズ「その通りぃん!」

P「なんだよこれ……。なんだよこれまじで」


☆961プロ☆

黒井「ふむ、大変ご苦労な任務だった」

北斗「いえ、構いませんよ。埴輪はすでにここにあるのですし
   いずれ珠を二つここに納めればいいんですし」

北斗「それで……もう一つの珠の有りかはどこなんです?」

黒井「……」

黒井「実はまだ良くわからない」


北斗「宝具であるまん棒は?」

黒井「ああ、あれがないとジャークが出てきても好き勝手暴れてしまうということだったな」

北斗「……どこにあるんですか?」

翔太「社長、そろそろ……」

黒井「ん? おや、時間のようだな。出掛けないといかんようだ」

黒井「お前はここで休んでいて構わん。長旅でつかれただろう」

黒井「冬馬、行くぞ」

冬馬「え? ああ、わかった」


☆新宿 某店☆

――特別ショータイム開始から90分後――


響「……」

P「……」

ローズ「珠黄泉族はジャークの力で世界を支配するつもりぃ~~♪」

真美「……」


ラベンダー「ジャークの魔力はどんな兵器よりも強いぃぃい~~~♪」

伊織「……」

レモン「世界はぁ~、恐怖と闇に包まれるぅ~~♪」

ローズ「珠は絶対~~」

ラベンダー「珠は絶対~~」

レモン「珠は絶対~~」


ローズ・ラベンダー・レモン「渡せない~~~~~♪」


…………
………
……


ローズ「話はだいたいわかってくれたかしら?」

P「……まあね。浩三くんが飲み込んだ珠が
  あんた達にとって大事なのだってのはよくわかったよ」


ローズ「私達だけの問題じゃないわよ!! 何聞いてたのよあんた!」

ラベンダー「世界全体の問題よ。お馬鹿じゃないのあんた!?」

レモン「お呑気にアイドルプロデュースしてんじゃないわよ!!」

P「うぐぅ」


真美「兄ちゃん、どんまい。気持ちはわかるよ」

やよい「あ、あの! その珠、身体に害はあるんですか!?」

ローズ「ああ、それなら大丈夫よん」

ローズ「あたしもうちにある方の珠だけど
     子供のころイタズラして飲み込んじゃったことがあるの」

響「それでどうなったんだ?」

ローズ「何日かしたらちゃーんと出てきたし、身体はなんともなかったわ~」


真美「ああ、それで一緒にタマが取れてオカマになったと……」

ローズ「そうそう……って違うぅ~!」

ローズ「それとこれとは関係ないわ~!」

P「あ、あの、珠が出たら必ず持ってくるんでとりあえず帰らしてくださいよ」

P「俺もこの子たちも仕事が……」


ローズ「だめよう。珠黄泉族がその珠を狙っているの。
    私達と一緒にいた方が安全よ」

ラベンダー「あいつらは血も涙もない奴等なんだから」

レモン「殺されるかもよ、おじさん」

P「お、おじ……!? そ、そんな歳じゃ……」

P「……おまえら! 勝手にこんな所連れてきて、今度は帰さないだぁ?」ガタッ

響「お、いいぞ言ってやれプロデューサー!」


伊織「そうよ、ガツンと言ってやりなさい!」

P「まったく冗談じゃない! 俺達は今すぐ帰るぞ!!」

真美「よっ! 兄ちゃん格好良いぞ!」


ローズ「」ガタッ

ラベンダー「」ガタッ

レモン「」ガタッ


P「ひっ」



――1分後――


P「……っ。……っ」ピクピク

ローズ「私達、とっても強いのよ~~ん」

真美「……兄ちゃん格好わるい……」

伊織「期待した私が馬鹿だったわ」


ローズ「あんた達、もう事件に巻き込まれてるのよ」

ラベンダー「あたし達と一緒にいないと危険よ」


伊織「ところで……」


ローズ・ラベンダー・レモン「何?」

伊織「ひっ、いや、あの、お手洗い……どこかしら」

ラベンダー「奥行って右」

伊織「……ん。ありがと」

ラベンダー「おしっこ200ccまで」

ローズ「うんちは500gまで」

レモン「紙はミシン目二つまでよ」

伊織「うるさい!! 黙ってなさいよ!! まったくもう!」


伊織「まったくもう……やよいがいるから着いてきてるけど
   一体なんなのよ……もう」

ガチャ


伊織「ぎゃあああああああああああ!!」

ドタバタドタバタ


P「な、なんだよ伊織、どうしたんだよ」

伊織「ちょっと!! 何よあの悪趣味なトイレ!!」

ローズ「あら素敵じゃない?」


ラベンダー「随分早かったじゃない」

伊織「あんな下品なトイレでできるかぁ!!」

ローズ「んもうっ、照れ屋さんっ」ツンツン

伊織「触るなぁぁあ!」


真美「ねえねえどんなの!? 真美も見たい見たい!!」

伊織「だめ!! 絶対だめ! 見たら死ぬわよ!」

真美「そんなに!? んもういおりん一人で楽しんじゃってずるい~」

伊織「誰が好き好んで楽しむか!」

P「というか……そんな大切な珠、どうして手元に置いておかなかったんだ?」

ローズ「それには訳があるのよ。
     うちのひいおじいさんがお金に困って骨董屋に売ってしまったものなのよ」

響「何してんだよ……」


ラベンダー「だけどいつの間にか外国へ売られていて」

千早「まあ有り得ない話ではないですね」

レモン「それをあいつが日本に持ち込んだのよ」

やよい「……あいつ?」

ローズ「珠黄泉族の血を引く子孫。分かっているのはそれだけよ」

伊織「随分情報が少ないわね……」


ローズ「でもあいつ……只者じゃないわ」

レモン「――ッ!」

レモン「来るわっ!」


やよい「えっ」

P「へっ!?」

ローズ「入り口固めて! 早くぅ!」


響「な、なんだ!? どうしたんだ!?」

伊織「まさか……その珠黄泉族!?」

ローズ「そうよ! 来ちゃったのよ!」


ラベンダー「よっ」ガタンッ ゴトッ

レモン「ほっ」ガシャッ ドサッ

ラベンダー「よし、これくらいで……」


冬馬「オラァァァ!!」ドガァァァンッ

レモン・ラベンダー「ぎゃああああああああっ!!」

冬馬「ったく……人使い荒いぜ」

ラベンダー「何よあんたどういう神経してんのよ」

レモン「やだ、こいつお馬鹿じゃないの!?」

冬馬「うるせえ、ほっとけ」


P「なんだおい……!」

ローズ「あ、あれは……!」

黒井「うい、こんばんは。961プロ頭領の黒井だ」

P「961プロだと!?」

ローズ「あたしはローズよ」

真美「あたし真美」

伊織「あんたはいいのよ名乗んなくて! 黙ってなさい!」


黒井「新宿というのは嫌にごちゃごちゃとしている場所だな。ふん」

ローズ「世間話しにきたわけじゃないでしょう……」

黒井「うい、もちろん。珠を渡してもらおうか」

ローズ「珠なんてないわよ。ないものは渡せない」

黒井「クク……ははははは!」

黒井「嘘をつくんじゃない。さあ、どこにあるんだ?」

浩三「ふぇぇ」

やよい「あ、浩三……起きちゃった」


黒井「んん? こんな所に赤ん坊を連れているのか?」

黒井「くくく、それは妙だなぁ? なあ冬馬」

冬馬「まあな」

黒井「まぁさか、その赤ん坊が飲み込んでしまった、とかか?」

黒井「怪しいなあ。実に怪しい」

P「くっ、真美、なんとかごまかせないか?」

真美「ま、任せて兄ちゃん!!」


真美「ふっふっふ、ここでクイズと行きましょうか」

黒井「ん? なんだ貴様は」

真美「まあまあそう言わずに……。クイズ、珠のありかはどこでしょう!」

冬馬「ほう面白い」

真美「1、赤ん坊が飲み込んだ
    2、下水に流して今頃行方不明
    3、本当は持っていないけれど、必死で持ってる振りをしている
    ど~れだ!」


黒井「面白い、ならば私は2にしてやろう。
    もしも外れたらプリン1年分プレゼントしてくれる」

真美「んっふっふ~、そんなプリンに釣られて真美が正解を教えると思う~?」

冬馬「じゃあ俺もプリン、プレゼントしてやるよ。俺は3だ」

真美「ぶぶー! 残念でした!二人共プリンの用意忘れないでね!!」

黒井「正解は1か」

真美「……あ」

伊織「馬鹿ぁぁ!!」


黒井「在処が分かった所で……ちょっとトイレにいかせてくれ」

伊織「あのトイレは」

ラベンダー「しっ、静かにしてて。これでいいのよ」

冬馬「おいおい……緊張感ねえなぁ」

ローズ「奥いって右よ」



黒井「ぎゃああああああああああ!!」


翔太「黒ちゃん!?」

ラベンダー「今よ!」

冬馬「あ、待てお前ら!」


その辺のオカマ達「何よ何の騒ぎ?」

レモン「中にオカマの敵がいるの!」

冬馬「待てコラ、ってうおおお!? なんだお前らぁぁあ!?」

オカマ達「イケメンよイケメン!」

冬馬「は、離せコラァァァ!」

冬馬「クソ……!」

冬馬「逃げられたか……!?」

翔太「あの車だね!」

冬馬「追うぞ!」

黒井「こけにしてくれる……!」



ローズ「これでわかったでしょう!? あんた達はもう追われる身なのよ」

ローズ「赤ちゃん渡したくないでしょう!?」

やよい「うぅ……」

伊織「そんなの当たり前じゃない! 今すぐ新堂に言って水瀬財閥の力で」

ローズ「そんなことをしても無駄よ。お金の力で解決できても
     それじゃあ世界は救えないかもしれないのよ」

伊織「じゃあどうすればいいのよ」


ローズ「とにかく今は逃げるのが優先よ」

P「なあ、お前ら。お前らは降りて帰ってもいいんだぞ」

響「何言ってんだプロデューサー! やよいがピンチなんだぞ!」

千早「そうですよ! 高槻さんが困っているならば助けるのが道理です!」

真美「まあ元々真美達が持ち込んだ騒ぎだし……
    やよいっちは友達だから放っておけないよ」

やよい「みんな……!」


ローズ「んまぁ! 素敵な友情だわ! あたし感動しちゃう!」

P「わかったよ。俺が悪かった」

P「……と、言いたい所だが……。で、どうするんだ? 何かあてはあるのか?」

ローズ「……そうねえ」


☆健康ランド☆


P「なんでここなんだよ。いいのか? 健康ランドだぞ?」

ローズ「そうよぉ、ここの割引券持ってるの思い出したのよぉ」

ラベンダー「下手に動きまわるよりはいいかもしれない」

真美「ねえねえせっかくだし入ってこようよ~」

ローズ「やっぱそうよねぇ」チラッ

ラベンダー「そうよねぇ」チラッ

P「こっちを見るなこっちを」


レモン「さ、行くわよ」グイッ

P「いいって俺は!! 俺は待ってるから!」

ローズ「んもうっ、恥ずかしがり屋さんめぇ~!」

P「離せ! ああああああ!!」

響「……ま、まあ自分たちもせっかくだし入ってこようか」

伊織「そ、そうね」

千早「高槻さんとお風呂……!!」


…………
……



P「……ったく、面倒なことになったなぁ……」


「きゃあああああああああ!!」


P「今の声は……伊織!?」

P「伊織いいいいいい!! どうしたぁぁぁぁあああああ!!」

ドドドドド


「きゃあああああああああああ!!変態いいいいい!!」
「いやああああああああ!!痴漢よおおお!」
「うぎゃああああああ!? 変態!入ってくるなあ!!」
「に、兄ちゃん!? 何してんの!?」


P「どわぁぁぁぁあ~~~!!」

P「ちくしょう……なんなんだよ!」

伊織「ごめんなさい……体重計乗ったの……」

P「……増えてたのか?」

伊織「……」

伊織「えへへ」


P「しばらくお前ゴージャスセレブプリン禁止な」

伊織「えぇぇ!?」

P「えええ、はこっちの台詞だ!! 管理ぐらいしっかりしろ! まったく」


ローズ「んまあでも気持ち分かるわあ。
    私も体重計乗るとしょっちゅう叫びたくなるのよ~」

伊織「くっ、一緒にされるのが腹立つぅ……」




貴音「……はて? 今の騒ぎは? 何やら聞き覚えのある声が」


…………
……



P「かぁぁ~~! ビールがうめぇなぁ~風呂あがりは!」

伊織「……プロデューサー?」

千早「こほん、プロデューサー?」

響「あのさあ」

P「なんて言っている場合じゃないな。うん」

P「えっとこのあとは?」

ローズ「そうねえ……とりあえず焼き鳥の盛り合わせでも頼みましょうか」

P「お、いいねえ……じゃなくて!!」


ローズ「やっぱり珠由良族の本部へ行くのがいいと思うのよ」

やよい「本部!?」

真美「ついに秘密基地に!?」

ラベンダー「やっぱそうなるわね……」

千早「あの、それでその本部はどこにあるんですか?」

ローズ「青森県のあ・それ山よ」

伊織「何よそこ。どこ?」

千早「聞いたことない地名ですね」

やよい「うぅ~、地理は苦手で……」


ローズ「そこは私達の故郷よ。もう一つの珠はそこにあって
     珠由良の戦士達が守っているの」

ラベンダー「あっそれ山に行ったら珠黄泉の奴等が襲ってきても大丈夫よ」

ローズ「あ・それ山に行きたい人~?」

ラベンダー・ローズ・レモン・真美「はーい」

P「おい! 何やってんだよ真美!」

真美「えへへ、ついノリで」



貴音「真美?」

貴音「プロデューサー? 真美、響、伊織、千早、やよいまで」


P「た、貴音!? なんでここにいるんだお前!?」

貴音「今日は休暇でしたので……」

P「いや、そうだけど」

ローズ「あら綺麗なお姉さん、お知り合いなのかしら?」

貴音「……うっ、は、はい」

響「珍しく貴音が引いてる!?」ガーン


P「実はカクカクシカジカで」

貴音「なるほど……追われていると。でしたらちょうどもうすぐで日が跨ぎますね」

貴音「明日より警察として活動するわたくしが、退治して差し上げましょう!」


ラベンダー「ちょっとやだこの子、天然っぽい」

響「だいぶ天然だぞ」

レモン「警察って、証拠はあるの?」

貴音「ふふ、手帳は作られておりませんが、このようなものを拝借いたしました」ゴソッ

伊織「……」

真美「おおーー! お姫ちんかっちょいい!」

レモン「それ本物の鉄砲なの?」

千早「怪しいですね」

P「お前それ、拝借って、盗んできたのかぁぁぁあ!?」


貴音「お借りしたのです」

P「一緒だ!!」

貴音「ふふ、あなた様もこれが本物ではないということ言っていたではないですか」

P「いやそりゃそうだけど」

ローズ「ちょっとこの人本当に大丈夫なの?」

響「少なくともオカマよりは……」

貴音「ですので、引き金を引いても……」バギュゥーンッ


P「 !? 」


響「うぎゃあーーー!?」

ローズ「ちょっとやだぁん!」

貴音「……? ……?」


黒井「何やら仲間が増えたらしいな」

ローズ「げっ! 出たわ!」

冬馬「おっさん、ここは俺がすぐに片付けてやるさ」

貴音「む、止まりなさい。無礼者。それ以上近づけば、撃ちますよ」


冬馬「はっ、どうだか。撃てるものなら撃ってみろよ。どうせ脅しだけなんだろう」

伊織「やめなさいあんた!」

真美「そうだよ! 下手な挑発しないほうがいいよ!」

響「そ、それ本物だから逃げてぇー!」

冬馬「な、なんであいつら俺の心配してるんだ……」

貴音「てぇい!」バギュゥーン ズギュゥーンッ

冬馬「……ッ」

冬馬「……?」

冬馬「…………下手くそ、ププッ」

貴音「はて? 面妖な」

響「今の距離で全部はずしたのか……?」


ローズ「やだもう、使えない子ねえ、逃げる?」

真美「そうですなー」

冬馬「待て逃さねえぞ!」

黒井「ストップ! 待てお前たち。こんな宴会場で騒いだら迷惑だろうが。
    全員、表に着替えて集合だ……いいか?」

黒井「よーい、はじめ!」

P「急げお前ら!」

黒井「騒ぎだててすまない。これでも飲みたまえ」

冬馬「何知らないおっさんに注いでんだおっさん!」

翔太「もう! 早くしないと逃げちゃうってば!」


P「よし、全員着替え終わったか!?」

千早「はい、急ぎましょう!」

「あれ? 765プロの」

P「え? あー、あの時の! いやーご無沙汰してます。偶然ですねえ」

「いやいやあの時は本当に助かったよー」

P「いえいえこちらこそ」

「あ、こっちは別の番組のプロデューサーで……」

P「初めましてわたくし」

伊織「ちょっと早くぅ!」

響「プロデューサー急いで」


黒井「む、名刺交換はサラリーマンの神聖な儀式。誰も邪魔することは許さんぞ」

冬馬「ああ」

黒井「というかあの者が局の人間ならば我々も挨拶をせねばなるまい」



P「ええ、ではまた今度局で」

貴音「プロデューサー、下がってください!」ドギュゥーン ズギュゥーンッ

P「おいおいまじかよお前……」

やよい「プロデューサー急いでください!」


…………
……



翔太「黒ちゃん、武器の使用許可を」

黒井「構わん」

貴音「止まりなさい!」

響「どうせ当たらないんだからしまっときなよ」

貴音「……あたりますっ!」

伊織「何意地はってんのよ!もう」

レモン「どいてどいてぇ~~!」


冬馬「うおおおっ!?」

翔太「車で突っ込んできた!? 危ないじゃないか!」


ラベンダー「みんな早く乗って!」

ローズ「ば~い」

翔太「よし、追うよ冬馬くん!」

冬馬「おう!」


冬馬「ん? 北斗から電話だ」

北斗「チャオ☆冬馬。エンジェルちゃん達なら北へ向かったよ」

翔太「来たかなるほど……よし、向かおう!」


…………
……




☆車内☆

ローズ「なんとか撒いたみたいね」

P「下手に動くよりもここでじっとしているほうがいいぞ……」

伊織「たぶんそうみたいね」

貴音「次に出会った時こそ……彼らの生命尽きる時」

響「いや、奪ったらだめだからな?」


貴音「ところで……なぜ高速道路は使わないのですか?」

レモン「あんた馬鹿ぁ?」

貴音「なっ」

ラベンダー「高速で襲われたら逃げ場ないでしょうが」

貴音「ぐっ……」

レモン「常識じゃない」

ローズ「第一あんた何で着いてきたのよ」

貴音「な、何故ってそれは同じ事務所の仲間がピンチだというのに」

ローズ「少しは使えるかと思ったのにてんで期待ハズレじゃない」


貴音「むっ」

ローズ「署に連絡してあいつら逮捕してよ~」

貴音「わたくしでは不満だとおっしゃるのですか!?」

P「いやっていうかお前、一日署長なだけだからな!?」

貴音「今日のわたくしは立派な警官の一人。
    本日のわたくしのことは皆、グロリアとお呼びください」

響「一体なんの映画を見て影響されたらこうなるんだよ……」


P「……っと、いかん。さっきビール飲んだせいでトイレに」

真美「んもうっ、兄ちゃんは本当にしょうがないんだからぁ~」

P「す、すまん、ちょっと止めてくれ。すぐに終わらせる」

ローズ「んもう、しょうがないわねえ。はい、ペットボトル」

P「こんな所で出来るかぁ!!」


キキィィ……


千早「全く……本当にこういう時緊張感ないですよね、プロデューサーは」

やよい「えへへ、うちの弟たちもよく旅行中に車使うとこういうことあるんですよねえ」

千早「そうね、たまにはこういうこともあるわよね」

響「……」

千早「なによ」

響「なんでもない」


レモン「……! あいつらよ!!」

真美「うええ!もうきたの!?」


千早「プロデューサー! 早く戻って!」

P「げぇ!? ちょ、ちょっと待っ!」

ラベンダー「出すわよ! 急いで!」ブロロロロ…

響「プロデューサー!! 早くぅ!」

ローズ「早く手、出して~」

P「ハァハァッ、くそっ」タッタッタッタッ

ローズ「あ、いや~ん、もう手洗ってないでしょう! ばっちい~」

P「洗えるかぁ!」


貴音「退いてください! プロデューサー!」

P「おお、貴音、すまんんんん!? どわぁぁぁ」

貴音「……っ!!」

ドンガラガッシャーン


レモン「行くわっ!」

響「貴音ぇぇぇぇぇえ!!」

やよい「プロデューサー!」

真美「兄ちゃーん! お姫ちんに手出しちゃだめだからねぇー」

伊織「……真美、ちょっとこっち来なさい」





P「……車、行っちまったよ」

貴音「そのようですね……」

P「なんで落ちたんだよ」

貴音「映画だと……うまくいくのですが……」

P「明日のお前の仕事今からでも断ろうかなぁ」

貴音「なんと!」

P「どうしようか……こんなところに置き去りにされちまって」

貴音「元はと言えばあなた様が悪いと思うのです!」

P「うぐ……まあ言い争ってもしょうがないな。近くの駅を探そう」

貴音「そうですね。携帯の電波も入らないようですし」


…………
……



冬馬「もしもし。おっさんか? ああ? しょうがないだろ撒かれちまったんだから」

翔太「で、次はどこへ行けばいいの?」

黒井『うむ、北斗がもう美容がどうこう言ってもう寝てしまったのでな……』

冬馬「続きは明日からか……」

翔太「はあ、しょうがないね、僕達ももう寝ようっか」

冬馬「……そうするか」


☆車内☆

やよい「プロデューサー、大丈夫でしょうか」

真美「んっふっふ~、大丈夫大丈夫! 今頃兄ちゃんなら
   お姫ちんとよろしくやってるよ!」

伊織「それは意味が違うでしょうが!」

ローズ「まあ二人共頼りないとは言え、大人なんだしなんとかするわよ」

ローズ「それにあいつらの狙いはこっちの浩三くんなんだから」

やよい「うぅ……浩三……」


レモン「まだ奴等も近くにいるわ」

ローズ「赤ちゃんもおねむみたいだし、朝までじっとしてましょうよ」

伊織「はあ……しょうがないわねぇ」

響「うん……そうするしかないみたいだよね」

千早「とにかく高槻さんが無事なら」

やよい「ありがとうございます、千早さん」


―翌日、朝―


P「ああ、もしもし!? 律子か!?」

律子『プロデューサー? どうしたんですか?』

P「いや、実はカクカクシカジカあってだなぁ、
  やよい、伊織、響、千早、貴音、真美は緊急の用事で休みって訳で」

律子『貴音以外は別に今日はレッスンだけだったからキャンセルいれておきますけど』

P「ああ、貴音の方はこっちから色々伝えておくから」


律子『で、プロデューサーは何やってるんです?』

P「そ、それは……」

貴音「世界の平和のために闘っているのです!」

P「げっ、何言ってんだお前!」

律子『どうして貴音がそこにいるのよ!? あんた仕事は!?』

貴音「わたくしは現在がその仕事の真っ最中なのです」

律子『何訳分からないこと言ってるのよ! いい? プロデューサーの指示に従うのよ』

貴音「……はい」


P「すまんな、律子、じゃああとは頼んだぞ」

ガチャンッ

P「……ったく、どうしてこうなったんだよ」

P「だいたいなんで貴音が刑事なんだ……?」

P「貴音ぇ……一体何故なんだよ……もうやだよ俺ぇ!」

貴音「ふふ、プロデューサー、焦っていてはなにも始まりません」

貴音「まずは一歩一歩行動していきましょう」

P「ああ、そうだな……まずはお前の仕事だったはずの一日警察の謝罪の電話いれるぞ」


☆車内☆


ローズ「どう?」

やよい「だめです……まだ出てないみたいです」

ローズ「珠さえ出ればあなたたちを解放させてあげられるんだけど」

やよい「ああ! 浩三のオムツがもうなくなっちゃいました……」

やよい「どこか寄れますか?」

ローズ「ええ、いいわよ」

真美「赤ちゃんのお世話って大変だよねぇ」

ローズ「あら、あなたもおむつ使ってたのよ?」

真美「うええ、そんなこと言わなくていいよー!」

真美「あ、ちなみにいおりんは透け透けおパンツ」

伊織「誰が透け透けおパンツなんか履くかぁ!」


…………
……



冬馬「そうか……この道の先で止まったのか」

翔太「よーし、それじゃあそこでいっきに追い詰めちゃうとしますか!」



☆ショッピングモール 某店☆



やよい「えーっと、おむつおむつ……」


真美「ねえねえこのボディーソープ東京で買うより安くない?」

ローズ「あらやだお目が高い! あなた結構イケるじゃない」

真美「ふふん、でしょでしょ?」


響「ほんとだ……確かに安いかも」

千早「そうね……」

ラベンダー「ちょっと、あっちにいつも使ってる入浴剤、安売りしてるわよ」

ローズ「嘘やだほんとう?」

真美「え、どれどれ!」

響「あっ、こら真美!」


伊織「いつもはどれを使ってるの?」

やよい「えーっと、あ、これこれ……ってあれ?浩三?」

やよい「あっ!!」

ガラガラガラガラ……!

翔太「へへー! 浩三くんもーらい!」


千早「しまった! 浩三くんが!」

ローズ「ちょっと奥さん、このカート借りるわよ!」

奥さん「えぇ!?」

ラベンダー「あんた軽そうだからここに乗って!」グイッ

伊織「ぎゃふんっ、ちょっと何すんのよ!!」


レモン「追いかけるわよ!!」

真美「待て待てぇーーー!」

翔太「げっ、追ってきた!」

ラベンダー「今よでこちゃん!!」

伊織「誰がでこちゃんだぁ! とうっ!!」シュバッ

真美「いおりんが飛んだぁぁーー!」

伊織「伊織ちゃんキーック!」

ドガァッ

翔太「いでぇっ!」

伊織「浩三取り返したわよ!!」


やよい「浩三……! ありがとう伊織ちゃん!」

ローズ「そんじゃさっさと逃げるわよ!!」

冬馬「待てコラぁ!」

ラベンダー「このゴボウの餌食になりなさい!」ヒュンヒュン

やよい「ああ!! ゴボウをそんな風に使ったらだめですよ!」

伊織「いいからあんたは黙って走りなさい!!」


冬馬「てめえ、スーパーの食べ物を! 
   ならばこっちだってこのバナナで相手してやる!」

響「うぎゃああ! こっちはサンマが飛んできたぁあ!」

やよい「はう゛っ!」ビチィッ

伊織「ちょっと、大丈夫!? 磯臭っ!」

やよい「よ、よくも! 浩三に当たったらどうするんですか!! 
    こっちだって反撃しちゃうんですからぁ……」ガシッ

真美「あぁ! やよいっちそれウニだよ!」

やよい「やっぱりできません!!!!」

響「辞めるの早いな……」

真美「さすがやよいっち!」


伊織「いやぁあ! ちょっと離してよ!!」

千早「水瀬さんが人質に!!」

真美「今助けるよ!いおりん!!」

真美「喰らえ、わさびファイヤー!」ブニュルッ

伊織「はむっ」パクッ


真美「あ」

伊織「んに゛ゃああああーーーー!」


ドガァッ バキィッ

真美「いやぁ、いおりんを掴んでた人を狙ったんだけどね? わざとじゃないんだよ?」

伊織「はひぃぃーー! ふひぃーー!」

真美「……いおりんわさび食べると強くなるんだね、もっと食べる?」

伊織「いるかぁぁーーー!」


ラベンダー「お兄たま! 先に行って!」

ローズ「……っ、行くわよ!」

千早「急いで我那覇さん!」

響「わ、わかってるよ!」


やよい「あ、えっと小銭が……」

伊織「私が払うからどいて! お釣りはいらないから取っておきなさい!」

やよい「ええ、いいよ、そんなの」

伊織「うるさいわね! さっさと行くわよ!急ぎなさい!」


ローズ「行くわよ!」ブロロロロ

響「ああ、レモンとラベンダーが捕まってるぞ!」

ローズ「仕方ないわ……そんなの」


千早「くっ、悲しい別れになるわね」

やよい「あの……ごめんなさい。ローズさんの弟さんたち」

ローズ「大丈夫よ、あの子たちならきっと、ね」

ローズ「赤ちゃんも無事だったんだし、あいつらだって殺しはしないでしょう」


☆961プロ☆


北斗「社長……冬馬達はもう引き上げさせていいですよ」

黒井「お前が自らいくのか?」

北斗「ええ、一人で充分ですよ。お土産楽しみにしててくださいね」

黒井「ああ、待っている」


☆電車☆

P「はあ……今頃あいつらどうしてるかなぁ」

貴音「はい……真、心配ですね」モグモグ

P「車内販売の弁当4個目のお前が言っても何も説得力ないからな」

貴音「腹減っては戦はできぬ……というではありませんか」

P「はあ……だいたいその弁当の金だしてるの俺なんだからなぁ」

貴音「むっ……あなた様のお給料はわたくし達の働きから出ているのですよ」

P「ぐぬぬ……」


貴音「ふふ、美味しいものを食べて少しは心も満たしてください。はい、あーん」

P「あー……あ? 貴音? いてててて!! そこは口じゃなくて目だ!
  おい!! どこ見てんだ!」

貴音「あなた様! 窓の外を!」

P「あ?」


「おーい! プロデューサー!」

「兄ちゃーーーん!」

P「あれは! みんなだ!!」

P「やったぞ貴音! よし、次の駅で降りよう!」

貴音「はい!」


…………
……


P「やっと合流できたぁ! みんな無事か!?」

千早「はい、プロデューサーも無事で何よりです」

響「貴音ぇぇ~~! 全く、心配したんだからな!」

貴音「ふふ、ありがとうございます。プロデューサーがいたので
   わたくしもなんとかここまで辿り着くことができました」

ローズ「さ、それじゃあ合流も運良くできたことだし、
    うちの実家に向かいましょう」


☆あ・それ山☆


P「あ・それ山パラダイスランド……? なんだこりゃ」

ローズ「うちの実家で経営してるのよ」

真美「ねえねえ兄ちゃん、今度ここに営業に来ようよ~」

ローズ「あら助かるわ~、そしたらお客さんも入ってくれるかしら?」

P「こんな青森までファンが追っかけてきてくれるのか……?」

千早「その辺は大丈夫なんじゃないでしょうか?」

ローズ「あら、ちーちゃん随分強気じゃない」


千早「ち、え? こほん、聞いた話ですと沖縄の洞窟でライブをやっても
    コアなファンなら着いてきてくれるそうですし」

響「へえ、それ自分もやりたいなぁ~」 

響「っていうか、このパラダイスランド全然人がいないぞ……」

ローズ「それはほら、あたし達って裏の人達だからあまり表立って仕事はできないのよ」

伊織「だったらもっとまもとに働いたらいいじゃない」

ローズ「あらやだ、あんた達みたいに
     アイドルとか言って博打みたいな仕事選ぶよりましよ」

伊織「どういう意味よ!」


真美「そうだよ! いおりんのことは
   悪く言っても真美たちのことを言ったら許さないからね!」

伊織「今のはあんたも入ってるのよ」

ローズ「うちはこの先よん」

ローズ「ママが一人で住んでいるの、珠由良族の頭領よ」

ローズ「ただいま~~ママ~~」

真美「……あの顔でママ」

伊織「一体どんなママよ」


珠由良の母「誰だおめえだち」

千早「ひぃっ」

響「うわあ、びっくりしたぁ」

P「えっと」 

ローズ「ママ~~!!」

バチィンッ

ローズ「ああんっ」

母「ママって呼ぶなって言ってあるべ!」



…………
……


母「こんれがもう一つの珠だ」

やよい・真美・響・伊織「おお~……」

P「浩三くんも喜んでるね。やっぱり惹かれ合っているのか?」

真美「んっふっふ~、それ飲み込んで珠が二つになったら
   男の中の男になっちゃうよ~~」

伊織「どういうことよそれ……」


キィィィィン……

母「おお……お山が泣いている……ジャークが甦ると泣いている」


母「全く、呆れ果てて言葉もねえ
   関係ね人たつ巻き込んでその上つよしときよしまで見捨ててきちまうとはなぁ」

ローズ「きっとあたしが救い出してみせるわぁ」

母「はん、どんだか」

伊織「つよしときよし?」

響「誰だそれ」

ローズ「ああ、弟達の名前。ちなみに私はたけし。でも……
     その名前は捨てたわ。今はローズよ」

バチィンッ

母「勝手に捨てるでねえ!」


母「由緒ある珠由良の血筋が途絶えてしまうべ」

ローズ「でもママ~、こうは考えられない?
     私達の代でジャークのことは蹴りがつく」

ローズ「だからもう珠由良族も珠黄泉族も必要ない。
     そういう運命だとしたら」

母「屁理屈こくんでねえ! この馬鹿ぁ!」


P「あのー、俺達ここに来れば安全だって言われて」

真美「わざわざ来ましたー!」

P「おめえちょっと黙っとけ!」

母「ああ、もうあんすん(安心)だ」

母「珠由良七人衆がおめ達を守る」

母「勘兵衛、勝四郎、七郎次、平八、五郎兵衛、久蔵、菊千代」

母「見た目は古いが腕は確かだ」


響「は、……はいさい」

やよい「はじめ……まして」

P「よ、よろしくお願いします」

七人衆「うす」

伊織「ちょっと刀と鎧って……大丈夫なの?」ボソボソ

真美「なんか江戸時代の生き残りみたいだよね……」ボソボソ

千早「しょうがないわ。きっとこれでも頼りになるんだと思う」


貴音「なるほど。ですが、見たところかなり歳を取られている様子。
    ご老体に無理をさせるわけにはいきません」

ローズ「あーら、この爺さん達、あんたの鉄砲なんかよりよーっぽど役に立つわよ」

ローズ「下手な鉄砲も数打ちゃ当たるなんてアレ嘘よねぇ~。
     撃っても撃っても当たらない人もいるもんね~」

貴音「うぅ、プロデューサー……」

P「分かったから泣きそうな顔すんなって。本当なんだからしょうがないだろ」


P「おいおい、あんたもなあ、
  いくら本当のことだからって貴音のことを悪く言うのは」ガタッ


七人衆「……っ!」ビタァッ

P「は? ……え?」

真美「おお、すごい!! 早業!」

やよい「今の一瞬で刀出してプロデューサーの首に……」

響「今プロデューサーが敵意を見せた瞬間に動いたぞ」

千早「やっぱり腕は確かなようね」

P「じゅ、銃刀法違反だぞお前らぁ!」

真美「やっぱり兄ちゃんカッコ悪いね」

伊織「そんなの今に始まったことじゃないじゃない」


…………
……



P「……事務所の方どうなってるかなぁ」

真美「きっとぴよちゃん達がなんとかやってくれてるよ」

P「ってか一体この状況なんて説明すればいいんだよ」

響「大丈夫だぞ。きっとプロデューサーが
  思ってるほどプロデューサーって仕事できないし
  あんまりいつもと変わらないんじゃないかな?」

P「グサァッ……。お前、時々笑顔で酷い事言うよな」

響「え?」


やよい「今、浩三寝かしてきました」

伊織「そう……あんたも大変よね」

やよい「えへへ……でもなんだかこんな所まで逃げてきて
    それにみんな一緒だしちょっと楽しいかもって」

伊織「そう……ま、あんたがそういうなら私はいいわ」

千早「そうね、高槻さんがそう言うなら私も何も言うことはないわ」

やよい「ありがとうございます、千早さん」

やよい「じゃあ私、お手伝いしてきますね」

千早「ええ、私達もあとで行くわ」


伊織「千早……」

千早「……なにかしら」

伊織「やよい……ああ見えてやよい、結構強がってるところあるから」

千早「ええ、分かってるわ」

伊織「あの鎧きたお爺さんたちも頼りになるのかもしれないけれど
   最後は私達がやよいを守りましょう」

千早「そうね……」


…………
……



――夜――


母「食(け)え食え、なんぼでも食え」

貴音「もぐもぐもぐもぐ、真、こういった囲炉裏を囲んだ食事も中々よいものですね!!」

響「貴音は遠慮を覚えような」

真美「けえけえって何言ってるのか分かんないよ!」

伊織「たくさん食べなさいってことよ」


千早「ごちそうさまでした、私はもうこれでお腹いっぱいなんで」

母「おめもういいのか? もっと食わねと倒れちまうぞ」

ローズ「そうよ、ちーちゃんもいっぱい食べないとお胸も成長しないわよーん」

千早「オカマに何がわかるのよ!」


HAHAHAHA……



母「――ッ!」

ローズ「どうしたのママ」

母「……来た」

真美「トイレなら早く言ったほうがいいよ?」

やよい「そうじゃないと思うよ、真美」


母「邪悪な気配が近づいている! おめ達も手伝え! 結界ば張るんだ」

千早「結界……?」

貴音「とはなんでしょうか、あなた様」

P「うーん、超能力のバリアみたいなもんだ。って言っても分からないかもしれないが」


P「とにかく……いよいよ始まるってことだ」

真美「おお、なんだか本格的だね!」

やよい「結界って……一体何をするんですか?」

ローズ「今から言う場所にこれを立ててくるのよ!」

P「よし、分かった! みんな行くぞ!」


…………
……



母「これでひと通り建てたから安心だ」

P「……」

伊織「……そうね。ってそんなわけないじゃない!
   何よあれ! この先通行止めの工事の立て看板に」

響「クマ出没注意……」

千早「挙句、痴漢出没注意なんて……意味があるのかも分からない」

やよい「うわー、あれ見てください! 雲が悪魔みたいに見えますよ!」


真美「うわー、こりゃ相当やばいんじゃない?」

母「ジャーク……!」

P「えっ、あれがそうなのか?」

千早「随分恐ろしいんですね」


母「――ッッ!」

ローズ「どうしたのママ」

母「ママって呼ぶんでねえ! 来よった……ついに近くまで」

ローズ「珠黄泉族!?」


母「なんという凍えきった魂、底なしの闇……!
  本当に人かぁ!?」

ローズ「あいつらがいるのね……!」

母「七人衆! 迎え撃つ準備だ。相手は一人。んだども甘く見るでね」

母「甘く見ると……死ぬど」

七人衆「……」スッ

真美「な、なんか急にみんなキリッとしだしたけど……」

母「家はわが守る。おめ達総出で迎え討て」

七人衆「おす」

母「人ど思うな……いけ」

母「おめ達も外には出るなよ?」

「「「はーい」」」


…………
……



母「平八……五郎兵衛……」

P「なんだ!? おい、やられちまったのか!?」

ローズ「そう……みたいね」

伊織「ちょっと! 本当に大丈夫なんでしょうね!」

響「そ、そうだよ! ここに来れば安全だからって」


母「大丈夫だ……老いてるとは言え、珠由良七人衆……そう安々とは」

貴音「……わたくしが様子を見てきましょう」ガタッ

母「どこさ行くだ、よせ!」

P「そ、そうだやめろ貴音! お前じゃ無理だって」

ローズ「そうよ、行ったってしょうがないわ。あんたの鉄砲どうせ当たらないもの」

貴音「ぐぬぅ、見ていなさい!!」


P「あ、おい!貴音!! あーあー、ムキになって行っちまったよ」

ローズ「あの子意外と煽り耐性ないわよね~」

真美「んっふっふ~、そこが可愛いんだよねー」

響「あんまりいじめてやるなよな……自分貴音の様子見てくる!」

P「くそ……貴音も響も心配だが、やよいの方にいないと」


母「……七郎次、久蔵、勝四郎……!」

真美「またやられちゃったの!?」

ローズ「私も行くわ」

母「その必要はね……」

P「今からでも逃げよう!」

母「どせ逃げだってあいつは必ず追ってくる」

母「ここで闘って倒すしかね」


…………
……



貴音「止まりなさい! 警察です!」

響「貴音ぇ! 逃げようって!! 
  七人衆のあの人達も今目の前でやられちゃったんだよ!」

響「だいたい貴音、警察って一日署長なだけだろ!?」

北斗「……」ダッ

響「うぎゃああ!こっち来たぁぁ」


貴音「くっ、やむなし……」ズギュゥーンッ バギュゥーンッ

バギュゥーンッ バギュゥーンッバギュゥーンッ

北斗「……全然当たらない……よっ」ガッ

貴音「あっ……ぐっ、……」ギチッ

響「こ、コラーー! 貴音を離せぇぇえ!!」ポカポカポカ

貴音「……う」ガクン

北斗「大丈夫、楽に逝かせてあげるから」

響「ひ、ひぃいぃいい!! うぎゃああああ」


…………
……


母「勘兵衛、菊千代……あの娘達もやられてまった……」

伊織・真美・やよい「えぇぇぇえ!?」

P「た、貴音と響が!? 野郎……許さんッ!」

母「静かに……来た……」

母「……」

P「……まじかよ」


母「でやぁぁああ!!」

北斗「おっと……やだなぁ物騒で」ガッ

母「うぐっ、ぐ……」ガクンッ

ローズ「オラァァァ! よくもママを!!」

北斗「ふっ、よっと……」バキッ 

ローズ「ぐぎゃああっ」ドサッ

北斗「ふぅ、さて……と。このお婆さんかな。もう一つの珠を持ってるのは」

北斗「よし、あったあった。これを頂戴して。あとは……」


北斗「チャオ☆」ガラッ


P「……」

真美「……」


P「……旅のお方。春とは言え、外はまだ冷える」

真美「……」

P「……まあこっちに来て火にあたりなさい」

真美「……」

北斗「……何ですかこれは? まあいいでしょう。付き合ってあげますよ」


P「……囲炉裏は~良い~~」

真美「……りろりら~~りぃ~~」

P「……」

真美「……」

北斗「……」

P「……囲炉裏の火にあたると心まで温まるから不思議です」


P「……こうしていると古い歌を思い出します」

P「……もーっと遠くへ泳いで~みたい。光、満ちる、白いアイランっ」

北斗「そろそろ……ですね。プロデューサー、あなたの考えは実にくだらないですよ」

北斗「無駄なことはやめるんですよ」

北斗「俺はこう見えてあなた達の頭の中が読めるんですよ」

P「……な、なんのことかな」

北斗「本当に不純な考えでいっぱいなんですから」

P「へ、へ? 行ってることがちょっと分からないなぁ」


北斗「プロデューサー、あなた一昨日のテレビ局での収録の時、
    担当アイドルほったらかして隣のスタジオにいる
    バリュームのねっちの太もも見に行ってましたよね……?」

真美「……」

伊織「ちょっとあんたそれどういうことよ!!
    どおりであんたがいなかった訳ね!!」
 
やよい「伊織ちゃん出て行っちゃだめだよ!」

千早「プロデューサー……今の音程少しズレてましたよ?」

P「わー!! 馬鹿!! 出てくんな!!」

真美「へえ……兄ちゃんさては梅干しだな?」

P「それを言うなら図星だよ!!」


北斗「さて……」

P「よ、よせ!! うちのアイドルに手を出すことは俺が許さん!!」

真美「コラー! 真美のことも見ろ!」

北斗「」チラッ

真美「うっふ~ん」

P「隙ありぃ!!」

北斗「ふっ」バキッ

P「ぐはっ」ドサッ

真美「兄ちゃん弱っ!?」ガーン


北斗「あんまり女の子をいたぶるのは好きじゃないんで手短に終わらせますよ」

北斗「さて、赤ちゃんを……確か浩三くんって言いましたっけ? 渡して……」

千早「くっ……あ、あたちぃ~浩三でちゅ~さらってもいいんでちゅよ~」

バキッ

千早「……」ドサッ

やよい「千早さぁーーん!!」

真美「あぁ! 替え玉作戦がぁ!」


伊織「い、今警察呼んでやるんだから! あぁ電波がない!」

バキッ

伊織「」ドサッ

やよい「伊織ちゃーーん!」

やよい「こ、浩三には手を出さしゃ、あ、噛んじゃった。えへへ」

バキッ

やよい「」ドサッ

真美「やよいっちーー!」

真美「こ、浩三くんは真美がお守りするじぇ!」

真美「オラー!ここを通りたくばこの真美様を倒して」

バキッ

真美「」ドサッ


…………
……



――翌日、朝――



やよい「本当に山が浩三の場所を教えてくれるんですか……?」

ローズ「大丈夫。ママは心の開きかたを知ってるもの。
     お山はきっと答えてくれるわ!」

千早「浩三くんはきっと私達が助けてみせるわ!」

伊織「そうよ! あいつ今度あったらただじゃおかないんだから」


やよい「うぅ……浩三……私がしっかり守ってあげなくちゃいけなかったのに」

やよい「私……ぐすっ、私お姉ちゃん失格だよね……うわぁぁあん」

千早「高槻さん……」

伊織「……泣かないでやよい! 私達が絶対に取り返すから」




母「……っ! たけしぃ!」

ローズ「はっ、ママ! わかったのね!」

母「わかった」

P「おう、どこだ!」

母「東京の臨海にある……961プロ本社だ」


…………
……



冬馬「待てって、自然に出るのを待てばいいだろ」

北斗「甘いね、冬馬……ここは浣腸でさっと出すのが一番だよ」

冬馬「いいや違うな!」

浩三「ビエエエエ!」

冬馬「ほ、ほら見ろ泣き出しちゃっただろうが! よしよーし」


翔太「ぷぷ、冬馬くんベビーシッターの方がお似合いなんじゃないの?」

冬馬「っるせえな!」

浩三「ビエエエエ!!!」

冬馬「おーう、よしよーし!」

黒井「うい、ならば昼まで待つとしよう。あとは任せたぞ冬馬」


…………
……



P「……ああ、雲が流れるぜ畜生」

P「珠がなんだ世界がなんだとかな……本当、どうでもいいぜ畜生」

P「あいつらは……俺達の天使、やよいを泣かせやがった」

P「俺達が拳を握る理由はそれだけで……充分だ。そうだろうみんな!!」

真美・千早・響・貴音・伊織・ローズ「おおう!!」

P「浩三くん取り返して……やよいの笑顔を取り戻して……
  みんなで笑って765プロに帰るぞ!」

P「行くぞぉぉお! 765プロォーー!ファイトぉーー!」

やよい・真美・千早・響・貴音・伊織・ローズ「おおおおおおおおおお!!!!」


☆車☆


ローズ「うおおおおおおお!!」

P「オラアァァ!! もっと飛ばせぇぇぇ!!」

やよい「もっと!! もっとですぅーーー!」

千早「もっと!! たーかめて果てなく 心のーおーくまーで」

伊織「あなただけが使えるテクニックで」

真美「とかちつくちて!」


☆新幹線☆


P「オラァ!!弁当だぁぁぁ!今のうちに食えぇぇぇ!!」

やよい「うあもぐもぐもぐもぐ!!おいしいはぐもがもぐがが!!」

千早「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ!!」

貴音「もぐもぐおかわり!!!もぐもぐもぐもぐおかわりぃぃ!!」

真美「はぐもがもぐがもがががゴホッゲホッ!!」

響「ばくもぐむぐふぐばくもががが!!」

伊織「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ!!!」

ローズ「はぐもがむぐごばぐもぐガツガツむしゃむしゃ!!」


…………
……



P「……まだか! まだつかねえのか!!」イライライライライラ

やよい「コォォォオ……」

千早「ふんふんふんふん」←腹筋

響「シッシッシッシッ」←シャドーボクシング

真美「オラオラオラオラオラオラオラオラ」←ゲーム

伊織「この新幹線遅すぎじゃないかしらぁぁぁ……!!」イライライライライラ

貴音「ふっ! はっ! とう! やあ!」←前の座席を殴る


車掌「あ、あの……お客様……すみませんがそちらのハムスターは」


P・やよい・千早・響・真美・伊織・貴音・ローズ「 あ゛あ!? 」

響「うちはいつだって動物と一緒に旅行するんだぞ!!悪い!!?」

P「そうだ!!動物だって家族だろうがぁぁぁ!!

千早「そうよ!!ここにいるみんなも!!高槻さんだって私の家族同然なのよ!!?」

車掌「あ、……えっと……は、はあ、そうですか」


☆東京☆

P・やよい・千早・響・
真美・伊織・貴音・ローズ「うおおおおおおおおおおおおお!!!」ズドドドドドドドド


…………
……



☆961プロ☆


P「ここに間違いないな」

ローズ「ジャーク復活も間近って感じね」

P「ここまで勢いで来ちまったけど丸腰じゃ不安だな」

貴音「おっほん」スチャ


ローズ「」チラッ

P「」チラッ

伊織「何か武器がないとね……」

貴音「おっほん!!」

響「貴音、もう閉まっときなよ」

真美「ねえねえ兄ちゃんこれなんかいいんじゃない?」

P「おまっ、そんな鉄パイプどっから持ってきたんだよ」

ローズ「あらやだ、この子ろくな大人にならないわよ」

真美「いや~それほどでも~」

伊織「褒めてないから」

P「よし、行くぞぉ!」


…………
……


響「な、中は結構薄気味悪いんだな……」

翔太「おっと、待ちなよ」

伊織「あ、あれは!! 浩三!」

ローズ「ラベンダー!! レモン!」

翔太「この子どもを返してほしくばじっとしてるんだね」

翔太「もうすぐジャーク復活だからさ」

P「くっ、野郎……!」


ラベンダー「人質は私だけで充分よ……」

レモン「その子は返してあげて!」

冬馬「……!」

冬馬「チッ……やっぱだめだ」

翔太「あっ、ちょっと、冬馬くん!?」

冬馬「ほら、赤ちゃんは返すぜ」

やよい「あ、ありがとうございます!!」

伊織「浩三! 無事でよかったわ!」


冬馬「珠は無事に取り出せた。身体も異常はない安心しな」

やよい「よかったぁ~~! 良かったよぉ」

翔太「裏切るってんなら一緒に始末するってことだね……」

翔太「みんなやっちまいな!」

貴音「下がりなさい皆!」ズギュゥーンッ バギュゥーンッ バギュゥーンッバギュゥーンッ

バギュゥーンッバギュゥーンッバギュゥーンッズギュゥーンッバギュゥーンッ


貴音「……あ、あれ」

伊織「嘘、まさか全部はずしたの……?」


貴音「予備の弾が……はっ、もうない!?」

貴音「あ、でももう一丁あるのでした」

P「二つもパクって来てたのかよ!!」

ローズ「見てるこっちが痛いわよぉ」

伊織「ちょ、なんで私だけが狙われるのぉぉ!」ドドドドドド

やよい「い、伊織ちゃん!」


伊織「いやぁぁぁあ!」ドガッ

ラベンダー「あら縄とけちゃったわ?」

レモン「デコちゃん意外とやるじゃない」

翔太「げっ、しまった」

伊織「……で、デコちゃん言うな……」


ラベンダー「お兄たま!ここは任せて先に屋上に行って」

レモン「ジャーク復活を阻止するのよ!!」

貴音「早くえれべーたーに乗るのです!」ズギュゥーンッバギュゥーンッバギュゥーンッ

ローズ「うちの弟達にあてないでよね!? まあ狙ってもどうせ当たらないけど」

貴音「ぐぬぬ!」


☆屋上☆


黒井「この景色が全部わてのものになるわけどすなぁ」

北斗「そういうことですね。では、ジャークに登場していただきましょうか」

P「よし着いた!」

伊織「見て、このさらに上にいるわ!」

真美「おお~~! すんごい眺めだね!」

P「こ、こら! あんまりそっちには行くなよ!? 落っこちるぞ!?」


北斗「社長……まん棒の用意は?」

黒井「うい、心配するな。これさえあれば
   ジャークの言うこときかせられるものだからな」スチャ

北斗「その拳銃……どういうつもりですか?」

黒井「北斗。お前が私達を利用したように……私も利用させてもらったのさ」

黒井「ジャークの力を独り占めしようたってそうはいかない」

黒井「さあ珠をもらおうか!」

P「な、なんだ様子が変だな」

ローズ「仲間割れかしら?」


黒井「……私の頭の中をずっと読んでいたつもりだろうが
   そんなものどうとでもなる。私は珠黄泉族だからな」

北斗「はあ……じゃ、受け取ってください」ポイッ

黒井「なっ」

北斗「隙あり!」バキッ

黒井「な、しまった……ならば、この埴輪は渡さん」バッ

北斗「あっ、待て!」


貴音「そこの二人!!止まりなさい!止まらないと撃ちますよ!」

ローズ「あんたの銃の腕前もうみんな知ってるのよ」

貴音「なんとっ! 本当に撃ちますからね!」ズギュゥーンッ バギュゥーンッ


シーン

貴音「全く……みな運がいいようですね」

P「しょうがねえ、行くぞ!!」

千早「はい!」

伊織「やよいはここで待ってなさい!」


真美「オラオラーー! 珠を渡せぇー!」

千早「くっ、やあっ! 逃し、げふっ」

P「あ、ごめん千早」

伊織「あっ、ごめん千早」

真美「あっ、千早お姉ちゃんごめんねー!」

千早「踏んでいくなぁぁ! もうっ!」


黒井「くっ、追い詰められた……!」

真美「へいパスパース!」

黒井「それっ」

真美「ほい来たナイスキャッチ!」

黒井「あ、しまった!」

P「でかしたぞ真美!」

やよい「真美ー! こっち!」

真美「そいやさぁ!」ブンッ

やよい「わわっ、真美! どこ投げてるのってうわっとっとっと……」


千早「高槻さん!!」

伊織「やよいいいい!!」

P「うおおおおおおおおお!! やよいがビルから落ちそうになってるうううう!」」

千早「ま、間に合わない!!」

やよい「お、落ち……るぅぅ~~~」

冬馬「おっと!」ガシッ

やよい「わわっ、ありがとうございます」

冬馬「ふぅ、間に合ったぜ……! 下はもう片付けてきてやったからな!」


P「良かったぁ……」

真美「やったぁー! こっちはついに逮捕だぁ!」

黒井「おい、離せ! こんな所に繋いで、悪いことしたみたいじゃないか!」

貴音「問答無用!」ガチャリ


北斗「ふっ、これで追い詰めたとでも?」

ローズ「その埴輪をさっさとこっちへ渡しなさい!」

ローズ「観念しなさい! 実は……あんたみたいな男好みなの」

伊織「はぁ……? 何を言ってるのよこんな非常時に」


北斗「奇遇だね、オカマさん。実は俺もなんですよ」

ローズ「あらほんとう?」

北斗「嘘です」

ローズ「オカマの純情弄びやがって……許さねぇぇ!!」

ローズ「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

北斗「ふっよっ」

ローズ「ハァハァ、こいつ、やっぱり強い……! 全然こっちの攻撃が当たらないわ!」

ラベンダー「あんなゴリラ倒すなんて一対一じゃ無理よ!」

レモン「みんなでいきましょう!」


ローズ・ラベンダー・レモン「たまゆら♪ たまゆら♪ たまゆらゆ~ら♪
                         振れば  力が  
                     わ  い  て  く  る  ♪   」

北斗「……」


ローズ「うおおおおおおお!!」

ラベンダー「オラァァァ!」

レモン「でやぁぁぁ!」


P「くそ、俺も行くぞ!」

冬馬「俺もだ!!」

貴音「私だって闘ってみせます!」

P「いやいや、お前らはそこにいろ! いいな!」

伊織「で、でもあんた超弱いじゃない!」

P「ほっとけ! いいか、そこを動いたら……貴音はラーメン抜き!
  真美はゲーム禁止! 千早は水着の仕事増やす!
  伊織はデコ磨く! 響は動物持ち込み禁止!」

真美「お、おう……かなり本気だね兄ちゃん」


P「オラァぁ!」

北斗「はぁっ」バキッ


P「ぐぎゃあ!」ドサッ

真美「あぁ!兄ちゃんやっぱり弱い!!」


…………
……


冬馬「ハァ……ハァー」

ローズ「ハァ……ハァッ」

P「ひぃ……ゼェーハァー……も、もうだめだ」

北斗「退屈ですねぇ」


P「はっ、そうだった! そいつは人の頭の中を読めるんだった!」

P「だから何をやってもかわされるんだ!」


ローズ・ラベンダー・レモン・冬馬「最初に言え!!」


ローズ「全てお見通しってわけ!?」

冬馬「だからってこれだけの人数を相手に……」

やよい「じゃあ……歌を歌えばいいんじゃないですか!?」

P「歌?」


千早「歌なら任せてください!!」

響「ああ、自分たちの本業だからな!」

ローズ「私にまかせて!!」

P「え?」


ローズ「本日はみ・ん・なにぃ~」

ローズ「私のとっておきのこぉ~~いばなを」

ローズ「きぃ~かせてあ・げ・ちゃ・う・よ~~~ん」


冬馬「こんな時にふざけてんじゃねえよ!!」

P「気持ち悪ぃんだよ!!黙ってろ!!」

ローズ「いやんいけずぅ」


千早「みんな行くわよ!」

響「おう!」

やよい「はい!」

貴音「ええ」

伊織「せーのっ」


空見上げ 手をつなごう
この空は輝いてる
世界中の手を取り
The world is all one!!
Unity maind.

P「いぇぇぇぇい!!」

ローズ「Fooooooo!」


北斗「ぐっ……!!」

北斗「ぐあああああ……!」


…………
……



P「……終わったか」

ローズ「ええ、なんとか倒せたわね」

冬馬「これで世界も平和だな」

P「歌は暴力よりも強し……か。勉強になったぜ」

P「ああ、みんなも本当によく頑張ったよなぁ……ん?」


真美「おーーい! 兄ちゃーん!」

P「あいつ……なんであんな所にいるんだ?」

真美「この埴輪にこの珠を入れればいいんだよね!」

貴音「ええ、それでこの世界は平和ですね」

P・ローズ・ラベンダー・レモン
千早・響・伊織・冬馬     「だめええええええええ!!!」


真美「よいしょっと」カチャッ

ゴゴゴゴゴゴ……!!

P「ああああああ!! 何してんだお前ぇぇ!」
 
真美「え?これでめでたしめでたし、だよね?……あれ?」

P「逆だぁぁぁ!!」

伊織「何聞いてたのよぉ!!」


キィィィィン……


P「うわぁぁぁあ!!」

ドゴォォオオオン!


「「「「ぎゃああああああ」」」」


P「……な、なんだったんだ今の」

ラベンダー「ジャークなんて本当はいなかったんじゃ」

真美「あっ! 見てあそこ!」


ジャーク「……」ゴゴゴゴゴゴ

ジャーク「私を呼んだのはお前達か」

ローズ「ジャーク……」

北斗「俺だ! ジャークの力を借りたい!

ジャーク「にょわー☆ それってハピハピすぅ?」

P「 !? 」


ジャーク「なんちゃっていやーん、ちょっとやだもう!」

ジャーク「やだこいつ昔あたしをそそのかした奴にそっくり!」

真美「なんでオカマなの……」

ジャーク「1000年以上もタマタマはずされてたら誰だってオカマになるわよん」

ジャーク「そんなわかりきったこと聞かないでよねん、お馬鹿~ん」

ジャーク「悪いけどあんたのお役には立てないわ。
       だってあたし賞味危険去年で切れてるもの」


ジャーク「これ見てよ、魔人だって生物なのよ? 生よ? 早く使わないとだめよーう」

伊織「な、何これ……ジャーク、品名、魔人。内容量72グラム?」

ジャーク「残ってた魔力も埴輪から出る時使っちゃったし~
     今のあたしはただのオ・カ・マ~! 残念でした~ん!」

北斗「……ぐっ」

ローズ「ねえジャークうちの店にきなさいよ」

ラベンダー「一緒にやりましょう」

レモン「歓迎するわ」

ジャーク「ほんと嬉しい~! あいつ嫌い~目が怖いんだもん」


HAHAHAHA……


P「……なんども死ぬ思いして」

伊織「あの苦労はなんだったの……」

真美「真美のおかげだね!」

P「ああそうだよ全く!!」

北斗「チッ!!」バッ

やよい「あああ!浩三!」

北斗「俺を追わないでください。
    この赤ちゃんの生命が欲しいならそこでじっとしててください」


貴音「止まりなさい!! 撃ちますよ!」

真美「もう諦めたらお姫ちん……ふぅ~」

貴音「ああん」ゾクゾクッ


ズギュゥーンッ


貴音「……あ。何するのですか! 最後の一発だったのに……?」

真美「デラックスさせようと思って」

貴音「それを言うならりらっくすですよ……真美!」

響「えっ!? み、見て!」


北斗「う……ぐっ」

P「当たった!?嘘だろ!?」


北斗「っ……」

貴音「警察……一日署長は終わりましたが……!あなたを逮捕します!」

北斗「……くっ」ガクン

P「どうやら警察も来たようだしな。本物の」


伊織「ほんとだ……今頃になってやっと来たわ」

P「これにて一件落着だな!」

やよい「はい! みなさん、本当にありがとうございました!」

響「だったらいつものあれで締めたらどうだ?」

ローズ「いつもの?」

やよい「えへへ、みなさーん、じゃあ手を出してください!」

やよい「はい、ターッチ!」


「「「いぇぇぇぇい!」」」


…………
……



☆765プロ☆


P「帰ってきた……な」

千早「はい」

響「ああ、そうだね」

小鳥「あれ?プロデューサーさん! もうどこ言ってたんですか!」

P「いやぁごめんなさい!」


小鳥「律子さんすごい怒ってますよ! それに他のみんなも……」

亜美「うあうあ~~! 真美いい! どこ行ってたんだよ!」

亜美「めちゃ心配したんだからねー?」

真美「えへへ、世界の平和を守ってたんですよ! ね! やよいっち」

やよい「えへへ、私全然役に立てなかったけどね」

伊織「何言ってんのよあんたはそれでいいんだから」

律子「コラァァーーー! あんた達!! ちょっとこっち来なさい!!」


P「はあ、律子の怒号が今はなんだか嬉しいよ」

響「自分もちょっとその気持ちわかるなぁ」


律子「な、何よニヤニヤして」

真美「えへへ、なんでないよー!」

P「さ、仕事だ仕事……! 今日から埋め合わせのレッスンバシバシいれてくからな!」


「「「はーい」」」


END


お疲れ様でした。
本当にすみませんでした。
劇場版のサブタイトルがこれじゃなくて本当に良かったです。
ちなみにジャークの内容量は原作の映画でも72グラムでした


クロス元は
映画クレヨンしんちゃん暗黒タマタマ大追跡です。
すっかり書くの忘れてました。すみません。

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