アルミン「ロケットペンダント」(83)

※設定がアニメ仕様です
※ネタがn番宣じ


昔、家族から貰ったものがある。
図鑑、地図、壁の世界の本――。

その中でも、僕の中では特に残っているものがあった。

金色のロケットペンダント。

蓋には花と太陽が彫られている。
何をを願って作られたものかは忘れてしまったけれど。

右には両親の、左にはおじいちゃんの写真を入れていつも持ち歩いていた。

でもある日、いじめっ子にからかわれて、つけなくなったんだっけ。

そこから何処へやったか解らなくなって
だんだん忘れていって

それから月日は流れて――――

――845年 トロスト区

アルミン「まさか、巨人が攻めてくるなんて……」

エレン「……母さん……」

ミカサ「……」

アルミン「で、でも僕たちは生き残ったんだ!だから……」チャリン

ミカサ「アルミン、何か落ちた」

アルミン「これは、ロケットペンダント……」

エレン「アルミン、そんなの持ってたのかよ」

アルミン「いや、普段はつけてないんだ。」

アルミン(昔おじいちゃんから貰った物。
いつの間にか無くしてしまっていた物。)

アルミン(巨人が攻めて来る前、本棚の奥から出てきたのをポケットの中にいれたんだっけ)

ミカサ「誰の写真が入ってるの?」

アルミン「お母さんとお父さん、それにおじいちゃん」パチン

ミカサ「右にはアルミンの両親、左にはおじいさんの写真が入ってる」

アルミン「偶々だけど、持ってこれてよかった」

エレン「本当だな」

――――
――――――

――346年

ミカサ「開拓地は寒い」

アルミン「夏は暑いのに、なんで冬はこんなに寒いんだろう」

エレン「ったく、なんで難民の俺達がこんな事を……」ブツブツ

アルミン「仕方ないよ、ウォールローゼが突破されたんだ」

ミカサ「食料不足だし、頑張る」

エレン「領土と言えば、アルミンのじいちゃんは領土奪還作戦の兵士に駆り出されたんだよな」

アルミン「うん 昨日が出発日だったんだ
無事に帰ってくるだろうか。おじいちゃんも年だし……」

ミカサ「大丈夫、アルミンのおじいさんなら帰ってこれる」

ミカサ「頑張って開拓して、帰ってきたおじいさんをびっくりさせよう」

エレン「そうだな!」

アルミン「……うん!」

アルミン(あんな事言ってたけど、本当に帰ってくるかな)

アルミン(訓練を終え、立派は武器を持った調査兵団でさえ帰ってくる人は少なかったのに……)

アルミン(おじいちゃん……)パチリ

アルミン(お母さんもお父さんも、おじいちゃんも僕の元から居なくなってしまった。)

アルミン(四人で食卓を囲む。それが当たり前だと思っていた筈なのに)

アルミン「」グスッ

アルミン(ダメだ、泣いちゃダメだ)

アルミン(エレンだってお母さんが目の前で巨人に殺されて、お父さんは行方不明。)

アルミン(ミカサだって、両親が襲われてイェーガーさんに引き取られたんだ)

アルミン(なのに弱味なんて一つも見せない。
……僕も二人を見習わないと)

アルミン(それに、僕は家族の写真があるんだから)ギュッ

――――
――――――

――847年

アルミン「今日から訓練兵だ」

エレン「やっと俺たちも巨人を潰すのに一歩近づいたな」

アルミン「うん」

エレン「なあアルミン」

アルミン「何?」

エレン「あのロケットは持ってるのか?」

アルミン「勿論」ジャラ

エレン「でも」

アルミン「?」

エレン「本当に考えられねえよ。
あんなによくしてくれたアルミンの両親やじいちゃんが死んだなんて」

アルミン「僕だって考えられない。
カルラおばさんやイェーガーさんが居ないだなんて」

エレン「……この2年、変わっちまったな」

アルミン「」コクリ

アルミン(僕の――僕達の取り巻く世界は180゜変わってしまった)

アルミン(変わらないのは弱い僕と、このペンダントだけ。
訓練兵を卒団する時はもっと強い僕でいられるだろうか)

アルミン(どうかお父さん、お母さん、おじいちゃん、空から見ていて欲しい)

―――

アルミン(今日は教官から通過儀礼を受けた)

アルミン(馬鹿みたいな名前だって笑われちゃったよ)

アルミン(せっかくおじいちゃんがつけてくれたのに、僕はそんなにへなちょこに見えるのかな…)

アルミン(とりあえず、明日も頑張るよ)

エレン「何してんだ?ペンダント開いて」

アルミン「うわっ、……エレンか。
家族に今日の報告してた」

エレン「そうか」

アルミン「こうやって報告すると、家族みんなに見守られてる気がして」

エレン「成る程なあ」

エレン「俺もやってみようかな」

アルミン「やってみたら?
きっとカルラおばさんも空でエレンの事心配してると思うし」

エレン「じゃあ俺も、訓練初日の報告をかあさんに」

エレン「……」

アルミン「……」

ジャン「あいつら、何やってんだ?」

コニー「……さあ?」

――――

アルミン「……はあ、しんどかった」ドサッ

エレン「今日は裏の山で登山だったな
中腹にあったあの急斜面は俺もしんどかったし。」

エレン「大丈夫か?アルミン」

アルミン「うん。こんなので弱音を吐いちゃ駄目だからね。」

エレン「その意気がねえとな」

アルミン「っと、いつもの報告報告……」

アルミン「……」

エレン「……」

アルミン(今日は登山をした。本当に僕は体力が無いよ。
エレンやライナーが僕に心配をかけてくれた。)

アルミン(サシャが途中で成っていた赤い実を全て食べていて教官に怒られていた。
あの子は懲りないなぁ)

アルミン(明日は対人格闘がある。
1秒でもミカサと対峙出来るように見守っていてください)

マルコ「またやってるねあの二人」

ジャン「なあなあ、アルミンに死に急ぎ野郎」

エレン「なんだ」

ジャン「毎晩毎晩何やってんだ?」

エレン「これか?死んだかあさんに今日あった事を報告してんだよ」

アルミン「僕も」

マルコ「へえ」

ジャン「子供っぽいな」ハハハ

エレン「なんだと!?」ガッ

アルミン「エレン落ち着いて!」

マルコ「ジャンも、そんな事言うもんじゃ無いよ」

ジャン「な、なんだよ…そこまでつっかからなくてもいいだろ…」

アルミン「ジャン」

アルミン「僕には両親や肉親が居ない。エレンもお母さんが死んで、お父さんも行方不明なんだ。
だから手紙をやりとりして状況を伝える事なんて出来ない。」

アルミン「確かに端から見たら僕達は幼稚な行動かも知れない。
だけれど、僕達が伝える方法はこれしか無いんだよ」

アルミン「ジャン、解って欲しい。」

ジャン「……」

ジャン「……俺も馬鹿にしてすまなかった。」

アルミン「ううん、理解してくれたらそれでいいよ」

ジャン「……なあマルコ」

マルコ「ん?」

ジャン「俺、今まで母ちゃんからの手紙を無視してたけど、母ちゃんに手紙出そうかな……」

マルコ「うん、それきっといいと思うよ」


エレン「流石アルミンだな
俺だったらあいつに取っ掛かってたわ」

アルミン「ううん、僕が思った本当の事を言っただけさ」

アルミン(まだ僕はいい。このペンダントがあっていつでも家族の顔を見る事が出来る)ギュッ

アルミン(でもエレンは――エレンもミカサもそんな事は出来ないんだ。
本当に僕は運が良かった。)


――――
―――――――


僕とエレンの報告はいつの間にか男子宿舎の当たり前の光景となっていた。

エレン「……」

アルミン「……」


ダズ「またあいつらやってら」

コニー「なんだかあれ見ねえと夜が超せねえよな」

日々の演習から、休みの日の過ごし方、訓練兵の珍事件……
報告する内容は多種多様だった。

エレン「今日は何報告したか?」

アルミン「立体起動について。前より速く動けるようになった事かな。
エレンは?」

エレン「俺も立体起動だな。」

――――
―――――――


キリがいいから今回はここまで

コメント有難うございます
再開します

――食堂

ミカサ「アルミン、寝ないの?」

アルミン「もう少し明日の座学のテストの勉強するよ
座学だけが僕の取り柄だからね。」

エレン「あんまり遅く起きてテストに集中出来なかったら元も子もないから早く寝ろよ」

アルミン「有難う。二人ともおやすみなさい」

ミカサ「おやすみなさい、アルミン」

エレン「おやすみ」

カリカリカリ...

アルミン「ふう……」パタン

アルミン「」ファア

アルミン(少し休憩しよう)

アルミン「」パチン

アルミン(お父さん、お母さん、おじいちゃん)

アルミン(こうやって静かな夜にペンダントを眺めると家族で夜空を見た時を思い出す)

アルミン(確かこのペンダントを貰った時もそんな日だっけ)

アルミン「なつか、しいな……」ウトウト

アルミン「……」zZ

アルミン『わあ、今日も凄く星が綺麗だよ』

アルミン母『そうね。』

アルミン父『アルミン、誕生日おめでとう』

アルミンじじい『おめでとうアルミン』

母『おめでとう』

アルミン『有難う』

じじい『こうやってアルミンの誕生日に星を見に行くのは何回目になっただろうかな』

アルミン『僕が4歳の頃だから、もう5回目だ』

父『そんなに見に来てるのか。
早いものだ。』

母『そうね』クスッ

アルミン『もう星座だって覚えたよ』

アルミン『あれがカシオペア座、その上にあるのが北斗七星。』

アルミン『で、あの大きなのが秋の大四角形』

じじい『そうだそうだ。よく覚えたなあ』

アルミン『去年貰った図鑑のおかげだよ』

父『覚えるほど読みこんだのか!偉いぞ』

アルミン『えへへ』

アルミン『蓋には何が掘ってあるの?』

じじい『一つは太陽じゃよ』

じじい『お前の誕生日は特別晴れの日が多い。
だからそれを入れてもらったんじゃ。』

母『それにアルミンは私達の太陽のような存在だから』

アルミン『ふうん
こっちの植物は?』

じじい『それはな――……』

――――
―――――――

……――ルミン――

――アルミン――

??「起きろ、アルミン」

アルミン「ん……?」

アルミン(僕いつの間にか寝てて……)

ライナー「起きたか?」

アルミン「ライナー、それにベルトルト……」

ベルトルト「おはようアルミン」

アルミン「えっ、もう朝?」ガタッ

ライナー「いや、まだ夜中だ」

アルミン「」ホッ

ベルトルト「こんな所で何してたの?」

アルミン「明日の座学のテスト勉強。でもいつの間にか居眠りしてたみたい
二人はどうしたの?」

ライナー「小便に行こうとしたら食堂が仄かに明るかったから様子を見に来たんだ」

ベルトルト「そしたら灯がついたランプとアルミンがいて」

アルミン「なんか……、起こしてもらって有難う」

ライナー「大丈夫だ」

ベルトルト「あれ?」

ベルトルト「アルミン、涙流してどうしたの?」

アルミン「え?あれ?……本当だ」

アルミン「ちょっと夢が、懐かしい夢だったから……」ハハハ

ライナー「……その、死んだ両親やじいさんが出てきたのか?」

アルミン「うん」

ライナー「確かアルミンも出身はシガンシナ区だったよな」

アルミン「? そうだよ」

ライナー「そいつらも、もしかして巨人が襲って来た時に食べられたのか?」

アルミン「えっ
……ううん、僕の家族は違うよ。」

ライナー「そ、そうか……」

ベルトルト「……」

アルミン「両親は、巨人侵入の前から、壁外で死んじゃって
おじいちゃんは奪還作戦の時に……。」

ライナー「……」

アルミン「あっ、な、なんか暗くなってご、ごめんね!」

ライナー「いや、俺もこんな質問して悪かった」

ベルトルト「アルミンが頭がいいのは、おじいちゃんや両親のお陰かな?」

アルミン「うーん、まあそんなものかな。
特におじいちゃんが物知りで。だから僕も自然に……かな」

ライナー「……だったら別に訓練兵団に来なくてもその頭脳で……
そうしたら天国の家族もアルミンが危ない目にすまなくて安心なんじゃ……」

ベルトルト「ライナー!」

ライナー「なんか本当に変な質問ばっかだな……」ハハハ

アルミン「……僕は体力とか本当に無くて、シガンシナに居た頃はいじめっ子にいじめられて、エレンやミカサにいつも助けられていた
だから家族には心配かけてたと思うよ。」

アルミン「僕ももっと強くなりたくて、そうしたらきっと両親やおじいちゃんは安心出来る気がして……」

アルミン「訓練兵団に入った理由は他にもあるけど。だからこそ僕は今ここにいるんだ」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

アルミン(でも、今の僕に家族は強くなったと言ってくれるだろうか?
……それは解らない)

アルミン(まだ、自信は無い)

――――
―――――――

すみません、ちょっと席を外します

>>27>>28の間に入れ忘れました
ご指摘有難うございます



じじい『ほらアルミン、今年の誕生日プレゼントじゃ』

アルミン『有難う。開けてみてもいい?』

母『いいわよ』

アルミン『』セッセッ

アルミン『……ペンダント?』

父『ただのペンダントじゃないぞ。
ここを押してみてくれ』

アルミン『うわあ、ロケットになってる』

母『そこに好きな写真を入れなさい』

アルミン『解った!』コクン

アルミン(お母さんとお父さん、おじいちゃんの写真をいれよう)

ガヤガヤガヤ
ワーワー

クリスタ「最近、訓練兵の間で盗難が多いんだって」

ユミル「こんなとこで物を盗むなんてただの馬鹿だろ」ケラケラ

ユミル「もしかして、サシャ、お前……」

サシャ「なっ、人聞きの悪い!
最近は盗んでません!」

ユミル「盗んでいたんかい…犯人やっぱりお前じゃねえの?」

サシャ「食糧庫以外からあさりませんから!!」

アルミン(盗難が多いのか……。
多分無いと思うけど、ペンダント身につけておこう)

ミカサ「今日から立体起動も実戦に入る。お互いに頑張ろう。」

エレン「おう!」

アルミン「うん」

ザシュッ

エレン「へへ、模型でもやっぱり倒すのは気がスッとすんな!」ビュン

アルミン「本当だね」

アルミン(凄いやエレン、初めてなのにもう2体も倒してる)

エレン「あっ、あそこにあるぞ!」ビュン

カンッ

エレン「うおぉぉおっ!!」ビュンッ

アルミン(それにやる気も満々だし。
比べ僕は……)

アルミン「あんまり無理したら駄目だよエレーン!!」

エレン「大丈夫だよ!!」ビュンッ

ミシミシ...

アルミン「!?」

アルミン(エレンがアンカーを掛けた木の枝が腐りかけてる!?)

アルミン「エレン、今すぐアンカーを違う所に掛けるんだ!!」

エレン「何言ってんだアルミン……」

ボキッ

エレン「!?」

アルミン「エレン!」

エレン「うわぁあぁあああ!!」

――――
―――――――

エレン「ってて……」

アルミン「もう、ちゃんと掛ける所気をつけないと
打ち身で良かったけど、骨折なんかしてたら……」

エレン「……次からは気をつける」

アルミン「次からって……」

アルミン「最近エレン、張り切り過ぎて回り見えてない気がするんだ。
一昨日の対人格闘だってアニに挑発しておもいっきり技をかけられるし……」

アルミン「それにこの間だって……」

エレン「煩いな、アルミン
俺は大丈夫だって思ってやってんだ」

アルミン「自分が大丈夫だって思っても危ない事は多々あるんだよ」

アルミン「それに、本番に次は無いんだ。
もしも今回が調査兵団の壁外調査だとしたら……」ブツブツ

エレン「」カチン

エレン「アルミンだってちょっと控えめ過ぎてじゃないか?
今回の立体起動の実戦だって、1体ほどしか倒してねえし……」

エレン「座学ばかりやってた意味ないんだよ、アルミン」

アルミン「」カチン

アルミン「僕だって慎重にアンカーをかけてやってるんだ!
エレンみたいに腐りかけた所にアンカーかけて落ちて死なないように!!」

アルミン「だいたい君は一つの事を見てなくて、周りは全く気にしてない所があるじゃないか!
そんな不注意が今回の事故を起こしたんだ!!」

エレン「何をっ……!?」

エレン「お前だって実戦でもなんでも控えめにやってさ、それこそいざとなったらどうすんだよ!
昔みたいに俺やミカサみたい頼るんじゃないのか!?」

アルミン「そっ……、そんな事する訳ないだろう!?」ワナワナ

アルミン「……え、エレンの馬鹿!!」ダッ

ドンッ

ミカサ「あ、アルミン!?」

アルミン「ミカサ……、ごめん」ダッ

タッタッタッ

ミカサ「エレン、一体アルミンとどうしたの?
私がいない間に何があったの?」

エレン「お前には関係無い」フイ

ミカサ「話して」ズイ

エレン「……」

エレン「実は……」

アルミン「」タッタッタッ...

アルミン「うう……」パタパタ

アルミン(エレンは、僕の事をあんな風に思っていたんだろうか)

アルミン(だとしたら、僕は……やっぱり昔のまま弱虫なのかも知れない。)

アルミン(いじめっ子に苛められていた、あの弱い僕から成長していないのかも)

アルミン「」グスッ

アルミン「あぁあ……」ハァ

アルミン「……ん?あれ……?」パタパタ

アルミン(ロケットペンダントが無い!!)

アルミン(もしかして、今日の実戦の時に森林の中におとしてしまったのかな……)

アルミン「」サーッ

アルミン「と、とにかく探そう……!!」

ミカサ「成る程、そんな事が」

エレン「ああ。まさかあんな風に俺の事を……」

ミカサ「エレンはエレンなりにアルミンは心配してるの?」

エレン「勿論」コクリ

エレン「あいつは座学は成績いいが、あとは言ったら悪いがあまり良くない。」

エレン「だからこそああいう実戦で点数を稼ぐべきなのに、アルミンはそれでも慎重にやってるからさ……」

ミカサ「解った。
でもアルミンはアルミンなりにエレンの事を心配している」

エレン「アルミンが?」

ミカサ「確かに巨人を倒す事はあなたの目標。そうでしょう?」

エレン「ああ」

ミカサ「でもそこに達する以前に怪我をしたりして開拓地送りになったら意味がない。
アルミンはそこを心配してるんだと思う」

エレン「……」

ミカサ「それにアルミンは言ってたでんしょう?
『実戦だったら良かったけど、これが壁外調査なら』って」

ミカサ「この言葉だけでもアルミンはエレン、あなたの事を十分に心配している。」

エレン「ミカサ……アルミン……」

ミカサ「それに、アルミンは強くなろうとしている
それなのにエレンや私を頼る、なんて言うべきじゃない」

エレン「確かにそうだよな……
俺もカッとなりすぎたんだ」

ミカサ「そこ。カッとなったらそのままいく。それがエレンの悪い所」

ミカサ「アルミンもきっと今なら言いあった事を悔やんでるかも知れない。ので、謝りに行くべき」

エレン「……」

エレン「……解った」

ミカサ「アルミン発見」

アルミン「」キョロキョロ

エレン「一体何やってんだ?」

ミカサ「解らない あっ、見て。」

マルコ「アルミン、どうしたの?」

アルミン「マルコ……。実はあのペンダントを無くしてしまって……」

エレミカ「「!!」」

ミカサ「これは大変」

エレン「俺達も探そう」

ミカサ「」コクリ


今日はここまで
明日完結を目指します

乙乙
もしかして他にもエレン「親友の夢を見た」の人?
違ってたらすみません

>>54

いや、違います
紛らわしくてすみません…

アルミン「」ハァ

アルミン「何処にも無い。やっぱりあの森林の中で……」

アルミン「エレン達にも頼ろうかな……」

エレン『昔みたいに俺やミカサみたい頼るんじゃないのか!?』

アルミン「いやいや、頼っちゃいけない、僕一人でなんとか出来る」

アルミン(でも、本当に一人で探せるかな……)

??「アルミン」

アルミン「? この声は……?」

じじい「アルミン」

アルミン「おじいちゃん!?」

アルミン「おじいちゃん、なんでここに!?」

じじい「いや、ちょっと散歩じゃ
それより、毎日のお前の報告、儂やお母さん、お父さんにちゃんと届いてたぞ」

アルミン「え、うん……」

じじい「まあ、ここの木陰に座って儂の話を聞け、アルミン」

アルミン「解った……」コクン

アルミン(一体どうなってるんだ……?)

じじい「それよりお前こそ、ここに居て、一体どうしたんじゃ?」

アルミン「! そうだ!」

アルミン「僕、おじいちゃん達からもらったペンダント、何処かに無くして、探してたんだ!
どうしよう、おじいちゃん……」

じじい「なんじゃ、そんな事か」

アルミン「そんな事って、僕にとっては宝物なのに……」

じじい「まあまあ、慌てなさんな
一人で探さず、エレンやミカサと一緒に探せばよかろう?」

アルミン「えっ…… それは……」

じじい「もしかして、エレンと喧嘩したのか?」

アルミン「……うん」

じじい「だから一人でおったのか」

アルミン「」コクリ

じじい「なあアルミン、お前は自分が強くなったと思うか?」

アルミン「え?」

アルミン「どうだろう……。
強くなったとは思いたいけれど、やっぱりエレン達から見ればそうじゃないのかも知れない。」

じじい「儂は強くなったと思うがなぁ」

アルミン「おじいちゃんはそう思うの?」

じじい「だって巨人が侵入した時や、儂が奪還作戦に行ってしまった時、毎晩毎晩涙を流してたじゃろう?」

アルミン「ははは、バレてたか……」

じじい「でもぐっとそれが少なくなったな。
まあ、それでも泣き虫だが」

アルミン「……うん」

じじい「あとは、あんなにインドアだったお前が訓練しているのは、家族皆感嘆しとるぞ」

アルミン「それでも僕は女の子一人対人格闘で倒せないくらいひょろっちいけどね」

じじい「でも、諦めて開拓地に行こうとはしないじゃろ?」

アルミン「だって、僕にはエレンやミカサ、沢山の仲間がいるから」

じじい「そこも儂が、お前が強くなったと思う所だ」

じじい「でもなアルミン、強がるだけじゃ本当の強さとは言えないんじゃ
お前さんが頼りを借りず、ペンダントを一人で探すのは、ただの強がりじゃよ」

アルミン「……」

じじい「人には頼っていい時と頼ってはいけない時がある。
エレンが言ってたのは、アルミンがもっと強くなって欲しい為。
アルミンが今誰も頼らないのは、ただの強がり。」

じじい「この違い、解るな?」

アルミン「うん」コクリ

じじい「それに自分は大丈夫、そう思ってやっても大丈夫じゃない事はあるのじゃ。
似たような事を言ったのは誰だったかのう?」

アルミン「……僕だ」

じじい「そうじゃな。」

アルミン「でも……」

じじい「なんじゃ?」

アルミン「僕はエレンを心配してるんだ。 本当にエレンは死に急ぎすぎる」

じじい「儂かってお前を心配しとるぞ?」

アルミン「……」

じじい「それにな、エレンもきっとアルミンの事を心配してると思うんじゃよ」

アルミン「え?」

じじい「アルミンは昔から変わらずちと慎重過ぎるんじゃ
そこをエレンは気にかけてると思うぞ」

アルミン「けれど慎重にやらないと、エレンみたいに失敗をしてしまったら」

アルミン「あれはエレンだったから良かったけど、僕が落ちてたら打ち身で済んだ自信が無い」

じじい「ほう、成る程な」

じじい「でも時には大胆にやらなければいけない時だってある」

じじい「あまり慎重になりすぎてチャンスを逃してしまったら、アルミンだって悲しいじゃろう?」

アルミン「…うん」

じじい「エレンはアルミンにそんな事無いかって心配してるんじゃと思うぞ」

アルミン「……エレン」

アルミン(確かに僕はいろんな所でチャンスを逃して、大切な時に成績をあげられない時が多い。)

アルミン(隠していたけれど、もしかしたらエレンは薄々気がついていたのかも)

アルミン「有難う、おじいちゃん」

じじい「いやいや、可愛い孫と友人の為じゃからな」ナデナデ

アルミン「……うん」

じじい「あとなアルミン」

じじい「家族なのは儂らだけじゃない。」

アルミン「? それってどういう……」

じじい「ミカサやエレンやエレンは血の繋がりが無いじゃろ?」

アルミン「うん」

じじい「だが、それでも二人は家族と言っているんだ。
それってどういう意味かわかるか?」

アルミン「」フルフル

じじい「儂譲りの頭なら、考えてみろ
なあに、お前ならわかる筈だ」

アルミン「僕の……」

じじい「それと、ちょっとお前はエレンに小姑みたいにぐちぐちと言い過ぎじゃ」

じじい「ただでさえミカサ立ちしたいエレンに、そこからまたぐちぐち言われたらあいつも堪忍袋の緒が切れるぞ。」

アルミン「はは……そうだったかも知れない
僕、エレンに謝るよ」

じじい「そうじゃ、その意気だ。そして一緒にペンダントを探してもらえ」

アルミン「」コクリ

じじい「ほら、話してみればなんとやら」

エレン「アルミーン!」

ミカサ「こんな所に居た」

アルミン「エレン、ミカサ!」

エレン「アルミン。
小さい頃から俺達を頼るの嫌だったって解ってたのに、それをつい口に出してしまって」

エレン「アルミン、さっきはすまんかった。」

アルミン「ううん、僕だって、ちょっとエレンにくどく言い過ぎたよ
僕のほうこそごめんね」

エレン「おう」

ミカサ「良かった、仲直り出来た。」

アルミン「そういえば聞いて二人とも。」

エレミカ「「?」」

アルミン「僕、実はあのロケットペンダントを無くしてしまって……」

アルミン「だから一緒に探して欲しいんだ。
二人を頼っちゃ駄目だって解ってるけれど、どうしても手伝って欲しい。」

ミカサ「なんだ、そんな事」

エレン「そんな頼み事だったらお安いごようだ。 それに」ゴソゴソ

アルミン「何?」

エレン「これ。」ジャラッ

アルミン「あっ、僕のペンダント……!」

エレン「男子宿舎の影に落ちてたぞ」

ミカサ「アルミンが探してたのを見て、私達も探した」

アルミン「二人が……?」

エレン「ああ」

ミカサ「」コクリ

エレン「だって、お前の大切な家族の写真が入ってるもんな」

アルミン「家族……」ハッ

アルミン(おじいちゃんが言ってたのは、そういう事だったのか)

アルミン「そうだよ、この写真に写っているのは両親やおじいちゃん、確かに家族だ
僕は……このロケットペンダントだけにしか家族はいないと思っていた。この中だけにこだわっていた。」ギュッ

アルミン「でも、本当は違う。
僕にとってはエレンも、ミカサもかけがえの無い家族なんだよ」

アルミン「楽しかったシガンシナ区の思い出の中には両親やおじいちゃんも居る。
でも辛い開拓地時代や、今居る訓練兵団。おじいちゃん達と過ごしていない時間ををエレンやミカサといる。」

アルミン「……僕は気がついたんだ。
確かに僕達は血の繋がりなんてない。でも、それでも僕達は家族なんだよ」

エレン「……」

ミカサ「……」

アルミン「……そうだよ、ね……?」

エレン「そうだな、俺達は家族だな!」

ミカサ「この数年間、家族同様に過ごした。アルミンも、私達の家族」

アルミン「エレン、ミカサ……」

アルミン「」グスッ

エレン「あー、本当にアルミンは泣き虫だな」

ミカサ「本当」クスクス

アルミン「五月蝿いなあ……!」

アルミン(今日おじいちゃんに様々な事を教えてもらった。
そして色んな事に気がついた。)

アルミン(本当に有難う、おじいちゃん)クルリ



アルミン「あれ?」

ミカサ「どうしたの、アルミン」

アルミン「いや、さっきまであそこに……」

エレン「?」

アルミン「……ううん、なんでもない」

――――
―――――――



アルミン『こっちの植物は?』

じじい『それはな、カモミールじゃ』

じじい『親交、仲直り、という言葉があってだな、ずっとアルミンがエレンや色んな人と仲良くして欲しい』

じじい『もし、その仲に亀裂が入ってもすぐに仲直りして欲しい、そういう意味で掘ってもらったんじゃよ』

じじい『アルミンには強くなって欲しい。だがな、それよりアルミンには一人ぼっちにはなってほしくないんじゃ。』

じじい『儂やお母さん、お父さんは皆願っているからな』

アルミン『うん』

――――
―――――――

以上で終わりです
コメントくださった方有難うございました


終わりと言いましたが
少しだけつけたし

以下捏造注意

―――――――
――――

アルミン「……ん」

アルミン「今のは……」

アルミン(そうか、夢……
走馬灯というものだろうか)

アルミン「と、取り敢えず起き上がろう」ヨイショ

アルミン「うっ!」

アルミン「体の節々が痛い……
多分肋が二、三本いってるだろうな……」

アルミン「僕は……何してたっけ……」

アルミン(今は壁外調査中で、巨大樹の森へ入った時、奇行種に襲われて)

アルミン(体制を立て直したのは良かったけど、逃げる時にアンカーを掛けた枝がちょうど腐ってて……)

アルミン「ははは、エレンにあんなに注意したのに、なあ……」

アルミン「」ハァ

アルミン「襲われた時に肋を折ったんだと思うんだけど、逃げる時にはあんまり痛くなかったからな……」

アルミン「でも、今凄く痛いや」

アルミン「……みんな、奇行種から逃げれただろうか……」

アルミン「っ!!」

アルミン「」ゲホッゲホッ

アルミン「血が……!」

アルミン(どうやら内臓も幾分かやられてしまったらしいな)

キラリ

アルミン「? あれは……僕のロケットペンダント……」

アルミン「と、取りに行かなきゃ」ザッ

アルミン「痛っ……!」

アルミン「……右足もやられてるな、これは……」

アルミン(もしかしたら、僕はもう助からないだろうな……)

アルミン「……」ボー

アルミン(あの頃の僕らは、無邪気……って言ったらおかしいけど、ただ無邪気に一生懸命に訓練をこなして、訓練兵団を卒団した)

アルミン(僕やエレンの論理から言えば、共に苦楽を乗り越え、互いに競いあった104期生は仲間であり、家族だった)

アルミン(けれど、トロスト区襲撃から始まり、幾度の壁外調査。そしてそれから深まる巨人の謎を追求すればするほど、皆死んでしまい)

アルミン(僕はなかなか頑張ったけど、これが、死に時なのかもしれない)

アルミン(僕にして長く生きてた方じゃないだろうか?)

アルミン「…なんてね」

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