杏子「クロワッサンを食べたい」ほむら「私はコロネが食べたいわ」(146)

―マミホーム―

マミ「もうこんな時間ね……夕飯でも食べていく?」

杏子「あんまり長居すると迷惑だしいいよ」

ほむら「そうね、私もそろそろ帰るわ」

マミ「そう?じゃあふたりともまたね」

杏子「んじゃな、ケーキごっそーさん」

ほむら「今度は私の家に招待するわね」

マミ「えぇ、それじゃあね」

―外―

杏子「クロワッサンを食べたい」

ほむら「私はコロネが食べたいわ」

杏子「マミの家にいった帰りっていつもこうなんだよね」

ほむら「奇遇ね、私もよ」

杏子「サクサクしててほのかに甘いクロワッサン……食べたいな」

ほむら「ちょっと固めのコロネが私は食べたいわ」

杏子「なんで食べたくなるんだろうなぁ」

ほむら「さぁ?」

杏子「やっぱりマミの家だと紅茶を飲んだりするから食べたくなるのかな」

ほむら「パンと合わせるのってコーヒーのイメージのほうが私は強いけど……」

杏子「でも紅茶もいけるだろ?」

ほむら「確かにそうね」

ほむら「ケーキとかを出してもらっているのにどうしてなのかしら」

杏子「それも他のものが食べたくなるとかじゃなくてクロワッサンが食べたいってなるんだよね」

ほむら「そうよね……」

杏子「マミの家の匂いがクロワッサンを食べたくさせる匂いだとか」

ほむら「私にはコロネを食べたくさせる匂いってこと?」

杏子「うーん……」

ほむら「考えてもわからないわね……」

杏子「考えてたらお前の言うコロネも食べたくなってきた」

ほむら「私もクロワッサンを食べたくなってきたわ」

杏子「両方食べたいな」

ほむら「えぇ、両方食べたいわね」

杏子「なぁ、お前の家で作れないのか?」

ほむら「材料がないし、アパート程度のキッチンでちゃんと作れるものじゃないわ」

杏子「そうか……」

ほむら「魔法で出せないかしら」

杏子「そういえばマミは紅茶を出してたな」

ほむら「でも魔法で出したパンって食べるの怖いわね」

杏子「確かに、というか原材料とか知らない私達が魔法で出してもちゃんとしたパンになるのかどうか」

ほむら「知らなくはないけど作成工程とかも知らないとできないかもしれないし怖いわね」

杏子「見た目だけクロワッサンとか見た目だけコロネとかの可能性もあるしな」

ほむら「紅茶を魔法で出して飲んでるマミってすごいチャレンジャーよね」

杏子「ある意味自分の魂が材料のクロワッサンとか怖いよな」

ほむら「そうね……というか自分の魂を材料にパンをだそうとは思わないわ」

杏子「まぁそうだよな……」

ほむら「そういえばマミってティーカップまで出していたわよね」

杏子「……優雅さを出したいんじゃねぇか?」

ほむら「まぁ確かにマミの戦い方って優雅よね」

杏子「そうだな、昔は憧れたよ」

ほむら「えぇ、わかるわ」

杏子「今となっては無駄が多くないか?とも思えるけど」

ほむら「そうね」

杏子「それはいいとして、クロワッサンを食べたい……」

ほむら「私もコロネを食べたいわ」

杏子「マミの家に行くたび食べたくなって我慢してって繰り返してるし、そろそろ食べたいんだよね」

ほむら「そうね」

杏子「何か手段はないかな?」

ほむら「コンビニで買う」

杏子「コンビニのクロワッサンとかコロネって美味しいか?」

ほむら「微妙ね」

杏子「だよなぁ」

ほむら「誰かの家のキッチンを借りる」

杏子「さやかはマンションだっけ?」

ほむら「そうね、そんなに期待できないかもしれないわ」

杏子「まどかはどうだろう?」

ほむら「……おじさんは料理が趣味といってもいいぐらいだし……もしかするかもしれないわ」

杏子「じゃあまどかに頼むか」

ほむら「でも待って」

杏子「なんだよ」

ほむら「クロワッサンやコロネの作り方ってあなた知らないわよね?さっきの会話から考えて」

杏子「あー」

ほむら「キッチンを借りても作れないんじゃ意味が無いし」

ほむら「借りて結局失敗なんてしたらまどかに申し訳ないわ」

杏子「確かに……」

ほむら「一旦まどかに頼むのは保留しましょう」

杏子「だな」

杏子「となるとパン屋で買うってあたりか?」

ほむら「それが一番手っ取り早くて美味しいパンが食べられるわね」

杏子「早速行くか!」

ほむら「そうね、確かパン屋って結構近くにあったわよね」

杏子「あぁ、行ってみよう!」

ほむら「えぇ!」

―パン屋―

杏子「うまそうだな、クロワッサンもコロネも」

ほむら「えぇ、早く買いましょう」

杏子「ってそういえばお金あるのか?」

ほむら「あっ……」

杏子「……」

ほむら「……」

杏子「しょうがないな、その辺のコンビニで下ろすか」

ほむら「そうね」

―コンビニ―

ほむら「これでパン屋でパンが買えるわね」

杏子「あぁ」

ほむら「パン屋といえば、出来立ての食パンなんかも美味しいわよね」

杏子「そのまま食べてもなんか違うんだよな」

ほむら「たまらないわよね」

杏子「早く食べたいね」

ほむら「そうね、お腹も空いてるし」

杏子「パン屋といえば、メロンパンとかもやっぱり違うよな」

ほむら「コンビニとかのメロンパンってベチャベチャだからぜんぜん違うのよね」

杏子「そうそう」

―再びパン屋―

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「さっきまであったクロワッサンとコロネが売り切れ……」

杏子「そんな……」

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「パンの耳でも買って帰りましょう……」

杏子「あぁ……」

ほむら「ないものはないのよ……」

杏子「わかってるよ……」

―外―

ほむら「……」モソモソ

杏子「……」モソモソ

ほむら「美味しいわね、パンの耳……」

杏子「あぁ、牛乳と一緒ってだけでいける……」

ほむら「でもどうしてこんなに悲しいのかしら」

杏子「さぁな……」

ほむら「……」モソモソ

杏子「……」モソモソ


さやか「ん?あれは……」

さやか「おっす、ほむら、杏子」

ほむら「さやか……」モソモソ

杏子「なんか用か?」モソモソ

さやか「なんか暗いねあんたたち」

ほむら「別に……」モソモソ

杏子「そうそう、パンの耳美味いなって話してただけだよ……」モソモソ

さやか「あっあんたたちもあそこのパン屋でパン買ってたんだ」

さやか「あそこってパンの耳とか安く置いてあって助かるよね」

さやか「細かくしてクルトンにしてみたり」

ほむら「そうね……」モソモソ

杏子「あぁ……」モソモソ

さやか「ってあんたらそのまま食べてるんだね、まぁ美味しいけど」

ほむら「あなたもこのわびしい空間に混ざる?」

さやか「ん?つまりパンの耳くれるの?」

杏子「くうかい?」スッ

さやか「んじゃもらおうかな」ヒョイ

ほむら「……」チュー

杏子「……」チュー

さやか「あんたらパンの耳食べるのも牛乳飲むのもシンクロしてるね……」

ほむら「えぇ、今杏子と私の気持ちは同じよ」

杏子「あぁ……」

さやか「なんかあったの?」

ほむら「気にしないで、たいしたことじゃないわ」

杏子「あぁ、たいしたことじゃないけど、期待してただけにな……」

ほむら「えぇ……」

さやか「よくわからないけど元気だしなよ」

杏子「いやまぁ明日行けばいいんだけどさ……」

ほむら「えぇ……」

さやか「あーもう、いつもの憎まれ口はどうしたのさ、調子狂うじゃん」

杏子「……」モソモソ

ほむら「……」モソモソ

さやか「しょうがないなぁ」ガサガサ

さやか「ほれ、ふたりともくうかい?なんちゃって」

ほむら「……あぁ、メロンパン……美味しそうね……でも遠慮しておくわ」

杏子「あぁ、確かにメロンパンは好きだけどいいよ、今はこの悲しみをかみしめていたいし……」

さやか「あの店で一番売れてるパンなのに」

さやか「本当にどうしたのさふたりとも……特に杏子が食べ物を食べないなんて……」

杏子「そういう日もあるさ」

ほむら「えぇ、そういう日もあるものよ」

さやか「ふーん、まぁ相談したくなったらいつでもいいなよ」

ほむら「えぇ、ありがとうさやか」

杏子「まぁ今回は相談するほどじゃないんだよ本当に……」

さやか「そうは見えないけど……」

ほむら「明日になれば問題はないから」

杏子「あぁ、明日になればな」

さやか「はぁ……まぁいいや、無理に聞かせろってわけにもいかないし」ガサゴソ

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」

ほむら「パンの耳は美味しいわね杏子」モソモソ

杏子「あぁ」モソモソ

さやか「そういえば二人はどうしてここに?」ホムホム

ほむら「マミの家にちょっとね」

杏子「あぁ」

さやか「マミさんの家?魔法少女関係ならあたし行かなくてよかったの?」ホムホム

ほむら「魔法少女関係ではないわ、まぁちょっとした雑談よ」

さやか「ふーん、誘ってくれたらまどかも私も行ったのに」ホムホム

杏子「……」ジィー

ほむら「……」ジィー

さやか「ん?何見てるのさ」ホムホム

杏子「おかしいな、幻覚が見える」

ほむら「奇遇ね、私もよ」

さやか「幻覚?」クルッ

さやか「誰もいないし変な所なんてないじゃん」

杏子「いや、さやかがクロワッサンを食ってるように見えるんだよ……」

ほむら「えぇ、ちょっとクロワッサンを食べたいと強く願いすぎたのかしら……」

さやか「見えるっていうか食べてるし」ホムホム

杏子「何!」

ほむら「幻覚じゃなかったのね!?」

さやか「え?何?何?なんなの?」コクン

杏子「ま、まだクロワッサンってあ、あるのか?」

ほむら「あ、あるなら私達に売って!倍額出すわ」

さやか「え?べ、別に欲しいならこれぐらいただであげるけど……えっと」ガサゴソ

杏子「思わぬところで」ワクワク

ほむら「えぇ、さやかに後光がさしてみえるわ」ワクワク

さやか「……あーえっと……」

杏子「もったいぶんなよさやか」

ほむら「そうよ、やっぱりタダは嫌って言うなら喜んでお金は出すわ」

さやか(杏子もほむらも何この目の輝き……さっきのが最後だったって言いにくいんだけど)

┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /

  _ノ   _ノ   _ノ ヽ/|    ノ    ノ       。。
       /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:


さやか(でもないものはないし……)

ほむら「……」ワクワク

杏子「……」ワクワク

さやか「えっと……その……ごめん、さっきのが最後だった……」

杏子「……あ、うん気にすんなよ……なんかごめんなさやか……」ズーン

ほむら「……その、気を使わせてごめんなさいね……気持ちだけでも嬉しいわさやか……」ズーン

さやか(一気に落胆しすぎだって……)

さやか(しかも普段と態度が違いすぎるでしょこの二人……なんかすごく申し訳ないきがしてきた……)

さやか「あの……なんかごめんね本当……今度なんかおごってあげるよ」

ほむら「あなたは何も悪く無いわ、気にしないで……」ドヨーン

杏子「あぁ、ちょっと私達がはしゃぎ過ぎただけだって……」ドヨーン

さやか「あーいやでもさ……」

ほむら「いいのよ、明日になればクロワッサンは手に入るから……」

杏子「そうそう、だから気にすんなって……」

さやか(いや気にするでしょこれ……)

さやか「あのさ、なんでクロワッサンが欲しかったの?」

杏子「あぁ、なんかマミの家にいくといつも欲しくなるんだよ」

ほむら「えぇ、あとコロネも欲しくなるのよ……どうしてかわからないけど」

さやか(コロネは買ってないや)

さやか「まぁいいや、事情はわかったから」

さやか「最初から話してくれればクロワッサンあげたのに……」

杏子「いや、気持ちだけでいいよ、本当に気にするなって……」

ほむら「そうよ、あなたは何も悪く無いんだから……」

さやか「でもクロワッサンとかコロネかぁ……うーん……コンビニはダメなの?」

ほむら「美味しいコロネとクロワッサンが食べたいのよ、わがままだと思うけど」

杏子「あぁ、パン屋とかで作られたような美味しいのがいいんだ」

さやか「うーん……そうだ、もしかしたら」

杏子「もしかしてパン屋があるのか!?」

ほむら「どこなの!?」

さやか「お、落ち着いてふたりとも」

杏子「あ、すまねぇ」

ほむら「ごめんなさい、取り乱したわ」

さやか(この二人がこんなに取り乱してるのはじめてみたかも……)

さやか「デパートの食料品売り場とかに一緒にパン屋って結構あるじゃん」

さやか「ちゃんとしたパン屋って感じではないかもしれないけど……」

杏子「それだ!さすがさやかだな!」

ほむら「名案よさやか!あなたは違うと思っていたわ!」

さやか「そ、そう」

さやか(この二人がこんなに私を褒めたことってないような……うまく魔女を倒しても……)

――――――――――――――――――――――――
ほむら「へぇ、今回はうまく倒したじゃない、でもまだ斬りかかる時に隙が」

杏子「あともっと周りを見るべきだろ、せっかく一人で戦ってねぇんだからさ」

さやか「うまく倒したのにどうしてこんなに私はお説教されてるの……」
――――――――――――――――――――――――

さやか(こんな事で……そんなに私、今まで戦いで役に立ってなかったかな……ちょっと落ち込んできた)

さやか「……」ズーン

杏子「どうしたんださやか?」

ほむら「さやか?大丈夫?」

さやか「あーうん、ちょっとね……」

杏子「ところで、そのデパートってどこだ」

ほむら「さぁ?私はいつもスーパーで済ませてるから」

さやか「ちょっと歩くけど大丈夫?」

杏子「案内してくれるのか?なんか本当にすまねぇなさやか!」

ほむら「ありがとうさやか!」

さやか「気にしなくていいよ……」

さやか(案内程度でここまで嬉しそうにありがとうって言われるなんて……)

さやか(おかしいなぁ、普段魔法少女として一緒に戦ってるのになぁ……)

さやか(まぁ私以外3人皆ベテランだからそりゃあ足は引っ張ってるだろうけど……はぁ……)

杏子「大丈夫かさやか?もしかして体調が悪いのか?」

ほむら「もしそうなら無理はしなくても……」

さやか(そういいながらもデパートに連れていって欲しいって思ってるのがよく分かる表情だことで……)

さやか「ああもう、大丈夫だから!デパートぐらい案内してあげるって!」

ほむら「♪~♪~」

杏子「♪~♪~」

さやか「あんたらテンション高いね、なんかもう別人な気さえするよ」

ほむら「そうかしら?」ワクワク

杏子「いつも通りだって」ワクワク

さやか「いやもう歩くって言うよりあんたら軽くスキップしてるよ」

ほむら「いつもこんなものよ~」

杏子「だよな~」

さやか「いやいやいやいやんなわけないでしょ!」

さやか「はぁ……これだけ楽しみにしてるって言うなら案内をするかいもあるってもんかね……」

ほむら「楽しみね、クロワッサンとコロネ」

杏子「あぁ、楽しみだ」

―デパート―

ほむら「早く、ほらさやか!」

杏子「早く行こうぜさやか!」

さやか「あーもう、急かさない急かさないっていうかあんたらどこのお菓子を買って欲しい子供よ」

ほむら「お金はちゃんと自分で出すわよ?」

杏子「あぁ、そのためにお金もおろしたしな!」

さやか「いやそうじゃなくて……」

ほむら「ほら早く行きましょう」

杏子「もう待てないって」

さやか「あーもうわかったわかった」

さやか(なんかもう別人って言われたほうが納得できる……)

―――――
―――

ほむら「……」

杏子「……」

さやか「……」

さやか(今日に限って……コロネとクロワッサンが売り切れて……)

さやか「あの……なんかごめん……」

杏子「気にすんなよ……」ズーン

ほむら「そうよ、元々私達がちょっと期待しすぎていただけよ……」ズーン

さやか「いやでも……ごめん……」ズーン

杏子「むしろここを知ることができたから今度はさやか無しでも来れるし……」

ほむら「私達のために道案内してくれたのだから……お礼を言わないとね……」

ほむあん「ありがとうさやか……」ズーン

さやか(こんなに聞いて嬉しくなれないありがとうは始めてかも……)


まどか「あれ?あそこに見える3人って」

まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん、杏子ちゃん」

ほむら「まどか……」

杏子「奇遇だね……」

さやか「やっほー……」

まどか「あ、あれ?皆どうかしたの?」

ほむら「気にしないで……」

杏子「あぁ、何も無いよ……」

さやか「そうだね……」

まどか「えと……何かあるなら私も力になりたいなって」

ほむら「本当にたいしたことじゃないから……」

杏子「あぁ……」

さやか「ちょっとクロワッサンとコロネがね……」

まどか「クロワッサンとコロネ?」

さやか「こいつらがクロワッサンとコロネが食べたくてしょうがないって言うからパン屋回ってたんだけど……」

ほむら「まぁ見ての通りってことよ……」

杏子「なんか巻き込んでゴメンなさやか……」

ほむら「本当、迷惑をかけたわねさやか……」

さやか「とまぁ、こんな感じで……」

まどか「うーん……パン屋さんのものじゃないと駄目なのかな?」

ほむら「そうね、コンビニのものはあまり美味しくないし……」

杏子「できればパン屋だな……」

まどか「美味しいならいいんだよね?」

ほむら「それはまぁ……」

まどか「それならあるよ!美味しいクロワッサン!もしかしたらコロネの方も」

ほむあん「!!」

さやか「本当!?」

まどか「うん!」

―まどホーム―

ほむら「れ、冷静になってみるとなんだかここまでしてもらってもいいものなのかしら……」

杏子「あ、あぁ……」

ほむら「ど、どうしよう……菓子折りでも買ってきた方が……」

杏子「い、いや、ここはお金を渡した方が……」

さやか「いやいや、そんなことしたらまどかが気にするでしょ……気持ちはわかるけどさ」

ほむら「で、でもクロワッサンのための生地は一晩置いておく工程までされていたと言っても……」

ほむら「コロネまで作っていただいてるみたいだし……」

杏子「あぁ……さすがにここまでしてもらっちまうと……」

まどか「もうちょっと待っててねってパパが」

杏子「あ、あぁ……」

まどか「あとせっかくだからお夕飯も一緒に食べて行きなさいってさ」

ほむら「え?そ、そこまでしてもらわなくても」

まどか「じゃあ私、パパのお手伝いに戻るから待っててねー」トテテ

さやか「あんたらってこんなに人の家に慣れてなかったっけ?」

ほむら「べ、別にマミの家とか杏子のホテルとかに行ってもど、どうってことないわ!」

杏子「そ、そうそう、マミの家もほむらの家もど、どうってことないって!」

さやか(親とかが関わってくると駄目なのかこいつらって)

ほむら「……」ソワソワ

杏子「……」ソワソワ

さやか(……何かイタズラしてみようかな)

さやか「あんたら他人の父親ってどう呼べばいいか知ってる?」

ほむら「え?えっと、おじさんじゃないの?」

さやか「それって失礼なんだってさ」

杏子「そうなのか!?」

さやか「うん、お父様って呼ぶのが一番いいんだって」

ほむら「せ、せめて失礼がないようにしないと……いい事を聞けたわ、ありがとうさやか」

さやか(いやー面白いなー)

―――――
―――

知久「君たちの口に合うといいけど」

さやか「突然おじゃました上にこんなことまで本当にすみません……」

知久「いつもまどかがお世話になってるお礼だよ」

ほむら「あ、いえまど……鹿目さんにお世話になってるのはむしろ私の方が……」

まどか「え?そんなことないよ?というかほむらちゃん、どうして苗字?」

ほむら「あ、えっと……なんとなく……」

知久「こんな子達がまどかのそばにいてくれるなら安心だね」

まどか「えへへ、私の自慢の友達だもん!」

知久「さぁ、できたてのうちにどうぞ」

杏子「い、いただきます……」

ほむら「いただきます……」

さやか「いただきます」

杏子「なにはともあれついにクロワッサンが……」ゴクリ

ほむら「……えぇ……ついにコロネが……」ゴクリ

ぱくっ

ホムホム

杏子「美味しい……今まで食べたどんなクロワッサンよりも……グス……」

ほむら「どんなコロネよりも……美味しい……グス……」

さやか(今日のこの二人は見てて飽きないなぁ)

知久「口に合ったみたいでよかったよ、そんなに喜ばれると作りがいがあるね」

さやか「いやー本当においしいですね、こんな料理をいつも食べてるまどかはいいなぁ」

まどか「えへへ、自慢のパパだもん!」

ほむら「こんなにおいしいものをありがとうございますお父様」

まどか「え?お父様?」

さやか「ぷっくく」

ほむら「え?」

さやか「ま、まさか本当に言うなんて……くく……」

ほむら「さ、さやか!だ、だましたのね!」

杏子(言わなくて良かった……)

知久「ははは、娘が増えてしまったみたいだね」

ほむら「あ///」カァ

まどか「じゃあ私がお姉ちゃんだよね!」

さやか「いや、それはないって」

杏子「まどかは姉って感じがしないしな」

まどか「むー」

まどか「私、お姉ちゃんなのに……」

さやか「ほむらが妹はないでしょ」ケタケタ

杏子「まぁ確かに……妹のまどかに甘々で過保護にしてるってほうが合ってるな」

ほむら「だ、だからその///」

知久「そうだね、まどかのお姉さんっていうほうが似あってそうだね」

まどか「パパもさやかちゃんも杏子ちゃんもひどいよ!」

まどか「そうだ!ほむらちゃんはどう思う?」

ほむら「え?」

まどか「ほむらちゃんは私と家族になるなら妹にしたい?姉にしたい?」

ほむら(嫁とはいえないわよね……)

ほむら「えっと……そうね……まどかが姉なら色々と世話してくれそうだし……姉……かしら?」

まどか「うん!いっぱいお世話してあげるね!ほむらちゃん」ギュウ

ほむら「ひゃわわ!?」

さやか「ほむららしからぬ声がでたなぁ」

杏子「初めてあんな声聞いたよ」

知久「本当に家族にしたくなる子だね」

ほむら「あ、あの……その……えっと///」

まどか「えっへへー」ギュゥ

さやか「いやーどう見ても大好きな姉に甘える妹だね」

杏子「確かに」

まどか「むー!ほむらちゃん!」

ほむら「ひゃい!」

まどか「まどかお姉ちゃんって言ってみて!」

ほむら「へ?」

さやか「いやいやほむらお姉ちゃんのほうがあってるでしょ」ケタケタ

杏子「妹を甘やかそうとするものの妹に甘やかされる姉っていうならありかもな」

まどか「ね、ほむらちゃん!」

まどか「……」ワクワク

ほむら「え、えと」キョロキョロ

さやか「……」ニヤニヤ

杏子「にしてもうめぇなぁ……」ホムホム

知久「……」ニコニコ

ほむら「ま、まど……まどか……お、お姉ちゃん///」

まどか「うぇひひ、なぁにほむらちゃん」ギュゥ

さやか「うーん、お姉ちゃん大好きで甘えようとしてる妹にしか見えないね」

まどか「ひどいよさやかちゃん!」

杏子「くったくったー」

ほむら「いつもより多く食べてしまったから体重が心配だわ……」

さやか「あんたはちょっとぐらい太ったほうがよくない?」

ほむら「最近体重が増えてるのよ……」

まどか「気を付けないとねー」

杏子「お前の場合筋肉がついてきてるからだろ」

ほむら「それはそれでなんだかいやね……」

杏子「にしても体重が増えるってのがよくわかんねぇな」

さやか「いつも食べてるくせに羨ましい発言をさらりとして……」

ほむら「夕飯までごちそうになってしまって、本当にありがとうございました」ペコリ

杏子「ごちそうさまでした」ペコリ

さやか「ごちそうさまでした」ペコリ

知久「またいつでもおいで、君たちなら歓迎するよ」

まどか「またね皆!」

ほむら「またね、まどか」

杏子「じゃな」

さやか「んじゃね」

まどか「あ、ほむらちゃん!」

ほむら「?」

まどか「私のこと、お姉ちゃんって呼んでもいいんだよ!」

ほむら「///」

さやか「あ、諦めてないんだ」

―外―

ほむら「満ち足りた気分ね」

杏子「だな、食いたかったものが食えたし」

さやか「なんか成り行きで一緒にいたけど、楽しめたね」

ほむら「それじゃあまたね」

杏子「んじゃな」

さやか「じゃあねー」

―翌日 マミホーム―

マミ「というフォーメーションを考えたわ」

ほむら「いいと思うわ、これならさやかの未熟さもカバーしやすいし」

杏子「だな」

さやか「ぬぬぬ、人を未熟未熟と……」

ほむら「本当のことじゃない」

杏子「あぁ、間違いなく本当のことだ」

さやか「いつか見返してやる!」

マミ「ふふっその意気よ美樹さん」

マミ「もうこんな時間……」

杏子「そろそろ帰るか」

ほむら「そうね、私もそろそろ帰るわ」

さやか「私も帰りますか」

マミ「そう?じゃあ皆またね」

杏子「んじゃな」

ほむら「いつもありがとう、それじゃあね」

さやか「それじゃあマミさんまた明日」

マミ「えぇ、それじゃあ」

ほむら「やっぱりクロワッサンが食べたくなるわね」

さやか「言われてみるとなんか食べたくなるね」

杏子「だよなー」

ほむら「昨日美味しいものを頂いたから今日は我慢ね」

ほむら「ところでさやか」

さやか「ん?何?」

ほむら「最近学校にいくとワカメが食べたくなるのよ……なんでかしら?」

さやか「あーなんでだろう……言われてみると私もワカメが食べたくなること多いかも……」

マミ「美樹さーん!」タユンタユン

ほむら「……」ジィー

杏子「……」ジィー

さやか「え?マミさん?」

マミ「もう、駄目じゃない、忘れ物しちゃ」

さやか「あ、すみません、わざわざありがとうございます」

マミ「それじゃあ皆、気をつけて帰ってね」タユンタユン

ほむら「……杏子、さやか、コンビニにいかない?」

杏子「いいね、私もちょうど行きたいって思ってたんだ」

さやか「私もちょっとコンビニに行きたいってさっき思ったんだよね」

ほむら「全員が同じ事を思うってことはなにか共通点があるのかしら……」

杏子「私はカレーまんが食べたくなってきてな」

ほむら「私は肉まん」

さやか「私はあんまんかな」

ほむら「全員が中華まんを食べたくなったわけね、どうしてかしら?」

杏子「さぁ?」

さやか「なんでだろうね」

―――――
―――

ほむら「寒い外で食べる肉まんは最高ね」ホムホム

杏子「カレーまんだって負けてねぇよ」ホムホム

さやか「あんまんの甘さと暑さの良さがわからないのふたりとも」ホムホム

QB「やぁ」

3人「……」ジィー

ほむら「……大福が食べたくなってきたわ」

杏子「わたあめ……」

さやか「マシュマロ……」

QB「訳が分からないよ……」



終わり

マミさんの髪からクロワッサンやコロネを食べたくていろんな場所に行くほむあんが書きたかっただけなんだ
だから昨日の人っていうの方とは無関係なんだ
そんなわけでこんなSSに付き合ってくれてありがとう
おやすみなさい

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