まどか「マミさんがスーパーで買い物してた…」(125)

さやか「そりゃマミさん独り暮らしだもん、買い物しなきゃだめでしょ」

まどか「買い物してたことは別にいいんだよさやかちゃん」

さやか「?」

まどか「カゴいっぱいにトマトが詰め込まれてたんだよ…」

さやか「」

まどか「こんなの絶対おかしいよ」

さやか「あー…うん。マミさんはきっとすごいトマト好きなんじゃないかな」

まどか「普通それだけであんなに買い込まないよ、食べきれなくてダメになるよ」

さやか「んーそうだな…。あ!そういえば!」

まどか「え、何?さやかちゃん」

さやか「あたし最近ニュースで見たよ、そういう話!」

まどか「ほんと!?」

さやか「確か...どっかの大学の教授がトマトのなんとかって成分を見つけて、それがメタボに効果があるとか」

まどか「かなりあやふやだよさやかちゃん」

さやか「仕方ないじゃん、興味なかったもん。で、それを聞いたメタボの人たちが買い漁ったせいで」

さやか「スーパーからトマトが消えたんだって」

まどか「………」

さやか「……まどか?」

まどか「マミさんがデブだって言うの!?」ダン

さやか「!?」ビクッ

まどか「確かにマミさんはお菓子大好きだし紅茶も大好きだしおっぱいだって大きいけど!」

まどか「デブじゃないよ!!」

さやか「ま、まどか。別にあたしはマミさんが太ってるって言いたいんじゃ」

まどか「じゃあなんだって言うの!?」グイ

さやか「ぐえ、まどか痛い痛い!」

まどか「ハッ!」バッ

さやか「ゲホゲホ、あー苦しかった」

まどか「ご、ごめんさやかちゃん。マミさんのこと尊敬してるからつい」

さやか「尊敬というか、何というか…」

さやか「そ、それにホラあれだよ?」

さやか「直接太ってるってわけじゃなくても、口コミとかでそれを知って」

さやか「興味が湧いたのかもしれないし」

まどか「んー…でもそれならあんなに買うことないのに…」

さやか「じゃあ今からマミさん家行く?」

まどか「!」

さやか「直接聞いてみようじゃん」

まどか「……」ワナワナ

さやか「……まどか?」

まどか「私のマミさんに何をする気だあああ!!」ガバッ

さやか「え、えええええ!?」ズデーン

まどか「襲う気か!奪う気か!一緒にお茶する気かあああ!!」ユサユサ

さやか「ちょ、落ち着いてまどか!しかも最後は別にいいでしょうが!」

まどか「ハッ」

さやか「あ痛たたた…さやかちゃん腰を痛めましたよ」

まどか「ご、ごめん!マミさんの家に誰かが上がると思ったらつい…」

さやか「なんだか親友の今後が不安になってきたよ…」

マミホーム前

さやか「なんだかんだでやってきました」

まどか「ティヒヒ、さっきはごめんねさやかちゃん」

さやか「反省が感じられないよまどか…」

さやか「まあいいや、ごめんくださーい」ピンポーン

まどか「……」

さやか「……」

さやか「…留守かな?仕方ないや、また後で…」

まどか「…」スッ

さやか「まどか?」

まどか「そおい!!」ダアン!!

さやか「!!?」ビクッ

まどか「…」

さやか「…」ガタガタ

ガチャ

マミ「あ、あら…どうしたの、二人とも…」ガタガタガタ

さやか(マミさんすっげー怯えてますけど)

まどか「マミさん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

マミ「え、ええ。い、いいいいわ。さ、さささ、ああああがって」ガタガタガタ

さやか(何か言うことないの!?)

マミ「こ、紅茶どうぞ」コトッ

まどか「ウェヒヒ、ありがとうマミさん」

さやか「いただきまーす」スッ

まどか「ッ!」シュンッ

さやか「!?あ、あたし今カップ手に持ってたはずなんだけd」

まどか「んー?」ズズー

さやか(まどかのカップは確かにテーブルに置かれている…なら今まどかが飲んでいるカップは)

さやか「……」ガタガタ

まどか「っぷはー、ごめんねさやかちゃん。マミさんの紅茶は一番に飲むって決めてるの」

さやか(何この娘早く帰りたい)

マミ「…で、私に聞きたいことって…な、何?」

さやか(テーブルで微妙に隠れてるけど手がめっちゃ震えてるよマミさん)

まどか「あのねマミさん。マミさんってトマト好きなの?」

マミ「!!?」ギクッ

マミ「……」ブルブル

まどか「どうなの?」ズイ

マミ「あ…え、えと…」

さやか(なんでどもってるんだろ…好きなら好きって言えばいいのに)

まどか「私知ってるんだよ、マミさんがスーパーでトマト買い占めてたの」

まどか「何か理由があるんでしょ?」

マミ「………」ガタガタガタガタ

まどか「ねえマミさん。質問に答えて」

まどか「マミさんって、トマト  好  き  な  の  ?」ギロッ

マミ「………」

マミ「……」

マミ「…す、好き…でs」

まどか「ふんっ!!」ドゴォ

マミ「ぶふぉっ!?」

さやか「!!?」

まどか「…その一言だけは聞きたくなかったよマミさん」

マミ「ぐ…ぐえっ」

まどか「マミさんが好きでいていいのはただひとつ」ザッ

さやか(な…何々、何が一体どーなってやがるんですか!?)

マミ「…か、鹿目…さ」

まどか「私だけなのに!!!!」ドスッ

マミ「かはァッ!!」

さやか「マミさーん!!」

まどか「信じてたのに!私だけを好きでいてくれるって!」ドガッ

マミ「グエッ!」

まどか「どんなに辛くても苦しくても傍にいてくれるって!」バコッ

マミ「ゴホォ!」

まどか「それが…それがあんなクソマズい野菜なんかにぃっ!!」バキッ

マミ「が…ガハッ…」

まどか「幻滅だよ…マミさん…」ゴゴゴゴゴゴ

さやか「もうやめてまどか!!」ダッ

ガシッ

まどか「はっ離してさやかちゃん!」ブルンブルン

さやか「落ち着いて!まどか!!」

まどか「私だけを好きじゃないマミさんなんて…マミさんなんて…!!」

さやか「違う、違うよまどか!」

まどか「何が違うっていうの!?」

さやか「マミさんにとっての『好き』は、まどかとトマトじゃ違うんだよ!」

まどか「…え?」

さやか「まどかに対する『好き』はLOVE!愛してるんだよ!」

まどか「……!」

さやか「一方トマトはLIKE!好きっちゃ好きだけどそれほどでもないんだよ!!」

さやか「そうですよねマミさん!!」

マミ「……」

さやか「マミさん!!!(YESって言え!!)」

マミ「……そ、そう…よ」バタッ

さやか「マミさーん!!!」



……


ほむら「そんなことがあったの」

さやか「うん…まさかまどかがあんな行動を取るなんて」

ほむら「許すまじ黄豚」ボソッ

さやか「え?今なんて言った?」

ほむら「何でもないわ。巴マミの傷は魔法で癒しておいたからもう大丈夫よ」

さやか「転校生ってそんなこともできたんだ」

ほむら「それは褒めてるのかしら?」

ほむら「しかし、トマトが好きだというだけでまどかが怒るのが理解できないわね」

ほむら「何か特別な理由があったのかしら?」

さやか「あー…それは話しにくいっていうか何ていうか」

ほむら「?」

さやか「ちょ、直接聞いてみたらいいんじゃないかな?」

ほむら「……」

さやか「…転校生?」

ほむら「これは私の想像なのだけれど」

さやか「?」

ほむら「まどかは巴マミがトマトを好きだということに怒って暴行した」

ほむら「それはまどかがトマト嫌いだから、ということでは少し弱い」

ほむら「なら逆にまどかが何よりも巴マミを好いているのだとしたら」

ほむら「巴マミが自分よりトマトを選んだと思ったから…違うかしら?」

さやか「……(なんで怖いくらいに勘がいいんですか転校生)」

ほむら「…図星のようね」スッ

さやか「ど、どこ行くのさ」

ほむら「決まってるじゃない」

ほむら「巴マミのところよ」

さやか「!?」

さやか「な、何しに行くの?」フルフル

ほむら「…」

ほむら「……」ジャキィ

さやか「ヒィ!道のど真ん中でそんな物騒なもの出さないで!!」

ほむら「これで巴マミを排除するわ」

さやか「な、なんで!」

ほむら「まどかが愛していいのは…私だけなのだから」ヒュン

さやか「!?き、消えた!!」

さやか「マミさんが危ない!!」ダッ

マミホーム


ガチャッ

さやか「マミさん!!!」ダッ

マミ「み、美樹っ…さ…」ボロボロ

さやか「さっき傷を癒したばかりなのに…どれだけ外道なのさ転校生!?」

ほむら「関係のないこと…私がここに来たのは」

ほむら「抵抗できないように痛めつけ」ガチャ

ほむら「こいつであなたを始末するため」ジャキ

マミ「……」

さやか(何とかしなきゃ…こんな時あたしに力があったら…!)

ほむら「終わりよ…巴マミ」

マミ「…」

さやか「やめろおおおおお!!!」ダッ


ガチャ

杏子「待てほむら!」

ほむら「!?」

さやか「ってえええええ!?」ズデーン

杏子「これを受け取れ!」ヒュッ

ほむら「…何よこれは?」

杏子「まどかがお前に宛てた手紙だ!」

ほむら「!!?」

さやか「…鼻打った」

ほむら「ホムホム」

ほむら「ホムホム」

ほむら「……」


さやか「…転校生が大人しい今のうちに、説明してよ杏子」

杏子「ああ…実はさやかとほむらが道で話してたのを偶然聞いてな」

さやか「え!?結構見通しいい道だったよ!?どこから聞いてたの!?」

杏子「細けぇこと気にすんな。んで、これはヤバいとまどかを探したんだ」

さやか「かなり早く見つかったんだね…」

杏子「まあな。んで、『ほむらちゃんに渡してほしいの』ってあれを渡されて…」

さやか「中身は?」

杏子「アタシが読むわけないだろ」

さやか「て、転校生?」オーイ

ほむら「……」

さやか「ダメだ、完全に世界を展開してる」

ほむら「…ま、ま、ま」

さやか「ま?」

ほむら「マドカァー!!!」ダダダダダ

さやか「うわあっ!?」

杏子「…走って行っちまった」

さやか「き、きっとまどかの家に行ったんだ!急ごう!」

さやか「……ん?」



マミ「」

さやか「マミさーん!!!」

まどホーム前


杏子「マミの応急処置はしといた、早く中に入るぞ」

さやか「で、でもさ…なんか中から聞こえてこない?」

杏子「?」


……

…カァー!!!…バゴン!……チャン!!!…ズドーン!……ドカァー!!!……


さやか「一体中で何が起こってるんだ…」

杏子「面白そうじゃねえか、ほら行くぞ!」グイ

さやか「わわっ!?どこが面白そうなのさ!!」

まどホーム


杏子「まどかとほむらはこの中か」

さやか「玄関足でぶち破るって女の子的にどうなの」

杏子「開けねえ方が悪いんだ、そら乗り込むぞ」

さやか「あたしってほんと不幸」


ガチャ

ほむら「はああぁー!!」ドゴーン!!

まどか「甘いよほむらちゃん!!」ズダーン!!

ほむら「フッやるわねまどか!」

さやか「なんぞこれ」

杏子「さあ」

まどか「マミさんに捨てられた今!」

まどか「穴の空いた私の心を埋めてくれると言ったほむらちゃん!!」

ほむら「ええそうよまどか!!」

まどか「その資格がほむらちゃんにあるのかどうか…」

まどか「確かめてあげるよ!!」バシュバシュ

ほむら「望むところよっ!!」シュパシュパ



さやか「………」

さやか「…よくわかんないけど」

さやか「まどか、あたしがマミさんを救うために言ったこと完全にスルーしてたんだね…」

杏子「? 何の話だ?」

ズゴーンドドドドドカーンバコーンドドドド



…………

まどか「はあ、はあ、はあ…」

ほむら「ぜえ、ぜえ…」

まどか「…伝わったよ、ほむらちゃんの思い」

ほむら「!?」

まどか「私…いいよ、ほむらちゃんのものになるよ!」

ほむら「!!! ほ、本当にいい…いいのねまどか!?」

まどか「うん!」

ほむら「マドカァー!!!」ダキッ

まどか「ホムラチャン!!!」ダキッ





さやか「マミさん…」

さやか「あれから数日が経った」

さやか「まどかと転校生はまるで恋人のように親しくなり」

さやか「あの日まどかが暴走したことを周りも本人も忘れようとしていた」

さやか「というかあたしが忘れたい」




マミホーム

マミ「紅茶どうぞ」コトッ

さやか「ありがとうございますマミさん、身体は大丈夫ですか?」

マミ「心配いらないわ。もうすっかり元気よ」

さやか「よかった…」ホッ

さやか「でもあれですよ、まどかも転校生もひどいですよね!」

さやか「人が誰を何を好きかなんて、その人の自由なのにね!」

マミ「…私が弱いのがいけないのよ」

さやか「えっ…」

マミ「鹿目さんの気持ちに素直に応えることができなかったし」

マミ「暁美さんの強い意志をただ怯えて見てることしかできなかった」

さやか「……」

マミ「私が責められるのは、当然のことよ…」

さやか「そんなことないです!」ガタッ

マミ「!」

さやか「マミさんはいつもあたしたちが見てないところで戦ってきた!」

さやか「辛くて苦しいことだってたくさんあったはずです!」

マミ「……」

さやか「でもそれさえも乗り越えて今、マミさんはここにいる!」

さやか「そんなマミさんが……弱いはずなんてない!」

マミ「み、美樹さん…!」

さやか「大丈夫、マミさんはあたしの十倍、百倍も強いですから!」

マミ「……美樹さああぁん!」エーン

さやか「ちょ!?ま、マミさん!胸に顔押し付けて泣かないでください!照れますって、あはは……」


ガチャッ

???「そこまでだ!」

さやマミ「!!?」

さやか「杏子…!?」

杏子「……」ズンズン

マミ「さ、佐倉…さん?」

杏子「話は聞かせてもらった」

さやか「やっぱり盗み聞きしてんかーい!」

杏子「マミ、あんたにひとつ聞こう」

マミ「何…かしら」

杏子「お前は…さやかが好きなのか?」

さやか「ぶっ!!?」

マミ「……」

さやか「な、何てこと聞いてんのさ杏子!」

杏子「お前はまどかに捨てられ、ほむらには敵視されていた」

さやか「さらっとヒドいこと言ってるよね!」

杏子「そして今の話…今のマミの行動…好意を抱いてる他考えられねえ!」

さやか「飛躍しすぎだよ!今まで黙ってたけどなんでこうも皆頭がお花畑なの!?」

杏子「さあどうなんだマミ!強いんだったらビシッと思いを言えよ!」

マミ「…わ、私は…」

さやか「マミさん…!」





マミ「……美樹さんが好きよ!!」

さやか「はあ!!?」

杏子「そうか、よし、殺す!」キラーン

さやか「ちょっ、いつの間に槍を!つーか待て!!」

杏子「お前は黙ってろ、今から恋の行末を決める決闘が始まるんだ」

さやか「何それ、さやかちゃん全然流れについていけてないんですけど!!」

さやか「マミさん!何とか言ってよ、マミさん!」

マミ「……」

マミ「…いいわ、来なさい。佐倉さん」

さやか「!?」

マミ「私のこの熱い思いを…あなたにも教えてあげる!!」ゴゴゴゴゴゴ

杏子「いいねえ、その闘志…だがさやかを愛していいのは…」

杏子「アタシだけだ!!!」ゴゴゴゴゴゴ





さやか「なんかもう…どうでもいいや」

QB「………」

QB「わけがわからないよ」







おわり

ごめん、まどかにマミさん殴らせたあたりでトマトのことは頭から完全に消えた

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