やすな「このビデオ……えっ、ソーニャちゃん?」(82)

やすな「ソーニャちゃん、クレープおいしいね」

ソーニャ「よそ見して歩いてると転ぶぞ」

やすな「へっへーん、そんなことしても転ばないあっ!」

ソーニャ「だから言っただろバカか! ブレザーがクリームでベトベトじゃないか、全く」

やすな「そんな事言って助けてくれた癖にー。 ごめんねーえへへへ」

ソーニャ「やめろ気持ち悪い」

やすな「そうだ! ここからならうちが近いから寄ってって! 染みになっちゃうよ!」

ソーニャ「別に良い、家で落とす」

やすな「だめだよソーニャちゃん、ほらほらー」

やすなは半ば強引にソーニャを家まで引っ張っていった。

やすな「ただいまー、ってお母さんいないみたい」

ソーニャ「おいおい、大丈夫か?」

やすな「大丈夫! わたしに任せてよソーニャちゃん!」

ソーニャ「それは不安だな」

やすな「!? 酷いよ!」

ソーニャ「期待してないから安心しろ」

やすな「えへへ、よかった」

ソーニャ「照れるなよ!」

やすな「ひとまず居間においでよ、ネットで調べるから!」

ソーニャ「あー、わかったよ、好きにしろ」

やすなは居間のエアコンを点けると、テレビのリモコンをソーニャに渡し、部屋を出て行った。

やすな「ソーニャちゃん、タオルにお湯と洗剤を付けてきたよ!」

ソーニャ「ふーん、それで落ちるんだ」

やすな「調べたらすぐ出なくって、えへへ」

ソーニャ「おい」

やすな「いたたたた」

ソーニャ「まあでもそれほど間違ってると思えないからやってみるか」

やすな「ではこうやって」

ソーニャ「後ろから抱きつくな。 ブレザー脱いで自分でやるから貸せ」

やすな「ああーいけずー」

ソーニャ「いい加減にしろ」

ソーニャがブレザーを脱ぐと、部屋の中に、クレープとは違う甘い香りが広がったようだった。
やすなはしばらくソーニャの臭いを嗅いでいたが、お茶を出していないことに気がつき台所へと向かった。

やすな「ソーニャちゃんはなにを飲む? ジュースもお菓子もお茶もあるからついておいでよー」

ソーニャ「お前は変質者か! ……そうだな、紅茶を貰えるか?」

やすな「はーい」

テーブルの上にティーセットとお菓子を置き、ティーバッグの紅茶を煎れる。
部屋の中に紅茶の臭いが充満し、ソーニャは少し心地よさを感じた。

やすな「ソーニャちゃん、蜂蜜もあるよ! ほらほらー」

ソーニャ「紅茶が出てからにしろ! あとここらで言っておくがまとめサイトには載せるなよ」

やすな「なんかこう待つ時間がたまらないねー」

ソーニャ「お前は落ち着きのない奴だな」

やすな「えへへ」

ピンポーン

???「ちわー、お荷物です」

配達員「お荷物です、ここにお受け取りのサインをお願いします」

やすな「はい、サインっと。 おねえさんありがとうございます」

配達員「いえいえー」


ドアに鍵をかけ、郵便物を見る。 やすな宛の荷物だが差出人の名前がない。
大きさはA5位で衝撃吸収するダンボールのような素材で出来ていた。

やすな「ねぇねぇソーニャちゃん、あやしい荷物が来たよ~」

ソーニャ「お前にそんな荷物は届くわけないだろ」

やすな「開けたら爆発したりして」

ソーニャ「ドッカーン」

やすな「!? やめてよソーニャちゃん」

ソーニャ「お前ビビリだな、貸せ、開けてやるよ」

ソーニャはトントンと少し叩き、臭いを少し嗅ぐと入り口の方を少しグニグニと曲げた。

やすな「ソーニャちゃん何やってるの?」

ソーニャ「カッターの刃位入ってるかも知れないと思ってな」

やすな「ええっ! それ十分危ないよ!」

ソーニャは確認し終えると、端の方をピリピリと裂いていく。
爆発など起こるはずもなく、中から出てきたのは黒いブルーレイのパッケージだった。
ケースを開けると黒のレーベルに「妖精」とだけ書かれたディスクが1枚。

ソーニャ「なんだ? タイトルも書いてないしシュリンクがないな。 まさかお前……」

やすな「エッチなビデオとか注文してないよ!」

ソーニャ「怪しい……」

やすな「それじゃ見てみようよ!」

液晶テレビとBDプレイヤーの電源を入れ、ディスクを挿入する。
46インチの大画面一杯に、湖畔と針葉樹の森が映し出された。

やすな「ここ何処かな? すごく綺麗な場所。 岩がゴロゴロしてるし、見たことないや」

ソーニャ「そうだな、何か見覚えがあるような」

カメラが横にスクロールされ、跳び箱位の大きさの上に少女が立っているのが映し出された。
歳は10ほど、薄衣が風になびいている。

ソーニャ「おいおい、やっぱりこのビデオ……ぁ」

ゆっくりとカメラに少女の顔がフレームインしてくる。
金髪にお下げの女の子……

やすな「えっ……ソーニャ、ちゃん?」

幼い顔立ちであるが、それは間違いなくソーニャのものであった。

(Снимите одежду)

その声にソーニャは身を竦ませる。


画面の中の少女が服をずらすと、風でするりと服が滑り飛んでいった。
細く、陶器で出来た人形のように白い肌にうっすらと細い血管が透けている。
少女は光のない瞳でこちら側を見つめていた

(Танцы)

やすな「! や、やだ!酷い悪戯だね!」

やすなは慌てて停止ボタンを押し、ディスクを取り出しケースにしまった。
ただそれだけなのに、息が上がる。

ソーニャ「да」

ソーニャがブラウスのボタンに手をかけようとしたとき、やすながソーニャを向き合う形で抱きしめた。

ソーニャ「Не попал в мать  отец」

やすな「ソーニャちゃん! ソーニャちゃん!」


やすなはソーニャを強く抱きしめたまま泣いていた。


ソーニャ「……やすな?」

やすな「そーにゃあああん」

ソーニャ「なんだ急に……」

ソーニャはハッとして、それから震えだした。


日本語訳書いといた方が良い?

ソーニャ「や、やすな……みた、だろ? わたしは汚れているんだ。 だから」

やすな「ソーニャちゃん」

ソーニャ「し、しばらく抜けられないんだ……たっ、たのむっから他のみみ皆には黙って……ほ欲しい」

やすな「ソーニャちゃん」

ソーニャ「そうだ、好きにしてくれたっていい、だから あっ、でもこんな汚いんじゃ」

やすな「ソーニャちゃん、もういいよ。 もういい」

ソーニャ「やすな……」


やすなはソーニャの震えが収まるまで、ずっと抱きしめていた。


>>33 (お母さんをぶたないで おとうさん)

やすなとソーニャは向かい合ったまま手を取り合い、見つめていた。
何時間経ったのだろうか、部屋はすっかり暗くなっている。

ソーニャ「やすな」

やすな「なに、ソーニャちゃん」

ソーニャ「友達ごっこは、もうやめよう」

やすな「そうだね、やめよう」

ソーニャ「もう、あまり関わるな」

やすな「わたし、ソーニャちゃんの本当の友達になりたい、ううん、もっと……」

やすなのお腹がぐううっと鳴り、思わず二人は笑っていた。

やすな「あれれ、もう三時間は食べてなかったかなー」

ソーニャ「燃費悪すぎだろ。 飯作ってやるから待ってろ」

やすな「悪いよ」

ソーニャ「うまいの食わせてやるからな」

万能鍋にキャベツと玉葱、ジャガイモ、ニンニク、牛肉の塊を放り込み、最後にローリエの葉を1枚鍋に落とす。

ソーニャ「これじゃ足りないだろうから入れとくか ~♪」

ソーセージ数本を入れ、ソーニャは鍋に蓋をした。

やすな「ねえねえソーニャちゃん、その鼻歌なに?」

ソーニャ「赤いサラファン」

やすな「どういう歌なの?」

ソーニャ「教えてやらない、自分で調べるんだな」

やすな「うん」

ソーニャ「本当はもうちょっと煮た方が良いんだが、今日はこんなものだろ。 お、サワークリームもあるのか」

やすな「ロシアの料理はサワークリームを使うって聞いて、買ったけど使わなかったんだよ!」

ソーニャ「おい……」

やすな「はー美味しかったよ! ソーニャちゃん料理の天才!」

ソーニャ「だろ?」

やすな「毎日食べたい位だよ~」

ソーニャ「だれが作るか、調子に乗るな!」

やすな「えへへ」

やすな「ソーニャちゃん、お風呂入って寝ようか」

ソーニャ「そうだな、先に入っててくれよ」

やすな「わかった」

・・・・・・

やすな「なんとなくお風呂わかしちゃったけど、今日はシャワーだけにしておこう……」


やすなシャンプーがシャンプーをしていると、脱衣場に人の気配がした。

ソーニャ「入るぞ」

やすな「!? ソーニャちゃん!」

ソーニャ「ふーん、てっきりシャンプーハットでもしているのかと思ったぞ」

やすな「子供じゃないよ!」

ソーニャ「お前洗い方適当だな、ほら、こうやって頭皮もしっかり洗え」

やすな「う、うん。 はああうんうん」

ソーニャ「気持ち悪い声出すな」

やすな「だって、ソーニャちゃんのが背中に当たってるし、タオル巻いてないから」

ソーニャ「!? 調子に乗るな! あとは自分で洗え!」

やすな「いたいよソーニャちゃん」

ソーニャ「バーカ」

やすな「ふぅ……」

ソーニャ「そろそろいいか、流すぞ」

やすな「はーい……目にシャンプーが!」

ソーニャ「ちょっと我慢しろ」

ソーニャが髪を洗い終えるころ、やすなは湯船に浸かってゆっくりとしていた。

ソーニャ「なあやすな」

やすな「なあに、ソーニャちゃん?」

ソーニャ「良かったら、洗って貰えないか。 わたしの汚れを……血の臭いを」

やすな「ソーニャちゃん……ぐふ、ぐふふふもちろん喜んで」

ソーニャ「お前は変態か!」

やすな「いたっ!」


やすなは湯船から出て、タオルに石けんを付けるとソーニャの後ろに回り込む。

ソーニャ「済まない、こんな事頼んで」

やすな「いいよ」

ソーニャの肌はきめ細かく、泡がすぐ滑り落ちていってしまう。
タオルでさえ彼女の肌を傷つけてしまうのではないかと、やすなは思った。

ソーニャ「……わたしの汚れを、落として」

やすな「すごく綺麗だよ」

やすなは石けんを手に付け、ソーニャの背中を優しく撫でる。
脇や背筋に指を這わせる度に、ソーニャの肢体が細かく跳ねた。

ソーニャ「こっちも……」

やすなは蜜を湛えた部分を優しくほぐすと、ソーニャは体を弛緩させやすなに寄りかかった。

やすな「わたしには、こうやって抱きしめるしかできないけど……」

やすながギュッと抱きしめると、ソーニャはニ・三度体を痙攣させた。

やすな「良いお湯だったねー」

ソーニャ「ちょっとのぼせたかな……」

やすな「ふふふ」

ソーニャ「ニヤニヤするな!」

やすな「じゃあ、冷めないうちに寝よう」

ソーニャ「そうだな、私は下で良い」

やすな「だーめ、今日はソーニャちゃんもこっちだよ~」

やすながポンポンとベッドを叩くと仕方なさそうな顔をしてソーニャはベッドに潜り込む。
向かい合う形でやすなが抱きしめると、ソーニャは安心したように眠った。


おわり

あぎり「いいものが撮れました~」

保守サンクス
全然エロくなくてごめんなさい


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