綾乃「わぁい歳納京子 あやの歳納京子大好き」(100)

<2年教室 朝>

千歳「ん?いま綾乃ちゃん何か言わへんかったー?」

綾乃「へっ?別に何も言ってないけど…」

千歳「あらそう、じゃあウチの聞き間違いかなー…?」



綾乃「わぁい歳納京子 あやの歳納京子大好き」

千歳「!!!!!!」ドゴーン

千歳「ど、どどどどどしたん綾乃ちゃん!!」ワナワナ

綾乃「ああ、実はさっきからしゃっくりが止まらなくって…」

千歳(しゃっくりなん!?)

千歳「え…綾乃ちゃん、自分で何を口走っとったかわかってる…?」

綾乃「く、口走る…?」

綾乃「何言ってるの千歳、確かに何回かしゃっくりはしたけど」

千歳「あんな、綾乃ちゃん」

綾乃「へ?」キョトン

千歳「綾乃ちゃん、しゃっくりする度に、歳納さん大好きってつぶやいとるで…」

綾乃「なっ…!」カアアッ

綾乃「そっ、そんなことあるわけないじゃな…むっ」



綾乃「歳納京子大好き」ヒック

綾乃「!!」

千歳「な、気づいたやろ…?」

綾乃「あわわわあわわわわわわあわ」プシュー

千歳「あ、綾乃ちゃん!しっかりせな!」

綾乃「あわわあわわ…はっ!」パチクリ


綾乃「…はあ」フゥー

千歳「落ち着いたー?綾乃ちゃん」

綾乃「不覚よ…」プルプル

綾乃「不覚よおおおおおおおギャフベロハギャベバブジョハバ」ガツンガツン

千歳「綾乃ちゃん!落ち着き!」

千歳「とにかく!まだ歳納さんが登校してくる前でよかったやん!」

千歳「今のうちに、しゃっくり止めよ?」

綾乃「そ、そうね…!」ハッ



綾乃「とりあえず深呼吸してみましょう」

綾乃「すううう…はああああ…すうううう…はあああ…」

千歳「どう?治ったー?」

綾乃「……」シーン

綾乃「で、出ない!治ったわ!」

千歳「ほんま?よかったなー綾乃ちゃ…」

綾乃「わぁい歳納京子」ヒック

千歳「ダメやな…」

千歳「水持ってきたでー」

綾乃「あ、ありがとう…」

千歳「冷たい水が効果あるらしいでー」

綾乃「うんっ」ゴクゴク

千歳「そうや、のど鳴らしながら飲むのがええんやでー」

綾乃「ぷはーっ」

千歳「どう…?」



綾乃「歳納京子LOVE」ヒック

千歳「バリエーション増えとるねー」

千歳「うーん…他にしゃっくりの止め方、なんかあったかなー?」ムムム

綾乃「え、えーと…」

京子「おーっすー!!綾乃ー!千歳ー!」バァーン

綾乃「ひゃっ!」ビクゥ

京子「どうした綾乃ー!元気がないぞー!」

結衣「お前だけだよ、朝っぱらからそんな騒がしいのは…」

京子「なにー?いいか、古代ローマの偉人はこう言いました」

京子「『ブルータス、お前も元気か?』」

結衣「言ってねえよ」

綾乃「まったく歳納京子ったら…」ハァ

千歳「あれ?綾乃ちゃん、しゃっくり止まったんとちゃう?」

綾乃「へっ?」

綾乃(そ、そういえば止まったかも…)

綾乃(さっき歳納京子のせいでびっくりしたせいかしら…)チラ

綾乃「はー…どうなることかと思ったわ―」クター

千歳「ほんまになー」

京子「えー?なになに、なんの話ー?」

綾乃「べっ、別にあんたには関係なっ…」

綾乃「マジLOVE1000%」ヒック



京子「へっ?」

綾乃(あっぶなああああい!!)

綾乃(バリエーション増えてて助かったわ…)ドキドキ

綾乃(だいすきー、とか言っちゃってたら窓割って飛び降りるレベルの話だったわ…」


京子「あ、綾乃…さっき…」

綾乃「いっ、いやっ!あれはただの…ギャグ!そう!ギャグよっ!」アセアセ

京子「ギャグー?」

千歳「そうやで、綾乃ちゃん勉強のしすぎで、ちょっとふざけてみたかったんよー」

京子「そっかー、それにしてもびっくりしたよー」アハハ

綾乃「そ、そういうことだからっ!勘違いしないで…むっ」

綾乃「歳納京子たんかわいいでちゅー」ヒック


綾乃(しまった!!!!)

京子「あ、綾乃…!?」アングリ

綾乃「ち、違うわっ!今のは…きょうこじゃなくて、きょうこう…教皇!」ハッ

綾乃「教皇インノケンティウス3世よ!」

京子「!?」

綾乃「教皇グレゴリウス7世、教皇ボニファティウス8世」

綾乃「教皇ヨハネパウロ2世…」ペラペラ

京子「あわわわ…」ガクガク


京子「うーあたまが痛いよー…」クラクラ

綾乃(はー、なんとか乗り切ったわ…)ホッ

千歳「ごり押しする綾乃ちゃんも素敵やでー」ウフフ

<放課後 生徒会室>

綾乃「ぼへー」グター

千歳「綾乃ちゃんおつかれさまー」

綾乃「うーん、本当に疲れたわ―…はあっ」フゥ


綾乃「わぁい歳納京子」ヒック

綾乃「あやの歳納京子大好き」ヒック

綾乃「ミラくるゆるくる!」ヒック

綾乃「くるりんぱっ!」ポンッ


千歳「1日中我慢したせいか、しゃっくりが荒ぶっとる…」

ガラガラ

向日葵「遅くなってすみませ…ん?」


綾乃「歳納京子たんきゃわわ」ヒック

綾乃「はっ!!」ドキィ

向日葵「!!!!」ガビーン

向日葵「お、お邪魔しましたわ…」

綾乃「ちょっ、古谷さん待って!!」

向日葵「いえっ、あわわわわ私何も聞いてませんからっ!」ブルンブルン

向日葵「ク、クククッキー食べておお落ち着いてくださいっ」

綾乃「あなたこそ落ち着いて」

・・・・・・・・・・・・

向日葵「そ、そうだったんですの…」

千歳「そんでなー、悪いけど秘密にしとって欲しいねんー」

向日葵「えっ、ええ、かまいませんけれど…」

向日葵(そもそも前からバレバレでしたわ…)

綾乃「もうっ、どうしてこんなことになっちゃったのかしら…」ハァ

向日葵「まあそれでも、聞いてしまったのが私だけで良かったですわ」

向日葵「私の知り合いに、秘密を守らせるのがとんでもなく不可能な娘が…」

ガラガラ

櫻子「こんにっちはー!!」キラリーン


向日葵「居ますもの…」

櫻子「んー、何の話してたんですかー?」

千歳「別になんでもないでー」

櫻子「えー?なんだか怪しいにおいがするー」クンクン



向日葵(杉浦先輩、櫻子の前でしゃっくりはできるだけ我慢してくださいね)ヒソヒソ

綾乃(わ、わかってるわ、口を開けなければ大丈夫よ)

向日葵(櫻子にバレたら…)

綾乃(…)ゴクリ

向日葵(ウイルス並の速度で先輩の秘密が広まっていきますわ…)


櫻子「むむむ…やっぱり向日葵と杉浦先輩…」

櫻子「なんかあやしい…」ギラリ

櫻子「向日葵と杉浦先輩、何か私に隠し事してるでしょ」

向日葵「な、なにを根拠に…」ドキ

向日葵(こういう時だけは勘が冴えますのね…)

櫻子「名探偵櫻子が謎を解き明かしてやる―!」



櫻子「えー、こんにちはぁー古畑櫻子郎ですぅー」デデーン

櫻子「今回の事件はぁー、この変哲のない生徒会室でぇー」

綾乃(なんかはじまったわ…)

櫻子「あっ、乳泉くぅーん、いいところにぃー」

向日葵「乳泉って誰ですの」

櫻子「むむむっ…」

櫻子「……むぅ?」

櫻子「杉浦先輩、どうしてさっきからしゃべんないんですか?」

綾乃(!!!!)ビク

櫻子「すっごくあやしい…」ジロリ

向日葵「そ、そそそんなことないのではなくって…?」アセッ

櫻子「向日葵は関係ないでしょっ!」

櫻子「先輩、もしかして…」


櫻子「虫歯ですか?」

綾乃(…?)

向日葵(アホで助かりましたわ)

櫻子「名探偵櫻子の目に狂いはなーい!!」フフーン


千歳(えーと、ここは虫歯ってことにしてごまかしといたほうがええかも…)

向日葵(そ、そうですわね)


向日葵「な、なんということですのー、櫻子にしては名推理でしたわー」

櫻子「え!?じゃあやっぱり…」

千歳「そうやでー、綾乃ちゃんは虫歯になってしもてなー」

綾乃「」コクコク

櫻子「やったーーーーー!!!さっすが私ーーー!!」キラリーン


櫻子「…あれ?杉浦先輩が虫歯…」ムムッ

櫻子「ということは…」

向日葵「ま、まだ何か?」

櫻子「」スタスタ

向日葵「ちょ、どこへ行きますの!」

櫻子「」ガバッ ガサガサ


櫻子「冷蔵庫から杉浦先輩のプリンゲットー!!」デーン

綾乃(!!!!!)

櫻子「虫歯じゃ仕方ないですね、私が食べてあげますよー」アーン

綾乃「ちょっ!そのプリン、350円っ…むっ」

綾乃「わぁい歳納京子大好き」ヒック



綾乃「~~~~~っ!!!!」ジタバタ

綾乃「お、大室さんっ!?今のは別に本気で言ったわけじゃなくてっ…ってあら?」

櫻子「~♪」モグモグ

綾乃(もしかして…?)

千歳(プリンに夢中で聞こえへんかったんとちゃうん!?)



櫻子「もぐもぐ、はあー!すっごいうまかったー!」

向日葵「そ、そう…よかったですわね…」

櫻子「幸せ幸せー!あっ、そうだ、杉浦先輩」

綾乃「なに?」


櫻子「ふふふ」ニタァ

綾乃(聞かれてるうううう!)

櫻子「しゃっくり?」

綾乃「ええ、しゃっくりをするたびに本音が出ちゃうのよ…」

櫻子「し、死んじゃうじゃないですかっ!!」

綾乃「そ、そうね、確かに死ぬほど恥ずかしいけど…」

櫻子「違いますっ!しゃっくり100回したら死んじゃうんですー!!」ドーン

綾乃「へ」

向日葵「もう、そんなの迷信ですわよ…」

櫻子「メイスィーン」ワーオ

向日葵「なんでネイティブっぽく発音しますの?」

・・・・・・・・・・・・・・・

櫻子「というわけでスーパードクターをお呼びしました」

西垣「担当は理科なんだがな」

向日葵「爆発オチのにおいがプンプンしますわ…」

西垣「まあ大丈夫大丈夫、よし杉浦、見せてみろ」ハハハ

綾乃「は、はい」

西垣「じゃあ診察はじめるぞ、聴診器」

櫻子「はい」サッ

西垣「ライト」

櫻子「ほい」サッ

西垣「爆薬」

櫻子「はい」サッ


向日葵「コラそこ!」

西垣「ははーん、これは『しゃっくり虫』だな」

千歳「あっ、それ聞いたことあるでー」

千歳「しゃっくり虫が人の体の中で跳ねるとしゃっくりが起きるんやってー」

向日葵「そんな虫が本当に実在しましたの…?」

西垣「いや、普通の環境では絶対に見かけないはずだ」

西垣「誰かが学校の中で飼育していたのかもしれないが…」

西垣「それにはプロ級の技術が必要になるし」

西垣「なぜ杉浦にとりついたのかは謎だな」ウーン



向日葵(虫を飼育って…まさか赤座さん…?)

向日葵(いや、まさかそんなことはありませんわよね)

綾乃「それで、どうやったらこのしゃっくりが治るんですか?」

西垣「うーん、それが治し方がわからんのだ」ウーム

綾乃「ええ!?」

西垣「ショック療法でも試してみるか?」スチャ

綾乃「爆薬をスタンバイしないでください!」


千歳「ショック療法…」

千歳「そうや!歳納さんにチューでもしてもらったらええんちゃう?」ドーン

綾乃「!!!!」カァアァ

綾乃「な、なに言ってんのよぉー!」

向日葵「いや、池田先輩の案、かなり素晴らしいと思いますわ」

櫻子「うんうん」コクコク

綾乃「ちょっ…!」

千歳「そうやろー?それに歳納さんとラブラブになってしまえば、いくら本音聞かれても大丈夫やんー」

向日葵「ええ、その通りですわね」

千歳・向日葵・櫻子「うふふふふふふ…」

綾乃「いやっ、あのっ…」

向日葵「櫻子!ごらく部に行きますわよ!」ダッ

櫻子「らじゃー!」ダッ

綾乃「い、いやあああああっ!」

・・・・・・・・・・・

京子「なぜか強引に連れてこられたわけだが」

綾乃「……」

京子「で、どうして生徒会室に綾乃しかいないの?」

綾乃「……」

京子「どうしてあなたはロミオなの?」

綾乃「……」

京子「あとなんで綾乃はめちゃくちゃ息止めてんの?」


綾乃「」モガモガ

京子「ふふっ、綾乃の息止めてる顔、おもしろいなー」ププ

綾乃「…」ムムッ

京子「いつまで止めていられるかなー?」

綾乃「……」ムムムム

京子「がんばるねぇー」

綾乃「…!!!」グググ

綾乃「ぶはあっ…!はあっ!」スーハースーハー

京子「おおーっ、どうだ!うまいだろ、シャバの空気は!ん?」

綾乃「刑務所に入れられてたみたいな言い方しないでよっ!」

京子「あ、そうだ綾乃、今度英語のノート見せてよー」

京子「結衣に頼んでも見せてくれなくてさー」

綾乃「……あんたがいつも寝てるからでしょ」

京子「急に睡魔が来たので(QSK)」

綾乃「まったくもう…」



綾乃(やっぱり…)

綾乃(歳納京子と話してるとなんだか落ち着くわね…)

京子「ねーねー、そもそもなんで私は呼び出されたんだよー」ブー

綾乃「!」ドキ

綾乃「そ、それは…」

京子「もしかして私と綾乃が二人きりになるようにセッティングされてるのかー?」

綾乃「うっ…そ、そんなわけないでしょっ!何言ってるのよ…っむっ」

綾乃(あ、やばっ…)



綾乃「歳納京子ぉー!」ヒック

綾乃「だいす…ムグッムグッ」


京子「あ、綾乃さん?」ビク

綾乃(はー…、すぐに口をふさがなければ即死だった…)フゥ

綾乃(正直、油断してたわね…、もうしゃべるのはやめましょう…)


京子「綾乃ーどーしたー?口抑えるの好きなのかー?」

京子「それともまた空気中の微生物食ってるのかー?」

綾乃(そんなこと一度もやったことないわよっ!)クワァッ

京子「おおっ、すさまじいツッコミオーラを感じる…!」

京子「でも何か言ってよー、つまんないじゃーん」

京子「もー」

京子「……!」ピキーン


京子「ならばその口、私が開かせてやるーーっ!」

綾乃(!?)ドキーン

京子「ほーら、黙ってると綾乃のプリン食べちゃうからなー」ガパッ

京子「!?」

京子「ない!私が楽しみにしてた350円のプリンがっ!」

綾乃(いや、アンタのじゃないわよ)

京子「やるな綾乃…、あっ、パンツ見えてるぞ綾乃!」

綾乃「……!」チラ

京子「なーんてウソだよー」

綾乃「……」ホッ

京子「これでもダメかー、くっそー」ヌヌヌ

綾乃「……」

京子「おーい綾乃ー!」

綾乃「……?」

京子「……」


京子「好きだぞ」

綾乃「!!!!」

綾乃「なっちょっえっえ、えええええっ!」


京子「よっしゃー、やっと綾乃がしゃべったー!!」

綾乃「ちょ、と、としっ、歳納京子、あんた今っ…!!」アワワワワ

京子「いやー、恥ずかしいねー」

京子「でも、本当だよ?」

綾乃「!!!!!」


京子「今朝、綾乃が私のことかわいいって言ったの聞いてから」

京子「ずっとドキドキしてたんだ」

京子「あれはさー」

京子「やっぱり、冗談だったの?」


綾乃「…!」

京子「ねえー、教えてよー綾乃ー!」

綾乃「ううっ、それは…」ドキドキ

京子「ねえったらー、綾乃ぉー!」

綾乃「う、うううう、ううっ」ドキドキドキ



綾乃「いっ、言えるわけないじゃないのよぉー!!」ダッ

ダダダダダダ

京子「あっ、おい!綾乃ぉー!」


ガラガラッ バタン

<廊下>

綾乃「ど、どうしよう…」ハァハァ

綾乃「思わず逃げちゃったわぁー!!」

綾乃「せっかくのチャンスだったのにぃー!!」

綾乃「何やってるのよ私!ヘタレ!杉浦ヘタレ!」ジタバタ

綾乃「ぐわああああああっ」ゴロンゴロン

綾乃「あああああああっ」ビタンビタン


あかり「す、杉浦先輩…?」

綾乃「はっ!!!」ビクッ

綾乃「……」

綾乃「な、なにかしら?」キリリッ

あかり「な、なんかアグレッシブな体操をしてたように見えたんですけど…」

綾乃「ま、まあ…健康のためよっ、あ、あはは…」

綾乃「赤座さんはどうしたの、今から帰りかしら?」

あかり「あ、教室に忘れ物しちゃって、取りにきたんです」

綾乃「そうだったの」

あかり「あ、そうだ、さっき京子ちゃんが生徒会室まで行ったみたいですけど」

あかり「先輩、京子ちゃんに会いましたか?」

綾乃「……!」


綾乃「いや、会ってないわね…」

あかり「あれ?そうなんですか」

あかり「ごらく部に突然櫻子ちゃんが来て、京子ちゃんをさらっていったんですよー」

あかり「『杉浦先輩の、一生に一度の大勝負じゃあー』って言って」

綾乃「な、何よそれ…」

あかり「あ、じゃあ私、これで失礼しますね」

綾乃「ええ、気を付けて帰ってね」

あかり「はいっ、杉浦先輩も!」

あかり「あ、そうだ」

あかり「しゃっくり虫は、片思いが終わればいなくなるみたいですよ」

綾乃「へ…?」


あかり「さようならー」タタタ

綾乃「片思いが終わればしゃっくり虫はいなくなる…」

綾乃「じゃあ、この先ずっと無理ね」

綾乃「どうしたって私、素直になれないもの」

綾乃「はあ…」

綾乃「歳納京子大好き」ヒック

綾乃「歳納京子ラブ」ヒック

綾乃「やっぱ好っきゃねん」ヒック


綾乃(えっ、ちょっと待って)

綾乃(こんなしゃっくり出したままじゃ帰るに帰れないじゃない…!)

<2年教室>

綾乃「だ、誰もいないわね…」


綾乃「歳納京子ぉー!」ヒック

綾乃「だいすきぃー!」ヒック

綾乃「気合いだぁー!」ハッピーシャワー


綾乃「やばっ、ホントにおさまらないわ…」

綾乃「でも本人の前でこんなに簡単に言えたら…」

綾乃「どれだけ楽なのかしらね」



京子「むむむー?なんだか私のことを褒めちぎるやつがいるぞー?」

綾乃「!!!」

綾乃「と、歳納京子…!」

京子「へへへー、さがしたんだぞー綾乃ー」

京子「しかもー聞いちゃったぞー」フフン

京子「私が大好きだってー?」

綾乃「なっ…!」

綾乃「何言ってんのよぉー!!」


京子「ふふふ、ねえ、綾乃ー」

京子「もう一回聞かせてよ―?」

綾乃「!!」

綾乃「い、言えるわけっ、な、ないじゃないっ!」

京子「ホントにー?さっきあんだけ言ってたじゃんかー」

綾乃「そ、そんなこと言うわけっ…!」ハッ


綾乃(いけない!)

綾乃(ダメよ、私、素直になりなさい!素直に…)

綾乃(し、深呼吸よ…!)

綾乃「すうううう…」

綾乃「はああああ…」


京子「シャバの空気満喫中?」

綾乃「だからっ!違うっていってるでしょぉー!」

綾乃「まったく、歳納京子ったら…いつもふざけて」

京子「えへへー」

綾乃「でも、それって空気を和ませようとして、やってるのよね…」

京子「そうかなー」

綾乃「そうよ」

京子「綾乃がさー、いつも怒鳴ってばっかりだから」

京子「笑わせてあげたいって思ったからかもよ?」

綾乃「!!」ドキ


綾乃「も、もう!私が怒鳴る時は大抵あんたのせいじゃないっ…」

京子「えーそうだっけー?」

綾乃「ほんと、適当ね」ハァ


綾乃「でも…ありがと」

綾乃「私って、思ったことを正直に言うのがすごく恥ずかしくって」

綾乃「つい好きなのに嫌いなフリとかしちゃうんだけど」

綾乃「京子は、ちゃんとそういうのを見抜いてくれるでしょ?」

京子「うーん、それはー綾乃がわかりやすいだけですねー」

綾乃「なっ…そ、そんなわけないでしょっ!」カァッ

京子「ほら照れたー」ニヒヒ

綾乃「もうっ…!」


綾乃「その…だから私…あんたのそういうところを好きになったのかも……」

京子「ううおおおおおおっ!」

京子「やったー!やっと好きって聞けたー!」

綾乃「えっ、ちょちょっ…!」

京子「まー知ってたけどねー」

綾乃「うるさいわねっ!」

京子「綾乃ー大好きー!」

綾乃「わ、私もっ…」

綾乃「だ、大好きっ、京子」

京子「えへへー」

綾乃「もうっ、本当に可愛いんだから」





綾乃「何よ…」

綾乃「全然治ってないじゃない」

おしまい


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