まどか「借り暮らしのちとせってぃ…?」(139)

まどか「うー…」ノロノロ

まどか「せっかくの夏休みなのに……」ノロノロ

まどか「パパもママもタツヤも私を置いて海外旅行なんて……」ノロノロ

まどか「こんなの絶対おかしいよ…!」プンスカ

まどか「……」

まどか「はぁ……」

ガチャ

まどか「ただいまー」

ゆま「おかえりー」ヒョコ

まどか「えへへ…良い子にしてた?」ナデナデ

ゆま「うん! ちゃんとおるすばんしてたよ!」エヘン

まどか「そっかー…じゃあ、一緒にアイス食べよっか?」ナデナデ

ゆま「うん!」スリスリ

まどか「じゃあちょっと待ってて…ね……?」

ゆま「……?」

まどか「……えっ?」

ゆま「……えっ?」

まどか「えっと……誰?」

ゆま「……」

まどか「……泥棒さん?」

ゆま「違うよ。今日からここに住むことになったの」

まどか「え、何それ怖い」

ゆま「わたしは怖くないよ」

まどか「……ママかパパは? 心配してるでしょ?」

ゆま「……死んじゃった」

まどか「あ……」

ゆま「……」

まどか「……」

ゆま「……ごめんね。もうでてくから……」トテトテ

まどか「えーと……」オロオロ

ゆま「じゃあね……」

ガチャ

まどか「ちょっと待って!!」

ゆま「……?」

まどか「えーっと…今ママとパパが旅行に行っててね? それで2週間だけなら家にいても良いからね? その間は……ね?」

ゆま「ほ、ほんと!」パアァァ

まどか「う、うん。でも2週間だけだよ? ママとパパが帰ってきたら、ちゃんと相談して何とかしてもらうんだからね?」

ゆま「うん、ありがと! おねえちゃん!」ダキッ

まどか「え、えへへ……」ギュッ

ゆま「えへへ……!」ムギュッ

チラッ

まどか(あれ…これって……)

ゆま「えっとえっと……わたしは千歳ゆまってゆうの!」

まどか「……あ、えっと……私は鹿目まどか。まどか、で良いよ。よろしくね」

ゆま「よろしく、マドカ!」

まどか「え、へへ……」



まどか「はぁ……」

まどか「とりあえずアイス食べよっか」

ゆま「うん! わたし抹茶がいい!」

まどか「抹茶ってあったっけ……?」ゴソゴソ

まどか「あ、あったよ」

ゆま「わーい! ありがとマドカ!」

まどか「えへへ……」

まどか「あ、バニラみっけ」

ゆま「マドカ! はやく食べよ!」

まどか「ちょっと待っててね。スプーン取ってくるよ」

ゆま「うん!」

ガチャ

ゆま「……」

ゆま「……」ピトッ

ゆま「うひゃあ……冷たい」

ゆま「……」

ゆま「キョーコ……」

ガチャ

ゆま「!!」

まどか「スプーン持ってきたよ。はい」

ゆま「あ! う、うん! ありがとマドカ!」

まどか「……?」

ゆま「……」ペロペロ

まどか「……?」ペロペロ

ゆま「……ん」ペロペロ

まどか「……どうしたの? えっと…ゆまちゃん」

ゆま「……アイス、おいしい」

まどか「……そっか」ペロペロ

ゆま「……」ペロペロ

まどか(……さっきチラッと見えた頭の傷。どうしたんだろう……?)

まどか「……」ジー

ゆま「……?」ペロペロ

ゆま「……どうしたの?」

まどか「えっ?」

ゆま「わたしの顔に何かついてたの?」

まどか「え、あ。ごめん。ゆまちゃんって可愛いな~って」

ゆま「……そうかな?」

ゆま「……」ペロペロ

俺「ハァハァ・・・うっ!出るっ!」

ゆま「!!」

まどか「うん! とっても可愛いよ!」

ゆま「どこが?」ペロペロ

まどか「ほら、今みたいにアイス舐めてる時とか、ギューってしたくなっちゃうよ!」

ゆま「ふーん……?」ペロペロ

まどか「ほら、それ!」

ゆま「……よくわかんない」

まどか「えへへ……」

ゆま「……」ペロペロ

まどか「えへへ……?」

ゆま「……」ペロペロ

まどか「……?」

ゆま「…やっぱり、わたしは可愛くないよ」

まどか「どうして?」

ゆま「ほら、マドカはそこにいる」

まどか「……?」

ゆま「……」トテトテ

ゆま「可愛いならギュッてして」

まどか「あ……」

ゆま「……」

まどか「……」ナデナデ

ゆま「……ん」モゾ

まどか「……」ギュ

ゆま「……もうちょっと強く」

まどか「ん……」ギュー

ゆま「……あったかい」ギュー

まどか「……」ギュー

ゆま「……」ギュ

まどか「……」ムギュー

ゆま「くぅ……」カクン

まどか(あ、寝ちゃった……)

ゆま「……んにゅ」スウスウ

まどか「……よしよし」ナデナデ

まどか「……」スッ

ゆま「……むにゃ」スウスウ

まどか(……酷い傷。もしかしてゆまちゃんって……)

まどか「……」

――――――――

ゆま「……あ」ピクッ

まどか「起きた?」

ゆま「……わたし寝ちゃった?」ボー

まどか「うん。お腹空いてる? ちょっと遅い夕飯だけど、オムライスでも作ろうかなって」

ゆま「……うん。食べたい」ボー

まどか「そっか。それじゃ、ちょっと待っててね」

ゆま「……あ、マドカ」

まどか「どうしたの?」

ゆま「……あったかかった。ありがと」

まどか「……うん」

ガチャ

まどか「…意外と楽しくなってきちゃったかな」

まどか(オムライス……薄味で良いよね)ゴソゴソ

まどか「よし!」

まどか「~♪~♪」ジュージュー

――――――――

ガチャ

まどか「はい、ゆまちゃん。オムライスできたよ」コトリ

ゆま「あ! おいしそう!!」

まどか「ありがと。それじゃ、頂きます」

ゆま「いただきまーす!」

まどか「……もぐ」モグモグ

ゆま「……」ガツガツ

まどか「……もぐ?」モグモグ

ゆま「……」ムシャムシャ

まどか「もぐ……」モグモグ

ゆま「……う!」ピクッ

ゆま「ゴホッゴホッ」ケホケホ

まどか「そんなに慌てて食べなくても大丈夫だよ。はい、お水」

ゆま「んぐっんぐっ」ゴクゴク

ゆま「……っ! ぷはーっ!」

まどか「落ち着いて食べてね? オムライスは逃げないよ」

ゆま「……うん」

まどか「…おかわりあるよ?」

ゆま「良いの?」

まどか「もちろん! それに私一人じゃ食べ切れないし、ね?」

ゆま「……ありがと」

――――――――

まどか「それじゃ、寝よっか?」

ゆま「うん。わたしマドカと一緒に寝たい」

まどか「うーん……狭くなっちゃうけど、良いの?」

ゆま「うん。一人で寝るより一緒に寝た方があったかいから」

まどか「そっか、じゃあこっちきて」ポフポフ

ゆま「うん……」モゾモゾ

まどか「……」

ゆま「……狭い」ギュ

まどか「……狭いね」ギュー

ゆま「でも、あったかいよ」

まどか「うん、あったかいね」

ゆま「……えへ」

まどか「……そういえばさ」

ゆま「……何?」

まどか「ゆまちゃんはどうして家に来たの?」

ゆま「え?」

まどか「えっと、最初は偶然家に来たんだと思ったんだよ? 玄関の鍵を閉め忘れたかと思ったからね」

まどか「でも、後で確認したら隠してあった合鍵がなくなっててね」

まどか「何で合鍵の置いてある場所とか知ってたのかなって」

ゆま「それは…えっと……」

ゆま「……」

まどか「……」

ゆま「……」

まどか……言いたくないの?」

ゆま「……うん。できれば怒らないでほしい」

まどか「それは…駄目かな」

ゆま「……」

まどか「だって……いつの間にか知らない人が合鍵の場所を知っていて、勝手に家に入っていたんだよ?」

ゆま「……」

まどか「ゆまちゃんだったから良かったけど……」

まどか「やっぱり、怖いことだったなって……」

ゆま「……」

まどか「……話してくれるかな?」

ゆま「……うん」

ゆま「えっとね、ちょっと前にわたしはキョーコって人と暮らしていたの」

ゆま「それでね、その人は魔法少女なの」

まどか「まほっ……!?」

ゆま「マドカも知ってるんだね、魔法少女」

ゆま「わたしはその人と一緒に暮らしていて、とても楽しかった」

ゆま「でもね、キョーコはときどき魔女ってゆう人を殺す悪いヤツと戦うの」

ゆま「それでね、戦ってる時のキョーコはとってもカッコいいの」

ゆま「だから、わたしも魔法少女になりたいって言ったんだ」

ゆま「そしたら、キョーコがすっごく怖い顔して」

『ふざけんな』

ゆま「ってゆってね、それから話しかけてもほとんど返事してくれなくなったの」

まどか「……」

ゆま「それで一昨日の夜にね、キョーコが長い髪の毛のおねえちゃんと一緒にどこかに行っちゃった」

まどか「長い髪……?」

ゆま「うん。たぶんその人も魔法少女。ヘンテコな服だった」

ゆま「それで、少ししたら帰ってきたんだけどね、キョーコ顔がすっごく暗い顔してた」

ゆま「キョーコは、わたしが何を話してたのか聞いても答えてくれなかったの」

ゆま「そのまま朝になってね、わたしはキョーコと一緒にこの家に行ったんだ」

ゆま「キョーコはね」

『暫くこの家に居座ってろ』

ゆま「ってゆったの。それでわたしね」

『キョーコはどこに行くの? ゆまが一緒にいたら役立たずなの?』

ゆま「ってゆったんだ。そしたらね、キョーコは」

『バーカ、お前の為にハンバーガー山ほど手に入れてくるんだよ。わかったら大人しくこの家で待ってろよ? ちょっと無茶言えば大体何でも言うこと聞いてもらえるからさ』

ゆま「って」

まどか「……キョーコって人がそんなこと言ってたの?」

ゆま「うん。それで」

『ああ、でも無茶言い過ぎて追い出されないようにな? この家に住んでいるヤツはバカがつくほどお人好しらしいけど、さ』

ゆま「って」

まどか(酷いこと言うなぁ……。でも、こんな子を見捨てることなんてできないけどね)

ゆま「でも、マドカはキョーコのこと知らないの?」

まどか「うん……。でも、何で私のこと知っていたんだろ?」

ゆま「……長い髪のおねえちゃんかな?」

まどか「……かな」

ゆま「……これで全部話したよ」

まどか「……話してくれてありがと、ゆまちゃん」

ゆま「……悪いことしたの、私だから」

まどか「……」ギュ

ゆま「……?」

まどか「もう寝よっか? 何か疲れちゃったよね?」

ゆま「うん……」

まどか「それじゃ、おやすみ」

ゆま「おやすみ」

まどか「……」

ゆま「……くぅ」スゥスゥ

まどか「……」

まどか「……ゆまちゃん?」

ゆま「むにゃ……」スゥスゥ

まどか「……」

ゆま「……むにゃ」スゥスゥ

まどか「……よいしょ」モゾモゾ

まどか「……ごめんね? ちょっと行かなきゃいけないから」

タタタ

ゆま「……むにゃ」

ガチャ

ゆま「……」

ゆま「……マドカ」

――――――――

チュンチュン チュンチュン

まどか「おはよ」

ゆま「……おはよ」

まどか「どうしたの? 具合悪い?」

ゆま「……何でもないよ」

まどか「……?」

まどか「あ、ご飯作るね」

ゆま「……うん」

ゆま「……ねえマドカ」

まどか「何?」

ゆま「明日ゆまと一緒に行ってほしい所があるの」

まどか「うーん……明後日じゃ駄目かな?」

ゆま「……明後日でも良いよ」

まどか「じゃあ、明後日ね。どこに行きたいのかな?」

ゆま「それは秘密だよ」

まどか「えー? ゆまちゃんは意地悪だなぁ」

ゆま「そうかな……」

まどか「えへへ、冗談だよ。あ、朝ご飯はサッパリしたもので良いよね?」

ゆま「うん」

まどか「じゃあ作ってくるね」

ガチャ

ゆま「……」

ゆま「……マドカはいじわるじゃないのかな」

ゆま「……それとも、ゆまがいじわるなのかな」

ゆま「……」

まどか「はい、できたよ」コトッ

ゆま「わあ、おいしそう……!」

まどか「えへ…ちょっと薄いかもしれないけどね」

まどか「それじゃ」

ゆま「いただきまーす!」

ゆま「むぐむぐ」モグモグ

まどか「…どうかな?」

ゆま「…おいしい!」モグモグ

まどか「そっか。良かった」ホッ

ゆま「むぐ…今日はマドカはどうするの?」

まどか「私? 私はさや…えっと、友達と一緒に遊びにこうかなって……」

ゆま「…そっか、じゃあゆまもおでかけしたいけど、どうすればいいのかな?」

まどか「一人で大丈夫? 私もついていこっか?」

ゆま「ううん。すぐ帰るからだいじょうぶだよ」

まどか「本当に大丈夫?」

ゆま「……大丈夫だってば」

まどか「でも、どこに行くのかくらいは教えてほしいなって」

ゆま「……」

ゆま「……じゃあマドカは昨日の夜どこに行ってたの?」

まどか「……え?」

ゆま「昨日の夜、マドカはどこに行ってたの……?」

まどか「……起きてたの?」

ゆま「うん。マドカは教えてくれないの?」

まどか「……」

ゆま「……」

ゆま「……そう」

まどか「……ごめん」

ゆま「……ううん。ゆまはキョーコがよく遊んでた場所に行ってくるから」

まどか「……うん」

ゆま「……ごちそうさま」コトッ

まどか「……」

テテテ

ゆま「……先に行ってくるね」

まどか「……うん。行ってらっしゃい」

ゆま「……行ってきます」

ガチャ

まどか「……ごめんね」

――――――――

マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」

~公園~

ゆま(……マドカの馬鹿)グスッ

ゆま(……なんでゆまには教えてくれないの?)

ゆま(やっぱり……マドカはわたしのことは信じていないのかな?)

ゆま(わたしは…邪魔なのかな?)ブルブル

ゆま(マドカ……キョーコ……)ブルブル

ゆま(……)ガクガク

ゆま(……こんなこと考えちゃダメ!)フルフル

ゆま(これはわたしの気のせい。気のせいなの!)

「本当に気のせいだと思うかい?」

ゆま(……え?)

「それは本当に気のせいかな?」

ゆま(頭の中で声がする……?)

「君は本当に自分が邪魔者ではないと思っているのかい?」

ゆま(どうゆうこと……?)

「だって、君はキョーコに捨てられたんだろ?」

ゆま(キョーコは……わたしを捨ててないよ! キョーコはわたしは役立たずじゃないってゆってた!)

「……やれやれ、君はデタラメって言葉を知っているかい?」

ゆま(デタラメ……? キョーコは…キョーコはデタラメなんてゆってない!)

「それを君が否定したところで何の意味もないじゃないか。本人がどう思っているのか直接聞いてみたいね」

「それで、そのキョーコはどこにいるんだい? 」

ゆま(それは……)

「わからないんだね? まあ仕方ないよ。キョーコは君を置いてどこかに行ってしまったんだろう?」

ゆま(キョーコは…嘘なんてついてない……)

「そうだね。キョーコは嘘をついてないんだろうね」

「……君がそう思っているなら、ね」

ゆま(もうこんな声聞きたくない……)ギュッ

「それじゃあ君に別の質問をしようか」

ゆま(……!?)

ゆま(この声、耳を塞いでも消えない……)

「当然さ。これはテレパシーのようなものだからね」

ゆま(え!?)ドキッ

「ああ、君の考えている事は大体予想がついたからね。驚かせたかな? それは悪かったね」

ゆま(そう思うんならもう話しかけないでよ……)

「ああ、君がそう望むなら僕は話しかけないことにするよ」

「……君が本気でそう思っているならね」

ゆま(……どうゆうこと?)

「気になるんだろ? まどかがどこに行って何をしていたのか」

ゆま(……知ってるの!?)

「さあどうだろうね。けど、君なら彼女がどこで何をしていたのかを知ることができる」

ゆま(……?)

「君は魔法少女を知っているね?」

ゆま(……うん)

「なら願いを一つだけ叶えることが可能なことも知っているはずだ」

ゆま(……それで、わたしも魔女と戦わなくちゃいけないんだね?)

ゆま(もしかして、キョーコが言ってたキュゥべえ……?)

「そうだ。何故キョーコは君を魔法少女にしたくないと思う?」

ゆま(……キョーコは人間として生きろって言ってた)

「……そうか。確かにそれはもっともらしい理由だね」

「……魔法少女になると、魂は肉体から切り離されて、ソウルジェムになる」

「君はキョーコの胸にある宝石を見たことがあるかい?」

ゆま(……うん)

「あれが杏子の魂だ」

ゆま(……?)

「あの宝石ようなものがソウルジェム。魂…つまりソウルジェムが壊れるとどうなると思う?」

ゆま(……死ぬ?)

「そうだ。ソウルジェムが心臓みたいなものだよ。つまり、魔法少女になるということは、あれを常に守り続けることになる」

「君達人間の一般的な考えでは、それはもはや人間ではなくなってしまうのかもしれないね。でも、その代わりに魔法少女は強靭な肉体を得るんだ」

「失った視力も取り戻せるし、運動音痴なんて何のその。どうだい? 人間より素晴らしいじゃないか」

ゆま(でも…たましいが体から離れる……? なんて……)ブルッ

ゆま(そんなのわたしは怖いよ……)

「……やれやれ」

「いいかいゆま?」

「あのね…心臓を撃ち抜かれることとソウルジェムを撃ち抜かれること。一体何が違うんだい?」

ゆま(えっ……?)

「結局は同じじゃないか。しかも人間は魔法少女と違って、心臓以外を負傷しても簡単に死ぬ脆い生き物だ」

ゆま(……)

「不思議に思わないかい? 極限まで人間に違い魔法少女。しかも人間よりタフな魔法少女。確かに魔女と戦う必要が出てくるけど、魔女との戦いの危険さはキョーコを見ていればわかるだろ?」

ゆま(う……)

「それに君は中々な素質がある。キョーコと一緒に戦えるだけのね」

ゆま(っ……!?)

「……さて」

「……キョーコは本当に君のことを思って魔法少女になることを止めているのかな?」

ゆま(……)ウルッ

「キョーコがそこまで君を魔法少女にさせたくない理由。それはもしかして――」

ゆま(……もういい)グスッ

「うん? 本当に良いのかい?君はまどかが何をしていたのか知りたいんじゃなかったのかい?」

ゆま(もう……いい)ボロボロ

「おいおい、君はまどかもキョーコも信じているんだろ? なら僕の話をしっかり聞いてくれてもいいじゃないか」

「キョーコが何故君を魔法少女にしたくないのか」

「鹿目まどかはどこで何をしていたのか」

「二人は君のことをどう思っているか」

「君は何を願うべきなのか」

ゆま(やめて……ってば)ボロボロ

「君は二人のことを信じているんだろう?」

「二人は君のことを邪魔者だと思っていないんだろう?」

「……まあ、君がそう思いこんでいるだけかもしれないけどね」

「何、大丈夫さ。だって君は二人の事を信じているんだろ?」

「なら、疑う必要はない。契約をする必要もない。これからも自信をもって人間として生きていけばいいさ」

「邪魔して悪かったね」

「……ああ、そうそう。もう一つ聞きたいんだけど、君は自分が役立た――」

ゆま「もうやめてえええぇぇぇえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」

ヒソヒソ ヒソヒソ

「あのー? 大丈夫かい、お嬢ちゃん?」

ゆま「……ない」ボソッ

「…うん?」

ゆま「役立たずじゃない!!!」

ドンッ

「うわ!?」ドサッ

ゆま「わたしは役立たずじゃない! 役立たずじゃないもん!!」ボロボロ

ゆま「わたしは役立たずじゃない!!!」ボロボロ

ダダッ

「あ、ちょっと!!」

ゆま「役立たずなんかじゃない!! わたしは役立たずなんかじゃない!!!!」ボロボロ

ゆま「役立たずじゃない! 役立たずじゃない!!役立たずじゃない!!! 役立たずじゃない!!!! 役立たずじゃない!!!! 役立たずじゃない!!! 役立たずなんかじゃない!!!」ボロボロ

ゆま「役立たずじゃない!!!!」

ダダッ

――――――――

「……やれやれ」

「一体あれは何だったんだい?」

「せっかく魔法少女ではなく人間として生きていけるように背中を押そうとしたのに……」

「人間は励まされると喜ぶはずなんだけどね」

「急に泣き出すなんてわけがわからないよ」

「……ああ」

「そういえば彼女は何かしらトラウマがあるんだったね。迂闊だったよ」

――――――――

ガチャ

まどか「ただいまー」

ゆま「……おかえり」

まどか「……ゆまちゃん?」

ゆま「……何」

まどか「泣いてるの?」

ゆま「……泣いてない」

まどか(どう見ても泣いてる……よね)

まどか(こういう時って、そっとしておいた方が良いのかな……?)

まどか「ご飯……何食べたい?」

ゆま「……お腹へってない」

まどか「……そっか」

まどか「じゃあ簡単なものが冷蔵庫の中に入ってるから。食べたくなったらレンジで温めて食べてね?」

ゆま「……うん」

ゆま「ねぇ……」

まどか「……何?」

ゆま「明日……一緒に来てくれるよね?」

まどか「もちろんだよ。約束したもんね」

ゆま「……ありがと」

ゆま「……わたしもう寝るね」

テテテ

まどか「……おやすみ」

ゆま「おやすみ」

ガチャ

まどか「……」

――――――――

ギギギ ガチャン

ゆま(……また、まどかはどこかに言っちゃった)

ゆま(…………)

ゆま(……追いかけようかな)

モゾモゾ

「それは止めておいた方が良い」

ゆま(……キュゥべえ)

「僕は君の為に言っているんだよ?」

ゆま(……嘘つき)

「残念だけどね。僕は嘘をつかないよ」

ゆま(……信用してくれないと困るから?)

「その通り」

「君はただ幸せを願うだけで良いんだ。君にはそれを叶えるだけの素質がある」

ゆま(…本当にキュゥべえはマドカがどこに行ったのか知らないの?)

「…いや、大体の検討はつくさ。でもそれが真実とは断言できない」

「なら君に教える必要はないだろう? もし僕の予想が間違っていたら君は何を言い出すかわからないしね」

ゆま(……何それ)

「何回も言うけど、僕は君が悲しまないように忠告しているんだよ? 君にとって真実とはそんなに重要なものなのかい?」

ゆま(……)

ゆま(もし…わたしが契約するとしたらなんてお願いすれば良いのかな)

「そうだね、それは君が何を望んでいるかで少しずつ変わってくるよ」

ゆま(……)

ゆま(…わたし)

ゆま(……わたしは、役立たずじゃないわたしになりたい)

「…………」

ゆま(みんなにありがとうって言われるわたしになりたい)

「それが君の願いかい?」

――――――――

チュンチュン

ゆま「ふわぁ……」ムニャムニャ

まどか「あ、起きた?」

ゆま「マドカ……?」

まどか「おはよう。もうご飯出来てるよ」

ゆま「うん。いい匂いがする」

まどか「じゃあ顔を洗ってきてね。先に下で待ってるよ」

ゆま「うん」

ガチャ

ジャー

ゆま「うひゃ!?」ブルッ

ゆま「冷たい……」

バシャバシャ

ゆま「ひゃあ……」ブルブル

フキフキ

ゆま「ふぅ……」

まどか「いただきます」

ゆま「いただきます」

ゆま「マドカ。今日は……」モグモグ

まどか「わかってるよ。朝ご飯食べたら行こっか」モグモグ

ゆま「うん」モグモグ

まどか「それで、どこに行くのかな?」

ゆま「それは内緒だよ」

まどか「そうだったね」

モグモグ モグモグ

まどか「それじゃ、そろそろいこっか」

ゆま「……うん。ついてきて」

――――――――

ゆま「…ねえマドカ」

まどか「何?」

ゆま「マドカは…もしゆまが魔法少女になっちゃったらどう思う?」

まどか「どう思うって……?」

ゆま「…ゆまのことを嫌いになる?」

まどか「……」

まどか「…ならないよ」

ゆま「…よかった」

まどか「……キュゥべえと契約したの?」

ゆま「……」



















ゆま「してないよ」

まどか「……そっか」

ゆま「うん。やっぱり自分で確かめた」

まどか「……?」

ゆま「…あ。そこを右に曲がるよ」

まどか「あ、うん」

~空き家~

まどか「何か……凄くボロボロだね」

ゆま「うん。でも、ゆまが見つけた時から変わってないよ」

まどか「もしかして秘密基地…かな?」

ゆま「そうだよ。お家に帰りたくなくなった時にここにくるの」

まどか「……」

ゆま「……わたしね、ママとパパが嫌いだった」

ゆま「パパはいつもどこかに遊びに行っちゃって、わたしはお家でママと二人きりになるの」

ゆま「それでママはいつもイライラしててね」

ゆま「パパが帰ってこないのはゆまがかわいくないせいだって言ってね、いじわるするの」

ゆま「それで……それで…」

ギュッ

ゆま「あ……」

まどか「……」ギュッ

ゆま「……」

ゆま「ねえマドカ…」

まどか「……何?」

ゆま「まどかは…魔法少女なんだね」

まどか「……」














まどか「うん」

まどか「……ほむら――私の友達でね」

まどか「その人がね、この前いきなり魔法少女になっちゃだめ!! って言ってきたの」

まどか「一応その時はならないって約束したんだけどね」

まどか「少し前にお願いしちゃったんだ」

ゆま「願いごと……」

まどか「うん。人助けにちょっとね……」

まどか「その後キュゥべえから色々と教えてもらったんだ」

ゆま「魔法少女は魔女と戦うこと……?」

まどか「うん。それとね」

まどか「キュゥべえからその友達も魔法少女だって聞かされた時は驚いちゃった」

ゆま「…その人はマドカに戦ってほしくなかったのかな?」

まどか「……多分ね。それからはバレないようにできるだけ遠くの街で夜に戦ってるんだ」

まどか「だからその人と会うことはないけど……」

まどか「約束、破っちゃった……」エヘヘ

ゆま「……」

ゆま(……やっぱりマドカを探しに行かなければよかったのかな)

ゆま(そうすれば今日はこのまま帰れたのかな?)

ゆま(……)

ゆま(多分…その人は……知ってたのかな)

ゆま(……)

ゆま(……魔法を使わなくても役に立てるんだよね。キュゥべえ)

『……このことは鹿目まどかは知らないはずだよ。伝えるなら早めに伝えた方が良いんじゃないかな?』

ゆま(でも、本当のことを知らないまま…の方が良いのかな?)

ゆま(……)

ゆま(でも…マドカが知らない大切なことを教えれば、わたしは役に立ったってことだよね……?)

ゆま(……)

ゆま「……あのね。キュゥべえは嘘つかないって知ってるよね?」

まどか「……うん」

ゆま「キュゥべえがゆってたんだけどね……」

ゆま「………魔法少女ってね」

ゆま「魔法少女はね……」

まどか「……?」

ゆま「最期に魔――」








ワルプルギスの夜襲来まであと……?

おわり

どうしてこうなった
もう疲れたよパトラッシュ



おやすみパトラッシュ

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