男「友、好きだ!」友「はぁ?」(130)

男「付き合ってくれッッ!!」

友「悪いけどあんたのことそういう風に見れないわ。ゴメン」

男「即答かよ!」

男「まあ簡単にはあきらめないがな」

友「あきらめろよ。つーか理解できないんだけど…」

男「何が?」

友「あんた可愛い子たちにモテモテじゃん。ツンデレさんとか幼馴染さんとか。なんで私なの?」

男「好きになったんだから仕方ないだろ!」

友「趣味悪いんだね」

男「そんなことないぞ。一番可愛いのはお前だ」

友「………」

男「ん?ドキっとした?」ニコ

友「いや、ちょっと鳥肌たってた」

男「またまた照れちゃって」

友「触るな。キモい」

男「いいじゃんいいじゃん」グイグイ

友「ちょっと何してんの?」

男「デートしようと思って」

友「どこ行くつもりだよ」

男「まだ決めてないが」

友「はー…なんでこんなやつがモテるんだろ?」

男「ついたついた!」

友「ただの公園かよ」

男「久しぶりに来たなぁ」

友「初デートに公園って最悪な選択だな」

男「そうなのか?」

友「普通、慣れるまでは映画とかカラオケとか、あんまり喋んなくても何とかなる場所に行くんだよ」

男「俺はお前と一緒ならどこでもいいけどな」ニコ

友「何それキモい」

友「まったく…」キィキィ

男「お、ブランコ乗るのか」

友「来たからには乗らなきゃね」キィキィ

男「青春って感じするな!」

友「あんたはなんで乗らないで私の目の前にいるんだよ」

男「パンチラしないかなーと思って」

友「しね」

友「このまま飛び降りて蹴るぞ」

男「よし来た。俺の胸に飛び込んでこい」

友「………!」スタ

男「え、普通に降りるの?」ガッカリ

友「…帰る」タタッ

男「え、ちょっと待てよ」

友「ついて来るな!」

ツンデレ「…あれ?男と友ちゃん…?」

男「あ、ツンデレだ」

友(あーもう…)

男「よう!」

ツンデレ「二人で何してんの…?」

男「デ…」

友「ちょっとそこでたまたま会っちゃっただけだよ!」

ツンデレ「あ、そうなの…?」

友「うん、そうそう!」

男「え、違……」

ずんずんずん

友(黙れ!)

男(何でだよ)

友(デートしてたとか絶対言うなよ?いいな?)

男(だからなんで…)

友(とにかくそんなこと言ったら許さないから!)

男(………)

ツンデレ「なんか二人、すっごい仲よさそうじゃない?」

友「へっ!?全っ然そんなことないよ!」

男「お前なぁ…」

友「あーっ、私そろそろ帰らなきゃ!」

友「男、ツンデレさんを送ってってあげなよ!じゃ!」タタタッ

男「……なんなんだよ…」

ツンデレ「…あの、男…」

男「ん?」

ツンデレ「送ってってくれるわけ?」

男「あぁ、別にいいけど…」

ツンデレ「あ、ありがと…」

てくてくてく

男「なんでさっきあいつ急に帰ったんだ…?意味わかんねー」

男「なんでだと思う!?」

ツンデレ「あたしに聞かれても知らないわよ」

男「だよなぁ…」

ツンデレ「…よっぽど友さんのことが気になるのね!」

男「なんだよ。お前まで何怒ってんだよ」

ツンデレ「怒ってないわよ!」

男「怒ってんじゃん」

ツンデレ「~~~っ、もういいわ!バイバイ!」タタッ

男「あっバカ!」グイ

ツンデレ「!?」

男「いきなり飛び出したら危ないだろ。車いるだろ」

ツンデレ「ちょ、ちょっと手ぇ放してよ」

男「あ、すまん」

ツンデレ「私のこと好きでもない癖に、気安く握らないでよね」

男「いや、わりと好きだけど?」

ツンデレ「!…///」

男「今のお前はなんか危なっかしいから、最後まで送り届けるよ」

ツンデレ「な、何よそれ…わかったわよ。好きにしたら?」

男「おう」

てくてくてくてく

ツンデレ「…あ、あの、男」

男「ん?」

ツンデレ「さっき、私のこと割と好きって言ったわよね」

男「ああ。ツンデレはいい奴だしな」

ツンデレ「じゃあその…友さんは、どうなの?」

男「あいつか?あいつは愛してる」

ツンデレ「!!」

ツンデレ「あ、愛してる…?」

男「おう」

ツンデレ「まさか、付き合ってるとか…?」

男「付き合ってはいないが…デートはしたぜ!さっき」

ツンデレ「そ、そう…なの…」

男「お、お前の家ついたぜ」

ツンデレ「うん…そうね…」

男「…なんか顔青いぞ。大丈夫か?」

ツンデレ「うん…じゃあね…」フラフラ…バタン

男「……さ、帰るか」

友「……」

男「え、友!?いたのか?」

友「この…バカ!ほんとにバカ!」

男「え?」

友「はやくチャイム押して、今すぐ誤解といて!」

男「誤解ってなんだよ」

友「デートしてたって事と!あんたが私を好きってことだよ!」

男「なんでそんなことしなきゃいけないんだよ?本当のことじゃねーか」

友「ツンデレさんめちゃめちゃ傷ついてたじゃん!」

友「ツンデレさんがあんたのこと好きって気付いてたでしょ!?」

男「…そりゃ、ちょっとは気付いてたけど」

男「俺が好きなのは友だ。ツンデレじゃない」

友「そんなわけないでしょ?どう見てもツンデレさんのほうが可愛いじゃん」

男「お前はなんでそんなに俺とツンデレをくっつけたがるんだよ?」

友「なんでって…私はそういう役割だから」

男「俺の気持ちは無視するのかよ」

友「何回も言うけど、私があんたのことそういう目で見ることはありえない」

友「正直、かなり迷惑なんだよね」

男「………」

男「俺、迷惑かけてたか?」

友「…やっと気付いた?馬鹿だね」

男「そっか…ゴメンな」

友「………」

男「………俺、帰るよ。遅いから送ってく」

友「一人で帰れるから。」

男「…そっか」

友「男、これで目ぇ覚めたでしょ?…明日ちゃんとツンデレさんに誤解とくんだよ?」

男「……」

友「バイバイ」

男「…じゃあな」

翌朝

男「………」

幼馴染「男、おはよー」

男「……おう」

幼馴染「元気ないね。どしたの?」

男「……フラれた」

幼馴染「え!?」

男「……」

幼馴染「お、男、好きな人いたんだ……」

男「まあな…」

幼馴染「それってもしかしてツンデレさん…?」

男「違う。友」

幼馴染「へ、へぇ…」

幼馴染「元気出してっ!私がついてるよ!」

男「ありがとう……」

幼馴染(かなりショックだけど…ある意味チャンスだよねっ!)

ツンデレ(男、友ちゃんに振られちゃったんだ……)

幼馴染「そーだ、男!今日のお弁当のおかず私が作ったんだけど…」

男「へぇ、すごいな」

幼馴染「なかなか力作なのよ?ひとつ分けてあげる!」

男「慰めようとしてくれてるのか?」

幼馴染「え?うん、まぁ…」

男「やっぱ幼馴染はやさしいな」

幼馴染「う…あ、ありがと//」

友(………)

幼馴染「これから毎日好きなおかず作って持ってきてあげるよ!」

男「いやいや、それは悪いだろ」

幼馴染「気にしないで!私が好きでやるんだから!明日は何作ってほしい?」

男「んーじゃあ、幼馴染の好きなもので」

幼馴染「へ?どうして?」

男「お前の好きなもの作るのが一番楽しいだろ?俺もそのほうが嬉しい」ニコ

幼馴染「…」キュン

男「あ、俺の弁当のおかずも食うか?」

幼馴染(やっぱやさしいなぁ…好き!)

ツンデレ「男…、あの、ちょっと話があるんだけど」

男「ん?いいけど」


ツンデレ「友ちゃんに、振られたの?」

男「まあな」

ツンデレ「そっか……」

男「やっぱ振られるのってつらいな」

ツンデレ「私も昨日、あんたに振られたのよ」

男「…うん、知ってた」

ツンデレ「……なにそれ。ひどいわね。最低。」

男「うん、俺は最低だよ」

ツンデレ「……」

男「友にも、知らない間にいやな思いさせてたみたいでさ。俺ってバカだなー」

ツンデレ「ああもう…なんでなの…」

男「ん?」

ツンデレ「あんたのことまだ好きなのよ!」

男「へ?」

ツンデレ「友ちゃんに振られたなら私にもまだチャンスあるでしょ?
   私あきらめないから!いいわね!」

男「お、おいツンデレ…」

ツンデレ「/////」タタッ

男「……」

幼馴染「男、はいあーんして!」

ツンデレ「ちょっと、私のも食べなさいよ!」

男「待て待て…いっきに二つは無理だって」


友(いい感じ…よかった…)

友の友「友?」

友「ん?何?」

友の友「最近男くんばっか見てない?まさか好きなんじゃ…」

友「あはは、ありえない。二人がすごいなーって思っただけ」

友の友「ああ…すごいよねー。二人とも可愛いし。なんで男くんなんだろ?理解不能」

友「……」

数日後

キーンコーンカーン…

友の友「友ごめーん!寄るとこあるから一緒に帰れないわ!」

友「そっかーわかった。また明日ね!」



ポツ…ポツ…ザ―――…

友(やばい、雨ふってきちゃった)

男「友」

友「…!」

男「ずぶ濡れで何やってんだよ」

友「……」

男「傘忘れたんだろ?入ってけよ」

友「いいって。走って帰るから。バイバイ」

男「ダメだって」グイ

友「…!」

男「風邪ひくだろ。お前んち遠いんだから。おとなしく入ってけって」

友「…あんたのそういう強引なとこ、引くわ」

男「はいはい。さ、行くぞ」

男「一緒に帰るの久しぶりだなー」

友「まあね」

男「やっぱお前が隣にいると落ち着くわー」

友「そういうこと言わないで。迷惑」

男「そ、そっか。ごめんな」

友「……」

男「あーあ、告んなきゃよかったな」

友「……」

男「告る前は楽しかったのにな」

友「私だってあんたに告られたくなかったよ」

男「……」

友「…ま、私もあんたも元通りになる方法がひとつだけあるけど?」

男「?」

友「あんたが幼馴染さんかツンデレさんのどっちかと付き合うの」

男「…なんだそれ」

友「二人ともすごく可愛いもんね。そろそろ好きになってきたんじゃない?」

男「まあ、確かに可愛いしいい奴らだが、そういう…」

友「ま、時間の問題だね」

友「あんたって、ああいう子たちを夢中にさせる何かを持ってるみたいだから、絶対うまくいくと思う」

男「それって誉めてるのか?」

友「一応ね」

男「そりゃどーも。あ、お前の家着いたぞ」

友「うん。バイバイ」

男「入ったらすぐ風呂入れよ」

友「余計なお世話。…あ、ひとつ言いたいことが」

男「何だ」

友「こういうこと二度としないでね。じゃ」バタン

男「……」

友(…我ながら、すっごいうざい態度とったなぁ)

友(さすがにあいつも嫌気がさしたはず…)

弟「ねーちゃん、大丈夫か?」

友「は?」

弟「なんかすごい落ち込んでねぇ?」

友「どこが?全然普通だし」

弟「そう?ならいいけど」

数日後

友の友「おはよー」

友「おはよ」

ツンデレ「…友ちゃん、ちょっといい?」

友「え?何?」


ツンデレ「幼馴染さんが、昨日男に告白したのよ」

友「え…」

ツンデレ「そしたら男くん、まだあなたのことが好きだって言って振ったの」

友「う…嘘でしょ?」

ツンデレ「嘘なんてつかないわよ」

友「どうして…」

ツンデレ「私、悪趣味だと思ったけどずっと見てたの」

友「なんで!?私…ひどいこといっぱい言ったのに…」

ツンデレ「幼馴染さんもあなたのひどい態度のこと知ってたから納得してなかった」

ツンデレ「でも、あいつは本当は誰よりも優しいから、って…」

友「何それ…何なのよそれ…」

ツンデレ「あなたは本当に男のこと嫌いなの?」

友「……嫌いだよ、きまってるでしょ」

ツンデレ「……」

友「嫌いだよ、大嫌いだよ!」

ツンデレ「なんで泣いてるの……?」

友「…え?」

ツンデレ「あなた泣いてるよ…」

友「…!」

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