ナランチャ「ブチャラティ~!俺も進研ゼミがやりてぇよ~!」(110)

ブチャラティ「フーゴ、すまないがカジノの収益の会計を纏めておいてくれないか?」

フーゴ「わかりました……しかし、忙しいですね……」

ブチャラティ「師走だからな」

フーゴ「全く、猫の手でも借りたいぐらいです……そういうスタンド能力ってないのですか?」

ブチャラティ「『生命を生み出す能力』か……確かにあれば便利だろうが……いっそピストルズ達にも手伝わせてみるか?」

フーゴ「……いやぁ、ピストルズ達にやらせるぐらいなら、僕がやりますよ」

ブチャラティ「いや、ピストルズ達は仕事は出来るぞ?なんたってミスタは……」


ナランチャ「お~いっ!ブチャラティ!ブチャラティ~!」

ブチャラティ「ん、ナランチャか?」

フーゴ「どうしたんです?」

ナランチャ「フーゴは忙しいんだろ?だったら俺が会計の仕事手伝ってやるよ!」

ブチャラティ「えっ……?」

フーゴ「あなたが……ですか……?」

ナランチャ「おうっ!大掃除も終わって、俺暇だからよぉ~!俺に任せとけって!」

ブチャラティ「……」

フーゴ「う、う~ん……」

ナランチャ「?」

ブチャラティ「ナ、ナランチャ……」

ナランチャ「ん?どうしたんだ、ブチャラティ?」

ブチャラティ「お、お前には別の仕事がある……」

ナランチャ「別の仕事~?俺、何すりゃいいんだ?」

ブチャラティ「幹部のペリーコロさんいるだろ?」

ナランチャ「おう!ペリーコロさんいるなぁ!?それがどうした?」

ブチャラティ「ペリーコロさんも師走で忙しいらしくてな……彼の仕事を手伝ってもらいたい……」

ナランチャ「俺がペリーコロさんの所の会計の仕事を手伝えばいいんだな?」

ブチャラティ「いや、違う」

ブチャラティ「ペリーコロさんは今、女の子を預かってるらしくてな」

ナランチャ「女の子ォ~?なんだそれ?」

ブチャラティ「さぁ?よくわからんが、とにかく女の子を預かってるらしい」

ナランチャ「ふ~ん……」

ブチャラティ「それで、だ……」

ナランチャ「おう」

ブチャラティ「この時期、色々とペリーコロさんも忙しいだろう?だから、お前にその子の相手をしてもらいたい」

ナランチャ「えっ?」

ブチャラティ「その子はテレビゲームが好きらしいからな……お前、その子の対戦相手になってやれ」

ナランチャ「そ、それって……」

フーゴ「そういや、『ジョジョの奇妙な冒険ASB』がありましたね……これを手土産に持っていくといいでしょう」

ナランチャ「あ、あのさぁ……?」

ブチャラティ「フーゴ、それはいい考えだ。きっと幹部のペリーコロさんも喜んでくれるだろう」

ナランチャ「それってさぁ……?子守をしろって事?」

フーゴ「……」

ブチャラティ「……」

ナランチャ「このさぁ……年末の忙しい時期なんかにさぁ……?」

ブチャラティ「……」

フーゴ「……」

ナランチャ「こっちの仕事を手伝う訳でもなく……ペリーコロさんの仕事を手伝う訳でもなく……」

ブチャラティ「……」

フーゴ「……」

ナランチャ「女の子とテレビゲームなんかしててさぁ?俺、大丈夫なの?」

ブチャラティ「……」

フーゴ「……」

ナランチャ「……ねぇ?」


ブチャラティ「行けナランチャ!走るんだナランチャ!」

ーーーーー


ブチャラティ「……フーゴ」

フーゴ「……はい」

ブチャラティ「……ナランチャの家庭教師の方はどうだ?」

フーゴ「え、ええ……かなり難しい任務ですが、ぼちぼちやってます……」

ブチャラティ「……掛け算の7の段は出来るようになったのか?」

フーゴ「……いえ、まだ足し算の繰り上がりで詰まってる段階です」

ブチャラティ「……そうか」

フーゴ「はい……」

ブチャラティ「流石に、繰り上がりの出来ない奴に会計の仕事は任せられんよなぁ……?」

フーゴ「ええ……本当、猫の手も借りたいですねぇ……?」

ーーーーー


ナランチャ「す~い~ま~せ~ん~!」

ペリーコロ「おう!君がブチャラティの所のナランチャ君だな!?」

ナランチャ「はい、ブチャラティに言われて来ました」

ペリーコロ「いや~、助かるよ~!じゃあ、早速この子の相手をしてやってくれ!」

ナランチャ「ったく、なんで俺が子守なんか……んっ……?」

トリッシュ「……あなたが私と遊んでくれるの?」

ナランチャ「!」

トリッシュ「ペリーコロさん、仕事で忙しそうだし……それに、ゲームも弱いし……今日はよろしくね?」


ナランチャ(うわっ!凄ぇ可愛い子だ!)

ナランチャ「あっ、そうだ……これ、うちのチームからのお土産で……」

トリッシュ「あっ……これ『ジョジョの奇妙な冒険ASB』……」

ナランチャ「気に入ってもらえた……?」ドキドキ

トリッシュ「うん。私、これ持ってなくって、いつもペリーコロさんと『未来への遺産』をしてたの」

ナランチャ「あぁ!『未来への遺産』は名作だよなぁ!?俺も持ってたけど、友達に借りパクされちゃったよ」

トリッシュ「あら、それは残念」

ナランチャ「プレミアついてるから、買い直すのも高えしよォ~、本当災難だぜ」

トリッシュ「そうね、未だに定価並の値段するものね」

ナランチャ「まっ!終わった事グチグチ言ってもしょうがねぇな!早速『ASB』で対戦しようぜ!」

トリッシュ「そうね」

ナランチャ「じゃあ~、俺は……やっぱり自分を使おうかな……?」

トリッシュ「私はこの『ディアボロ』って人を使ってみる……」

ナランチャ「えぇ、なんでそんな変なキャラ使うの?というか、誰だコイツ?」

トリッシュ「わからない……でも、何か近いものを感じる気がする……」

ナランチャ「なんだそれ?まぁ、とにかく対戦開始だ!」

トリッシュ「……」

ナランチャ「……」

トリッシュ「……地味にロード長いわねコレ」

ナランチャ「……ご、ごめん」

数時間後ーー


トリッシュ「あなた強いわね?」

ナランチャ「おうっ!俺は格ゲーマーだからな!」

トリッシュ「ペリーコロさんは弱いから……いつも、退屈だった……」

ナランチャ「まぁ、ペリーコロさんは歳だからなぁ……こういうゲームは難しいんじゃねぇの?」

トリッシュ「……これから」

ナランチャ「……ん?」

トリッシュ「時々でもいいから……こうやって私と遊んでくれると嬉しい……」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「……ダメ?」

ナランチャ「い、いやっ!大丈夫、大丈夫っ!君がいうなら、毎日でも遊んでやるよォ~!」

トリッシュ「……嬉しい」

ナランチャ「///」

トリッシュ「……あなたに手伝ってもらいたい事がある」

ナランチャ「んっ?急にどうしたんだ~?」

トリッシュ「実は『未来への遺産』でクリアできないステージがあるの」

ナランチャ「えぇ?あれ、そんなに難しいステージあったっけ?」

トリッシュ「うん……そのせいで隠しキャラが全て出せなくて困っている」

ナランチャ「俺は毎回、裏技コマンドで出してた気がするぜ」

トリッシュ「……そういうのは使いたくない。だからあなたにそのステージをクリアしてもらいたい」

ナランチャ「まぁ、そういう事なら、俺に任せときなっ!なんたって俺は格ゲーマーだからな!」

トリッシュ「ありがとう」

ーーーーー


ナランチャ「えっ、えっ?何、これ?こんなステージあったっけ?」

トリッシュ「うん、難しくて私にはクリアできないの」

ナランチャ「え~っと……コレ、どうしたらいいんだ……?」

トリッシュ「えっ……?」

ナランチャ「い、いやぁ~、俺対戦しかしてなかったからよォ~」

トリッシュ「……右下に小さな画面があるでしょ?」

ナランチャ「お、おう……これだな……?」

トリッシュ「それと同じ画面の場所を大きな画面の中から探すの」

ナランチャ「なるほど……って事はここか?……あれっ?」

トリッシュ「鏡になってるから気をつけて!」

すまんねASBの紹介ややりとりはこのスレにはもうないよ

ナランチャ「え~っと……鏡になってるって事は……ここか……!?」

トリッシュ「……違う」

ナランチャ「あ、あれ?何でだ!?じゃあ、ここか……!?」

トリッシュ「……そこも違う」

ナランチャ「じゃあ……ここだっ……!あれっ……!?」

トリッシュ「……ゲームオーバー」

ナランチャ「も、もう一回やらせてくれっ!次は絶対クリアするからよォ~!」

トリッシュ「……うん」

数時間後ーー


ペリーコロ「いや~、今日仕事はここまでにしておくかの~、……んっ?」


ナランチャ「ここだっ!?」

トリッシュ「……」

ナランチャ「くそっ!なんで違うんだよ!ちくしょおおおおーーッ!」

トリッシュ「……」

ナランチャ「よくも!よくも!よくも!ブッ殺すッ!ブッ殺すッ!ブッ殺すッ!」カチカチ

トリッシュ「……」

ナランチャ「エアロスミスッ!」カチカチ

トリッシュ「……」


ペリーコロ「……ナランチャ君、君はトリッシュを放ったらかしにして何をしとるんじゃ」

ナランチャ「あっ……ペリーコロさん……」

ペリーコロ「ナランチャ君……ワシはトリッシュと遊んでやってくれと頼んだんじゃ」

ナランチャ「あっ……!」

トリッシュ「……」

ペリーコロ「何を君が一人で楽しくゲームしとるんじゃ」

ナランチャ「あっ、うっ……す、すいません……」

ペリーコロ「……トリッシュ、すまんな。退屈じゃっただろ?」

トリッシュ「……」

ナランチャ「う、うっ……」

トリッシュ「……最初は楽しかった」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「『ASB』で遊んでた時は楽しかった……」

ペリーコロ「ふむ」

トリッシュ「でも、『未来への遺産』の頭を使うパズルゲームをし始めた時から……」

ペリーコロ「ふむ」

トリッシュ「彼は急にイライラして……周りが見えなくなって……」

ナランチャ「うっ……!」

トリッシュ「……私は退屈だった」

ーーーーー


ナランチャ「……ただいま」

ブチャラティ「おう、ナランチャ。どうだった?」

フーゴ「ペリーコロさんに失礼はありませんでしたか?」

ナランチャ「……俺、今日はもう寝るよ」

ブチャラティ「えっ?」

フーゴ「これから夕食ですよ?」

ナランチャ「今日は……食欲がねぇんだ……じゃあ、おやすみ……」

ブチャラティ「どうしたんだアイツ……?」

フーゴ「……さ、さぁ?」

ナランチャの部屋ーー


ナランチャ「あ~ぁ……失敗しちまったなぁ……」

コンコン

ナランチャ「あんな可愛い子の前で失敗しちまって……」

オーイ、ナランチャ

ナランチャ「やっぱり、あのパズルゲームが原因だよなぁ……」

ナランチャ、ハイルゾ

ナランチャ「やっぱり勉強できねぇとダメなのかなぁ……はぁ……」

ガチャ

ナランチャ「ん?」


ミスタ「何だよ、起きてるなら返事ぐらいしろよ、ナランチャ~?」

ナランチャ「何だよ!ミスタ、入る時はノックぐらいしろっての!」

ミスタ「ノックはしたっての、お前がうわの空だっただけだろが」

ナランチャ「そ、それで何の用なんだよ……?」

ミスタ「いや、会計の仕事が終わってな、ブチャラティ達がお前の様子が変だって言ってたからさ?」

ナランチャ「はぁ?」

ミスタ「ちょっと様子を見に来たんだんだよ?何か、あったのか?」

ナランチャ「ちょっと待てよ!?会計の仕事!?ミスタが!?」

ミスタ「何でそんな変な所食いつくんだよォ~?」

ナランチャ「変な所って……ミスタも俺と同じくらいバカじゃねぇかよっ!?」

ミスタ「あぁ……まぁ、それには事情があってな……」

ナランチャ「?」

ミスタ「そんな事より……今はお前の話だよ?」

ナランチャ「?」

ミスタ「……ペリーコロさんの所で何かあったんだろ?」

ナランチャ「!」

ミスタ「俺で役に立つかどうかはわかんねぇけどよォ~、相談くらいなら乗れるぜ?」

ナランチャ「うぅ……」

ミスタ「……だから、話ぐらいは聞かせろよ?ブチャラティ達も皆心配してるぜ?」

ナランチャ「うぅ……実は……」

ーーーーー


ミスタ「ふ~ん……そんな事があったのか……」

ナランチャ「……うん」

ミスタ「流石に幹部の前での失態はなぁ……」

ナランチャ「……うん」

ミスタ「ギャングだからって、やっぱりこれからの時代、頭も使えねぇとなぁ……」

ナランチャ「……うん」

ミスタ「それに……」

ナランチャ「?」

ミスタ「その可愛い子の前では格好悪い所見せたくないよなぁ~ ?」ニヤニヤ

ナランチャ「!」


No.5「ミスタ、コイツ、ハツジョーキ!」

ミスタ「うるせーぞッ!No.5!」

ミスタ「よ~し、そんなお前にいい話ある!」

ナランチャ「……いい話?」

ミスタ「それはだな……この『進研ゼミ』だ」

ナランチャ「進研ゼミィ~?何だ、それ?」

ミスタ「この『進研ゼミ』てのは自分のレベルに合わせた学習ができる通信教育教材なんだ」

ナランチャ「通信教育ゥ~?」

ミスタ「あぁ、『赤ペン先生』って人がいて、自分の間違えた所や不得意な所を優しく丁寧に教えてくれるんだ」

ナランチャ「へぇ~」

ミスタ「それにだな、なんと今申し込むと、この『イギーカバーノート&ペン』が貰えちまうんだぜ?」

ナランチャ「うわっ!なんだそれ!凄ェ、欲しいっ!」

ミスタ「実はだな、俺がブチャラティに会計の仕事を任されるようになったのも、この『進研ゼミ』のおかげなんだ」

ナランチャ「そうなのか?」

ミスタ「あぁ、自分のレベルに合わせた学習ができるから、最も効率がよく学習が出来るのさ」

ナランチャ「へぇ~」

ミスタ「実は俺も始めて三ヶ月しか経ってないんだぜ?」

ナランチャ「えっ!?たった三ヶ月でそんなに効果が出るもんなのか!?」

ミスタ「あぁ、それが『進研ゼミ』の凄い所なんだ!」

ナランチャ「凄ェ!俺もやってみようかな!?」

夕食時ーー


ナランチャ「あ、あのさぁ……?ブチャラティ……?」

ブチャラティ「ん……?どうしたナランチャ……?」

ナランチャ「お、俺も……ミスタのやってる『進研ゼミ』っての……やってみたいんだけどさぁ……?」

フーゴ「……大丈夫ですか?三日坊主になりませんか?」

ナランチャ「大丈夫だよォ~!ちゃんと三日坊主にならないで続けるよォ~!」

アバッキオ「お前……この『イギーカバーノート&ペン』が欲しいだけじゃねぇだろうな?」

ナランチャ「違うよォ~!俺も頭良くなりてぇんだよ~!」

ブチャラティ「……」

ナランチャ「頼むよ、ブチャラティ~!俺も進研ゼミがやりてぇよ~!」

ブチャラティ「……」

フーゴ「ブチャラティ、どうします……?」

アバッキオ「今回は本気みたいな気がするけどな……?」

ナランチャ「なぁ~?頼むよブチャラティ~!」

ブチャラティ「……三ヶ月だ」

ナランチャ「えっ?」

ブチャラティ「ミスタは三ヶ月で結果が出た。だからナランチャ、お前にも三ヶ月やらせてやる」

ナランチャ「や、やったっ……!」

ブチャラティ「……だが」

ナランチャ「?」

ブチャラティ「三ヶ月で結果が出なかった時は止めてもらうぞ」

ナランチャ「大丈夫だよ~!俺、今回は真剣だからさぁ~!」

それからーー


アバッキオ「おい、ナランチャ。早速、三日坊主なのか?」

ナランチャ「何言ってんだよ、アバッキオ?今日の分はもう終わったぜぇ~?」

アバッキオ「何?もう終わったのか!?」

ナランチャ「あぁ!進研ゼミは毎日たった30分の勉強で効率良く学習が出来るんだ!」

アバッキオ「……17+26=?」

ナランチャ「おいおいっ!バカにすんなよ?43に決まってるじゃねぇか!?」

アバッキオ「じゃあ……169+155=?」

ナランチャ「だからバカにすんなって!324だろォ~?」

アバッキオ「……フン、どうやらちゃんと勉強してる様だな」

ナランチャ「当たり前だろォ~?赤ペン先生がしっかりサポートしてくれてるんだからさ!」

それから数日ーー


フーゴ「では……ナランチャ……?問題を出しますよ……?」

ナランチャ「任せとけって!」

フーゴ「……16×55=?」

ナランチャ「へへへ……880だろォ~?」

フーゴ「何これ……?」

ナランチャ「へへへ……?当たってる?」

フーゴ「……」ザグゥッ

ナランチャ「あぎゃアアァーッ!」

フーゴ「このチンピラがオレをナメてんのかッ!何回教えりゃ理解できんだコラァ!」メシメシ

ナランチャ「アアアググ!」

フーゴ「ろくご30ってやっておきながら、なんで30より減るんだこの……」メシメシ


ブチャラティ「落ち着けフーゴっ!16×55の答えは880だっ!」

フーゴ「えっ……?あっ、そうですね……?この答え合ってますね……?」

ナランチャ「いでぇ……フォークがいでぇよォ~……」

フーゴ「ナ、ナランチャ……?申し訳ありません、いつもの癖で……つい……」

ナランチャ「いでぇ……誰か、俺の頬っぺのパーツを作ってくれよぉ……生命のパーツを作ってくれぇ……」

ブチャラティ「何を言ってるんだお前は」

フーゴ「も、申し訳ありませんっ……!今、ガムテープを取って来ますね……?」アセアセ

ナランチャ「……ったく、フーゴは赤ペン先生とは大違いだよォ~」

フーゴ「ア、アハハ……その赤ペン先生って人はどんな人なんですか……?」グルグル

ナランチャ「間違ってもフォークでブッ刺したりしないしよォ~……」

フーゴ「ア、アハハ……」

ナランチャ「それに人生相談にも乗ってくれたりするんだぜぇ~?」

フーゴ「えっ、そんな事もしてくれるんですか?」

ナランチャ「あぁ、スタンドの悩みや仕事の悩み……それに恋の悩みなんかも乗ってくれんだぜぇ~?」

フーゴ「えっ?ナランチャ、あなた恋とかしてるんですか!?」

ナランチャ「あっ!」

フーゴ「相手はどんな方なんです?聞かせて下さいよ!?ねぇ、ねぇっ!?」

ナランチャ「いやっ……あのっ……それはそのっ……」アセアセ


ミスタ「ニヤニヤ」

その頃赤ペン先生の自宅ーー


?「とおおるるるるるるるるる」

?「ん、どうした?」

?「ボス~、僕お腹が空きました。そろそろご飯にしませんか?」

?「うむ……では、この採点が終わったら食事にするか……」

?「しかしボス……毎日手紙書いてるみたいですけど、それ、何ですか……?」

?「うむ。元々我がパッショーネの学力低下問題が深刻な事だから始めたのだがな……」

?「やっぱり、これからの時代、ギャングもバカじゃできませんからねぇ?」

?「あぁ、その為に私の正体を隠す為に、こういう形でサポートをしてたのだが、今では何故か悩み相談なんかも来たりするのだよ……」

?「へぇ~」

?「しかし、この『ミスタ』と『ナランチャ』という子は凄いぞ!?信じられない速度で成長してるな!」

?「へぇ~、じゃあ、将来の幹部候補なんかになったりするんですか?」

?「……まぁ、それは実績にもよるな」


?「どうでもいいけど、この僕達の会話って、完全に部屋の隅っこで一人でブツブツ言ってるだけですよね、ボス?」

ーーーーーー


ブチャラティ「……よし」

フーゴ「どうしました、ブチャラティ?」

ナランチャ「結果は出てる様だし、ナランチャに会計の仕事をやらせてみるか」

ナランチャ「えっ!?マジ!?」

ブチャラティ「あぁ、だが……失敗許さんぞ……?」

フーゴ「ちょっとブチャラティ!まだ、早くありませんかねぇ!?」

ブチャラティ「大丈夫だ、そこまで難しい事はやらせん」

ナランチャ「やったぁ!これも赤ペン先生のおかげだ~!」

誰も気にしないだろうが四行目のセリフはブチャラティだな

アバッキオ「お~い、ナランチャ~?その『赤ペン先生』から手紙が来てるぞ~?」

ナランチャ「おっ!採点結果だな、待ってたんだよ!」

フーゴ「ねぇねぇ!?相手は誰なんですか!?聞かせて下さいよォ~?」

ナランチャ「も~う……フーゴはうるせぇなぁ……」

アバッキオ「それと……何か小包も届いてるぞ……?」

ナランチャ「えっ……?これは赤ペン先生からじゃねぇなぁ……何だろ……?」

フーゴ「ホルマリン漬けにされた輪切りの死体だったりして」

ナランチャ「何だよそれ!?あんまりビビらせんなよ……」

アバッキオ「これ……?お前の昔の友達じゃねぇか……?」

ナランチャ「あれ……?本当だ、今更どうしたんだろ……?」ガサゴソ

フーゴ「……手紙とゲームソフトが入ってますね?」

ナランチャ「え~っと、何々……『部屋の大掃除をしていたら、借りっ放しのゲームソフトが出てきました』」

アバッキオ「おい、これ、プレミアついてるソフト『ジョジョの奇妙な冒険~未来への遺産~』じゃねぇか?」

ナランチャ「『長い間、借りっぱなしにしててごめんなさい。でも、これをきっかけにナランチャ君とまた連絡が取り合える仲になれば嬉しいです』だって……」

フーゴ「大掃除シーズンでしたからね、ひょっこり出てきたんでしょう」


ナランチャ「うわ~、なんだか進研ゼミを始めてから、全てが上手くいってるような気がするなぁ~!」

数日後ーー


ブチャラティ「おい、ナランチャ、ペリーコロさんからご指名だ」

ナランチャ「……えっ?」

ブチャラティ「女の子の相手をして貰いたいらしい」

ナランチャ「えっ、えっ……?」

ブチャラティ「お前をご指名らしい」

ナランチャ「何だ……?嫌なのか……?」

ナランチャ「い、いやっ……!大丈夫っ!俺、行くよっ!」

ブチャラティ「そうか……あっ、はい、では今から向かわせます……はい……」

ナランチャ「ドキドキ」

ーーーーー


フーゴ「彼……ペリーコロさんに気に入られたんでしょうかね……?羨ましいなぁ……」

アバッキオ「まぁ、出世だけが全てがじゃねぇって。俺はブチャラティの下でやるのが気に入ってるぜ?」

ブチャラティ「……ところで、だ」

フーゴ「?」

アバッキオ「どうしたんだ、ブチャラティ?」

ブチャラティ「空港仕切ってる『涙目のルカ』いるだろ……ヤツがさっき変死体で見つかったらしい……」

フーゴ「!」

アバッキオ「!」


ミスタ「お~い、ブチャラティ~!何か、客が来てるぞ~?」

>>46も間違ってんなぁ……

ブチャラティ「お前を御指名らしい……嫌なのか……?」

にしておいてくれ
ニュアンスでわかるもんなんだろうけどね

ーーーーー


ナランチャ「あっ、ペリーコロさん……どうも、こんにちは……」

ペリーコロ「おう、ナランチャ君、待っておったよ」

ナランチャ「あっ、この前は……すいませんでした……」

ペリーコロ「う~ん……その事だがのぉ……」

ナランチャ「……はい」

ペリーコロ「……正直、ワシは君の事を信用しておらんのだが」

ナランチャ「うぅ……」

ペリーコロ「……何故かトリッシュがどうしても君がいいと言い出してのぉ」

ナランチャ「……えっ?」

ペリーコロ「どうやら前回、君と遊んだ……え~っと、あのソフト何だったかの……?」

ナランチャ「『ジョジョの奇妙な冒険ASB』ですね」

ペリーコロ「そうそう、そのゲームソフトでの対戦がよっぽど面白かったらしくてな」

ナランチャ「……は、はぁ?」

ペリーコロ「どうしても君を呼んで欲しいと言って聞かんのだよ。まぁ、今日はよろしく頼むよ?」

ナランチャ「は、はいっ……!わかりましたっ……!」

ペリーコロ「……今回は前回の様に、君一人で楽しむんじゃないぞ?」

ナランチャ「は、はいっ……!わかってますっ……!」

ーーーーー


ナランチャ「や、やぁ……?」

トリッシュ「……あなたを待ってた」

ナランチャ「えっ……?」

トリッシュ「ほら、『ヴァニラ・アイス』や『リサリサ』……全てダウンロードしたの」

ナランチャ「あっ、本当だっ!DLコンテンツが全部使えるようになってる!?」

トリッシュ「……この『重ちー』というキャラは面白い」

ナランチャ「えぇ~、重ちー弱くねぇか?それならディアボロ使っておいた方がいいと思うぜぇ~?」

トリッシュ「私はキャラ性能より、自分の好きなキャラを使いたい。さぁ、始めましょう?」

ナランチャ「……」

トリッシュ「?」

ナランチャ「……」

トリッシュ「……どうしたの?」

ナランチャ「……あ、あのさぁ?」

トリッシュ「うん」

ナランチャ「俺さぁ……?友達に借りパクされってた『未来への遺産』がこの前、返ってきたんだよね……?」

トリッシュ「そうなんだ?それはいい事」

ナランチャ「そ、それでさぁ……?」

トリッシュ「?」

ナランチャ「俺、家でこの前の鏡のステージ練習してきたからさぁ……?」

トリッシュ「……うん」

ナランチャ「……良ければ、一回やらせてくんねぇかな?」

トリッシュ「……」

ナランチャ「……ダ、ダメかな?」

トリッシュ「……大丈夫?」

ナランチャ「今回は絶対大丈夫だよっ……!」

トリッシュ「……わかった」


ナランチャ(大丈夫っ……!大丈夫だっ……!俺は赤ペン先生に鏡の特別問題作ってもらったんだっ……!)

ーーーーー


トリッシュ「……最初は大きい岩が目印ね」

ナランチャ「え~っと、大きい岩なら……ここだッ……!」

トリッシュ「……凄い、正解。次は目立った目印がない」

ナランチャ「い、いやッ!サソリがいるからわかるぜッ!」

トリッシュ「……えっ?」

ナランチャ「そこだッ!エアロスミス!」

トリッシュ「……凄い、また正解。でも次は目立った目印もサソリもいない」

ナランチャ「く、くそぉ……」

トリッシュ「これは難しい……大丈夫……?」

ナランチャ「……あ、あれ?」

トリッシュ「……どうしたの?」


ナランチャ(あっ!この問題、進研ゼミで出たヤツだッ!)

ナランチャ「答えはそこだぁ!エアロスミスっ!」

トリッシュ「……凄い。本当にクリアした」

ナランチャ「へ、へへへ……」

トリッシュ「……素敵」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「ううん、なんでもない、ありがとう。これで隠しキャラが出せる」

ナランチャ「お、おう……!」


ペリーコロ「あぁ~!全く、忙しいのぉ~!」

ナランチャ「……ん?」

ペリーコロ「全く!なんでこんなに会計の仕事が多いんじゃっ!ワシは文系だっつーのっ!」

トリッシュ「……ペリーコロさん、どうしたのかしら?」

ナランチャ「……何か、仕事が忙しいみたいだね?」

ペリーコロ「だぁ~!電卓が壊れたわいっ!クレイジー・Dはどこじゃっ!?東方仗助、出てこいっ!」

トリッシュ「……」

ナランチャ「……」

ペリーコロ「もういいっ!そろばんはどこじゃっ!?ワシ、そろばんでやるっ!」

ナランチャ「……あ、あのさぁ?」

トリッシュ「?」

ナランチャ「ちょっと、一人で『スーパーストーリーモード』やっててもらえるかな?」

トリッシュ「……えっ?」

ナランチャ「俺、ペリーコロさんの仕事、手伝ってくるよ?」

トリッシュ「ペリーコロさん、大変そうだし……私は構わないけど……?」

ナランチャ「『シークレットファイター』でわからないところがあったら、声かけてよ?俺、全部知ってるからさぁ?」

トリッシュ「う、うん……」

ナランチャ「それじゃあ、ちゃちゃっと終わらせてくるね?あの~、ペリーコロさぁ~んっ……!」

ーーーーー


ナランチャ「よっと……こんなもんで終わりかな……?」

ペリーコロ「いやぁ、すまんのぉ……?僅か30分で終わらせるとは……」

トリッシュ「ナランチャ……?私、ここの『シークレットファイター』の条件がわからない……」

ナランチャ「あぁ、そこはね……?敵の体力をギリギリまで減らすと挑発してくるから……」

ペリーコロ「……しかも、しっかりとトリッシュの相手をしながらときたもんだ。対した奴じゃ」

トリッシュ「挑発してきたよ?」

ナランチャ「そしたら、その後に時止めてくるから、止まってる最中にこっちも時を止めて倒してみて?」

ペリーコロ「ナランチャ君、こっちの仕事はもういい。後はトリッシュと遊んでやってくれ」

トリッシュ「……あっ、時止めの最中にもこっちのコマンド発動できるんだ?」カチカチ

ナランチャ「はいっ!」

数時間後ーー


トリッシュ「今日は凄く楽しかった。ありがとう」

ナランチャ「い、いやぁ……そんなに改まって言われると照れるなぁ……?」

ペリーコロ「ナランチャ君、ワシからも礼を言う。今日は助かったよ。どうだ、ワシ下で働いてみんか?」

ナランチャ「えっ……!?」

トリッシュ「それはいい考え。そうすれば、私も毎日あなたと遊べる」

ナランチャ「い、いやっ……あのですねぇ……?」アセアセ

ペリーコロ「どうする?ワシの下で働いてみんか?」

ナランチャ「じ、自分はっ……!」

トリッシュ「?」

ナランチャ「ブ、ブチャラティの下で働く事に誇りを感じておりますっ……!」

ペリーコロ「……ふむ」

ナランチャ「こ、この話っ……!有難い話ですが受けれませんっ……!」

トリッシュ「……」

ナランチャ「も、申し訳ありませんっ……!」

ペリーコロ「ハハハ!何を本気にしておるんじゃ!ブチャラティに人徳がある事は知っとるよ!冗談じゃ」

ナランチャ「……冗談っすかぁ~?」アセアセ

ペリーコロ「まぁ、これからもちょくちょくトリッシュの元には来てもらうがね」

ナランチャ「あっ、それぐらいなら……いつでも呼んで下さい……」

ペリーコロ「……しかし、ナランチャ君よ」

ナランチャ「?」

ペリーコロ「その忠義……忘れるでないぞ……?」

ナランチャ「……えっ?」

ペリーコロ「下っぱの君が忠誠を誓う相手は、ブチャラティだ……幹部のワシではなく、な……」

ナランチャ「は、はい……」

ペリーコロ「そうする事で君の能力が最大限に生かされる」

ナランチャ「はい……」

ペリーコロ「そんな君を……一つ上のブチャラティが纏め……それを幹部のワシが纏め……」

ナランチャ「はい」

ペリーコロ「そして、それをボスが纏める。パッショーネはそうやって成り立っている」

ナランチャ「……はい」

ペリーコロ「全ての人間の能力を引き出せないギャングなど、ただの荒くれ者の集まりじゃ」

ナランチャ「……」

ペリーコロ「組織の何処かでズレが生じる事もあるかもしれん……」

ナランチャ「……」

ペリーコロ「誰に従えばいいのかわからなくなる事もあるかもしれん……」

ナランチャ「……はい」

ペリーコロ「……しかし、そういう時は」

ナランチャ「?」

ペリーコロ「自分が『正しい』と思った道……自分の『信じられる道』を歩んでいくのじゃ」

数日後ーー


フーゴ「だから『花屋のおやじ』の件はどういう事なんですか!?ミスタっ!?」

ミスタ「だから~、ど~言えばいいのかなあ~?」

フーゴ「あなた、進研ゼミやってるんでしょう!?ちゃんとわかりやすく説明して下さいよ!?」

ミスタ「だから~……スタンドが『石』で、ね……?『石』を破壊できたから、全てはもう終わったことなんだけどね……?」

フーゴ「もっとちゃんと順序を組み立てて話して下さいっ!何で、スタンドの話が今出てくるんですか!?」

ミスタ「だからぁ~?」


ブチャラティ「……なんだ?お前達、まだやってんのか」

フーゴ「あっ、ブチャラティ、おかえりなさい」

ミスタ「ねえ、ブチャラティ?オレが『花屋の主人』に直接伝えますよ……フーゴ、物分り悪くてさぁ?」

ブチャラティ「……いや、フーゴづてにしてくれ。正直、お前の話はさっぱりわからん」

フーゴ「ブチャラティ……あんたのためならなんでもするが、こいつの話なかなか理解出来ませんよ……?」

ミスタ「いや、だからさぁ~?」

ブチャラティ「どうだ?フーゴ、お前も進研ゼミやってみるか?」

フーゴ「僕がやるより、こいつに二倍の量やらせた方が効率がいいと思いますよ?」

ミスタ「だから『花屋のおやじ』の件はさぁ~?」

フーゴ「ところで、ブチャラティ?『涙目のルカ』の件はどうだったんですか?」

ブチャラティ「……あぁ、それはだな」

フーゴ「?」

ブチャラティ「まぁ、適当に上にはごましておくさ」

フーゴ「……殺った人間がわからない、と?」

ブチャラティ「いや、これもまた面倒な問題でな……?とりあえず、俺が報告書を纏める事にする」

フーゴ「はぁ……?」

ブチャラティ「……ところで、だ」

フーゴ「?」

ブチャラティ「俺達のチームにメンバーが一人加わる事になるかもしれん」

ミスタ「へぇ~?ブチャラティ、いつ来るんだ?」

ブチャラティ「正確には今『ポルポの試験』を受けてる最中でな、それをクリアできれば俺達のチームに加わる事になるだろう」

アバッキオ「……フン」

フーゴ「……ブチャラティ?」

ブチャラティ「どうした?」

フーゴ「そいつはあんたの信頼を得たのかもしれませんが、僕達の信頼を得るかは別ですよ……?」

アバッキオ「……まぁ、俺達には俺達なりに試させてもらうぜ?」

ブチャラティ「……好きにするがいい」

ミスタ「結構、俺は楽しみにしてるけどな!面白い奴がくるといいな!?」

フーゴ「……ミスタは呑気ですねぇ?」

アバッキオ「まぁ、もし……その新入りが来るような事があれば……」

フーゴ「?」

ミスタ「?」

アバッキオ「俺なりの『面白い入団試験』をしてやるからよ……?楽しみにしておくんだな……」

フーゴ「アバッキオ……下ネタじゃないでしょうね……?」

ミスタ「いやっ!俺はアバッキオの下ネタ好きだぜぇ!?なぁ、何するつもりなんだ!?」

アバッキオ「それは本番までのお楽しみだ……ブチャラティも邪魔すんじゃねぇぞ?」

ブチャラティ「……好きにしろ。ところでナランチャはどうした?」

フーゴ「あぁ、ナランチャなら、またペリーコロさんの所に行ってますよ?」

ーーーーー


ナランチャ「よっ、たっ!よしっ!」カチカチ

トリッシュ「……」カチカチ

ナランチャ「やったぁ~!これで10連勝だな!」

トリッシュ「……」

ナランチャ「あ、あれ……?」

トリッシュ「……」

ナランチャ「……ひょっとしてつまんない?俺もコーイチ君とか弱キャラ使った方がいいかな?」アセアセ

トリッシュ「……接待プレイをされるのは好きじゃない」

ナランチャ「お、おう……」

トリッシュ「それに、あなたみたいな人と対戦するのは楽しい」

ナランチャ「えっ……?そ、そう……?」

トリッシュ「強い人に負けるのも、格闘ゲームの醍醐味。だからあなたは、そのまま続けて……?」

ナランチャ「お、おう……わかったよ……」

トリッシュ「……さぁ、もう一戦。次は必ず勝つ」

ナランチャ「……」

トリッシュ「……どうしたの?」

ナランチャ「……あ、あのさぁ?」

トリッシュ「?」

ナランチャ「君……何か、悩みでもあるの……?」

トリッシュ「……えっ?」

ナランチャ「いや、いつもに比べて今日は無口な気がするからさぁ……?」

トリッシュ「……」

ナランチャ「そ、それとも、やっぱり俺、つまんない……?」

トリッシュ「……」

ナランチャ「……」

トリッシュ「……違う」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「あなたとこうしている空間はとても居心地がいい」

ナランチャ「本当……?」

トリッシュ「……だけど」

ナランチャ「……だけど?」

トリッシュ「たまにはテレビゲーム以外の事をしてみたい」

ナランチャ「う~ん……だったら、何処かに遊びに行ってみる……?」

トリッシュ「……それはダメ」

ナランチャ「?」

トリッシュ「……私はペリーコロさんに外出を禁じられている」

ナランチャ「え、どうして……?」

トリッシュ「理由はよくわからない……」

ナランチャ「……」

トリッシュ「ペリーコロさんは、ミネラルウォーターもイタリアンヴォークもストッキングも、私の欲しい物は全て買って来てくれる……」

ナランチャ「……」

トリッシュ「だけど、やっぱり、自分でお店で選びながら、洋服を買ってみたい……」

ナランチャ「ふ~ん……まぁ、女の子って服屋さんで色々見てる時って楽しそうだもんなぁ~?」

トリッシュ「……うん」

ナランチャ「よしっ!」

トリッシュ「?」

ナランチャ「俺がペリーコロさんに外出許可もらえるどうか、聞いてきてやるぜ?」

トリッシュ「……えっ?」

ナランチャ「それでさ?二人でショッピングとか行こうよ!?美味しいピッツァのある店とか、俺知ってるからよ!」

トリッシュ「……気持ちはとても嬉しい。だけど、無理だと思う。私も何度もお願いしたもの」

ナランチャ「まぁまぁ、聞いてみねぇとわかんねぇって!あっ、ペリーコロさぁ~んっ……!」

トリッシュ「……」

ーーーーー


ナランチャ「……という訳で、トリッシュに外出許可を下さいっ!」

ペリーコロ「……」

ナランチャ「お願いしますっ!」

ペリーコロ「……それは、トリッシュの希望かね?」

ナランチャ「はいっ!それに、理由はわかりませんが、年頃の女の子がこういった場所に缶詰めなのは、僕もよくないと思いますっ!」

ペリーコロ「……う~む」

ナランチャ「ペリーコロさんっ、お願いしますっ!」

ペリーコロ「……ナランチャ君」

ナランチャ「は、はいっ!」

ペリーコロ「……君にだから、話す。この話は他言無用だぞ?」

ナランチャ「えっ?」

ペリーコロ「ブチャラティにさえもだ……わかったね……?」

ナランチャ「えっ……急にどうしたんですか……?」


ペリーコロ「トリッシュはボスの娘の可能性があるのだよ」

ナランチャ「!」

ペリーコロ「そして……組織の裏切り者も彼女探しているとの情報も掴んでいる……」

ナランチャ「……裏切り者?」

ペリーコロ「あぁ、何人いるかわからないが、ボス倒して『麻薬のルート』の縄張りを乗っとろーとしてるヤツらじゃよ……」

ナランチャ「!」

ペリーコロ「ワシは、この仕事をポルポに引き継ごうかと思っておる」

ナランチャ「えっ?」

ペリーコロ「おそらく、トリッシュを探している奴らは『スタンド使い』じゃろう。ワシにスタンド能力はないからな」

ナランチャ「……」

ナランチャ「でも……そういう事だったら、こんな所にいるのも危ないんじゃ……!?」

ペリーコロ「……そこで、だ」

ナランチャ「?」

ペリーコロ「ポルポへの引継ぎが完了するまでの間、ナランチャ、君が彼女を護衛しろ

ナランチャ「えっ?」

ペリーコロ「ワシが彼女をかくまっているという情報も漏れ始めているかもしれん」

ナランチャ「……」

ペリーコロ「スタンド能力を持たないワシより、君の方がこの仕事をは適任だろう」

ナランチャ「は、はいっ……!」

ペリーコロ「いいか、ナランチャ!ポルポへの引継ぎが完了するまで『ボスの娘護衛する事』『命を賭けて』」

ナランチャ「は、はいっ!」

ペリーコロ「護衛は今より始まる!渡したぞ!ナランチャ」

ーーーーー


トリッシュ「……どうだった?」

ナランチャ「えっ……!?あの、それはその……」

トリッシュ「……やっぱりダメだった?」

ナランチャ(ど、どうするよ……?彼女を護衛って……俺、こんな重大な任務した事ねぇぞ……!)

トリッシュ「?」

ナランチャ(このアジトも情報が漏れてるって言ってたな……?ここから逃げた方がいいのか……?)

トリッシュ「……?」

ナランチャ(あぁ……でも、やっぱり動き回るのは危ねぇのか……?くそっ、こんな問題進研ゼミで習ってねぇよ……)

トリッシュ「……ナランチャ?」

ナランチャ「あ、あっ……え~っとね……?」

トリッシュ「……やっぱり、外出許可貰えなかった?」

ナランチャ「あっ……!いやっ、貰えたよ……!?」

トリッシュ「えっ、本当っ!?」

ナランチャ「あ、あぁ……」

トリッシュ「じゃあ、早速出かけましょうよ?私、お洋服見に行きたいわ」

ナランチャ「あっ……それは、ね……?」

トリッシュ「?」

ナランチャ「……今日はもう遅いし、出かけるのはまた明日にしようよ?」

トリッシュ「……まだ夕方じゃない?」

ナランチャ「いやっ!やっぱり、昼の方が人が多いし、目立ちにくいと思うしさ?」

トリッシュ「?」

ナランチャ「そ、それに……俺、ランチの美味しい店も知ってるから」

トリッシュ「……わかった。じゃあ、次に貴方が来てくれる時に出かけるのね?」

ナランチャ「お、おう……!そういう事になるなっ……!」

トリッシュ「……それで、貴方は次はいつ来てくれるの?」

ナランチャ「あっ……!それは……」

トリッシュ「?」

ナランチャ「俺さぁ、今日はここに泊まっていくからさぁ……?」

トリッシュ「……えっ?」

ナランチャ「いや、なんかペリーコロさんが泊まって行けって言うから、ね……?」

トリッシュ「そうなの?じゃあ、明日もあなたはここにいるのね」

ナランチャ「う、うん……」

トリッシュ「……嬉しい」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「明日、出かける事が出来るのね?」

ナランチャ「えっ……?あっ、そういう事ね……?」

トリッシュ「美味しいランチのお店に連れて行ってね?」ニコッ

ナランチャ「お、おうっ……!」

ーーーーー


ナランチャ「……という事で、今日は俺、ここで泊りがけで護衛します」

ペリーコロ「……まぁ、スタンド能力を持たないワシより、君が側にいた方が安全じゃな。好きにするがいい」

ナランチャ「は、はいっ……!」

ペリーコロ「……ところでナランチャよ?」

ナランチャ「はい?」

ペリーコロ「お前、何処で寝るつもりなんだ?」

ナランチャ「……えっ!?」

ペリーコロ「ここにはお前の分のベッドはないぞ?どうするつもりなんだ?」

ナランチャ「!」

ペリーコロ「トリッシュに手ぇ、出す気じゃないだろうな~?うわっ、助平~」ニヤニヤ

ナランチャ「い、いやっ……!そんな事はアリマセン……!」

ペリーコロ「ボスの娘に手ぇなんか出したら、おっかないぞ~?うわっ、ワシ知~らないっと」

ナランチャ「い、いえっ!大丈夫ですっ!俺を信用して下さいっ!」

ペリーコロ「十代の頃の性欲って凄いからのォ~、ど~だか?」ニヤニヤ

ナランチャ「い、いえっ!俺は大丈夫ですっ!」

ペリーコロ「ワシも十代の頃は凄かったんじゃぞ?ねぇ、ワシが一晩で8人の女を相手した話聞きたい?」

ナランチャ「い、いえっ……!間に合ってますっ!」

ペリーコロ「え~、そう言わずに聞いてよ~?あれはな……ワシがまだノーヘルで単車を乗り回している時の話でな……?」

ナランチャ「は、はぁ……」

ーーーーー


トリッシュ「それじゃあ、ナランチャ……おやすみ……」

ナランチャ「お、おぅ!おやすみ……」

トリッシュ「……明日」

ナランチャ「……ん?」

トリッシュ「明日楽しみにしてるからね?」

ナランチャ「お、おう……!ランチ楽しみにしててくれよっ……!」

トリッシュ「うん……なんだか……」

ナランチャ「……ん」

トリッシュ「……なんだかデートみたいだね?」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「ううん、何でもない。それじゃあ、おやすみ?」

ナランチャ「お、おう……!お、おやすみ……」ドキドキ

ナランチャ(な、何だよ俺……?急にドキドキしてよ……)

ナランチャ(これって……やっぱり、フーゴが言ってた……)

ナランチャ(……)

ナランチャ(違っ、違うっ……そうだよ、裏切り者が狙ってるかもしんねぇだよな)

ナランチャ(こんな任務した事ねぇから、キンチョーしてるだけだよっ……!きっとそうだっ……!)


ナランチャ(くそぉ~!ソファーは硬くて寝辛ぇよォ~)ゴロゴロ

翌日ーーー


フーゴ「いやぁ……たまげましたねぇ……?まさか、アバッキオの『入団試験』をクリアするとは……」

ミスタ「面白ぇ奴で良かったな!?なぁ、アバッキオ!」

アバッキオ「……」

フーゴ「しかし……彼、どうやったんでしょう?スタンド能力が気になりますね?」

ミスタ「案外、本当に飲んでたりしてな?」ゲラゲラ

アバッキオ「……そこまでクレイジーな野郎なら、尚更お断りだ。俺はまだ認めてねぇぞ」

フーゴ「も~う……アバッキオは手厳しいですね……」


ブチャラティ「……」ガチャ

フーゴ「あっ、ブチャラティ?どうしました、そんなに厳しい顔をして?」

ブチャラティ「あぁ……実は幹部のポルポがな……」

フーゴ「ポルポさんがどうしました?」

ブチャラティ「……いや、その話はまた後でしよう」

フーゴ「?」

ブチャラティ「明日、少し船で出かける事になる。準備をしておけ」

フーゴ「何か、あるんですか?」

ブチャラティ「……」

フーゴ「我々全員で……?」

ブチャラティ「……あぁ」

フーゴ「……あの、新入りも連れて?」

ブチャラティ「……あぁ」

フーゴ「それで……どういった要件なんですか……?」

ブチャラティ「……」

フーゴ「……」

ブチャラティ「……」

フーゴ「なるほど……わかりました。いつ何が起こってもいいような準備をしておきます」

ブチャラティ「……助かるよ」

フーゴ「しかし、ブチャラティ?」

ブチャラティ「どうした?」

フーゴ「ナランチャはいませんけど大丈夫でしょうか?」

ブチャラティ「そういえば、ナランチャの姿が見当たらないな……?あいつ、どうしたんだ?」

フーゴ「さぁ?何でもペリーコロさんの所に暫く泊りがけになるそうですよ?」

ブチャラティ「あいつ、そんなにペリーコロさんに気に入られたのか……?」

フーゴ「ペリーコロさん幹部だし、引き抜かれたりしませんかねぇ?僕、彼が裏切らないか心配ですよ?」

ブチャラティ「いや、その点は大丈夫だ……」

フーゴ「?」

ーーーーー


トリッシュ「ねぇ、ナランチャ?この洋服はどうかしら?」

ナランチャ「えっ……?あ、あぁ!似合うと思うよ……!?」

トリッシュ「……」

ナランチャ(エアロスミスのレーダー……大丈夫、辺りに不審な動きをしている奴はいねぇ……!)

トリッシュ「……じゃあ、こっちの服は?」

ナランチャ(大丈夫……!裏切り者にはまだバレてねぇ、はずだ……!)

トリッシュ「……ナランチャ?」

ナランチャ「んっ……?あ、ああっ……!それも似合うと思うよ……?」

トリッシュ「……」

ナランチャ(周囲の警戒……周囲の警戒を怠るな……!)

トリッシュ「……もう、ナランチャ、さっきからそればっかり」

ナランチャ「えっ、いや……あの~……」

トリッシュ「……それにさっきから、なんだか上の空」

ナランチャ「えっ!?い、いやっ、そんな事ないよ……!?」

トリッシュ「じゃあ、こっちの服とこっちの服……どっちがいいと思う……?」

ナランチャ「え、え~っと……それは……」

トリッシュ「もうっ!ちゃんと私を見て!」

ナランチャ「!」

トリッシュ「……」ジーッ

ナランチャ「え、え~っと……それは……ですね……?」

トリッシュ「……」ジーッ

ナランチャ「いやぁ~……あの~……」

トリッシュ「……」ジーッ

ナランチャ「お、俺……ファッションとか、あんまり詳しくねぇから、わかんねぇかなぁ~?」

トリッシュ「……」ジーッ

ナランチャ「やっぱり、君がさ……?自分で選んだ方がいいと思うよ……うん……」

トリッシュ「……じゃあ、ナランチャの好みは?」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「ナランチャはこっちの服とこっちの服、どっちが好き?」

ナランチャ「いやっ……!だから、俺ファッションセンスないしさぁ……?」

トリッシュ「ううん、センスなんか気にしないから。私はナランチャが喜ぶ服を着てみたいの」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「ねぇ?ナランチャはどっちの服が好き?」

ナランチャ「え、え~っとねぇ……?」

トリッシュ「……」ジーッ

ナランチャ「俺は……え~っと……」

トリッシュ「……」ジーッ

ナランチャ「……ピンク?」

トリッシュ「こっち?」

ナランチャ「……かなぁ?」

トリッシュ「わかった。じゃあ、試着してくるね?」

ナランチャ「いやっ……!俺、本当にセンスないよ……?」

トリッシュ「大丈夫」

ナランチャ「いやいやっ……!もうちょっと考えた方がいいよ?俺の服だって、ブチャラティに見たててもらってるんだから!」

トリッシュ「ううん、大丈夫。それにね……私も本当はこっちの方がいいかな、なんて思ってたの」

ナランチャ「えっ……?そ、そうなの……?」

トリッシュ「……ナランチャも同じ事思ってくれて、嬉しい」

ナランチャ「……えっ?」

トリッシュ「ううん、なんでもない。それじゃあ、試着してくるね?」

ナランチャ「お、おう……」ドキドキ


ナランチャ(何、俺ドキドキしてんだよ……!?そ、そうだ……!周囲の警戒をしなくちゃ……!裏切り者がいるかもしれねぇんだしな……!)

ーーーーー


トリッシュ「……どう?ナランチャ、似合ってる?」

ナランチャ「!」ドキッ

トリッシュ「……どうしたの?」

ナランチャ「えっ……?あっ、いやぁ……凄ぇ、可愛くて見惚れてた……」

トリッシュ「……えっ?」

ナランチャ「……んっ?」

トリッシュ「本当……?」

ナランチャ「あっ……!いやっ、違っ……!いや、違う事はないけど……!今のは何て言うかその……!」アセアセ

トリッシュ「ふふ、お世辞でも嬉しい。ありがとう」クスクス

ナランチャ「いや、お世辞なんかじゃなくて……あっ、でもその……」アセアセ

トリッシュ「それじゃあ、お会計してくるね?」

ナランチャ「あっ、大丈夫だよ?君が試着してる間に俺、済ませておいたから?」

トリッシュ「えっ?」

ナランチャ「俺、ブチャラティってリーダーからカード持たされてるからさぁ、プレゼントだよ」

トリッシュ「……でも」

ナランチャ「大丈夫だって~!経費で落とすからさ?俺、最近会計の仕事も任されてるから、誤魔化しておくって!」

トリッシュ「……本当?」

ナランチャ「減るもんじゃないし、受け取っておきなよ!」

トリッシュ「うん、ありがとう……」

ナランチャ「それよりさ!ご飯食べに行こうよ!?あまり同じ場所に居続けるのはマズいと思うしさぁ?」

トリッシュ「?」

ナランチャ「あっ……!違う違う!え~っと……俺、もうお腹ペコペコでさぁ……?」

トリッシュ「ふふ、変なナランチャ」クスクス

ナランチャ「それじゃあ、行こうか!?」

トリッシュ「……ナランチャ」

ナランチャ「……ん?どうしたの?」

トリッシュ「……」クイクイ

ナランチャ「?」

トリッシュ「……手」クイクイ

ナランチャ「手……?手がどうしたの……?」

トリッシュ「……手、繋ぎたい」

ナランチャ「えっ!?」

トリッシュ「……嫌?」

ナランチャ「えっ……あっ……!いや、嫌じゃないっ!繋ぎましょう!繋ぎましょうとも!」ギュッ

トリッシュ「///」

ーーーーー


ブチャラティ「……もしもし、ペリーコロさんですか?」

ペリーコロ「おう、ブチャラティかね?どうしたんだ?」

ブチャラティ「……明日、カプリ島へ来ていただきたいのですが」

ペリーコロ「ほ~う……いち組織のリーダーごときが幹部のわしを呼びだすなんて……ブチャラティ、偉くなったもんじゃのう……」

ブチャラティ「……いえ、決して損はさせないお話です」

ペリーコロ「……」

ブチャラティ「……」

ペリーコロ「冗談じゃよ。まぁ、君の所のナランチャ君には世話になっておる。行ってやろうではないか」

ブチャラティ「……ありがとうございます」

ペリーコロ「それに……そっちの用件も薄々わかっておる……」

ブチャラティ「……」

ペリーコロ「電話じゃ話せないような用件……じゃろ……?」ニヤリ

ブチャラティ「……はい」

ペリーコロ「それに……こっちも君に用件があってな……?」

ブチャラティ「……用件?」

ペリーコロ「電話じゃ話せないような用件……じゃ……」ニヤリ

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