ライナー「何を言っているのか全く理解できないんだが」

ミカサ「そう……突然話しかけて悪かった」ｼｭﾝ

ライナー「い、いや、そういう訳じゃなくてだな」

ミカサ「？」

ライナー「そのよ……友達が少ない宣言を俺にするのはどういう意図があってのことなんだ？」

ライナー「友達ならエレンやアルミンがいるだろ？」

ミカサ「エレンは家族、アルミンは娘」

ライナー「」ﾌﾞﾌ---ｯ

ミカサ「？」


ライナー「す、すまん、お前も冗談言うんだなｗｗ」ﾊﾊﾊ

ミカサ「冗談じゃない」ｷﾞﾛ



ライナー「……笑ってすまんかった」

ミカサ「大丈夫」

ミカサ「実は」

ライナー「？」

ミカサ「エレンが私に友達が少ないのを心配しているらしく」

ミカサ「友達を作るべきだと言われた」

ライナー（エレンもミカサに付きまとわれるのが面倒だったんだな）ﾊﾊﾊ


ライナー「だから今日はエレンと一緒に朝練してないのか」

ミカサ「そう」ｼｭﾝ

ミカサ「それで友達を作ってエレンを安心させようとしたのだけれど」

ミカサ「成績上位の私には皆近づきづらいのか、誰も寄ってこない」

ライナー（エレンに近づく奴全員にガン飛ばしてたらそうなるだろうな）

ミカサ「だから同じ悩みを抱えてそうな成績上位のライナー、あなたに相談しに来た」

ライナー「えっ」

ミカサ「友達が欲しい」

ミカサ「あなたの周りにはいつも誰かがいる」

ミカサ「そんなあなたなら友達の作り方も知っているはず」

ミカサ「ので教えてほしい」


ライナー「えーっと、……その」

ミカサ「駄目なら他を当たろう、別に断ってくれて構わない」

ミカサ「迷惑なのは分かっている。でも協力してほしい、エレンのためにも」

ライナー「……」

ミカサ「……」ｼﾞ--ｯ

ライナー「……」

ミカサ「……」ｼﾞ--ｯ


ライナー「そこまで頼まれたら断る理由もないな」ﾊﾊﾊ

ミカサ「!!　ありがとう」ﾊﾟｧ

ライナー（アレだけ睨まれたら断れないだろ普通）ﾊﾊﾊ

ミカサ「では、まず何をすればいい？」

ライナー「えっ？」

ミカサ「私は友達が欲しい」

ライナー「あ、あぁ、じゃあよ」

ミカサ「？」


ライナー「俺がお前とまず、その……友達になればいいんじゃないか？」

ミカサ「！」

ミカサ「ライナーがそれで構わないのであれば、もう人に頭を下げなくて済むのでうれしい」

ライナー（コイツにとっての友達って何だよ……）


ライナー「じゃあ俺たちこれから友達だな」ﾆｺｯ

ミカサ「えぇ、じゃあ今日の格闘術の授業よろしく」

ライナー「!!?」

ライナー「か、格闘術はレベルのあった相手とやった方がいいんじゃないか？」ｱｾ

ミカサ「エレンにライナーと友達であるということをアピールできるチャンス」

ミカサ「ライナーが嫌というなら私はエレンとは今日は組めないので、一人、寂しい寒い」



ライナー「……仕方ないなっ！組んでやるよ」

ミカサ「流石ライナー、持つべきは友達」

ライナー「じゃ、またな」

ミカサ「待って」ｶﾞｼｯ

ライナー「ん？まだ何かあるのか？」

ミカサ「何処へ行くの？」

ライナー「何処って……朝練で走りに行くんだが……」

ミカサ「……」

ライナー「ど、どうした？」

ミカサ「ライナーが走っている間、私はどうすればいい」

ライナー「えっ、まだ時間あるし今日の訓練の準備でもすればいいだろう？」

ミカサ「……エレンといた時は常にエレンと同じ行動をしていた」

ミカサ「ので、一人の時どうすればいいのか分からない」

ライナー「……」

ミカサ「……」


ライナー「じゃあついてこい」

ミカサ「いいの？」

ライナー「友達だろ？」

ミカサ「そうだった」

-------------------------------

ミカサ「ライナー、息が上がっている、ぺースを落とすべき」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「お、おぅ、先行っててくれないか？」（ミカサ速すぎだろ……）ﾊｧﾊｧ　ｾﾞｪ

ミカサ「いや、ライナーが心配」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「そ、そうか、じゃあぺース落としてくれ」ｾﾞｪﾊｧ

ミカサ「分かった」

ライナー「すまんな」（エレン気持ちが身に染みてわかるな……）ﾊﾊﾊ

ミカサ「……」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「……」ﾀｯﾀｯﾀｯ



ミカサ（会話が続かない……）ﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ（よく考えたらエレンやアルミン意外と話すのは久しぶりだ）ﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ（次はどんな話題を振ればいいのだろう？）ﾀｯﾀｯﾀｯ


ミカサ（そう言えば会話に詰まったときはとにかく相手を褒めればいいとこの前アルミンが言っていた）ﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ（試してみよう）ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー（苦しい……走っている間ずっと話しかけてくるから息が切れそうだ……）ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー（かといって黙れともいえんしな……）ﾊｧﾊｧ　


ミカサ「そう言えば」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「な、なんだ？」ﾀｯﾀｯ

ミカサ「エレンがこの前、ライナーはなかなかいいカラダをしていると言っていた」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ「あと、ここまで私のぺースについてこれたのも恐らくあなたが初めて、スゴイと思う」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「お、おぅ、あ、ありがとう」ﾀｯﾀｯ



ライナー（ミカサに言われてもうれしいのかうれしくないのか……）

------------------------------

ライナー「きょ、今日はこの辺で……ﾊｧﾊｧ、終わりにしようか」ｾﾞｪｾﾞｪ

ミカサ「大丈夫？」

ライナー「久しぶりに走ったって感じだな、疲れた」ﾊﾊﾊ

ミカサ「もし、私のぺースに合わせてくれていたのなら謝ろう」

ライナー「いやいや、むしろ久しぶりに誰かと一緒に走れてうれしかったぞ？」



ミカサ「そう、ならうれしい」ﾆｺ

ライナー「……おぅ」（死ぬかと思ったがな）

ライナー（汗でベトベトだな……）


ライナー「……じゃあそろそろ朝の配給も始まるし、俺は着替えてくる、またな」

ミカサ「待って」ｶﾞｼｯ

ライナー「……おいおい着替えはお前一人でもできるだろ？」

ミカサ「エレンは私やお母さんがいないとつい最近まで出来なかった」

ミカサ「服を脱がせてあげるのは友達のすることじゃないの？」

ライナー「マジか」

ライナー「で、でもお前はここに来てから着替えは一人でしてたんだろう？」

ミカサ「それは今まで友達がいなかったから」

ミカサ「それに友達以上の関係であるエレンもアルミンも服を脱がすのが下手、ので私は一人でやっていた」

ミカサ「でもこれからはあなたという友達がいる」

ライナー「お、おぅ、でも俺は一人でできるし、時間がないから今日はとりあえず自分で着替えようぜ？な？」

ミカサ「……あなたがそういうのなら、そうしよう」ﾊﾟｯ

ライナー「お、おぅ、じゃあな」

ミカサ「えぇ」



ライナー（ビビるわ、思ったより【ミカサの】友達は難しいな……）

----------------------------------------------
食堂　朝食

ベルトルト「おはようライナー」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ライナー「おぅ……」

ベルトルト「えらく疲れてるね……寝れなかったのかい？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ライナー「……ちょっとな」ﾊﾊ



ミカサ「おはようライナー……とベルトルト」

ライベル「!!!?」ﾋﾞｸｯ

「ミカサがライナーにおはようだってよ」

「珍しいですね、ミカサが自分から挨拶するなんて」

「ミカサまさかライナーと俺を間違ってるんじゃ……」

「ジャン、馬とゴリラはどう見たって違うよ」

ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ





ミカサ「隣、いい？」


ライナー「え、お、おぅ、別に構わんが」ﾁﾗ

ベルトルト「……」ﾀﾗﾀﾗﾀﾗﾀﾗ

ライナー「いつもの席じゃなくていいのか？」

ミカサ「あなたの隣がいい」

ライナー「お、おぅ」

ベルトルト（ﾅﾆｺﾚ、ライナーとミカサって付き合ってたの!!?さっきのセリフ半分告白に聞こえたよ!!）

ライナー「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ミカサ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ベルトルト「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ベルトルト（僕ここにいない方が正解なんじゃ……それにもしかしてライナーが疲れてる理由ってまさか）




ベルトルト「ライナー、君って奴は……」ﾎﾞｿ

ライナー「？」

ミカサ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ　　ﾁﾗ



エレン「次の座学の授業の課題見せてくれ!!!」

アルミン「自分でやりなよ」

エレン「友達だろ!!?なっ!!?」

アルミン「はぁー、いつもそれじゃないか」



ミカサ（ここでライナーと仲の良いアピールをすればエレンのところへ帰れるかもしれない）

ミカサ（頑張ろう）ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ミカサ「そういえば」

ライナー「ん？」

ミカサ「そういえば……」

ライナー「おぅ」



ミカサ（何も話す内容がない……）

ライナー「……」

ベルトルト（初々しいカップルだね）

ライナー「そういえば」

ミカサ「！」

ライナー「ミカサ、お前前の座学の授業エレンのことずっと見ててノート取れてないんじゃないか？」（いつものことだがな）

ベルトルト（ライナー、まさかエレンに焼き餅焼いちゃってる!!?）ﾓｸﾞﾓｸﾞ


ミカサ「アレはエレンが眠そうにしている貴重な場面を脳内HDに録画してただけ、授業の内容は頭に入ってる」

ライナー「でも次の授業でノート提出だぞ？」

ミカサ「！！　そんな話は聞いていない」

ライナー（やっぱり授業聞いてないじゃねぇか……）

ミカサ「アルミンに見せてもらう……いや、でもそうなるとエレンとの約束が……」

ライナー「後で俺の見るか？」

ミカサ「！！　それはライナーに悪い、とても悪いこと」

ライナー「でも俺たち友達だろう？」ﾆｺ

ミカサ「……そうだった、ではありがたく借りることにする」　

ライナー「おぅ」


ベルトルト（友達宣言とかライナー酷い!!!鬼畜外道!!!）ﾓｸﾞﾓｸﾞ

訂正　アルミンは娘⇒息子

タイピングミスです、すみません

アルミン「エレン」

エレン「ん？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

アルミン「やっぱり昨日ミカサ強く言いすぎたんじゃない？僕ら以外に友達作らないともう二度としゃべらないって」

アルミン「ミカサ、一人で今頃食べてるんじゃないかな」

エレン「……知らねーよ。あいつもそろそろ一人で生活できるようにならないと駄目なんだ」

アルミン「君がそんなこと言うようになったとは……ついこの間まで自分でｈ」

エレン「それとこれとは関係ないだろ？それによ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ　ﾁﾗ

アルミン「？」

ミカサ「そこの筋肉を鍛えるのはこのようなトレーニングをすると効果的」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ライナー「ほぉー、ためになるな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ミカサ「今度詳しく教えてあげよう」

ライナー「おぅ、よろしく頼む」ﾓｸﾞﾓｸﾞ





エレン「ミカサならライナーと仲良くなってるみたいだぞ？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

アルミン「……これは意外な相手だね」

ミカサ「ライナー」

ライナー「？」

ミカサ「米粒が付いている」　ﾋｮｲ　ﾊﾟｸ

ライナー「ちょ、おまっ///」

ベルトルト（定番ｷﾀ-!!!!）

ミカサ「？」

ライナー「そ、そういうのは友達にはやらないんだぞ///？普通」

ミカサ「でもエレンにはよくやっていた」

ライナー「エレンは家族、俺は友達、いいか？」

ミカサ「そういえばそうだった」




エレン「……」ﾁﾗﾁﾗ

アルミン（ミカサが気になるなら素直に言えばいいのに）ﾌﾌｯ

----------------------------------

　夜　　男子寮前

ミカサ「じゃあまた明日、朝練よろしく」ﾌﾘﾌﾘ

ライナー「お、おぅ、またな」ﾌﾘﾌﾘ




ライナー（格闘術のせいで体の節々が痛い、まぁ修復すりゃあいいか）

ライナー（……結局一日中べったりだったな、本当に友達がいないのか）

ライナー（でもこれじゃあ友達って言うより）



ジャン「お前いつの間に俺を出し抜いてミカサと付き合ってるんだ？」

ライナー「!?」ﾋﾞｸｯ

ライナー「な、なんだジャンか、どうした？」

ジャン「どうしたじゃねぇだろ！？今日のミカサとお前見てたら誰だっておかしいと思うぜ!?」

ジャン「お前ホモじゃなかったのかよ!?どうやってミカサを落としやがった!!?」

ライナー「ホモは余計だ」

ジャン「黙れゴリラ!糞野郎!俺のミカサを返せ!!!」

ライナー（これもう事情話した方が早いな……てか疲れたしさっさと寝たい……）






ライナー「これから話す話は誰にも言うなよ？」

ジャン「なっ、なんだよ」

ライナー「実は------」

------------------------------------

ジャン「そんな事だろうと思ったぜ!!!流石ライナー兄貴!優しい、超優しい!!」（付き合ってなかったのか!!ｼﾞｬｼﾞｬ--ﾝな感じだぜ!!）


ライナー「……やけに調子がいいな」

ジャン「まさかミカサが友達いなくて困ってたとはな……エレンの奴もこんなホモゴリラと友達になるように仕向けるなんて最低だな」

ジャン「……」（ん、待てよ？ということは）


ライナー「じゃあな、俺明日も朝早いから」

ジャン「ちょっと待てライナー！」ﾆﾔ

ライナー「？」

-----------------------------------------

　次の日　朝練

ライナー「という訳で俺の友達のジャンだ、今日朝練一緒にやろうってよ」

ジャン「よ、よろしく///」

ミカサ「よろしく、ジョン」

ジャン「ジャンです///」


ライナー（面倒くさくなりそうだな）ｳﾄｳﾄ

ミカサ（見たこともない……人語を話す賢い馬か、走るのが速そうだ）

ジャン（意外と嫌われてない!!?これはイケる！友達からの彼女作戦イケる!!）ｸﾞｯ




ライナー「よし、じゃあ今日も行くとするか」

ミカサ「今日はライナーのぺースに合わせよう」

ライナー「おぅ、すまんな」

ジャン「よっしゃーやってやるぜぇ!!!」ｳｫｵｵｵｵｵｵ

ミカサ「うるさい」

ジャン「しゅみません///」ﾃﾚ

ライナー（きめぇ……）

ライナー「……」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ「……」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ジャン「……」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ



ミカサ「ライナー」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「ん？」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ「昨日はノート貸してくれてありがとう、おかげで助かった」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「あー、字読めたか？」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ「大丈夫だった、だけど」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ライナー「？」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ミカサ「ノートの隅に自分とクリスタの相合傘を書いていたのは友達の私でも引いた」

ライナー「」



ジャン「」ﾌﾞﾌ---ｯ

ライナー「ちょ、笑うな!!!///あ、ああああれはちょっと、さ、その///」

ジャン「相合傘とかｗｗｗｗライナー、お前意外と乙女なのなｗｗｗ」

ミカサ「まぁ、でもあなたがクリスタが好きというのなら応援しようと思う」

ライナー「い、いや、別に好きじゃねぇから!!///」

ミカサ「じゃあノートの4ぺージ目に書いてあったあのポエムは……」

ライナー「あああああああああああああああああああああああああああああ」

ジャン「そんなところに書いておくなよｗｗｗｗｗ」ﾋﾋﾋ

ライナー「恥ずかしくて死にそう!!!」

ミカサ「安心して、誰にも見られないように消しておいた」

ライナー「それをここで言ったら意味ないだろ!!?」ｸﾜｯ

ミカサ「大丈夫、友達なら友達の弱みを握って何かしようとしたりしないはず」ｷﾞﾛ

ジャン「!!!　　　……あ、当たり前だろ!ﾊﾊﾊﾊ」




ジャン（何気にミカサと友達になれた!!ひゃっふぅー!!!!!）

ミカサ（正直うるさい人と友達になるのは不服だけど、友達のライナーのために我慢しなくては）

-------------------------------------
　食堂　朝食

ライナー「おはよう」

ミカサ「おはよう」

ジャン「おはよう」




ベルトルト（増えた……）

ジャン「ミカサ、お前はどこに座る？」

ミカサ「私はライナーの隣に座る、ジョンはベルトルトの隣に座るといい」

ジャン「……そっか（泣）」



ベルトルト（ジャンはライナーからミカサを奪還しようとしているけれど一歩及ばずって感じか）

ベルトルト（何これ楽しいｗｗｗｗ、楽しいけど）



ベルトルト「なおさら僕の居場所ないじゃん」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ジャン「呼んだか？」

ベルトルト「別に」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

アルミン「うわー、ストーカーのジャンまで向こう行っちゃったよエレン？」ﾁﾗ

エレン「ウザい奴がどこかへ行ってくれてせいせいするぜ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

アルミン「本当にミカサの事はいいの？」

エレン「……付きまとわれるよりマシさ」ﾓｸﾞ

アルミン「強がっちゃって」

エレン「別にー」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

風呂入ってくる

ミカサ（エレンがチラチラ見てきている）

ミカサ（でもあの感じを見るにまだエレンを安心させることはできてないみたい）ｼｭﾝ

ミカサ（どうすれば……）


サシャ「あれれぇ？なんだか珍しい四人ですね、隣いいですか？」

ライナー「サシャ、パンはやらんぞ？」

サシャ「だ、誰もそんなことまだ言ってませんよ!!!!!」ｱｾ

ジャン「『まだ』か」

サシャ「！　しまった」

ミカサ（！）


ミカサ「サシャ、パン、譲ろう」

サシャ「!!!?」

サシャ「いいんですか!!?」ｸﾜｯ

ミカサ「サシャと私の仲は友達の仲でしょ？」

サシャ「ん??」

ミカサ「友達、でしょ？」ｷﾞﾛ

サシャ「そ、そうですね!!!友達ですね!!」ﾊﾑﾊﾑﾊﾑﾊﾑｯ

ミカサ「おいしい？」

サシャ「ハイっ！おいしいです！」


ライナー・ジャン（友達にもいろいろな形があるんだな）

ミカサ「……」ﾁﾗ


エレン「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


ミカサ「……」ﾊｧ

ライナー「……」