灰原哀「このロリコン」夜神月「……!」(812)

某日、朝。気晴らしの散歩中。
視界は登校中の小学生達を捉える。

変わらない光景。つまらない日常。
でも、彼女の存在だけは違って見えた。

僕は確信する。彼女のことが好きだと。
彼女こそが――新世界の『女神』だと。

リュ「何ボソボソ言ってんだ、ライト?」

月「ああ……あれを見てくれ、リューク」

リュ「ん? あのガキ達がどうかしたか?」

月「中に、茶髪の女の子がいるだろう?」

リュ「茶髪……? ああ、確かにいるが」

月「早い話、僕はあの子に恋をした」

リュ「……!」

リュ「……おいおい。らしくねぇじゃねーか」

リュ「新世界の神が……恋に落ちるなんてよ」

月「だから言ったろ――『女神』を見つけたって」

リュ「……それで、お前はどうするつもりだ?」

月「もちろん、彼女にアプローチを仕掛けるつもりさ」

リュ「つまり……新世界の神は諦めるってことか?」

月「まさか。アダムとイヴ。2人で世界を創造するのさ」

リュ「そうか……まぁオモシロければ何でもいいが」

月「ところでリューク。最近はリンゴにご無沙汰だろ?」

リュ「そーいやしばらく食ってねーな。くれるのか?」

月「ああ……僕の言うとおりに動いてくれたらな」

リュ「ふっ。オレとお前の仲だ。お安い御用だぜ」

月「よし。じゃあ今から彼女を盗聴してきてくれ」

リュ「……盗聴? 会話を聞いてくるのか?」

月「そうだ。できる限り情報を集めてきて欲しい」

月「その“見えない体”を利用して、な」

◆登校中://某所◆

歩美「じゃあコナン君の好きな食べ物って?」

コナン「オレは……肉じゃがとかかな……」

歩美「へぇ~、そうなんだ~///」

コナン「元太はどうなんだよ? やっぱりうな重か?」

元太「オレ……実はうな重……嫌いなんだ……」

歩美「えええええ!? そうだったのぉ!?」

光彦「元太君からうな重を引いたら何が残るんですか!」

元太「ああ? 何だと光彦!? やんのかコラッ!?」

コナン「おいお前ら。喧嘩はやめろって」

灰原「ねぇ……江戸川君……ちょっといい?」

コナン「ん? どうした灰原?」

灰原「誰かに付けられてる気がしない?」

コナン「はぁ? 付けられてるだぁ?」

灰原「ええ。さっきから、妙な気配を感じるの」

コナン「妙な気配……ねぇ……」

コナン(やはり灰原も感じていたか……)

コナン(だが、コイツをこれ以上、心配させるわけには……)

コナン「……なぁお前……ちゃんと睡眠とれてるか?」

灰原「え……?」

コナン「疲れて神経質になってるだけだろ?」

灰原「で、でも……もし正体がバレてたら……」

コナン「だったらジンやウォッカが接触してくるはずだ」

コナン「ところが現に何もない。バレてない証拠さ」

灰原「だと……いいけど……」

コナン「心配すんなって。それに――」

コナン「いざという時は、オレが助けてやっからよ」

◆同刻://少し離れた場所◆

リュ「――だそうだ」

月「なるほど、苗字は“灰原”というのか……」

リュ「それにどうやら訳アリみたいだぜ」

月「確かに……“正体”ってのが気になるな」

リュ「気になるといえば、隣にいた奴もそうだ」

月「“江戸川”……だっけか」

リュ「ああ、恐らく名前は“コナン”――ブッ」

月「……おい、今、何で笑ったんだ?」

リュ「あ、ああ。すまん……つい……」

月「つい、じゃない。何故笑ったか聞いてるんだ」

リュ「次から気をつける。許してくれ」

月「超えちゃいけないライン、考えろよ」

リュ「……ああ、悪かった(……コンプレックスか)」

月「とにかく、コナンは“渾名”ということで話を進める」

リュ(まぁ、どっちでもいいけど……)

リュ(でも渾名ってのは強ち間違いじゃなさそうだ)

リュ(どういうワケか、あの2人だけは――)

リュ(“名前”と“寿命”が見えなかった)

リュ(奴らはもう人間じゃないのか……?)

リュ(それとも神を冒涜する何かをしたのか……?)

リュ(どちらにせよ、“正体”とやらに関係ありそうだ)

月「ん? どうしたリューク?」

リュ「……いや、なんでもない」

月「そうか。じゃあ帰るぞ」

リュ「え? もう彼女を追わなくていいのか?」

月「バカ。校内にまで入ったら、ただの変態だろう」

リュ「……確かに。学校名を知れただけで十分か」

月「ああ。帝丹小学校だ……よく覚えとけよ」

◆8時30分://夜神家◆

月「ただいま、母さん」

幸子「あら、ライト。おかえり」

月「今日はパートあるんじゃないの?」

幸子「今から行くところよ。そっちは学校いいの?」

月「創立記念日だって昨日も言ったじゃないか」

幸子「ああ、そうだったわね。最近忘れっぽくてやだわ」

月「ハハッ。じゃあ、いってらっしゃい、母さん」

幸子「いってきま――あ、ライト。粧裕をよろしくね」

月「粧裕? 学校に行ったんじゃないの?」

幸子「何か微熱があるみたいで、学校休ませたのよ」

月「微熱? わ、分かった。後で様子を見に行くよ」

幸子「ええ、お願いね。じゃあいってきます」

月「ああ、いってらっしゃい」

◆同刻://夜神家/ライトの部屋◆

『バサッ』

月「……ふぅ……」

ベッドで仰向けになるライト。
今朝の運命的出会いを振り返る。

月(僕は彼女に恋をした……)

月(でも彼女はまだ、僕を知らない)

なんとも一方通行な出会い。
でも道は通じてる。前進は可能だ。

月「ジンに、ウォッカ……か……」

リュ「そういえば話題に上がってたな」

月「会話から察するに――」

月「彼女は何らかの理由でその2人に追われている」

リュ「でもジンとかって確か、人間界の酒じゃなかったか?」

月「ああ、その通りだよ」

月「彼女らが勝手にそう呼んでるだけか――」

月「それとも、本当にそんなコードネームなのか――」

月「最悪、“追われてること自体”、妄想かもしれない」

リュ「ま、普通の小学生ならその線が妥当だろうよ」

月「だが、小学生の会話に聞こえなかったのも事実だ」

リュ「それはオレも思った。アイツらレベル高すぎだぜ」

月「どちらにせよ、調べてみる価値はありそうだな」

リュ「ジンとウォッカについてか?」

月「ああ。もちろん彼女についても、な」

月「……さて、パソコンを起動させよう」

Google「ジン ウォッカ 詳細」

月「……検索っと」

『カチカチッ』

月「……」

Google「灰原 帝丹小学校」

『カチカチッ』

月「……」

リュ「目ぼしい情報はなし……か」

月「だな……まぁ端から期待していないが」

月「一応、あのガキのことも調べてみるか」

Google「江戸川 コナン」

『カチカチッ』


≪江戸川コナン君、怪盗キッドから宝石を守る!≫


月「あん?」

リュ「なんかヒットしたな。怪盗キッドって誰だ?」

月「ただのコソ泥だよ。狙うものは宝石ばかり」

月「それも犯行予告なんてしやがるオールドタイプさ」

リュ「つまり犯罪者ってことか。ノートで殺さないのかよ?」

月「バカ。顔と名前が分かってたらとっくに裁いてる」

リュ「クックック。だよな。やっぱりライトはライトだ」

月「まぁ今は“コナン”についてだ。ちょっと記事を読ませてくれ」


≪殊勲のコナン君について、眠りの小五郎こと毛利探偵は≫

≪いやぁ~、私の教育の賜物ですかね、グハハハハ≫

≪とコメントしており、かなり上機嫌な様子が伺えた≫


月(毛利小五郎だと……?)

月(“江戸川コナン”と、あの名探偵に繋がりがあるのか?)

リュ「……結局、肝心の彼女については収穫ゼロか」

月「ああ。せめて名前くらいは知りたかったよ」

月「といっても、今から強引に調べてくるけどな」

リュ「強引? まさかお前、ハッキングするつもりか?」

月「ふふっ、その通りだよ」

リュ(マジかよ……たかが名前のために……)

月「今から、帝丹小学校のWEBサーバに侵入してくる」

月「学内のLANを駆け回れば、名簿くらい見つかるだろ」

リュ「……まぁ好きにしてくれ……オレは知らん」

月「ふふっ。リュークが思っているほど難しくないよ」

月「ウォーミングアップがてらに奪ってくるさ」

リュ(……ウォーミングアップ?)

◆その頃://帝丹小学校/コンピュータルーム◆

小林先生「はい、みんな。パソコンは起動できたかな?」

小林「出来てない人は手を挙げて先生を呼んでね」

\はぁ~い/\はぁ~い/\はぁ~い/

コナン「……最近は1年から情報の授業やるんだな」

灰原「良くも悪くも、時代の流れね」

コナン「ったく。ガキにネットを使わすとロクなことねーってのに」

灰原「それには同感だわ――って、どうしたの?」

コナン「この学校のコンピュータ、全部LANで繋がってやがる……」

コナン「校長のPCからWEBサーバ、職員のPCにファイルサーバまで……」

灰原「ふふっ、外部からハックされたら芋づる式ですっぱ抜かれるわね」

コナン「ああ。個人情報だだ漏れだ。大丈夫かよこの学校」

コナン「まぁ、オレ達には関係な――ん?」

コナン(妙だな……セキュリティソフトがフリーズしてる……)

◆その頃://夜神家/ライトの部屋◆

『カタカタ……ッターン!』

月「よし。侵入成功っと」

リュ「随分とチョロイもんだな」

月「ああ。それに校長のPCまで見れるぞ」

リュ「でも欲しいのは名簿だけだろ」

月「まあな。でも一応貰えるだけ貰っとくよ」

≪コピー中  62%  残り50秒≫

≪コピー中  71%  残り40秒≫

≪コピー中  79%  残り30秒≫

『ピピッ』

月「!!」

リュ「ん? おいライト。なんか鳴ったぞ?」

月「ちっ……どうやら反撃されたみたいだ」

月「応戦しないとマズい」

◆その頃://帝丹小学校/コンピュータルーム◆

『カタカタカタッ』

コナン「くっ、罠か! 気づかれちまった!」

灰原「ねぇ工藤君。さっきからどうしたのよ?」

コナン「説明は後だ! 奴を取り逃がしちまう!」

灰原「え? 本当に誰か侵入してきたの?」

コナン「ああ……奴らの可能性だってある!」

コナン「絶対に……逃してたまるかよ!」


◆その頃://夜神家/ライトの部屋◆

『カタカタカタッ』

月「くそっ、なんて素早い奴だ!」

リュ「クックック。なんか急に忙しくなったな」

月「静かにしてろリューク! 気が散るだろ!」

≪コピー中  100%  残り0秒≫

月「よし終わったか! このまま振り切るぞ!」

◆その頃://帝丹小学校/コンピュータルーム◆

『カタカタカタ……』

コナン「くっ……逃げられたか」

灰原「もしかして、負けちゃった?」

コナン「バーロー。相手は逃走経路まで用意してたんだ」

コナン「圧倒的にこちらの準備不足。実力の差じゃねーよ」

灰原「はいはい。でも、相手が誰か気になるわね」

コナン「ああ。オレ達を狙ってか、それともこの学校を狙ってか……」

コナン「まあ行動ログは取れたんだ。何かが分かるかもしれねぇ」

灰原「あら、凄いじゃない」

コナン「相手にとっても、オレの存在は想定外だったんだろう」

コナン「といってもデータは盗まれたし、IPは抜けなかったけどな」

灰原「それで、盗まれたデータは何だったの?」

コナン「生徒名簿と時間割、あと校長のPCのデータだ」

灰原「じゃあ本命は、校長のデータかしら?」

コナン「断定はできないが、その可能性は高いだろうな」


小林「こーら、2人とも。さっきから何話してるの?」


コナン「あ、ごめんなさい……えへへ」

コナン(後で校長のデータを見てみよう)

コナン(もしかしたら、何か分かるかもしれねぇ)

◆その頃://夜神家/ライトの部屋◆

リュ「結局、ライトが勝ったのか?」

月「ああ。ログを消し損ねたのが不満だが」

リュ「お前が失敗するなんて、相手はすげー奴だな」

月「ふん……別に大したミスでもない……」

リュ「で、彼女の名前は何だったんだ?」

月「“灰原哀”……帝丹小学校1年B組の生徒だ」

月「ちなみに“江戸川コナン”も同じクラスだったよ」

リュ「そうか……ん? 時間割まで取ってきたのか?」

月「ああ。体育の時間に、彼女を見に行こうと思ってな」

リュ(そんな理由で盗んだのかよ……変態だ……)

月「だが思わぬ収穫があった。見てくれリューク」

リュ「ん? 何だよ収穫って?」

月「今日のこの時間帯、1年B組は情報の授業の最中だ」

リュ「それがどうかしたのか?」

月「使用教室が“コンピュータルーム”になってるだろ?」

月「そして帝丹小学校のPCは全て、一つのネットワークに繋がっていた」

リュ「なるほど。そういうことか」

リュ「お前が戦っていたのは“灰原哀”か“江戸川コナン”かもしれないと」

月「ああ。もちろん推測の域を出ないが、十分にありえる事実さ」

リュ「クックック。それが本当なら、オモシロッ、だな」

月「……さて、無事にウォーミングアップも終わったことだ」

リュ「そういえば、何に対するウォーミングアップだったんだよ?」

月「警視庁へのハッキングさ。“ジンやウォッカ”について調べるためのな」

リュ「……なるほど。学校へのハックは、その準備体操だったってワケだ」

月「その通り。まぁ、あそこまでハードになるとは思ってもなかったが」

リュ「それで、今すぐやるのか?」

月「いや、まずは警察官である父さんのPCに侵入する」

『カタカタ――ッターン!』

月「よしっ、侵入成功」

月「チョコレートより甘いセキュリティーだ」

リュ「流石ライト。それで、どうするんだ?」

月「父さん個人がつけてる犯罪記録がある」

月「まずはそれを洗ってみよう」

『カタカタ……』

【検索ワード】 : ジン or ウォッカ
【オプション】 : 上記文字列をテキストに含むファイル

『カタカタ……』

【検索ワード】 : コードネーム and 酒
【オプション】 : 上記文字列をテキストに含むファイル

月「……ん?」

リュ「どうした、ライト?」

月「1件だけ、こんなファイルが見つかった」


【謎の巨大組織に関する備忘録】

**************************

この事件に関して、日本警察は驚くほどに消極的だ。

謎の巨大組織は確かに存在する。
にも関わらず、情報があまりにも少なすぎるのだ。

既知の事実といえばせいぜい

コードネームに酒が用いられてること。

それくらいである。
ふざけてるとしか思えない。

警視庁の上層部が、
情報を隠蔽しているのだろうか。

キラ事件が解決した暁には、
今一度、この問題に向きあおうと思う。


20××年×月×日

**************************

月「なん……だと……?」

リュ「……おいおい……いきなり当たりじゃねーか」

月「……いや、当たりと決め付けるのは早計だが……」

リュ「でもよ、有力候補には変わりないだろ?」

月「ああ……その通りだ……しかし巨大組織とは……」

リュ「警視庁へのハックはどうするんだ?」

月「もちろん中止だ……警視庁自体、敵かもしれん」

リュ「……だよな。無駄にハイリスクなだけだ」

月「こうなった以上……アプローチを変えた方がいいだろう」

リュ「アプローチを変える?」

月「ああ。夕方になってから、毛利探偵事務所に向かう」

リュ「ん? なんでそんなところにいくんだ?」

月「バカ。探偵なら何か知ってるかもしれないだろ?」

月(それに名簿によれば、“コナン”はそこに住んでいる)

月(行くだけの価値は十分にあるだろう)

最終的にコナンと月が組んで組織破壊するのか

◆その頃://帝丹小学校/コンピュータルーム◆

『カタカタッ……』

灰原「ちょっと、さっきから何してるのよ?」

コナン「奴が盗んでいった校長のデータを見てるんだ」

灰原「え? あなたもハッキングしたの?」

コナン「ああ。何か奴について、分かるかもしれねーからな」

灰原「そう……それで、何か分かった?」

コナン「いや、それはまだ――ん?」

コナン「!!!!!!!!!!!!!!!」

灰原「どうしたの?」

コナン「そんな……バカ……な……!」

コナン「……灰原、外に出るぞ」

灰原「え?」

コナン「あくまで自然にだ。疑われるなよ」

小林「2人ともどこに行くの? まだ授業中よ?」

コナン「灰原さんが、頭が痛いからお家に帰りたいって」

小林「え、ほんと? 灰原さん大丈夫?」

灰原「三」ブンブン...

小林「それは辛いわね。分かった。とりあえず保健室に――」

コナン「僕が家まで送って行くよ。すぐ帰りたいみたいだし」

小林「ダメよ。あなたには授業があるじゃない」

灰原「私……江戸川君に送ってほしい……///」

小林・コナン「「え?///」」

灰原「ねぇ先生……お願い……///」

小林「し、仕方ないわね……コナン君には後で宿題を出します」

コナン「う、うん……(灰原の奴、演技うめぇな……)」

『ガラガラ』

元太「ん? アイツらどこに行くつもりだ?」

歩美「……」 光彦「……」

元太「もしかして、駆け落ちとかか? アハハハハ」

歩美「」ギロッ 光彦「」ギロッ

元太「ハハ……ハ……冗談だよ……冗談……」

元太「そんなに怒るなよ……」


◆同刻://帝丹小学校/校庭◆

灰原「ねぇ工藤君。一体どうしたっていうの!?」

コナン「ああ。校長のPCデータを見て分かったんだが」

コナン「この学校のオーナーは、あの阿笠博士だったんだ」

灰原「オーナーが……博士ですって?」

コナン「そうだ。全ては博士の思い通りだったってワケさ」

灰原「ちょっと。話が飛躍しすぎよ。ちゃんと説明して」

コナン「博士はオレ達に学校へ行くよう勧めたろ?」

灰原「ええ。学校に通ってないと、怪しまれるって……」

コナン「だがそれは名目に過ぎなかった」

コナン「博士の真の目的は――」


コナン「オレ達を“隔離”、そして“観察”することだったんだ!」

コナン「自宅で“組織の研究”に取り組む時間を作るためにな!」


灰原「組織の研究……? あなたまさか……!」

コナン「ああ……信じたくないが……」


コナン「黒ずくめのボスは――阿笠博士だ」


灰原「なん……ですって……」

つまり博士はロリコンってこと?

灰原「……ちょっと待って。じゃあ何で博士は、私達を殺さないの?」

灰原「研究する上で私達が邪魔なら、生かしておく必要はないじゃない」

コナン「確かに博士にとって、オレ達は邪魔な存在だろう」

コナン「組織について嗅ぎまわってる、言わば敵なんだからな」

灰原「ならどうして!?」

コナン「それはオレ達が、研究成果そのものだからさ」

コナン「だから学校という施設に放り込み、生活を“観察”してるんだ」

灰原「……じゃあ校長のPCにあったのは、私達の生活報告書ってわけ?」

コナン「ああ。そして、その報告書の送信先メールアドレスが――」


『#969#6261』


コナン「――まさしくボスのそれだったってワケさ」

灰原哀「このロリコン」
矢神月「……!」
博士「…そうじゃ、ワシがロリコンじゃ」

◆その頃://夜神家/粧裕の部屋◆

『ガチャ』

粧裕「ぎゃっ!?///」

月「粧裕。調子はどうだ?」

粧裕「お、お兄ちゃん! ノックくらいしてよ!」

月「ハハハ、悪い。驚かせちゃったか?」

粧裕「そういう問題じゃないってば……」

月「ん? 何見てたんだ?」

粧裕「あ、これは……その……!///」

月「僕がテニスで優勝したときの学校新聞か……」

月「随分と懐かしいものを読んでるんだな」

粧裕「///」ブクブク

粧裕「と、ところでお兄ちゃん学校は?」

月「ああ、今日は創立記念日だよ」

粧裕「そうなんだ……ふふ」

月「ん? 何がおかしい?」

粧裕「ふふ……別にぃ」

月「変な奴だな……熱はどうだ?」

粧裕「コホッコホッ……まだある……かな?」チラッ

月「そうか……ちょっと額貸してみろよ」

『ピトッ』

粧裕「///」

月「ん~……至って平熱な気がするが」

粧裕「そ、そんなことないもん……///」

月「さてはお前、仮病しただろ?」

粧裕「ぎくっ……し、してないよ」

月「正直に言ったらプリンを――」

粧裕「てへへ、仮病です♪」

月「や ら な い」

粧裕「むむっ……よくも乙女の心を……」ジトッ

月「あのなぁ。お前のこと、母さん心配してたんだぞ?」

粧裕「だって、今日は行きたくなかったもん」

月「行きたくないって……何でだよ?」

粧裕「そんなの……気分だもん……」

月「気分? おい、それはダメだろ」

粧裕「もう……お兄ちゃんは鈍感だよ……」ボソッ

月「ん? 何か言ったか?」

粧裕「なーんにも」プイッ

月「……」

月「そうか……じゃあ僕は外に行ってくる」

粧裕「え? さっき散歩から戻ってきたばっかりじゃん」

月「僕だって忙しいんだよ。仮病に付きあってる暇はない」

粧裕「ふーん……流石、モテる男は違うな~♪」

月「バカ。家庭教師のアルバイトだよ」

粧裕「へ? お兄ちゃん、そんなのやってたっけ?」

月「今日から始めることにしたんだ」

粧裕「そうなんだ……相手は女の子?」

月「さあな」

粧裕「じゃあ女の子なんだ♪」

月「何故そうなる」

粧裕「にっしっし。照れなくてもいいんだよ?」

月「くだらない……もう行くぞ」

『ガチャン』

粧裕「……」

◆10時00分://都内某所◆

リュ「家庭教師ってのは初耳だが」

月「当たり前だろ。話してないんだから」

リュ「まさか“灰原哀”のところに行くのか?」

月「ああ。住所は名簿で分かってるからな」

リュ「でも、小学1年生に家庭教師は無理だろ?」

月「それくらい分かってる。だから期待はしてないさ」

月「一番の目的は、彼女の保護者に会うことだよ」


◆10時30分://阿笠邸前◆

月「ここが彼女の家か……やけにでかいな……」

リュ「それに“灰原”じゃなくて、“阿笠”だってよ」

月「名字が違うか……ますます訳アリだな……」

月「まぁとにかく、全てはここから始まるんだ」


『ピーンポーン♪』

来週の金曜ロードショーは地上波派初登場コラボスペシャル
『月vsコナンvsルパンvsキッドvs金田一vsL』前編をお送りします

『ガチャ』

博士「何か用かのう?」

月「はい。僕は、夜神月といいまして」

月「家庭教師のアルバイトをしている者なんですが」

博士「家庭教師? なんで家庭教師がウチに……」

月「お宅の哀さんに力添えできればと思い」

月「この度は足を運ばせていただきました」

博士「ん? 何で哀君のことを知ってるんじゃ?」

月「……」

月(……しまった……よく考えてみれば――)

月(僕と彼女には……何の接点もないじゃないか)

リュ「ハハッ、ドジったなライト。いや、悪質業者め」

月(くそっ……彼に悪印象を与えるわけにはいかない!)

月(なんたって彼は……灰原哀の保護者なんだ……!)

月(早急に何か……言い訳を考えないと……!)

月「よく聞き取れませんでした」

博士「は? 聞き取れなかったってあんた……」

月「すみません。もう一度お願いしてもよろしいですか?」

博士「まぁ……それは構わんが……」

博士「ワシは“何故”、哀君を知ってるのかと聞いたんじゃ」

月「ああ、なるほど。今度は聞こえました」

月「おほん……それはですね……」


月「彼女が僕の――“妹”だからですよ」


博士「……な」

博士「なんじゃって!?」

>>112
キッドが魔法使いの女使ったらコナンじゃ勝てないよな

リュ「おいライト。何バレバレの嘘ついてんだ」

月(ふっ……そうでもないよリューク)

月(確かに、普通に考えたらバレる嘘だろうが)

月(この男と彼女では、苗字が違うんだ)

月(もしかすると、そこに抜け道があるかもしれない)

博士(……コヤツ……何を言っておる……)

博士(哀君に限って、兄がいるわけないじゃろう!)

博士(“灰原哀”というのは、架空の人物なんじゃぞ!?)

月「……信じがたいのは分かります。ですがこれは事実です」

月「妹はこのことを知らないと思うので、あなたも初耳でしょうが……」

博士(……最もらしい言葉を並べてるが、そんなことは絶対にありえん)

博士「急にそんなことを言われて、信じられるわけないじゃろう」

月「では、どうしたら信じてもらえるでしょうか?」

博士「証拠じゃ! 当たり前じゃが、証拠がないと話にならん!」

月「証拠はありません。妹は、父の隠し子だそうなので……」

月「父は、不倫で子を作ってしまったことに対して、とても後悔していました」

月「ですが僕にしてみれば、彼女はこの世でたった一人の妹なんです……」グスン

月「……妹に会いたい……会って話をしてみたい……」グスン

月「それだけを胸に……僕は今日、ここまでやって来ました……」グスン

月「お願いします!! 哀に……僕の妹に会わせて下さい!!!!!」グスン

博士(……くっ……コヤツめ……下手な演技をしよってからに……!)

\ザワザワ/

博士(ちっ……野次が集まってきたか……早く黙らせたほうがいいな)

博士「君はお父さんに騙されておる! それが分からんのか!?」

月「父は誠実な警察官なんです!! 嘘をつくとは思えません!!」グスン

博士「不倫なんぞする警察官が、誠実なわけないじゃろう!!」

\カワイソーニ/ \イモウトニ アワセテアゲナサイヨ-/ \アノコッテ ヤガミサントコノ ライトクン ジャナイ?/

博士(ッ!! 野次は完璧にコヤツの味方か……涙に騙されおって!)

月(ふっ……計画通り)

月(しかしこの男、僕の真っ赤な嘘に対して、あまり反論してこないな)

月(まさか、『灰原哀の“正体”に関わることだから反論できない』のか?)

月(まぁ何にせよ、反論してこないなら追い打ちをかけ――)


灰原「ねぇ……あなたが私の、お兄ちゃんなの?」


月「…………え」

月「!!!!!!!!!!」

月(なっっっっっっっっ!!!?)

月(な、何で彼女が……ここにいるんだ!!!!?)ガクガク

月(まだ学校にいるはずじゃ……!!!!)ガクガク

月(ダ、ダメだ……動揺するな……冷静になれ!!)

月「……お前が……哀なのか……?」

灰原「そうよ……私はあなたの妹なの?」

月「ああ……お前が僕の……たった一人の妹だ」

灰原「そう……私も死んだお母さんによく聞かされてたわ」

灰原「『あなたには、お兄さんがいるのよ』……って」

月「!!!!!」

月(なっ……なんだとっ!? どういうことだ!?)

月(まさか彼女には……本当に生別れの兄がいるのか!?)

灰原(……工藤君……これで本当に良かったのよね?)

――――
―――

◇5分前://通学路/某所◇

コナン「おそらく博士には、既に校長から連絡が来てるだろう」

灰原「頭痛の私を、あなたが家まで送ってるって?」

コナン「ああ。だから博士は、組織の研究を一時中断し――」

コナン「普段の博士に戻って、俺たちの帰りを待ってるはずさ」

灰原「ところで、校長のPCへのハックはバレてないわよね?」

コナン「ああ、それなら心配ない。ログはちゃんと消したからな」

灰原「そう……ならいいわ」

灰原「それで名探偵さんは、これからどうするつもりかしら?」

コナン「流石にいきなり対決は無理だろう。考える時間が欲しい」

灰原「やっぱり彼らに挑むのね……止めても無駄だから止めないけど」

コナン「ハハッ、悪いな……」

コナン「あと組織を潰す準備が整うまで――」

コナン「お前には今まで通り、博士と暮らして欲しいんだが」

灰原「ええ。もちろんそのつもりだから、心配しないで」

コナン「サンキュー……極力、博士と2人きりにはさせねーから」

灰原「心配いらないっていってるでしょ」ジトッ

コナン「バーロー。案外お前、心の方は強くないだろ?」

灰原「なによそれ? バカにしてるの?」ジトッ

コナン「いや、バカにしてるわけじゃ――ん?」

\ザワザワ/

コナン「……博士の家の前に……野次が集まってるな……」

灰原「……まさか……博士が何かしてるんじゃ……!」

コナン「落ち着け。黒ずくめの頭だぞ? 目立つ真似はしないさ」

『とんとん』

知り合い「あらコナン君、どうしたの?」

コナン「ねぇ、何でこんなに人が集まってるの?」

知り合い「なんかね、哀ちゃんにお兄さんがいたんだって」

灰原・コナン「「……は?」」ポカーン

コナン「ハハ……それ……何かの間違いじゃ……」

知り合い「いや、アレは嘘をついてる人間じゃ――って哀ちゃんじゃない!?」

知り合い「ほら、お兄さんが来てるわよ! 会いに行かないの!?」

月「お願いします!! 哀に……僕の妹に会わせて下さい!!!!!」グスン

コナン(誰だよアイツ……一体何を企んでやがる……)

灰原「知ってると思うけど、私にはお姉ちゃんしかいないから」

コナン「ああ、分かってる。それに奴は今、“哀”って言ったろ?」

コナン「灰原哀は架空の人物。兄なんか間違っても存在しない」

灰原「とんだペテン野郎ってワケね……どうする?」

コナン「そうだな……」

\ザワザワ/

粧裕「……」

\ザワザワ/

コナン「空気は完全に奴を味方している……か」

灰原「ええ。博士としては、最悪の居心地ね」

コナン「なぁ……ここはひとつ、博士を助けてやらないか?」

灰原「え? 博士を助けるですって?」

コナン「ああ。お前が妹として、奴の前に現れるんだよ」

灰原「……一応聞いてあげるけど……理由は?」ジトッ

コナン「お前と博士と奴の3人で暮らせば、何か進展するかもしれないだろ?」

灰原「呆れた……そんな曖昧な理由で、私に妹役を演じろっていうの?」

灰原「それに、あんな得体の知れない奴と暮らすなんて、絶対いやよ」

灰原「第一博士は、灰原哀に兄がいないことを知ってるじゃない!」

コナン「確かにそうだが、言い訳くらいどうにでもなるだろ」

コナン「『あの場を収めるには、妹として名乗り出るしかなかった』」

コナン「『しばらくしたら、彼には出て行ってもらうつもりだ』……ってな」

灰原「そこまでは別にいいわ。でも一緒に暮らすのは絶対ごめんだから」

コナン「そう言うなって。もしかしたら奴は味方かもしれねーぞ」

灰原「ちょっと。何でそこまで彼に肩入れするわけ?」

コナン「別に肩入れしてるわけじゃねーけど……」

灰原「私は別に、博士と2人で暮らしても平気だって言ってるじゃない」

灰原「研究成果である私達は殺されない、そう言ったのはあなたでしょ?」

コナン「確かに言った……だけど灰原……オレの言うことを聞いてくれ」

灰原「はぁ? 意味不明よ」

コナン「理由は後で必ず説明する……だから今は、オレを信じてくれ」

◆11時00分://阿笠邸/リビング◆

野次馬が去ったのち、
阿笠邸に靴を脱いだ4人。

大して言葉も交わさぬまま、
対面式ソファに腰を掛ける。

博士、コナン、灰原、ライト。
異物も認める異物混入だ。

空気は痺れて悲鳴を上げ、
部屋には無音が鳴り響く。

コナン「灰原、頭痛はもう大丈夫か?」

口火を切ったのはコナン。

灰原「ええ、もう大丈夫よ……それより今は彼」

月「……」

月(江戸川コナン……お前は彼女とどういう関係なんだ?)

月(2人揃って学校を早退するような仲、というのは分かったよ)

月(問題は……それ以上か、以下なのか……)

月(答えによっては、僕はお前を許さない)

月「改めまして、僕は夜神月といいます」

コナン「夜神……らいと?」

月「“月”と書いて“ライト”と読むんだよ」

月「ハハハ。変わってるだろ?」

月「だが人の名前を笑うのはよくない」

月「笑うのはここまでにしよう」

コナン「う、うん……(……コンプレックスか)」

月「それで君は?」

コナン「僕は江戸川コナン。両親が海外に行ってて――」

コナン「――今は毛利探偵の事務所に住んでるんだ」

月「へぇ~、毛利探偵って……あの眠りの小五郎の?」

コナン「うん、そうだよ」

月「それじゃ近いうちにまた会えそうだな」

コナン(ん? どういうことだ?)

月「失礼ですが、あなたは?」

博士「ワシは阿笠博士。一応、肩書きは科学者じゃ」

博士「哀君の親ではないが、彼女の面倒はワシが見ておる」

月「そうですか……(あがさひろし……か)」

灰原「ねぇ、そろそろ本題に入らない?」

月「ああ、そうだな……哀の言うとおりだ」

灰原「ちょっと……名前で呼ばれるの、気持ち悪いんだけど」イラッ

コナン「おい何言ってんだよ灰原! お前のお兄さんだろ?」アセアセ

灰原「ふん」プイッ

月「いや、いいんだコナン君。彼女の意見も一理ある」

月「距離が縮まらない内は、“灰原さん”と呼ぶことにしよう」

灰原「ほんと、いちいち気持ち悪いわね」

月「」< グサッ

月「……コナン君。彼女はいつも、こんなに辛辣なのかい?」

コナン「アハハ……今日は機嫌が悪いんじゃないかな?」

月「おほん。ところで君は何故、阿笠さんに引き取られたんだ?」

灰原「両親が事故で死んだからよ。文句ある?」

月「」< グサッ

月「……それは……気の毒だね……」

リュ「クックック。すげぇ嫌われようだな、ライト」

月(おかしい……彼女はさっき外で、僕を兄と認めたはずだ)

月(まさかあれは、本人の意志じゃなかったというのか?)

月(彼女は母親に、『実は兄がいる』と聞かされていたらしいが)

月(それもただのつくり話で、全てが芝居だったというのか?)

月(……だとすると、彼女は誰かの指示で動いていることになるな……)

月(……そしてその誰かってのも、おおよそ検討がつく)

コナン「?」

月(阿笠と僕はずっと口論していた。だからコイツしかいない)

月(ふっ……やはりただの小学生ではないか……)

月(お前の“正体”とやら、いつか拝ませてもらうよ)

月「ああ、そうだった」

月「阿笠さん、家庭教師の件……お願いしますね」

博士「え? ラ、ライト君。その話は本気だったのか?」

月「はい。家庭教育を通して、兄妹関係を修復できればと考えています」

博士「ハハハ……なるほど……。ちょっと失礼……」

博士「(おい哀君。いつまであの男の妹を演じるつもりなんじゃ?)」ボソッ

博士「(野次馬も去ったことだし、さっさと追いだした方が良いじゃろう?)」

灰原「(そうね……でもそれは無理よ博士)」

灰原「(彼を追い出すには、私が妹でないことを証明しなきゃいけないから)」

博士「(そ、そんなの簡単じゃろう? 灰原哀は架空の人物――はっ!?)」

灰原「(そう。証明するには、私の正体をバラさなきゃいけないの……)」

博士「(だったらあの男と同じように、ハッタリを掛けるってのはどうじゃ?)」

灰原「(同じ土台に上がるっていうの? いたちごっこになるだけじゃない)」

博士「(……なら、あの男の父親に不倫の事実を否定してもらうとか……)」

灰原「(そんなのダメ……不倫なんて、あろうがなかろうが否定するでしょ)」

博士「(くっ……だとしたら最終手段として、DNA鑑定しかないな……)」

灰原「(ええ、それが唯一の方法ね……拒否されたら終わりだけど……)」

博士「(流石に拒否はできないじゃろう? 兄妹じゃないと言ってるようなもんじゃ)」

灰原「(……いい博士? こちらは一度、兄妹であることを認めてるのよ?)」

灰原「(なのにDNA鑑定をしようだなんて提案したら、彼は何て言うと思う?)」

灰原「(『兄妹の信頼関係に傷が残る』とか言って、拒否するに決まってるわ)」

博士「(むむむ……じゃあワシらにあの男を追い出す術はないのか……)」

博士「(おい哀君……どうして彼の妹だなんて嘘をついたんじゃ……!)」

灰原「(仕方ないでしょ。あの騒ぎを収めるには、これしか方法がなかったんだから)」

月「あの……何かご不満があるようでしたら僕に」

博士「あ、いや、すまん……続けてくれて構わんよ」

月「ちなみに料金は一切頂きませんのでご安心ください」

博士「なんと……それは本当か?」

月「ええ。その代わり、住み込みが絶対条件ですが」

博士「す、住み込みじゃとッ!? 流石にそれは無理じゃ!」アセアセ

月「阿笠さん。失礼を承知で申し上げますが――」

月「僕と彼女は、7年も空白のある兄妹なんです」

月「その時間を取り戻すには、少しでも長く一緒にいないと」

博士(じょ、冗談じゃない! コヤツは何を考えておるッ!?)

博士(そんなことをされたら、ここで研究できなくなるじゃないか!)

コナン「別にいいじゃねーか博士。部屋の一つくらい余ってるだろ?」

博士「(おい新一! 何故この男の肩を持つんじゃ!?)」

コナン「(別に肩を持ってるわけじゃねーよ)」

コナン「(奴は100%、灰原の演技に気づいている――)」

コナン「(だから『演技の狙いは何か』、疑問に思ってるはずさ)」

博士「(……確かにそれは思ってるだろうが……)」

コナン「(オレ達も、『相手の狙いが分からない』点では奴と同じだろ?)」

博士「(……つまり……ワシらと奴で、戦況はイーブンだと?)」

コナン「(ああ。だからこそ、今は自然な行動が求められるんだ)」

博士「(ちょっと待て。奴をウチに泊めることが、自然だというのか?)」

コナン「(奴を灰原の兄として考えるならそうだろう)」

博士「(むむむ……そこまで兄妹関係が重要じゃろうか?)」

コナン「(この勝負は、より自然な兄妹を演じた方が勝つんだ)」

コナン「(不自然に振る舞えば、相手に情報を与えちまうからな)」

博士「(……はああ……分かったよ……)」

博士「(……とりあえずは、奴を泊めることにしよう……)」

博士「分かった……住み込みを許可する」

月「ほんとですか!? ありがとうございます!」

灰原「でも、変なことしたらすぐに追い出すから」

月「ハハハ。それは大丈夫だよ」

博士「ちなみに君は、どこの大学に通ってるんじゃ?」

月「大学ですか? 僕は東応大学に通っています」

博士「なんと! じゃあ家庭教師は期待できそうじゃな」

博士「良かったのう、哀君。お兄さんの頭が良くて」

灰原「ええ。少し見直したわ」

月「ハハハ。灰原さんに言われると照れるなぁ~、ふふっ」

灰原「気持ち悪いのは変わらないけど」

月「」< グサッ

リュ「クックック。この関係は、しばらく続きそうだな」

かくしてライトと灰原の同居が始まった。

ライトの目的は、灰原との距離を縮めること。
灰原達の目的は、ライトの目的を知ること。

表向きには兄妹を演じながら、
4人ともが、違った思いを巡らせる。

博士(研究の邪魔をされるのは不本意だが、仕方ない)
博士(あまり拒むと、新一に疑われるからな)

コナン(よし……これで博士の動きに釘を打てた)
コナン(その間にオレは、組織を倒すメドを立てねーと)

灰原(工藤君……これで本当に良かったの?)
灰原(この男、今朝と同じ、妙な気配を感じるんだけど……)

月(正直、ここまで上手くいくとは思ってなかったよ)
月(……これを機に、彼女との距離を縮めるぞ……)

リュ(クックック……そこまでしてあの茶髪女がいいとは……)
リュ(だがな、ライト……)


リュ(いつまでも、思い通りにいくと思うなよ?)


                              ~前編・完~

ネェクストコナンズヒーンッ! 「憎しみのホモ祭り」

◆12時00分://キラ事件捜査本部◆

L「夜神さん。そろそろ休憩してください」

総一郎「ああ、そうだな。悪いがそうさせてもらうよ」

L「ところでライト君は、来ないつもりでしょうか?」

総一郎「いや、今日は来ると言ってたはずなんだが……」

L「……もしかして……ライト君の身に何かが……!」ガタッ

総一郎「ハハハッ、あのライトに限ってそれはないだろう」

L「そんなの分かりませんよ! 連絡とか入ってませんか?」

総一郎「ライトからの連絡か……一応見てみる」

携帯電話『ぱかっ』

総一郎(ん? 幸子からメールが一件きてるな……)

粧裕が風邪を引いたみたいだから、学校を休ませたわ。
もし私より先に帰ったら、声を掛けてあげてね。

総一郎「なっっっ……!?」

総一郎「……粧裕が……風邪を引いただと……?」ガクガク

総一郎「ダメだ、こうしちゃいられない!」ドタドタガタンドン!!

おもろい(*・ω・*)せんすある~

L「ちょっと夜神さん。どこに行くつもりですか!?」

総一郎「娘が風邪を引いたそうなんだ!」

総一郎「悪いが今日は帰らせてもらうぞ!」

L「そうですか……まぁ、それは構いませんが」

L「もし自宅にライト君がいれば、ここに来るよう伝えて下さい」

総一郎「ああ、分かった! この埋め合わせはいつか必ずする!」

ドア『ガチャン!』

WC『ジャーーーッ』

松田「ふぅ……ん、どうしたんですか? 目暮警部?」

目暮「ああ、娘さんが風邪を引いたらしく、夜神局長が帰宅された」

松田「アハハ……局長の親バカっぷりには困ったものですね」

佐藤「ちょっと松田君。髪の毛にゴミがついてるわよ?」パサパサッ

松田「あ、すみません佐藤さん。わざわざ取っていただいて」アハハ

佐藤「もう。松田君って、ボーッとしてるからほっとけないのよね///」

高木「……」

僕と松田は4年前に警視庁に入庁した同期。

彼とは、何から何まで、本当にそっくりで、

「違うのは名前くらいだ」って、

先輩からはよく言われた。

でもその名前の違いが、現に僕を悩ませている。

佐藤さんには昔、“松田”という殉職した同僚がいたらしい。

そして不幸なことに、彼女は彼に恋をしていたそうだ。

彼女は松田にばかり優しくする。

それはきっと、彼と重ねているからだろう。

高木(……お願いです、佐藤さん)

高木(僕にそんな笑顔を見せないで下さい)

高木(おい松田……お前、何へらへらしてんだよ……)

高木(くそっ……お前なんか……お前なんか……)

◆12時10分://都内某所◆

おかしい……。

総一郎「ハァハァ」

何かがおかしい……。

\……ヒソヒソ……/

\……デタデタ……ウワサヲシテイレバ……/

総一郎(何故こんなにも、住民の視線が冷たい?)

\……オクサン ト コドモサン ガカワイソウ ダワ……/

総一郎(この私が、何をしたというんだ?)

\……ケイサツカン ノクセニ 不倫 ダナンテ シンジラレナイ……/

総一郎(不倫!? 今、不倫って聞こえた気が……)

幸子「あなた、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

総一郎「さ、幸子!? お前、パートはどうした!?」

幸子「抜けてきたわ。あなたに会いたくてね……」

幸子「……続きは家で、“じっくり”話しましょ?」

◆12時20分://夜神家/リビング◆

幸子「おいおいおいおい、総一郎さんよぉ!!」グググ

幸子「どういうことか説明しろよッ!! ああん!!?」

総一郎「すまない……私には何でお前が怒ってるか……」

幸子「こんだけ噂になって、知らないわけねぇだろがボケッ!」

総一郎(くっ……忘れてた……幸子は元ヤンだった……)

幸子「不倫だって? いい度胸してんじゃねーかゴルァ!!!!!!」

総一郎「バ、バカを言うな! 私が不倫なんてするわけ……!」

幸子「嘘つけよ!! 火のないところに煙は立たねーだろが!!」

幸子「それにお前、最近やけに帰りが遅かったじゃねーか。あ!?」

総一郎「私は警察官だ! 帰りが遅いのは仕方のないことだろ!」

幸子「それが怪しいっつってんだ!! バカかてめぇ!!」

総一郎「やましい事は何もない! 信じてくれ!! 幸子!!」

幸子「だったらこの黒い噂は、どう説明してくれんだよ!? おい!?」

バカかてめえ w

総一郎(なんてことだ……ヤンキーは卒業すると言ったから結婚したのに……)

総一郎(くっ……長男にライトとかいう変な名前をつけた時点で気づくべきだった)

総一郎(幸子からはまだ……ヤンキー成分が抜けていない……!!)

幸子「おいおいおい! 黙ってねーで何か言い訳してみろよコラッ!!!!」

総一郎「頼む!! 信じてくれ!! こんな噂、罠に決まって――」

粧裕「……ねぇお母さん……お父さんが不倫してたの、本当だよ……」

幸子・総一郎「「!!!!!!」」

幸子「おい……どうなんだコラ……?」

幸子「風邪を引いて、外に出歩けない粧裕が知ってるんだぞ?」

幸子「お前、噂とか関係なしに、不倫してんじゃねーかよ!!!!」

総一郎(さ、粧裕……どうしてそんな嘘を……はっ!?)

総一郎(まさか粧裕は……私に離婚してほしいのか?)

総一郎(幸子と離婚して……私と2人で暮らしたいというのか?)

総一郎(ふふっ……なんだ……そういうことだったのか……)

総一郎(……お父さん、嬉しいぞ)

総一郎「すまない幸子……確かに私は不倫をした……」

総一郎「慰謝料でも何でも払う……だから……」

総一郎「……私と……離婚してくれないか……」

幸子「!!!!!!!!!」

幸子「……ちょっと……それ本気なの?」

総一郎「ああ。私にはもう、お前と会う資格はない」

幸子「べ、別にそこまで言ってないじゃない……」

総一郎「いや、私と粧裕は、この家から出て行く」

総一郎「お前はこれから、ライトと2人で暮らしてくれ」

幸子「何よそれ……私とライトを見捨てるっていうの?」

総一郎「ライトはお前、粧裕は私が名付け親なんだ」

総一郎「こう別れるのが自然だろう」

幸子「別れ方なんか聞いてない! 私が言いたいのは――」

総一郎「準備が出来次第、すぐに出て行く」ガチャンッ!!

幸子「うぅっ……どうして……」ガクッ

親子そろってまぁ‥

◆13時00分://阿笠邸/リビング◆

灰原「はい。お待ち遠様」コトッ

コナン「そういえば、灰原の手料理は初めてだな……」

月(彼女の手料理……ゴクリ……生きてて良か――ん?)

博士「ほう……ご飯に味噌汁、そして肉じゃがかぁ……」

博士「ワシは、カップメンを食べたかったんじゃが……」ボソッ

灰原「何? せっかく作ってあげたのに、文句でもあるの?」

博士「いや、ないです……」

灰原「まったく。少しは高血圧を自覚しなさいよね」

リュ「おいライト……肉じゃがってことは、まさか彼女……」

月(バカ……偶然に決まってるだろリューク……)

月(彼女に限って……そんなことはありえない……)

歩美「じゃあコナン君の好きな食べ物って?」

コナン「オレは……肉じゃがとかかな……」

@>>11

月・コナン「「いただきます」」パクパクパクッ

博士「……」

月・コナン「「!!!!!!!!!!」」

月・コナン((な、何だこれ……まずいにも程があるぞ……!?))

月・コナン((これじゃまるで……馬のエサじゃないか……!))

灰原「どう、江戸川君? 口に合うかしら?」

コナン「え? あ……えーっと……」

月(はっ……これはチャンスだ!)

月「うまいっ! 凄くおいしいよ灰原さん!」

灰原「……え?」

月「ぱくぱくぱくっ! うまい! うますぎる!」

月「灰原さん! おかわりをくれないか!」

灰原「え、ええ。ちょっと待ってて……」

コナン(嘘だろ……コイツの舌、どうなってんだ……?)

博士(……マジキチ……マジキチじゃ……!)

灰原「はい、どうぞ……」コトッ

月「ぱくぱくぱくっ! うまい! うますぎる!」

コナン「そ、そんなに好きなら、僕の分も食べていいよ……」

月「おおっ! こんなにうまいんだ! 喜んで頂くよ!」

月「パクパク! んんっ! 灰原さんは料理の天才だ!」

灰原「……あ、ありがとう……」

月「パクパク! うまい! ハハハ! うま――」


月「お……おうぇええええええええええ!!!!!!!」

『ペチャベチャッ!』 『ポタポタ……』


灰原「」

月「……」 コナン「……」 博士「……」

リュ「……吐いたら……ダメだろ……」

灰原「ッ!!!///」グスッ

平手打ち『パァーン!!!』

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◆14時00分://都内某所◆

月「……ああ……まだヒリヒリする……」

リュ「ハハハ。追い出されちまったな」

月「違う。荷物を取りに帰るだけだ……」

月「まぁ反省もしてこいって言われたけど……」

リュ(クックック。相当怒ってたからな、彼女)

『PRRRRR♪ PRRRRR♪』

月「ん? 父さんからメール……何だろう?」

『今すぐ捜査本部に来てくれ』

月「捜査本部か。そういえば今日はまだ行ってないな」

リュ「別にいいじゃねーか。そんなのほっといても」

月「家より近いんだ。少しだけ、顔を出しにいこう」

リュ「……」

◆14時30分://キラ事件捜査本部◆

『ガチャッ』

月「こんにちは、皆さん」

『ガタンッ』

L「ライト君……遅いですよ!」

月「悪い。野暮用があったんだ」

L「それは構いませんが……連絡ぐらい下さい」

月「ああ、分かった。次からは気をつけ――」

粧裕「……」

月「!!!!!!!!!!!!」

月「なっ……! 粧裕じゃないかッ!?」

月「何でこんな所にいるんだよ!?」

総一郎「ふっ。ようやく気づいたか、ライト」

おねてぃ見るかこっち読むかですっごい迷う
どうか終わらないでくれ

総一郎「私と粧裕は、今日からここに住む」

月「……は?」

総一郎「……幸子とは、さっき離婚の話をつけてきた」

月「母さんと離婚……? おい……急に何言ってんだ……」

総一郎「嘘じゃない。紛れもない事実だ」

月「離婚って何だよ!? ケンカでもしたのか!?」

総一郎「馬鹿を言うな。そんな子供染みた理由ではない」

総一郎「……私は常日頃から思っていたのだ……」

総一郎「……粧裕とエッチがしたい、とな」

月「!!!!!!!!!!!!!!」

佐藤「くっ……! それが父親の言う事か!」

目暮「こらえろ佐藤ッ!!」

佐藤「し、しかし警部!」

目暮「ワシらには人質がいるということを忘れるな……!」

松田「んー! んー!」

佐藤「松田君ッ……!」

松田「んー! んー!」

L「夜神さん、本当に私、やっちゃっていいんですか?」(腰を振る動作)

総一郎「もちろん。おい高木、お前も好きにしたらどうだ?」

高木「ええ。そうさせていただきます」

『ギュゥぅぅぅぅ!』

佐藤「!!!!!!!!」

高木「佐藤さん……僕、すごく苦しかったんですよ?」

高木「僕と松田の、何が違うっていうんですか?」

佐藤「ちょっと……! 離れなさいよ高木君!!」

高木「ふふっ……嫌です。もう一生離しませんから」

おっぱい『むにゅ むにゅ』

佐藤「くっ……///!! この……クズがぁ……!!」

高木「あれ、得意の反撃はどうしましたか? 佐藤――」

高木「いや……美和子さん?」

月「何だよこれ……いったい捜査本部に何があったんだッ!?」

目暮「1時間ほど前、局長は娘さんをここに連れてきたんだ……」

目暮「それからLは、ワシと佐藤君に休憩の指示を与えたんだが」

目暮「何も知らないワシらは、言われるままに外出したんだよ……」

月「……それで戻ってきたら……この有様だった、と?」

目暮「ああ。松田はロープで縛られ、局長は拳銃を構えていたワケさ……」

月「くっ……おい父さん! これは一体どういうことだよ!?」

総一郎「簡単なことだ。今日は私と粧裕にとっての記念日」

総一郎「人間ならエッチしたいと思うだろう?」

月「ちっ……おい高木……それからL! お前らは!?」

高木「僕は美和子さんを、松田の目の前で犯したかった」

高木「だから松田を人質にした。ただ、それだけのことさ」

L「私は正直、ライト君をキラと疑っていますから」

L「私のペニスを、ライト君のアナルに監禁しようと思っています」

月「……くそっ……この、クズどもが!!!」

はてな

月「おい粧裕! お前も何で黙ってるんだよ!?」

粧裕「だって粧裕は……ただの人形だもん」

月「はぁ!? こんな時に何言ってんだ!?」

粧裕「じゃあお兄ちゃんにとって、粧裕って何?」

月「バカ。大切な妹に決まってるだろう!」

粧裕「……嘘つき……お兄ちゃんなんか……」

粧裕「……お兄ちゃんなんか……大っキライ!!!」

月「!!!!!!!!」

総一郎「……決まりだな。粧裕は私が好きと言っている」

月「言ってないだろ」

総一郎「ふっ。どうなんだ、粧裕?」

粧裕「いいよ……粧裕を好きにしても……」

月「!!!!!!!!」

『ガッ!』

月「!?」

L「もうよしましょう」

月「なんだと……?」

L「まだ気づきませんか?」

月「……何のことだ?」

L「ほら、部屋の片隅を見てください」

月「!」

ワタリ「……こんにちは」

ライフル『カチャ』

月「ワ、ワタリ! お前……!」

L「そうです。彼はあなた達を銃で狙っています」

月「なるほど……僕らが変な動きを見せたら……」

月「ライフルで容赦なく殺すってわけか……!」

L「ええ、その通りです。流石ライト君ですね」

月(くそっ……一体どうすれば……!)

もはやキラ事件捜査本部は、
黙る子も泣くカオス劇場と化していた。

人質として、ロープを纏った松田。

パーを駆使し、佐藤の胸を揉みしだく高木。

好きな男の前で、痴態を受ける佐藤。

怒りを噛み締め、それを眺める目暮。

部屋の隅から、銃を構えるワタリ。

ライトの股間を、卑猥にまさぐるL。

そんな状況の中、策を考えるライト。

拳銃片手に、粧裕を味わう総一郎。

人形となり、父に痴漢される粧裕。

……もう何がなんだか、分からない。

月(何か……何か手はないのか……)

月(この絶対的ピンチを逆転する何か……!)

ネクストコナンズヒンがこれかよ

リュ「もう……我慢できねぇ……」

月「リュ、リューク!?」

突如デスノートを取り出す死神。

月「おいお前……何をするつもりだよ?」

L「ん? ライト君、誰と話しているんですか?」

リュ「どうせ死ぬなら、お前以外皆殺しにしてやるよ」

月「……僕以外を皆殺し……だと……?」

リュ「ふっ……ほんとお前は鈍感だな……」


リュ「死神だって……恋はするんだぜ……?」


月「!!!!!!!!!」

月「まさか……お前……」


リュ「ああ……オレはお前のことが……好きだ……」


月「!!!!!!!!!!!」

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: が :   //:/:::|::',|::'、:::::::::\:.:\.:.:.ヽ:.:.:\:.:..\::::::::::::\、::::\    : : :
: 何 :  /!::|::l::::/|:::l:ヽ:\::ヽ:.:\:.:\.:::ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:\::::::::::::\ ̄   : : :

: だ :   |/l::|::|::|:ト、:::::::::、、:ヽ、:.:.:.:::::::::::::::ヽ::::.:ヽ:.:.:.:.\:.:.:.ヽ:::\.   : : :
: か :   |::|::/l::|::|r‐ヽ:::::ヽ(ヽー,―\::::::、::::::::::ヽ::.:.::::::.:::::::ヾ. ̄   : : :
:    :   }//l::|:::|{(:::)ヾ、:::ヽ \!(:::) ヽ,:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ、   : : :
: わ :.  |/l::|::|:::|ヽ==''" \:ヽ、ヽ=='" |:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::\

  か     / ',|::|:::|   /   `゛       |!::::::::::::::::::::::::::::ト、::ト、_` ゛`
  ら      l::!::::ト、  '、 _         ||::::::::::::::::::::::::ト:ヽヾ| | ̄ ̄ ̄`ヽ、
  な     r'"´||',::::',                 |:::::/l:::::|\:::ト、ヾ | |     / / \
  い   /   ll ',::', 、 ーこニ=-       /!::/ ヽ:::|  ヾ、  ノ ノ  /  ,イ   ヽ、
       ,'    |  '、:, \ --       ,. '´ |;'  l ヾ、.   //     / |    l: l
      |   |!  ヽ;  ヽ       /.:    i!  /   ゛// |l      / |      | |

L「ライト君。独り言はやめて私と会話してください」

L「さもないと……その口にお仕置きしますよ?」

ペニスを繰り出し、ライトの口に近づけるL。

月「おいリューク! 皆殺しなんて絶対――ぐぼぉ!?」

L「ああ……ライト君の口……ヌルヌルしてます……///」シュボシュボ

月(んがぁ~~~~~~~~~~~!!!!)

リュ「くっ……コイツ……よくもオレのライトに……!!!」

リュ「殺す!!! 絶対に殺してやる!!!!!」

月「fgあdgへw;おいえfじょあうぇjhgwじゃf!!」

L「あ……おっ……うんっ……この最高の感じ……///」

リュ「なぁライト……お前が灰原哀に恋をしたと言ったとき……」

リュ「実はオレ……かなりショックを受けてたんだぜ……?」

月「dか;えgfjg@おいえhwふぁあじあwhぎおあwげわ!!」

リュ「でもオレは嫌われたくないから、お前に協力する道を選んだ!」

リュ「盗聴とか、会話の相手とか……結局全て無駄だったけどな!!」

リュ「やっぱり死神と人間じゃ……恋愛なんて無理だったんだ……!」

高木「ふっふっふ。美和子さん……どんどん揉みますよ!!」
佐藤「ちょっとやめ……あっ!!///」モミモミ
松田「んー! んー!」

総一郎「クックック……粧裕の思春期おっぱい……!!」
粧裕(……もう……どうなったっていいもん……)モミモミ
目暮「くっ……この外道が!! 警察官の恥を知れ!!!」

L「ああ……何だか来てます……来てますよぉ!!」
月「sだfhがううぇgpふあwrふえあはっwあゃ!」
ワタリ「右よし、左よし、異常なし」カチャ

加速するマジキチ。しかしリュークは続ける。

リュ「……でも聞いてくれライト……オレはな――」

リュ「今でもお前の事を、心の底から愛してるんだ!!」グスン

リュ「だから今から、ノートにLの本名を書き――」

リュ「ここにいる奴らも全員、皆殺しにする!!」

リュ「キラにとって捜査本部は……百害あって一利なしだからな!!!」

カオスの渦の中、ノートに名を刻む死神。

Lのチンコで口の塞がったライトに、
暴走したリュークを止める術はなかった……。

*******************

◆DEATH NOTE◆

「エル・ローライト」
「キルシュ・ワイミー」
「夜神総一郎」
「夜神粧裕」
「目暮十三」
「高木渉」
「佐藤美和子」
「松田桃太」

*******************

L「ライト君! 喉に……喉に出します――くっ!?」ドクンッバタッ!
ワタリ「なっ!? どうしましたエr――うっ!?」ドクンッバタッ!
総一郎「へへっ……粧裕のふくらみかけおt――ぐっ!?」ドクンッバタッ!
粧裕(私……ずっとお兄ちゃんのこと……――うっ!?)ドクンッバタッ!
目暮「よし局長が死んだ! 今回ばかりはキラに感――謝!?」ドクンッバタッ!
高木「僕は美和子さんの全てを揉み続け――まっ!?」ドクンッバタッ!
佐藤「くっ……いつまで揉んでるのよ高g――うっ!?」ドクンッバタッ!
松田「んー! んー! んー! んー!?」ドクンッバタッ!

月「……嘘……だろ……?」

次々と周りの人間が倒れていく中、
その突如残酷な光景に、ライトは声を荒げる。

月「うああああああああああああああ!!!」

リュ「ふふっ……ざまぁみやがれってんだ……Lめ……」

そして死神もまた、徐々にその姿を消しつつあった。

月「リュークッッ!!!! 何故殺したぁあああ!!!」

リュ「何言ってんだ……お前らしくもない」

リュ「もしあの状況で、Lだけを殺してみろ」

リュ「お前へのキラ疑惑は、より濃厚なものになるぞ?」

月「キラ疑惑だと……? ふざけるなッッッッッッ!!」

月「だからといって粧裕達に何の罪があるんだッッ!!!」

リュ「血迷ったかライト。目撃者ほど有害な存在はないだろ?」

リュ「キラから見れば……合理的な判断だったと思うが」

月「ああああああああああああああああ!!!!!」ガンガン!!

リュ「むしろ褒められることを……期待してたぐらいだぜ」

月「この死神がああああああああああああ!!!!!」

リュ「さて……オレに残された時間も……あとわずかだ……」

リュ「最後に一つ……いいことを……教えてやろう……」


……『江戸川コナン』と『灰原哀』……。

……奴らは……デスノートで……殺せない……。

◆16時00分://キラ事件捜査本部◆

嵐は過ぎ去った。
夢も希望も奪われた。

青年に残されたものといえば――

目前に散らばった8人の遺体と……、
死神が落としていった黒いノートだけ……。

粧裕「――」 佐藤「――」 目暮「――」 松田「――」

月「……佐藤さん……」グスン

月「……目暮さん……松田さん……」グスン

月「……くっ……粧……裕……!」グスン

月「うあああああああああああああああ!!」ガンガン!!

一人荒れ狂うライト。理性は遠の昔にふっとんだ。

しかし考えなければならない――考えなければ前に進めない。

まずはこの状況……死体の問題……警察に通報すべきか……。

でも通報したらどうなる? キラだと自供するようなものだ。

苦しい……いっそのこと……自分も死んでしまいたい……。

前編後編だと思ってたけど‥
中編‥‥!?

◆16時30分://都内某所◆

思考を停止し、外をフラフラ歩く。

結局死体は、放置したまま。


(……あ……)


立ち止まるライト。

ちらほら降り始める雪。


(……ははっ……こりゃいいや……)

(……雪はきれいだし……)

(……死体も長持ちするしな……)


死んだ思考回路。

空っぽの気概。

心の支えが必要だった。

足は自然と自宅へ向かっていた。

きっと母親を求めてのことだろう。

唯一の肉親に、宥めてほしかったのだ。

しかし…………


◆17時00分://夜神家/リビング◆

家に着き、リビングへ向かうライト。

そこでは母親が首を吊って死んでいた。

「世界が壊れたので死にます」

幸子にとって、総一郎は全てだった。

高校時代、ろくでなしだった彼女。

とある新米の警察官に助けられ、

その人生は順風満帆なものへと姿を変えた。

彼とは結婚し、子供も2人授かり、まさに幸せだった。

突然、不倫の事実を突きつけられ、

離婚してくれ、と言われるまでは……。

月「ははっ……はははははははははは!!」

月「何だよこれ! ははっ! おかしいだろ!!」

錯乱。爆笑。絶叫。マジキチ。

月「ふふ……ふははははははははは!!」

過度な精神負荷によるものだった。

月「この短時間に、何人死ねば気が済むんだよ!?」

月「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!!!」

月「うあああああああああああああ!!!!」

月「フゥーハッハッハッハッハ!!!!!」

月「があああああああああああああ!!!!」

月「八八ははっははっはハハハは!!!!!」


数分後、異常に気づいた隣人が警察に通報した。

◆18時00分://夜神家/リビング◆

警官A「あー、これは流石に自殺だな」

警官B「ええ。遺書と家計簿の筆跡が一緒ですしね」

警官C「それで……夜神局長にこのことは?」

警官B「いえ、まだ知らせてないはずですが」

警官C「そうか。じゃあ宇木田に電話するよう言ってくれ」

警官B「分かりました。娘の粧裕さんにも連絡してきます」

警官C「ああ、よろしく頼む」

警官A「……ライト君、落ち着いたらでいいんだけど」

警官A「一応、事情聴取させてもらえるかな?」

月「……クックック……だまってろよ……豚虫が」

月「お前ら警察なんて所詮……皮をかぶったペニスだ」

警官A「え? ちょっとどうしたのライト君?」

月「……いるんだろ? 上層には組織の仲間が」

警官A「組織?(頭がいかれちゃったのかな……)」

                    ____
                 _,、r'´:::‐、`ヾ‐、`丶、

                /:::::l、:{⌒ヾヽ::ト、:ヽ:::::ヽ
               //!:::i:l:!::ヾ、::::::ヾ::!`ヽ:ヽ:::::ヽ
              〃:!:l::::l!:ト、::::liヽ、:::リ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
              i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:、:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
              l!::!:!:iト:::!:i:j/代トト、l:ハ::升ト!:l::!:!lj   もういいや
              li::l::N{:ヾVヘ「 ̄` lハ ソr‐テハ!:l/
              !:l!:ト、l::l{`         !  j川/   ハハハハ
              ヾト辷N!      ‐ノ  !:l/

                 Yl:ト、    ヾ==r  ノ/
                iN \.  ` ニ′/}'

                 丨   丶、  /
              ノ ̄´"''‐ 、   `¨´¦
           _rく    /癶V⌒!=| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
      __,、=T下、``ヽ  /‐''"_, -ヘ|      |
     /「 ̄´  ヽヽ \ ヽ/   ´  _,,厶ヘ       ∧=、、
     |八 \      __/      _,)ヽ___/  ヽ ``=、、
    ∥ \ ! V´ ̄:::::/      _,ノk>、`T!::::::":::\_   ∥

月「ふっ……まぁお前ら下っ端には関係ないことか」ガチャ

警官B「なっ!? おいどこに行くんだ!?」

月「どこって……今日は家庭教師のバイトがあるんだ」

警官B「バイトだぁ!? こんな時に何を言って――」

警官A「(やめろ。母親が死んだんだ。察してやれ)」

警官B「し、しかし!!」

警官A「ライト君……じゃあ事情聴取は後でいいから」

月「……ふん」

『ガチャン!』

ねむいよぉ‥

俺は最後まで読むから続けたまえ

◆18時30分://阿笠邸◆

『ピーンポーン』

『ガチャ』

コナン「あ、家庭教師のお兄さん」

月「……彼女は……まだ怒ってるかな……?」

コナン「アハハ……まぁ、ね……」

◆同刻://阿笠邸/灰原の部屋の前◆

『ガt』

月(あ……人の部屋に入るときはノックがいるんだっけ……)

月(……いや……粧裕はもうこの世にいないんだ……)

月(ノックをしなくたって……誰も怒らないか……)

『ガチャ』

灰原「ッ!?」

灰原「ちょ、ちょっと……!!!」

灰原「入るならノックくらいしなさいよ!」

月「……え……?」

灰原「え、じゃないわよ! 常識でしょ!!」

月「……」

灰原「まったく。そんなことも分からないの?」

僕を叱る彼女。でも何だかそれが、とても心地よかった。

『ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥぅぅぅッッ!!』

衝動だった。

灰原「!!!!!!!!!!!!!」

僕は彼女を抱きしめた。

月「……ごめん……」

謝りつつも、その力は増す。

胸にぽっかり開いてしまった穴を、
彼女の全てで埋め尽くしたかったから。

灰原「何……やってんのよ……あんたっ!?」

灰原「離れな……いと……警察……呼ぶわよ!!」

彼女はもがく。拒絶は目に見えていた。
それでも僕は、彼女を抱きしめ続ける。

瞳からは、今日初めての涙。
別に我慢していたワケではない。

……ようやく現実を理解したのだ。

月「ううっ……うああああああああああ!!!」

泣いて、泣いて――泣く、泣く。

灰原「な、何泣いてんのよ……」

月「ごめん……ごめん……!」グスン

ただ謝る。とにかくこのままでいたかった。
彼女の小さな体は、僕にとっては大きい。

灰原「……何があったか知らないけど」

灰原「……これ、犯罪だから」

月「……ごめん……ごめん……!」グスン

消えない罪悪感。僕はひたすら謝る。

灰原「はぁ……まったく……」


灰原「このロリコン」

月「……!」


ジト目の彼女から放たれた言の葉。

それ自体は侮蔑に他ならない。

でも何故かこの瞬間――

僕は彼女に認められた気がしたんだ。

◆18時45分://阿笠邸/灰原の部屋◆

言葉と態度に刺が残るが、
途中から抵抗しなくなった彼女。

同情だろうか? 作戦だろうか?
それとも僕の涙に共感したのだろうか?

彼女は両親を無くしたと言っていた。

もしかすると、僕が今流している涙は
彼女が流した事のある涙なのかもしれない。

灰原「ちょっと……いつまでこうしてるつもり?」

月「あぁ……ごめん……」

灰原「まったく……人の料理にあんなケチの付け方して」

灰原「よくもまぁ、そんなことができるわね?」ジトッ

月「あれは……」

灰原「まぁいいわ。何があったか知らないけど」

灰原「今あなたは、私の家庭教師。やるべきことをやれば?」

月「……うん……ありがとう……」

月「ところで……阿笠さんは?」

灰原「博士なら出かけたわ」

月「え……?」

灰原「おそらく江戸川君も事務所に帰ると思う」

月「……じゃあ2人きりになるのか……」ボソッ

灰原「何か言った?」

月「いや、何も言ってないよ」

月(……ついにここまで来たか……)

灰原「それで、何からやるの? 国語? 算数?」

月「ああ……うーん……そうだな……」

月「……まずは君の事を教えてくれないかな?」

灰原「……え?」


月「君は何故、僕の妹の……ふりをするんだい?」


灰原「!」

やっとらしくなってきた

灰原「……思ったより早かったわね……」

灰原「……でもそれはこっちのセリフでもあるわ」

月「ふっ……お互い無意味な演技をしていたワケだ……」

灰原「それで、どうなのよ?」

月「僕は君に近づきたかった……それだけさ」

灰原「……目的は何なの?」

月「……簡単なことだよ……」


月「……僕は君の事のことが……好きなんだ……」


灰原「」

灰原「……」

灰原「…………は?」

    _l:.:.:.:.:.:.:.:,.ノ:.:.:.://:.:.:.:/i:.:.:.:.:.:!|ヽヽ:.:.:.:、:.:.:\
   く/:.:.:.:.:/:/´ ̄:.∠.-‐'´/:/!:.:.:.:.:|:ハ:|l:.|:.:.ヽ.\:.:.:)
   /:.:/:.:/://:./:.:/ ノ:./l:.:、|:.|!:.:.:.:./!|´l|`ハ:.|.:.:lヽヽ〈
  |:.:./:.:.l:/:/:.l/_, ‐- 、く  |/:.:.://,. -=、 |l:.:.ハ:i !|
   Y:.:.:.:l!:.:|:.:.|イ´ i´ )ハl`i/,.ィく  イi´)ハ 〉|!:// |!
   !:.:.:.i:.:.:ヽ:.!ヽ. ヒz少 ノ´     lヒ_少/リ/:.:ヽl|     …………は?
   |:.:.:.|:.:.:.:!トl  ー‐'       ,、 ` ̄  ハ:.:.:.:|
   |:.:.:.|l:.:.:.!|、          ´    /ノ!:.:.:.:!
   |:.:.:.|l:.:.:.:.ト\    , -─‐ 、__    /:.:.:|:.:i:.l|
   ヽ.:.:l|:.:.:.:.ヽi l\ (       ノ  ノ:.:/:ノ:.:|:リ
      ̄`ヽ、:.| ̄ `i丶ー─ '´,.ィ' ´  ̄´ レ'´
         `  __|   ̄ ̄ |
         ,.ィ´く        ト、
      _,.-‐'     ヽ.‐-、  __|  `ヽ、
     / ̄`ヽ       |ー──|     `入

月「初めて君に会ったとき、僕は震えた……」

月「人を好きになったのは……生まれて初めてだったから」

灰原「ちょっと……何が狙いなの……!?」

月「狙いって……」

灰原「そんな冗談を言って、私を誑かすつもり?」

月「嘘じゃない。僕は本気だ!」

灰原「じゃあ何で突然、兄妹の関係を打ち切ったのかしら?」

灰原「兄妹じゃないなら、あなたはただの変質者よ?」

灰原「この家からそんなに出て行きたいわけ?」

月「僕は君と、兄妹でない、普通の関係でありたいんだ」

月「それに君は、この家から僕を追い出せないはずだよ」

灰原「ッ!!!」

月「コナン君に頼まれたんだろ? 僕と暮らすようにって」

灰原(……バレてたってワケね……)

月「何で、妹だなんて嘘をついたんだ?」

灰原「さぁ。私は江戸川君に従っただけだから」

月「……じゃあ君たちの正体って?」

灰原「!!!!!?」

灰原「……やっぱり……私たちの会話を聞いてたのね」

月「……え?」

灰原「今朝の登校中、妙な気配を感じたのよ」

灰原「そしてあなたと初めて会ったときもまた……」

灰原「全くと言っていいほど、同じ気配を感じたわ」

月「……なっ……?」

灰原「……どういうワケか、今は感じないけどね」

月(ちょっと待て……それってまさか……)

灰原「そのせいか、少し油断してたみたい……」

灰原「……あなたこそ……一体何者なの……?」キッ

            ,. -――‐- 、
          ∠--_、__,. , ---\
         /:∠二、   ´_二二_'ヽ

       __/ / ,. ― ミヽ  /,. ―-、ヾ,マ、_ >>447君しゃぶってくれんかのう?
     __/,、匸:| {  ● }}={{ ●   } |::] ,、ヽ__
  r―/: :|├/ヘヽゝ--彡'―ヾミ ---'ノノヾ┤|: :├: 、

  /: : : : :ハ Y  `三三{_    _}三三´_  Yノ : ノ: : :}
 V: : : : : :`| ({{ : : : : : : ≧≦: : : : : : : }}) |: : : : : ノ、

  ` ヾ: :_ -ヽ   ̄マ ̄ ̄  ̄ ̄タ ̄  /   :: : : :}
        \   ` ー---‐ ´    /ヽ   
         ` ー .____, - '"  
     _ -‐ '"           ゙ ー--、

   /            ,.:‐v‐:.、     \
  /   ; :        /  ゙´ ゙i       .\
/              (   i lヽ l         i
ヽ_             フ ハ ゙.ノ`          |
   \   !.       ./ "  ゙'' i.        l_!/ \
    .>、/ヽ.      i ,ィ    |        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
    /    l:      ,! ;  .;  !        |_____________|
  /    /,      | ;   !. i!        |l                  |
  \_  ./       | ;   ; i!      (  ノ |_____________|
    ゙`ヽ、.       ! !l   l、 !        ゙i、_| ̄ ̄ ̄ ̄            ̄|
       ゙ ー--、  | !   ; .|          ヽl______________.|
\          ゙ー| !l   ;. ! ̄ ゙̄ー" ゙̄ー―‐"、

  \         ヽ,! ,:   :.. |,,;;  ,:         \
_/ l . ,.  ''   \  \   ,; ;゙、ミ゙           \
   l .:、   、   \  \ ,;: i;ミ゙;゙             \

   L  、  \   \  \./

◆???://???◆

博士「大変なことになった」

ジン「どうしました、ボス?」

博士「これからは自宅で研究できん」

ジン「……何故ですか?」

博士「夜神月……という男を知っているか?」

ジン「夜神月……おいウォッカ! すぐに調べろ!」

ウォ「へい、わかりやした兄貴」カタカタ

ジン「それで、そいつが何か?」

博士「ああ……実は、ワシの家に住む事になった」

ジン「」 ウォ「」

ジン「……何故そのようなことに……」

博士「いろいろあってな。とにかく始末してくれ」

ジン「……分かりました。すぐに準備します」

博士「うむ……できるだけ穏便に頼む」

博士「全てはワシら組織の夢のため」

博士「そう。全世界の女性を――」

博士「ロリっ子に幼児化させるという、夢のためのな」

ウォ「へへっ……パイパンパイパン」カタカタ

ジン「……ところで最近のキラの動きは?」

博士「キラ? いや、特に目立ったことは――」

『PRRRRR♪ PRRRRR♪』

博士「ん? 警視総監からの報告メール……」

本日、キラに大きな動きがありました。
Lを含めたキラ事件捜査本部が心臓麻痺で全滅したそうです。
これにより、『キラは顔や名前を知らずとも殺せる』、
といった可能性が警視庁内で浮上してきています。
事実判明まで、組織の活動は控えた方が良いかと。

博士「な、なんじゃって!?」

ジン「何か、あったんですか?」

博士「……Lがキラに殺されたらしい」

ウォ「なっ!? それは本当ですかい?」

博士「うむ。だから今は活動を控えろ、とのことじゃ」

ジン「……では、夜神月の件も……」

博士「いや、活動を控える必要はない」

博士「キラにとって、Lは対をなすライバル」

博士「そんなLを殺せたということは――」

博士「キラの中で、何か変化があったということじゃ」

ジン「……と、言いますと?」

博士「おそらく、キラはかなり、Lに接近したんじゃろう」

博士「顔や名前を知らなくても殺せるというなら」

博士「全世界同時生中継(笑)のときにLを殺せたはずだからのう」

ジン「つまり……殺しに顔と名前が必要なのは変わらないと」

博士「そういうことじゃ。だから心配せんでもよい」

ウォ「なっ、なんだとっ!?」

ジン「ん? どうしたウォッカ?」

ウォ「夜神月について調べてたんですが――」

ウォ「とんでもないことが分かりましたぜ!」

博士「とんでもないこと?」

ウォ「ええ! バーボンからの情報ですが――」

ウォ「夜神月は先月から――」

ウォ「キラ事件捜査本部に加入しているそうです!」

博士「な!? なんじゃって!?」

ジン「……夜神月が……Lに接触しているだと……?」

博士「お、おい! 他に捜査本部に加入したメンバーは?」

ウォ「いえ……新加入は奴だけですぜ」

ジン「……ということは……キラの正体は……」

博士「」ガクガクブルブル

ウォ「ん? どうかしましたか、ボス?」

3:00には寝たいお

博士「……ワシは夜神月と……同居しとるんじゃぞ……?」ガタガタ

ジン「落ち着いてください。ボスは表世界でも著名人です」

ジン「顔や名なんて、最初からバレてるも同然――」

博士「違う! ワシが言いたいのはそんなことじゃない!」

博士「奴が何故、ワシの家へやってきたか、ということじゃ!」

ジン「それは……」

博士(哀君の兄などと、見え見えの嘘を吐いていたんじゃ……)

博士(奴の真の狙いは……おそらくワシら組織をつぶす事……)

博士(そのために、まずはボスであるワシに接触し――)

博士(ワシら組織の実体を掴もうとしたんじゃ……!)

博士(くっ……なんて大胆かつ舐めきった行動!!)

博士(しかし身の危険が迫れば、ワシを脅せばよいだけ……)

博士(……計算し尽くされておる!!)

なんだこの博士頭よすぎてバカだ

まさかロリコンだからとは誰も思わないよな

>>454

     rソノ^ソ~ヽ

     ( iイノiノリヾ〉
    く/j.・ー・リハ   お断りします

    /    \
  ((⊂  )   ノ\つ))
     (_⌒ヽ

      ヽ ヘ }
 ε≡Ξ ノノ `J

ウォ「じゃあ早急に奴を始末する必要がありますね」

博士「馬鹿者! そんなことをすればワシの命が危ないわ!」

ジン「……では、いかがしましょうか?」

博士「……計画を前倒しにする……!」

ウォ「なっ!? しかしまだ薬は未完成ですぜ!?」

ウォ「それに成功例の観察もまだ不十分かと思いますが」

博士「そんなことは分かっておる! だが時間がないんじゃ!」

博士「夜神月に殺される前に、目的を果たさなければ……!」

TV『えー! ここで緊急ニュースが入って参りました!』

博士「……ん?」

TV『警視庁に、あの怪盗キッドから犯行予告が届いたようです!』

TV『犯行予告時間は今夜9時、そして今度のターゲットは――』


TV『ありとあらゆる女性の――貞操だそうです!』


博士「なっ、なんじゃって!?」

月「哀ちゃんのことペロペロしたいおwww」

博士「組織を潰そうと同居……そして防御策あるとは……この男侮れん」

この温度差がなぁ










たまらん

キッド「貞操を頂きに参りました」
女性「キャー抱いて!!」

このカオスを見るとこれを思い出すわ
夜神月「新世界の神が、童貞でいいのか?」

ウォ「何だこれ……どういうことだ……!?」

TV『次にキッドからのメッセージを読み上げたいと思います』

レディース、アーンドジェントルメーン!
全国の女性の味方こと、怪盗キッドです。
今夜もまた、宝石を盗みに参上いたします。

それも皆さんの秘部に眠る――
――とびっきりのダイヤモンドをね。

僕に貞操を盗んでほしい女性の皆さん、
今夜9時に米花町のどこかで待っていてください。
それでは、シーユーアフターナイン。

TV『以上、緊急速報でした』

ジン「……ボス……これはいったい……」

博士「……分からん……だがこれは絶好のチャンスじゃ……」

博士「……この機会を逃す訳にはいかんな……」

ジン「……では……“花火”の準備を……始めるのですね?」ゴクリ

博士「うむ。既に環境だけは整っておる……」

博士「実行は今夜9時……それまでに薬のコピーを急ぐんじゃ!」

ジン・ウォ「「……了解!」」

ホモ展開

>>508
もうお腹いっぱいでつ

◆19時00分://阿笠邸/灰原の部屋◆

灰原「……あなたこそ……一体何者なの……?」キッ

僕を睨みつける彼女。

さっきまでの優しさは何だったんだ。
妙な気配消失による油断? ふざけるな。

過去、救いの手をくれた彼女に。
今、奈落へ突き落とされた。

絶望の底。半端ではない喪失感。
低下する思考力。締め付けられる胸の内。

狂いそう。抉れそう。壊れそう。
崩れそう。犯しそう。死にそう。


月「えっ? 僕の正体? キラだけど?」


それは自分の中で、何かが裏返る感じ。

あがって
さがって
裏返って

忙しいやつだなwww

今思ったがこれだけイロイロあって一日も立ってないんだな

灰原「……は?」

月「本当だよ」

灰原「ついていい嘘と、悪い嘘があるんだけど」

月「本当だよ」

灰原「……じゃあ証拠は……?」

月「今、この場で犯罪者を裁く」

灰原「……は?」

月「だからもし嘘じゃなかったら、僕と付き合ってほしい」

灰原「……ちょっと、自分で何言ってるか分かってる?」

もちろん分かっていた。

その論理が破綻していることも。
自分が壊れつつあることも。

月「今からテレビをつけて――」

月「最初に映った犯罪者を裁いてみせるよ」ククク

『ピッ』

TV『えー! ここで緊急ニュースが入って参りました!』

TV『警視庁に、あの怪盗キッドから犯行予告が届いたようです!』

TV『犯行予告時間は今夜9時、そして今度のターゲットは――』

月「うあああああああああああああああ!!!!」

『ガシャンッ!! パリ―ン!! グシャ!!!』

僕はテレビを壊す。壊す。

月「何でよりによってお前なんだよ!! 死ね! 死ね!」

『パリーン!! ガシャン!! ガシャン!!』

TV『……』

月「……クックック! 殺してやったぞ!! ざまぁみろぉ!!!」

月「ハハッ! 雑魚キッドめ!! ハッハッハッハッ八八!!!」

灰原「……」

月「さぁ! 殺したよ! 僕と付き合ってくれ!!」

灰原「出てって……」グスン

月「ああ? 僕は約束を守ったじゃないか!」

灰原「お願い……だから……」グスン

月「ちっ! お前をそんな悪い女にしたのは誰だ!」

月「さては江戸川コナンだな?」

灰原「……」グスン

月「あのクソガキがあああああああ!!!!!!!」

『ガシャン!! ガシャ!! パリーン!!』

もはや夜神月という面影はない。

月「おいお前、アイツのことが好きなんだろ?」

灰原「……」グスン

月「何で答えねーんだよゴルァ!!!!!」

月「殺す!! 江戸川コナン!! 絶対殺す!!」

月「クックック。どうせ探偵事務所に行く予定だったんだ」

月「今から殺しに行く! フハハハハハハハハハッッ!!」

◆19時50分://米花町/某所◆

\ザワザワ/

記者「えー、ご覧下さい! この寒空の下、雪の中!」

記者「キッド様に抱かれたい女性達がもう集まっています!」

記者「お話を伺ってみましょう――いつから待ってるんですか?」

腐女子「キッド様が生まれる5秒前からですよwwwwデュフwww」

記者「そうですか! ところで、もちろん処女ですよね?」

腐女子「自明wwww33年ワレメ一筋、キッド一筋wwww」

記者「なるほど! スタジオ聞こえましたか? すごい熱意です」

記者「かくいう私も待ちきれなかったりします!!!」クパァクパァ

記者「さて、キッド様はこの大勢の女性達をどう捌くのか!」

記者「非常に見物ですね! それでは一旦返します!」

TV『――現場の記者さん、ありがとうございました』

TV『えー、今夜9時が非常に楽しみですね』

TV『それでは次のニュースです』


                _,,.. -──- 、.._
             ,.‐'" _,,.. -──- 、.._ ` ‐ 、
          ,.‐'" ,.‐'"          ` ‐ 、 ``ヽ、
         / , ‐'"  _,,.. --────-、.._   ヽ、 ヽ
        / /   /、ミヽ\i // `ヽ、 `、 丶

        / /  /ヽ \ヽ\ ! !/ / //ヽ,  ヽ `,
       i  i  /=               三`、  i |
       i  i  //                 -`、  i i
      i  i  i/                    = i  | i
      |  | !                     ≡!  ! |
      i  i i  , へ ,            , へ ,   i i  !
      i  i | /   `丶、        /    \  | / i
      |  丶;  / ",''ヽ、          .,‐'"`ヽ、  i/  |
       i  ヽ / i !..,,,`i         i !..,,,`i    |  i
       i   ヽ   ゝ.;;;ノ          ゝ.;;;ノ,,   /!  i  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       i   |ヽ                    /'''i i <   え、テレビのニュース
       |   i `,                   /- | |   |  
       |   !"ヽ        /         //| |   |   みればいいの?
       i   | ヽ`,       ヽ         /:::::::|  |   \___________
      i |   i\ノ,                /:::::::::i  i
      ! i   |::::::::::\             /::::::::::::i  i
      |  |   |::::::::::::::\   ヾ´,ヽ    /::::::::::::::::::| ! |
      i  i  i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| i |
      |_| ヽ `,i     ___|\    / |_      / i  !
       i_`,_`、  /ヽ 丶,`" '' "   /ヽ     /__| ̄

くだらない。何だこの騒ぎは?

僕は今から毛利探偵事務所に行くんだぞ。

邪魔なんだよカスどもが。

\キッド様ー! キッド様ー!/

月(不愉快なんだよ! その名を口にするな!)

くそっ。早く奴を殺さないと腹の虫が収まらない。

コナンめ。デスノートで殺せない所が余計にムカつくな。

小学生のくせに偽名なんぞ使いやがって。

てか死神の奴も。本名くらい言ってから死ねよ。

ん? 着いたか。


『毛利探偵事務所』


月「ふふふ。待ってろよ……江戸川コナン!」


                              ~中編・完~

後編じゃなかた

ネクストコナン図ヒント 「カオス」

>>547
ヒント:すでに


____   r っ    ________   _ __
| .__ | __| |__  |____  ,____|  ,! / | l´      く`ヽ ___| ̄|__   r‐―― ̄└‐――┐
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| |_| | _| |_| |_| |_  | | | r┐ r┐ | | | /  |   | レ'´ /  く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘
| r┐| |___  __|. | | | 二 二 | | |く_/l |   |  , ‐'´     ∨|__  ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄
| |_.| |   /  ヽ    | | | |__| |__| | | |   | |  | |   __    /`〉  /  \      │ | |   ̄ ̄|
|   | / /\ \.   | |└------┘| |   | |  | |__| |  / /  / /\ `- 、_ 丿 \| | ̄ ̄
 ̄ ̄ く_/   \ `フ |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |   | |  |____丿く / <´ /   `- 、_// ノ\  `ー―--┐
           `´ `‐' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐'     ̄          `  `´          `ー'    `ー───-′
 名探偵 |__ ヽ|__  __|{   } | |
      ___| | __| |   `―´ | |
      /      ノ/   ノ   / ̄ ̄ ノ
       ̄ ̄ ̄   ̄ ̄     ̄ ̄ ̄

◆???://毛利探偵事務所◆

小五郎「何だ何だ。この人盛りは」

蘭「お父さん知らないの? キッド様が原因よ」

小五郎「キッドだぁ? そんなの聞いてねーぞ」

蘭「ふぅん……じゃあ、私もそろそろ行こうかな♪」

コナン「え? どこに?」

蘭「キッド様の所だけど……どうかしたの? コナン君?」

コナン「いや、だって蘭姉ちゃんには……新一兄ちゃんが……え?」

蘭「新一? そんな奴は記憶から消滅したけど?」

コナン「……嘘……だろ……おい……」

蘭「んふふ♪ どんな下着履いていこうかな?」

コナン「らあああああああああああああん!!」

――――――
――――

コナン「はっ、夢!?」

英理「あら起きた? コナン君」

◆20時00分://熟女ヘルス『LawYer』◆

コナン「あれ……僕、どれくらい寝てた?」

英理「ふふっ。ほんの数時間くらいかしら」

コナン「……そう……なんだ……」

英理「それよりびっくりしたわ」

英理「久しぶりだもんね、コナン君が来るの」

コナン「アハハ。今日は英理おばさんに会いたい気分だったんだ」

コナン(ははっ……恥ずかしくて言えるわけねーよな)

コナン(この世をロリで埋め尽くすという、博士の目的を知って)

コナン(熟女派のオレが焦って熟女ヘルスに来たなんて……)

英理「あら? コナン君、何か隠してない?」

コナン「か、隠してないよ」

英理「ふふふ。そう」

英理「ところでコナン君が寝てる間に大変なことがあったのよ」

コナン「大変なこと?」

____   r っ    ________   _ __         _ _     ____  __
| .__ | __| |__  |____  ,____|  ,! / | l´       ,! /_|  |_   |    |  ,! /___
| | | | | __  __ |  r┐ ___| |___ r┐  / / | |  /\  / _  ___|   | □ | /  __  _|
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r――-、 r――‐┐       _  __      r―┬―┐r‐┐ r―r'',ニ、ヽ  __       r――-、
 `! |`ヽ !L/´゙! 「    _,,,,,. -┘| l"r'      n゙l l"゙l  「 7, l `!「 i'  l ヽl"r'      n`! |`ヽ_!
  .| |  l l 「Ll  | r‐''''"´__,, r‐、_l |.  ̄ ̄ ̄ ̄ |.| L.」 |  ! ト ゙l l | .|  | ||  ̄ ̄ ̄ ̄ .|..| U゙!
  .| |  l | Ln  l ー-≦-┘l,,,,,n. ! r''''''''''''''''''''''i」| l ̄| l .| l ヽ ´ | l  l || r''''''''''''''''''''''i」 | n.」
  」 |__,ノ ノ「L,,,|  |_     ゙゙̄'''''ー' `ー'       」 l_! |__l L ヽ .ト ヽ_ノ .,!.`ー'       _| l_ノ`!
 ー――‐' `ー―‐┘                 ー―┴―┴-'  ゙'' ヽ、___ノ          ー――'´

                   -====== デ = ス = ノ = ー = ト ======-

                           V   S

                      ___.  _r.┐_ , ―、  _
                名探偵 |__ ヽ|__  __|{   } | |
                     ___| | __| |   `―´ | | 
                     /      ノ/   ノ   / ̄ ̄ ノ 
                      ̄ ̄ ̄   ̄ ̄     ̄ ̄ ̄

英理「キッドが警視庁に犯行予告を出したみたい」

コナン「なっ!? キッドだと!?」

コナン(まさか、さっきのは……正夢!?)

コナン「……ターゲットはもしかして……」

英理「確か女の子の貞操って言ってたけど」

『ガタンッ』

コナン「蘭の処女が危ない!」

英理「えっ?」

英理「ちょ、ちょっとコナン君! どこに行くの!?」

コナン(熟女好きでありながら処女厨という矛盾……)

コナン(しかしそれがオレである以上――葛藤している場合ではない!)

コナン「最高の矛と、最高の盾が争うならば――」

コナン「オレは剣士として、漁夫の利を得るだけさ!」

そう言い残し、名探偵は熟女ヘルスを出発した。

向かうは毛利探偵事務所。熟女も大事だが、処女も大事だ。

   /  / ,'    ,'‐、,、,‐'´ヽ  、:::::::ヽ
   l  / , ' ヽl       l    、::::ヽ
   i ミ  /l /`〟       リ ll`il:::::::`::::}
  │' ├l/‐‐十‐    --十〃从 li:::::::,'
   `r lll'"~'~´""~`、___i-'´~'"十‐リ::::i::::r
   i^、l.ll'"'i、ヒ''ィノ 〉⌒l !;;.q,ノュr' 丨リl ,r'

   '、lヾリ、´`´ , r'  i、 ヽ、`゛' , ',ノノノ
    `人` `"~´   ,' i  `~´" r'ノ,r'
    リ `ゝ      `'     , 'ノ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     (( \    、")   ,r'   <  熟女サロン……!?
         'lヽ     . イ      \   いったい何を言ってるの
        /l  `ヽ、, r" l\.      \______________
      ,r'",-'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`i \


◆20時00分://毛利探偵事務所/玄関◆

『ピーンポーン』

蘭「はぁーい、今出ますね」

『ガチャ』

月「こんばんは。名探偵に相談があります」

蘭「相談ですか? あ、あの。もう営業は終わったんですが」

月「そうですか……それは残念」

『ガシッ!』

蘭「ッ!!」

月「動くな。動くと首がふっとぶぞ」

ライトは素早く回り込み、蘭を羽交い締めした。

手にはナイフが握られている。

蘭「ぅ……ぁ……」

とっさの出来事に、蘭も空手を繰り出せない。

◆同刻://毛利探偵事務所/客間◆

蘭「……ッ!」

小五郎「蘭!! お前、どうした!?」

月「これはこれは名探偵。夜分にすみません」

小五郎「貴様ァ!! 蘭に何してんだッ!!!」

月「おっと、動くと蘭さんの命はありませんよ」

小五郎「……くっ……要求は何だ?」

月「流石は元刑事……随分と理解が早いですね」

小五郎「元刑事……オレのことを調べたようだな」

月「いや、警察関係者の身内から偶々聞いただけですよ」

月「最近、あなたの探偵としての台頭は著しいですからね」

小五郎「……さっさと要求を言え」

月「ここに江戸川コナンがいるはずだ。奴を出してもらおう」

小五郎「ふっ。何が狙いか知らねーが、コナンならいねーぞ」

月「何?」

さてあの怪盗がこれからどうかかわってくるのか……

月「嘘をつくな。小学一年生が出歩く時間じゃないだろう」

小五郎「何だそのマヌケな見解は? さては童貞か?」

月「おい!! 口を慎め!! 僕は新世界の神だぞ!!」

小五郎(ちっ……目が逝かれてやがる……)

月「さっさと出せ!! 奴を僕の目の前に!!」

『スッ』

蘭「うっ……!」

人質の首から、赤い線が滴る。

小五郎「……くっ……てめぇ……!!」

月「江戸川コナンはここに住んでいる。それは間違いない、な?」

小五郎「……ああ……今年の春から住んでいる……」

月「なるほど……今年の春とは興味深い」

月「つまり、眠りの小五郎が売れ始めた頃と同じ、ってワケだ」

小五郎「!!!!!」

小五郎「……何が言いたい?」

月「ふふっ。江戸川コナンの正体と関係があるのでは、と思いましてね」

小五郎「……コナンの正体……だと……?」

月「だっておかしいじゃないですか。眠りの小五郎だなんて」

月「当たり前ですけど、眠った人間は喋らないんですよ?」

小五郎「!!!」

月「答えてください。あなたは、眠ったフリをしているんですか?」

小五郎「……ッ!」

月「答えないという事は、蘭さんの命がどうなっても?」

小五郎「分かった! 分かったから蘭を傷つけないでくれ!」

月「なら、どうなんです?」

小五郎「……ああ……オレは……眠ったフリをしている……」

月「では、眠ったフリをして、実は推理を喋っていたと?」

小五郎「……いや、違う……実際に推理をしてるのは……コナンだ……」

月(……なるほど、見えてきたな)

蘭「ちょっとお父さん! それってどういう――」

月「黙れツノ男!!」

月「自分が人質だということを忘れるな」

小五郎「……おい、もういいだろ?」

月「いいや。まだです」

月「コナンの正体について、あなたにも思う所があるのでは?」

小五郎「……いや……ない……」

月「嘘が下手ですねぇ。そんなに蘭さんを殺したいですか?」

小五郎「くっ……!!」

月「あなたも頭が悪い。正直に言えばいいものの」

小五郎「……オレだって探偵の端くれだ」

小五郎「毎回、効果の無くなった麻酔銃を打ち込んでくる少年……」

小五郎「……そんな怪しい奴の正体を、考えないわけがないだろ……」

月「ほう。では、その正体とは?」

効果のなくなったってどうゆう事だよ?

小五郎「……オレの推理では……コナンの正体は……」


小五郎「……工藤……新一だ……」


月・蘭「「!!!」」

蘭「えっ……お父さん何言って……」

月「喋るなこのヘアスタイルがっ!!」

月「……毛利探偵。あなた、自分が何を言ってるか分かってます?」

月「高校生が、小学生になるはずないでしょう?」

小五郎「最初はオレもそう思ったさ。だが、今はそれしか考えられねぇ」

小五郎「あの推理力、顔立ち、新一行方不明後のコナンの登場……」

小五郎「あの声を変えるメカ、そして新一との通話時におけるコナンの留守率」

小五郎「まだ他にもある……裏付けるものが多すぎるんだよ……!」

月(……嘘をついてるようには見えないし、根拠はあるようだな……)

月(……信じられないが、一応ノートに名前を書いておくか……)

コナンピンチktkr

『工藤新一』

僕は2人に気を配りながら、
デスノートにそう刻む。

小五郎「おい……何をしてる?」

月「ああ、これは申し遅れました」


月「僕は世間一般に……キラ……と呼ばれているものです」


蘭「……え……」

小五郎「……な……に……?」

月「このノートはデスノートといって――」

月「名前を書くと、その人間を殺す事ができるんですよ」ニヤリ

蘭・小五郎「「!!!!」」

月「ちょっとコナン君には恨みがありましてね」

月「死んでもらう事になったわけですよ」ニヤリ

蘭・小五郎「!!!!!!!!!!!!!」

コナン「キッドーーー!この人たちは関係ない、奪うなら俺のしょj・・・ぐはっ(バタッ」

蘭「……取り消し……なさいよ」

月「あん? 誰が喋っていいって――」

蘭「取り消せって言ったのよ!!!!」

『ピシュンッ!』

蘭「んぁ……!!」

月「おい。まさかお前も奴のことが好きなのかよ」

蘭「ねぇ……新一は……無事なの?」

月「ふっ。まぁどっちでもいいが」

月「もし好きだったなら残念なお知らせがある」クックック

月「江戸川コナンこと工藤新一は、あと5秒で死亡だ!!」

蘭「えっ?」

月「4 3 2 1」

月「ゼロ!!!! ハッハッハ!!! さらばだコナ――」

サッカーボール『ギュルルルルルルルルルル!!!』

月「がぁ!!」< ずどーん!

まさか自分の名前を?!

ーーーその頃キッド側では
灰原(i)「キッドさん・・・クパァ」
キッド「ディエエエエイ!デュフフ」

???「随分な始末じゃねーか、お兄さんよぉ」

月「……くっ……誰だ! 僕にボールをぶつけたのは!!」


コナン「江戸川コナン……いや」

コナン「工藤新一……探偵さ」


月「江戸川コナン!? お前、何で生きてるんだ!!」

コナン「バーロー。ノートに名前を書くだけで死ぬ方がおかしいだろ」

小五郎「おいコナン……お前、本当に……新一……なんだな……」

コナン「おじさん、今まで騙しててごめん」

小五郎「……オレはいい! 他に謝る人間がいるだろう!」

コナン「うん。分かってる……」

コナン「蘭……待たせたな……」

蘭「……本当に……コナン君が……新一なの……?」

コナン「ああ。遊園地のデート、一緒に帰れなくて悪かったよ」

蘭「……新一の……バカァ!」グスン

月「何故死なない!? こんなのは認めないぞ!!」

月「さてはお前、工藤新一じゃないだろ!」

小五郎「フン。キラごっこは終わりのようだな」

月「遊びじゃない! 僕は本当にキラなんだ!!」

小五郎(……目が血走ってる……どうかしてるぜコイツ……)

コナン「夜神月……お前の狙いは何だったんだ?」

月「お前を殺す事に決まってるだろ! そして組織も潰して」

月「灰原さんと2人で仲良く暮らすつもりだったんだ!!」

月「それをお前は! お前は……!!」

コナン「……組織? まさかお前……」

月「ああ! コードネームに酒を用いる組織のことだ!」

月「知らないとは言わせないぞ!!」

コナン「やはり、今朝の登校中に聞かれてたんだな……」

コナン「……知ってるよ。ボスの名前も、奴らの狙いも」

月「!!!!!」

これは手を組むか

月「おい教えろ! 僕はキラなんだ!!」

月「ボスの顔と名前が分かれば、ボスを殺す事が出来る!」

コナン「……悪いが、お前はキラじゃない」

月「キラだって言ってるだろ!」

月「じゃあこの女を殺せば信じるな? そうだろ?」

蘭「!」ビクッ

コナン「……そんなことをする奴に、教えると思うか?」

月「クズがっ! お前は灰原さんを救いたいとは思わないのか!!」

コナン「……」

小五郎「おい新一。こんな狂人の戯れ言に耳を貸す必要はない」

月「狂人だと? 僕のどこが狂っているっていうんだ!!」

月「狂ってるのは、お前の方だ江戸川コナン!」

月「お前が本当に工藤新一なら、何故心臓麻痺で死なないんだ!!」

コナン(……本当にコイツ……何言ってんだ……?)

月(待てよ。まさかリュークが放った言葉の、本当の意味って……)

月(コナンが偽名を使っている、なんてレベルではなく……)

月(そもそもデスノートで殺せない人間って意味なのか?)

月(……でもそんな人間が……この世に存在するワケ……)

コナン「おじさん、どうするこの人?」

小五郎「コイツはもう、何の脅威も無いただの狂人なんだ」

小五郎「警察がキッドの件で忙しい今――」

小五郎「無理に通報する必要はないだろう」

コナン「だよね。その辺の縄に縛り付けておこうか」

月(いや……でも“江戸川コナン=工藤新一”が本当なら――)

月(コイツは“時を遡った”ということになる……)

月(それが神の逆鱗に触れて――)

月(人間の称号を剥奪されたとしたら……)

月(ちっ……リュークめ……具体的に言ってから死ねばいいものの)

コナン「蘭、貞操は無事だろうな?」

蘭「やだっ、新一ったら……もう……///」

3人「「「わははははは」」」

月(クソがッ! こっちは真剣に考えてるんだぞ!)

月(僕は灰原さんと全然うまくいって――ん?)

月(……そういえば……コナンのことばかり考えてたが)

月(灰原さんに対しても……全部同じ事が言えるんだよな)

月(……待てよ……ってことはまさか……)

月(……灰原さんも……時を遡ったというのか……!?)

月「…………」

月「うあああああああああああああああああああ!!!!」

3人「「「!!!!!」」」

小五郎「……おい新一。奴に麻酔銃を打て」

コナン「いや、ダメだよ。この麻酔銃、強化してるから死んじゃう」

小五郎「そうか……なら仕方ねえな」

月(……落ち着け……僕は今の彼女が好きなんだ……)

月(……たとえ彼女が……既に人でなくとも……)

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リュ「やっぱり死神と人間じゃ……恋愛なんて無理だったんだ……!」

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月「!!!!!!」

月(違う……何を考えてるんだ……)

月(彼女が死神なわけ――)

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灰原「今朝の登校中、妙な気配を感じたのよ」

灰原「そしてあなたと初めて会ったときもまた……」

灰原「全くと言っていいほど、同じ気配を感じたわ」

灰原「……どういうワケか、今は感じないけどね」

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月(……ハハハ……ありえない……人間が死神になるなんて……)

月「おい……江戸川コナン……」

コナン「……ん?(……何だ急に改まって)」

月「……お前は、死神って信じるか……?」

コナン「死神? 何だよ。今度は御伽話ってか?」

月「……真面目な話だ……」

コナン「バーロー。んなもんいるワケねーだろ」

蘭「そう? 私はいると思うな」

蘭「死神は人間を不幸にするから好きじゃないけどね」

月「……人間を……不幸にする……だと……?」

小五郎「ああ……昔からそういう言い伝えがあるな」

月「ハハハッ……じゃあ彼女が死神なわけないな……」

月「だって僕は今、こんなにも幸せ……ッ!?」

月「……こんなにも……しあわ……せ……」グスン

月「ハハハッ……ハハハハハハハハハハッ!!!」グスン

月「……毛利探偵……コナンが来て、何か不幸なことは……?」

小五郎「不幸だぁ? むしろ収入が上がって大福だぜ大福!」

月「……それってつまり……身の回りで殺人が増えたって事だよな……?」

小五郎「……え……オホン……それはまぁ……そうだな……」ポリポリ

小五郎「確かにコナンを連れて行くと、そこで殺人事件は必ず起こ――」

小五郎「ちょっと待て。よく考えてみれば異常な程起こってる……」

コナン「……てめぇ……何が言いたい?」ガクガク

月「……お前……身体が小さくなったのは……組織のせいだろ?」

コナン「……ああ。奴らに変な薬を飲まされ、身体が縮んだ……」

月「……そうか……全てはその薬のせいだったのか……」

コナン「……どういうことだよ?」

月「……お前、もうじき黒い羽根が生えてくるだろうよ」

月「そしたら死神界に召されて、死神大王からデスノートを貰う」

月「後に顔は醜くく変わり果て、そして不老不死の身体を得る……」

この>>1超展開が多すぎるいいね

コナン「……ハハハ……何言ってんだよ……」ガクガク

月「何って……時に逆らった……神からの罰さ……」

月「その組織はな……知ってか知らずか……」

月「……死神を作り出しているんだよ……」

コナン「ちょっと待て……」

コナン「……組織の目的は、ロリを量産することのはずだ……」

月「……なるほど……じゃあ知らずに死神の薬を作ってるわけだ……」

コナン「ふざけるな。証拠がないだろ」

月「証拠? フッ。こんな状況になって、まだそんなことを言うか?」

月「灰原哀と江戸川コナンに出会った今朝から――」

月「僕の運命はメチャクチャにされたんだぞ……」

月「家族は死に、仲間は死に、僕の心は、もう廃れてしまった……」グスン

コナン「……何をバカなこと……そんなことあるはず……」ガクガク

月「こんなことになるなら……最初から彼女に……」グスン


月「……出会わなければ良かった……」グスン

おお、なんかいい展開じゃないか

とりあえずパンツ脱いだ

◆20時55分://帝探小学校/校庭◆

帝探小学校という名の、組織の基地。

被験者を観察するだけにはもったいなく、
その地下には隠された秘密があった。

雪が降りしきる中、
グラウンドから突如現れる巨大装置。

――通称“花火”。

勃起したペニスのようなそれは、
まるで願いを届けるように夜空を仰いでいた。

そして玉袋部分に白い粉を次々と注ぎ込む黒い人影。
これこそ、APTX4869(改)である。

ウォ「天候は雪と、最適ですね」

ジン「ああ。きっとうまくいく」

博士「……じゃあ行くぞ。準備はいいか?」

ジン・ウォ「「はい!」」

博士「ロリコンの願い……天まで届け!!!」

『ポチッ!』

博士と息子は天を仰ぎながらボタンを押したってか

『ドォォォォオォォォォォォォォォオオンッッッ!!!!!』

とてつもない爆音と共に、
とてつもない量のAPTX4869(改)が放出される。

それは水に溶けない魔法の粉。
雪と区別がつかない白い粉。
呼吸で吸えてしまう軽い粉。

午後9時00分。

「我先に」キッドに犯されようと、全国から集まった女達。
薬の効果により、次々と倒れていく。

それに対し、「興奮しすぎたのか?」と思った連中は時既に遅し。
薬の効果により、次々と倒れていく。

それに対し、「我こそは」と、意気込む人種も時既に遅し。
薬の効果により、次々と倒れていく。

やがて集まった女性達および、
外出していた人間全てが倒れていった。

そこに遅れてやってくるキッドだが、

キッド「おい!! 僕の名を語って、予告状を出したのは……」

キッド「……誰……だ……!」

彼もまた、儚くも散る……。

なん…だと……?

いつから本物かと錯覚していた?

起き上がる人々。
その数は全体の1割程度にも満たない。

コナンや灰原のように幼児化した肉体。
そして変声期を迎える前の声で泣き叫ぶ。

それはもう、何かの誕生を告げるように……。

どうしてこうなった。

どうしてこうなった。

その声の数は、およそ5000人。

もう彼女らは人ではなく……死神の子。

今までバランスを保っていた米花町だったが、

リュークとコナン達が、出会ってしまったことが運の尽き。

死神の力は、町の整合力を遥かに凌駕し、
結果として夜神月の不幸、キッド信者の発狂を生み出した。

そして今度は、5000という圧倒的な数。
その計り知れない死神の力は、さらなる絶望の幕を上げる――。

『ガシャ! グシャ!!』

歩美「ふふふふふ!! 死ね!! 死んじゃえ!!」

『ガシャ! グシャ!!』

光彦「勉強? いやですよ! 死んで下さい!!」

『ガシャ! グシャ!!』

元太「よくも昨日、うな重に椎茸を入れやがったな! 死ね!」

それぞれの親を殺す歩美、光彦、元太の3人。

ジン「よくも今まで扱き使ってくれたものだ」

博士「――――」ポタポタポタ

ウォ「それはこっちのセリフだよ!」

『ガン!!』

ジン「ぐぁ!!」

ウォ「死んで詫びな。お二人さんよぉ……」

どんどん広がる、死神の力……。

小五郎「オラオラオラオラ!!」

『ギシギシ』

蘭「あんあんあんあん!!」

子を犯す親。

優作・有希子「「一緒に死のう」」

仲良く心中する夫婦。

英理「あれ? 何で私、ヘルスなんてやってるの? 死の」

自殺する弁護士。

総一郎「ぷはぁっ!」

何故か生き返る親父。

総一郎「うううう!! があああああ……」

そして死ぬ親父。

カオスの輪は広がり続ける。

          \ ,-/      _/  ,,‐''-''ヽ ,,-‐'''‐-、  /ノ   /  ノ  /  /,,-─/
          / /      '" /    / ,,-、 /、ヽ\  ゙i;,-''"   / ./  /─''''" ̄ ,,/
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      / /  | l|  ,,-'"/゙/,」|    /    ..::;;;,,,  }  /   |~ ,,-‐,,,-'''  //~
     / /-'''''| | /l /‐'''/'' .人   i'    .:: :;'" / / l  ノ゙i// ,,-‐'"──==
     //'"   ゙i;: | /‐' ./,, ,,ノ ゙i;,.  |     _,,-ヾ.// ノ ,-''" l |  ‐'"   ,,,-‐二
     レ'     ヽl:i' ./  )'、‐,\゙i;: | ,,,-‐二-┬ナ" /‐'"‐ 〉 ,i'───'''" ̄~-''"
         ,-‐',ヽ|'"  ./゙ヽ-ゝ='\゙i,'''ヽ -゙=‐'   '" ,‐'ノ,, /‐''" ,,-‐'''"~   >>1おめぇ、ココおかしいんじゃねぇか?

        / / ;;:.  ──ヽ, ゙i;'''''' , ゙ "-‐'''''"""    〔_,/ ゙ヽ'-'"~
       / /   / ,; ,,_}_  ゙、 ./__,,  _,,       /      \
      ,;'  / ,;;;:;:/;: ,,   ~ ヽ ヽ.  ヽニ‐'、     / /       ゙i,_
    ./        ''  ,l,,,,,,/ 〉  ゙ヽ、 '''' :;l  ,,-''" /        ゙i.\
    /          / ヽ /     ゙ヽ、--イ~;;:'" //   ::;:;:;:   | \
   i          /  ̄ ゙̄"          |;:" //            ヽ-‐'''"~l|
  ./    ゙''''ヽ、,,-‐''"              .i /,;'"   _,,,,,,,,,_,,,-‐'''-''"~     |
 (" ̄"'''''‐--、,,_i'                 // '",,-─'''"  ,,,-‐'",-‐'"  ,,,,-‐ .___|
 i' ゙'':::::::::::::::::::::::}                _/''-'''"~   ,,,-‐'",,-'''"  ,,,-‐二-‐''''"   ゙ヽ

そして世界は、終焉を迎える……。

バーボン「……ついにこの世界も終わり、か……」

???「ああ。これで最高の奉仕ができた。感謝する」

バーボン「ふっ。礼なんていらない……」

???「いや、実際。お前が居なきゃ達成できなかった」

バーボン「オレだって、お前のノートに気づかなきゃ死んでたさ」

???「あの捜査本部のやつか? あれは気づいたお前の方がスゲぇ」

バーボン「まぁ実際、信じるかどうかはかなり迷ったがな」

???「ハハハ。随分、無茶なことが書いてあっただろ?」

バーボン「まぁな。でもそのノートの効力のお陰で信じられたわけだ」

???「ふっ、それにしてもキッドを使うのは名案だったな」

バーボン「んっ? キッドを知ってたのかお前?」

???「ああ。つい最近、教えてもらったんだ」

バーボン「そうか。まぁ結果、組織の連中を上手い事誘導できて良かった」

まだ終わりじゃない・・・だと・・・

???「この姿になって、話すのは何回目だろうな」

バーボン「さぁ、結構頻繁に会ってるんじゃないか?」

バーボン「ライト君が生きてる間も会ってたし」

???「何言ってんだ。ライトはまだ生きてるぜ?」

バーボン「はいはい。でも実際、かなり負担が掛かってたと思うぞ?」

???「まぁ……それは否定できないな……」

???「実際ライトも、自分が壊れていくのを悟ってたみたいだし」

バーボン「だろうな。無意識に二重人格になってんだから」

バーボン「所々記憶も飛ぶし、何せもう一つの人格は死神だ」

バーボン「死神の力に影響され、とても正気じゃいられなかったはずさ」

???「……そうだよな……二重人格……なんだよな……」

バーボン「ん?」

???「いや、ライトの奴、オレが死んだと思ってるんだろ?」

???「……何だかそれが悲しくてな」

さゆか

バーボン「仕方ないだろ。『お前がLを殺す=お前が死ぬ』って思ってんだから」

???「でもよ、あの天才ライトだぜ? 気づいてくれてもいいだろう……」

???「Lはライトに恋をしていた。だからLがライトの寿命を縮めるわけがない」

???「それに他の奴らは取るに足らない連中。だからオレは死なないって……」

バーボン「でも、その隙があったからライト君の中に入れたんじゃないか?」

???「確かに……抜け殻状態になったライトに入ることは容易かったけどよ」

バーボン「終わった事にくよくよするな。これから創るんだろ?」


バーボン「新世界」


???「ああ、そうだな……アダムとイヴ、2人で新しい世界を創るぜ」

???「もちろんアダムはライト。イブはオレだけどな」

バーボン「ハハハ。それでいい。勝手にしてくれ」

???「そして上手くいった暁には、2人で禁断の果実を食う!」

???「それが今のオレと、ライトの夢……だなっ!」

バーボン「禁断の果実って……リンゴだろ……ショボいな……」

???「おい! リンゴをバカにするなよ!」

バーボン「はいはい。じゃあまたどこかで会おうな」


(???)月「おう。ありがとな、バーボン……いや、宇木田」


(バーボン)宇木田「いいってことよ」


宇木田「このデスノートは、貰っていくぜ?」

月「構わねえ。オレにはライトのデスノートがあるから大丈夫だ」

宇木田「ふっ、礼を言う。じゃあな、リューク」

月「ああ、また会おう……新しい世界でな」


世界は滅び、地球が死神界と化した今、

ライトとリュークは、再び歩き出した。


                              ~後編・完~

私は納得がいかない

全てよんだお(^ω^)おつお

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