ライナー「練習だ」(40)

※ネタバレ・捏造・突っ込みどころ満載



【壁外】



ライナー「もうすぐ『壁』に着く…」

ライナー「というわけで、練習だ」

ベルトルト「何の?」

ライナー「もちろん巨人化のだ」

アニ「えー」

ライナー「どうしたアニ」

アニ「めんどうくさい。疲れるからやだ」

ライナー「だからやるんだよ!いざって時に疲れて巨人化できないなんて笑えないぞ?」

ベルトルト「たしかに」

アニ「…まあ、一理あるかもね」

ライナー「じゃあまず俺からやるぞ。お前たちちょっと離れてろ」

アニ「わかった」

ベルトルト「ライナー頑張って!」

ライナー「いくぞっ…!」ガリッ!

鎧の巨人「」シュゥウウウ…

ベルトルト「おぉー」パチパチ

アニ「……」パチパチ

ベルトルト「おーい、ライナー」フリフリ

鎧の巨人「」ヒョイ

ベルトルト「わっ」

アニ「!!」

鎧の巨人「」ポス

ベルトルト「わあ、いい眺め」

アニ「見渡す限りずっと同じ景色だけどね」

ベルトルト「それは言わない約束…」

アニ「故郷は見えないのかな」キョロキョロ

鎧の巨人「」ユビサシ

アニ「あっちか」

ベルトルト「うーん…さすがに見えないね」

アニ「あんたは見える?」

鎧の巨人「」ブンブン

アニ「そっか…あ、ベルトルトの巨人なら見えるかもね」

ベルトルト「じゃ、じゃあ後で僕のにも乗せてあげるよ」

アニ「やった」

鎧の巨人「」ワーイ

アニ「ね、ベルトルト。やるなら早くやってよ」

ベルトルト「わかった。ライナー、降ろしてくれる?」

鎧の巨人「」ソッ

ベルトルト「ありがとう」ヨイショ

アニ「よっ…と。ライナー、あんたも巨人化解きなよ」

鎧の巨人「」コクコク

ライナー「ふぅ…」

ベルトルト「おつかれさま」

アニ「おつかれ」

ライナー「ありがとよ。前の巨人化から少し間があったが、無事成功だな。さぁ次はベルトルトの番だぜ」

ベルトルト「わかった。二人ともうんと離れてて」

ライナー「おう。しっかりやれよ!」タタタ

ベルトルト「(この木ならちゃんと支えになるよね)よしっ!」ガリッ!

超大型巨人「」ドォン

ライナー「相変わらずデカいなあ」パチパチ

アニ「早く乗ろうよ」

ライナー「故郷見えるかな?」ワクワク

アニ「あんまり期待しないほうがいいかもよ」

ライナー「ははっ、お前もな」

アニ「で、足元まで来たけど」

ライナー「………」

アニ「………」

超大型巨人「」シュゥウウウ…

ライナー「……熱い、な」

アニ「……すっかり忘れてた…」

超大型巨人「」オロオロ

ライナー「どうする?乗るか?火傷したって治せるから、乗れないことはないぞ」

アニ「…私は遠慮しとくよ。ライナー乗っけてもらえば?」

ライナー「いや、俺もちょっと…。よく考えたら、どうやって乗るのかも問題だしな」

超大型巨人「」シュン

ライナー「ベルトルト!すまんがもう戻ってもいいぞ!」

超大型巨人「」コクコク

ベルトルト「ごめん……」グスグス

アニ「ったく、そのくらいで泣かないでよ」

ベルトルト「だって、二人に期待させてしまったのに」

ライナー「気にするなって。今見れなくたって、任務を終わらせればすぐ帰れるんだからさ」ポンポン

アニ「いつまでも泣いてたらかっこ悪いよ。ほら立って」

ベルトルト「! う、うん…」グイッ

ライナー(単純な奴だ)

ライナー「そういえばお前は見えたのか、故郷」

ベルトルト「ううん。見えなかった」

アニ「なんだ、それなら私たちが乗ったって同じだったね。『壁』は?」

ベルトルト「それも見えなかったよ」

アニ「へぇ? …ライナー、本当にもうすぐ着くんだろうね」

ライナー「もちろんだ。地図が正しければな」

アニ「ふーん…」

ベルトルト「あ、いや、ちょっと見えた…かも…違うかもしれないけど……」アセアセ

アニ「どっちよ」

ライナー「ほらほら喧嘩するな。見えてたらあっち側からもこっちが見えてる可能性があるんだからな。見えてなくていいんだ

よ」

アニ「…それもそうだね」

ライナー「じゃあ最後はお前だぞ、アニ」

アニ「なにが?」キョトン

ライナー「巨人化だよ!練習だって言ったろ!!」

アニ「ああこれ練習だったね」

ベルトルト「僕も忘れてた」

ライナー「お前らなぁ…」

アニ「じゃあやるよ。離れてて」スッ

ライナー「おう…ってなんだそれ、指輪か?」

ベルトルト「あ、アニ、それ…どこで、だれから……?」アセダラダラダラ

アニ「お父さん。巨人化するときに使えよって」

ベルトルト「そ、そっか」ホッ…

ライナー「それでどうやって巨人化するんだよ」

アニ「ほら」パチン

ライナー「!! すげぇな」

ベルトルト「それで傷を作るんだ。かっこいいね!」

アニ「だろ?」

ライナー「でもそれお前にはだいぶブカブカじゃないか?」

アニ「だから普段は嵌めてないんだよ。落としちゃうから」

ライナー「それじゃあいざって時にすぐ使えないじゃないか」

アニ「うっ」

ライナー「いいか、これは練習なんだぞ。今日は噛んでやれ」

アニ「……わかったよ。これはもっと大きくなったら使う。ほら、さっさと離れて」シッシッ

ライナー「おう……ベルトルト?危ないぞ!こっち来い!」

ベルトルト「う、うん」タタタタ

アニ「……」ガリッ!

女型の巨人「」シュゥウウ…

ライナー「お、成功だな」パチパチ

ベルトルト「うん……」ポー

ライナー「ベルトルト?」

ベルトルト「はっ」

ライナー「ぼーっとしてどうしたんだ?」

ベルトルト「い、いやぁ…なんでもないよ」

ライナー(さては見惚れてたな)

女型の巨人「」スッ

ライナー「アニも乗せてくれるのか」

女型の巨人「」ヒョイ

ライナー「っっ!!」

ベルトルト「うぐっ」

女型の巨人「」ポス

ライナー「お…おいアニ!フードで持ち上げるな!首がしまるだろうが!」ハァハァ

女型の巨人「!!」

ベルトルト「大丈夫だよ、気にしないで…」ゲホゲホ

女型の巨人「」オロオロ

女型の巨人「」……ヨシヨシ

ベルトルト「わっ」

ライナー「まったく。今度から気をつけろよ」

女型の巨人「」コクコク

ベルトルト「えっと…アニ、君は巨人のときも…その…か、かわいいね…」テレテレ

ライナー「俺やこいつと違ってキレーだよな。いいケツしてるし」ニヤニヤ

ベルトルト「!?」

女型の巨人「…………」グリグリ

ライナー「いてっ。ちょ、いたいって!やめろアニ!ベルトルト助けろ!」

ベルトルト「最低だライナー…女の子にそんなこと言うなんて…」

ライナー「冗談だよ冗談!」

女型の巨人「…………。……!!」ピタッ

ライナー「ん?許してくれるのか、アニ」

女型の巨人「」ジー

ベルトルト「どうしたの?」

ライナー「あっ!まずいぞ、巨人だ!」

ベルトルト「!! ど、どうするライナー!?」アワアワ

ライナー「アニ、戦わなくていいから走れ。お前の速さなら振り切れる」

ベルトルト「僕たちは!?振り落とされちゃうよ!」

女型の巨人「」クイクイ

ライナー「そこしかない…よな。ベルトルト!アニの口の中に入るんだ」

ベルトルト「う、うん」

ベルトルト「おじゃまします」ソロ…

ライナー「なにに挨拶してるんだお前は」

ベルトルト「でも初めて入るし」

ライナー「いいからほら、落とされないようにしとけよ。落ちたら胃だぞ」

ベルトルト「気をつける…」ブルッ

アニ(ん…なんかもぞもぞ動いて気持ち悪い。ちょっとはじっとしててよ…)

アニ(でももうそこまで巨人が迫ってる。はやく逃げないと)

アニ(二人とも中に落ちたりしないでよ)ダダダッ

ライナー「結構揺れるな」

ベルトルト「大丈夫かな。ちゃんと逃げれてるのかな」ソワソワ

ライナー「心配すんなって。こいつの脚力に敵うのなんかいねぇさ」

ベルトルト「そ、そうだよね」

女型の巨人「」ダダダ……ピタ

ライナー「お、止まったな」

女型の巨人「」カパッ

ライナー「よいしょっと。無事振り切れたみたいだな」

ベルトルト「アニ、大丈夫?」

ライナー「また巨人が寄ってくる前にさっさと進んだほうがよさげだな。アニ、俺たちを降ろしたら巨人化を解くんだ」

女型の巨人「」コクコク

アニ「ふぅ」

ベルトルト「ごめんね、アニ一人に負担をかけて」

アニ「これくらいなんともないよ。ただのランニングだね」

ライナー「さすがだな」

アニ「どうも。それよりあんたたち、その格好」

ライナー「…あぁ」ビチャァ

ベルトルト「あはは…」ネチャァ

アニ「唾液まみれだね…」

ライナー「まぁ、どうせ乾くさ」

ベルトルト「うん、生きてるんだからこのくらいどうってことないよ」

アニ「そうだ、アレの近くに寄れば早く乾くかも」チラッ

ベルトルト「アレ?」



女型の巨人だったもの「」シュゥウウウ…



ライナー「アレ、か…」

女型の巨人だったもの「」シュゥウウウ…

ライナー「なんだか妙な気分だな…」

ベルトルト「まあ、濡れたままは気持ち悪いしね…」

ライナー「そうだな。さっさと乾かしちまおう」

アニ「ねぇー?もう乾いたー?」

ライナー「もうちょっとだー!そろそろ出発する準備しとけよー!」

アニ「わかったー」

ベルトルト「アニもこっちに来たらいいのに」

ライナー「熱いのはいやなんだってさ」

ライナー「だいぶマシになったな」ヒラヒラ

ベルトルト「まだちょっと湿ってるけどね」パタパタ

ライナー「贅沢は言ってられないさ。アニ!もう行くぞ!」

アニ「はいはい」ヨッコラセ

ベルトルト「あとどのくらいだろう?」

アニ「さっきのでだいぶ進んだからね、もう少しだったり?」

ライナー「まぁ、そんなとこだな」

アニ「あんたもはっきりしないね」

ライナー「どっちにしろ気合入れておかないとだぞ。俺たちは戦士として、任務を果たしに行くんだからな」

ベルトルト「うう、なんだか緊張してきた…」

アニ「気が早いよ」

ライナー「今のうちにたっぷり緊張しとけ。本番でやらかすよりそっちのがずっといいさ」

ベルトルト「そ、そうだね…」ゴクッ

アニ「ほら、いつまでも話してないで行くよ」スタスタ

ベルトルト「うん…絶対に使命を果たそうね」

アニ「当たり前だろ?」クルッ

ライナー「あぁ。ほら、アニに置いてかれちまうぞ」

ベルトルト「あ、待ってよ!」

おわり

見てくれてた人いたらありがとう

壁破壊する前のお話か
みんなまだ子供ぽくて可愛いな

乙です

可愛かったよ。乙
ちなみに、超大型巨人に鎧の巨人が乗っかってそこにアニが乗れば誰も火傷しない
かもしれない

オロオロする女型かわいい

可愛かった

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