榊原「鳴を無視し続けたらどうなるか」(193)

榊原「鳴って嗜虐心をそそるというか、妙に苛めたくなるよなあ」

榊原「明日学校きたらちょっとイタズラしちゃおっかな」

学校

榊原「……」

ガラガラガラ

スタスタ

榊原(お、来た来た。俺がいないもの扱いされるようになってから、よく来るようになったんだよな)

鳴「おはよう」

榊原「……」(ちょっとだけ無視してみるか)

鳴「…」

榊原「…」

自分の席へと戻って行く鳴

榊原(云っちゃった。無表情だったな。やっぱりあんまし気にしてないのかな)

二時間目終了

榊原(トイレ行くか…)

鳴「ねぇ」

榊原(お? 珍しいな。鳴から話しかけてくるなんて)

鳴「どこ、行くの?」

榊原(さっきはあんまり気にして無かったみたいだし、もうしばらく無視してみるか)

榊原「…」スタスタ。ガラガラッ、ピシャッ

鳴「……」

昼休み

榊原「ふわぁ~。お腹が減ってはまろに~ちゃん♩っと」(飯食うか…)

榊原(鳴を誘って…ん?)

鳴「…」

鳴が榊原の横に立ってる

鳴「行くんでしょ? お昼」

榊原(いつになく積極的…。もしかして、効いてる?)

鳴「…」

榊原(か、可愛い。 こりゃあもうしばらく無視してみるか)

榊原「…」スタスタ。ガラガラ…


鳴「……」

鳴「…」とぼとぼ

赤沢(自分の席に戻った。そこで食べるつもりかしら…)

赤沢(あ、食べ始めた。榊原くんとケンカでもしたのかしら。最近は仲よかったみたいなのに)

赤沢(ていうか、弁当の量……)ゴクリ

刺史河原(見崎さんって、結構大食いなんだな……)

鳴「…」

放課後、下駄箱

榊原(流石にちょっとやり過ぎたな。帰るときに謝ろう)

榊原(あ、いたいた)

榊原「み……」(ん?)

鳴「!」榊原に気付く

鳴「……」プイッ

榊原(あれ…これもしかして…)

鳴「…」てくてく

榊原(怒ってる?)

END

ネタバレありでいいなら考える

イチャラブは苦手だから鳴ちゃん視点で良いなら

あ、ID変わってた
おやすみ

恒一「だからごめんてば」

鳴「……」プイッ

恒一「ほんの出来心で悪気はなかったんだよ」

鳴「……もうしないって約束してくれる?」

恒一「するする!もう二度と見崎さんを悲しませたりしない」

鳴「……鳴…」

恒一「えっ?」

鳴「見崎じゃなくて鳴って呼んでくれたら許してあげる」

恒一「わかったよ。鳴」

鳴「……わかったわ。今回だけは特別に許します」

っていうか、鳴ちゃん可愛い過ぎるだろ(´・ω・)

恒一「よかったー。鳴に嫌われちゃったら僕は生きていけないよ」

鳴「大袈裟じゃない?」クスッ

恒一「大袈裟じゃないよ!僕にとって鳴はかけがえのない存在だから」

鳴「さ、榊原くん。な、なにを言っているのよ///」

恒一「恒一」

鳴「えっ?」

恒一「僕のことも榊原じゃなくて恒一って呼んで欲しいな」

鳴「……は、はずかしいよぉ…わたし男の子を名前で呼び捨てにしたことないから…」

恒一「だったら僕を鳴の初めての人にして欲しいな」

鳴「///」

恒一「ほら恥ずかしがらないで」

鳴「……イチ…///」ボソッ

恒一「聞こえないよ」

朝、学校

鳴「…」ガラガラガラ

鳴(榊原くん、来てる。 歩いてって挨拶したら私っぽくないかな。そんなことないよね)

スタスタ

鳴「おはよう」

榊原「…」

鳴「…」(え、 聞こえなかった? でも、こっち向いてるし…)

榊原「…」

鳴「…」(き、聞こえなかったみたい。二回言うのは私らしくないし、やめとこう。)

鳴「…」(挨拶なんてするんじゃ無かった…)

鳴「……恒一……くん?」

恒一「くんはいらないよ」

鳴「……恒一///」

恒一「///」

鳴「恒一まで顔真っ赤になってるよ?」クスッ

恒一「僕も恥ずかしくなっちゃって…」

鳴「変な恒一」クスッ




勅使河原「オイナンダアレハ」

風間「童貞のお前には刺激が強すぎたな」

誰か書いてるみたいだからそちらに任せますね

どうせもしもしにSSは書けませんよ^^

はよはよ

勘違いしてた俺のこと言われてたわけじゃないのね

でも明日から私大の入試始まるからそれ終わったらパソコンで書貯めてスレ立てるわ
スルタイは鳴「最近榊原くんに居ないものにされてる気がする」

九月 1




榊原「……」

鳴「……」

榊原「……」

鳴「……」

千曳「ではこれでHRを終わる。気をつけて帰るように」

ガヤガヤ

勅使河原「サカキー、帰ろうぜー」

榊原「うん」

鳴「……」

鳴「…?」

九月 2



望月「人形?」

鳴「そう、人形」

望月「それがお家の中にたくさん展示してあるの?」

鳴「家の中全部じゃないけど。
  一階が展示館になっていて、人形はそこに展示してあるの。住居は三階」

勅使河原「そりゃそうだよな。一日中人形に見つめられてたんじゃ落ち着かないって」

風見「人形館。なんてね」

鳴「いい名前ね。でも首吊自殺や火事はなかったから、ちょっと違うかも」

望月「あはっ、よかったぁ。じゃあ今度いってみようかな。榊原くんも一緒にどう?」

鳴「そうね。榊原くんは何度か来たことがあるから、道に迷うことはないと思う。ね?」

榊原「……」

鳴「……?」

望月「さ、榊原くん。どうかな? 一緒に」

榊原「――そうだね。考えておくよ」

鳴「……」


――――――

榊原「……」

鳴「……」

千曳「ではこれでHRを終わる。気をつけて帰るように」

ガヤガヤ

鳴「榊原くん、ちょっと」

榊原「……」

鳴「…榊原くん?」

榊原「……」ガタッ

鳴「っ!」

榊原「……」スタスタ

鳴「さか――」

望月「榊原くん。いっしょに帰ろ」

榊原「うん」

鳴「……」

風見「仕方ない、ぼくが――」

鳴「榊原くん」

榊原「……」

鳴「私、今日はお弁当じゃないの」

榊原「……」

鳴「お金なら出してあげるから、一緒に購買まで――」

榊原「どうしようかな」

鳴「遠慮しなくていいよ。だから、一緒に購買に」

榊原「取りに戻るわけにもいかないしなあ」

鳴「……聞こえてる…よね?」

榊原「うーん…」

鳴「……」

望月「榊原くん、どうかしたの?」

榊原「うん、弁当忘れちゃったんだよ。更に財布まで」

鳴「!」

望月「ええっ、じゃあお昼どうするの?」

鳴「私が――」

榊原「そうなんだよ、どうしようかな」

鳴「榊原くんっ」

望月「あ、そ、それじゃあぼくが何か奢ろうかな?」

榊原「お、それは助かる」

鳴「……」

榊原「けど、いいの?」

望月「うん、ちょうど購買に行くところだったし。行こ?」

榊原「優しいねえ、少年。でもお金はちゃんと返すよ」スタスタ

鳴「あっ…」

風見「……」

勅使河原「……」モグモグ

鳴「……」

風見「み、見崎さん。食べよう」

鳴「……うん」ゴゾゴソ

勅使河原「ん、そうだな。って、今日は弁当じゃな――」

鳴「……」ゴトッ

風見&勅使((弁当だ……))

――――――

驚異的な可愛さだな。鳴

千曳「ではこれでHRを終わる。気をつけて帰るように」

ガヤガヤ

鳴「榊原くん。一緒に帰らない?」

榊原「……」ガタッ

鳴「……」

榊原「……」スタスタ

鳴「……」

スタスタ

――――――


トコトコ

鳴「どうしてこんなことしてるの」

榊原「……」

鳴「何か、あったの?」

榊原「……」

鳴「大丈夫だよ。誰も見てないし、聴いてないから」

榊原「……」

鳴「…クラスの決めごと――じゃないか」

榊原「……」

鳴「そうだね。榊原くん以外は誰もこんなことしてないみたいだし」

榊原「……」

鳴「じゃあ何かな……」


榊原「……」

鳴「――ねえ、本当に何があったの?」

榊原「……」

鳴「私にも言えないこと?」

榊原「……」

鳴「私くらいには、相談してくれていいと思うけど」

榊原「っ…」

鳴「ねえ、榊原くん」

榊原「」ダッ

鳴「あ――」

タッタッタッタッ…

鳴「……」ポツン

やめてほしいような、やめてほしくないような…
鳴たん…

>>72の前忘ちゃってた(・ω<)
これ差し込んで

九月 3



榊原「あっ」

勅使河原「どうした?」

榊原「いや、弁当忘れちゃったみたいでさ」

勅使河原「あーあ、やっちまったな」

風見「早く購買へ行った方がいいね。遅くなると碌なものがないよ」

榊原「そうだね――って」

風見「どうしたの?」

榊原「財布も…忘れた…」

鳴「……」

勅使河原「悪いことは重なるもんだねえ」

榊原「うぅ…」

>>83から

九月 4



鳴「……」ジー

榊原「……え?」

赤沢「だから、宿題を教えてくれないかって訊いてるの」

榊原「いや、赤沢さん。……え?」

赤沢「……何回言わせるつもりなのかしら」

榊原「いやいやそうじゃなくて、どうして!?」

素晴ら支援
鳴たん…

赤沢「どうして――ってどういうことよ」

榊原「だって、げんさ――」

赤沢「ああはいはい、そのことか。
まだアニメではどうなるか分からないでしょ」

榊原「それはそうだけど……」

赤沢「漫画では違ったんだから可能性は十分あるわ」

榊原「……どうかな」


閑話休題

鳴「……」ジー

赤沢「それで、教えてくれるのかしら?」

榊原「でも宿題は自分でやるものだと」

赤沢「自分でやるわよ。先生役を頼みたいの」

榊原「先生って……ぼくが間違ってたらどうするの」

赤沢「そんなことまであなたのせいにしないわよ。だから、ね?」

榊原「うーん……まあ、いいか。
   わかったよ、あまり自信はないけど」

赤沢「そう、よかった。じゃあ土曜日にお邪魔していいかしら」

鳴「……」ジー

榊原「えっ、今日じゃないの? しかもぼくの家?」

赤沢「提出日は来週だし、せっかくだからしっかり教えてもらいたいの。お願いね」

榊原「はあ…。一度いいって言っちゃったし、仕方ないのかな」

赤沢「ふふっ、いいって言っちゃったもんね」

鳴「……」

――――――

勅使河原「サカキ?」

鳴「うん。彼、何かあったの?」

勅使河原「何かって…」

鳴「私だけ…無視されてるみたいだから」

勅使河原「ああ…」

鳴「どうしてかな、って」

勅使河原「うーん…」

鳴「……」

勅使河原「ゴメン。俺にもわからない」

鳴「――そう」

勅使河原「ゴメン」

――――――

ごめん。>>92ってどうゆうこと?

風見「わからないな」

鳴「そっか…」

風見「いや、ぼくも気づいてはいたんだけどね。
   それで彼に訊ねてみたんだけど教えてくれなくて」

鳴「そうだったんだ」

風見「力になれなくて、ごめん」

鳴「ううん。ありがとう」

風見「ごめん…」

――――――

望月「ごめんなさい、知らないの」

鳴「望月くんも、か」

望月「え?」

鳴「勅使河原くんと風見くんにも訊いてみたんだけど」

望月「あ、そうなんだ。……そっか」

鳴「……望月くんは、さいきん榊原くんと仲良いよね」

望月「――えっ」ゾクッ

鳴「ううん、なんでもない。ありがとう」

望月「う、うん……ごめんなさい」

――――――

④④④④

        ,,,,iiiiiilllllllllllllllllliii,,iiiiii,,,
       ,illllllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllii,,
     ,illllllllllllllllllllllllllllll゙゙illlllllllllllllllllllllllli
   ,,iilllllllllllllllllllllllllllllllllliiillllllllllllllllllllllllllllll _

   lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliiiii  ヽ
  ,illlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll  llllllllll  __       __    ___      ___       ___    __    ____
  llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙  lll ll  iiii  ゙lll |  \    / :::|  / __ \   / __ \   / ___ \  |_ ::|  / ___ \
  llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙゙    lllii  lllli, ,, .|   \/    :::| / /   \ ヽ / /    ヽ ::|  / /    \ ヽ | ノ  |  ::(__  ヽ/
  llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙  ,,,,,,,,  ゙゙lllli, llllll, lll | ..::|\    /| .:::| | .::|      | ..::| | .::|       ̄  | .::|       | .::|     \_    ̄ ̄\
 ノllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!゙゙゙  ゙lllli illllllll  | ::::|  \/  | ::::| | :::|     ノ ::::| | :::|      _  | :::|      ノ :::|         ̄ ̄─、 .:::|
  lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll゙ llllllllllllllllii,,  llllll!゙゙lli, ,, | ::::|        | ::::| \ `ー-一´ ..:::/  \ `ー-一´ ..::|  \ `ー─一´ ..::/     /\___ノ :::|
__ノllllllllllllllllllllllll゙゙゙゙゙゙゙llllllll   ゙゙゙゙゙     lllll _   ̄        ̄   `ー──一´    `ー-─一´    `ー─-─一´      \_____/
__ノlllllllllllllllllllli,  illllllll゙          llll __li,       _                    _________     ______
   l! lllllllllllllllllliiilllllllllii,, _        ill! ll,,ヽ__ ___| :|____               |.................:::::::  ............::::|    |   .............:::::::|
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     llllllllllllllllllllllllll゙゙゙゙    ,,,,  llllllli ゙゙    |  .....:::    ....::::|    | ::|  | :::|   | ::|   ̄ ̄ ̄7  ::/ ̄ ̄ ̄ ̄           / /
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       llllllllllllllllll゙゙                      ̄                    ̄      ̄ ̄                ̄ ̄
        llllllllllllllllllllii,
       ,illlllllllllllllllllllli,

     lliiiillllllllllllllllllllllllllll,,,,
      lllllllllllllllllllllllllllllllllllll
      lllllllllllllllllllllllllllllllllll
       ゙゙lllllllllllllllllllllllllllllll
        ゙゙゙゙llllllllllllllllllllllll

誤爆

千曳「どうしたのかな」

鳴「千曳さん…」

千曳「ずいぶん思い詰めた顔をしているじゃないか」

鳴「えっ」

千曳「相談には乗るよ。今の私は先生だからね」

鳴「……」

千曳「もちろん、無理に話してくれなくてもいい」

鳴「……」

千曳「……」

鳴「……もし」

千曳「うん?」

鳴「もし、自分と親しかった人が、いきなり冷たく接してきたらどうしますか」

千曳「ふん、親しかった人がいきなり――ね」

鳴「はい」

千曳「そんなことになった原因は分かっているのかな」

鳴「いえ、心当たりは……」

千曳「なし、か。しかし理由がないということはないだろう」

鳴「……」

千曳「君の言うとおり親しい間柄だったのならば、それなりのものがあるはずだ」

鳴「でも、本当にわからないんです」

千曳「本人には訊いてみたのかい?」

鳴「訊いてみました、彼に。――けど」

千曳「ん?」

鳴「答え……て、くれなくて……」

千曳「……そうか」

鳴「……はい」

千曳「その人――彼――の友人には訊いてみたのかい?」

鳴「みんな……わからない、って」

千曳「はあん。そうだね、だったらこんなことにはなってないね」

鳴「どうしたら、いいんでしょうか」

千曳「見崎くんは彼と仲直りしたんだね」

鳴「」コクリ

千曳「それなら、やはり彼と話をするしかないだろう」

鳴「でも――」

千曳「君も、彼の友人も原因に心当たりがないとなれば、それは彼だけが知っているのかもしれない」

鳴「彼、だけ?」

千曳「そう。まあ理由についてはいくつか考えられるが――とりあえず二つ」

千曳「一つは誤解」

鳴「――誤解」

千曳「そう、誤解だ。君の知らないところで誰かに何かを吹きこまれた、ということ
   も考えられるだろう。
   誤解は誤解だと知るまでその者にとっては真実だ。本当は違うのだとしても。
   それを解いてしまえば一気に片が付くだろう。なにしろ誤解なんだからね」

鳴「……」

千曳「もう一つは、君が何の悪意もなくとった言動だ」

千曳「それが何かなんて私にはわからないが、彼はそれを不快に思ったのかもしれない」

鳴「――私の言動」

千曳「何れにしても、やはり彼から直接聞くのが手っ取り早いのだが」

キーンコーンカーン

千曳「――っと、以上がとりあえずの私の考えだ。けっきょく碌なアドバイスができなかったな。
   また相談にきてくれ」

鳴「はい……。ありがとうございました」

――――――

鳴「……」

榊原(もう、いいかな…)

榊原(みんなにもああ言われちゃったしなあ)

鳴「……」

榊原(でも…)

千曳「ではこれでHRを終わる。気をつけて帰るように」

ガヤガヤ

鳴「榊原くん」

榊原「」ガタッ

鳴「一緒に行くから」

榊原「……」スタスタ

スタスタ

――――――

トコトコ

榊原(自分の家から遠くなるっていうのに…)

鳴「私、榊原くんに何をしたの?」

榊原「……」

鳴「それとも誰かに何か言われた?」

榊原「……」

鳴「もし、私が榊原くんに何か嫌な思いをさせてしまったのなら、謝りたいの」

榊原「……」

鳴「だから、おしえて」

榊原「……」

鳴「……」

榊原「……」

鳴「ねえ、榊原くん」

榊原「……」

鳴「榊原くん」

榊原「……」

鳴「榊原くん、榊原くん、榊原くん」

榊原「……(な、なんだ?)」

鳴「ねえ」キュッ

榊原(あ、服…)ピタッ

いいよ~(´・ω・)

鳴「無視……しないで」

榊原(……くっ!)ダッ

鳴「待って!」ギュウ

榊原(う、腕が!)

鳴「……」ギュウゥゥ

榊原(……)ドキドキ

鳴「お願い……無視しないでっ」

榊原「……」

鳴「榊原くん」

榊原「」バッ!

鳴「あっ」

ダッ

鳴「榊原くんっ!」

タッタッタッタッ…

鳴「…………」ポツン

鳴「……榊原くん」

たまらない(´・ω・)

榊原「はあ、はあ…」

榊原「あ、危なかった…いろいろ…」

榊原(さっきの見崎、ちょっと怖かったな)

榊原「……意外と柔らかかった」

ヴーヴー

榊原「ん…見崎?」

榊原(……切っておこう)ピッ


――――――

鳴「…………」

榊原「…………」

無言でぼくの手を引く鳴。
それに従うぼく。

――下校途中、人気のない場所でいきなり鳴に手を掴まれ、問答無用で連行された。

引かれる手を見る。
驚くほど白く細い鳴の指がぼくの手首に食い込んでいる。
痛くはない。――ただ、固い。

強く腕を振ればこれは外れる。昨日はそうだった。
だけどそれができない。
腕が、動かない。

ふと顔を上げると目前には鳴の家――うつろなる蒼き瞳の。

榊原(いつのまに……)

鳴はぼくの手を引いたままやはり無言で階段を上る。
互いに土足のまま家にあがり、相変わらず生活感の希薄なリビングを横切る。
そしてようやく鳴が足を止めたのは木製の白いドアの前だった。

鳴「…………」

把手に手をかける。
――と、そこで、

鳴「榊原くん」

こちらを振り返らずに鳴は言う。

鳴「ちょっと、ごめんね」

榊原「――っ!」

――――――

榊原「くっ、ああっ…」

白い壁。白い天井。板張りの床。
清潔で、ただ白い、四角い檻のような部屋。
そこに裸にされ、椅子に座らされたぼくがいた。

榊原「はあ……はあ……」

鳴「――三回目、だね」

両手は背凭れをはさんで一つに纏められている。拘束しているのは手錠だろうか。
すっかり熱を交換し、硬さだけを感じさせるそれは時折ぼくの手首を傷つける。
両足首にもそれと同じ感触があった。もっとも、こちらの方は左右それぞれを椅子
の脚に繋がれている格好なのだけれど。

鳴「まだ、出るよね」

ぼくのモノを握りながら背後にいる鳴が耳元で囁く。
吐息と共に耳をくすぐるその声に、懸命に頭を振った。

鳴「出るよ」

榊原「うあっ!」

剥き出しにされた先端を掌で激しく撫で回される。

鳴「出して」

榊原「ああっ、あああっ……やめっ――」

鳴「早く」

榊原「くぁっ……」

ぼくの拒絶を冷たく切り捨て、
容赦なく鳴の手はぼくを攻め立てる。

鳴「――榊原くんはいつもなにでシてるのかな」

唐突に――。
質問なのか独り言なのか、何の色も持たない声が
ぼくの注意を引いた。

榊原「なっ……に」

鳴「それとも、誰、かな」

ああ、そういうことか。

鳴「桜木さん」

榊原「はっ、あぁ」

鳴「水野さん」

榊原「ああっ、あっ、あっ」

鳴は手を休めることなく、淡々と知人の名を呟いていく。
その度に彼女たちの顔が頭をよぎった。

鳴「赤沢さん」

榊原「あうっ、くぅ……」

鳴「怜子さん」

――心のどこかが、揺れた。

鳴「あ、ぴくってなったよ」

榊原「なっ――」

鳴「怜子さん」

榊原「っ!」

鳴「ほら、また」

榊原「違う!」

鳴「違わないでしょ」

榊原「うぐっ、ああっ……」

違う。本当にそうじゃない。
ぼくが怜子さんに見ていたのは『それ』じゃない。

鳴「でも、だめだよ」

榊原「ぐっ!」

さっきまでの無感情な声とは違う、
怒気を孕んだ声。

鳴「私以外はだめなの」

榊原「うわっ?! あああああ!」

拘束具が手足に食い込み、ぼくを押さえつける。
より激しくなった鳴の手に足腰ががくがくと震えた。

榊原「うあぁっ、ぁああ――」

鳴「見崎……」

にちゃにちゃと音をたたせ、上下左右に乱暴に動く手。
それは弄ぶというよりも、――壊そうとしているように見えた。

鳴「――見崎、鳴」

榊原「っく……あああぁっ!」

鳴「――四回目」

榊原「はっ、はあっ、げほっげほっ……」

鳴「うそつき」

榊原「はぁっ、はっ……」

鳴「出たよ」

榊原「はあ……はあ……」

鳴「私の手に、びゅうって」

榊原「うぅっ……」

ふ、と両腕に押し付けられていた柔らかな感触が消えた。
正面に回り込んだ鳴と視線がぶつかる。

冷たい眼差し。冷やかにつり上がった口角。
その冷艶な表情に、全身が粟立つのを覚えた。

榊原「っ……」

ぼくの脚の間に膝を折り、至近距離で顔を覗きこんでくる鳴。
逸らすことも、瞑ることもできずにいた両目が彼女の隻眼を捉える。

鳴「榊原くんはずっとここにいるの」

鳴「大丈夫だよ、ここには私しか来ないから」

榊原「っあ……ああ……」

見つけてしまった。
瞳の奥――引きずり込まれそうな暗い影を。

鳴「ずうぅっと……」

――もう、駄目だ。もう、遅い……。
ああ、せめてもっと気をつけて帰るんだった。

鳴「じゃあ、五回目。がんばろうね」

あんなこと、しなければよかった。

榊原「――ごめん、見崎」

――――――
――――
――

榊原「………………え」

榊原(――夢?)

榊原「……はあぁぁぁ」

榊原(こんなオチは許されるのか?――危うく何かに目覚めてしまうところだったけど…)

榊原「はぁ…」

榊原(それにしても、怖かった)ゾクッ

榊原「…うん、謝ろう。
   もうあんなことは……」

榊原(許して…くれるかな…)

榊原「――はっ!?」ガバッ

ベトベト

榊原「」



レーちゃん「ゲンキ…ゲンキ、だしてネ」

九月 6



榊原(くっ、グズグズしているうちにもう帰りのHRに…)

榊原(そういえば、今日は見崎の方から話しかけてこなかったな…)

千曳「ではこれでHRを終わる。
   提出日が来週の宿題が出ているそうだね。忘れないように」

榊原(よしっ)クルッ

榊原「――あれ?」

和久井「どうした榊原?」

榊原「ああ、いや、見崎どこ行ったのかなって」

和久井「ん? あれ、いないな。HR中はいたと思ったんだけど、いつの間に…」

榊原「そう…だね。あ、それじゃあ和久井くん、さようなら」ガタッ

和久井「お、おう」

――――――

>>148
九月 5だった

榊原(靴はあった。まだ校内にいるはず…)

榊原「――切ってるか」ピッ

榊原(散々ぼくがやってきたことなんだよな)

榊原「見崎…」

榊原「……あっ」


――屋上――


見崎「……」

バン

鳴「っ!」ビクッ

榊原「はあ、はあ…」

鳴「榊原…くん?」

榊原「はあ…はあ…」ツカツカ

榊原「ん…。見崎」

鳴「えっ」

榊原「――ごめん!」

鳴「あ…」

榊原「ごめんなさい」

鳴「……」

鳴「……理由」

榊原「……」

鳴「理由…、訊いていい?」

榊原「…うん」


――1週間前――


勅使河原「は?」

榊原「うん」

風見「うんって…どうしてそんなことを?」

榊原「ぼくも三年三組の一員としておまじないをやりたいなって」

望月「えぇ! 今年の〈災厄〉はもう止まったって」

勅使河原「お前と鳴ちゃんがそう言ったんじゃないか。
 それに今更そんなことしたって…」

榊原「ああ、そのことは心配しなくていいよ。ちゃんと止まったはず。
ぼくが言っているのは、その、――そう、記念みないなもので」

勅使河原「記念ってお前…」

風見「やめておきなよ」

風見「ぼくたちは、何も好きで彼女を〈いないもの〉にしたわけじゃないんだ。
   それを今度はそんなくだらない理由で」

榊原「それは…」

風見「……」

榊原「……」

勅使河原「まあまあ、いいじゃないか風見」

風見「勅使河原…」

勅使河原「なあサカキ、俺たちはどうすればいいんだ?」

榊原「普段通りにしててくれていいよ。見崎に何か訊かれた時には、なにも知らないってことで」

勅使河原「ほら、いいじゃないか。別に俺たちに被害が及ぶわけじゃないんだし、面白そうだし」

風見「…お前、楽しそうだな」

勅使河原「サカキ、俺が許可する。やってみろ」

榊原「うん」

風見「はあ。被害が及ばない、ね」

望月「あの、榊原くん、早めにやめてあげてね?」

榊原「優しいねえ、少年。でもあの見崎だよ?
    自分から言い出しておいてなんだけど、たぶん白けた結果になるだけだよ」

――――――

榊原「――と、いうわけなんだ」

鳴「……」

榊原「その…、ごめん」

鳴「……」

榊原「聞いての通り、あの三人にはぼくから口止めをしておいたんだ。
    だからあいつらのことは責めないでほしい」

鳴「……」

榊原「ぼくがひとりで勝手に始めたんだ。本当にごめん!」

鳴「……」

榊原「…見崎?」

鳴「……」

榊原「みさ――」

鳴「」ゲシッ!

榊原「いっ!」

鳴「……」

榊原「み、見崎?」

鳴「……」ゲシゲシッ

榊原「いたっ。ちょ、ちょっと、蹴らないでっ」

鳴「」ゲシゲシゲシ

榊原「ま、待って、気持ちいっ、一旦脚止めて!」

鳴「」ゴツン!

榊原「ぐはっ!(胸に頭突きを…。手術しておいてよかった)」

榊原「げほっ、みさ、き」

鳴「なに…それ…」

榊原「うっ――」

鳴「……嫌だった」

榊原「っ…」

鳴「クラス全員から〈いないもの〉にされていたときより――ずっと嫌だった」

榊原「……」

鳴「すごく……嫌だった」

榊原「…ごめん」

鳴「……」

榊原「……」

鳴「…ねえ」

鳴「本当に、それだけなの」

榊原「えっ」

鳴「理由…それだけ?」

榊原「っ…」

鳴「話して」

榊原「うっ…」

鳴「話してくれないと、許さない」

榊原「……」

鳴「……」

榊原「……あの時」

榊原「――今年の〈災厄〉を止めた時…」

鳴「うん…」

榊原「見崎は、ぼくに〈もう一人〉が誰かを教えてくれなかった。
    全部ひとりで終わらせようと――全部ひとりで背負おうとしていた」

鳴「……」

榊原「わかってるよ、散々悩んだんだって。ぼくが傷付かないようにしてくれてたんだって。
    でもぼくは、ぼくにだからこそ教えてほしかったし、相談してほしかった」

鳴「――ぁ」

榊原「たぶん、ぼくは拗ねていたんだと思う。
    今まで一緒に頑張ってきたのに――あんなに大切なことを、って」

鳴「……」

榊原「それで…」

榊原(ああ、そうだ、確かにそうだった。言葉にして、今になってようやくわかった。
    ――なんてくだらない理由だったんだろう。まるで子供だ……)

鳴「……」

榊原(そんな理由でぼくは見崎に…)

榊原「ごめんね見崎、こんな八つ当たりみたいなことしちゃって…」

榊原「本当に、ごめん」

鳴「……」

榊原「……」

鳴「……うん。許します」

榊原「えっ」

鳴「許すって言ったの。もう、いいよ」

榊原「でも、ぼくは」

鳴「私の方こそ、勝手なことしてごめん」

榊原「ち、違う! 見崎は――」

鳴「だから、これで終わり」

榊原「っ…」

鳴「――ね?」

榊原「…でも」

鳴「ふふっ…じゃあ、仕返しする」

榊原「え?」

鳴「いつか、仕返しするから」

鳴「――覚悟しててね」スタスタ

榊原「……うん。――ありがとう」

榊原(いつか、か…)

――榊原くんはずっとここにいるの

榊原(まさかあんなことにはならないよね?)ゾクリ

鳴「榊原くん」クルリ

榊原「はいっ」ビクッ

鳴「一緒に、帰ろう?」

榊原「――うん」

榊原(ああ、仲直りできてよかった)

鳴「「そうだ、榊原くん」

榊原「うん?」

鳴「明日、私にも宿題おしえて」

榊原「……え」

――――――

あうとろだくしょん



勅使河原『そうか。いやぁ、よかったよかった』

榊原「ごめん、迷惑掛けたね」

勅使河原『いや、ちゃんと元に戻れたんなら問題ねえよ。俺も背中押しちゃったしな』

榊原「…ありがとう。まだちょっと脛が痛いけど」

勅使河原『ははっ、自業自得だな。――それにしても』

榊原「ん?」

勅使河原『ここ2~3日は鳴ちゃんの落ち込んだ顔を見るのが辛くて辛くて…』

榊原「うっ、それ、二人にも言われたよ」

榊原(ぼくは無視してたから分からなかったんだよな)

勅使河原『なんだ、あいつらにはもう知らせたのか』

榊原「うん、心配してくれてたみたいでさ。さっき電話が」

勅使河原『そっか考えることは一緒か。
       それで、いま鳴ちゃんも一緒って言ってたっけ?』

榊原「う、うん…」

勅使河原『どうした?』

榊原「いや、なんでもないよ。なんでも…」


――恒一の部屋――


赤沢「見崎さん門限大丈夫? そろそろ帰った方がいいんじゃない」カキカキ

鳴「大丈夫、そんなのないから。赤沢さんこそ帰らなくていいの?」カキカキ

赤沢「…まだお昼なんだけど」

鳴「うん、まだお昼だね」

赤沢「……」キッ

鳴「……」ジロッ

――――――

榊原(望月、風見、そして勅使河原――もう援助は見込めないだろう)

勅使河原『ふっ、上手くやれよ』

榊原「うん、まあ(こいつは何も分かってないんだろうな)」

勅使河原『じゃあ、また学校でな』

榊原「ああ、また」

ピッ

榊原「はあ…」

レーちゃん「どーして? どーして?」

榊原「そうだなあ、どうしてこうなったんだろう」

榊原(これも仕返しなのかな…)

榊原「――行くか」

――――――


ガラッ


赤沢「謝罪を」ゴゴゴ…

鳴「不毛ね」ゴゴゴ…


ピシャッ


榊原「…き、救援をっ」ピッピッ

…………。

榊原「あ、望月? ぼくだけど――」






おわり

鳴ちゃん無視して何が楽しいんだよ
赤沢さんで書け

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