【ネタバレ注意】さやか「悪魔め……」ほむら「悪魔でもいいわよ」 (114)


※このスレは「叛逆の物語」の後日談設定です。

※スレタイにもありますがネタバレ注意です。

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これは魔法少女の物語ではない。
叛逆悪魔ほむらの物語である。

ほむら「まどかを今度こそ助け出したわ……セカイは使い魔に満ち溢れ、相変わらず魔獣とか闊歩してるけど、美樹さやかもお菓子の魔女も助かったわ」

ほむら「あのまま私が円環されていた方がハッピーエンドだったかもしれない。でも私はその運命に叛逆したわ……」

ほむら「これで私はまどかを守る私……そう悪魔ほむらになったのよ!」

ほむら「しかし悪魔っぽい事とは何かしら? せっかく美樹さんやまどかに敵対宣言したんだから悪魔っぽい事をしないといけないわね」

ほむら「とりあえずQBをボコりましょう」

 ガッシ! ポカ!
 ほむらはフェルト地のようになったQBを蹴るわ鉛玉を撃ちこむわボロ雑巾のようにしてやった。

QB「わ、わけがわからないよ……」

ほむら「あら、まだそんな口を聞けたの?もう少し調教が必要のようね」

QB「い、いえ……とんでもございません悪魔様……」

ほむら「いいインキュベーター。元々どっかの香港マフィアが『まどかマギカのテーマはインキュベーターとの折衝』と言ってくれたのに」
QB「きゅ、きゅう……」

ほむら「それを足蹴にして私を改造人間ならぬ改造魔法少女にした挙句、それだけならまだしも、まどかにまた手を出そうとした事で私の怒りは因果律を超えたのよ」

QB「きゅう……」

ほむら「でもいいわ。これから悪魔らしいことをしましょう」

ほむら「今朝は巴さんのティーカップを割ってやったり、杏子のリンゴを捨ててやったわ」

ほむら「私って悪魔ね」

 次の日
 
 学校の玄関。
 
さやか「呑気に登校してきたようね、ほむら!」

ほむら「あら、威勢がいいみたいね。美樹さやか。あなたはそれくらい喧嘩腰の方が分かりやすくて素敵だわ」

さやか「そうじゃなくて……あんたのやった事を忘れないために喧嘩は売り続けるよ!」

ほむら「別に上条くんも志筑仁美も元気だから別にいいじゃないの。大人しく魔獣狩りでもやってなさいな」

さやか「くっ……! ムカつくけど、これはこれでいいんじゃないかって思うのがムカつくわ!」

ほむら「それでどいてくれる?靴をはき替えたいのだけど」

さやか「くっ……」

 がさがさ……。
 
ほむら「ん? 靴箱の中に手紙?」

さやか「ほえ?」

ほむら「決闘かしら?いいわよ受けて立つわよ」

さやか「いや、あたしじゃないって」

ほむら「なになに? 『暁美ほむら様へ。放課後に屋上へ来てください。中沢』」

さやか「中沢君の手紙!?まさかラブレター!?」

ほむら「ふん、くだらないわ」

 そう言ってほむらは中沢君の手紙を破り捨てた。
 
さやか「ちょっ、中沢君がせっかく書いた手紙なのに」

ほむら「どうでもいいわ。私が誰の為に生きていると思っているの? そして私がその子以外の事なんかどうだっていいって事は、あなた自身もよくわかってるでしょ」
 
さやか「悪魔め……」

ほむら「悪魔でもいいわよ」

ほむら「(中沢君……私は彼の事がどうでも良かった)」

ほむら「(ループする度に先生の失恋ネタに付き合わされて、なんか声がネトゲで無双してそうな無駄にかんけーしな声で)」

ほむら「(何故か私の魔女結界の中にも取り込まれていたし)」

ほむら「(……というかなんで中沢君を取り込んでたのかしら、魔女の私。最大の謎よね)」

女生徒「暁美様!」

ほむら「あら、なにかしら」

女生徒「一緒にお弁当食べませんか! 暁美様のために作って来たんです!」

ほむら「(悪魔になってから何故か私の事を様付けで呼ぶ子が増えたわね)」

ほむら「(でも、まどかと接触するわけにはいかない。まどかの記憶が戻ればそれこそ私のしてきたことは全て無駄になる。私はまどかを守る私で居なければいけない……)」

 チラッ
 
杏子「よぅまどか。一緒に弁当食おうぜ」

まどか「うん、いいよ。仁美ちゃんは?」

仁美「ええ、今日は上条くんのために作って来たのですけど、上条くんはお弁当持参でして……」

さやか「あー、仁美も大変だよねー。恭介の奴デリカシーのカケラもないから。せっかく退院したのに電話してこなかったりさー」

ほむら「(まどかは……大丈夫ね。帰国子女という設定になって気になってたけど、まぁ杏子と美樹さんに丸投げすれば大丈夫でしょう……)」

ほむら「……ほむぅ」

悪魔は少しさみしそうにほむほむ鳴いた。

女生徒「暁美様……」

ほむら「ああ、ごめんなさい。どうしたのかしら? 言ってごらんなさい、聞いてあげるから」

女生徒「あ、ありがとうございます! あの……実はクラスの中沢君のことなんですが……」

ほむら「中沢君? いいわ詳しく聞かせてごらんなさい」

 それから放課後
 
中沢「暁美さん好きです!そのドSっぷりがエロいです!結婚を前提に付き合ってください!」

ほむら「だが断る。私の好きな事は自分のことをイケメンだと思ってるモブ男にNOと言ってやることよ」

中沢「流石は暁美さんッ!俺達に出来ない事を言ってのけるッ!そこに痺れるッ!憧れるゥッ!」

ほむら「で? それだけのツマラナイ用事に私を付き合わせたの?」

中沢「え、ええ……上条が志筑さんと付き合ってて、俺も彼女欲しいな~と思ってたら『暁美さんはどうだ?』って言われて、多分無理だろうな~と思いながら出したんスよ」

ほむら「最低ね、悪魔でもドン引きするわ」

中沢「ドMなのはガチっす!」

ほむら「どっちでもいいのだけど、あなたに用がある子は他にも居るのよね」

中沢「え?」

女生徒「中沢君……」

中沢「君は……確かマギカアートオンラインのオフ会で居た明日奈ちゃん!」

女生徒(明日奈)「私も中沢君のことずっと好きでした!暁美様ほど美人じゃないけど付き合ってください!」

中沢「お、おう……俺で良かったら……」

ほむら「良かったわ。私のような女なんて忘れて二人で幸せになりなさいな」

 次の瞬間ほむらの姿は屋上から消えていた。
 

ほむら「ふう、中沢君と明日奈さんのフラグイベントは今までのループでは見なかったイベントね……」

ほむら「(明日奈さん……せいぜい幸せになりなさい)」

QB「ど、どうして悪魔なのに人助けっぽい事をするのですか……わけが……」

ほむら「黙りなさい」

 ガッシ!ポカ!
 QBはボロ雑巾になった。
 わけがわからないよ(笑)
 
QB「きゅうう……」

ほむら「私はまどか以外どうでもいい……どうでもいいのよ!」

 ほむらは自分自身にそう言い聞かせるように叫んだ。
 しかしその叫びはQBを覗いた誰にも聞こえない。

ほむら「そうだ、巴マミがベベに顔をマミられてないか見に行きましょう」

 マミさんち。
 
なぎさ「マミ!お腹すいたのです!」

マミ「はいはい。今日のディナーはチーズフォンデュにしましょう」

なぎさ「わーいなのです」

ほむら「その必要はないわ」

なぎさ「ほむらなのです! 相変わらず神出鬼没なのですよ」

ほむら「巴マミ。こいつはお菓子の魔女と言って巴さんの顔をマミらせる天敵に進化するわ」

マミ「何をわけのわからない事を言ってるの暁美さん……」

ほむら「ええ、そういう反応をすると思ったわ」

マミ「こんな可愛いなぎっちが私の顔をマミらせるわけないじゃない」

ほむら「今までクッソダサい厨二ネーミングに付き合ってきたけど、なぎっちとは斜め上に驚いたわ。もう中学卒業したらひだまり荘にでも行ったらいいんじゃないかしら。ねえ、ベベ」

なぎさ「ベベ?なんのことです?」

ほむら「そう、貴女は円環時代の記憶を忘れてるのね。いい傾向だわ」

マミ「クッソダサい厨二ネーミングとは失礼極まりないわね!プエラマギホーリーカルテットのどこがクッソダサい厨二ネーミングですって!」

ほむら「全部よ全部!」

なぎさ「マミもほむらも喧嘩しちゃダメなのです……」

マミ「そうねなぎっち……ごめんなさい」

なぎさ「なぎさはマミの家にお泊りしてるけど、ゆまのおうちはいつも喧嘩してて可哀想なのです。だから喧嘩はダメなのです」

ほむら「ん?ゆま? もしかして千歳ゆま?」

なぎさ「ほむらはゆまの事を知ってるのですか?」

ほむら「まぁ色々とね……そう、まさかお菓子の魔女があの子と知り合いだったとはね……世間は広いようでいて狭いわね」

ほむら「(千歳ゆま……私はあの子の事をそれなりに評価しているつもりだ)」

ほむら「(幾多のループを重ねてワルプルギスの夜さえ倒せばまどかは救われるなんて今振り返ればただの妄執でしかないものに私が取り憑かれていた時期)」

ほむら「(ゆまは巴さんと杏子の心を救ってみせた)」

ゆま『いつかは今じゃないよ』

ほむら「(その言葉に悪魔となった今の私は少し異を表したいが、そこは今は置いておく)」

ほむら「(ゆまはループ中でも極稀に出くわす事があった。杏子や、あの美国織莉子と行動を共にしている事もあったけど、出てこれないのには理由があったらしい)」

なぎさ「ゆまはお母さんに虐められてるのですよ」

 なぎさ曰く、ゆまが学校に来なくなったのは2か月くらい前かららしい。
 家庭的な事情でちょうどその頃から母親と同居するようになったらしい。
 それ以前は祖父母と暮らしていたらしいのだが、色々あって実母に引き取られたものの殴る蹴るタバコの火を押し付けるエトセトラエトセトラ。

マミ「酷い虐待ね……」

ほむら「ええ……」
 
ほむら「(ゆまが母親に引き取られたのは私のループの起点よりも前の話……しかし私のループでは手が届かない所で苦しんでいた)」

ほむら「(それだけじゃない……このベベ……いえ、百江なぎさも私がループするより前からお菓子の魔女になっていた)」

ほむら「(ループの限界ね……)」

なぎさ「ゆまをゆまのお母さんから助けてあげて欲しいのです!魔法少女ならきっと助けてあげられるはずなのです!」

マミ「それは……ええ、そうね。佐倉さん達にも連絡を取り合ってみましょう」

ほむら「無駄だと思うけど?」

マミ「やってみなくちゃわからないじゃない」

ほむら「……ふん。せいぜいやってみなさいな。夢を希望を叶える魔法少女さん」

マミ「暁美さんだって魔法少女でしょうに!」

ほむら「……興が冷めたわ」

ほむら「(『魔法少女は夢と希望を叶えるんだからさ……』と、あの子はそういってこの世を去った)」

ほむら「(円環世界では楽しくやってたようだけど、それでも家族や友達を見捨てて逝った事には違いはない……)」

ほむら「鹿目まどかは鹿目まどかのままで居ればいい。今までも……これまでも……」

QB「鹿目まどかですか? それが悪魔様が愛する……」

ほむら「黙りなさい」

 ガッシ!ポカ!
 
QB「きゅ、きゅうううううううう」

ほむら「魔法少女のやり方は手ぬるいのよ。魔法少女は謎バレエをしたり謎お茶会で適当な敵を退治していればいい」

ほむら「(それが私のあの結界……そしてそれを壊してでも、まどかの気持ちを踏みにじっても今を選んだのは私自身だ)」

ほむら「勝ち続けるわ、灰になるまで」

ほむら「そして千歳ゆま……『いつかは今じゃない』なんてことはない事を教えてあげるわ」

 翌日
 さやかと杏子、そしてこの世界でもやはり魔法少女に関わる事になっていたまどかは、マミとなぎさに集められた。
 そしてゆまの虐待の話をするのだった。
 
杏子「胸糞悪くなる話だな……」

なぎさ「お母さんに虐められてるゆまが可哀想なのです。魔法少女の力で助けてあげてくださいなのです!」

まどか「そうだよ……マミさん、さやかちゃん、杏子ちゃん……ゆまちゃんを助けてあげて……」

マミ「私達には魔獣や暴走した使い魔から人々を守る事だけ。人間自身の悪意を浄化する事は出来ないわ」

さやか「契約は一つの願いだけ……自分自身の祈りの為に戦う事は出来ても、その範囲から外れた人を助ける事ってすごく難しいんだよ……このセカイの魔法少女ってのはそういう風に出来てるんだよ」

まどか「そんな!そんなのあんまりだよ……っ!」

なぎさ「そうなのです!ゆまが可哀想なのです!」

杏子「……要するにぶっ潰しちまえばいいんだろ。そのゆまとかいうガキの糞ったれな母親を」

さやか「あんたはそれをやれる魔法少女じゃないでしょ」

杏子「ちっ、さやかの癖に知ったふうなクチ効きやがって……」

まどか「ゆまちゃんのお母さんにお話しに行こうよ!話せばきっとわかってくれるはず……」

ほむら「その必要はないわ」

まどか「ほ、ほむらちゃん!いつの間に……」

ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット な

>>18-19
そこはマミさん・さやか・杏子・なぎっちでクインテットという事で……。

ほむら「鹿目まどか。欲望より秩序を大事にする貴女は優しすぎる……それは偽善と呼ぶべきモノよ」

まどか「偽善でも関係ない!シンフォギアーッ!でなんとかなるなる!」

ほむら「その偽善が新たな悲しみを呼び、セカイを滅茶苦茶にして何かを踏みにじっているのよ。そしてあなたは踏みにじった事に自覚すらしていない……」

まどか「そ、そんな……私はただゆまちゃんの幸せを……」

さやか「ほむら……あんたの理想は分かった」

ほむら「……」

さやか「でもあんたにそんなこと言う資格ないでしょうが!誰よりもセカイを滅茶苦茶にしているあんたに!」

ほむら「ええ、悪魔だもの」

まどか「ほむらちゃん……ほんとはいい子なのにどうして……」

ほむら「貴女のその優しさが私を狂わせるのよ」

マミ「愛が愛を『重過ぎる』って理解を拒み 憎しみに変わっていく前に……」

なぎさ「どういう事なのです?」

マミ「今の暁美さんの心境を想像して歌ってみたのよ」

ほむら「ともかく鹿目まどか。貴女では……いえ魔法少女では千歳ゆまは救えないから諦めなさい」

杏子「でもそれじゃゆまが可哀想だろうが!」

ほむら「ええ、そうね。だからなんとかするのよ。悪魔的なやり方で、ね」

 そしてほむらはその場から消え去った。

なぎさ「ほむらが消えたのです!」

さやか「ほむらの奴、ほんとに神出鬼没さを増したなぁ……」

まどか「ほむらちゃん……どうしてぇ……」

 その日の放課後。
 
なぎさ「やっぱりゆまが可哀想なのです!」

まどか「うん、そうだね……ほむらちゃんはああ言ってたけど放っておけないよ……」

 まどかは結局なぎさは伴って、ゆまの家まで向かう事にした。
 まだこの段階では契約していないまどかだが、虐待という理不尽に対していてもたっていられないのが鹿目まどかという少女である。

なぎさ「さやかや杏子は連れてくるべきだったですか?」

まどか「うーん……杏子ちゃんも本当に怒ってゆまちゃんのお母さんを襲いそうだし、さやかちゃんもほむらちゃんとおんなじで私を魔法少女から遠ざけたがるんだよね……」

なぎさ「中学生になったら色々大変なのです」

まどか「まだまだ子供だけどね……大人ってどうやったらなれるのかな」

なぎさ「まどかは大人じゃないですか?」

まどか「大人は多分ほむらちゃんみたいな子のことを言うんじゃないかな?」

なぎさ「でもゆまはこのままじゃ大人になる前に酷い傷を負ってしまうのです」

まどか「そうだね。だからゆまちゃんのお母さんに会って何とか話をしないと」

なぎさ「……そろそろ着くのです。ゆまの家なのです」

まどか「いや、なぎさちゃん。こんなの絶対おかしいよ」

なぎさ「えっ?」

まどか「だってあそこのおうち……すごく瘴気が濃いよ……」

 なぎさはじっと目をこらしてみる。
 確かにドス黒いオーラのようなものが、ゆまの家に取り巻いていた。
 
なぎさ「……なんなんですか?あれは。使い魔ですか?それとも……」

まどか「きっと……魔獣だよ」

今日はここまで。続きはまた明日。

>>20
クインテットは5人組ですぜ…
カルテットが4人組
まどかかほむらを勘定に入れてるならそれでいいけど

魔獣A「くそぉおおおおお!!! 魔法少女どもめ! 俺達をハブりやがった!」

魔獣B「せっかく新編で大暴れしてやろうとしたのに!」

魔獣C「俺は必殺技を練習してきたのに!」

魔獣A「なんの!俺は変身を後2回残しているぞ!」

魔獣T「まどかマギカにはおまんこを舐めたくなるような女が居ない」

魔獣B「許せねえ!こうなったら民間人虐殺だ!」

魔獣T「大量虐殺は肯定せざるを得ない、老人は殺せ」

ゆま母「な、なんだいあんた達は!」

魔獣C「やっちまえー!元のセカイに戻してしまえー!」

???「待てぃ!」

魔獣A「ん、なにやつ!」

ショウ「貴様らのような奴が居るから戦いは終わらないんだ!消えろ!」

ゆま母「ショウさん! 助けに来てくれたのね!」

ショウ「ハゲ!貴様はその怨念で何を手に入れた!?」

魔獣T「ハゲ?そうでもあるがぁあああああああ!!!」

ショウ「光が……広がっていく……大きな星が点いたり消えたりしている。アハハ、大きい彗星かな」

ゆま母「ショウさんが精神崩壊ですって! くそっ、あんたのせいよ、ゆま!」

ゆま「ち、違うよ!あのハゲ御大が悪いんだよ!」

ショウ「ん、出られないのかな? おーい出してくださいよ、ねぇ……」

ゆま「ひっ……た、助けて!」

なぎさ「ゆま!こっちなのです!」

ゆま「なぎさ!どうしたのその恰好!」

なぎさ「魔法少女なのです!悪い魔獣をやっつけにきたのです!」

魔獣C「この戦いに正義などない!」

なぎさ「よくわからん思想を押し付けるななのです!ラッパ攻撃なのです!」

魔獣C「ぐあくぁあああああ!!強い!よくわからんけど魔法少女やっぱ強い!」

なぎさ「地獄絵図なのです。魔獣は人間の生気を吸い取るのです」

まどか「ゆまちゃんを助けなきゃ! でも……なにか忘れてるような……」

魔獣A「おい、あそこ見ろよ。概念が居るぜ」

魔獣B「そうだ俺達は概念の敵だった!あいつがぶっ壊した世界を元に戻すのが使命だった!」

魔獣T「概念[ピーーー]よや!」

まどか「なんで!?そうまでして人間を襲うの!私も殺そうとするの!」

魔獣T「お前がそれをさせるのだよ!」

なぎさ「概念? なんのことなのです……? まどかは魔法少女じゃ……あれ? まどかはなんで魔法少女じゃないのに魔獣の瘴気が分かるのです?」

まどか「そうだ……私の正体は……」

なぎさ「まどか? そう、まどかは円環の……」

ほむら「その必要はないわ、まどかぁ!」

 ガバッ!
 
まどか「ほ、ほむらちゃん!? こんな状況で抱きついてこられたら、私どうしたらいいか……」

ほむら「まどか!まどかぁ!ほむっ!ほむっ!」

なぎさ「ど、どうしたのですかほむら」

ほむら「まどかに概念の記憶を取り戻させるわけにはいかない……まどかにほむほむする事で記憶を抑えて見せる!」

魔獣A「何イチャついてんだこの悪魔ほむほむ!」

魔獣B「大体お前がナイトメアなんてもんを作り出したから俺達の出番が新編になかったんじゃないか!許さんぞ!悪魔め!」

魔獣T「ほむほむなんか嫌い!死んじゃえばいいのよっ!!」

ほむら「うるさい!みんな星になってしまえー!」

 ほむらは叫ぶと背から悪魔の翼を生やした。
 それは侵食する黒き翼、ほむらが改造魔法少女となって手に入れた最大の技だった。
 要するにイヌカレーウィングである。
 
魔獣T「このほむほむ凄いよぉ!さすがは概念のお嫁さん!」

ほむら「ユニヴァアアアアアアアアアアスッ!!!」

魔獣T「月光蝶であぁぁぁ……ごふっ」

 魔獣たちをやっつけた!

ほむら「はぁ……はぁ……鹿目まどか、貴女はどうして愚かなの……はぁはぁ……ほむほむ……」

まどか「ほ、ほむらちゃん……ごめんなさい……でもどうしてもゆまちゃんを助けたくて……」

なぎさ「そうなのです、魔獣退治は偶然なのです。ゆまを助けるのです!」

ゆま母「何言ってんのよクソガキども!どうしてくれんのよ!ショウさんは廃人になっちゃったし!」

ショウ「光が……広がってゆく……」

ほむら「さあ?どうでもいいわね。あ、美樹さんを成長させてくれたことには感謝しておくわ。ありがとう」

ゆま母「こんな変な連中を呼び寄せたのもあんたのせいだよゆま!」

ゆま「い、痛い!やめてお母さん!助けてなぎさ!」

なぎさ「ゆまを離すのです!離さないとチーズにして首を食いちぎるのですよ!」

ほむら「貴女が言うと説得力が違うわね、ベベ……いえ百江なぎさと呼ぶべきでしょうけど」

まどか「ほむらちゃん!どうしよう、ゆまちゃんを助けてあげて!」

ほむら「悪魔に頼みごとね……いいわよ、ただしあなたの体で支払ってもらうけど……」

まどか「……うん、いいよ。ゆまちゃんが助かるなら私、ほむらちゃんに体を支払うよ!」

ほむら「冗談で言ったのだけど……まぁいいわ」

ほむら「千歳ゆまの母親が救いようのない人なのはわかってるから、悪魔らしき抜き取るもの抜き取って終わりましょう」

ゆま母「な、なによあんた!」

ほむら「あなた娘の事が邪魔なんでしょ? いいわよ、全部忘れさせてあげるわ」

ゆま母「っ!?」

ゆま「おかあさん?」

ゆま母「……ダレよあんた」

ゆま「え?」

ゆま母「とっとと出ていきなさいよ!警察呼ぶわよこのクソガキども!」

ほむら「ほら、とっとと行くわよ。貴方達」

まどか「う、うん。いこ、なぎさちゃん、ゆまちゃん」

ゆま「わ、わかった……」

ほむら「千歳ゆまの母親から記憶を抜き取ったわ。魔獣に襲われた記憶と娘の記憶をね」

なぎさ「つまりゆまのお母さんはもうゆまを虐めないってことですか? やったのです!」

ほむら「ついでにショウさんはオーラロードを開いて聖戦士にでもしてやりましょう」

まどか「ひどいよ、ほむらちゃん……」

なぎさ「どうしたのです、まどか?」

まどか「いくらなんでもこんなのあんまりだよ! ゆまちゃんもお母さんと話していたら分かり合えたかもしれないのに……」

ほむら「……鹿目まどか。千歳ゆまの体を見てあげなさい。その子は殴る蹴るタバコの火を押し付けられる断食させられる外で放置されると、ありとあらゆる虐待を受けていたのよ」

まどか「えっ……」

ほむら「貴女は優し過ぎる。でもその優しさは時として誰かを苦しめるのよ。貴女の理想では全ての魔法少女を救えない」

ほむら「(そう……私の愛を受け止められない時点で貴女は……ッ!)」

まどか「でも、ゆまちゃんはどうすればいいの?」

ほむら「佐倉杏子にでも引き渡しなさい。窃盗を教え込まれたら大変だけど、まぁなんとかなるでしょ」

まどか「でも杏子ちゃんだって大変だよ?」

ほむら「杏子が美樹さやかとイチャついてて満足してるようならば、美国織莉子という魔法少女に渡しなさい。本当はあの女に貴女を会わせたくはないのだけど仕方ないわ」

まどか「……なんで杏子ちゃんの名前が出るのかわかんないけど、わかった。相談してみる」

ゆま「……ありがとう、ございます」

ほむら「それと千歳ゆま。最後に一つだけ悪魔らしい嫌味を言っておいてあげるわ」

ゆま「……え?」
 
ほむら「『いつかは今じゃない』……というのは実にあなたらしい理想で私は嫌いじゃないけど、でも一つだけ教えてあげるわ」

ほむら「『いつか』は『今』になるのよ」

ほむら「(そう、私がループしていた時に見た『いつか』が『今』であるように)」

ゆま「……わかんないよ。だって『いつか』は『今じゃないでしょ』」

ほむら「そう……それがあなたの答えなのね、千歳ゆま……。なら……」

ほむら「私は貴女の敵になるかもね」

なぎさ「それでほむらはいったいなんなんですか?魔法少女ではないのですか?」

ほむら「いいえ、違うわ。通りすがりの悪魔よ、覚えておきなさい」

今日はここまで。感想ありがとうございます。
しかし、なんで叛逆に魔獣さん出なかったんでしょうね。あとショウさんも。

>>29
マギカカルテットにちなんでマミさや杏なぎで4人組という事にしておきます。指摘どうもです。
まどかは非契約(ただし神様の力は本人が無自覚ながら持ってる)
ほむらは通りすがりの(自称)悪魔でどちらも非メンバーということで。

あと>>35にsaga抜けてたせいでおかしくなってますけど、魔獣Tの台詞は
魔獣T「概念死ねよや!」
が正しいはずです。
でも「概念[ピーーー]よや!」も卑猥なので別にどっちでもいいと思います。

その後もほむらの悪魔的な行動は続いた。
織莉子とキリカと戦って決着つかせずに悪魔的な言葉を使って去って行ったり
あすなろ市に遊びに行って妙な同志がくっついてきたり
QBをボコボコにしたり
魔獣を退治したり
マミをアイドルに仕立てあげたり
落ちてる財布を交番に届けたり
交差点で取り残されてしまったおばあちゃんを使い魔を使って助けてあげたり
ありとあらゆる悪魔的な行動を行った。

さやか「悪魔じゃねーし! あんたはまどかポータブルの番外編ほむらか!」

ほむら「よし、それなら踏み台クロスに手を染めましょう」

さやか「ふ、踏み台クロス! そんなことさせないんだから!」

ほむら「物語シリーズとクロスオーバーして、戦場ヶ原ひたぎの声真似をしながら阿良々木さんを言葉責めにしましょう」

さやか「それ絶対踏み台じゃないってば!」

ほむら「なのはシリーズとクロスオーバーして、スバル・ナカジマの声真似をしながらティアナ・ランスターを少し頭を冷やしましょう」

さやか「やめろ! それはマジで洒落にならないから!」

ほむら「ま、冗談だけど」

ほむら「(しかし悪魔的な事って何をすればいいのかしら)」

ほむら「仕方ないわ。まどかを見守りながら悪魔的な事を考えましょう」

結局まどかをストーキングもとい見守り続ける悪魔であった。
ループ期間で身に着けたストーキング技術は簡単に消える事もなく、ほむらはまどかを視姦し続けるのだった。

ほむら「今日もまどかは愛らしいわ。愛こそ悪魔の原動力ね」

黒猫「にゃー」

まどか「あ、猫ちゃんだー」

ほむら「はっ……あれはエイミー!」

説明しよう!
エイミーとは翠星のガルガンティアのヒロイン……ではなく、円盤のドラマCDメモリーズオブユーに登場した黒猫である。
まどかが初めて契約したきっかけなのだ!

ほむら「エイミー……そう、あの子が私とまどかの全ての始まり……私がヘタレメガネだった頃、まどかと同じ話題に花を咲かせたきっかけだったわ……」

エイミー「にゃー」

まどか「あ、猫ちゃん!そっち行っちゃダメ!車が来てるよ」

ほむら「はっ!そういえばエイミーは交通事故にあってしまうんだった!このままではまどかはQBと契約してしまう!」

まどか「猫ちゃーん! そ、そんな……跳ね飛ばされちゃった……」

ほむら「その必要はないわ」

エイミー「にゃー」

まどか「ほ、ほむらちゃん……猫ちゃんを助けてくれたの……」

ほむら「鹿目まどか……ええ、つんでれさーびーす」

まどか「え?」

ほむら「勘違いしないでよね。私はこの猫を助けたかったわけじゃない。この猫を使い魔として部下にしたかっただけなんだから。ただの悪魔的な行動なんだから」

まどか「でも、ほむらちゃんが居なかったら私キュゥべえと契約して魔法少女になってたよ」

ほむら「そんなことをしたらあいつらマジ殺すわ」

まどか「ひっ……ほむらちゃん、目が怖いよ……」

ほむら「この猫に触りたかったらいつでもいらっしゃい。可愛がらせてあ・げ・るから」

エイミー「にゃーお」

まどか「ほむらちゃん……やっぱりいい子なんじゃ……」

ワープでまどかの前から姿をけし、ほむホームへと戻ったほむらはほっと一息つくのだった。

ほむら「ふう……危なかったわ。まどかの記憶を取り戻させるわけにもいかないけど、QBと契約させるわけにもいかないわ」

エイミー「にゃあ」

ほむら「ええ、久しぶりねエイミー。といっても貴方は覚えてないでしょうけど」

エイミー「にゃあ?」

ほむら「そうね、エイミー。貴方を新マスコットに加えてあげてもいいわ。悪魔に黒猫というのも趣きとしては悪くないし」

QB「そ、そんな悪魔様!インキュベーターを見捨てるおつもりですか!わけがわからないよ!」

ほむら「あらまだ居たの? ベベも居る事だし、貴方達はもう用済みよ」

QB「そんな!マスコットから離れて僕たちはいったいどうすれば!?」

ほむら「知らないわよ。まっ、でもエネルギー採取にはこき使ってあげるわ。感謝しなさいよ」

QB「……え?」

ほむら「感謝しなさいよ。殲滅しないだけ」

QB「あ、ありがとうございます……ありがとうございますぅ」

エイミー「にゃあ」

ほむら「いい子ねエイミー」

ほむら「しかし部下を増やしていくのは悪魔的といえるわね。使い魔はいっぱい居るけど、自らの欲望で動く魔法少女が欲しいわ」

ほむら「……そうね、この子にでも接触してみようかしら」

ほむらがおもむろに取り出した写真には「神名あすみ」という名前が書かれていた。

ストック使い終わったので今日はここまで。
終わり自体は一応見えてます。

神名あすみ。
モーニングスターを使い、他者の不幸を願うことで対象のトラウマを抉り出す。
暁美ほむらの本心を読むことで、「暁美ほむらの否定」をするキャラとして存在している……はずだった。

ほむら「神名あすみ。今の私を否定してみなさい」

あすみ「は? ループとかバカじゃないの?」

ほむら「そうね。私は愚かだったわ。でもループは既に過去の痛みに過ぎない。そのすべてがまどかのためだもの」

あすみ「えっと……まどかお姉ちゃんに世界を滅ぼさせて何考えてるの?」

ほむら「むしろ私が宇宙を支配でもするつもりだけど? なんなら魔獣退治と並行でやってあげてもいいわ? ちょちょいと因果を改変して、ね」

あすみ「何でベベちゃん虐めてるの?」

ほむら「巴さんをマミるあの子が悪いんじゃない。今まで散々マミさんを助け隊とか言っておきながら」

あすみ「キリカお姉ちゃんの愛の方がまともじゃない?」

ほむら「私は魔女化のコントロールに成功したわ。今では使い魔が我が悪魔軍の軍制の一つよ」

あすみ「まどかお姉ちゃんから気持ち悪がられてない?」

ほむら「まどかが幸せなら別に私が嫌われようとも構わない」

あすみ「それって愛じゃないもの!」

ほむら「いいえ、愛よ(ホムッ」

あすみ「(駄目だこのお姉ちゃん……悪魔だ。勝てない……)」

あすみは恐怖した。
この目の前の悪魔はもはや「正しくなさ」では勝てない。
否定出来る気がしない。
他者の不幸を願うあすみが、ほむらの持つドス黒い愛に心底恐怖し、そして……。

あすみ「ごめんなさい。謎の新キャラ枠をベベとかいう小娘に取られて悔しいのもあるんで、仲間にしてください」

なんとあすみんが起き上がり仲間にしてほしそうにこちらを見ている!
仲間にしてあげますか?

ほむら「はい」

あすみんが仲間に加わった!

QB「わけがわからないよ」

ほむら「手駒が増えるという事は気分もそう悪くないものね」

QB「しかし悪魔様。此岸の魔女の頃の使い魔が大量に居るのに、何故手先を増やす必要があるのです」

ほむら「わからないのかしら。悪には悪の救世主が必要なのよ」

QB「……君が救いたいのは鹿目まどかではないのかい?」
ほむら「ええそうよ。私は「まどかを守る私」になったわ……そのエゴをさらに突き進め、私は円環の理に救われなかった魔法少女の救世主にでもなってやる」

QB「……わけがわからないよ」

ほむら「あなた達に理解してもらおうなんて思わないわ。今の神名あすみも放っておいたら黒歴史になりそうだし……」
QB「しかしこれからどうなさるおつもりです?」

ほむら「そうね、次はあすなろ市にでも遊びに行こうかしら。巴さんや杏子の話を聞いて気になってたのよね。あそこは瘴気が濃いし」

QB「やはり悪魔様は宇宙を支配なされるおつもりで……」

ほむら「それも面白そうだわ。なんせ、私は悪魔ですもの」

QB「……悪魔め」

ほむら「悪魔でもいいわよ」

エターナルになる前にそろそろ完結させたいと思ってますが、オチを迷ってます。
イイハナシっぽく終わらせるか、欲望を解き放ったほむまどENDで終わらせるか。
プレイアデスやアリサ達も混ぜたいけど、そっちは別SSでじっくりやった方がいいのかなーと思ってます。
俺、これが終わったら円環悪魔が存在する時間軸でのかずみマギカSS書くんだ……。

普通にイイハナシでええんちゃう?

>>68
どもです。そういう路線でオチ作ってみます。

それから二週間が過ぎた。
ゆま・なぎさ・あすみはヒゲとか足とかの使い魔が闊歩している見滝原のとある道を歩いていたのである。

ゆま「そんなわけで今はおじーちゃんおばーちゃんと一緒に暮らしてるの」

なぎさ「それはハッピーエンドなのですよ。ほむらのおかげなのです」

ゆま「でもゆまがおじーちゃんおばーちゃんと一緒に暮らせるようにしてくれてた、おりこお姉ちゃんが居るんだけど、ほむらお姉ちゃんと付き合ったらだめだって言ってたよ」

あすみ「まぁ、ほむらお姉ちゃんは悪魔だからねー」

なぎさ「あすみはほむらと一緒に遊んでるのですよね」

あすみ「うん。よくわからない流れで仲間にされちゃったけど、結構楽しいよ」

ゆま「ほむらお姉ちゃんは今どんなことやってるの」

あすみ「えっとね……あすなろ市に遊びに行ってこんなの作ってきた」

そう言ってあすみはインキュベーターらしき生物を取り出した。

QBらしき生物「よぉロリっ子ども! オイラもチームほむらの一員なんだ! 仲良くしてやってくれよ!」

なぎさ「キュゥべえなのです!? なんかなぎさの本能がキュゥべえは信じてはいけないと言ってるのですよ!」

QBらしき生物「ちげーよ!オイラはキュゥべえじゃねえ。ジュゥべえだ!」

ゆま「ジュゥべえ?」

あすみ「うーんとね。あすなろ市に弱っちくてすぐに悲鳴を合唱する『プレイアデスせーだん』ってのが居るんだけどさ。そこの連中が円環もぎ取って死んだ魔法少女のクローン作るとかやってたわけよ」

なぎさ「うーむ。悪魔っぽいのです」

あすみ「ほむらお姉ちゃんもそこに気付いたらしくてねー。ってかあの人ぶっちゃけまどかお姉ちゃんが助かれば円環とかどうなったっていいって人だから。なんか手を貸してあげたんだよ」

ゆま「てをかしてあげた?」

あすみ「プレイアデスせーだんは、QBどもをぶち転がした後、QBを使ってソウルジェム浄化装置を作ろうとしたんだよ」

JB「まっ、本来のインキュベーターは宇宙を守るためのエネルギーが必要だから本能でそんな装置を作る事は出来なかったんだけどな……」

あすみ「でもジュゥちゃんはソウルジェムを浄化出来る……ほれ」

JB「よっしゃ任せろ! ベリベリー」

なぎさ「あっ、すごいのです! あすみのソウルジェムが綺麗になったのです!」

JB「お嬢ちゃん達のソウルジェムも綺麗にしてやるぜー!」

あすみ「本当は上っ面だけ綺麗にするしかなかったんだけどね。でも、ほむらお姉ちゃんが取引したってのがそこなんだよ」

QB「そうだよ……あの悪魔は僕たちを……脅迫したんだ!」

横から出てきたのは本物のキュゥべえだった。

なぎさ「きゅ、キュゥべえ!」

ゆま「ど、どういうことなの?」

QB「暁美ほむらは悪魔だ! いやわかってたけどあいつは宇宙を破滅させる気だ!」

なぎさ「そ、そんな……いくらほむらがまどか好きの変態だからって宇宙崩壊なんて……やるかもしんないのです」

ゆま「どういう事なのキュゥべえ!説明して!」

QB「あいつは……あの悪魔は……宇宙を人質にしてそのソウルジェム浄化装置を作り出したんだ!」

なぎさ・ゆま「……へ?」

JB「そいつぁオイラのことかい? 何言ってんだ、同じインキュベーターのよしみじゃねえか」

QB「余力があったら観測してみたいと思ったがそうはいかない! 本来なら不可能だったソウルジェムの穢れ循環をあの悪魔と聖カンナは作り出してしまったんだ! これでは君達の絶望を回収できなくなる! 宇宙がヤバい!」

ゆま「……それっていい事じゃないの?」

なぎさ「そうなのです。ジュゥべぇが居れば魔獣狩りのグリーフシード縄張り争いも減るのです。いい事なのです」

QB「良くないよ! あいつは君たち魔法少女に文明を与えて、それで破滅へ……」

悪魔「破滅が……どうかしたって?」

あすみ「あ、ほむらお姉ちゃん」

音もなくワープしてきた悪魔がそこに居た。

QB「ひっひぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

ほむら「あら、貴方達感情はなかったんじゃないの? いいわ、その恐怖と憎悪の入り混じった感情。その感情だけで宇宙のエントロピー補えるんじゃないのかしら」

ゆま「ほむらお姉ちゃん。ジュゥちゃんを作らせたのはどういう事なの?」

ほむら「無論、”いつか”が”今”になった時に備えての……宇宙の凌辱かしら?」

あすみ「要するにやりたい放題ってことね。まったくこの人は……」

ほむら「あら、私は無限の迷路を超えた魔なる者。理を穢して壊して凌辱するのは当然のことじゃなくて? ねえ、百江なぎさ」

なぎさ「ほむら、何故聞く?」

ほむら「さあ?」

QB「くそっ! だが僕が死んでも代わりはいるんだ!」

ほむら「へえ……んじゃやりなさい」

使い魔「(殺っちまえー!殺っちまえー!)」

QB「ごふっ……」

ほむら「貴方達。そのボロ雑巾はあすなろ市の浅海サキ宛てに送っておきなさい。ジュゥべぇに改造してあげなさい」

使い魔「(合点承知ー!合点承知ー!)」

JB「悪魔の姐さん……あんたキュゥさんらにほんと容赦ねえな……」

ほむら「ええ、本来の奴らは宇宙を守る正義の使者。それを全力で潰すのは悪魔の使命ではなくて?」

ゆま「それでほむらお姉ちゃん達はどうしたの?」

ほむら「ええ、我が居城ほむら城が完成したから見せびらかしたいと思って」

ゆま「ほ、ほむら城! なんかすごい名前……」

なぎさ「なぎさはチーズが食べれるなら行くのです」

ほむら「ええ、貴方達のような子にこそ見てほしいわ」

あすみ「しっかしチームほむらに入ってなんだけど、ほんと調子こいてるなぁこのお姉ちゃん……いつか慢心で死ぬんじゃない?」

ほむら「だーまーりーなーさーいー」

ほむら城

ゆま「すごーい! 玄関を潜ったらお城だ!」

JB「ちなみに元はほむホームなんでぇ」

あすみ「伊達や酔狂でこんなもん作っちゃうなんて、流石ほむらお姉ちゃんは魔力の無駄遣いに定評があるね」

ほむら「悪魔はお城に棲むものなのよ。さて、百江なぎさ、千歳ゆま。貴方達もこっちに座りなさい」

なぎさ「チーズはあるのですか!?」

ほむら「はい、巴マミを模した魔女ま○こカマンベールよ。一口でかぶりつきなさい」

なぎさ「マミがチーズになっちゃう! でも食べるのです。美味しいのです」

??「いい御身分ね、暁美。こんな状況で子供連れなんて。それが悪魔の余裕って奴かしら?」

ほむら「あら、小巻。そんなイライラしてると、美国織莉子に嫌われちゃうわよ?」

小巻「だから美国の話題出すなって言ってんでしょうが! 別にあいつに嫌われようがどうでもいいのよ!」

ゆま「お姉ちゃん誰?」

ほむら「浅古小巻。痴情のもつれという名の魔法少女狩りで殺されかけた所を助けてやったのよ。所謂ツンデレよ」

小巻「曲解して解説してんじゃないわよ! 悪魔か、あんたは!」

ほむら「悪魔でもいいわよ」

ゆま「お姉ちゃん誰?」

ほむら「浅古小巻。痴情のもつれという名の魔法少女狩りで殺されかけた所を助けてやったのよ。所謂ツンデレよ」

小巻「曲解して解説してんじゃないわよ! 悪魔か、あんたは!」

ほむら「悪魔でもいいわよ」

ゆま「初めまして、小巻お姉ちゃん。千歳ゆまって言うんだよ」

小巻「え、ええ。初めまして……ふん、素直ないい子じゃないの」

ほむら「『チームほむら』は躾けが」

あすみ「その『チームほむら』って止めようよほむらお姉ちゃん。なんか鎧武っぽいよ。左下とかに『チーム鎧武』とか『チームバロン』とか出て来て、小学生から見てもどうなの?と思うよ」

ほむら「あら、私は気に入ってるわよ。あの『チームグリドン』とかテロップーで出てくる演出」

ゆま「グリドンはチーム名じゃないよ」

ほむら「それより貴方達、最近は魔法少女狩りが流行ってるから気を付けなさい」

小巻「気を付けなさいって……まさかこの子達も殺す対象なの……?」

ほむら「私はあの女の事をそれくらい警戒してるし、世界を守るためならそれくらい我慢できるような女よ」

ゆま「……だれのこと言ってるの?」

ほむら「さぁ。ただ、なぎさは狙われる可能性高いし、ゆまも魔法少女とつるんでる以上は決して安心ではないわよ。せいぜい気を付けなさいな」

ゆま「うん……わかったよ」

なぎさ「モチョモチョモチョ……」

ほむら「この状況下で人の話を聞かず、ただチーズを食べているのは貴女しか居ない……ベベ!」

なぎさ「わからぬ。それ知らぬ。恨まれた困る……」

小巻「そんなに気になるなら自分からお仲間さんに忠告すればいいじゃないの」

ほむら「そうはいかないのよ。あの連中は『円環組』で、私達は『悪魔組』なんだから」

小巻「魔法少女界隈にも『良家組』みたいな面倒臭い作りがあるのね……世知辛いもんだわ。まったく」

ゆま「で、魔法少女狩りをやってるのって誰なの?」

ほむら「佐倉杏子」

ゆま「……嘘だよね、キョウコがそんな……」

ほむら「ええ、嘘よ。安心なさい。今のあの子は確か美樹さんちの無駄飯食らいでしょ、ただのお人よしよ」

ゆま「なんだ嘘か。よかったぁ……」

小巻「しかし、美国は一体何を考えて……」

ほむら「……やめときなさい。一応この子を糞母親から引き離す際に、私、美国織莉子に手続とか丸投げしたのよ」

小巻「それは……って、あんた何やってんですの!?」

ほむら「悪魔の所業」

ゆま「美国? 美国っておりこお姉さんが何かやったの?」

ほむら「さあ……それともあの女はこれから何かやろうとしてるのかもね」

チーム織莉子(テロップ)

織莉子「ああ、深いわ。人の思いはとても深い。人の思いが神を創り、悪魔を創り、全てを創るのだわ」

QB「全てを創るか……かつての僕たちならそれを素晴らしいと思ったのだろうね」

織莉子「今は違うのかしら?」

QB「その神と悪魔に敗北して下僕に落とされた今となってはね。その悪魔は『世界』を救いようのないモノだと思い込んでいる」

織莉子「暁美ほむら。幾多の世界を己が成長の踏み台として踏みあがってきた見滝原の黒い悪魔……」

QB「そうだ。あの悪魔はどんな犠牲を払ってでも倒さなければならない。それは君にだって分かっているはずだ、美国織莉子」

織莉子「……ええ、そのために私達は誰であっても少数の犠牲として払っていく。それが例え罪なき一般人であったとしても」

QB「そして浅古小巻のような友達であったとしてもかい?」

織莉子「…………ええ」

QB「それにしてはためらっていたけど、それも人の思いかい?」

織莉子「あれは悪魔に邪魔されただけよ……キリカは小巻さんをやる気まんまんだったもの。私がそれに応えなくてどうするの」

QB「ふーん……僕達にはわけがわからないが、しかし君達に『世界』の救済を望むのは真実だ。そのためなら鹿目まどかであろうと千歳ゆまであろうと浅古小巻であろうと切り捨てねばいけないのは君ならわかってくれるはずだ」

織莉子「ええ、『世界』を守るためなら少数の犠牲は切り捨てるしかないのよ。小巻さんが悪魔に魂を売ったのなら、私達は彼女こと切り捨てるまで……」

QB「わかった、その覚悟を信じよう。君に悪魔の排除と、『世界』の救済を託す、美国織莉子」

織莉子「キュゥべえ。貴方達も感謝すべきよ。貴方達の望んだモノが創られるのだから!」

言い訳っぽい補足。
小巻さんは別編のモブ及びが新約で契約したっぽい子。
織莉子止めようとしてキリカに殺されかかった所を悪魔に助けられて、なんか行動を共にしてるという感じです。
まどか殺された事を根に持ってるほむらと、どうも織莉子止めたがってる小巻さんは利害が一致してるという事ですね。

なぎさ達が悪魔城へ遊びに行った翌日。
さやかはなぎさからほむらの悪魔っぷりを聞かされ、思わず頭を抱えた。

さやか「一体何考えてんだ!あのサイコレズな電波悪魔は! それが萌えか! 萌えなのかぁ!?」

なぎさ「でもマミの頭をした魔女ま○こカマンベール美味しかったのです」

さやか「ああ、あいつが悪趣味なのは知ってるわよ……あんたの友達のあすみにしろ、小巻さんにしろ、手駒を増やして何をやりたいんだかあのバカ悪魔は……」

なぎさ「それで円環派ってなんですか? さやかは知ってるのですか?」

さやか「……あんたが覚えてなけりゃそれでいい。あんたは関係ないし、ほむらを止めれなかった責任は多分あたしにあるから」

なぎさ「魔法少女狩りはどうするんです? なんか物騒なのですよ」

さやか「美国織莉子か……」

なぎさ「知ってるのですか?」

さやか「知ってるともいうし知らないともいう。ただ、あいつはまどかの願いをなんとも思っちゃいないし、そういう意味ではほむらのバカより危ない奴よ」

なぎさ「織莉子は円環派ではないのですか?」

さやか「どうだろうな~……ただあいつらがまた殺戮をする気なら、あたしは悪魔と手を組んででも立ち向かう気でいるわよ」

なぎさ「さやかとほむら、ほんとは仲良しなのです」

さやか「あいつはあたしの事、友達だと思っちゃいないだろうけどな~」

QB「わけがわからないよ。君達の敵は悪魔だろ!?」

さやか「あんたは消えろ」

QB「うわっ冷たいなぁ。もうこっちも我慢の限界なんだよ。あの悪魔を倒してくれなければ宇宙に未来はない!」

さやか「気持ちはわからんでもないけどさ。あのバカ悪魔、魔獣を皆殺しにしたら宇宙を壊すのも悪くないとか言ってやがったし」

さやか「でもあんたらは別。ほむらの奴もあんたらと折衝する気あったんだろうけど、結局それ踏みにじって円環の理を支配しようとしたんじゃない」

QB「君が何を言っているのか僕にはわけがわからないが、まぁいい。悪魔を倒すべき魔法少女は美国織莉子だけではないんだよ」

さやか「なんですって? やっぱ裏で誘導してたのはあんただったか。インキュベーター!」

QB「ああ、そうだ! 紹介しよう! とある町から連れてきた魔法少女の『暗殺者』だ!」

なぎさ「あ、あの銀髪の人は……誰なのです!?」

???「貴女の名前……教えて?」

さやか「なぎさ!そいつから離れろ!」

なぎさ「きゃっ!」

音もなく忍び寄ってきた銀髪の魔法少女の炎を纏った剣が、なぎさを襲う。
だがそれを弾いたのは瞬時に危険を察知したさやかの剣戟だった。

???「流石に一筋縄ではいかないか……」

さやか「あんた何者!? いきなり襲われるのは慣れちゃいるつもりだけど」

???「私はスズネ……天乃スズネ」

さやか「スズネ……その名前覚えてるような……大きなものの一部だった時に……」

スズネ「貴女の名前、教えて?」

さやか「だぁーっ! 学校の怪談的ななんかかあんたは!」

同じ剣で戦う魔法少女同士なのか、さやかとスズネは斬り結び合う。
その光景をなぎさとQBは遠目から見ていた。

なぎさ「なんか戦いが始まってしまったのです……キュゥべえ!早く止めるのです!」

QB「僕にはどうしようもない……」

なぎさ「何偉そうな事言ってるのですか!こうなったら食ってやるのです!」

QB「わけがわからないよ!」

なぎさ「くっ……食べても食べても湧いて出てくる癖に、チーズの方が美味しいのです……QB不味いのです」

QB「当たり前じゃないか。僕たちは資源に過ぎない。捕食するにしても味覚を刺激するようには創られてないんだ」

なぎさとQBが謎のバトルを繰り広げてる中、さやかとスズネの剣での決闘は徐々にさやかが押し始めていた。

スズネ「強い……。これが円環の理の一部の力……いや違うか」

さやか「何をごちゃごちゃと……あんたは早いかもしれないけど力が足りないんだよ!」

スズネ「剛剣……アリサのバカともまた違った重みと絶望を乗り越えてきた凄みがある……ッ!」

さやか「あんたはその願いと隠れる魔法に頼り過ぎなんだよッ!」

スズネ「くっ!」

さやかの蹴りがスズネの腹を捉えた。
痛覚遮断はあっても衝撃で思わず態勢を崩すスズネ。
それは近距離戦闘においてはあまりに致命的な隙だった。

さやか「これでトドメを刺す!」

さやかは剣を振りかぶる。

さやか「スパークエッ……」

そしてスズネに振り下ろし、決着を付けようとしたその時である。

???「光よ! ラ・リュミナール!」

さやか「なっ!」

振り下ろそうとした時、光り輝く大槍がさやかとスズネの合間に割って入る。

???「円環の理から外れつつも、その腕は鈍っていなくて安心したわ。サヤカ」

そう光の槍を放った金髪の魔法少女はそう言った・

さやか「あ、あんたは……タルト!?」

タルト「ええ、まだ覚えていてくれて嬉しいわ。これも神様もお導きでしょうね」

なぎさ「ま、また新しい魔法少女なのですか!? なんなのですか!? もうこの町に魔法少女はもう要らないのですよ!」

QB「それを君が言うかな」

なぎさ「うるさいのです!」

さやか「つか、なんでタルトがここに居るのよ! 円環の理はどうしたの!? ってか、このスズネとかいう通り魔の知り合い!?」

スズネ「一度にごちゃごちゃ言われても困る」

QB「タルト!いやジャンヌ・ダルク!過去の魔法少女である君が何故ここに!?」

タルト「あー、天使様? そっか……そりゃこの時代にも居るよねぇ」

なぎさ「QBは天使なんかじゃないのですよ。あいつは悪魔のほむらの奴隷なのです」

タルト「知ってるわよ。その上で神への叛逆者は許してはおけない。悪魔はもちろん、それが天使であったとしても!」

そう言ってタルトは光の槍をQBへ向かって投げる。

QB「わけがわからないよ」

さやか「でも、インキュベーターはいっぱい居るから殺しても殺しても湧いてくるわよ」

タルト「そうね……スズネ! ここから脱出して! 天使の目が届かない所でサヤカとナギサと話がしたいの!」

スズネ「ええ、そのために私の能力はある……」

いつの間にかさやかとなぎさの背後に立っていたスズネは、音もなくさやかとなぎさの服を掴む。

なぎさ「ひゃあ!」

さやか「ちょっ……あんたQBに騙されてたんじゃないの!?」

スズネ「さっきのは謝るわ……今はインキュベーターから離れることが先決」

タルト「私とスズネの魔法を組み合わせれば! 光あれ!」

QB「うおっ、まぶしっ!」

タルトが閃光魔法を放ってめくらましした次の瞬間、さやかもなぎさもタルトもスズネも音もなくその場から消え去っていた。

QB「僕たちの技術力でも追えないか……聖女と暗殺者、2人の魔法を使えばまさかここまで……」

QB「しかしスズネがまさか円環の理と通じていたとは予想外だったよ。彼女ならあの忌々しい悪魔も始末してくれると思ったのに」

QB「まぁいい……やはり『世界』の救済は美国織莉子に託すしかないか」

QB「そして円環の理を観測出来れば、その力を支配できる」

QB「美樹さやか……ジャンヌ・ダルク……君達、円環の理が何をしてももう遅いんだ! もう織莉子は止まらない!」

今日の更新はここまで。名前入れ忘れてました。
本来の予定だとさっくり終わるはずだったのが、いつの間にかスーパーマギカ大戦っぽいノリへ。

美樹家

さやか「ただいまー」

杏子「あれ? そいつらは?」

スズネ「……」

さやか「ああ、こっちは通り魔のスズネ」

スズネ「通り魔をしてるつもりはない……」

さやか「それとこっちが……まぁ昔の知り合いの魔法少女のタルト」

タルト「どうも」

杏子「知りあい? マミじゃあるまいし、あんたが魔法少女の知り合い作るほど経験とかあったっけ?」

さやか「その辺の説明はなんつーか面倒くさいから置いとく」

杏子「ふーん、まぁいいや」

さやか「それより杏子。あんたラーメン屋にでも行ってきなよ。あたしが奢るから」

杏子「マジか!?」

スズネ「……私の目的は円環の理とは関係ない」

さやか「あ、そうなの? じゃあなんでタルトと一緒に行動をしてたのよ」

スズネ「新スピンオフ同士の成り行き?」

さやか「あのさぁ……」

スズネ「魔法少女を止めた子が居る……」

さやか「へ? なにそれどういう意味」

スズネ「奏ハルカ……確かに魔法少女だったのだけど、気づいた時にはいつの間にか記憶が飛んで魔法少女ではなくなっていた。つまり魔法少女を止めていた……」

杏子「魔法少女止めるってさぁ。止められないから魔法少女なんじゃん」

スズネ「……奏ハルカが魔法少女を止める前、彼女の付近に『見滝原の黒い悪魔』と呼ばれる魔法少女がうろついていたの」

杏子「……ちょっと待て? 見滝原の黒い悪魔って……独りしか居ないじゃん」

さやか「ほむらか! またあいつなんかやらかしたんか!」

タルト「そこなのですよ。スズネの話を統合すると、悪魔がハルカという魔法少女からその力を奪ってしまったと」

さやか「なるほどねぇ……。で、どうせそのハルカって子も記憶操作されてたりするんでしょ……」

スズネ「ええ、奏ハルカは魔法少女だった時の記憶を忘れてしまっていた」

タルト「『神様』から神聖な力を奪ったあの悪魔が、現世で悪行三昧とは許せません! 今すぐ美国織莉子ともども討たねば!」

さやか「いや、あんたの方が突っ込みどころ満載なんだけど、なんで円環の理の一部だったあんたがここに居て、しかも美国織莉子の奴まで狙っているの?」

タルト「……美国織莉子は円環の理に叛逆し、そして『神様』を殺すべく策を練っています」

さやか「……そうか。あの女、この時間軸でもまどかを殺そうってのか……」

タルト「美国織莉子の策こそメギドアーク! かの者はこの地上ごと神様を焼き払う算段です!」

さやか「いきなりメガテンかよ! しかも真2かよ! インフレも大概じゃん!」

タルト「悪魔による叛逆と神様の喪失によって円環の理はボロボロです! サヤカ、今すぐ悪魔と美国織莉子を討ちましょう!」

杏子「何言ってんだこいつら」

スズネ「私にも分からない」

さやか「……ああ。あんたらは魔法少女を止めた件について調べて来てよ。あたしはちょっとまどかとあのバカ悪魔に話つけてくる」

杏子「あんたのおごりな」

さやか「いいよ、ゆまちゃんでも連れていきなよ」

杏子「やったぜ」

スズネ「インフレにはついていけないけども、この一件も悪魔が関わっている気がする。だから私は独自に調査をしてみる」

さやか「そっか。あんたも気を付けなよ、スズネ」

スズネ「……うん」

さやか「それも含めて。どうせほむらのバカはあたしが決着つけなきゃいけないと思ってるし」

タルト「よし、サヤカ! 2人がかりなら悪魔も討てるはずです!」

さやか「まぁ決着つけるなら早い内がいいわよね……あの悪魔、何をやらかしてるんだか……」

こうして、さやかとタルトは対悪魔に向かうのだった。

通学路

まどか「――だと思うんだけど、ほむらちゃんはどうかなぁ」

ほむら「まどかがそう思うならそれでいいわ」

タルト「悪魔死ねよやァー!」

タルトの攻撃がほむらを襲うもバリア的なもので防がれる。

まどか「ひっ」

さやか「ちょっ待てタルト! いきなりこんな所で戦闘吹っかけるな!」

ほむら「あら、なにかと思ったらアルティメット円環の狗どもじゃない」

さやか「なんだ、そのアルティメット円環って……」

まどか「さ、さやかちゃん……その人は?」

さやか「え、いやこいつは……まぁ誤解しないで欲しいんだけど……」

タルト「あ、あぁ……神様!」

まどか「……えっ?」

タルト「神様! こんな所にいらっしゃったのですね!」

まどか「い、いやっ……その……」

タルト「あぁ、悪魔のせいでこのような姿に貶められて……おのれ悪魔!」

ほむら「まどかに負担押しつけといて何を責任転嫁してるのよ」

タルト「うるさい黙りなさい堕天した悪魔! 神様に記憶さえ取り戻せばお前なんかレ●プされてアヘ顔ダブルピースされてしまうのに!」

まどか「あ、あの神様って言われてもその……」

タルト「そんな! 神様の記憶が……」

ほむら「ああ、まどかの記憶ならあすなろ市の悲鳴合唱団の技術提供もあってきっちりロックしているわよ。だから円環の理の話をしても無駄無駄」

さやか「便利だな、悲鳴合唱団……」

タルト「だったらお前さえ倒せば神様の記憶が戻るはず!」

ほむら「ああ、それは無理。もしまどかが人間としての生を終えるまでに私が死ぬような事があれば自動的にまどかの記憶制御システムにロックがかかって、まどかと円環の理を切り離し続けるシステムも出来てるのよ」

さやか「便利すぎるだろ!どうやったのよ、そんなもん!」

ほむら「愛よ(ホムッ」

さやか「すげーな、愛」

ほむら「ともあれ、この物語はまどかの記憶を取り戻すとかそういうんじゃない。そもそも私はまどか一人に負担押し付けるのが反吐出るほど嫌だったのよ」

さやか「悪魔だな、あんた……」

ほむら「悪魔でもいいわよ」

まどか「あ、あの……ほむらちゃんにさやかちゃん? 一体なにを……」

ほむら「いいのよ、まどか……(ホムホム」

タルト「そんな! 神様が神様の力をはく奪され蹂躙されるなんて……!」

ほむら「だからその神様に頼るの止めなさいな。神の御使いとかそんなん自称するなら自分でなんとかしなさいよ」

タルト「ああ、神様……くすん」

まどか「泣きだしちゃったよ……ほらほら、泣かないで」

タルト「ありがとうございます、神様……」

まどか「だから私は神様じゃないけど……」

ほむら「さて、どうしたもんかしらね。まさか円環から刺客が来るとは思わなんだわ」

さやか「元を辿ればあんたが叛逆したせいじゃん! 何偉そうな事言ってんだ!」

あすみ「相変わらずだよねぇ、ほむらお姉ちゃん」

まどか「あすみちゃん? いつからそこに居たの」

あすみ「ああ、まどかお姉ちゃん久しぶり。でね、そこのダメ悪魔お姉ちゃんを呼んで来いってさ」

ほむら「……わかった行くわ」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「大丈夫よ、まどか。あなたはただの人間として生きればいい」

さやか「あんたらしくないわね、ほむら。まどかをキチガイ過ぎるほど愛してるあんたが、命を狙われてるであろうまどかを放り出していくなんて」

ほむら「勘違いしないで欲しいわね。まどかと共に居る事が私の愛ではない……それにまどかが美国織莉子と呉キリカに狙われても大丈夫よ。護衛ならそこに居るじゃない」

タルト「……ひっく」

さやか「まどかの護衛って……もしかしてタルトか!」

ほむら「それじゃあ行きましょう、あすみ」

あすみ「はいはい。そんじゃまたね」

まどか「ほむらちゃんとあすみちゃん行っちゃった……」

さやか「元からだけど、あいつの考えてる事がなんなのかさっぱりわからん……ただ、まどか抜きでなんとかしろってのはわからんでもないわ」

まどか「さやかちゃん……それでどうしよう、この人……」

タルト「……くすん」

さやか「……あー、うん」

喫茶店

まどか「それでタルトさん……だよね」

タルト「うぅ……そんな他人行儀にしなくてもいいじゃないですかぁ。理に居た時は気さくにタルトちゃんと呼んでくれたのに……」

まどか「は、はぁ……」

さやか「(直接接触すればまどかの記憶も戻るかと思ったんだけど、やっぱダメかぁ……)」

まどか「そ、それでタルトちゃんも、魔法少女なんですよね……」

タルト「そうですよ! むしろ神様の御使いですよ! あの日、フランスを救い奪還せよと預言してもらったのは神様のお言葉があってこその……」

さやか「それはいいからさ。そもそも円環の理に居たタルトがなんで今ここに居るのさ。あたしとなぎさは、あのクソレズ悪魔に巻き込まれてこうしている訳だけど」

タルト「いえ、あの悪魔は間接的というか口火と言うか……今、円環の理は『救済の魔女』を抑えきれずとんでもない事になっているんですよ」

さやか「救済の魔女って……まさか!」

タルト「ええ、神様の真なる姿……神様の人格と力が、あの悪魔によって切り離された事で暴走してしまっているのです」

さやか「……ちょっと待て。んじゃメキドアークって何よ」

タルト「最終手段よ。これから神様を円環の理に引き戻せなければ、高出力の魔力フィールドでここらへん一端を吹き飛ばす最終作戦が……」

さやか「どこのアルカンシェルだよ! 世界観がリリカル化してきてるじゃんかよ!」

タルト「そうしないためにも、悪魔によって奪われた神様の力を返し、『最悪の魔女』をコントロールしてもらわなければ!」

まどか「あ、あの……さっきから何を言っているのか全然わかんないんだけど……もしかして全部、私が悪いって……こと?」

さやか「……そんな事ないよ、まどか。あんたは悪くない。悪いのは大体ほむらのバカのせいだ」

まどか「でも、ほむらちゃんが裏で色々頑張ってるのって……それに美国って人が私を殺そうとしてるのも、多分私のせいなんだよね……」

タルト「……美国織莉子の理屈も理解出来なくもないわ。神様と最悪の魔女はリンクしているから、神様を殺せばつまり最悪の魔女の誕生が無かった事になる可能性がある。あれは未来の存在だから、この時間の神様を殺せば生まれることはない」

さやか「タイムパラドックスという奴だね」

まどか「……うん。なんとなく分かるよ」

タルト「しかし神様を亡きものにして生き延びるなど魔女の所業でしょう! 故にあの美国織莉子と呉キリカという魔女を討たねば!」

さやか「やらなきゃいけないんだろうね。少ない者を切り捨てて多い者を救うなんて事をやっていったら結局行きつくのはインキュベーターだ」

タルト「神様! 再び神聖な力を取り戻し、私達をお導きください!」

まどか「そ、それは……」

さやか「でもさ、タルト。多分これはまどかが記憶を取り戻してどうにかすべきじゃないんだよ」

タルト「えっ?」

さやか「多分、まどかに助けられてた分まであたしたちがあの『最悪の魔女』に立ち向かえって事でしょ。それにまどかの記憶を引っ張り出したら、またあの悪魔が何をやらかすかわかったもんじゃないし」

タルト「……私はどうすればいいのかなぁ。メリッサ達とも別れて、神様も居なくて……」

まどか「ねえ、タルトちゃん……。私がこんな事を言う資格なんてないのかもしれないけど……希望はまだあると思うんだ」

タルト「神様……」

まどか「タルトちゃんががんばってきた事、きっと無意味じゃないよ。だから、まだまだ希望はあるよ。だってこうして出会えたんだもの」

タルト「……かつて私は裏切られました。天使を騙った『キューブ』……貴方達がインキュベーターと呼ぶその者と、守ろうとしてきた人々にです」

まどか「タルトちゃん……」

タルト「そして魔女として処刑された私の心を救ってくださったのが、あなたなのですよ……円環の理として今までの戦いを赦してくれたのが、あなたなのですよ……」

まどか「……ごめんね」

タルト「いいのです。貴方にとってはきっとサヤカよりも取るに足りない一人の小娘なのでしょうけども、でも救われたのならそれで十分。それを蹂躙する者は討って見せます……」

さやか「そうだね、タルト……ちょっとこっちの感覚に馴染み過ぎて忘れてたわ……あたしが円環の理だった事にね……」

タルト「サヤカ、悪魔と魔女に円環の理の神聖さを示してやりましょう。そして最悪の魔女を退け、神様を守るのです」

さやか「わかったよ。円環派の底力、見せてやろうじゃん」

まどか「私も出来る事があるかは分からないけどやるよ……ほむらちゃんと、その美国さんを止めなきゃいけないだろうから……」

タルト「神様!」

まどか「あとさ……その神様って止めてほしいな。まどかって呼んでほしい」

タルト「……わかりました、マドカ! 神の軍の力を見せてやりましょう!」

さやか「神の軍っつーても、なぎさ入れて4人しか居ないけどねぇ」

タルト「向こうも少人数、オルレアン解放の時に比べれば勝算はいくらでもあるわ」

さやか「……本当はあのバカ悪魔を止められなかった責任は一人で取るつもりだったんだけどね」

タルト「マドカが救ったのはあなた一人だけじゃないわ、サヤカ」

さやか「わかってる、円環の理をこの手に取り戻す! そのためにまどかは殺させない!」

今日はここまで。久々の更新でした。
タルトは分かりやすく円環派についてくれるだろうというのが分かるキャラなのがいいですよね。

>>ほむら「ともあれ、この物語はまどかの記憶を取り戻すとかそういうんじゃない。そもそも私はまどか一人に負担押し付けるのが反吐出るほど嫌だったのよ」

>>さやか「悪魔だな、あんた……」

円環側の方が悪っぽいっすww

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