芳佳「ラーメン?」 (175)

たったら

第501JFWロマーニャ基地某所

午前


美緒「――はっ!やぁ!!」ブンブン

美緒「ふぅ……」チャキ

美緒「……少し鈍ったか?これしきのことでこんなに汗をかくとは」ゴソゴソ

美緒「……」パカッ

美緒「ん………」ポリポリ

美緒「うむ!やはり扶桑の柴漬は美味いな」

美緒「…午後の模擬戦闘訓練の準備もあるが、もう少しやるか」チャキ

美緒「はぁ!せいっ!!――」

1時間後


美緒「いかん…………腹が減った…」グー

美緒「……まいったな。朝食はしっかり食べたはずなんだが」

美緒「…………」ゴソゴソ パカッ

美緒「ぁむ」ポリポリ

美緒「うむ!うまい!…が、これでは無理か」

美緒「仕方ない、そろそろ戻ろう」

食堂


エーリカ「――んぐ…もぐもぐ…」

エーリカ「んんっ……」ゴクゴク

エーリカ「っぷはぁ!ごっちそうさまぁ!」

美緒「――相変わらず遅いな、ハルトマン」

エーリカ「あ、少佐!少佐も朝ごはん?」

美緒「お前以外はとっくに済んでいる。私は少し小腹が減ったのでな、おにぎりでも作ろうかと…」

エーリカ「おにぎりってライスボール?でもご飯もう残って無いよ」

美緒「なに!?今朝はまだかなりあったはずだぞ?」ガパッ

エーリカ「私はしらないよ。…まぁ宮藤のご飯はおいしいから、皆いっぱい食べちゃったんじゃない?」

美緒「……馬鹿な。本当に全部なくなっている……」

エーリカ「だから言ったじゃーん」

美緒「せっかくこの柴漬を具に仕込もうと思ったのだが……」ゴソゴソ

エーリカ「わ!なにそれ!?」ガタッ

美緒「扶桑の柴漬だ。何度か食事にも出てたぞ?」パカッ

エーリカ「そーだっけ?あんまり覚えてないけど…コレおいしいのかな?」

美緒「絶品だぞ!ひとつ食べてみるか?」

エーリカ「どれどれ」ヒョイパク

エーリカ「……」ポリポリ

エーリカ「んー!結構おいしー!」

美緒「そうだろー?わっはっはっは!」

エーリカ「……なんだかまたご飯が食べたくなっちゃったなー」

美緒「お前は今食べたばかりだろ?……だが確かに、柴漬は米によく合うからな。つい白い飯が恋しくなる」

エーリカ「でももう無いんだよねー(私が食べちゃったんだけど)」

美緒「仕方ない、何か探すか」

エーリカ「少佐料理できるの?」

美緒「自慢じゃないがおにぎりが精一杯だ!それに食料庫は漁れんさ。…確か間食用の食料が纏めてあったと思ったが……?」カチャ

エーリカ「そっちには美味しいの無いよ?トゥルーデがこっちに隠してるもん!」ゴソゴソ カチャ

美緒「……バルクホルンも苦労しているようだな」

美緒「…しかし茶菓子ばかりだな?あまり今はこういう物を食べる気にはならんが」

エーリカ「えーそう?……じゃあ後はこれくらいだねー」

美緒「パンか……この際仕方ないか」

廊下


リーネ「今日は洗濯物が多くて大変だったね?」

芳佳「うん、終わったと思ったらもうお昼の準備だよ」

リーネ「お昼ご飯どうしよっか?」

芳佳「大丈夫!朝余分に炊いたお米がまだ沢山あるはずだから、具だけ作ればおにぎりにできるよ!」

リーネ「わぁ!さすが芳佳ちゃん!」

芳佳「そ、そんなことないって//」

芳佳「…さっきミーナ中佐に頼まれた伝言もあるし、早く用意しちゃおう!」

リーネ「でも芳佳ちゃん、先に坂本少佐を探しに行った方が……おにぎりの具だったら私だけでも大丈夫だよ?」

芳佳「そんなぁ!悪いよリーネちゃん!大丈夫、急ぎじゃないって言われたし……2人ですぐに終わらせよう!?」

リーネ「…うん!

芳佳「よぉーし!……あ、食堂に誰か居る。……あれは…坂本さんだ!」

美緒「……」パクパク

エーリカ「……」モグモグ

芳佳「坂本さぁーん!」テテ

美緒「むぐ?……ごく!…宮藤にリーネか」

エーリカ「みひゃふじ、ふぃにぇ、おふぁむょ~」モゴモゴ

芳佳「あ、ハルトマンさん!おはようございます!」

リーネ「お、おはようございます…」

美緒「ハルトマン。飲み込んでから喋ろ」

芳佳「…あれ?坂本さん食パンたべてるんですか?」

美緒「あぁ、少し腹が減ってしまってな。朝食の米が余っているかと思ったが……やむなくな」

芳佳「え?ご飯ならまだ有りますよ?」

美緒「なに!?しかし確認したが、釜は空だったぞ?」

芳佳「えぇぇ!?そ、そんなはずないですよぉ!」

美緒「確認してみろ」

リーネ「……芳佳ちゃん、本当にからっぽみたいだよ?」ガパッ

芳佳「うそー!?だって後片付けした時はあんなにいっぱい残ってたのに…!?」

リーネ「う、うん……私も信じられない」

美緒「私もそう記憶してたんだが事実空なのだから仕方ない。…これも案外悪くはないしな……はむ」パクパク

エーリカ「そうそう!ガリアントーストってそのまま食べても美味しいよね!」

リーネ「……ねぇ芳佳ちゃん?そういえばハルトマン中尉の朝ごはんも無くなってるよ?」

芳佳「あ!本当だ!?」

リーネ「…ハルトマン中尉の分の朝食、ちゃんと取っておいてたはずなのに」

芳佳「ハルトマンさん、すみません!あの…」

エーリカ「ん?朝食?美味しかったよ、ご馳走様~!」

宮藤「え?あれ?…でも今パンを……」

美緒「その取置き分ならさっきハルトマンが綺麗に平らげていたぞ?実に気持ちのいい食べっぷりだった」

芳佳「あ、そうなんですか。よかった~」

エーリカ「さっすが宮藤とリーネの料理は少し冷めても全然平気だね!ついついおかわりしすぎちゃったよ!」

リーネ「……あの~ハルトマン中尉、それってもしかして」

芳佳「リーネちゃん?」

エーリカ「うん!あそこに残ってたご飯も食べちゃったよ?」

芳佳「えぇぇぇ!!?」

美緒「なに!?お前の仕業だったのかハルトマン!?」

エーリカ「しわざって……朝食の残り食べただけじゃん」

リーネ「でもそんなことって……」

芳佳「普通むりですよ!?何人分も残ってたのに!」

美緒「さらに今こうして私とパンを食べている訳だが……」

エーリカ「だってぇー!何かお芋が入った甘辛い煮物がすっっごく美味しかったんだもん!ねぇ、またあれ作って!?」

芳佳「あ、はい!筑前煮は得意なのでまた今度やりますね?」

美緒「宮藤。まんまと流されているぞ?」

リーネ「お昼ご飯の用意どうしよう…芳佳ちゃん?」

芳佳「どうしよう…お米も研いでないから今からじゃ間に合わないかも」

美緒「なんだ?アレを使うつもりだったのか?」

宮藤「はい。今日は洗濯物や他の仕事も多かったので朝にお昼の分も一緒に炊いだつもりだったんですけど…」

美緒「しかしハルトマンを罪には問えんぞ?確かに予想外の食欲だがお前達がそのことの周知徹底を怠った故に起きたことだ。残っていれば私も食べていただろう」

芳佳リーネ「すみません…」

エーリカ「ごめん宮藤、リーネ。…私のせいで」

芳佳「いえ!!ハルトマンさんは悪くありません!私が皆に伝えてなかっただけです!!」

リーネ「わ、私も!!」

美緒「やれやれ……となると昼食は遅れる可能性があるな。…今のうちに食べておくのが吉か………あむ」パク

ミーナ「なんだか賑やかね…あら、美緒までいるわ」

芳佳「ミーナ中佐!」

ミーナ「宮藤さん、坂本少佐へ連絡は伝えてくれたかしら?」

芳佳「あっ!すみません、まだです!」

ミーナ「そう。緊急の内容じゃないから問題ないけど、そうじゃない時もあるから……気をつけてくださいね?」

芳佳「は、はい。すみません…」

リーネ「元気出して?芳佳ちゃん」

芳佳「うぅ…。今日は怒られてばっかり」

美緒「むぐ?」モグモグ

ミーナ「っ!!……はしたないわよ坂本少佐。ちゃんと飲み込んでから喋って」

美緒「…んぐっ!……別に喋ってはいない!『ん?』と思い振り返っただけだ!」

ミーナ「後輩の前で苦しい言い訳はしないで」

美緒「嘘ではないぞ!はっはっは!」

ミーナ「もう!……それで?随分と賑わってたみたいだけど、皆でパンをかじってどうしたのかしら?」

エーリカ「ミーナも食べる?ガリアントーストだよ?」

ミーナ「遠慮しておくわ。フラウの朝食をとっちゃうのも気が引けるし」

美緒「いや、ハルトマンのこれはもう夕食と言っていい」

芳佳「ぁはは……。」

ミーナ「どういうこと?」

リーネ「実は――」



ミーナ「――それは困ったわね」

芳佳「はい」

ミーナ「でもね宮藤さん?そういうときはリーネさんだけじゃなくて、他の人たちにも言っておかないとダメよ?」

芳佳「ごめんなさぃ…」

美緒「よせミーナ、それはもう私から言ってある」

リーネ「芳佳ちゃん……」

エーリカ「まだ時間あるし、いつも通り今から作れないの?材料はまだあるんでしょ?」

ミーナ「…フラウ?あなたが言える立場なのかしら?」

芳佳「おにぎりにしようと思ってたから他の献立にするとなると一から作らなきゃいけなくて……今からだとけっこう遅くなると思います」

エーリカ「そっかー。料理ってめんどくさいんだなぁー?」

ミーナ「…ハルトマン中尉ぃ?」グイ

リーネ「私も頑張るから!一緒にがんばろ!?芳佳ちゃん!?」

芳佳「リーネちゃん……うん!やろう!!」

美緒「しかし1時間以上も遅れるとなると午後の模擬訓練に支障が出るな」

ミーナ「そうねぇ。ルッキーニさんを筆頭に騒ぐ人も出るでしょうし…」グィィ

エーリカ「イタタっ!耳はやめてぇ~!」ジタジタ

美緒「何か手は無いものか……」

芳佳「な、なんとか間に合うように頑張りまーー」


モブ兵「――あのぉ中佐ー!もう運んでもよろしいでしょうかー?」

ミーナ「あらいけない!!そうだったわ!……ご、ごめんなさいもう大丈夫です。そのまま食料庫までよろしくお願いします」アセアセ

モブ兵「了解しましたー!!……失礼します!!!」

搬入モブ達「「失礼します!!!」」

ワッセ!ワッセ! ガタガタ

搬入モブ達「「失礼しました!!!」」


エーリカ「うわ!なんだこれ!?」

リーネ「ダンボールがたくさん…」

美緒「臨時の補給物資か?」

芳佳「……あ!確か夕方に扶桑から荷物が来るから坂本さんに搬入指示を手伝って欲しいってミーナ中佐が」

美緒「午後の荷物ということはこれではないな。…だが扶桑から今日搬入の物資など私は知らんぞ?」

ミーナ「正確には連合からの物資よ。そしてこれがそれなの。予定よりも早く到着したみたいで……」

美緒「なぜ言ってくれなかったんだ?」

ミーナ「さっき言おうとしたわよ!美緒がその…無防備にパンを頬張ってるから……つ、つい見入っちゃって」

美緒「部下の前で苦しい言い訳をするな。これが緊急の連絡だったらどうする?なぁ宮藤!?」バシッ

芳佳「あ、はい!!!………え?」

リーネ「よ、芳佳ちゃん!!」

エーリカ「宮藤も言うねぇ~」ニシシ

ミーナ「……そうね。ごめんなさい宮藤さん」

芳佳「い、いえ!!ミーナ中佐は何も悪くありませんよ!!?……さ、坂本さぁん!!」

美緒「わっはっはっは!……で、これは何なんだ?あの見栄っ張り共の荷物なら次の作戦用なのだろう?急ぎじゃないにしても重要ではないのか?」

ミーナ「いいえ。連合からといっても指令本部からではないわ。ネウロイと直接関係はありません」

リーネ「き…危険なものじゃないんですか?」

ミーナ「ええ」

美緒「補給か?」

ミーナ「半分当たりね」

美緒「どういうことだ?」

エーリカ「そんなの開ければわかるじゃん!」ビリビリー

芳佳「ハルトマンさん!?」

ミーナ「エーリカやめなさい」

エーリカ「おっかし~おっかし~♪」パカー

美緒「全員ふせろぉ!!!」

リーネ「きゃぁぁぁ!!」ダキッ

芳佳「だ、大丈夫だよリーネちゃん!?危険なものじゃないってミーナ中佐が言ってたでしょ!?」パフパフ



エーリカ「…………なんだこれ?」

美緒「……なんだ、爆弾ではないのか?」

ミーナ「誰がそんなこと言ったのよ…もぅ」

リーネ「芳佳ちゃん……っ!」フルフル

芳佳「り、リーネちゃん!もう大丈夫だよ!」ムニュムニュ

美緒「で?中身はなんだ?」

エーリカ「……チキンラーメンって書いてあるね」ガサ

美緒「なに?ラーメンだと!?」

ミーナ「知ってるの美緒?」

美緒「ああ、扶桑屋台などでの名物料理だ。知らなかったのかミーナ?」

ミーナ「えぇ…即席で調理できる軍用食の試作品がくるって話だったけど、具体的な料理名は知らなくて」

芳佳「らぁめん……?」

リーネ「芳佳ちゃん、知ってる?」

芳佳「ううん、知らないや」

美緒「なんだ?まさか宮藤はラーメンを食べたことがないのか!?」

芳佳「はい。初めて聞きました!

美緒「そんなはずは…お前の実家の辺りにもぁ………なるほど!そういえばこの名は少数呼びなんだったな」フフ

芳佳「な、なんですか!?」

美緒「はっはっは!!…宮藤。ラーメンというのは支那そばだ」

芳佳「えぇ!?そうなんですか!?」

エーリカ「シナソバ?」

ミーナ「ソバって確か扶桑の麺料理だったかしら…?」

美緒「そうだ。だが支那そばは普通の蕎麦とはまた違ったものだ」

ミーナ「そうなの?」

芳佳ちゃん「はい。普通はスープにカツオとか味醂を使うんですけど、支那そばはお醤油の他に鳥の出汁を使っているらしいです」

美緒「なかなか詳しいな宮藤?ちなみに麺に蕎麦は一切使っていないぞ!」

エーリカ「それってソバなの…?」

美緒「まぁ支那そばという名の別の麺料理だな。名前の由来は諸説あるが、『枝分かれしたあれぞ』……つまり蕎麦から派生した蕎麦という意味から支那そばと呼ばれたそうだ」

芳佳「へぇ~!そうだったんですかぁ!……でもラーメンなんて呼び方私初めて聞きました」

美緒「これも諸説あるが……ある港屋台の店主が、当時駐屯していた外国軍人達が元々の蕎麦と混同して困っていたのを見てラーメンと名付けたのが始まりだという話がある。」

芳佳「へぇー!」

美緒「外国…特にリベリオンではラーメンの名で有名だ。扶桑でも一部のマニア達にそう呼ぶ物が多いらしいが」

エーリカ「ふーん、欧州じゃあまり聞かないよね?…というか全然」

リーネ「はい…」

ミーナ「…それにしても随分と詳しいのね?」

美緒「扶桑海軍の兵士に無類のラーメン好きがいてな?我々はむしろラーメンの方が通じるほどだ。確か名前は何ていったか………こ、小峰?」



※ラーメンうんちく的なものは全て適当な妄想です。

芳佳「でも支那そばなんて作ると大変そうですけど……これってすぐ作れちゃうんですか!?」ガサ

ミーナ「ええ、そのはずよ…。ネウロイとの争いも押しては戻されの均衡が続いてるから、消耗戦に備えてより利便性の高い装備と兵糧の開発を連合が組織して進めているみたいなの」

エーリカ「何だか後ろ向きな考えだなぁー」

ミーナ「それでもネウロイの自作研究なんかよりずっと建設的だわ。…兵糧の開発プロジェクトは世界でも食文化の評価が高い扶桑皇国軍を中心に進めているそうよ」

リーネ「なんだかすごいね、芳佳ちゃん?」

芳佳「うん…扶桑料理ってそんなに人気だったんだ!」

美緒「…なるほど、それで扶桑からラーメンという訳か。しかし何故その試作品がここに?」

エーリカ「そりゃー食べるためでしょ?」

ミーナ「ええ、そうよ。開発部で完成した試作品の実証データを取らせて欲しいと連合軍各隊への通達があったの」

エーリカ「もしかして私ら実験台!?」

芳佳「えぇぇ!!?」

リーネ「そ、そんな…」

ミーナ「大丈夫よ!ちゃんと実食テストを重ねて完成した物だから害はありません」

芳佳「そうなんですか?よかったぁ~」ッホ

エーリカ「なーんだ、つまんないの」

リーネ「ハルトマン中尉……」

美緒「…つまり、味や現場での実際の利便性などをテストしようと言うのだな?」

ミーナ「その通りよ。期限内に規定量を使用してから報告書を提出するように……らしいわ」

美緒「また書類仕事が増えるな?よく引き受けたものだ」

ミーナ「二択だったのよ……。前みたいに不安定な試作機や装備が来ても困るからこっちにしたの…」

エーリカ「またトゥルーデが落っこちたら大変だもんね?」ニシシ

芳佳「は、ハルトマンさん!?」

ミーナ「あらあら。今のバルクホルン大尉にそんな心配ないけど……そうねぇ…試作運用のトラブルは自身の注意だけで防げないから、私達も落っこちちゃうかもしれないわね?」ウフフ

芳佳「えぇー!?」

美緒「実際この間のアレはバルクホルンの無茶もあるが、ジェットストライカーの不備が原因だったからな」

リーネ「……も、もしネウロイの前で壊れちゃったら…」

ミーナ「そう。私達はここ欧州奪還の最前線で人類の存亡をかけて戦っている……命を預けるユニットや武器に正直実験機は使いたくないわ」

美緒「そうだな。兵糧も士気に大きく関わる生命線ではあるが、直接の被害は精々食中りだからな」

ミーナ「そういうことよ。…まぁ私達は作戦行動中の食事は滅多にないから、こんなにあっても使い所に困るけど…」ハァ

エーリカ「ゲリラ戦も長期行軍もないしね~…あむ」パク

芳佳「え?普通に食べたらダメなんですか?」

ミーナ「ダメってことはないわ。ただ報告書もあるから…」

美緒「それは大丈夫だろうミーナ。消耗戦下の活躍を目的とするなら、こういった拠点での備蓄と使用も充分想定するべきだ。普通に食べた方がむしろいいと思うぞ?」

ミーナ「……それもそうかしらね」

エーリカ「でもこれ美味しいのかな?」

美緒「どうだかな?本当にラーメンができるのなら美味いだろうが……まぁ食べてみればわかることだ。」

エーリカ「よしきたー」

ミーナ「あなたはもうダメよフラウ」グイ

リーネ「…そうだ!」

芳佳「どうしたのリーネちゃん?」

リーネ「ねぇ芳佳ちゃん!?これ今日のお昼に出来ないかな?」

芳佳「あ!そっか、これならご飯に間に合うね!?」

美緒「なるほど…妙案だなリーネ」

ミーナ「確かに試食にもなるし……現状を解決することも出来るわね」

エーリカ「でも不味かったらどうする?午後の訓練悲惨だよ~?」

美緒「仕方ないさ。ネウロイも今日は現れないはずだ、最悪問題はないだろう。…それに」

ミーナ「それに?」

美緒「ラーメンなら間違いなく美味い!!わっはっはっは!なぁ宮藤ぃ!?」

芳佳「はい!支那そばはとっても美味しいですよ!?」

リーネ「……ミーナ中佐よろしいでしょうか…?」

ミーナ「そうねぇ、そこまで言うのなら正直気になるし……わかりました!では本日の昼食は即席ラーメンの試食を行います!」

芳佳リーネ「「了解!」」

ミーナ「――というわけで本日の昼食は試食も兼ねて、皆さんで即席ラーメンを食べます」

サーニャ「……ねむい」

シャーリー「へぇーラーメンかぁ!名前は聞いたことあったけど食べるのは初めてだなぁ」

ルッキーニ「えー!?よしかのごはんじゃないの!!?」ガーン

芳佳「ごめんね…ルッキーニちゃん」

バルクホルン「…すまなかったな宮藤。ハルトマンは私が後できっちり躾けておこう」

エーリカ「げ!?」

エイラ「まったく宮藤もそういう事は先に言っとけよなー?サーニャの昼飯が無くなったらどうすんだ」

ミーナ「やめなさいエイラさん。その話はもう済んでます」

エイラ「え?そうなのか?」

芳佳「………すみません、…私が…勝手に…大丈夫ってぉ…思い込ん…っ……でて…」ウルッ

リーネ「よ、芳佳ちゃん!!?………大丈夫だよ…」サスリ

ルッキーニ「あーエイラがよしか泣かしたー!」

サーニャ「エイラ……」

エイラ「えぇ!!?な、なんでだよ!?私はただーー」

バルクホルン「エイラきさまぁ!!!!」バン

ミーナ「バルクホルン大尉も落ち着きなさい!」

シャーリー「…そう気にすんなよ、宮藤?」ポンポン

芳佳「…っ……」グシグシ

シャーリー「みんな宮藤の作る飯が大好きなんだよ、うれしい悲鳴さ!あたしなんて大したもの作れないから宮藤には本当に感謝してるぞ?」ナデナデ

芳佳「……シャーリー…さん」

シャーリー「よしよし……銃持ってるわけじゃないんだし、偶に失敗するくらいのが可愛くってあたしは好きだぞ?ルッキーニを見てみろって」ギュ

ルッキーニ「えぇー!!シャーリーそれどーいう意味ー!?」

シャーリー「あっはは!ルッキーニも大好きって事さ!」マトメテ ギュ

ルッキーニ「…うじゅ~」スリスリ

芳佳「ルッキーニちゃん…」フニフニ

ルッキーニ「にひひぃ…よしか!元気だせ!あたしもよしかのこと大好きだよ!!」

芳佳「……うん!ありがとう!私もシャーリーさんとルッキーニちゃんの事大好きだよっ!」

リーネ「芳佳ちゃん、私もだよっ!」ダキ


バルクホルン「……おい、なんだこれは……ぉおのれリベリアン~~!!」

エイラ「どうしてこうなった」

サーニャ「エイラ……ちゃんと謝って」

ペリーヌ「……あのぉ少佐?その…ら、ラーメン?…というものはそんなに簡単に出来てしまうものなのですか?」

美緒「うむ、それを今から説明する。……お前達いつまで騒いでいるかっ!!各自、速やかに席に付け!!」

――――

――

ミーナ「――では今から調理方法を説明します。みんな、目の前に置かれた丼の蓋を開けて頂戴」

エイラ「トゥルーデ!早く開けてみなよ!」

バルクホルン「?」パカ

ルッキーニ「ごっはんー♪」パカ

シャーリー「おいルッキーニ、食うのはまだだぞ?」パカ

エイラ「ホントに大丈夫なのかこれぇ?」パカ

サーニャ「……」パカ

ペリーヌ「もぅ、みなさん!だまってお聞きなさいな!………あら?」パカ

バルクホルン「こ…これは……?」

ルッキーニ「…なにこれぇ~??」

サーニャ(……いい匂い)クンクン

シャーリー「これがラーメンか~!思ってたのと結構違うなぁ」

ミーナ「いいえ、それはまだ調理前の状態です。これからラーメンにします」

バルクホルン「……ミーナはなにを言っている??なぜ調理前の材料が食器に盛り付けてあるのだ?」

エーリカ「ね?言った通りの反応でしょミーナ?」ニシシ

美緒「まぁ聞けバルクホルン。調理はこの丼の中でする」

バルクホルン「なんだと?」

ミーナ「正直…料理するとは言い難いですが、それだけ誰でも簡単に作れるということです。おそらくハルトマン中尉でも作れるでしょう」

エーリカ「ミーナそれ酷くない?」

バルクホルン「馬鹿な!?そんな奇跡があるものか!!」

美緒「事実だバルクホルン。まだ実際にやったわけではないがおそらく私でも作れる」

エイラ「ほぇー、すげぇなー」

ペリーヌ「しょ…少佐の手料理……!」ハァハァ

ルッキーニ「ねーねー!はやくたべようよー!?」

ミーナ「そうね。……では宮藤さん!リーネさん!」

リーネ「はい!…皆さん、お湯を注いで行くのでそのままでいてください」

芳佳「熱いので気をつけてくださいね」ヨイショ

シャーリー「なんだなんだ?」

バルクホルン「…湯通しで食べるのか?きわどいどころか全く調理とは呼べないぞ!?」

エーリカ「まぁまぁ、取り敢えず見てみようよトゥルーデ?」

ミーナ「お湯をかけてもらった人は蓋をして下さい。途中で開けたりしないように」

宮藤「熱いから手出さないでね?ルッキーニちゃん」ジョー

ルッキーニ「うじゅー!たのしみぃー!」ジー

シャーリー「ルッキーニ、蓋をしろって」カチャ

ルッキーニ「あーん!どうなるか見たかったのにぃー!」

宮藤「シャーリーさんもどうぞ!…熱いので気をつけて下さい」ジョー

シャーリー「ん、ありがとな宮藤」カチャ

宮藤「えへへ…」ニコニコ

バルクホルン「………」

リーネ「あ、あのーバルクホルン大尉…?」

エーリカ「ほらトゥルーデ!手退けないと火傷しちゃうよ!?」

バルクホルン「……ん?あぁ、すまんなリーネ。やってくれ」

リーネ「はい」ジョー

美緒「しかしああは言ったが私らとてこれが初体験だ。少々心配ではあるな…」

ミーナ「そうね。マニュアルは読んだけど……本当にこれでお料理が出来上がるのかしら?」

エイラ「なんだよー!出来てくれなきゃ飯抜きなんだぞー?サーニャが倒れたらどうすんだ!?」

サーニャ「エイラ……私そんなに食いしん坊じゃないわ」

芳佳「ミーナ中佐、お湯かけ終りました!」

ミーナ「ご苦労様。あなた達も自分の分を用意したら席について」

リーネ「はい!」

バルクホルン「で?この後はどうするんだ?」

美緒「どうもせん。それで終わりだ」

バルクホルン「…は?」

ミーナ「後はこのまま3分待てば食べられます」

エイラ「おいおい…これで終わりなのか?ただお湯かけただけだぞ?」

ペリーヌ「あ、あの…少佐のお言葉を信じられないと言うわけでは決してないのですが……そのぉ…わ、わたくしも少し不安でして…その」

美緒「なに心配するな、湯を注いだだけだ!最悪食えないものにはならんさ、はっはっは!」

シャーリー「……マジ?」

ミーナ「取り敢えず信じて待つしかないわね。私もこの目で見るまでは正直不安だけど」

ルッキーニ「んにゃぁ……まだダメなの~?」

シャーリー「我慢だルッキーニ!あと2分待つんだ」

ルッキーニ「うじゅーおなかすいたー……」パタパタ

エーリカ「これまた予想通りの反応」

バルクホルン「まったく!この程度の時間くらいじっとしてられないのか」

シャーリー「ルッキーニは育ち盛りなんだ仕方ないだろ?」

バルクホルン「軍人としての振る舞いに年齢は関係ない」

シャーリー「……宮藤と戯れただけで嫉妬すんなよなー?」ボソ

芳佳「…え?」

バルクホルン「おい!リベリアン!!」

シャーリー「図星か?」

エイラ「おいコラ!食事中だぞ?」

サーニャ「…エイラ、まだ食事前よ?」

ミーナ「その通りよ2人とも、やめなさい」

ペリーヌ「まったく…あのお二方はこんな時まで」

美緒「む?そろそろ3分になるか?」

リーネ「楽しみだね、芳佳ちゃん?」

芳佳「う、うん……支那そばかぁ久しぶりだなぁー!」ワクワク

ミーナ「……」チラ

ミーナ「はい、3分経ちました。みんな蓋を開けてみましょう?」パカ

美緒「よし」パカ

ルッキーニ「やったー!」パカ

シャーリー「どれどれ~?」パカ

エーリカ「そーれ!」パカ

バルクホルン「……ふん」パカ

エイラ「た、たのむぞ~っ!?」パカ

サーニャ「……」パカ

ペリーヌ「しょ……少佐の手料理のためっ!!」パカ

リーネ「せーのっ」

芳佳「えいっ!」パカ パカ

ルッキーニ「おぉぉー!!」

バルクホルン「これは……!!」

美緒「…!………間違いないな」

芳佳「し、支那そばだ…!」

リーネ「これが……」

エイラ「ほ、ホントに出来ちまったぞ?どうなってんだ…??」

サーニャ「……お湯をかけただけなのに…」

シャーリー「こいつがラーメンかぁ!なかなか美味そうじゃないか」

美緒「正確には ir-02c 通称チキンラーメンと言うらしい」

エイラ「なんだよそれ?なんで機体番号みたいになってんだよ…?」

エーリカ「名前なんてどうでもいいよぅ!はやくたべよう!?」

ルッキーニ「うじゅぅー!!」

ミーナ「はいはい。味の感想もよろしく頼むわね?では、いただきます」

「「「いただきます!」」」

美緒「む!」

ミーナ「あら!」

バルクホルン「ほぅ…!」

サーニャ「……お」

ルッキーニ「おいしー!!シャーリー!これすっごく美味しいね!?」

シャーリー「おう!さすが扶桑の料理だな、こんな美味いならリベリオンに居るときに食べておけば良かったなぁ」

ペリーヌ「確かに悪くない味付けですけど…わたくしには少しばかり辛過ぎますわ。それになんと言いますか、その……食べにくくて」

芳佳「ペリーヌさん、お蕎麦は麺を咥えたらおもいっきり啜るんだよ!こうやって……」ズズズー

ペリーヌ「んなっ!?なんてはしたない!そんな下品な真似はお断りですわ!!」

※訂正

ズルズル……ズズッ…


美緒「む!」

ミーナ「あら!」

バルクホルン「ほぅ…!」

サーニャ「……お」

ルッキーニ「おいしー!!シャーリー!これすっごく美味しいね!?」

シャーリー「おう!さすが扶桑の料理だな、こんな美味いならリベリオンに居るときに食べておけば良かったなぁ」

ペリーヌ「確かに悪くない味付けですけど…わたくしには少しばかり辛過ぎますわ。それになんと言いますか、その……食べにくくて」

芳佳「ペリーヌさん、お蕎麦は麺を咥えたらおもいっきり啜るんだよ!こうやって……」ズズズー

ペリーヌ「んなっ!?なんてはしたない!そんな下品な真似はお断りですわ!!」

芳佳「もぐもぐ…んぐっ!…でもみんなこうやって食べてるし、なんて言うかすっごく気持ちいいよ?」

美緒「うむ!この食べ方こそラーメンの醍醐味であり最も美味い食べ方だ!恥ずかしがることはないぞペリーヌ?」

ペリーヌ「しょ、少佐がそうお……仰るのでしたら…(ぐ…しかしガリア貴族の淑女としてこれは……)」ワナワナ

リーネ「ぺ…ペリーヌさん……眼鏡は外した方が」

ペリーヌ「~~っ!!…ペリーヌ・クロステルマン、いきますわ!!……ズビビビィーーー!!!」

シャーリー「おぉー!すげぇ!」

ルッキーニ「ペリーヌかっちょいー!」

美緒「はっはっはっ!いいぞペリーヌ!合格だ!」

ペリーヌ「あ…ありひゃほうごじゃいまふ、しょうひゃ~」モグモグ

ミーナ「ペリーヌさん、呑み込んでから喋って頂戴ね」

エイラ「……ツンツン眼鏡のやつ、完全に吹っ切れてるな」

バルクホルン「まったく何をやっているのだ…。しかし、ついガッついてしまう程妙に癖になる味わいは確かにあるな」

エーリカ「はふっはふっ…」ズルズル

エイラ「ん~私はちょっと飽きるかなぁーコレ」

サーニャ「エイラ、残したら勿体無いわ」

ミーナ「…確かに麺とスープだけだと少し物足りなくなってくるわね」

ルッキーニ「えぇー?全然おいしいよー?」

シャーリー「あたしが聞いた話では肉とか野菜なんかがトッピングされてるらしいんだけど……扶桑のラーメンは違うんですか?」

美緒「いや、屋台などで一般的に見られるラーメンにはちゃんと具が乗っている」

芳佳「そうですよね?チャーシュー、メンマに海苔と…なるとも!」

リーネ「なると?」

芳佳「うん!魚肉の練り物を薄切りにしたおかずだよ」

リーネ「へぇー!」

ミーナ「つまり本来のラーメンの仕様からは劣っていると言う事なのかしら?」

美緒「確かに具は無いが、味の趣向も少し変わっていて……劣化と言うよりこれはまた別の料理と言えなくもない」

バルクホルン「なるほど。どんな魔法を使ったのか湯をスープと麺に変える事は出来たが、それ以上は無理だったのだろう。その味気なさを払拭するための、この癖のある風味と塩辛さと言う訳か」ズズ

エイラ「最初はうまいんだけどなー。ずっと辛いまんまだとなー」

サーニャ「エイラ、お水呑む?」

芳佳「……でも形は支那そばだから、きっともっと美味しく食べられる方法があると思う!」

ルッキーニ「…ごきゅごきゅ…っぷはぁ!さっすがよしかぁー!!」

シャーリー「お?ルッキーニ、腹一杯になったか?足りなきゃあたしの少しやるぞ?」

ルッキーニ「うじゅ!いいの!?」

エイラ「シャーリー無理すんな。…ルッキーニ、私はちょっと苦手だからこっちの食え」

ルッキーニ「うじゅー!ありがとエイラー!」ズズー

シャーリー「……いいのか?エイラ」

サーニャ「後でお腹すいちゃうわ」

エイラ「心配ないさ。確かガリアントーストが間食用にあったはずだから私はそっちを食べるよ」

エーリカ「あ、それ私と少佐がさっき食べちゃったよ?」

エイラ「え゛!?」

ルッキーニ「おいしー!」ズルズル

エイラ「……」

シャーリー「…すまん、エイラ」

リーネ「…ら、ラーメンならまだたくさん有りますよエイラさん!?」アセアセ

エーリカ「じゃあ私おっかわりぃー!」

バルクホルン「お前はいい加減にしろエーリカ」

エイラ「どうしてこうなった」


美緒「……みなの様子を見るに、量的にも盛り付けを足す余地は充分にありそうだな」

ミーナ「ハルトマン中尉は例外ね」

美緒「ん~……お!そうだ!こいつを入れてみよう」ゴソゴソパカ

ペリーヌ「少佐?いったいそれは…?」メガネフキフキ

芳佳「わぁー柴漬けだぁ!美味しそう!」

美緒「訓練で汗をかくからな。塩分補給のため懐に忍ばせていたんだ。あまり残ってないがお前たちもどうだ?」

ミーナ「もらっちゃっていいの?」

芳佳「わぁー!いただきます!」チョイ

ペリーヌ「……ここまで来たら最期までお供いたしますわっ!!」チョイ

リーネ「わ、私はもう食べ終わるので遠慮しておきます……」

美緒「ではこれを乗せてと……よし!どれ…」ズズ

芳佳「あ、おいしい!」

ペリーヌ「あら…意外とアクセントがついて…」

ミーナ「食感も新鮮でなかなか良いわね」ポリ

美緒「はっはっはっ!流石扶桑の柴漬けだ!!ラーメンにまで合ってしまうとは!」

エイラ「…なんか余計塩辛そうに見えるぞ?」

バルクホルン「――こう言っては何だが、やはり好みの問題になってきてるな」カチャカチャ

エーリカ「トゥルーデ~丼片付けないでよぉ!おかわり作るんだから~」

バルクホルン「いつまで食べる気だ!?それにお前に湯など沸かせたら消化班に迷惑だろ」

エーリカ「ひっどーい!お湯ぐらい沸かせるよぉーだっ!!」

ミーナ「…フラウがお湯を沸かせるかはともかく、トッピングのバリエーションは幾つか考えられそうね。好みに合わせた対応ができるのもかえって好都合と言えるのかしら?」

美緒「そうだな。基本的に必要大に切った食材を載せるだけだから私や……お湯さえ沸かせればハルトマンにもできるか」

エーリカ「できるってばー!!」

芳佳「でも包丁だって危ないですよ……?ハルトマンさんに何かあったら私嫌です!」

リーネ「芳佳ちゃん…そういう問題じゃないような…」

バルクホルン「とにかく!ハルトマンは独断単身での即席ラーメン作り厳禁だ!食べたければ私が付き添う」

エーリカ「えー!?横暴だぁー!」

エイラ「ほっといたら食い尽くしそうだしな」

サーニャ(…みんな食べるの速い)モグモク

シャーリー「どうだルッキーニ?満足したか?」

ルッキーニ「うん!お腹いっぱーい、ごちそうさまー!」

ミーナ「みんなありがとう。貴重な意見が集まったわね」

美緒「まってくれミーナ!報告期限まで時間はある。ここは私と宮藤で改良を試みよう……手伝ってくれるか宮藤?」

芳佳「はい!」

美緒「よぉーし!扶桑軍人として最高のラーメンに仕上げるぞ!はっはっは!!」

ペリーヌ「きぃ~~またあの豆狸はぁ~っ!!」ギリギリ

リーネ「あの、ペリーヌさん……スープ飲まないなら片付けちゃいますね…?」

エイラ「サーニャ、私の事は気にしないでゆっくり食べてていいからな?」

サーニャ「……うん」ズルズル


※ss内のちょい足しレシピはググったり妄想だったりなので、実際の味は不明です。

数日後 昼


芳佳「みなさぁーん!お昼の用意が出来ましたよー!」

美緒「全員速やかに食堂へ集合ーーっ!!」


食堂

ゾロゾロゾロ

シャーリー「そういや今日は宮藤と少佐が例の改良型ラーメンを披露するんだよな?」

ルッキーニ「うじゅぁー!ラーメン大好きー!」

バルクホルン「いくら自炊とはいえ、佐官自ら炊事当番をする日が来ようとは…」

ミーナ「美緒が料理なんて…大丈夫かしら?」

エーリカ「大丈夫だよ!お湯かけるだけだもん。かんたーん!」

バルクホルン「普通ならな」

リーネ「えっと…芳佳ちゃんもついてますし…」

ペリーヌ「坂本少佐の手料理……ぁあ こんな贅沢、バチが当たらないでしょうか…ぁあぁ 」

エイラ「少佐、食材を斬るのは上手そうだよな」

サーニャ「ねむい…」


美緒「――よし!みんな集まったな?」

ミーナ「坂本少佐、チキンラーメンの改良はうまく行ったの?」

美緒「ふっ…問題ない。宮藤の協力もあって無事完成した!チキンラーメンを超えるチキンラーメン……真チキンラーメンが!!」キリッ

芳佳「はいっ!」キリリッ

エイラ(……この場合、どういう反応が正解なんだ?)

ミーナ「…危険なことはしないで頂戴ね?」

美緒「大丈夫だ。魔力は減らない」

ミーナ「……わかりました。では改めて本日の昼食は新チキンラーメンの試食を決行します!」

美緒「了解した」


エイラ( なんだこの空気は?)

芳佳「――みなさん、メニューの中から好きなものを選んでください」ガラガラ

バルクホルン「ほぉ、複種類あるのか」

シャーリー「へぇ !なかなか面白そうじゃん!……あたしはこの激辛チキンってのがいいかな。ルッキーニはどうする?」

ルッキーニ「うーんとねぇ ………にゃっ!?これ!あたしこれにしゅる!」

シャーリー「…ハチミツラーメン?……大丈夫なのかこれ?お前ホントにこれでいいのか…?」

ルッキーニ「うん!ハチミツもラーメンも大好きだもん!」

シャーリー「………なぁ宮藤?」

芳佳「大丈夫ですよシャーリーさん!ちゃんと実食もしてますから!ハチミツは鶏の照りを出すのに使ったりもしますし美味しいはずです!!」

シャーリー「そ、そうか…

シャーリーは女神
多分規制って猿さんだろ?
連続で投稿してたら荒らし防止のために出る
一時間ごとくらいにリセットされるぞ

エイラ「宮藤、何かお勧めとかあるのか?サーニャには1番うまいのを頼むぞ!」

芳佳「そうですねぇー。エイラさんは途中で飽きちゃうって言ってたから……月見とかどうですか?」

エイラ「ツキミ?なんだそれ?」

芳佳「元々お蕎麦の定番なんですけど、生卵を落としてからお湯を注いで白身を固めるんです!卵がちょうど満月みたいに見えるので月見なんですよ?」

エイラ「へぇー洒落てるな。うまいのか?」

芳佳「とっても美味しいですよ!?途中から黄身を崩して一緒に食べれば飽きないと思います!」

エイラ「そっか!じゃあ私はそれにしよう。サーニャもツキミにしないか?」

サーニャ「ごめんねエイラ。私はこのトマトラーメンが気になるから…」

エイラ「そ…そーか…」

芳佳「あ!それも自信作なの!さっぱりしてて食べやすいよ」

>>83
ありがとう



サーニャ「じゃあこれをひとつ」

エイラ「うぅ…さ~にゃ …」

サーニャ「……私、エイラの月見も気になるから二人で分け合いっこしましょ?」

エイラ「っ!?…お、おぅん!!ソウダナ!」コクコク

芳佳「えーっと月見にトマト…っと。リーネちゃんはどうする?」

リーネ「私も…芳佳ちゃんのお勧めがいいかな?……芳佳ちゃんは何にするの?」

芳佳「えーっと、私は溶き卵と葱をたくさん入れたネギ玉にしよっかなーって…」

リーネ「じゃあ私もそれでお願い?」

芳佳「わかった!すぐ作るから待っててね!?」

美緒「……さて!お前達はどうする?材料は揃っているから全て3分で出来るぞ!?」

エーリカ「こっちは少佐が考えたの?」

美緒「まぁ宮藤監修の元ではあるが、発案は私だな」

エーリカ「なら安心!」

バルクホルン「お前が言えたことかハルトマン」

ペリーヌ(あぁ 少佐のお考えになったてててて手料理が ぁ !!)クネクネ

ミーナ「…この真白銀(しろがね)ラーメンっていうのは何が入ってるのかしら?」

美緒「それは牛乳だ!」

ミーナ「えっ!?」

エーリカ「うわぁー…」

美緒「牛乳は栄養満点だからな!ウィッチとしてバランスの良い食事も摂るために考えたぞ!」

ミーナ「それってバランス取れてるのかしら…?」

バルクホルン「味は見たのか少佐?」

美緒「勿論だ、宮藤の指導で生クリームも少々加えることになった。濃厚で美味いぞ!?」

ミーナ「えぇ……」チラッ

エーリカ「……トゥルーデ?」ツンツン

バルクホルン「私はまだ死ねん」

美緒「ん?どうしたお前達?苦難の末の力作だぞ!遠慮することはない」

ミーナ「え、えぇ っとぉ……」

ペリーヌ「――しょしょしょしょうさっ!!!」ズズイッ

美緒「むお!?どうしたペリーヌ!?」

ペリーヌ「そそそそれはっ……しょ少佐のお、お手製のらららラーメンっ…なのっなのですね!??」ハァハァ

美緒「あぁ…そうだが、とりあえず落ち着け」

ペリーヌ「はぁ……ふぅ…はっ………ひぃ…。………わ、わたくしペリーヌ・クロステルマンがっ!少佐の愛溢れるそのラーメンを是が非でもいただきますわ!!」

美緒「おお!そうかペリーヌ!ではお前の真白銀ラーメンは私が腕によりをかけて作ってやろう!はっはっは!」

ペリーヌ「あぁ~しょうしゃぁ ☆」フワフワ

ミーナ「…ペリーヌさん、大丈夫かしら?……いろいろと」

エーリカ「絶対話聞いてなかったよね?」

バルクホルン「まぁ宮藤の太鼓判も貰っているようだし、被害は小さいだろう」

美緒「どうした?ミーナ達もそろそろ決めてくれなきゃ作れないぞ?」

ミーナ「そ、そうねぇ……じゃあ私は真ミソラーメンにしようかしら?(念の為調べておいてよかったわ…実際に味噌を使ったラーメンはあるみたいだし)」

バルクホルン「…では私は真バターチキンにしよう(この状況でミーナの感覚に頼るのは危険だ)」

エーリカ「じゃ私は真ワカメラーメン!(右に同じ )」

美緒「よし、決まったな!…私は新柚子胡椒ラーメンにしよう。勿論柴漬けも乗せてな、わっはっはっは!」

芳佳「それじゃあ準備して持って行くのでみなさん席で待っていてください」

数分後


芳佳「お待たせしましたぁー!」

美緒「……湯を注いでから2分30秒経っている。宮藤!迅速に配膳だ!慎重に急げ!!」

芳佳「はいっ!」パタパタ

エイラ「…宮藤も大変だな」

サーニャ「でも芳佳ちゃん…なんだか楽しそう」

芳佳「はい、エイラさん。サーニャちゃん」コト

サーニャ「ありがとう」

エイラ「お、サンキュー」

芳佳「あのぉーエイラさん、ごめんなさい。卵がどうしても真ん中に乗らなくて端に寄ってるかもしれません…」

エイラ「あぁいいよ。平気だから気にすんな」

美緒「宮藤?そっちの配膳が済んだら自分の分を持って席につけ。まもなく3分だ!」

芳佳「あ、はい!」ステテ

芳佳「よいしょっと!」ガタ

リーネ「お疲れさま芳佳ちゃん」

芳佳「えへへ、ほとんどお湯かけただけなんだけどね」

美緒「――よし3分だ。では食べよう!新チキンラーメンを味わってくれ……いただきます!」

「「「いただきます」」」パカー


ズルズル ズズー

シャーリー「んー!こりゃうまいなぁ!!さっすが宮藤!」

芳佳「ありがとうございます!でも具材足しただけですよ?」

>>98
×新チキン → 〇真チキン



ルッキーニ「んにゃー!この前のも良かったけどこっちもおいしー!」

シャーリー「………なぁルッキーニ?それちょっと味見させてくれよ?」

ルッキーニ「んにゃ?んー…いいよっ!そのかしシャーリーのも一口ちょーだい?」

シャーリー「いいけどお前辛いの大丈夫だよな?……ほれ、あーん」

ルッキーニ「あ~んっ!ちゅるちゅる…むぐむぐ……んじゅー!からーい!!」

シャーリー「だから言ったろ?…んじゃあたしもちょっとだけ貰うぞ」スッ

ルッキーニ「あ!まってシャーリー!あたしもあーんってする !」

シャーリー「なんだルッキーニ?あーんしてくれるのか?おませさんだなぁ」

ルッキーニ「いいからいいからー!はいっ、あ~んん!」

シャーリー「んあーーん!…ズル…もぐもぐ……んん!?意外とアリだぞ…!?」

ルッキーニ「にひひぃ!あたしがあーんしたからだよぉ?」

シャーリー「…お前はそういうのどこで覚えてくるんだ?」

キャッキャッ――

エイラ「――さ、ささサーニャ!?わ私たちも…その、ぁ……あーんを」ゴニョゴニョ

サーニャ「芳佳ちゃんこれ…ボルシチみたいですごく美味しいわ」

芳佳「ありがとーサーニャちゃん!ボルシチってこの前教えてくれたオラーシャ料理だよね?…でもそれテーブルビートは入れてないんだよ?」

リーネ「トマトの酸味が似てるのかも…?」

芳佳「なるほど!」


バルクホルン「…宮藤のラーメンは概ね好評のようだな。明日は私も食べよう」

エーリカ「もぐもぐ….んぐっ!…ところでトゥルーデのはどうだったの?私のはちゃんと美味しいけど」

バルクホルン「こちらも無事だ。バターのコクと風味が味に深みをつけていてなかなか美味い」

ミーナ「もぅ…あなた達もうちょっと言い方があるでしょ?」

美緒「いいんだミーナ。普段料理などしない私だ、心配になる気持ちもわかる。それに美味いのだから問題ない!」

エーリカ「そーだそーだ!」

バルクホルン「調子に乗るなフラウ」

美緒「それよりミーナの感想もぜひ聞きたいのだか?」

ミーナ「えぇ、なんというか…そのまんまだけどミソスープみたいで美味しいわ。余裕があればもっと野菜も入れたいわね」

美緒「なるほどそうか。…ペリーヌはどうだ?」

ペリーヌ「 ――坂本少佐が…わたくしのためにお作りになった……ぁあ …手料理ぃ」ニヘラー

美緒「?……おい!ペリーヌ!!」

ペリーヌ「 はっ!しょ、少佐!?…いかがなさいましたでしょうか?」

美緒「それはこちらの台詞だ。まだ箸をつけていないようだがどうした?麺が伸びるぞ」

ペリーヌ「へ?ああっ!いぇその…これは、あまりにも勿体無くて」ワタワタ

美緒「そう言ってくれるのは嬉しいが食べてもらわねば困るぞ?」

ペリーヌ「は、はいっ!いただきますわ!」

美緒「よぉーし!おもいっきりいけペリーヌ!」バシッ

ペリーヌ「はむっ…ズゾゾゾゾー!!!」フンフン

エーリカ「あー…ペリーヌが壊れちゃう」

バルクホルン「やつも501のウィッチだ。心配ない」

ミーナ「あらあら」

美緒「どうだ?うまいか!?」

ペリーヌ「はいっ!おいしいですわ!おいしいですわ!」ハグハグ

美緒「そうかそうか!真白銀は大成功だな、わっはっはっは!」


エーリカ「……あれどう思う?」

バルクホルン「…おそらくエンドルフィンの過剰分泌による一種の麻酔状態なのだろう。好きこそ物のなんとやらだ……はむ」ズルズル

ミーナ「それ引用間違ってるわよ?」

美緒「――よしよし。これでレシピのバリエーションも出来たな!まだ幾つか残る改善点も含めて開発部に報告しよう」

ミーナ「最終的な報告書はこちらで作成するから、美緒は今日の報告を纏めて私に提出して頂戴?」

美緒「了解した。宮藤の意見も聞いて今日中に提出しよう」

ミーナ「悪いけどお願いね」

ペリーヌ(う゛…何だかお腹の具合が……!?)



後日


芳佳「っはぁ…はぁ…」

リーネ「…ぜはぁ…ごほっ……」

美緒「……時間ギリギリか。だらしないぞ宮藤!リーネ!」

芳佳「…ぜぇ……っ…はぁ゛い…」

リーネ「す…すみませっ……はぁふ…」

バラララララ


美緒「やれやれ…今日の特訓はここまでだ。お前達はミーティング前に汗を……なんだ?」

リーネ「よ、芳佳ちゃん…っ…あれ…!」

芳佳「…ぜぇ……輸送機?」

バラララララ

ガチャ

??「――やっと出れた。もう丸一日ラーメン食べてない…お?あれは坂本さんじゃないか?おーーい!坂本さーん!!」

美緒「ん?あれは…もしかして小峰か!?」

タッタッタッ

小峰?「いや~お久しぶりです坂本さ…少佐」ビッ

美緒「ああ、久しいな小峰。…変わっとらんなお前は。ここは他所だが我々は扶桑海軍同士だ、無理はしなくていい」

小峰?「どうも……しかし自分の名前は小池ですよ?」

美緒「お?そうだったな、すまんすまん!わっはっはっ!」


※ラーメン大好き的な人です。キャラ適当

小池「坂本さんも相変わらずのようで…」

美緒「ところでお前はこんなところまで急にどうしたんだ?しかもあの輸送機はブリタニアの…?」

小池「坂本さんも知ってると思います例の…長期戦想定の新開発プロジェクトに自分も今参加してるんですよ。研究本部は何故かインド連邦に置いてるんですが、試験運用のフィードバックで今はこっちまで来てるんです」

美緒「…技術者でないお前が何故兵器開発に徴収されたんだ?しかも連合組織の最新プロジェクトだぞ兵長?」

芳佳「あのー坂本さん、この人は…?」

リーネ「……」ササッ

美緒「ん?こいつは我々と同じ扶桑海軍の兵士だ宮藤。前に無類のラーメン好きがいると話しただろ?」

芳佳「あ確か…小峰さん?」

小池「おぉ貴女が!…実は自分の名は小池なんです宮藤…え~と曹長?お噂はかねがね聞いております!」シタッ

芳佳「す、すみません!…え~っと私は確か軍曹らしいんですけど、別に階級つけて呼ばなくて大丈夫ですよ?」

小池「じゃあ宮藤さんと呼ばせていただきます」

美緒(この2人、軍人の自覚に疎い所が似てるな…やれやれ)

リーネ(……なんだか怖い)

美緒「それで?お前はなぜ新兵器開発部にいて、ここへ来た?輸送機が着くなど私は何も知らんのだが?」

小池「新兵器?何のことです?それにお話は云ってると思いましたが。まぁ急用だったので連絡は――」

ミーナ「美緒ー!!さっき軍本部から通信が――」バタバタ

芳佳「ミーナ中佐!?」

ミーナ「――ってそちらはまさか…?」

芳佳「扶桑海軍の小池さんです」

小池「どうも……まさか本部から連絡来てませんか?

※保守支援ありがとうございます


ミーナ「ご、ゴホンッ!……いえ、失礼しました。お待ちしてました伍長。第501統合戦闘航空団隊長ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です」

小池「はっ!お出迎え痛み入ります!自分は連合軍兵糧特別研究開発部所属、小池=スズキ兵…伍長であります!」シタッ

美緒「なんだ?お前昇進したのか?」

小池「はい。プロジェクト配属の折に何故だか」

芳佳「ミーナ中佐?兵糧開発ってまさか…」

ミーナ「ええ、例の即席ラーメンの開発担当者よ」

芳佳「えぇー!?」

美緒「なるほど。そっちか」

ミーナ「来訪目的の詳細も直接伺うよう言われていますので、一先ず基地内へ案内します。お話はそこで…」

小池「了解しました」

美緒「私も行こう!…宮藤とリーネは汗を流して来い。終わったら皆を集めて待機だ、ミーティング開始は少し遅れるかもしれん」

リーネ「了解……いこ?芳佳ちゃん」クイ

芳佳「う、うん!」テテテ


小池「……あんな小さな子達がブリタニアを解放したなんてすごいなぁー」

美緒「他人事ではないぞ?」

ミーナ「…では小池伍長、こちらへ」ツカツカ

※今更ですが前場面は「基地正面滑走路」です。すみません



執務室


小池「急に押しかけて申し訳ありませんヴィルケ中佐。あの報告書を頂いてからいてもたってもいられませんでしたので…」

美緒「報告書というと…この間のチキンラーメンの実地試用か?」

小池「はい!いくつかの作戦拠点での試用報告を見た中でも501の内容は実にうま……興味深かったので、我儘を言ってすっ飛んできました!」

ミーナ(我儘って……)

ミーナ「美緒、この人何者なの?」コソ

美緒「軍属名家の養子だ。士官養成も受けていたがまぁ…こういう奴でな」

小池「さまざまな環境下での長期保存と、簡単かつ迅速な用法で満足度の高い補給を実現するために開発した私の自信作。気に入っていただけましたか?」

ミーナ「基地内全員で美味しく頂いています。調理の簡単さから間食に好む隊員も居ます。流石優秀ですね伍長」

美緒「………小池、本音は?」

小池「いつでもどこでもすぐラーメンが食べたかったので……やぁー研究目的を後付けするのに苦労しました」

ミーナ「………」

美緒「こういう奴だ」

ミーナ「はぁ……突然基地に来た目的を伺ってもよろしいかしら?(やっぱり扶桑の軍人て苦手だわ)」

美緒「建前はいらんぞ?」

小池「わかりました。えー報告書にあった食べ方のバリエーションが面白いうえに大変うまかったので発案者に話を聞きに来ました。……それと実地取材」

美緒「あのメニューを考えたのは私と宮藤だが、レシピの調整は宮藤が一人でやったようなものだな」

小池「宮藤さんが!?」

ミーナ「…用件はわかりました。これからミーティングが有るので、その後に宮藤さんには時間を取らせましょう。坂本少佐と私も同伴します」

美緒「承知した」

小池「ありがとうございます」

ミーティング後


芳佳「――小池さんが?」

ミーナ「ええ、真チキンラーメンについてあなたと坂本少佐に話を聞きたいそうよ」

美緒「空き室に待たせている。今から私と共に来い」

芳佳「は、はい!……ごめんねリーネちゃん、ちょっとだけ待ってて?」

リーネ「うん。じゃあ下ごしらえだけしておくね?」

美緒「よし、では行くぞ」


空き部屋


美緒「小池!入るぞ」ガチャ

小池「ズルズル……ん?坂本さん!」

宮藤「え…?支那そば!?」

ミーナ「…小池伍長。勝手に基地内を歩かないよう厳命したはずですよね?」ピク

小池「誤解です中佐。このラーメンは自前であります。いつでも食べられるように持参しているのです」

美緒「…湯沸しから丼まで時前とは流石だな。はっはっは」

ミーナ「笑い事じゃないわ坂本少佐!……小池伍長?こんな所で勝手に火器の使用はしないでください!次は絶対許しませんよ」

小池「ズル……すみません」

ミーナ「箸を止めなさい」

芳佳「…あ!坂本さんあれ!?」

美緒「どうした宮藤?」

芳佳「卵が真ん中に綺麗に乗ってます!すごい!?」

美緒「おお確かに!私なんか必ず端に寄ってしまうが…」

小池「よくお気づきになられましたね。報告書にあった難点を見て改良したんですよ……ちょっと待ってください」ゴソゴソ バリ

小池「卵ソケットです」スッ

芳佳「わぁ!へこみが入ってる!」

美緒「なるほど。これなら卵も綺麗に乗るな」

小池「それだけじゃありませんよ?横滑りしないのでお湯も卵に直接かけて堂々と注ぐ事ができます!このくぼみの微調整には苦労しました」

ミーナ「へぇ…計算された形なのね」マジマジ

芳佳「すごぉーい!ホントに卵がずれないんですか!?わぁ~!」

美緒「しかしインド連邦の研究施設からは離れていたのだろう?短期間でよく改良できたな…大したものだ!」

小池「坂本さんと宮藤さんのおかげです。試用結果以上の報告をしてくれたここ501とアフリカの31飛行隊のおかげで夢中でしたから」

芳佳「サンイチ飛行隊?……てもしかしてマルセイユさんが居る…」

美緒「第31統合戦闘飛行隊か」

ミーナ「あそこにもやらせてたのね…」

芳佳「あの小池さん!マルセイユさん達のはどんな報告だったんですか!?」

小池「全否定だったよ。一食一人前にそんなに水を使えるかーてね!そのうえ塩辛すぎて喉が渇くって……結局隊長がそのまま砕いたものを酒のつまみにしてるらしい…なんとも予想外で面白いよ」

芳佳「えぇー!そのまま食べてるんですか!?」

ミーナ(扶桑の人ってほんとに…)ガク

美緒「はっはっはっは!!なるほどそのまま食べるか!豪胆なウィッチもいたものだな!」

ミーナ「…て、その隊長さんついこの間来たじゃない。扶桑陸軍の加東少佐よ…もう忘れたの?」

美緒「ん?……そういえばそうだったな」

ミーナ「あぁ~もぅ……」

小池「…こういう方ですから」ズルズル

ミーナ(頭痛い…)

数十分後

モブ研究員「――何言ってるんですか小池伍長?輸送機に積んでいたir-02cはとっくに無いですよ」

小池「なんだって!?出発前に沢山積んだじゃないか?」

モブ「飛行初日で伍長が食い尽くしたのを忘れましたか?」ジト

小池「う…そういえば」

モブ「そもそも緊急時でもないのに機内で火器の無断使用はやめてください。次やったら上へ報告します」

ミーナ(……多分、昇進栄転を名目に厄介払いされたんだわこの人)

小池「すみません宮藤さん。ほんのお礼も出来ないで」

芳佳「い、いえ!気にしないでください!!大丈夫ですから!」

すみません。投稿ミスなうえにさるさんです。

あとほんの数レスだと思うので携帯からやった方がいいですか?

芳佳「それにしてもこの卵ソケット……やってみたいな」ボソ

小池「ゴクゴク………それなら最新型が輸送機に積んであるので、お話を伺ったあとにいくつか置いて行きましょう」

芳佳「いいんですか!?わーい!」

美緒「ルッキーニが喜びそうだな」

ミーナ「なんでもいいから早く用件を済ませてちょうだい」ガックリ


数十分後

モブ兵「何言ってるんですか小池伍長?輸送機に積んでいるir-02cはとっくに無いですよ」

小池「なんだって!?出発前に積んだじゃないか?」

モブ兵「飛行初日で伍長が食い尽くしたのをお忘れですか?」ジト

小池「う…そういえば」

モブ「そもそも緊急時でもないのに機内で火器の無断使用はやめてください。次やったら上へ報告します」

ミーナ(多分、昇進栄転を名目に厄介払いされたんだわ…)

小池「…すみません宮藤さん。ほんのお礼も出来ないで」

芳佳「い、いえ!気にしないでください!!大丈夫ですから!」

小池「いや、そうはいきませんっ!ラーメンの恩はラーメンで返さねば……こうなったら自分が一晩泊まり込みでスープを仕込み、本物の屋台ラーメンをご馳走しましょう!!」

美緒「やめろ。これ以上予定外の行動をとると二度とラーメンが食えなくなるぞ?」

ミーナ「はぁ~…」

小池「し、しかしそれではっ!」

芳佳「…あ!じゃあ小池さん、ひとつだけお願いしてもいいですか!?」

美緒ミーナ「?」

小池「勿論です。何でも聞きましょう!」

後日

芳佳「みなさぁーん!夕食の準備ができましたよー」


ゾロゾロ

エーリカ「まってましたぁー!」ダバダバ

ルッキーニ「うじゅーー!!」ダバダバ

ペリーヌ「ひゃっ!?ちょっとなんですの!?」

バルクホルン「こらお前達!ちゃんと体を拭け!!」バタバタ

シャーリー「今日は昼間っからいい匂いがしてたからなぁ…あたしも腹が減ってしょうがないよ~!」ホカホカ

バルクホルン「いいからお前も髪を拭けシャーリー」バサッ

シャーリー「お?サンキュー」フキフキ

エイラ「私達は食べてからサウナに行こうな?」

サーニャ「ええ」

ミーナ「宮藤さんとリーネさん…お昼からずっと下ごしらえしてたみたいだけど、まさか?」

美緒「あぁ、アレを作っていたようだ。楽しみだな」

ルッキーニ「えぇ!なになにぃ~!?なんかすごいの出て来るの!?」

美緒「恐らく、先日宮藤が会得した新しい料理だ」

ルッキーニ「やたー!よしかの新しいご飯だぁー!」

バルクホルン「…興味深いな。なんの料理だ?」

ミーナ「うふふ、それは見てのお楽しみよトゥルーデ?」

シャーリー「中佐も知ってるんですか?」

ペリーヌ「ふん!また腐った物が出なければ良いのですけれど!」

エイラ「根に持ってんな~」

サーニャ「……」グー

エーリカ「ぇ?……さーにゃん?」

サーニャ「っ……///」

リーネ「みなさんお席へどうぞ!」

芳佳「熱いうちに食べてください!」

ルッキーニ「うじゅー!!?」

バルクホルン「これは…!」

ミーナ「まぁ…これが本当の…」

美緒「うむ、完成したか。見事だ宮藤!!」

シャーリー「…これってまさか!?」

芳佳「はい!」




芳佳「ラーメンです!」

おわり

新兵臭くてすみませんでした
ふざけ半分でやったら本当にスレ立ったので書き溜めてた妄想ssコピペしました

また半年ROMります。ありがとうございました
シャーリーが大好きです

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