春香「My Stage」 (159)

ごちゅうい!

>>1は完璧なニワカですので、我慢できない時はブラウザを閉じる事をハゲしく推奨しますが、
根気よく生暖かい目で見守って頂けると、とっても嬉しいです。

はるちは正義! はるちはわっほい! ちょっと遅いけど春香さん誕生日おめでとう!



Opening Theme Song - READY!!

http://www.youtube.com/watch?v=DTT-kvNPgaM


〜〜〜せっかくなんで、ついでのCM〜〜〜

http://www.youtube.com/watch?v=l0ehl5YVFNA&feature=player_embedded

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365250623





--------あなたは今、ステージに立って輝く事が出来ていますか?



          これは、今日までステージに立ち、これからも立ち続ける、ある女の子のお話--------






+---------------------+
l Stage.1 「帰還」 l
+---------------------+



〜〜〜1週間前、東京国際空港〜〜〜

<ピーンポーンパーンポーン

<お知らせいたします。東亜国際航空765便は・・・



律子「まだかしら?」

小鳥「もうそろそろ、出てくると思うんですけど・・・」

春香「千早ちゃん、びっくりするかなー?」

律子「そうね、まさか春香が居るとまでは思ってないでしょうね」

春香「ふふっ楽しみだなー」






サクラも咲き始める3月下旬、律子さんと小鳥さん、それに私の3人は、

空港で千早ちゃんの到着を待っていました。


千早「あ、律子! それに音無さん。迎えに来てくれたんですね?」

スッ

トントン

春香「ちーはーやーちゃん」

千早「春香!? なんでここに居るの?」

春香「久しぶりだね、千早ちゃんが帰って来るって聞いたから、律子さんたちに付いて来ちゃった」

千早「春香ぁ〜」ガバッ

春香「おっとと、よしよし」




イメージ画像 - その1


コツコツコツ・・・



小鳥「律子さん、あそこ!」

律子「千早!!」

私たちとプロデューサーさんが出会った日から、10年ほど経ちます。

765プロは相変わらず大盛況のようですが、アイドルの中に私たちの姿はありません。


今765プロに所属するアイドルで、私たちがアイドルになったばかりの頃の

メンバーは居なくて、みんな後から入ったアイドルばかりです。


あ、当時のメンバー全員が芸能活動を辞めた訳じゃありませんよ?



当時のメンバーは・・・



伊織のように女優になったり、千早ちゃんや美希のように歌手として

成功してアイドルから次のステップに進んだ娘もいれば、

亜美たちが実家の病院を継ぐためにアイドルを引退したように、

まったく違う道に進む娘もいました。


特に千早ちゃんは歌手として脚光を浴び、8年前から先日まで

海外の事務所に在籍して歌手としてだけではなく、女優しても活躍していましたが、

契約が終了したので、きょう日本へ帰国したのです。


765プロは昔と比べるとアイドルも増えましたし、プロデュースする人も増えて、

事務所も大きい綺麗なビルへ移転して・・・多くの事が昔とは変わってしまいました。



でも、変わらない事もあります。



765プロの中の、後輩アイドルをはじめとした人間関係の良さは昔のままです。

ちゃんと、「765プロのアイドル」というものをバトンタッチする事ができました。


ブロロロ=3
※律子カー車内



千早「ええもう正直、飛行機の中から時差ボケがすごい事になってますとも」

春香「あはは、それは仕方がないよーww」

千早「この8年間、私は海外の事務所に在籍して活動していたけれど」

千早「これからは再び国内に軸足を置いて、歌手としても女優としても活動していこうと思ってるわ」

春香「おおー」パチパチ


律子「千早にはまた765プロに戻ってきて貰うけれど」

律子「国内はもちろん、海外でも活動してもらいますからね?」





律子さん、運転しながら後ろの席に座る私たちの話を聞いてるんですね。


それにしても、千早ちゃんはすごいな。

歌手としても女優としてもステージで輝き続けているのだから。


千早「そういえば春香はアイドルを引退して、もう1年くらい経つのね」

小鳥「あら、千早ちゃん知ってたの?」

千早「春香とは、メールで連絡を取り合っていたから知ってるわ」






千早ちゃんが8年前に海外へ渡った時から、メールで連絡を取り合っていました。

ただ、お互いに忙しかったので、月に1回メール出来ればいい方で・・・。


千早「どう? ゆっくり出来た?」

春香「そうだね、アイドルだった時はいつの間にか時間が過ぎてたけど」

春香「この1年は、すごくゆっくりで有意義な時間だったかな」

千早「・・・ずっと我慢していたものね」

春香「う〜ん、確かにいろいろと我慢してたかも」


春香「向こうでの生活は、どんな感じだったの?」

千早「そうねー最初は戸惑ったりすることが多かったけれど、慣れてしまえばどうって事もなかったわ」

春香「そうなんだ。やっぱり千早ちゃんはすごいよね〜」

千早「ふふっありがとう。でも春香もすごいじゃない?」

千早「引退するまでアイドルとしてステージに立ち続けた事は、なかなかできる事じゃないわ」

春香「すごい事なんて、何もないよー///」


千早「そうかしら? 実力があってこそだと思うわ?」

春香「えへへ///」テレッ

千早「『約束』を果たしたうえで引退したなら、本望ね」

春香「!?」ビクッ





なんで千早ちゃんが、約束の話を知っているの?

約束の話は、私以外なら律子さんだけが知っているはずだよ?


千早「ごめんなさい、実は律子から何があったのか全て聞いているわ」

春香「なんで!?!?」

千早「愛の言葉を叫んだのでしょう?」

春香「」

小鳥「千早ちゃん攻めるわね〜wwww」

律子「春香、ごめんね〜wwwwww」




ちょっと律子さぁん!!

裏で噂話はいけませんよぉ!!! あーもう恥ずかしい!

きっと、いまの私の顔は真っ赤になってるだろうな。



千早「春香に怒られそうだったから、メールでは何も知らないふりをしていただけ」

春香「ちょっと千早ちゃん、私すごい恥ずかしい/////」

千早「もういいじゃない、ちゃんと『約束』を果たせたんだから」

春香「そうだけど・・・」


春香「よーし、千早ちゃんにこんな恥をかかされたのでれば」

千早「恥って、そんな大げさな事じゃないでしょうww」

春香「千早ちゃん、覚悟してね!」

千早「覚悟って春k」

春香「千早ちゃんが海外へ発つ前、パーティーをしたじゃない?」

千早「え? 急に?? えーと・・・そうだったわね」


春香「あの時にプロデューサーさんと千早ちゃん、途中で居なくなってたよね?」

春香「戻ってきたら二人ともスゴイ気まずそうな顔してたけど、あれは何があったの?」





ふたりが居なくなった事にすぐは気付かなかったけれど、居ないと気付いた時

千早ちゃんとプロデューサーさんが話してる事くらい、想像ついたよ?


それに、二人が戻って来た時に両方ともあんな表情してれば、千早ちゃんから何かしたのかなって思う。



「きっと、千早からプロデューサーに告白したに違いないわ」



こう言いだしたのは、伊織。私もそんな気がしたよ。


千早「ええっ!?」

春香「正直に言っちゃいないよ? 楽になれるよ?」

千早「・・・もう、昔の事は忘れたわ」

春香「忘れる訳ないよね?」ジトー

千早「本当に忘れたわ」オロオロ


キキーッ


小鳥「さぁー二人とも、事務所に着いたわよ」

千早「春香、車から降りなくちゃ」ソソクサ

春香「あっ、逃げられた!」




+---------------------+
l Stage.2 「秘密」 l
+---------------------+



春香には、言えない。


私がプロデューサーに告白していたなんて、いまさら言える訳がない。




765プロで8年前までアイドルをしていましたが、8年前のライブ後に海外の事務所に出向して

歌手として活動しながら歌とは何かを勉強していました。



8年の月日を経て、765プロに戻ってくることが出来ました。

再び日本で、今度は歌手として活動します。




私は成長できたと思います。




ただ、8年前から今日までの成長過程の中には、プロデューサーの姿はありません。


〜〜〜8年前、とあるライブ会場〜〜〜

P「まさか、こんな日が来るとは思ってなかったぞ」

千早「いままで、色々ありましたね」

P「俺が765プロに来た時、千早はなんだか近づき辛らかったから感無量だ」

千早「そうなんですか?」

P「他人を近づけませんオーラを放ってたじゃねぇかww」

P「おまけに、歌う事以外は全て無駄ですと言わんばかりな行動してるし」

千早「今思うとあの頃の私は、歌う事だけに拘りすぎていたかもしれません」


P「今日、このステージが終わったらアイドルである如月千早は」

千早「アイドルから成長する為に、活動する舞台を変える」

P「アイドルとしては最後になるこのステージ、ちゃんと成功させよう」

千早「そうですね、今まで支えてくれたファンの皆さんへの感謝もありますし」


<そろそろ準備お願いしまーす!


千早「なんだか、緊張しますね」

P「大丈夫、千早ならきっと大丈夫さ」

千早「プロデューサー・・・行ってきます」




イメージ画像 - その2









〜〜〜同日、夜〜〜〜

さっきライブ会場から、765プロの事務所に戻ってきました。

アイドルで居るのは今日が最後ですので、みんなが記念パーティーをしてくれる事になったのです。



でもみんな、他の予定もあって忙しいからか、パーティーの準備は終わっていませんでした。



春香「千早ちゃん、もう少しだけ待っててね!」

<春香、ちょっとこっち手伝って!(律子)

春香「今行きまーす!」

P「春香、転ぶなよ?」

<ハーイ大丈bキャー! ドンガラガッシャン!(春香)

P「言ってるそばから」

千早「・・・プロデューサー、準備ができるまで屋上に行きませんか?」


※千早とPは屋上に行きました。


そろそろ長かった冬が終わり、もうすぐ春になります。

私はある決意をしていました。




屋上から星空を眺めながら、プロデューサーに告白しようと思っています。




この恋は成就しない気がします。

それでも、恋が成就しないとしても、気持ちだけは伝えたいのです。



何も伝えないまま、後悔したくありませんでした。


星空は、とてもきれいです。

さすがに冬と比べると光はぼんやりとしていますが、春らしい雰囲気を出しています。




屋上に来て、黙ってしまった二人。


最初に口を開いたのは、プロデューサーでした。




P「千早、今までお疲れ様」

千早「ありがとうございます」

P「今日で最後かぁ」

千早「今後は歌手として活動していくのですけれど」

P「そうだな」


P「千早、俺は少しは千早の役に立てたか?」

千早「?」

P「千早のために最善を尽くせたのかなって、思うんだ」

千早「何を言うんですか。プロデューサーが信じられたからこそ、今まで付いてきたのですよ?」

P「嬉しい事言ってくれるじゃないの」

千早「私、この機会に海外で活動しながら勉強したいと思ってるんです」

P「千早がそうしたいならば、それが正しい道と信じるならば、そうした方が良い」

千早「今まで来れたのもあなたのおかげです、一緒に海外へ羽ばたきましょう」

P「・・・・・・」


千早「歌手として、一番最高のステージに立ちたいのです」

P「そうか」ウンウン

千早「そして貴方の事が好きです、付き合ってください」

P「・・・千早、悪いが付き合う事は出来ない」

千早「そうですか。なんとなく、無理かもしれないとは思ってました」

P「それに、海外へ連れて行ってやる事も出来ない」

千早「それは、どうしてですか?」


P「実はな、まだ社長以外は知らないはずなんだけど、今週末で退職する」

千早「!?」

千早「また急な話ですね? 何かあったんですか?」

P「少し前から・・・いや、半年は経つか。プロデューサーという仕事の中で壁にぶち当たってな」

P「悩んだんだが、俺には壁を壊して解決出来そうにないから結果として退職する事にしたよ」

千早「そんなの・・・貴方は逃げてるだけじゃありませんか!」

P「逃げてる・・・ね」


千早「何を悩んだのか分かりませんけれど・・・」

千早「私をここまで連れてきてくれたではありませんか! 何を悩むんですか!?」

P「もう決めた事だよ」

千早「みんなを、765プロにいるみんなを捨てて逃げるなんて、後で後悔しますよ」

P「俺だって、単純に自分の仕事を放り投げて辞めようと思った訳じゃないんだ」

千早「ならば、辞める必要はないですよね?」


P「言い訳、聞いてくれるか?」

千早「・・・言ってください」

P「本当は、誰にも言わずに消えようと思っていたんだけどな? ある人を好きになってしまった」

千早「誰ですか?」




本当は、ある人が誰を指すのか、予想できます。



だってプロデューサーもある人も、様子を見ていれば

お互いどういう気持ちで居るのか分かりますから。




P「誰なんて言わないし言えないけど、俺はその人をそばで見守りたかった」

P「その人が、俺の事をどんな気持ちで見ているのかも、なんとなくわかる」


千早「・・・プロデューサーは全て気付いていたんですね」

P「そりゃプロデューサーだもの、気付かないとしたら逆にやばいぞ?」

P「俺が好きになったのは相手の思惑とは関係ないけどな」

千早「プロデューサーは、相手の女の子とどうするつもりなのですか?」

P「俺は何もしないし、する気もない。そして、関係が自然に消滅するのを待つだけ」

千早「!? 自分も相手も傷つけて、お互いに幸せになれるとでも言うんですか!?」

千早「放置なんかしないで、ちゃんと話くらいしたらどうなんですか!」

P「俺はな、余計な事をして夢を壊したくないんだよ」


千早「夢?」

P「アイドルとして、みんなと仲良くステージ上で輝きたいっていう、その人の夢だよ」

P「夢を取り上げたり仲間を取り上げる事態になって、その人を壊したくない」

千早「それでも春香は!」

P「落ち着いて聞け。年齢的な事も考えれば、アイドルは今しか出来ないだろ?」

千早「・・・確かにそうですね」


P「アイドルで居られる時間が限られてるのに、スキャンダルでも起こしてみろ」

P「世間から叩かれたりして貴重な時間を失って、確実に後から後悔させる事になる」

P「好きな人の小さい頃からの夢を、綺麗に終わらせる事ができたはずの夢を、傷つけたくないんだ!」

千早「そう・・・ですか」

P「だから、その人を含め誰とも付き合ったりはしないし、765プロに居続ける事は出来ないから」

P「俺は765プロを退職する。それが、その人の為に正しい道だと信じてる」


千早「退職する事を、いつ発表するんですか?」

P「このあと発表するよ。好きな人・・・だけじゃないな、みんな怒るかな?」

千早「プロデューサーが自分の道を決めてしまっているなら、私たちは見送る事しか出来ません」

P「そうか。千早、お前の気持ちに寄り添えなくてゴメンな」

P「もしも海外から帰ってきた時に、俺がプロデューサーをしていたら」

P「何時になるかも、どんな形になるかも分からないけど千早が一番輝くステージを用意する」

千早「ふふっ、期待してます。それと、いつまでも私の事は忘れないでくださいね?」





こうして、私の恋は終わりを告げました。

プロデューサー、今まで私を連れてきてくれて、ありがとうございました。



私は、これから一人で、前を向いて歩いていきます。







※二人とも事務所に戻りました。

ガチャッ

春香「居たー! 千早ちゃんどこいってたの?」

千早「あっ春香、ごめんなさい、ちょっと屋上にいたの」

春香「そうだったんだ」

<それじゃあ、主役もそろったことだし始めようではないか!(高木)



律子「みんな、グラスを持ったわね?」

高木「それでは、如月君のアイドル引退と新たなる門出を祝って!」

一同「「「カンパーイ!!」」」


ワイワイガヤガヤ

P「社長、例の件はいつ頃・・・」

高木「ふーむ、発表するのは最後にした方が良いだろうね」

P「分かりました」





高木「さてそろそろ終わりの時間だが、諸君、ちょっと良いかね??」

一同「「「????」」」

高木「今日は如月君の新たなる門出を祝う会ではあるが、同時に残念なお知らせがある」

P「え〜発表があります。プロデューサーこと、わたくし----」







美希「ミキに断りなしでそんな大事な事決めるって、ありえないって思うな!」

伊織「ちょっとアンタ、どういうつもりなのよ!」

貴音「貴方様、なぜ私たちを置き去りにされてしまうのですか」

律子「せめて私だけでも教えておいてくださいよ、仕事どうするんですか」

P「本当に申し訳ない! 急に親父が倒れちゃってさ、どうしても一回戻らないといけないんだ」

P「だが、実家の仕事を片付け終わったら戻って来るからな、みんな頑張るんだぞ!」

千早「プロデューサー、それ本当ですか」ボソッ

P「完全な大嘘。だけど年月が経てば、俺の事も含めてみんな忘れるさ」ボソッ

千早「プロデューサー、それ色々と酷すぎます」ボソッ

春香「んーっ?? 千早ちゃん、怪しいよ?」


<ミキ、ダキツクナ!

<ヤナノー!



千早「えっ、やましい事は何もないわ」

春香「本当に何もないの?」

千早「何もないわ。それより春香、プロデューサーの事は良いの?」

春香「えーと、何の事?」

千早「いまさら誤魔化さなくても良いわ。プロデューサーの事、好きなんでしょう?」

春香「えへへ、バレてたんだね。けど大丈夫だよ」

千早「何が大丈夫なの?」


春香「私は、プロデューサーさんは仕事を片付けたら765プロに戻ってくるって信じてるよ?」

春香「だから、765プロに・・・私の傍に戻ってきてくれるまで待ってるよ」

千早「・・・プロデューサーは、もう戻ってこないと思うわ」

春香「それでも、プロデューサーさんの言葉を信じたい」

春香「プロデューサーさんは、私にとっては一番大切な人だから信じるんだ」

千早「そう。待つとしても今日のお別れについては、ちゃんと挨拶してきたら?」

春香「うん・・・」


春香「プロデューサーさん」

P「おお、春香」

春香「今までありがとうございました」

P「面と向かって礼を言われると、やっぱり恥ずかしいな」テレッ

春香「健康には気を付けてくださいね?」

P「ありがとうな」

千早「・・・・・・」







〜〜〜ライブから4か月が経った頃〜〜〜

春香「律子さん、空港ですよ、空港!」

律子「コラ、騒がないの」

雪歩「あんまり空港に来たことないから、ついテンション高くなっちゃいますぅ」

響「自分は帰省の度に来るぞ」

真「まぁそうだろうね」


P「おーい」

雪歩「あっプロデューサーが来ました」

P「悪い、午前中は仕事してたもんだから遅くなっちゃった」

春香「遅刻はダメですよ!」

P「ははっ、そう怒るなって」

律子「プロデューサー殿、久しぶりですね」

P「いやー久しぶり。送別会の時はありがとうな」


千早「お待たせしました」

律子「お帰り、ちゃんと搭乗手続きは済ませた?」

千早「大丈夫よ」

律子「後は乗る前に出国手続きね」





私はきょう、海外へ旅立ちます。

歌を学び、より成長してステージに立つために。


春香「ついに千早ちゃんも海外かぁ〜。なんだか寂しいな」

千早「大丈夫よ、春香とはメールできるじゃない」

美希「千早さん、ミキは期待してるの」

千早「ええ、必ず成長して帰って来るわ」

ワイワイガヤガヤ





こうしてみんなと話が出来るのも、今日が最後。

寂しくないと言えば嘘になるけれど、未来の為に歩いていきます。


千早「プロデューサーも居らしてたんですね」

P「何とか間に合って良かったよ」

千早「今まで本当にありがとうございました」

P「オイオイ、そんなに改まって言われると照れるよ」テレテレ

千早「律子から聞いたのですが」

千早「私が海外で勉強したいって言う前から、こっそり交渉してくれていたそうですね」

P「そりゃお前、事務所のパソコンで海外の芸能事務所を探しまわってりゃバレバレだぞ?」

千早「ふふっそれもそうですね」


P「まっ千早が夢に一歩近づけて何よりだ。俺の努力も無駄にはならなかった」

千早「感謝してますよ、プロデューサー」

P「無理して体壊したりするなよ。いくらなんでも助けに行けないからな?」

千早「大丈夫ですよ。そんな無茶な事をするつもりはありません」

P「そうか。なら良いんだ」

千早「そういうプロデューサーだって、体壊さないでくださいよ?」

P「大丈夫さ。俺は奈落の底に落ちても生きてた男だぜ?」

千早「あはは、そうでしたね」


千早(好きな人とのお喋りって、時間が経つのが早いものね)

千早(そろそろ、行かないといけない時間ね)ソワソワ

千早「あのプロデューサー・・・春香の事ですけれど」

P「どうかしたか?」

千早「・・・みんながパーティーを開いてくれた日、春香が言ってました」





”私は、プロデューサーさんは仕事を片付けたら765プロに戻ってくるって信じてるよ?”





千早「仕事を片付け終わったら戻って来るっていう言葉を信じて、待ち続けるつもりなんです」

P「なんかコソコソ話してたのは、それだったのか」

千早「プロデューサーは、もう戻ってこないと思う」

千早「春香にそう伝えましたけど、それでもプロデューサーさんの言葉を信じたい、と返されました」


P「そうか。その信じる気持ちを裏切る事になるけど、しょうがないかなーって」

千早「春香だけじゃなくて、どんな女性アイドルでも男性の影があってはならない」

千早「男性の影が見えてしまえば、その瞬間アイドルでは居られなくなる。これは確かな事だと思います」

千早「だからこそ、プロデューサーは決断した」

P「俺が千早に言ったとおりだよ」

千早「ですが・・・プロデューサーはどれだけ時間がたっても」

千早「春香への気持ちを断ち切れないと思います」

P「ん?」

千早「プロデューサー、いつか、春香の事をちゃんと受け止めてください」

P「・・・頭に入れとくよ」


どんなに惜しんでも、別れの時間はやってきます。



千早「それでは、行ってまいります」

一同「「「いってらっしゃーい!!」」」



みんなも私も、お互いが見えなくなるまで手を振り続けました。


<本日は、東亜国際航空をご利用いただきまして・・・


<皆様、当飛行機は間もなく離陸いたします。座席ベルトをもう一度・・・





日本でやり残したことは殆どありませんが、ただひとつ、春香の事だけは気がかりです。



結局、春香を想って決めたプロデューサーの決断を覆すことは出来ませんでした。


プロデューサー、あなたは春香を愛していますよね?





そうなのであれば・・・春香を苦しめ続ける事だけは、やめてほしいです。

いつか、春香をちゃんと受け止めてください。


-------ゴォォォ・・・

<ポーン



千早(シートベルトのサイン、消えたわね)




私の未来を乗せた飛行機は、日本を飛び立ちました。

空港の展望台から、春香たちはこの飛行機を見送ってくれたのでしょうか?





私が戻って来るのは、何年も先になるのでしょう。





765プロのみんな、海外に居る私にも見えるくらい輝いてね?




イメージ画像 - その3





+---------------------+
l Stage.3 「偶然」 l
+---------------------+



〜〜〜5年前〜〜〜

P「おさきに失礼しまーす」

<お疲れ様ー



765プロではプロデューサーをやっていたが、3年前に退職した。

今は別の仕事をしている。


P「3月も終わって暖かくなってきたとは言え、まだまだ夜は冷えるよね」

P「・・・やっぱり、仕事変えようかなァ」


千早を歌手として旅立たせた俺だが、ちょうどその頃プロデューサーという仕事において
2つの壁にぶち当たってしまい、一人悩んいた。

確かに千早を旅立たせることが出来たが、その後の事----


----後から入ってきた新人のプロデュースを、どうやってやっていくか


コレが、1つ目の壁。

だが、この悩みは退職を決意させるほどの悩みではなく、あくまで自分の将来を考える

きっかけにしか過ぎなかった。イザとなれば社長に相談すれば解決できる事だ。




退職を決意してしまうほどの、もう1つの壁。

誰にも相談出来ないのに、今までで一番大きい悩みがあった。


いつの間にか春香を好きになってしまっている自分が居る、という悩み。


転職先を見つけないまま退職すれば、大変な苦労が待っている事は想像できたが、

気が付いたら、俺は高木社長に退職願を出していた。


おまけに最後はアイドルたちを置き去りにして退職する事になったという事実は、深く反省している。

それにやむを得なかったとはいえ、千早を傷つけてしまう事をした。

本当は、アイドルそれぞれが望む姿になるまでプロデュースを続けるべきだっただろう。



それでも自分自身が理性を失なって、

結果として春香が持つ夢を壊してしまう事態にしたくない、という気持ちが勝った。


いまは芸能界とは縁の切れた仕事をしている。

周りからはいつか同じような仕事をしてみてはどうか、と勧められたがそれは無理な話だった。



芸能界に居れば、また会ってしまう事があるかもしれない。

それに、違う事務所へ行けば春香を邪魔してしまう場面も、出てきてしまうかもしれない。



そう思う心が、今までとは全く関係のない業界へ行く事を決意させた。


手元の腕時計を見る。

おや、20時を過ぎてたか。夕飯・・・しまった、冷蔵庫の中はカラッポだ。
仕方がない、コンビニへ夕飯を調達しに行こう。

<ウィーン

<ラッシャセー

夕食のメニューは、カップ麺にしよう。
最近は貧相な食事しかしていない気がするが、貧乏なので仕方ない。

<アザシター

P「さっさと帰ってメシ食うか」

<ウィーン


買い物をしたコンビニを出ようとした時だった。



ドテッ



あれ? 何でいきなり視界の中に天井が映ってるの?



???「いたた・・・あっ、ぶつかっちゃってゴメンナサイ! ケガはありませんか!?」



あ〜そうか、誰かが体当たりしてきたんだ。


???「ちょっとどうしたの?」



あれ?



???「それがぶつかっちゃって・・・」



おやおや??



???「はぁ!? 何してるの!?!?」



この声・・・








春香「プロデューサーさん、ごめんなさい!」

P「いやまぁ、ケガもなかったし良いさ」

律子「プロデューサー殿だから良かったけど、気をつけなさい?」

春香「気を付けます」

P「ところで、二人はここで何をしてるのさ?」

律子「近くの海岸で撮影した帰りなんですけど、飲み物買おうと思って寄ったんです」

律子「まさか、プロデューサー殿とこんなところで再会するとは」

P「俺もビックリ仰天だよ」


春香「律子さん、せっかくだからプロデューサーさんとご飯食べに行きませんか?」

律子「そうね、後は帰るだけだしプロデューサー殿も行きましょう」

P「あら? 俺の意向はスルーな感じですか?」

P「俺、夕飯買っちゃったんですけど」

律子「・・・まさか、それですか?」

P「わ、悪いか!」

律子「からだ壊しますよ・・・私が出しますから、食べに行きましょう」

P「・・・良いのか?」

律子「良いですから、車に早く乗ってください」


※3人はファミレスへ来ました

<メニューはこちらになりますごゆっくりどうぞー

春香「プロデューサーさんは何を食べるんですか?」

P「どうしようかね」

春香「あっこれ、やよい監修のメニューですよ」

メニュー「もやしたくさんサラダセットだよ、うっうー!!」

P「お、本当だ。安いしこれにしてみるか」

春香「じゃわたしもこれで」

律子「もう少し良い栄養あるものを食べましょうよ」


春香「そういえばプロデューサーさん、ご実家は大丈夫なんですか?」

P「えっああ、まあ落ち着きつつあるよ」アセアセ

春香「765プロに、戻って来れるんですか?」

P「まだハッキリとは言えないかなー??」オロオロ

春香「あはは・・・」

律子「・・・」ギロッ

P「何だよ律子、そんなに怖い顔して」タジッ

律子「別に。プロデューサーは何のお仕事をされてるんですか?」フンッ

P「ただの営業職だよ。最近、仕事に慣れてきて案外楽しいよ」

P(楽しいなんて、本当は嘘だけど)


律子「営業職? まがい物でも売ってたりして」

P「おいこらメガネ」

春香「まぁまぁ二人とも・・・」

P「ただ、まがい物は売ってないが、どうしようもない物を客に売りつけているな」

春香「?? どういう事ですか?」

P「どうしようもない物を売りつけるというのは・・・」

P「お偉方による、誰がどう見ても要らない物の押し売り命令です。本当にありがとうございました」


P「営業は、お偉方の決定を覆す程の抵抗はできないというこのジレンマ。何とも悲しい!」

春香「oh・・・」

P「某所で起きた9.18事件も、お偉方(役員)による押し売り命令が噂されているな!」キリッ

律子「開発部隊は圧力をかけられていて、いろいろおかしな事になってた・・・とも聞きますね」メガネキラーン

春香「良い子のみんなは、責任者になったら生身の人間を盾にして逃げちゃダメだぞ☆」テヘッ

ファミレスに居るおまえら(なんで3人とも壁に向かって喋ってるんだろう・・・)


律子「小鳥さん、結婚したんですよ」

P「まぢ? ウソでしょ?」

律子「ウソついてどうするんですか」

P「いや〜なんか信じがたいけど、おめでたいね」

P(俺、結婚式に関してハブられてる気がしてしょうがないけど、その事に触れてはいけない気がする)

P(やっぱり、急に辞めた事を怒ってる・・・?)

律子「プロデューサー殿もいい歳なんですから、結婚相手を決めた方が良いんじゃありません?」

P「余計なお世話だよ」


P「さー食ったぞ。今日は悪かったな」

律子「いえ、そんな事」

P「取り敢えず、俺は歩いて帰るわ」

春香「ぇ・・・」

律子「!」

律子「いーえ、送っていきます!」

P「でも悪いし」

律子「ほら良いから!!」


ブロロロ=3
※律子カー車内

P「至れり尽くせりで、マジで申し訳ないわ」

律子「別にいいですよ、このくらい」






P「あ、ここで良いや」

律子「公園ですけど、良いんですか?」

P「この公園を歩いてショートカットすれば、今住んでる家はすぐそこなんだよ」

P(すぐそこってのは嘘だけど、ショートカットできるのは嘘じゃないし)

律子「そうだったんですか」チラッ

春香「・・・」


キィーッ

P「また今度な」

律子「ええ、また何時かお会いしましょう」

バタン!

スタスタスタ・・・


家に向かって歩き出した。

春先とはいえ、この時期の夜の公園は寒い。冷たく青白い光を放つ水銀灯の灯りが、より寒さを感じさせた。





もう、春香に出会う事もないだろう。





そう思うと寂しさが襲ってくる。けれど我慢しなくては。


春香、見ない間に昔よりも可愛くなったなぁ。

もう22歳のはずだよな。


たった3年のあいだ会わなかっただけで変わるものなんだな。






































春香「プロデューサーさん!!!!」ハァハァ


P「うわおぉい!!? 春香か?」

春香「プロデューサーさん、少しいいですか」ハァハァ




考え事をしながら歩いていると、突然後ろから呼び止められた。




P「わざわざ走って来るとは。落ち着いたか?」

春香「はい、大丈夫です」




春香と俺は、水銀灯の支柱脇にあるベンチに腰かけている。




P「で、どうかしたのか?」

春香「・・・・・・」

P「春香・・・?」


春香「・・・プロデューサーさん」

P「なんだい?」

春香「ずっと前から、自分ではハッキリ分からなかったんですけど」

春香「プロデューサーさんの前だとドキドキする事があったんです」

P「・・・そうなの?」

春香「昔の事ですけど、ライブ本番前にプロデューサーさんが言ってくれた事、覚えてますか?」






P「ごめんな、肝心な時に役に立てなくて」

P「でも、春香はひとりで見つけたみたいだな」

P「あの時の答え」

春香「はい!」


P「そうか・・・がんばったな!」





春香「とてもうれしかったです。私の事も、ちゃんと見ててくれてたんだなって」

P「そりゃーね、プロデューサーだったもん」

春香「言われた後に気づきました。私、プロデューサーさんのこと好きだったんだなって」

春香「だから、私と付き合ってくれませんか?」

P「えっと・・・」


春香「本当は、この気持ちは伝えないで心に仕舞っておこうって思ってったんですけど」

春香「もうこれ以上、自分の気持ちに嘘をつけませんでした」

P「春香」

春香「はい?」

P「正直に言う。春香とは付き合えない」

春香「どうして・・・」

P「さっき律子に聞いたけど、これから撮影するドラマでヒロインやる予定なんだろ?」

春香「・・・・・・」コクッ


P「おれは春香の可能性を潰したくないんだ」

P「スキャンダルになって、春香の未来を潰すような事はしたくないんだ」

春香「そんなの関係ないです」

P「なぁ春香、なんでアイドルになったんだ?」

春香「? 小さい頃の話ですけれど、わたし一度引っ越してるんですけど」

春香「引っ越した先で、周りの子たちとうまく馴染めなくて」

春香「そんな時に、公園で歌を教えてくれる人に出会ったんです」

春香「歌を教えてもらいながら、みんなで歌う事が楽しくて。だから、アイドルになろうって決めました」

P「そんな事があったのか。小さい時からの夢だった、とは聞いていたけれど」


P「春香、少し聞いてくれ。俺の個人的考えなんだが」

P「どんな人も、その人だけが持つ時間という名の『ステージ』を持っていると思うんだ」

春香「ステージ?」

P「そう。そして『ステージ』上で人生という『物語』を創り出していくってね」

P「特に春香の場合は一人の人間として、人生という『物語』を作っているけれど」

P「その人生の中で、自分の小さい時からの夢だった」

P「アイドルという『物語』を『ステージ』上で、今まさに演じているだろ?」

春香「そう、ですね」


P「春香は、自分の人生の中でアイドルが大きなウェイトを占めてないか?」

春香「・・・確かに大きいです」

P「どんな『物語』も始まりがあれば終わりもある。俺は、演じられている『物語』は最後まで見届けたい」

P「特に、大きな思い出になりそうな『物語』は、ちゃんと最後まで見たい」

春香「何が言いたいんですか・・・」

P「今や春香は自分の力により、春香だけが持つ『ステージ』上で」

P「春香自身が理想とする『アイドル』という『物語』を作っている」

P「その『物語』が結末を迎える最後の時まで見届けたいんだ。観客の一人としてね」


P「俺の事は忘れて、アイドルとして輝く事だけ考えてほしい」

春香「忘れるなんて、出来ませんよ」ツー

P「分かってくれ。俺は春香の夢を潰してしまいたくないんだ」

春香「・・・それならばお願いです、引退したら会ってもらえませんか?」グスッ

P「・・・・・・」

春香「そして、その時に答えをください」グスッ

P「春香が引退したかどうかに関わりなく、どこかで会う約束は出来ないぞ?」


春香「どうして・・・どうしてなんですか・・・なんでそこまで拒絶するんですか!!」ポロポロ

P「だがな春香、俺は逃げたりしない」

P「『アイドル』という『物語』を次の世代にバトンタッチして」

P「春香がアイドルとは違う新しい『物語』を始める時まで、どこかから見守っているぞ」

春香「へ?」

P「また今日みたいに、偶然会えたらいいな」



P「俺から言えるのは、それだけだ」

春香「分かりました、それじゃあ私から別の約束させてください」

P「ん? 別の約束?」

春香「私は、アイドルを演じきって見せます。演じきれた時が来るまで・・・さよならです」

P「そうか、分かった・・・もう遅いし、早く帰ろう」


P「律子、待ってたのか」

律子「春香が急に車から飛び出していったので、待ってました」

P「・・・探さなかったの?」

律子「探さなかった事を気にしたら負けかなーって」

P「そ、そうか」

春香「・・・・・・」


P「じゃあな、気を付けて帰れよ?」

律子「プロデューサー殿も。春香、行くわよ」

ブロロロ=3





律子が待つ車へ春香を送り届けた俺は、



2人が乗る車が見えなくなるまで、見送る事にした。





ん?





なんだ? 春香が車の窓を開けて・・・




























春香「いつの日か、また逢えるって、信じてます!!!」ノシ






P「・・・・・・」ノシ




俺だって本当は・・・




”いつか、春香の事をちゃんと受け止めてください”


”いつの日か、また逢えるって、信じてます!!!”




受け止めたいけれど、いま受け止める事は出来ない。


アイドルである事に固執しているように見える、今の春香を。

春香はアイドルを演じきってみせる、とは言った。


でも、アイドルをやり終えた後の次は?



春香の夢は確かに壊したくない。


しかし、今までようにアイドルに固執し続ければ、いつか破綻してしまう。




本当はプロデューサーとして次の世界に導く事が出来れば、それが一番良かったけれど、


でも、個人的な心情の問題を抱えていたから、それは出来なかった。




あの時765プロを退職した時の決断は今でも揺るぎないし、今日の出来事だって


元プロデューサーとしての判断というより、愛する女性の事を思う、一人の男としての決断だ。


今からでも遅くはない、未来は変えられる。






アイドルを演じきった後、新たに立つであろうアイドルとは違う『ステージ』の上で


いつまでも待っているぞ、春香。









+---------------------+
l Stage.4 「約束」 l
+---------------------+



〜〜〜時は流れて、2年前〜〜〜

あの日、私はプロデューサーさんと約束をしました。




「私は、アイドルを演じきって見せます。演じきれた時が来るまで・・・さよならです」




誰にも負けないアイドルになれる様、人一倍頑張ってきたつもりです。


-----
----------
---------------
--------------------


律子「プロデューサー殿とどんな話をしたの?」

春香「それはそのえっと」

律子「別に隠さなくても良いじゃない」

律子「春香がプロデューサー殿の事がとっても好きなの、みんな知ってるわよ?」

春香「」


春香「プロデューサさんには、”俺は逃げたりしない、見守ってる”って言われて」

律子「そう。プロデューサー殿らしいわね」

春香「”また今日みたいに、偶然会えたらいいな”とも」

律子「そんなこと言われたの?」

春香「言われちゃいました」

律子「あらら」


律子「春香はどうするつもりなの?」

春香「約束・・・してきたんです」

律子「約束?」

春香「アイドルを演じきってみせますっていう約束です」

律子「あはは、アイドルを演じきれなかったら大変な事になるわねww」

春香「笑わないでくださいよぅ」

律子「でも大丈夫よ。春香をトップアイドルにしてあげるわ、そうすれば多分プロデューサー殿も・・・ね?」

春香「はい・・・」








律子「期間限定の新しいユニットのメンバーは、真と雪歩、それに春香よ」

雪歩「真ちゃん!」

真「雪歩! それに春香」

春香「うん!」

3人「「「お互い頑張ろうね!」」」








春香「Stay この My Love Song エールくれる人よ」♪〜

律子「う〜ん」

真「律子?」

律子「春香、少しだけ調子はずれになってるわ」

春香「えー・・・」

律子「少しでも不確かな状態は残さないわ。もう一回!」

雪歩「スパルタですぅ」


春香「Stay この My Love Song エールくれる人よ」♪〜

律子「う〜ん、よし。春香ちょっと良い?」

真「僕には、そんなダメな様には聞こえないんだけど」

雪歩「真ちゃんも?」

真「雪歩も?」

律子「春香、コレを被って歌ってみなさい」

真「えっ」

雪歩「それって」

春香「バケツ!?」


律子「何か問題でも?」

春香「大ありですよ、大あり!!」

律子「大丈夫よ。きれいな新品を小鳥さんに用意しておいてもらったから」

春香「いやそういう問題では。というか、最初からバケツかぶらせる気満々だったんですね」

律子「何の事かしら? 取り敢えずかぶってみなさい」


ガポッ


律子「っふ! さぁ春香、歌いなさい!」


春香「えぇー・・・」ボワーン

真「ぷっww春香ww似合wwってるwwwwよww」

雪歩「おふぅっwwww真ちゃwwwwwwんww笑っwwwwたらww失wwwwwwww礼wwwwだよwwwwwwww」

春香「Stay この My Love Song エールくれる人よ」ボワーン

真「バケツがwwwwww歌ってwwwwるwwwwwwwwww」ヒーッ

律子「ダメよ真、笑っちゃ。ふっ」プルプル

春香「律子さん、ふざけてやってません?」ボワーン

律子「私は至って本気よ!」

律子「バケツをかぶって歌う事で、調子はずれを修正出来るんだから」








春香「Stay この My Love Song エールくれる人よ」♪〜

律子「これよ、これ!」

真「おお〜なんだか良くなってる」

雪歩「スパルタの成果ですぅ」

律子「春香はキャラクターにクセがない事が特徴で、万人に好まれるタイプなんだけど」

律子「唯一問題だった歌唱力を克服できたことで、もう誰にも負けないわ」

律子「コレで明日のレコーディングは大丈夫ね!」

春香「はい!」








律子「それじゃあ、オリコンを見てみましょう」カチカチ

春香「うう、緊張するよー」

真「大丈夫だって。多分」

雪歩「せめて、20位以内には入ってて欲しいな」

律子「あら? 夢を見てるのかしら」

真「ど、どうしたの?」

律子「先週出したCD、オリコンで5位に入ってるわ」





3人「「「やったー!」」」








律子「今日は午前中が雑誌の取材、午後からTV収録があって、夜にラジオの生放送があって」

真「明日、北海道に移動してイベントに参加するんだよね?」

律子「そうよ」

雪歩「いつ移動するんですかぁ?」

律子「羽田から最終便の飛行機に乗るわ。千歳に着くのが22時半だから札幌のホテルに入るのは、多分0時前ね」

春香「ひぇ〜鬼畜・・・」

真「ちょっ、いつ寝れば良いの!」

律子「4時半に起きて始発の飛行機に乗るのとどっちが良かった?」

春香「最終便で良いです・・・」








真「えっ、IA大賞にノミネートされた!?」

律子「さっき連絡があったわ」

雪歩「あわわわわわ」

春香「」パクパク








3人「「「キャー!!!」」」オテテツナイデピョンピョン


--------------------
---------------
----------
-----


IA大賞にノミネートされた事を知った時、嬉しさのあまり3人で跳ね回っちゃいました。





これまでの努力が実ったのか、運が良かったのか、いま私たちはIA大賞が発表される会場に居ます。



春香「いよいよだね〜」

雪歩「な、なんだかとっても緊張するね」

真「雪歩、きっとIA大賞とれるよ」ガクブル

雪歩「真ちゃん、震えすぎだよぅ」ガクガクブルブル

春香「そういう雪歩だって」ガクガクブルブル


律子「3人とも大丈夫よ。ベストを尽くしてくれたわ」

律子「必ずIA大賞を受賞できると信じてるわ」

雪歩「律子さん、私たちも受賞できるって信じてます!」カチンコチン

真「逆に、ここまで頑張ってきて受賞できなかったら、相当ショックだよね」カチンコチン





真が言う通り、ここまで来たのに受賞できなかったらすごくショックだし、

それに、『約束』を果たせなくなっちゃいます。


律子「とくに春香は、バケツを被ってまで頑張ったのだから大丈夫よ」

真「ぶふっwwwwww」

雪歩「ふいっwwwwww」

春香「ちょっwwwwいやな事、思い出させないでくださいよ!!」

律子「緊張は取れた?」

3人「「「・・・あ」」」



司会「いよいよ始まりました、IA大賞グランドファイナル!」





ああっ、ついに始まりました。



今日、ここですべての結果が決まってしまうんですね。





司会「ノミネートの皆様を紹介して------」



司会「765プロダクションのみなさん、お願いします」



春香「------私たちを支えてくれたファンの皆様への感謝として、必ず受賞したいです!」






ぜったい大丈夫。


司会「----もっとも輝いたアイドルに贈られる、最高の賞!」

司会「IA大賞の発表です!」










律子さん、あの封筒に結果が入ってるって言ってたっけ。











神様、どうかお願いです。私たちに受賞させてください!







司会「IA大賞を受賞したグループは、765プロの----」





真「やったー!!!」ガタッ

雪歩「真ちゃん、落ち着いて!」

春香「律子さん、私たち・・・本当にやっちゃいました」ヴァーイ

律子「あんたたち、本当によくやったわ」フキフキ



司会「------それでは歌っていただきましょう」

司会「765プロで、my songです。どうぞ!」










Back Ground Music - my song

http://www.youtube.com/watch?v=b4vjXKJHBRI


「辛くても進んでゆけるのは 大切な夢があるから」♪〜


「Start この My Life Song 私の歌声で どこまでも響け」♪〜









私がアイドルを目指し始めたのは・・・




みんなで楽しく歌いたい。

みんなと同じ時間を、進みたい。




そう思ったから。


「Stand この My Live Song 私の歌詞(ことば)から いつまでも届け」♪〜


「Stage この My Light Song 分かち合う仲間よ 感謝を忘れない」♪〜









アイドルになってから今日までずっと、765プロのみんなと同じ時間を進んで来て・・・


そして今日、私は仲間と共にIA大賞のステージに立つ事が出来ました。





ずっと手放す事が出来ない、大切な思い出になる事でしょう。



「Stay この My Love Song エールくれる人よ 愛を込め贈ろう」♪〜


「Shine 輝いて ねぇ幸せあれ いま明日が生まれる」♪〜









ねぇプロデューサーさん。



私が作った『アイドル』っていう『物語』は、無事にハッピーエンドを迎えられましたよ。


どうでした?







私、ステージの上でいっぱい輝いていましたか?







これで、765プロにいる後輩に『アイドル』をバトンタッチする事が出来ます。










イメージ画像 - その4



〜〜〜1年前〜〜〜


律子「えー、それではお時間になりましたので記者会見を始めます」



律子「------当765プロダクションに所属しております天海春香につきまして」



律子「本日限りで芸能活動から引退する事になりましたので------」



春香「------これまで私を応援してくださいました、全国の皆様に------」



春香「------IAで優勝する事が出来まして、私が持っていた力を出し切る事が------」








そして、私はアイドルを引退しました。長かったアイドル生活も今日で最後。




アイドルを引退して、次のステップに進みます。

人生の中で演じる次の物語を見つけるまで、随分と悩みました。


アイドルの私。



IAで優勝できた私。



次にやるのは何?



女優? 歌手? それともアナウンサー?



違う。



どれも、自分がそうなった時の姿がイメージ出来ない。私ってなんだろう?



私って、やっぱりアイドルが一番?





自分の思考がグルグル回って、しばらく悩み続けました。


-----
----------
---------------
--------------------


春香「律子さん」

律子「ん〜?」

春香「私、芸能活動そのものを引退しようと思っています」

律子「良いんじゃないかs」

律子「引退!?」

春香「その・・・限界を感じたんです」


春香「IAで優勝出来ましたけど、このままずっとアイドルを続けられる訳ではないし」

春香「真や雪歩だって、今はアイドルとしてよりも女優として活躍してますし」

春香「・・・なのに、私だけ取り残されている気がして」

律子「女優だって、歌手だって、やろうと思えばやれるじゃない」

春香「いくら考えてみても、女優や歌手になった時の姿が想像できないんです」

律子「だから、引退したいと?」

春香「そうです」


律子「・・・春香は、追いかけたくなる夢を持ってるかしら?」

春香「追いかけたくなる夢、ですか?」

律子「私がアイドルを引退したのは、追いかけたくなる夢があったからよ」

春香「律子さんの夢って、誰かをプロデュースする事でしょうか?」

律子「そうね〜、なんて言えばいいのか分からないけれど」

律子「私の持つ世界観とでも言えばいいのかしら、それを具体的に表現したかったの」

律子「最初は、アイドルなら表現できるって思ってたんだけど、活動しているうちに思った事があるの」


律子「一人のアイドルで表現できる事には限りがある。でもプロデューサーになれば」

律子「私が選んだアイドルたちに、代わりに演じてもらう事が出来る。そうすれば表現の幅が広がるって」

律子「だから私はプロデューサーに転向したの。決して後ろ向きな理由ではなかったわ」

律子「今の春香はどう?」

春香「私にとって追いかけたくなる夢は、アイドルそのものでしたから・・・」

春香「今の私に追いかけたくなる夢は・・・ないですね」


律子「春香、よく聞いてちょうだい。貴方がどんな未来を選んでも、私は干渉しないわ」

律子「けれど次の夢を見つけていないまま、なんとなくうまく行かないから辞める、というのはダメよ」

律子「どんな些細な事でも良いから、まずは必ず追いかけたくなる夢を見つけてちょうだい」

律子「引退するかどうかは、その後からでも決められるから」

春香「分かり・・・ました・・・」

律子「・・・自分では何とも思っていなかった事が、いつの間にか追いかけたくなる夢になる事もあるのよ?」

春香「・・・・・・」








春香「じゃ〜ん、春香さん特製のお菓子を持ってきたよ」

真「やーりぃっ」

雪歩「春香ちゃん貰うね?」

春香「ど〜ぞ」

真「やっぱり春香の作るお菓子って、おいしいよね」サクサク

雪歩「どうやったらこんなに上手に作れるの?」


春香「ん〜、なんででしょう」テヘッ

真「どうせなら、お菓子の料理本とか出しちゃえば良いのに」

雪歩「それいいよ真ちゃん!」

春香「そ、そこまで上手じゃないと思うよ?」

真「いやいやイケるって!」

雪歩「うんうん! プロに負けないくらい上手だって!」

春香「そうかな?」


雪歩「本を出せば印税収入が入るから、そのお金を使ってお店を開いたら、案外人気出ると思うよ」

真「あ〜、意外といけそうだよね」

春香「雪歩、それは大げさだよ・・・」苦笑い

春香「・・・・・・」

<マコトチャン、オチャヲモッテキタヨ

<ユキホ、アリガトウ








春香「お菓子作り、かぁ・・・」

--------------------
---------------
----------
-----


〜〜〜引退会見後、事務所でのお別れ〜〜〜

引退会見を終えた私は、律子さんと一緒に会見会場近くのレストランで遅めの昼食をとった後、

事務所に戻って、みんなとお別れをする事にしました。




小鳥「春香ちゃん、今までお疲れさま」

春香「小鳥さん、今までありがとうございました。たまに遊びに来てもいいですか?」

小鳥「ええ、いいわよ。いつでも待ってるわ」

春香「遊びに来る時には、お菓子を持ってきますよ」

小鳥「あらそう? 楽しみにしてるわ」


真美「はるるんが居なくなるのは」

亜美「寂しいですな〜」

春香「また、遊びに来るから」

真美「その時はいたずらし放題だNE!」

春香「やり過ぎて、律子さんに怒られないようにね?」

亜美「そりゃ鬼軍曹に見つかるのはマズイよ」

律子「鬼軍曹って誰の事かしら?」

亜美「」


<マチナサーイ!!

<ウアー!



美希「春香も歌手になればよかったのに」

春香「・・・ほかにやりたい事を見つけたから」

美希「やりたい事?」

春香「うん。だから、歌手とか女優にはならない」

美希「そうなんだ。ちょっと寂しいかも」

春香「別に会えなくなっちゃう訳じゃないから大丈夫だよ」


みんなとの楽しいおしゃべりをもっとしたかったけれど、

時間が来てしまったようです。





律子「春香、元気でね」

小鳥「春香ちゃん、寂しくなったら何時でも遊びに来てね」

春香「また来ます!」


春香「えっと、アイドルをしていた時は、みんなと楽しい時間を過ごすことが出来ました」

春香「今まで、本当にありがとうございました」ペコリ


パチパチパチパチ


春香「みんな、ばいば〜い」ノシ

後輩たち「「「先輩、お疲れ様でした!!!」」」ノシ







この後、私は大事な待ち合わせがあって・・・





時間には少し余裕がありますが、遅れたりしないように早めの電車に乗ります。







赤い電車に揺られる事、1時間ちょっと。



目的の駅に到着しました。


待ち合わせの場所は小高い丘の上にあって、駅からだと少し歩きますが



時間に余裕があるので歩く事にします。





駅を降りると、そこには閑静な住宅街が広がっていました。



迷ったらどうしよう・・・。





いやいや、ぜったい大丈夫。





今まで、迷いながらもここまで一人で歩いてこれたから。


春香「わぁ〜、サクラが綺麗・・・」





もう、サクラが満開の時期。




途中、高校と中学校の間にある道を通りますが、



太陽に照らされたサクラが、きれいなピンク色の花びらを咲かせています。





花びらの絨毯の上を少しずつ歩いていると、学校の入学式を思い出しますね。



懐かしいな。


住宅街を抜けると、丘への道が待っています。





道を登る途中、後ろを振り返ると海が見えて、海のみなもは



太陽をキラキラ反射させて輝いていました。






あともうちょっとで、目的地に到着します。


歩き始めて30分。到着です。


ちょっと、歩き疲れちゃいました。





到着したのは------





















                ------あの、公園です。




+-------------------------+
l Stage.5 「My Stage」 l
+-------------------------+



プロデューサーさんに約束したように、自分なりにですがアイドルを演じきるが出来ましたが、

IAで優勝した後もプロデューサーさんとまた会えるのか、不安でした。




だって、約束はアイドルを演じきるっていうだけで、会ってくれるという保証はありませんでしたし。





でも、この間プロデューサーさんに会いたいって電話したら、






「あの公園で、待ち合わせしよう」






短い言葉だけれど、ワクワクする返事が来ました。




今まで一緒に居られなくて、ずっと一人っきりで寂しかったです。



ですが、寂しさとは今日でサヨナラできる。





そう信じます。


午後の暖かい日差しが、ベンチに座る私を眠らせようとします。


でも、眠ってはいけません。


プロデューサーさんを見つけられなくなっちゃうかもしれないから。





待ち合わせの場所にプロデューサーさんが現れた時


そばまで歩み寄ってきて来てくれた時




私は、少しだけ泣いていたような気がします。










気付いた時には、私からプロデューサーさんに飛び込んでいました。


春香「プロデューサーさん、私は『アイドル』を演じ切る事が出来ました」ダキッ

P「今まで頑張ったな。偉いぞ?」ナデナデ

春香「そして、ちゃんと後輩たちに『アイドル』をバトンタッチ出来ました!」

春香「だから、今度こそ」

P「おっと、そこから先は俺のセリフだぞ?」

P「春香、俺と二人で一緒に生きていこう」

春香「ハイ!」

P「それと、これは俺の気持ちだ」スッ


プロデューサーさんが差し出した箱の中には、キラキラ輝く小さなリング。



春香「うそ・・・」

P「1年だけ、今までを埋め合わせる為の時間をくれ。そして1年後、結婚してくれないか?」

春香「分かりましたから、もうこれからはずっと、ずっと傍に居て・・・!」ポロポロポロ





祝福してくれるかの様に風がふわっと吹いて。





サクラの花びらが、私たちを包むようにして舞って。









その瞬間は、二人にとって一番大切な、時間(とき)




イメージ画像 - その5



〜〜〜そして、今日〜〜〜

私は、女の子なら誰もがあこがれるはずの結婚式を挙げます。

それも、大好きなプロデューサーさんとです。



<ガチャッ!(チャペルの扉が開く)


<みなさん、新郎新婦の登場です! フラワーシャワー行きますよー!



P「春香、行こうか」

春香「うん、行きましょう///」




イメージ画像 - その6



千早「春香、幸せになってね!」

小鳥「お互いに大事にするのよ〜! そうすればお互い幸せになれるからぁー!」

響「二人で仲良く、幸せをつかむんだぞ〜!!」

貴音「春香、どんな事があっても二人で手を取り合って解決するのですよ!」

やよい「春香さん!! 幸せになってくださーい!!」

律子「プロデューサー! 春香を泣かせたら承知しませんからねぇ!!」

亜美真美「はるるん!! 出産は是非ともウチの病院へ〜!!!」

美希「春香きれいなのー!」

あずさ「あらあら・・・春香ちゃ〜ん! お幸せにね〜!」


P「・・・突然だけど、その、本当に良かったのか? 芸能界から引退しちゃうのは?」

春香「どうしたの急に?」

P「いや、ふと思ったんだ」

春香「ふふっ大丈夫だよ。私が今までの『ステージ』で作ってきた『物語』は、ちゃんと完結したよ?」

春香「アイドルとして輝きながらみんなを笑顔に出来て」

春香「IAで優勝して、『アイドル』を後輩にバトンタッチする事が出来た時------」

春香「------とっても悩んだけれど、次の新しい『物語』をスタートさせることにしたんだ」

P「女優とかの道もあったんじゃないか?」

春香「女優も考えたけど、もっと自分らしく輝くにはって考えて------」


春香「------お菓子作るのが好きだから、お菓子屋さんを始めようって思ったの」

P「それ、人によっては予測できない展開な気もするよ」

春香「あはは、やっぱりそう思う?」

春香「だけど私が探し当てた『ステージ』に立ちたいって思ったから、そういう風に決めたんだ」

春香「私自身が見つけた『ステージ』の方が、女優になった時よりも素敵な人生送れそうだったし」

春香「なんとなくアイドルの延長で女優になったら、道に迷っちゃいそうだったから」

P「そうか・・・なぁ春香」

春香「なぁに?」

P「今度は、一緒の時間を過ごそうな!」

春香「そうだね、一緒の時間を進んで幸せに暮らそうね」ニコッ


律子「春香、写真を撮るわよ?」

春香「かわいく撮ってくださいね」

律子「雪歩と真も並んでー!」

雪歩「待ってくださぁい」

律子「・・・1+1は〜?」

春香、雪歩、真「にー!!」パシャッ


<ハルカチャン、キレイダヨ!

<ボクモ、ウェディングドレスキタイナー

キャッキャッ





千早「プロデューサー」

P「おう千早、つい最近帰国してたんだってな」

千早「おめでとうございます。結婚式に間に合うように帰国しました」

P「そっか、ありがとうな」

千早「春香を幸せにしてあげてくださいね?」

P「任せておけ」


P「しかし、みんなも随分と成長したよなァ」

千早「そうですね。10年くらいしか経ってないはずなのに・・・」

P「元プロデューサーとしては嬉しい限りだよ」

P「・・・なあ千早」

千早「なんでしょう?」

P「海外でも、かなり活躍できたみたいだな? 歌手としても、女優としても」

千早「誰から聞いたんですか?」

P「春香から聞いたよ。イヤー、べた褒めだったよ?」


千早「べた褒めですか。何だか恥ずかしいですね」

P「努力してきた結果だから、恥ずかしがることはないさ」

P「千早、ここで言うのもどうかとは思うが言わせてくれ」

千早「なんですか?」

P「8年前、千早と共に道を歩けなかったのは悪かった。」

千早「全部、過去の話です。いまは前を向いて春香を幸せにしてください」

P「おまけにプロデューサーをしていたら、とか語っておきながら全然違う仕事をしている。これも謝る」

千早「もう、いいですよ。私も昔の事は忘れました」


P「だけどな、8年前に『千早が一番輝くステージを用意する』って言った事は忘れてない」

P「春香と開くお店が軌道に乗ったらスポンサーになって」

P「千早が輝ける『ステージ』を用意するからな」

千早「えっ」

P「プロデューサーという立場から変われども、千早の事を忘れたりはしないぞ?」

千早「プロデューサー、私は誰にも負けない歌手になって待ってますからね!」

P「期待して待ってろ。『ステージ』を用意出来たら千早の歌を披露して、みんなを笑顔にしてくれ」

千早「分かりました!」


春香「ちーはーやーちゃん!」

千早「春香?」

春香「みんなで写真撮ろうよ!」

千早「ええ、いいわよ」

春香「ほら、貴方も!」

P「ん? 俺も?」



<はいじゃあ撮りますよー

一同「「「ハーイ!」」」

<ハイ、チーーーズ

パシャッ










Ending Theme Song - おもいでのはじまり

http://www.youtube.com/watch?v=2ekwxScP7D4


10年前の春、私たちはプロデューサーさんと出会いました。


プロデューサーさんの目の前で派手にコケた事を思い出すと、今でも恥ずかしいです。




その恥ずかしかった事も、プロデューサーさんがヘコんでる時に私たちで励ました事も、

海に行った時の事も、みんなで立ったステージも・・・



全て、大切な思い出です。


10年前、アイドルだった仲間はアイドルを卒業してそれぞれ違う道に進み、バラバラに活動しています。



でもみんな、それぞれが持つ時間という名の『ステージ』上で輝いています。





千早「美希が先月出したCD、オリコンで1位とれたそうじゃない」

美希「でも、千早さんに追いついた気がしないの」

千早「大丈夫よ。寧ろ私が追い抜けれないか心配だわ」





千早ちゃんや美希たちは、魅力的な歌手として。


真「伊織、女優のノウハウを教えて」

伊織「なんでアンタに教えなきゃいけないのよ」

真「いいじゃん、減るもんじゃないんだから」

伊織「一歩間違えれば私の仕事が減るわよ!」

雪歩「伊織ちゃん、落ち着いて!」





真や伊織たちは、素敵な女優として。


亜美真美「兄ちゃ〜ん、はるるんとはヤル事やったの?」

P「ぶっ」

亜美真美「わっ、汚いYO!」

律子「あんた達が変な事言ったからでしょうが!」





律子さんは、人を上手に導けるプロデューサーとして。





みんな、今この瞬間も主役として自分のステージに立ち続けています。


<独身女性の方は是非とも前へ!

<はい、行きますよ〜

<新婦さんどうぞ!





春香「ブーケトスいくよ〜! それっ!」ポイッ




<コレハミキノナノー!!!!

<ジブンダッテマケナイゾ!

<アアッメンヨウナー!!

<クッ!!

<ウッウー!!!




ワーッキャーッ


そして私は・・・



いえ、私とプロデューサーさんは・・・







二人が立つ時間という名の『ステージ』は、10年前とは場所も形も変わってしまいましたが、



手を取り合って、私たちだけが持つ『ステージ』に上がって、これからも輝き続けていきます。



--- E N D ---


編集後記

>>1です。

長い駄文失礼しました。以下補足。

劇の中で春香さんが向かった公園は、神奈川県逗子市にある披露山公園がモデルです。
赤い電車は、品川から東京国際空港や逗子に向かう某私鉄です。「赤い電車」でググれば会社名が出てくるはず。

最後に・・・画像などを勝手に拝借して本当にスミマセン。作者の方に対し頭を丸めてハゲしくお詫びします。
でも、画像などのあまりの出来の良さに使いたくなってしまったんです(見苦しい言い訳)

本編は以上になります。ご清聴ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom