モバP「占いの比重」 (59)

モバマスssです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383455557

P「えーと…ネクタイネクタイはっと」

アナウンサー「今日の占いのコーナーです。十二位は――」

P「げ。最下位か」

P(まぁ、救済がある分十一位よりはマシなのかもしれないけどさ)

P「朝からいきなりあんまり良くないものを観ちゃったな…。ま。気を取り直して今日も頑張るか」

P「ラッキーアイテムは…三色ボールペンか。普段使ってるし問題ないな」

事務所

P「おはようございます」

ちひろ「あ、おはようございます」

P「あ、ちひろさんいらっしゃったんですか」

ちひろ「えぇ、と言ってもほんのちょっと前ですけどね」

P「そうですか」

ちひろ「えぇ、今日も頑張りましょうね」

P「はい。…ん?」

ちひろ「どうかされましたか?」

P「ちひろさんって俺と同じ星座でしたっけ」

ちひろ「はい。確か…」

P「今朝占いでも見ましたか?」

ちひろ「な、なぜそれを…」

P「いえ、ラッキーアイテムが三色ボールペンだったので…」

ちひろ「ということは…」

P「俺も持ってます。と言っても普段から使ってるので特別用意したわけじゃないんですけど」

ちひろ「私もそうですよ。たまたま見ちゃったんで持っておこうかなって。それにどうせだったら、身に着けておく方がいいのかなーって」アハハ

P「なるほど。言われてみれば普段から使ってるやつですね」

ちひろ「はい。でも意外ですね。プロデューサーさんがこういうのを信じるのって」

P「まぁ、結果が『周りの人に迷惑かけちゃうかも』だったですからね。俺自身に災難が降りかかるのは、百歩譲ってもいいですけど他の人に迷惑をかけるのは嫌ですからね」

ちひろ「同感ですねぇ」

P「それに、こういうのを気にしそうな奴がいるんで…」

ガチャ

P「お、おはよう」

朋「あ、P、おはよ」

P「おう」

朋「今日占い見た?」

P「見たよ。ちゃんとラッキーアイテムも持ってるから安心してくれ」

朋「ならいいけど」

P「アイドルの皆に迷惑は掛けられないからな」

朋「そうね。ちなみにあたしの蟹座は一位だったわっ」

P「そうなのか。見てなかったよ」

朋「ここに来るまでに何かいいことがあったわけじゃないから、これから何かいいことがあるに違いないわね」

P「そうだな」

朋「なによ。連れないわね」

P「そんなことないって」

朋「ならいいけど。それじゃ、レッスンに行ってくるわね」

あ、藤居朋SSです。

ちひろ「占い大好きですね朋ちゃん」

P「でも、あれくらいの年齢ってそういうの好きじゃないですか?パワースポットとか」

ちひろ「そうなんですかね?私はそういう経験がなかったんですけど…」

P「ちひろさんがあれくらいの時は何にハマってたんですか?」

ちひろ「え?えーと、数年前の話だから面白みもないと思いますけど」

P「いいですよ」

ちひろ「多分、会計の勉強でもしてたんじゃ…」

P「真面目だったんですね」

ちひろ「今でも真面目ですー」ツーン

P「そうでしたすみません」

ちひろ「しかし、趣味程度の占いで済むといいんですけどね」

P「朋もプロですよ?そこは平気かと」

ちひろ「ですよね」

朋「ただいまー…」

P「お帰り。元気ないな」

朋「いやね、さっきレッスンから帰ってくる時、どっかで鞄引っかけちゃったみたいで…」

ちひろ「あらら。結構大きな傷ですね」

朋「もう最悪…。付いてないなぁ」シュン

P「大切なものだったのか?」

朋「そこまで大事なものじゃないけど、ずっと使ってるからそれなりに愛着がね」

P「そうか…」

朋「そうなんだよね」

P「よし。朋、ちょっと出掛けるか」

朋「え。お仕事あったっけ?」

P「いや、ちょっと私用なんだけどな。あ、無理ならいいけど」

朋「折角Pが誘ってくれたから付いていくけど…」

P「お、そうか。ありがとう」

P「それじゃ、ちひろさん行ってきます」

ちひろ「えぇ、行ってらっしゃい。早く帰ってきて下さいね」

ちひろ(優しいですねぇプロデューサーさんは)

車内

朋「そういえば、どこに行こうとしてるの?」

P「特に考えてないけど…ショッピングモールにでも行こうかと」

朋「え、ちょっと考えてないって、どういうこと?」

P「朋の気分転換になればいいと思ってさ」

朋「あ、そうなんだ。ふーん…なるほど」

P「ちひろさんは多分分かってた思うけど」

朋「…そういやさ、あんたとちひろさんは長いの?」

P「そうだなぁ…いや、二年位じゃないか。事務所来てから初めて会ったし」

朋「そうなんだ」

ショッピングモール

P「さて、えーと…」

朋「何探してるの?」

P「ちょっとな。お、ここにしよう。朋ついてきてくれ」

朋「あ、そう言えば、あたしって変装しなくていいのかな?」

P「平気じゃないか。堂々としてれば。変に変装してるが目立つぞ」

朋「言われてみればそうかも。堂々としようって占いも言ってたし」

P「あれだっけか。今日は一位だったんだっけ?」

朋「そうよっ!ラッキーアイテムは…っ!やっぱりなんでもない」

P「ん?ラッキーアイテムはないのか?」

朋「あ、あるけど言いたくない…かな」

P「そうか。まぁ、確かによく分からないようなものもあるしな」

朋「そうそう。そういう感じ」

P「お。着いた着いた」

朋「…ん?ここって」

P「大したものは買えないけどな。俺も安月給だから」

朋「いいの?」

P「まぁな。朋の落ち込んでる顔なんて見たくないし」

朋「気障ったらしいセリフね」

P「言ってて思ったよ」

朋「まぁ、悪くはないかも…」

朋「あ、ねぇねぇ」

P「ん?どうした決まったか?」

朋「Pは、どれがいいと思う?」

P「俺か?」

朋「うん。何でも占いによるとね、知り合いに決めて貰ったものを身に着けるのが吉らしいのよね」

P「なるほどな。それじゃ、これでどうだ?」

朋「これって前のと同じやつの色違い?」

P「そうそう。ほら、心を入れ替えるには色合いを替えてみたりするのがいいのかなって」

朋「Pも中々分かってきたわね!それにあたしも気に入ったわ」

P「それは良かった」

朋「…でも、いいの?」

P「なにが?」

朋「買って貰っちゃって」

P「いいよ。それで朋の気分が晴れるなら」

朋「…占いってやっぱり当たるカモ」ボソ

P「悪い。なんて言った?」

朋「えっ…。いや、あたしのが見た占いによるとこれからいいことが起きるらしいわっ」

P「それはありがとうな」

事務所

P「お疲れ様です」

朋「ただいま」

ちひろ「あ、お疲れ様です」

P「これ、プリン買ってきたんですけどいかがですか?」

ちひろ「あ、これ有名なお店のじゃないですか。ありがとうございます」

P「どうします。三人分買ってきたんですけど」

ちひろ「そうですね。それじゃ、食べちゃいますか」

朋「そうしよっ」

ちひろ「あ、お願いします。あれ?鞄買ったんですか?」

朋「え、あ、うん。ちょっとね」

ちひろ「そうですか」チラッ

P「なんですか?」

ちひろ「い、いえいえなんでもありませんよ」

ちひろ「それじゃ、お茶でも淹れてきますね」

P「あ、ありがとうございます」

朋「あ、Pちょっと来て」

P「ん?なんだ?」

朋「隣座って」

P「うん。どうした?」

朋「手見せて」

P「手相でも見るのか?別にいいけど…」

朋「よく分かったわね。エスパーかなにか?」

P「本が鞄から見えてるぞ?」

朋「か、勝手に見ないでよ」

P「悪い悪い。手見せてやるから機嫌直してくれ」

朋「…わ」

朋(思ったより大きくて温かい…)

P「なんだその感想は」

朋「い、いや、別になんでもないわよ」

朋「えーと、何を見て欲しいかしら?」

P「朋が本を観なくても分かるやつで」

朋「…む。これでもちゃんと分かるのよ?えーと…」

朋「これがこうだから…。え、そんなことは」

P「なにか言ってくれないと、流石に不安になるんだけど」

P(医者がレントゲン見ながら唸ってる図に似てる…)

朋「分かったわ。手相が言うにはあたしとPの相性は最高ね!」

P「…は?」

朋「だから、相性がいいのよあたしたち」

ちひろ「お茶淹れてきましたよー」

P「あぁ、どうも」

朋「ありがとちひろさん」

ちひろ「いえいえ」

P「それにしても、もっとこう分かり易いのあるだろ?生命線とかさ…」

ちひろ「なんのお話ですか?」

P「あぁ、手相の話ですよ」

ちひろ「あ、手相のお話ですか。金運の線なら分かりますよ」

P「ちひろさんらしいですね…」

ちひろ「らしいってなんですからしいって」

朋「でもらしいよね。あ、これ美味しー」

ちひろ「本当ですね。ありがとうございますプロデューサーさん」

P「いえいえ」

朋「さて、あたしは帰るわ。それじゃあね」

P「一人で帰れるか?」

朋「平気だってば。それじゃ」

P「それじゃあな」

ちひろ「お疲れ様です」

P「そう言えば、俺達十二位でしたけど、結局何も起きませんでしたね」

ちひろ「まぁ、占いって当たるも八卦、当たらぬも八卦ですからね」

P「そうですね。要は気の持ちようですからね」

ちひろ「ですねー」

P「しかし、手相とかタロットとか占いって一杯ありますよね」

ちひろ「そうですね。外歩いていてもたまに駅前とかに占い師の方がいますよね」

P「あぁ、言われてみれば」

ちひろ「昔は血液型占いみたいのも流行りましたね」

P「確かに言われてみればそんな気もします。まぁ、俺は男だったんでそういう話は余りしませんでしたけどね」

ちひろ「まぁ、男の子はそんな話はしてませんでしたね」

翌日

朋「おはようP」

P「お、おはよう。今日も元気だな」

朋「今日も占いで上位にあったからね」

P「なるほどな。そう言えば一つ気になったんだが」

朋「うん、なに?」

P「もし、占いの順位悪かったらどうするんだ?」

朋「その時は…その結果をバネにすればいいのよ」

P「お、そうなのか」

朋「なによ。そんな顔して」

P「いや、占いを盲信してるんじゃないんだなって」

朋「流石にね。それに一つの占いが悪くても、他の占いだといいこともあるから相殺してるわ」

P「なるほどな。色々な考え方があるもんだ」

朋「Pは…あんまり信じてなさそうね」

P「勿論いいことは信じるぞ。昨日の手相もな」

朋「昨日の?」

P「相性いいんだろ?俺と朋は」

朋「え、あ、うん。そう。そうよ。あたしとPは相性抜群らしいわよ!」

P「朋、仕事行くぞ?」

朋「あ、うん。分かったわ。さぁ、運気を持ってくるわよ」

P「そうだな。頑張れ」

車内

朋「そう言えば、Pは何か占いって出来ないの?」

P「急に何を言い出すんだよ」

朋「いや、Pなら何か出来そうな気がして」

P「出来ないな…。強いて言うなら方違えの作法を知ってるくらいだ」

朋「なにそれ?」

P「昔の占いみたいなものかな。いや、ちょっと違うか」

朋「気になるわね」

P「簡単に説明すると、方角の吉凶を占って目的地に行く方向に神様がいると一旦別の方向に行くっていう風習のことだよ」

朋「……うん?」

P「そうだな。なんて言うんだろ。やっぱり神様の居る所通ったら、神様も機嫌を悪くしちゃうだろうから、違う場所に泊まってから行くんだよ」

朋「なんか大変そうね」

P「まぁ、昔の風習だからな。でも、神様がいるんだから罰が当たりそうだし」

朋「ちなみにPはやってるの?」

P「いや?知識として持ってるだけかな」

朋「でも、方角で吉凶を占うんだから風水と少し近いところがあるわね…」

P「言われてみればそうかもな」

朋「ちょっと不安になってきたんだけど…」

P「分かった分かった。それじゃ調べておくから仕事は頑張れな?」

朋「えぇ、分かったわ。仕事運は絶好調なんだから、問題ないわよっ!」

朋「それじゃP行ってくるわね」

P「あぁ、行ってらっしゃい」

P「さてと…どうやってやるんだっけか」

P(えーと、寮の住所があっちだからと…)

朋「お疲れ様。どう?出来た?」

P「あぁ、大体な」

朋「流石あたしのPね。それじゃ事務所に帰って見てましょうよ」

P「そうだな。ちなみに今日の仕事はどうだった?」

朋「運勢も最高のあたしに出来ないことなんてないわ!」

事務所

朋「さてと、どうなってるのかしらね」

P「えーと、これだな。汚い字で悪い」

朋「十分綺麗じゃない」

ちひろ「あ、プロデューサーさんちょっといいですか?」

P「はい?」

ちひろ「テレビ局の方からお電話です」

P「はい。ありがとうございます。お電話代わりました――」

P「――はい。それでは、今から伺わさせて頂きます。はい。それでは失礼します」

ちひろ「お出かけですか?」

P「えぇ、ちょっと話し合いをしてきます。朋もじゃあな」

朋「え、あ、うん。それじゃ」

テレビ局

ディレクター「いや、いつもお世話になってます」

P「いえいえ、こちらこそ」

ディレクター「それじゃ、早速話し合いを始めましょうか」

P「えぇ、そうですね。まず、先程お電話頂いた内容ですが――」

ディレクター「今日はこんな所でしょうね」

P「えぇ、そうですね」

ディレクター「こんな時間まで付き合わせて申し訳ない。どうです?一杯」

P「申し訳ありませんが、他に仕事が…」

ディレクター「そうか。まぁ、どうせ飲むなら企画が上がってからにしましょうか。それじゃお疲れ様」

P「お疲れ様です」

事務所

P「お疲れ様です。あれ?朋は?」

ちひろ「もう帰りましたよ。こんな時間ですし」

P「ちひろさんは?」

ちひろ「私がいなくなったら誰が電話の対応とか、来客に対応するんですか?」

P「確かにそうですね」

ちひろ「私もそろそろ帰りますけど、プロデューサーさんは?」

P「ちょっと資料を纏めようかと」

ちひろ「それだったら、付き合いますよ」

P「え、帰るんじゃ?」

ちひろ「流石に一人じゃ辛いですよね?」

P「まぁ確かに楽ではないですけど…」

ちひろ「二人でさっさと終わらせちゃいましょう」

P「ありがとうございます」

ちひろ「いえいえー。プリンのお礼です♪」

ちひろ「これで終わりですね。んーやっぱり、気持ちいいですね。整理が出来てると」

P「助かりました」

ちひろ「いえいえ。お気になさらず。それじゃ帰りましょうか」

P「送っていきますよ。いえ、送らせて下さい」

ちひろ「あ、本当ですか?それじゃ、お願いします」



ちひろ「それじゃ、お疲れ様でした」

P「はい。それではまた明日」

ちひろ「はい。明日も頑張りましょうね」

P「さてと、俺も寝るか――」

ピリリリリ

P「ん?はい。どちら様でしょうか」

朋「あ、あの、藤居ですけど…」

P「あ、朋か。どうした?」

朋「いや、えっとさ、ちょっと聞きたいことがあって」

P「ん?どうした?」

朋「Pの家って事務所と寮の間にある?」


P「いや、ないぞ? それがどうした?」

朋「…あのさ」

P「うん」

朋「今日だけ泊めてくれない?」

P「…は?」

朋「いや、ふざけてないってば。その…あれから気になって方違えを調べたんだけど、ちょっと不安になっちゃってさ」

P「方角が被ってたか?」

朋「…うん」

P(まぁ、言い出した俺のせいでもあるのか…)

P「余り綺麗じゃないけどそれでいいなら」

朋「ホント?良かった」

P「それじゃ、もう時間も時間だし迎えに行くな」

朋「うん。ありがと」

車内

P(今日はどこで寝ればいいんだろうな…)

朋「あ、ありがとP」

P「まぁ、俺のせいでもあるしな」

朋「その…ごめん」

P「別にいいって。それじゃ行くぞ」

朋「うん」

Pの部屋

朋「意外に広いね。本当に一人暮らし?」

P「あぁ、毎日を過ごす所だからちょっといいとこにしてみた」

朋「なるほどね」

P「夜は食べたか?」

朋「うん。食べてきた。あ、お風呂も入ってきたから」

P「そうか」

朋「残念だったねP」

P「いや、別にそこまで…」

朋「…むぅ。そこは残念がってよね」ツーン

P「悪い悪い」

朋「あ、でも、あたし胸ないし見ても面白くないかも…」

P「そんなことはないと思うけどな。魅力的だと思うぞ」

朋「え、あ、うん。Pが言うならそうかもね」ポッ

P「それじゃ、おやすみ」

朋「ってPはどこ行くの?」

P「台所で寝ようかなって。布団あるし、ベット使っていいよ」

朋「そんな、悪いって」

P「アイドルを床に寝させられないからな。それじゃおやすみ」

朋「うん…おやすみ。ありがと」

朋(お、落ち着かない…)

朋(これ、いつもPが寝てる布団だよね…?)

朋(あー、だめ。意識しちゃうと目が覚めちゃう)ドキドキ

朋「魅力的か…。えへへ」

朋「…喉渇いちゃった。台所にでも行けばお水あるよね?」

台所

P「…朋か?」

朋「あ、ごめん。起こしちゃった?」

P「いや、そんなことはないよ」

朋「ならいいんだけどさ…」

P「どうかしたのか?」

朋「ちょっと眠れなくなっちゃって。お水貰ってもいい?」

P「ほら」

朋「ありがと。…ぷはっ」

P「そんなに喉渇いてたのか」

朋「そこまでじゃないんだけどね」

朋「…ねぇP?」

P「なんだ?」

朋「もし良かったらなんだけどさ、ちょっと話に付き合ってくれない?」

P「いいけど」

朋「良かった」

朋「なんだか近いわね」

P「狭いからな」

朋「まぁ、台所だからそうだよね」

P「それで話ってなんだ?」

朋「あたしが占いを好きになったきっかけかな」

P「きっかけ?」

朋「正直さ、あたしってあんまり運が良くなくてさ」

P「そうなのか」

朋「うん。ものを落としたり、よく転んだりしてたんだ」

P「そうなのか」

朋「いや、別に運動神経がなかったわけじゃなかったんだけどね」

朋「だから何か変わるきっかけが欲しかったの」

P「それが占いだったのか」

朋「そうだね。たまたまテレビでやってたラッキーアイテムを持っていったらいいことがあったから」

朋「今思うと単純だね」

P「そんなもんじゃないか?」

朋「うん。そうかも。それでね。それからちょっとずつ何かを決める度に占いの力を借りるようになったんだ」

P「まぁ、そう言う気持ちになるのも頷けるな」

朋「借りるって言うより、背中を押して貰いたかったんだよね」

P「なるほどな」

朋「ちなみに占いって凄いって一番思った瞬間っていつだか分かる?」

P「さぁ?運動会で一位になったとか?」


朋「違うわ。その…Pにスカウトされたことよ」

P「そうなのか」

朋「…なんか随分と反応が薄いわねP。もしかして本気にしてない?」

P「いや、そのなんだ。薄暗いから見えないだけで結構顔赤いと思うぞ」

朋「そう? そんなPの顔が見れなくて残念だわ」

朋(あたしの顔も赤いだろうけど)

朋「それでね。アイドルのお仕事を始めたわけなんだけどね」

朋「勿論、そんなに楽なことばっかりじゃなかったけどね」

P「でも、よくやってるよ」

朋「そう?ありがと」

朋「あ、それでね。勿論、大変なんだけど、Pと出会ってから楽しいことばっかりなんだよね」

朋「やっぱり、あれかしら、Pとの相性がいいからかしらね?」

P「手相にも出てるんだし、そうかもしれないな」

朋「やっぱりPもそう思う? …ちょっと嬉しいわ」

朋「でもね…」

P「うん?」

朋「今言ったことを否定するわけじゃないんだけどさ、ただ占いで相性がいいだけでここまでの結果は出てないと思わない?」

P「確かにな。占いを馬鹿にする気はないが、実際朋は頑張って今の位置まで来たわけだし」

朋「あ、うん。でも、そういう訳じゃなくてさ」

朋「い、今の私って、結局Pがお仕事取ってきてくれなかったら無かったわけでしょ?」

朋「そう考えるとね、占い以上に相性がいいんじゃないかなって…。正直Pがいなくなったら今のままでいられるとは思えないし…」

P「そこまで言って貰えると嬉しいな」

朋「ま、まぁ、こんな時くらいしか言えないし…」

朋「占いと一緒であたしの背中を押してくれる。Pの言葉にはそんな力があるのよ」

朋「もし、占いがダメだったとしても、あんたが行けるって言ってくれたら平気。そんな気がするわ」

P「朋…」

朋「……」

P「……」

朋(さ、流石に沈黙は気まずいわね…)

朋「さっ、それじゃ、あたしは寝るわ。おやすみ!」

P「あぁ、おやすみ」

翌日

朋「……ん」

朋「どこだっけここ…」

朋(あぁ、そう言えばPの部屋に泊めて貰ったんだっけ?)

朋「ってまだ六時なのね。もう一回寝ようっと…」

P「なんだ、起きたか。おはよう」

朋「え、あ…P」ササッ

P「どうかしたか?」

朋「い、いや、寝起きの顔は見られたくなくてね…」

P「そうか悪いな。向こうにいるから準備出来たら来てくれ」

朋「…うん」

朋(一体Pは何時に起きてるのよ…)

リビング

朋「おはよP」

P「おはよう。簡単なものしか用意出来なかったけど勘弁してくれな」

朋「勿論よ。いきなり押しかけちゃったわけだし」

朋「って意外にしっかりしてるじゃない。和食なんて」

P「俺は、いつご飯食べれるか分からないからさ、朝をちゃんと食べておくんだよ」

朋「なるほどね」

P「食べれなかったら遠慮なく残してくれていいからな」

朋「分かったわ」

P「お、そういや、そろそろか」

朋「うん?あ、今日の占いのコーナーね」

P「朋の星座が上位だといいな」

朋「そうね。流石に連日上位ではないとは思うけど」

アナウンサー「それでは第一位は――」

アナウンサー「第六位蟹座のあなたです」

朋「なんとも言えない順位ね…」

P「まぁ、真ん中だよな」

アナウンサー「今日は何かと忘れ物が多い一日。周りの人に確認して貰ってから外出しましょう」

朋「そういうことだからP、お願いね」

P「忘れ物も何も、荷物持ってきてないだろ」

朋「まぁ、そうだけど…」



朋「えーと、忘れ物ないよねP?」

P「パッと見なさそうだけどな」

朋「それじゃ行こっ!」

車内

朋「しかし、朝出るの早いね」

P「だって朋達が来た時に居なかったら悪いだろ?」

朋「まぁ…確かにそうかもしれないけど」

P「たまにちひろさんも来てるからな」

朋「凄いわね」

朋「ねぇP」

P「なんだ?」

朋「アイドルって基本的にクリスマスとかは仕事よね?」

P「そうだな。逆にそこで仕事がなかったら辛い」

朋「そうよね」

P「どうかしたのか?」

朋「あたし達が仕事ってことはPも当然仕事なのよね」

P「まぁ、そうだよな」

朋「それだったら、クリスマスはPと一緒に過ごすのね」

P「そうとも言えるな」

朋「そっか…そうなんだ…ふふっ」

朋「そう言えば、方違えは何とかなったわね」

P「そりゃ、違う方角から来てるからな」

朋「これであたしの運気は昇っていくこと間違いなしねっ!」

P「そうかもな」

朋「あたしが頑張ってる間は、あんたはあたしだけのことを考えるの。いい?」

P「分かったよ」

朋「あ、えーと、変な風に捉えないでよ?」

朋「Pにはまだまだ、あたしの背中を押して貰わなきゃ困るんだから!」ニコッ

終わりです。
ありがとうございました。

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